JPWO2010013428A1 - ポリ無機一塩基酸アルミニウム水和物および/または水性アルミナゾルの製造方法および該製造方法により得られたポリ無機一塩基酸アルミニウム水和物および/または水性アルミナゾル - Google Patents

ポリ無機一塩基酸アルミニウム水和物および/または水性アルミナゾルの製造方法および該製造方法により得られたポリ無機一塩基酸アルミニウム水和物および/または水性アルミナゾル Download PDF

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Abstract

ρ-およびχ-結晶構造を有する原料アルミナから、目的生成物への変換率が高く、バインダーとしての性能が高いポリ無機一塩基酸アルミニウム水和物および/または水性アルミナゾルを製造する方法を提供する。平均粒子径(D50)が5μm以下のρ-およびχ-結晶構造を有するアルミナ、水、および無機一塩基酸またはその塩からなり、無機一塩基酸/アルミナモル比を0.03から2.0、アルミナ濃度を3重量%から50重量%の範囲に調節した調整液を、40℃から250℃の範囲で熟成および/または水熱反応を行うことにより、変換率が高く、バインダーとしての性能が高いポリ無機一塩基酸アルミニウム水和物および/または水性アルミナゾルを製造することが可能となり、水性アルミナゾルは板状、テープ状及び繊維状の粒子形状へ制御することができる。

Description

本発明は、ρ-およびχ-結晶構造を有するアルミナを用い、水熱反応を行うことによる、ポリ無機一塩基酸アルミニウム水和物及び水性アルミナゾルの製造する方法および該製造方法により得られたポリ無機一塩基酸アルミニウム水和物および/または水性アルミナゾルに関する。特に、複数の特定粒子形状を有する水性アルミナゾルの製造方法に関するものである。
ポリ無機一塩基酸アルミニウム水和物や水性アルミナゾルは、セラミック質バインダーとして用いられる。特に高表面積を有する水性アルミナゾルは触媒のバインダー機能材料として、ガソリンを製造するR−FCC触媒のゼオライトのマトリックスとして用いることができる。
例えば、特許文献1には、70%のゼオライトと30%のアルミナゾルからなるFCC触媒と、70%のゼオライトと30%のシリカゾルからなるFCC触媒が開示されている。
また、特許文献2には、FCC触媒に触媒Aと触媒Bを混合して使用し、触媒Bは1〜30重量%のゼオライト、10〜70重量%のアルミナ、5〜30重量%のシリカ、及び残余カオリン組成を提案しており、アルミナ成分は酸性ベーマイト懸濁液の記載がある。
ところで、ポリ無機一塩基酸アルミニウム水和物の中で、ポリ塩酸アルミニウム水和物に関しては原料に水酸化アルミニウムやアルミニウム金属から製造している。しかしながら、ポリ硝酸アルミニウム水和物は同様な方法で製造できず、他原料から合成を試みた例が特許文献3で開示されているが、記載例の合成方法で作製したポリ硝酸アルミニウム水和物は不純分を含み商品化することは困難である。
一方、水酸化アルミニウムを急速加熱脱水で得られるρ-およびχ-結晶構造を有するアルミナと無機一塩基酸を用い、水熱反応させてベーマイトの懸濁液を得る方法が特許文献4に記載されている。
特許文献4には、硝酸を用いた18件の実施例について、原料からベーマイトへ変換して得られた生成物の特性の記載があり、比表面積の数値から判断する限り変換率が高くなる程生成するベーマイトの比表面積が低下している。また、同特許文献の方法では、ベーマイトの変換率はせいぜい80%であり、工業的観点からは不十分である。
また、本発明者出願の特許文献5では、ρ-およびχ-結晶構造を有するアルミナ原料を酸の存在下で水熱反応を行わせ、繊維状アルミナ粒子が単分散したアルミナゾルを経由して触媒用アルミナの製造方法が開示されている。 同特許文献で開示された製造方法では、高比表面積のアルミナを得ることができるものの、その製造には長時間要すると云う問題があった。
また、本発明者出願の特許文献6には、酸含有水酸化アルミニウムまたはρ-およびχ-結晶構造を有するアルミナなどのアルミナ原料に、含酸素有機化合物または多価無機酸を添加する方法が開示されている。しかしながら、この方法では、ゲルを形成しやすく、水性アルミナゾルを得にくいのに加え、その液の性質は生成したベーマイト粒子同士は添加物で会合し粘着性が無く、バインダーとして不向きである。
特表2004−525762号公報 特表2004−528963号公報 特公昭45−38121号公報 特公昭59−13446号公報 国際公開1997/32817号パンフレット 国際公開2001/56951号パンフレット
以上のように従来の方法では、バインダーとしての機能を十分に備えた、ポリ無機一塩基酸アルミニウム水和物及び水性アルミナゾルを製造することができなかった。また、いずれの方法も煩雑な操作や長時間の処理を必要とするばかりでなく、原料アルミナの目的の生成物への変換率が低く、製造原価が高くなってしまうため、工業的に実施するには必ずしも適当なものとはいえなかった。
また、触媒用バインダーとしては、石油精製工業におけるガソリン製造用の接触分解用触媒にマトリックスとしてシリカゾルなどが使用されていたが、フィードオイル中に含有するニッケルとバナジウムの被毒対抗性が高く、バインダー力のあるアルミナ系マトリックスが求められている。
かかる状況下、本発明の目的は、原料アルミナの目的生成物への変換率が高く、バインダーとしての性能が高いポリ無機一塩基酸アルミニウム水和物および/または水性アルミナゾルを提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、特定の平均粒子径(D50)以下のρ-およびχ-結晶構造を有する原料アルミナを使用し、特定の条件で熟成および/または水熱反応を行わせるという新規な製造法によって前記のような問題点を解決するものであることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、以下の発明に係るものである。
<1> 平均粒子径(D50)が5μm以下のρ-およびχ-結晶構造を有するアルミナ、水、および無機一塩基酸またはその塩からなり、無機一塩基酸/アルミナモル比を0.01から2.0、アルミナ濃度を2重量%から50重量%の範囲に調節した調整液を、40℃から250℃の範囲で熟成および/または水熱反応を行うことを特徴とするポリ無機一塩基酸アルミニウム水和物および/または水性アルミナゾルの製造方法。
<2> 前記アルミナの熟成および/または水熱反応後のポリ無機一塩基酸アルミニウム水和物および/または水性アルミナゾルへの変換率が、90%以上である前記<1>記載のポリ無機一塩基酸アルミニウム水和物および/または水性アルミナゾルの製造方法。
<3> 前記ρ-およびχ-結晶構造を有するアルミナの平均粒子径(D50)が、1μm以下である前記<1>または<2>記載のポリ無機一塩基酸アルミニウム水和物および/または水性アルナミゾルの製造方法。
<4> 前記ρ-およびχ-結晶構造を有するアルミナが、水と無機一塩基酸またはその塩との存在下で湿式粉砕することにより得られてなる前記<1>から<3>のいずれかに記載のポリ無機一塩基酸アルミニウム水和物および/または水性アルミナゾルの製造方法。
<5> 調整液の無機一塩基酸/アルミナのモル比が0.5以上2.0以下の範囲であり、40℃以上130℃未満の温度で熟成および/または水熱反応を行わせ、ポリ無機一塩基酸アルミニウム水和物を得る前記<1>から<4>のいずれかに記載のポリ無機一塩基酸アルミニウム水和物および/または水性アルナミゾルの製造方法。
<6> 調整液の無機一塩基酸/アルミナのモル比が0.03以上0.5未満の範囲であり、40℃以上130℃未満の温度で熟成および/または水熱反応を行わせ、ポリ無機一塩基酸アルミニウム水和物と水性アルミナゾルの混合物を得る前記<1>から<4>のいずれかに記載のポリ無機一塩基酸アルミニウム水和物および/または水性アルナミゾルの製造方法。
<7> 調整液の無機一塩基酸/アルミナのモル比が0.03以上0.5以下の範囲であり、130℃以上250℃以下の温度で水熱反応を行わせ、水性アルミナゾルを得る前記<1>から<4>のいずれかに記載のポリ無機一塩基酸アルミニウム水和物および/または水性アルナミゾルの製造方法。
<8> 前記調整液が下記の式で表されるk値の組成範囲を有する前記<1>から<4>のいずれかに記載のポリ無機一塩基酸アルミニウム水和物および/または水性アルミナゾルの製造方法。
0.000005≦k≦0.30 ただし、k=(b/a)×(b/c)
(式中、aは調整液中のアルミナをAl23に換算したモル数、bは無機一塩基酸またはその塩のモル数、cは水のモル数)
<9> 調整液のk値が下記の式で表される組成範囲を有し、無機一塩基酸/アルミナのモル比が0.03以上0.5以下の範囲を有する調製液を130℃以上250℃以下の温度で水熱反応を行わせ、板状、テープ状又は繊維状の粒子形状を有する水性アルミナゾルを得ることを特徴とする前記<8>記載のポリ無機一塩基酸アルミニウム水和物および/または水性アルナミゾルの製造方法。
0.000005≦k≦0.03 ただし、k=(b/a)×(b/c)
(式中、aは調整液中のアルミナをAl23に換算したモル数、bは無機一塩基酸またはその塩のモル数、cは水のモル数)
<10> 調整液のk値が下記の式で表される組成範囲であり、主に板状の粒子形状を有する水性アルミナゾルを得る前記<8>または<9>記載のポリ無機一塩基酸アルミニウム水和物および/または水性アルナミゾルの製造方法。
0.000005≦k<0.0005 ただし、k=(b/a)×(b/c)
(式中、aは調整液中のアルミナをAl23に換算したモル数、bは無機一塩基酸またはその塩のモル数、cは水のモル数)
<11> 調整液のk値が下記の式で表される組成範囲であり、主にテープ状の粒子形状を有する水性アルミナゾルを得る前記<8>または<9>記載のポリ無機一塩基酸アルミニウム水和物および/または水性アルナミゾルの製造方法。
0.0005≦k<0.0015 ただし、k=(b/a)×(b/c)
(式中、aは調整液中のアルミナをAl23に換算したモル数、bは無機一塩基酸またはその塩のモル数、cは水のモル数)
<12> 調整液のk値が下記の式で表される組成範囲であり、主に繊維状の粒子形状を有する水性アルミナゾルを得る前記<8>または<9>記載のポリ無機一塩基酸アルミニウム水和物および/または水性アルナミゾルの製造方法。
0.0015≦k≦0.03 ただし、k=(b/a)×(b/c)
(式中、aは調整液中のアルミナをAl23に換算したモル数、bは無機一塩基酸またはその塩のモル数、cは水のモル数)
<13> 前記ポリ無機一塩基酸アルミニウム水和物および/または水性アルミナゾルの550℃、2時間焼成後の細孔容量が、0.40mL/g以下であり、かつ、平均細孔径が、100Å以下である前記<8>から<12>のいずれかに記載のポリ無機一塩基酸アルミニウム水和物および/または水性アルミナゾルの製造方法。
<14> 前記無機一塩基酸が、硝酸である前記<1>から<13>のいずれかに記載のポリ無機一塩基酸アルミニウム水和物および/または水性アルミナゾルの製造方法。
<15> 前記<1>から<14>のいずれかに記載の方法により製造されてなることを特徴とするポリ無機一塩基酸アルミニウム水和物および/または水性アルミナゾル。
<16> 前記<8>から<15>のいずれかの製造方法により得られた水性アルミナゾルをバインダーとして用いてなるR−FCC触媒。
本発明の方法によれば、ポリ無機一塩基酸アルミニウム水和物、水性アルミナゾルまたはこれらの混合物を、低温の水熱反応条件で得ることが可能となり、さらに高い変換率で原料アルミナから目的の生成物を得ることができる。
本発明の方法で得られた、ポリ無機一塩基酸アルミニウム水和物、水性アルミナゾルまたはこれらの混合物はそれぞれ高いバインダー力を有しており、粉末の成型物のバインダーとして用いると、きわめて高い硬度を有する成型物を得ることができる。
特に本発明の方法で製造される水性アルミナゾルは、バインダー力に優れ、石油精製工業におけるガソリン製造用の接触分解触媒(R−FCC触媒)を初めとする各種触媒用マトリックスや吸着剤などのバインダーとして、または耐熱接着剤などにも好適である。
各粒子形状の水性アルミナゾルの生成領域を示す図である。 実施例8(板状粒子)の透過型電子顕微鏡写真である。 実施例8の細孔径分布図である。 実施例14(テープ状粒子)の透過型電子顕微鏡写真である。 実施例21(テープ粒子)の透過型電子顕微鏡写真である。 実施例22(繊維状粒子)の透過型電子顕微鏡写真である。
以下、本発明につき詳細に説明する。
本発明は、平均粒子径(D50)が5μm以下のρ-およびχ-結晶構造を有するアルミナ、水、および無機一塩基酸またはその塩からなり、無機一塩基酸/アルミナモル比を0.03から2.0、アルミナ濃度を3重量%から50重量%の範囲に調節した調整液を、40℃から250℃の範囲で熟成および/または水熱反応を行うことを特徴とするポリ無機一塩基酸アルミニウム水和物および/または水性アルミナゾルの製造方法(以下、「本発明の製造方法」と呼ぶことがある。)に係るものである。
なお、本発明でいう平均粒子径(D50)(以下、単に「平均粒子径」と記載する場合がある。)は、例えばレーザ回折/散乱式粒度分布測定装置を用いて測定することができる。また、本発明における水性アルミナゾルとは、ρ-およびχ-結晶構造を有するアルミナから、H+を触媒として生成した結晶性ベーマイトを含んでなるアルミナゾルを意味する。
また、アルミナ濃度は、調整液全体の重量を100としたときのアルミナ(Al23換算)の割合(重量%)である。
また、本発明において、熟成とは、調整液を60℃未満の温度で保持することを意味し、水熱反応(「水熱合成」ともいう。)とは、調整液を容器へ密閉したまま60℃以上で加熱することと定義する。
本発明の特徴の一つは、原料であるρ-およびχ-結晶構造を有するアルミナ(以下、「原料アルミナ」と呼ぶことがある。)として、平均粒子径(D50)が5μm以下の原料アルミナを使用することにある。
目的の生成物であるポリ無機一塩基酸アルミニウム水和物および/または水性アルミナゾルは、原料アルミナから以下の機構で生成すると考えられる。
即ち、ρ-およびχ-結晶構造を有するアルミナ原料の表面が水と、無機一塩基酸由来のH+イオンとの反応で溶解し、アルミナ原料粉末の表面から分子量の異なる各種のポリ一塩基酸アルミニウム水和物が溶媒側へ溶出する。
アルミナ原料からのポリ一塩基酸アルミニウム水和物の溶出が進行すると、その飽和溶解度の値を超える過飽和領域になる。この領域ではポリ一塩基酸アルミニウム水和物の溶解分子間の衝突や刺激(電気的や機械的)によりベーマイトの核が発生する。また、同時にH+イオンが副生する。なお、ベーマイトの核はa軸(bc面)、b軸(壁開面のあるac面)、c軸(ab面)の3つの異なる結晶面を有しているが知られている。
副生したH+イオンは再び原料アルミナを溶解してポリ一塩基酸アルミニウム水和物を生成し、溶液中へ拡散する。なお、すでにベーマイトの核が形成された後には、ポリ一塩基酸アルミニウム水和物は飽和溶解度以下の濃度であってもベーマイトの核と接近し、核の特定位置へ配位し次いで静電接合する。そして、ベーマイトの核とポリ一塩基酸アルミニウム水和物が反応することによって再びH+イオンを副生する。
上記の反応サイクルを繰り返すことによって、ベーマイトが成長して、結果的に水性アルミナゾルを形成する。
そのため、原料アルミナの粒径が大きすぎると、生成物であるポリ無機一塩基酸アルミニウム水和物および/または水性アルミナゾルの他に、未溶解の原料アルミナが粉状物として多量に残存する。そこで、本発明では、原料アルミナを平均粒子径(D50)が5μm以下に限定することによって、未反応の原料アルミナを実質的になくし、また残存した場合においても、極めて微小径であるため、目的の生成物の品質を損なうことはない。
特に、原料アルミナの平均粒子径(D50)を1μm以下とすることにより、反応速度を高め、最終品中の未反応の原料アルミナをなくすことができる。
市販の原料アルミナは、通常、6μmを超えている。例えば、住友化学株式会社より市販されているBK-540,BK-112,BK-105(品番)は、その平均粒子径(D50)は48μm、15μm、6.1μmである。そのため、本発明の製造方法に使用する場合には、原料アルミナを粉砕することが好ましい。
原料アルミナの粉砕は、原料アルミナの平均粒子径(D50)を5μm以下(好適には1μm以下)にできるならば、乾式粉砕、湿式粉砕のいずれでもよい。
一方で、湿式粉砕であれば、Na成分の洗浄後の湿潤ケーキを乾燥させずに使用できる点で好ましい。特に湿式粉砕の中でも、水と無機一塩基酸またはその塩との存在下で原料アルミナを湿式粉砕すると、原料アルミナの内部に無機一塩基酸が浸透し、反応を促進するため好ましい。この場合、原料アルミナの反応が促進されるため、平均粒子径(D50)が1μm超5μm以下の場合でも、十分に原料アルミナが溶解する。
本発明の製造方法では、無機一塩基酸またはその塩の存在下で原料アルミナを湿式粉砕することが好ましく、この場合、まず原料アルミナ、水および無機一塩基酸の所定量を混合したスラリーを調製し、これを湿式粉砕機に供給する。このとき、無機一塩基酸は所定量を最初から加えてもよく、また当初は所定量より少なめに調製し、粉砕を始めたのちに残りの酸を加えてもよい。
粉砕が開始されると、粉砕機中のスラリーの粘度が上昇することがあるが、スラリーのpH値を5.5以下に保持、若しくは水の希釈を行ない、粘度を100mPa・s未満に抑えて粉砕を継続することができる。このような湿式粉砕を行うには、強制攪拌付湿式微粉砕機が好ましく用いられる。
湿式微粉砕に於ける粉砕効率はアルミナ濃度が高い程高効率になるが、湿式粉砕機内の粉砕液の粘度限界の問題があり、濃度条件は粘度の制約を受ける。原料に対して無機一塩基酸が少ない場合には湿式微粉砕中のスラリーの粘度は高くなり易く、無機一塩基酸が多い場合にはスラリーの粘度は低くなり易いので、高効率粉砕を重視する場合には無機一塩基酸の比率を高めることが好ましい。
また、湿式粉砕の途中でスラリーを2相分離型遠心分離機により2相に分離し、小粒子部分を分離したのち再度粉砕を行うこともできる。これによって、粉砕中の粘度上昇に伴うトラブルの解消と粉砕効率の向上が期待される。
なお、本発明の製造方法において、未反応の原料アルミナが比較的大きな粒子(粗粒)として残存する場合がある。
このような原料アルミナの粗粒未反応物の分離は高速回転の遠心分離機を用い8000-9000回転/分の高速で行なうことができ、分離速度を高めるためにアルミナ濃度で15%程度の濃度で行なうことが好ましい。
無機一塩基酸/アルミナのモル比が低位の水性アルミナゾルの問題点として、湿式粉砕工程に於ける無機一塩基酸/アルミナのモル比が0.09以下と低い場合には、湿式粉砕液の粘度が増加して粉砕液の硬化が起こし粉砕操作が困難になる。その場合、水で薄めて粘度を低下させることができるが、希釈による粉砕効率の低下、生成アルミナゾルの低濃度化を余儀なくされる問題点がある。
その解消法として湿式粉砕工程に於ける無機一塩基酸/アルミナのモル比を0.10以上の安定な組成領域で行い、粉砕工程の終了後無機一塩基酸/アルミナのモル比再調整工程に於いて、過剰の無機一塩基酸を、1.アンモニア等のアルカリ成分添加による中和、又は、2.乾式粉砕で得られたρ-およびχ-結晶構造を有するアルミナ添加による中和、又は、3.硝酸用陰イオン交換樹脂による吸着脱離、等の方法で除去することができる。
上述のように本発明の製造方法で用いられる原料アルミナは、ρ-およびχ-結晶構造を有するアルミナであるが、この原料アルミナは、通常、水酸化アルミニウムを熱気流中で急速加熱して脱水することによって得ることができる。
なお、水酸化アルミニウムは、バイヤー法で通常製造されるが、バイヤー法で製造された水酸化アルミニウム(欧米名:Bauxite Ore Concentration)を約1000℃の急速加熱脱水で製造されたρ-およびχ-結晶構造を有するアルミナは、不純物としてNa2Oを約0.25重量%含有している例が多い。
そのため、バイヤー法で製造された水酸化アルミニウムを使用する場合には、事前に洗浄によって、Na濃度を減少させることが好ましい。Naの洗浄には炭酸を含有する酸性水で濾過掛水洗浄することによって、Naとして0.06重量%程度に減少させることが可能である。
無機一塩基酸としては、具体的には塩酸,硝酸等が挙げられ、硝酸が好ましく使用される。また、硝酸アルミニウムなどの無機一塩基酸の塩も用いることができる。
本発明の製造方法において、上記原料アルミナからなる粉末と、水、および/または無機一塩基酸またはその塩とを混合(湿式粉砕を伴ってよい)することによって、無機一塩基酸/アルミナモル比が0.03から2.0(好適には0.05から1.5)、アルミナ濃度を3重量%から50重量%(好適には5重量%から40重量%)の範囲に調節した調整液を形成する。そして、この調整液を、40℃から250℃の範囲で熟成および/または水熱反応させることにより、目的とする生成物を得ることできる。
ここで、一塩基酸/アルミナモル比が0.03未満の場合には、調整液の粘度が高すぎて操作が困難となり、2.0超であると反応に関与しない無機一塩基酸が増加することになる。
また、アルミナ濃度が、3重量%未満であると、得られる生成物の濃度が小さすぎて、濃縮に余計なコストがかかり、50重量%を超えると濃度が高すぎて、原料アルミナの粉砕や生成物のハンドリングが困難になる。
本発明の製造方法の特徴の一つとして、原料アルミナの粒径、その他の成分の組成や熟成、水熱反応の温度を特定の範囲に調整することにより、原料アルミナが高効率に生成物に変換できるということが挙げられる。
変換率は、反応時間にも依存するが、工業的観点からは、生成物の変換率は、90%以上が好ましく、95%以上が特に好ましい。
本発明の製造方法において、得られる生成物は、原料アルミナ、水、無機酸またはその塩の濃度や、熟成および/または水熱反応の温度に依存する。
すなわち、調整液の無機一塩基酸/アルミナのモル比が0.5以上2.0以下の範囲とし、40℃以上130℃未満の温度で熟成および/または水熱反応を行わせ、ポリ無機一塩基酸アルミニウム水和物を得ることができる。
また、調整液の無機一塩基酸/アルミナのモル比が0.03以上0.5未満の範囲とし、40℃以上130℃未満の温度で熟成および/または水熱反応を行わせ、ポリ無機一塩基酸アルミニウム水和物と水性アルミナゾルの混合物を得ることができる。
さらに、調整液の無機一塩基酸/アルミナのモル比が0.03以上0.5以下の範囲とし、130℃以上250℃以下の温度で水熱反応を行わせ、水性アルミナゾルを得ることができる。
本発明の製造方法において、高品質な生成物を得るという観点から、上記調整液中のアルミナ、水および無機一塩基酸のモル比が、下記式(1)で定義されるk値が、0.000005≦k≦0.30の範囲を有するような調整液を調製することが好ましい。
k=(b/a)×(b/c) (1)
(式中、aは調整液中のアルミナをAl23に換算したモル数、bは無機一塩基酸またはその塩のモル数、cは水のモル数)
特に水性アルミナゾルを製造する条件において、水性アルミナゾルの形状は、原料アルミナ、水、無機酸またはその塩の濃度から上記式(1)により決定されるk値に依存する。すなわち、調整液のk値が0.000005≦k≦0.03の組成範囲であり、熟成および/または水熱反応の温度が、130℃以上250℃以下であると、生成物として、水性アルミナゾルは、板状、テープ状又は繊維状の粒子形状を有する水性アルミナゾルが形成される。なお、水熱反応の温度が、160℃以上250℃以下であることが好ましく、この範囲であると効率的に水性アルミナゾルを製造することができる。
ここで、板状の粒子形状とは、ベーマイトにおけるa軸(bc面)とb軸(ac面)との均等な結合力で成長したもの、テープ状の粒子形状とは、ベーマイトにおけるa軸(bc面)とい結合し、b軸(ac面)と弱い結合力で配位して成長したもの、繊維状の粒子形状とは、ベーマイトにおけるa軸(bc面)へ強く配位して成長したものと推定される。具体的なそれぞれの形状は、後述する実施例における電子顕微鏡写真にて示す。
上記の水性アルミナゾルを形成する条件において、主に板状の粒子形状を有する水性アルミナゾルという観点では、調整液のk値が0.000005≦k<0.0005の組成範囲であることが好ましく、主にテープ状の粒子形状を有する水性アルミナゾルを得るという観点では、調整液のk値が0.0005≦k<0.0015の組成範囲であることが好ましく、主に繊維状の粒子形状を有する水性アルミナゾルを得るという観点では、調整液のk値が0.0015≦k≦0.03の組成範囲であることが好ましい。図1に各粒子形状の水性アルミナゾルの生成領域を示す。
本発明の生成物であるポリ無機一塩基酸アルミニウム水和物や水性アルミナゾルは、乾燥、焼成後、触媒、吸着剤等の成型物のバインダーとしても好適に用いられる。また、耐熱性接着剤などのバインダーとして好適に用いられる。
ここで、バインダー性能という観点では、熱処理後のポリ無機一塩基酸アルミニウム水和物および/または水性アルミナゾルを特定の温度で焼成後の細孔容量および平均細孔径を指標とすることができる。
本発明のポリ無機一塩基酸アルミニウム水和物および/または水性アルミナゾルの細孔容量は、550℃2時間焼成後の細孔容量が、0.40mL/g以下(特に0.35mL/g以下)であり、かつ、平均細孔径が100Å以下(特に75Å以下)であると、特に強いバインダー力が得られるため好適である。
なお、本発明の生成物のうち、特に水性アルミナゾルは、R−FCC触媒用バインダーとして好適に使用される。なお、R−FCC触媒のゼオライトはフィードオイル中に含有しているニッケルとバナジウムの被毒で活性を失うが、そのパッシベーターとしてアルミナ質が有効である。そのため、本発明の製造方法に係る生成物をR−FCC触媒用バインダーとして使用する場合、本発明に係る水性アルミナゾルのみならず、R−FCC触媒の触媒活性などの諸特性を損なわない範囲で、ポリ無機一塩基酸アルミニウム水和物や原料アルミナであるρ-およびχ-結晶構造を有するアルミナを含有していてもよい。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明の要旨を越えない限り以下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例において、原料アルミナとなるρ-およびχ-結晶構造を有するアルミナは、住友化学株式会社製のBK-540,BK-112,BK-105(品番)を使用した。
なお、それぞれの測定法は次のとおりである。
(1)変換率
アルミナ濃度1.0重量%に希釈した生成物試料100gを、100mlのビーカーに入れ、20時間静置する。静置後沈降物を採取して灼熱後の残留物の重量を秤り、測定試料の変換率を計算する。
(2)遠心沈降物
アルミナ濃度1重量%に希釈した試料5mlを、遠心分離機の遠心沈降管に採取し、3000回転で5分間運転したのちの沈降物の量を測定する。
(3)比表面積
測定試料を200℃乾燥後、窒素ガス吸着法で測定する。
(4)細孔容積および平均細孔径
水銀圧入法で細孔径40〜10000Åの細孔を測定する。
(5)平均粒子径(D50)(重量平均粒子径)
レーザ回折/散乱式粒度分布測定器(日機装社製 MT3300)で測定する。
(6)圧縮強度
木屋式圧縮強度測定機で、円柱状成型物200個の側面の強度を測定し、その平均値を求める。
(7)生成物の形状
ポリ無機一塩基酸アルミニウム水和物、水性アルミナゾルの200℃乾燥物を透過型顕微鏡(日立製作所社製、型番:H−9000NAR)を使用して評価した。
実施例1
平均粒子径(D50)が15μmのρ-およびχ-結晶構造を有するアルミナ1200gを硝酸水溶液に添加し、アルミナ濃度21重量%、硝酸/アルミナのモル比が0.15のスラリーを調製した。このスラリーを0.3mmのジルコニアビーズを用いた強制攪拌付湿式微粉砕機に供給して微粉砕を行った。粉砕の途中でスラリーのpH調整のため硝酸の追加添加を行い、pHを5未満に維持して粉砕を続けた。粉砕後のスラリーは、平均粒子径(D50)が0.11μm、アルミナ濃度20重量%、硝酸/アルミナのモル比が0.20、k値が0.0018であった。
上記スラリー1000gに硝酸を添加し、アルミナ濃度19.3重量%、硝酸/アルミナのモル比が0.40、k値が0.0072の調整液を調製した。
この調整液を98℃で14時間水熱反応を行った結果、原料アルミナの変換率は99.5%、遠心沈降物が2.6%であった。200℃乾燥物の比表面積および850℃、5時間熱処理物の細孔容積を表1に示す。この生成物の電子顕微鏡観察によると、アルミナ粒子が多数観察されることおよび200℃乾燥物の性状などから、ポリ無機一塩基酸アルミニウム水和物と水性アルミナゾルとの混合物と推定される。
また、USYゼオライト、カオリンおよび本実施例の生成物を、酸化物基準で30/40/30の重量比で混練し、ピストン式押出成形機で成形、乾燥後850℃、5時間焼成して得られた円柱状成型体の直径、細孔構造、側面圧縮強度を表1に併せて示した。
実施例2
実施例1で得られたスラリーの1000gに硝酸を添加し、アルミナ濃度17.4重量%、硝酸/アルミナのモル比が1.00、k値が0.043の調整液を調製した。
この調整液を98℃で14時間水熱反応を行った結果、原料アルミナの変換率は99.5%、遠心沈降物が3.8%であった。200℃乾燥物の比表面積および850℃,5時間熱処理物の細孔容積を表1に示した。この生成物の電子顕微鏡観察によると、わずかのアルミナ粒子が観察されることおよび200℃乾燥物の性状などから、主要生成物はポリ無機一塩基酸アルミニウム水和物と推定される。
また、実施例1と同様の成型物の細孔構造、圧縮強度を表1に示した。
比較例1
市販のアルミナゾルの中でバインダー機能に優れていると見なされる、擬ベーマイトからなるアルミナゾル(商品名:カタロイド−AP)の200℃乾燥物の比表面積および850℃、5時間熱処理物の細孔容積を測定し、結果を表1に示した。また、実施例1と同様の成型物を成型し、その細孔構造、圧縮強度を測定した結果を表1に示した。
Figure 2010013428
実施例3
平均粒子径(D50)が15μmのρ-およびχ-結晶構造を有するアルミナを空気の旋回力で乾式粉砕し、平均粒子径(D50)が0.7μmのアルミナ粉末を調製した。このアルミナ粉末500gを硝酸水溶液に添加し、アルミナ濃度20重量%、硝酸/アルミナのモル比が0.15、k値が0.0010の調整液を調製した。
この調整液を140℃で14時間水熱反応を行った結果、原料アルミナの変換率は96.3%、遠心沈降物が3.8%であった。この生成物の電子顕微鏡観察によると、繊維状粒子と板状粒子が混在する水性アルミナゾルであり、200℃乾燥物の比表面積は、290m2/gであった。
実施例4
平均粒子径(D50)が15μmのρ-およびχ-結晶構造を有するアルミナ500gを硝酸水溶液に添加し、アルミナ濃度30重量%、硝酸/アルミナのモル比が0.15、k値が0.00177のスラリーを調製した。このスラリーを3.6Lの磁性ポットミルに供給し、10mmのジルコニアビーズを5kg挿入して68時間湿式粉砕した。粉砕後のアルミナの平均粒子径(D50)は1.6μmであった。
これを調整液として140℃で14時間水熱反応を行った結果、原料アルミナの変換率は96.5%であり、生成物は電子顕微鏡観察によると、主として繊維状粒子からなる水性アルミナゾルであり、200℃乾燥物の比表面積は、310m2/gであった。
実施例5
平均粒子径(D50)12.8μmの水酸化アルミニウム600gを硝酸水溶液に添加し、アルミナ濃度20重量%、硝酸/アルミナのモル比が1.00のスラリーを調製した。
このスラリーを強制攪拌付湿式粉砕機に供給し、平均粒子径(D50)が1.4μmになるまで微粉砕した。これを調整液とし、常温熟成後98℃で14時間水熱反応を行った結果、原料アルミナの変換率は95.8%、遠心沈降物が39.8%の白濁した粘凋な水性アルミナゾルおよびゲル状物が得られた。200℃乾燥物の比表面積は、0m2/gであったことからポリ硝酸アルミニウム水和物も含まれていることが推測された。
この調整液を、熟成あるいは水熱反応温度を60℃、140℃、200℃と変えてそれぞれ14時間反応させた後の200℃乾燥物の比表面積は、それぞれ0m2/g、0m2/g、61m2/g、であった。このことから水熱反応が高温になるほどポリ硝酸アルミニウム水和物が減少して粒子成長が進むことがわかる。
実施例6
平均粒子径(D50)15μmのρ-およびχ-結晶構造を有するアルミナ500gを塩酸水溶液に添加し、アルミナ濃度20重量%、塩酸/アルミナのモル比が1.00、k値が0.052のスラリーを調製した。このスラリーを3.6Lの磁性ポットミルに供給し、10mmのジルコニアビーズを5kg挿入して1週間湿式粉砕した。粉砕後のアルミナの平均粒子径(D50)は0.7μmであった。
ポットミルからスラリーを取り出し、超遠心分離機で沈降物を分離して得られた液状物を分析した結果、[Al2(OH)nCl6-nm (1≦n≦5, m≦10)の組成を有するポリ塩化アルミニウム水和物と同定された。
この生成物の水中懸濁物質に対する凝集試験を、カオリンの懸濁水で行った結果、良好な凝集効果があることが確認された。
実施例7
平均粒子径(D50)が15μmのρ-およびχ-結晶構造を有するアルミナ(以下、「原料アルミナ」という。)を硝酸水溶液に添加し、アルミナ濃度12.5重量%、硝酸/アルミナのモル比が0.06のスラリーを調製した。このスラリーを0.3mmのジルコニアビーズを用いた強制攪拌付湿式微粉砕機に供給して1時間30分間、湿式粉砕を行った。粉砕後のスラリーは平均粒子径(D50)が0.3μmであった。
この粉砕液へ水を添加してアルミナ成分の濃度5%、硝酸/アルミナのモル比が0.06、k値を0.000034に調整した調整液を得た。調整液の一部をステンレス製1インチのガス管へ挿入し、エアバス中で140℃、14時間水熱反応を行った。その結果、水性アルミナゾルの生成物を得た。
反応条件、原料アルミナの変換率及び水性アルミナゾルの200℃乾燥物の比表面積(SA)及び生成物の形状の結果を表2に示す。
実施例8
実施例7と同様の原料を使用し、アルミナ濃度15重量%、硝酸/アルミナのモル比が0.088のスラリーを調製した。このスラリーは粉砕時間を3時間とした以外は、実施例7と同様に原料アルミナの微粉砕を行った。粉砕後のスラリーは平均粒子径(D50)が0.2μmであった。得られた粉砕液へ水を添加してアルミナ成分の濃度12.5%、k値を0.000020とし、その一部をステンレス製1インチのガス管へ挿入し、エアバス中で昇温時間も含めて140℃、14時間加熱して水熱反応を行い、微量の液状物質を含む水性アルミナゾルの生成物を得た。反応条件、原料アルミナの変換率及び水性アルミナゾルの200℃乾燥物の比表面積(SA) 及び生成物の形状の結果を表2に示す。また、透過型顕微鏡写真を図2に示す。
さらに水性アルミナゾルについて550℃、2時間焼成処理物の水銀圧入法による細孔径分布図を図3に示す。また、細孔径分布図から求めた細孔容量及び平均細孔径を表3に示す。
実施例9
実施例7と同様の原料アルミナを使用し、アルミナ濃度25重量%、硝酸/アルミナのモル比が0.10のスラリーを調製した。このスラリーに水を添加してアルミナ濃度15%まで希釈しながら原料アルミナの微粉砕を行った。4時間粉砕したのちのスラリーは平均粒子径(D50)が0.14μmであった。得られた粉砕液へ水を添加してアルミナ成分の濃度15%、k値を0.00045とし、その一部をステンレス製1インチのガス管へ挿入し、エアバス中で昇温時間も含めて140℃、14時間加熱して水熱反応を行い、微量の液状物質を含む水性アルミナゾルの生成物が得た。反応条件、原料アルミナの変換率及び水性アルミナゾルの200℃乾燥物の比表面積(SA)及び生成物の形状の結果を表2に示す。
実施例10
実施例7と同様の原料アルミナを使用し、アルミナ濃度20重量%、硝酸/アルミナのモル比が0.12のスラリーを調製した。このスラリーを粉砕時間を4時間とした以外は、実施例7と同様に原料アルミナの微粉砕を行った。粉砕後のスラリーは平均粒子径(D50)が0.14μmであった。得られた粉砕液へ水及び硝酸を添加してアルミナ成分の濃度12.5%、硝酸/アルミナのモル比が0.14、k値を0.00042とし、その一部をステンレス製1インチのガス管へ挿入し、エアバス中で昇温時間も含めて140℃、14時間加熱して水熱反応を行い、微量の液状物質を含む水性アルミナゾルの生成物を得た。反応条件、原料アルミナの変換率及び水性アルミナゾルの200℃乾燥物の比表面積(SA)及び生成物の形状の結果を表2に示す。
実施例11
実施例7と同様の原料アルミナを使用し、アルミナ濃度25重量%、硝酸/アルミナのモル比が0.16のスラリーを調製した。このスラリーを、粉砕時間を6時間とした以外は、実施例7と同様に原料アルミナの微粉砕を行った。粉砕後のスラリーは平均粒子径(D50)が0.11μmであった。得られた粉砕液へ水を添加してアルミナ成分の濃度15.0%、硝酸/アルミナのモル比が0.16、k値を0.00081とし、その一部をステンレス製1インチのガス管へ挿入し、エアバス中で昇温時間も含めて140℃、16時間加熱して水熱反応を行い、微量の液状物質を含む水性アルミナゾルの生成物を得た。反応条件、原料アルミナの変換率、水性アルミナゾルの200℃乾燥物の比表面積(SA)及び生成物の形状を表2に示す。また、透過型顕微鏡写真を図3に示す。
さらに水性アルミナゾルについて550℃、2時間焼成処理物の水銀圧入法による細孔径分布図から求めた細孔容量及び平均細孔径を表3に示す。
実施例12
水熱反応の反応条件を、150℃、8時間とした以外は、実施例11と同様にして、微量の液状物質を含む水性アルミナゾルの生成物を製造した。反応条件、原料アルミナの変換率、水性アルミナゾルの200℃乾燥物の比表面積(SA)及び生成物の形状を表2に併せて示す。
実施例13
水熱反応の反応条件を、160℃、4時間とした以外は、実施例11と同様にして、微量の液状物質を含む水性アルミナゾルの生成物を製造した。反応条件、原料アルミナの変換率、水性アルミナゾルの200℃乾燥物の比表面積(SA)及び生成物の形状を表2に併せて示す。
実施例14
水熱反応の反応条件を、170℃、1時間30分とした以外は、実施例11と同様にして、微量の液状物質を含む水性アルミナゾルの生成物を製造した。反応条件、原料アルミナの変換率、水性アルミナゾルの200℃乾燥物の比表面積(SA)及び生成物の形状を表2に併せて示す。また、透過型顕微鏡写真を図4に示す。
さらに水性アルミナゾルについて550℃、2時間焼成処理物の水銀圧入法による細孔径分布図から求めた細孔容量及び平均細孔径を表3に示す。
実施例15
ステンレス製1インチのガス管に代わり、ステンレス製3/4インチのガス管を使用し、エアバスに代わり、オイルバスを使用し、水熱反応の反応条件を、180℃、30分とした以外は、実施例11と同様にして、微量の液状物質を含む水性アルミナゾルの生成物を製造した。反応条件、原料アルミナの変換率、水性アルミナゾルの200℃乾燥物の比表面積(SA)及び生成物の形状を表2に併せて示す。
実施例16
水熱反応の反応条件を、180℃、1時間30分とした以外は、実施例15と同様にして、微量の液状物質を含む水性アルミナゾルの生成物を製造した。反応条件、原料アルミナの変換率、水性アルミナゾルの200℃乾燥物の比表面積(SA)及び生成物の形状を表2に併せて示す。
実施例17
水熱反応の反応条件を、180℃、2時間30分とした以外は、実施例15と同様にして、微量の液状物質を含む水性アルミナゾルの生成物を製造した。反応条件、原料アルミナの変換率、水性アルミナゾルの200℃乾燥物の比表面積(SA)及び生成物の形状を表2に併せて示す。
実施例18
水熱反応の反応条件を、200℃、6分とした以外は、実施例15と同様にして、微量の液状物質を含む水性アルミナゾルの生成物を製造した。反応条件、原料アルミナの変換率、水性アルミナゾルの200℃乾燥物の比表面積(SA)及び生成物の形状を表2に併せて示す。
実施例19
水熱反応の反応条件を、200℃、12分とした以外は、実施例15と同様にして、微量の液状物質を含む水性アルミナゾルの生成物を製造した。反応条件、原料アルミナの変換率、水性アルミナゾルの200℃乾燥物の比表面積(SA)及び生成物の形状を表2に併せて示す。
実施例20
水熱反応の反応条件を、220℃、2分とした以外は、実施例15と同様にして、微量の液状物質を含む水性アルミナゾルの生成物を製造した。反応条件、原料アルミナの変換率、水性アルミナゾルの200℃乾燥物の比表面積(SA)及び生成物の形状を表2に併せて示す。さらに水性アルミナゾルについて550℃、2時間焼成処理物の水銀圧入法による細孔径分布図から求めた細孔容量及び平均細孔径を表3に示す。
実施例21
実施例11の平均粒子径(D50)が0.11μmの原料アルミナ粉砕物を用い、硝酸と水を添加してアルミナ成分の濃度14.9%、硝酸/アルミナのモル比が0.20、k値を0.00127である調製液を添加した。1インチステンレス製ガス管に調整液を挿入し、エアバス中で170℃、2時間水熱反応を行った。結果を表2に示す。反応条件、原料アルミナの変換率、水性アルミナゾルの200℃乾燥物の比表面積(SA)及び生成物の形状を表2に併せて示す。また、透過型顕微鏡写真を図5に示す。
実施例22
実施例11の平均粒子径(D50)が0.11μmの原料アルミナ粉砕物を用い、硝酸と水を添加してアルミナ成分の濃度14.8%、硝酸/アルミナのモル比が0.20、k値を0.00184である調製液を添加した。1インチステンレス製ガス管に調整液を挿入し、エアバス中で170℃、2時間水熱反応を行った。結果を表2に示す。また、透過型顕微鏡写真を図6に示す。
さらに水性アルミナゾルについて550℃、2時間焼成処理物の水銀圧入法による細孔径分布図から求めた細孔容量及び平均細孔径を表3に示す。
Figure 2010013428
Figure 2010013428
比較例2
平均粒子径(D50)が6.1μmのρ-およびχ-結晶構造を有する原料アルミナを用い、アルミナ濃度を45%、硝酸のモル比/アルミナのモル比を0.16、k値が0.0040としてステンレスパイプ中に充填し、160℃で8時間水熱反応を行なった結果、その生成物はその変換率が85.3%と低位で、200℃乾燥後の生成ベーマイトの比表面積は183m2/gの低い値を示した。
比較例3
平均粒子径(D50)が0.7μmのρ-およびχ-結晶構造を有する原料アルミナを用い、アルミナ濃度を15%、硝酸のモル比/アルミナのモル比を0.02、k値が0.000012としてステンレスパイプ中に充填し、150℃で8時間水熱合成を行なった結果、その生成物は固化したゲル状物の性質を示し、バインダー性を示さないベーマイトゲルが得られた。
比較例4
比較例3のアルミナ原料を用い、アルミナ濃度を55%、硝酸のモル比/アルミナのモル比を0.10、k値が0.0023としてステンレスパイプ中に充填し、160℃で8時間水熱合成を行なった結果、生成物は固結した塊状物でハンドリングに著しく困難な物質となっていた。
比較例5
実施例11のアルミナ濃度15%、硝酸のモル比/アルミナのモル比0.16の湿式粉砕液を用い、これに蓚酸をアルミナに対して2重量%添加したあと、ステンレスパイプ中に充填し、150℃で8時間水熱合成を行なった結果、固化したゲル状物の性質を示す生成物(ベーマイトゲル)が得られた。表4に生成物の諸性質を示す。生成物は、比較的高い比表面積を示すもののバインダー性を示さなかった。
比較例6
蓚酸の代わりにグリコール酸をアルミナに対して2重量%添加した以外は、比較例5と同様にして、生成物(ベーマイトゲル)を得た。表4に生成物の諸性質を示す。生成物は、比較的高い比表面積を示すもののバインダー性を示さなかった。
比較例7
蓚酸の代わりにクエン酸をアルミナに対して2重量%添加した以外は、比較例5と同様にして、生成物(ベーマイトゲル)を得た。表4に生成物の諸性質を示す。生成物は、比較的高い比表面積を示すもののバインダー性を示さなかった。
比較例8
蓚酸の代わりに燐酸(P25)をアルミナに対して2重量%添加した以外は、比較例5と同様にして、生成物(ベーマイトゲル)を得た。表4に生成物の諸性質を示す。生成物は、比較的高い比表面積を示すもののバインダー性を示さなかった。
Figure 2010013428

Claims (16)

  1. 平均粒子径(D50)が5μm以下のρ-およびχ-結晶構造を有するアルミナ、水、および無機一塩基酸またはその塩からなり、無機一塩基酸/アルミナモル比を0.03から2.0、アルミナ濃度を3重量%から50重量%の範囲に調節した調整液を、40℃から250℃の範囲で熟成および/または水熱反応を行うことを特徴とするポリ無機一塩基酸アルミニウム水和物および/または水性アルミナゾルの製造方法。
  2. 前記アルミナの熟成および/または水熱反応後のポリ無機一塩基酸アルミニウム水和物および/または水性アルミナゾルへの変換率が、90%以上である請求項1記載のポリ無機一塩基酸アルミニウム水和物および/または水性アルミナゾルの製造方法。
  3. 前記ρ-およびχ-結晶構造を有するアルミナの平均粒子径(D50)が、1μm以下である請求項1または2記載のポリ無機一塩基酸アルミニウム水和物および/または水性アルナミゾルの製造方法。
  4. 前記ρ-およびχ-結晶構造を有するアルミナが、水と無機一塩基酸またはその塩との存在下で湿式粉砕することにより得られてなる請求項1から3のいずれかに記載のポリ無機一塩基酸アルミニウム水和物および/または水性アルミナゾルの製造方法。
  5. 調整液の無機一塩基酸/アルミナのモル比が0.5以上2.0以下の範囲であり、40℃以上130℃未満の温度で熟成および/または水熱反応を行わせ、ポリ無機一塩基酸アルミニウム水和物を得ることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のポリ無機一塩基酸アルミニウム水和物および/または水性アルナミゾルの製造方法。
  6. 調整液の無機一塩基酸/アルミナのモル比が0.03以上0.5未満の範囲であり、40℃以上130℃未満の温度で熟成および/または水熱反応を行わせ、ポリ無機一塩基酸アルミニウム水和物と水性アルミナゾルの混合物を得ることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のポリ無機一塩基酸アルミニウム水和物および/または水性アルナミゾルの製造方法。
  7. 調整液の無機一塩基酸/アルミナのモル比が0.03以上0.5以下の範囲であり、130℃以上250℃以下の温度で水熱反応を行わせ、水性アルミナゾルを得ることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のポリ無機一塩基酸アルミニウム水和物および/または水性アルナミゾルの製造方法。
  8. 前記調整液が下記の式で表されるk値の組成範囲を有する請求項1から4のいずれかに記載のポリ無機一塩基酸アルミニウム水和物および/または水性アルミナゾルの製造方法。
    0.000005≦k≦0.30 ただし、k=(b/a)×(b/c)
    (式中、aは調整液中のアルミナをAl23に換算したモル数、bは無機一塩基酸またはその塩のモル数、cは水のモル数)
  9. 調整液のk値が下記の式で表される組成範囲を有し、無機一塩基酸/アルミナのモル比が0.03以上0.5以下の範囲を有する調製液を130℃以上250℃以下の温度で水熱反応を行わせ、板状、テープ状又は繊維状の粒子形状を有する水性アルミナゾルを得ることを特徴とする請求項8記載のポリ無機一塩基酸アルミニウム水和物および/または水性アルナミゾルの製造方法。
    0.000005≦k≦0.03 ただし、k=(b/a)×(b/c)
    (式中、aは調整液中のアルミナをAl23に換算したモル数、bは無機一塩基酸またはその塩のモル数、cは水のモル数)
  10. 調整液のk値が下記の式で表される組成範囲であり、主に板状の粒子形状を有する水性アルミナゾルを得ることを特徴とする請求項8または9記載のポリ無機一塩基酸アルミニウム水和物および/または水性アルナミゾルの製造方法。
    0.000005≦k<0.0005 ただし、k=(b/a)×(b/c)
    (式中、aは調整液中のアルミナをAl23に換算したモル数、bは無機一塩基酸またはその塩のモル数、cは水のモル数)
  11. 調整液のk値が下記の式で表される組成範囲であり、主にテープ状の粒子形状を有する水性アルミナゾルを得ることを特徴とする請求項8または9記載のポリ無機一塩基酸アルミニウム水和物および/または水性アルナミゾルの製造方法。
    0.0005≦k<0.0015 ただし、k=(b/a)×(b/c)
    (式中、aは調整液中のアルミナをAl23に換算したモル数、bは無機一塩基酸またはその塩のモル数、cは水のモル数)
  12. 調整液のk値が下記の式で表される組成範囲であり、主に繊維状の粒子形状を有する水性アルミナゾルを得ることを特徴とする請求項8または9記載のポリ無機一塩基酸アルミニウム水和物および/または水性アルナミゾルの製造方法。
    0.0015≦k≦0.03 ただし、k=(b/a)×(b/c)
    (式中、aは調整液中のアルミナをAl23に換算したモル数、bは無機一塩基酸またはその塩のモル数、cは水のモル数)
  13. 前記ポリ無機一塩基酸アルミニウム水和物および/または水性アルミナゾルの550℃、2時間焼成後の細孔容量が、0.40mL/g以下であり、かつ、平均細孔径が、100Å以下である請求項1から12のいずれかに記載のポリ無機一塩基酸アルミニウム水和物および/または水性アルミナゾルの製造方法。
  14. 前記無機一塩基酸が、硝酸である請求項1から13のいずれかに記載のポリ無機一塩基酸アルミニウム水和物および/または水性アルミナゾルの製造方法。
  15. 請求項1から14のいずれかに記載の方法により製造されてなることを特徴とするポリ無機一塩基酸アルミニウム水和物および/または水性アルミナゾル。
  16. 請求項8から15のいずれかの製造方法により得られた水性アルミナゾルをバインダーとして用いてなるR−FCC触媒。
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