JPWO2009139304A1 - 親水性ポリマーコート医療機器の放射線滅菌方法 - Google Patents

親水性ポリマーコート医療機器の放射線滅菌方法 Download PDF

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Abstract

親水性ポリマーコートが施されたディスポーザブル医療機器をガス透過性包装材で包装する工程、該包装された医療機器の製品含水率を所定の湿度雰囲気中で平衡含水率に達する以上の時間保持して調整する工程、及び、該製品含水率が調整された医療機器を放射線滅菌する工程を含む、ディスポーザブル医療機器の放射線滅菌方法及び製造方法で、溶出物が低減され、かつ、摺動性能が維持される、親水性ポリマーコートされたディスポーザブル医療機器の放射線滅菌方法及び製造方法を提供する。

Description

本発明は、生体に挿入して治療・診断を行うために用いられる医療機器の放射線滅菌方法に関する。より具体的には、本発明は、消化器、消化腺、泌尿器、性器、血管(動脈、静脈)、リンパ管、耳鼻、又は、皮膚から人体に挿入して治療・診断を行う親水性コーティングが施されたディスポーザブル医療機器の放射線滅菌方法及び製造方法に関する。
ディスポーザブル医療機器は院内感染防止、医療経済性の観点から広く受け入れられ、様々な改良が加えられている。例えば、生体に挿入して使用される医療機器の表面に体液または生理食塩水にて膨潤し、潤滑性を発揮する親水性コーティングが施されているものが実用化されている。親水性コーティングの役割は生体組織との摩擦抵抗低減であり、ぬるぬると滑る表面により、生体組織との摩擦抵抗を低減している。結果、医療機器の挿入、回転・前進後退の操作を容易にし、手技時間の短縮と挿入抜去に伴う患者の苦痛を軽減するのに大変役立っている。
ディスポーザブル医療機器は滅菌済みの製品として、専業メーカーより製造販売され医療機関へ提供されている。その中で、カテーテル類の大部分は合成高分子材料のため、エチレンオキサイドガス(EOG)滅菌が適応されてきた。言い換えると、従来、親水性ポリマーコートされたカテーテルやガイドワイヤーには、材料劣化及び製品としての機能低下の懸念から、EOG滅菌が主に採用されていた。
近年、環境問題に鑑み特定化学物質(毒性物質)であるEOGを用いない滅菌方法が求められており、γ線、エックス線、電子線(EB)等の放射線を用いる放射線滅菌が見直されている。微生物に対する傷害作用(殺菌作用又は静菌作用)の初期過程は、放射線と微生物の構成分子又は周辺の分子との相互作用により生じたイオン、ラジカル等の高い化学反応性を有する活性分子種と微生物のDNA又はその他の生体分子等との反応によるものである。活性分子種の生成は、γ線照射及びエックス線照射では、その大部分はγ線により物質から打ち出された高速電子がさらに物質のイオン化、励起を引き起こすためである。電子線照射では、物質に高速電子を直接打ち込むこととなるので、電子線とγ線及びエックス線は、本質的には同一作用機構を有することになる。
放射線滅菌の特長とされる常温処理及び透過性を生かして包装後に外側から照射して中心部まで処理できる点を考慮すると、γ線の高い透過性は大きな利点であった。ところが、1990年代に入って電子加速器の性能が向上し、十分な透過性を得ることができるようになったことから、医療機器への電子線照射が試みられ、1990年代後半から、電子線(EB)滅菌が着実に増加している。
従来、EOG滅菌されていた医療機器に放射線滅菌を適応しようとする場合、対象医療機器の放射線滅菌後の素材及び製品の劣化や耐久性を調べる必要がある。具体的には、照射後の機械的特性の変化や生成する異臭や着色、分解生成物の溶出有無を詳細に調べる必要がある。それらの詳細については、放射線滅菌における製品適格性の確認方法については、国際標準ISO 11137の中に記載されている。
本発明の発明者らは医療機器への放射線滅菌の適応検討に従事し、従来EOG滅菌されていた製品に電子線滅菌を適応する検討において様々な問題を経験した。特に、親水性ポリマーコートされた医療機器、詳細には、親水性ポリマーコートされたカテーテル・ガイドワイヤーの耐溶出性と摺動性能に関して、電子線滅菌ではEOG滅菌と比較して溶出物の増加や特定条件での機能劣化(摺動性能低下あるいは滑り性の低下)が起きる事例があることを経験した。
血液処理機(透析装置、ダイアライザー)に使用される膜は、放射線の照射によってダメージを受けて劣化し、中空糸膜からの溶出物が増加することが知られている。放射線滅菌時の素材劣化、特に、溶出物増加の問題に対しては、これまで各種対策が提案されてきている。例えば、特許文献1や特許文献2には、乾燥状態のダイアライザー製品を滅菌する際に、脱酸素剤を、所望により調湿剤と共に同封して、実質無酸素下で行う滅菌方法が開示されている。また、特許文献3には、水分放出型脱酸素剤と共にガス不透過性材料製容器に密封して実質無酸素下で行う滅菌方法が開示されている。
これらの滅菌方法は、実質無酸素下で行われ、微生物に対して強い障害作用を有する酸素分子種、特に酸素ラジカルやオゾンを利用することができない。そのため、殺菌効果を高めるために滅菌線量の増大を招き、その結果として、高線量による材料劣化が引き起こされるという問題を生じる。さらには、酸素不存在下では、嫌気性細菌、特に偏性嫌気性細菌の増殖という問題も懸念される。
材料劣化を抑制するため、例えば、中空糸膜に滅菌保護剤(グリセリン,ポリエチレングリコール等)を含有させ、水分含有率30%以下の状態でγ線を照射する方法が、特許文献4に開示されている。しかしながら、滅菌保護剤の利用は従来EOG滅菌では用いられていなかった滅菌保護剤を必要とし、コストアップとなるので好ましくない。さらには、親水性コートされたカテーテルやガイドワイヤーにグリセリン等の滅菌保護剤が塗布され残存することは、安全性及び潤滑性発現の観点から好ましくない。
また、特許文献5には、ポリスルホン系樹脂及び親水性樹脂からなる中空糸膜を、含水率5%以下、かつ中空糸膜周辺雰囲気の相対湿度40%以下の状態で照射滅菌することを特徴とする血液処理器の照射滅菌方法が開示されている。
一方、特許文献6に記載されるように、γ線滅菌を行うにあたり、中空糸膜を飽和含水率以上の湿潤状態とすることによって、中空糸膜の劣化を防止する方法が知られている。
ところで、特許文献5と特許文献6とを比較すると、含水率に相違が認められるが、これは、特許文献5の例がポリスルホン膜と親水性樹脂とを組み合わせることによってはじめて達成されることによるものと考えられる。従って、様々な素材が用いられる親水性ポリマーコートされたカテーテル・ガイドワイヤーにそのまま適応する事は困難である。また、特許文献5に開示された中空糸膜を飽和含水率以上の湿潤状態とする方法又は水充填されたダイアライザーの滅菌方法は、製品の重量増加による輸送コストの上昇及び輸送保管中の微生物の増殖の観点から好ましくなく、これまでに実用化されていない。
その他、特許文献7では放射線滅菌した後の中空糸膜中のラジカルスピン含有量が20.0×1016スピン/g以下であることを特徴とする高性能中空糸膜型血液浄化器が開示されているが、これも素材がポリスルホン膜に限定され、また、ガス不透過性材料からなる容器にポリスルホン系中空糸型血液処理器を脱酸素剤と共に密封し、ガンマ線を照射し滅菌を行った場合に限定される。このような、素材を限定して達成されたダイアライザーの放射線滅菌方法の従来技術を、これまでEOG滅菌が適応されてきたカテーテルやガイドワイヤーにそのまま適応する事は難しい。
特許文献8では、親水性ポリマーコートカテーテルの製造法として、ポリビニルピロリドン(PVP)溶液により湿潤されている間に、放射線照射により滅菌する方法が開示されている。この方法は最表面を架橋PVPにて被覆する事を意味しており、他の親水性ポリマー製品への適応は従来その製品が持っていたポリマーコート剤由来の潤滑特性を変更してしまうことになり適応出来ない。また、最終滅菌時に有機溶媒を含むPVP溶液をそのまま利用する事は、残留有機溶媒の生体に対する安全性に懸念がある。
特許文献9では、異なる高分子化合物からなる医療用ハイドロゲルの応用として、生体適合性の高い高分子と放射線架橋する高分子化合物とを含有する溶液を医療機器本体に塗布し、放射線照射することにより医療機器本体の表面に固定化する方法と医療器具の製造方法が開示されている。そこには、医療機器として親水性ポリマーコートされたガイドワイヤーが例示され、放射線架橋による皮膜の形成が可能である事が示されている。しかし、ガイドワイヤーの潤滑性能に係る記載がなく、さらには、ガイドワイヤーへの放射線滅菌の適応可否についての記載も示唆もない。
すなわち、これまで主としてダイアライザーのポリスルホン膜の溶出物対策として検討されてきた放射線滅菌技術を、親水性ポリマーコートが施されたカテーテルやガイドワイヤーにそのまま適応する事はできない。また、親水性ポリマーコートが施されたカテーテルやガイドワイヤーの放射線滅菌適応時の溶出物と摺動性能の安定化に関する技術や知見はこれまで報告されていない。
特開2006−110164号公報 特開2005−95270号公報 特開2005−95271号公報 特開平6−28516号公報 特開2000−288085号公報 特公昭55−23620号公報 特開2005−334319号公報 特表2002−530158号公報 特開2004−215709号公報
本発明は、親水性ポリマーコートが施された医療機器に対して放射線滅菌を適応することを目的とする。
詳細には、親水性ポリマーコートが施されたディスポーザブル医療機器、例えば、カテーテルやガイドワイヤー等の、放射線滅菌時に発生する不具合、すなわち、溶出物の増大及び/又は製品性能(摺動性能)の低下が抑制された放射線滅菌方法を提供することを目的とする。
さらには、溶出物の増大及び/又は製品性能(摺動性能)の低下が抑制されたディスポーザブル医療機器の製造方法を提供することをも目的とする。
発明者らは、鋭意検討した結果、医療機器の含水率を調整して放射線滅菌を行うことによって、放射線滅菌された医療機器の溶出物低減と摺動性能維持を達成できることを見出した。
すなわち、本発明は次の[1]〜[14]である。
[1]親水性ポリマーコートを有するディスポーザブル医療機器を、ガス透過性の包装材で包装し、製品含水率を調整し、放射線滅菌する、医療機器の放射線滅菌方法。
[2]前記ディスポーザブル医療機器が、カテーテル又はガイドワイヤーである、[1]に記載の放射線滅菌方法。
[3]ガス透過性の包装材で包装したディスポーザブル医療機器を所定の湿度雰囲気中に含水率が平衡に達する時間以上保持し、製品含水率を調整する、[1]又は[2]に記載の放射線滅菌方法。
[4]ガス透過性の包装材で包装したディスポーザブル医療機器を相対湿度60〜98%RHの湿度環境に3時間以上保持し、製品含水率を調整する、[1]又は[2]に記載の放射線滅菌方法。
[5]前記ガス透過性の包装材が、1000g/m・24h(25℃、90%RH)以上の透湿度を有し、常圧で水を透過しない透湿性包装袋である、[1]〜[4]のいずれかに記載の放射線滅菌方法。
[6]前記親水性ポリマーが、メチルビニルエーテル/無水マレイン酸共重合体モノアルキルエステル又は該共重合体モノアルキルエステルを主成分とする共重合体であり、放射線照射時の製品含水率が0.1〜0.5質量%である、[1]〜[5]のいずれかに記載の放射線滅菌方法。
[7]前記親水性ポリマーがポリビニルピロリドン又はポリビニルピロリドンを主成分とする共重合体であり、放射線照射時の製品含水率が0.1〜0.5質量%である、[1]〜[5]のいずれかに記載の放射線滅菌方法。
[8]電子線で放射線滅菌する、[1]〜[7]のいずれかに記載の放射線滅菌方法。
[9]γ線で放射線滅菌する、[1]〜[7]のいずれかに記載の放射線滅菌方法。
[10]エックス線で放射線滅菌する、[1]〜[7]のいずれかに記載の放射線滅菌方法。
[11]親水性ポリマーコートを有するディスポーザブル医療機器を準備し、当該医療機器をガス透過性の包装材で包装し、製品含水率を調整し、放射線滅菌する、医療機器の製造方法。
[12]前記製品含水率を、ガス透過性の包装材で包装したディスポーザブル医療機器を所定の湿度雰囲気中に含水率が平衡に達する時間以上保持して調整する、[11]に記載の製造方法。
[13]前記製品含水率を、ガス透過性の包装材で包装したディスポーザブル医療機器を相対湿度60〜98%RHの湿度環境に3時間以上保持して調整する、[11]又は[12]に記載の製造方法。
[14]前記ガス透過性の包装材が、1000g/m・24h(25℃、90%RH)以上の透湿度を有し、常圧で水を通さない透湿性包装袋である、[11]〜[13]のいずれかに記載の製造方法。
本発明の放射線滅菌方法によれば、従来EOG滅菌されていた医療機器を、それ自体にはなんら変更を加えることなく、そのまま放射線滅菌することができる。特に、親水性ポリマーコートが施されたカテーテル及び/又はガイドワイヤーについて、耐溶出性と潤滑性能を両立した滅菌製品を提供することができる。さらには、毒性が懸念されるEOGを使用しないことによって環境負荷の低減を図りながら、安定して高い品質の医療機器を医療現場に提供することができる。また、薬剤を使わないので工程が簡易であり、安全性も高い。
図1は、本発明の放射線滅菌方法の実施例の概念図である。 図2は、本発明の放射線滅菌方法に供される医療用器具の包装の一例を表す図である。 図3は、本発明の放射線滅菌方法に供される親水性ポリマーコートされたガイドワイヤーの断面図である。 図4は、ガイドワイヤー摺動性評価方法の模式図である。 図5は、溶出量と照射線量の関係(線量依存性)を示すグラフである。 図6は、摺動抵抗値の摺動回数毎の変化を比較したグラフである。 図7は、溶出量を比較したグラフである。 図8は、溶出量と製品含水率の関係を示したグラフである。 図9は、摺動性能を比較したグラフである。 図10は、本発明の放射線滅菌方法に供される親水性ポリマーコートされた膀胱留置バルーンカテーテルの一例の外観を表す図である。 図11は、膀胱留置バルーンカテーテル摺動性評価方法の概念図である。 図12は、膀胱留置バルーンカテーテル摺動の滅菌方法による違いを比較したグラフである。
本発明は製品含水率を調整して放射線滅菌を行うものであるが、全体の流れを示す概念図(図1)に表される態様が特に好ましい。すなわち、ガス透過性包装材で包装する「包装工程」と電離放射線を医療機器に照射する「滅菌工程」を含み、さらに、「包装工程」の後、かつ、「滅菌工程」の前に、製品含水率をコントロールする「調湿工程」を含む態様が特に好ましい。
製品含水率をコントロールする「調湿工程」を医療機器を製造(準備)する「製造工程」とガス不透過性包装材で包装する「包装工程」との間に設ける態様でもよいが、ガス透過性包装材で包装する「包装工程」の後に製品含水率をコントロールする「調湿工程」を設ける上記態様がより好ましい。滅菌とはそもそも確率的に微生物を減らす行為であって、全くの無菌の状態をさすものではないので、湿った状態の製品では微生物の増殖の可能性があるからであるが、これのみに限定されるものではない。また、早期に製品が包装されれば、以降の工程での取扱い性が格段に向上する。
「包装工程」では、原材料の加工・組み立てが完了した医療機器は、滅菌状態を維持できる包装材料に適宜取り出しやすい様に工夫された保護部材(トレーやチューブ)に個々入れられる。「包装工程」で、例えば図2に例示される形態で個包装された医療機器は出荷箱形態にまとめられるか、又は、個包装のまま次工程に送られる。このとき搬送はコンベアを意図しているが、これに限定されず、搬送手段は無人搬送機や有人のフォークリフト等いかなる手段でも良い。
個包装に用いられる包装材料については、ガス透過性包装材料でかつ耐放射線に優れた材料が選ばれる。使用可能な包装材料としては国際規格(ISO 11607)「最終滅菌される医療機器の包装」に適合することが必要条件となるが、市販されている医療用滅菌包材から適宜選択することができる。包装材料と包装形態としては、例えば、プラスチックフィルムに耐水性テープ挿入の背貼袋、紙若しくは特殊紙/プラスチックフィルムのシール紙、紙若しくは特殊紙/紙又は特殊紙のシール紙、又は、紙若しくは特殊紙/プラスチックシートのブリスター包装等が利用可能である。また、放射線滅菌工程の前に「調湿工程」を行うので、ガス透過性材料で構成された個包装にする事が好ましい。
包装材は、1000g/m・24h(25℃、90%RH)以上の透湿度であり、かつ、常圧で水を通さないガス透過性を有する透湿性包装袋であることが好ましい。これは、透湿度が1000g/m・24h(25℃、90%RH)以下であると調湿が困難であるためであり、また、水を通してしまうほど目が粗いとバクテリア芽胞の透過性に対する抵抗性が低くなると考えられるためであるが、これらのためのみに限定されるものではない。
詳細には、包装材としては、特殊紙/プラスチックフィルムのシール紙の組み合わせのものが好ましい。例えば、図2に示すような、ガス透過性の特殊紙15を台紙側とし、透明フィルム16を上面側とした包装材が好ましい。特殊紙のガス透過部材として、タイベック(登録商標、デュポン社)を一部に用いることが、より好ましい。これは、主として信頼性と実績を考慮してのことであるが、必ずしもそれらに限定されない。水蒸気透性の樹脂フィルム、該樹脂フィルムと織布若しくは不織布との複合品、又は、医療用ラテックス含浸コート紙を一部に用いることができる。なお、本発明で、特殊紙とは、樹脂繊維を熱圧着して紙状にしたもの、又は、樹脂コートされた紙であって、耐放射線性が良いものをいう。
好ましい包装材料及び包装形態の一例は、図2に例示されるものである。親水性コートされたガイドワイヤー本体(10)は、保護の為にポリエチレン樹脂性ホルダーチューブ(11)に格納され、ホルダーチューブはホルダークリップ(12)により円状に固定されている。また、ガイドワイヤー本体(10)の先端側はインサーター部品(13)により保護される。また、ホルダーチューブ(11)のインサーター(13)の遠位末端側にはホルダーハブ(14)が取り付けられている。図2の11、12、13及び14の材料については熱可塑性樹脂であればよく、特定の材料に限定されない。タイベック等の特殊紙(15)はポリエステル/ポリエチレン等の多層プラスチック製透明フィルム(16)のポリエチレン側とシール部(17)で熱融着により製袋される。
医療機器の「包装工程」は、製造環境を薬事法で定められたGMP基準値内に維持するために、決められた温湿度、換気回数及び清浄度に空調管理される。例えば、温度を19〜23℃、相対湿度を25〜50%RH、及び、清浄度をClass100〜10,000等に管理される。理科年表によれば1971年から2000年までの東京の年平均湿度は63%RHであり、医療機器の製造環境はそれに比べ、比較的低湿度に管理されていると言ってよい。
「調湿工程」では、ガス透過性包装材で包装された滅菌対象医療機器を一定湿度環境に置き、製品に含まれる水分を平衡状態として、製品含水率を一定にする。製品含水率によって管理することができるが、調湿時間によって管理することがより好ましい。これは、簡便性を考慮してのことであるが、それに限定されない。
ガス透過性包装材で包装された親水性ポリマーコート製品(親水性ポリマーコートされたガイドワイヤー)を一定湿度環境下に放置した場合、一定時間毎に製品含水率をポリマー用微量水分計(独ブラベンダー社製アクアトラックプラス)にて測定すると、製品含水率が飽和するのに要する時間は約3時間である。他の親水性ポリマーコートされた医療機器製品でも同様で約3時間である。多くの場合、1時間では吸湿途中となり製品含水率にばらつきを生じやすい。
一定の湿度環境で製造された医療機器は、その環境での平衡含水率となっているので、所望の製品含水率とする為には、所定の湿度環境で含水率が平衡に達する時間で管理することが、製品の抜き取り等で製品含水率を測定しなくても良く、効率的である。対象とする医療機器により製品含水率は異なる、すなわち、用いている素材構成が異なると製品含水率は対象医療機器により異なってくることは、容易に理解できる。
医療機器の溶出物の低減と摺動性能の維持との両立について論じる場合、製品含水率だけでは幅広い素材構成の医療機器を整理できない。しかし、特定構成の製品に特定すれば製品含水率での管理は可能である。ここで、製品含水率が平衡となる調湿条件が重要であるが、これは所定の湿度雰囲気中に保持する時間で管理することができる。製品含水率の測定は、前出の微量水分計や重量増加等、当業者が知るいかなる測定方法も使用することが可能である。
「調湿工程」の相対湿度は、好ましくは60%RH以上、より好ましくは60〜98%RH、さらに好ましくは70〜98%RHである。「製造工程」の湿度は、例えば、通常、相対湿度25〜50%RHで管理され、また、製品の含水率は、時間よりも環境湿度により影響を受け、環境湿度が高いほど、製品の平衡含水率も高くなることが理由であるが、これらの理由のみに限定されるわけではない。しかし、相対湿度100%RH以上は好ましくない。製品への結露が起き、乾燥後、包装材料に水滴の瘢痕が残ったり、包装材料に皺が寄るなどして見栄えが悪くなったりする場合があるからである。また、水に漬ける様な過剰な吸水状態も、製品の摺動性能低下を起こす場合があるため、好ましくない。
「調湿工程」では、25℃(室温)の場合には、医療機器を、所定の湿度環境で、好ましくは1時間以上、より好ましくは3時間以上、保持する。
製品含水率は、前記のように、所定の湿度環境での保持時間で管理することができるし、製品が類似構造、類似寸法又は類似の構成素材等で特定される場合には、製品の含水率で直接的に管理することもできる。この場合、例えば、造影剤入りポリウレタンで被覆されNi−Ti素線を用いたガイドワイヤーにおいて、各種親水性ポリマーコートされたプラスチックタイプガイドワイヤーの平衡含水率は、例えば、98%RH放置で0.4質量%前後である。また、通常室内環境の湿度50%RH前後で放置されたものは0.1質量%前後である。従って、照射前の製品含水率は0.1〜0.5質量%の範囲でコントロールすることが出来る。製品含水率は、0.1〜0.5質量%にコントロールする事が好ましい。0.1質量%以下の場合は未滅菌品と比較して溶出物の増加が見られ、1.0質量%以上の水分過剰状態の場合は摺動性能の低下を起こすためであるが、これらのために限定されるものではない。ただし、対象医療機器は、その素材構成が異なれば、含水率も異なってくるので、前記の好ましい含水率の範囲は、親水性コートされたプラスチックタイプガイドワイヤーの場合である。
本発明の発明者らは、親水性ポリマーコート製品について、乾燥状態で放射線照射すると親水性ポリマーが分解反応を起こして溶出物が増大すること、及び、過剰に吸水した状態で放射線照射すると親水性ポリマーに架橋反応が起こり摺動性能の低下を起こすことを知見した。すなわち、本発明は、親水性ポリマーコート製品に放射線照射した際の親水性ポリマーの分解反応及び架橋反応の起こりやすさが、親水性ポリマー層の含水量に依存することに着目し、製品含水率をコントロールすることによって溶出物の増加及び摺動性能の悪化を抑制するものである。
また、実際の生産現場で実施する際の簡便性を意図し、本発明は、所定の湿度雰囲気中に保持する時間によって製品含水率をコントロールすることも可能とするものである。
「調湿工程」では、バッチ式で一定湿度のチャンバー内で保持することもできるし、搬送工程そのものを空調機にて湿度60〜98%RHに空調して、搬送と調湿を同時に行ってもよい。
「滅菌工程」では、所望により、放射線の照射室を湿度コントロールしてもよい。照射室の湿度コントロールは必ずしも必須ではない。これは、親水性ポリマー自体の保湿力によって、調湿後数時間以内であれば製品含水率は実質的に変動せず、維持されるからである。
「滅菌工程」の後、滅菌済の親水性ポリマーコートが施された医療機器を乾燥する「乾燥工程」をさらに含むことが好ましい。これは、流通・保管時の微生物の増殖を防ぐことを意図したものであるが、この意図に限定されるものではない。ただし、明らかに流通・保管が短い場合には、「乾燥工程」を含まなくてもよい。
親水性ポリマーコート製品は、使用直前に生理食塩水などでホルダーハブ(13)より注射器等(図示せず)を用いてプライミングされ、ホルダーチューブ(11)から取り出される。水に濡れて初めて潤滑性を発揮するように設計されているので、製品の乾燥有無は実使用上問題とはならない。ただし、微生物の増殖の観点からガイドワイヤー製品は流通保管時に乾燥している事が望ましい。滅菌後の乾燥は、乾燥空気によるエアレーションや真空乾燥等、当業者が知るいかなる方法を用いてもよい。
「滅菌工程」については特段の配慮を必要としない。電子線(EB)、γ線、エックス線等が利用可能である。
電子線を使用する場合には、0.2〜10MeVの加速電圧を有する電子加速器を用いることが好ましく、5〜10MeVの加速電圧を有する大型電子加速器を用いることがより好ましい。加速電圧が高い方が電子線の透過性が高く、出荷箱形態のまま滅菌可能であるためであるが、このために限定されるものではない。
γ線を使用する場合には、好ましくはコバルト60(60Co)又はセシウム137(137Cs)を、より好ましくはコバルト60(60Co)を線源として使用することができる。
エックス線を使用する場合には、当業者が知るいかなる方法で発生させてもよいが、加速した電子線を重金属(例えば、モリブデン、タングステン、タンタル等)のターゲットに衝突させて発生する変換X線を使用することが好ましい。この場合、加速電圧は5MeV以下とすることが好ましい。
滅菌線量は、例えば、15〜60kGyが通常用いられる。滅菌線量については「医療機器の滅菌バリデーションに関するガイドラインについて」(平成10年05月01日付医薬監第69号厚生省医薬安全局監視指導課長通知)に記載の方法により決定される。常在菌の数や製品の載荷形態によるものであり、本発明はそれに従った滅菌線量を採用する。つまり、ガイドラインや輸出先国の要望に従った滅菌線量が25kGyであればその滅菌線量を用いる。ここでいう滅菌線量とは滅菌時の最低線量であり、実際の製品では線量分布を生じるので、確認すべき商品の性能は線量分布の最大値以上での線量となる。例えば、滅菌線量が25kGyの場合、製品内の線量分布比を最大線量/最小線量=2とした場合、25×2=50kGy以上での製品の性能確認を行う必要がある。線量バラツキのマージンを10%上乗せするとして55kGyで試験される事が多い。この製品内の線量分布は同一商品でも載荷形態により変わる。従って、滅菌バリデーションガイドラインに従った滅菌線量と線量分布による最大許容線量による医療機器の性能への影響を考慮する必要がある。
本発明の滅菌対象となる親水性ポリマーコートされた医療機器は、例えば、血管造影カテーテル、ガイドワイヤー、血管拡張カテーテル(バルーン)、シースイントロデューサー、マイクロカテーテル、サーモダイリューションカテーテル及び冠動脈貫通カテーテル等の血管内診断・治療用カテーテル類、並びに、尿道カテーテル及びドレナージチューブ等の廃液・還流カテーテル類等である。すなわち、生体との摩擦抵抗を減じる為に親水性コートが施された医療機器である。
本発明の滅菌対象となる親水性ポリマーコートが施された医療機器の代表として、ガイドワイヤー(図3)が例示される。以下に、親水性コートガイドワイヤーの具体的な構成材料を詳しく説明する。図3はプラスチックタイプと呼ばれる親水性コートガイドワイヤーの構造例である。先端側が徐々に細くなるテーパー状の金属製の芯線(18)の上に造影剤を含む樹脂被覆層(19)が形成されている。芯線(18)の素材は、通常、ステンレス鋼、ニッケル−チタン合金、βチタン合金、ニッケル合金、又は、コバルト合金などが主として用いられるが、本発明では芯線の素材は限定されない。その径は0.2〜2.0mmであり、芯線(18)の長さは通常0.1〜5.0mであり、最も汎用される長さは1.5m前後である。また、樹脂被覆層(19)はあってもなくても良いが、通常、樹脂による被覆がなされている。樹脂の代わりに金属コイルで被覆されているものもある(図示せず)。被覆樹脂は熱可塑性樹脂に造影剤が配合されており、タングステンや硫酸バリウム等のエックス線不透過材料が造影剤として混練されている。樹脂被覆層(19)の樹脂としては柔軟性や親水性ポリマーの固定の為、ポリウレタンが多くの例で採用されている。
本発明では生体と接触する最表面が親水性ポリマーであることが必須であり、例示したガイドワイヤーの素材構成や径・長さになんら制約を受けない。通常用いられる素材、構造、径・長さのガイドワイヤーであれば所望のものを用いることができる。ただし、γ線や電子線が透過不能なほど大径の金属材料を芯線に用いるものは照射の工夫が必要となる場合がある。
芯線(18)の金属素材へ直接又は樹脂被覆(19)の上に親水性ポリマー(20)がコートされる。このコートは単層であっても多層であっても良く、共有結合していてもしていなくても良いが、耐剥離性に優れたコーティングであることが好ましい。親水性ポリマーコートの施された医療機器が潤滑性を発揮する原理はこの親水性ポリマーコート(20)が多量の水分を保水する事で潤滑層を形成するためである。表面潤滑性の発現は、親水性ポリマーが生理食塩水、緩衝液又は血液等の水系溶媒を吸水することによって起こる。すなわち、材料表面に存在する水が、血管壁と接触した界面で流体潤滑による潤滑機能を発現することによって起こると考えられる。
本明細書において、親水性ポリマーとは、生理食塩水に浸漬した際の吸水率が1%以上の高分子化合物をいう。本発明が適応可能な親水性ポリマーは、好ましくは、親水性有機モノマー、オリゴマー、プレポリマー又はコポリマーが、ビニルアルコール、N−ビニルピロリドン、N−ビニルラクタム、アクリルアミド、アミド、スチレンスルホン酸、ビニルブチラールとN−ビニルピロリドンの組み合わせ、2−エチル−2−オキサゾリン、ヒドロキシエチルメタクリレート、アクリル酸、ビニルメチルエーテル、ビニルピリジリウムハライド、メラミン、マレイン酸無水物/メチルビニルエーテル、ビニルピリジン、エチレンオキシド、エチレンオキシドエチレンイミン、グリコール、酢酸ビニル、酢酸ビニル/クロトン酸、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、プルラン、ヒアルロン酸、α−ポリグルタミン酸(α―PGP)、ε−ポリリジン(ε−PLL)、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシメチルエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酢酸セルロース、硝酸セルロース、デンプン、ゼラチン、アルブミン、カゼイン、ガム、アルギネート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、エチレングリコール(メタ)アクリレート、N−アルキル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジアルキル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミドポリマー、N,N−ジヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミドポリマー、エーテルポリオール、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリ(ビニルエーテル)、アルキルビニルスルホン、アルキルビニルスルホンアクリレート又はその組み合わせから誘導されるコーティング組成物である。医療機器表面への固定化方法については原材料毎に好ましい方法を適宜選択することができる。
工業的に入手可能な好ましい親水性ポリマーとしては、メチルビニルエーテル/無水マレイン酸共重合体モノアルキルエステル(GANTREZ(登録商標)シリーズ、ISP(INTERNATIONAL SPECIALTY PRODUCTS)社)、ポリビニルピロリドン(PVP)及びその共重合体(PVP,PVP/VAシリーズ、ISP社)が例示される。これらは、安価で好適な親水性コートポリマーとして好ましく利用可能である。ここで、例えば、メチルビニルエーテル/無水マレイン酸共重合体モノアルキルエステルを主成分とする共重合体とは、80質量%以上が該成分である共重合体をいい、また、ポリビニルピロリドンを主成分とする共重合体とは、80質量%以上が該成分である共重合体をいう。
以上、本発明を好ましい実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
同一素材を用いた一連の試験結果を実施例1〜7及び比較例1〜10として表1にまとめた。以下、表1を参照しながら実施例1〜7と比較例1〜10について説明する。
以下に、本発明について実施例及び比較例に基づいて具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した必須の構成を有していればどのように実施してもよい。
〔実施例1〜7〕
<被滅菌製品>
実施例1では、外径0.038インチ(約0.97mm)、長さ150cmのプラスチックタイプガイドワイヤー(市販品)を用いた。このガイドワイヤーは、タイベック(デュポン社)を一部に用いたガス透過性包装材で、図2に例示される包装形態で、個包装されていた。また、ガイドワイヤーの構造は図3に例示されるものであり、素線にはNi−Ti合金が、被覆樹脂にはタングステン(造影剤)入りポリウレタン樹脂が、それぞれ、用いられていた。さらに、分析の結果、このガイドワイヤーの親水性ポリマーは、メチルビニルエーテル/無水マレイン酸共重合体モノアルキルエステルを含むことが分析の結果分かっていた。
<調湿工程>
包装形態のまま、前記のガイドワイヤー製品を真空乾燥した。その後、温度40°、相対湿度75%RHの恒温恒湿器内に24時間保持して調湿を行った(実施例1〜4)。調湿後、それぞれのガイドワイヤー製品の含水率をポリマー用微量水分計(独ブラベンダー社製アクアトラックプラス)にて測定した。実施例1〜4の24時間後の製品含水率は平均0.18質量%であった。実施例5〜7では25℃−98%RHの湿度環境下に、それぞれ、1、3、6時間保持して調湿を行った。調湿後、実施例5〜7の製品含水率は、それぞれ、0.174質量%、0.231質量%、及び、0.295質量%であった。
<放射線滅菌工程>
調湿工程に続き、ロードトロン社製10MeVの加速器(ロードトロンTT−200型)を用いて電子線滅菌を行った。実施例1〜4では滅菌線量を、それぞれ、15kGy、30kGy、45kGy、及び、60kGyとした。実施例5〜7では滅菌線量を55kGyとした。滅菌線量25kGyとする場合の実製品(積載形態を考慮)の線量分布を2と仮定し、線量の振れのマージンを10%とり、最大許容線量を55kGyとしたためである。ここで、滅菌線量とは、製品に貼り付けられたFWT線量計を用いて測定された累積加算線量をいい、実際に製品に照射された吸収線量(「照射線量」ともいう。)を示す。実施例1〜7では、正確な線量照射を行うため、線量分布をほとんど生じない、単品での電子線照射を行った。
<溶出物>
溶出物試験として、蒸発残留物の測定を透析型人工腎臓装置承認基準VII−4に従って行った。すなわち、ガイドワイヤー製品1本を100mLの精製水に入れ,50℃−24時間の条件で抽出後、抽出液20mlをとり蒸発乾固して、得られた蒸発残留物の重量[mg]で比較した。透析型人工腎臓装置承認基準VII−4では蒸発残留物は1.0mg以下である事が適合基準として求められる。ガイドワイヤーの摺動性に関しては生理食塩水に包装から取り出したガイドワイヤーを浸漬した後、手の感覚で滑り具合を比較した。
なお、実施例1〜7では、調湿工程の前に真空乾燥を行ったが、これは、調湿工程での初期条件を比較例と揃える意図で実施したものである。従って、実際の製品適応において、調湿前に真空乾燥することは必ずしも必須の処理ではない。
〔比較例1〜10〕
比較例1〜10では、実施例1〜7で使用したガイドワイヤーと同一の製造ロットのガイドワイヤー製品を使用した。実施例1〜7と比較例1〜10の違いは、比較例1〜10は、調湿工程又は放射線滅菌工程のうち、少なくとも一方の工程を実施しないことである。比較例2−5、8及び9は調湿工程を実施せず、放射線滅菌工程のみを実施した。比較例6は調湿工程(40℃−75%RH−24時間)を実施したが、放射線滅菌工程を実施しなかった。比較例1、7及び10は調湿工程及び放射線滅菌工程をともに実施しなかった。比較例7は電子線滅菌を行わずEOG滅菌された製品をそのまま比較対照として用いた。この場合、製品倉庫保管品を用いたので、真空乾燥は行わなかった。製品倉庫保管品の実施例1、6及び10は、電子線照射による影響を明確にするための各系列の比較対照=0kGy照射の例である。ただし、未滅菌なので実際の臨床に用いることはできない。比較例8では真空乾燥及び調湿を行わず、55kGyの電子線照射を行った。比較例9は含水率の影響を確認する為、過飽和水分量条件として検討した。比較例9では、調湿の代わりに水プライミング処理を行った後に、電子線照射(55kGy)を行った。プライミング処理とは生理食塩水または水にてガイドワイヤー製品をホルダーチューブ(11)内に入れたまま濡らす作業である。注射器でホルダーチューブ(11)に生理食塩水又は精製水を注入し、余分な水分を再度注射器からの空気注入にて飛ばした。この場合、製品の含水率は1.0質量%前後、0.5〜2.0質量%となる(測定値1.740質量%)。この方法(プライミング)では製品を均一に吸水させることは出来ず製品の含水率にバラツキを生じやすかった。
表1に実施例1〜7及び比較例1〜10の評価結果を示す。
Figure 2009139304
表1の測定値をもとにグラフ(図5)を作成した。グラフ(図5)は、照射線量と溶出量の関係を表す。実施例及び比較例では、両者ともに、照射線量の増加に伴って溶出量の増加が見られた。これは、電子線による親水性ポリマーの分解反応が照射線量の増加に相関して起こっていた事を示している。実施例ではこの分解反応が比較例に比べ抑制されている事が理解できる。溶出物を機器分析にて同定したところ、親水性ポリマーの分解物であることが判明した。分解反応とは低分子量化した親水性ポリマーの一部脱離であり、親水性ポリマーコート自体は製品にまだ十分量残存している。そのため、潤滑性能は実施例1〜4及び比較例1〜6の間では、摺動性能に差異がなかったものと考えられた。電子線滅菌すると、未滅菌の場合に比べ、潤滑性能は変わらないが、溶出物が増加するため、理化学及び生物学的安全性の担保が問題となる。従って、安全性の観点からいえば、親水性ポリマーの電子線滅菌は、照射線量を極端に低くするか、又は、親水性ポリマーに水分を与えて分解反応を抑える必要があると判断された。
比較例7,8,9と実施例4について図4に示す評価系を用いて摺動性能を相対評価した。その結果をもとにグラフ(図6)を作成した。グラフ(図6)は摺動回数と抵抗値の関係(潤滑性能の耐久性)を示し、グラフ(図7)は比較例7、8、9及び実施例4の溶出量の比較を示すものである。
図4に示す評価系は、実際の臨床使用時のカテーテルとガイドワイヤーの摩擦抵抗に関して機器(引張試験機:オートグラフ)を用いて摺動の抵抗値を数値的に相対比較するものである。オートグラフにて速度一定で5Fr.サイズのピッグテールカテーテルにガイドワイヤーを押し込み引き抜きの操作を繰り返すものである。摺動抵抗値とはガイドワイヤーの押し込み抵抗値[gf]を摺動回数毎に記録した数値である。比較例7(EOG滅菌品)の数値20〜50[gf]が臨床上問題なくカテーテル操作出来る数値である(臨床実績より)。この数値が60[gf]以上であるとカテーテル操作に医師が操作時に重いなど違和感を覚える。また、100[gf]以上で医師はそのカテーテル手技を止めるべき違和感と判断する。200[gf]以上では押し込む時にガイドワイヤーが抵抗でたわんでしまい、ガイドワイヤーの前進後退が不可能で臨床上使い物にならないレベルと判断される。これらは発明者が長年ガイドワイヤーの製造販売上経験し把握した数値である。
実施例4、比較例7及び8では、滅菌後の摺動性能は手感覚で同一、図5の評価系で摺動抵抗値も臨床上問題ないレベルであった。比較例7は従来EOG滅菌品であり、比較例8は電子線滅菌品(55kGy)であるが、図7より比較例8の電子線滅菌品では溶出物の溶出物が多く安全性担保に課題を残す。この結果は長さ1.5m品のものであり、長さが1.5m以上となると基準の1.0[mg]を超えてしまう可能性が高いので、長さを制限せざるを得ない。
図6より、比較例9の様に過剰の水分を含ませて電子線滅菌したものでは摺動抵抗値が回数を追う毎に悪くなっている。すなわち、摺動性能の安定性がない。言い換えれば、親水性ポリマーコートの潤滑性の耐久性が悪くなっている。図7から比較例9の溶出物の減少と図6の比較例9の摺動性の耐久性低下の原因は、過剰の水分存在下で親水性ポリマーコート層(20)で放射線橋かけ(架橋反応)がおきたと考えられる。架橋により塗膜としての親水性ポリマーコート層(20)が固く脆くなり剥離しやすくなり、そのため、摺動性能の耐久性が低下したと考えられる。
実施例4では摺動性低下もなく、溶出物の溶出量も比較的少なく、承認基準範囲であり、製品として許容できると判断できる。
実施例5〜7及び比較例8から、グラフ(図8)に表される製品含水率と溶出量との関係(照射線量55kGy)が得られ、製品含水率と溶出量には相関関係が認められた。製品含水率0.1〜0.4質量%において、一次の相関係数Rは0.98で1に近い。従って、溶出量は製品含水率でコントロールできることを示している。この時、製品含水率は、一定の湿度環境での保持時間でコントロールした。製品含水率でのコントロールに代えて、所定の湿度環境での保持時間でのコントロールも可能である。また、このときグラフ(図9)の摺動抵抗値は50[gf]以下であり、良好な摺動性能を維持していた。通常の保管で製品の飽和含水率は相対湿度50%RH環境放置で0.1質量%程度であり、0.1質量%〜0.5質量%に製品含水率をコントロールすること、つまり、一定湿度環境にて1時間以上、好ましくは3時間以上放置して飽和吸湿させ、放射線滅菌する事により、溶出物を基準値以内に抑え、かつ、摺動性能を良好なものとすることが可能となる。
〔実施例8及び比較例11〜14〕
実施例1〜7と比較例1〜10で本発明を詳しく説明したが、親水性コートガイドワイヤー以外の親水性ポリマーコートカテーテルでも本発明を適応する事が可能である。例えば、熱可塑性エラストマー性の膀胱留置用バルーンカテーテルについて実施例8及び比較例11〜13を用いて説明する。
実施例8及び比較例11〜13では親水性コートされた市販の膀胱留置用カテーテルを用いた。膀胱留置用カテーテルの外観図を図10に示す。SEBS樹脂製で、最表面に親水性コートとしてポリビニルピロリドン(PVP)がコーティングされている。使用時には生理食塩水や水等で濡らし、カテーテル先端(24)側から、尿道口へ挿入され、挿入後バルーン(25)を拡張ポート(28)より空気などで拡張して膀胱内に留置される。膀胱内の尿は廃液孔(24)と連通した廃液ポート(27)より導尿バッグ等へ排出される。18Frと比較的太いカテーテルを尿道に挿入するので潤滑性コーティングにより挿入・抜去の操作が容易となり尿道を傷つけ難くしている。
図10のカテーテルシャフト(26)をバルーン(25)の直近から親水性コートが施されたストレート部約10cmの長さに切断し、図11に示すように、廃液ルーメンのほぼ内径に近いステンレス製芯金(31)を通した。これを、十字スリット(30)を入れた厚さ1mmのシリコーンシート(29)を貫通させた状態でストローク3cm、往復速度500mm/分で摺動させ摺動抵抗値を求めた。この時、摺動抵抗は押し込み時の応力を[gf]単位でオートグラフを用いて測定した。摺動中はカテーテルが乾かないよう水をかけ続けた。この評価系での相対評価を実施した。本評価系と臨床との相関は、摺動抵抗値50gf以下が実用域で、20gf以下であれば、カテーテル挿入・抜去時の患者さんの苦痛がほとんど無いことが経験上分かっている。
カテーテルサイズは18Fr.のものを用意した。未滅菌のものを比較例11、滅菌方法をEOG滅菌のものを比較例12、未滅菌品を調湿を行わずに電子線滅菌(55kGy)したものを比較例13、未滅菌品を水プライミングして電子線滅菌(55kGy)したものを比較例14とした。未滅菌品を調湿し(25℃−90%RH−6時間)、電子線滅菌(55kGy)したものを実施例8とした。このとき、調湿前の製品含水率は0.023質量%であり、調湿工程(25℃−90%RH−6時間)実施後の製品含水率は0.036質量%であった。
グラフ(図12)に各種滅菌方法による摺動抵抗値[gf](摺動回数5回目の数値)の比較を示す。親水性コートポリマーがPVPであっても、樹脂素材やカテーテル構造がガイドワイヤーと全く異なっても、実施例1〜7の親水性コートガイドワイヤーの時と同様の傾向となった。すなわち、比較例11〜13と実施例8は同等の滑り性能であり、調湿後の電子線照射では潤滑性能が維持された。直前に水プライミングした比較例14は摺動性能が極端に悪化した。溶出物は膀胱留置カテーテル基準では実施例11〜14及び実施例8では差は認められなかった。これは潤滑性コートの量がカテーテル全体に対して極少量であった為と考えられる。実施例が示すように、本発明の調湿後放射線滅菌する事により、従来EOG滅菌しか適応出来ないと考えられていた親水性ポリマーコートの施されたカテーテルに放射線滅菌が適応できる。
1: 電子線
2: 照射ホーン
3: 遮蔽壁
4: 製品
5: コンベア
6: 調湿空間
7: 出荷箱
8: クリーンルーム
9: 個包装:製品
10: ガイドワイヤー本体
11: ホルダーチューブ
12: ホルダークリップ
13: インサーター
14: ホルダーハブ
15: ガス透過性の特殊紙(台紙側)
16: 透明フィルム(上面側)
17: 熱融着部(シール部)
18: 芯線
19: 被覆樹脂層
20: 親水性ポリマーコート
21: PTカテーテル
22: GW
23: 水槽
24: 廃液孔
25: バルーン部(収縮状態)
26: シャフト部
27: 廃液ポート
28: バルーン拡張ポート
29: シリコーンシート
30: 十字スリット
31: 芯金

Claims (11)

  1. 親水性ポリマーコートを有するディスポーザブル医療機器を、ガス透過性の包装材で包装し、製品含水率を調整し、放射線滅菌する、医療機器の放射線滅菌方法。
  2. 前記ディスポーザブル医療機器が、カテーテル又はガイドワイヤーである、請求項1に記載の放射線滅菌方法。
  3. 前記製品含水率を、ガス透過性の包装材で包装したディスポーザブル医療機器を所定の湿度雰囲気中に含水率が平衡に達する時間以上保持して調整する、請求項1又は2に記載の放射線滅菌方法。
  4. 前記製品含水率を、ガス透過性の包装材で包装したディスポーザブル医療機器を相対湿度60〜98%RHの湿度環境に3時間以上保持して調整する、請求項1又は2に記載の放射線滅菌方法。
  5. 前記ガス透過性の包装材が、1000g/m・24h(25℃、90%RH)以上の透湿度を有し、常圧で水を透過しない透湿性包装袋である、請求項1〜4のいずれかに記載の放射線滅菌方法。
  6. 前記親水性ポリマーが、メチルビニルエーテル/無水マレイン酸共重合体モノアルキルエステル又は該共重合体モノアルキルエステルを主成分とする共重合体であり、放射線照射時の医療機器の含水率が0.1〜0.5質量%である、請求項1〜5のいずれかに記載の放射線滅菌方法。
  7. 前記親水性ポリマーがポリビニルピロリドン又はポリビニルピロリドンを主成分とする共重合体であり、放射線照射時の医療機器の含水率が0.1〜0.5質量%である、請求項1〜5のいずれかに記載の放射線滅菌方法。
  8. 親水性ポリマーコートを有するディスポーザブル医療機器を準備し、当該医療機器をガス透過性の包装材で包装し、製品含水率を調整し、放射線滅菌する、医療機器の製造方法。
  9. 前記製品含水率を、ガス透過性の包装材で包装したディスポーザブル医療機器を所定の湿度雰囲気中に含水率が平衡に達する時間以上保持して調整する、請求項8に記載の製造方法。
  10. 前記製品含水率を、ガス透過性の包装材で包装したディスポーザブル医療機器を相対湿度60〜98%RHの湿度環境に3時間以上保持して調整する、請求項8又は9に記載の製造方法。
  11. 前記ガス透過性の包装材が、1000g/m・24h(25℃、90%RH)以上の透湿度を有し、常圧で水を通さない透湿性包装袋である、請求項8〜10のいずれかに記載の製造方法。
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