JPWO2010032809A1 - 光導波路 - Google Patents
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Abstract
Description
機器内部や機器間などの短距離で光信号を伝送するためには、フレキシブルなフィルム光導波路が望まれている。特に、携帯用小型機器の内部に光導波路を配線する場合には、省スペース化のために部品表面を這わせるようにして配線する場合も多く、小さな曲率半径で屈曲可能な、ポリマーフィルム光導波路が求められている。
すなわち、本発明は、下部クラッド層、パターニングされたコア層、上部クラッド層及び上部低弾性層がこの順に積層される光導波路であって、該上部低弾性層形成用樹脂組成物を硬化してなるフィルムの25℃での引張り弾性率が1〜2000MPaであり、かつ該上部クラッド層形成用樹脂フィルムを硬化してなる厚さ110μmの硬化フィルムの全光線透過率が90%以上であることを特徴とする光導波路を提供するものである。
2;基材
3;下部低弾性層
4;下部クラッド層
5;上部クラッド層
6;上部低弾性層
7;コアパターン
該高分子フィルムを構成する材料については特に制限はないが、柔軟性、強靭性などを有するとの観点から、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルの他、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルサルファイド、ポリアリレート、液晶ポリマー、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリイミド等が好適に挙げられる。
該基材2の厚さについては特に制限はないが、通常5〜50μmの範囲であり、好ましくは10〜40μmの範囲、さらに好ましくは15〜30μmの範囲である。
より好適には、クラッド層形成用樹脂が、(A)ベースポリマー、(B)光重合性化合物及び(C)光重合開始剤を含有する樹脂組成物により構成されることが好ましい。
エポキシ樹脂としては、例えば、東都化学(株)製「エポトートYD−7020、エポトートYD−7019、エポトートYD−7017」(いずれも商品名)、ジャパンエポキシレジン(株)製「エピコート1010、エピコート1009、エピコート1008」(いずれも商品名)等のビスフェノールA型エポキシ樹脂や、(株)ADEKA製「KRM−2110」等の脂環式エポキシ樹脂が挙げられる。
これらの(C)光重合開始剤は、単独で又は2種類以上組み合わせて用いることができる。
一方、下部低弾性層3を有さない場合は、3〜500μmの範囲が好ましい。3μm以上であると、光の閉じ込めに必要なクラッド厚さが確保でき、500μm以下であると、膜厚を均一に制御することが容易である。以上の観点から、該クラッド層の厚さは、さらに3〜100μmの範囲であることが好ましい。
コア層の厚さについては、乾燥後において、通常は20〜100μmとなるように調整される。コア層の厚さが20μm以上であると、光導波路形成後の受発光素子又は光ファイバーとの結合において位置合わせトレランスが拡大できるという利点があり、100μm以下であると、光導波路形成後の受発光素子または光ファイバーとの結合において、結合効率が向上するという利点がある。以上の観点から、コア層の厚さは、さらに30〜70μmの範囲であることが好ましい。
また、上部クラッド層形成用樹脂組成物を重合、硬化してなる硬化フィルムの温度25℃における波長830nmでの屈折率は、下部クラッド層と同様であることが好ましい。
比屈折率差(%)=[(コア部の屈折率)2−(クラッド層の屈折率)2]/[2×(コア部の屈折率)2]×100
なお、ここで、引張り弾性率とは以下の方法により測定したものをいう。
得られた硬化フィルム(幅10mm、長さ70mm)の引張り試験(つかみ具間距離50mm)を、引張り試験機((株)オリエンテック製 RTM−100)を用いて、温度25℃、引張り速度50mm/minで、JIS K 7127に準拠して行う。引張り弾性率は、引張り応力−ひずみ曲線の初めの直線部分を用いて、以下に示す式により算出する。
引張り弾性率(MPa)=直線上の2点間の応力の差(N)÷硬化フィルムの元の平均断面積(mm2)÷同じ2点間のひずみの差
この上部低弾性層により、機械的な引張り力が加わっても、その力が吸収されるため、コアの変形を小さくすることができ、光導波路の伝送特性の劣化を抑制することができる。なお、引張り降伏伸び率とは、フィルム引張り試験においてフィルムが降伏した時点での伸び率のことを意味するものであり、具体的には以下の方法により算出する。
引張り降伏伸び率は、以下に示す式により算出した。
引張り降伏伸び率(%)=(塑性変形開始時のつかみ具間距離(mm)−初期のつかみ具間距離(mm))÷初期のつかみ具間距離(mm)×100
なお、全光線透過率の測定は以下の方法により行う。
(全光線透過率)
得られた硬化フィルム(幅30mm、長さ30mm)の全光線透過率測定を、色度測定機(日本電色工業(株)製 300A)を用いて、温度25℃で、JIS K 7105に準拠して行う。
なお、本発明における硬化とは、熱又は活性光線あるいはその両方により、エポキシ基やエチレン性不飽和基などの重合性基が十分に反応し、フィルムが硬化した状態を指す。
下部低弾性層3は、上記上部低弾性層6の効果とあいまって、本発明の光導波路に、さらに良好な柔軟性を付与するものである。
なお、上部低弾性層形成用樹脂組成物と下部低弾性層形成用樹脂組成物は、同一であっても異なっていてもよいが、生産性の点からは同一であることが好ましい。
共重合体モノマーとしては、例えば、ブチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、アクリロニトリル等を挙げることができる。
これらのゴム成分の重量平均分子量は、10万以上であることが好ましく、10万〜300万であることがより好ましく、30万〜300万であることがさらに好ましく、50万〜200万であることが特に好ましい。重量平均分子量が10万以上であれば、シート状、フィルム状での強度や可撓性が充分に得られ、タック性が増大することがない。一方、300万以下であれば、他の樹脂成分との相溶性が良好である。なお、本発明において、重量平均分子量とは、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィーで測定し、標準ポリスチレン検量線を用いて換算した値を示す。
また、光導波路に耐湿耐熱性を付与するために、上部低弾性層及び下部低弾性層樹脂組成物中に、エポキシ系樹脂組成物等の樹脂を用いてもよい。
さらに、2つ以上のコア間のクロストーク防止を目的に、上部低弾性層及び下部低弾性層樹脂組成物として、光損失が大きな樹脂組成物を用いることもできる。
まずは、シリコン等の基板上に各層をスピンコート法などにより積層する方法である。より具体的には、基板上に、所望により下部低弾性層を形成するための組成物をスピンコート法等により塗布し、乾燥及びベーク等により下部低弾性層を形成させる。次いで、下部クラッド層形成用の樹脂組成物を塗布し、乾燥及びベーク等により下部クラッド層を形成させる。下部クラッド層上に、コア層形成用樹脂組成物を塗布、乾燥、ベーク等によってコア層を形成させた後、Si含有フォトレジスト等でマスクパターンを形成し、ドライエッチングなどによってコアパターンを形成する。その後、下部クラッド層を形成した方法と同様の方法によって上部クラッド層を形成する。該上部クラッド層の上に上部低弾性層形成用樹脂組成物を塗布し、乾燥し、必要に応じてベーク等することで、上部低弾性層を形成させ、最後に基板から剥離することで、フィルム状の光導波路を製造するものである。
本発明の光導波路は、上述のように、上部低弾性層を有する点が特徴であり、また所望により、下部低弾性層を有する点が特徴である。これらの上部低弾性層及び下部低弾性層は、独立に上部低弾性層形成用樹脂フィルム及び/又は下部低弾性層形成用樹脂フィルムを形成しておき、クラッド層形成用樹脂フィルム及びコア層形成用樹脂フィルムと積層させて光導波路を製造してもよいし、あらかじめ上部クラッド層形成用樹脂フィルムと上部低弾性層形成用樹脂フィルムを、また下部クラッド層形成用樹脂フィルムと下部低弾性層形成用樹脂フィルムをラミネートして複合フィルムを作製しておき、これを積層して光導波路を製造してもよい。また、該複合フィルムは、上部クラッド層形成用樹脂フィルム上に上部低弾性層形成用樹脂組成物を塗布することで、また下部クラッド層形成用樹脂フィルム上に下部低弾性層形成用樹脂組成物を塗布することで得てもよいし、逆に低弾性層形成用樹脂フィルム上に上部クラッド層形成用樹脂組成物又は下部クラッド層形成用樹脂組成物を塗布することでも得ることができる。
平板型ラミネートを用いた場合、減圧下でラミネートすることが望ましく、減圧の尺度である真空度は、10000Pa以下が好ましく、1000Pa以下がより好ましい。真空度は、密着性及び追従性の見地から低い方が望ましいが、生産性の観点(真空引きにかかる時間)もあるため、下限は10Pa程度である。ここでの加熱温度は40〜130℃とすることが好ましく、圧着圧力は、0.1〜1.0MPa(1〜10kgf/cm2)程度とすることが好ましいが、これらの条件には特に制限はない。
なお、上部クラッド層形成用樹脂フィルムと低弾性層形成用樹脂フィルムをあらかじめ積層した複合フィルムを用いる場合には、2種類の樹脂フィルムの支持体フィルムの反対側に保護フィルムが存在する場合には、どちらも保護フィルムをラミネート前に剥離する必要がある。
光導波路形成用樹脂フィルムの厚さとしては、上記クラッド層、コア層、及び低弾性層の厚さが得られるようにそれぞれ調整される。
また、コア層形成用樹脂フィルムにおいては、後にコア層形成用樹脂フィルムを剥離することが容易であり、かつ、耐熱性及び耐溶剤性を有するとの観点から、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレンなどが特に好適に挙げられる。
さらに、コア層形成用樹脂フィルムにおいては、パターン形成時のマスクとのギャップが小さくなり、より微細なパターンが形成できるという点から、50μm以下であることがさらに好ましい。以上の観点から、該支持体フィルムの厚さは10〜40μmの範囲であることがより好ましく、15〜30μmであることが特に好ましい。
保護フィルムとしては、支持体フィルムと同様なものが使用でき、必要に応じ離型処理や帯電防止処理がされていてもよい。
本発明の光導波路の製造方法における第1の工程は、基材上に設けられた下部クラッド層形成用樹脂を硬化し、下部クラッド層を形成するものである。基材2の材料としては前述のとおりである。
図2に示す基材2としてフィルムを使用する場合は、あらかじめ作製しておいたクラッド層形成用樹脂フィルムをそのまま用いることができる。すなわち、クラッド層形成用樹脂と基材としての支持体フィルム2から構成された下部クラッド層形成用樹脂フィルムの下部クラッド層形成用樹脂を硬化し、クラッド層4を形成するものである。このクラッド層4の表面は、平坦であることが好ましい。また、基材は後から剥離してもよい。
ここで接着処理とは、易接着樹脂コート、コロナ処理、サンドブラスト等によるマット加工などにより、支持体フィルムとこの上に形成されるクラッド層樹脂との接着力を向上させる処理である。
さらに、上述の基材2の片面又は両面上に、複数の上部クラッド、下部クラッド及びコア層を多段に有する、多層光導波路を作製してもよい。
ここで、基材上に下部低弾性層及び下部クラッド層を積層した複合フィルム又は下部低弾性層形成用樹脂フィルムと下部クラッド層形成用樹脂フィルムをラミネートしたものを用いることで、図1に示す態様の光導波路を製造することができる。
これらの塩基は、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
現像に用いるアルカリ性水溶液のpHは9〜14であることが好ましい。また、アルカリ性水溶液中には、表面活性剤、消泡剤などを混入させてもよい。
有機溶剤の濃度は、通常、2〜90質量%であることが好ましい。また、アルカリ性準水系現像液中には、界面活性剤、消泡剤などを少量混入させてもよい。
現像後の処理として、必要に応じて60〜250℃程度の加熱又は0.1〜1000mJ/cm2程度の露光を行うことにより、コアパターン7をさらに硬化して用いてもよい。
真空度は、密着性及び追従性の見地から低い方が望ましいが、生産性の観点(真空引きにかかる時間)もあるため、下限は10Pa程度である。ここでの加熱温度は40〜130℃とすることが好ましく、圧着圧力は、0.1〜1.0MPa(1〜10kgf/cm2)程度とすることが好ましいが、これらの条件には特に制限はない。
(評価方法)
1.光伝搬損失
実施例で得られた光導波路(導波路長10cm)の光伝搬損失を、光源に波長850nmの光を中心波長とするVCSEL(EXFO社製FLS−300−01−VCL)、受光センサ((株)アドバンテスト製Q82214)、入射ファイバー(GI−50/125マルチモードファイバ、NA=0.20)及び出射ファイバー(SI−114/125、NA=0.22)を用いて、カットバック法(測定導波路長10、5、3、2cm)により測定した。
2.屈曲耐久試験
実施例で得られた光導波路(導波路長10cm)の屈曲耐久試験を、屈曲耐久試験機((株)大昌電子製)を用い、曲げ角度0〜180°、曲げ半径2mm、曲げ速度2回/秒の条件で屈曲耐久試験を行い、硬化フィルムの破断の有無を観察した。
(コア層形成用樹脂フィルムおよび下部クラッド層形成用樹脂フィルムの作製)
第1表に示す配合にて、コア層およびクラッド層形成用樹脂組成物を用意し、これに溶剤としてエチルセロソルブを溶剤以外の成分100質量部に対して40質量部加え、コア層形成用及びクラッド層形成用樹脂ワニスを調合した。なお、第1表に示す配合において、(A)ベースポリマーおよび(B)光重合性化合物の配合量は、(A)成分及び(B)成分の総量に対する質量%であり、(C)光重合開始剤の配合量は、(A)成分及び(B)成分の総量100質量部に対する割合(質量部)である。
*2 A−BPEF;新中村化学工業(株)製、9,9−ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン
*3 EA−1020;新中村化学工業(株)製、ビスフェノールA型エポキシアクリレート
*4 KRM−2110;新中村化学工業(株)製、アリサイクリックジエポキシカルボキシレート
*5 2,2−ビス(2−クロロフェニル)−4,4',5,5'−テトラフェニル−1,2'−ビイミダゾール;東京化成工業(株)製
*6 4,4'−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン;東京化成工業(株)製
*7 2−メルカプトベンゾイミダゾール;東京化成工業(株)製
*8 SP−170;旭電化工業(株)製、トリフェニルスルホニウムヘキサフロロアンチモネート塩
(上部クラッド層形成用樹脂フィルムの作製)
上部クラッド層形成用樹脂ワニスとして、製造例1の下部クラッド層形成用樹脂ワニスと同様のものを用い、PETフィルム(帝人(株)製、商品名「ピューレックスA53」、厚さ25μm)にアプリケーター(ヨシミツ精機(株)製、「YBA−4」)を用いて塗布し(巻内の処理面使用)、下部クラッド層形成時と同様の条件で乾燥し、上部クラッド層形成用樹脂フィルムを得た。このときのフィルムの厚さは、アプリケーターの間隙を調節することで、5〜100μmの間で任意に調整可能であり、本製造例では、硬化後の膜厚が、10μmとなるように調節した。
また、アプリケーターの間隙を調節し、硬化後の膜厚が110μmのフィルムを製造し、紫外線露光機((株)大日本スクリーン製、MAP−1200)にて紫外線(波長365nm)を4000mJ/cm2照射後、160℃で1時間加熱処理し特性試験用硬化フィルムを得、全光線透過率を測定したところ、94%であった。
(低弾性層形成用樹脂フィルムの作製)
低弾性層形成用樹脂組成物として、(株)日本ゼオン製「DN631」60質量部、東都化成(株)製「YD−8125」12.25質量部、大日本インキ化学工業(株)製「LF−4871」7.75質量部、共栄社化学(株)製「TMP―A」20質量部、四国化成工業(株)「2PZ−CN」0.3質量部、チバスペシャルティケミカルズ(株)製「イルガキュア2959」1.0質量部、チバスペシャルティケミカルズ(株)製「イルガキュア819」1.0質量部を用意し、これに溶剤としてシクロヘキサノンを40質量部加え、低弾性層形成用樹脂ワニスを調合した。
得られた低弾性層形成用樹脂ワニスを、PETフィルム(帝人(株)製、商品名「ピューレックスA53」、厚さ25μm)にアプリケーター(ヨシミツ精機(株)製、「YBA−4」)を用いて塗布し(巻外の非処理面使用)、80℃、10分、その後100℃、10分で溶剤を乾燥させ、低弾性層形成用樹脂フィルムを得た。このときのフィルムの厚さは、アプリケーターの間隙を調節することで、5〜100μmの間で任意に調整可能であり、本製造例では、硬化後の膜厚が70μmとなるように調節した(以下、「低弾性層形成用樹脂フィルムA」と称する。)。
また、アプリケーターの間隙を調節し、硬化後の膜厚が110μmの特性試験用フィルムを製造し、PETフィルムをラミネート後、紫外線露光機((株)大日本スクリーン製、MAP−1200)にて紫外線(波長365nm)を4000mJ/cm2照射後、160℃で1時間加熱処理し硬化フィルムを得、弾性率を測定したところ、60MPaであった。また全光線透過率は84%であった。
(低弾性層形成用樹脂フィルムの作製)
製造例3において、「YD−8125」を23.7質量部、「LF−4871」を16.3質量部とし、「TMP−A」「イルガキュア2959」「イルガキュア819」を用いなかったこと以外は、製造例3と同様にして低弾性層形成用樹脂フィルムを得た(以下、「低弾性層形成用樹脂フィルムB」と称する。)。また、製造例3と同様にして得た110μmの膜厚の硬化フィルムの弾性率は110MPa、全光線透過率は65%であった。
(複合フィルムの作製)
上記製造例2で得られた上部クラッド層形成用樹脂フィルムと上記製造例3で得られた低弾性層形成用樹脂フィルムAをロールラミネータ(日立化成工業(株)製、HLM−1500)を用い、圧力0.4MPa、温度50℃、ラミネート速度0.2m/minの条件でラミネートし、上部クラッド層側のPETフィルムを除去して複合フィルムを得た(以下「複合フィルムA」と称する。)。
(複合フィルムの作製)
製造例5において、製造例3で得られた低弾性層形成用樹脂フィルムAに代えて、製造例4で得られた低弾性層形成用樹脂フィルムBを用いたこと以外は製造例5と同様に複合フィルムを得た(以下「複合フィルムB」と称する。)。
(複合フィルムの作製)
上記製造例1で得られた下部クラッド層形成用樹脂フィルムBと上記製造例3で得られた低弾性層形成用樹脂フィルムAをロールラミネータ(日立化成工業(株)製、HLM−1500)を用い、圧力0.4MPa、温度50℃、ラミネート速度0.2m/minの条件でラミネートして複合フィルムを得た(以下「複合フィルムC」と称する。)。
(光導波路の作製)
紫外線露光機((株)大日本スクリーン製、MAP−1200)にて紫外線(波長365nm)を1000mJ/cm2照射し、上記製造例1で得られた下部クラッド層形成用樹脂フィルムAを光硬化して下部クラッド層3を形成した。
次に、この下部クラッド層上に、ロールラミネータ(日立化成工業(株)製、HLM−1500)を用い圧力0.4MPa、温度50℃、ラミネート速度0.2m/minの条件で、上記製造例1で得られたコア層形成用樹脂フィルムをラミネートした。
続いて幅40μmのフォトマスク(ネガ型)を介し、上記紫外線露光機にて紫外線(波長365nm)を1000mJ/cm2照射した後、エチルセロソルブとN,N−ジメチルアセトアミドの8対2質量比混合溶剤にて、コアパターンを現像した。現像液の洗浄には、メタノールおよび水を用いた。
次に、製造例5で得た複合フィルムAを、真空加圧式ラミネータ((株)名機製作所製、MVLP−500)を用い、500Pa以下に真空引きした後、圧力0.4MPa、温度70℃、加圧時間30秒のラミネート条件にて、上部クラッド層形成用樹脂フィルム側がコアパターン及び下部クラッド層に接するようにラミネートした。その後、上記紫外線露光機にて紫外線(波長365nm)を4000mJ/cm2照射し、その後160℃で加熱処理を行って上部クラッド層5及び上部低弾性層6を形成し、光導波路を作製した。
なお、コア層およびクラッド層の屈折率をMetricon社製プリズムカプラー(Model2010)で測定したところ、波長850nmにて、コア層が1.584、クラッド層が1.537であり、比屈折率差は2.7%であった。
上記評価方法にて評価したところ、光伝搬損失は0.07dB/cmであり、屈曲耐久試験の結果、10万回後も破断しなかった。
(光導波路の作製)
実施例1において、製造例5で得た複合フィルムAに代えて、製造例6で得た複合フィルムBを用いたこと以外は実施例1と同様にして光導波路を作成した。
上記評価方法にて評価したところ、光伝搬損失は0.07dB/cmであり、屈曲耐久試験の結果、10万回後も破断しなかった。
(光導波路の作製)
上記製造例7で得られた複合フィルムCに、紫外線露光機((株)大日本スクリーン製、MAP−1200)にて紫外線(波長365nm)を1000mJ/cm2照射して、下部クラッド層形成用樹脂フィルムを光硬化して下部クラッド層4及び下部低弾性層3を形成した。
次に、下部クラッド層3の支持基材であるPETフィルムを剥離し、該下部クラッド層上に、ロールラミネータ(日立化成工業(株)製、HLM−1500)を用い圧力0.4MPa、温度50℃、ラミネート速度0.2m/minの条件で、上記製造例1で得られたコア層形成用樹脂フィルムをラミネートした。
以下、実施例1と同様にコアパターンを形成し、次いで製造例5で得た複合フィルムAを用いて、実施例1と同様に上部クラッド層5及び上部低弾性層6を形成し、光導波路を作製した。
上記評価方法にて評価したところ、光伝搬損失は0.06dB/cmであり、屈曲耐久試験の結果、10万回後も破断しなかった。
(光導波路の作製)
実施例1において、複合フィルムAに代えて、上記製造例3で得られた低弾性層形成用樹脂フィルムAを用いたこと以外は、実施例1と同様にして光導波路を作製した。
上記評価方法にて評価したところ、屈曲耐久試験の結果は10万回後も破断しなかったが、光伝搬損失は0.39dB/cmであった。
Claims (9)
- 下部クラッド層、パターニングされたコア層、上部クラッド層及び上部低弾性層がこの順に積層される光導波路であって、該上部低弾性層形成用樹脂組成物を硬化してなるフィルムの25℃での引張り弾性率が1〜2000MPaであり、かつ該上部クラッド層形成用樹脂組成物を硬化してなる厚さ110μmの硬化フィルムの全光線透過率が90%以上であることを特徴とする光導波路。
- さらに下部低弾性層を有し、該下部低弾性層、下部クラッド層、パターニングされたコア層、上部クラッド層及び上部低弾性層がこの順に積層され、かつ該下部低弾性層形成用樹脂組成物を硬化してなるフィルムの25℃での引張り弾性率が1〜2000MPaである請求項1に記載の光導波路。
- 前記コア層とクラッド層の比屈折率差が1〜10%である請求項1又は2に記載の光導波路。
- 前記低弾性層形成用樹脂組成物を硬化してなるフィルムの25℃での引張り降伏伸び率が5〜600%である請求項1〜3のいずれかに記載の光導波路。
- 前記低弾性層形成用樹脂組成物がゴム成分を含有する請求項1〜4のいずれかに記載の光導波路。
- 前記ゴム成分がアクリルゴム及び/又はアクリロニトリル−ブタジエンゴムである請求項5に記載の光導波路。
- 前記上部クラッド層の平均層厚が3〜20μmである請求項1〜6のいずれかに記載の光導波路。
- 前記上部低弾性層の平均層厚が5〜100μmである請求項1〜7のいずれかに記載の光導波路。
- 前記下部低弾性層の平均層厚が5〜100μmである請求項2〜7のいずれかに記載の光導波路。
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