JPWO2009116430A1 - マグネトロンスパッタリング装置及びマグネトロンスパッタリング方法 - Google Patents

マグネトロンスパッタリング装置及びマグネトロンスパッタリング方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、長期間において均一な膜厚分布の成膜が可能なマグネトロンスパッタリング技術を提供することを目的とする。本発明のマグネトロンスパッタリング装置1は、真空槽2と、真空槽2内に設けられ、その正面側にターゲット7を保持し、かつ、その背面側に複数のマグネット12を保持するバッキングプレート8を有するカソード部6と、カソード部6に対して直流電力を供給する直流電源30とを備える。バッキングプレート8に対してターゲット7側の放電空間に、独立して電位の制御が可能な複数の制御電極21、22が設けられているものである。

Description

本発明は、真空中でスパッタリングによって成膜を行う技術に関し、特に、マグネトロンスパッタリングによる成膜技術に関する。
従来、この種のマグネトロンスパッタリング装置101では、例えば、図6(a)に示すように、真空内槽102内において、基板104に対向するターゲット107の背面(バッキングプレート108)側に、複数の棒状のマグネット112が配設されるようになっている。
このような従来技術では、ターゲット107を長期間使用すると、ターゲット107の表面が掘れることにより、複数のマグネット112相互間においてインピーダンスに差異が生じ、その結果、放電空間におけるプラズマの分布が不均一になるという問題がある。
例えば、図6(a)に示す例においては、図6(b)(c)に示すように、中央のマグネット112に対応するターゲット領域107aより側部領域の方が掘れ進み、その結果、基板104上の膜厚が、中央領域が縁部領域より薄くなってしまうという課題がある。
このような課題に対し、従来は、ターゲット107に対するマグネット112の距離を変更し磁気回路を補正することによって対応しているが、十分な膜厚の均一性が得られていない。
特開平11−200037号公報 特開平11−302843号公報
本発明は、このような従来の技術の課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、長期間において均一な膜厚分布の成膜が可能なマグネトロンスパッタリング技術を提供することにある。
上記目的を達成するためになされた本発明は、真空槽と、前記真空槽内に設けられ、その正面側にターゲットを保持し、かつ、その背面側に複数のマグネットを保持する保持機構を有するカソード部と、前記カソード部に対して電力を供給する電源とを備え、前記保持機構に対して前記ターゲット側の放電空間に、独立して電位の制御が可能な複数の制御電極が設けられているマグネトロンスパッタリング装置である。
また、本発明は、前記発明において、前記制御電極が、前記複数のマグネットにそれぞれ対応して設けられているものである。
また、本発明は、前記発明において、前記マグネットが棒状に形成され、前記制御電極が、前記保持機構を挟んで前記マグネットの端部と重なるように配置されているものである。
また、本発明は、請求項3記載の発明において、前記制御電極が、前記ターゲットの端縁部に対して内方側に突き出すように配置されているものである。
一方、本発明は、真空中でマグネトロン放電を発生させてスパッタリングを行うマグネトロンスパッタリング方法であって、複数の制御電極をターゲットの放電空間に配置し、真空中でターゲットに電力を供給してプラズマを発生させる際に、前記複数の制御電極の電位を異ならせる工程を有するものである。
また、本発明は、前記発明において、真空中でターゲットに電力を供給してプラズマを発生させる際に、前記複数の制御電極のうち前記ターゲットの特定領域における制御電極の電位を前記ターゲットの前記特定領域以外の領域における制御電極の電位より高くするものである。
また、本発明は、前記発明において、前記ターゲットの特定領域を、前記ターゲットの中央領域としたものである。
また、本発明は、前記発明において、前記ターゲットの特定領域における制御電極の電位をフローティング電位にする一方、前記ターゲットの特定領域以外の領域における制御電極の電位を接地電位にするものである。
本発明の場合、複数の制御電極をターゲットの放電空間に配置し、真空中でターゲットに電力を供給してプラズマを発生させる際に、複数の制御電極の電位を異ならせることによって、各マグネットにおけるインピーダンスを調整することができ、その結果、放電空間におけるプラズマの分布の偏りを補正して膜厚の均一化を図ることができる。
本発明において、複数の制御電極のうちターゲットの特定領域(例えば中央領域)における制御電極の電位(の絶対値)を、ターゲットの特定領域以外の領域(例えば側部領域)における制御電極の電位(の絶対値)より高くなるようにすれば、当該特定領域における放電空間のプラズマ密度を相対的に大きくすることができる。その結果、本発明によれば、例えばターゲットを長期間使用してターゲット表面の中央領域が掘れた場合において、膜厚の均一化を図ることができる。
この場合、複数の制御電極のうちターゲットの特定領域における制御電極の電位をフローティング電位にする一方、ターゲットの特定領域以外の領域における制御電極の電位を接地電位にすれば、ターゲットの特定領域における成膜速度をより大きくして容易に膜厚の均一化を図ることができる。
本発明装置によれば、上述した本発明を簡素の構成で容易に実施することができる。
特に、例えば、制御電極が、前記複数のマグネットにそれぞれ対応して設けられている場合、また、マグネットが棒状に形成され、制御電極が、保持機構を挟んでマグネットの端部と重なるように配置されている場合、さらに、制御電極が、ターゲットの端縁部に対して内方側に突き出すように配置されている場合には、より効果的にターゲットの特定領域における制御電極の電位を、ターゲットの特定領域以外の領域における制御電極の電位より高くすることができる。
本発明によれば、長期間において均一な膜厚分布の成膜が可能なマグネトロンスパッタリング技術を提供することができる。
本発明に係るマグネトロンスパッタリング装置の実施の形態の内部構成を示す断面図 同マグネトロンスパッタリング装置のカソード部の外観構成を示す平面図 制御電極に流れる電流の大きさと成膜速度との関係を示すグラフ 制御電極の突き出し長さと膜厚との関係の測定方法を説明するための図 制御電極の先端部と測定点(B⊥0)間の距離と膜厚との関係を示すグラフ (a):従来のマグネトロンスパッタリング装置の内部構成を示す断面図(b):従来技術の課題を説明するための図(c):従来技術の課題を説明するための図
符号の説明
1…スパッタリング装置、2…真空槽、3…基板(成膜対象物)、6…カソード部、7…ターゲット、8…バッキングプレート、9…内側シールド部材、10…外側シールド部材、21…制御電極、22…制御電極、23…可変抵抗器、30…直流電源
以下、本発明の好ましい実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明に係るマグネトロンスパッタリング装置の実施の形態の内部構成を示す断面図、図2は、同マグネトロンスパッタリング装置のカソード部の外観構成を示す平面図である。
図1に示すように、本実施の形態のスパッタリング装置1は、図示しない真空排気系に接続された真空槽2を有している。なお、この真空槽2は、電位的に接地状態とされている。
真空槽2内では、平板状の基板(成膜対象物)3が基板ホルダー4に保持され、マスク5を介してカソード部6に対向するように構成されている。
カソード部6は、ターゲット7を保持するバッキングプレート(保持機構)8を有し、これによりターゲット7が基板3に対して平行に対向するようになっている。このバッキングプレート8は、直流電源30に接続されている。
ターゲット7周囲の領域には、例えばリング状の金属からなる内側シールド部材9が配設されている。
また、バッキングプレート8の周囲の領域には、例えばリング状の金属からなる外側シールド部材10が設けられている。
ここで、内側シールド部材9は、電位的にフローティング状態にされている。一方、外側シールド部材10は、内側シールド部材9に対して絶縁され、電位的に接地状態にされている。
図2に示すように、バッキングプレート8の背面側には、保持部11に保持された永久磁石からなるマグネット12が複数(本例では5個)設けられている。
本実施の形態では、各マグネット12a〜12eは棒状のものが用いられ、所定の間隔をおいて平行に配置されている。なお、各マグネット12a〜12eは、ターゲット7の領域からはみ出さないようにその大きさ及び位置が定められている。
さらに、本実施の形態においては、内側シールド部材9の対向する一対の縁部91、92には、制御電極21、22が配設されている。
制御電極21、22は、例えば矩形板状の部材からなるもので、例えばステンレス等の金属材料から構成されている。また、制御電極21、22と、内側シールド部材9は、電気的に絶縁されている。
そして、各制御電極21、22は、内側シールド部材9の各縁部91、92から内方側であるターゲット7側に突き出すようにその大きさ及び位置が定められている。
本実施の形態の場合、制御電極21、22は、各マグネット12a〜12eにそれぞれ対応するように、それぞれ5個の制御電極21a〜21e、制御電極22a〜22eから構成されている。
制御電極21a〜21e及び制御電極22a〜22eは、それぞれマグネット12a〜12eより若干幅広に形成され、それぞれターゲット7側の先端部がバッキングプレート8及びターゲット7を挟んでマグネット12a〜12eの各端部と重なるように配置されている。
また、制御電極21a〜21e及び制御電極22a〜22eは、各マグネット12a〜12eを挟んで対向する一対の制御電極21a及び22a、制御電極21b及び22b、制御電極21c及び22c、制御電極21d及び22d、制御電極21e及び22e同士が、同電位になるようにそれぞれ電気的に接続されている。
さらに、制御電極21a〜21e及び制御電極22a〜22eは、真空槽2の外部において、それぞれ可変抵抗器23を介して接地されている。
以上述べた本実施の形態においては、複数の制御電極21、22をターゲット7の放電空間に配置し、真空中でターゲット7に直流電力を供給してプラズマを発生させる際に、複数の制御電極21、22のうちターゲット7の例えば中央領域における制御電極21c、22cの電位を例えばフローティング電位にし、これによりターゲット7の例えば側部領域における制御電極21a,21b,21d,21e並びに制御電極22a,22b,22d,22eの電位より高くする。
その結果、ターゲット7の例えば中央領域における放電空間のプラズマ密度を相対的に大きくすることができ、これによりターゲット7の長期間使用によってターゲット7表面の例えば中央領域が掘れた場合であっても、膜厚の均一化を図ることができる。
そして、本実施の形態のマグネトロンスパッタリング装置1によれば、上述した本発明を簡素の構成で容易に実施することができる。
なお、本発明は上述の実施の形態に限られることなく、種々の変更を行うことができる。
例えば、上述の実施の形態においては、複数の制御電極21、22のうちターゲット7の例えば中央領域における制御電極21c、22cの電位を他の制御電極21a,21b,21d,21e並びに制御電極22a,22b,22d,22eの電位より高くなるようにしたが、本発明はこれに限られず、他の制御電極21a,21b,21d,21e並びに制御電極22a,22b,22d,22eのいずれの電位を調整することも可能である。
また、上述の実施の形態では、各マグネット12a〜12eにそれぞれ対応するように、それぞれ5個の制御電極21a〜21e、制御電極22a〜22eを設けるようにしたが、本発明はこれに限られず、特定のマグネットのみに対応するように制御電極を設けることもできる。
さらに、制御電極の形状、位置についても、上記実施の形態のものには限られず、本発明の範囲内である限り、適宜変更することができる。
以下、本発明の実施例について、比較例とともに詳細に説明する。
図1及び図2に示すマグネトロンスパッタリング装置を使用し、ターゲットとしてアルミニウム(Al)を用い、ターゲット−マグネット間距離が45mm、ターゲット−基板間距離が125mmの条件でスパッタリングを行った。
この場合、投入電力は42.8kW、真空槽内にアルゴン(Ar)を100sccm流入して圧力を0.35Paに保持した。
また、制御電極としては、ステンレスからなる平板状のもの(幅140mm)を用い、ターゲットの各端縁部からターゲット内方側に20mm突き出すとともに、ターゲットとのギャップが5mmとなるように設定した。
そして、各マグネットを100mm揺動させながら、56秒間スパッタリングを行って基板上に成膜した。その結果を表1〜表3に示す。
ここで、表1は全ての制御電極を接地電位に設定した場合の膜厚(条件1)、表2は中央の制御電極(21c、22c)のみをフローティング電位に設定した場合の膜厚(条件2)、表3は、条件2の膜厚と条件1の膜厚の差分を算出した結果を示すものである。
なお、表1〜表3中の数字は、各マグネットの中央部分に対応する基板上の測定位置の膜厚であり(参考のため基板端部からの距離を付す)、単位はÅである。
また、表1、表2の外側における横列及び縦列の数字は、各表中の横列及び縦列の膜厚の平均値を示すものである。
Figure 2009116430
Figure 2009116430
Figure 2009116430
表1〜表3から理解されるように、全ての制御電極を接地電位に設定した場合と比較して、中央の制御電極(21c、22c)をフローティング電位に設定した場合には、この中央の制御電極(21c、22c)を中心として、その両側の領域において膜厚が大きくなっている(最大700Å)。
これは、フローティング電位に設定した制御電極(21c、22c)の近傍において、プラズマ密度が上昇し、成膜速度が大きくなったと考えられる。
また、表4は、中央の制御電極(21c、22c)のみに100Ωの抵抗器を接続した場合の膜厚(条件3)、表5は、条件3の膜厚と上記条件1(全ての制御電極を接地電位に設定した場合)の膜厚との差分を算出した結果を示すものである。
この条件3の場合、中央の制御電極(21c、22c)に流れる電流は、−0.7であった。
Figure 2009116430
Figure 2009116430
表1、表4、表5から理解されるように、全ての制御電極を接地電位に設定した場合と比較して、中央の制御電極に100Ωの抵抗器を接続した場合には、この中央の制御電極を中心として、その両側の領域において膜厚が大きくなっている(最大300Å)。
これは、100Ωの抵抗器を接続した制御電極の近傍において、プラズマ密度が上昇し、成膜速度が大きくなったと考えられる。
図3は、上述の例において、制御電極に流れる電流の大きさと成膜速度との関係を示すグラフである。
図3から理解されるように、制御電極に流れる電流の大きさが0の場合、即ち中央の制御電極がフローティング電位にある場合に成膜速度が最大となり、制御電極に流れる電流の大きさが大きくなるに伴い、成膜速度が小さくなる傾向がある。
この場合、制御電極に流れる電流が0A〜2Aにおいて成膜速度が変化し、制御電極に流れる電流が2Aより大きくなっても、成膜速度は変化(低下)しない。
なお、表1、表2からも理解されるように、制御電極に流れる電流の大きさを変化させた場合、マグネットの長手方向に関しては成膜速度が変化しないことが本発明者らの実験によって確認されている。
また、内側シールド部材の電位を接地電位又はフローティング電位にした場合のいずれにおいても、成膜速度は変化せず、上述した制御電極の電位変更による成膜速度の調整が可能であることが本発明者らの実験によって確認されている。
図4は、上述の例において、制御電極の突き出し長さと膜厚との関係の測定方法を説明するための図、図5は、上述の例において、制御電極の先端部と測定点(B⊥0)間の距離(Δx)と膜厚との関係を示すグラフである。ここで、測定点(B⊥0)は、ターゲット表面において、ターゲットに対してマグネットにより形成される磁場ベクトルの直交成分が0となる点である。
図4及び図5から理解されるように、制御電極21、22の先端部と測定点との距離Δxが小さくなるに伴い、即ち制御電極21、22のターゲット7内方への突き出し長さが大きくなるに伴い、接地電位膜厚に対するフローティング電位膜厚の比が大きくなる傾向がある。
これは、上述した図3に示す結果から明らかなように、制御電極21、22の突き出し長さを大きくすることにより、成膜速度が向上することを示している。
従来、この種のマグネトロンスパッタリング装置101では、例えば、図6(a)に示すように、真空槽102内において、基板104に対向するターゲット107の背面(バッキングプレート108)側に、複数の棒状のマグネット112が配設されるようになっている。
このような従来技術では、ターゲット107を長期間使用すると、ターゲット107の表面が掘れることにより、複数のマグネット112相互間においてインピーダンスに差異が生じ、その結果、放電空間におけるプラズマの分布が不均一になるという問題がある。
上記目的を達成するためになされた本発明は、真空槽と、前記真空槽内に設けられ、その正面側にターゲットを保持し、かつ、その背面側に複数のマグネットを保持する保持機構を有するカソード部と、前記カソード部に対して電力を供給する電源とを備え、前記保持機構に対して前記ターゲット側の放電空間に、独立して電位の制御が可能な複数の制御電極が設けられているマグネトロンスパッタリング装置である。
また、本発明は、前記発明において、前記制御電極が、前記複数のマグネットにそれぞれ対応して設けられているものである。
また、本発明は、前記発明において、前記マグネットが棒状に形成され、前記制御電極が、前記保持機構を挟んで前記マグネットの端部と重なるように配置されているものである。
また、本発明は、前記制御電極が、前記ターゲットの端縁部に対して内方側に突き出すように配置されているものである。
一方、本発明は、真空中でマグネトロン放電を発生させてスパッタリングを行うマグネトロンスパッタリング方法であって、複数の制御電極をターゲットの放電空間に配置し、真空中でターゲットに電力を供給してプラズマを発生させる際に、前記複数の制御電極の電位を異ならせる工程を有するものである。
また、本発明は、前記発明において、真空中でターゲットに電力を供給してプラズマを発生させる際に、前記複数の制御電極のうち前記ターゲットの特定領域における制御電極の電位を前記ターゲットの前記特定領域以外の領域における制御電極の電位より高くするものである。
また、本発明は、前記発明において、前記ターゲットの特定領域を、前記ターゲットの中央領域としたものである。
また、本発明は、前記発明において、前記ターゲットの特定領域における制御電極の電位をフローティング電位にする一方、前記ターゲットの特定領域以外の領域における制御電極の電位を接地電位にするものである。
Figure 2009116430

Claims (8)

  1. 真空槽と、
    前記真空槽内に設けられ、その正面側にターゲットを保持し、かつ、その背面側に複数のマグネットを保持する保持機構を有するカソード部と、
    前記カソード部に対して電力を供給する電源とを備え、
    前記保持機構に対して前記ターゲット側の放電空間に、独立して電位の制御が可能な複数の制御電極が設けられているマグネトロンスパッタリング装置。
  2. 前記制御電極が、前記複数のマグネットにそれぞれ対応して設けられている請求項1記載のマグネトロンスパッタリング装置。
  3. 前記マグネットが棒状に形成され、前記制御電極が、前記保持機構を挟んで前記マグネットの端部と重なるように配置されている請求項1又は2のいずれか1項記載のマグネトロンスパッタリング装置。
  4. 前記制御電極が、前記ターゲットの端縁部に対して内方側に突き出すように配置されている請求項3記載のマグネトロンスパッタリング装置。
  5. 真空中でマグネトロン放電を発生させてスパッタリングを行うマグネトロンスパッタリング方法であって、
    複数の制御電極をターゲットの放電空間に配置し、
    真空中でターゲットに電力を供給してプラズマを発生させる際に、前記複数の制御電極の電位を異ならせる工程を有するマグネトロンスパッタリング方法。
  6. 真空中でターゲットに電力を供給してプラズマを発生させる際に、前記複数の制御電極のうち前記ターゲットの特定領域における制御電極の電位を前記ターゲットの前記特定領域以外の領域における制御電極の電位より高くする請求項5記載のマグネトロンスパッタリング方法。
  7. 前記ターゲットの特定領域が、前記ターゲットの中央領域である請求項6記載のマグネトロンスパッタリング方法。
  8. 前記ターゲットの特定領域における制御電極の電位をフローティング電位にする一方、前記ターゲットの特定領域以外の領域における制御電極の電位を接地電位にする請求項6又は7のいずれか1項記載のマグネトロンスパッタリング方法。
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