JP5228947B2 - フレキシブル光導波路及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、耐屈曲耐久性に優れるフレキシブル光導波路及びその製造方法に関する。
近年、電子素子間や配線基板間の高速・高密度信号伝送において、従来の電気配線による伝送では、信号の相互干渉や減衰が障壁となり、高速・高密度化の限界が見え始めている。これを打ち破るため電子素子間や配線基板間を光で接続する技術、いわゆる光インタコネクションが検討されている。光の伝送路として加工の容易さ、低コスト、配線の自由度が高く、かつ高密度化が可能な点からポリマー光導波路が注目を集めている。特に、携帯電話やノート型パソコンなどに光導波路を用いることが検討されている。
ところで、携帯電話などの電子機器においては、開閉可能な二つの機構部間の信号伝送にフレキシブル光導波路を用いる場合に、該フレキシブル光導波路は二つの機構部の連結部(ヒンジ)を跨ぐことが考えられる。この場合に、ヒンジによってフレキシブル光導波路は曲げられ、屈曲によって割れやクラックが生じることがあった。特に、近年の電子機器の小型化の要請から、ヒンジにおいて、Rが1〜2mm程度の小さい曲げ半径で曲げることが要求されるため、ヒンジでの割れやクラックの発生が顕著になるという問題があった。
特に、省スペース、薄型化に対応するため、光配線と電気配線を組み合わせた光電気混載基板が望まれるが、光電気混載基板ではさらにその厚さが増大するため、フレキシブル光導波路にはより一層の耐屈曲耐久性が求められていた。
フレキシブル光導波路の耐屈曲耐久性を向上させる方法としては、屈曲部分の厚さを薄くする方法があるが、光導波路フィルムの厚さを薄くするには、光導波路フィルムのコアサイズを小さくすることが必要である。コアサイズが小さくなると、光結合効率が低下することが考えられることから、光入力部よりもフィルム厚さが薄い箇所を有する光導波路フィルムが提案されている(特許文献1参照)。
国際公報2007/026601パンフレット
特許文献1に開示される技術は、コアサイズを代えずに、屈曲部分の上部クラッドを薄くし、光導波路の耐屈曲耐久性を向上させるものであるが、上部クラッド層の一部の膜厚を制御することは必ずしも容易ではなく、簡便に耐屈曲耐久性を向上させる方法が希求されていた。
本発明は、上記問題点に鑑み、耐屈曲耐久性に優れ、かつ光伝搬特性に優れた光導波路及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、光導波路の屈曲部の上部クラッド層の幅を下部クラッド層よりも小さくすることにより、耐屈曲耐久性が向上することを見出した。本発明はかかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、
(1)下部クラッド層、コア部、及び上部クラッド層からなる光導波路であって、上部クラッド層の幅が、少なくとも屈曲部においては下部クラッド層の幅よりも小さく、端部においては下部クラッド層の幅と同じか小さく、下部クラッド層は、屈曲部の幅が端部の幅と同じか小さいことを特徴とするフレキシブル光導波路、及び
(2)(I)下部クラッド層を形成する工程、(II)該下部クラッド層上にコア層を形成する工程、(III)該コア層をパターニングして、光導波路のコアパターンを形成する工程、(IV)該下部クラッド層及び該コアパターン上にクラッド層形成用樹脂を積層してコアパターンを埋め込む工程、及び(V)該クラッド層形成用樹脂を露光現像し、コアパターンの埋め込みを維持しつつ、少なくとも屈曲部において、前記下部クラッド層よりも幅の小さい上部クラッド層を形成する工程を有するフレキシブル光導波路の製造方法、を提供するものである。
本発明によれば、耐屈曲耐久性に優れ、かつ光伝搬特性に優れた光導波路及びその製造方法を提供することができる。
本発明の光導波路を導波方向から見た模式図である。 本発明の光導波路を上部クラッド側から見た透視図である。 本発明の光導波路を上部クラッド側から見た透視図である。 本発明の製造方法の工程を示す模式図である。 本発明に用いられるクラッド層形成用樹脂フィルムを示す模式図である。 本発明に用いられるコア層形成用樹脂フィルムを示す模式図である。 屈曲耐久性試験の内容を示す概念図である。 実施例1で作製した光導波路を説明する図である。
本発明の光導波路は、下部クラッド層、コア部、及び上部クラッド層からなり、上部クラッド層の幅が、少なくとも屈曲部においては下部クラッド層の幅よりも小さく、端部においては下部クラッド層の幅と同じか小さく、下部クラッド層は、屈曲部の幅が端部の幅と同じか小さいことを特徴とする。なお、ここで「屈曲部」とは、フレキシブル光導波路が電子機器等に装着された際に、ヒンジ等で屈曲される部分をいう。以下、図1〜図3を用いて説明する。
図1〜図3は本発明の光導波路を示す模式図であり、図1は導波方向から見た模式図、図2及び図3は上部クラッド側から見た透視図である。本発明の光導波路1は、下部クラッド層2、コア部3、及び上部クラッド層4からなり、上部クラッド層4の幅xが、下部クラッド層2の幅yよりも小さいことを特徴とする。
上部クラッド層4の幅が小さくなっている部分は、少なくとも屈曲部にあればよく、端部においては、下部クラッド層の幅と同じであってもよいし、小さくてもよい。より具体的には、図2に示すように一方の端部から他方の端部まで、上部クラッド層の幅が小さくなっていてもよいし、図3に示すように、両端部を除く屈曲部のみ、上部クラッド層の幅が小さくなっていてもよい。また、該屈曲部における上部クラッド層の幅は、小さいほど該屈曲部における耐屈曲耐久性は向上するが、クラッド層としての十分な機能を発揮させるためには、上部クラッド層4はコア部3を完全に埋め込み、良好な光の伝播特性を維持する程度の幅が必要である。以上の点を考慮すると、屈曲部における上部クラッド層4の幅xは下部クラッド層2の幅yに対して、20〜60%程度であることが好ましく、20〜50%の範囲がより好ましい。
なお、図2及び図3に示す例では、下部クラッド層の幅は、屈曲部と端部で同じとしているが、下部クラッド層の幅についても、屈曲部における幅が端部における幅よりも小さいことが、耐屈曲耐久性の観点からは好ましい。下部クラッド層の幅が屈曲部において小さい態様においては、前記下部クラッド層2の幅yは、端部における幅を意味する。
本発明では、少なくとも屈曲部における上部クラッド層の幅を小さくすることが特徴であり、一方、端部においては、少なくとも下部クラッド層は従来と同様な幅を有するが、この目的について説明する。
光導波路またはこれをFPC(Flexible Printed Circuit)と積層した光電気複合配線板では、その端部は、コネクタや光素子と接続するため、ある幅が必要となる。その幅を確保するため、図2のように下部クラッド層を残す、または図3のように端部のみは、下部クラッド層と同等の幅の上部クラッド層を残す構造が必要である。特に、端部をコネクタ接続する場合、端部の光導波路の厚さを一定とするため、図3のような構造とすることが好ましい。
また、本発明のフレキシブル光導波路は、光電気複合配線板に適用した場合に、特に優れた効果を示す。光電気複合配線板を作製する方法として、(1)光導波路とFPCを別々に作製し、接着剤を用いるなどして積層する方法、(2)FPCに、光導波路を下部クラッド層、コア層、上部クラッド層の順にビルドアップし積層する方法、さらには、(3)CCL(Copper Clad Laminate)に光導波路をビルドアップした後、CCLを回路加工する方法などが挙げられる。
(1)で、複数の光導波路アレイを一括してFPCに積層するためには、ワークがつながった状態でなければならない。また、(2)及び(3)では、コア層を積層するため、その下の下部クラッド層には平坦性が求められる。以上の点から、下部クラッド層は、従来と同様な方法にて形成し、上部クラッド層のみ幅を小さくすることは、光導波路がアレイ状に配列したワークにて光電気複合配線板を作製する場合、生産性が高い。
本発明の光導波路における下部クラッド層の厚さは、乾燥後の厚さで、5μm〜500μmの範囲が好ましい。5μm以上であると、光の閉じ込めに必要なクラッド厚さが確保でき、500μm以下であると、膜厚を均一に制御することが容易である。以上の観点から、該クラッド層の厚さは、さらに10μm〜100μmの範囲であることが好ましい。
また、コア層の厚さは、通常10μm〜100μmとなるように調整される。コア層の厚さが10μm以上であると、光導波路形成後の受発光素子又は光ファイバーとの結合において位置合わせトレランスが拡大できるという利点があり、100μm以下であると、光導波路形成後の受発光素子又は光ファイバーとの結合において、結合効率が向上するという利点がある。以上の観点から、コア層の厚さは、さらに30μm〜70μmの範囲であることが好ましい。
上部クラッド層の厚さは、下部クラッド層の厚さと同一であっても異なってもよいが、コアパターンを埋め込むために、コア部の高さより厚くすることが好ましい。
次に、本発明の光導波路の製造方法について図4を参照しつつ、工程ごとに詳細に記載する。本発明の製造方法では、クラッド層及びコア層を形成するに際し、クラッド層及びコア層形成用の樹脂をスピンコート等の塗布により積層させることが可能であるが、クラッド層形成用樹脂フィルム及びコア層形成用樹脂フィルムを用いることが、より好ましい。このような樹脂フィルムを用いることで、膜厚の制御が容易であるとともに、ハンドリング性に優れたものとなる。図4に示す工程図では、樹脂フィルムを用いた場合を例として説明する。
まず、下部クラッド層形成用樹脂フィルムのクラッド層形成用樹脂を硬化して下部クラッド層を形成する((I)工程、図4(a)参照)。
ここで用いるクラッド層形成用樹脂フィルム10は、図5に示すように、基材フィルム11上にクラッド層形成用樹脂12を塗工したものであり、必要に応じて保護フィルム(セパレーター)13が積層された構造をなす。
なお、保護フィルムは、クラッド層形成用樹脂フィルムの製造に際し、クラッド層形成用樹脂フィルムの保護やロール状に製造する際の巻き取り性を向上させるなどの目的で設けられ、保護フィルムとしては、後述する基材フィルムとして例示されるものと同様なものが使用できる。なお、保護フィルムは、クラッド層形成用樹脂フィルムからの剥離を容易にするためコロナ処理等の接着処理は行っていないことが好ましく、必要に応じ離型処理や帯電防止処理がなされていてもよい。
基材フィルム11としては、クラッド層形成用樹脂12を塗工し、かつ後の光導波路製造工程の支持基材となるものであり、その材料については特に制限はないが、柔軟性、強靭性を有するとの観点から、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルサルファイド、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレート、液晶ポリマー、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、アラミドなどが好適に挙げられる。
これら基材フィルムの中でも、光導波路の製造に際して、製造可能な耐熱性、現像液耐性、クラッド層を硬化するための紫外線透過性、入手のしやすさの観点からポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル、ポリアミド、ポリフェニレンサルファイド、アラミドを基材フィルムに用いるのが好ましい。特に、光導波路製造時の耐熱性、低収縮率の観点からは、アラミド、ポリアミドフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム及びポリフェニレンサルファイドフィルムが、また、クラッド層の硬化のための紫外線透過性の観点からはポリエチレンテレフタレートフィルムが特に好ましい。
基材フィルムの表面は、クラッド層形成用樹脂12との接着性などを向上させるために、処理が施されていてもよく、例えば、酸化法や凹凸化法などの物理的又は化学的表面処理を挙げることができる。酸化法としては、例えばコロナ処理、クロム酸化処理、火炎処理、熱風処理、オゾン・紫外線処理法などが挙げられ、凹凸化法としては、例えばサンドブラスト法、溶剤処理法などが挙げられる。
上記(I)工程において、クラッド層形成用樹脂フィルムの基材フィルムの反対側に保護フィルム13を設けている場合(図5参照)には該保護フィルムを剥離後、クラッド層形成用樹脂フィルムを光(紫外線(UV)など)又は加熱により硬化し、下部クラッド層2を形成する。
本発明で用いるクラッド層形成用樹脂としては、コア層より低屈折率で、光又は熱により硬化する樹脂組成物であれば特に限定されず、熱硬化性樹脂組成物や感光性樹脂組成物を使用することができる。
より好適には、クラッド層形成用樹脂が、(A)ベースポリマー、(B)光重合性化合物、及び(C)光重合開始剤を含有する樹脂組成物により構成されることが好ましい。
ここで用いる(A)ベースポリマーはクラッド層を形成し、該クラッド層の強度を確保するためのものであり、該目的を達成し得るものであれば特に限定されず、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエーテルアミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン等、あるいはこれらの誘導体などが挙げられる。これらのベースポリマーは1種単独でも、また2種以上を混合して用いてもよい。
上記で例示したベースポリマーのうち、耐熱性が高いとの観点から、主鎖に芳香族骨格を有することが好ましく、特にフェノキシ樹脂が好ましい。
また、3次元架橋し、耐熱性を向上できるとの観点からは、エポキシ樹脂、特に室温で固形のエポキシ樹脂が好ましい。さらに、後に詳述する(B)光重合性化合物との相溶性が、クラッド層形成用樹脂フィルムの透明性を確保するために重要であるが、この点からは上記フェノキシ樹脂及び(メタ)アクリル樹脂が好ましい。なお、ここで(メタ)アクリル樹脂とは、アクリル樹脂及びメタクリル樹脂を意味するものである。
フェノキシ樹脂の中でも、ビスフェノールA又はビスフェノールA型エポキシ化合物若しくはそれらの誘導体、及びビスフェノールF又はビスフェノールF型エポキシ化合物若しくはそれらの誘導体を共重合成分の構成単位として含むものは、耐熱性、密着性及び溶解性に優れるため好ましい。ビスフェノールA又はビスフェノールA型エポキシ化合物の誘導体としては、テトラブロモビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールA型エポキシ化合物等が好適に挙げられる。また、ビスフェノールF又はビスフェノールF型エポキシ化合物の誘導体としては、テトラブロモビスフェノールF、テトラブロモビスフェノールF型エポキシ化合物等が好適に挙げられる。ビスフェノールA/ビスフェノールF共重合型フェノキシ樹脂の具体例としては、東都化成(株)製「フェノトートYP−70」(商品名)が挙げられる。
室温で固形のエポキシ樹脂としては、例えば、東都化学(株)製「エポトートYD−7020、エポトートYD−7019、エポトートYD−7017」(いずれも商品名)、ジャパンエポキシレジン(株)製「エピコート1010、エピコート1009、エピコート1008」(いずれも商品名)などのビスフェノールA型エポキシ樹脂が挙げられる。
(A)ベースポリマーの分子量については、フィルム形成性の点から、数平均分子量で5,000以上であることが好ましく、さらに10,000以上が好ましく、特に30,000以上であることが好ましい。数平均分子量の上限については、特に制限はないが、(B)光重合性化合物との相溶性や露光現像性の観点から、1,000,000以下であることが好ましく、さらには500,000以下、特には200,000以下であることが好ましい。なお、本発明における数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定し、標準ポリスチレン換算した値である。
(A)ベースポリマーの配合量は、(A)成分及び(B)成分の総量に対して、10〜80質量%とすることが好ましい。この配合量が10質量%以上であると、光導波路形成に必要な50〜500μm程度の厚膜フィルムの形成が容易であるという利点があり、一方、80質量%以下であると、光硬化反応が十分に進行する。以上の観点から、(A)ベースポリマーの配合量は、20〜70質量%とすることがさらに好ましい。
次に、(B)光重合性化合物としては、紫外線等の光の照射によって重合するものであれば特に限定されず、分子内に2つ以上のエポキシ基を有する化合物や分子内にエチレン性不飽和基を有する化合物などが挙げられる。
分子内に2つ以上のエポキシ基を有する化合物の具体例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、テトラブロモビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂等の2官能芳香族グリシジルエーテル;フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン−フェノール型エポキシ樹脂、テトラフェニロールエタン型エポキシ樹脂等の多官能芳香族グリシジルエーテル;ポリエチレングリコール型エポキシ樹脂、ポリプロピレングリコール型エポキシ樹脂、ネオペンチルグリコール型エポキシ樹脂、ヘキサンジオール型エポキシ樹脂等の2官能脂肪族グリシジルエーテル;水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂等の2官能脂環式グリシジルエーテル;トリメチロールプロパン型エポキシ樹脂、ソルビトール型エポキシ樹脂、グリセリン型エポキシ樹脂等の多官能脂肪族グリシジルエーテル;フタル酸ジグリシジルエステル等の2官能芳香族グリシジルエステル;テトラヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル等の2官能脂環式グリシジルエステル;N,N−ジグリシジルアニリン、N,N−ジグリシジルトリフルオロメチルアニリン等の2官能芳香族グリシジルアミン;N,N,N’,N’−テトラグリシジル−4,4−ジアミノジフェニルメタン、1,3−ビス(N,N−グリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、N,N,O−トリグリシジル−p−アミノフェノール等の多官能芳香族グリシジルアミン;アリサイクリックジエポキシアセタール、アリサイクリックジエポキシアジペート、アリサイクリックジエポキシカルボキシレート、ビニルシクロヘキセンジオキシド等の2官能脂環式エポキシ樹脂;ジグリシジルヒダントイン等の2官能複素環式エポキシ樹脂;トリグリシジルイソシアヌレート等の多官能複素環式エポキシ樹脂;オルガノポリシロキサン型エポキシ樹脂等の2官能又は多官能ケイ素含有エポキシ樹脂などが挙げられる。
これらの分子内に2つ以上のエポキシ基を有する化合物は、通常その分子量が、100〜2000程度であり、さらに好ましくは150〜1000程度であり、室温で液状のものが好適に用いられる。またこれらの化合物は、単独または2種類以上組み合わせて使用することができ、さらにその他の光重合性化合物と組み合わせて使用することもできる。なお、本発明における光重合性化合物の分子量は、GPC法又は質量分析法にて測定できる。
また、分子内にエチレン性不飽和基を有する化合物の具体例としては、(メタ)アクリレート、ハロゲン化ビニリデン、ビニルエーテル、ビニルピリジン、ビニルフェノール等が挙げられるが、これらのうち透明性と耐熱性の観点から、(メタ)アクリレートが好ましく、1官能性のもの、2官能性のもの、3官能性以上のもののいずれも用いることができる。
1官能性(メタ)アクリレートとしては、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルコハク酸、パラクミルフェノキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−テトラヒドロピラニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等がある。
また、2官能性(メタ)アクリレートとしては、エトキシ化2−メチル−1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−へキサンジオールジ(メタ)アクリレート、2−メチル−1,8−オクタンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、エトキシ化シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−1−アクリロキシ−3−メタクリロキシプロパン、2−ヒドロキシ−1,3−ジメタクリロキシプロパン、9,9−ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン、9,9−ビス[3−フェニル−4−アクリロイルポリオキシエトキシ)フルオレン、ビスフェノールA型,フェノールノボラック型,クレゾールノボラック型,及びグリシジルエーテル型のエポキシ(メタ)アクリレート等がある。
さらに、3官能以上の(メタ)アクリレートとしては、エトキシ化イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレート、エトキシ化グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等がある。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
なお、ここで(メタ)アクリレートとは、アクリレート及びメタクリレートを意味する。前記(B)光重合性化合物の配合量は、(A)成分及び(B)成分の総量に対して、20〜90質量%とすることが好ましい。この配合量が、20質量%以上であると、ベースポリマーを絡み込んで硬化させることが容易にでき、一方、90質量%以下であると、十分な厚さのクラッド層を容易に形成することできる。以上の観点から、(B)光重合性化合物の配合量は30〜80質量%とすることがさらに好ましい。
次に(C)成分の光重合開始剤としては、特に制限はなく、例えばエポキシ化合物の開始剤として、p−メトキシベンゼンジアゾニウムヘキサフルオロホスフェートなどのアリールジアゾニウム塩;ジフェニルヨードニウムヘキサフロロホスホニウム塩、ジフェニルヨードニウムヘキサフロロアンチモネート塩などのジアリールヨードニウム塩;トリフェニルスルホニウムヘキサフロロホスホニウム塩、トリフェニルスルホニウムヘキサフロロアンチモネート塩、ジフェニル−4−チオフェノキシフェニルスルホニウムヘキサフロロアンチモネート塩、ジフェニル−4−チオフェノキシフェニルスルホニウムヘキサフロロアンチモネート塩、ジフェニル−4−チオフェノキシフェニルスルホニウムペンタフロロヒドロキシアンチモネート塩などのトリアリールスルホニウム塩;トリフェニルセレノニウムヘキサフロロホスホニウム塩、トリフェニルセレノニウムホウフッ化塩、トリフェニルセレノニウムヘキサフロロアンチモネート塩などのトリアリルセレノニウム塩;ジメチルフェナシルスルホニウムヘキサフロロアンチモネート塩、ジエチルフェナシルスルホニウムヘキサフロロアンチモネート塩などのジアルキルフェナジルスルホニウム塩;4−ヒドロキシフェニルジメチルスルホニウムヘキサフロロアンチモネート塩、4−ヒドロキシフェニルベンジルメチルスルホニウムヘキサフロロアンチモネートなどのジアルキル−4−ヒドロキシフェニルスルホニウム塩;α−ヒドロキシメチルベンゾインスルホン酸エステル、N−ヒドロキシイミドスルホネート、α−スルホニロキシケトン、β−スルホニロキシケトンなどのスルホン酸エステルなどが挙げられる。
また、分子内にエチレン性不飽和基を有する化合物の開始剤としては、ベンゾフェノン、N,N’−テトラメチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン(ミヒラーケトン)、N,N’−テトラエチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、1,2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン等の芳香族ケトン;2−エチルアントラキノン、フェナントレンキノン、2−tert−ブチルアントラキノン、オクタメチルアントラキノン、1,2−ベンズアントラキノン、2,3−ベンズアントラキノン、2−フェニルアントラキノン、2,3−ジフェニルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、2−メチルアントラキノン、1,4−ナフトキノン、9,10−フェナントラキノン、2−メチル1,4−ナフトキノン、2,3−ジメチルアントラキノン等のキノン類;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル等のベンゾインエーテル化合物;ベンゾイン、メチルベンゾイン、エチルベンゾイン等のベンゾイン化合物;ベンジルジメチルケタール等のベンジル誘導体;2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体等の2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体;ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド等のフォスフィンオキサイド類;9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9’−アクリジニル)ヘプタン等のアクリジン誘導体;N−フェニルグリシン、N−フェニルグリシン誘導体、クマリン系化合物などが挙げられる。また、2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体において、2つの2,4,5−トリアリールイミダゾールのアリール基の置換基は同一で対称な化合物を与えてもよいし、相違して非対称な化合物を与えてもよい。また、ジエチルチオキサントンとジメチルアミノ安息香酸の組み合わせのように、チオキサントン系化合物と3級アミン化合物とを組み合わせてもよい。なお、コア層及びクラッド層の透明性を向上させる観点からは、上記化合物のうち、芳香族ケトン及びフォスフィンオキサイド類が好ましい。これらの(C)光重合開始剤は、単独で又は2種類以上組み合わせて用いることができる。
(C)光重合開始剤の配合量は、(A)成分及び(B)成分の総量100質量部に対して、0.1〜10質量部とすることが好ましい。0.1質量部以上であると、光感度が十分であり、一方10質量部以下であれば、光導波路の表面のみが選択的に硬化し、硬化が不十分となることがなく、また、光重合開始剤自身の吸収により伝搬損失が増大することもなく好適である。以上の観点から、(C)光重合開始剤の配合量は、1〜5質量部とすることがさらに好ましい。
また、このほかに必要に応じて、本発明のクラッド層形成用樹脂中には、酸化防止剤、黄変防止剤、紫外線吸収剤、可視光吸収剤、着色剤、可塑剤、安定剤、充填剤などのいわゆる添加剤を本発明の効果に悪影響を与えない割合で添加してもよい。
クラッド層形成用樹脂フィルムは(A)〜(C)成分を含有する樹脂組成物を溶媒に溶解して、前記基材フィルムに塗布し、溶媒を除去することにより容易に製造することができる。ここで用いる溶媒としては、該樹脂組成物を溶解し得るものであれば特に限定されず、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、トルエン、N,N−ジメチルアセトアミド、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン、N−メチル−2−ピロリドン等の溶媒又はこれらの混合溶媒を用いることができる。樹脂溶液中の固形分濃度は30〜80質量%程度であることが好ましい。
なお、クラッド層形成用樹脂フィルムの樹脂部分の厚さに関しては、上述の上部クラッド層及び下部クラッド層の厚さになるように調整される。
次に、下部クラッド層2上にコア層形成用樹脂フィルムを積層してコア層を形成する((II)工程、図4(b)参照)。
ここで用いるコア層形成用樹脂フィルムとは、基材フィルム上にコア層形成用樹脂を塗工したもの、又はコア層形成用樹脂単独で構成されているものが挙げられるが、基材フィルム上にコア層形成用樹脂を形成したものを用いるほうが取り扱いが容易で好ましい。より具体的には、図6に示すような構成のものが挙げられる。すなわち、基材フィルム21上にコア層形成用樹脂22を形成したものであり、コア層形成用樹脂フィルムの保護やロール状に製造する際の巻き取り性を向上させるなどの目的で、所望により基材フィルム21の反対側に保護フィルム23が設けられたものである。保護フィルムとしては、前記クラッド層形成用樹脂フィルムの基材フィルムとして例に挙げたものと同様なものが使用できる。
なお、保護フィルム及び基材フィルムは、コア層形成用樹脂フィルムからの剥離を容易にするためコロナ処理等の接着処理は行っていないことが好ましく、必要に応じ離型処理、帯電防止処理が施されていてもよい。
コア層形成用樹脂フィルム20の積層に際しては、密着性及び追従性の見地から、コア層形成用樹脂フィルムは減圧下で積層することが好ましい。また、ここでの加熱温度は50〜130℃とすることが好ましく、圧着圧力は、0.1〜1.0MPa(1〜10kgf/cm2)程度とすることが好ましいが、これらの条件には特に制限はない。
また、下部クラッド層とコア層の間への気泡の混入を防ぐとの観点から、ロールラミネータを用いて積層することが好ましい。
本発明で使用するコア層形成用樹脂フィルムは、コア層がクラッド層より高屈折率であるように設計され、活性光線によりコアパターンを形成し得る樹脂組成物を用いることができ、感光性樹脂組成物が好適である。具体的には、上記クラッド層形成用樹脂で用いたのと同様の樹脂組成物を用いることが好ましい。すなわち、前記(A)、(B)及び(C)成分を含有し、必要に応じて前記任意成分を含有する樹脂組成物である。
コア層形成用樹脂フィルムは、(A)〜(C)成分を含有する樹脂組成物を溶媒に溶解して基材フィルムに塗布し、溶媒を除去することにより容易に製造することができる。ここで用いる溶媒としては、該樹脂組成物を溶解し得るものであれば特に限定されず、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、トルエン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン、N−メチル−2−ピロリドン等の溶媒又はこれらの混合溶媒を用いることができる。樹脂溶液中の固形分濃度は、通常30〜80質量%程度であることが好ましい。
なお、コア層形成用樹脂フィルムの厚さについては特に限定されず、乾燥後のコア層の厚さに応じて適宜決定される。
コア層形成用樹脂フィルムが、基材フィルム上にコア層形成用樹脂を塗工したものである場合は、その基材フィルム、コア層形成用樹脂フィルムがコア層形成用樹脂単独で構成されている場合は、コア層形成用樹脂フィルムの製造過程で用いる基材フィルムについて、その材料については特に限定されないが、後に剥離することが容易であり、かつ、耐熱性及び耐溶剤性を有するとの観点から、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレンなどが好適に挙げられる。
また、該基材フィルムの厚さは、5〜50μmであることが好ましい。5μm以上であると、支持体としての強度が得やすいという利点があり、50μm以下であると、パターン形成時のマスクとのギャップが小さくなり、より微細なパターンが形成できるという利点がある。以上の観点から、該基材フィルムの厚さは10〜40μmの範囲であることがより好ましく、15〜30μmであることが特に好ましい。
また、露光用光線の透過率向上及びコアパターンの側壁荒れ低減のため、高透明タイプのフレキシブルな基材を用いるのが好ましい。高透明タイプの基材フィルムのヘイズ値は5%以下であることが好ましく、3%以下であることがより好ましく、2%以下であることが特に好ましい。なお、ヘイズ値はJIS K7105に準拠して測定したものであり、例えば、NDH−1001DP(日本電色工業(株)製)等の市販の濁度計などで測定可能である。このような基材フィルムとしては、東洋紡績(株)製、商品名「コスモシャインA1517」や「コスモシャインA4100」として入手可能である。
なお、上記基材フィルムは、剥離を容易とするため、離型処理、帯電防止処理等が施されていてもよい。
次に、コア層をパターニングして、光導波路のコアパターンを形成する((III)工程、図4(c)及び(d)参照)。なお、コア層をパターニングして、光導波路のコアパターンを形成する方法としては、種々の方法を用い得るが、簡便である点から、コア層形成用樹脂として感光性樹脂を用いての露光現像法が好ましい。
露光の方法としては、具体的には、フォトマスク(ネガマスクパターン)5を通して活性光線が画像状に照射される。活性光線の光源としては、例えば、カーボンアーク灯、水銀蒸気アーク灯、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、キセノンランプ等の紫外線を有効に放射する公知の光源が挙げられる。また、他にも写真用フラッド電球、太陽ランプ等の可視光を有効に放射するものも用いることができる。
次いで、必要に応じ露光後加熱を行った後、コア層形成用樹脂フィルムの基材フィルムが残っている場合には基材フィルムを剥離し、ウエット現像、ドライ現像等で未露光部を除去して現像し、コアパターンを製造する。ウエット現像の場合は、有機溶剤、アルカリ性水溶液、水系現像液等のうち、樹脂フィルムの組成に対応した現像液を用いて、例えば、スプレー、揺動浸漬、ブラッシング、スクラッピング等の公知の方法により現像する。
現像液としては、有機溶剤、アルカリ性水溶液等の安全かつ安定であり、操作性が良好なものが好ましく用いられる。前記有機溶剤系現像液としては、例えば、1,1,1−トリクロロエタン、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン、γ−ブチロラクトン等が挙げられる。これらの有機溶剤は、引火防止のため、1〜20質量%の範囲で水を添加してもよい。
上記アルカリ性水溶液の塩基としては、例えば、リチウム、ナトリウム又はカリウムの水酸化物等の水酸化アルカリ、リチウム、ナトリウム、カリウム若しくはアンモニウムの炭酸塩又は重炭酸塩等の炭酸アルカリ、リン酸カリウム、リン酸ナトリウム等のアルカリ金属リン酸塩、ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸カリウム等のアルカリ金属ピロリン酸塩などが用いられる。また、現像に用いるアルカリ性水溶液としては、例えば、0.1〜5質量%炭酸ナトリウムの希薄溶液、0.1〜5質量%炭酸カリウムの希薄溶液、0.1〜5質量%水酸化ナトリウムの希薄溶液、0.1〜5質量%四ホウ酸ナトリウムの希薄溶液等が好ましく挙げられる。また、現像に用いるアルカリ性水溶液のpHは9〜14の範囲とすることが好ましく、その温度は、感光性樹脂組成物の層の現像性に合わせて調節される。また、アルカリ性水溶液中には、表面活性剤、消泡剤、現像を促進させるための少量の有機溶剤等を混入させてもよい。
上記水系現像液としては、水又はアルカリ水溶液と一種以上の有機溶剤とからなる。ここでアルカリ物質としては、前記物質以外に、例えば、ホウ砂、メタケイ酸ナトリウム、水酸化テトラメチルアンモニウム、エタノールアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、2ーアミノ−2−ヒドロキシメチル−1、3−プロパンジオール、1、3−ジアミノプロパノール−2、モルホリン等が挙げられる。現像液のpHは、レジストの現像が充分にできる範囲でできるだけ小さくすることが好ましく、pH8〜12とすることが好ましく、pH9〜10とすることがより好ましい。上記有機溶剤としては、例えば、三アセトンアルコール、アセトン、酢酸エチル、炭素数1〜4のアルコキシ基をもつアルコキシエタノール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等が挙げられる。これらは、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。有機溶剤の濃度は、通常、2〜90質量%とすることが好ましく、その温度は、現像性にあわせて調整することができる。また、水系現像液中には、界面活性剤、消泡剤等を少量混入することもできる。
また、必要に応じて2種類以上の現像方法を併用してもよい。現像の方式としては、例えば、ディップ方式、バトル方式、高圧スプレー方式等のスプレー方式、ブラッシング、スラッピング等が挙げられる。
現像後の処理として、必要に応じて60〜250℃程度の加熱又は0.1〜1000mJ/cm2程度の露光を行うことによりコアパターンをさらに硬化して用いてもよい。
次に、コア層を露光現像して得たコアパターン3上に上部クラッド層形成用樹脂フィルムを積層してコアパターンを埋め込む((IV)工程、図4(e)参照)。
ここで用いる上部クラッド層形成用樹脂フィルムは、下部クラッド層形成用樹脂フィルムと同様であって、図5に示すように、基材フィルム11上にクラッド層形成用樹脂12を積層したものであり、必要に応じて保護フィルム(セパレーター)13が積層された構造をなす。また、基材フィルム11の材料については、下部クラッド層形成用樹脂フィルムにおける基材フィルムと同様である。さらに、クラッド層形成用樹脂についても、下部クラッド層形成用樹脂フィルムにおけるクラッド層形成用樹脂と同様である。
また、上部クラッド層形成用樹脂フィルムの基材フィルムの反対側に保護フィルムを設けている場合(図5参照)には該保護フィルムを剥離後、クラッド層形成用樹脂フィルムを光又は加熱により硬化し、上部クラッド層を形成する。保護フィルムは、クラッド層形成用樹脂フィルムからの剥離を容易にするため接着処理は行っていないことが好ましく、必要に応じ離型処理、帯電防止処理が施されていてもよい。
なお、上部クラッド層形成用樹脂フィルムの樹脂部分の厚さに関しては、コアパターンを埋め込むために、コア部の高さより厚くすることが好ましい。
次に、上記上部クラッド層形成用樹脂フィルムを露光現像し、コアパターンの埋め込みを維持しつつ、少なくとも屈曲部において、下部クラッド層2よりも幅の小さい上部クラッド層4を形成する((V)工程、図4(f)及び(g)参照)。
露光現像の方法としては、前記(III)工程で記載したのと同様の方法を用いることができ、活性光線の光源及び現像液等についても同様のものを用いることができる。
本発明の製造方法においては、前述のように、上部クラッド層4は、クラッド層としての十分な機能を発揮させるために、コア部3を完全に埋め込んでいることが重要であり、露光現像後もコアパターンの埋め込みが維持されることが必須である。
また、該上部クラッド層は露光過程で硬化しているが、現像後に再度光を照射することで、又は加熱によって、完全に硬化させることが好ましい。
本発明の製造方法によれば、(V)工程において、露光現像によって上部クラッド層に幅の小さい部分を容易に付与することができ好適である。また、本発明の製造方法によれば、(V)工程におけるマスクパターン5の形状を変えることで、上部クラッド層の形状を容易に制御することができ、例えば、図2や図3に示すような、種々の形状の上部クラッド層を容易に得ることができる。
本発明の光導波路の製造に際し、上記(IV)工程及び(V)工程に代えて、あらかじめ、屈曲部における上部クラッド層の幅が、下部クラッド層の幅よりも小さくなるような形状を有する上部クラッド層形成用樹脂フィルムを作製しておき、これをコアパターン上に積層して、コアパターンを埋め込む方法を用いることもできる。この方法の場合は、該上部クラッド層形成用樹脂フィルムが積層された後、光(紫外線(UV)など)又は熱により硬化されて上部クラッド層が形成され、本発明の光導波路が得られる。
本発明においては、クラッド層形成用樹脂フィルムの基材フィルムは、光導波路の製造過程において、支持体としての役割をも担う。この基材フィルムは、従来支持体として用いられていたシリコン基板などに比べ、大きなものを用いることができるため、大面積化が容易で生産性に優れる。
また、基材フィルムを剥離する工程中に加湿処理を含むことが好ましい。加湿処理は、基材フィルムとクラッド層の密着力を低下させることができ、光導波路の破損なく容易に基材フィルムを剥離できるためである。加湿処理は、加熱を併用すると処理時間を短縮できるため、例えば、高温高湿条件、煮沸条件、プレッシャクッカ条件下などで行うことがより好ましい。
なお、本発明の光導波路は、前記(IV)工程及び(V)工程の記載から明らかなように、コアパターンが上部クラッド層及び下部クラッド層に取り囲まれる形であり、上下クラッド層に加えて、サイドクラッドを有する。
以下に、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例によってなんら限定されるものではない。
(評価方法)
(1)屈曲耐久性試験
各実施例及び比較例で製造された光電気複合配線板について、図7に示すようなスライド式の屈曲耐久試験機((株)大昌電子製)を用いて、屈曲耐久性試験を行った。試験は各実施例及び比較例で得られた光電気複合配線板を、屈曲軸44に対して、フレキシブル光導波路を内側に配置して行った。また、曲げ半径については、1.5mmの条件で行い、スライド速度80mm/秒、X1〜X2間の距離20mmの条件で試験を行った。評価については、1万回毎に破断の有無を観察して破断しない最大回数を求めた。なお、屈曲軸7は実際に存在するものではなく、光電気複合配線板を屈曲させ、スライドさせる際の仮想軸である。
(2)引張弾性率及び引張強度
測定対象のフィルムから、幅10mm、長さ70mmのサンプルを得、引張試験機((株)オリエンテック製「RTM−100」)を用い、JIS−K7127に準拠して、以下の条件で測定した。
条件:つかみ具間距離50mm、温度25℃、引張り速度50mm/min
引張弾性率は、引張り応力―ひずみ曲線の初めの直線部分を用いて以下に示す式により算出した。また、引張り応力―ひずみ曲線において、破断するまでの最大強度を引張強度とした。
引張り弾性率(MPa)=直線上の2点間の応力の差(N)÷光導波路フィルムの元の平均断面積(mm2)÷同じ2点間のひずみの差
実施例1
(1)クラッド層形成用樹脂フィルムの作製
(A)バインダポリマーとして、フェノキシ樹脂(商品名:フェノトートYP−70、東都化成(株)製)48質量部、(B)光重合性化合物として、アリサイクリックジエポキシカルボキシレート(商品名:KRM−2110、分子量:252、旭電化工業(株)製)49.6質量部、(C)光重合開始剤として、トリフェニルスルホニウムヘキサフロロアンチモネート塩(商品名:SP−170、旭電化工業(株)製)2質量部、増感剤として、SP−100(商品名、旭電化工業(株)製)0.4質量部、有機溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート40質量部を広口のポリ瓶に秤量し、メカニカルスターラ、シャフト及びプロペラを用いて、温度25℃、回転数400rpmの条件で、6時間撹拌し、クラッド層形成用樹脂ワニスAを調合した。その後、孔径2μmのポリフロンフィルタ(商品名:PF020、アドバンテック東洋(株)製)を用いて、温度25℃、圧力0.4MPaの条件で加圧濾過し、さらに真空ポンプ及びベルジャーを用いて減圧度50mmHgの条件で15分間減圧脱泡した。
上記で得られたクラッド層形成用樹脂ワニスAを、アラミドフィルム(商品名:ミクトロン、東レ(株)製、厚さ:12μm)のコロナ処理面上に塗工機(マルチコーターTM−MC、(株)ヒラノテクシード製)を用いて塗布し、80℃、10分、その後100℃、10分乾燥し、次いで保護フィルムとして離型PETフィルム(商品名:ピューレックスA31、帝人デュポンフィルム(株)、厚さ:25μm)を離型面が樹脂側になるように貼り付け、クラッド層形成用樹脂フィルムを得た。このとき樹脂層の厚さは、塗工機のギャップを調節することで、任意に調整可能であり、本実施例では硬化後の膜厚が、下部クラッド層及び上部クラッド層ともに20μmとなるように調節した。
(2)コア層形成用樹脂フィルムの作製
(A)バインダポリマーとして、フェノキシ樹脂(商品名:フェノトートYP−70、東都化成(株)製)26質量部、(B)光重合性化合物として、9,9−ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン(商品名:A−BPEF、新中村化学工業(株)製)36質量部、およびビスフェノールA型エポキシアクリレート(商品名:EA−1020、新中村化学工業(株)製)36質量部、(C)光重合開始剤として、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド(商品名:イルガキュア819、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)1質量部、及び1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン(商品名:イルガキュア2959、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)1質量部、有機溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート40質量部を用いたこと以外は上記製造例と同様の方法および条件でコア層形成用樹脂ワニスBを調合した。その後、上記製造例と同様の方法および条件で加圧濾過さらに減圧脱泡した。
上記で得られたコア層形成用樹脂ワニスBを、PETフィルム(商品名:コスモシャインA1517、東洋紡績(株)製、厚さ:16μm)の非処理面上に、上記製造例と同様な方法で塗布乾燥し、次いで保護フィルムとして離型PETフィルム(商品名:ピューレックスA31、帝人デュポンフィルム(株)、厚さ:25μm)を離型面が樹脂側になるように貼り付け、コア層形成用樹脂フィルムを得た。本実施例では硬化後の膜厚が50μmとなるよう、塗工機のギャップを調整した。
(3)フレキシブル光導波路の作製
上記で得られた下部クラッド層形成用樹脂フィルムの保護フィルムである離型PETフィルム(ピューレックスA31)を剥離し、紫外線露光機((株)オーク製作所製、EXM−1172)にて樹脂側(基材フィルムの反対側)から紫外線(波長365nm)を1J/cm2照射し、次いで80℃で10分間加熱処理することにより、下部クラッド層を形成した((I)工程)。該下部クラッド層の厚さは、約20μmであった。
次に、該下部クラッド層上に、ロールラミネータ(日立化成テクノプラント(株)製、HLM−1500)を用い圧力0.5MPa、温度50℃、ラミネート速度0.2m/minの条件で、上記コア層形成用樹脂フィルムをラミネートした((II)工程)。コア層の厚さは約70μmであった。
次に、図8に示すように、コア幅が80μmとなるよう、ネガ型フォトマスクを介し、上記紫外線露光機にて紫外線(波長365nm)を0.6J/cm2照射し、次いで80℃で5分間露光後加熱を行った。なお、フォトマスクには、図8のコア露光用パターンが、3mm間隔で31アレイ含まれている。
その後、支持フィルムであるPETフィルムを剥離し、現像液(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート/N,N−ジメチルアセトアミド=7/3、質量比)を用いて、コアパターンを現像した。続いて、洗浄液(イソプロパノール)を用いて洗浄し、100℃で10分間加熱乾燥して、コアパターンを得た((III)工程)。
次いで、上記と同様なラミネート条件にて、上部クラッド層として上記クラッド層形成用樹脂フィルムをラミネートした。次に、図8に示すように、屈曲部の幅が1000μmとなるよう、ネガ型フォトマスクを介し、上記紫外線露光機にて紫外線(波長365nm)を2J/cm2照射し、支持フィルムであるPETフィルムを剥離した後、80℃で10分間露光後加熱を行った。なお、フォトマスクには、図8のクラッド露光用パターンが、3mm間隔で31アレイ含まれている。
その後、現像液(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート/N,N−ジメチルアセトアミド=7/3、質量比)を用いて、クラッドパターンを現像した。続いて、洗浄液として、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを用いて洗浄し、80℃で10分間、次いで100℃で10分間加熱乾燥して、クラッドパターンを得た((V)工程)。
さらに、紫外線(波長365nm)を1J/cm2照射後、120℃で10分間、次いで160℃で1時間加熱処理することによって、上部クラッド層を形成し、基材フィルムが外側に配置された光導波路を作製した。さらにアラミドフィルム剥離のため、該光導波路を85℃/85%の高温高湿条件で24時間処理し、基材フィルムを除去した光導波路を作製した。
コア部が上部クラッドに埋め込まれた状態が維持され、上部クラッド層の幅は1000μmであり、下部クラッド層の幅に対して50%であった。
なお、コア層及びクラッド層の屈折率をMetricon社製プリズムカプラー(Model2010)で測定したところ、波長830nmにて、コア層が1.584、クラッド層が1.550であった。また、作製した光導波路の伝搬損失を、光源に850nmの面発光レーザー((EXFO社製、FLS−300−01−VCL)を、受光センサに(株)アドバンテスト製、Q82214を用い、カットバック法(測定導波路長10、5、3、2cm、入射ファイバー;GI−50/125マルチモードファイバー(NA=0.20)、出射ファイバー;SI−114/125(NA=0.22))により測定したところ、0.06dB/cmであった。
また、得られたフレキシブル光導波路の引張弾性率及び引張強度を上記方法により測定した結果、引張弾性率が2,000MPa、引張強度が70MPaであった。
(4)光電気複合配線板の作製
(4−1)シート状接着剤の作製
HTR−860P−3(帝国化学産業(株)製、商品名、グリシジル基含有アクリルゴム、分子量100万、Tg−7℃)100質量部、YDCN−703(東都化成(株)製、商品名、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、エポキシ当量210)5.4質量部、YDCN−8170C(東都化成(株)製、商品名、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、エポキシ当量157)16.2質量部、プライオーフェンLF2882(大日本インキ化学工業(株)製、商品名、ビスフェノールAノボラック樹脂)15.3質量部、NUCA−189(日本ユニカー(株)製、商品名、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン)0.1質量部、NUCA−1160(日本ユニカー(株)製、商品名、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン)0.3質量部、A−DPH(新中村化学工業(株)製、商品名、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート)30質量部、イルガキュア369(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製、商品名、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1−オン:I−369)1.5質量部、シクロヘキサノンを加えて攪拌混合し、真空脱気した。この接着剤ワニスを、厚さ75μmの表面離型処理ポリエチレンテレフタレート(帝人(株)製、テイジンテトロンフィルム:A−31)上に塗布し、80℃で30分間加熱乾燥し粘接着シートを得た。この粘接着シートに、厚さ80μmの光透過性の支持基材(サーモ(株)製、低密度ポリエチレンテレフタレート/酢酸ビニル/低密度ポリエチレンテレフタレート三層フィルム:FHF−100)をあわせてラミネートすることにより保護フィルム(表面離型処理ポリエチレンテレフタレート)、粘接着剤層、及び光透過性の支持基材からなるシート状接着剤を作製した。粘接着剤層の厚みは10μmとした。
(4−2)接着剤層付き光導波路の作製
続いて、上記で作製したフレキシブル光導波路に、ロールラミネータ(日立化成テクノプラント(株)製、HLM−1500)を用い圧力0.4MPa、温度50℃、ラミネート速度0.2m/minの条件で、保護フィルムを剥がしたシート状接着剤をラミネートした。次に、接着シートの支持基材側から紫外線(365nm)を250mJ/cm2照射し、粘接着剤層と支持基材界面の密着力を低下させ支持基材を剥がして接着剤層付き光導波路を得た。
(4−3)光電気複合配線板の作製
次に、電気回路パターンを有するFPC(基材:カプトンEN、12.5μm、銅回路厚さ:5μm)の所定の箇所に接着剤層付き光導波路を、紫外線露光機((株)大日本スクリーン製,MAP−1200−L)付随のマスクアライナー機構を利用して位置決めし、上述の真空加圧式ラミネータを用い、500Pa以下にて30秒間真空引きした後、圧力0.4MPa、温度100℃、加圧時間30秒の条件にて圧着した後、クリンオーブン中で180℃、1時間加熱しフレキシブル光導波路とFPCを接着して、光電気複合配線板を得た。なお、光導波路とFPCの積層は、それぞれ31アレイ分のパターンを有するシート状態で行った。
上記屈曲耐久試験機((株)大昌電子製)により評価した結果、10万回以上の耐屈曲耐久性を確認した。
比較例1
実施例1において、上部クラッド層に対して露光・現像を行わず、上部クラッド層全体を硬化したこと以外は実施例1と同様にしてフレキシブル光導波路及び光電気複合配線板を作製した。実施例1と同様にして評価した結果、伝搬損失は0.05dB/cm、引張弾性率は2000MPa、引張強度は70MPaであり、実施例1と同様な結果が得られたが、屈曲耐久性試験では、1万回以下で光導波路が破断した。
本発明によれば、耐屈曲耐久性に優れ、光損失の少ない光導波路を生産性良く製造することが可能である。
1;光導波路
2;下部クラッド層
3;コア部
4;上部クラッド層
5;フォトマスク
11;基材フィルム(クラッド層形成用)
12;クラッド層形成用樹脂
13;保護フィルム
20;コア層形成用樹脂フィルム
21;基材フィルム(コア層形成用)
22;コア層形成用樹脂
23;保護フィルム
41;光電気複合配線板
42;フレキシブル光導波路
43;フレキシブル電気配線板(FPC)
44;屈曲軸(仮想軸)

Claims (4)

  1. 下部クラッド層、コア部及び上部クラッド層からなる光導波路であって、
    上部クラッド層の幅が、少なくとも屈曲部においては下部クラッド層の幅よりも小さく、端部においては下部クラッド層の幅と同じか小さく、
    下部クラッド層は、屈曲部の幅が端部の幅と同じか小さく、
    上部クラッド層の幅が、屈曲部においては端部の幅よりも小さいことを特徴とするフレキシブル光導波路。
  2. 前記屈曲部における上部クラッド層の幅が、下部クラッド層の幅に対して20〜60%である請求項1に記載のフレキシブル光導波路。
  3. (I)下部クラッド層を形成する工程、
    (II)該下部クラッド層上にコア層を形成する工程、
    (III)該コア層をパターニングして、光導波路のコアパターンを形成する工程、
    (IV)該下部クラッド層及び該コアパターン上にクラッド層形成用樹脂を積層してコアパターンを埋め込む工程、及び
    (V)該クラッド層形成用樹脂を露光現像し、コアパターンの埋め込みを維持しつつ、少なくとも屈曲部において、前記下部クラッド層よりも幅の小さい上部クラッド層を形成する工程を有する、請求項1又は2に記載のフレキシブル光導波路の製造方法。
  4. 請求項1又は2に記載のフレキシブル光導波路を、フレキシブル電気配線板に積層した光電気複合配線板。
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