JPWO2009099067A1 - メッキ構造体 - Google Patents

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Abstract

本発明は、極めて高い導電性を実現したメッキ構造体を提供することを目的とする。本発明は、金属基材の表面にパラジウムメッキ層が形成されたメッキ構造体であって、前記パラジウムメッキ層は、X線回折法によって測定される(111)面の結晶配向率が45〜60%、かつ、(200)面の結晶配向率と(220)面の結晶配向率との合計が40〜55%であるメッキ構造体である。

Description

本発明は、極めて高い導電性を実現したメッキ構造体に関する。
従来、回路基板や導電性微粒子においては、耐食性を向上させ、安定した導電性等を確保するために、樹脂基板や樹脂微粒子等の表面に下地となるニッケルメッキ層を形成し、更にニッケルメッキ層の表面に置換金メッキ方法により金メッキ層を形成させることが行われている。
しかしながら、ニッケルメッキ層の表面に置換金メッキ方法を行うと、ニッケルメッキ層からニッケルが溶出し、金メッキ層にニッケルが拡散したり、金メッキ層の表面にニッケルが析出したりすることがあった。金メッキ層にニッケルが拡散したり、金メッキ層の表面にニッケルが析出したりすると、導電性が低下するという問題があった。また、回路基板の作製において、基板上に電子部品等を実装する際に加熱工程を行うことが必要であるが、この加熱工程によりニッケルメッキ層からニッケルが溶出し、導電性が低下するという問題があった。
このような問題に対し、特許文献1には、ニッケルメッキ層の表面に無電解メッキ方法によりパラジウムメッキ層を形成させ、更にその表面に置換金メッキ方法により金メッキ層を形成させる方法が開示されている。この方法によれば、ニッケルメッキ層をパラジウムメッキ層で被覆することにより、置換金メッキ方法を行う際や、加熱工程の際にニッケルメッキ層からニッケルが溶出し、金メッキ層にニッケルが拡散したり、金メッキ層の表面にニッケルが析出したりすることを防ぐことができるとされている。
しかしながら、パラジウムメッキ層の表面に置換金メッキ方法により金メッキ層を形成させると、パラジウムメッキ層が侵食され、金メッキ層が均一に形成されなかったり、金メッキ層の厚さが充分に得られなかったりするため、導電性が低下するという問題があった。
また、ニッケルメッキ層の表面にパラジウムメッキ層及び金メッキ層を形成する場合、製造工程が煩雑であるという問題もあった。
これに対して、ニッケルメッキ層の表面にパラジウムメッキ層のみを形成することで、ニッケルメッキ層の表面に金メッキ層を形成させた場合と同等の導電性能を実現させる試みが行われている。しかし、パラジウムは金と比較して電気抵抗が高いため、所望の導電性を得ることは困難であった。
特許文献2には、パラジウム化合物と、還元剤として次亜リン酸や次亜リン酸塩を含有する無電解パラジウムめっき浴を用いて、ニッケルメッキ層の表面に無電解メッキ方法によりパラジウムメッキ層を形成させる方法が開示されている。
しかしながら、このような方法によって形成されたパラジウムメッキ層は、還元剤由来のリンによって、結晶構造がアモルファス構造となるため、得られるメッキ構造体は導電性が低いという問題があった。
一方、還元剤として次亜リン酸や次亜リン酸塩を用いずに、ニッケルメッキ層の表面にパラジウムメッキ層を形成させる方法として、特許文献3には、ギ酸等を還元剤として用いて、無電解めっき法によりニッケルメッキ層の表面にパラジウムメッキ層を形成させる方法が記載されている。しかしながら、特許文献3に記載されている方法ではニッケルメッキ層の表面にパラジウムメッキ層を形成させることはできるが、得られるメッキ構造体の導電性は充分ではなかった。
このように、従来のメッキ方法では、ニッケルメッキ層等の下地メッキ層の表面にパラジウムメッキ層が形成できたとしても、得られるメッキ構造体の導電性は低いという問題があった。
従って、パラジウムメッキ層の結晶構造がアモルファス構造ではなく導電性に優れるメッキ構造体、及び、還元パラジウムメッキ法を用いた場合でもパラジウムメッキ層中のパラジウムの純度が極めて高く、導電性に優れるメッキ構造体を製造することができる方法が求められていた。
特開2007−9305号公報 特開2007−92092号公報 特許第3051683号公報
本発明は、極めて高い導電性を実現したメッキ構造体を提供することを目的とする。
本発明は、金属基材の表面にパラジウムメッキ層が形成されたメッキ構造体であって、前記パラジウムメッキ層は、X線回折法によって測定される(111)面の結晶配向率が45〜60%、かつ、(200)面の結晶配向率と(220)面の結晶配向率との合計が40〜55%であるメッキ構造体である。
以下に本発明を詳述する。
本発明者は、金属基材の表面にパラジウムメッキ層を有するメッキ構造体において、パラジウムメッキ層の(111)面、(200)面、及び(220)面の結晶配向率を所定の範囲内とすることにより、極めて優れた導電性を有するメッキ構造体とすることができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明のメッキ構造体は、金属基材の表面にパラジウムメッキ層を有する。
上記金属基材を構成する金属は特に限定されず、例えば、金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル等が挙げられる。
上記金属基材は、金属のみからなる金属基材であってもよく、非金属基材の表面に金属層が形成された金属基材であってもよい。
上記金属基材が非金属基材の表面に金属層が形成された金属基材の場合、非金属基材の表面の全てに金属層が形成されていてもよく、一部にのみ金属層が形成されていてもよい。
上記金属層は、ニッケルや銅等の単一の金属のみからなる金属層であってもよく、ニッケルや銅と他の金属との合金や、リンやホウ素等の金属以外の物質を含有する金属層であってもよい。なかでも、ニッケル又は銅を含有する金属層であることが好ましい。
上記金属層の厚さの好ましい下限は20nm、好ましい上限は5000nmである。上記金属層の厚さが20nm未満であると、上記金属基材と上記パラジウムメッキ層との密着性が低下することがある。上記金属層の厚さが5000nmを超えると、得られるメッキ構造体の導電性が低下することがある。
上記金属層は、例えば、従来公知の方法に従い、上記非金属基材に無電解メッキ又は電解メッキを行う方法により形成することができる。
上記非金属基材は特に限定されず、例えば、スチレン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリカーボネート樹脂等からなる樹脂基材や、シリカ、炭化ケイ素等からなるセラミックス基材や、エポキシ樹脂を含むガラスクロス基材等が挙げられる。
上記金属基材の形状は特に限定されず、例えば、板状基材、シート状基材、微粒子状基材等が挙げられる。上記金属基材の形状が板状基材、又は、シート状基材である場合には、本発明のメッキ構造体は、電子回路基板等の電極として用いることができる。上記金属基材の形状が微粒子状基材である場合には、本発明のメッキ構造体は、導電性微粒子として用いることができる。
本発明のメッキ構造体を導電性微粒子として用いる場合、上記金属基材は、無機材料又は有機材料からなる非金属微粒子の表面に金属層が形成された微粒子が好適である。無機材料又は有機材料からなる非金属微粒子を用いることにより、得られる導電性微粒子に適度な弾性率、弾性変形性及び復元性を付与することができる。なかでも、樹脂微粒子の表面に金属層が形成された微粒子がより好適である。
上記樹脂微粒子を構成する樹脂は特に限定されず、例えば、ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、ジビニルベンゼン重合樹脂、ジビニルベンゼン共重合樹脂、ポリアルキレンテレフタレート樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、フェノールホルムアルデヒド樹脂、メラミンホルムアルデヒド樹脂、ベンゾグアナミンホルムアルデヒド樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記ポリオレフィン樹脂は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン等が挙げられる。
上記アクリル樹脂は、例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート等が挙げられる。
上記ジビニルベンゼン共重合樹脂は、例えば、ジビニルベンゼン−スチレン共重合体、ジビニルベンゼン−アクリル酸エステル共重合体、ジビニルベンゼン−メタクリル酸エステル共重合体等が挙げられる。
上記パラジウムメッキ層は、上記金属基材の表面に直接形成されていてもよく、上記金属基材上に形成された下地金属層の表面に形成されてもよい。
上記下地金属層は、ニッケルや銅等の単一の金属のみからなる下地金属層であってもよく、ニッケルや銅と他の金属との合金や、リンやホウ素等の金属以外の物質を含有する下地金属層であってもよい。なかでも、ニッケル又は銅を含有する下地金属層であることが好ましい。
上記下地金属層は、従来公知の方法に従い、上記金属基材に無電解メッキ又は電解メッキを行う方法により形成することができる。
上記下地金属層の厚さの好ましい下限は20nm、好ましい上限は5000nmである。上記下地金属層の厚さが20nm未満であると、上記金属基材と上記パラジウムメッキ層との密着性が低下することがある。上記下地金属層の厚さが5000nmを超えると、得られるメッキ構造体の導電性が低下することがある。
上記パラジウムメッキ層は、X線回折法によって測定される(111)面の結晶配向率が45〜60%である。上記(111)面の結晶配向率が45〜60%の範囲内とすることで、導電性に極めて優れたパラジウムメッキ層を形成することができる。上記(111)面の結晶配向率が45%未満であると、後述する(220)面の結晶配向率が増加するため、メッキ構造体の耐食性が低下することがあり、60%を越えると、後述する(200)面の結晶配向率が減少するため、メッキ構造体の導電性が低下することがある。上記(111)面の結晶配向率の好ましい下限は50%、好ましい上限は55%である。
なお、上記(111)面の結晶配向率は、X線回折法において、Cu−Kα線を用いたときの各結晶面からの回折ピーク強度の総和に対する(111)面の回折ピーク強度の比率を百分率で示した数値である。例えば、上記(111)面の結晶配向率は、薄膜評価用試料水平型X線回折装置(リガク社製「Smart Lab」)を用いて測定することができる。
上記パラジウムメッキ層は、X線回折法によって測定される(200)面の結晶配向率と(220)面の結晶配向率との合計が40〜55%である。上記(200)面の結晶配向率と上記(220)面の結晶配向率との合計が40%未満であると、メッキ構造体の導電性が低下することがあり、55%を超えると、メッキ構造体の耐食性が低下することがある。上記(200)面の結晶配向率と上記(220)面の結晶配向率との合計の好ましい下限は45%、好ましい上限は50%である。また、本発明では、上記(200)面の結晶配向率と上記(220)面の結晶配向率との合計が40〜55%の範囲内となれば、上記(200)面の結晶配向率と上記(220)面の結晶配向率とは、任意の数値とすることができる。
なお、上記(200)面の結晶配向率と上記(220)面の結晶配向率との合計は、X線回折法において、Cu−Kα線を用いたときの各結晶面からの回折ピーク強度の総和に対する(200)面と(220)面との回折ピーク強度の合計の比率を百分率で示した数値である。例えば、上記(200)面の結晶配向率と上記(220)面の結晶配向率との合計は、薄膜評価用試料水平型X線回折装置(リガク社製「Smart Lab」)を用いて測定することができる。
上記パラジウムメッキ層におけるパラジウムの純度の好ましい下限は95重量%である。上記パラジウムメッキ層におけるパラジウムの純度が95重量%未満であると、得られるメッキ構造体の導電性や耐食性が低下することがある。上記パラジウムメッキ層におけるパラジウムの純度のより好ましい下限は96重量%、更に好ましい下限は97重量%、特に好ましい下限は99重量%である。
なお、上記パラジウムメッキ層におけるパラジウムの純度は、エネルギー分散型X線分光器(EDS)又はICP発光分析装置を用いて測定することができる。
上記パラジウムメッキ層の厚さは特に限定されないが、好ましい下限は10nm、好ましい上限は1000nmである。上記パラジウムメッキ層の厚さを10〜1000nmの範囲内とすることで、導電性に極めて優れたパラジウムメッキ層を形成することができる。上記パラジウムメッキ層の厚さのより好ましい下限は100nm、より好ましい上限は800nmであり、更に好ましい下限は200nm、更に好ましい上限は500nmである。
上記パラジウムメッキ層は、本発明のメッキ構造体の最表面に形成されていてもよく、上記パラジウムメッキ層の表面に更に金層等の導電層が形成されていてもよい。
本発明のメッキ構造体を製造する方法は特に限定されないが、例えば、還元メッキ方法において、還元剤としてギ酸又はギ酸塩(以下、還元剤1ともいう。)と、上記金属基材の表面に触媒作用を有する還元剤(以下、還元剤2ともいう。)とを含有するパラジウムメッキ液を用い、上記パラジウムメッキ液に含まれる上記還元剤1及び還元剤2の含有量、メッキ反応時の液温、パラジウムメッキ液のpH等を適宜調整する方法(以下、単に「メッキ構造体の製造方法」ともいう。)によって製造することができる。上記メッキ構造体の製造方法により、パラジウムの純度が極めて高く、導電性に優れるパラジウムメッキ層を形成させることができる。
なお、上記金属基材の表面に触媒作用を有する還元剤は、ギ酸若しくはギ酸塩を含まない。
上記メッキ構造体の製造方法は、還元剤として上記還元剤1と還元剤2とを併用する還元メッキ方法である。
上記メッキ構造体の製造方法では、上記金属基材をパラジウムメッキ液に浸漬する工程を有する。
上記パラジウムメッキ液は、パラジウム化合物、還元剤として還元剤1と還元剤2とを含有する。
上記パラジウム化合物は特に限定されず、例えば、塩化パラジウム、塩化パラジウムナトリウム、テトラアンミンクロロパラジウム、ジクロロテトラアンミンパラジウム、ジニトロテトラアンミンパラジウム、硫酸パラジウム、酢酸パラジウム、硝酸パラジウム等が挙げられる。
上記パラジウムメッキ液中における上記パラジウム化合物の濃度は特に限定されないが、好ましい下限は0.0001モル/L、好ましい上限は0.5モル/Lである。上記パラジウム化合物の濃度が0.0001モル/L未満であると、パラジウムメッキ層の析出速度が遅くなり、充分な厚さのパラジウムメッキ層が形成されないことがあり、0.5モル/Lを超えて添加しても、パラジウムメッキ層の析出速度が向上しないことがある。
上記還元剤1は、ギ酸又はギ酸塩である。上記ギ酸塩は、例えば、ギ酸ナトリウム、ギ酸カリウム、ギ酸アンモニウム等が挙げられる。これらのギ酸塩は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、ギ酸ナトリウムが好ましい。また、上記ギ酸と上記ギ酸塩とを併用してもよい。
上記還元剤1は、上記パラジウムメッキ液中にて、上記金属基材の表面に析出したパラジウムを起点としてパラジウムメッキ層を成長させる役割を有する。
上記還元剤1のみを含有するパラジウムメッキ液を用いて上記金属基材の表面にパラジウムメッキ層を形成した場合、金属基材の表面に存在する金属が溶出し、パラジウムメッキ層におけるパラジウムの純度が低下したり、金属基材の表面に均一なパラジウムメッキ層が形成できないことがある。従って、還元剤として還元剤1のみを含有するパラジウムメッキ液を用いた場合には、得られるメッキ構造体の導電性が低下することがある。
上記パラジウムメッキ液における還元剤1の濃度は特に限定されないが、好ましい下限は5g/L、好ましい上限は250g/Lである。上記還元剤1の濃度が5g/L未満であると、充分な還元性が得られず、パラジウムメッキ層が形成されないことがある。上記還元剤1の濃度が250g/Lを超えるとパラジウムメッキ液の分解が起こったり、上記指定の結晶配向率が得られなかったりすることがある。
上記金属基材の形状が板状基材又はシート基材である場合、上記パラジウムメッキ液における還元剤1の濃度は5〜30g/Lの範囲内であることが好ましい。上記金属基材の形状が微粒子基材である場合、上記パラジウムメッキ液における還元剤1の濃度は5〜250g/Lの範囲内であることが好ましい。
上記還元剤2は、上記金属基材の表面に触媒作用を有し、かつ、上記還元剤1以外の還元剤であれば特に限定されず、例えば、次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸、ジメチルアミンボラン(DMAB)、水素化ホウ素ナトリウム、ホルムアルデヒド、アスコルビン酸、イソアスコルビン酸、カテコール、ピロガロール、グリオキシル酸等が挙げられる。なかでも、次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸、水素化ホウ素ナトリウム、ホルムアルデヒド、ジメチルアミンボランが好ましく、次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸、ホルムアルデヒド、ジメチルアミンボランがより好ましい。
上記還元剤2は、上記パラジウムメッキ液中にて、上記金属基材の表面に、パラジウムメッキ層の起点となるパラジウムを析出させる役割を有する。還元剤として上記還元剤2のみを含有するパラジウムメッキ液を用いて上記金属基材の表面にパラジウムメッキ層を形成した場合、パラジウムメッキ層におけるパラジウムの純度が低下したり、パラジウムメッキ層がアモルファス構造となったりすることがある。従って、還元剤として上記還元剤2のみを含有するパラジウムメッキ液を用いた場合、メッキ構造体の導電性が低下することがある。
上記パラジウムメッキ液における還元剤2の濃度は特に限定されないが、好ましい下限は0.05g/L、好ましい上限は1.5g/Lである。上記還元剤2の濃度が0.05g/L未満であると、充分な厚さのパラジウムメッキ層が形成されないことがあり、1.5g/Lを超えるとパラジウムメッキ液の分解が起こりめっきできなかったり、メッキ構造体の導電性が低下したりすることがある。上記還元剤2の濃度のより好ましい下限は0.1g/L、より好ましい上限は0.5g/Lである。
極めて高い導電性を実現したメッキ構造体を容易に得ることができるため、上記還元剤1の濃度が5〜250g/Lであり、かつ、上記還元剤2の濃度が0.05〜1.5g/Lであるパラジウムメッキ液を用いることが好ましい。なかでも、上記還元剤1の濃度が5〜250g/Lであり、かつ、上記還元剤2の濃度が0.1〜0.5g/Lであるパラジウムメッキ液を用いることがより好ましい。
上記パラジウムメッキ液における還元剤2の濃度が1.5g/Lを超え、かつ、上記パラジウムメッキ液における還元剤1の濃度が上記還元剤2の濃度の3倍を超えると、上記還元剤1の反応が優先されるため、(111)面の結晶配向率が60%を越えるパラジウムメッキ層が形成されることがある。
また、上記パラジウムメッキ液における還元剤2の濃度が1.5g/Lを超え、かつ、上記パラジウムメッキ液における還元剤1の濃度が上記還元剤2の濃度の3倍未満であると、(111)面の結晶配向率が45%未満のパラジウムメッキ層が形成されることがある。
上記パラジウムメッキ液は、更に、安定剤、アルコール、錯化剤、pH調整剤、及び、緩衝剤等を含有することが好ましい。
上記安定剤は、アンモニア及びアミン化合物の少なくとも1種が用いられる。
上記アミン化合物は、例えば、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、トリメチルアミン、ジメチルエチルアミン等のモノアミン類、メチレンジアミン、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等のジアミン類、ジエチレントリアミン、ペンタエチレンヘキサミン等のポリアミン類、その他アミン類としてエチレンジアミン四酢酸、ニトリロ三酢酸、これら各種のアンモニウム塩、カリウム塩及びナトリウム塩等が挙げられる。
上記アルコールは濡れ性改善や還元促進効果を有する。上記アルコールは、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、アリルアルコール、エチレングリコール、グリセリン等が挙げられる。
上記錯化剤は特に限定されず、例えば、メルカプトコハク酸、2−アミノピリジン等が挙げられる。
上記pH調整剤は特に限定されず、例えば、水酸化ナトリウム、アンモニア等が挙げられる。上記パラジウムメッキ液のpHは特に限定されないが、金属層や下地金属層の金属の溶出を抑制するためにpH7以上であることが好ましく、pH7〜10であることが特に好ましい。
上記緩衝剤は特に限定されず、例えば、リン酸水素アンモニウム等が挙げられる。
上記パラジウムメッキ液は、更に、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、蓚酸、酢酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸及びこれらのアンモニウム塩、カリウム塩、ナトリウム塩等を含有することが好ましい。
上記パラジウムメッキ液を用いてメッキ構造体を製造する際のパラジウムメッキ液の温度は、メッキ反応の駆動力を高めることができ、かつ、パラジウムメッキ液の分解が起こらない程度の温度であれば特に限定されないが、好ましい下限は40℃、好ましい上限は60℃である。
本発明によれば、極めて高い導電性を実現したメッキ構造体を提供することができる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されない。
(実施例1)
市販の純銅板(縦4cm×横2cm×厚さ0.5cm、36g)を水酸化ナトリウム10重量%水溶液で脱脂した後、水洗した。次いで、過酸化水素−硫酸水溶液でエッチングを行った後、硫酸10重量%水溶液でスマット除去し、水洗することにより表面が活性化した純銅板を得た。
得られた純銅板をpH2に調整した1重量%塩酸パラジウム水溶液に浸漬し、銅表面上にパラジウム被膜を置換析出させた。得られたパラジウム被膜を形成した純銅板を、下記の組成からなるパラジウムメッキ液(pH7.5)に、液温50℃で、2分間浸漬して無電解めっき反応を行うことにより、表面に厚さ200nmのパラジウムメッキ層が形成されたメッキ構造体を得た。
パラジウムメッキ液組成
硫酸パラジウム 0.6g/L
エチレンジアミン 20g/L
ギ酸ナトリウム 5g/L(還元剤1)
次亜リン酸ナトリウム 0.1g/L(還元剤2)
安定剤 0.006g/L
(実施例2〜4、比較例1〜4)
パラジウムメッキ液に含まれる還元剤1及び還元剤2の濃度を表1の組成に変更した以外は、実施例1と同様の方法によりメッキ構造体を得た。
(実施例5)
市販の純銅板(縦4cm×横2cm×厚さ0.5cm、36g)を水酸化ナトリウム10重量%水溶液で脱脂した後、水洗した。次いで、過酸化水素−硫酸水溶液でエッチングを行った後、硫酸10重量%水溶液でスマット除去し、水洗することにより表面が活性化した純銅板を得た。
得られた純銅板をpH2に調整した1重量%塩酸パラジウム水溶液に浸漬して、銅表面上にパラジウム被膜を置換析出させた。得られたパラジウム被膜を形成した純銅板を、下記の組成からなる下地メッキ液(pH5.5)に、液温90℃で浸漬して無電解めっき反応を行うことにより、表面に厚さ500nmのニッケル−リン層を形成した。
下地メッキ液組成
硫酸ニッケル 40g/L
琥珀酸 30g/L
次亜リン酸ナトリウム 20g/L
得られたニッケル−リン層が形成された純銅板を、下記の組成からなるパラジウムメッキ液(pH7.5)に、液温50℃で、2分間浸漬して無電解めっき反応を行うことにより、表面に厚さ200nmのパラジウムメッキ層が形成されたメッキ構造体を得た。
パラジウムメッキ液組成
硫酸パラジウム 0.6g/L
エチレンジアミン 20g/L
ギ酸ナトリウム 7g/L(還元剤1)
次亜リン酸ナトリウム 0.15g/L(還元剤2)
安定剤 0.006g/L
(実施例6〜8、比較例5〜8)
パラジウムメッキ液に含まれる還元剤1及び還元剤2の濃度と還元剤種とを表2の組成に変更した以外は、実施例4と同様の方法によりメッキ構造体を得た。
ただし、実施例6では、以下の組成からなるパラジウムメッキ液(pH7.5、液温50℃)を用いた。
実施例6のパラジウムメッキ液組成
ジニトロテトラアンミンパラジウム 2g/L
EDTA 5g/L
ギ酸ナトリウム 10g/L(還元剤1)
DMAB(ジメチルアミンボラン) 0.3g/L(還元剤2)
安定剤 0.03g/L
(実施例9)
市販の樹脂基材(日立化成工業社製「MCL−E−67」)を縦4cm×横2cm×厚さ0.5cmに切断し、200℃で6時間加熱した。次いで、樹脂基材を水酸化ナトリウム10重量%水溶液で脱脂した後、水洗した。次いで、過酸化水素−硫酸水溶液でエッチングを行った後、硫酸10重量%水溶液でスマット除去し、水洗することにより表面が活性化した樹脂基材を得た。
得られた樹脂基材をpH2に調整した1重量%塩酸パラジウム水溶液に浸漬して、樹脂基材表面上にパラジウム被膜を置換析出させた。得られたパラジウム被膜を形成した樹脂基材を、下記の組成からなる下地メッキ液(pH5.5)に、液温90℃で浸漬して無電解めっき反応を行うことにより、表面に厚さ500nmのニッケル−リン層を形成した。
下地メッキ液組成
硫酸ニッケル 40g/L
琥珀酸 30g/L
次亜リン酸ナトリウム 20g/L
得られたニッケル−リン層が形成された樹脂基材を、下記の組成からなるパラジウムメッキ液(pH7.5)に、液温50℃で、2分間浸漬して無電解めっき反応を行うことにより、表面に厚さ200nmのパラジウムメッキ層が形成されたメッキ構造体を得た。
パラジウムメッキ液組成
硫酸パラジウム 0.6g/L
エチレンジアミン 20g/L
ギ酸ナトリウム 5g/L(還元剤1)
次亜リン酸ナトリウム 0.15g/L(還元剤2)
安定剤 0.006g/L
(実施例10〜12、比較例9〜12)
パラジウムメッキ液に含まれる還元剤1及び還元剤2の濃度と還元剤種とを表3の組成に変更した以外は、実施例9と同様の方法によりにメッキ構造体を得た。
ただし、比較例11では、以下の組成からなるパラジウムメッキ液(pH7.5、液温50℃)を用いた。
比較例11のパラジウムメッキ液組成
ジニトロテトラアンミンパラジウム 2g/L
EDTA 5g/L
DMAB(ジメチルアミンボラン) 5g/L
ギ酸ナトリウム 12g/L
安定剤 0.03g/L
(実施例13)
市販の樹脂基材(日立化成工業社製「MCL−E−67」)を縦4cm×横2cm×厚さ0.5cmに切断し、200℃で6時間加熱した。次いで、樹脂基材を水酸化ナトリウム10重量%水溶液で脱脂した後、水洗した。次いで、過酸化水素−硫酸水溶液でエッチングを行った後、硫酸10重量%水溶液でスマット除去し、水洗することにより表面が活性化した樹脂基材を得た。
得られた樹脂基材をpH2に調整した1重量%塩酸パラジウム水溶液に浸漬して、樹脂基材表面上にパラジウム被膜を置換析出させた。得られたパラジウム被膜を形成した樹脂基材を、下記の組成からなる下地メッキ液(pH5.5)に、液温40℃で浸漬して無電解めっき反応を行うことにより、表面に厚さ500nmの銅層を形成した。
下地メッキ液組成
硫酸銅 40g/L
ホルムアルデヒド 10g/L
得られた銅層が形成された樹脂基材を、下記の組成からなるパラジウムメッキ液(pH7.5)に、液温50℃で、2分間浸漬して無電解めっき反応を行うことにより、表面に厚さ200nmのパラジウムメッキ層が形成されたメッキ構造体を得た。
パラジウムメッキ液組成
硫酸パラジウム 0.6g/L
エチレンジアミン 20g/L
ギ酸ナトリウム 7g/L(還元剤1)
次亜リン酸ナトリウム 0.1g/L(還元剤2)
安定剤 0.006g/L
(実施例14〜16、比較例13〜16)
パラジウムメッキ液に含まれる還元剤1及び還元剤2の濃度と還元剤種とを表4の組成に変更した以外は、実施例13と同様の方法によりメッキ構造体を得た。
なお、比較例13、15、及び16では、以下の組成からなるパラジウムメッキ液(pH7.5、液温50℃)を用いた。
比較例13、15、及び16のパラジウムメッキ液組成
ジニトロテトラアンミンパラジウム 2g/L
EDTA 5g/L
DMAB(ジメチルアミンボラン) 表4の組成
ギ酸ナトリウム 表4の組成
安定剤 0.03g/L
(実施例17)
平均粒子径4μmのスチレン樹脂微粒子を、イオン吸着剤10重量%溶液に5分間浸漬した。次いで、イオン吸着剤に浸漬した後のスチレン樹脂微粒子を、硫酸パラジウム0.01重量%水溶液に5分間浸漬した。更にジメチルアミンボランを加えて還元し、ろ過、洗浄することにより、パラジウムを担持したスチレン樹脂微粒子を得た。
コハク酸ナトリウム1重量%を含むイオン交換水500mL水溶液と、パラジウムを担持したスチレン樹脂微粒子10gとを混合して懸濁液を調製した。この懸濁液に硫酸を添加して、懸濁液のpHを5に調整した。次いで、硫酸ニッケル20重量%と次亜リン酸ナトリウム20重量%と、水酸化ナトリウム8重量%とを含むメッキ液を調整した。懸濁液を80℃にし、懸濁液にメッキ液を連続的に滴下し、20分間攪拌することによりメッキ反応させ、厚さ500nmのニッケル−リン層が形成されたスチレン樹脂微粒子を得た。
得られたニッケル−リン層が形成されたスチレン樹脂微粒子を、以下の組成からなるパラジウムメッキ液(pH9.0)に、液温55℃で、2分間浸漬して無電解めっき反応を行うことにより、表面に厚さ200nmのパラジウムメッキ層が形成されたメッキ構造体(導電性微粒子)を得た。
(パラジウムメッキ液組成)
ジクロロテトラアンミンパラジウム 5g/L
ジエチレントリアミン 5g/L
ギ酸ナトリウム 10g/L(還元剤1)
次亜リン酸 0.15g/L(還元剤2)
安定剤 0.003g/L
重金属添加剤 0.2g/L
(実施例18〜20、比較例17〜19)
パラジウムメッキ液に含まれる還元剤1及び還元剤2の濃度と還元剤種とを表5の組成に変更した以外は、実施例17と同様の方法によりメッキ構造体(導電性微粒子)を得た。
(実施例21)
平均粒子径4μmのスチレン樹脂微粒子を、イオン吸着剤10重量%溶液に5分間浸漬した。次いで、イオン吸着剤に浸漬した後のスチレン樹脂微粒子を、硫酸パラジウム0.01重量%水溶液に5分間浸漬した。更にジメチルアミンボランを加えて還元し、ろ過、洗浄することにより、パラジウムを担持したスチレン樹脂微粒子を得た。
コハク酸ナトリウム1重量%を含むイオン交換水500mL水溶液と、パラジウムを担持したスチレン樹脂微粒子10gとを混合して懸濁液を調製した。この懸濁液に硫酸を添加して、懸濁液のpHを5に調整した。次いで、硫酸銅20重量%とホルムアルデヒド10重量%と、水酸化ナトリウム8重量%とを含むメッキ液を調製した。懸濁液を40℃にし、懸濁液にメッキ液を連続的に滴下し、20分間攪拌することによりメッキ反応させ、厚さ500nmの銅層が形成されたスチレン樹脂微粒子を得た。
得られた銅層が形成されたスチレン樹脂微粒子を、以下の組成からなるパラジウムメッキ液(pH9.0)に、液温55℃で、2分間浸漬して無電解めっき反応を行うことにより、表面に厚さ200nmのパラジウムメッキ層が形成されたメッキ構造体(導電性微粒子)を得た。
パラジウムメッキ液組成
ジクロロテトラアンミンパラジウム 5g/L
ジエチレントリアミン 5g/L
ギ酸ナトリウム 10g/L(還元剤1)
次亜リン酸 0.1g/L(還元剤2)
安定剤 0.003g/L
重金属添加剤 0.2g/L
(実施例22〜24、比較例20〜22)
パラジウムメッキ液に含まれる還元剤1及び還元剤2の濃度と還元剤種とを表6の組成に変更した以外は、実施例21と同様の方法によりメッキ構造体(導電性微粒子)を得た。
<評価>
実施例1〜24及び比較例1〜22で得られたメッキ構造体について以下の評価を行った。結果を表1〜6に示した。
(1)パラジウムメッキ層のパラジウム純度測定
メッキ構造体を、過酸化水素水1重量%とシアン化カリウム10重量%とを含有する水溶液100mLに浸漬させ、パラジウムメッキ層を0.5g溶解させた。パラジウムメッキ層が溶解した水溶液を10mL採取し、純水で薄めて100mLにし、ICP発光分析装置(堀場製作所社製)により金属含有量を分析し、パラジウム純度(重量%)を求めた。
(2)結晶配向率測定
実施例及び比較例で得られたメッキ構造体のパラジウムメッキ層の各結晶面の結晶配向率は薄膜X線回折装置(リガク社製「Smart Lab」)を用いて測定した。結晶配向率はピーク位置より配向面を決定し、各配向位置に出たピークの強度から結晶配向率を決定した。結晶配向率は(目的ピーク位置強度)/(目的ピーク位置強度と他位置でのピーク強度の合計)から比率を算出し、(111)面の結晶配向率と、(200)面と(220)面との結晶配向率との合計を百分率で示した。
(3)体積抵抗率測定
実施例1〜16及び比較例1〜16で得られたメッキ構造体について、体積抵抗率計(ダイアインスツルメンツ社製)を用いて、四端子法により、20kN圧縮時の体積抵抗率を測定した。また、実施例17〜24及び比較例17〜22で得られたメッキ構造体(導電性微粒子)について、導電性微粒子2.0gを秤量し、四端子法により、微小圧縮電気抵抗測定器(島津製作所社製「PCT−200」)を用いて、20kN圧縮時の体積抵抗率を測定した。
(4)PCT試験後の体積抵抗率測定
実施例及び比較例で得られたメッキ構造体を、85℃、相対湿度95%の雰囲気下で1週間保管した後、(3)体積抵抗率測定と同様に、PCT試験後のメッキ構造体の体積抵抗率を測定した。
体積抵抗率測定の結果から、金属基材が同一の場合、(111)面の結晶配向率が45〜60%、かつ、(200)面の結晶配向率と(220)面の結晶配向率との合計が40〜55%であるメッキ構造体は、極めて高い導電性を示した。
Figure 2009099067
Figure 2009099067
Figure 2009099067
Figure 2009099067
Figure 2009099067
Figure 2009099067
本発明によれば、極めて高い導電性を実現したメッキ構造体を提供することができる。

Claims (3)

  1. 金属基材の表面にパラジウムメッキ層が形成されたメッキ構造体であって、
    前記パラジウムメッキ層は、X線回折法によって測定される(111)面の結晶配向率が45〜60%、かつ、(200)面の結晶配向率と(220)面の結晶配向率との合計が40〜55%である
    ことを特徴とするメッキ構造体。
  2. パラジウムメッキ層におけるパラジウムの純度が95重量%以上であることを特徴とする請求項1記載のメッキ構造体。
  3. 導電性微粒子であることを特徴とする請求項1又は2記載のメッキ構造体。
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