JPWO2009082008A1 - 過酸化水素除去方法およびその装置、オゾン水製造方法およびその装置、並びに洗浄方法およびその装置 - Google Patents

過酸化水素除去方法およびその装置、オゾン水製造方法およびその装置、並びに洗浄方法およびその装置 Download PDF

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Abstract

本発明の過酸化水素除去方法は、過酸化水素を含む水をOH形アニオン交換体が充填されたイオン交換装置に、間欠的に通水させる方法である。前記イオン交換装置を並列に複数配列し、過酸化水素を含む水を交互に通水させてもよい。前記イオン交換装置は、OH形アニオン交換体の単床形態であってもよい。前記OH形アニオン交換体は、強塩基性アニオン交換体であってもよい。

Description

本発明は、過酸化水素含有水の過酸化水素除去方法およびその装置、オゾン水製造方法およびその装置、並びに過酸化水素が除去された水による洗浄方法とその装置に関する。
本願は、2007年12月26日に日本国特許庁に出願された特願2007−333451号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
従来、半導体産業におけるシリコンウエハの洗浄等に用いられるいわゆる超純水(二次純水)は、図5に示すように、前処理システム10、一次純水システム20、二次純水システム(サブシステム)40から構成される超純水製造装置210によって、原水(工業用水、市水、井水等)を処理することで、製造されている。
図5における各システムの役割は次の通りである。前処理システム10は、例えば原水槽12、凝集沈殿装置14、ろ過装置16、ろ過水槽18で構成されている。前処理システムは、原水槽12の原水中に含まれる懸濁物質やコロイド物質の除去を行う。一次純水システム20は、例えばイオン交換装置22、紫外線照射装置24、精密ろ過膜装置26、逆浸透(RO)膜装置28、脱気装置30から構成されている。一次純水システム20では、前処理システム10で懸濁物質等が除去された原水の、イオンや有機成分の除去を行い、一次純水を得る。
サブシステム40は、超純水を製造するシステムである。サブシステム40は、例えば一次純水槽42、熱交換器44、紫外線酸化装置46、非再生型イオン交換装置48、ファイナルフィルタ(UF膜)装置50で構成されている。非再生型イオン交換装置48には、アニオン交換体を含むイオン交換体が充填されている。サブシステム40は、一次純水システム20で得られた一次純水の純度をさらに高めて、超純水を製造する工程である。一次純水システム20で得られた一次純水を一次純水槽42に貯留する。一次純水槽42の一次純水を熱交換器44で、所定の温度に調整する。次いで、紫外線酸化装置46で、紫外線を照射して、純水中のTOC(全有機炭素)成分を有機酸、さらには二酸化炭素まで分解する。そして有機酸、二酸化炭素は、非再生型イオン交換装置48のアニオン交換体で除去される。さらに、UF膜装置50では、微粒子が除去されて、超純水が製造される。そして、超純水はサブシステム40内を循環しながら、純度が維持される。一方、超純水の一部は、各ユースポイント250、252、254へ供給される。各ユースポイントでは、超純水がそのままウエハ等の洗浄に使用され、あるいは超純水にさらにオゾンが溶解されて洗浄に使用される。
上述の通り、超純水を製造する際には、紫外線酸化装置により純水中のTOC成分を分解するが、この紫外線照射により、10〜30ppb程度の過酸化水素が発生することが知られている。これまでにも、純水中の過酸化水素の除去方法・除去装置として、酸化性物質分解装置と膜式脱気装置を組み合わせたものや(例えば、特許文献1)、非再生型イオン交換装置から膜脱気装置の順で通水したもの(例えば、特許文献2)、金属イオン形陽イオン交換樹脂に接触させる方法(例えば、特許文献3)、パラジウムを担持した触媒樹脂に接触させる装置(例えば、特許文献4)、還元性樹脂に接触させる方法(例えば、特許文献5)、触媒式酸化性物質分解装置を設置したもの(例えば、特許文献6)、亜硫酸イオンを担持した陰イオン交換樹脂に接触させる方法(例えば、特許文献7)等が報告されている。上述したように、純水中の過酸化水素を除去するために、イオン交換装置、特にアニオン交換体によって、除去する方法が用いられている。
また、純水中の過酸化水素によって、オゾンの自己分解速度が速くなる。このような問題に対し、過酸化水素濃度が低減された超純水を使用した、オゾン水製造方法が開示されている(例えば、特許文献8)。
しかしながら、イオン交換装置に、過酸化水素を含む水を一定期間通水すると、過酸化水素除去能力が低下し、過酸化水素が処理水中に多量にリークしてくるという問題があった。
特開平11−77091号公報 特開平10−57956号公報 特開平11−277059号公報 特開平9−192658号公報 特開平7−16580号公報 特開2002−210494号公報 特開2001−179252号公報 特許第3734207号公報
本発明は、イオン交換装置により、過酸化水素を含む水から過酸化水素を長期にわたり、効果的に除去することを課題とする。
本発明者は、過酸化水素の除去能力が低下したイオン交換装置に対して、一定期間、通水を停止すると、再度、過酸化水素の除去能力が復活し、水中の過酸化水素を除去できることを見出し、本発明に至った。
すなわち本発明の過酸化水素除去方法は、過酸化水素を含む水をOH形アニオン交換体が含まれるイオン交換装置に、間欠的に通水させることを特徴とする。前記方法において、前記イオン交換装置を並列に複数配列し、前記過酸化水素を含む水を複数のイオン交換装置に交互に通水させてもよい。前記イオン交換体は、OH形アニオン交換体の単床形態であってもよい。前記OH形アニオン交換体は、強塩基性アニオン交換体であってもよい。
本発明のオゾン水製造方法は、前記過酸化水素除去方法により、過酸化水素が除去された水に、オゾンを溶解することを特徴とする。
本発明の過酸化水素除去装置は、OH形アニオン交換体が含まれるイオン交換装置と、該イオン交換装置に過酸化水素を含む水を間欠的に通水させる手段を有することを特徴とする。この装置において、前記イオン交換装置が並列に複数配列され、過酸化水素を含む水を複数のイオン交換装置に交互に通水させる手段を有してもよい。前記イオン交換装置は、OH形アニオン交換体の単床形態であってもよい。前記OH形アニオン交換体は、強塩基性アニオン交換体であってもよい。
本発明のオゾン水製造装置は、前記過酸化水素除去装置と、過酸化水素が除去された水にオゾンを溶解する手段を有することを特徴とする。
本発明の洗浄方法は、前記過酸化水素除去方法により、過酸化水素が除去された水で、電子部品又は電子部品の製造器具を洗浄することを特徴とする。また、本発明の洗浄装置は、前記過酸化水素除去装置と、過酸化水素が除去された水で、電子部品又は電子部品の製造器具を洗浄することを特徴とする。
本発明の過酸化水素除去方法によれば、イオン交換装置により、過酸化水素を含む水から過酸化水素を長期にわたり、効果的に除去することができる。
本発明の第1の実施形態にかかる超純水製造装置のフロー図である。 本発明の第2の実施形態にかかる超純水製造装置のフロー図である。 本発明の第3の実施形態にかかる超純水製造装置のフロー図である。 本発明の第4の実施形態にかかる超純水製造装置のフロー図である。 従来の一般的な超純水製造装置のフロー図である。
符号の説明
52、52a、52b イオン交換装置 53、55 過酸化水素除去装置 54 オゾン水溶解装置 70、72 制御装置 110、120 オゾン水製造装置
(第1の実施形態)
本発明の過酸化水素除去装置の第1の実施形態について、図1を用いて説明する。図1は、本発明の実施形態にかかる超純水製造装置8のフロー図である。なお、本発明において、「純水」は「超純水」を含むものとする。
超純水製造装置8は、図5に示した従来の超純水製造装置210に、1つのイオン交換装置52と開閉バルブ51と、制御装置70とから構成される過酸化水素除去装置53を追加したものであり、前処理システム10と、一次純水システム20と、サブシステム40と、過酸化水素除去装置53とで、構成されている。サブシステム40とユースポイント60との間には、開閉バルブ51とイオン交換装置52とが順に配置されている。また、サブシステム40は、各ユースポイント62、64と接続されている。
前処理システム10は、原水槽12、凝集沈殿装置14、ろ過装置16、ろ過水槽18が順次設置されている。前処理システム10は、原水槽12の原水中に含まれる懸濁物質やコロイド物質の除去を行う。原水槽12、凝集沈殿装置14、凝集沈殿装置14、ろ過装置16、ろ過水槽18は、いずれも特に限定されることなく、既存の装置を使用することができる。
一次純水システム20は、イオン交換装置22、紫外線照射装置24、精密ろ過膜装置26、RO膜装置28、脱気装置30が順次設置されている。イオン交換装置22には、イオン交換体が充填されている。イオン交換体の充填形態は特に限定されることなく、アニオン交換体もしくはカチオン交換体の単床形態、またはアニオン交換体とカチオン交換体の混床形態もしくは複床形態等、いずれの形態であっても良い。
紫外線照射装置24は特に限定されることなく、既存の装置を使用することができる。例えば、254nm付近の波長の紫外線に加え、185nm付近の波長の紫外線も照射可能な紫外線酸化装置がある。185nm付近の波長の紫外線を強く照射できる紫外線酸化装置は、前処理システム10で得られたろ過水に含まれるTOC成分の分解の点では好ましい。
精密ろ過膜装置26は特に限定されることはなく、既存の装置を用いることができる。また、RO膜装置28は特に限定されることはなく、既存の装置を使用することができる。脱気装置30は特に限定されることはなく、既存の装置を使用することができる。例えば、真空脱気装置や、膜脱気装置等を挙げることができる。
サブシステム40は、一次純水システム20で得られた一次純水の純度をさらに高めて、超純水を製造するシステムである。サブシステム40は、一次純水槽42、熱交換器44、紫外線酸化装置46、非再生型イオン交換装置48、ファイナルフィルタ(UF膜)装置50が、超純水を循環できるように、順次設置されている。
紫外線酸化装置46は、一次純水中のTOC成分を有効に分解できる能力を有すれば特に限定されず、既存の装置を用いることができる。
非再生型イオン交換装置48は、既存の装置を用いることができる。また、非再生型イオン交換装置48には、イオン交換体が充填されている。イオン交換体の充填形態は特に限定されることなく、アニオン交換体もしくはカチオン交換体の単床形態、またはアニオン交換体とカチオン交換体の混床形態もしくは複床形態等、いずれの形態であっても良く、一次純水の水質や目的とする超純水の水質に応じて決定することが好ましい。
熱交換器44は、一次純水を任意の温度にすることができれば特に限定されず、既存の装置を用いることができる。また、UF膜装置50は特に限定されることはなく、既存の装置を用いることができる。
イオン交換装置52は、OH形アニオン交換体が充填されていれば、充填形態は特に限定されない。OH形アニオン交換体の単床形態であっても良いし、他のアニオン交換体との混床形態であっても良いし、カチオン交換体との混床形態もしくは複床形態であっても良い。ただし、過酸化水素を効果的に除去する観点から、OH形アニオン交換体が、単床形態で充填されていることが好ましい。
OH形アニオン交換体は、強塩基性アニオン交換体であっても良いし、弱塩基性アニオン交換体であっても良い。ただし、過酸化水素の除去能力向上の観点から、強塩基性アニオン交換体を選択することが好ましい。
OH形アニオン交換体の種類は特に限定されず、イオン交換樹脂、イオン交換繊維、モノリス状多孔質イオン交換体等を挙げることができる。この内、汎用性の高い、イオン交換樹脂を用いることが好ましい。また、イオン交換樹脂の形状も特に限定されず、ゲル形であっても、ポーラス形、マクロポーラス形であっても良い。
さらにイオン交換装置52に充填されるイオン交換体は、再生型であっても非再生型であっても良いが、イオン交換体を再生する際に、汚染される可能性があるために、ユースポイント60の直前に設置する本実施形態では非再生型であることが好ましい。また、イオン交換装置52は、二次側にブロー弁を備えていることが好ましい。通水を停止した際に、装置内に滞留した水は、イオン交換体やイオン交換装置52の内壁からの溶出物により汚染されることがあるため、通水開始直後の汚染水を排水するためである。
本実施形態における、過酸化水素除去装置53は、イオン交換装置52と、開閉バルブ51と、制御装置70で構成されている。
「過酸化水素を含む水をOH形アニオン交換体が充填されたイオン交換装置に、間欠的に通水させる手段」とは、イオン交換装置52への通水と、通水停止とを行う制御装置であり、このような機能を有するものであれば特に限定されることはない。例えば、イオン交換装置52の一次側に設置されている開閉バルブ51の開閉を一定期間毎に行う制御装置70や、サブシステム40からイオン交換装置52へ超純水を送水するためのポンプの起動及び停止を行う制御装置であっても良い。また、開閉バルブ51の開閉、および前記ポンプの起動及び停止は自動で行われても良いし、手動で行われても良い。
本実施形態における、超純水の製造方法ならびに超純水中の過酸化水素の除去方法を説明する。
前処理システム10では、原水を原水槽12に受けた後、原水を沈殿凝集槽14、ろ過装置16にて順次処理し、主にコロイドや懸濁物質等の除去を行い、ろ過水を得る。得られたろ過水をろ過水槽18に貯留する。一次純水システム20では、ろ過水槽18のろ過水をイオン交換装置22にて、イオン成分をイオン交換体によって吸着除去、あるいはイオン交換されるTOCの除去を行う。
次いで、紫外線照射装置24にて紫外線をろ過水に照射し、ろ過水の殺菌を行なったり、ろ過水中のTOC成分を有機酸、さらには二酸化炭素の状態まで分解したりする。続いて、精密ろ過膜装置26、RO膜装置28によって、粒子成分や、紫外線照射装置24で生成した有機酸等の分解物等を除去する。さらに、透過水を脱気装置30にて、溶存酸素を取り除いて一次純水を得る。
サブシステム40では、一次純水システム20で得られた一次純水の純度を、さらに高めて超純水を得る。一次システムで得られた一次純水を一次純水槽42に貯留する。一次純水を熱交換器44にて所定の温度とした後、紫外線酸化装置46にて紫外線を照射し、水中のTOC成分を有機酸、さらには二酸化炭素の状態まで分解する。加えて、紫外線の照射の間、水中に過酸化水素が生成される。次いで、非再生型イオン交換装置48にて、微量のイオン成分、ならびに紫外線照射により生成した有機酸や二酸化炭素を除去する。
UF膜装置50にて、微粒子を除去し、超純水を得る。得られた超純水の一部は、そのままユースポイント62、64へ送られる。また、得られた超純水の他の一部は、イオン交換装置52に通水され、OH形アニオン交換体と接触して過酸化水素が除去された後に、ユースポイント60へ送られる。他の一部の超純水は、一次純水槽42に返送されて、サブシステム40を循環する。サブシステム40から、イオン交換装置52への通水を一定期間行った後、制御装置70により、開閉バルブ51を閉じ、通水を停止する。通水停止後、所定期間を経過した後に、制御装置70により開閉バルブ51を開き、通水を再開して、超純水中の過酸化水素除去を再開する。このように、イオン交換装置52への通水及び停止を繰り返し行う。
超純水のイオン交換装置52への流量は特に限定されず、イオン交換装置52の能力に応じて決定することができる。例えば、アニオン交換体に対する空間速度(SV)は1〜500L/L−R・h−1の範囲で設定することが好ましく、10〜100L/L−R・h−1の範囲で設定することがより好ましい。なお、SVは、イオン交換体の単位体積(L−R)に対して1時間に流通させる流量(L)であるL/L−R・h−1で表される。
本実施形態におけるイオン交換装置52への通水期間は特に限定されず、超純水中の過酸化水素量や、処理量を勘案し、超純水中の過酸化水素を、所望する濃度以下に除去する能力が維持される期間内で、任意に設定することが好ましい。また、通水期間は、一定の時間で設定して良いし、イオン交換装置52の二次側で過酸化水素のリーク量を測定し、一定濃度に達した時点を通水期間の終点として設定しても良い。
イオン交換装置52への通水を停止する期間は特に限定されず、超純水の処理量や、超純水中の過酸化水素濃度、イオン交換装置52の規模等を勘案し、イオン交換装置52の過酸化水素除去能力が回復する期間を設定することができる。例えば、15〜30ppbの過酸化水素を含む超純水を処理して、過酸化水素濃度を10ppb以下の濃度に維持するには、1時間から24時間の範囲で、通水を停止する期間を設定することが好ましい。なお、通水開始直後は、イオン交換装置52内に滞留した汚染水を排水した後に、過酸化水素が除去された超純水をユースポイント60に供給することが好ましい。ユースポイントの汚染を防止するためである。
本実施形態の過酸化水素を除去する前の超純水は特に限定されることはないが、抵抗率15MΩ・cm以上、TOC10ppb以下であることが好ましい。また、超純水の水温は特に限定されないが、5〜40℃が好ましく、15〜30℃がより好ましく、20〜25℃であることがさらに好ましい。
本実施形態によれば、イオン交換装置52への超純水の通水を停止することで、イオン交換装置52の過酸化水素除去能力を復活させることができる。このため、イオン交換装置52への通水と停止を繰り返すことで、長期にわたり、効果的に超純水中の過酸化水素を除去することができる。
(第2の実施形態)
本発明の過酸化水素除去装置の第2の実施形態について、図2を用いて説明する。図2は、第2の実施形態にかかる、超純水製造装置100のフロー図である。本実施形態は図1に示した第1の実施形態の過酸化水素除去装置53を、イオン交換装置52a、52bを並列に配置した過酸化水素除去装置55に変更したものである。また、本実施形態の、過酸化水素除去装置55は、イオン交換装置52a、52bとが並列に配置され、イオン交換装置52aの一次側には開閉バルブ51aが接続され、イオン交換装置52bの一次側には開閉バルブ51bが接続されて構成されている。さらに、開閉バルブ51a、52bには制御装置72が接続されている。そして、開閉バルブ51aと51bとの一次側の流路は1つの流路に統合され、サブシステム40と接続されている。また、イオン交換装置52aと52bの二次側の流路は、1つの流路に統合された後、ユースポイント61と接続されている。
本実施形態における「複数のイオン交換装置に過酸化水素を含む水を交互に通水させる手段」とは、イオン交換装置52a、52bへの通水と通水停止とを交互に行う制御装置であり、このような機能を有するものであれば特に限定されることはない。例えば、イオン交換装置52a,52bの一次側にそれぞれ設置されている開閉バルブ51a、51bの開閉を一定期間毎に交互に行う制御装置72や、サブシステム40からイオン交換装置52a、52bそれぞれに送水するポンプの、起動及び停止を行う制御装置であっても良い。また、開閉バルブ51a、51bの開閉、および前記ポンプの起動及び停止は自動で行われても良いし、手動で行われても良い。
本実施形態における超純水の製造方法、超純水中の過酸化水素の除去方法につき説明する。
サブシステム40で製造された超純水を、イオン交換装置52aに通水し、過酸化水素を除去した後に、ユースポイント61へ供給する。イオン交換装置52aに一定期間通水した後、制御装置72によって、開閉バルブ51bを開として、イオン交換装置52bに通水を開始する。この際、イオン交換装置52bで処理した水は、ユースポイント61へ供給せずに排水する。一方、イオン交換装置52aで処理した水の、ユースポイント61への供給を継続する。さらに一定期間経過後、イオン交換装置52bの排水を止め、イオン交換装置52bで処理した水を、ユースポイント61へ供給する。次いで、制御装置72によって開閉バルブ51aを閉として、イオン交換装置52aへの通水を停止する。こうして、イオン交換装置52aでの過酸化水素除去は、イオン交換装置52bでの過酸化水素除去へ切り替わる。
イオン交換装置52bに一定期間通水した後に、制御装置72によって、開閉バルブ51aを開として、イオン交換装置52aへの通水を開始する。この際、イオン交換装置52aで処理した水は、ユースポイント61へ供給せずに排水する。一方、イオン交換装置52bで処理した水の、ユースポイント61への供給を継続する。さらに、一定期間終了後、イオン交換装置52aの排水を止め、イオン交換装置52aで処理した水を、ユースポイント61へ供給する。次いで、制御装置72により開閉バルブ51bを閉として、イオン交換装置52bへの通水を停止する。このように、イオン交換装置52aと52bへの通水切り替えを交互に繰り返して、超純水中の過酸化水素の除去を行い、過酸化水素が除去された超純水をユースポイント61へ送水する。
イオン交換装置52a、52bは、第1の実施形態のイオン交換装置52と同様のものを用いることができる。イオン交換装置52a、52bへのそれぞれの通水期間は特に限定されず、超純水中の過酸化水素量や処理量、さらにはイオン交換装置52aと52bの過酸化水素除去の回復期間とを考慮して、超純水中の過酸化水素を、所望する濃度以下まで除去する能力が維持される期間内で、任意に設定することが好ましい。また、通水期間は、所定の期間を経過した後に、通水を停止しても良いし、イオン交換装置52a、52bの二次側で過酸化水素のリーク量を測定し、一定濃度に達した時点で通水を停止しても良い。
イオン交換装置52a、52bへの通水を停止する期間は特に限定されず、超純水の処理量や、超純水中の過酸化水素濃度、イオン交換装置52a、52bの規模等を勘案し、過酸化水素除去能力が回復する期間を設定することができる。例えば、15〜30ppbの過酸化水素を含む超純水を処理して、過酸化水素濃度を10ppb以下の濃度に維持するには、1時間から24時間の範囲で、設定することが好ましい。また、イオン交換装置52aと52bとの切り替え時における、通水再開後の排水期間は特に限定されず、イオン交換装置52aまたは52b内に滞留した汚染水を排水できるのに充分な期間を設定することが好ましい。
本実施形態によれば、2つのイオン交換装置52a、52bを交互に切り替えて通水できるため、ユースポイント61への超純水の給水を停止することなく、連続的に過酸化水素を除去することができる。
(第3の実施形態)
本発明の過酸化水素除去装置の第3の実施形態について、図3を用いて説明する。
図3は、第3の実施形態にかかる、オゾン水製造装置110のフロー図である。本実施形態は、図1に示した第1の実施形態の過酸化水素除去装置53の二次側に、オゾン溶解装置54が設置されており、該オゾン溶解装置54にはオゾン発生装置56が接続されているものである。
オゾン溶解装置54は特に限定されず、ガス透過膜を介して水中にオゾンガスを溶解させる膜溶解装置、水中にオゾンガスをバブリングさせて溶解させる装置、水中にエジェクターを介して、オゾンガスを溶解させる装置、ポンプの上流側にオゾンガスを供給し、ポンプ内の攪拌により溶解させる装置等が挙げられる。上記膜溶解に用いられるガス透過膜としては、オゾンの強い酸化力に耐え得る、フッ素樹脂系の疎水性多孔質膜が好ましい。また、オゾン発生装置56は特に限定されず、無声放電および電解法等によるオゾン発生器が挙げられる。
本実施形態における水中の過酸化水素の除去方法、オゾン水の製造方法につき説明する。
サブシステム40で製造された超純水を過酸化水素除去装置53にて処理し、過酸化水素を除去する。オゾン発生装置56で製造したオゾンガスを、オゾン溶解装置54に送る。過酸化水素が除去された水に、オゾン溶解装置54にてオゾンガスを溶解する。水中に所定濃度のオゾンが溶解されたオゾン水を、ユースポイント66へ供給する。
本実施形態において、溶存オゾン濃度は特に限定されず、ユースポイント66での用途に応じて設定することが好ましく、例えば、用途に応じて、1〜100ppmの範囲で設定することが好ましい。
本実施形態によれば、過酸化水素を除去した水を使用できるため、得られたオゾン水中のオゾンの自己分解を抑制することができる。この結果、オゾン水中のオゾン濃度が安定する。また、高濃度オゾン水を安定的に、ユースポイントへ供給することができる。
(第4の実施形態)
本発明の過酸化水素除去装置の第4の実施形態について、図4を用いて説明する。図4は、第4の実施形態にかかる、オゾン水製造装置120のフロー図である。本実施形態は図3に示した第3の実施形態の過酸化水素除去装置53を、イオン交換装置52a、52bを並列に配置にした過酸化水素除去装置55に変更したものである。
本実施形態における水中の過酸化水素の除去方法、オゾン水の製造方法につき説明する。
サブシステム40で製造された超純水を過酸化水素除去装置55にて処理し、過酸化水素を除去する。オゾン発生装置56で製造したオゾンガスをオゾン溶解装置54へ送る。過酸化水素が除去された水に、オゾン溶解装置54にてオゾンガスを溶解し、所定濃度のオゾンが溶解されたオゾン水を、ユースポイント67へ供給する。
本実施形態によれば、2つのイオン交換装置52a、52bを交互に切り替えて、通水できるため、連続的に水中の過酸化水素を除去することができる。その結果、オゾン濃度が安定したオゾン水を連続的にユースポイントへ供給することができる。また、高濃度オゾン水を安定的、かつ連続的にユースポイントへ供給することができる。
(その他の実施形態)
本発明の過酸化水素除去方法ならびに過酸化水素除去装置は、上述の実施形態に限られない。
第1〜第4の実施形態では、サブシステム40のUF膜装置50の出口からの分岐水(超純水)を被処理水として、各イオン交換装置に通水している。しかし、被処理水は当該分岐水に限られず、過酸化水素を含む水であれば良い。例えば、紫外線酸化装置46、非再生型イオン交換装置48の出口水であっても良いし、サブシステム40で製造された超純水をタンクに受けた水であっても良い。さらには、一次システム20の水であっても良い。
第1〜第4の実施形態では、サブシステム40の分岐水を各ユースポイントに送水する間に、過酸化水素除去装置53または55が配置されているが、配置場所はこれに限られることはなく、例えば、非再生型イオン交換装置48に、過酸化水素除去装置53または55のような「過酸化水素を含む水を間欠的に通水させる手段」を設けても良い。また、過酸化水素除去装置55のような形態により、「過酸化水素を含む水を複数のイオン交換装置に交互に通水させる手段」を設けても良い。
第2、第4の実施形態では、過酸化水素除去装置55として、2つのイオン交換装置52a、52bを並列に配置していたが、該イオン交換装置は3つ以上であっても良い。水の処理量と、イオン交換装置52a、52b内のイオン交換体の能力とを勘案して、設置台数を決定することが好ましい。
第1〜第4の実施形態における前処理システム10、一次純水システム20、サブシステム40は一例であって、上述の実施形態に限定されるものではない。上述した以外の装置を用いたり、他の組み合わせを用いたりすることができる。
第1〜第4の実施形態では、イオン交換装置52の一時側に開閉バルブ51が設置され、イオン交換装置52a、52bの一時側に開閉バルブ51a、51bが設置されているが、各開閉バルブの設置箇所はこれに限定されることはなく、イオン交換装置52、52a、52bの二次側に設置されていても良い。
第1、第2の実施形態では、イオン交換装置52、またはイオン交換装置52aもしくは52bで、過酸化水素を除去した水を直接、ユースポイントに送水しているが、イオン交換装置52、52a、52bの二次側に、他の装置を設置しても良い。特に微粒子除去のためのろ過膜装置(マイクロフィルタ装置やUF膜装置)を設置することが好ましい。各イオン交換装置への送水・停止等によって、開閉バルブ等から発塵するおそれがあり、発生した微粒子を除去することができるためである。また、第3、第4の実施形態も同様に、イオン交換装置52、52a、52bの二次側に、他の装置、特に微粒子除去のためのろ過膜装置を設置しても良い。
以下、本発明について実施例を挙げて具体的に説明するが、実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
アクリル製カラムに、ローム・アンド・ハース社製イオン交換樹脂、アンバージェット4002(OH)(OH形強塩基性アニオン交換樹脂、ゲル型)を100mL、層高200mmで充填して、イオン交換装置Aを得た。得られたイオン交換装置Aに、20〜25℃とした過酸化水素濃度15〜30ppbの水を、SV=50L/L−R・h−1で通水した。通水開始2時間後に、イオン交換装置Aの一次側の開閉バルブを閉じて通水を停止し、5時間放置した。5時間放置した後、再度、通水を2時間行った。このように2時間通水/5時間通水停止のサイクルで、10日間の連続通水を行って処理水を得た。通水開始29時間後(通水時間合計:9時間、通水量:BV(イオン交換装置の樹脂体積に対する通水量=体積倍)=450)および10日後(通水時間合計:68時間、通水量:BV=3400)に得られた処理水について、過酸化水素濃度の測定を行った。その測定値を表1に示す。なお、本実施例における水は、一次純水を熱交換器、膜式脱気装置、紫外線酸化装置、非再生型混床式イオン交換装置、UF膜装置の順に通水し、処理して得られた抵抗率=18MΩ・cm以上、TOC=1ppb以下の超純水である(以降、実施例2〜4および比較例1、2において同じ)。
(実施例2)
アクリル製カラムに、ローム・アンド・ハース社製イオン交換樹脂、アンバーライトIRA900(OH)(OH形強塩基性アニオン交換樹脂、マクロポーラス型)を100mL、層高200mmで充填し、イオン交換装置Bを得た。以下、実施例1と同様にして、10日間の連続通水を行い、処理水を得た。通水開始29時間後(通水時間合計:9時間、通水量:BV=450)、および10日後(通水時間合計:68時間、通水量:BV=3400)に得られた処理水の、過酸化水素濃度を測定し、その結果を表1に示す。
(比較例1)
実施例1で得られたイオン交換装置Aに、20〜25℃とした過酸化水素濃度15〜30ppbの水を、SV=50L/L−R・h−1で通水して処理水を得た。通水開始30分後(BV=25)、および24時間後(BV=1200)の処理水中の過酸化水素濃度を測定し、その結果を表1に記載する。
(比較例2)
実施例2で得られたイオン交換装置Bに、20〜25℃とした過酸化水素濃度15〜30ppbの水を、SV=50L/L−R・h−1で通水して処理水を得た。通水開始30分後(BV=25)、および24時間後(BV=1200)の処理水中の過酸化水素濃度を測定し、その結果を表1に記載する。
(実施例3)
比較例1で、24時間通水した後に、イオン交換装置Aへの通水を3日間停止した。その後、再度、20〜25℃とした過酸化水素濃度15〜30ppbの水を、SV=50L/L−R・h−1で通水を再開した。通水再開30分後の処理水中の過酸化水素濃度を測定し、その結果を表2に示す。
(実施例4)
比較例2で、24時間通水した後に、イオン交換装置Bへの通水を3日間停止した。その後、再度、20〜25℃とした、過酸化水素濃度15〜30ppbの水を、SV=50L/L−R・h−1で通水を再開した。通水再開30分後の処理水中の過酸化水素濃度を測定し、その結果を表2に示す。
(実施例5)
G5ボンベ(オルガノ株式会社製)に、ローム・アンド・ハース社製イオン交換樹脂、アンバージェット4002(OH)を5L充填して、イオン交換装置Cを得た。過酸化水素濃度15〜20ppbの水を流量200L/h(SV=40L/L−R・h−1)で通水して、処理水を得た。次いで、ジャパンゴアテックス株式会社製、GM−02RES(オゾン溶解膜モジュール)で、得られた処理水中にオゾンガスを溶解し、オゾン水を製造した。オゾン水の製造開始3時間後、および4日後における、処理水中の過酸化水素濃度、オゾン水中のオゾン濃度を測定し、その結果を表3に示す。なお、本実施例における水は、一次純水を紫外線酸化装置、非再生型混床式イオン交換装置、UF膜装置の順に通水し、処理して得られた、抵抗率=18MΩ・cm以上、TOC=1ppb以下の超純水である(以降、比較例3において同じ)。
(比較例3)
過酸化水素濃度15〜20ppbの水をイオン交換装置Cに通水しない他は、実施例5と同じ条件で、オゾン水を製造した。オゾン水の製造開始4日後における、処理水中の過酸化水素濃度、オゾン水中のオゾン濃度を測定し、その結果を表3に示す。
(過酸化水素濃度)
超純水中の低濃度過酸化水素の定量方法としては、公知のフェノールフタリン法、例えば、特公昭56−54582号公報に記載の方法に準じた。
(オゾン濃度の測定)
オゾン濃度の測定は、ポータブル型溶存オゾン濃度計(OM−101P−30、株式会社アプリクス製)を用い、紫外線吸光光度法によって測定した。
Figure 2009082008

Figure 2009082008

Figure 2009082008
表1の結果から、実施例1、2は、通水開始29時間後(BV=450)、通水開始10日後(BV=3400)も、処理水中の過酸化水素の濃度は、ほぼ同じ水準に低く抑えられていた。一方、比較例1、2では、通水24時間後(BV=1200)において、過酸化水素濃度が10ppbを超えていた。このことから、水のイオン交換装置への通水を間欠的に行うことで、OH形アニオン交換樹脂の、過酸化水素除去能力を低下させずに、過酸化水素の除去が行えることが判った。表2の結果から明らかなように、比較例1、2で過酸化水素の除去に用いたイオン交換装置であっても、通水を停止することで、OH形アニオン交換樹脂の過酸化水素除去能力を回復できることが確認できた。
表3の結果の通り、実施例5では、イオン交換装置への通水により過酸化水素を除去した処理水を用いて、オゾン水を製造することにより、オゾン水製造開始4日後においても、処理水は10ppb以下の過酸化水素濃度を維持し、オゾン水のオゾン濃度も40ppmを超えていた。
一方、比較例3では、被処理水をイオン交換装置に通水させなかったため、水中の過酸化水素濃度は高い水準にあった。さらに、そのような水で製造したオゾン水は、オゾン濃度が、実施例5に比べて低いものであった。このこと、および実施例1〜4の結果から、イオン交換装置への通水・停止を繰り返して、水中の過酸化水素を除去することにより、長期にわたって、安定した濃度のオゾン水が得られ、さらに高濃度のオゾン水が得られることが示唆された。
本発明の過酸化水素除去方法によれば、過酸化水素を含む水をイオン交換装置に間欠的に通水するので、また、複数のイオン交換装置を配置する場合には、過酸化水素を含む水を交互に通水するので、過酸化水素を含む水から過酸化水素を長期にわたり、効果的に除去することができる。

Claims (18)

  1. 過酸化水素を含む水をOH形アニオン交換体が充填されたイオン交換装置に、間欠的に通水させることを特徴とする過酸化水素除去方法。
  2. 前記イオン交換装置を並列に複数配列し、前記過酸化水素を含む水を複数のイオン交換装置に交互に通水させる請求項1に記載の過酸化水素除去方法。
  3. 前記イオン交換装置は、OH形アニオン交換体の単床形態である請求項1または2に記載の過酸化水素除去方法。
  4. 前記OH形アニオン交換体は、強塩基性アニオン交換体である請求項1〜3のいずれか1項に記載の過酸化水素除去方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法により、過酸化水素が除去された水に、さらにオゾンを溶解するオゾン水製造方法。
  6. OH形アニオン交換体が充填されたイオン交換装置と、該イオン交換装置に過酸化水素を含む水を間欠的に通水させる手段とを有することを特徴とする過酸化水素除去装置。
  7. 前記イオン交換装置が並列に複数配列され、過酸化水素を含む水を複数のイオン交換装置に交互に通水させる手段を有する請求項6に記載の過酸化水素除去装置。
  8. 前記イオン交換装置は、OH形アニオン交換体の単床形態である請求項6または7に記載の過酸化水素除去装置。
  9. 前記OH形アニオン交換体は、強塩基性アニオン交換体である請求項6〜8のいずれか1項に記載の、過酸化水素除去装置。
  10. 前記手段が、前記イオン交換装置の一次側に設置された開閉バルブの開閉を一定時間毎に行う制御装置である請求項6記載の過酸化水素除去装置。
  11. 前記手段が、前記イオン交換装置に過酸化水素を含む水を送水するポンプの起動及び停止を行う制御装置である請求項6記載の過酸化水素除去装置。
  12. 前記手段が、前記複数のイオン交換装置の一次側にそれぞれ設置された開閉バルブの開閉を一定時間毎に交互に行う制御装置である請求項7記載の過酸化水素除去装置。
  13. 前記手段が、前記複数のイオン交換装置に過酸化水素を含む水を送水するポンプの起動及び停止を行う制御装置である請求項7記載の過酸化水素除去装置。
  14. 請求項6〜13のいずれか1項に記載の過酸化水素除去装置と、過酸化水素が除去された水にオゾンを溶解する手段とを有するオゾン水製造装置。
  15. 請求項1〜4のいずれか1項記載の過酸化水素除去方法により、過酸化水素が除去された水で、電子部品又は電子部品の製造器具を洗浄することを特徴とする洗浄方法。
  16. 請求項6〜13のいずれか1項記載の過酸化水素除去装置と、過酸化水素が除去された水で、電子部品又は電子部品の製造器具を洗浄する装置とを有することを特徴とする洗浄装置。
  17. 請求項1〜4のいずれか1項記載の過酸化水素除去方法により、過酸化水素が除去された水に、オゾンを溶解してオゾン水を作製し、このオゾン水で電子部品又は電子部品の製造器具を洗浄することを特徴とする洗浄方法。
  18. 請求項6〜13のいずれか1項記載の過酸化水素除去装置と、過酸化水素が除去された水に、オゾンを溶解してオゾン水を作製する装置と、このオゾン水で電子部品又は電子部品の製造器具を洗浄する装置とを有することを特徴とする洗浄装置。
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