JP3210727B2 - オレフィン類重合用触媒及び重合方法 - Google Patents
オレフィン類重合用触媒及び重合方法Info
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Description
し、かつ立体規則性に優れたポリオレフィンを高収率で
得られるオレフィン類重合用触媒と、該触媒の存在下に
おけるオレフィン類の重合方法に関する。
物及び電子供与性化合物を必須成分とするオレフィン類
重合用固体触媒成分及び該固体触媒成分と有機アルミニ
ウム化合物、ケイ素化合物等の第三成分としての電子供
与性化合物とからなるオレフィン類重合用触媒の存在下
に、オレフィンを重合もしくは共重合させるオレフィン
の重合方法は数多くの提案がなされて既知である。
3−3010号においては、ジアルコキシマグネシウ
ム、芳香族ジカルボン酸ジエステル、芳香族炭化水素及
びチタンハロゲン化物を接触して得られた生成物を、粉
末状態で加熱処理することにより調製した固体触媒成分
と、有機アルミニウム化合物及び有機ケイ素化合物より
なるオレフィン類重合用触媒が提案され、その実施例に
おいて該触媒の存在下でのオレフィンの重合方法が例示
されている。
ては、金属マグネシウム粉末と、アルキルモノハロゲン
化物とをヨウ素の存在下に反応させることによって得ら
れたマグネシウム化合物と、テトラアルコキシチタン、
脂肪族炭化水素及び脂肪族アルコールとの混合溶液中
に、四塩化チタンを加えて固体物質を析出させ、フタル
酸ジエステルを添加して得た固体生成物に芳香族炭化水
素の存在下に四塩化チタンを接触させることにより調製
した固体触媒成分と、有機アルミニウム化合物及びケイ
素化合物とからなるオレフィン類重合用触媒が提案さ
れ、該触媒の存在下でのオレフィンの重合方法が例示さ
れている。
は、ジエトキシマグネシウムとアルキルベンゼンとで形
成された懸濁液に、四塩化チタンを接触させ、次いでケ
イ素化合物及びフタル酸ジクロライドを加えて反応させ
ることによって固体生成物を得、該固体生成物をアルキ
ルベンゼンで洗浄した後、更にアルキルベンゼンの存在
下で四塩化チタンと接触反応させることによって調製さ
れた固体触媒成分と、有機アルミニウム化合物及び有機
ケイ素化合物とからなるオレフィン類重合用触媒が提案
され、該触媒の存在下でのオレフィンの重合方法が例示
されている。
の目的が生成重合体中に残留する塩素やチタン等の触媒
残渣を除去する所謂脱灰工程を省略し得る程の高活性を
有する触媒成分の開発に端を発し、併せて立体規則性重
合体の収率の向上や、重合時の触媒活性の持続性を高め
ることに注力したものであり、それぞれ優れた成果を上
げている。
有機アルミニウム化合物及び第三成分としてのケイ素化
合物等に代表される電子供与性化合物とからなるオレフ
ィン類重合用触媒を用いた重合反応によって得られた重
合体は、旧来の三塩化チタン型触媒成分を有機アルミニ
ウム化合物及び必要に応じて用いられる第三成分である
電子供与性化合物と組合せたオレフィン類重合用触媒を
用いた重合反応によって得られた重合体に比較して、分
子量分布が狭いことが指摘され、それに起因して最終製
品であるポリオレフィンの成形性を損なうなどその用途
がある程度制限されるという課題が残されていた。
例えば多段式重合方法を採り入れることにより、分子量
分布の広い重合体を得るなど、種々の工夫が試みられて
いる。然し乍ら多段式重合方法は煩雑な重合操作を重複
して実施したり、重合時に用いるキレート剤の回収処理
など、コスト面を含めて好ましくないものであった。
マグネシウム、チタン、ハロゲン及び電子供与体を必須
成分として含有する固体チタン触媒成分と、有機アルミ
ニウム化合物及び少なくとも二種以上の電子供与体(有
機ケイ素化合物)とから形成されるオレフィン類重合用
触媒の存在下に、オレフィンを重合させる方法が提案さ
れている。
法は省略され、目的とする分子量分布の広い重合体が得
られるとされているが、二種以上の有機ケイ素化合物を
重合時の電子供与体として使用することが必須の要件と
なるなど、処理操作の煩雑さにおいて、一層の改善が望
まれていた。
的である高い重合活性と立体規則性重合体の収率を維持
しつつ、かつ広い分子量分布を有する重合体が得られる
オレフィン類の重合方法を開発すべく種々検討した結
果、オレフィン類重合用触媒成分に新規な方法で調製さ
れた固体触媒成分と特定の有機ケイ素化合物を用いるこ
とによって斯かる課題を解決し得るとの知見を得、本発
明を完成するに至った。
(a)ジアルコキシマグネシウムと(b)常温で液体の
芳香族炭化水素とで形成される懸濁液に、(c)四塩化
チタンを接触させ、次いで90℃以下で(d)フタル酸
ジエチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジブチル及びフ
タル酸ジプロピルから選ばれる炭素数4以下のアルキル
基を有するフタル酸ジエステルを加えた後昇温し、90
〜110℃の温度域で(e)フタル酸ジイソオクチル、
フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジイソペンチル、フタ
ル酸ジ−n−オクチル及びフタル酸ジイソへプチルから
選ばれる炭素数5以上のアルキル基を有するフタル酸ジ
アルキルを加え、更に昇温して90〜130℃の温度域
で反応させることによって生成された組成物を、芳香族
炭化水素で洗浄した後、再び(b)常温で液体の芳香族
炭化水素の存在下に、(c)四塩化チタンを加えて80
〜130℃の温度域で反応させることによって得られる
固体触媒成分 (B)有機アルミニウム化合物及び (C)一般式Si(C6H11)2(OR)2(式中C6H11
はシクロヘキシル基、Rは炭素数1〜5のアルキル基で
ある。)で表わされる有機ケイ素化合物よりなることを
特徴とするオレフィン類重合用触媒と、該触媒の存在下
にオレフィンの重合を行なうことを特徴とするオレフィ
ン類重合方法を提供するものである。
キシマグネシウム(以下単に(a)物質ということがあ
る。)としては、ジエトキシマグネシウム、ジ−n−ブ
トキシマグネシウム、ジフエノキシマグネシウム、ジ−
n−プロポキシマグネシウム、ジ−sec−ブトキシマ
グネシウム、ジ−tert−ブトキシマグネシウム、ジ
イソプロポキシマグネシウム等があげられるが、中でも
ジエトキシマグネシウムが好ましい。
体の芳香族炭化水素(以下単に(b)物質ということが
ある。)としてはベンゼン、トルエン、キシレン、エチ
ルベンゼン、プロピルベンゼン、トリメチルベンゼン等
があげられる。
以下のアルキル基を有するフタル酸ジエステル(以下単
に(d)物質ということがある。)としてはフタル酸ジ
エチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジブチル及びフタ
ル酸ジプロピル等があげられる。また、(e)炭素数5
以上のアルキル基を有するフタル酸ジエステル(以下単
に(e)物質ということがある。)としてはフタル酸ジ
イソオクチル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジイソ
ペンチル、フタル酸ジ−n−オクチル及びフタル酸ジイ
ソへプチル等があげられる。
記(B)の有機アルミニウム化合物としてはトリアルキ
ルアルミニウム、ジアルキルアルミニウムハライド、ア
ルキルアルミニウムジハライド及びこれらの混合物があ
げられる。
(C)一般式Si(C6H11)2(OR)2(式中C6H11
はシクロヘキシル基、Rは炭素数1〜5のアルキル基で
ある。)で表わされる有機ケイ素化合物としてはジシク
ロヘキシルジメトキシシラン、ジシクロヘキシルジエト
キシシラン、ジシクロヘキシルジプロポキシシラン、ジ
シクロヘキシルジブトキシシラン等があげられる。
製方法について説明する。
(b)物質とは懸濁液を形成し得る範囲であれば任意の
割合で用いられ、(c)四塩化チタン(以下単に(c)
物質ということがある)は、(a)物質1.0gに対し
0.1g以上、好ましくは1.0g以上適宜の範囲で選
択される。また、(d)物質は(a)物質1.0gに対
し、0.05g〜0.5g、好ましくは0.05〜0.
3gの範囲で用いられ、(e)物質は(a)物質1.0
gに対し、0.1〜1.0g、好ましくは0.1〜0.
5gの範囲で用いられる。
形成は、通常室温ないし(b)物質の沸点以下の温度で
100時間以下、好ましくは10時間以下攪拌し乍ら行
われる。尚、この際該懸濁液が均一な溶液にならないよ
う配慮することが必要である。
付近、好ましくは5〜20℃の温度域で行われる。また
(d)物質は通常40〜90℃の温度域で添加され、そ
の後昇温し、90〜110℃の温度域で(e)物質が添
加される。その後、さらに昇温して90〜130℃の温
度域において10分〜10時間攪拌しつつ反応させる。
化水素で洗浄するが、該芳香族炭化水素は前記(b)物
質と同一であっても異っていても差支えない。
の存在下、(c)物質を加え、80〜130℃の温度域
で10分〜10時間攪拌しつつ反応させることによって
固体触媒成分(A)が調製される。
n−ヘプタン等の不活性有機溶媒で充分に洗浄すること
も好ましい態様の一つである。
分が充分に接触し得る方法であれば特に制限はないが、
通常攪拌機を具備した容器を用いて攪拌し乍ら行なわれ
る。また、四塩化チタンは予め前記芳香族炭化水素等で
希釈した状態で用いると取扱いが容易となる。さらにこ
れら一連の操作はアルゴン、窒素等の不活性ガス雰囲気
中で行なわれる。
は、そのままの状態ないしは減圧乾燥等によって、粉末
状にして、オレフィン類の重合用触媒に供される。
(A)は、有機アルミニウム化合物(B)及び一般式S
i(C6H11)2(OR)2(式中C6H11はシクロヘキシ
ル基、Rは炭素数1〜5のアルキル基である。)で表わ
される有機ケイ素化合物(C)と組合せて本発明のオレ
フィン類重合用触媒を形成する。
(B)は固体触媒成分(A)中のチタン原子の、モル当
りモル比で5〜1000、前記有機ケイ素化合物(C)
は該有機アルミニウム化合物のモル当りモル比で0.0
02〜0.5の範囲で用いられる。
下でも行なうことができ、またオレフィン単量体は気体
および液体のいずれの状態でも用いることができる。重
合温度は200℃以下好ましくは100℃以下であり、
重合圧力は100Kg/cm2・G以下、好ましくは5
0Kg/cm2・G以下である。
れるオレフィン類はエチレン、プロピレン、1−ブテ
ン、4−メチル−1−ペンテン等である。
レフィンの重合を行なった場合、得られた重合体は、後
述する実施例及び比較例からも明らかなように、従来公
知の方法によって得られたものと比較し、広い分子量分
布を有することが確認され、しかも触媒成分当りの重合
活性や立体規則性重合体の収率においても優れた性能を
示している。この事実は本発明の触媒及び該触媒を用い
る重合方法に起因する作用の顕れと見做される。
より更に具体的に説明する。
0mlの丸底フラスコにジエトキシマグネシウム10g
およびトルエン80mlを装入して懸濁状態とした。次
いで該懸濁液にTiCl4 20mlを加えて徐々に昇温
し、60℃に達した時点でフタル酸ジエチル1.0ml
を加え、徐々に昇温して110℃に達した時点でフタル
酸ジイソオクチル2.5mlを加え、さらに昇温して1
12℃とする。なお、この昇温の間に約1.5時間を要
した。その後112℃の温度を保持した状態で1.5時
間反応させた。反応終了後90℃のトルエン100ml
で2回洗浄し、新たにTiCl4 20mlおよびトルエ
ン80mlを加え100℃に昇温して2時間撹拌しなが
ら反応させた。反応終了後、40℃のn−ヘプタン10
0mlで10回洗浄して固体触媒成分とした。なお、こ
の固体触媒成分中の固液を分離して固体分のチタン含有
率を測定したところ3.05重量%であった。
付オートクレーブに、トリエチルアルミニウム1.32
mmol、ジシクロヘキシルジメトキシシラン0.13
mmolおよび前記固体触媒成分をTi原子として0.
0066mmol装入し、重合用触媒を形成した。その
後水素ガス1.8l、液化プロピレン1.4lを装入
し、70℃で30分間重合反応を行なった。重合反応終
了後、生成した重合体の重量を(A)とする。またこの
ものを沸騰n−ヘプタンで6時間抽出してn−ヘプタン
に不溶解の重合体を得、このものの重量を(B)とす
る。
(C)を以下の式で表わす。
式で表す。
分布を(F)で表わし、得られた結果を第1表に示す。
℃、フタル酸ジイソオクチル添加量を3.0mlにした
以外は実施例1と同様にして実験を行なった。この際の
固体触媒成分中のチタン含有率は3.29重量%であっ
た。得られた結果は第1表に示す通りである。
3.0mlにした以外は、実施例1と同様にして実験を
行なった。この際の固体触媒成分中のチタン含有率は
3.02重量%であった。得られた結果は第1表に示す
通りである。
0mlの丸底フラスコにジエトキシマグネシウム10g
およびトルエン80mlを装入して懸濁状態とし、つい
でこの懸濁液にTiCl4 20mlを加え90℃に昇温
してフタル酸ジn−ブチル2.7mlを加え、さらに1
15℃に昇温して2時間攪拌しながら反応させた。反応
終了後90℃のトルエン100mlで2回洗浄し、新た
にTiCl4 20mlおよびトルエン80mlを加えて
115℃に昇温して2時間攪拌しながら反応させた。反
応終了後、40℃のn−ヘプタン100mlで10回洗
浄して触媒成分とした。なお、この該触媒成分中の固液
を分離して固体分のチタン含有率を測定したところ2.
61重量%であった。
トリエトキシシランを用いた以外は実施例1と同様に行
なった。得られた結果は第1表に示す通りである。
シランに代えてシクロヘキシルメチルジメトキシシラン
を用い、重合時に装入する水素ガス量を3.0lとした
以外は実施例1と同様に実験を行なった。得られた結果
は第1表に示す通りである。
れた重合体の分子量分布は、従来公知の方法によって得
られた重合体の分子量分布と比較し、明らかに向上して
おり、ポリオレフィンとして幅広い用途に適応できる。
性重合体の収率も高度に維持されているために、工業的
実用性も極めて高いものとして期待できる。
を重合する方法において、多段重合方法や重合時に二種
以上の有機ケイ素化合物を用いる方法を採らず、新規な
調製方法によって得られた固体触媒成分と、特殊な有機
ケイ素化合物とで形成される触媒及び該触媒を用いる重
合方法によって斯かる効果を奏したところに本発明の特
色がある。
である。
Claims (2)
- 【請求項1】 (A)(a)ジアルコキシマグネシウム
と(b)常温で液体の芳香族炭化水素とで形成される懸
濁液に、(c)四塩化チタンを接触させ、次いで90℃
以下で(d)フタル酸ジエチル、フタル酸ジメチル、フ
タル酸ジブチル及びフタル酸ジプロピルから選ばれる炭
素数4以下のアルキル基を有するフタル酸ジエステルを
加えた後昇温し、90〜110℃の温度域で(e)フタ
ル酸ジイソオクチル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸
ジイソペンチル、フタル酸ジ−n−オクチル及びフタル
酸ジイソへプチルから選ばれる炭素数5以上のアルキル
基を有するフタル酸ジエステルを加え、更に昇温して9
0〜130℃の温度域で反応させることによって生成さ
れた組成物を、芳香族炭化水素で洗浄した後、再び
(b)常温で液体の芳香族炭化水素の存在下に、(c)
四塩化チタンを加えて80〜130℃の温度域で反応さ
せることによって得られる固体触媒成分 (B)有機アルミニウム化合物及び (C)一般式Si(C6H11)2(OR)2(式中C6H11
はシクロヘキシル基、Rは炭素数1〜5のアルキル基で
ある。)で表わされる有機ケイ素化合物よりなることを
特徴とするオレフィン類重合用触媒。 - 【請求項2】 (A)(a)ジアルコキシマグネシウム
と(b)常温で液体の芳香族炭化水素とで形成される懸
濁液に、(c)四塩化チタンを接触させ、次いで90℃
以下で(d)フタル酸ジエチル、フタル酸ジメチル、フ
タル酸ジブチル及びフタル酸ジプロピルから選ばれる炭
素数4以下のアルキル基を有するフタル酸ジエステルを
加えた後昇温し、90〜110℃の温度域で(e)フタ
ル酸ジイソオクチル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸
ジイソペンチル、フタル酸ジ−n−オクチル及びフタル
酸ジイソへプチルから選ばれる炭素数5以上のアルキル
基を有するフタル酸ジエステルを加え、更に昇温して9
0〜130℃の温度域で反応させることによって生成さ
れた組成物を、芳香族炭化水素で洗浄した後、再び
(b)常温で液体の芳香族炭化水素の存在下に、(c)
四塩化チタンを加えて80〜130℃の温度域で反応さ
せることによって得られる固体触媒成分 (B)有機アルミニウム化合物及び (C)一般式Si(C6H11)2(OR)2 (式中C6H11
はシクロヘキシル基、Rは炭素数1〜5のアルキル基で
ある。)で表わされる有機ケイ素化合物よりなる触媒の
存在下にオレフィンを重合させることを特徴とするオレ
フィン類重合方法。
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- 1992-04-28 JP JP13449392A patent/JP3210727B2/ja not_active Expired - Fee Related
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