JP5846252B2 - 電子部品内蔵基板 - Google Patents
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本発明は、電子部品内蔵基板に関する。
IC(Integral Circuit)等の電子部品を内部に収容した電子部品内蔵基板では、内蔵された電子部品の接続端子の保護を目的として、接続端子上部に金属保護層(エッチングストップ層)が設けられる。例えば、特許文献1では、エッチングストップ層としてニッケル膜を用いることが示されている。また、このような金属保護層として主成分としてニッケル(Ni)を含んだNi−P合金からなる金属膜を用いる構成等も検討されている。
しかしながら、Ni−P合金は製造工程において用いられる薬液に対する耐性が十分ではなく、製造中に腐食が発生する可能性がある。
本発明は上記を鑑みてなされたものであり、金属保護層の耐薬液性の向上が図られた電子部品内蔵基板を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る電子部品内蔵基板は、収容構造体の内部に収容され、その一方側に端子電極が形成された電子部品と、前記電子部品上に形成され、前記端子電極の少なくとも一部を露出させる開口を有する絶縁性被覆層と、前記開口内に露出する前記端子電極を塞ぐように形成された金属保護層と、前記金属保護層上に形成され前記金属保護層と電気的に接続された配線層と、を備える電子部品内蔵基板であって、前記金属保護層は、主成分としてNi及びPを含有する第1の層を有し、前記第1の層は、X線回折パターンにおける配向(111)のピーク値が44.90°〜45.30°であると共に、配向(200)のピーク値が49.30°〜50.60°ことを特徴とする。
発明者らは鋭意研究の結果、金属保護層がNi及びPを主成分として含有すると共に特定の配向の結晶構造を有する場合に耐薬液性が向上することを発見した。すなわち、金属保護層の第1の層がX線回折パターンにおける配向(111)のピーク値が44.90°〜45.30°であると共に、配向(200)のピーク値が49.30°〜50.60°であることで耐薬液性が向上し、電子部品内蔵基板の製造工程における薬液等の影響を小さくすることができる。また、上記の電子部品内蔵基板では、金属保護層が主成分としてNi及びPを含有する第1の層から形成されているため、配線層を金属保護層に対して直接接続することができる。したがって、より簡易な方法によって、電子部品内蔵基板を製造することができる。
ここで、前記金属保護層は、前記第1の層上に、主成分としてPdを含有する第2の層を有する態様とすることができる。
金属保護層が、上記の第1の層と、主成分としてPdを含有する第2の層との二層から構成されている場合、耐薬液性が向上された第1の層に加えて、Pdを主成分とする第2の層がエッチング等によるダメージをさらに抑制するため、端子電極を含む電子部品への腐食等の影響を抑制し、接続信頼性の高い配線を行うことができる。
また、前記端子電極は、主成分としてAl又はCuを含有する態様とすることができる。
端子電極が主成分としてAl又はCuを含有する場合に、端子電極の上面に上記の金属保護層を形成することによって、エッチング等による薬液による端子電極への影響を効果的に抑制することができる。
本発明によれば、金属保護層の耐薬液性の向上が図られた電子部品内蔵基板が提供される。
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態を詳細に説明する。なお、図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
<第1実施形態>
(電子部品内蔵基板)
図1は、本発明の第1実施形態に係る電子部品内蔵基板を説明する断面図である。図1に係る電子部品内蔵基板1は、例えば、複数の電子部品が内蔵された多層プリント基板として実現されるが、以下の実施形態では、その一部分のみについて説明する。
(電子部品内蔵基板)
図1は、本発明の第1実施形態に係る電子部品内蔵基板を説明する断面図である。図1に係る電子部品内蔵基板1は、例えば、複数の電子部品が内蔵された多層プリント基板として実現されるが、以下の実施形態では、その一部分のみについて説明する。
図1に示すように、電子部品内蔵基板1は、基板10と、基板10上に接着層12を介して配置され、一方側(上面)に2つの端子電極22を備える電子部品20と、端子電極22上に設けられた開口部23を除いて端子電極22の上面を被覆するパッシベーション層24(絶縁性被覆層)と、端子電極上の開口部23を充填するように形成された金属保護層30と、金属保護層30上に設けられた開口部33を除いて基板10及び電子部品20上を被覆する第1層間絶縁層32と、第1層間絶縁層32上に設けられると共に金属保護層30上の開口部31を充填するように形成された配線層34と、配線層34上に設けられた開口部35を除いて第1層間絶縁層32及び配線層34上を被覆する第2層間絶縁層36と、配線層34上の開口部35を充填するように形成されたバンプ38と、を含んで構成される。また、金属保護層30は、第1保護層(第1の層)26と、第1保護層26上に積層された第2保護層28(第2の層)と、を含んで構成される。このうち、電子部品20が配置される基板10及び接着層12と、電子部品20の周囲に設けられる第1層間絶縁層32と、が電子部品20を収容する収容構造体として機能する。
基板10としては、絶縁性の材料を適宜用いることができる。基板10として好適に用いられる材料としては、絶縁性を有し且つシート状又はフィルム状に成形可能なものであれば特に限定されず、例えばシリコン基板、有機基板等公知の材料を用いることができる。基板10の厚みは特に限定されないが、例えば1μm〜1mm程度とされる。また、基板10は、例えば、RCC(Resin Coated Cupper)構造を有していてもよい。なお、基板10として、例えば銅箔等から構成された導体層を用いることもできる。
基板10と電子部品20との間には、接着層12が設けられる。接着層12としては、基板10に対して電子部品20を支持することが可能な構成であれば特に限定されないが、例えば、熱硬化前の樹脂(プリプレグ、フィラー含有複合材等)、粘着剤(接着剤付シート、金属粉入りペースト等)、半田等が挙げられる。
基板10上に接着層12を介して設けられる電子部品20としては、例えば、ベアチップ状態の半導体IC等が挙げられる。電子部品20は、上面に1以上(本実施形態では2つ)の端子電極22を有している。なお、電子部品20の厚みは通常の半導体ICよりも薄く、具体的には、その厚みが例えば200μm以下であり、好ましくは30〜100μm程度とされる。端子電極22は、Cu、Cu合金、Al、Al合金等からなるものが好ましい態様として挙げられる。端子電極22の厚み及びピッチ(配置間隔)等は特に限定されないが、層形成の実施容易性及び端子電極22同士の短絡防止等の観点から、それぞれ0.1〜30μm及び10〜150μmとすることが好ましい。
パッシベーション層24は、電子部品20の上面を水分による腐食等から保護する目的で設けられる。パッシベーション層24の厚みは、電子部品20の上面の保護が達成される程度の厚みとされる。また、その材料は絶縁性を有していれば特に限定されず、例えば、ポリイミド、SiN等からなるものが挙げられる。パッシベーション層24の厚みは、特に限定されないが、層形成の実施容易性等の観点から0.1〜50μm程度とすることが好ましい。また、パッシベーション層24は、端子電極22の表面に開口部23を有する。開口部23の平面形状(上側から開口部23を見たときの形状)は特に限定されない。また、開口部23の径は、電気的絶縁性の観点から端子電極22の径よりも小さくされることが好ましいが、金属保護層30を介した配線層34との電気的接続性の観点から、3μm以上とすることが好ましい。
金属保護層30のうち、第1保護層26は、開口部23内を充填すると共に、開口部23の周辺のパッシベーション層24の上側を覆うように形成される。また、第1保護層26の上側に形成される第2保護層28は、第1保護層26の表面を覆うように形成される。
なお、第1保護層26は、図1に示すように開口部23内に充填される必要はなく、少なくとも開口部23内に露出された端子電極22を塞ぐように形成されていればよい。この場合、第2保護層28は、開口部23内の第1保護層26の表面を覆うように形成される。また、第1保護層26の上側は、パッシベーション層24よりも低くてもよい。この場合には、図1に示すようにパッシベーション層24の上側に第1保護層26が設けられていなくてもよい。このようにパッシベーション層24に対して第1保護層26の表面が凹んでいる場合には、第2保護層28又は第1層間絶縁層32によって第1保護層26の上部が塞がれることが好ましい。
なお、第1保護層26は、図1に示すように開口部23内に充填される必要はなく、少なくとも開口部23内に露出された端子電極22を塞ぐように形成されていればよい。この場合、第2保護層28は、開口部23内の第1保護層26の表面を覆うように形成される。また、第1保護層26の上側は、パッシベーション層24よりも低くてもよい。この場合には、図1に示すようにパッシベーション層24の上側に第1保護層26が設けられていなくてもよい。このようにパッシベーション層24に対して第1保護層26の表面が凹んでいる場合には、第2保護層28又は第1層間絶縁層32によって第1保護層26の上部が塞がれることが好ましい。
第1保護層26は、Ni(ニッケル)及びP(リン)を主成分として含有するNi−P(ニッケル−リン)合金から構成される。また第1保護層26は、X線回折パターンにおける配向(111)のピーク値が44.90°〜45.30°であると共に、配向(200)のピーク値が49.30°〜50.60°である。このような構成を有することで、耐薬液性が向上する。
また、第2保護層28は、主成分がPdであることが好ましい。主成分がPdである第2保護層28を第1保護層26の上側に設けることで、第1保護層26及びその下方の端子電極22に対して製造工程におけるエッチングによるダメージが及ぶことを防ぐことができる。具体的には、第2保護層28を第1保護層26の上に設けることで、後述の第1層間絶縁層32の開口部33において露出していない部分の第1層間絶縁層32と密着する界面へのエッチング液が侵攻することを抑制することができると共に、第1層間絶縁層32と第1保護層26との間の密着力が向上する。
第1層間絶縁層32は、金属保護層30上に設けられた開口部33を除き、基板10及び電子部品20上を被覆する。第1層間絶縁層32を構成する材料は、絶縁性を有していれば特に限定されない。
配線層34は、導電材料によって、第1層間絶縁層32上に設けられると共に金属保護層30上の開口部31を充填するように形成される。配線層34は、金属保護層30上の開口部31を充填することでビア34aを形成する。これにより、配線層34はビア34aを介して金属保護層30と電気的に接続される。配線層34の材料は特に限定されない。
第2層間絶縁層36は、配線層34と、配線層34上に設けられた開口部35を除いて第1層間絶縁層32及び配線層34上を被覆する。第2層間絶縁層36を構成する材料は、絶縁性を有していれば特に限定されない。
バンプ38は、導電材料によって形成され、配線層34上の開口部35を充填するように形成され、外部の端子等との接続に用いられる。
(電子部品内蔵基板の製造方法)
次に、図2及び図3を参照しながら、第1実施形態に係る電子部品内蔵基板1の製造方法について説明する。図2(a)、(b)及び図3(a)、(b)は電子部品内蔵基板1の製造方法を模式的に示す断面図である。まず、図2(a)に示すように、基板10上に、接着層12を設ける。
次に、図2及び図3を参照しながら、第1実施形態に係る電子部品内蔵基板1の製造方法について説明する。図2(a)、(b)及び図3(a)、(b)は電子部品内蔵基板1の製造方法を模式的に示す断面図である。まず、図2(a)に示すように、基板10上に、接着層12を設ける。
次に、図2(b)に示すように、端子電極22等が積層された電子部品20を取り付ける。電子部品20は、基板10に取り付ける前に金属保護層30の取付けまでが行われる。具体的には、複数の電子部品20を含んで構成されるウエハーの表面を加工することによって、電子部品20の表面に金属保護層30が形成された部品が得られる。
以下、電子部品20上に金属保護層30を取り付けるまでの工程を説明する。まず、電子部品20に対して端子電極22を形成すると共に、端子電極22上に、開口部23が形成されたパッシベーション層24を形成する。開口部23内に露出された端子電極22の表面に対して公知の前処理を行った後に、無電解ニッケルめっきによって開口部23を充填し且つパッシベーション層24の一部を覆うNi−P合金を主成分とする第1保護層26を形成する。なお、前述の前処理としては、例えば、端子電極22がCu又はCu合金の場合、脱脂、酸洗及び活性化処理等が挙げられる。また、例えば端子電極22がAl又はAl合金の場合、脱脂、酸洗及びジンケート処理等が挙げられる。
無電解ニッケルめっきでは、ニッケル塩、錯化剤、還元剤等を含むめっき液を用いて処理が行われる。ここで、X線回折パターンにおける配向(111)のピーク値が44.90°〜45.30°であると共に、配向(200)のピーク値が49.30°〜50.60°となるような第1保護層26を形成するためには、めっき液成分が以下のように調製される。
無電解ニッケルめっきに用いられるめっき液には、Ni元素として例えばNiの塩化物または硫酸塩が含まれる。また、還元剤として、例えば次亜リン酸ナトリウムが用いられる。また、めっき液の安定性を保つためには、錯化剤が加えられる。さらに、添加剤成分として、硫黄化合物、酢酸等を添加してもよい。特に、本実施形態に係るめっき液では、SO4イオンの濃度が0.14〜0.24mol/g、硫黄成分が0.2〜0.45mg/l、及び酢酸成分が4.0〜9.0mg/lとされる。また、錯化剤として、コハク酸及び乳酸が含有される。これにより、X線回折パターンにおける配向(111)のピーク値及び配向(200)のピーク値が上記の範囲となる耐薬液性の向上した第1保護層26を形成することができる。その他の成分に関しては適宜調整をすることができる。
また、無電解ニッケルめっきのめっき条件は特に限定されるものではないが、温度条件は、40℃〜90℃であることが好ましく、50℃〜80℃であることがより好ましい。また、めっき時間は、30秒〜5時間であることが好ましく、1分〜2時間であることがより好ましい。
次に、無電解パラジウムめっきにより、第1保護層26上にPdを主成分とする第2保護層28を形成する。無電解パラジウムめっきは、化合物、有機錯化剤、有機イオウ化合物、酸化防止剤、及び還元剤を含むめっき液を用いることが好ましい。これら構成成分の種類、濃度を好適に選択することで、Ni−P合金の第1保護層26上に安定的にPdを析出することが可能である。
無電解パラジウムめっきに用いられるめっき液には、Pd元素として例えばPdの塩化物または硫酸塩が含まれる。また、還元剤として、例えば次亜リン酸ナトリウムを用いる。また、めっき液の安定性を保つために、錯化剤として、カルボン酸、アミノカルボン酸、エチレンジアミン等加えられていてもよい。さらに、添加剤成分として、硫黄化合物、酢酸、塩化物等を添加してもよい。無電解パラジウムめっきのめっき条件は特に限定されるものではなく、公知の条件を利用することができる。
このように無電解めっきによって、第1保護層26及び第2保護層28により構成される金属保護層30が形成される。以上の工程を経た後に、ウエハーを個別にカットすることで、上部に金属保護層30が形成された電子部品20が得られる。を基板10の接着層12上に取り付けることで、図2(b)に示す積層体が得られる。
次に、金属保護層30が上部に設けられた電子部品20及び基板10の上面に対して、ラミネート、プレス等の公知の方法を用いて第1層間絶縁層32を形成する。その後、レーザー加工、ブラスト加工,樹脂エッチング等の公知の方法を用いて、図3(a)に示すように、金属保護層30上の第1層間絶縁層32に対して開口部33を形成する。
そして、図3(b)に示すように、第1層間絶縁層に形成された開口部33を充填するように、第1層間絶縁層32上に導電性の配線層34を形成する。このとき、開口部33に充填される配線層34がビア34aとなって、金属保護層30と配線層34とが電気的に接続される。
その後、第1層間絶縁層32及び配線層34の上面に第2層間絶縁層36を形成した後に、パターニング等によって第2層間絶縁層36に開口部35を形成し、開口部35を充填するようにバンプ38を形成することで、電子部品内蔵基板1が得られる。
このようにして得られる電子部品内蔵基板1は、半導体素子等に好適に適用することができる。上記の電子部品内蔵基板1では、金属保護層30がNi−P合金から形成されているため、配線層34を金属保護層30に対して直接接続することができる。したがって、より簡易な方法によって、電子部品内蔵基板1を製造することができる。また、金属保護層30の第1保護層26を構成するNi−P合金がX線回折パターンにおける配向(111)のピーク値が44.90°〜45.30°であると共に、配向(200)のピーク値が49.30°〜50.60°であり、耐薬液性に優れているため、開口部33を形成する際に第2保護層28が除去され、第1保護層26が露出した状態においても、従来の電子部品内蔵基板と比較して、製造工程における金属保護層30への薬液等の影響を小さくすることができる。このため、従来の電子部品内蔵基板と比較して、金属保護層30を薄くしても内部の電子部品の保護ができるため、電子部品内蔵基板1としての小型化等も実現することができる。特に、金属保護層の薄化が可能なことにより、例えば、端子電極のピッチが非常に狭い構造(例えば、ICパッド)を有する電子部品を内蔵する基板を製造する場合でも、隣接する端子電極間が導通することなく、高い信頼性を有する電子部品内蔵基板を製造することができる。
さらに、金属保護層30が第1保護層26と第2保護層28との二層から構成されている場合、耐薬液性が向上されたNi−P合金の第1保護層26に加えて、Pdを主成分とする第2保護層28がエッチング等によるダメージをさらに抑制するため、端子電極22を含む電子部品20への腐食等の影響を抑制し、接続信頼性の高い配線を行うことができる。
また、端子電極22が主成分としてAl又はCuを含有する場合に、端子電極22の上面に上記の金属保護層30を形成することによって、エッチング等による薬液による端子電極22への影響を抑制することができる。
(変形例)
図4は、変形例に係る電子部品内蔵基板2の断面を示す図である。電子部品内蔵基板2は、電子部品内蔵基板1と比較して、金属保護層30が第1保護層26のみから構成されている点が相違する。
図4は、変形例に係る電子部品内蔵基板2の断面を示す図である。電子部品内蔵基板2は、電子部品内蔵基板1と比較して、金属保護層30が第1保護層26のみから構成されている点が相違する。
上記実施形態では、金属保護層30が第1保護層26及び第2保護層28の2層から構成されている場合について説明したが、図4の電子部品内蔵基板2のように、Ni−P合金からなる第1の層のみによって構成されてもよい。この場合、第1保護層26を構成するNi−P合金がX線回折パターンにおける配向(111)のピーク値が44.90°〜45.30°であると共に、配向(200)のピーク値が49.30°〜50.60°であることで第1保護層26の耐薬液性が向上し、下方の電子部品20及び端子電極22への薬液等によるダメージを抑制することができ、接続信頼性の高い配線を行うことができる。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態に係る電子部品内蔵基板について説明する。第2実施形態に係る電子部品内蔵基板が、第1実施形態に係る電子部品内蔵基板1と相違する点は、以下の点である。すなわち、電子部品内蔵基板1は、端子電極22が上方となるように電子部品20を基板10上に載置して製造する所謂フェースアップ搭載により電子部品内蔵基板1を製造したのに対して、電子部品内蔵基板3では、端子電極22が導体からなる基板10Aと対向するように電子部品を載置して製造した所謂フェースダウン搭載により製造されたものである点である。したがって、樹脂層等の構造が電子部品内蔵基板1とは大きく相違する。以下、まず、第2実施形態に係る電子部品内蔵基板の製造方法について説明した後に、第2実施形態に係る電子部品内蔵基板の構成について説明する。
次に、本発明の第2実施形態に係る電子部品内蔵基板について説明する。第2実施形態に係る電子部品内蔵基板が、第1実施形態に係る電子部品内蔵基板1と相違する点は、以下の点である。すなわち、電子部品内蔵基板1は、端子電極22が上方となるように電子部品20を基板10上に載置して製造する所謂フェースアップ搭載により電子部品内蔵基板1を製造したのに対して、電子部品内蔵基板3では、端子電極22が導体からなる基板10Aと対向するように電子部品を載置して製造した所謂フェースダウン搭載により製造されたものである点である。したがって、樹脂層等の構造が電子部品内蔵基板1とは大きく相違する。以下、まず、第2実施形態に係る電子部品内蔵基板の製造方法について説明した後に、第2実施形態に係る電子部品内蔵基板の構成について説明する。
(電子部品内蔵基板及びその製造方法)
図5及び図6を参照しながら、第2実施形態に係る電子部品内蔵基板3の製造方法について説明する。図5(a)、(b)及び図6(a)、(b)は電子部品内蔵基板3の製造方法を模式的に示す断面図である。
図5及び図6を参照しながら、第2実施形態に係る電子部品内蔵基板3の製造方法について説明する。図5(a)、(b)及び図6(a)、(b)は電子部品内蔵基板3の製造方法を模式的に示す断面図である。
まず、図5(a)に示すように、基板10A上に、接着層12を設けた後に、パッシベーション層24及び第1保護層26が設けられた電子部品20を搭載する。ここで用いられる基板10Aは、導体基板であって、例えば銅箔等によって構成される。また、接着層12としては、絶縁性材料が用いられる。第2実施形態に係る電子部品内蔵基板3においては、上方の配線部分と下方の電子部品20との間の絶縁層として機能するからである。
電子部品20に対する端子電極22の取り付け、開口部23の形成及びパッシベーション層24の形成、さらに第1保護層26の形成は、第1実施形態と同様の方法で行われる。なお、第2実施形態では、第1保護層26の表面とパッシベーション層24の表面とが同一面となるように、第1保護層26が形成されていて、第2保護層28は省略されている。そして、第1保護層26の形成まで行われた電子部品20が、パッシベーション層24及び第1保護層26の表面が接着層12と対向するようにして、図5(a)に示すように基板10Aに対して接着層12を介して取り付けられる。
次に、図5(b)に示すように、ラミネート、プレス等の公知の方法を用いて基板10A及び電子部品20の側面及び上方を覆うように第1層間絶縁層32を形成する。これにより、電子部品20が覆われる。この第1層間絶縁層32は、製造後の電子部品内蔵基板において、電子部品20を収容する収容構造体として機能する。
次に、図6(a)に示すように、基板10A側からレーザー加工、ブラスト加工,樹脂エッチング等の公知の方法を用いて、開口部43を形成する。このとき、基板10A及び接着層12が除去されるため、下方から見たときに第1保護層25が露出するような開口部43が形成される。
そして、図6(b)に示すように、基板10A及び接着層12に形成された開口部43を充填するように、基板10A上に導電性の配線層34を形成する。このとき、開口部43に充填される配線層34がビア34aとなって、金属保護層30と配線層34とが電気的に接続される。なお、配線層34を形成する際には、基板10Aも配線層34の配置に沿って除去される。
その後、上下を反転し、パッシベーション層24、第1層間絶縁層32及び配線層34の上面に第2層間絶縁層36を形成した後に、パターニング等によって第2層間絶縁層36に開口部35を形成し、開口部35を充填するようにバンプ38を形成することで、電子部品内蔵基板3が得られる。上述のように基板10Aの一部も除去されるため、絶縁性の接着層12と第2層間絶縁層36とが接する領域によって、近隣の配線層34同士がそれぞれ区切られる。
上記の製造方法で得られた電子部品内蔵基板3を図7に示す。図7に示すように、電子部品内蔵基板3では、第1層間絶縁層32が電子部品20を収容する収容構造体として機能する。
そして、第1実施形態に係る電子部品内蔵基板1と同様に、上記の電子部品内蔵基板3では、金属保護層30として機能する第1保護層26がNi−P合金から形成されているため、配線層34を金属保護層に対して直接接続することができる。したがって、より簡易な方法によって、電子部品内蔵基板3を製造することができる。また、金属保護層30の第1保護層26を構成するNi−P合金がX線回折パターンにおける配向(111)のピーク値が44.90°〜45.30°であると共に、配向(200)のピーク値が49.30°〜50.60°であり、耐薬液性に優れている。したがって、電子部品内蔵基板1と同様に、開口部33を形成する際に第2保護層28が除去され、第1保護層26が露出した状態においても、従来の電子部品内蔵基板と比較して、製造工程における金属保護層30への薬液等の影響を小さくすることができる。このため、従来の電子部品内蔵基板と比較して、金属保護層30を薄くしても内部の電子部品の保護ができるため、電子部品内蔵基板3としての小型化等も実現することができる。
このように、電子部品内蔵基板の製造方法は特に限定されず、所謂フェースダウン搭載により製造された電子部品内蔵基板に対しても、本発明の特徴となる金属保護層適用することができる。
なお、第2実施形態の電子部品内蔵基板3は、金属保護層30が第1保護層26のみによって構成されている場合について説明したが、第1保護層26に加えて第2保護層28が設けられた構成とすることもできる。また、第1保護層26の形状(厚さ)は適宜変更できる。
以下、実施例及び比較例に基づき本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
<実施例1〜10、比較例1〜8の準備>
<実施例1〜10、比較例1〜8の準備>
シリコン基板上に図2(a)の端子電極22に相当するAlパッドを設けた試料を準備し、それぞれについて所定の前処理(脱脂、酸洗、ジンケート処理)を行った後、以下の表1及び表2に示す組成のめっき液を用いて、無電解ニッケルめっきを行い、Alパッドの上に第1保護層26を形成した(図2(b))。表1は、無電解ニッケルめっき液に含まれるNi主剤、添加剤成分及び鎖化剤の添加量である。また、表2は、無電解ニッケルめっきに用いられるめっき液中の成分濃度を示したものである。
なお、無電解ニッケルめっきのめっき条件は、温度を82℃とし、時間は、所定のニッケルめっき層厚みが得られるように調製した。これにより、実施例1〜10及び比較例1〜8に係る金属保護層を有する試料がそれぞれ形成された。
<評価1:表面観察>
上記の実施例1〜10及び比較例1〜8に係る金属保護層を有する試料に関して、まず表面観察を行い、第1保護層26の表面にPdが析出しているかについて確認を行い、その結果を〇(析出)、×(析出せず)として評価を行った。表面にPdが析出している場合には、上面にPdを主成分とする第2保護層28を形成した場合に、第1の層(第1保護層26)と第2の層(第2保護層28)との密着性が向上することが考えられる。
上記の実施例1〜10及び比較例1〜8に係る金属保護層を有する試料に関して、まず表面観察を行い、第1保護層26の表面にPdが析出しているかについて確認を行い、その結果を〇(析出)、×(析出せず)として評価を行った。表面にPdが析出している場合には、上面にPdを主成分とする第2保護層28を形成した場合に、第1の層(第1保護層26)と第2の層(第2保護層28)との密着性が向上することが考えられる。
<評価2:酸処理後の腐食評価>
上記の実施例1〜10及び比較例1〜8に係る金属保護層を有する試料に関して、以下の方法により耐薬液性の評価を行った。まず、酸処理工程として、第1酸洗浄工程、エッチング工程、及び第2酸洗浄工程に用いる薬液を500mlずつ準備した。そして、実施例1〜10及び比較例1〜8に係る試料をそれぞれ7mm角にカットした後に、各試料をピンセットで挟んで固定して酸処理工程を実施した。各工程においてはそれぞれ試料を薬液中で静止させて処理を実施し、各工程間はそれぞれ水洗した。また、水切りはエアブローにて行った。各工程において用いた薬液、濃度、処理温度及び処理時間について、表3に示す。
上記の実施例1〜10及び比較例1〜8に係る金属保護層を有する試料に関して、以下の方法により耐薬液性の評価を行った。まず、酸処理工程として、第1酸洗浄工程、エッチング工程、及び第2酸洗浄工程に用いる薬液を500mlずつ準備した。そして、実施例1〜10及び比較例1〜8に係る試料をそれぞれ7mm角にカットした後に、各試料をピンセットで挟んで固定して酸処理工程を実施した。各工程においてはそれぞれ試料を薬液中で静止させて処理を実施し、各工程間はそれぞれ水洗した。また、水切りはエアブローにて行った。各工程において用いた薬液、濃度、処理温度及び処理時間について、表3に示す。
上記のエッチング処理後の各試料について、SEM(走査型電子顕微鏡:S−3400N、日立ハイテクノロジース社製)を用いて、印加電圧3.0kVにて、試料表面の金属保護層の二次電子像を撮像して表面を観察した。
観察の結果、表面にエッチング液等による浸食による溝が形成されていない場合には〇(良)、エッチング液による浸食の結果表面から深さ方向に溝が形成された場合には大小問わず×(不良)と評価した。
<評価3:X線回折パターンの評価>
上記の実施例1〜10及び比較例1〜8に係る金属保護層を有する試料に関して、Alパッド上に形成された第1の層のX線回折パターンを測定した。測定には、微小部X線回折装置(μXRD測定機:ブルカー社製 D8 Discover with GADDS)を使用し、電圧45kV、電流110mAの条件で、X線波長としてCuKα線(1.5418Å)を用いて、照射径を100μmとして、X線を第1の層に対して照射し、回折パターンから配向(111)のピーク値及び配向(200)のピーク値を求めた。
上記の実施例1〜10及び比較例1〜8に係る金属保護層を有する試料に関して、Alパッド上に形成された第1の層のX線回折パターンを測定した。測定には、微小部X線回折装置(μXRD測定機:ブルカー社製 D8 Discover with GADDS)を使用し、電圧45kV、電流110mAの条件で、X線波長としてCuKα線(1.5418Å)を用いて、照射径を100μmとして、X線を第1の層に対して照射し、回折パターンから配向(111)のピーク値及び配向(200)のピーク値を求めた。
上記の評価1〜評価3の結果を表4に示す。表4では、実施例1〜10及び比較例1〜8に係る試料を構成する金属保護層(第1の層)が、「配向(111)のピーク値が44.90°〜45.30°であると共に、配向(200)のピーク値が49.30°〜50.60°である」という条件を満たす(〇)か否か(×)についても併せて示す。
1,2,3…電子部品内蔵基板、10…基板、20…電子部品、22…端子電極、24…パッシベーション層、26…第1の層、28…第2の層、30…金属保護層、32…第1層間絶縁層、34…配線層、36…第2層間絶縁層、38…バンプ。
Claims (3)
- 収容構造体に収容され、その一方側に端子電極が形成された電子部品と、
前記電子部品上に形成され、前記端子電極の少なくとも一部を露出させる開口を有する絶縁性被覆層と、
前記開口内に露出する前記端子電極を塞ぐように形成された金属保護層と、
前記金属保護層上に形成され前記金属保護層と電気的に接続された配線層と、
を備える電子部品内蔵基板であって、
前記金属保護層は、主成分としてNi及びPを含有する第1の層を有し、
前記第1の層は、X線回折パターンにおける配向(111)のピーク値が44.90°〜45.30°であると共に、配向(200)のピーク値が49.30°〜50.60°である電子部品内蔵基板。 - 前記金属保護層は、前記第1の層上に、主成分としてPdを含有する第2の層を有する請求項1記載の電子部品内蔵基板。
- 前記端子電極は、主成分としてAl又はCuを含有する請求項1又は2記載の電子部品内蔵基板。
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