JP2011017993A - 光導波路及び光電気複合配線板 - Google Patents

光導波路及び光電気複合配線板 Download PDF

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Abstract

【課題】簡便に厚さを制御し得る光導波路の構造を提供することによって、特定部分の剛性や柔軟性に優れ、光損失の少ない光導波路、及び光電気複合配線板を提供する。
【解決手段】第1のクラッド層2、コアパターン4、及び第2のクラッド層7が順に積層された光導波路であって、コアパターンがテーパ状のダミーコア9を含み、かつ該ダミーコアにより、第2のクラッド層の厚さが連続的に変化することを特徴とする光導波路、及び該光導波路を電気配線板に積層した光電気複合配線板である。
【選択図】図4

Description

本発明は、特定部分の剛性や柔軟性に優れ、かつ光損失の少ない光導波路に関するものである。
近年、電子素子間や配線基板間の高速・高密度信号伝送において、従来の電気配線による伝送では、信号の相互干渉や減衰が障壁となり、高速・高密度化の限界が見え始めている。これを打ち破るため電子素子間や配線基板間を光で接続する技術、いわゆる光インタコネクションが検討されている。光の伝送路として加工の容易さ、低コスト、配線の自由度が高く、かつ高密度化が可能な点からポリマー光導波路が注目を集めている。特に、携帯電話やノート型パソコンなどに光導波路を用いることが検討されている。
ところで、携帯電話などの電子機器においては、開閉可能な二つの機構部間の信号伝送にフレキシブル光導波路を用いる場合に、該フレキシブル光導波路は二つの機構部の連結部(ヒンジ)を跨ぐことが考えられる。この場合に、ヒンジによってフレキシブル光導波路は曲げられ、屈曲によって割れやクラックが生じることがあった。特に、近年の電子機器の小型化の要請から、ヒンジにおいて、Rが1〜2mm程度の小さい曲げ半径で曲げることが要求されるため、ヒンジでの割れやクラックの発生が顕著になるという問題があった。
特に、省スペース、薄型化に対応するため、光配線と電気配線を組み合わせた光電気混載基板が望まれるが、光電気混載基板ではさらにその厚さが増大するため、フレキシブル光導波路にはより一層の耐屈曲耐久性が求められていた。
フレキシブル光導波路の耐屈曲耐久性を向上させる方法としては、屈曲部分の厚さを薄くする方法があるが、光導波路全体の厚さを薄くすると、光導波路のコアサイズも小さくなり、光結合効率が低下することが考えられる。そこで、光入力部よりもフィルム厚さが薄い箇所を有する光導波路フィルムが提案されている(特許文献1参照)。
特許文献1では、上記のような光導波路フィルムを作製する方法として、コア材もしくはクラッド材、又はその前駆体の溶液を膜厚制御部を有するアプリケータヘッドを具備するアプリケータを用いて塗布するステップ、及び塗布された溶液の一部を除去するステップを含む製造方法が提案されている。しかしながら、上述のような溶液を用いる方法では、膜厚の制御が容易ではない。
一方、コアサイズを変えずに、屈曲部分のクラッド層を薄くすることができれば、光結合効率低下の問題点は発生せず、光導波路の耐屈曲耐久性を向上させることができるが、クラッド層の一部の膜厚を制御することは困難であった。
一方、用途によっては、光導波路の特定部分の強度を向上させたい場合があり、特定部分の厚さを厚くすることが要求される。この場合にも、上部クラッドの膜厚を制御することができ、コネクタ接続部など特定部分の強度を向上させることができれば、上記要求を満足させることが可能である。
このように、光導波路は使用態様によって、耐屈曲性を求められたり、強度を求められるが、光導波路の厚さのコントロールによって、光導波路の柔軟性及び剛性を制御することが可能となる。光導波路の厚さを制御する方法は種々考えられるが、必ずしも有効な手段はこれまで提案されておらず、より簡便な制御手段が求められていた。
国際公開第2007/026601号
本発明は、上記問題点に鑑み、簡便に厚さを制御し得る光導波路の構造を提供することによって、特定部分の剛性や柔軟性に優れ、光損失の少ない光導波路、及び光電気複合配線板を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、コアパターンとして、テーパ状のダミーコアを設けることにより第2のクラッド層の厚さを容易に制御することで、上記課題を解決し得ることを見出した。
すなわち、本発明は、第1のクラッド層、コアパターン、及び第2のクラッド層が順に積層された光導波路であって、コアパターンがテーパ状のダミーコアを含み、かつ該ダミーコアにより、第2のクラッド層の厚さが連続的に変化することを特徴とする光導波路、及び該光導波路を電気配線板に積層した光電気複合配線板を提供するものである。
本発明によれば、簡便に厚さを制御し得る光導波路の構造を提供することによって、特定部分の剛性や柔軟性に優れ、かつ光損失の少ない光導波路、及び光電気複合配線板を提供することができる。
本発明の光導波路の製造工程を示す模式図である。 本発明の光導波路の製造に用いるクラッド層形成用樹脂フィルムを説明する図である。 本発明の光導波路の製造に用いるコア層形成用樹脂フィルムを説明する図である。 本発明の光導波路の一態様を示す模式図である。 一般式(I)のパラメーターを説明するための図である。 屈曲耐久性試験の内容を示す概念図である。
本発明の光導波路は、第1のクラッド層、コアパターン、及び第2のクラッド層が順に積層された光導波路であって、コアパターンがテーパ状のダミーコアを含み、かつ該ダミーコアにより、第2のクラッド層の厚さが連続的に変化することを特徴とする。
本発明の光導波路の例を図1(f)、図4(a)〜(d)に示す。高屈折率であるコア層形成用樹脂からなるコアパターン6と、低屈折率であるクラッド層形成用樹脂からなるクラッド層(第1のクラッド層2および第2のクラッド層7)とで構成されている。コアパターン6は、コア層形成用樹脂からなるコア層に後述のようにネガマスクパターン5を通して活性光線を画像状に照射された後、現像工程を経て、パターン状に形成される。
本発明の光導波路におけるコアパターンは、例えば、図4(a)及び(c)に示すように、光伝送路として機能させるコア部4とともに、光伝送路として使用されないテーパ状のダミーコア9を含む。ここで、テーパ形状は、厚み方向あるいは幅方向に変化する形状、さらにはこれらを組み合わせた形状のいずれでも良いが、幅方向の変化はマスクパターンで容易に制御可能であるため、幅方向に変化するテーパ形状とすることが好ましい。該ダミーコア9の形状を、図4(a)又は(c)に示すようにテーパ状にすることで、それぞれ図4(b)又は(d)に示すように該ダミーコアの上面に設けられる第2のクラッド層の厚さが連続的に変化する構造とすることができる。このように、テーパ状のダミーコアを設け、その傾斜角度を制御することで、第2のクラッド層の上面における所望の部分がテーパ状を呈し、厚さが徐々に薄く又は厚くなるように第2のクラッド層の傾斜角度を制御することができる。
第2のクラッド層(上部クラッド層)の厚さが急激に変化すると、その部分の機械的強度が劣る、あるいはその部分にストレスがかかりクラック発生の原因となることが懸念される。また、ストレスが原因となり、光導波路の光損失が増加することも懸念される。そのため、第2のクラッド層の傾斜角度が0.1〜2度の範囲となるように、さらに好ましくは0.1〜1度の範囲となるように、テーパ状ダミーコアの形状を制御することが好ましい。
本発明の光導波路は、コアパターンがテーパ状のダミーコアを含み、かつ該ダミーコアにより、第2のクラッド層の厚さが連続的に変化する構造を、光導波路のいずれかの部分に有するものであればよいが、中間部での耐屈曲耐久性を向上させる観点から、光導波路の少なくとも一方の端部側におけるコアパターンがテーパ状のダミーコアを含み、かつ該ダミーコアにより、第2のクラッド層の厚さが前記少なくとも一方の端部から中間部に向けて連続的に薄くなるように変化する構造を有することが好ましい。
さらに、端部での強度を高め、結合のためのコネクタと接続される際のハンドリングを容易にする観点から、図4(b)に示すように、光導波路の両端部側におけるコアパターンがテーパ状のダミーコアを含み、かつ該ダミーコアにより、第2のクラッド層の厚さが両端部から中間部に向けて薄くなるように変化する構造を有することが好ましい。
本発明の光導波路は、光損失を抑制する観点から、第2のクラッド層の最小厚さが、第2のクラッド層の最大厚さに対して10〜80%の範囲にあることが好ましく、20〜70%の範囲にあることがより好ましい。
中間部での第2のクラッド層の最小厚さが上記の範囲であれば、光損失を抑制しつつ、端部での剛性および中間部での柔軟性を向上させることができる。また、本発明の光導波路が、中間部に屈曲部を有する場合、屈曲部である中間部での第2のクラッド層の最小厚さが、少なくとも一方の端部の最大厚さに対して上記の範囲にあると、屈曲部での耐屈曲耐久性を向上させることができ、好ましい。
なお、本発明の光導波路の上記使用態様において、端部とは光導波路の端からダミーコアの導波方向の長さに相当する部分までをいい、中間部とは、端部以外の部分をいう。屈曲部は、中間部の任意の部分に設けることができる。
また、本発明において、第2のクラッド層の厚さとは、特に断りがない限り、コアパターンの上面と第2のクラッド層との境界から第2のクラッド層の上面までの値であり、後述する一般式(I)及び図5におけるHocで示される。
本発明で用いるクラッド層形成用樹脂としては、コア層より低屈折率で、光又は熱により硬化する樹脂組成物であれば特に限定されず、熱硬化性樹脂組成物や感光性樹脂組成物を使用することができる。
より好適には、クラッド層形成用樹脂が、(A)ベースポリマー、(B)光重合性化合物、及び(C)光重合開始剤を含有する樹脂組成物により構成されることが好ましい。
ここで用いる(A)ベースポリマーはクラッド層を形成し、該クラッド層の強度を確保するためのものであり、該目的を達成し得るものであれば特に限定されず、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエーテルアミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン等、あるいはこれらの誘導体などが挙げられる。これらのベースポリマーは1種単独でも、また2種以上を混合して用いてもよい。
上記で例示したベースポリマーのうち、耐熱性が高いとの観点から、主鎖に芳香族骨格を有することが好ましく、特にフェノキシ樹脂が好ましい。
また、3次元架橋し、耐熱性を向上できるとの観点からは、エポキシ樹脂、特に室温で固形のエポキシ樹脂が好ましい。さらに、後に詳述する(B)光重合性化合物との相溶性が、クラッド層形成用樹脂フィルムの透明性を確保するために重要であるが、この点からは上記フェノキシ樹脂及び(メタ)アクリル樹脂が好ましい。なお、ここで(メタ)アクリル樹脂とは、アクリル樹脂及びメタクリル樹脂を意味するものである。
フェノキシ樹脂の中でも、ビスフェノールA又はビスフェノールA型エポキシ化合物若しくはそれらの誘導体、及びビスフェノールF又はビスフェノールF型エポキシ化合物若しくはそれらの誘導体を共重合成分の構成単位として含むものは、耐熱性、密着性及び溶解性に優れるため好ましい。ビスフェノールA又はビスフェノールA型エポキシ化合物の誘導体としては、テトラブロモビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールA型エポキシ化合物等が好適に挙げられる。また、ビスフェノールF又はビスフェノールF型エポキシ化合物の誘導体としては、テトラブロモビスフェノールF、テトラブロモビスフェノールF型エポキシ化合物等が好適に挙げられる。ビスフェノールA/ビスフェノールF共重合型フェノキシ樹脂の具体例としては、東都化成(株)製「フェノトートYP−70」(商品名)が挙げられる。
室温で固形のエポキシ樹脂としては、例えば、東都化成(株)製「エポトートYD−7020、エポトートYD−7019、エポトートYD−7017」(いずれも商品名)、ジャパンエポキシレジン(株)製「エピコート1010、エピコート1009、エピコート1008」(いずれも商品名)などのビスフェノールA型エポキシ樹脂が挙げられる。
(A)ベースポリマーの分子量については、フィルム形成性の点から、数平均分子量で5,000以上であることが好ましく、さらに10,000以上が好ましく、特に30,000以上であることが好ましい。数平均分子量の上限については、特に制限はないが、(B)光重合性化合物との相溶性や露光現像性の観点から、1,000,000以下であることが好ましく、さらには500,000以下、特には200,000以下であることが好ましい。なお、本発明における数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定し、標準ポリスチレン換算した値である。
(A)ベースポリマーの配合量は、(A)成分及び(B)成分の総量に対して、10〜80質量%とすることが好ましい。この配合量が10質量%以上であると、光導波路形成に必要な50〜500μm程度の厚膜フィルムの形成が容易であるという利点があり、一方、80質量%以下であると、光硬化反応が十分に進行する。以上の観点から、(A)ベースポリマーの配合量は、20〜70質量%とすることがさらに好ましい。
次に、(B)光重合性化合物としては、紫外線等の光の照射によって重合するものであれば特に限定されず、分子内に2つ以上のエポキシ基を有する化合物や分子内にエチレン性不飽和基を有する化合物などが挙げられる。
分子内に2つ以上のエポキシ基を有する化合物の具体例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、テトラブロモビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂等の2官能芳香族グリシジルエーテル;フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン−フェノール型エポキシ樹脂、テトラフェニロールエタン型エポキシ樹脂等の多官能芳香族グリシジルエーテル;ポリエチレングリコール型エポキシ樹脂、ポリプロピレングリコール型エポキシ樹脂、ネオペンチルグリコール型エポキシ樹脂、ヘキサンジオール型エポキシ樹脂等の2官能脂肪族グリシジルエーテル;水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂等の2官能脂環式グリシジルエーテル;トリメチロールプロパン型エポキシ樹脂、ソルビトール型エポキシ樹脂、グリセリン型エポキシ樹脂等の多官能脂肪族グリシジルエーテル;フタル酸ジグリシジルエステル等の2官能芳香族グリシジルエステル;テトラヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル等の2官能脂環式グリシジルエステル;N,N−ジグリシジルアニリン、N,N−ジグリシジルトリフルオロメチルアニリン等の2官能芳香族グリシジルアミン;N,N,N’,N’−テトラグリシジル−4,4−ジアミノジフェニルメタン、1,3−ビス(N,N−グリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、N,N,O−トリグリシジル−p−アミノフェノール等の多官能芳香族グリシジルアミン;アリサイクリックジエポキシアセタール、アリサイクリックジエポキシアジペート、アリサイクリックジエポキシカルボキシレート、ビニルシクロヘキセンジオキシド等の2官能脂環式エポキシ樹脂;ジグリシジルヒダントイン等の2官能複素環式エポキシ樹脂;トリグリシジルイソシアヌレート等の多官能複素環式エポキシ樹脂;オルガノポリシロキサン型エポキシ樹脂等の2官能又は多官能ケイ素含有エポキシ樹脂などが挙げられる。
これらの分子内に2つ以上のエポキシ基を有する化合物は、通常その分子量が、100〜2000程度であり、さらに好ましくは150〜1000程度であり、室温で液状のものが好適に用いられる。またこれらの化合物は、単独または2種類以上組み合わせて使用することができ、さらにその他の光重合性化合物と組み合わせて使用することもできる。なお、本発明における光重合性化合物の分子量は、GPC法又は質量分析法にて測定できる。
また、分子内にエチレン性不飽和基を有する化合物の具体例としては、(メタ)アクリレート、ハロゲン化ビニリデン、ビニルエーテル、ビニルピリジン、ビニルフェノール等が挙げられるが、これらのうち透明性と耐熱性の観点から、(メタ)アクリレートが好ましく、1官能性のもの、2官能性のもの、3官能性以上のもののいずれも用いることができる。
1官能性(メタ)アクリレートとしては、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルコハク酸、パラクミルフェノキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−テトラヒドロピラニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等がある。
また、2官能性(メタ)アクリレートとしては、エトキシ化2−メチル−1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−へキサンジオールジ(メタ)アクリレート、2−メチル−1,8−オクタンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、エトキシ化シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−1−アクリロキシ−3−メタクリロキシプロパン、2−ヒドロキシ−1,3−ジメタクリロキシプロパン、9,9−ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン、9,9−ビス[3−フェニル−4−アクリロイルポリオキシエトキシ)フルオレン、ビスフェノールA型,フェノールノボラック型,クレゾールノボラック型,及びグリシジルエーテル型のエポキシ(メタ)アクリレート等がある。
さらに、3官能以上の(メタ)アクリレートとしては、エトキシ化イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレート、エトキシ化グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等がある。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
なお、ここで(メタ)アクリレートとは、アクリレート及びメタクリレートを意味する。前記(B)光重合性化合物の配合量は、(A)成分及び(B)成分の総量に対して、20〜90質量%とすることが好ましい。この配合量が、20質量%以上であると、ベースポリマーを絡み込んで硬化させることが容易にでき、一方、90質量%以下であると、十分な厚さのクラッド層を容易に形成することできる。以上の観点から、(B)光重合性化合物の配合量は30〜80質量%とすることがさらに好ましい。
次に(C)成分の光重合開始剤としては、特に制限はなく、例えばエポキシ化合物の開始剤として、p−メトキシベンゼンジアゾニウムヘキサフルオロホスフェートなどのアリールジアゾニウム塩;ジフェニルヨードニウムヘキサフロロホスホニウム塩、ジフェニルヨードニウムヘキサフロロアンチモネート塩などのジアリールヨードニウム塩;トリフェニルスルホニウムヘキサフロロホスホニウム塩、トリフェニルスルホニウムヘキサフロロアンチモネート塩、ジフェニル−4−チオフェノキシフェニルスルホニウムヘキサフロロアンチモネート塩、ジフェニル−4−チオフェノキシフェニルスルホニウムヘキサフロロアンチモネート塩、ジフェニル−4−チオフェノキシフェニルスルホニウムペンタフロロヒドロキシアンチモネート塩などのトリアリールスルホニウム塩;トリフェニルセレノニウムヘキサフロロホスホニウム塩、トリフェニルセレノニウムホウフッ化塩、トリフェニルセレノニウムヘキサフロロアンチモネート塩などのトリアリルセレノニウム塩;ジメチルフェナシルスルホニウムヘキサフロロアンチモネート塩、ジエチルフェナシルスルホニウムヘキサフロロアンチモネート塩などのジアルキルフェナジルスルホニウム塩;4−ヒドロキシフェニルジメチルスルホニウムヘキサフロロアンチモネート塩、4−ヒドロキシフェニルベンジルメチルスルホニウムヘキサフロロアンチモネートなどのジアルキル−4−ヒドロキシフェニルスルホニウム塩;α−ヒドロキシメチルベンゾインスルホン酸エステル、N−ヒドロキシイミドスルホネート、α−スルホニロキシケトン、β−スルホニロキシケトンなどのスルホン酸エステルなどが挙げられる。
また、分子内にエチレン性不飽和基を有する化合物の開始剤としては、ベンゾフェノン、N,N’−テトラメチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン(ミヒラーケトン)、N,N’−テトラエチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、1,2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン等の芳香族ケトン;2−エチルアントラキノン、フェナントレンキノン、2−tert−ブチルアントラキノン、オクタメチルアントラキノン、1,2−ベンズアントラキノン、2,3−ベンズアントラキノン、2−フェニルアントラキノン、2,3−ジフェニルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、2−メチルアントラキノン、1,4−ナフトキノン、9,10−フェナントラキノン、2−メチル1,4−ナフトキノン、2,3−ジメチルアントラキノン等のキノン類;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル等のベンゾインエーテル化合物;ベンゾイン、メチルベンゾイン、エチルベンゾイン等のベンゾイン化合物;ベンジルジメチルケタール等のベンジル誘導体;2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体等の2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体;ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド等のフォスフィンオキサイド類;9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9’−アクリジニル)ヘプタン等のアクリジン誘導体;N−フェニルグリシン、N−フェニルグリシン誘導体、クマリン系化合物などが挙げられる。また、2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体において、2つの2,4,5−トリアリールイミダゾールのアリール基の置換基は同一で対称な化合物を与えてもよいし、相違して非対称な化合物を与えてもよい。また、ジエチルチオキサントンとジメチルアミノ安息香酸の組み合わせのように、チオキサントン系化合物と3級アミン化合物とを組み合わせてもよい。なお、コア層及びクラッド層の透明性を向上させる観点からは、上記化合物のうち、芳香族ケトン及びフォスフィンオキサイド類が好ましい。これらの(C)光重合開始剤は、単独で又は2種類以上組み合わせて用いることができる。
(C)光重合開始剤の配合量は、(A)成分及び(B)成分の総量100質量部に対して、0.1〜10質量部とすることが好ましい。0.1質量部以上であると、光感度が十分であり、一方10質量部以下であれば、光導波路の表面のみが選択的に硬化し、硬化が不十分となることがなく、また、光重合開始剤自身の吸収により光伝搬損失が増大することもなく好適である。以上の観点から、(C)光重合開始剤の配合量は、1〜5質量部とすることがさらに好ましい。
また、このほかに必要に応じて、本発明のクラッド層形成用樹脂中には、酸化防止剤、黄変防止剤、紫外線吸収剤、可視光吸収剤、着色剤、可塑剤、安定剤、充填剤などのいわゆる添加剤を本発明の効果に悪影響を与えない割合で添加してもよい。
本発明で使用するコア層形成用樹脂としては、コア層がクラッド層より高屈折率であるように設計され、活性光線によりコアパターンを形成し得る樹脂組成物を用いることができ、感光性樹脂組成物が好適である。具体的には、上記クラッド層形成用樹脂で用いたのと同様の樹脂組成物を用いることが好ましい。すなわち、前記(A)、(B)及び(C)成分を含有し、必要に応じて前記任意成分を含有する樹脂組成物である。
本発明の光導波路を製造する方法としては、特に制限はないが、好ましくは下記(I)〜(IV)の工程を有する方法により製造することができる。
(I)第1のクラッド層を形成する工程
(II)第1のクラッド層上にコア層を形成する工程
(III)コア層をパターニングして光導波路のコアパターンを形成する工程
(IV)該コアパターン上に第2のクラッド層を形成してコアパターンを埋め込む工程
上記の製造方法では、クラッド層及びコア層の形成方法については特に制限はなく、スピンコート、コンマコート、ダイコートなどの塗布法を用いることもできるが、クラッド層形成用樹脂フィルム及びコア層形成用樹脂フィルムを用いて形成することが好ましい。このようなフィルムを用いることで、膜厚の制御が容易であるとともに、ハンドリング性に優れたものとなる。
また、(III)工程において、コアパターンがダミーコアを含むようにコアの数及び形状を調整することにより第2のクラッド層の厚さを制御することができる。本発明では、コアパターンが、テーパ状のダミーコアを含むものであれば、他の形状からなるダミーコアを含んでいてもよい。
以下、図1を参照しつつ、工程ごとに詳細に記載する。
(I)工程
(I)工程は、第1のクラッド層を形成する工程である。ここでは、クラッド層形成用樹脂フィルムを用いることが好ましく、図1(a)に示すように、クラッド層形成用樹脂フィルムのクラッド層形成用樹脂を硬化して第1のクラッド層(下部クラッド層)2を形成する方法を用いることが好ましい。以下、本発明においては、第1のクラッド層(下部クラッド層)を形成するための樹脂フィルムを、第1のクラッド層形成用樹脂フィルムということがあり、後に詳述する第2のクラッド層(上部クラッド層)を形成するための樹脂フィルムを、第2のクラッド層形成用樹脂フィルムということがある。
ここで用いるクラッド層形成用樹脂フィルム10は、図2に示すように、基材フィルム11上にクラッド層形成用樹脂12を塗工したものであり、必要に応じて保護フィルム(セパレーター)13が積層された構造をなす。
なお、保護フィルムは、クラッド層形成用樹脂フィルムの製造に際し、クラッド層形成用樹脂フィルムの保護やロール状に製造する際の巻き取り性を向上させるなどの目的で設けられ、保護フィルムとしては、後述する基材フィルムとして例示されるものと同様なものが使用できる。なお、保護フィルムは、クラッド層形成用樹脂フィルムからの剥離を容易にするためコロナ処理等の接着処理は行っていないことが好ましく、必要に応じ離型処理や帯電防止処理がなされていてもよい。
基材フィルム11としては、クラッド層形成用樹脂12を塗工し、かつ後の光導波路製造工程の支持基材となるものであり、その材料については特に制限はないが、柔軟性、強靭性を有するとの観点から、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルサルファイド、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレート、液晶ポリマー、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、アラミドなどが好適に挙げられる。
これら基材フィルムの中でも、光導波路の製造に際して、製造可能な耐熱性、現像液耐性、クラッド層を硬化するための紫外線透過性、入手のしやすさの観点からポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル、ポリアミド、ポリフェニレンサルファイド、アラミドを基材フィルムに用いるのが好ましい。特に、光導波路製造時の耐熱性、低収縮率の観点からは、アラミド、ポリアミドフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム及びポリフェニレンサルファイドフィルムが、また、クラッド層の硬化のための紫外線透過性の観点からはポリエチレンテレフタレートフィルムが特に好ましい。
基材フィルムの表面は、クラッド層形成用樹脂12との接着性などを向上させるために、処理が施されていてもよく、例えば、酸化法や凹凸化法などの物理的又は化学的表面処理を挙げることができる。酸化法としては、例えばコロナ処理、クロム酸化処理、火炎処理、熱風処理、オゾン・紫外線処理法などが挙げられ、凹凸化法としては、例えばサンドブラスト法、溶剤処理法などが挙げられる。
上記(I)工程において、クラッド層形成用樹脂フィルムの基材フィルムの反対側に保護フィルム13を設けている場合(図2参照)には該保護フィルムを剥離後、クラッド層形成用樹脂フィルムを光(紫外線(UV)など)又は加熱により硬化し、第1のクラッド層(下部クラッド層)2を形成する。
クラッド層形成用樹脂フィルムは(A)〜(C)成分を含有する樹脂組成物を溶媒に溶解して、前記基材フィルムに塗布し、溶媒を除去することにより容易に製造することができる。ここで用いる溶媒としては、該樹脂組成物を溶解し得るものであれば特に限定されず、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、トルエン、N,N−ジメチルアセトアミド、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン、N−メチル−2−ピロリドン等の溶媒又はこれらの混合溶媒を用いることができる。樹脂溶液中の固形分濃度は30〜80質量%程度であることが好ましい。
第1のクラッド層の厚さに関しては、乾燥後の厚さで、5〜500μmの範囲が好ましい。5μm以上であると、光の閉じ込めに必要なクラッド厚さが確保でき、500μm以下であると、膜厚を均一に制御することが容易である。以上の観点から、該クラッド層の厚さは、さらに10μm〜100μmの範囲であることが好ましい。
また、最初に形成される第1のクラッド層(下部クラッド層)と、後述するコアパターンを埋め込むための第2のクラッド層(上部クラッド層)の厚さは、同一であっても異なってもよい。
(II)工程
(II)工程は、第1のクラッド層上にコア層を形成する工程である。ここでは、前述のように、コア層形成用樹脂フィルムを用いることが好ましく、図1(b)に示すように、第1のクラッド層(下部クラッド層)2上にコア層形成用樹脂フィルムを積層してコア層3を形成することが好ましい。
ここで用いるコア層形成用樹脂フィルムとは、基材フィルム上にコア層形成用樹脂を塗工したもの、又はコア層形成用樹脂単独で構成されているものが挙げられるが、基材フィルム上にコア層形成用樹脂を形成したものを用いるほうが、取り扱いが容易で好ましい。より具体的には、図3に示すような構成のものが挙げられる。すなわち、基材フィルム21上にコア層形成用樹脂22を形成したものであり、コア層形成用樹脂フィルムの保護やロール状に製造する際の巻き取り性を向上させるなどの目的で、所望により基材フィルム21の反対側に保護フィルム23が設けられたものである。保護フィルムとしては、前記クラッド層形成用樹脂フィルムの基材フィルムとして例に挙げたものと同様なものが使用できる。
なお、保護フィルム及び基材フィルムは、コア層形成用樹脂フィルムからの剥離を容易にするためコロナ処理等の接着処理は行っていないことが好ましく、必要に応じ離型処理、帯電防止処理が施されていてもよい。
コア層形成用樹脂フィルム20の積層に際しては、密着性及び追従性の見地から、コア層形成用樹脂フィルムは減圧下で積層することが好ましい。また、ここでの加熱温度は50〜130℃とすることが好ましく、圧着圧力は、0.1〜1.0MPa(1〜10kgf/cm2)程度とすることが好ましいが、これらの条件には特に制限はない。
また、第1のクラッド層とコア層の間への気泡の混入を防ぐとの観点から、ロールラミネータを用いて積層することが好ましい。
本発明で使用するコア層形成用樹脂フィルムは、コア層がクラッド層より高屈折率であるように設計され、活性光線によりコアパターンを形成し得る樹脂組成物を用いることができ、感光性樹脂組成物が好適である。具体的には、上記クラッド層形成用樹脂で用いたのと同様の樹脂組成物を用いることが好ましい。
コア層形成用樹脂フィルムは、(A)〜(C)成分を含有する樹脂組成物を溶媒に溶解して基材フィルムに塗布し、溶媒を除去することにより容易に製造することができる。ここで用いる溶媒としては、該樹脂組成物を溶解し得るものであれば特に限定されず、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、トルエン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン、N−メチル−2−ピロリドン等の溶媒又はこれらの混合溶媒を用いることができる。樹脂溶液中の固形分濃度は、通常30〜80質量%程度であることが好ましい。
コア層形成用樹脂フィルムの厚さについては特に限定されず、乾燥後のコア層の厚さに応じて適宜決定される。
本発明の光導波路は、コア層の厚さが通常は10〜100μmとなるように調整される。コア層の厚さが10μm以上であると、光導波路形成後の受発光素子又は光ファイバーとの結合において位置合わせトレランスが拡大できるという利点があり、100μm以下であると、光導波路形成後の受発光素子又は光ファイバーとの結合において、結合効率が向上するという利点がある。以上の観点から、コア層の厚さは、さらに30〜70μmの範囲であることが好ましい。
コア層形成用樹脂フィルムが、基材フィルム上にコア層形成用樹脂を塗工したものである場合は、その基材フィルム、コア層形成用樹脂フィルムがコア層形成用樹脂単独で構成されている場合は、コア層形成用樹脂フィルムの製造過程で用いる基材フィルムについて、その材料については特に限定されないが、後に剥離することが容易であり、かつ、耐熱性及び耐溶剤性を有するとの観点から、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレンなどが好適に挙げられる。
また、該基材フィルムの厚さは、5〜50μmであることが好ましい。5μm以上であると、支持体としての強度が得やすいという利点があり、50μm以下であると、パターン形成時のマスクとのギャップが小さくなり、より微細なパターンが形成できるという利点がある。以上の観点から、該基材フィルムの厚さは10〜40μmの範囲であることがより好ましく、15〜30μmであることが特に好ましい。
また、露光用光線の透過率向上及びコアパターンの側壁荒れ低減のため、高透明タイプのフレキシブルな基材を用いるのが好ましい。高透明タイプの基材フィルムのヘイズ値は5%以下であることが好ましく、3%以下であることがより好ましく、2%以下であることが特に好ましい。なお、ヘイズ値はJIS K7105に準拠して測定したものであり、例えば、NDH−1001DP(日本電色工業(株)製)等の市販の濁度計などで測定可能である。このような基材フィルムとしては、東洋紡績(株)製、商品名「コスモシャインA1517」や「コスモシャインA4100」として入手可能である。
なお、上記基材フィルムは、剥離を容易とするため、離型処理、帯電防止処理等が施されていてもよい。
(III)工程
(III)工程は、コア層をパターニングして光導波路のコアパターンを形成する工程である。より具体的には、図1(c)及び(d)に示すように、コア層3を露光現像し、光導波路のコアパターン6を形成する方法が好適である。
露光の方法としては、具体的には、フォトマスク(ネガマスクパターン)5を通して活性光線が画像状に照射される。活性光線の光源としては、例えば、カーボンアーク灯、水銀蒸気アーク灯、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、キセノンランプ等の紫外線を有効に放射する公知の光源が挙げられる。また、他にも写真用フラッド電球、太陽ランプ等の可視光を有効に放射するものも用いることができる。
次いで、必要に応じ露光後加熱を行った後、コア層形成用樹脂フィルムの基材フィルムが残っている場合には基材フィルムを剥離し、ウエット現像、ドライ現像等で未露光部を除去して現像し、コアパターンを製造する。ウエット現像の場合は、有機溶剤、アルカリ性水溶液、水系現像液等のうち、樹脂フィルムの組成に対応した現像液を用いて、例えば、スプレー、揺動浸漬、ブラッシング、スクラッピング等の公知の方法により現像する。
現像液としては、有機溶剤、アルカリ性水溶液等の安全かつ安定であり、操作性が良好なものが好ましく用いられる。前記有機溶剤系現像液としては、例えば、1,1,1−トリクロロエタン、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン、γ−ブチロラクトン等が挙げられる。これらの有機溶剤は、引火防止のため、1〜20質量%の範囲で水を添加してもよい。
上記アルカリ性水溶液の塩基としては、例えば、リチウム、ナトリウム又はカリウムの水酸化物等の水酸化アルカリ、リチウム、ナトリウム、カリウム若しくはアンモニウムの炭酸塩又は重炭酸塩等の炭酸アルカリ、リン酸カリウム、リン酸ナトリウム等のアルカリ金属リン酸塩、ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸カリウム等のアルカリ金属ピロリン酸塩などが用いられる。また、現像に用いるアルカリ性水溶液としては、例えば、0.1〜5質量%炭酸ナトリウムの希薄溶液、0.1〜5質量%炭酸カリウムの希薄溶液、0.1〜5質量%水酸化ナトリウムの希薄溶液、0.1〜5質量%四ホウ酸ナトリウムの希薄溶液等が好ましく挙げられる。また、現像に用いるアルカリ性水溶液のpHは9〜14の範囲とすることが好ましく、その温度は、感光性樹脂組成物の層の現像性に合わせて調節される。また、アルカリ性水溶液中には、表面活性剤、消泡剤、現像を促進させるための少量の有機溶剤等を混入させてもよい。
上記水系現像液としては、水又はアルカリ水溶液と一種以上の有機溶剤とからなる。ここでアルカリ物質としては、前記物質以外に、例えば、ホウ砂、メタケイ酸ナトリウム、水酸化テトラメチルアンモニウム、エタノールアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、2ーアミノ−2−ヒドロキシメチル−1、3−プロパンジオール、1、3−ジアミノプロパノール−2、モルホリン等が挙げられる。現像液のpHは、レジストの現像が充分にできる範囲でできるだけ小さくすることが好ましく、pH8〜12とすることが好ましく、pH9〜10とすることがより好ましい。上記有機溶剤としては、例えば、三アセトンアルコール、アセトン、酢酸エチル、炭素数1〜4のアルコキシ基をもつアルコキシエタノール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等が挙げられる。これらは、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。有機溶剤の濃度は、通常、2〜90質量%とすることが好ましく、その温度は、現像性にあわせて調整することができる。また、水系現像液中には、界面活性剤、消泡剤等の添加剤を少量混入することもできる。
また、必要に応じて2種類以上の現像方法を併用してもよい。現像の方式としては、例えば、ディップ方式、バトル方式、高圧スプレー方式等のスプレー方式、ブラッシング、スラッピング等が挙げられる。
現像後の処理として、必要に応じて60〜250℃程度の加熱又は0.1〜1000mJ/cm2程度の露光を行うことによりコアパターンをさらに硬化して用いてもよい。
上記(III)工程において、コアパターン6の数及び形状を調整することによって、第1のクラッド層(下部クラッド層)及びコアパターン上にコアパターンを埋め込むように形成される第2のクラッド層(上部クラッド層)の厚さを制御することができる。
すなわち、コアパターン6の上にクラッド層形成用樹脂フィルムを、好適には平板型真空加圧式ラミネータを用いて、加圧接着して積層する。その際に、上部クラッド層形成用樹脂が、コアパターンの体積に応じて、押し出されるように、厚さを増大する方向に変化する。
ここで、本発明の光導波路の好ましい使用態様の一例として、図4(a)に光導波路を上面から見た透視図、図4(b)に断面図を示すが、両端部側において、端部から中間部に向けて幅が細くなるような形状の、いわゆるテーパ状のダミーコア9を設けてコアの数を多くしたため、両端部においクラッド層形成用樹脂が中間部と比べて多く押し出される形で、第2のクラッド層の厚さが厚くなる。
このような構成をとることにより、第2のクラッド層の厚さが、両端部において中間部より厚く、両端部から中間部に向けて薄くなるように連続的に変化する光導波路を得ることができる。このような光導波路は中間部に柔軟性を付与することができる。また、この光導波路は、中間部において高い柔軟性を有するので、中間部に屈曲部を有する場合、耐屈曲耐久性の高いフレキシブルな光導波路として有用である。
一方、本発明において、中間部に、端部側に向けて幅が細くなるようなテーパ状ダミーコア9を設けてコアの数を多くすることによって、第2のクラッド層の中間部の厚さが、端部より厚く、端部に向けて相対的に徐々に薄くなるように連続的に変化する光導波路を得ることができる。
また、図4(c)及び(d)に示すように、一方の端部から一定の範囲まで、テーパ状のダミーコア9を設けてコアの数を多くすることによって、一方の側の第2のクラッド層が厚く(図4(d)においては左側)、他方側に向けて相対的に徐々に薄くなるように連続的に変化する光導波路を得ることができる。
このように、本発明の光導波路は、高い強度が要求される部分を厚くし、柔軟性が要求される部分を薄くすることで、任意の位置で柔軟性と剛性を発現でき、それぞれの要求に対応することが可能である。
なお、これらの光導波路は、電気配線板に積層することで、光電気複合配線板を作製可能であり、これにより、光配線と電気配線を一体化した高密度配線基板を作製できる。
以上のように、上部クラッド層の厚さは、コアの数(ダミーコアの数)及び形状によって制御することができるが、その他、コア層の厚さ、コア層の幅、コアピッチ、ダミーコアの長さ(領域長さ)、アレイ数、アレイピッチなどによって制御することができる。
上述の制御は、より具体的には、下記一般式(I)によって、高い精度で制御することができる。
oc=(((Wco×Nco×Hoc+(Pco−Wco)×(Nco−1)×(Hco+Hoc)+(Par−(Pco×Nco−Wco))×(Hco+Hoc))×Nar−(Par−(Pco×Nco−Wco))×(Hco+Hoc))+(L−Nar×Par)×(Hco+Hoc))/L ・・・(I)
ここで、Tocは第2のクラッド層形成用樹脂フィルムの厚さ(μm)、Pcoはコアのピッチ(μm)、Narはアレイ数、Ncoはコア数、Parはアレイピッチ(μm)、Hcoはコアの厚さ(μm)、Wcoはコア幅(μm)、Hocは第2のクラッド(上部クラッド)の厚さ(コア上面から第2のクラッド層上面までの厚さ)(μm)、Lは領域長さ(μm)、をそれぞれ表わす(図5及び図2参照)。
(IV)工程
(IV)工程は、コアパターン上に第2のクラッド層を形成してコアパターンを埋め込む工程である。好適な方法としては、コア層3を露光現像などにより得たコアパターン6上に、クラッド層形成用樹脂フィルムを積層してコアパターン6を埋め込む方法が挙げられる。通常は、その後に該クラッド層形成用樹脂フィルムのクラッド層形成用樹脂を硬化し、第2のクラッド層(上部クラッド層)7を形成する(図1(e)参照)。
このときの前記一般式(I)において(Hco+Hoc)で示される第2のクラッド層の厚さは、硬化後の厚さでコア層(コアパターン)の厚さより大きくすることが好ましい。また、第2のクラッド層形成用樹脂の硬化は光又は熱によって、第1のクラッド層を形成するのと同様の方法で行うことができる。
また、端部での第2のクラッド層の厚さ(コア上面から第2のクラッド層上面までの厚さ)(Hoc)は、光導波路コアへの光の閉じ込めが十分にできる範囲であれば、特に制限はないが、乾燥後の厚さで、10〜50μmであることが好ましい。端部での第2のクラッド層の厚さがこの範囲内であれば、第2のクラッド層の膜厚の均一性を確保でき、光導波路とコネクタとの接続される際のハンドリングが容易となる。また、光導波路の端部に光路変換ミラーが配置される場合に、第2のクラッド層の外側に補強材等の部材を接着するために使用される接着剤がミラー周辺部に垂れ込むことによって光損失が増大するのを抑えることができる。以上の観点から、その厚さは15〜45μmの範囲であることがより好ましく、20〜40μmの範囲であることが特に好ましい。
一方、中間部での第2のクラッド層の厚さは、薄い方が柔軟性に有利であり、特に中間部に屈曲部を有する場合には薄いほど耐屈曲耐久性には有利であり、強度を確保しつつ、光損失を抑制するとの点からはある程度の厚さが必要である。以上の観点から、1〜50μmの範囲が好ましく、1〜40μmの範囲がより好ましく、2〜35μmの範囲が特に好ましい。
第2のクラッド層の厚さは、最初に形成される第1のクラッド層の厚さと同一であっても異なってもよい。
ここで用いる第2のクラッド層形成用樹脂フィルムは、第1のクラッド層形成用樹脂フィルムと同様であって、図2に示すように、基材フィルム11上にクラッド層形成用樹脂12を積層したものであり、必要に応じて保護フィルム(セパレーター)13が積層された構造をなす。また、基材フィルム11の材料については、第1のクラッド層形成用樹脂フィルムにおける基材フィルムと同様である。さらに、クラッド層形成用樹脂についても、第1のクラッド層形成用樹脂フィルムにおけるクラッド層形成用樹脂と同様である。
また、第2のクラッド層形成用樹脂フィルムの基材フィルムの反対側に保護フィルムを設けている場合(図2参照)には該保護フィルムを剥離後、クラッド層形成用樹脂フィルムを光又は加熱により硬化し、第2のクラッド層を形成する。保護フィルムは、クラッド層形成用樹脂フィルムからの剥離を容易にするため接着処理は行っていないことが好ましく、必要に応じ離型処理、帯電処理が施されていてもよい。
上記の製造方法により得られる光導波路は、第2のクラッド層(上部クラッド層)形成後に、第1及び第2のクラッド層形成用樹脂フィルムのうち少なくとも一方の基材フィルムが剥離される。
上記の製造方法においては、クラッド層形成用樹脂フィルムの基材フィルムは、光導波路の製造過程において、支持体としての役割をも担う。この基材フィルムは、従来支持体として用いられていたシリコン基板などに比べ、大きなものを用いることができるため、大面積化が容易で生産性に優れる。
なお、基材フィルムは、光導波路の片面に残してもよいが、両面剥離した対称構造とすることで反りの少ない光導波路を製造することができる。また、基材フィルムを剥離することで、光導波路の薄型化も可能となる(図1(f)参照)。
また、基材フィルムを剥離する工程中に加湿処理を含むことが好ましい。加湿処理は、基材フィルムとクラッド層の密着力を低下させることができ、光導波路の破損なく容易に基材フィルムを剥離できるためである。加湿処理は、加熱を併用すると処理時間を短縮できるため、例えば、高温高湿条件、煮沸条件、プレッシャクッカ条件下などで行うことがより好ましい。
なお、上記の製造方法により得られる光導波路は、前記(IV)工程の記載から明らかなように、コアパターンが上部クラッド層及び下部クラッド層に取り囲まれる形であり、上下クラッド層に加えて、サイドクラッドを有する。
さらに、本発明の光導波路を、電気配線板に積層することで、光電気複合配線板を作製可能であり、これにより、光配線と電気配線を一体化した高密度配線基板を作製できる。ここで電気配線板とは、ガラスエポキシ基板、セラミック基板、ポリイミド基板、半導体基板、シリコン基板やガラス基板などの上に電気回路やこれを保護するための絶縁層が形成されたものを指す。
積層の方法としては、別々に製造した光導波路と電気配線板を、接着剤等を用いて積層する方法に加え、電気配線板上に光導波路をビルドアップしていく方法なども挙げられる。
以下に、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例によってなんら限定されるものではない。
(評価方法)
1.引張弾性率及び引張強度
測定対象のフィルムから、幅10mm、長さ70mmのサンプルを得、引張試験機((株)オリエンテック製「RTM−100」)を用い、JIS−K7127に準拠して、以下の条件で測定した。
条件:つかみ具間距離50mm、温度25℃、引張り速度50mm/min
引張弾性率は、引張り応力―ひずみ曲線の初めの直線部分を用いて以下に示す式により算出した。また、引張り応力―ひずみ曲線において、破断するまでの最大強度を引張強度とした。
引張り弾性率(MPa)=直線上の2点間の応力の差(N)÷光導波路フィルムの元の平均断面積(mm2)÷同じ2点間のひずみの差
2.屈曲耐久性試験
各実施例及び比較例で製造された光電気複合配線板について、図6に示すようなスライド式の屈曲耐久試験機((株)大昌電子製)を用いて、屈曲耐久性試験を行った。試験は各実施例及び比較例で得られた光電気複合配線板41を、屈曲軸44に対して、フレキシブル光導波路を内側に配置して行った。また、曲げ半径(R)については、2mmの条件で行い、スライド速度80mm/秒、X1〜X2間の距離20mmの条件で試験を行った。評価については、1万回毎に破断の有無を観察して破断しない最大回数を求めた。なお、屈曲軸44は実際に存在するものではなく、光電気複合配線板を屈曲させ、スライドさせる際の仮想軸である。
実施例1
(1)クラッド層形成用樹脂フィルムの作製
(A)バインダポリマーとして、フェノキシ樹脂(商品名:フェノトートYP−70、東都化成(株)製)48質量部、(B)光重合性化合物として、アリサイクリックジエポキシカルボキシレート(商品名:KRM−2110、分子量:252、(株)ADEKA製)49.6質量部、(C)光重合開始剤として、トリフェニルスルホニウムヘキサフロロアンチモネート塩(商品名:SP−170、(株)ADEKA製)2質量部、増感剤として、SP−100(商品名、(株)ADEKA製)0.4質量部、有機溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート40質量部を広口のポリ瓶に秤量し、メカニカルスターラ、シャフト及びプロペラを用いて、温度25℃、回転数400rpmの条件で、6時間撹拌し、クラッド層形成用樹脂ワニスAを調合した。その後、孔径2μmのポリフロンフィルタ(商品名:PF020、アドバンテック東洋(株)製)を用いて、温度25℃、圧力0.4MPaの条件で加圧濾過し、さらに真空ポンプ及びベルジャーを用いて減圧度50mmHgの条件で15分間減圧脱泡した。
上記で得られたクラッド層形成用樹脂ワニスAを、アラミドフィルム(商品名:ミクトロン、東レ(株)製、厚さ:12μm)のコロナ処理面上に塗工機(マルチコーターTM−MC、(株)ヒラノテクシード製)を用いて塗布し、80℃、10分、その後100℃、10分乾燥し、次いで保護フィルムとして離型PETフィルム(商品名:ピューレックスA31、帝人デュポンフィルム(株)、厚さ:25μm)を離型面が樹脂側になるように貼り付け、クラッド層形成用樹脂フィルムを得た。このとき樹脂層の厚さは、塗工機のギャップを調節することで、任意に調整可能であり、本実施例では硬化後の膜厚が、下部クラッド用フィルムが18μm、上部クラッド用フィルムが75μmとなるようにそれぞれ調節した。
(2)コア層形成用樹脂フィルムの作製
(A)バインダポリマーとして、フェノキシ樹脂(商品名:フェノトートYP−70、東都化成(株)製)26質量部、(B)光重合性化合物として、9,9−ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン(商品名:A−BPEF、新中村化学工業(株)製)36質量部、およびビスフェノールA型エポキシアクリレート(商品名:EA−1020、新中村化学工業(株)製)36質量部、(C)光重合開始剤として、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド(商品名:イルガキュア819、チバ・ジャパン(株)製)1質量部、及び1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン(商品名:イルガキュア2959、チバ・ジャパン(株)製)1質量部、有機溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート40質量部を用いたこと以外は上記(1)と同様の方法および条件でコア層形成用樹脂ワニスBを調合した。その後、上記(1)と同様の方法および条件で加圧濾過さらに減圧脱泡した。
上記で得られたコア層形成用樹脂ワニスBを、PETフィルム(商品名:コスモシャインA1517、東洋紡績(株)製、厚さ:16μm)の非処理面上に、上記製造例と同様な方法で塗布乾燥し、次いで保護フィルムとして離型PETフィルム(商品名:ピューレックスA31、帝人デュポンフィルム(株)、厚さ:25μm)を離型面が樹脂側になるように貼り付け、コア層形成用樹脂フィルムを得た。本実施例では硬化後の膜厚が70μmとなるよう、塗工機のギャップを調整した。
(3)フレキシブル光導波路の作製
上記で得られた下部クラッド層形成用樹脂フィルムの保護フィルムである離型PETフィルム(ピューレックスA31)を剥離し、紫外線露光機((株)オーク製作所製、EXM−1172)にて樹脂側(基材フィルムの反対側)から紫外線(波長365nm)を1J/cm2照射し、次いで80℃で10分間加熱処理することにより、第1のクラッド層(下部クラッド層)を形成した((I)工程)。該下部クラッド層の厚さは、約18μmであった。
次に、該下部クラッド層上に、ロールラミネータ(日立化成テクノプラント(株)製、HLM−1500)を用い圧力0.5MPa、温度50℃、ラミネート速度0.2m/minの条件で、上記コア層形成用樹脂フィルムを、保護フィルムである離型PETフィルムを剥離しながらラミネートした((II)工程)。コア層の厚さは約80μmであった。
次に、幅80μmのネガ型フォトマスクを介し、上記紫外線露光機にて紫外線(波長365nm)を0.6J/cm2照射し、次いで80℃で5分間露光後加熱を行って、図5および第1表に記載されるようなコア形状とした。すなわち、コアパターン6としては、図5に示すように、光伝送路として機能させるコア部4に、さらに両末端にテーパ状のダミーコア9(長さ9mm、幅は80μmから30μmに変化)を複数有するものである。
その後、支持フィルムであるPETフィルムを剥離し、現像液(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート/N,N−ジメチルアセトアミド=8/2、質量比)を用いて、コアパターンを現像した。続いて、洗浄液(イソプロパノール)を用いて洗浄し、100℃で10分間加熱乾燥して、コアパターンを得た((III)工程)。
次いで、上記と同様なラミネート条件にて、上部クラッド層として上記クラッド層形成用樹脂フィルムを、保護フィルムである離型PETフィルムを剥離しながらラミネートした。さらに、紫外線(波長365nm)を両面に合計で25J/cm2照射後、160℃で1時間加熱処理することによって、上部クラッド層を形成し基材フィルムが外側に配置された光導波路を作製した((IV)工程)。さらにアラミドフィルム剥離のため、該光導波路を85℃/85%の高温高湿条件で24時間処理し、基材フィルムを除去した光導波路を作製した。
なお、コア層及びクラッド層の屈折率をMetricon社製プリズムカプラー(Model2010)で測定したところ、波長830nmにて、コア層が1.584、クラッド層が1.550であった。
また、作製した光導波路(光導波路長12cm)の挿入損失を、光源に850nmの面発光レーザー((EXFO社製、FLS−300−01−VCL)を、受光センサに(株)アドバンテスト製、Q82214、入射ファイバーにGI−50/125マルチモードファイバー(NA=0.20)、出射ファイバーにSI−114/125(NA=0.22)を用い、12cmのサンプル測定したところ、0.6dBであった。
また、得られたフレキシブル光導波路の引張弾性率及び引張強度を上記方法により測定した結果、引張弾性率が2,000MPa、引張強度が70MPaであった。
また、得られたフレキシブル光導波路の両端部における第2のクラッド層の傾斜角度は、0.5度であった。
式(I)に用いられる各パラメーターについて第1表にまとめる。
Figure 2011017993
ここで、Lは領域長さ(μm)、Ncoはコア数、Narはアレイ数、Pcoはコアのピッチ(μm)、Parはアレイピッチ(μm)、Wcoはコア幅(μm)、Hcoはコアの厚さ(μm)、Hocは第2のクラッド(上部クラッド)の厚さ(コア上面から第2のクラッド層上面までの厚さ)(μm)、をそれぞれ表わす。
(4)光電気複合配線板の作製
(4−1)シート状接着剤の作製
HTR−860P−3(ナガセケムテックス(株)製、商品名、グリシジル基含有アクリルゴム、分子量100万、Tg−7℃)100質量部、YDCN−703(東都化成(株)製、商品名、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、エポキシ当量210)5.4質量部、YDCN−8170C(東都化成(株)製、商品名、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、エポキシ当量157)16.2質量部、プライオーフェンLF2882(大日本インキ化学工業(株)製、商品名、ビスフェノールAノボラック樹脂)15.3質量部、NUCA−189(日本ユニカー(株)製、商品名、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン)0.1質量部、NUCA−1160(日本ユニカー(株)製、商品名、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン)0.3質量部、A−DPH(新中村化学工業(株)製、商品名、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート)30質量部、イルガキュア369(チバ・ジャパン(株)製、商品名、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1−オン:I−369)1.5質量部、シクロヘキサノンを加えて攪拌混合し、真空脱気した。この接着剤ワニスを、厚さ75μmの表面離型処理ポリエチレンテレフタレート(帝人(株)製、テイジンテトロンフィルム:A−31)上に塗布し、80℃で30分間加熱乾燥し粘接着シートを得た。この粘接着シートに、厚さ80μmの光透過性の支持基材(サーモ(株)製、低密度ポリエチレンテレフタレート/酢酸ビニル/低密度ポリエチレンテレフタレート三層フィルム:FHF−100)をあわせてラミネートすることにより保護フィルム(表面離型処理ポリエチレンテレフタレート)、粘接着剤層、及び光透過性の支持基材からなるシート状接着剤を作製した。粘接着剤層の厚みは10μmとした。
(4−2)接着剤層付き光導波路の作製
続いて、上記で作製したフレキシブル光導波路に、ロールラミネータ(日立化成テクノプラント(株)製、HLM−1500)を用い圧力0.4MPa、温度50℃、ラミネート速度0.2m/minの条件で、保護フィルムを剥がしたシート状接着剤をラミネートした。次に、接着シートの支持基材側から紫外線(365nm)を250mJ/cm2照射し、粘接着剤層と支持基材界面の密着力を低下させ支持基材を剥がして接着剤層付き光導波路を得た。
(4−3)光電気複合配線板の作製
次に、電気回路パターンを有するFPC(基材:カプトンEN、12.5μm、銅回路厚さ:5μm)の所定の箇所に接着剤層付き光導波路を、紫外線露光機((株)大日本スクリーン製,MAP−1200−L)付随のマスクアライナー機構を利用して位置決めし、上述の真空加圧式ラミネータを用い、500Pa以下にて30秒間真空引きした後、圧力0.4MPa、温度100℃、加圧時間30秒の条件にて圧着した後、クリンオーブン中で180℃、1時間加熱しフレキシブル光導波路とFPCを接着して、光電気複合配線板を得た。
得られた光電気複合配線板の柔軟性を、上記の屈曲耐久性試験により評価したところ、10万回経過後においても光導波路の断線はなく、良好な柔軟性を示した。
比較例1
実施例1において、コア形状としてダミーコア9の幅が80μmで一定としたこと以外は実施例1と同様にして、光導波路を作製した。
実施例1と同様にして挿入損失を測定したところ、0.8dBであった。また、得られたフレキシブル光導波路の両端部における第2のクラッド層は、ダミーコアがなくなるところでその膜厚が急激に減少し、段差が生じた。
本発明によれば、簡便に厚さを制御し得る光導波路の構造を提供することによって、特定部分の剛性や柔軟性に優れ、光損失の少ない光導波路、及び該光導波路を電気配線板に積層した光電気複合配線板を提供することができる。このため、光インタコネクション等の幅広い分野に適用できる。
1;支持基材
2;第1のクラッド層(下部クラッド層)
3;コア層
4:コア部
5;マスキング用フィルム(ネガマスクパターン)
6;コアパターン
7;第2のクラッド層(上部クラッド層)
8;支持基材
9;ダミーコア
10;クラッド層形成用樹脂フィルム
11;基材フィルム(クラッド層形成用)
12;クラッド層形成用樹脂
13;保護フィルム
20;コア層形成用樹脂フィルム
21;基材フィルム(コア層形成用)
22;コア層形成用樹脂
23;保護フィルム

Claims (6)

  1. 第1のクラッド層、コアパターン、及び第2のクラッド層が順に積層された光導波路であって、コアパターンがテーパ状のダミーコアを含み、かつ該ダミーコアにより、第2のクラッド層の厚さが連続的に変化することを特徴とする光導波路。
  2. 第2のクラッド層の厚さが、前記テーパ状のダミーコアにより、傾斜角度が0.1〜2度で連続的に変化する請求項1に記載の光導波路。
  3. 光導波路の少なくとも一方の端部側におけるコアパターンがテーパ状のダミーコアを含み、かつ該ダミーコアにより、第2のクラッド層の厚さが前記少なくとも一方の端部から中間部に向けて薄くなるように変化する請求項1又は2に記載の光導波路。
  4. 光導波路の両端部側におけるコアパターンがテーパ状のダミーコアを含み、かつ該ダミーコアにより、第2のクラッド層の厚さが両端部から中間部に向けて薄くなるように変化する請求項1〜3のいずれかに記載の光導波路。
  5. 前記光導波路の第2のクラッド層の最小厚さが、前記光導波路の第2のクラッド層の最大厚さに対して10〜80%である請求項1〜4のいずれかに記載の光導波路。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の光導波路を、電気配線板に積層した光電気複合配線板。
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