JP5143472B2 - オレフィン類重合用触媒及びこれを用いたオレフィン類重合体の製造方法 - Google Patents

オレフィン類重合用触媒及びこれを用いたオレフィン類重合体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ポリマーの立体規則性及び収率を高度に維持でき、かつ水素の少量添加で
高メルトフローレートのものを得る効果、いわゆる水素レスポンスの良好であるオレフィン類の重合用触媒及びこれを使用するオレフィン類の重合体の製造方法に関するものである。
従来、プロピレンなどのオレフィン類の重合においては、マグネシウム、チタン、電
子供与性化合物およびハロゲンを必須成分として含有する固体触媒成分が知られている。また該固体触媒成分、有機アルミニウム化合物および有機ケイ素化合物からなるオレフィン類重合用触媒の存在下に、オレフィン類を重合もしくは共重合させる方法が数多く提案されている。たとえば、特許文献1(特開昭57−63310号公報)並びに特許文献2(特開昭57−63311公報)においては、マグネシウム化合物、チタン化合物およびSi−O−C結合を有する有機ケイ素化合物との組み合わせからなる触媒を用いて、特に炭素数3以上のオレフィン類を重合させる方法が提案されている。しかしながら、これらの方法は、高立体規則性重合体を高収率で得るには、必ずしも充分に満足したものではなく、より一層の改善が望まれていた。
ところで、上記のような触媒を用いて得られるポリマーは、自動車あるいは家電製品などの成型品の他、容器やフィルム等種々の用途に利用されている。これらは、重合により生成したポリマーパウダーを溶融し、各種の成型機により成型されるが、特に射出成型でかつ大型の成型品を製造する際に、溶融ポリマーの流動性(メルトフローレート、MFR)が高いことが要求される。特に自動車材料向けの高機能性ブロック共重合体のコスト低減のために共重合反応器内で、オレフィン系熱可塑性エラストマー(以下、「TPO」という。)生産に必要なだけの共重合体を生産し、製造後に新たに別途合成した共重合体を添加することなく直接重合反応器内でTPOを作り上げる方法、すなわち、当業界で言う「直重」によるリアクターメイドTPOの生産においては、最終製品のメルトフローレートを充分に大きく保ち、射出成型しやすくするため、ホモ重合段階でのメルトフローレートは200以上の値を求められる。そのためポリマーの高い立体規則性を維持しながらメルトフローレートを上げるべく多くの研究がなされている。
メルトフローレートは、ポリマーの分子量に大きく依存する。当業界においてはプロピレンの重合に際し、生成ポリマーの分子量調節剤として水素を添加することが一般に行われている。このとき低分子量のポリマー、即ち高メルトフローレートを製造する場合、通常多くの水素を添加する必要があるが、バルク重合装置においてはリアクターの耐圧にその安全性から限界があり、添加し得る水素量に制限がある。また、気相重合の場合、多くの水素を添加するためには重合するモノマーの分圧をさげざるを得ず、結果として生産性が低下することになる。また水素を多量に使用することは製造コストが上昇するという問題も生ずる。この問題を解決するために特許文献3(WO2004−16662号公報)では、Si(OR(NR)で表わされる化合物をオレフィン類の重合の触媒成分として用いることによって高メルトフローレートで、且つ、高い立体規則性のポリマーが製造されることが開示されており、それなりの効果を挙げている。しかしながら、上述したような直重によるTPOの製造の問題を根本的に解決するには充分ではなく、さらなる改善が望まれていた。
特開昭 57−63310号公報(特許請求の範囲) 特開昭 57−63311号公報(特許請求の範囲) WO2004−16662号公報(特許請求の範囲)
従って、本発明の目的は、ポリマーの立体規則性及び収率を高度に維持でき、かつ水素の少量添加で高メルトフローレートのものを得る効果、いわゆる水素レスポンスの良好なオレフィン類の重合用触媒及びこれを使用するオレフィンの重合体の製造方法を提供することにある。
かかる実情において、本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、従来の工業的なオレフィン重合用触媒成分では複数のSi−OR結合を有する有機ケイ素化合物が必須であること、意外にも活性水素を有する二級アミノ基を含有する珪素化合物の場合、従来知られているように同一分子内にSi−OR結合を有するか否かに関わらず、有用なオレフィン重合用触媒成分となること、上記一般式(1)で表されるアミノシラン化合物はオレフィン類重合用触媒としての用途としては、これまで知られていなかったこと、当該アミノシラン化合物を有効成分として含有するオレフィン類重合用触媒が、ポリマーの立体規則性及び収率を高度に維持でき、かつ水素レスポンスが良好であること、また、従来、オレフィン重合用の電子供与化合物として知られているピペリジンや2,2,6,6−テトラメチルピペリジンなどの環式アミン化合物には、特有の臭気があり工業的には使用できなかったが、当該アミノシラン化合物を使用するとアミノ基によるポリマーの着臭もないことなどを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、(A)マグネシウム、チタン、ハロゲンおよび電子供与性化合物を含有する固体触媒成分、(B)下記一般式(2);R AlQ 3−p (2)
(式中、R は炭素数1〜4のアルキル基を示し、Qは水素原子あるいはハロゲン原子を示し、pは0<p≦3の実数である。)で表される有機アルミニウム化合物および
(C)下記一般式(1);(RN)(RHN)SiR(1)
(式中、R、Rは水素原子、炭素数1〜20の直鎖または分岐状アルキル基、置換または未置換のシクロアルキル基、ビニル基、アリル基、アラルキル基、トリアルキルシリル基、トリアリルシリル基、トリアラルキルシリル基であり、ヘテロ原子を含んでいてもよく、同一でも異なってもよく、互いに結合して環状を形成してもよく、Rは炭素数1〜20の直鎖または分岐状アルキル基、置換または未置換のシクロアルキル基、ビニル基、アリル基またはアラルキル基であり、R は二級アミノ基であり、R はトリアルキルシリル基、トリアリルシリル基、トリアラルキルシリル基またはNR(式中、R、Rは同一でも異なってもよく、水素原子、炭素数1〜20の直鎖または分岐状アルキル基、置換または未置換のシクロアルキル基、ビニル基、アリル基、アラルキル基、トリアルキルシリル基、トリアリルシリル基またはトリアラルキルシリル基である。)であり、R とRおよびRとRは互いに結合して環状を形成してもよく、且つRがNR以外の基の場合、R及びRの中、少なくとも1つはトリアルキルシリル基、トリアリルシリル基またはトリアラルキルシリル基であり、RがNRの場合、R、R、R及びRの中、少なくとも1つはトリアルキルシリル基、トリアリルシリル基またはトリアラルキルシリル基である。)で表される化合物を有効成分とするオレフィン類重合用触媒を提供するものである。
また、本発明は、前記オレフィン類重合用触媒の存在下にオレフィン類の重合を行なうことを特徴とするオレフィン類重合体の製造方法を提供するものである。
本発明のオレフィン類重合用触媒は、従来の触媒よりもポリマーの立体規則性及び収率を高度に維持でき、かつ水素の少量添加で高メルトフローレートのものを得る効果(以後単に「水素レスポンス」ということがある)が得られる。従って、重合に際して用いる水素量を削減できることや触媒の活性が高いなどの機能により、汎用ポリオレフィンを低コストで提供し得ると共に、高機能性を有するオレフィン類の重合体の製造において有用性が期待される。
本発明のオレフィン類重合用触媒は、上記一般式(1)で表されるアミノシラン化合物を有効成分とする。すなわち、当該アミノシランは、オレフィン類重合用触媒の構成要素である固体触媒成分の電子供与性化合物(内部ドナー)及びオレフィン類重合用触媒の電子供与性化合物(外部ドナー)として使用することができる。このうち、オレフィン類重合用触媒の電子供与性化合物(外部ドナー)として用いると、本発明の効果が特に顕著に表れる。
このアミノシラン化合物は少なくとも2つのN原子と炭素原子または水素原子が直接Si原子に結合した化合物であり、このようなアミノシラン化合物としては、ビス(アルキルアミノ)(トリアルキルシリルアミノ)アルキルシラン、ビス(アルキルアミノ)(シクロアルキルトリアルキルシリルアミノ)アルキルシラン、ビス(アルキルアミノ)(ジトリアルキルシリルアミノ)アルキルシラン、(アルキルアミノ)(アルコキシ)(トリアルキルシリルアミノ)アルキルシラン、(アルキルアミノ)(アルコキシ)(シクロアルキルトリアルキルシリルアミノ)アルキルシラン、
ビス(アルキルアミノ)(トリアルキルシリルアミノ)アリルシラン、ビス(アルキルアミノ)(アルキルトリアルキルシリルアミノ)アリルシラン、ビス(アルキルアミノ)(ジトリアルキルシリルアミノ)アリルシラン、ビス(アルキルアミノ)(ジトリアリルシリルアミノ)アリルシラン、ビス(アルキルアミノ)(ジトリアラルキルシリルアミノ)アリルシラン、(アルキルアミノ)(アルコキシ)(トリアルキルシリルアミノ)アリルシラン、(アルキルアミノ)(アルコキシ)(アルキルトリアルキルシリルアミノ)アリルシラン、(アルキルアミノ)(アルコキシ)(ジトリアルキルシリルアミノ)アリルシラン、
ビス(アルキルアミノ)(トリアルキルシリルアミノ)アラルキルシラン、ビス(アルキルアミノ)(アルキルトリアルキルシリルアミノ) アラルキルシラン、ビス(アルキルアミノ)(シクロアルキルトリアルキルシリルアミノ) アラルキルシラン、ビス(アルキルアミノ)(ジトリアルキルシリルアミノ) アラルキルシラン、(アルキルアミノ)(アルコキシ)(トリアルキルシリルアミノ)アラルキルシラン、(アルキルアミノ)(アルコキシ)(アルキルトリアルキルシリルアミノ) アラルキルシラン、(アルキルアミノ)(アルコキシ)(シクロアルキルトリアルキルシリルアミノ) アラルキルシラン、(アルキルアミノ)(アルコキシ)(ジトリアルキルシリルアミノ) アラルキルシラン、
ビス(アルキルアミノ)(トリアルキルシリルアミノ)(ジアルキルアミノ)シラン、トリス(アルキルアミノ)(トリアルキルシリルアミノ)シラン、ビス(アルキルアミノ)(ジトリアルキルシリルアミノ)(ジアルキルアミノ)シラン、ビス(アルキルアミノ)(ジトリアルキルシリルアミノ)(ジアリルアミノ)シラン、ビス(アルキルアミノ)(ジトリアルキルシリルアミノ)(ジアラルキルアミノ)シラン、ビス(アルキルアミノ)(ジトリアルキルシリルアミノ)(アルキルアリルアミノ)シラン、ビス(アルキルアミノ)(ジトリアリルシリルアミノ)(アルキルアリルアミノ)シラン、(アルキルアミノ)(トリアルキルシリルアミノ)(ジアルキルアミノ)アルコキシシラン、
(アルキルアミノ)(トリアルキルシリルアミノ)(ジアルキルアミノ)アルコキシシラン、ジ(アルキルアミノ)(トリアルキルシリルアミノ)アルコキシシラン、(アルキルアミノ)(アルコキシ)(トリアルキルシリルアミノ)(ジアルキルアミノ)シラン、(アルキルアミノ)(ジトリアルキルシリルアミノ)(ジアルキルアミノ)アルコキシシラン、(アルキルアミノ)(トリアルキルシリルアミノ)(ジアルキルアミノ)アルコキシシランが挙げられる。
一般式(1)中、Rは、トリアルキルシリル基、トリアリルシリル基またはトリアラルキルシリル基が好ましく、特にトリアルキルシリル基が好ましく、更にトリメチルシリル基またはトリエチルシリル基が好ましい。また、Rは、水素原子または炭素数1〜10、特に1〜6が好ましく、更に1〜4の直鎖または分岐状アルキル基が好ましい。Rは、炭素数1〜10、特に1〜6が好ましく、更に1〜4の直鎖または分岐状アルキル基が好ましい。Rは、2級アミノ基、アルコキシ基が好ましく、さらにメチルアミノ基、エチルアミノ基、t−ブチルアミノ基、メトキシ基、エトキシ基またはt−ブトキシ基が好ましい。Rは、NRが好ましい。また、NRにおいて、R、Rは同一でも異なってもよく、水素原子、炭素数1〜10の直鎖または分岐状アルキル基、トリアルキルシリル基、トリアリルシリル基またはトリアラルキルシリル基が好ましく、特に水素原子、炭素数1〜4の直鎖または分岐状アルキル基またはトリアルキルシリル基が好ましく、さらに水素原子、炭素数1〜4の直鎖または分岐状アルキル基、トリメチルシリル基またはトリエチルシリル基が好ましい。
一般式(1)中、ヘテロ原子としては、酸素原子、窒素原子、ケイ素原子などが挙げられる。また、置換シクロアルキル基の置換基としては、アルキル基が挙げられる。
一般式(1)で表される化合物としては、特に制限されないが、その一例を以下に示す。すなわち、ビス(メチルアミノ)(トリメチルシリルアミノ)メチルシラン、ビス(エチルアミノ)(トリメチルシリルアミノ)メチルシラン、ビス(n−プロピルアミノ)(トリメチルシリルアミノ)メチルシラン、ビス(n−ブチルアミノ)(トリメチルシリルアミノ)メチルシラン、(メチルアミノ)(メトキシ)(トリメチルシリルアミノ)メチルシラン、(メチルアミノ)(エトキシ)(トリメチルシリルアミノ)メチルシラン、
ビス(メチルアミノ)(トリエチルシリルアミノ)メチルシラン、ビス(エチルアミノ)(トリエチルシリルアミノ)メチルシラン、ビス(n−プロピルアミノ)(トリエチルシリルアミノ)メチルシラン、ビス(n−ブチルアミノ)(トリエチルシリルアミノ)メチルシラン、(メチルアミノ)(メトキシ)(トリエチルシリルアミノ)メチルシラン、
ビス(メチルアミノ)(トリメチルシリルアミノ)エチルシラン、ビス(エチルアミノ)(トリメチルシリルアミノ)エチルシラン、ビス(n−プロピルアミノ)(トリメチルシリルアミノ)エチルシラン、ビス(n−ブチルアミノ)(トリメチルシリルアミノ)エチルシラン、(メチルアミノ)(エトキシ)(トリメチルシリルアミノ)エチルシラン、
ビス(メチルアミノ)(トリエチルシリルアミノ)エチルシラン、ビス(エチルアミノ)(トリエチルシリルアミノ)エチルシラン、ビス(n−プロピルアミノ)(トリエチルシリルアミノ)エチルシラン、ビス(n−ブチルアミノ)(トリエチルシリルアミノ)エチルシラン、(メチルアミノ)(メトキシ)(トリエチルシリルアミノ)エチルシラン、
ビス(メチルアミノ)(トリメチルシリルアミノ)iso−ブチルシラン、ビス(エチルアミノ)(トリメチルシリルアミノ)iso−ブチルシラン、ビス(n-プロピルアミノ)(トリメチルシリルアミノ)iso−ブチルシラン、ビス(n−ブチルアミノ)(トリメチルシリルアミノ)iso−ブチルシラン、(メチルアミノ)(エトキシ)(トリメチルシリルアミノ)iso−ブチルシラン、
ビス(メチルアミノ)(トリエチルシリルアミノ)iso-ブチルシラン、ビス(エチルアミノ)(トリエチルシリルアミノ)iso−ブチルシラン、ビス(n-プロピルアミノ)(トリエチルシリルアミノ)iso-ブチルシラン、ビス(n−ブチルアミノ)(トリエチルシリルアミノ)iso-ブチルシラン、(メチルアミノ)(メトキシ)(トリエチルシリルアミノ)iso−ブチルシラン、
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ビス(メチルアミノ)(トリメチルシリルアミノ)シクロヘキシルシラン、ビス(エチルアミノ)(トリメチルシリルアミノ)シクロヘキシルシラン、ビス(n-プロピルアミノ)(トリメチルシリルアミノ)シクロヘキシルシラン、ビス(n−ブチルアミノ)(トリメチルシリルアミノ)シクロヘキシルシラン、(メチルアミノ)(エトキシ)(トリメチルシリルアミノ)シクロヘキシルシラン、
ビス(メチルアミノ)(トリエチルシリルアミノ)シクロヘキシルシラン、ビス(エチルアミノ)(トリエチルシリルアミノ)シクロヘキシルシラン、ビス(n−プロピルアミノ)(トリエチルシリルアミノ)シクロヘキシルシラン、ビス(n−ブチルアミノ)(トリエチルシリルアミノ)シクロヘキシルシラン、(メチルアミノ)(メトキシ)(トリエチルシリルアミノ)シクロヘキシルシラン、
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ビス(メチルアミノ)(トリメチルシリルアミノ)フェニルシラン、ビス(エチルアミノ)(トリメチルシリルアミノ)フェニルシラン、ビス(n−プロピルアミノ)(トリメチルシリルアミノ)フェニルシラン、ビス(n−ブチルアミノ)(トリメチルシリルアミノ)フェニルシラン、(メチルアミノ)(メトキシ)(トリメチルシリルアミノ)フェニルシラン、
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ビス(メチルアミノ)(ジトリエチルシリルアミノ)シクロヘキシルシラン、ビス(エチルアミノ)(ジトリエチルシリルアミノ)シクロヘキシルシラン、ビス(n−プロピルアミノ)(ジトリエチルシリルアミノ)シクロヘキシルシラン、ビス(n−ブチルアミノ)(ジトリエチルシリルアミノ)シクロヘキシルシラン、(メチルアミノ)(メトキシ)(ジトリエチルシリルアミノ)シクロヘキシルシラン、
ビス(メチルアミノ)(ジトリメチルシリルアミノ)シクロペンチルシラン、ビス(エチルアミノ)(ジトリメチルシリルアミノ)シクロペンチルシラン、ビス(n−プロピルアミノ)(ジトリメチルシリルアミノ)シクロペンチルシラン、ビス(n−ブチルアミノ)(ジトリメチルシリルアミノ)シクロペンチルシラン、(メチルアミノ)(エトキシ)(ジトリメチルシリルアミノ)シクロペンチルシラン、
ビス(メチルアミノ)(ジトリエチルシリルアミノ)シクロペンチルシラン、ビス(エチルアミノ)(ジトリエチルシリルアミノ)シクロペンチルシラン、ビス(n−プロピルアミノ)(ジトリエチルシリルアミノ)シクロペンチルシラン、ビス(n−ブチルアミノ)(ジトリエチルシリルアミノ)シクロペンチルシラン、(メチルアミノ)(メトキシ)(ジトリエチルシリルアミノ)シクロペンチルシラン
ビス(メチルアミノ)(ジトリメチルシリルアミノ)フェニルシラン、ビス(エチルアミノ)(ジトリメチルシリルアミノ)フェニルシラン、ビス(n−プロピルアミノ)(ジトリメチルシリルアミノ)フェニルシラン、ビス(n−ブチルアミノ)(ジトリメチルシリルアミノ)フェニルシラン、(メチルアミノ)(メトキシ)(ジトリメチルシリルアミノ)フェニルシラン、
ビス(メチルアミノ)(ジトリエチルシリルアミノ)フェニルシラン、ビス(エチルアミノ)(ジトリエチルシリルアミノ)フェニルシラン、ビス(n−プロピルアミノ)(ジトリエチルシリルアミノ)フェニルシラン、ビス(n−ブチルアミノ)(ジトリエチルシリルアミノ)フェニルシラン、(メチルアミノ)(メトキシ)(ジトリエチルシリルアミノ)フェニルシラン、
ビス(メチルアミノ)(エチルトリメチルシリルアミノ)メチルシラン、ビス(エチルアミノ)(エチルトリメチルシリルアミノ)メチルシラン、ビス(n−プロピルアミノ)(エチルトリメチルシリルアミノ)メチルシラン、ビス(n−ブチルアミノ)(エチルトリメチルシリルアミノ)メチルシラン、(メチルアミノ)(メトキシ)(エチルトリメチルシリルアミノ)メチルシラン、
ビス(メチルアミノ)(エチルトリエチルシリルアミノ)メチルシラン、ビス(エチルアミノ)(エチルトリエチルシリルアミノ)メチルシラン、ビス(n−プロピルアミノ)(エチルトリエチルシリルアミノ)メチルシラン、ビス(n−ブチルアミノ)(エチルトリエチルシリルアミノ)メチルシラン、(メチルアミノ)(メトキシ)(エチルトリエチルシリルアミノ)メチルシラン、
ビス(メチルアミノ)(エチルトリメチルシリルアミノ)エチルシラン、ビス(エチルアミノ)(エチルトリメチルシリルアミノ)エチルシラン、ビス(n−プロピルアミノ)(エチルトリメチルシリルアミノ)エチルシラン、ビス(n−ブチルアミノ)(エチルトリメチルシリルアミノ)エチルシラン、(メチルアミノ)(メトキシ)(エチルトリメチルシリルアミノ)エチルシラン、
ビス(メチルアミノ)(エチルトリエチルシリルアミノ)エチルシラン、ビス(エチルアミノ)(エチルトリエチルシリルアミノ)エチルシラン、ビス(n−プロピルアミノ)(エチルトリエチルシリルアミノ)エチルシラン、ビス(n−ブチルアミノ)(エチルトリエチルシリルアミノ)エチルシラン、(メチルアミノ)(エトキシ)(エチルトリエチルシリルアミノ)エチルシラン、
ビス(メチルアミノ)(エチルトリメチルシリルアミノ)iso−ブチルシラン、ビス(エチルアミノ)(エチルトリメチルシリルアミノ)iso−ブチルシラン、ビス(n-プロピルアミノ)(エチルトリメチルシリルアミノ)iso−ブチルシラン、ビス(n−ブチルアミノ)(エチルトリメチルシリルアミノ)iso−ブチルシラン、
ビス(メチルアミノ)(エチルトリエチルシリルアミノ)iso−ブチルシラン、ビス(エチルアミノ)(エチルトリエチルシリルアミノ)iso−ブチルシラン、ビス(n-プロピルアミノ)(エチルトリエチルシリルアミノ)iso−ブチルシラン、ビス(n-ブチルアミノ)(エチルトリエチルシリルアミノ)iso−ブチルシラン、(メチルアミノ)(メトキシ)(エチルトリメチルシリルアミノ)iso-ブチルシラン、
ビス(メチルアミノ)(エチルトリメチルシリルアミノ)t-ブチルシラン、ビス(エチルアミノ)(エチルトリメチルシリルアミノ)tブチルシラン、ビス(n−プロピルアミノ)(エチルトリメチルシリルアミノ)t−ブチルシラン、ビス(n−ブチルアミノ)(エチルトリメチルシリルアミノ)t−ブチルシラン、(メチルアミノ)(メトキシ)(エチルトリメチルシリルアミノ)t−ブチルシラン、
ビス(メチルアミノ)(エチルトリエチルシリルアミノ)t−ブチルシラン、ビス(エチルアミノ)(エチルトリエチルシリルアミノ)t−ブチルシラン、ビス(n−プロピルアミノ)(エチルトリエチルシリルアミノ)t−ブチルシラン、ビス(n−ブチルアミノ)(エチルトリエチルシリルアミノ)t−ブチルシラン、(メチルアミノ)(メトキシ)(エチルトリエチルシリルアミノ)t−ブチルシラン、
ビス(メチルアミノ)(エチルトリメチルシリルアミノ)シクロヘキシルシラン、ビス(エチルアミノ)(エチルトリメチルシリルアミノ)シクロヘキシルシラン、ビス(n−プロピルアミノ)(エチルトリメチルシリルアミノ)シクロヘキシルシラン、ビス(n-ブチルアミノ)(エチルトリメチルシリルアミノ)シクロヘキシルシラン、(メチルアミノ)(メトキシ)(エチルトリメチルシリルアミノ)シクロヘキシルシラン、
ビス(メチルアミノ)(エチルトリエチルシリルアミノ)シクロヘキシルシラン、ビス(エチルアミノ)(エチルトリエチルシリルアミノ)シクロヘキシルシラン、ビス(n−プロピルアミノ)(エチルトリエチルシリルアミノ)シクロヘキシルシラン、ビス(n-ブチルアミノ)(エチルトリエチルシリルアミノ)シクロヘキシルシラン、(メチルアミノ)(メトキシ)(エチルトリエチルシリルアミノ)シクロヘキシルシラン、
ビス(メチルアミノ)(エチルトリメチルシリルアミノ)シクロペンチルシラン、ビス(エチルアミノ)(エチルトリメチルシリルアミノ)シクロペンチルシラン、ビス(n−プロピルアミノ)(エチルトリメチルシリルアミノ)シクロペンチルシラン、ビス(n-ブチルアミノ)(エチルトリメチルシリルアミノ)シクロペンチルシラン、(メチルアミノ)(メトキシ)(エチルトリメチルシリルアミノ)シクロペンチルシラン、
ビス(メチルアミノ)(エチルトリエチルシリルアミノ)シクロペンチルシラン、ビス(エチルアミノ)(エチルトリエチルシリルアミノ)シクロペンチルシラン、ビス(n−プロピルアミノ)(エチルトリエチルシリルアミノ)シクロペンチルシラン、ビス(n-ブチルアミノ)(エチルトリエチルシリルアミノ)シクロペンチルシラン、
ビス(メチルアミノ)(エチルトリメチルシリルアミノ)フェニルシラン、ビス(エチルアミノ)(エチルトリメチルシリルアミノ)フェニルシラン、ビス(n−プロピルアミノ)(エチルトリメチルシリルアミノ)フェニルシラン、ビス(n−ブチルアミノ)(エチルトリメチルシリルアミノ)フェニルシラン、(メチルアミノ)(メトキシ)(エチルトリメチルシリルアミノ)フェニルシラン
ビス(メチルアミノ)(エチルトリエチルシリルアミノ)フェニルシラン、ビス(エチルアミノ)(エチルトリエチルシリルアミノ)フェニルシラン、ビス(n−プロピルアミノ)(エチルトリエチルシリルアミノ)フェニルシラン、ビス(n−ブチルアミノ)(エチルトリエチルシリルアミノ)フェニルシラン、(メチルアミノ)(メトキシ)(エチルトリエチルシリルアミノ)フェニルシラン、
ビス(メチルアミノ)(トリメチルシリルアミノ)(ジメチルアミノ)シラン、ビス(メチルアミノ)(トリメチルシリルアミノ)(ジエチルアミノ)シラン、ビス(メチルアミノ)(トリメチルシリルアミノ)(ジn−プロピルルアミノ)シラン、(メチルアミノ)(トリメチルシリルアミノ)(ジメチルアミノ)メトキシシラン、
ビス(メチルアミノ)(トリメチルシリルエチルアミノ)(ジメチルアミノ)シラン、ビス(メチルアミノ)(トリメチルシリルn−プロピルアミノ)(ジメチルアミノ)シラン、ビス(メチルアミノ)(トリメチルシリルiso−プロピルアミノ)(ジメチルアミノ)シラン、ビス(メチルアミノ)(トリメチルシリルメチルアミノ)(ジエチルアミノ)シラン、ビス(メチルアミノ)(トリメチルシリルエチルアミノ)(ジエチルアミノ)シラン、ビス(メチルアミノ)(トリメチルシリルn−プロピルアミノ)(ジエチルアミノ)シラン、(メチルアミノ)(トリメチルシリルエチルアミノ)(ジメチルアミノ)メトキシシラン、
ビス(メチルアミノ)(トリメチルシリルメチルアミノ)(ジn−プロピルアミノ)シラン、ビス(メチルアミノ)(トリメチルシリルエチルアミノ)(ジn-プロピルアミノ)シラン、ビス(メチルアミノ)(トリメチルシリルn-プロピルアミノ)(ジn-プロピルアミノ)シラン、(メチルアミノ)(トリメチルシリルメチルアミノ)(ジn-プロピルアミノ)メトキシシラン、
ビス(メチルアミノ)(トリメチルシリルメチルアミノ)(メチルエチルアミノ)シラン、ビス(メチルアミノ)(トリメチルシリルエチルアミノ)(メチルエチルアミノ)シラン、ビス(メチルアミノ)(トリメチルシリルn−プロピルアミノ)(メチルエチルアミノ)シラン、(メチルアミノ)(トリメチルシリルメチルアミノ)(メチルエチルアミノ)メトキシシラン、
ビス(エチルアミノ)(トリメチルシリルアミノ)(ジメチルアミノ)シラン、ビス(エチルアミノ)(トリメチルシリルアミノ)(ジエチルアミノ)シラン、ビス(エチルアミノ)(トリメチルシリルアミノ)(ジn−プロピルルアミノ)シラン、ビス(エチルアミノ)(トリメチルシリルアミノ)(メチルエチルアミノ)シラン、(エチルアミノ)(トリメチルシリルアミノ)(ジメチルアミノ)メトキシシラン、
ビス(エチルアミノ)(トリメチルシリルメチルアミノ)(ジメチルアミノ)シラン、ビス(エチルアミノ)(トリメチルシリルエチルアミノ)(ジメチルアミノ)シラン、ビス(エチルアミノ)(トリメチルシリルメチルアミノ)(ジエチルアミノ)シラン、ビス(エチルアミノ)(トリメチルシリルエチルアミノ)(ジエチルアミノ)シラン、(エチルアミノ)(トリメチルシリルメチルアミノ)(ジメチルアミノ)エトキシシラン、
ビス(エチルアミノ)(トリメチルシリルメチルアミノ)(メチルエチルアミノ)シラン、ビス(エチルアミノ)(トリメチルシリルエチルアミノ)(メチルエチルアミノ)シラン、(エチルアミノ)(トリメチルシリルメチルアミノ)(メチルエチルアミノ)エトキシシラン、
(メチルアミノ)(エチルアミノ)(トリメチルシリルアミノ)(ジメチルアミノ)シラン、(メチルアミノ)(エチルアミノ)(トリメチルシリルアミノ)(ジエチルアミノ)シラン、(メチルアミノ)(エチルアミノ)(トリメチルシリルアミノ)(ジn-プロピルアミノ)シラン、(メチルアミノ)(エチルアミノ)(トリメチルシリルアミノ)(メチルエチルアミノ)シラン、(メチルアミノ)(エチルアミノ)(トリメチルシリルアミノ)(エチルn-プロピルアミノ)シラン、
(メチルアミノ)(エチルアミノ)(トリメチルシリルメチルアミノ)(メチルエチルアミノ)シラン、(メチルアミノ)(エチルアミノ)(トリメチルシリルエチルアミノ)(メチルエチルアミノ)シラン、(メチルアミノ)(エチルアミノ)(トリメチルシリルn-プロピルアミノ)(メチルエチルアミノ)シラン、
トリス(メチルアミノ)(トリメチルシリルアミノ)シラン、トリス(メチルアミノ)(トリメチルシリルメチルアミノ)シラン、トリス(メチルアミノ)(トリメチルシリルエチルアミノ)シラン、トリス(メチルアミノ)(トリメチルシリルn-プロピルアミノ)シラン、(メチルアミノ)(トリメチルシリルアミノ)ジメトキシシラン、
トリス(エチルアミノ)(トリメチルシリルアミノ)シラン、トリス(エチルアミノ)(トリメチルシリルメチルアミノ)シラン、トリス(エチルアミノ)(トリメチルシリルエチルアミノ)シラン、トリス(エチルアミノ)(トリメチルシリルn−プロピルアミノ)シラン、(エチルアミノ)(トリメチルシリルアミノ)ジメトキシシラン
ビス(メチルアミノ)(エチルアミノ)(トリメチルシリルアミノ)シラン、ビス(メチルアミノ)(エチルアミノ)(トリメチルシリルメチルアミノ)シラン、ビス(メチルアミノ)(エチルアミノ)(トリメチルシリルエチルアミノ)シラン、ビス(メチルアミノ)(エチルアミノ)(トリメチルシリルn−プロピルアミノ)シラン、
ビス(エチルアミノ)(メチルアミノ)(トリメチルシリルアミノ)シラン、ビス(エチルアミノ)(メチルアミノ)(トリメチルシリルメチルアミノ)シラン、ビス(エチルアミノ)(メチルアミノ)(トリメチルシリルエチルアミノ)シラン、ビス(エチルアミノ)(メチルアミノ)(トリメチルシリルn−プロピルアミノ)シランなどが挙げられる。
これらの化合物の合成としては、塩素交換法、有機リチウム化合物を利用する方法、グリニヤー試薬を利用する方法などの公知の合成方法が挙げられる。またはこれら公知の方法を組み合わせる方法によっても合成が可能である。
本発明のオレフィン類重合用触媒のうち固体触媒成分(A)(以下、「成分(A)」ということがある。)は、マグネシウム、チタン、ハロゲンおよび電子供与体化合物を含むが、(a)マグネシウム化合物、(b)4価のチタンハロゲン化合物および(c)電子供与体化合物を接触して得ることができる。マグネシウム化合物(以下単に「成分(a)ということがある」としては、ジハロゲン化マグネシウム、ジアルキルマグネシウム、ハロゲン化アルキルマグネシウム、ジアルコキシマグネシウム、ジアリールオキシマグネシウム、ハロゲン化アルコキシマグネシウムあるいは脂肪酸マグネシウム等が挙げられる。これらのマグネシウム化合物の中、ジハロゲン化マグネシウム、ジハロゲン化マグネシウムとジアルコキシマグネシウムの混合物、ジアルコキシマグネシウムが好ましく、特にジアルコキシマグネシウムが好ましく、具体的にはジメトキシマグネシウム、ジエトキシマグネシウム、ジプロポキシマグネシウム、ジブトキシマグネシウム、エトキシメトキシマグネシウム、エトキシプロポキシマグネシウム、ブトキシエトキシマグネシウム等が挙げられ、ジエトキシマグネシウムが特に好ましい。
また、これらのジアルコキシマグネシウムは、金属マグネシウムを、ハロゲン含有有機金属等の存在下にアルコールと反応させて得たものでもよい。上記のジアルコキシマグネシウムは、単独あるいは2種以上併用することもできる。
更に、好適に用いられるジアルコキシマグネシウムは、顆粒状または粉末状であり、その形状は不定形あるいは球状のものを使用し得る。例えば球状のジアルコキシマグネシウムを使用した場合、より良好な粒子形状と狭い粒度分布を有する重合体粉末が得られ、重合操作時の生成重合体粉末の取り扱い操作性が向上し、生成重合体粉末に含まれる微粉に起因する重合体の分離装置におけるフィルターの閉塞等の問題が解決される。
上記の球状ジアルコキシマグネシウムは、必ずしも真球状である必要はなく、楕円形断面状あるいは馬鈴薯形状のものを用いることもできる。具体的にその粒子の形状は、長軸径Lと短軸径Wとの比(L/W)が3以下であり、好ましくは1〜2であり、より好ましくは1〜1.5である。
また、上記ジアルコキシマグネシウムの平均粒径は1〜200μmのものが使用し得る。好ましくは5〜150μmである。球状のジアルコキシマグネシウムの場合、平均粒径は1〜100μm、好ましくは5〜50μmであり、さらに好ましくは10〜40μmである。また、その粒度については、微粉及び粗粉が少なく、かつ粒度分布の狭いものを使用することが好ましい。具体的には、5μm以下の粒子が20%以下であり、好ましくは10%以下である。一方、100μm以上の粒子が10%以下であり、好ましくは5%以下である。更にその粒度分布をD90/D10(ここで、D90は積算粒度で90%における粒径、D10は積算粒度で10%における粒度である。)で表わすと3以下であり、好ましくは2以下である。
上記の如き球状のジアルコキシマグネシウムの製造方法は、例えば特開昭58−4132号公報、特開昭62−51633号公報、特開平3−74341号公報、特開平4−368391号公報、特開平8−73388号公報などに例示されている。
本発明における成分(A)の調製に用いられる4価のチタンハロゲン化合物(b)(以下「成分(b)」ということがある。)は、一般式Ti(OR)rX4−r(式中、Rは炭素数1〜4のアルキル基を示し、Xはハロゲン原子を示し、rは0≦r≦4の整数である。)で表されるチタンハライドもしくはアルコキシチタンハライド群から選択される化合物の1種或いは2種以上である。
具体的には、チタンハライドとして四塩化チタン、四臭化チタン、四沃化チタン等の四ハロゲン化チタン、アルコキシチタンハライドとしてメトキシチタントリクロライド、エトキシチタントリクロライド、プロポキシチタントリクロライド、n−ブトキシチタントリクロライド、ジメトキシチタンジクロライド、ジエトキシチタンジクロライド、ジプロポキシチタンジクロライド、ジ−n−ブトキシチタンジクロライド、トリメトキシチタンクロライド、トリエトキシチタンクロライド、トリプロポキシチタンクロライド、トリ−n−ブトキシチタンクロライド等が例示される。これらのうち、四ハロゲン化チタンが好ましく、特に四塩化チタンである。これらチタン化合物は単独あるいは2種以上併用することもできる。
本発明における固体触媒成分(A)の調製に用いられる電子供与性化合物(以下、単に「成分(c)」ということがある。)は、酸素原子あるいは窒素原子を含有する有機化合物であり、例えばアルコール類、フェノール類、エーテル類、エステル類、ケトン類、酸ハライド類、アルデヒト類、アミン類、アミド類、ニトリル類、イソシアネート類、Si−O−C結合またはSi−N−C結合を含む有機ケイ素化合物などが挙げられる。
具体的には、メタノール、エタノール、n−プロパノール、2−エチルヘキサノール等のアルコール類、フェノール、クレゾール等のフェノール類、メチルエーテル、エチルエーテル、プロピルエーテル、ブチルエーテル、アミールエーテル、ジフェニールエーテル、9,9−ビス(メトキシメチル)フルオレン、2-イソプロピル−2−イソペンチル−1、3−ジメトキシプロパン等のエーテル類、ギ酸メチル、酢酸エチル、酢酸ビニル、酢酸プロピル、酢酸オクチル、酢酸シクロヘキシル、プロピオン酸エチル、酪酸エチル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、安息香酸ブチル、安息香酸オクチル、安息香酸シクロヘキシル安息香酸フェニル、p−トルイル酸メチル、p−トルイル酸エチル、アニス酸メチル、アニス酸エチル等のモノカルボン酸エステル類、マロン酸ジエチル、マロン酸ジプロピル、マロン酸ジブチル、マロン酸ジイソブチル、マロン酸ジペンチル、マロン酸ジネオペンチル、イソプロピルブロモマロン酸ジエチル、ブチルブロモマロン酸ジエチル、ジイソブチルブロモマロン酸ジエチル、ジイソプロマロン酸ジエチル、ジブチルマロン酸ジエチル、ジイソブチルマロン酸ジエチル、ジイソペンチルマロン酸ジエチル、イソプロピルブチルマロン酸ジエチル、イソプロピルイソペンチルマロン酸ジメチル、ビス(3−クロロ−n−プロピル)マロン酸ジエチル、ビス(3−ブロモ−n−プロピル)マロン酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジブチル、アジピン酸ジメチル、アジピン酸ジエチル、アジピン酸ジプロピル、アジピン酸ジプロピル、アジピン酸ジブチル、アジピン酸ジイソデシル、アジピン酸ジオクチル、フタル酸ジエステル、フタル酸ジエステル誘導体等のジカルボン酸ジエステル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルブチルケトン、アセトフェノン、ベンゾフェノン等のケトン類、フタル酸ジクロライド、テレフタル酸ジクロライド等の酸クロライド類、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、オクチルアルデヒド、ベンズアルデヒド等のアルデヒド類、メチルアミン、エチルアミン、トリブチルアミン、ピペリジン、アニリン、ピリジン等のアミン類、オレイン酸アミド、ステリアリン酸アミド等のアミド類、アセトニトリル、ベンゾニトリル、トリルニトリル等のニトリル類、イソシアン酸メチル、イソシアン酸エチル等のイソシアネート類、フェニルアルコキシシラン、アルキルアルコキシシラン、フェニルアルキルアルコキシシラン、シクロアルキルアルコキシシラン、シクロアルキルアルキルアルコキシシラン等のSi−O−C結合を含む有機珪素化合物、ビス(アルキルアミノ)ジアルコキシシラン、ビス(シクロアルキルアミノ)ジアルコキシシラン、アルキル(アルキルアミノ)ジアルコキシシラン、ジアルキルアミノトリアルコキシシラン、シクロアルキルアミノトリアルコキシシラン、等のSi−N−C結合を含む有機珪素化合物を挙げることができる。
上記の電子供与性化合物のうち、エステル類、とりわけ芳香族ジカルボン酸ジエステルが好ましく用いられ、特にフタル酸ジエステルおよびフタル酸ジエステル誘導体が好適である。これらのフタル酸ジエステルの具体例としては、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジ−n−プロピル、フタル酸ジ−イソプロピル, フタル酸ジ−n−ブチル、フタル酸ジイソブチル、フタル酸エチルメチル、フタル酸メチルイソプロピル、フタル酸エチル(n−プロピル)、フタル酸エフタル酸チル(n−ブチル)、フタル酸エチル−イソブチル、フタル酸ジ−n−ペンチル、フタル酸ジイソペンチル、フタル酸ジネオペンチル、フタル酸ジヘキシル、フタル酸ジ−n−ヘプチル、フタル酸ジ−n−オクチル、フタル酸ビス(2,2−ジメチルヘキシル)、フタル酸ビス(2−エチルヘキシル)、フタル酸ジ−n−ノニル、フタル酸ジ−イソデシル、フタル酸ビス(2、2−ジメチルヘプチル)、フタル酸n−ブチル(イソヘキシル)、フタル酸n−ブチル(2−エチルヘキシル)、フタル酸n−ペンチル(ヘキシル)、フタル酸n−ペンチル(イソヘキシル)、フタル酸イソペンチル(ヘプチル)、フタル酸n−ペンチル(2−エチルヘシル)、フタル酸n−ペンチル(イソノニル)、フタル酸イソペンチル(n−デシル)、フタル酸n−ペンチル(ウンデシル)、フタル酸イソペンチル(イソヘキシル)、フタル酸n−ヘキシル(2,2−ジメチルヘキシル)、フタル酸n−ヘキシル(イソノニル)、フタル酸n−ヘキシル(n−デシル)、フタル酸n−ヘプチル(2−エチルヘキシル)、フタル酸n−ヘプチル(イソノニル)、フタル酸n−ヘプチル(neo−デシル)、フタル酸2−エチルヘキシル(イソノニル)が例示され、これらのフタル酸ジエステルは1種あるいは2種以上が使用される。
また、フタル酸ジエステル誘導体としては、上記のフタル酸ジエステルの2つのエステル基が結合するベンゼン環の1または2個の水素原子が、炭素数1〜5のアルキル基、または塩素原子、臭素原子およびフッ素原子などのハロゲン原子に置換されたものが挙げられる。該フタル酸ジエステル誘導体を電子供与性化合物として用いて調製した固体触媒成分により、より一層水素量のメルトフローレートへの大きな効果、即ち水素レスポンスを向上させることができ、重合時に添加する水素が同量あるいは少量でもポリマーのメルトフローレートを向上することができる。具体的には、4−メチルフタル酸ジネオペンチル、4−エチルフタル酸ジネオペンチル、4、5、−ジメチルフタル酸ジネオペンチル、4,5−ジエチルフタル酸ジネオペンチル、4−クロロフタル酸ジエチル、4−クロロフタル酸ジ−n−ブチル、4−クロロフタル酸ジネオペンチル、4−クロロフタル酸ジイソブチル、4−クロロフタル酸ジイソヘキシル、4−クロロフタル酸ジイソオクチル、4−ブロモフタル酸ジエチル、4−ブロモフタル酸ジ−n−ブチル、4−ブロモフタル酸ジネオペンチル、4−ブロモフタル酸ジイソブチル、4−ブロモフタル酸ジイソヘキシル、4−ブロモフタル酸ジイソオクチル、4,5−ジクロロフタル酸ジエチル、4,5−ジクロロフタル酸ジ−n−ブチル、4,5−ジクロロフタル酸ジイソヘキシル、4,5−ジクロロフタル酸ジイソオクチル、が挙げられ、このうち、4−ブロモフタル酸ジネオペンチル、4−ブロモフタル酸ジ−n−ブチル、および4−ブロモフタル酸ジイソブチルが好ましい。
なお、上記のエステル類は、2種以上組み合わせて用いることも好ましく、その際用いるエステルのアルキル基の炭素数合計が他のエステルのそれと比べ、その差が4以上になるように該エステル類を組み合わせることが望ましい。
本発明においては、上記(a)、(b)及び(c)を接触させる際、芳香族炭化水素化合物(d)(以下単に「成分(d)」ということがある。)の存在下で接触させること方法が好ましい。この成分(d)としては具体的にはトルエン、キシレン、エチルベンゼンなどの沸点が50〜150℃の芳香族炭化水素化合物が好ましく用いられる。また、これらは単独で用いても、2種以上混合して使用してもよい。
本発明の固体触媒成分(A)の調製においては、上記成分の他、更に、ポリシロキサン(以下単に「成分(e)」ということがある。)を使用することが好ましく、ポリシロキサンを用いることにより生成ポリマーの立体規則性あるいは結晶性を向上させることができ、さらには生成ポリマーの微粉を低減することが可能となる。ポリシロキサンは、主鎖にシロキサン結合(−Si−O結合)を有する重合体であるが、シリコーンオイルとも総称され、25℃における粘度が0.02〜100cm/s(2〜10000センチストークス)を有する、常温で液状あるいは粘ちょう状の鎖状、部分水素化、環状あるいは変性ポリシロキサンである。
鎖状ポリシロキサンとしては、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサンが、部分水素化ポリシロキサンとしては、水素化率10〜80%のメチルハイドロジェンポリシロキサンが、環状ポリシロキサンとしては、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルキクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタンシロキサン、2,4,6−トリメチルシクロトリシロキサン、2,4,6,8−テトラメチルシクロテトラシロキサンが、また変性ポリシロキサンとしては、高級脂肪酸基置換ジメチルシロキサン、エポキシ基置換ジメチルシロキサン、ポリオキシアルキレン基置換ジメチルシロキサンが例示される。これらの中で、デカメチルシクロペンタシロキサン、及びジメチルポリシロキサンが好ましく、デカメチルシクロペンタシロキサンが特に好ましい。
本発明では上記成分(a)、(b)、及び(c)、また必要に応じて成分(d)または成分(e)を接触させ成分(A)を形成させる。成分(a)として球状のマグネシウム化合物を用いることにより、球状でかつ粒度分布のシャープな成分(A)を得ることができ、また球状のマグネシウム化合物を用いなくとも、例えば噴霧装置を用いて溶液あるいは懸濁液を噴霧・乾燥させる、いわゆるスプレードライ法により粒子を形成させることにより、同様に球状でかつ粒度分布のシャープな成分(A)を得ることができる。
各成分の接触は、不活性ガス雰囲気下、水分等を除去した状況下、攪拌機を具備した容器中で、攪拌しながら行われる。接触温度は、各成分の接触時の温度であり、反応させる温度と同じ温度でも異なる温度でもよい。接触温度は、単に接触させて攪拌混合する場合や、分散あるいは懸濁させて変性処理する場合には、室温付近の比較的低温域であっても差し支えないが、接触後に反応させて生成物を得る場合には、40〜150℃の温度域が好ましい。反応時の温度が40℃未満の場合は十分に反応が進行せず、結果として調製された固体触媒成分の性能が不十分となり、150℃を超えると使用した溶媒の蒸発が顕著になるなどして、反応の制御が困難になる。反応時間は1分以上、好ましくは10分以上、より好ましくは30分以上である。
本発明の好ましい成分(A)の調製方法としては、成分(a)を成分(d)に懸濁させ、次いで成分(b)を接触させた後に成分(c)及び成分(d)を接触させ、反応させることにより成分(A)を調製する方法、成分(a)を成分(d)に懸濁させ、次いで成分(c)を接触させた後に成分(b)を接触させ、反応させることにより成分(A)を調製する方法、あるいは成分(a)と成分(c)と成分(d)とから懸濁液を形成し、成分(b)と成分(d)とから形成した混合溶液を該懸濁液に接触させ、その後反応させる調製方法を挙げることができる。またこのように調製した成分(A)に再度または複数回、成分(b)、または成分(b)および成分(c)を接触させることによって、最終的な固体触媒成分の性能を向上させることができる。この際、芳香族炭化水素(d)の存在下に行うことが望ましい。
本発明における成分(A)の好ましい調製方法としては、成分(a)と成分(c)と沸点50〜150℃の芳香族炭化水素化合物(d)とから懸濁液を形成し、成分(b)と成分(d)とから形成した混合溶液を該懸濁液に接触させ、その後反応させることによる調製方法を挙げることができる。
本発明における成分(A)の好ましい調製方法としては、以下に示す方法を挙げることができる。上記成分(a)と成分(c)と沸点50〜150℃の芳香族炭素化水素化合物(d)とから懸濁液を形成する。成分(b)及び沸点50〜150℃の芳香族炭素化水素化合物(d)から混合溶液を形成しておき、この混合溶液中に上記懸濁液を添加する。その後、得られた混合溶液を昇温して反応処理(第一次反応処理)する。反応終了後、得られた固体物質を常温で液体の炭化水素化合物で洗浄し、洗浄後の固体物質を固体生成物とする。なお、その後、該洗浄後の固体物質に、更に、新たに成分(b)および沸点50〜150℃の芳香族炭化水素化合物(d)を−20〜100℃で接触させ、昇温して、反応処理(第二次反応処理)して、反応終了後、常温で液体の炭化水素化合物で洗浄する操作を1〜10回繰り返した、成分(A)を得ることもできる。
以上を踏まえ、本発明における固体触媒成分(A)の特に好ましい調製方法としては、ジアルコキシマグネシウム(a)を沸点50〜150℃の芳香族炭化水素化合物(d)に懸濁させ、次いでこの懸濁液に4価のチタンハロゲン化合物(b)を接触させた後、反応処理を行う。この際、該懸濁液に4価のチタンハロゲン化合物(b)を接触させる前または接触した後に、フタル酸ジエステルなどの電子供与性化合物(c)の1種あるいは2種以上を、−20〜130℃で接触させ、必要に応じて成分(e)を接触させて、反応処理を行い、固体生成物(1)を得る。この際、電子供与性化合物の1種あるいは2種以上を接触させる前または後に、低温で熟成反応を行うことが望ましい。この固体生成物(1)を常温の液体の炭化水素化合物で洗浄(中間洗浄)した後、再度4価チタンハロゲン化合物(b)を、芳香族炭化水素化合物の存在下に、−20〜100℃で接触させ、反応処理を行い、固体生成物(2)を得る。なお必要に応じ、中間洗浄及び反応処理を更に複数回繰り返してもよい。次いで固体生成物(2)をデカンテーションにより常温で液体の炭化水素化合物で洗浄して固体触媒成分(A)を得る。
固体触媒成分(A)を調製する際の各成分の使用量比は、調製法により異なるため一概には既定できないが、例えばマグネシウム化合物(a)1モルあたり、4価のチタンハロゲン化合物(b)が0.5〜100モル、好ましくは0.5〜50モル、より好ましくは1〜10モルであり、電子供与性化合物(c)が0.01〜10モル、好ましくは0.01〜1モル、より好ましくは0.02〜0.6モルであり、芳香族炭化水素化合物(d)が0.001〜500モル、好ましくは0.001〜100モル、より好ましくは0.005〜10モルであり、ポリシロキサン(e)が0.01〜100g、好ましくは0.05〜80g、より好ましくは1〜50gである。
また本発明における固体触媒成分(A)中のチタン、マグネシウム、ハロゲン原子、電子供与性化合物の含有量は特に既定されないが、好ましくは、チタンが0.5〜8.0重量%、好ましくは1.0〜8.0重量%、より好ましくは2.0〜8.0重量%、マグネシウムが10〜70重量%、より好ましくは10〜50重量%、特に好ましくは15〜40重量%、さらに好ましくは15〜25重量%、ハロゲン原子が20〜90重量%、より好ましくは30〜85重量%、特に好ましくは40〜80重量%、さらに好ましくは45〜75重量%、また電子供与性化合物が合計0.5〜30重量%、より好ましくは合計1〜25重量%、特に好ましくは合計2〜20重量%である。
本発明のオレフィン重合用触媒を形成する際に用いられる有機アルミニウム化合物(B)(以下単に「成分(B)」ということがある。)としては、上記一般式(2)で表される化合物であれば、特に制限されないが、Rとしては、エチル基、イソブチル基が好ましく、Qとしては、水素原子、塩素原子、臭素原子が好ましく、pは、2または3が好ましく、3が特に好ましい。このような有機アルミニウム化合物(B)の具体例としては、トリエチルアルミニウム、ジエチルアルミニウムクロライド、トリイソブチルアルミニウム、ジエチルアルミニウムブロマイド、ジエチルアルミニウムハイドライドが挙げられ、1種あるいは2種以上が使用できる。好ましくは、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウムである。
本発明のオレフィン類重合触媒を形成する際に用いられるアミノシラン化合物(C)(以下「成分(C)」ということがある。)としては、上記一般式(1)で表される化合物が用いられる。また、具体的な化合物としては、前記同様のものが挙げられる。
本発明のオレフィン類重合用触媒では、上記の成分(A)、(B)および(C)の他に更に触媒性能を高めるために上述したアミノシラン化合物以外の有機ケイ素化合物またはエーテル化合物などの電子供与性化合物(以下単に「成分(D)」ということがある。)を用いることができる。
アミノシラン化合物以外の有機ケイ素化合物としては、ジ−n−プロピルジメトキシシラン、ジイソプロピルジメトキシシラン、ジ−n−ブチルジメトキシシラン、ジ−n−ブチルジエトキシシラン、t−ブチル(メチル)ジメトキシシラン、t−ブチル(エチル)ジメトキシシラン、ジシクロヘキシルジメトキシシラン、シクロヘキシル(メチル)ジメトキシシラン、ジシクロペンチルジメトキシシラン、シクロペンチル(メチル)ジエトキシシラン、シクロペンチル(エチル)ジメトキシシラン、シクロペンチル(シクロヘキシル)ジメトキシシラン、3−メチルシクロヘキシル(シクロペンチル)ジメトキシシラン、4−メチルシクロヘキシル(シクロペンチル)ジメトキシシラン、3,5−ジメチルシクロヘキシル(シクロペンチル)ジメトキシシラン、ビス(ジエチルアミノ)ジメトキシシラン、ビス(ジ−n−プロピルアミノ)ジメトキシシラン、ビス(ジ−n−ブチルアミノ)ジメトキシシラン、ビス(ジ−t−ブチルアミノ)ジメトキシシラン、ビス(ジシクロペンチルアミノ)ジメトキシシラン、ビス(ジシクロヘキシルアミノ)ジメトキシシラン、ビス(ジ−2−メチルシクロヘキシルアミノ)ジメトキシシラン、ビス(パーヒドロイソキノリノ)ジメトキシシラン、ビス(パーヒドロキノリノ)ジメトキシシラン、ビス(エチル−n−プロピルアミノ)ジメトキシシラン、ビス(エチルイソプロピルアミノ)ジメトキシシラン、ビス(エチル−n−ブチルアミノ)ジメトキシシラン、ビス(エチルイソブチルアミノ)ジメトキシシラン、ビス(エチル−t−ブチルアミノ)ジメトキシシラン、ビス(イソブチル−n−プロピルアミノ)ジメトキシシラン、ビス(エチルシクロペンチルアミノ)ジメトキシシラン、ビス(エチルシクロヘキシルアミノ)ジメトキシシラン、エチル(ジエチルアミノ)ジメトキシシラン、n−プロピル(ジイソプロピルアミノ)ジメトキシシラン、イソプロピル(ジ−t−ブチルアミノ)ジメトキシシラン、シクロヘキシル(ジエチルアミノ)ジメトキシシラン、エチル(ジ−t−ブチルアミノ)ジメトキシシラン、エチル(パーヒドロイソキノリノ)ジメトキシシラン、n−プロピル(パーヒドロイソキノリノ)ジメトキシシラン、イソプロピル(パーヒドロイソキノリノ)ジメトキシシラン、n−ブチル(パーヒドロイソキノリノ)ジメトキシシラン、エチル(パーヒドロキノリノ)ジメトキシシラン、n−プロピル(パーヒドロキノリノ)ジメトキシシラン、イソプロピル(パーヒドロキノリノ)ジメトキシシラン、n−ブチル(パーヒドロキノリノ)ジメトキシシラン、ビス(ジエチルアミノ)ジエトキシシラン、ビス(ジ−n−プロピルアミノ)ジエトキシシラン、ビス(ジ−n−ブチルアミノ)ジエトキシシラン、ビス(ジ−t−ブチルアミノ)ジエトキシシラン、ビス(ジシクロペンチルアミノ)ジエトキシシラン、ビス(ジシクロヘキシルアミノ)ジエトキシシラン、ビス(ジ−2−メチルシクロヘキシルアミノ)ジエトキシシラン、ビス(パーヒドロイソキノリノ)ジエトキシシラン、ビス(パーヒドロキノリノ)ジエトキシシラン、ビス(エチル−n−プロピルアミノ)ジエトキシシラン、ビス(エチルイソプロピルアミノ)ジエトキシシラン、ビス(エチル−n−ブチルアミノ)ジエトキシシラン、ビス(エチル−イソブチルアミノ)ジエトキシシラン、ビス(エチル−t−ブチルアミノ)ジエトキシシラン、ビス(イソブチル−n−プロピルアミノ)ジエトキシシラン、ビス(エチルシクロペンチルアミノ)ジエトキシシラン、ビス(エチルシクロヘキシルアミノ)ジエトキシシラン、n−プロピル(ジイソプロピルアミノ)ジエトキシシラン、エチル(パーヒドロイソキノリノ)ジエトキシシラン、n−プロピル(パーヒドロイソキノリノ)ジエトキシシラン、イソプロピル(パーヒドロイソキノリノ)ジエトキシシラン、n−ブチル(パーヒドロイソキノリノ)ジエトキシシラン、エチル(パーヒドロキノリノ)ジエトキシシラン、n−プロピル(パーヒドロキノリノ)ジエトキシシラン、イソプロピル(パーヒドロキノリノ)ジエトキシシラン、n−ブチル(パーヒドロキノリノ)ジエトキシシラン、テキシルトリメトキシシラン、ジエチルアミノトリメトキシシラン、ジ−n−プロピルアミノトリメトキシシラン、ジ−n−ブチルアミノトリメトキシシラン、ジ−t−ブチルアミノトリメトキシシラン、ジシクロペンチルアミノトリメトキシシラン、ジシクロヘキシルアミノトリメトキシシラン、ジ−2−メチルシクロヘキシルアミノトリメトキシシラン、パーヒドロイソキノリノトリメトキシシラン、パーヒドロキノリノトリメトキシシラン、ジエチルアミノトリエトキシシラン、ジ−n−プロピルアミノトリエトキシシラン、ジ−n−ブチルアミノトリエトキシシラン、エチル−t−ブチルアミノトリエトキシシラン、エチル−sec−ブチルアミノトリエトキシシラン、ジシクロペンチルアミノトリエトキシシラン、ジシクロヘキシルアミノトリエトキシシラン、ジ−2−メチルシクロヘキシルアミノトリエトキシシラン、パーヒドロイソキノリノトリエトキシシラン、パーヒドロキノリノトリエトキシシラン、ビス(t−ブチルアミノ)ジメトキシシラン、ビス(シクロヘキシルアミノ)ジメトキシシラン、ビス(t−ブチルアミノ)ジエトキシシラン、ビス(シクロヘキシルアミノ)ジエトキシシラン、トリビニルメチルシラン、テトラビニルシランが挙げられる。
エーテル化合物としては、メチルエーテル、エチルエーテル、プロピルエーテル、ブチルエーテル、アミールエーテル、ジフェニールエーテル、9,9−ビス(メトキシメチル)フルオレン、2−イソプロピル−2−イソペンチル−1、3−ジメトキシプロパン等が挙げられる。これらの電子供与性化合物(D)は1種あるいは2種以上組合せて用いられることができる。
本発明のオレフィン類重合用触媒の存在下にオレフィン類の単独重合、ランダム共重合もしくはブロック共重合を実施する。オレフィン類としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、ビニルシクロヘキサン等であり、これらのオレフィン類は1種あるいは2種以上併用することができる。とりわけ、エチレン、プロピレン、1−ブテンが好適に用いられる。特に好ましいのはプロピレンである。プロピレンの場合、他のオレフィン類との共重合を行うことができる。共重合されるオレフィンとしては、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、ビニルシクロヘキサン等であり、これらのオレフィン類は1種あるいは2種以上併用することができる。とりわけ、エチレン、1−ブテンが好適に用いられる。プロピレンと他のオレフィン類との共重合としては、プロピレンと少量のエチレンをコモノマーとして1段で重合するランダム共重合と、第一段階(第一重合槽)でプロピレンの単独重合を行い、第二段階(第二重合槽)あるいはそれ以上の多段階(多段重合槽)でプロピレンとエチレンの共重合を行う、所謂プロピレン−エチレンブロック共重合が代表的である。このようなランダム共重合やブロック共重合においても、上記の成分(A)、成分(B)および成分(C)からなる本発明の触媒は有効であり、触媒活性、立体規則性及び/または水素レスポンスが良好であるばかりでなく、共重合特性や得られた共重合体の特性も良好である。
上記のオレフィン類の単独重合、ランダム共重合もしくはブロック共重合において、本発明の触媒成分である成分(C)の他に上述した成分(D)を混合して用いたり、またブロック共重合の多段重合槽で成分(C)と成分(D)を別々に用いたりすることもできる。
また、特にプロピレンの単独重合からブロック共重合に移行する際に、最終製品中のジェル生成を防止するために、アルコール類、酸素ガスあるいはケトンなど既知の電子供与性化合物を重合系に添加することができる。アルコール類の具体例としては、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等が挙げられ、使用量は成分(B)1モルに対し0.01〜10モル好ましくは0.1〜2モルである。
各成分の使用量比は、本発明の効果に影響を及ぼすことのない限り任意であり、特に限定されるものではないが、通常成分(B)は成分(A)中のチタン原子1モル当たり、1〜2000モル、好ましくは50〜1000モルの範囲で使用される。成分(C)は成分(B)1モル当たり、0.002〜10モル、好ましくは0.01〜2モル、特に好ましくは0.1〜0.5モルの範囲で用いられる。成分(D)を併用する場合、成分(B)1モル当たり、0.002〜10モル、好ましくは0.01〜2モル、特に好ましくは0.01〜0.5モルの範囲で用いられ、また成分(C)1モル当たり、0.001〜10モル、好ましくは0.01〜10モル特に好ましくは0.01〜2モルの範囲で用いられる。
各成分の接触順序は任意であるが、重合系内にまず有機アルミニウム化合物(B)を装入し、次いで、アミノシラン化合物(C)を接触させるか、予め混合した成分(C)及び成分(D)を接触させるか、あるいは、成分(C)及び成分(D)を任意の順序に接触させて、固体触媒成分(A)を接触させることが望ましい。あるいは重合系内にまず有機アルミニウム化合物(B)を装入し、一方で成分(A)と、成分(C)、または成分(C)及び成分(D)とを予め接触させ、接触させた成分(A)と成分(C)または成分(C)及び成分(D)とを重合系内に装入して接触させ触媒を形成することも好ましい態様である。このように予め成分(A)と、成分(B)または成分(C)及び成分(D)とを接触処理することによって、触媒の水素レスポンスおよび生成ポリマーの結晶性をより向上させることが可能となる。
本発明における重合方法は、有機溶媒の存在下でも不存在下でも行うことができ、また、プロピレン等のオレフィン単量体は、気体および液体のいずれの状態でも重合に用いることができる。重合温度は200℃以下、好ましくは100℃以下であり、重合圧力は10MPa以下、好ましくは6MPa以下である。また、連続重合法、バッチ式重合法のいずれも可能である。更に、重合反応を1段で行っても良いし、2段以上の多段で行ってもよい。
更に、本発明において成分(A)、成分(B)及び成分(C)から形成される触媒を用いてオレフィンを重合するにあたり(「本重合」ともいう。)、触媒活性、立体規則性及び生成する粒子性状度等を一層改善させるために、本重合に先立ち予備重合を行うことが望ましい。予備重合の際には、本重合と同様のオレフィン類あるいはスチレン等のモノマーを用いることができる。具体的には、オレフィン類の存在下に成分(A)、成分(B)及び/または成分(C)を接触させ、成分(A)1g当たり0.1〜100gのポリオレフィンを予備的に重合させ、更に成分(B)及び/または成分(C)を接触させ触媒を形成する。また成分(D)を併用する場合、上記予備重合時にオレフィン類の存在下に成分(A)、成分(B)及び成分(D)を接触させ、本重合の際に成分(C)を用いることもできる。
予備重合を行うに際して、各成分及びモノマーの接触順序は任意であるが、好ましくは、不活性ガス雰囲気あるいはプロピレンなどの重合を行うガス雰囲気に設定した予備重合系内にまず成分(B)を装入し、次いで成分(C)及び/または成分(D)を接触させ、次いで成分(A)を接触させた後、プロピレン等のオレフィン及び/または1種あるいは2種以上の他のオレフィン類を接触させる。予備重合温度は任意であり、特に制限はないが、好ましくは−10℃〜70℃の範囲、更に好ましくは0℃〜50℃の範囲である。
本発明のオレフィン類重合触媒の存在下で、オレフィン類の重合を行った場合、従来の触媒を使用した場合に比べ、高い立体規則性を保持し、しかも水素レスポンスが向上している。また、成分(C)の特定構造に起因して従来の触媒を使用した場合に比べ、触媒活性と立体規則性が向上している。即ち、本発明の触媒をオレフィン類の重合に用いると成分(C)の構造により、高い立体規則性を保持し、しかも水素レスポンスが改善され、また、触媒活性と立体規則性が改善される作用が確認された。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、これは単に例示であって、本発明を制限するものではない。
参考例1
<アミノシランの化合物の合成>
定法により、トリメチルシリルアミンのLi塩0.05モルのトルエン溶媒スラリーを調製した。別途、t−ブチルアミンLi0.05モルのヘキサン−エーテル混合溶液を調製した。窒素ガスで充分にパージしたフラスコにテトラキス(メチルアミノシラン)0.05モルを含有するTHF溶液を分取し、攪拌下に0℃に冷却した。次いでこの冷却溶液にt−ブチルアミンLiの0.05モルのヘキサン−エーテル混合スラリーを滴下ロートを使用して、窒素気流下に徐々に滴下した。滴下終了後、60℃で3時間反応した。次いで、この反応混合物を室温で、窒素気流下に遠心分離法で固体と溶液を分離し、固体部分を20mlのトルエンで二回洗浄し、溶液に追加した。溶液部分を攪拌しながら、窒素雰囲気下に0℃に冷却し、この溶液にトリメチルシリルアミンのLi塩0.05モルのトルエンスラリーを注射器を使用して徐々に同温度で滴下した。滴下終了後、徐々に温度を上げて、80℃で5時間反応した。反応中に留出するTHFやヘキサンをトラップしながら反応を継続した。反応終了後、窒素雰囲気下で、遠心分離法で固体と液体を分離し、固体部分を20mlのトルエンで二回洗浄し、溶液に追加した。減圧下に溶媒を留去し、主生成物であるビス(メチルアミノ)(トリメチルシリルアミノ)(t−ブチルアミノ)シランを減圧蒸留により精製分離した。得られた化合物のC、H、Nの元素分析を実施し、以下の結果を得た。なお、括弧内は理論値である(以下同様)。
C;43.48%(43.50%), H;11.31%(11.30%), N;22.53%(22.54%)
参考例2
<アミノシラン化合物の合成>
定法により、トリメチルシリルアミンのLi塩0.01モルのトルエン溶媒スラリーを調製した。別途、エチルアミノのLi塩0.02モルのヘキサン−エーテル混合スラリーを準備した。窒素ガスで充分にパージしたフラスコにテトラエトキシシラン0.04モルを含有するTHF溶液を分取し、攪拌下に0℃に冷却した。次いでこの冷却溶液にエチルアミノLiの0.02モルのヘキサン−エーテル混合スラリー滴下ロートを使用して、窒素気流下に徐々に滴下した。滴下終了後、60℃で3時間反応した。次いで、この反応混合物を室温で、窒素気流下に遠心分離法で固体と溶液を分離し、固体部分を20mlのトルエンで二回洗浄し、溶液に追加した。溶液部分を攪拌しながら、窒素雰囲気下に0℃に冷却し、この溶液にトリメチルシリルアミンのLi塩のトルエンスラリー0.01モルを注射器を使用して徐々に同温度で滴下した。滴下終了後、徐々に温度を上げて、70℃で4時間反応した。反応中に留出するTHFやヘキサンをトラップしながら反応を継続した。反応終了後、窒素雰囲気下で、遠心分離法で固体と液体を分離し、固体部分を20mlのトルエンで二回洗浄し、溶液に追加した。減圧下に溶媒を留去し、主生成物であるビス(エチルアミノ)(トリメチルシリルアミノ)エトキシシランを減圧蒸留により精製分離した。得られた化合物のC、H、Nの元素分析を実施し、以下の結果を得た。
C;46.83%(46.81%), H;10.63%(10.70%), N;17.81%(17.84%)
参考例3
<アミノシラン化合物の合成>
定法により、メチルトリメチルシリルアミンLi塩0.05モルのトルエン溶媒スラリーを調製した。別途、ジメチルアミンLiのヘキサン−エーテル混合スラリーを準備した。窒素ガスで充分にパージしたフラスコにテトラキス(エチルアミノシラン)0.05モルを含有するTHF溶液を分取し、攪拌下に0℃に冷却した。次いでこの冷却溶液にジメチルアミンLi0.05モルのヘキサン−エーテル混合スラリーを滴下ロートを使用して、窒素気流下に徐々に滴下した。滴下終了後、60℃で3時間反応した。次いで、この反応混合物を室温で、窒素気流下に遠心分離法で固体と溶液を分離し、固体部分を20mlのトルエンで二回洗浄し、溶液に追加した。溶液部分を攪拌しながら、窒素雰囲気下に0℃に冷却し、この溶液にメチルトリメチルシリルアミンのLi塩0.05モルのトルエンスラリーを注射器を使用して徐々に同温度で滴下した。滴下終了後、徐々に温度を上げて、70℃で4時間反応した。反応中に留出するTHFやヘキサンをトラップしながら反応を継続した。反応終了後、窒素雰囲気下で、遠心分離法で固体と液体を分離し、固体部分を20mlのトルエンで二回洗浄し、溶液に追加した。減圧下に溶媒を留去し、主生成物であるビス(エチルアミノ)(メチルトリメチルシリルアミノ)ジメチルアミノシランを減圧蒸留により精製分離した。得られた化合物のC、H、Nの元素分析を実施し、以下の結果を得た。
C;45.78%(45.75%), H;11.53%(11.52%), N;21.30%(21.34%)
参考例4
<アミノシラン化合物の合成>
定法により、トリエチルシリルアミンのLi塩0.05モルのトルエン溶媒スラリーを調製した。別途、n−ブチルアミンLiのヘキサン−エーテル混合溶媒スラリーを準備した。窒素ガスで充分にパージしたフラスコにテトラキス(メチルアミノシラン)0.05モルを含有するTHF溶液を分取し、攪拌下に0℃に冷却した。次いでこの冷却溶液にn−ブチルアミンLiの0.05モルのヘキサン−エーテル混合溶媒スラリーを滴下ロートを使用して、窒素気流下に徐々に滴下した。滴下終了後、60℃で3時間反応した。次いで、この反応混合物を室温で、窒素気流下に遠心分離法で固体と溶液を分離し、固体部分を20mlのトルエンで二回洗浄し、溶液に追加した。溶液部分を攪拌しながら、窒素雰囲気下に0℃に冷却し、この溶液にトリエチルシリルアミンのLi塩0.05モルのトルエンスラリーを注射器を使用して徐々に同温度で滴下した。滴下終了後、徐々に温度を上げて、70℃で4時間反応した。反応中に留出するTHFやヘキサンをトラップしながら反応を継続した。反応終了後、窒素雰囲気下で、遠心分離法で固体と液体を分離し、固体部分を20mlのトルエンで二回洗浄し、溶液に追加した。減圧下に溶媒を留去し、主生成物であるビス(メチルアミノ)(トリエチルシリルアミノ)(n-ブチルアミノ)シランを減圧蒸留により精製分離した。得られた化合物のC、H、Nの元素分析を実施し、以下の結果を得た。
C;49.58%(49.60%), H;11.73%(11.79%), N;19.30%(19.28%)
参考例5
<アミノシラン化合物の合成>
窒素ガスで充分に置換したフラスコにトリメチルシリルアミン0.1モルを含有するトルエン溶液を取り、−10℃に冷却した。次いで、滴下ロートを利用して、BuLiを0.1モル含有するヘキサン溶液を、上記の冷却液に徐々に滴下した。滴下終了後、徐々に加熱して、50℃で2時間反応した。こうして、トリメチルシリルアミンのLi塩スラリーを得た。次いで、このスラリーを注射器を使用して、窒素ガスで充分に置換したフラスコにテトラキスメチルアミノシラン0.05モルを含有するTHF溶液を窒素気流下に分取し、これを−10℃に冷却したものに徐々に滴下した。滴下終了後、徐々に加熱し、50℃で7時間反応した。反応終了後、遠心分離法により、固体と溶液を分離した。固体成分をトルエンで2回洗浄し、溶液部に加えた。溶液を減圧下に濃縮し、主生成物であるビス(トリメチルシリルアミノ)ビス(メチルアミノ)シランを減圧蒸留精製した。得られた化合物のC、H、Nについて元素分析を実施し、以下の結果を得た。
C;36.29%(36.31%), H;10.59%(10.67%), N;21.10%(21.17%)
参考例6
<アミノシラン化合物の合成>
窒素ガスで充分に置換したフラスコにトリメチルシリルエチルアミン0.1モルを含有するトルエン溶液を取り、−10℃に冷却した。次いで、滴下ロートを利用して、BuLiを0.1モル含有するヘキサン溶液を、上記の冷却液に徐々に滴下した。滴下終了後、徐々に加熱して、40℃で2時間反応した。こうして、トリメチルシリルエチルアミンのLi塩スラリーを得た。次いで、このスラリーを窒素ガスで充分に置換したフラスコにテトラキスエチルアミノシラン0.05モルを含有するTHF溶液を窒素気流下に分取し、これを−10℃に冷却したものに徐々に滴下した。滴下終了後、徐々に加熱し、50℃で8時間反応した。反応終了後、遠心分離法により、固体と溶液を分離した。固体成分をトルエンで2回洗浄し、溶液部に加えた。溶液を減圧下に濃縮し、主生成物であるビス(トリメチルシリルエチルアミノ)ビス(エチルアミノ)シランを減圧蒸留精製した。得られた化合物のC、H、Nについて元素分析を実施し、以下の結果を得た。
C;48.19%(48.21%), H;11.52%(11.56%), N ;16.10%(16.07%)
<固体触媒成分の調製>
攪拌機を具備し、窒素ガスで充分に置換された、容量2000mlの丸底フラスコに、ジエトキシマグネシウム150g及びトルエン750mlを装入し、懸濁状態とした。次いで、該懸濁液を、攪拌機を具備し、窒素ガスで充分に置換された、容量2000mlの丸底フラスコに予め装てんされたトルエン450ml及びチタンテトラクロライド300mlの溶液中に添加した。次いで、該懸濁液を5℃で1時間反応させた。その後、フタル酸−n−ブチル22.5mlを添加して、100℃まで昇温した後、攪拌しながら2時間反応処理した。反応終了後、生成物を80℃のトルエン1300mlで4回洗浄し、新たにトルエン1200ml及びチタンテトラクロライド300mlを加えて、攪拌しながら110℃で2時間の反応処理を行った。中間洗浄及び第2処理を、更にもう一度繰り返した。次いで、生成物を40℃のヘプタン1300mlで7回洗浄し、濾過、乾燥して、粉末状の固体触媒成分を得た。この固体成分中のチタン含有量を測定したところ、3.1重量%であった。
<重合用触媒の形成及び重合>
窒素ガスで完全に置換された内容積2.0リットルの攪拌機付オートクレーブに、トリエチルアルミニウム1.32mmol、参考例1で得たビス(メチルアミノ)(トリメチルシリルアミノ)(t−ブチルアミノ)シラン0.26mmolおよび前記固体触媒成分をチタン原子として0.0026mmol装入し、重合触媒を形成した。その後、水素ガス4リットル、液化プロピレン1.4リットルを装入し、20℃で5分間予備重合を行った後に昇温し、70℃で1時間重合反応を行った。得られた重合体について、触媒活性、嵩比重(BD、g/ml)、ヘプタン不溶部(HI、重量%)、メルトフローレート(MI)およびポリマーの分子量分布(Mw/Mn)を測定した。その結果を表1に併載する。
固体触媒成分1g当たり、重合時間の1時間当たりの生成重合体量(F)gを示す触媒活性は下式により算出した。
触媒活性=生成重合体(F)g/固体触媒成分g/1時間
また、この重合体を沸騰n−ヘプタンで6時間連続抽出した後のn−ヘプタンに不溶解の重合体(G)を乾燥後、重量測定し、重合体中の沸騰ヘプタン不溶解分(HI、重量%))の割合を下式より算出した。
HI(重量%)=(G)g/(F)g×100
重合体のメルトフローレートをしめすメルトインデックス(MI、g-pp/10分)の値はASTEM D1238、JIS K 7210に準じて測定した。
重合体の分子量分布は、クロス分別クロマトグラフ(CFC)(三菱化学社製 CFCT−150B)にて以下の条件で測定して求めた重量平均分子量Mw及び数平均分子量Mnの比Mw/Mnによって評価した。
溶媒:o−ジクロロベンゼン(ODCB)
温度:140℃(SEC)
カラム:Shodex GPC UT−806M
サンプル濃度:4g/l−ODCB (200mg/50ml−ODCB)
注入量:0.5ml
流量:1.0ml/min
測定範囲:0℃〜140℃
ビス(メチルアミノ)(トリメチルシリルアミノ)(t−ブチルアミノ)シランの代りに実施例2で得たビス(エチルアミノ)(トリメチルシリルアミノ)エトキシシランを用いた以外は実施例1と同様に実験を行なった。得られた結果を表1に示した。
ビス(メチルアミノ)(トリメチルシリルアミノ)(t−ブチルアミノ)シランの代りに参考例3で得たビス(エチルアミノ)(メチルトリメチルシリルアミノ)ジメチルアミノシランを用いた以外は実施例1と同様に実験を行なった。得られた結果を表1に示した。
ビス(メチルアミノ)(トリメチルシリルアミノ)(t−ブチルアミノ)シランの代りに参考例4で得たビス(メチルアミノ)(トリエチルシリルアミノ)(n-ブチルアミノ)シランを用いた以外は実施例1と同様に実験を行なった。得られた結果を表1に示した。
ビス(メチルアミノ)(トリメチルシリルアミノ)(t−ブチルアミノ)シランの代りに参考例5で得たビス(トリメチルシリルアミノ)ビス(メチルアミノ)シランを用いた以外は実施例1と同様に実験を行なった。得られた結果を表1に示した。なお、分子量分布の測定は行なわなかった。
ビス(メチルアミノ)(トリメチルシリルアミノ)(t−ブチルアミノ)シランの代りに実施例6で得たビス(トリメチルシリルエチルアミノ)ビス(エチルアミノ)シランを用いた以外は実施例1と同様に実験を行なった。得られた結果を表1に示した。
<固体触媒成分の調製>
撹拌機を具備し、窒素ガスで充分に置換された、容量500mlの丸底フラスコに、無水塩化マグネシウム4.76g、デカン25ml及び2−エチルヘキシルアルコール23.4mlを装入し、130℃で2時間反応させ、均一溶液とした。次いで、該均一溶液に無水フタル酸1.11gを添加し、130℃で1時間反応させた。次いで該溶液を、攪拌機を具備し、窒素ガスで充分に置換された、容量500mlの丸底フラスコに装入され、−20℃に保持されたチタンテトラクロライド200ml中へ、1時間かけて全量滴下した。次いで、該混合溶液を4時間かけて110℃まで昇温した後、フタル酸ジイソブチル2.68mlを添加し、2時間反応させた。反応終了後、濾過により液体部分を除去し、残った固体成分を110℃でデカン及びヘキサンで遊離のチタン化合物が検出されなくなるまで洗浄し、濾過、乾燥して、粉末状の固体触媒成分を得た。この固体触媒成分中のチタン含有量を測定したところ、3.1重量%であった。
<重合用触媒の形成及び重合>
上記で得られた固体触媒成分を用いた以外は、実施例1と同様に重合用触媒の形成及び重合を行った。得られた結果を表1に示す。なお、分子量分布の測定は行なわなかった。
<固体触媒成分の調製>
攪拌機を具備し、窒素ガスで充分に置換された、容量1000mlの丸底フラスコに、グリニャール用削状マグネシウム32gを投入した。次いで、該マグネシウムに、ブチルクロライド120g及びジブチルエーテル500mlの混合液を、50℃で4時間かけて滴下し、その後60℃で1時間反応させた。反応終了後、反応溶液を室温に冷却し、濾過により固形分を除去し、マグネシウム化合物溶液を得た。次いで、攪拌機を具備し、窒素ガスで充分に置換された、容量500mlの丸底フラスコに、ヘキサン240ml、テトラブトキシチタン5.4g及びテトラエトキシシラン61.4gを装入し均一溶液としたところへ、該マグネシウム化合物溶液150mlを、5℃で4時間かけて滴下し反応させ、その後室温で1時間撹拌した。次いで、該反応溶液を室温で濾過し、液状部分を除去した後、残った固体分をヘキサン240mlで8回洗浄し、減圧乾燥させて、固体生成物を得た。次いで、該固体生成物8.6gを、攪拌機を具備し、窒素ガスで充分に置換された、容量100mlの丸底フラスコに装入し、更にトルエン48ml及びフタル酸ジイソブチル5.8mlを加え、95℃で1時間反応させた。その後、濾過により液状部分を除去した後、残った固体分をトルエン85mlで8回洗浄した。洗浄終了後、フラスコにトルエン21ml、フタル酸ジイソブチル0.48ml及びチタンテトラクロライド12.8mlを加え、95℃で8時間反応させた。反応終了後、95℃で固液分離し、固形分をトルエン48mlで2回洗浄し、次いで上記フタル酸ジイソブチル及びチタンテトラクロライドの混合物による処理を同一条件で再度行い、ヘキサン48mlで8回洗浄し、濾過、乾燥して、粉末状の固体触媒成分を得た。この固体触媒成分中のチタン含有量を測定したところ、2.1重量%であった。
<重合用触媒の形成及び重合>
上記で得られた固体触媒成分を用いた以外は、実施例1と同様に重合用触媒の形成及び重合を行った。得られた結果を表1に示す。なお、分子量分布の測定は行なわなかった。
Figure 0005143472
以上の結果から、重合時に本発明のアミノシラン化合物を用いると、高い立体規則性の重合体を収率良く得られ、かつ水素レスポンスが良好であることがわかる。また、本発明のアミノシラン化合物を選択すれば得られるポリマーの分子量分布が広くなることがわかる。
本発明の触媒成分及び重合触媒を調製する工程を示すフローチャート図である。

Claims (4)

  1. (A)マグネシウム、チタン、ハロゲンおよび電子供与性化合物を含有する固体触媒成分、B)下記一般式(2);R AlQ3−p(2)
    (式中、Rは炭素数1〜4のアルキル基を示し、Qは水素原子あるいはハロゲン原子を示し、pは0<p≦3の実数である。)で表される有機アルミニウム化合物および
    (C)下記一般式(1);(RN)(RHN)SiR(1)
    (式中、R、Rは水素原子、炭素数1〜20の直鎖または分岐状アルキル基、置換または未置換のシクロアルキル基、ビニル基、アリル基、アラルキル基、トリアルキルシリル基、トリアリルシリル基、トリアラルキルシリル基であり、ヘテロ原子を含んでいてもよく、同一でも異なってもよく、互いに結合して環状を形成してもよく、Rは炭素数1〜20の直鎖または分岐状アルキル基、置換または未置換のシクロアルキル基、ビニル基、アリル基またはアラルキル基であり、R は二級アミノ基であり、R はトリアルキルシリル基、トリアリルシリル基、トリアラルキルシリル基またはNR(式中、R、Rは同一でも異なってもよく、水素原子、炭素数1〜20の直鎖または分岐状アルキル基、置換または未置換のシクロアルキル基、ビニル基、アリル基、アラルキル基、トリアルキルシリル基、トリアリルシリル基またはトリアラルキルシリル基である。)であり、R とRおよびRとRは互いに結合して環状を形成してもよく、且つRがNR以外の基の場合、R及びRの中、少なくとも1つはトリアルキルシリル基、トリアリルシリル基またはトリアラルキルシリル基であり、RがNRの場合、R、R、R及びRの中、少なくとも1つはトリアルキルシリル基、トリアリルシリル基またはトリアラルキルシリル基である。)で表される化合物を有効成分とするオレフィン類重合用触媒。
  2. 前記固体触媒成分が、マグネシウム化合物()、4価のチタンハロゲン化合物()および電子供与性化合物()を接触させることにより調製されることを特徴とする請求項1に記載のオレフィン類重合用触媒。
  3. 請求項1または2記載のオレフィン類重合用触媒の存在下にオレフィン類の重合を行うことを特徴とするオレフィン類重合体の製造方法。
  4. 前記オレフィン類重合体が、プロピレン重合体であることを特徴とする請求項記載のオレフィン類重合体の製造方法。
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