JP4663079B2 - トリアルコキシシランからシランの製造方法およびテトラアルコキシシランからトリアルコキシシランの製造方法 - Google Patents

トリアルコキシシランからシランの製造方法およびテトラアルコキシシランからトリアルコキシシランの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シランの製造方法に関し、特に、製造設備のコストおよび運転コストの低減に有効かつ、シランの製造に際して副生成物として生成するテトラアルコキシシランをトリアルコキシシランに転換させて、再びシランの製造に用いるトリアルコキシシランからシランの製造方法およびテトラアルコキシシランからトリアルコキシシランの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体や太陽電池向けの高純度シリコンは、原料鉱石である珪石や珪砂をアーク炉還元して得られるシリコンを、一旦、塩素化合物(トリクロロシラン)とし、この塩素化合物を精製した後、再度還元または熱分解させることにより生成している。
【0003】
しかし、この方法では、塩素をしかも高温で用いるため、材料や設備の腐食対策、塩酸の回収設備や処理設備といった環境対策などに起因して、製造装置および製品のコストが高くなることは避けられず、技術的な課題も大きかった。
【0004】
そこで、塩素などのハロゲンを用いない方法による高純度シリコンの生成方法が検討され、次のようなプロセスによる方法が検討されていた。
【0005】
つまり、高純度シリコンの生成プロセスとして、
(1)メタノールやエタノールなどのアルコールとシリコンとの反応による、トリアルコキシシランの合成。
(2)トリアルコキシシランの不均化反応によるシランの製造。
の、2段階からなるプロセスを用いてシランを生成し、このシランを原料として高純度シリコンを生成する方法である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
この2段階のプロセスを用いて高純度シリコンを生成する方法が経済性に優れたものであるためには、トリアルコキシシランを安価に生成すると共に、トリアルコキシシランの不均化反応の反応成績が高く、さらに不均化反応で多量に副生するテトラアルコキシシランを有効利用することが必要条件となる。
【0007】
しかし、これらの反応プロセスに関して液相法を用いた特許は多数出願されているが、液相法では比較的転化率が高いが気相法に比べて反応速度が遅いという欠点があった。
【0008】
また、本発明が目的とする反応生成物であるシランは、原料であるトリアルコキシシランと、もう1つの反応生成物であるテトラアルコキシシランとの混合液中に溶解しているため、シランの収率を低下させやすく、また、蒸留などの方法によりテトラアルコキシシランを原料であるトリアルコキシシランと分離する必要があった。
【0009】
このため、効率の良い反応成績が得難く、また原料生成物および触媒の分離・回収などの複雑な操作が必要なため、製造コストが高いという問題点があった。
【0010】
一方、気相法は、液相法と比べて潜在的に反応速度が大きい利点はあるものの、選択性が低いとされ工業化が難しいと考えられてきた。
【0011】
また、原料トリアルコキシシラン中に含まれている水分によりトリアルコキシシランが加水分解され、シリカを生成したり、触媒に水分が吸着して触媒活性を下げるといった問題があった。
【0012】
また、トリアルコキシシランからシランを生成する際には、シラン1に対してテトラアルコキシシランが3のモル比で生成され、必ずしも高い収率でシランを生成することができるとはいい難く、さらに、テトラアルコキシシランはトリアルコキシシランに転換することができないと考えられていた。
【0013】
そこで本発明では、気相法による安価で高い反応成績を有すると共に、テトラアルコキシシランをトリアルコキシシランに転換させ、再びシランを生成するための原料として用いることが可能なトリアルコキシシランからシランの製造方法およびテトラアルコキシシランからトリアルコキシシランの製造方法を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明のシラン製造方法では、トリアルコキシシランの不均化反応により、シランとテトラアルコキシシランを生成する第2反応工程と、前記テトラアルコキシシランからトリアルコキシシランを生成する第3反応工程とを具備する。
【0015】
この構成により、ハロゲン化物を経由することなくシランを生成することができるため、環境対策や安全対策に優れ、また製造コストを低く抑えることができる。
【0016】
また、シリコンとアルコールとを気相反応させて、トリアルコキシシランを生成する第1反応工程を具備することにより、不純物の濃度が非常に低いアルコキシシランを容易に生成することができるため、純度の高いシランを低コストで提供することができる。
【0017】
また、シリコンの表面に形成された酸化物を除去する工程を具備することにより、高い触媒反応活性を得ることができる。
【0018】
また、シリコンと銅化合物とを接触させて熱処理を施す工程を具備することにより、高い触媒活性を長期間維持することができる。
【0019】
また、本発明では金属製の反応器を用いることができるため、シランを工業的に製造するには大変有用である。
【0020】
また、触媒活性が低下した触媒に熱処理を施して触媒を再生する工程を具備することにより、触媒を長時間使用ことができるため、シランの製造コストを抑えることができる。
【0021】
ここで触媒として、アルミナまたはジルコニアにフッ化カリウムまたはハイドロタルサイトを担持させたものを用いることができる。
【0022】
また、第2反応工程において、生成したシラン、テトラアルコキシシランの一方または両方を反応工程から速やかに分離することにより、トリアルコキシシランの不均化反応が促進され、シランの生成を促進することができる。
【0023】
次に、テトラアルコキシシランを、シリコンおよび水素と接触させてトリアルコキシシランを生成することにより、シランの生成工程などで生成されるテトラアルコキシシランをトリアルコキシシランに転換させることができるため、シランの収率を向上させることができる。
【0024】
ここで、生成反応を高圧下で行うことにより、テトラアルコキシシランからトリアルコキシシランへの転化率を向上させることができる。
【0025】
また、シリコンの表面に形成された酸化物を除去する工程と、シリコンと触媒としての銅化合物とを接触させて熱処理を施す工程とを具備することにより、テトラアルコキシシランからトリアルコキシシランへの転換率を向上させることができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
本発明のシラン生成方法における全体構成をブロック図を用いて図1に示す。
【0027】
本発明ではまず、第1反応工程10において、メタノールやエタノールなどのアルコールとシリコンとを、触媒を用いて反応させ、トリアルコキシシラン、水素、副生成物のテトラアルコキシシランを生成する。
【0028】
なお、図中において、アルコールを「R−OH」、アルコキシル基を「R−O」と示す。
【0029】
そして、第1反応工程10における生成物から第1分離工程40で、水素、トリアルコキシシラン、テトラアルコキシシランおよび未反応のアルコールを分離し、この工程で分離されたアルコールは、再び第1反応工程10に、また、水素およびテトラアルコキシシランは第3反応工程30において利用される。
【0030】
またトリアルコキシシランは、第2反応工程20に送られ、触媒を用いた反応により、シランおよびテトラアルコキシシランが生成され、第2分離工程50で、生成物であるシラン、テトラアルコキシシランおよび未反応のトリアルコキシシランが分離される。
【0031】
この分離工程で分離された未反応のトリアルコキシシランは、再び第2反応工程20で利用され、テトラアルコキシシランは、第3反応工程30に送られる。
【0032】
第3反応工程30では、テトラアルコキシシランを水素およびシリコンと反応させ、トリアルコキシシランを生成・分離(第3分離工程60)する。
【0033】
なお、第3反応工程において触媒を用いることにより、トリアルコキシシランの生成速度を促進することができる。
【0034】
そして、トリアルコキシシランは第2反応工程に送られ、シランの生成に利用される。
【0035】
この本発明の全体構成は、次の3つの構成からなるものである。
(1)シリコンとアルコールからトリアルコキシシランを生成する(第1反応工程)。
(2)トリアルコキシシランからシランを生成する(第2反応工程)。
(3)テトラアルコキシシランをトリアルコキシシランに転換する(第3反応工程)。
【0036】
なお、図1では、各反応工程毎に反応生成物の分離を行っているが、第1反応工程10において、テトラアルコキシシランの生成量および未反応のアルコールの量が少ない場合には、図5に示すように、第1反応工程ではアルコールと水素を分離し、第2反応工程20にトリアルコキシシランをテトラアルコキシシランと分離せずに供給する構成とすることもできる。
【0037】
また、第3反応工程における生成物を分離せずに第2反応工程に供給する構成や、第3分離工程に変えて第2分離工程を用いる図示しない構成とすることもできる。
【0038】
また、図6に示すように、各反応工程において生成された生成物は一括して第4分離工程70において分離され、分離された各生成物を原料とする工程に生成物を供給する構成とすることもできる。
【0039】
以下、第1乃至第3の実施の形態を用いて、各構成を詳細に説明する。
【0040】
図2は、シリコンとアルコールからトリアルコキシシランを生成する第1の実施の形態を示すブロック図である。
【0041】
本実施の形態では、シリコンとアルコール(メタノールまたはエタノール)とを気相反応させて、シランの原料となるトリアルコキシシラン(トリメトキシシランまたはトリエトキシシラン)を生成する。
【0042】
このとき、メタノールを用いた場合の反応式は、
Figure 0004663079
エタノールを用いた場合の反応式は、
Figure 0004663079
となる。
【0043】
なお、本実施の形態で用いられるシリコンは、高純度のシリコンに限られるものではなく、金属シリコンなどを用いることもできる。
【0044】
まず、原料のシリコンに不可避的に近く形成される酸化膜をフッ化水素などを用いてエッチングし、シリコンの表面を露出させた後、触媒である塩化銅と非酸化性雰囲気中で熱処理を行い、合金化処理を施す。
【0045】
ここで上記熱処理は、温度範囲を180℃から280℃、処理時間は5時間以内とする。
【0046】
そして、アルコールと気相反応させることにより、シリコン合金核である銅シリレン中の銅がアルコール中の官能基と置換されて、トリアルコキシシランが生成される。
【0047】
ここで、気相反応における温度範囲は、180℃から285℃とし、アルコール蒸気の流量は、常温、常圧下で、シリコン1gあたり1〜70L/h、好ましくは、2〜160L/hとする。
【0048】
また本実施の形態の条件下では、生成されるトリアルコキシシランは気体であるため、シリコン銅合金(銅シリレン)中のシリコンは反応によりトリアルコキシシランに形を変えて、固体シリコンの表面から離脱し、シリコンの表面では、新たに銅シリレンが形成され、同様の反応メカニズムによりトリアルコキシシランが形成される。
【0049】
ここでトリアルコキシシランは、蒸留など既知の方法を用いた分離工程12により、他の生成物と分離される。
【0050】
本実施の形態における、塩化銅触媒の粒径はシリコンと同程度もしくは小さいことが望ましい。
【0051】
これは、合金化処理によってシリコンの表面に合金核である銅シリレンを1平方ミリメートルあたり95個以上、好ましくは125個以上形成するため、シリコンと触媒との接触点の数が多く、生成される合金核の反応界面積が大きいことが望ましいためである。
【0052】
ここで、水酸化銅など銅シリレン種を形成する銅化合物を、塩化銅に代えて触媒に用いることもできる。
【0053】
また、合金化操作は、シリコンと触媒が静止状態である固定層、移動状態である移動層や流動層のいずれを用いることもできる。
【0054】
また、合金核の形成方法として粒子・粒子接触法について説明したが、触媒のベーパーを用いた気固反応を用いてシリコンの表面にシリコン合金核を形成してもよい。
【0055】
また、触媒を液体に溶解させ、その溶液中にシリコンを浸した後、溶液を乾燥させることにより、シリコンの表面に触媒を析出させ、シリコン合金核を形成してもよい。
【0056】
トリアルコキシシランが生成された後、新たな銅シリレンを形成するためのシリコン合金核へのシリコンの供給は、固相拡散により行われるが、固相拡散の速度は遅いため拡散距離を短くすることが好ましく、合金核の大きさは5μm以下、好ましくは1μm以下する。
【0057】
トリアルコキシシラン合成反応によるシリコン消失速度と拡散によるシリコン供給速度とのバランスをとる必要があるため、過大な反応速度は避けなければならないことから、気相反応時の温度は、先に述べた温度範囲を越えないように厳密に制御する必要がある。
【0058】
これは、反応温度がこの温度範囲を越えると次の何れかの問題点が発生するためである。
(1) 合金化処理温度の上昇に伴って合金核の成長速度が増すため、トリアルコキシシランの生成によるシリコンの消費速度と固相拡散によるシリコンの供給速度とのバランスが崩れ、反応に適したサイズを越える大きさの合金核が形成される。
(2) 反応温度の上昇に伴ってトリアルコキシシランの生成によるシリコンの消費速度が増大し、合金核へのシリコンの供給速度を大幅に上回ることにより、合金核の大きさを適したサイズに維持することが困難となり、トリアルコキシシランの選択性が低下する。
【0059】
前処理工程では上記(1)の問題点が、反応工程では上記(2)の問題点が発生しやすい。
【0060】
次に、図3は、トリアルコキシシランからシランを生成する第2の実施の形態を示すブロック図である。
【0061】
本実施の形態では、トリアルコキシシランの不均化反応によりシランを生成する。
【0062】
このとき、反応式は、
Figure 0004663079
または、
Figure 0004663079
となる。
【0063】
まず、アルミナまたはジルコニアの粉末に、フッ化カリウムまたはハイドロタルサイトなどの塩基性化合物を担持させて、触媒を形成する。
【0064】
ここで前処理として、触媒を非酸化性雰囲気中で200℃〜400℃、好ましくは250℃〜350℃の温度範囲で5分以上、好ましくは30分以上熱処理する。
【0065】
また、原料であるトリアルコキシシランに脱水処理などを施して、含まれている水分量を3000ppm以下、好ましくは500ppm以下とする。
【0066】
そして、トリアルコキシシランと触媒とを接触させて、不均化反応によるシランの生成を行う。
【0067】
このとき、テトラアルコキシシランが気相を維持しつつ、圧力などの反応条件において凝縮が起きない温度範囲内でかつできるだけ低温で反応を行うことが望ましく、具体的には原料がトリメトキシシランの場合は、常圧下で120〜250℃、好ましくは120〜150℃、トリエトキシシランの場合は、常圧下で166〜300℃、好ましくは166〜200℃の温度範囲で反応を行う。
【0068】
そして生成したシランは、蒸留など既知の方法を用いた分離工程22により、他の生成物と分離される。
【0069】
また、触媒活性の低下が発生した場合には、非酸化性雰囲気中において、250℃〜300℃の温度範囲で30分〜1時間熱処理を施し、触媒の再生を行う。
【0070】
本実施の形態では、非凝縮性のガスを混入または反応系を減圧にすることにより、低温を保持すると共に凝縮を避け、転化率の向上を図ることができる。
【0071】
また、不均化反応を用いて反応物を生成しているため、反応生成ガスであるシラン、テトラアルコキシシランの何れかまたは両方を反応系から膜分離などの方法を用いて生成後迅速に分離することにより、転化率を向上させることができる。
【0072】
また本実施の形態では、固定層、移動層、流動層のいずれを反応器として用いても良いが、触媒の寿命が長いことや再生が容易なことから固定層が工業的には好ましい。
【0073】
図4は、テトラアルコキシシランをトリアルコキシシランに転換する第3の実施の形態を示すブロック図である。
【0074】
本実施の形態では、シリコンとテトラアルコキシシラン(テトラメトキシシランまたはテトラエトキシシラン)とを反応させて、シランの原料となるトリアルコキシシラン(トリメトキシシランまたはトリエトキシシラン)を生成する。
【0075】
このとき、反応式は、
Figure 0004663079
または、
Figure 0004663079
となる。
【0076】
まず、第1の実施の形態と同様の方法を用いて合金化処理を行い、シリコンの表面に合金核を形成する。
【0077】
そして、テトラアルコキシシランと水素との混合ガスをシリコンと接触させて気相反応を行い、トリアルコキシシランを生成させる。
【0078】
本反応は反応温度が高いほど転化率が上昇することから、例えば常圧では200℃〜550℃、好ましくは300℃〜450℃の温度範囲で気相反応を行うなど、テトラアルコキシシランおよびトリアルコキシシランが熱分解しない範囲で高温、高圧であることが望ましく、この場合、気相を保持できず液相条件となる場合でも差し支えない。
【0079】
また、上記反応式が示唆するように、この反応はモル数が減少する反応であるため、高い圧力下でトリアルコキシシランの生成反応を行うことが望ましい。
【0080】
また、反応原料であるシリコンの表面に酸化物が形成されている場合には、合金化処理等を行う前に予め酸化物を除去を行う。
【0081】
酸化物を除去する方法としては、例えば、弗化水素、弗化水素酸、あるいはこれらを含む混合物などを用いたエッチング処理が有効であり、このエッチング処理などによる酸化物の除去は、トリアルコキシシラン合成の場合以上に十分行うことが好ましい。
【0082】
なお、エッチング処理に用いる方法は湿式法でも乾式法でもよいが、湿式法を用いた場合には、例えば、シリコンの表面を600mmHgの減圧下にさらす等の方法で、シリコン表面の水分濃度は1000ppm以下、好ましくは500ppm以下に乾燥させることが望ましく、この操作はトリアルコキシシラン合成の場合にも当てはまるが、それ以上に十分脱水を行う必要がある。
【0083】
また、テトラアルコキシシランからトリアルコキシシランへの転換は、トリアルコキシシランの合成の場合と比べて反応の進行が遅いため、銅シリレンを1平方mmあたり100個以上、好ましくは130個以上と、トリアルコキシシラン合成の場合以上に微小触媒合金核を数多く作ることが望ましく、また、触媒合金核の大きさは、10μm以下であることが好ましい。
【0084】
なお、合金化処理工程は、テトラアルコキシシランからトリアルコキシシランへの転換反応の前に前処理操作として独立して実施してもよいし、反応器内で反応と同時に自動的に起こさせることによって実施してもよい。
【0085】
テトラアルコキシシランからトリアルコキシシランへの転化率は、大きければ大きいほど良いが、工業的には5%以上、好ましくは少なくとも10〜20%程度の転換率が望まれる。
【0086】
反応原料の水素の必要な量は、量論上はテトラアルコキシシランの2/3であるが、テトラアルコキシシランの量の1倍〜10倍程度の過剰な水素を供給することにより、テトラアルコキシシランからトリアルコキシシランへの転換反応を促進することができる。
【0087】
そして、トリアルコキシシランは、蒸留など既知の方法を用いた分離工程32により、他の生成物と分離される。
【0088】
以下、実施例1〜15および比較例1を用いて第1の実施の形態について、実施例16〜21を用いて第2の実施の形態について、実施例22および23を用いて第3の実施の形態について詳細に説明する。
【0089】
【実施例1】
本実施例では、金属シリコン(山石金属製、純度98%)を45〜68μmに篩い分け、イオン交換水で洗浄した後、この金属シリコン5gをフッ化水素酸(広田化学工業製、特級)50ml中で1時間撹拌させ、その後、テフロンビーカー中の溶液をろ過、イオン交換水による洗浄を行った後、減圧(640mHg)乾燥を用いて残留水分500ppm以下に乾燥させた(以下、「HF処理」という)。
【0090】
そして、HF処理を施した金属シリコンと塩化第1銅(和光純薬製、特級)を10分間混合した混合物0.18gを固定層反応器(パイレックスガラス製、内径8mm)に充填した後、反応器を240℃に加熱し、ヘリウムガスを8.0NL/hの流量で1時間流通させて、熱処理を行った。
【0091】
ここで金属シリコンと塩化第1銅を混合して形成する触媒の触媒濃度は、次式で表される。
Figure 0004663079
上記式により、触媒濃度が1〜15wt%となるように調整を行う。
【0092】
熱処理後、反応器温度を240℃に保持した状態で、メタノールを54mmol/hの流量で供給して、トリメトキシシランの合成を行った。
【0093】
ここで、予めメタノールの分圧が60kPaとなるようにヘリウムガスの流量を調節した。
【0094】
なお、反応器の出口から排出されるガスをガスクロマトグラフ分析計(充填剤SE−30、カラム長さ2m、カラム温度150℃)に導入して、2.5分毎に生成物の分析を行った。
【0095】
その結果、誘導期なしでメトキシシラン化合物の生成(初期最大生成速度18mmol/h)が確認され、その後反応開始後3時間で、メトキシシランの生成が確認されなくなった。
【0096】
このときの金属シリコン転化率は85%、トリメトキシシランの選択率は99.8%であり、トリメトキシシラン以外のメトキシシラン生成物は、テトラメトキシシランのみであった。
【0097】
【比較例1】
金属珪素にHF処理を行わない点以外は、実施例1と同様の処理および反応条件で反応させ、反応生成物の分析を行った。
【0098】
約30分の誘導期の後、メトキシシランの生成が認められたが、生成速度は最大で約1mmol/hであり、実施例1と比較して、非常に小さかった。
【0099】
反応開始後9時間までの金属シリコンの転化率は29%、トリメトキシシラン選択率は100%であった。
【0100】
【実施例2】
実施例2では、熱処理温度を260℃、280℃、300℃とした点以外は、実施例1と同様の処理および反応条件で反応させて反応生成物の分析を行い、金属シリコン転化率およびトリメトキシシラン選択率を表1にまとめた。
表1
Figure 0004663079
【0101】
【実施例3】
実施例3では、熱処理を行わずに反応を開始させた点以外は、実施例1と同様の処理および反応条件で反応を行った。
【0102】
反応開始後約4時間でメトキシシラン化合物のピークが検出されなくなり、そのときの金属シリコン転化率は73%、トリメトキシシラン選択率は100%であった。
【0103】
【実施例4】
HF処理を施した金属シリコンと塩化第1銅(和光純薬製、特級)を10分間混合した混合物0.38g(触媒濃度5wt%)を固定層反応器(パイレックスガラス製、内径12mm)に充填した後、反応器を240℃に加熱し、ヘリウムガスを6.5NL/hの流量で1時間ダウンフローで流通させて、熱処理を行った。
【0104】
熱処理後、反応器温度を240℃に保持した状態で、メタノールを50mmol/hの流量で供給して、トリメトキシシランの合成を行った。
【0105】
ここで、予めメタノールの分圧が18kPaとなるようにヘリウムガスの流量を調節した。
【0106】
このときの金属シリコン転化率は88%、トリメトキシシラン選択率は88%であった。
【0107】
【実施例5】
実施例5では、反応器の材質がSUS304であること以外は、実施例1と同様の処理および反応条件で反応を行った。
【0108】
反応開始後約6時間でメトキシシラン化合物のピークが小さくなり、反応を打ち切った。
【0109】
このときの金属シリコン転化率は70%、トリメトキシシラン選択率は95%であった。
【0110】
【実施例6】
実施例6では、熱処理時のヘリウムガスの供給をアップフローとした点以外は、実施例4と同様の処理および反応条件で反応を行った。
【0111】
このときの金属シリコン転化率は60%、トリメトキシシラン選択率は45%であった。
【0112】
【実施例7】
実施例7では、メタノールの供給速度を100mmol/h(分圧35kPa)、200mmol/h(分圧70kPa)になるようにした点以外は、実施例4と同様の処理および反応条件で反応を行い、金属シリコン転化率およびトリメトキシシラン選択率を表2にまとめた。
表2
Figure 0004663079
【0113】
【実施例8】
実施例8では、触媒とシリコンとを1時間予め接触させて、前処理を行った固定層と、前処理を行っていない流動層とを実施例1と同様の処理および反応条件で反応を行い、反応温度およびトリメトキシシラン転化率を表3にまとめた。
表3
Figure 0004663079
【0114】
固定層に比べて流動層では選択率の低下がわずかに見られたものの転化率は大幅に上昇しており、シリコンと触媒とを加熱接触させる前処理操作を流動層では必ずしも必要としていないことが分かる。
【0115】
【実施例9】
実施例9では、金属シリコンの重量を4.5gまたは9.0g、金属シリコン1molに対するメタノールの流量(mol/h)の比を1または2、メタノールの分圧を30kPaまたは60kPaとした点以外は実施例1と同様の処理および反応条件で流動層を用いて反応を行い、金属シリコン転化率およびトリメトキシシラン選択率を表4にまとめた。
表4
Figure 0004663079
【0116】
1時間あたりのメタノール流量と金属シリコンの量をモル比であらわすと、1.0から2.0の間で、良好な値を得られることが分かる。
【0117】
【実施例10】
実施例10では、メタノールの流量を170mmol/h、触媒濃度を0.1〜10wt%とした点以外は実施例1と同様の処理および反応条件で流動層を用いて反応を行い、金属シリコン転化率およびトリメトキシシラン選択率を表5にまとめた。
表5
Figure 0004663079
【0118】
【実施例11】
実施例11では、反応容器の材質をパイレックスまたはSUS、金属シリコン重量を4.5または9.0g、メタノール流量を160または330mmol/hとした点以外は実施例1と同様の処理および反応条件で流動層を用いて反応を行い、金属シリコン転化率およびトリメトキシシラン選択率を表8にまとめた。
表6
Figure 0004663079
【0119】
このように、パイレックス製の固定層を反応容器として用いた場合とほぼ同様の反応成績をSUS製の流動層を用いた場合でも達成することができる。
【0120】
【実施例12】
実施例12では、反応容器の長さを12mmまたは24mm、金属シリコン重量を9.0g、メタノール流量を160または330mmol/hとした点以外は実施例1と同様の処理および反応条件で流動層を用いて反応を行い、金属シリコン転化率およびトリメトキシシラン選択率を表7にまとめた。
表7
Figure 0004663079
【0121】
【実施例13】
実施例13では、金属シリコンの粒径を直径45から105μmまたは45μm以上、メタノール流量を160mmol/hとした点以外は実施例1と同様の処理および反応条件で流動層を用いて反応を行い、金属シリコン転化率およびトリメトキシシラン選択率を表8にまとめた。
表8
Figure 0004663079
【0122】
【実施例14】
実施例14では、メタノール流量を160mmol/h、メタノールの分圧が44kPaになるようにヘリウムガスの流量を調整、金属シリコンを反応開始時4.5g投入し、その後2時間おきに2gずつ4回投入した点以外は実施例1と同様の処理および反応条件で流動層を用いて反応を行った。
【0123】
このときの金属シリコン転化率は78%、トリメトキシシラン選択率は95%であった。
【0124】
【実施例15】
実施例15では、実施例1の条件で得られたトリメトキシシラン中の不純物をICP発光分析を用いて、分析、定量した結果を表9に示す。
表9
Figure 0004663079
【0125】
【実施例16】
実施例16では、アルミナ粉末(Merck社製、特級)を30g取り、濃度46.6%のフッ化カリウム水溶液(和光純薬製、特級)を、アルミナ粉末の細孔容積に相当する量だけ含侵させて30分間風乾し、焼成管(パイレックスガラス製、内径30mm)に充填、流量100ml/minの窒素ガス気流中で、一晩150℃に加熱・乾燥させた。
【0126】
このようにして得られたアルミナ粉末は、フッ化カリウムを11.6wt%含有しており、このアルミナ粉末を不均化触媒として用いた。
【0127】
そして、不均化触媒0.5gを反応器(外径10mm、内径8mm、パイレックス製ガラス管)に充填し、ヘリウムガスを10ml/minの流量で流しながら300℃で1時間熱処理を行った。
【0128】
その後、トリメトキシシラン(水分含有量2000ppm)を10.5mol/hの流量で反応器に導入し、反応温度120℃、常圧下で不均化反応を行った。
【0129】
なお、トリメトキシシランの導入は、ヘリウムガスの流量を調整しながらトリメトキシシランの分圧が40kPaとなるように希釈混合して行った。
【0130】
そして、反応器の出口から排出されるガスをガスクロマトグラフ分析計に直接導入して、一定時間毎に反応生成物の分析を行った。
【0131】
この結果、反応開始後150時間の間、トリメトキシシランの転化率が85%を保持し、このときのシランの生成速度は、12mmol/hであった。
【0132】
また、シラン以外の生成物はテトラメトキシシランであり、シランとテトラメトキシシランのモル比はほぼ1:3で、化学量論比に近い値を得た。
【0133】
なお、上記150時間は触媒の寿命をあらわすものではなく、150時間を越えても引き続き初期活性を持続していることが確認された。
【0134】
【実施例17】
実施例17では、熱処理温度を150℃とした点以外は、実施例16と同様の処理および反応条件で反応を行った。
【0135】
反応開始から40時間までトリメトキシシランの転化率は約80%の値を保持し、シランの生成速度は、10mmol/minであったが、その後徐々に転化率の低下が見られた。
【0136】
また、シラン以外の生成物はテトラメトキシシランであり、シランとテトラメトキシシランのモル比は、化学量論比である1:3に近い値を得た。
【0137】
【実施例18】
実施例18では、トリメトキシシランに含まれる水分量を5000ppmとした点以外は、実施例16と同様の処理および反応条件で反応を行った。
【0138】
反応開始から10時間までトリメトキシシランの転化率は約70%の値を保持し、シランの生成速度は、8mmol/minであったが、その後徐々に転化率の低下が見られた。
【0139】
また、シラン以外の生成物はテトラメトキシシランであり、シランとテトラメトキシシランのモル比は、化学量論比である1:3に近い値を得た。
【0140】
【実施例19】
実施例19では、フッ化カリウムを10.4wt%含有するアルミナ粉末0.5gを不均化触媒に用い、トリメトキシシランを流量12mmol/h、分圧21kPaとした点以外は、実施例16と同様の処理および反応条件で固定層を用いて反応を行った。
【0141】
反応開始から190時間後の時点でもなおトリメトキシシランの転化率は82%の値を保持していることが確認された。
【0142】
【実施例20】
実施例20では、反応温度を80℃から250℃の間で変化させた点以外は、実施例19と同様の処理および反応条件で反応を行い、トリメトキシシラン転化率を表10にまとめた。
表10
Figure 0004663079
【0143】
【実施例21】
実施例21では、触媒の重量W(g)と1時間あたりのトリメトキシシランの流量F(mol/h)との比を、触媒の重量を1時間あたりのトリメトキシシランの流量で割った値W/Fで表し、この値を0.5〜8の間で変化させた点以外は、実施例19と同様の処理および反応条件で反応を行い、W/Fの値とトリメトキシシラン転化率を表11にまとめた。
表11
Figure 0004663079
【0144】
【実施例22】
まず、実施例1と同様の方法を用いて触媒濃度が5wt%の銅を担持する金属シリコンを調整し、この金属シリコン1gを反応器に充填する。
【0145】
そして、常圧で反応器温度を200℃〜450℃の温度範囲で変化させ、テトラメトキシシランと水素とを体積比で1.9:1の割合で混合した混合ガスを55mmol/hの流量で反応器に供給した。
【0146】
なお、反応器の出口から排出されるガスをガスクロマトグラフ分析計に直接導入して、生成物の分析を行った。
【0147】
また、各反応温度におけるテトラメトキシシランの転化率を表12にまとめた。
表12
Figure 0004663079
【0148】
なお、反応生成物のほとんどはトリメトキシシランであるが微量のジメトキシシランおよびモノメトキシシランが検出された。
【0149】
【実施例23】
実施例23では、エッチング処理、洗浄を行った後、常圧でシリコンを乾燥させ、シリコン表面の残留水分を2000ppmとした点以外は、実施例22と同様の処理および反応条件で反応を行った。
表13
Figure 0004663079
【0150】
表12と比較すると、同じ反応温度では残留水分が500ppmである実施例22の方がテトラメトキシシランの転化率が高く、シリコン表面の水分が少ない方が高い転化率を得られることが分かる。
【0151】
【実施例24】
実施例24では、150〜200μmの触媒(塩化第一銅)粒子を用いて、加熱温度150℃、加熱時間10分間で熱処理を行い、1平方ミリメートル当たり約50個の合金核を形成したシリコンを用いた点以外は、実施例22と同様の処理および反応条件で反応を行った。
表14
Figure 0004663079
【0152】
【実施例25】
実施例25では、反応時の圧力を10kg/cmGとすると共に、テトラメトキシシラン54%、水素44%を含む混合ガスを145mmol/hの流量で反応器に供給した点以外は、実施例22と同様の処理および反応条件で反応を行い、テトラメトキシシランの転化率を表13にまとめた。
表15
Figure 0004663079
【0153】
【実施例26】
実施例26では、テトラメトキシシランと水素との体積流量比を1:2とした点以外は、実施例25と同様の処理および反応条件で反応を行った。
表16
Figure 0004663079
【0154】
表15と比較すると同じ反応温度では、テトラメトキシシランと水素を1:2の割合で混合している実施例26の方がテトラメトキシシランの転化率が高く、テトラメトキシシランに対して過剰な水素を添加する方がテトラメトキシシランの高い転化率を得られることが分かる。
【0155】
【発明の効果】
本発明では、多結晶シリコンやアモルファスシリコン、半導体デバイスなどの製造工程で原料として用いられるシランを、腐食性のあるハロゲン化物を経由することなく生成するため、環境対策や安全対策に優れ、また製造コストを低く抑えることができる。
【0156】
また、トリクロロシラン製造の場合と比べ、生成されるアルコキシシラン中の不純物量が極めて少ないため、純度の高いシランを生成することができる。
【0157】
さらに、シランの生成工程などで生成されるテトラアルコキシシランをトリアルコキシシランに転換させることができるため、シランの収率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明におけるシランの製造方法の全体構成を示すブロック図
【図2】第1の実施の形態の構成を示すブロック図
【図3】第2の実施の形態の構成を示すブロック図
【図4】第3の実施の形態の構成を示すブロック図
【図5】本発明におけるシランの製造方法の全体構成を示すブロック図
【図6】本発明におけるシランの製造方法の全体構成を示すブロック図
【符号の説明】
10…第1反応工程
11…トリアルコキシシラン生成工程
12、22、32…分離工程
20…第2反応工程
21…シラン生成工程
30…第3反応工程
31…テトラアルコキシシラン転換工程
40…第1分離工程
50…第2分離工程
60…第3分離工程
70…第4分離工程

Claims (12)

  1. トリアルコキシシランの不均化反応により、シランとテトラアルコキシシランを生成する第2反応工程と、前記テトラアルコキシシランからトリアルコキシシランを生成する第3反応工程とを具備することを特徴とするシラン製造方法。
  2. シリコンとアルコールとを気相反応させて、前記トリアルコキシシランを生成する第1反応工程をさらに具備することを特徴とする請求項1記載のシラン製造方法。
  3. シリコンの表面に形成された酸化物を除去する工程を具備することを特徴とする請求項1または請求項2記載のシラン製造方法。
  4. シリコンと銅化合物とを接触させて熱処理を施す工程を具備することを特徴とする請求項1または請求項2記載のシラン製造方法。
  5. 金属製の反応器を用いることを特徴とする請求項1または請求項2記載のシラン製造方法。
  6. 前記第2反応工程で用いて触媒活性が低下した触媒に熱処理を施して触媒活性を再生する工程を具備することを特徴とする請求項1または請求項2記載のシラン製造方法。
  7. 前記触媒は、アルミナまたはジルコニアにフッ化カリウムまたはハイドロタルサイトを担持させたものであることを特徴とする請求項6記載のシラン製造方法。
  8. 前記第2反応工程において、生成したシラン、テトラアルコキシシランの1方または両方を反応工程から速やかに分離することを特徴とする請求項1または請求項2記載のシラン製造方法。
  9. テトラアルコキシシランを、シリコンおよび水素と触媒存在下で反応させてトリアルコキシシランを生成することを特徴とするトリアルコキシシランの製造方法。
  10. 高圧下で生成反応を行うことを特徴とする請求項9記載のトリアルコキシシランの製造方法。
  11. 前記シリコンの表面に形成された酸化物を除去する工程と、前記シリコンと触媒としての銅化合物とを接触させて熱処理を施す工程とをさらに具備することを特徴とする請求項9または請求項10記載のテトラアルコキシシランからトリアルコキシシランの製造方法。
  12. テトラアルコキシシランからトリアルコキシシランへの転化率が5%以上であることを特徴とする請求項9乃至11記載のテトラアルコキシシランからトリアルコキシシランの製造方法。
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