JPWO2009116618A1 - 硬化性組成物、異方性導電材料及び接続構造体 - Google Patents

硬化性組成物、異方性導電材料及び接続構造体 Download PDF

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Abstract

線膨張率が低く、加熱されても回路基板又は電子部品等から剥離しにくい硬化物を得ることができる硬化性組成物を提供する。エポキシ基及びチイラン基の内の少なくとも一種を有する成分と、硬化剤とを含有し、前記エポキシ基及びチイラン基の内の少なくとも一種を有する成分が、下記式(1)で表される構造を有する化合物の単量体、該化合物が少なくとも2個結合された多量体、又は該単量体と該多量体との混合物を含む硬化性組成物。下記式(1)中、R1は水素原子、炭素数1〜5のアルキル基又は下記式(2)で表される構造を表し、R2及びR3はそれぞれ炭素数1〜5のアルキレン基を表し、X1及び2はそれぞれ酸素原子又は硫黄原子を表す。【化1】上記式(2)中、R4は炭素数1〜5のアルキレン基を表し、X3は酸素原子又は硫黄原子を表す。

Description

本発明は、硬化性組成物に関し、より詳細には、線膨張率が低く、加熱されても回路基板又は電子部品等から剥離しにくい硬化物を得ることができる硬化性組成物、並びに該硬化性組成物を用いた異方性導電材料及び接続構造体に関する。
異方性導電ペースト、異方性導電インク、異方性導電粘接着剤、異方性導電フィルム、又は異方性導電シート等の異方性導電材料が広く知られている。
異方性導電材料は、ICチップとフレキシブルプリント回路基板との接続、及びICチップとITO電極を有する回路基板との接続等に使用されている。例えば、ICチップの電極と回路基板の電極との間に異方性導電材料を配置した後、加熱及び加圧することにより、これらの電極同士を接続できる。
上記異方性導電材料の一例として、下記の特許文献1には、熱硬化性絶縁性接着剤と、導電性粒子と、イミダゾール潜在性硬化剤と、アミン潜在性硬化剤とを含有する異方性導電接着フィルムが開示されている。特許文献1には、この異方性導電接着フィルムを比較的低温で硬化させた場合であっても、接続信頼性が優れていることが記載されている。
特開平9−115335号公報
近年、リフローによりICチップをフレキシブルプリント回路基板に実装するために、ハンダを球状にしたハンダボールが使用されている。リフローにより、ICチップの電極に実装されたハンダボールが溶融し、固化することにより、ICチップがフレキシブルプリント回路基板に実装される。なお、リフローとは、「基板の電極に、はんだを設けた電子部品チップが接触するように電子部品チップを配置し、加熱により該はんだを溶融し、固化するはんだ付け法」を意味する。
リフローでは、ICチップ又はフレキシブルプリント回路基板だけでなく、電極間の接続に用いた異方性導電材料も加熱される。特に、異方性導電材料の硬化物が加熱されると、異方性導電材料の硬化物が、ICチップ又はフレキシブルプリント回路基板から剥離することがあった。従って、加熱された場合でも、ICチップ又はフレキシブルプリント回路基板から剥離しにくい異方性導電材料が強く求められている。
特許文献1に記載の異方性導電接着フィルムでは、硬化を開始させるのに必要な加熱温度が比較的低い。しかしながら、この異方性導電接着フィルムの硬化物の線膨張率が高いという問題があった。このため、上記異方性導電接着フィルムを用いて接続された回路基板を加熱すると、異方性導電接着フィルムが回路基板から剥離することがあった。従って、電極間の接続信頼性が低下することがあった。
また、近年、回路基板又は電子部品の電極間を効率的に接続するために、接続に要する加熱温度を低くし、かつ加圧時間を短くすることが求められている。さらに、回路基板又は電子部品は加熱により劣化しやすいため、加熱温度を低くすることが強く求められている。
特許文献1に記載の異方性導電接着フィルムでは、硬化を開始させるのに必要な加熱温度は比較的低い。しかしながら、この異方性導電接着フィルムは、低温では硬化反応が充分に進行しないことがあった。異方性導電接着フィルムを用いて、回路基板又は電子部品の電極間を確実に接続するために、加熱温度を高くしたり、長時間加熱したりしなければならないことがあった。従って、電極間を効率的に接続できないことがあった。
本発明の目的は、線膨張率が低く、加熱されても回路基板又は電子部品等から剥離しにくい硬化物を得ることができる硬化性組成物、並びに該硬化性組成物を用いた異方性導電材料及び接続構造体を提供することにある。
また、本発明の限定的な目的は、線膨張率が低い硬化物を得ることができるだけでなく、低温で速やかに硬化させることができ、かつ接続対象部材の接続に用いられた場合に、接続対象部材を効率的に接続できる硬化性組成物、並びに該硬化性組成物を用いた異方性導電材料及び接続構造体を提供することにある。
本発明の広い局面によれば、エポキシ基及びチイラン基の内の少なくとも一種を有する成分と、硬化剤とを含有し、前記エポキシ基及びチイラン基の内の少なくとも一種を有する成分が、下記式(1)で表される構造を有する化合物の単量体、該化合物が少なくとも2個結合された多量体、又は該単量体と該多量体との混合物を含む、硬化性組成物が提供される。
Figure 2009116618
上記式(1)中、R1は水素原子、炭素数1〜5のアルキル基又は下記式(2)で表される構造を表し、R2は炭素数1〜5のアルキレン基を表し、R3は炭素数1〜5のアルキレン基を表し、X1は酸素原子又は硫黄原子を表し、X2は酸素原子又は硫黄原子を表す。
Figure 2009116618
上記式(2)中、R4は炭素数1〜5のアルキレン基を表し、X3は酸素原子又は硫黄原子を表す。
本発明に係る硬化性組成物のある特定の局面では、前記エポキシ基及びチイラン基の内の少なくとも一種を有する成分100重量%中、前記式(1)で表される構造を有する化合物の単量体、該化合物が少なくとも2個結合された多量体、又は該単量体と該多量体との混合物の含有量は、5〜100重量%の範囲内である。
本発明に係る硬化性組成物では、前記エポキシ基及びチイラン基の内の少なくとも一種を有する成分が、下記式(11)で表される構造を有するエポキシ化合物の単量体、該エポキシ化合物が少なくとも2個結合された多量体、又は該単量体と該多量体との混合物をさらに含むことが好ましい。この場合には、硬化性組成物を低温で速やかに硬化させることができる。また、硬化性組成物を回路基板の電極と電子部品の電極との間の接続に用いると、該電極間を効率的に接続できる。
Figure 2009116618
上記式(11)中、R11は炭素数1〜10のアルキレン基を表し、R12は炭素数1〜10のアルキレン基を表し、R13は水素原子、炭素数1〜10のアルキル基又は下記式(12)で表される構造を表し、R14は水素原子、炭素数1〜10のアルキル基又は下記式(13)で表される構造を表す。
Figure 2009116618
上記式(12)中、R15は炭素数1〜10のアルキレン基を表す。
Figure 2009116618
上記式(13)中、R16は炭素数1〜10のアルキレン基を表す。
本発明に係る硬化性組成物の他の特定の局面では、前記式(11)中、R13及びR14は水素原子である。
本発明に係る硬化性組成物のさらに他の特定の局面では、前記エポキシ基及びチイラン基の内の少なくとも一種を有する成分100重量%中、前記式(11)で表される構造を有するエポキシ化合物の単量体、該エポキシ化合物が少なくとも2個結合された多量体、又は該単量体と該多量体との混合物の含有量は、1〜50重量%の範囲内である。
本発明に係る硬化性組成物の別の特定の局面では、前記エポキシ基及びチイラン基の内の少なくとも一種を有する成分は、窒素原子を含む複素環を有するエポキシ化合物をさらに含む。
本発明に係る硬化性組成物のさらに別の特定の局面では、前記窒素原子を含む複素環を有するエポキシ化合物は、下記式(16)で表されるエポキシ化合物、又は下記式(17)で表されるエポキシ化合物である。
Figure 2009116618
上記式(16)中、R21〜R23はそれぞれ炭素数1〜5のアルキレン基を表し、Zはエポキシ基又はヒドロキシメチル基を表す。
Figure 2009116618
上記式(17)中、R24〜R26はそれぞれ炭素数1〜5のアルキレン基を示し、p、q及びrはそれぞれ1〜5の整数を示し、R27〜R29はそれぞれ炭素数1〜5のアルキレン基を示す。
本発明に係る硬化性組成物の別の特定の局面では、前記窒素原子を含む複素環を有するエポキシ化合物は、トリグリシジルイソシアヌレート、又はトリスヒドロキシエチルイソシアヌレートトリグリシジルエーテルである。
本発明に係る硬化性組成物のさらに別の特定の局面では、前記エポキシ基及びチイラン基の内の少なくとも一種を有する成分100重量%中、前記窒素原子を含む複素環を有するエポキシ化合物の含有量は、0.1〜10重量%の範囲内である。
本発明に係る硬化性組成物の他の特定の局面では、前記エポキシ基及びチイラン基の内の少なくとも一種を有する成分は、芳香族環を有するエポキシ化合物をさらに含む。
本発明に係る硬化性組成物のさらに他の特定の局面では、前記芳香族環は、ベンゼン環、ナフタレン環又はアントラセン環である。
本発明に係る異方性導電材料は、本発明に従って構成された硬化性組成物と、導電性粒子とを含有する。
本発明に係る接続構造体は、第1の電気的接続対象部材と、第2の電気的接続対象部材と、第1,第2の電気的接続対象部材を電気的に接続している接続部とを備え、前記接続部が、本発明に従って構成された異方性導電材料により形成されている。
また、本発明に係る接続構造体は、第1の接続対象部材と、第2の接続対象部材と、第1,第2の接続対象部材を接続している接続部とを備え、前記接続部が、本発明に従って構成された硬化性組成物により形成されている。
(発明の効果)
本発明に係る硬化性組成物は、上記式(1)で表される構造を有する化合物の単量体、該化合物が少なくとも2個結合された多量体、又は該単量体と該多量体との混合物と、硬化剤とを含むため、線膨張率が低い硬化物を得ることができる。
また、本発明に係る異方性導電材料の硬化物は線膨張率が低いので、本発明の異方性導電材料を回路基板の電極と電子部品の電極との間の接続に用いると、電気的接続の信頼性を高めることができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る硬化性組成物と、導電性粒子とを含む異方性導電材料を用いた接続構造体を模式的に示す正面断面図である。
符号の説明
1…接続構造体
2…第1の接続対象部材
2a…上面
2b…電極
3…第2の接続対象部材
3a…下面
3b…電極
4…接続部
5…導電性粒子
以下、本発明を詳述する。
(硬化性組成物)
本発明に係る硬化性組成物は、エポキシ基及びチイラン基の内の少なくとも一種を有する成分と、硬化剤とを含有する。このエポキシ基及びチイラン基の内の少なくとも一種を有する成分は、下記式(1)で表される構造を有する化合物の単量体、該化合物が少なくとも2個結合された多量体、又は該単量体と該多量体との混合物である成分(以下、成分Aと略記することがある)を含む。
上記成分Aは、下記式(1)で表される構造を有する化合物の単量体、該化合物が少なくとも2個結合された多量体、及び該単量体と該多量体との混合物の内のいずれかである。
Figure 2009116618
上記式(1)中、R1は水素原子もしくは炭素数1〜5のアルキル基又は下記式(2)で表される構造を表し、R2は炭素数1〜5のアルキレン基を表し、R3は炭素数1〜5のアルキレン基を表し、X1は酸素原子又は硫黄原子を表し、X2は酸素原子又は硫黄原子を表す。
Figure 2009116618
上記式(2)中、R4は炭素数1〜5のアルキレン基を表し、X3は酸素原子又は硫黄原子を表す。
上記アルキル基の炭素数が5を超えると、硬化性組成物の硬化速度が低下したり、硬化物の線膨張率が高くなったりすることがある。また、上記アルキレン基の炭素数が5を超えると、硬化性組成物の硬化速度が低下することがある。上記アルキル基及び上記アルキレン基の炭素数が小さいと、硬化性組成物の硬化速度が高くなる。
上記式(1)中のR1は、炭素数1〜3のアルキル基又は上記式(2)で表される構造であることが好ましく、上記式(2)で表される構造であることがより好ましい。なお、上記アルキル基は直鎖構造を有するアルキル基であってもよく、分岐構造を有するアルキル基であってもよい。
上記式(1)中のR2は、炭素数1〜3のアルキレン基であることが好ましく、メチレン基であることがより好ましい。上記式(1)中のR3は、炭素数1〜3のアルキレン基であることが好ましく、メチレン基であることがより好ましい。なお、上記アルキレン基は直鎖構造を有するアルキレン基であってもよく、分岐構造を有するアルキレン基であってもよい。また、上記R2と上記R3とは、同一であってもよく、異なっていてもよい。
上記式(1)で表される構造では、フルオレン構造のベンゼン環のいずれの部位に、R2及びR3が結合されていてもよい。上記式(1)で表される構造を有する化合物は、下記式(1A)で表される構造を有する化合物であることが好ましい。
Figure 2009116618
上記式(1A)中、R1は水素原子、炭素数1〜5のアルキル基又は下記式(2)で表される構造を表し、R2は炭素数1〜5のアルキレン基を表し、R3は炭素数1〜5のアルキレン基を表し、X1は酸素原子又は硫黄原子を表し、X2は酸素原子又は硫黄原子を表す。
上記式(1)中のX1は、酸素原子又は硫黄原子である。上記式(1)中のX2は、酸素原子又は硫黄原子である。上記式(1)中のX1及びX2が酸素原子であると、上記式(1)で表される構造を有する化合物の融点を低くすることができ、硬化性組成物の貯蔵安定性を高めることができる。上記式(1)中のX1及びX2が硫黄原子であると、硬化性組成物の硬化速度を速くすることができ、かつ硬化物の線膨張率を低くすることができる。上記X1と上記X2とは同一であってもよく、異なっていてもよい。
上記式(2)中のR4は、炭素数1〜3のアルキレン基であることが好ましく、メチレン基であることがより好ましい。なお、上記アルキレン基は直鎖構造を有するアルキレン基であってもよく、分岐構造を有するアルキレン基であってもよい。上記アルキレン基の炭素数が小さいと、硬化性組成物の硬化速度が高くなる。
上記式(2)で表される構造では、ベンゼン環のいずれの部位に、R4が結合されていてもよい。上記式(2)で表される構造は、下記式(2A)で表される構造であることが好ましい。
Figure 2009116618
上記式(2A)中、R4は炭素数1〜5のアルキレン基を表し、X3は酸素原子又は硫黄原子を表す。
上記式(2)中のX3は、酸素原子又は硫黄原子である。上記式(2)中のX3が酸素原子であると、上記式(1)で表される構造を有する化合物の融点を低くすることができ、硬化性組成物の貯蔵安定性を高めることができる。上記式(2)中のX3が硫黄原子であると、硬化性組成物の硬化速度を速くすることができ、かつ硬化物の線膨張率を低くすることができる。上記X3は、上記X1及び上記X2と同一であってもよく、異なっていてもよい。
上記式(1)で表される構造を有する化合物は、フルオレン構造を有し、エポキシ基及びチイラン基の合計が2個以上であればよく、フルオレン構造と、少なくとも2個のエポキシ基及び少なくとも2個のチイラン基の内の少なくとも一種とを有することが好ましい。本発明の硬化性組成物は、上記成分Aを含むため、線膨張率が低い硬化物を得ることができる。
さらに、本発明の硬化性組成物に導電性粒子を添加し、該導電性粒子を含む組成物を回路基板の電極と電子部品の電極との間の電極間の接続に用いると、該電極間の接続信頼性を高めることができる。
上記式(1)で表される構造を有する化合物としては、より具体的には、下記式(1B)で表される化合物が挙げられる。下記式(1B)で表される化合物は、上記式(1A)におけるR2がメチレン基、R3がメチレン基、X1が酸素原子、X2が酸素原子であり、かつR1が上記式(2A)で表される構造を有し、上記式(2A)におけるR4がメチレン基、X3が酸素原子である化合物である。上記式(1)及び(2)中のX1、X2及びX3が酸素原子であるため、下記式(1B)で表される化合物は、エポキシ化合物である。
Figure 2009116618
また、上記式(1)で表される構造を有する化合物としては、より具体的には、下記式(1C)で表される化合物が挙げられる。下記式(1C)で表される化合物は、上記式(1A)におけるR2がメチレン基、R3がメチレン基、X1が硫黄原子、X2が硫黄原子であり、かつR1が上記式(2A)で表される構造を有し、上記式(2A)におけるR4がメチレン基、X3が硫黄原子である化合物である。上記式(1)及び(2)中のX1、X2及びX3が硫黄原子であるため、下記式(1C)で表される化合物は、三員環構造を有するチイラン基含有化合物である。
Figure 2009116618
上記式(1)で表される構造を有する化合物は、単量体である。本発明では、上記式(1)で表される構造を有する化合物の単量体にかえて、又は該化合物の単量体とともに、上記式(1)で表される構造を有する化合物が少なくとも2個結合された多量体を用いてもよい。なかでも、上記成分Aは、上記式(1)で表される構造を有する化合物の単量体、該化合物が2〜10個結合された多量体、又は該単量体と該多量体との混合物であることが好ましく、上記化合物の単量体、該化合物が2〜3個結合された多量体、又は該単量体と該多量体との混合物であることがより好ましく、さらに該単量体と該多量体との混合物であることがより好ましい。上記式(1)で表される構造を有する化合物が10個を超えて結合された多量体を用いると、硬化性組成物の粘度が高くなりすぎることがある。なお、上記式(1)で表される構造を有する化合物の単量体を合成すると、副生成物として、上記単量体が2個又は3個結合された多量体が含まれたり、保管条件によって、上記単量体が2個以上結合したりすることがある。
上記式(1)で表される構造を有する化合物に相当するエポキシ化合物は、例えば、以下のようにして合成できる。
原料化合物である、水酸基を有するフルオレン化合物と、エピクロルヒドリンと、水酸化ナトリウムと、メタノールとを混合し、冷却し、反応させる。その後、水酸化ナトリウム水溶液を滴下する。滴下の後、さらに反応させ、反応液を得る。次に、反応液に水とトルエンとを加え、トルエン層を取り出す。トルエン層を水で洗浄した後、乾燥し、水と溶媒とを除去する。このようにして、上記式(1)で表される構造を有する化合物に相当するエポキシ化合物を容易に得ることができる。なお、原料化合物である、水酸基を有するフルオレン化合物は、例えばJFEケミカル社等から市販されている。
また、上記式(1)で表される構造を有する化合物に相当するチイラン基含有化合物は、上記式(1)で表される構造を有する化合物に相当するエポキシ化合物のエポキシ基を、チイラン基に変換することにより合成できる。例えば、チオシアン酸塩を含む溶液に、原料化合物であるエポキシ化合物又は該エポキシ化合物を含む溶液を添加した後、チオシアン酸塩を含む溶液をさらに添加することにより、エポキシ基をチイラン基に容易に変換できる。
本発明の硬化性組成物100重量%中に、上記成分Aは5〜60重量%の範囲内で含有されていることが好ましく、10〜50重量%の範囲内で含有されていることがより好ましい。上記成分Aの含有量が少なすぎると、線膨張率が充分に低い硬化物が得られないことがある。上記成分Aの含有量が多すぎると、硬化剤の含有量が相対的に少なくなり、上記成分A等を充分に硬化させることができないことがある。
上記エポキシ基及びチイラン基の内の少なくとも一種を有する成分100重量%中の上記成分Aの含有量は、5〜100重量%の範囲内であることが好ましい。また、上記成分Aと該成分A以外の他のエポキシ成分とが併用される場合には、上記エポキシ基及びチイラン基の内の少なくとも一種を有する成分100重量%中の上記成分Aの含有量は、5〜90重量%の範囲内にあることが好ましい。上記成分Aの含有量が上記好ましい範囲内にある場合には、線膨張率がより一層低い硬化物を得ることができる。上記エポキシ基及びチイラン基の内の少なくとも一種を有する成分100重量%中の上記成分Aの含有量のより好ましい下限は10重量%であり、さらに好ましい下限は15重量%であり、より好ましい上限は80重量%であり、より好ましい上限は60重量%であり、より好ましい上限は30重量%であり、さらに好ましい上限は20重量%である。
上記エポキシ基及びチイラン基の内の少なくとも一種を有する成分は、上記成分A以外の他のエポキシ成分として、下記式(11)で表される構造を有するエポキシ化合物の単量体、該エポキシ化合物が少なくとも2個結合された多量体、又は該単量体と該多量体との混合物であるエポキシ成分(以下、エポキシ成分Bと略記することがある)をさらに含むことが好ましい。上記エポキシ成分Bは、下記式(11)で表される構造を有するエポキシ化合物の単量体、該エポキシ化合物が少なくとも2個結合された多量体、及び該単量体と該多量体との混合物の内のいずれかである。
Figure 2009116618
上記式(11)中、R11は炭素数1〜10のアルキレン基を表し、R12は炭素数1〜10のアルキレン基を表し、R13は水素原子、炭素数1〜10のアルキル基又は下記式(12)で表される構造を表し、R14は水素原子、炭素数1〜10のアルキル基又は下記式(13)で表される構造を表す。
Figure 2009116618
上記式(12)中、R15は炭素数1〜10のアルキレン基を表す。
Figure 2009116618
上記式(13)中、R16は炭素数1〜10のアルキレン基を表す。
上記式(11)〜(13)における上記アルキレン基の炭素数が10を超えると、硬化性組成物の硬化速度が低下することがある。また、上記式(11)における上記アルキル基の炭素数が10を超えると、硬化性組成物の硬化速度が低下することがある。上記式(11)〜(13)におけるアルキレン基及び上記アルキル基の炭素数が小さいと、硬化性組成物の硬化速度が高くなる。
上記式(11)中のR11は、炭素数1〜6のアルキレン基であることが好ましく、炭素数1〜5のアルキレン基であることがより好ましく、炭素数1〜3のアルキレン基であることがより好ましく、メチレン基又はエチレン基であることがより好ましく、さらにメチレン基であることがより好ましい。上記式(11)中のR12は、炭素数1〜6のアルキレン基であることが好ましく、炭素数1〜5のアルキレン基であることがより好ましく、炭素数1〜3のアルキレン基であることがより好ましく、メチレン基又はエチレン基であることがより好ましく、さらにメチレン基であることがより好ましい。なお、上記アルキレン基は直鎖構造を有するアルキレン基であってもよく、分岐構造を有するアルキレン基であってもよい。また、上記R11と上記R12とは、同一であってもよく、異なっていてもよい。
上記式(11)中のR13は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基又は上記式(12)で表される構造であることが好ましく、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基又は上記式(12)で表される構造であることが好ましく、水素原子、炭素数1〜3のアルキル基又は上記式(12)で表される構造であることがより好ましく、水素原子、メチル基、エチル基又は上記式(12)で表される構造であることがより好ましく、さらに水素原子、メチル基又は上記式(12)で表される構造であることがより好ましい。上記式(11)中のR14は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基又は上記式(13)で表される構造であることが好ましく、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基又は上記式(13)で表される構造であることがより好ましく、水素原子、炭素数1〜3のアルキル基又は上記式(13)で表される構造であることがより好ましく、水素原子、メチル基、エチル基又は上記式(13)で表される構造であることがより好ましく、さらに水素原子、メチル基又は上記式(13)で表される構造であることがより好ましい。なお、上記アルキル基は直鎖構造を有するアルキル基であってもよく、分岐構造を有するアルキル基であってもよい。また、上記R13と上記R14とは、同一であってもよく、異なっていてもよい。
上記式(12)中のR15は、炭素数1〜6のアルキレン基であることが好ましく、炭素数1〜5のアルキレン基であることがより好ましく、炭素数1〜3のアルキレン基であることがより好ましく、メチレン基又はエチレン基であることがより好ましく、さらにメチレン基であることがより好ましい。上記式(13)中のR16は、炭素数1〜6のアルキレン基であることが好ましく、炭素数1〜5のアルキレン基であることがより好ましく、炭素数1〜3のアルキレン基であることがより好ましく、メチレン基又はエチレン基であることがより好ましく、さらにメチレン基であることがより好ましい。なお、上記アルキレン基は直鎖構造を有するアルキレン基であってもよく、分岐構造を有するアルキレン基であってもよい。
上記式(11)で表される構造を有するエポキシ化合物は、不飽和二重結合と、少なくとも2個のエポキシ基とを有することを特徴とする。上記エポキシ成分Bの使用により、硬化性組成物を低温で速やかに硬化させることができる。さらに、硬化性組成物に上記エポキシ成分Bと導電性粒子とを添加し、該エポキシ成分Bと導電性粒子とを含む組成物を回路基板又は電子部品等の電極間の接続に用いると、該電極間を効率的に接続できる。
上記式(11)で表される構造を有するエポキシ化合物としては、例えば、上記式(11)中、R11がメチレン基、R12がメチレン基、R13が水素原子、及び、R14が水素原子であるエポキシ化合物、上記式(11)中、R11がメチレン基、R12がメチレン基、R13が下記式(14)で表される構造、及び、R14が水素原子であるエポキシ化合物、並びに上記式(11)中、R11がメチレン基、R12がメチレン基、及び、R13及びR14がそれぞれ下記式(14)で表される構造であるエポキシ化合物等が挙げられる。
Figure 2009116618
硬化性組成物を低温でより一層速やかに硬化させることができるので、上記式(11)中のR13及びR14は水素原子であることが好ましい。すなわち、上記式(11)で表される構造を有するエポキシ化合物は、下記式(11A)で表される構造を有するエポキシ化合物であることが好ましい。
Figure 2009116618
上記式(11A)中、R11は炭素数1〜10のアルキレン基を表し、R12は炭素数1〜10のアルキレン基を表す。
また、硬化性組成物を低温でさらに一層速やかに硬化させることができるので、上記式(11)中、R11がメチレン基、R12がメチレン基、R13が水素原子、及び、R14が水素原子である、下記式(11B)で表されるエポキシ化合物がより好ましい。
Figure 2009116618
上記式(11)で表される構造を有するエポキシ化合物は、単量体である。本発明では、上記式(11)で表される構造を有するエポキシ化合物の単量体にかえて、又は該エポキシ化合物の単量体とともに、上記式(11)で表される構造を有するエポキシ化合物が少なくとも2個結合された多量体を用いてもよい。なかでも、上記エポキシ成分Bは、上記式(11)で表される構造を有するエポキシ化合物の単量体、該エポキシ化合物が2〜10個結合された多量体、又は該単量体と該多量体との混合物であることが好ましく、上記エポキシ化合物の単量体、該エポキシ化合物が2個又は3個結合された多量体、又は該単量体と該多量体との混合物であることがより好ましく、さらに該単量体と該多量体との混合物であることがより好ましい。上記式(11)で表される構造を有するエポキシ化合物が10個を超えて結合された多量体を用いると、硬化性組成物の粘度が高くなりすぎることがある。なお、上記式(11)で表される構造を有するエポキシ化合物の単量体を用いた場合には、副生成物として、上記単量体が2個又は3個結合された多量体が含まれたり、保管条件によって、上記単量体が2個以上結合したりすることがある。
本発明の硬化性組成物100重量%中に、上記エポキシ成分Bは10〜50重量%の範囲内で含有されることが好ましい。上記エポキシ成分Bの含有量が少なすぎると、低温での硬化速度を充分に高めることができないことがある。上記エポキシ成分Bの含有量が多すぎると、硬化剤の含有量が相対的に少なくなり、成分A及びエポキシ成分B等を充分に硬化させることができないことがある。
上記エポキシ基及びチイラン基の内の少なくとも一種を有する成分100重量%中の上記エポキシ成分Bの含有量は、1〜50重量%の範囲内であることが好ましい。上記エポキシ成分Bの含有量がこの好ましい範囲内にある場合には、硬化性組成物を低温でより一層速やかに硬化させることができる。上記エポキシ基及びチイラン基の内の少なくとも一種を有する成分100重量%中の上記エポキシ成分Bの含有量のより好ましい下限は3重量%であり、さらに好ましい下限は5重量%であり、より好ましい上限は40重量%であり、さらに好ましい上限は30重量%である。
本発明の硬化性組成物は、上記成分A及び上記エポキシ成分B以外の他のエポキシ成分(以下、エポキシ成分Cともいう)を含んでいてもよい。
上記エポキシ基及びチイラン基の内の少なくとも一種を有する成分は、上記エポキシ成分Cとして、窒素原子を含む複素環を有するエポキシ化合物C3を含むことが好ましい。エポキシ化合物C3の使用により、硬化性組成物の硬化物の耐熱性をより一層高くすることができる。また、硬化物の耐熱性をより一層高くすることができるので、窒素原子を含む複素環はトリアジン骨格であることが好ましい。
また、上記エポキシ基及びチイラン基の内の少なくとも一種を有する成分は、上記エポキシ成分Cとして、上記エポキシ化合物C3以外のエポキシ樹脂C1を含んでいてもよい。また、上記エポキシ基及びチイラン基の内の少なくとも一種を有する成分は、上記エポキシ化合物C3及びエポキシ樹脂C1以外のエポキシ化合物C2を含んでいてもよい。
本発明の硬化性組成物は、上記エポキシ化合物C2又は上記エポキシ化合物C3を含むことが好ましく、上記エポキシ化合物C2を含むことがより好ましく、さらに上記エポキシ化合物C2と上記エポキシ化合物C3とを含むことがより好ましい。
上記エポキシ成分Bを含む組成物の粘度は比較的低い。上記エポキシ成分Bと、上記エポキシ化合物C2との併用により、硬化性組成物の粘度を高めることができる。また、上記エポキシ成分Bと上記エポキシ化合物C3との併用により、硬化性組成物の硬化速度をより一層速くしたり、硬化性組成物の硬化物の耐熱性を高めたりすることができる。特に上記エポキシ成分Bと上記エポキシ化合物C2と上記エポキシ化合物C3との併用により、硬化性組成物の硬化速度を速くし、硬化性組成物の硬化物の耐熱性を高くし、さらに、硬化性組成物を塗工しやすくすることができる。
なお、「エポキシ樹脂」とは、一般的には、1分子中にエポキシ基を2個以上有し、かつ分子量10,000以下の低分子量のポリマーもしくはプレポリマー、又は該ポリマーもしくはプレポリマーのエポキシ基の開環反応によって生じた硬化性樹脂である。硬化性樹脂は、熱硬化性樹脂であってもよく、光硬化性樹脂であってもよい。
上記エポキシ樹脂C1の具体例としては、ビスフェノール型エポキシ樹脂、エポキシノボラック樹脂、又はナフタレン構造を有するエポキシ樹脂等が挙げられる。
上記エポキシ化合物C2の市販品としては、例えば、アデカレジンEP−3300S及びアデカレジンEP−3300E(以上、いずれもADEKA社製)が挙げられる。硬化性組成物は、アデカレジンEP−3300S及びアデカレジンEP−3300Eの内の少なくとも一方を含むことが好ましく、アデカレジンEP−3300Sを含むことがより好ましい。これらの好ましい市販品の使用により、硬化性組成物の粘度を効果的に高めることができる。
また、上記エポキシ化合物C2は、芳香族環を有するエポキシ化合物であることが好ましい。上記エポキシ基及びチイラン基の内の少なくとも一種を有する成分は、芳香族環を有するエポキシ化合物を含むことが好ましい。芳香族環を有するエポキシ化合物の使用により、硬化性組成物の硬化速度を速くし、硬化性組成物を塗工しやすくすることができる。
上記芳香族環は、ベンゼン環、ナフタレン環又はアントラセン環であることが好ましく、ベンゼン環又はナフタレン環であることがより好ましい。この場合には、硬化性組成物をさらに一層塗工しやすくすることができる。
上記芳香族環を有するエポキシ化合物としては、レゾルシノールジグリシジルエーテル又は1,6−ナフタレンジグリシジルエーテルが挙げられ、レゾルシノールジグリシジルエーテルが特に好ましい。レゾルシノールジグリシジルエーテルの使用により、硬化性組成物の硬化速度を速くし、硬化性組成物を塗工しやすくすることができる。
硬化性組成物の硬化速度をより一層速くすることができるので、上記トリアジン骨格を有するエポキシ化合物C3は、少なくとも2つのエポキシ基を有することが好ましく、3つのエポキシ基を有することがより好ましい。
上記エポキシ化合物C3は、下記式(16)又は下記式(17)で表されるエポキシ化合物であることが好ましい。これらの好ましいエポキシ化合物の使用により、硬化性組成物の硬化速度を速くし、硬化性組成物の硬化物の耐熱性をより一層高めることができる。
Figure 2009116618
上記式(16)中、R21〜R23はそれぞれ炭素数1〜5のアルキレン基を表し、Zはエポキシ基又はヒドロキシメチル基を表す。R21〜R23は同一であってもよく、異なっていてもよい。
Figure 2009116618
上記式(17)中、R24〜R26はそれぞれ炭素数1〜5のアルキレン基を示し、p、q及びrはそれぞれ1〜5の整数を示し、R27〜R29はそれぞれ炭素数1〜5のアルキレン基を示す。R24〜R26は同一であってもよく、異なっていてもよい。p、q及びrは同一であってもよく、異なっていてもよい。R27〜R29は同一であってもよく、異なっていてもよい。
上記式(16)中のR21〜R23の炭素数が5を超えると、硬化性組成物の硬化速度が低くなることがある。R21〜R23の炭素数が小さいと、硬化性組成物の硬化速度が高くなる。上記式(16)中のR21〜R23はそれぞれ、炭素数1〜3のアルキレン基であることが好ましく、メチレン基又はエチレン基であることがより好ましく、さらにメチレン基であることがより好ましい。
上記式(16)中のZはエポキシ基であることが好ましい。この場合には、硬化性組成物の硬化速度を速くし、硬化性組成物の硬化物の耐熱性をより一層高めることができる。
上記式(17)中のR24〜R26の炭素数が5を超えると、硬化性組成物の硬化速度が低くなることがある。R24〜R26の炭素数が小さいと、硬化性組成物の硬化速度が高くなる。上記式(17)中のR24〜R26はそれぞれ、炭素数2〜4のアルキレン基であることが好ましく、炭素数2又は3のアルキレン基であることがより好ましく、さらにエチレン基であることがより好ましい。
また、上記式(17)中のp、q及びrが5を超えると、硬化性組成物の硬化速度が低くなることがある。p、q及びrが小さいと、硬化性組成物の硬化速度が高くなる。上記式(17)中のp、q及びrはそれぞれ、1〜3の整数であることが好ましく、1又は2であることがより好ましく、さらに1であることがより好ましい。
上記式(17)中のR27〜R29の炭素数が5を超えると、硬化性組成物の硬化速度が低くなることがある。R27〜R29の炭素数が小さいと、硬化性組成物の硬化速度が高くなる。上記式(17)中のR27〜R29はそれぞれ、炭素数1〜3のアルキレン基であることが好ましく、メチレン基又はエチレン基であることがより好ましく、さらにメチレン基であることがより好ましい。
上記エポキシ化合物C3は、上記式(16)で表されるエポキシ化合物であることがより好ましい。上記式(16)で表されるエポキシ化合物の使用により、硬化性組成物の硬化速度を速くし、硬化性組成物の硬化物の耐熱性をさらに一層高めることができる。
上記エポキシ化合物C3は、トリスヒドロキシエチルイソシアヌレートトリグリシジルエーテル又はトリグリシジルイソシアヌレートであることが好ましく、トリグリシジルイソシアヌレートであることがより好ましい。すなわち、上記エポキシ化合物C3は、下記式(16A)又は下記式(17A)で表されるエポキシ化合物であることが好ましく、下記式(16A)で表されるエポキシ化合物であることがより好ましい。これらの好ましいエポキシ化合物の使用により、硬化性組成物の硬化速度をさらに一層高めることができる。
Figure 2009116618
Figure 2009116618
硬化性組成物100重量%中に、上記エポキシ成分Cは0.1〜45重量%の範囲内で含有されることが好ましい。
硬化性組成物100重量%中に、上記エポキシ化合物C2は20〜40重量%の範囲内で含有されることが好ましい。上記エポキシ化合物C2の含有量がこの好ましい範囲内にあることにより、硬化性組成物の粘度をより一層効果的に高めることができる。
上記エポキシ基及びチイラン基の内の少なくとも一種を有する成分100重量%中の上記エポキシ化合物C2の含有量は、5〜95重量%の範囲内であることが好ましい。また、上記エポキシ化合物C2が芳香族環を有するエポキシ化合物であって、上記エポキシ基及びチイラン基の内の少なくとも一種を有する成分100重量%中の芳香族環を有する化合物の含有量が、5〜95重量%の範囲内であることが好ましい。上記エポキシ化合物C2又は芳香族環を有するエポキシ化合物の含有量がこの好ましい範囲内にあることにより、硬化性組成物の粘度をより一層効果的に高めることができる。上記エポキシ基及びチイラン基の内の少なくとも一種を有する成分100重量%中の上記エポキシ化合物C2又は芳香族環を有するエポキシ化合物の含有量のより好ましい下限は15重量%であり、さらに好ましい下限は35重量%であり、より好ましい上限は75重量%であり、さらに好ましい上限は60重量%である。
硬化性組成物100重量%中に、上記エポキシ化合物C3は0.1〜5重量%の範囲内で含有されることが好ましい。上記エポキシ化合物C3の含有量がこの好ましい範囲内にあることにより、硬化性組成物の硬化速度をより一層速くすることができる。
また、上記エポキシ基及びチイラン基の内の少なくとも一種を有する成分100重量%中の上記エポキシ化合物C3の含有量は0.1〜10重量%の範囲内であることが好ましい。また、上記エポキシ化合物C3が窒素原子を含む複素環を有するエポキシ化合物であって、上記エポキシ基及びチイラン基の内の少なくとも一種を有する成分100重量%中の窒素原子を含む複素環を有するエポキシ化合物の含有量が、0.1〜10重量%の範囲内であることが好ましい。上記エポキシ化合物C3又は窒素原子を含む複素環を有するエポキシ化合物の含有量がこの好ましい範囲内にあることにより、硬化性組成物の硬化速度を速くし、硬化性組成物の硬化物の耐熱性をより一層高めることができる。
硬化性組成物の粘度(25℃)は、20,000〜100,000mPa・sの範囲内にあることが好ましい。
また、硬化性組成物の塩素イオン濃度は、500ppm以下であることが好ましい。上記塩素イオン濃度が高すぎると、硬化性組成物の硬化速度が遅くなることがある。なお、上記塩素イオン濃度は、例えば、ICP発光分析により測定できる。
上記硬化剤は特に限定されない。上記硬化剤としては、イミダゾール硬化剤、アミン硬化剤、フェノール硬化剤、ポリチオール硬化剤又は酸無水物等が挙げられる。なかでも、硬化性組成物を低温でより一層速やかに硬化させることができるので、イミダゾール硬化剤、ポリチオール硬化剤又はアミン硬化剤が好ましい。また、上記エポキシ基及びチイラン基の内の少なくとも一種を有する成分と上記硬化剤とを混合したときに保存安定性を高めることができるので、潜在性の硬化剤が好ましい。潜在性の硬化剤は、潜在性イミダゾール硬化剤、潜在性ポリチオール硬化剤又は潜在性アミン硬化剤であることが好ましい。これらの硬化剤は1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。なお、上記硬化剤は、ポリウレタン樹脂又はポリエステル樹脂等の高分子物質で被覆されていてもよい。
上記イミダゾール硬化剤としては、特に限定されないが、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテート、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン又は2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加物等が挙げられる。
上記ポリチオール硬化剤としては、特に限定されないが、トリメチロールプロパン トリス−3−メルカプトプロピオネート、ペンタエリスリトール テトラキス−3−メルカプトプロピオネート又はジペンタエリスリトール ヘキサ−3−メルカプトプロピオネート等が挙げられる。
上記アミン硬化剤としては、特に限定されないが、ヘキサメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、3,9−ビス(3−アミノプロピル)2,4,8,10−テトラスピロ[5.5]ウンデカン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、メタフェニレンジアミン又はジアミノジフェニルスルホン等が挙げられる。
上記硬化剤の含有量は特に限定されない。上記エポキシ基及びチイラン基の内の少なくとも一種を有する成分の合計100重量部に対して、上記硬化剤は1〜40重量部の範囲内で含有されることが好ましい。上記硬化剤の含有量が1重量部未満であると、硬化性組成物が充分に硬化しないことがある。上記硬化剤の含有量が40重量部を超えると、硬化性組成物の硬化物の耐熱性が低下することがある。なお、「エポキシ基及びチイラン基の内の少なくとも一種を有する成分の合計100重量部」とは、上記成分A以外の他のエポキシ成分が含まれない場合には、上記成分A100重量部を意味し、上記成分A以外の他のエポキシ成分が含まれる場合には、上記成分Aと他のエポキシ成分との合計100重量部を意味する。
なお、上記硬化剤がイミダゾール硬化剤又はフェノール硬化剤である場合、上記エポキシ基及びチイラン基の内の少なくとも一種を有する成分の合計100重量部に対して、イミダゾール硬化剤又はフェノール硬化剤は、1〜15重量部の範囲内で含有されることが好ましい。また、上記硬化剤がアミン硬化剤、ポリチオール硬化剤又は酸無水物である場合、上記エポキシ基及びチイラン基の内の少なくとも一種を有する成分の合計100重量部に対して、アミン硬化剤、ポリチオール硬化剤又は酸無水物は15〜40重量部の範囲内で含有されることが好ましい。
本発明の硬化性組成物は、溶剤をさらに含有していてもよい。例えば、上記成分Aが固形である場合に、固形の上記成分Aに溶剤を添加すると、上記成分Aは溶剤に溶解するため、硬化性組成物中における上記成分Aの分散性を高めることができる。上記溶剤としては、例えば、酢酸エチル、メチルセロソルブ、トルエン、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、n−ヘキサン、テトラヒドロフラン又はジエチルエーテル等が挙げられる。
組成物の粘度を調整するために、あるいは塗布した組成物が濡れ広がらないようにするために、本発明の硬化性組成物は、重合性化合物をさらに含有していてもよい。上記重合性化合物は特に限定されない。上記重合性化合物としては、例えば、架橋性化合物又は非架橋性化合物が挙げられる。上記重合性化合物は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記架橋性化合物は特に限定されない。上記架橋性化合物の具体例としては、例えば、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、グリセリンメタクリレートアクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、(メタ)アクリル酸アリル、(メタ)アクリル酸ビニル、ジビニルベンゼン、ポリエステル(メタ)アクリレート、又はウレタン(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記非架橋性化合物は特に限定されない。上記非架橋性化合物の具体例としては、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、又はテトラデシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記重合性化合物の含有量は特に限定されない。上記エポキシ基及びチイラン基の内の少なくとも一種を有する成分の合計100重量部に対して、上記重合性化合物は10〜60重量部の範囲内で含有されることが好ましい。上記重合性化合物の含有量が10重量部未満であると、硬化性組成物の硬化物の耐熱性が低下することがある。上記重合性化合物の含有量が60重量部を超えると、硬化性組成物の粘度が高くなりすぎることがある。
被着体に対する、硬化性組成物の硬化物の接着力を高めることができるので、本発明の硬化性組成物は、接着力調整剤を含有することが好ましい。上記接着力調整剤は、シランカップリング剤であることが好ましい。
上記シランカップリング剤は特に限定されない。上記シランカップリング剤としては、例えば、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルジメチルエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、ドデシルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、t−ブチルイソブチルジエトキシシラン、メチルフェニルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン又はメチルフェニルジメトキシシラン等が挙げられる。上記シランカップリング剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記シランカップリング剤の含有量は特に限定されない。上記エポキシ基及びチイラン基の内の少なくとも一種を有する成分の合計100重量部に対して、上記シランカップリング剤は4〜20重量部の範囲内で含有されることが好ましい。上記シランカップリング剤の含有量が4重量部未満であると、被着体に対する、硬化性組成物の硬化物の接着力が低下することがある。上記シランカップリング剤の含有量が20重量部を超えると、硬化性組成物が硬化しにくくなることがある。
本発明の硬化性組成物は、無機粒子を含有することが好ましい。上記無機粒子の使用により、硬化性組成物の硬化物の潜熱膨張を抑制できる。上記無機粒子は特に限定されない。上記無機粒子としては、シリカ、窒化アルミニウム、又はアルミナ等が挙げられる。上記無機粒子は1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記無機粒子の含有量は特に限定されない。上記エポキシ基及びチイラン基の内の少なくとも一種を有する成分の合計100重量部に対して、上記無機粒子は3〜900重量部の範囲内で含有されることが好ましい。上記無機粒子の含有量が3重量部未満であると、硬化性組成物の硬化物の潜熱膨張を抑制できないことがある。上記無機粒子の含有量が900重量部を超えると、硬化性組成物中に無機粒子が充分に分散しないことがある。
本発明の硬化性組成物は、光照射または加熱により反応活性種を生じさせる重合開始剤を含有していてもよい。上記重合開始剤の使用により、硬化性組成物の硬化速度をより一層高めることができる。
上記重合開始剤は特に限定されない。上記重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン重合開始剤、ケタール重合開始剤、ハロゲン化ケトン、アシルホスフィノキシド、又はアシルホスフォナート等が挙げられる。上記アセトフェノン重合開始剤は特に限定されない。上記アセトフェノン重合開始剤の具体例としては、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、メトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−シクロヘキシルアセトフェノン等が挙げられる。また、上記ケタール重合開始剤は特に限定されない。上記ケタール重合開始剤の具体例としては、ベンジルジメチルケタール等が挙げられる。上記重合開始剤は1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記重合開始剤の含有量は特に限定されない。上記エポキシ基及びチイラン基の内の少なくとも一種を有する成分の合計100重量部に対して、上記重合開始剤は2〜10重量部の範囲内で含有されることが好ましい。上記重合開始剤の含有量が2重量部未満であると、重合開始剤を添加した効果が充分に得られないことがある。上記重合開始剤の含有量が10重量部を超えると、被着体に対する、硬化性組成物の硬化物の接着力が低下することがある。
本発明の硬化性組成物の製造方法は特に限定されない。硬化性組成物の製造方法の具体例としては、上記エポキシ基及びチイラン基の内の少なくとも一種を有する成分と、上記硬化剤と、必要に応じて添加される他の成分とを配合し、遊星式攪拌機等を用いて充分に混合する製造方法が挙げられる。
本発明の硬化性組成物は、一液型接着剤として、液晶パネル又は半導体チップ等の接着に用いることができる。本発明の硬化性組成物は、ペースト状の接着剤であってもよく、フィルム状の接着剤であってもよい。
本発明の硬化性組成物をフィルム状の接着剤に加工する方法は特に限定されない。例えば、本発明の硬化性組成物を離型紙等の基材に塗布し、フィルム状の接着剤に加工する方法、又は本発明の硬化性組成物に溶剤を加えて、離型紙等の基材に塗布した後、上記硬化剤の活性温度よりも低い温度で溶剤を揮発させ、フィルム状の接着剤に加工する方法等が挙げられる。
本発明の硬化性組成物を硬化させる方法としては、硬化性組成物を加熱する方法、硬化性組成物に光を照射し、次いで、硬化性組成物を加熱する方法、硬化性組成物に光を照射すると同時に、硬化性組成物を加熱する方法等が挙げられる。
本発明の硬化性組成物を硬化させる際の加熱温度は、160〜250℃の範囲内にあることが好ましく、160〜200℃の範囲内にあることがより好ましい。本発明の硬化性組成物は低温で硬化させることができるので、加熱に要するエネルギー量を低減できる。
従来の硬化性組成物では、上記加熱温度が200℃以下であると、硬化時間が長くなり、例えば加熱温度が200℃であれば硬化時間が10秒を超えてしまう。これに対し、本発明の硬化性組成物では、上記加熱温度が200℃以下であっても、短時間で硬化させることができ、例えば加熱温度が200℃であれば硬化時間は長くとも10秒未満にすることができる。なお、本明細書において、低温とは200℃以下の温度を意味する。
なお、本発明の硬化性組成物を硬化させる方法として、硬化性組成物に光を照射し、次いで、硬化性組成物を加熱する方法によれば、加熱のみする方法よりも、硬化性組成物を短時間で硬化させることができる。
本発明の硬化性組成物に光を照射する際に用いる光源は特に限定されない。該光源としては、例えば、波長420nm以下に充分な発光分布を有する光源等が挙げられる。また、光源の具体例としては、例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ケミカルランプ、ブラックライトランプ、マイクロウェーブ励起水銀灯、又はメタルハライドランプ等が挙げられる。なかでも、ケミカルランプが好ましい。ケミカルランプは、重合開始剤の活性波長領域の光を効率よく発光するとともに、組成物中の重合開始剤以外の他の成分の光吸収波長領域における発光量が少ない。さらに、ケミカルランプの使用により、組成物の内部に存在する重合開始剤まで効率よく光を到達させることができる。
例えば、アセトフェノン基を有する開裂型の重合開始剤が含有されている場合には、365nm〜420nmの波長領域での光照射強度は、0.1〜100mW/cmであることが好ましい。
(異方性導電材料)
本発明の硬化性組成物に導電性粒子を含有させることにより、異方性導電材料を得ることができる。
上記導電性粒子は、対向する電気的接続部分間、例えば回路基板の電極と電子部品の電極との間等を電気的に接続する。上記導電性粒子は、少なくとも外表面が導電性を有する粒子であれば特に限定されない。上記導電性粒子としては、例えば、有機粒子、無機粒子、有機無機ハイブリッド粒子、もしくは金属粒子等の表面を金属層で被覆した導電性粒子、又は実質的に金属のみで構成される金属粒子等が挙げられる。上記金属層は特に限定されない。上記金属層としては、金層、銀層、銅層、ニッケル層、パラジウム層、又は錫を含有する金属層等が挙げられる。
上記導電性粒子の含有量は特に限定されない。上記エポキシ基及びチイラン基の内の少なくとも一種を有する成分の合計100重量部に対して、上記導電性粒子は0.5〜5重量部の範囲内で含有されることが好ましい。上記導電性粒子の含有量が0.5重量部未満であると、電極同士を確実に導通させることができないことがある。導電性粒子の含有量が5重量部を超えると、導通されてはならない隣接する電極間で短絡が生じることがある。
異方性導電材料が液状又はペースト状である場合に、異方性導電材料の粘度(25℃)は、20,000〜100,000mPa・sの範囲内にあることが好ましい。上記粘度が低すぎると、導電性粒子が、異方性導電材料中において沈降してしまうことがある。上記粘度が高すぎると、導電性粒子が、異方性導電材料中に充分に分散しないことがある。
また、異方性導電材料の塩素イオン濃度は、500ppm以下であることが好ましい。上記塩素イオン濃度が高すぎると、異方性導電材料に含まれている硬化性組成物の硬化速度が遅くなることがある。
本発明の異方性導電材料は、異方性導電ペースト、異方性導電インク、異方性導電粘接着剤、異方性導電フィルム、又は異方性導電シート等として使用され得る。本発明の導電性粒子を含む異方性導電材料が、異方性導電フィルム又は異方性導電シート等のフィルム状の接着剤として使用される場合には、該導電性粒子を含むフィルム状の接着剤に、導電性粒子を含まないフィルム状の接着剤が積層されていてもよい。
(接続構造体)
本発明の硬化性組成物又は本発明の異方性導電材料を用いて、接続対象部材を接続することにより、接続構造体を得ることができる。接続対象部材は、電子部品及び回路基板の内の少なくとも一方であることが好ましい。
上記接続構造体は、第1の接続対象部材と、第2の接続対象部材と、第1,第2の接続対象部材を接続している接続部とを備え、該接続部が、本発明の異方性導電材料又は本発明の硬化性組成物により形成されていることが好ましい。接続部は、本発明の異方性導電材料又は本発明の硬化性組成物を硬化させることにより形成された硬化物層である。
上記接続構造体は、第1の接続対象部材と、第2の接続対象部材と、第1,第2の接続対象部材を電気的に接続している接続部とを備えることが好ましい。この接続部は、本発明の異方性導電材料により形成されている。また、この接続部は硬化物層であり、本発明の異方性導電材料を硬化させることにより形成されている。
上記第1,第2の接続対象部材は、電気的に接続される第1,第2の電気的接続対象部材であってもよい。上記第1,第2の電気的接続対象部材としては、互いに電気的に接続されるべき、様々な電気的接続対象部材が挙げられる。例えば、第1,第2の電気的接続対象部材は、一方が回路基板の電極、他方がICチップ等の電子部品チップの電極であってもよい。また、第1,第2の電気的接続対象部材は、双方が電極である必要は必ずしもない。
図1は、本発明の一実施形態に係る硬化性組成物と、導電性粒子とを含む異方性導電材料を用いた接続構造体を模式的に示す正面断面図である。
図1に示す接続構造体1は、第1の接続対象部材2と、第2の接続対象部材3と、第1,第2の接続対象部材2,3とを電気的に接続している接続部4とを備える。接続部4は、硬化物層であり、複数の導電性粒子5を含む異方性導電材料としての異方性導電ペーストを用いて形成されている。
第1の接続対象部材2の上面2aに、複数の電極2bが設けられている。第2の接続対象部材3の下面3aに、複数の電極3bが設けられている。第1の接続対象部材2の上面2aに、導電性粒子1を含有する異方性導電ペーストにより形成された硬化物層4を介して、第2の接続対象部材3が積層されている。電極2bと電極3bとが、導電性粒子5により電気的に接続されている。
上記接続構造体としては、具体的には、回路基板上に、半導体チップ、コンデンサチップ、ダイオードチップ等の電子部品チップが搭載されており、かつ回路基板上の電極と電気的に接続されている接続構造体を挙げることができる。回路基板としては、フレキシブルプリント基板等の様々なプリント基板、並びにガラス基板又は金属箔が積層された基板等の様々な回路基板を挙げることができる。
本発明の接続構造体の製造方法は特に限定されない。接続構造体の製造方法としては、例えば、電子部品又は回路基板等の第1の接続対象部材と、電子部品又は回路基板等の第2の接続対象部材との間に上記異方性導電材料を配置して、積層体を得た後、該積層体を加熱し、加圧する製造方法等が挙げられる。
以下、本発明について、実施例および比較例を挙げて具体的に説明する。本発明は、以下の実施例のみに限定されない。
異方性導電ペーストを得るために、下記の材料を用意した。
(1)成分A
上記成分Aとして、R1、R2、R3、X1及びX2が、下記の表1〜15に示す基である各種の化合物を用意した。なお、表1〜15では、R1が式(2A)で表される構造を有する場合には、R1欄に「式(2A)」と記載し、更に、式(2A)中のR4及びX3を示した。なお、配合の際に上記成分Aは、上記化合物の単量体と多量体との混合物であった。
(2)エポキシ成分B
上記エポキシ成分Bとして、R11、R12、R13及びR14が、下記の表1〜15に示す基である各種の化合物を用意した。なお、配合の際に上記エポキシ成分Bは、上記化合物の単量体と多量体との混合物であった。
(3)エポキシ成分C
エポキシ樹脂C1:ビスフェノールA型エポキシ樹脂
エポキシ化合物C2−1:アデカレジンEP−3300S(ADEKA社製)
エポキシ化合物C2−2:レゾルシノールジグリシジルエーテル
エポキシ化合物C3−1:トリグリシジルイソシアヌレート(上記式(16A)で表されるエポキシ化合物
エポキシ化合物C3−2:トリスヒドロキシエチルイソシアヌレートトリグリシジルエーテル(上記式(17A)で表されるエポキシ化合物)
(4)溶剤
酢酸エチル
(5)硬化剤
1,2−ジメチルイミダゾール
イミダゾール硬化剤(アミンアダクト型硬化剤、味の素ファインテクノ社製「アミキュアPN−23J」)
アミン硬化剤(エチレンジアミン)
ポリチオール硬化剤(SC有機化学社製「TMMP:トリメチロールプロパントリス−3−メルカプトプロピオネート」)
フェノール硬化剤(住友ベークライト社製「スミライト−PR−HF−3」)
酸無水物(ジャパンエポキシレジン社製「YH−307」)
(実施例1)
上記成分Aとして、上記式(1B)で表されるエポキシ化合物を用意した。上記式(1B)で表される化合物は、上記式(1A)におけるR2がメチレン基、R3がメチレン基、X1が酸素原子、X2が酸素原子であり、かつR1が上記式(2A)で表される構造を有し、上記式(2A)におけるR4がメチレン基、X3が酸素原子である化合物である。
上記成分Aとして上記式(1B)で表されるエポキシ化合物100重量部及び酢酸エチル20重量部を含有する混合物120重量部と、平均粒子径0.02μmのシリカ粒子7重量部と、硬化剤としてイミダゾール硬化剤(アミンアダクト型硬化剤、味の素ファインテクノ社製「アミキュアPN−23J」)40重量部と、シランカップリング剤として3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン4.5重量部と、平均粒子径3μmの導電性粒子2重量部とを配合し、組成物を得た。なお、用いた上記導電性粒子は、ジビニルベンゼン樹脂粒子の表面にニッケルめっき層が形成されており、かつ該ニッケルめっき層の表面に金めっき層が形成されている金属層を有する導電性粒子である。
遊星式攪拌機を用いて、2000rpmで得られた組成物を8分間攪拌し、ナイロン製ろ紙(孔径10μm)を用いてろ過し、異方性導電材料として異方性導電ペーストを作製した。
(実施例2)
上記式(1B)で表されるエポキシ化合物100重量部及び酢酸エチル20重量部を含有する混合物120重量部にかえて、上記成分Aとして上記式(1B)で表されるエポキシ化合物50重量部と、上記エポキシ成分Bとして上記式(11B)で表されるエポキシ化合物50重量部とを用いたこと以外は実施例1と同様にして、異方性導電ペーストを得た。
(実施例3)
上記式(1B)で表されるエポキシ化合物100重量部及び酢酸エチル20重量部を含有する混合物120重量部にかえて、上記成分Aとして上記式(1B)で表されるエポキシ化合物30重量部と、上記エポキシ成分Bとして上記式(11B)で表されるエポキシ化合物40重量部と、上記エポキシ化合物C2−1としてアデカレジンEP−3300S(ADEKA社製)30重量部とを用いたこと以外は実施例1と同様にして、異方性導電ペーストを得た。
(実施例4)
上記式(1B)で表されるエポキシ化合物100重量部及び酢酸エチル20重量部を含有する混合物120重量部にかえて、上記成分Aとして上記式(1B)で表されるエポキシ化合物30重量部と、上記エポキシ成分Bとして上記式(11B)で表されるエポキシ化合物40重量部と、上記エポキシ化合物C2−1としてのアデカレジンEP−3300S(ADEKA社製)25重量部と、上記エポキシ化合物C3−1としての上記式(16A)で表されるエポキシ化合物5重量部とを用いたこと以外は実施例1と同様にして、異方性導電ペーストを得た。
(比較例1)
上記エポキシ樹脂C1としてビスフェノールA型エポキシ樹脂100重量部と、硬化剤として1,2−ジメチルイミダゾール5重量部とを配合し、遊星式攪拌機を用いて、2000rpmで5分間攪拌し、混合物を得た。
得られた混合物に、平均粒子径0.02μmのシリカ粒子7重量部と、平均粒子径3μmの導電性粒子2重量部とを添加し、組成物を得た。なお、用いた上記導電性粒子は、ジビニルベンゼン樹脂粒子の表面にニッケルめっき層が形成されており、かつ該ニッケルめっき層の表面に金めっき層が形成されている金属層を有する導電性粒子である。
遊星式攪拌機を用いて、2000rpmで得られた硬化性組成物を8分間攪拌し、ナイロン製ろ紙(孔径10μm)でろ過し、異方性導電ペーストを作製した。
(実施例5〜84及び比較例2〜6)
配合成分の種類及び配合量(配合単位は重量部)を下記の表2〜15に示すように変更したこと以外は実施例1と同様にして、異方性導電ペーストを得た。なお、酢酸エチルが用いられている場合には、上記成分Aの添加の際に、成分Aを溶解させるために酢酸エチルを用いた。
(評価)
縦0.3cm×横1cm×深さ7cmの大きさの直方体状の凹みが形成された金属金型を用意した。得られた異方性導電ペーストを、上記金属金型の凹みに充填した。金属金型の凹みに充填された異方性導電ペーストを、100℃で10分間加熱し、次いで、150℃で30分間加熱し、異方性導電ペーストの硬化物を作製した。
熱機械分析装置(ティーエーインスツルメンツ社製、型式「TMA2940」)を用いて、得られた硬化物の線膨張率を測定した。なお、昇温速度5℃/分で210℃まで加熱し、線膨張率を測定した。上記評価において、線膨張率が65ppm/℃以下の異方性導電ペーストを合格とした。
また、示差走査熱量計(ティーエーインスツルメンツ社製、型式「DSC2920」)を用いて、昇温速度10℃/分の条件で、実施例及び比較例で得られた異方性導電ペーストのピーク温度と発熱量とを測定した。なお、実施例5〜84及び比較例2〜6の評価結果を示す表2〜15では、ピーク温度が125℃以下の場合を「◎」、ピーク温度が125℃を超え135℃以下の場合を「○」、ピーク温度が135℃を超える場合を「△」として、結果を示した。
実施例1〜4及び比較例1の評価結果を、下記の表1に示す。
Figure 2009116618
実施例1〜4の異方性導電ペーストは、比較例1の異方性導電ペーストよりも硬化物の線膨張率が低いため、加熱されても回路基板又は電子部品から剥離しにくいことがわかる。さらに、実施例2〜4の異方性導電ペーストでは、実施例1及び比較例1の異方性導電ペーストよりも、ピーク温度が低く、かつ発熱量が高いため、速やかに硬化させることができることがわかる。
実施例5〜84及び比較例2〜6の評価結果を、下記の表2〜15に示す。
Figure 2009116618
Figure 2009116618
Figure 2009116618
Figure 2009116618
Figure 2009116618
Figure 2009116618
Figure 2009116618
Figure 2009116618
Figure 2009116618
Figure 2009116618
Figure 2009116618
Figure 2009116618
Figure 2009116618
Figure 2009116618
実施例5〜84の異方性導電ペーストは、硬化物の線膨張率が低いため、加熱されても回路基板又は電子部品から剥離しにくいことがわかる。
本発明の広い局面によれば、エポキシ基及びチイラン基の内の少なくとも一種を有する成分100重量部と、硬化剤1〜50重量部とを含有し、前記エポキシ基及びチイラン基の内の少なくとも一種を有する成分が、下記式(1)で表される構造を有する化合物の単量体、該化合物が少なくとも2個結合された多量体、又は該単量体と該多量体との混合物を含む、硬化性組成物が提供される。
本発明に係る硬化性組成物では、前記エポキシ基及びチイラン基の内の少なくとも一種を有する成分100重量%中、前記式(1)で表される構造を有する化合物の単量体、該化合物が少なくとも2個結合された多量体、又は該単量体と該多量体との混合物の含有量は、5〜100重量%の範囲内である。
上記エポキシ基及びチイラン基の内の少なくとも一種を有する成分100重量%中の上記成分Aの含有量は、5〜100重量%の範囲内である。また、上記成分Aと該成分A以外の他のエポキシ成分とが併用される場合には、上記エポキシ基及びチイラン基の内の少なくとも一種を有する成分100重量%中の上記成分Aの含有量は、5〜90重量%の範囲内にあることが好ましい。上記成分Aの含有量が上記好ましい範囲内にある場合には、線膨張率がより一層低い硬化物を得ることができる。上記エポキシ基及びチイラン基の内の少なくとも一種を有する成分100重量%中の上記成分Aの含有量のより好ましい下限は10重量%であり、さらに好ましい下限は15重量%であり、より好ましい上限は80重量%であり、より好ましい上限は60重量%であり、より好ましい上限は30重量%であり、さらに好ましい上限は20重量%である。
本発明の広い局面によれば、エポキシ基及びチイラン基の内の少なくとも一種を有する成分100重量部と、硬化剤1〜40重量部とを含有し、前記エポキシ基及びチイラン基の内の少なくとも一種を有する成分が、下記式(1)で表される構造を有する化合物の単量体、該化合物が少なくとも2個結合された多量体、又は該単量体と該多量体との混合物を含む、硬化性組成物が提供される。
記エポキシ基及びチイラン基の内の少なくとも一種を有する成分の合計100重量部に対して、上記硬化剤は1〜40重量部の範囲内で含有される。上記硬化剤の含有量が1重量部未満であると、硬化性組成物が充分に硬化しないことがある。上記硬化剤の含有量が40重量部を超えると、硬化性組成物の硬化物の耐熱性が低下することがある。なお、「エポキシ基及びチイラン基の内の少なくとも一種を有する成分の合計100重量部」とは、上記成分A以外の他のエポキシ成分が含まれない場合には、上記成分A100重量部を意味し、上記成分A以外の他のエポキシ成分が含まれる場合には、上記成分Aと他のエポキシ成分との合計100重量部を意味する。
(実施例5〜83、参考例1〜6及び比較例2〜6)実施例77,78,80〜82は欠番とする
配合成分の種類及び配合量(配合単位は重量部)を下記の表2〜15に示すように変更したこと以外は実施例1と同様にして、異方性導電ペーストを得た。なお、酢酸エチルが用いられている場合には、上記成分Aの添加の際に、成分Aを溶解させるために酢酸エチルを用いた。
また、示差走査熱量計(ティーエーインスツルメンツ社製、型式「DSC2920」)を用いて、昇温速度10℃/分の条件で、実施例、参考例及び比較例で得られた異方性導電ペーストのピーク温度と発熱量とを測定した。なお、実施例5〜83、参考例1〜6及び比較例2〜6の評価結果を示す表2〜15では、ピーク温度が125℃以下の場合を「◎」、ピーク温度が125℃を超え135℃以下の場合を「○」、ピーク温度が135℃を超える場合を「△」として、結果を示した。
実施例5〜83、参考例1〜6及び比較例2〜6の評価結果を、下記の表2〜15に示す。
Figure 2009116618
実施例5〜83及び参考例1〜6の異方性導電ペーストは、硬化物の線膨張率が低いため、加熱されても回路基板又は電子部品から剥離しにくいことがわかる。

Claims (14)

  1. エポキシ基及びチイラン基の内の少なくとも一種を有する成分と、硬化剤とを含有し、
    前記エポキシ基及びチイラン基の内の少なくとも一種を有する成分が、下記式(1)で表される構造を有する化合物の単量体、該化合物が少なくとも2個結合された多量体、又は該単量体と該多量体との混合物を含む、硬化性組成物。
    Figure 2009116618
    上記式(1)中、R1は水素原子、炭素数1〜5のアルキル基又は下記式(2)で表される構造を表し、R2は炭素数1〜5のアルキレン基を表し、R3は炭素数1〜5のアルキレン基を表し、X1は酸素原子又は硫黄原子を表し、X2は酸素原子又は硫黄原子を表す。
    Figure 2009116618
    上記式(2)中、R4は炭素数1〜5のアルキレン基を表し、X3は酸素原子又は硫黄原子を表す。
  2. 前記エポキシ基及びチイラン基の内の少なくとも一種を有する成分100重量%中、前記式(1)で表される構造を有する化合物の単量体、該化合物が少なくとも2個結合された多量体、又は該単量体と該多量体との混合物の含有量が、5〜100重量%の範囲内である、請求項1に記載の硬化性組成物。
  3. 前記エポキシ基及びチイラン基の内の少なくとも一種を有する成分が、下記式(11)で表される構造を有するエポキシ化合物の単量体、該エポキシ化合物が少なくとも2個結合された多量体、又は該単量体と該多量体との混合物をさらに含む、請求項1に記載の硬化性組成物。
    Figure 2009116618
    上記式(11)中、R11は炭素数1〜10のアルキレン基を表し、R12は炭素数1〜10のアルキレン基を表し、R13は水素原子、炭素数1〜10のアルキル基又は下記式(12)で表される構造を表し、R14は水素原子、炭素数1〜10のアルキル基又は下記式(13)で表される構造を表す。
    Figure 2009116618
    上記式(12)中、R15は炭素数1〜10のアルキレン基を表す。
    Figure 2009116618
    上記式(13)中、R16は炭素数1〜10のアルキレン基を表す。
  4. 前記式(11)中、R13及びR14が水素原子である、請求項3に記載の硬化性組成物。
  5. 前記エポキシ基及びチイラン基の内の少なくとも一種を有する成分100重量%中、前記式(11)で表される構造を有するエポキシ化合物の単量体、該エポキシ化合物が少なくとも2個結合された多量体、又は該単量体と該多量体との混合物の含有量が、1〜50重量%の範囲内である、請求項3に記載の硬化性組成物。
  6. 前記エポキシ基及びチイラン基の内の少なくとも一種を有する成分が、窒素原子を含む複素環を有するエポキシ化合物をさらに含む、請求項1に記載の硬化性組成物。
  7. 前記窒素原子を含む複素環を有するエポキシ化合物は、下記式(16)で表されるエポキシ化合物、又は下記式(17)で表されるエポキシ化合物である、請求項6に記載の硬化性組成物。
    Figure 2009116618
    上記式(16)中、R21〜R23はそれぞれ炭素数1〜5のアルキレン基を表し、Zはエポキシ基又はヒドロキシメチル基を表す。
    Figure 2009116618
    上記式(17)中、R24〜R26はそれぞれ炭素数1〜5のアルキレン基を示し、p、q及びrはそれぞれ1〜5の整数を示し、R27〜R29はそれぞれ炭素数1〜5のアルキレン基を示す。
  8. 前記窒素原子を含む複素環を有するエポキシ化合物は、トリグリシジルイソシアヌレート、又はトリスヒドロキシエチルイソシアヌレートトリグリシジルエーテルである、請求項7に記載の硬化性組成物。
  9. 前記エポキシ基及びチイラン基の内の少なくとも一種を有する成分100重量%中、前記窒素原子を含む複素環を有するエポキシ化合物の含有量が、0.1〜10重量%の範囲内である、請求項6に記載の硬化性組成物。
  10. 前記エポキシ基及びチイラン基の内の少なくとも一種を有する成分が、芳香族環を有するエポキシ化合物をさらに含む、請求項1に記載の硬化性組成物。
  11. 前記芳香族環が、ベンゼン環、ナフタレン環又はアントラセン環である、請求項10に記載の硬化性組成物。
  12. 請求項1に記載の硬化性組成物と、導電性粒子とを含有する異方性導電材料。
  13. 第1の電気的接続対象部材と、第2の電気的接続対象部材と、第1,第2の電気的接続対象部材とを電気的に接続している接続部とを備え、
    前記接続部が、請求項12に記載の異方性導電材料により形成されている、接続構造体。
  14. 第1の接続対象部材と、第2の接続対象部材と、第1,第2の接続対象部材を接続している接続部とを備え、
    前記接続部が、請求項1に記載の硬化性組成物により形成されている、接続構造体。
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