JPWO2010050579A1 - モノシランおよびテトラアルコキシシランの製造方法 - Google Patents

モノシランおよびテトラアルコキシシランの製造方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、一般式(1)(式中、Rは炭素数1〜6のアルキル基を表わし、nは1〜3の整数である。)で示されるアルコキシシランを、アルカリ金属フッ化物を含む触媒および触媒活性化剤の存在下で、気相で不均化反応させるモノシランおよびテトラアルコキシシランの製造方法に関する。本発明の製造方法によれば、液相でのアルコキシシランの不均化反応によってモノシランおよびテトラアルコキシシランを製造する方法において、溶媒との分離が困難であるという問題と、反応が非常に遅く工業的な製造には適していないという問題を解決することができる。

Description

本発明は、アルコキシシランの不均化反応によるモノシランおよびテトラアルコキシシランの製造方法に関する。
モノシランは、高純度の揮発性シリコン材料として有用であり、太陽電池、半導体、アモルファスシリコン感光材料、さまざまなセラミック材料の製造のために広く使用される。
モノシランの製造方法はこれまでに種々の方法が知られており、マグネシウムシリサイドと酸あるいは臭化アンモニウムとの反応を用いる方法、LiAlH4による塩化ケイ素の還元法、4フッ化珪素のCaH2による還元法、アルコキシシランの不均化反応による方法が知られている。
上記のアルコキシシランの不均化反応は、出発物質として通常はトリアルコキシシランを用い、次の式:
Figure 2010050579
に従って、モノシランとテトラアルコキシシランが製造される。
モノシランと同様にテトラアルコキシシランも、光ファイバー、フォトマスク、IC用の封止材のための異なるシリコン化合物の生産のための純粋なシリコン先駆体材料として有用な化学物質である。
トリエトキシシランおよびトリメトキシシランは、上記不均化反応の出発物質として使用され、以下の式で示されるように、テトラエトキシシランおよびテトラメトキシシランがモノシランと一緒に、それぞれ生産される。
Figure 2010050579
上記の反応を行わせる際、不均化反応の触媒として金属ナトリウムを用いることができる。しかしながら、その収率は低く、したがって、その方法は実用的に有用ではなかった。
特許文献1には、アルカリ金属アルコキシドまたはアルカリ金属シリケートを触媒として使用する方法が記載されている。しかしながら、液相での反応は非常に遅く、反応時間は10時間超であり、それゆえ工業的な製造には適していない。
特許文献2には、一般式HnSi(OR)4-n[式中、nは1、2または3であり、Rはアルキル基もしくはシクロアルキル基を表わす。]で示されるアルコキシシランを不均化させて、モノシラン及びテトラアルコキシシランを製造する方法において、(i)アルコキシシランを触媒の存在下、溶媒中で不均化反応させ、モノシラン及びテトラアルコキシシランを得る反応工程、(ii)反応工程から触媒及びテトラアルコキシシランを含有する溶媒の一部を抜き出す工程、(iii)抜き出した触媒及びテトラアルコキシシランを含有する溶媒から蒸留によりテトラアルコキシシランの一部又は全量を分離する工程、からなるモノシラン及びテトラアルコキシシランの製造方法が開示されている。
しかしながら、この方法も溶液中での不均化反応であり、溶媒との分離が困難であるという問題と、十分な高い反応速度ではないという問題があった。
米国特許第4016188号明細書 特開2001−19418号公報
本発明は、アルコキシシランの不均化反応によってモノシランおよびテトラアルコキシシランを製造する方法において、上記のような溶媒との分離が困難であるという問題と、反応が非常に遅く工業的な製造には適していないという問題を解決する方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記従来技術の問題点を解決すべく鋭意検討した結果、下記一般式(1)
Figure 2010050579
(式中、Rは炭素数1〜6のアルキル基を表わし、nは1〜3の整数である。)
で示されるアルコキシシランを、アルカリ金属フッ化物を含む触媒および触媒活性化剤の存在下で、気相で不均化反応させることにより上記課題を解決できることを見出した。
すなわち、本発明は以下の事項に関する。
[1]一般式(1)
Figure 2010050579
(式中、Rは炭素数1〜6のアルキル基を表わし、nは1〜3の整数である。)
で示されるアルコキシシランを、アルカリ金属フッ化物を含む触媒および触媒活性化剤の存在下で、気相で不均化反応に付することを特徴とするモノシランおよびテトラアルコキシシランの製造方法。
[2]前記アルカリ金属フッ化物がフッ化カリウムである前記[1]に記載の方法。
[3]前記フッ化カリウムがフッ化カリウム二水和物である前記[2]に記載の方法。
[4]前記触媒活性化剤が、一般式(2)
Figure 2010050579
(式中、R1およびR2は、互いに独立して、炭素数1〜3のアルキル基を表わし、XはBr,ClまたはFを表わす。)
で示されるテトラキス(ジアルキルアミノ)ホスホニウムハライドである前記[1]〜[3]のいずれかに記載の方法。
[5]前記テトラキス(ジアルキルアミノ)ホスホニウムハライドが、テトラキス(ジエチルアミノ)ホスホニウムブロマイドである前記[4]に記載の方法。
[6]前記触媒活性化剤が、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタンである前記[1]〜[3]のいずれかに記載の方法。
[7]前記触媒活性化剤が、一般式(3)
Figure 2010050579
(式中、R3、R4、R5およびR6は、互いに独立して、炭素数1〜3のアルキル基を表わし、XはBr、ClまたはFを表わす。)
で示されるヘキサアルキルグアニジニウムハライドである前記[1]〜[3]のいずれかに記載の方法。
[8]前記ヘキサアルキルグアニジニウムハライドが、ヘキサエチルグアニジニウムクロライドである前記[7]に記載の方法。
[9]前記触媒活性化剤が、一般式(4)
Figure 2010050579
(式中、R7,R8,R9およびR10は、互いに独立して、炭素数1〜4のアルキル基を表わす。)
で示されるテトラアルキルアンモニウムクロライドである前記[1]〜[3]のいずれかに記載の方法。
[10]前記テトラアルキルアンモニウムクロライドが、テトラブチルアンモニウムクロライドである前記[9]に記載の方法。
[11]前記触媒活性化剤がフッ化カルシウムである前記[1]〜[3]のいずれかに記載の方法。
[12]前記アルカリ金属フッ化物がフッ化カリウムであり、前記触媒活性化剤がフッ化カルシウムであり、前記フッ化カリウムと前記フッ化カルシウムとがカリウムカルシウム三フッ化物を形成し、触媒と触媒活性剤が一体となったものを使用する前記[2]に記載の方法。
[13]前記アルカリ金属フッ化物がフッ化カリウムであり、前記触媒活性化剤がフッ化カルシウムであり、前記フッ化カリウムと前記フッ化カルシウムとがカリウムカルシウム三フッ化物を形成し、触媒と触媒活性剤が一体となったものを使用する前記[11]に記載の方法。
[14]前記触媒活性化剤が、一般式(5)
Figure 2010050579
(式中、mは2〜8の整数である。)
で示されるオリゴエチレングリコールジメチルエーテルである前記[1]〜[3]のいずれかに記載の方法。
[15]前記一般式(1)のnが1である前記[1]に記載の方法。
[16]前記一般式(1)のnが1であるアルコキシシランが、トリメトキシシランである前記[15]に記載の方法。
本発明の方法は、アルコキシシランの不均化によってモノシランおよびテトラアルコキシシランを製造する方法において、特定の触媒と触媒活性化剤を使用して、気相で反応させることによって、溶媒との分離が困難であるという問題と、十分な高い反応速度ではないという問題を解決することができる。
以下、本発明に係るモノシランおよびテトラアルコキシシランの製造方法について詳細に説明する。
本発明は、下記一般式(1)で示されるアルコキシシランを、アルカリ金属フッ化物を含む触媒および触媒活性化剤の存在下で、気相で不均化反応させることを特徴とするモノシランおよびテトラアルコキシシランの製造方法である。
Figure 2010050579
(式中、Rは炭素数1〜6のアルキル基を表わし、nは1〜3の整数である。)
本発明の不均化反応の出発物質である一般式(1)で示されるアルコキシシランとしては、モノアルコキシシラン、ジアルコキシシラン、またはトリアルコキシシランを挙げることができる。Rは、炭素数1〜6のアルキル基であるが、炭素数1〜2のアルキル基が好ましい。特に好ましいアルコキシシランとして、モノメトキシシラン、ジメトキシシシラン、トリメトキシシラン、モノエトキシシラン、ジエトキシシランおよびトリエトキシシランを挙げることができる。これらの中で、トリメトキシシランおよびトリエトキシシランが最も好ましい。
本発明の方法のための不均化反応には、少なくとも2つの成分、すなわちアルカリ金属フッ化物を含む触媒および触媒活性化剤とで構成される触媒組成物が必要である。
触媒組成物の第1成分はアルカリ金属フッ化物であり、MeFからなる群から選ばれる。ここで、Meは、アルカリ金属を意味する。具体的には、アルカリ金属フッ化物はLiF、NaF、KF、またはCsFを含むことができる。これらの中で、フッ化ナトリウム、フッ化カリウムおよびフッ化セシウムが好ましい。
触媒組成物の第2成分である触媒活性化剤は、以下の有機または無機の化合物からなる群から選ばれる。
まず1つめに、下記一般式(2)で示されるテトラキス(ジアルキルアミノ)ホスホニウムハライドを触媒活性化剤として使用することができる。
Figure 2010050579
(式中、R1およびR2は、互いに独立して、炭素数1〜3のアルキル基を表わし、XはBr、ClまたはFを表わす。)
特に、テトラキス(ジエチルアミノ)ホスホニウムブロマイド(化学式:(Et2N)4PBr。以下、TDAPBと表記する場合がある。)を、触媒活性化剤として好ましく使用することができる。一般式(2)で示されるテトラキス(ジアルキルアミノ)ホスホニウムハライドは、アルカリ金属フッ化物100質量部に対して、0.1〜20質量部の範囲で配合することが好ましい。
2つめの触媒活性化剤として、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(以下、DABCOと表記する場合がある。)を挙げることができる。この場合は、DABCOだけでなく、DABCOに関連する芳香族および脂肪族構造の環状3級アミン(例えば、N,N’−ジアルキルピペラジン、N,N’−ジアルキル−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノン−5−エン、ピラジン)も有効な有機触媒活性化剤である。例えば、市販のフッ化水素カリウム(KF・HF)にDABCO溶液を含浸させ、次いで乾燥して熱処理したものを使用することができる。DABCOは、アルカリ金属フッ化物100質量部に対して、0.01〜20質量部の範囲で配合することが好ましい。
3つめの触媒活性化剤として、下記一般式(3)で示されるヘキサアルキルグアニジニウムハライドを挙げることができる。
Figure 2010050579
(式中、R3、R4、R5およびR6は、互いに独立して、炭素数1〜3のアルキル基を表わし、XはBr,ClまたはFを表わす。)
具体的には、[(Et2N)2CNEt2]Clで示されるヘキサエチルグアニジニウムクロライド(以下、HEGCと表記する場合がある。)が好ましく使用することができる。一般式(3)で示されるヘキサアルキルグアニジニウムハライドは、アルカリ金属フッ化物100質量部に対して、0.5〜30質量部の範囲で配合することが好ましい。
4つめの触媒活性化剤として、下記一般式(4)で示されるテトラアルキルアンモニウムクロライドを挙げることができる。
Figure 2010050579
(式中、R7、R8、R9およびR10は、互いに独立して、炭素数1〜4のアルキル基を表わす。)
特に、前記テトラアルキルアンモニウムクロライドとして、テトラブチルアンモニウムクロライド(以下、TBACと表記する場合がある。)が好ましい。特に、アルカリ金属フッ化物がフッ化カリウム二水和物である場合、このフッ化カリウム二水和物へのTBAC添加物は好ましい。このタイプの触媒組成物は、アセトニトリル溶液中、市販のTBACをフッ化カリウム二水和物と撹拌し、乾燥することによって調製することができる。一般式(4)で示されるテトラアルキルアンモニウムクロライドは、アルカリ金属フッ化物100質量部に対して、0.6〜40質量部の範囲で配合することが好ましい。
5つめの触媒活性化剤として、フッ化カルシウムを挙げることができる。アルカリ金属フッ化物としてフッ化カリウムを使い、触媒活性化剤としてフッ化カルシウムを使った触媒組成物の場合、フッ化カリウムとフッ化カルシウムとがカリウムカルシウム三フッ化物(化学式は、KCaF3)を形成し、触媒と触媒活性剤とが一体となったものを使用することが好ましい。カリウムカルシウム三フッ化物は、フッ化カリウムとフッ化カルシウムとを激しく機械的に粉砕して活性化することにより得ることができる。または、フッ化カルシウム(化学式は、CaF2)の粒子の表面にフッ化カリウムを担持させてアニーリングすることにより、KCaF3を表面に形成させて調製することもできる。フッ化カルシウムは、アルカリ金属フッ化物100質量部に対して、30〜150質量部の範囲で配合することが好ましい。
6つめの触媒活性化剤として、下記一般式(5)で示されるオリゴエチレングリコールジメチルエーテル(以下、略称としてグライムと表記する場合がある。)を挙げることができる。
Figure 2010050579
(式中、mは2〜8の整数である。)
この触媒活性化剤を使用した場合の触媒組成物としては、例えば60℃に加熱下、フッ化カリウム粒子にヘキサグライム、つまり一般式(5)においてm=6の化合物を直接含浸することによって得ることができる。一般式(5)で示されるオリゴエチレングリコールジメチルエーテルは、アルカリ金属フッ化物100質量部に対して、40〜1000質量部の範囲で配合することが好ましい。
本発明の方法における触媒組成物は、ほとんど固体として使用される。
アルカリ金属フッ化物と上記の有機触媒活性化剤を含む触媒組成物は、いくつかの適切な方法によって調製することができる。
触媒組成物を調製するための一般的な手順は、分散させたアルカリ金属フッ化物と添加された触媒活性化剤とを混合し、必要に応じて続けて処理することである。その一般的な方法は、アルカリ金属フッ化物の固体分散体の表面に、触媒活性化剤の極性有機溶媒溶液を浸透させて触媒活性化剤を担持する方法である。
触媒組成物を調製するもう1つの方法は、粒状のアルカリ金属フッ化物を触媒活性化剤で処理し、次いで熱処理することに基づいている。その他の調製方法の例としては、市販されている二フッ化カルシウムの錠剤を触媒活性化剤として使用する場合は、アルカリ金属フッ化物を担持させる担体として使用することができる。
このようにして得られた触媒組成物は、出発物質のアルコキシシラン100質量部に対し、少なくとも0.02質量部の量で使用すると効果的である。これらは通常0.02〜50質量部、好ましくは0.1〜20質量部の範囲で使用される。
不均化反応はバッチ式および連続的流通式の両方で実施することができる。出発原料として用いられる一般式(1)で示されるアルコキシシランおよび触媒組成物は、化学的に反応性が高いものではなく、そのため、装置の材料に関しては特別な制限なくプロセスを実施することができる。
したがって、種々の異なるタイプの反応器を使用することができるので工業的な製造プロセスにふさわしい触媒システムと言える。
不均化反応の反応温度は、加熱下で反応を行うことが好ましい。好ましい温度は、使用される出発物質のアルコキシシランによるが、100〜200℃の範囲である。
不均化反応の反応圧力は、0.2〜10気圧の範囲で行うことができ、圧力に顕著に依存しないので、大気圧下でプロセスを実施することが好ましい。
反応生成物のモノシランは空気に触れるとすぐに発火することが知られている。したがって、モノシランを含む反応媒体を、空気酸素と接触することによる発火から防ぐため、反応は窒素あるいはアルゴンのような不活性ガス雰囲気中で行うことが好ましい。
反応によって生成したモノシランは、−111.9℃の沸点を有し、反応器から取り出されてからガス状で捕集される。テトラアルコキシシランは、バッチ式の場合は反応器内に残る。流通式の反応器を使用する場合には、テトラアルコキシシランと未反応のトリアルコキシシランは反応器を通過し、テトラアルコキシシランは凝縮され、トリアルコキシシランは触媒反応器に戻される。本発明で使用される触媒は、出発物質と反応生成物の両方に不溶性であり、長期の運転期間中に使用することができる。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
比較例1:
活性型のフッ化カリウムは、フッ化カリウムと乾燥メタノール溶液(1:13〜20質量部)を減圧下、溶媒をゆっくり蒸発させることによってフッ化カリウムの再結晶を行い、次いで昇温させながら乾燥することによって調製した。
精製に使用されるメタノールは、純度が99.9%超のアメリカ薬局方試験適合(A.C.S.)であることだけでなく、乾燥窒素雰囲気を利用することが好ましい。メタノールを蒸発させる段階では、25〜35℃の温度がよい。
続く真空での乾燥は、少なくとも5〜6時間の間、75〜120℃の範囲で行うべきである。
フッ化カリウム担持アルミナは、以下のように調製される。粒径0.3〜1.0mmの中性アルミナ30gとフッ化カリウム20gを200mlの脱イオン水と混合する。弱く脱気しながら、溶媒を50〜60℃で蒸発させる。残った生成物を3時間、脱気しながら乾燥する。
モノシランおよびテトラアルコキシシランを調製するプロセスは次のように実施した。
電気炉を備えたPyrex(登録商標)ガラス製反応チューブに1.0gのフッ化カリウム担持アルミナを充填し、120℃に加熱した。蒸発されたトリメトキシシラン(流速3.5ml/min)およびヘリウム(流速35ml/min)の混合物を予熱器中で120℃に加熱し、次いで反応チューブに供給し、120℃で不均化反応を実施した。反応チューブから出てきたガス状の反応混合物は、20分ごとにガスクロマトグラフィー(GC)によって分析した。
反応開始10分後、未反応のトリメトキシシラン、モノシランおよびテトラメトキシシランの割合は、反応生成物中で実質的に一定であった。ジメトキシシランおよびモノメトキシシランは、最初の1時間経過後の反応中で不検出であった。
5時間の流通反応を行った後の分析は次の結果を示した。
すなわち、トリメトキシシランの転化率は63%、供給されたトリメトキシシランに対するモノシランの収率は63%(転化したトリメトキシシランに対するモノシランの収率は100%)、供給されたトリメトキシシランに対するテトラメトキシシランの収率は63%(転化したトリメトキシシランに対するテトラメトキシシランの収率は100%)であった。いかなる副生物もGCで検出されなかった。
実施例1〜6:
表1に示す各種の触媒活性化剤を使用したフッ化カリウムをベースとする触媒組成物の活性について試験を行い、その結果を表1に示した。トリメトキシシランの不均化反応と生成物の分析は、比較例と同様の方法で実施した。触媒の調製方法に関する特徴点についても表1に示した。フッ化カリウムは比較例と同様に調製した。
表1に記載したすべての実施例において、ガスクロマトグラフィー分析では、モノシランおよびテトラメトキシシラン以外の生成物は検出されず、アルコールやヘキサメトキシジシロキサンの二量体のような他の反応生成物は反応混合物に見出すことはできなかった。
したがって、プロセスの選択率は、転化したトリメトキシシランに関しては100%であった。
使用されたすべての触媒は、出発物質および反応生成物に不溶であった。反応の間、触媒の質量減少も見られなかった。5時間の反応の間、触媒活性の低下も見られなかった。
表1に示した結果から、本発明の触媒の効率は高いことが分かる。これらの結果は流通式の反応で得られ、それは連続的な工業的規模でモノシランおよびテトラアルコキシシランを製造するために容易に適用できる。
比較例2:
アルカリ金属フッ化物を使用せずに、触媒活性化剤単独の触媒活性について比較実験を行った。これらの比較実験は、比較例1に記載した条件で行った。触媒活性化剤は比較例1と同様の方法でアルミナ担体に塗布した。
その結果、触媒活性剤自体の触媒活性は低く、トリメトキシシランの転化率は14%未満であった。アルミナ担持TBACだけはトリメトキシシランの転化率が26%、選択率が66%であった。したがって、触媒活性化剤自体の触媒活性は低いことが判明した。
実施例7〜12:
その他の触媒組成物の触媒活性について試験し、その結果を表1に示した。トリメトキシシランの不均化反応および生成物については比較例と同様に行った。触媒組成物は、触媒活性化剤が実施例1〜6で使用した触媒活性化剤と同種の場合は、それと同様の方法で調製した。フッ化カリウム等のアルカリ金属フッ化物は比較例1と同様の方法で調製した。
選択率は、モノ、ジ、トリおよびテトラアルコキシシランの合計量に対するテトラアルコキシシランの割合をモル%で計算した。アルコールあるいはシロキサン二量体のような他の不純物は、反応生成物中に検出されなかった。
表1から試験した触媒組成物の効率は高いことが分かる。
尚、ガス状の反応混合物と反応器中の触媒との接触時間を長くすると転化率は向上する傾向がある。例えば実施例3において、ヘリウムガスの流速を35ml/minから70ml/min、150ml/minにそれぞれ変化させた場合、トリメトキシシランの転化率は89%から、52%、33%と変化した。つまり、触媒と反応混合物との接触時間が短くなれば転化率は低下する。
Figure 2010050579

Claims (16)

  1. 一般式(1)
    Figure 2010050579
    (式中、Rは炭素数1〜6のアルキル基を表わし、nは1〜3の整数である。)
    で示されるアルコキシシランを、アルカリ金属フッ化物を含む触媒および触媒活性化剤の存在下で、気相で不均化反応に付することを特徴とするモノシランおよびテトラアルコキシシランの製造方法。
  2. 前記アルカリ金属フッ化物がフッ化カリウムである請求項1に記載の方法。
  3. 前記フッ化カリウムがフッ化カリウム二水和物である請求項2に記載の方法。
  4. 前記触媒活性化剤が、一般式(2)
    Figure 2010050579
    (式中、R1およびR2は、互いに独立して、炭素数1〜3のアルキル基を表わし、XはBr,ClまたはFを表わす。)
    で示されるテトラキス(ジアルキルアミノ)ホスホニウムハライドである請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 前記テトラキス(ジアルキルアミノ)ホスホニウムハライドが、テトラキス(ジエチルアミノ)ホスホニウムブロマイドである請求項4に記載の方法。
  6. 前記触媒活性化剤が、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタンである請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  7. 前記触媒活性化剤が、一般式(3)
    Figure 2010050579
    (式中、R3、R4、R5およびR6は、互いに独立して、炭素数1〜3のアルキル基を表わし、XはBr、ClまたはFを表わす。)
    で示されるヘキサアルキルグアニジニウムハライドである請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  8. 前記ヘキサアルキルグアニジニウムハライドが、ヘキサエチルグアニジニウムクロライドである請求項7に記載の方法。
  9. 前記触媒活性化剤が、一般式(4)
    Figure 2010050579
    (式中、R7,R8,R9およびR10は、互いに独立して、炭素数1〜4のアルキル基を表わす。)
    で示されるテトラアルキルアンモニウムクロライドである請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  10. 前記テトラアルキルアンモニウムクロライドが、テトラブチルアンモニウムクロライドである請求項9に記載の方法。
  11. 前記触媒活性化剤がフッ化カルシウムである請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  12. 前記アルカリ金属フッ化物がフッ化カリウムであり、前記触媒活性化剤がフッ化カルシウムであり、前記フッ化カリウムと前記フッ化カルシウムとがカリウムカルシウム三フッ化物を形成し、触媒と触媒活性剤が一体となったものを使用する請求項2に記載の方法。
  13. 前記アルカリ金属フッ化物がフッ化カリウムであり、前記触媒活性化剤がフッ化カルシウムであり、前記フッ化カリウムと前記フッ化カルシウムとがカリウムカルシウム三フッ化物を形成し、触媒と触媒活性剤が一体となったものを使用する請求項11に記載の方法。
  14. 前記触媒活性化剤が、一般式(5)
    Figure 2010050579
    (式中、mは2〜8の整数である。)
    で示されるオリゴエチレングリコールジメチルエーテルである請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  15. 前記一般式(1)のnが1である請求項1に記載の方法。
  16. 前記一般式(1)のnが1であるアルコキシシランが、トリメトキシシランである請求項15に記載の方法。
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