JPWO2009116430A1 - マグネトロンスパッタリング装置及びマグネトロンスパッタリング方法 - Google Patents
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Abstract
Description
このような従来技術では、ターゲット107を長期間使用すると、ターゲット107の表面が掘れることにより、複数のマグネット112相互間においてインピーダンスに差異が生じ、その結果、放電空間におけるプラズマの分布が不均一になるという問題がある。
また、本発明は、前記発明において、前記制御電極が、前記複数のマグネットにそれぞれ対応して設けられているものである。
また、本発明は、前記発明において、前記マグネットが棒状に形成され、前記制御電極が、前記保持機構を挟んで前記マグネットの端部と重なるように配置されているものである。
また、本発明は、請求項3記載の発明において、前記制御電極が、前記ターゲットの端縁部に対して内方側に突き出すように配置されているものである。
一方、本発明は、真空中でマグネトロン放電を発生させてスパッタリングを行うマグネトロンスパッタリング方法であって、複数の制御電極をターゲットの放電空間に配置し、真空中でターゲットに電力を供給してプラズマを発生させる際に、前記複数の制御電極の電位を異ならせる工程を有するものである。
また、本発明は、前記発明において、真空中でターゲットに電力を供給してプラズマを発生させる際に、前記複数の制御電極のうち前記ターゲットの特定領域における制御電極の電位を前記ターゲットの前記特定領域以外の領域における制御電極の電位より高くするものである。
また、本発明は、前記発明において、前記ターゲットの特定領域を、前記ターゲットの中央領域としたものである。
また、本発明は、前記発明において、前記ターゲットの特定領域における制御電極の電位をフローティング電位にする一方、前記ターゲットの特定領域以外の領域における制御電極の電位を接地電位にするものである。
特に、例えば、制御電極が、前記複数のマグネットにそれぞれ対応して設けられている場合、また、マグネットが棒状に形成され、制御電極が、保持機構を挟んでマグネットの端部と重なるように配置されている場合、さらに、制御電極が、ターゲットの端縁部に対して内方側に突き出すように配置されている場合には、より効果的にターゲットの特定領域における制御電極の電位を、ターゲットの特定領域以外の領域における制御電極の電位より高くすることができる。
図1は、本発明に係るマグネトロンスパッタリング装置の実施の形態の内部構成を示す断面図、図2は、同マグネトロンスパッタリング装置のカソード部の外観構成を示す平面図である。
真空槽2内では、平板状の基板(成膜対象物)3が基板ホルダー4に保持され、マスク5を介してカソード部6に対向するように構成されている。
ターゲット7周囲の領域には、例えばリング状の金属からなる内側シールド部材9が配設されている。
ここで、内側シールド部材9は、電位的にフローティング状態にされている。一方、外側シールド部材10は、内側シールド部材9に対して絶縁され、電位的に接地状態にされている。
本実施の形態では、各マグネット12a〜12eは棒状のものが用いられ、所定の間隔をおいて平行に配置されている。なお、各マグネット12a〜12eは、ターゲット7の領域からはみ出さないようにその大きさ及び位置が定められている。
制御電極21、22は、例えば矩形板状の部材からなるもので、例えばステンレス等の金属材料から構成されている。また、制御電極21、22と、内側シールド部材9は、電気的に絶縁されている。
本実施の形態の場合、制御電極21、22は、各マグネット12a〜12eにそれぞれ対応するように、それぞれ5個の制御電極21a〜21e、制御電極22a〜22eから構成されている。
さらに、制御電極21a〜21e及び制御電極22a〜22eは、真空槽2の外部において、それぞれ可変抵抗器23を介して接地されている。
なお、本発明は上述の実施の形態に限られることなく、種々の変更を行うことができる。
さらに、制御電極の形状、位置についても、上記実施の形態のものには限られず、本発明の範囲内である限り、適宜変更することができる。
図1及び図2に示すマグネトロンスパッタリング装置を使用し、ターゲットとしてアルミニウム(Al)を用い、ターゲット−マグネット間距離が45mm、ターゲット−基板間距離が125mmの条件でスパッタリングを行った。
この場合、投入電力は42.8kW、真空槽内にアルゴン(Ar)を100sccm流入して圧力を0.35Paに保持した。
そして、各マグネットを100mm揺動させながら、56秒間スパッタリングを行って基板上に成膜した。その結果を表1〜表3に示す。
また、表1、表2の外側における横列及び縦列の数字は、各表中の横列及び縦列の膜厚の平均値を示すものである。
これは、フローティング電位に設定した制御電極(21c、22c)の近傍において、プラズマ密度が上昇し、成膜速度が大きくなったと考えられる。
この条件3の場合、中央の制御電極(21c、22c)に流れる電流は、−0.7であった。
これは、100Ωの抵抗器を接続した制御電極の近傍において、プラズマ密度が上昇し、成膜速度が大きくなったと考えられる。
図3から理解されるように、制御電極に流れる電流の大きさが0の場合、即ち中央の制御電極がフローティング電位にある場合に成膜速度が最大となり、制御電極に流れる電流の大きさが大きくなるに伴い、成膜速度が小さくなる傾向がある。
なお、表1、表2からも理解されるように、制御電極に流れる電流の大きさを変化させた場合、マグネットの長手方向に関しては成膜速度が変化しないことが本発明者らの実験によって確認されている。
これは、上述した図3に示す結果から明らかなように、制御電極21、22の突き出し長さを大きくすることにより、成膜速度が向上することを示している。
このような従来技術では、ターゲット107を長期間使用すると、ターゲット107の表面が掘れることにより、複数のマグネット112相互間においてインピーダンスに差異が生じ、その結果、放電空間におけるプラズマの分布が不均一になるという問題がある。
また、本発明は、前記発明において、前記制御電極が、前記複数のマグネットにそれぞれ対応して設けられているものである。
また、本発明は、前記発明において、前記マグネットが棒状に形成され、前記制御電極が、前記保持機構を挟んで前記マグネットの端部と重なるように配置されているものである。
また、本発明は、前記制御電極が、前記ターゲットの端縁部に対して内方側に突き出すように配置されているものである。
一方、本発明は、真空中でマグネトロン放電を発生させてスパッタリングを行うマグネトロンスパッタリング方法であって、複数の制御電極をターゲットの放電空間に配置し、真空中でターゲットに電力を供給してプラズマを発生させる際に、前記複数の制御電極の電位を異ならせる工程を有するものである。
また、本発明は、前記発明において、真空中でターゲットに電力を供給してプラズマを発生させる際に、前記複数の制御電極のうち前記ターゲットの特定領域における制御電極の電位を前記ターゲットの前記特定領域以外の領域における制御電極の電位より高くするものである。
また、本発明は、前記発明において、前記ターゲットの特定領域を、前記ターゲットの中央領域としたものである。
また、本発明は、前記発明において、前記ターゲットの特定領域における制御電極の電位をフローティング電位にする一方、前記ターゲットの特定領域以外の領域における制御電極の電位を接地電位にするものである。
Claims (8)
- 真空槽と、
前記真空槽内に設けられ、その正面側にターゲットを保持し、かつ、その背面側に複数のマグネットを保持する保持機構を有するカソード部と、
前記カソード部に対して電力を供給する電源とを備え、
前記保持機構に対して前記ターゲット側の放電空間に、独立して電位の制御が可能な複数の制御電極が設けられているマグネトロンスパッタリング装置。 - 前記制御電極が、前記複数のマグネットにそれぞれ対応して設けられている請求項1記載のマグネトロンスパッタリング装置。
- 前記マグネットが棒状に形成され、前記制御電極が、前記保持機構を挟んで前記マグネットの端部と重なるように配置されている請求項1又は2のいずれか1項記載のマグネトロンスパッタリング装置。
- 前記制御電極が、前記ターゲットの端縁部に対して内方側に突き出すように配置されている請求項3記載のマグネトロンスパッタリング装置。
- 真空中でマグネトロン放電を発生させてスパッタリングを行うマグネトロンスパッタリング方法であって、
複数の制御電極をターゲットの放電空間に配置し、
真空中でターゲットに電力を供給してプラズマを発生させる際に、前記複数の制御電極の電位を異ならせる工程を有するマグネトロンスパッタリング方法。 - 真空中でターゲットに電力を供給してプラズマを発生させる際に、前記複数の制御電極のうち前記ターゲットの特定領域における制御電極の電位を前記ターゲットの前記特定領域以外の領域における制御電極の電位より高くする請求項5記載のマグネトロンスパッタリング方法。
- 前記ターゲットの特定領域が、前記ターゲットの中央領域である請求項6記載のマグネトロンスパッタリング方法。
- 前記ターゲットの特定領域における制御電極の電位をフローティング電位にする一方、前記ターゲットの特定領域以外の領域における制御電極の電位を接地電位にする請求項6又は7のいずれか1項記載のマグネトロンスパッタリング方法。
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