JP2003145148A - 超純水供給装置及び超純水供給方法 - Google Patents
超純水供給装置及び超純水供給方法Info
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Abstract
る超純水の水質の低下を防止して、ユースポイントに高
水質の超純水を安定に供給する。 【解決手段】 タンク11、ポンプ12、熱交換器1
3、低圧UV酸化装置14、イオン交換装置15及びU
F膜分離装置16を有する超純水製造装置3と、超純水
をユースポイント4に供給する超純水供給配管17とを
有する超純水供給装置。超純水供給配管17に粒状イオ
ン交換樹脂を充填したイオン交換装置20を設け、超純
水製造装置3の起動時又は再起動時から所定の期間、超
純水をこのイオン交換装置20に通水してユースポイン
ト4に供給する。
Description
製造された超純水をユースポイントに供給する超純水供
給装置及び超純水供給方法に係り、特に超純水製造装置
の起動時又は再起動時における超純水の水質の低下を防
止して、ユースポイントに高水質の超純水を安定に供給
する超純水供給装置及び超純水供給方法に関する。
いる超純水は、図2に示すように前処理装置1、一次純
水製造装置2、超純水製造装置(サブシステム)3から
構成される超純水製造設備で原水(工業用水、市水、井
水等)を処理することにより製造される。図2において
各装置の役割は次の通りである。
装置などよりなる前処理装置1は、原水中の懸濁物質や
コロイド物質の除去を行う。また、この過程では高分子
系有機物、疎水性有機物などの除去も可能である。
換装置(混床式又は4床5塔式など)を備える一次純水
系製造装置2では、原水中のイオンや有機成分の除去を
行う。なお、逆浸透膜分離装置では、塩類を除去すると
共に、イオン性、コロイド性のTOCを除去する。イオ
ン交換装置では、塩類を除去すると共にイオン交換樹脂
によって吸着又はイオン交換されるTOC成分の除去を
行う。脱気装置では無機系炭素(IC)、溶存酸素の除
去を行う。
純水製造装置3において、タンク11からポンプ12に
より、紫外線(UV)照射装置、図2では低圧UV酸化
装置14、イオン交換装置15及び限外濾過(UF)膜
分離装置16で処理されて、水の純度がより一層高めら
れ超純水が製造される。即ち、低圧UV酸化装置14で
は、UVランプより出される185nmのUVによりT
OCを有機酸、さらにはCO2まで分解する。分解によ
り生成した有機物及びCO2は後段のイオン交換装置1
5で除去される。UF膜分離装置16では、微粒子が除
去され、イオン交換樹脂の流出粒子も除去される。
7よりユースポイント4に送給され、余剰の超純水が配
管18よりタンク11に戻される。
し、対象物(例えば半導体)を洗浄するための洗浄装置
の他、適宜配管やノズル類等を含んでもよい。なお、ユ
ースポイント4で使用された超純水は、適宜排水として
回収される。
ように絶えず超純水の循環を行っているのは、超純水製
造設備のポンプ12や熱交換器13、配管等を構成する
材料からの溶出成分を除去して系内を高純度に保つこと
を目的としている。なお、一般に超純水製造装置3のポ
ンプ12や熱交換器13、配管等の構成材料としてはS
US材が適用されている。
伴い、超LSIチップ製造における洗浄水としての超純
水中の不純物の影響はより大きくなってきている。超L
SIチップ不良の大部分はパターン欠陥であり、その主
な原因は超純水中の不純物である。超純水中の不純物は
主に金属成分と有機物であり、これらをより一層高度に
除去することが望まれる。
実状に鑑みてなされたものであって、金属成分や有機物
等の不純物濃度が著しく低く、極めて高純度な超純水を
安定に供給することができる超純水供給装置及び超純水
供給方法を提供することを目的とする。
は、超純水製造装置と、該超純水製造装置で製造された
超純水をユースポイントに供給する超純水供給配管とを
有する超純水供給装置において、粒状イオン交換樹脂を
充填したイオン交換装置を該超純水供給配管に設けたこ
とを特徴とする。
発明の超純水供給装置を運転して超純水をユースポイン
トに供給する方法において、超純水製造装置の起動時又
は再起動時から所定の期間、超純水を前記イオン交換装
置に通水してユースポイントに供給することを特徴とす
る。
る超純水の水質について調査分析した結果、超純水の不
純物は主に金属成分と有機物であり、これらの不純物濃
度は超純水製造装置の安定運転時と、起動時又は再起動
時とで差異があることを知見した。そして、これらの不
純物による汚染原因について更に検討した結果、超純水
中の不純物のうち、金属成分は、超純水製造装置の運転
停止中にポンプや熱交換器、配管等を構成する金属素材
から溶出した金属が、超純水製造装置の再起動時に後段
に送給され、UF膜分離装置のUF膜を汚染し、その
後、UF膜から金属成分が超純水中に再溶出することに
よることが判明した。特に、超純水製造装置の運転を停
止して過酸化水素等の殺菌剤による系内の循環殺菌処理
を行った後は、金属素材が殺菌剤により酸化されて微粒
子化し、これがUF膜分離装置で捕捉され、その後の押
し出し洗浄で殺菌剤が排出された後に、超純水中に溶解
するようになり、金属成分による超純水の汚染が顕著に
なる。
のイオン交換装置のイオン交換樹脂や、UF膜分離装置
のUF膜を交換後の超純水製造装置の再起動時において
超純水中のTOC濃度が高くなることから、新品のイオ
ン交換樹脂やUF膜から溶出するものと推定された。
再起動時に超純水中に溶出する金属成分や有機物、その
他のイオン類等の不純物を超純水供給配管に設けたイオ
ン交換装置でイオン交換又は吸着することにより除去す
る。このため、ユースポイントに高純度の超純水を安定
的に供給することができる。
吸着除去するイオン交換体としては、イオン交換繊維、
イオン交換フィルター、粒状イオン交換樹脂などがある
が、本発明では超純水を通水するため、不純物の溶出が
極少ないものが最適である。本発明者らの調査の結果、
イオン交換繊維、イオン交換フィルターは、金属類(N
a,Fe)やTOC等の溶出が多く、二次汚染により超
純水の水質を低下させることから、超純水に適用するの
には不適当であることが判明した。特に、イオン交換フ
ィルターの場合、イオン交換吸着量が少なく、通水量を
確保しようとした場合、多段で使用する必要があり、通
水圧力等を高くしなければならないなど、現実的ではな
い。
ば、二次汚染の問題を引き起こすことなく、超純水製造
装置からの超純水中の金属成分、有機物、その他の荷電
溶出物を効率的に除去して超純水の純度を高めることが
できる。
び超純水供給方法の実施の形態を詳細に説明する。
態を示す系統図である。図1において、図2に示す装置
と同一機能を奏する装置には同一符号を付してある。
からの超純水をユースポイント4に供給する配管17に
バイパス配管19A,19Bを設け、このバイパス配管
19A,19Bにイオン交換装置20を設けて、バルブ
V1,V2,V3の開閉により、超純水をイオン交換装
置20に通水した後、ユースポイント4に供給できるよ
うにした点が従来装置と異なる。
動時又は再起動時はUF膜分離装置16の処理水の金属
成分等の不純物濃度が高くなるため、この起動時又は再
起動時から所定の期間は、V3を閉、バルブV1,V2
を開としてUF膜分離装置16の処理水をイオン交換装
置20に通水し、不純物を除去した後ユースポイント4
に供給する。その後、UF膜分離装置16の処理水中へ
の不純物の混入がなくなり、処理水が十分な水質で安定
した後は、バルブV3を開、バルブV1,V2を閉とし
て、UF膜分離装置16の処理水をそのままユースポイ
ント4に供給する。
純水製造装置の新設起動時等であり、また、再起動時と
は、超純水製造装置の定期点検、休日の装置運転停止期
間、超純水製造装置の殺菌、洗浄等の装置運転停止後に
再び装置の運転を再開するときをさす。
時に、超純水製造装置3からの超純水をイオン交換装置
20に通水する所定期間とは、UF膜分離装置16の処
理水中の不純物濃度が十分に低くなるまでの期間であ
り、超純水製造装置3の運転停止時のUF膜分離装置1
6の汚染状況等によっても異なるが、一般的には、1週
間から2ヶ月間程度である。
体としては、前述の如く、二次汚染の少ない粒状イオン
交換樹脂を用いる。この粒状イオン交換樹脂としては、
溶出物が極めて少ない低溶出型イオン交換樹脂ないしは
均一粒状型イオン交換樹脂を用いることが好ましく、更
にイオン交換樹脂からの溶出による二次汚染を防止する
に先立ち、酸、アルカリによる再生後、超純水を通水
し、所定の水質(抵抗率、TOC)に到達したことを確
認する等によりコンディショニングを行った後適用する
ことが好ましい。
樹脂種は、超純水製造装置3の起動時又は再起動時にU
F膜分離装置16の処理水中に溶出する不純物により適
宜決定される。即ち、この不純物が金属成分を主体とす
る場合には、カチオン交換樹脂を充填し、有機物を主体
とする場合にはアニオン交換樹脂を充填する。通常の場
合、金属成分及び有機物が存在する可能性があることか
ら、カチオン交換樹脂とアニオン交換樹脂とを充填した
イオン交換装置を用いるのが好ましい。この場合、カチ
オン交換樹脂充填塔とアニオン交換樹脂充填塔を用いる
多塔式、カチオン交換樹脂とアニオン交換樹脂とを1塔
内に積層して充填した復層式、カチオン交換樹脂とアニ
オン交換樹脂とを混合状態で充填した混床式等のいずれ
でも良いが、処理効果の面からはカチオン交換樹脂とア
ニオン交換樹脂とを、カチオン交換樹脂:アニオン交換
樹脂=1:0.5〜4(体積比)で混合した混床式イオ
ン交換装置を用いるのが好ましい。
樹脂量は、超純水製造装置3の通水量、起動又は再起動
の頻度、起動又は再起動時の汚染状況等に応じて適宜決
定される。
如く、ユースポイント4への供給配管17にバイパス配
管19A,19Bを設けて設置する他、供給配管17に
直接取り付けても良い。しかし、超純水製造装置3の起
動又は再起動後の所定期間を経過した後は、このような
イオン交換装置20による処理は不要であることから、
図1に示す如く、イオン交換装置20は供給配管17に
設けたバイパス配管19A,19Bに設置し、超純水製
造装置3の起動又は再起動後の所定期間のみ超純水を通
水することが好ましい。
説明する。
の再起動時の超純水のの金属(Fe)濃度を調べる実験
を行った。
ために5日間停止し、その後、超純水製造装置3とユー
スポイント4への供給配管17,18を過酸化水素で殺
菌し、次いで押出し洗浄を行って超純水製造装置3を再
起動した。
純水を下記の微粒子発生の少ない均一粒径の粒状イオン
交換樹脂をコンディショニングし、到達純度を確認した
後、充填したイオン交換装置20(樹脂量50L)に通
水し、その後、ユースポイント4に供給した。この通水
量は2m3/hrである。
チオン交換樹脂「EX−CG」(平均粒径0.57〜
0.70mm)とダウケミカル製アニオン交換樹脂「E
X−AG」(平均粒径0.51〜0.64mm)との
1:2(体積比)の混合樹脂
UF膜分離装置16の出口水及びイオン交換装置20の
出口の水のFe濃度を経時的に測定し、結果を表1に示
した。なお、Fe濃度は、被検水をクリーンな雰囲気で
特殊容器に採取し、イオンプラズママススペクトロメト
リー(ICP−MS法)により測定した。
トに供給されているUF膜分離装置出口水のFe濃度
は、再起動1日後は5.2ng/L、3日後は1.2n
g/LとFe濃度は徐々に低下し、3ヶ月後には0.3
ng/Lにまで低下した。一方、UF膜分離装置の入口
水のFe濃度は、再起動1〜3日後は0.1ng/L以
上であったが、それ以降は0.1ng/L未満であっ
た。このことは、超純水製造装置の運転停止時及び再起
動時の通水再開初期に、UF膜分離装置のUF膜が汚染
され、その後、この汚染されたUF膜から長期に亘り、
Feが溶出して超純水の水質を悪化させていることを示
している。
交換装置の出口水では、通水再開初期からFeは検出さ
れず、本発明によれば不純物濃度の低い、高水質の超純
水をユースポイントに安定に供給することができること
がわかる。
装置及び超純水供給方法によれば、超純水製造装置の起
動時又は再起動時の超純水の水質の低下を防止して、不
純物濃度が著しく低い高水質の超純水をユースポイント
に安定的に供給することができる。
を付加するのみで容易に適用することができ、これによ
り、今後益々高められる傾向にある半導体洗浄用超純水
の水質要求に十分に対応することが可能となる。
統図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 超純水製造装置と、該超純水製造装置で
製造された超純水をユースポイントに供給する超純水供
給配管とを有する超純水供給装置において、 粒状イオン交換樹脂を充填したイオン交換装置を該超純
水供給配管に設けたことを特徴とする超純水供給装置。 - 【請求項2】 請求項1において、該超純水供給配管か
ら分岐し、かつ下流側で合流するバイパス管路を設ける
と共に、該バイパス管路に前記イオン交換装置を設けた
ことを特徴とする超純水供給装置。 - 【請求項3】 請求項1又は2の超純水供給装置を運転
して超純水をユースポイントに供給する方法において、
該超純水製造装置の起動時又は再起動時から所定の期
間、超純水を前記イオン交換装置に通水してユースポイ
ントに供給することを特徴とする超純水供給方法。
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