JP3580648B2 - 超純水製造装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば半導体産業におけるシリコンウエハの洗浄等に用いられる超純水(純水を含む)の製造装置に関し、さらに詳述すると、二次純水系システムで得られる超純水中の溶存ガス濃度を低減させることができる超純水製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
シリコンウエハの洗浄等に用いられる超純水の製造装置は、一般に、前処理系システムの処理水が導入される一次純水系システムと、一次純水系システムの処理水が導入される二次純水系システム(サブシステム)とを備えている。このような超純水製造装置としては、例えば図6に示すものが挙げられる。図6において、2は原水貯槽、4は前処理系システム、6は濾過水槽、8は一次純水系システム、10は二次純水系システムを示す。一次純水系システム8には、脱塩装置12、脱塩水槽14、逆浸透膜装置16、逆浸透膜透過水槽18、真空脱気装置20、再生型混床式脱塩装置22が順次設置されている。二次純水系システム10には、純水貯槽24、紫外線酸化装置26、カートリッジポリッシャ28、限外濾過膜装置30が順次設置されている。
【0003】
図6の装置では、以下の手順で処理が行われる。まず、工業用水等の原水中に含まれる懸濁物質及び有機物の一部が前処理システム4で除去された後、その処理水が濾過水槽6を経て一次純水系システム8に供給され、脱塩装置12、逆浸透膜装置16、真空脱気装置20、再生型混床式脱塩装置22に順次通水される。脱塩装置12は、例えば2床3塔式イオン交換装置等のイオン交換装置であって、水中の不純物イオンの除去を行う。逆浸透膜装置16は、水中の無機イオン、有機物、微粒子等の除去を行う。真空脱気装置20は、水中の溶存酸素等の溶存ガスの除去を行う。再生型混床式脱塩装置22は、残存するイオン等を除去して高純度の純水を製造する。
【0004】
一次純水系システム8の処理水(一次純水)は、二次純水系システム10の純水貯槽24に供給される。純水貯槽24に蓄えられる一次純水は、再生型混床式脱塩装置22によって炭酸ガスが除去されているとともに、真空脱気装置20により酸素ガスが除去されているため、これら酸素ガスや炭酸ガスが外気から再溶解するのを防ぐ目的で、純水貯槽24には不活性ガスである窒素ガスが封入されている。なお、純水貯槽24に蓄えられる一次純水の抵抗率は、通常、1MΩ・cm以上である。純水貯槽24を出た純水は、紫外線酸化装置26、カートリッジポリッシャ28、限外濾過膜装置30に順次通水される。紫外線酸化装置26は、純水貯槽24からの純水に紫外線を照射し、純水中の有機物を酸化分解するとともに、バクテリアの殺菌を行う。カートリッジポリッシャ28は、非再生型混床式イオン交換装置であって、供給されるイオン負荷がほとんどない一次純水中のイオンをさらに除去する。限外濾過膜装置30は、水中の残存微粒子等を除去して超純水を製造する。得られた超純水は、使用場所32に供給される。
【0005】
また、超純水は、使用場所32で使用している時及び使用していない時のいずれの場合でも二次純水循環配管34を通って純水貯槽24に戻り、純水貯槽24→紫外線酸化装置26→カートリッジポリッシャ28→限外濾過膜装置30→超純水循環配管34→純水貯槽24からなる閉ループ内を常時循環している。このように超純水を常時循環させているのは、使用場所32における超純水の不使用時に運転を停止すると、システムを構成する各ユニットや配管中に運転停止時に水が滞留してバクテリアの増殖が起きたり、イオン成分や有機物が微量ながら溶出して超純水の水質を劣化させたりするおそれがあること、停止時や再起動時のショックで各ユニットから微粒子が吐きだされたり、不純物の溶出が起きたりするおそれがあることによる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前述したような装置により、きわめて高純度の超純水が製造されるわけであるが、近年の半導体デバイスの高集積度化に伴い、超純水をさらに高い水質とすることが求められている。特に溶存酸素は、シリコンウエハ上に自然酸化膜を生成し、コンタクト抵抗の増大の問題や、場合によっては薄い酸化膜の膜厚制御等に支障をきたすという問題を引き起こすため、可能な限りの低減が求められている。
【0007】
表1は、図6に示した従来の装置の各ポイントにおける溶存酸素濃度の測定値を示している。表1より以下のことがわかる。
【表1】
脱塩装置12の出口水中にはほぼ飽和濃度の溶存酸素が検出されるが、真空脱気装置20により24ppbまで除去される。その後純水貯槽24を介することにより22ppbとなる。純水貯槽24における溶存酸素の減少は、超純水循環配管34から溶存酸素濃度の低い水が供給されることに加え、純水貯槽24内で水と封入されている窒素ガスとが接触することによると考えられる。
【0008】
純水貯槽24から取り出された一次純水は、紫外線酸化装置26で処理される。紫外線酸化装置26は、254nm付近の波長の紫外線とともに、それより高い有機物分解能力がある185nm付近の紫外線も強く照射可能な低圧水銀ランプを備えた紫外線酸化装置であり、水中の有機物を炭酸や有機酸に分解するために設置されている。表1に示した通り、紫外線酸化装置26の前後で溶存酸素濃度が22ppbから6ppbへと激減する現象が認められる。この現象は、紫外線酸化装置26の被処理水中の溶存酸素が有機物の酸化のための酸素源として消費されたり、紫外線と水との相互作用によるラジカル、オゾン、過酸化水素等の生成によって消費されたりするためと考えられる。
【0009】
しかし、カートリッジポリッシャ28の出口では、6ppbに減少していた溶存酸素が10ppbに増加してしまっている。この溶存酸素の増加は、紫外線酸化装置26で生成したオゾンや過酸化水素がカートリッジポリッシャ28のイオン交換樹脂との接触によって酸素ガスに分解したためと推定される。
【0010】
上記のように、従来の装置では、二次純水系システム10の紫外線酸化装置26で水中の溶存酸素濃度が大きく低減するものの、後段のカートリッジポリッシャ28でのイオン交換樹脂との接触により溶存酸素が再び増加してしまう。紫外線酸化装置26における紫外線エネルギーは、ヒドロキシラジカルのような極めて反応性に富むラジカルの生成だけではなく、オゾンや過酸化水素のような反応が遅く寿命の長い酸化性物質の生成にも消費されるので、カートリッジポリッシャ28で溶存酸素が再び増加することは避けられない現象である。
【0011】
一方、近年、超純水への要求水質として、酸素ガスのみならず窒素ガスを含めた全溶存ガス濃度の低減が求められ始めている。これは、不活性ガスである窒素は、これまで半導体デバイス製造工程への影響はないと考えられてきたが、近年の超音波洗浄装置の導入に伴い、溶存ガスによるキャビテーションが問題となってきたためである。超音波照射時に溶存ガスによるキャビテーションが生じると、超音波エネルギーを無駄に消費してしまう。しかし、図6に示した従来の装置では、真空脱気装置20によって酸素ガスのみならず、窒素ガスや炭酸ガスも含めた全溶存ガスを低減しているが、純水貯槽24において外気を遮断するために封入している窒素ガスが水中に溶解するので、全溶存ガス濃度を低減することは困難であった。
【0012】
以上述べたように、従来の超純水製造装置では、紫外線酸化装置におけるオゾンや過酸化水素の生成があるために溶存酸素の低減に限界があるばかりでなく、純水貯槽における封入ガスである窒素ガスの溶解により、全溶存ガス濃度を低減することが困難であった。本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、溶存酸素濃度が極めて低く、かつ、溶存酸素、溶存窒素を含む全溶存ガス濃度も大きく低減した超純水を得ることが可能な超純水製造装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記目的を達成するため、下記第1発明〜第5発明を提供する。
[第1発明]
一次純水系システムと二次純水系システムとを備えた超純水製造装置において、二次純水系システムに、紫外線ランプを備えた紫外線酸化装置、強塩基性陰イオン交換樹脂の単床層を入口側、強酸性陽イオン交換樹脂と強塩基性陰イオン交換樹脂との混床層を出口側に設けた複層式イオン交換装置からなる非再生型イオン交換装置、膜脱気装置及び限外濾過膜装置をこの順序に通水するように設置したことを特徴とする超純水製造装置。
[第2発明]
一次純水系システムと二次純水系システムとを備えた超純水製造装置において、二次純水系システムに、紫外線ランプを備えた紫外線酸化装置、強塩基性陰イオン交換樹脂の単床による樹脂塔を前段側、強酸性陽イオン交換樹脂と強塩基性陰イオン交換樹脂との混床による樹脂塔を後段側に設けたイオン交換装置からなる非再生型イオン交換装置、膜脱気装置及び限外濾過膜装置をこの順序に通水するように設置したことを特徴とする超純水製造装置。
[第3発明]
一次純水系システムと二次純水系システムとを備えた超純水製造装置において、二次純水系システムに、紫外線ランプを備えた紫外線酸化装置、強酸性陽イオン交換樹脂と強塩基性陰イオン交換樹脂との混床によるイオン交換装置からなる第1の非再生型イオン交換装置、膜脱気装置、第2の非再生型イオン交換装置及び限外濾過膜装置をこの順序に通水するように設置したことを特徴とする超純水製造装置。
[第4発明]
一次純水系システムと二次純水系システムとを備えた超純水製造装置において、二次純水系システムに、紫外線ランプを備えた紫外線酸化装置、強塩基性陰イオン交換樹脂の単床層を入口側、強酸性陽イオン交換樹脂と強塩基性陰イオン交換樹脂との混床層を出口側に設けた複層式イオン交換装置からなる第1の非再生型イオン交換装置、膜脱気装置、第2の非再生型イオン交換装置及び限外濾過膜装置をこの順序に通水するように設置したことを特徴とする超純水製造装置。
[第5発明]
一次純水系システムと二次純水系システムとを備えた超純水製造装置において、二次純水系システムに、紫外線ランプを備えた紫外線酸化装置、強塩基性陰イオン交換樹脂の単床による樹脂塔を前段側、強酸性陽イオン交換樹脂と強塩基性陰イオン交換樹脂との混床による樹脂塔を後段側に設けたイオン交換装置からなる第1の非再生型イオン交換装置、膜脱気装置、第2の非再生型イオン交換装置及び限外濾過膜装置をこの順序に通水するように設置したことを特徴とする超純水製造装置。
【0014】
第1発明〜第5発明の超純水製造装置では、二次純水系システムにおいて、紫外線酸化装置の後段の非再生型イオン交換装置の後段に膜脱気装置を設置したことにより、紫外線酸化装置で生成したオゾンや過酸化水素が後段の非再生型イオン交換装置でイオン交換樹脂と接触して分解し、これにより溶存酸素が増加しても、この溶存酸素を後段の膜脱気装置で除去して、溶存酸素濃度が極めて低い超純水を得ることができる。また、膜脱気装置の入口水に溶存窒素等の溶存酸素以外の溶存ガスが含まれている場合でも、この溶存酸素以外の溶存ガスを膜脱気装置で除去して、全溶存ガス濃度が大きく低減した超純水を得ることができる。さらに、第3発明〜第5発明の超純水製造装置では、膜脱気装置の後段にさらに第2の非再生型イオン交換装置を設けたので、この第2の非再生型イオン交換装置により、膜脱気装置から溶出した不純物を含めて水中の不純物をほぼ完全に除去することができる。
【0015】
本発明において、一次純水系システムとは、前処理システムによって懸濁物質、有機物の一部等が除去された水が導入され、その水の中のイオン、非イオン性物質、溶存ガス等の大部分を除去して一次純水を得るシステムをいう。また、二次純水系システムとは、一次純水が導入され、一次純水中に残存する微量の不純物を取り除くものである。二次純水系システムでは連続循環運転を行っており、得られた超純水の一部をユースポイントに送るとともに、残部を純水貯槽に循環している。
【0016】
本発明では、二次純水系システムにおいて、前段側から後段側にかけて紫外線酸化装置、非再生型イオン交換装置、膜脱気装置及び限外濾過膜装置を設置するか(第1、2発明)、紫外線酸化装置、第1の非再生型イオン交換装置、膜脱気装置、第2の非再生型イオン交換装置及び限外濾過膜装置を設置する(第3〜5発明)。
【0017】
紫外線酸化装置としては、被処理水に少なくとも254nm付近の波長の紫外線を照射可能な紫外線ランプを備え、被処理水中の有機物を分解可能なものを用いる。紫外線ランプとしては、一般に低圧水銀ランプが用いられる。また、紫外線酸化装置としては、流通型、浸漬型といった任意の構成のものを用いることができるが、流通型紫外線酸化装置を用いることが処理効率等の点で適当である。
【0018】
紫外線酸化装置には、254nm付近の波長の紫外線に加えて、それより高い有機物分解能力がある185nm付近の波長の紫外線も照射可能な装置がある。さらに、その中でも、185nm付近の波長の紫外線の照射量が少ない紫外線酸化装置と、185nm付近の波長の紫外線を強く照射可能な紫外線酸化装置とがある。前者の装置は、有機物分解能力が低いため、後者の装置と区別して紫外線殺菌装置と呼ばれることもある。本発明では、254nm付近の波長の紫外線に加え、185nm付近の波長の紫外線も強く照射可能な後者の紫外線酸化装置を用いることが、有機物を良好に分解する点で好ましい。
【0019】
本発明では、第1発明における非再生型イオン交換装置として下記(2)のもの用い、第2発明における非再生型イオン交換装置として下記(3)のもの用い、第3発明における第1の非再生型イオン交換装置として下記(1)のもの用い、第4発明における第1の非再生型イオン交換装置として下記(2)のもの用い、第5発明における第1の非再生型イオン交換装置として下記(3)のもの用いる。(1)、(2)は1塔式、(3)は2塔式のイオン交換装置である。
(1)強酸性陽イオン交換樹脂と強塩基性陰イオン交換樹脂との混床によるイオン交換装置。
(2)強塩基性陰イオン交換樹脂の単床層を入口側、強酸性陽イオン交換樹脂と強塩基性陰イオン交換樹脂との混床層を出口側に設けた複層式イオン交換装置。
(3)強塩基性陰イオン交換樹脂の単床による樹脂塔を前段側、強酸性陽イオン交換樹脂と強塩基性陰イオン交換樹脂との混床による樹脂塔を後段側に設けたイオン交換装置。
【0020】
上記紫外線酸化装置と膜脱気装置との間の非再生型イオン交換装置として(1)のイオン交換装置を用いた場合には、混床層内のいずれの位置においても水のpHの変化がないため、効率の良いイオン交換ができるという利点が得られる。また、オゾンや過酸化水素のような酸化性物質が強酸性陽イオン交換樹脂に接触すると、強酸性陽イオン交換樹脂から溶出物が発生し、それが強酸性陽イオン交換樹脂や強塩基性陰イオン交換樹脂の表面を汚染して、イオン交換速度が低下することがある。一方、オゾンや過酸化水素の分解は、強塩基性陰イオン交換樹脂に接触させるだけで十分に行われる。したがって、紫外線酸化装置と膜脱気装置との間の非再生型イオン交換装置としては、(2)、(3)のイオン交換装置のようにイオン交換樹脂層の少なくとも入口側が強塩基性陰イオン交換樹脂の単床であるものを用いることが特に好ましい。これにより、オゾンや過酸化水素を強酸性陽イオン交換樹脂と接触させることなく強塩基性陰イオン交換樹脂で分解することが可能となり、強酸性陽イオン交換樹脂から溶出物を発生させることなくオゾンや過酸化水素を分解できるという利点が得られる。
【0021】
膜脱気装置とは、気体分離膜で仕切られた一方の室に被処理水を流すとともに、他方の室を減圧することにより、被処理水中に含まれるガスを気体分離膜を通して他方の室に移行させて除去する装置である。気体分離膜としては、通常、テトラフルオロエチレン系、シリコーンゴム系等の疎水性の高分子膜を中空糸膜状等の適宜形状に形成したものが使用される。本発明において、膜脱気装置としては、水中の溶存酸素濃度を1ppb以下、全溶存ガス濃度を3000ppb以下に低減できるものが好ましい。なお、本発明において脱ガス装置として膜脱気装置を用いたのは、真空脱気塔や加熱脱気装置等の脱ガス装置を用いた場合には、これらの装置から水中に不純物が混入したり、装置の充填物から水中に不純物が溶出したりすることがある上、装置が大型化するからである。これに対し、膜脱気装置を用いれば、このような問題は生じない。
【0022】
第3〜5発明における第2の非再生型イオン交換装置としては、必ずしも限定されないが、前述した(1)の強酸性陽イオン交換樹脂と強塩基性陰イオン交換樹脂との混床によるイオン交換装置を用いることが適当であり、これにより混床層内のいずれの位置においても水のpHの変化がないため効率の良いイオン交換ができるという利点を得ることができる。
【0023】
また、第3〜5発明では、第1の非再生型イオン交換装置の通水SV(空間速度)(SV1)と、第2の非再生型イオン交換装置の通水SV(SV2)が、SV1<SV2の関係にあることが好ましい。これは、紫外線酸化装置の処理水を第1の非再生型イオン交換装置に比較的接触時間を大として通過させることにより、紫外線酸化で生成したオゾン、過酸化水素等を十分に分解したのちに膜脱気装置で処理することが望ましいという理由からである。
【0024】
【発明の実施の形態】
図1は第1発明に係る超純水製造装置の一実施形態例を示すフロー図、図2は第2発明に係る超純水製造装置の一実施形態例を示すフロー図、図3は第3発明に係る超純水製造装置の一実施形態例を示すフロー図、図4は第4発明に係る超純水製造装置の一実施形態例を示すフロー図、図5は第5発明に係る超純水製造装置の一実施形態例を示すフロー図である。図1〜図5において、図6の装置と同一の構成部分には同一参照符号を付してその説明を省略する。また、図1〜図5において、前処理系システムは図示を省略し、一次純水系システム8は図示を簡略化してある。
【0025】
図1の装置は、二次純水系システム10に、紫外線酸化装置26(図中UVで示す)と、強塩基性陰イオン交換樹脂の単床層(図中AERで示す)を入口側、強酸性陽イオン交換樹脂と強塩基性陰イオン交換樹脂との混床層(図中MBで示す)を出口側に設けた1塔式の非再生型イオン交換装置42と、膜脱気装置50(図中MDで示す)とをこの順序に通水するように設置したものである。
【0026】
【0027】
図2の装置は、図1の装置において、非再生型イオン交換装置42に代えて、強塩基性陰イオン交換樹脂の単床による樹脂塔44(図中AERで示す)を前段側、強酸性陽イオン交換樹脂と強塩基性陰イオン交換樹脂との混床による樹脂塔46(図中MBで示す)を後段側に設けた2塔式の非再生型イオン交換装置48を設置したものである。
【0028】
図3の装置は、二次純水系システム10に、紫外線酸化装置26(図中UVで示す)と、強酸性陽イオン交換樹脂と強塩基性陰イオン交換樹脂との混床による1塔式の第1の非再生型イオン交換装置40(図中CPで示す)と、膜脱気装置50(図中MDで示す)と、強酸性陽イオン交換樹脂と強塩基性陰イオン交換樹脂との混床による1塔式の第2の非再生型イオン交換装置60(図中CPで示す)とをこの順序に通水するように設置したものである。
【0029】
【0030】
図4の装置は、図3の装置において、第1の非再生型イオン交換装置40に代えて、強塩基性陰イオン交換樹脂の単床層(図中AERで示す)を入口側、強酸性陽イオン交換樹脂と強塩基性陰イオン交換樹脂との混床層(図中MBで示す)を出口側に設けた1塔式の非再生型イオン交換装置42を設置したものである。
【0031】
図5の装置は、図3の装置において、第1の非再生型イオン交換装置40に代えて、強塩基性陰イオン交換樹脂の単床による樹脂塔44(図中AERで示す)を前段側、強酸性陽イオン交換樹脂と強塩基性陰イオン交換樹脂との混床による樹脂塔46(図中MBで示す)を後段側に設けた非再生型イオン交換装置48を設置したものである。
【0032】
なお、図1〜図5の装置において、紫外線酸化装置とその後段の非再生型イオン交換装置との間、該非再生型イオン交換装置とその後段の膜脱気装置との間、該膜脱気装置とその後段の非再生型イオン交換装置との間には、必要に応じ、他の装置を設置してもよい。
【0033】
【実施例】
図1〜図5に示した超純水製造装置の各ポイントにおける水中の溶存酸素濃度、溶存窒素濃度及び抵抗率を測定した。この場合、各装置として下記のものを用い、処理条件は下記の通りとした。また、溶存酸素濃度の測定には東亜電波社製DO−30Aを用い、抵抗率の測定にはオルガノ(株)製MH−4を用いた。結果を表2〜6に示す。なお、図1〜5に示した超純水製造装置において、一次純水系システム8の脱塩装置12及び真空脱気装置20(図6参照)の出口水の溶存酸素濃度は、それぞれ8.0ppm、24ppbであった。
【0034】
装置
・紫外線酸化装置26:TDFL−4(千代田工販社製)
・イオン交換装置40:アンバーライトEG−4(ロームアンドハース社製)
・イオン交換装置42:アンバーライトIRA−402BL + アンバーライト EG−4
・イオン交換装置48:アンバーライトIRA−402BL、アンバーライト EG−4
・膜脱気装置50:MJ−520p(大日本インキ化学工業(株)製)
・イオン交換装置60:アンバーライトEG−4
【0035】
処理条件
・紫外線酸化装置26における紫外線照射量:0.3Kw・hr/m3
・イオン交換装置40、42、48における通水SV:50hr−1
・膜脱気装置50における真空度:25Torr
・イオン交換装置60における通水SV:120hr−1
【0036】
【表2】
【表3】
【表4】
【表5】
【表6】
【0037】
表2〜表6より、第1発明〜第5発明によれば、溶存酸素濃度及び溶存窒素濃度がいずれも極めて低い超純水を得ることができることがわかる。また、第3発明〜第5発明によれば、不純物がほぼ完全に除去された超純水を得ることができることがわかる。
【0038】
【発明の効果】
以上説明したように、第1発明〜第5発明の超純水製造装置によれば、溶存酸素濃度が極めて低く、かつ、溶存酸素、溶存窒素を含む全溶存ガス濃度も大きく低減した超純水を得ることができる。また、第3発明〜第5発明の超純水製造装置によれば、不純物がより低減した超純水を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1発明に係る超純水製造装置の一実施形態例を示すフロー図である。
【図2】第2発明に係る超純水製造装置の一実施形態例を示すフロー図である。
【図3】第3発明に係る超純水製造装置の一実施形態例を示すフロー図である。
【図4】第4発明に係る超純水製造装置の一実施形態例を示すフロー図である。
【図5】第5発明に係る超純水製造装置の一実施形態例を示すフロー図である。
【図6】従来の超純水製造装置の一例を示すフロー図である。
【符号の説明】
8 一次純水系システム
10 二次純水系システム
24 純水貯槽
26 紫外線酸化装置
30 限外濾過膜装置
40 第1の非再生型イオン交換装置
42 第1の非再生型イオン交換装置
48 第1の非再生型イオン交換装置
50 膜脱気装置
60 第2の非再生型イオン交換装置
Claims (6)
- 一次純水系システムと二次純水系システムとを備えた超純水製造装置において、二次純水系システムに、紫外線ランプを備えた紫外線酸化装置、強塩基性陰イオン交換樹脂の単床層を入口側、強酸性陽イオン交換樹脂と強塩基性陰イオン交換樹脂との混床層を出口側に設けた複層式イオン交換装置からなる非再生型イオン交換装置、膜脱気装置及び限外濾過膜装置をこの順序に通水するように設置したことを特徴とする超純水製造装置。
- 一次純水系システムと二次純水系システムとを備えた超純水製造装置において、二次純水系システムに、紫外線ランプを備えた紫外線酸化装置、強塩基性陰イオン交換樹脂の単床による樹脂塔を前段側、強酸性陽イオン交換樹脂と強塩基性陰イオン交換樹脂との混床による樹脂塔を後段側に設けたイオン交換装置からなる非再生型イオン交換装置、膜脱気装置及び限外濾過膜装置をこの順序に通水するように設置したことを特徴とする超純水製造装置。
- 一次純水系システムと二次純水系システムとを備えた超純水製造装置において、二次純水系システムに、紫外線ランプを備えた紫外線酸化装置、強酸性陽イオン交換樹脂と強塩基性陰イオン交換樹脂との混床によるイオン交換装置からなる第1の非再生型イオン交換装置、膜脱気装置、第2の非再生型イオン交換装置及び限外濾過膜装置をこの順序に通水するように設置したことを特徴とする超純水製造装置。
- 一次純水系システムと二次純水系システムとを備えた超純水製造装置において、二次純水系システムに、紫外線ランプを備えた紫外線酸化装置、強塩基性陰イオン交換樹脂の単床層を入口側、強酸性陽イオン交換樹脂と強塩基性陰イオン交換樹脂との混床層を出口側に設けた複層式イオン交換装置からなる第1の非再生型イオン交換装置、膜脱気装置、第2の非再生型イオン交換装置及び限外濾過膜装置をこの順序に通水するように設置したことを特徴とする超純水製造装置。
- 一次純水系システムと二次純水系システムとを備えた超純水製造装置において、二次純水系システムに、紫外線ランプを備えた紫外線酸化装置、強塩基性陰イオン交換樹脂の単床による樹脂塔を前段側、強酸性陽イオン交換樹脂と強塩基性陰イオン交換樹脂との混床による樹脂塔を後段側に設けたイオン交換装置からなる第1の非再生型イオン交換装置、膜脱気装置、第2の非再生型イオン交換装置及び限外濾過膜装置をこの順序に通水するように設置したことを特徴とする超純水製造装置。
- 第2の非再生型イオン交換装置が、強酸性陽イオン交換樹脂と強塩基性陰イオン交換樹脂との混床によるイオン交換装置である請求項3〜5に記載の超純水製造装置。
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