JP2779257B2 - 血液処理器の滅菌方法 - Google Patents

血液処理器の滅菌方法

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Description

【発明の詳細な説明】 <技術分野> 本発明は、血液透析、血液濾過などの血液処理に用い
られる。中空繊維半透膜を構成部材とする血液処理器の
放射線滅菌法に関する。
<従来技術> 半透膜を用いた医療用血液処理器としては形態的に
は、平膜型、コイル型、中空繊維型があり、効率の優れ
た中空繊維膜が近年主流を占めるようになってきてい
る。又機能的には透析処理、限外濾過による、透析型人
工腎臓、濾過型人工腎臓、血漿分離器などがある。これ
ら血液処理器は、血液を直接、接触させて処理するもの
であり、従って使用前には各種の滅菌処理がなされ、無
菌性を保持されていなければならない。
従来の滅菌法としては、旧くから使用されているホル
マリン水を充填する方法がある。ホルマリンはその強い
殺菌力のため、滅菌という点では充分であるが、透析前
の洗浄による完全除去が難しくその残留性が、安全性と
いう面で問題となっている。
又、医療用具の滅菌に汎用されるエチレンオキサイド
ガスを用いて血液処理器を乾燥状態で滅菌する方法があ
るが、やはり滅菌剤を使用するためにホルマリンと同様
に、微量の滅菌剤の残留が安全上問題である。
さらに滅菌剤を使用しない滅菌法としては、高圧蒸気
滅菌あるいはγ線照射滅菌法がある。高圧蒸気滅菌は通
常115〜121℃の飽和蒸気雰囲気下で約20〜30分間処理す
るため血液処理器を構成する部材類や耐熱性や半透膜の
熱劣化について充分注意する必要がある。現実には、耐
熱性素材の選択、半透膜の熱劣化の小さい、膜素材の限
られた組合せにのみにおいて実用化されている。又γ線
照射滅菌も滅菌剤という化学物質の殺菌力を用いない滅
菌法であり滅菌剤の残留毒性という心配はないが、γ線
による素材の分解・劣化が問題となる。半透膜の膜素
材、膜構造あるいはγ線照射時における膜の含水率等に
よっては、γ線照射による半透膜の膜性能等の物性劣化
が非常に大きい場合がある。
即に、人工腎臓に代表される血液処理器に用いられる
半透膜の素材としては、セルロース膜、セルロースアセ
テート膜、合成膜糸等が実用化されているが、これらの
膜素材は滅菌に必要なγ線量の照射により、半透膜とし
ての基本性能である溶質透過性や限外濾過性能(除水
能)が大巾に減少し、又機械的物理的性質である強度、
伸度等にも大きな損傷を与えることが知られていた。
<発明の目的> 本発明は、以上の技術的背景において成されたもので
あり、その目的とするところは、滅菌剤の残留がなく、
安全性の高い優れた血液処理器の滅菌方法を提供するこ
とである。
また、もう1つの目的は、放射線照射の際、滅菌効果
を高める一方、膜劣化、性能低下を防止し、かつ、中空
繊維半透膜の充填性を損なわない滅菌方法を提供するこ
とである。
<発明の構成> 本発明者らは、前記の如き背景のもとで、かかる目的
を達成する為に、鋭意研究を行なった結果、本発明に到
達した。
すなわち、本発明は、セルロースアセテートの中空繊
維半透膜を構成部材に用いた血液処理器を放射線照射に
より滅菌するに際し、該セルロースアセテート中空繊維
半透膜にグリセリン水溶液を飽和含浸率以下の範囲で且
つ水分率として80%以下,およびグリセリン含浸率とし
て30%以上の範囲で含浸せしめ、該含浸状態を保持した
ままで、該半透膜を劣化させない範囲の照射線量と放射
線照射処理することを特徴とする血液処理器の滅菌方法
である。
以下、本発明について、さらに詳細に説明する。
本願発明における血液処理器の構成部材である中空繊
維半透膜は、セルロースアセテートの重量に対するアセ
チル基の酢酸換算重量百分率、すなわち酢化度が20%以
上のもの、好ましくは、30%以上のものが好適である。
さらに具体的には、セルロースジアセテートが好ましい
ものとしてあげられるが、セルローストリアセテートで
あっもよい。ここで、セルロースアセテート中空繊維半
透膜にグリセリン水溶液、即ち実質的に水を含むグリセ
リンを含浸させた状態にする際、水分率が80%以下であ
ることが望ましい。水分率が80%を越えると放射線照射
により半透膜の物理的性能の劣化が著しいものとなり好
ましくない。
また、放射線照射に供するまでの間に半透膜上で細菌
の繁殖が惹起されやすく、細菌が繁殖した場合には十分
な滅菌効果が得がたくなる。
また、グリセリン水溶液の含浸においては、半透膜に
30%以上、好ましくは40%以上、特に50%以上のグリセ
リンが含浸していることが望ましい。そうでない場合に
は、セルロースアセテート中空繊維半透膜としての性能
が保持し得ず満足な性能を具備した血液処理器を得るこ
とができない。さらに半透膜でのグリセリン水溶液の含
浸量としては、飽和含浸率以下であることが望ましい。
半透膜に飽和含浸率以上のグリセリン水溶液が存在する
と血液処理器本体へセルロースアセテート中空繊維半透
膜を充填する際、作業的に困難となり、十分な生産性を
得ることがかなわない。
ここで水分率は、以下のように定義されるものであ
る。
水分率[%]= (水分重量/絶乾セルロースアセテート 中空繊維半透膜重量)×100 また含浸率は、次のように定義されるものである。
含浸率[%]=(含浸量/飽和含浸量)×100 尚、飽和含浸量は空孔部に飽和の状態に含浸した物質
の重量として定義される。
飽和含浸量は次の様に定義される。
飽和含浸量= (飽和含浸重量/絶乾セルロースアセテート 中空繊維の重量)×100 ここで空孔率は次のようにして求めることができる。
空孔率[%]=(1−Pa/Pb)×100 Pa:セルロースアセテート中空繊維半透膜の見掛けの密
度 Pb:アセテートの密度 本発明において使用される放射線源としては、60Co,
137Csなどのγ線が好ましく、総照射線量としては、1.4
〜5.0Mradのの範囲が滅菌安定性から好ましい。照射方
法としては、通常用いられるいかなる方法でもよい。
本発明を適用できる血液処理器としては、セルロース
アセテート中空繊維半透膜を構成部材とした人工腎臓あ
るいは血漿分離器等の血液処理器である。
また、一般に血液処理器の安全性毒性については血液
と直接接触する半透明が放射線処理後も無害であること
はもちろん、間接的溶出物として抽出されるものが毒性
を示してもいけない。このような観点から、本発明にお
ける血液処理器のγ線未照射群およびγ線照射群につい
て、生物学試験、溶出物理化学試験の比較検討を実施し
たが、その結果両者間で差は認められず、両者とも厚生
省・透析型人工腎臓装置基準に合格した。また素材の経
時的劣化が進行することも考えられる為、6ケ月のシェ
ルフライフテストを試みたが、未照射群と照射群に有意
差は認められなかった。また透析型人工腎臓装置基準に
両者とも合格した。
この様に、本発明により、得られる血液処理器は安全
性の点でも極めて優れたものと言える。
<発明の効果> 以上、詳細に記述した如く、本発明は、放射線の滅菌
効果を損なうことなく、膜の物理的性質、性能を保ちつ
つ、生産性に優れた血液処理器の滅菌方法を提供するも
のである。さらに、本発明の効果として、毒性のない安
全性に優れた血液処理器を安定に提供し得ることがあげ
られる。
以下に実施例をあげて、さらに本発明の説明を行なう
が本発明は、これらの実施例によって何ら限定されるも
のではない。
<実施例> 実施例1 セルロースアセテート(平均重合度280,酢化度57%)
のフレークス,ポリエチレングリコール(平均分子量40
0)、ジグリセリンからなる混合物を加熱溶融し、2重
管ノズルの外観から押出し、内管から芯剤として窒素ガ
スを同時に吐出し、150m/分で巻き取り、内径200μ,外
径240μの中空繊維原膜を得た。この原膜を70℃の温水
浴に連続的に30sec間浸漬抽出処理し、続いて50wt%の
グリセリン水溶液浴に3分間浸漬後、膜外表面に付着し
た過剰のグリセリンを圧空で除去、熱風で乾燥し、セル
ロースアセテートの中空繊維半透膜を得た。そのグリセ
リン含浸率は56%水分率は50%であった。この中空繊維
半透膜を長さ23cmに切断したものを、約10000本束ね、
ポリカーボネート樹脂で、できたケースに収納し、ケー
スの両端部を選択的に熱風を流し中空糸の両端部をさら
に乾燥した後両端をポリウレタン樹脂で固定後切断し
て、透析器を組立てた。さらに透析液用開口から加湿さ
れた空気を流入せしめて、水分率が約50%となるように
再調製を行なった。しかる後、通常のポリエチレン袋に
密封しカートンケースに梱包した。この状態で、室温に
て総照射線量2.0Mradのγ線を照射し、滅菌処理をし
た。その結果、表−1,表−2に示すように、γ線照射群
と未照射群とでは透析器性能、中空糸物性、溶出物、生
物学試験のいずれにおいても、ほとんど変化はなく、実
用的な滅菌条件の照射線量に耐え得ることが判明した。
なおγ線照射群においては、照射後無菌状態となり滅菌
完了が確認できた。
尚、セルロースアセテートの密度Pb=1.30として空孔
率を求め、これを用いたグリセリン飽和含浸量は143で
あった。
実施例2,3,比較例1 実施例1と同様に紡糸,抽出処理をほどこしたセルロ
ースアセテート中空繊維半透膜の水分率の異なるものに
ついて、γ線照射を行ない強伸度の測定を実施した。そ
の結果は表−3の如く実施例2,3では、強伸度の低下は
少なく使用上問題ない程度であるが、比較例1では強伸
度の低下が大きかった。
実施例4〜6,比較例2 実施例−1と同様に、紡糸,抽出処理をほどこしたセ
ルロースアセテート中空繊維半透膜のグリセリン付着量
の異なるものを、透析器に組立て、γ線照滅菌後、の透
析性能を測定した。その結果表−4の如く、比較例2の
グリセリン含浸率20.9%では、透水性及びウレアのクリ
アランスが大幅に低下した。尚、グリセリン水溶液浴中
のグリセリン濃度を、比較例2,実施例4,5,6について各
々約20,30,45,55wt%とした。
実施例4〜6での透析性能の変化は少なく実用上使用
可能な性能の透析器が得られた。
尚、これらの中空率の水分率は、約50%であった。
実施例7〜10,比較例3,4 実施例1と同様に溶融紡糸,抽出処理をほどこしたセ
ルロースアセテート中空繊維半透膜を透析器に組立て、
調湿した後γ線滅菌を行なった。透析器のプライミング
性を調べるため透析器を立てた状態で固定し、下側Bノ
ズルより生理食塩水1をヘッド圧力50g/cm2Gで導入し
て、透析器の中空繊維半透膜に生理食塩水の充填を行っ
た。次に、透析器の外面より生理食塩水の充填されてい
ない中空繊維半透膜の本数を測定したところ、表−5の
結果が得られた。
実施例7〜10の中空繊維半透膜の水分及びグリセリン
含浸率の合計が飽和含浸量以下では、中空繊維半透膜の
液滴がほとんど認められず、生理食塩水の食塩水の充填
性が良好である。比較例3,4の水分及びグリセリンの含
浸率の合計が飽和含浸量以上では中空繊維半透膜の液滴
が多発し、生理食塩水の充填性が極度に悪化した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−211459(JP,A) 特開 昭52−99697(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A61L 2/08 A61M 1/18 B01D 65/02

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】セルロースアセテートの中空繊維半透膜を
    構成部材に用いた血液処理器を放射線照射により滅菌す
    るに際し、該セルロースアセテート中空繊維半透膜にグ
    リセリン水溶液を飽和含浸率以下の範囲で且つ水分率と
    して80%以下およびグリセリン含浸率として30%以上の
    範囲で含浸せしめ、該含浸状態を保持したままで、該半
    透膜を劣化させない範囲の照射線量で放射線照射処理す
    ることを特徴とする血液処理器の滅菌方法。
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ES2611986T3 (es) * 2005-03-29 2017-05-11 Toray Industries, Inc. Sustrato modificado y procedimiento de producción del mismo
US20080245723A1 (en) * 2005-08-10 2008-10-09 Asahi Kasei Kuraray Medical Co.,Ltd Hollow Fiber Membrane Type Blood Purification Device

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