JP5228947B2 - フレキシブル光導波路及びその製造方法 - Google Patents
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Description
特に、省スペース、薄型化に対応するため、光配線と電気配線を組み合わせた光電気混載基板が望まれるが、光電気混載基板ではさらにその厚さが増大するため、フレキシブル光導波路にはより一層の耐屈曲耐久性が求められていた。
本発明は、上記問題点に鑑み、耐屈曲耐久性に優れ、かつ光伝搬特性に優れた光導波路及びその製造方法を提供することを目的とする。
すなわち、本発明は、
(1)下部クラッド層、コア部、及び上部クラッド層からなる光導波路であって、上部クラッド層の幅が、少なくとも屈曲部においては下部クラッド層の幅よりも小さく、端部においては下部クラッド層の幅と同じか小さく、下部クラッド層は、屈曲部の幅が端部の幅と同じか小さいことを特徴とするフレキシブル光導波路、及び
(2)(I)下部クラッド層を形成する工程、(II)該下部クラッド層上にコア層を形成する工程、(III)該コア層をパターニングして、光導波路のコアパターンを形成する工程、(IV)該下部クラッド層及び該コアパターン上にクラッド層形成用樹脂を積層してコアパターンを埋め込む工程、及び(V)該クラッド層形成用樹脂を露光現像し、コアパターンの埋め込みを維持しつつ、少なくとも屈曲部において、前記下部クラッド層よりも幅の小さい上部クラッド層を形成する工程を有するフレキシブル光導波路の製造方法、を提供するものである。
図1〜図3は本発明の光導波路を示す模式図であり、図1は導波方向から見た模式図、図2及び図3は上部クラッド側から見た透視図である。本発明の光導波路1は、下部クラッド層2、コア部3、及び上部クラッド層4からなり、上部クラッド層4の幅xが、下部クラッド層2の幅yよりも小さいことを特徴とする。
なお、図2及び図3に示す例では、下部クラッド層の幅は、屈曲部と端部で同じとしているが、下部クラッド層の幅についても、屈曲部における幅が端部における幅よりも小さいことが、耐屈曲耐久性の観点からは好ましい。下部クラッド層の幅が屈曲部において小さい態様においては、前記下部クラッド層2の幅yは、端部における幅を意味する。
光導波路またはこれをFPC(Flexible Printed Circuit)と積層した光電気複合配線板では、その端部は、コネクタや光素子と接続するため、ある幅が必要となる。その幅を確保するため、図2のように下部クラッド層を残す、または図3のように端部のみは、下部クラッド層と同等の幅の上部クラッド層を残す構造が必要である。特に、端部をコネクタ接続する場合、端部の光導波路の厚さを一定とするため、図3のような構造とすることが好ましい。
また、本発明のフレキシブル光導波路は、光電気複合配線板に適用した場合に、特に優れた効果を示す。光電気複合配線板を作製する方法として、(1)光導波路とFPCを別々に作製し、接着剤を用いるなどして積層する方法、(2)FPCに、光導波路を下部クラッド層、コア層、上部クラッド層の順にビルドアップし積層する方法、さらには、(3)CCL(Copper Clad Laminate)に光導波路をビルドアップした後、CCLを回路加工する方法などが挙げられる。
(1)で、複数の光導波路アレイを一括してFPCに積層するためには、ワークがつながった状態でなければならない。また、(2)及び(3)では、コア層を積層するため、その下の下部クラッド層には平坦性が求められる。以上の点から、下部クラッド層は、従来と同様な方法にて形成し、上部クラッド層のみ幅を小さくすることは、光導波路がアレイ状に配列したワークにて光電気複合配線板を作製する場合、生産性が高い。
また、コア層の厚さは、通常10μm〜100μmとなるように調整される。コア層の厚さが10μm以上であると、光導波路形成後の受発光素子又は光ファイバーとの結合において位置合わせトレランスが拡大できるという利点があり、100μm以下であると、光導波路形成後の受発光素子又は光ファイバーとの結合において、結合効率が向上するという利点がある。以上の観点から、コア層の厚さは、さらに30μm〜70μmの範囲であることが好ましい。
上部クラッド層の厚さは、下部クラッド層の厚さと同一であっても異なってもよいが、コアパターンを埋め込むために、コア部の高さより厚くすることが好ましい。
ここで用いるクラッド層形成用樹脂フィルム10は、図5に示すように、基材フィルム11上にクラッド層形成用樹脂12を塗工したものであり、必要に応じて保護フィルム(セパレーター)13が積層された構造をなす。
なお、保護フィルムは、クラッド層形成用樹脂フィルムの製造に際し、クラッド層形成用樹脂フィルムの保護やロール状に製造する際の巻き取り性を向上させるなどの目的で設けられ、保護フィルムとしては、後述する基材フィルムとして例示されるものと同様なものが使用できる。なお、保護フィルムは、クラッド層形成用樹脂フィルムからの剥離を容易にするためコロナ処理等の接着処理は行っていないことが好ましく、必要に応じ離型処理や帯電防止処理がなされていてもよい。
基材フィルムの表面は、クラッド層形成用樹脂12との接着性などを向上させるために、処理が施されていてもよく、例えば、酸化法や凹凸化法などの物理的又は化学的表面処理を挙げることができる。酸化法としては、例えばコロナ処理、クロム酸化処理、火炎処理、熱風処理、オゾン・紫外線処理法などが挙げられ、凹凸化法としては、例えばサンドブラスト法、溶剤処理法などが挙げられる。
より好適には、クラッド層形成用樹脂が、(A)ベースポリマー、(B)光重合性化合物、及び(C)光重合開始剤を含有する樹脂組成物により構成されることが好ましい。
上記で例示したベースポリマーのうち、耐熱性が高いとの観点から、主鎖に芳香族骨格を有することが好ましく、特にフェノキシ樹脂が好ましい。
また、3次元架橋し、耐熱性を向上できるとの観点からは、エポキシ樹脂、特に室温で固形のエポキシ樹脂が好ましい。さらに、後に詳述する(B)光重合性化合物との相溶性が、クラッド層形成用樹脂フィルムの透明性を確保するために重要であるが、この点からは上記フェノキシ樹脂及び(メタ)アクリル樹脂が好ましい。なお、ここで(メタ)アクリル樹脂とは、アクリル樹脂及びメタクリル樹脂を意味するものである。
なお、クラッド層形成用樹脂フィルムの樹脂部分の厚さに関しては、上述の上部クラッド層及び下部クラッド層の厚さになるように調整される。
ここで用いるコア層形成用樹脂フィルムとは、基材フィルム上にコア層形成用樹脂を塗工したもの、又はコア層形成用樹脂単独で構成されているものが挙げられるが、基材フィルム上にコア層形成用樹脂を形成したものを用いるほうが取り扱いが容易で好ましい。より具体的には、図6に示すような構成のものが挙げられる。すなわち、基材フィルム21上にコア層形成用樹脂22を形成したものであり、コア層形成用樹脂フィルムの保護やロール状に製造する際の巻き取り性を向上させるなどの目的で、所望により基材フィルム21の反対側に保護フィルム23が設けられたものである。保護フィルムとしては、前記クラッド層形成用樹脂フィルムの基材フィルムとして例に挙げたものと同様なものが使用できる。
なお、保護フィルム及び基材フィルムは、コア層形成用樹脂フィルムからの剥離を容易にするためコロナ処理等の接着処理は行っていないことが好ましく、必要に応じ離型処理、帯電防止処理が施されていてもよい。
また、下部クラッド層とコア層の間への気泡の混入を防ぐとの観点から、ロールラミネータを用いて積層することが好ましい。
なお、コア層形成用樹脂フィルムの厚さについては特に限定されず、乾燥後のコア層の厚さに応じて適宜決定される。
また、該基材フィルムの厚さは、5〜50μmであることが好ましい。5μm以上であると、支持体としての強度が得やすいという利点があり、50μm以下であると、パターン形成時のマスクとのギャップが小さくなり、より微細なパターンが形成できるという利点がある。以上の観点から、該基材フィルムの厚さは10〜40μmの範囲であることがより好ましく、15〜30μmであることが特に好ましい。
なお、上記基材フィルムは、剥離を容易とするため、離型処理、帯電防止処理等が施されていてもよい。
露光の方法としては、具体的には、フォトマスク(ネガマスクパターン)5を通して活性光線が画像状に照射される。活性光線の光源としては、例えば、カーボンアーク灯、水銀蒸気アーク灯、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、キセノンランプ等の紫外線を有効に放射する公知の光源が挙げられる。また、他にも写真用フラッド電球、太陽ランプ等の可視光を有効に放射するものも用いることができる。
現像液としては、有機溶剤、アルカリ性水溶液等の安全かつ安定であり、操作性が良好なものが好ましく用いられる。前記有機溶剤系現像液としては、例えば、1,1,1−トリクロロエタン、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン、γ−ブチロラクトン等が挙げられる。これらの有機溶剤は、引火防止のため、1〜20質量%の範囲で水を添加してもよい。
現像後の処理として、必要に応じて60〜250℃程度の加熱又は0.1〜1000mJ/cm2程度の露光を行うことによりコアパターンをさらに硬化して用いてもよい。
ここで用いる上部クラッド層形成用樹脂フィルムは、下部クラッド層形成用樹脂フィルムと同様であって、図5に示すように、基材フィルム11上にクラッド層形成用樹脂12を積層したものであり、必要に応じて保護フィルム(セパレーター)13が積層された構造をなす。また、基材フィルム11の材料については、下部クラッド層形成用樹脂フィルムにおける基材フィルムと同様である。さらに、クラッド層形成用樹脂についても、下部クラッド層形成用樹脂フィルムにおけるクラッド層形成用樹脂と同様である。
また、上部クラッド層形成用樹脂フィルムの基材フィルムの反対側に保護フィルムを設けている場合(図5参照)には該保護フィルムを剥離後、クラッド層形成用樹脂フィルムを光又は加熱により硬化し、上部クラッド層を形成する。保護フィルムは、クラッド層形成用樹脂フィルムからの剥離を容易にするため接着処理は行っていないことが好ましく、必要に応じ離型処理、帯電防止処理が施されていてもよい。
なお、上部クラッド層形成用樹脂フィルムの樹脂部分の厚さに関しては、コアパターンを埋め込むために、コア部の高さより厚くすることが好ましい。
露光現像の方法としては、前記(III)工程で記載したのと同様の方法を用いることができ、活性光線の光源及び現像液等についても同様のものを用いることができる。
また、該上部クラッド層は露光過程で硬化しているが、現像後に再度光を照射することで、又は加熱によって、完全に硬化させることが好ましい。
(評価方法)
(1)屈曲耐久性試験
各実施例及び比較例で製造された光電気複合配線板について、図7に示すようなスライド式の屈曲耐久試験機((株)大昌電子製)を用いて、屈曲耐久性試験を行った。試験は各実施例及び比較例で得られた光電気複合配線板を、屈曲軸44に対して、フレキシブル光導波路を内側に配置して行った。また、曲げ半径については、1.5mmの条件で行い、スライド速度80mm/秒、X1〜X2間の距離20mmの条件で試験を行った。評価については、1万回毎に破断の有無を観察して破断しない最大回数を求めた。なお、屈曲軸7は実際に存在するものではなく、光電気複合配線板を屈曲させ、スライドさせる際の仮想軸である。
(2)引張弾性率及び引張強度
測定対象のフィルムから、幅10mm、長さ70mmのサンプルを得、引張試験機((株)オリエンテック製「RTM−100」)を用い、JIS−K7127に準拠して、以下の条件で測定した。
条件:つかみ具間距離50mm、温度25℃、引張り速度50mm/min
引張弾性率は、引張り応力―ひずみ曲線の初めの直線部分を用いて以下に示す式により算出した。また、引張り応力―ひずみ曲線において、破断するまでの最大強度を引張強度とした。
引張り弾性率(MPa)=直線上の2点間の応力の差(N)÷光導波路フィルムの元の平均断面積(mm2)÷同じ2点間のひずみの差
(1)クラッド層形成用樹脂フィルムの作製
(A)バインダポリマーとして、フェノキシ樹脂(商品名:フェノトートYP−70、東都化成(株)製)48質量部、(B)光重合性化合物として、アリサイクリックジエポキシカルボキシレート(商品名:KRM−2110、分子量:252、旭電化工業(株)製)49.6質量部、(C)光重合開始剤として、トリフェニルスルホニウムヘキサフロロアンチモネート塩(商品名:SP−170、旭電化工業(株)製)2質量部、増感剤として、SP−100(商品名、旭電化工業(株)製)0.4質量部、有機溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート40質量部を広口のポリ瓶に秤量し、メカニカルスターラ、シャフト及びプロペラを用いて、温度25℃、回転数400rpmの条件で、6時間撹拌し、クラッド層形成用樹脂ワニスAを調合した。その後、孔径2μmのポリフロンフィルタ(商品名:PF020、アドバンテック東洋(株)製)を用いて、温度25℃、圧力0.4MPaの条件で加圧濾過し、さらに真空ポンプ及びベルジャーを用いて減圧度50mmHgの条件で15分間減圧脱泡した。
上記で得られたクラッド層形成用樹脂ワニスAを、アラミドフィルム(商品名:ミクトロン、東レ(株)製、厚さ:12μm)のコロナ処理面上に塗工機(マルチコーターTM−MC、(株)ヒラノテクシード製)を用いて塗布し、80℃、10分、その後100℃、10分乾燥し、次いで保護フィルムとして離型PETフィルム(商品名:ピューレックスA31、帝人デュポンフィルム(株)、厚さ:25μm)を離型面が樹脂側になるように貼り付け、クラッド層形成用樹脂フィルムを得た。このとき樹脂層の厚さは、塗工機のギャップを調節することで、任意に調整可能であり、本実施例では硬化後の膜厚が、下部クラッド層及び上部クラッド層ともに20μmとなるように調節した。
(A)バインダポリマーとして、フェノキシ樹脂(商品名:フェノトートYP−70、東都化成(株)製)26質量部、(B)光重合性化合物として、9,9−ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン(商品名:A−BPEF、新中村化学工業(株)製)36質量部、およびビスフェノールA型エポキシアクリレート(商品名:EA−1020、新中村化学工業(株)製)36質量部、(C)光重合開始剤として、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド(商品名:イルガキュア819、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)1質量部、及び1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン(商品名:イルガキュア2959、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)1質量部、有機溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート40質量部を用いたこと以外は上記製造例と同様の方法および条件でコア層形成用樹脂ワニスBを調合した。その後、上記製造例と同様の方法および条件で加圧濾過さらに減圧脱泡した。
上記で得られたコア層形成用樹脂ワニスBを、PETフィルム(商品名:コスモシャインA1517、東洋紡績(株)製、厚さ:16μm)の非処理面上に、上記製造例と同様な方法で塗布乾燥し、次いで保護フィルムとして離型PETフィルム(商品名:ピューレックスA31、帝人デュポンフィルム(株)、厚さ:25μm)を離型面が樹脂側になるように貼り付け、コア層形成用樹脂フィルムを得た。本実施例では硬化後の膜厚が50μmとなるよう、塗工機のギャップを調整した。
上記で得られた下部クラッド層形成用樹脂フィルムの保護フィルムである離型PETフィルム(ピューレックスA31)を剥離し、紫外線露光機((株)オーク製作所製、EXM−1172)にて樹脂側(基材フィルムの反対側)から紫外線(波長365nm)を1J/cm2照射し、次いで80℃で10分間加熱処理することにより、下部クラッド層を形成した((I)工程)。該下部クラッド層の厚さは、約20μmであった。
その後、支持フィルムであるPETフィルムを剥離し、現像液(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート/N,N−ジメチルアセトアミド=7/3、質量比)を用いて、コアパターンを現像した。続いて、洗浄液(イソプロパノール)を用いて洗浄し、100℃で10分間加熱乾燥して、コアパターンを得た((III)工程)。
その後、現像液(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート/N,N−ジメチルアセトアミド=7/3、質量比)を用いて、クラッドパターンを現像した。続いて、洗浄液として、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを用いて洗浄し、80℃で10分間、次いで100℃で10分間加熱乾燥して、クラッドパターンを得た((V)工程)。
さらに、紫外線(波長365nm)を1J/cm2照射後、120℃で10分間、次いで160℃で1時間加熱処理することによって、上部クラッド層を形成し、基材フィルムが外側に配置された光導波路を作製した。さらにアラミドフィルム剥離のため、該光導波路を85℃/85%の高温高湿条件で24時間処理し、基材フィルムを除去した光導波路を作製した。
コア部が上部クラッドに埋め込まれた状態が維持され、上部クラッド層の幅は1000μmであり、下部クラッド層の幅に対して50%であった。
また、得られたフレキシブル光導波路の引張弾性率及び引張強度を上記方法により測定した結果、引張弾性率が2,000MPa、引張強度が70MPaであった。
(4−1)シート状接着剤の作製
HTR−860P−3(帝国化学産業(株)製、商品名、グリシジル基含有アクリルゴム、分子量100万、Tg−7℃)100質量部、YDCN−703(東都化成(株)製、商品名、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、エポキシ当量210)5.4質量部、YDCN−8170C(東都化成(株)製、商品名、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、エポキシ当量157)16.2質量部、プライオーフェンLF2882(大日本インキ化学工業(株)製、商品名、ビスフェノールAノボラック樹脂)15.3質量部、NUCA−189(日本ユニカー(株)製、商品名、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン)0.1質量部、NUCA−1160(日本ユニカー(株)製、商品名、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン)0.3質量部、A−DPH(新中村化学工業(株)製、商品名、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート)30質量部、イルガキュア369(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製、商品名、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1−オン:I−369)1.5質量部、シクロヘキサノンを加えて攪拌混合し、真空脱気した。この接着剤ワニスを、厚さ75μmの表面離型処理ポリエチレンテレフタレート(帝人(株)製、テイジンテトロンフィルム:A−31)上に塗布し、80℃で30分間加熱乾燥し粘接着シートを得た。この粘接着シートに、厚さ80μmの光透過性の支持基材(サーモ(株)製、低密度ポリエチレンテレフタレート/酢酸ビニル/低密度ポリエチレンテレフタレート三層フィルム:FHF−100)をあわせてラミネートすることにより保護フィルム(表面離型処理ポリエチレンテレフタレート)、粘接着剤層、及び光透過性の支持基材からなるシート状接着剤を作製した。粘接着剤層の厚みは10μmとした。
続いて、上記で作製したフレキシブル光導波路に、ロールラミネータ(日立化成テクノプラント(株)製、HLM−1500)を用い圧力0.4MPa、温度50℃、ラミネート速度0.2m/minの条件で、保護フィルムを剥がしたシート状接着剤をラミネートした。次に、接着シートの支持基材側から紫外線(365nm)を250mJ/cm2照射し、粘接着剤層と支持基材界面の密着力を低下させ支持基材を剥がして接着剤層付き光導波路を得た。
次に、電気回路パターンを有するFPC(基材:カプトンEN、12.5μm、銅回路厚さ:5μm)の所定の箇所に接着剤層付き光導波路を、紫外線露光機((株)大日本スクリーン製,MAP−1200−L)付随のマスクアライナー機構を利用して位置決めし、上述の真空加圧式ラミネータを用い、500Pa以下にて30秒間真空引きした後、圧力0.4MPa、温度100℃、加圧時間30秒の条件にて圧着した後、クリンオーブン中で180℃、1時間加熱しフレキシブル光導波路とFPCを接着して、光電気複合配線板を得た。なお、光導波路とFPCの積層は、それぞれ31アレイ分のパターンを有するシート状態で行った。
上記屈曲耐久試験機((株)大昌電子製)により評価した結果、10万回以上の耐屈曲耐久性を確認した。
実施例1において、上部クラッド層に対して露光・現像を行わず、上部クラッド層全体を硬化したこと以外は実施例1と同様にしてフレキシブル光導波路及び光電気複合配線板を作製した。実施例1と同様にして評価した結果、伝搬損失は0.05dB/cm、引張弾性率は2000MPa、引張強度は70MPaであり、実施例1と同様な結果が得られたが、屈曲耐久性試験では、1万回以下で光導波路が破断した。
2;下部クラッド層
3;コア部
4;上部クラッド層
5;フォトマスク
11;基材フィルム(クラッド層形成用)
12;クラッド層形成用樹脂
13;保護フィルム
20;コア層形成用樹脂フィルム
21;基材フィルム(コア層形成用)
22;コア層形成用樹脂
23;保護フィルム
41;光電気複合配線板
42;フレキシブル光導波路
43;フレキシブル電気配線板(FPC)
44;屈曲軸(仮想軸)
Claims (4)
- 下部クラッド層、コア部及び上部クラッド層からなる光導波路であって、
上部クラッド層の幅が、少なくとも屈曲部においては下部クラッド層の幅よりも小さく、端部においては下部クラッド層の幅と同じか小さく、
下部クラッド層は、屈曲部の幅が端部の幅と同じか小さく、
上部クラッド層の幅が、屈曲部においては端部の幅よりも小さいことを特徴とするフレキシブル光導波路。 - 前記屈曲部における上部クラッド層の幅が、下部クラッド層の幅に対して20〜60%である請求項1に記載のフレキシブル光導波路。
- (I)下部クラッド層を形成する工程、
(II)該下部クラッド層上にコア層を形成する工程、
(III)該コア層をパターニングして、光導波路のコアパターンを形成する工程、
(IV)該下部クラッド層及び該コアパターン上にクラッド層形成用樹脂を積層してコアパターンを埋め込む工程、及び
(V)該クラッド層形成用樹脂を露光現像し、コアパターンの埋め込みを維持しつつ、少なくとも屈曲部において、前記下部クラッド層よりも幅の小さい上部クラッド層を形成する工程を有する、請求項1又は2に記載のフレキシブル光導波路の製造方法。 - 請求項1又は2に記載のフレキシブル光導波路を、フレキシブル電気配線板に積層した光電気複合配線板。
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