JPS6213022B2 - - Google Patents

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JPS6213022B2
JPS6213022B2 JP51136942A JP13694276A JPS6213022B2 JP S6213022 B2 JPS6213022 B2 JP S6213022B2 JP 51136942 A JP51136942 A JP 51136942A JP 13694276 A JP13694276 A JP 13694276A JP S6213022 B2 JPS6213022 B2 JP S6213022B2
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JP
Japan
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sterilization
performance
dialyzer
membrane
cellulose
Prior art date
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JP51136942A
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English (en)
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JPS5361576A (en
Inventor
Shoji Mizutani
Nobuo Taneda
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
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Publication date
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は特に人工腎臓等に代表される滅菌した
透析器の製造方法に関する。 近年、人体の臓器の機能を代行または補助する
ものとして、人工臓器の発達が著しく、とりわけ
人工腎臓が広く普及してきた。人工腎臓は血液中
過剰水の限外過と老廃物の除去をもつて生体腎
機能を代行するものである。 従来、この種の用途に平膜を使用したものがひ
ろく供されてきたが、容積効率が悪く、次第に中
空繊維を使用したものが、それに代つて使われる
ようになつてきた。 中空繊維型人工腎臓に代表される人工臓器は体
外血液循環回路を通じて生体と接続する為に、以
下の条件を満足しなければならない。すなわち、 第1に毒物および発熱物質を含まないこと。 第2に無菌であること。 第3に血液流路中および処理液流路中に漏れ、
閉塞および滞流が発生しないこと。 第4に老廃物、水の透過性能が十分実用に耐え
る程度に高いこと。 第5に血液流路に血液を置換するに際し、中空
繊維を含めた血液流路の洗浄準備が容易であるこ
と。 である。 従来、人工腎臓の滅菌はホルマリン、エチレン
オキサイドまたはγ線等の放射線で行なわれてい
た。ホルマリン滅菌は1〜5%ホルムアルデヒド
水溶液を人工腎臓中に充填して行なう。これは滅
菌力が強い反面、その残留毒性に問題が残り、そ
の洗浄準備に要する生理的食塩水が多く、また時
間がかかるという欠点を有する。エチレンオキサ
イドガス滅菌は10〜27%のエチレンオキサイドガ
ス雰囲気下に人工腎臓をおいて行なうが、エチレ
ンオキサイドおよびその誘導体の残留毒性に問題
がある。 また、この滅菌は製品を乾燥状態にして行なわ
れ、乾燥状態で保存されるが、使用前の洗浄時に
おいて中空繊維からの気泡の抜け具合および膜性
能の再現性に問題が残るとされている。放射線に
よる滅菌は、人工腎臓に0.5〜5メガラツドのγ
線を照射して行ない、残留毒性の心配はないが、
人工腎臓の部材とりわけ透析膜の劣化が著しいと
いう難点がある。 これらの滅菌法に対し、熱による滅菌法がある
ことは公知である。たとえば、第9改正日本薬局
法には、高圧蒸気滅菌法として115℃、30分間:
121℃、20分間および126℃、15分間の飽和水蒸気
中で加熱することにより微生物を殺滅する方法を
規定している。あるいは80〜100℃の水中または
流通水蒸気中で24時間毎に30〜60分間、3〜5回
の加熱を行なう間けつ滅菌法も規定されている。
この熱による滅菌は残留毒性もなく、また使用前
の洗浄が容易であるという利点を有する。 しかしながら、現在まで熱滅菌型の人工腎臓は
開発されていない。開発の困難な主たる理由とし
て、人工腎臓の部材が熱滅菌に耐え得ないこと、
および透析膜の性能の熱劣化が大で、製品として
十分な透過性能を維持できないこと、また性能バ
ラツキが大きいということがあげられる。 セルロース膜の加熱による低分子透過性能の低
下のメカニズムについては、十分判明はしていな
いが、膜の組織構造の緻密化によるものと推定さ
れる。膜の低分子透過機構を多孔モデルとして考
えた場合、低分子の通過すべき孔の数またはその
大きさが熱処理により減少する機構が考えられ
る。 このような加熱による構造の緻密化を避けるに
は、加熱滅菌前において強固な孔構造を形成せし
め、膜構造の変化を生ぜしめないようにする必要
がある。 本発明者等は、透析器の熱滅菌における透過性
能の低下およびそのバラツキ減少の為に鋭意研究
を行ない、本発明を完成するに至つた。特に本発
明はセルロース中空繊維を透析膜として使用した
場合に関する。 すなわち、本発明は湿潤時における水の透過係
数が1.2×10-10〜2.7×10-10c.c./sec・cm・mmHgの
範囲にあり、セルロース型結晶を結晶化度50〜
70%で含有している実質的にセルロースから成る
中空繊維を透析膜として使用した血液浄化用透析
器を110〜140℃で湿潤処理することを特徴とした
前記熱処理前後における透析器の除水率の低下率
が小なる滅菌した透析器の製造方法である。 本発明に使用される中空繊維は実質的にセルロ
ースから成るもので一部、酢酸セルロース、酪酸
セルロース、ニトロセルロース等のセルロース誘
導体、グリセリン、アルキレングリコール等の多
価アルコール可塑剤または防菌剤等が含まれてい
てもよい。さらに実質的にセルロースから成る中
空繊維の製糸方法は製法の何如を問わず、ビスコ
ース法、銅アンモニア法による湿式紡糸法でも、
アセテート中空糸の鹸化法でもよい。 ただし、本発明の中空繊維膜はセルロース型
に結晶し、さらにその結晶化度が高いものが望ま
しい。結晶化度が高い方が多孔疎密の膜構造にお
いて非晶部が減り、空孔部の割合が大きいと共
に、その構造が強固なものとなり、外からの刺激
に対しその変化を受け難い。結晶化度が40%未満
の場合は、膜が十分に疎密化せず空孔部の割合が
小さく所望の透過性能が得られないと共に、加熱
湿熱処理した場合の透過性能の低下率が大きい。 また一般に、セルロースは70%を越える結晶化
度に再生されない。本発明の目的である熱処理滅
菌に伴なう性能低下の小さい中空繊維を提供する
にはその膜の結晶化度を40〜70℃にする必要があ
る。特に好ましい結晶化度の範囲は50〜70%であ
る。 結晶化度の測定は再生セルロース膜の常温乾燥
試料についてX線回析によりネルソン氏らの方法
で行なつた。〔M.L.Nelson and R.T.O
Connor、ジヤーナル・オブ・アプライト・ポリ
マーサイエンス(J.Appl.Polym.Sci.)、1325
(1964)参照〕すなわち、結晶化度(%)を、セ
ルロース型結晶の002面回析ピーク(2θ=
21.7゜)の高さI002と非晶バツクグラウンド(2
θ=16.0゜)の高さIamから次式によつて求め
た。 結晶化度(%)=I002−Iam/I002×
100 次に本発明に使用される中空繊維膜は湿潤時に
おいて水の透過係数が1.2×10-10〜2.7×10-10
c.c./sec・cm・mmHgの範囲になければならない。
透過係数が2.7×10-10c.c./sec・cm・mmHgより大
なるセルロース中空繊維は、製紙に供されるポリ
マー溶液または融液の組成、凝固条件、乾燥条件
等により製造することは可能である。 しかし、透過係数が2.7×10-10c.c./sec・cm・
mmHgより大なる場合には加熱滅菌による水の透
過性能の低下が著しく滅菌後の性能が十分でない
か、また加熱滅菌前の除水性能の著しく高い場合
は、加熱滅菌後の性能も実用に供しうる程度に維
持されるが、低下率が大なる場合には、低下率に
バラツキが生じ、滅菌後の性能が変動し易いとい
う欠点を有する。 また、水の透過係数が1.2×10-10c.c./sec・
cm・mmHg未満では加熱湿熱処理による低下度は
小さいが、透析器全体としての透過性能が低く、
実用に供し得るには多量の中空繊維を必要とし、
製造コスト的に不利であるばかりでなく、血液浄
化中に多量の血液が体外に循環され、安全性の面
からも望ましくない。 なお、ここで水の膜に対する透過係数(K)は次式
で定義されるものである。 Q=KS△p/h ここで、 Q:膜を通して単位時間に透過する水の量(c.c./
sec) S:水の透過に関与する湿潤時の膜の有効面積 中空繊維の場合は内径基準とする(cm2) △p:膜の両側における水の分圧の差(mmHg) h:水の透過に関与する湿潤時の膜厚(cm) である。 本発明に係る中空繊維を血液浄化用透析器に組
立て、公知の湿熱加熱滅菌を行なうのであるが、
第9改正日本薬局方に記載されているように、80
℃以下では間けつ滅菌法を採用しても滅菌状態が
完全ではない。 また、140℃以上では透析膜の性能低下が著し
いばかりでなく、透析器に使用される部材の劣化
が激しく、事実上実用に供し得るものを製造する
のが難しい。以上より本発明による血液浄化用透
析器は80℃から140℃の範囲の湿熱処理をする必
要がある。特に望ましくは115℃で30分間または
121℃で20分間、126℃で15分間蒸気滅菌するのが
よい。 本発明に使用される中空繊維を収納する容器は
80℃近辺の加熱に対してはスチレン−アクリロニ
トリルコポリマー樹脂製、それ以上の温度におい
てはポリカーボネート、ポリ−4−メチルペンテ
ン−1樹脂製等が使用され得る。 また、中空繊維間を接着し、かつ血液流と処理
液流とを分離する隔壁部材、いわゆるチユーブシ
ート部材としてはポリウレタン樹脂、エポキシ樹
脂等が使用されうる。 本発明により製造された滅菌された血液浄化用
透析器は無菌状態にあり、また残留毒性の危険が
なく、さらに使用前の洗浄準備が容易であり、透
析性能が十分高くそのバラツキも小さいという利
点を有し、人工透析等の治療においてその効果を
大いに発揮し得るものを提供することができる。 また、本発明の血液浄化用透析器は人工腎臓に
限定されず、人工肺臓、人工肝臓、人工膵臓等に
も十分応用できるものである。 以下、実施例を挙げて本発明を説明する。 実施例 平均重合度150〜300のセルロースジアセテート
100部にポリエチレングリコール(平均分子量
400)を30〜50部添加混合して得られた混合物を
溶融紡糸し、外径約330μ、内径約260μの断面が
ほぼ真円に近い中空繊維となした。該中空繊維を
2.0〜3.0%の苛性ソーダ水溶液80℃で0.8〜2.2分
間鹸化したところ、外径約330μ、内径約250μの
再生セルロース中空糸膜が得られた。該再生セル
ロース中空繊維を10000本、20cmの長さで使用
し、透析器として組立てた後、60℃の温水から
150℃の蒸気熱処理を施し、その滅菌の状態およ
び透過性能の低下率、加熱後の透過係数を測定し
た。その結果は表1に示すごとくである。
【表】
【表】 表1によれば、本発明に係る実施例1〜4では
加熱滅菌による透過性能の低下率も小で充分実用
に供し得る製品を得ることができる。 また、製品間の性能のバラツキも小さく、さら
に滅菌後無菌テストにより製品ケース内に菌を検
出することはできなかつた。 一方、比較例5では性能の低下はほとんどみら
れないが、未処理において性能の絶対値が低く、
実用的でない。 また、比較例6でも性能低下はないが、滅菌温
度が低く十分滅菌されておらず、製品中に菌が検
出された。さらに比較例7〜11では性能低下が大
であり、加熱後の製品の性能が低すぎるまたはバ
ラツキが大であるという欠点を有する。 また、比較例7では製品の中空繊維を収納した
ケースの液密性が一部、破壊されるものがあり、
液体の洩れが発生した。 以上より、本発明による方法によつて得られた
血液浄化用透析器は湿熱滅菌による性能低下およ
びそのバラツキが小さく、また十分滅菌された優
れた製品であることが判る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 湿潤時における水の透過係数が1.2×10-10
    2.7×10-10C.C./sec・cm・mmHgの範囲にあり、
    セルロース型結晶を結晶化度50〜70%で含有し
    ている実質的にセルロースより成る中空繊維を透
    析膜として使用した血液浄化用透析器を110℃〜
    140℃で湿熱処理する事を特徴とした、前記熱処
    理前後における透析器の除水率の低下率が小なる
    滅菌した透析器の製造方法。
JP13694276A 1976-11-16 1976-11-16 Preparation of sterilized dialyzer Granted JPS5361576A (en)

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