JPWO2009060626A1 - カメラ - Google Patents

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    • H04N23/685Vibration or motion blur correction performed by mechanical compensation

Abstract

像振れ補正性能の向上を図ることができるカメラを提供する。カメラ(1)は、光学系(O)と、筐体(2)と、第1駆動ユニット(10)と、加速度センサ(7)と、回転駆動ユニット(11)と、補正演算部(21)と、駆動制御部(22)と、を有している。第1駆動ユニット(10)は、光学系(O)の光路が変更されるように筐体(2)に対して補正レンズ(9)を駆動する。回転駆動ユニット(11)は筐体(2)に対して加速度センサ(7)を回転駆動する。補正演算部(21)は加速度センサ(7)により取得された変位量から補正レンズ(9)の第1駆動量を算出する。駆動制御部(22)は、回転駆動ユニット(11)の動作を制御するとともに、駆動量に基づいて第1駆動ユニット(10)の動作を制御する。

Description

本発明は、像振れ補正機能を有するカメラに関する。
従来、カメラの振れにより生じる画像の劣化(以下、像振れとも言う)を抑制するために、像振れ補正機能を有するカメラが知られている。このカメラは、補正レンズを駆動する像振れ補正ユニットと、カメラの振れを検出する振れ検出センサと、振れ検出センサの出力に応じて像振れ補正ユニットの動作を制御する補正制御部と、を有している。このカメラでは、振れ検出センサにより検出された振れ量に基づいて、その振れにより生じる像振れを打ち消すように、補正レンズが像振れ補正ユニットにより駆動される。これにより、像振れが補正された画像を取得することが可能となる。
より具体的には、従来のカメラでは、カメラ本体に対して、光学系の入射光軸と直交するX軸およびY軸が設定されている。このカメラは、X軸回りのカメラ本体の角速度(振れ)を検出する第1振れ検出センサと、Y軸回りのカメラ本体の角速度(振れ)を検出する第2振れ検出センサと、を有している。補正制御部は、第1および第2振れ検出センサにより、X軸回りおよびY軸回りのカメラの回転角度を検出することができる。このカメラの振れにより生じる像振れを補正するために、補正レンズの駆動量がマイコンにより演算される。この駆動量に基づいて、補正レンズが駆動ユニットにより駆動される(例えば、特許文献1を参照)。
より正確に像振れを補正するために、X軸およびY軸回りの角速度(振れ)を検出することに加えて、カメラ本体の並進振れを検出するカメラも提案されている(例えば特許文献2および3)。また、カメラ本体の光軸回りの角速度(振れ)あるいは傾きを検出するセンサを有するカメラも提案されている(特許文献4および5を参照)。このカメラでは、光軸回りのカメラ本体の振れあるいは傾きにより生じる像振れを打ち消すように、撮像素子が回転駆動される。これにより、光軸回りの像振れあるいは傾きが補正された画像を取得することができる。
特開平3−37616号公報 特開平3−46642号公報 特許第3513950号公報 特開平6−30327号公報 特公平1−53957号公報 特開2006−337680号公報
従来のカメラでは、並進振れを加速度センサにより検出できても、カメラに対して常に作用する重力加速度成分がノイズとして出力に影響を及ぼす。また、重力加速度成分を予め除去する場合であっても、カメラとともに加速度センサも鉛直方向に対して傾くため、加速度センサに作用する重力加速度の方向が一定ではない。このため、重力加速度成分を正確に除去することが困難であり、加速度センサにて検出された加速度や加速度から算出された変位量の精度が低下する。この結果、従来のカメラでは像振れ補正性能が低下する場合がある。
本発明の課題は、像振れ補正性能の向上を図ることができるカメラを提供することにある。
第1の発明に係るカメラは、光学系と、筐体と、像振れ補正部と、変位取得部と、回転駆動部と、補正演算部と、駆動制御部と、を有している。光学系は像振れ補正を行う補正光学系を有し被写体の光学像を形成する。像振れ補正部は筐体の動きにより生じる像振れを補正する。変位取得部は筐体の変位量を取得可能である。回転駆動部は筐体に対して変位取得部を回転駆動する。補正演算部は変位取得部により取得された変位量から像振れ補正部での第1補正量を算出する。駆動制御部は、回転駆動部の動作を制御するとともに、第1補正量に基づいて像振れ補正部の動作を制御する。
このカメラでは、補正演算部により算出された第1駆動量に基づいて駆動制御部により光学系駆動部の動作が制御されるため、カメラの移動量に応じて補正光学系を駆動できる。これにより、カメラの並進振れに起因する像振れを補正できる。
ここでは、回転駆動部により変位取得部が回転駆動されるため、例えば重力加速度が作用する方向である鉛直方向に対して変位取得部の姿勢を一定に保つことができる。これにより、変位取得部により取得された変位量から予め重力加速度成分を排除することができ、変位取得部により取得される変位量の精度が向上する。すなわち、像振れ補正性能をより高めることができる。
なお、像振れ補正部としては、例えば、補正光学系を移動させる光学式、撮像素子を移動させるセンサシフト方式、および画像信号に像振れ補正処理を施す電子式が考えられる。また、カメラとしては、例えば、静止画撮影のみ可能な装置、動画撮影のみ可能な装置、および静止画撮影および動画撮影が可能な装置が考えられる。さらに、カメラとしては、例えば、デジタルスチルカメラ、交換レンズ式デジタルカメラおよびデジタルビデオカメラが考えられる。
第2の発明に係るカメラは、第1の発明に係るカメラにおいて、光学系の光軸に沿った方向から見た場合、変位取得部が回転駆動部の回転軸と重なり合っている。
第3の発明に係るカメラは、第2の発明に係るカメラにおいて、光軸に沿った方向から見た場合、変位取得部の検出中心が回転駆動部の回転軸と略一致している。
ここで、「検出中心」とは、変位取得部が変位量あるいは加速度を検出する際に中心となる仮想点である。光軸に沿った方向から見て変位取得部が長方形の場合、例えば、検出中心は長方形の中心と概ね一致する。「変位取得部の検出中心が回転駆動部の回転軸と略一致する」とは、検出中心が回転軸とが完全に一致している場合の他に、像振れ補正性能が向上する範囲内において検出中心が回転軸とずれている場合も含まれる。
第4の発明に係るカメラは、第3の発明に係るカメラにおいて、被写体の光学像を画像信号に変換する撮像素子をさらに有している。回転駆動部は、撮像素子および変位取得部が一体回転可能に設けられた回転体と、筐体に対して回転体を駆動する回転アクチュエータと、を有している。撮像素子は回転体の光学系側に配置されている。変位取得部は回転体の撮像素子と反対側に配置されている。
第5の発明に係るカメラは、第3の発明に係るカメラにおいて、筐体の回転角度を取得可能な角度取得部をさらに有している。補正演算部は、変位取得部の位置を基準として角度取得部により取得された回転角度から像振れ補正部での第2補正量を算出する。駆動制御部は、第1および第2補正量に基づいて像振れ補正部の動作を制御する。
第6の発明に係るカメラは、第3の発明に係るカメラにおいて、角度取得部をさらに有している。角度取得部は筐体の回転角度を取得可能である。像振れ補正部は、光学系の光路が変更されるように補正光学系を駆動する光学系駆動部と、被写体の光学像の受光位置が変更されるように筐体に対して撮像素子を駆動する撮像素子駆動部と、を有している。補正演算部は、角度取得部により取得された回転角度から像振れ補正部での第2補正量を算出する。駆動制御部は、第1補正量に基づいて光学系駆動部の動作を制御するとともに、第2補正量に基づいて撮像素子駆動部の動作を制御する。
第7の発明に係るカメラは、第3の発明に係るカメラにおいて、変位取得部とともに回転駆動部により駆動され被写体の光学像を画像信号に変換する撮像素子と、筐体の回転角度を取得可能な角度取得部と、をさらに有している。駆動制御部は、角度取得部により取得された回転角度に基づいて筐体に対して撮像素子が回転駆動されるように、回転駆動部の動作を制御する。
カメラの正面図 カメラの概略構成図 カメラのブロック図 カメラの座標系を示す図 回転角度θxが振れ量に与える影響の模式図 回転角度θyが振れ量に与える影響の模式図 (A)および(B)回転中心Ocがレンズ102の中心Eと一致している場合の振れ量Δz2を説明するための図 回転中心Ocがレンズ102の中心Eからずれている場合の振れ量Δz1を説明するための図 振れ量のピッチ成分、ヨー成分およびロール成分の計算結果 (A)〜(C)回転中心OcのX軸成分Xcと第1増加量との関係を示す図 (A)〜(C)回転中心OcのY軸成分Ycと第1増加量との関係を示す図 (A)〜(C)回転中心OcのZ軸成分Zcと第1増加量との関係を示す図 (A)〜(C)X軸方向におけるカメラの並進振れ量ΔXと第2増加量との関係を示す図 (A)〜(C)Y軸方向におけるカメラの並進振れ量ΔYと第2増加量との関係を示す図 (A)〜(C)Z軸方向におけるカメラの並進振れ量ΔZと第2増加量との関係を示す図 X軸方向から見た場合の振れ量の説明図 補正レンズの駆動量と補正角度との関係を示す図 各光学倍率における駆動量と補正角度との関係を示すグラフ (A)回転中心Ocが加速度センサを挟んで被写体と反対側にある場合の図、(B)回転中心Ocが加速度センサと被写体との間にある場合の図 Y軸方向から見た場合の振れ量の説明図 Z軸方向から見た場合の振れ量の説明図 Z軸方向から見た場合の振れ量の説明図 回転力F1と遠心力F2との測定結果(1) 回転力F1と遠心力F2との測定結果(2) 回転力F1と遠心力F2との測定結果(3) 回転力F1と遠心力F2との測定結果(4) 回転力F1と遠心力F2との測定結果(5) Y軸方向の総振れ量を示す図 X軸方向の総振れ量を示す図 カメラの概略構成図(第2実施形態) カメラのブロック図(第2実施形態) 一眼レフカメラの概略構成図(他の実施形態)
符号の説明
1 カメラ
2 筐体
3 レンズ鏡筒
4 第1角速度センサ(角度取得部の一例)
5 第2角速度センサ(角度取得部の一例)
6 第3角速度センサ(角度取得部の一例)
7 加速度センサ(変位取得部の一例)
8 測距装置
9 補正レンズ(補正光学系の一例)
10 第1駆動ユニット(光学系駆動部の一例)
11 回転駆動ユニット(回転駆動部の一例)
12 第2駆動ユニット(光学系駆動部の一例)
13 ズーム駆動ユニット
20 マイコン
21 補正演算部
22 駆動制御部
23 変位量演算部(変位取得部の一例)
24 角度演算部(角度取得部の一例)
240 センサ駆動ユニット(撮像素子駆動部の一例)
301 一眼レフカメラ(カメラシステムの一例)
302 カメラ本体
303 交換レンズ
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
<カメラの全体構成>
図1〜図3を用いて、第1実施形態に係るカメラ1について説明する。図1はカメラ1の正面図である。図2はカメラ1の内部構成図である。図3はカメラ1のブロック図である。
図1および図2に示すように、カメラ1は、筐体2と、被写体の光学像を形成する光学系Oと、光学系Oを支持するレンズ鏡筒3と、撮像素子17と、を有している。光学系Oは、例えば複数のレンズ群を有するズーム光学系であり、光軸Aを有している。カメラ1では、光軸Aを基準として直交座標系(X,Y,Z)が設定されている。Z軸は光軸Aと一致しており、カメラ1の被写体側がZ軸方向正側に対応している。光学系Oのレンズ群は、レンズ鏡筒3に含まれる複数のレンズ枠を介して、ズーム駆動ユニット13により光軸Aに沿った方向へ駆動される。これにより、光学系Oの光学倍率を変化させることができる。ズーム駆動ユニット13は、例えばステッピングモータを有している。ズーム駆動ユニット13の動作はマイコン20の駆動制御部22(後述)により制御される。駆動制御部22がズーム駆動ユニット13に送信する制御パルス数をカウントすることで、マイコン20は光学系Oの光学倍率を把握することができる。
カメラ1は、筐体2のX軸回りの角速度ωxを検出するための第1角速度センサ4(第1角度取得部の一例)と、筐体2のY軸回りの角速度ωyを検出するための第2角速度センサ5(角度取得部の一例)と、筐体2のZ軸回りの角速度ωzを検出するための第3角速度センサ6と、測距装置8(距離取得部の一例)と、を有している。
第1〜第3角速度センサ4〜6は、例えばジャイロセンサである。第1〜第3角速度センサ4〜6により、筐体2の回転運動(角速度)を検出することができる。検出された角速度を時間積分することで、回転角度を取得することができる。この演算は、マイコン20の角度演算部24により行われる。つまり、第1〜第3角速度センサ4〜6および角度演算部24により、カメラ1の回転角度を取得可能な角度取得部が実現されている。
測距装置8は赤外線やレーザなどを利用して被写体までの距離を測定するための装置である。測距装置8によりカメラ1から被写体までの距離を測定することができる。より詳細には、測距装置8は、後述する加速度センサ7の検出中心Cから被写体までの距離を取得することができる。
カメラ1は、第1〜第3角速度センサ4〜6に加えて、カメラ1に作用する加速度を検出するための加速度センサ7(変位取得部の一例)を有している。加速度センサ7は、例えばMEMS(Micro Electro Mechanical System)型の2軸加速度センサであり、直交する2つの感度軸(第1感度軸Sx、第2感度軸Sy)を有している。回転駆動ユニット11が基準位置の状態(撮像素子17が筐体2に対して傾いていない状態)で、第1および第2感度軸SxおよびSyは、X軸方向およびY軸方向に概ね平行に配置されている。加速度センサ7は検出中心Cを有している。検出中心Cは、加速度センサ7が加速度を検出する際に中心となる仮想点であり、第1および第2感度軸SxおよびSyの交点と概ね一致している。Z軸方向から見た場合に、検出中心Cは光軸AおよびZ軸と概ね一致している。光軸Aに沿った方向から見た場合に加速度センサ7が長方形であれば、検出中心Cは、例えば長方形の中心と概ね一致する。したがって、光軸Aに沿った方向から見た場合、加速度センサ7は光軸Aと重なり合っている。
加速度センサ7により検出された加速度を2回時間積分すると、カメラ1の変位量(移動量)が得られる。この演算は後述する変位量演算部23により行われる。この変位量は、補正演算部21において駆動量の演算に用いられる。つまり、加速度センサ7および変位量演算部23により、カメラ1の変位量を取得可能な変位取得部が実現されている。
また、光学系Oは、筐体2の振れにより生じる撮像素子17に対する光学像の変位(以下、像振れとも言う)を補正するための補正レンズ9を有している。補正レンズ9は、第1駆動ユニット10および第2駆動ユニット12により、筐体2に対して光軸Aに直交する方向に駆動される。より詳細には、第1駆動ユニット10は、Y軸方向(ピッチ方向)に補正レンズ9を駆動する。第2駆動ユニット12は、X軸方向(ヨー方向)に補正レンズ9を駆動する。光軸Aあるいはレンズ鏡筒3に対する補正レンズ9の位置は、第1位置センサ15および第2位置センサ16により検出可能である。第1位置センサ15は補正レンズ9のX軸方向の位置を検出する。第2位置センサ16は補正レンズ9のY軸方向の位置を検出する。
カメラ1は、撮像素子17を光軸A回りに回転駆動するための回転駆動ユニット11を有している。回転駆動ユニット11は、光軸A回りに回転する回転プレート18と、回転プレート18を回転駆動するアクチュエータ19と、を有している。回転プレート18の回転軸Kは光軸Aと概ね一致している。アクチュエータ19は、例えばステッピングモータであり、直接的あるいは間接的に筐体2に固定されている。回転駆動ユニット11の動作は駆動制御部22により制御されている。駆動制御部22からアクチュエータ19に送信される制御パルス数をカウントすることで、マイコン20は筐体2に対する回転プレート18の回転角度を把握することができる。
回転プレート18のZ軸方向正側には、撮像素子17が設けられており、Z軸方向負側(撮像素子17と反対側)には加速度センサ7が設けられている。これにより、撮像素子17および加速度センサ7は筐体2に対して光軸A回り(Z軸回り)に任意の角度で回転可能となる。光軸Aに沿った方向から見た場合、撮像素子17の中心および加速度センサ7の検出中心Cは、回転プレート18の回転軸Kと概ね一致している。
カメラ1の制御はマイコン(マイクロコンピュータ:Micro Computer)20により行われる。マイコン20は、CPU、ROMおよびRAMを有しており、ROMに格納されたプログラムがCPUに読み込まれることで様々な機能を実現し得る。例えば、マイコン20は、カメラ1の振れ量を算出する機能、あるいは光学倍率および補正角度から補正レンズ9の駆動量を算出する機能を有している。
図3に示すように、マイコン20は、補正演算部21と、駆動制御部22と、変位量演算部23と、角度演算部24と、を有している。角度演算部24は、第1〜第3角速度センサ4〜6にて検出された角速度ωx、ωy、ωzを時間積分することで回転角度θx、θy、θzを算出する。変位量演算部23は、加速度センサ7にて検出された第1および第2感度軸SxおよびSy成分である加速度Ax、Ayを2回時間積分することで変位量をそれぞれ算出する。補正演算部21は、これらの回転角度および変位量に基づいて、補正レンズ9の駆動量Δdを算出する。駆動制御部22は、補正演算部21により算出された駆動量Δdに基づいて第1駆動ユニット10、第2駆動ユニット12および回転駆動ユニット11の動作を制御する。
以上のように、マイコン20により各センサの検出結果に基づく演算が行われ、カメラ1の動きに合わせて像振れ補正が可能となる。つまり、補正レンズ9、第1駆動ユニット10、第2駆動ユニット12、撮像素子17および回転駆動ユニット11により、像振れを補正する像振れ補正部が実現されている。また、補正レンズ9、第1駆動ユニット10および第2駆動ユニット12により、補正光学系を用いて像振れ補正を行う第1補正部が実現されている。
<回転中心の位置が振れ量に与える影響>
ここで、カメラの回転振れの回転中心の位置がカメラの振れ量および像振れ量に与える影響について、カメラ101を例に説明する。図4はカメラ101の座標系を示している。図4に示すように、光学系Oの光軸Aを基準とする直交座標系(X,Y,Z)が設定されている。Z軸は光軸Aと一致している。
撮影時のカメラ101の振れとしては、回転振れと、並進振れと、が考えられる。回転振れとは、座標系に存在する点を中心にカメラ101が回転することにより生じるカメラ101の振れを言う。並進振れとは、座標系に対するカメラ101の角度(姿勢)が変化しない状態でカメラ101が座標系に対して移動することにより生じるカメラ101の振れを言う。通常、これら2つの振れが組み合わされて、カメラ1の振れとなっている。
カメラ101の回転振れの回転中心をOc(Xc,Yc,Zc)、回転振れのX軸回りの回転角度を角度θx(ピッチ成分)、Y軸回りの回転角度を角度θy(ヨー成分)およびZ軸回りの回転角度を角度θz(ロール成分)とする。カメラ101の並進振れVのX軸成分をΔX、Y軸成分をΔY、Z軸成分をΔZとする。
(1)回転角度θxが振れ量に与える影響
図5は、回転角度θxが振れ量に与える影響を模式的に示した図である。図5では、便宜上、光学系Oを単一のレンズ102に置き換えている。カメラ101の振れが発生していない状態でのレンズ102から被写体103までの距離(撮影距離)をL、カメラ101の振れが発生していない状態でのレンズ102から撮像素子17までの距離をf×Dとする。ここで、fは焦点距離(例えば、35mm換算)、Dは光学倍率である。
図5において、点Oc(Xc,Yc,Zc)を中心に角度θxだけカメラ101が回転した後にレンズ102が位置102´に移動したとすると、X軸方向から見た場合のカメラ101の振れ量Δbx´は、以下の式で表される。
Figure 2009060626
ここで、振れ量Δx2´は、レンズ102の中心Eを基準とした場合のカメラ101の振れ量の回転成分、振れ量Δx1´は、回転中心Ocおよびレンズ102の中心Eがずれていることにより生じるカメラ101の振れ量の並進成分である。なお、後述の振れ量Δx1およびΔx2との違いを分かりやすくするために、ここでは振れ量としてΔx1´およびΔx2´を用いている。
振れ量Δx1´、ΔLおよびΔx2´を幾何学的に算出すると、以下の式で表される。
Zc=0のとき、
Figure 2009060626
Figure 2009060626
Zc≠0のとき、
Figure 2009060626
Figure 2009060626
Figure 2009060626
さらに、並進振れV=(ΔX,ΔY,ΔZ)によってレンズ102´が位置102´´に移動したとすると、並進振れ量Δx3´は以下の式で表される。
Figure 2009060626
以上より、振れ量Δbx´は以下の式で表される。
Figure 2009060626
(2)回転角度θyが振れ量に与える影響
図6は、回転角度θyが振れ量に与える影響を模式的に示した図である。図6においても図5と同様で、光学系Oを単一のレンズ102に置き換え、カメラ101の振れが発生していない状態でのレンズ102から被写体103までの距離(撮影距離)をL、カメラ101の振れが発生していない状態でのレンズ102から撮像素子17までの距離をf×Dとする。ここで、fは焦点距離(例えば、35mm換算)、Dは光学倍率である。
図6において、回転中心Oc(Xc,Yc,Zc)を中心にカメラ101が角度θyだけ回転した結果、レンズ102が位置102´に移動する場合、Y軸方向から見た場合のカメラ101の振れ量Δby´は、以下の式で表される。
Figure 2009060626
ここで、振れ量Δy2´はレンズ102の中心Eを基準とした場合のカメラ101の振れ量の回転成分、振れ量Δy1´は回転中心Ocおよびレンズ102の中心Eがずれていることにより生じるカメラ101の振れ量の並進成分である。なお、後述の振れ量Δy1およびΔy2との違いを分かりやすくするために、ここでは振れ量としてΔy1´およびΔy2´を用いている。
振れ量Δy1´、ΔLおよびΔy2´を幾何学的に算出すると、以下の式で表される。
Zc=0のとき、
Figure 2009060626
Figure 2009060626
Zc≠0のとき、
Figure 2009060626
Figure 2009060626
Figure 2009060626
さらに、カメラ101の並進振れV=(ΔX,ΔY,ΔZ)によってレンズ102´が位置102´´に移動したとすると、カメラ101の並進振れ量Δy3´は、以下の式で表される。
Figure 2009060626
以上より、振れ量Δby´は、以下の式で表される。
Figure 2009060626
(3)Z軸方向から見た場合の振れ量
図7(A)および図7(B)は回転中心Ocがレンズ102の中心Eと一致している場合のカメラ101の振れ量Δz2を説明するための図である。図8は回転中心Ocがレンズ102の中心Eからずれている場合の振れ量Δz1を説明するための図である。図7(A)および図7(B)に示すように、回転中心Ocがレンズ102の中心Eと一致している場合は光軸A回りにレンズ102が角度θzだけ回転する。この場合、被写体103の横幅Wは以下の式で表される。
Figure 2009060626
したがって、撮像素子17の横幅をWx、撮像素子17の縦幅をWyとすると、振れ量Δz2は以下の式で表される。
Figure 2009060626
図8において、回転中心Ocが中心Eとずれている場合は、回転中心Oc(Xc,Yc,Zc)を中心にレンズ102が角度θzだけ回転することになる。したがって、回転中心Ocおよび中心Eのずれにより生じる振れ量Δz1は、以下の式で表される。
Figure 2009060626
したがって、Z軸方向から見た場合の振れ量Δbzは、以下の式で表される。
Figure 2009060626
(4)振れ量の計算結果
以上の関係式に基づいて、カメラ101の振れ量のピッチ成分Δbx´、ヨー成分Δby´およびロール成分Δbz(より詳細には、ピッチ成分Δbx´、ヨー成分Δby´およびロール成分Δbzに基づいて算出された撮像素子17に対する光学像の変位量のピッチ成分、ヨー成分およびロール成分)が光学倍率D、撮影距離Lによってどのように変化するかを計算すると、以下のような結果となる。計算する際の条件としては、光学倍率D=1のときの焦点距離fを28mm、光学倍率Dを1〜10倍、撮像素子17を1/2.5型および720万画素のCCDとする。
なお、前述のように、カメラ1の回転振れに関しては、角度θx,θy,θzが同程度であることが、過去の実験結果により確認されており、また例えば、「社団法人 電子情報通信学会 信学技報 IEICE Technical Report PRMU2006-202(2007-1)」に喝載された「手ブレの3D計測と定量化」にて紹介されている。回転振れの最大回転角度が0.5°程度であることも、過去の撮影実験により確認されている。そのため、ここでは各回転角度をθx=θy=θz=0.5°とする。
図9は、回転中心Ocがレンズ102の中心Eと一致し、かつ、カメラ101の並進振れがない場合での、像振れ量のピッチ成分、ヨー成分およびロール成分の計算結果を示している。つまり、図9はXc=Yc=Zc=0のときの計算結果である。ここで、像振れ量とは、カメラ101の振れにより生じる撮像素子17に対する光学像の変位量である。像振れ量のピッチ成分、ヨー成分およびロール成分は、前述のピッチ成分Δbx´、ヨー成分Δby´およびロール成分Δbzに基づいて算出されており、それぞれ画素数で表されている。図9より、光学倍率Dが小さいときは像振れ量のピッチ成分、ヨー成分およびロール成分は同程度であるが、光学倍率Dが大きくなるにつれて、像振れ量のピッチ成分およびヨー成分が増加していることがわかる。
次に、回転中心Ocがレンズ102の中心Eとずれている場合について説明する。図10(A)〜(C)は回転中心OcのX軸成分Xcと第1増加量との関係、図11(A)〜(C)は回転中心OcのY軸成分Ycと第1増加量との関係、図12(A)〜(C)は回転中心OcのZ軸成分Zcと第1増加量との関係を示す。ここで、第1増加量とは、回転中心Ocがレンズ102の中心Eからずれることにより増加する像振れ量であり、前述の振れ量Δx1´およびΔy1´に対応する像振れ量である。
図中、横軸は光学倍率D、縦軸は第1増加量を示している。図中、上段のグラフは撮影距離L=50cm、中段のグラフは撮影距離L=1m、下段のグラフは撮影距離L=10mを示している。また、回転中心Ocからレンズ102の中心Eまでの距離Xc、YcおよびZcがそれぞれ(A)0mm、(B)150mm、(C)300mmの3種類の場合について計算を行っている。実際の撮影の際に回転中心となるのは撮影者の関節部分であることが多い。例えば肘や肩のようにカメラから離れた点が回転中心となる場合、レンズ102の中心Eから回転中心Ocまでの距離は300mm程度となる。
図10(A)〜図12(C)より、光学倍率Dが大きく、撮影距離Lが短いときに、回転中心Ocとレンズ102の中心Eとのずれが像振れ量に与える影響は大きくなることがわかる。実際の像振れ量が10〔Pixel〕以上の場合にカメラ101の振れによる画像の劣化が大きく目立つことを考慮すると、回転中心Ocとレンズ30の中心Eとのずれは無視できないレベルである。特に、X軸方向の回転中心Ocとレンズ102の中心Eとのずれ量Xcは、像振れ量のロール成分への影響が大きく、Y軸方向の回転中心Ocとレンズ102の中心Eとのずれ量Ycも像振れ量のロール成分への影響が大きい。さらに、Z軸方向における回転中心Ocとレンズ102の中心Eとのずれ量Zcが像振れ量のピッチ成分およびヨー成分に与える影響も大きい。なお、これらのグラフにおいて、ピッチ成分の計算結果が表示されていないように見える場合があるが、ピッチ成分の計算結果がヨー成分の計算結果と同じであるため、ピッチ成分の結果がヨー成分の結果と重なっているだけである。
<カメラの並進振れが振れ量に与える影響>
次に、カメラ101の並進振れが像振れ量に与える影響について説明する。図13(A)〜(C)はX軸方向におけるカメラ101の並進振れ量ΔXと第2増加量との関係を示している。図14(A)〜(C)はY軸方向におけるカメラ101の並進振れ量ΔYと第2増加量との関係を示している。図15(A)〜(C)はZ軸方向におけるカメラ101の並進振れ量ΔZと第2増加量との関係を示している。図13(A)〜図15(C)では、横軸は光学倍率D、縦軸は第2増加量を示している。ここで、第2増加量とは、並進振れに対応する像振れ量であり、前述の振れ量Δx3´およびΔy3´に対応する像振れ量である。
図13(A)〜図15(C)では、上段のグラフが撮影距離L=50cm、中段のグラフが撮影距離L=1m、下段のグラフが撮影距離L=10mを示している。ここでは、並進振れ量ΔX、ΔYおよびΔZがそれぞれ(A)0mm、(B)2mm、(C)4mmの3種類の場合について計算を行っている。
図13(A)〜図15(C)より、並進振れ量ΔXおよびΔYに関しては、光学倍率Dが大きくかつ撮影距離Lが短い場合に、カメラ101の並進振れが像振れ量に与える影響が大きくなることがわかる。具体的には、並進振れ量ΔXにより第2増加量のヨー成分が大きくなり、並進振れ量ΔYにより第2増加量のピッチ成分が大きくなる。しかし、Z軸方向の並進振れ量ΔZについては像振れ量にほとんど影響しないため、並進振れ量ΔZは無視しても差し支えないレベルであることがわかる。
以上に述べたように、回転中心Ocの位置が像振れ量に与える影響は大きく、無視できないレベルである。このため、像振れ補正性能をさらに高めるためには、回転中心Ocが様々な位置をとり得ることを考慮して、振れ量あるいは像振れ量を算出する必要がある。
<回転中心および並進を考慮した像振れ補正>
上述したように、カメラの振れは回転振れおよび並進振れの2種類に分類できる。そして、像振れ補正効果を高めるためには、カメラの回転振れに関しては、回転中心Ocと基準点とのずれ量を考慮する必要がある。
しかし、回転中心Ocの位置を求めるのは実際には困難であり、前述の算出方法ではカメラの振れ量を算出することができない。
そこで、このカメラ1では、以下に示すように分類して像振れ補正のための演算を行っている。
なお、図4に示した模式図と同様、このカメラ1では、光学系Oの光軸AをZ軸とする直交座標系(X,Y,Z)が設定されている。カメラ1の回転振れを発生させる回転中心をOc(Xc,Yc,Zc)、回転振れを直交座標系(X,Y,Z)に分解したときの回転角度をそれぞれθx(ピッチ成分),θy(ヨー成分),θz(ロール成分)とする。また、カメラ1の並進振れの成分をV=(ΔX,ΔY,ΔZ)とする。
ここで、角度θxは、カメラ1のX軸回りの回転角度を示しており、X軸回りの正方向および負方向に関する情報も含んでいる。角度θyは、カメラ1のY軸回りの回転角度を示しており、Y軸回りの正方向および負方向に関する情報も含んでいる。角度θzは、カメラ1のZ軸回りの回転角度を示しており、Z軸回りの正方向および負方向に関する情報も含んでいる。振れ量ΔX,ΔY,ΔZは、X軸、Y軸およびZ軸方向のカメラの並進振れ量を示しており、前述の直交座標系における正方向および負方向に関する情報も含んでいる。
なお、回転角度θx、θyおよびθzは、第1〜第3角速度センサ4〜6により検出された角速度ωx、ωy、ωzを時間積分することで算出することができる。
以下、回転振れおよび並進振れの振れ量の算出方法について説明する。
<回転振れ>
(1)X軸方向から見た場合の振れ量
角度θx(ピッチ成分)の回転振れに対する像振れ補正について説明する。図16に、カメラ1の回転振れの回転中心をOc(Xc,Yc,Zc)とし、カメラ1の回転振れ角度をθx(ピッチ成分)としたときの説明図を示す。
前述の振れ量の算出方法では、レンズ102の中心Eを基準に回転振れ成分Δx2´が算出されている。
しかし、レンズ102の中心Eを基準として回転中心Ocの位置を求めるのは実際には困難であり、回転振れ成分Δx2´を求めることができない。
そこで、このカメラ1では、回転中心Ocの位置を考慮した演算を行うために、加速度センサ7の検出中心Cを基準に回転振れ成分Δx2を算出する。以下、加速度センサ7の検出中心Cを基準とした回転振れ成分Δx2の算出方法について説明する。
図16に示すように、回転中心Oc(Xc,Yc,Zc)を中心に角度θxだけ回転して加速度センサ7が位置7´に移動した場合、振れ量Δbxは以下の式で表される。
Figure 2009060626
ここで、振れ量Δx2は加速度センサ7の検出中心Cを基準とした場合のカメラ1の振れ量の回転成分、振れ量Δx1は回転中心Ocと加速度センサ7の検出中心Cとのずれより生じるカメラ1の振れ量の並進成分である。ここでは便宜上、光学系Oを単一のレンズ30に置き換えている。なお、振れ量Δx1およびΔx2は、Y軸方向のカメラ1の振れ量を示しており、正方向および負方向に関する情報も含んでいる。
前述の振れ量Δx2′と同様に、振れ量Δx2は以下の式で表される。
Figure 2009060626
この場合、レンズ30の中心Eから被写体103までの距離Lに加えて、レンズ30から加速度センサ7までの距離L2も考慮しているため、前述の式(6)に比べて振れ量Δx2′よりも振れ量Δx2の方がL2×tanθxだけ大きくなっている。ここで、距離Lは、例えば測距装置8により求めることができる。距離L2は、設計時に決定される値であり、マイコン20において予め設定されている。
また、レンズ30の中心Eではなく加速度センサ7の検出中心Cを基準に振れ量Δx2を算出しているため、図16に示すように振れ量Δx1は加速度センサ7のY軸方向の変位量と一致する。加速度センサ7の変位量は、加速度センサ7により検出されたY軸方向の加速度Ayを2回時間積分することで得られる。具体的には、振れ量Δx1は以下の式で表される。
Figure 2009060626
ここで、時間tは、予め定められた単位時間であり、例えば加速度センサ7の単位検出時間である。
以上のように、加速度センサ7の検出中心Cを基準とすることで、回転中心Ocを直接求めることなく、簡単な方法で回転中心Ocの位置を考慮した振れ量Δbx(より詳細には、振れ量Δx1およびΔx2)の算出が可能となる。具体的には、加速度センサ7により得られるY軸方向の加速度Ayから正確な振れ量Δx1を算出することができ、第1角速度センサ4により得られるX軸回りの角速度ωxから正確な回転角度θxを求めることができる。
ここで、振れ量Δbにより生じる像振れを補正する方法を簡単に説明する。各振れ量に応じて補正レンズ9をX軸方向あるいはY軸方向(この場合はY軸方向)に駆動することで、像振れは補正される。このときの補正レンズ9の駆動量Δdと補正角度Δθとの関係は、光学倍率によって異なる。補正角度Δθとは、振れ量Δbおよび撮影距離から算出される角度である。この場合、図17に示すように、補正角度Δθは、レンズ30の中心Eではなく加速度センサ7の検出中心Cを基準として決定されている。駆動量Δdを算出する際の被写体までの距離は、加速度センサ7(より詳細には、加速度センサ7の検出中心C)から被写体までの距離が用いられている。この条件で予め算出された補正レンズ9の駆動量Δdと補正角度Δθとの関係は、例えば図18に示すデータのようになる。
図18において、縦軸は補正レンズ9の駆動量Δd、横軸は補正角度Δθである。駆動量Δdおよび補正角度Δθの関係は光学系によって異なるため、光学系ごとに把握する必要がある。このため、図18に示すデータは、マイコン20のROMに予め格納されており、算出された振れ量および光学倍率から、このデータを利用して駆動量Δdを求めることができる。図18からわかるように、補正レンズ9の駆動量Δdと補正角度Δθとの関係は、光学倍率によって変わる。なお、図18に示す関係はX軸回りの補正角度(ピッチ方向)、Y軸回りの補正角度(ヨー方向)共に同じである。
図17より、例えば、振れ量Δx1に対応する補正角度θx1は、以下の式で表される。
Figure 2009060626
このように、振れ量Δx1に基づいて、補正角度θx1を求めることができ、そして実際の補正レンズ9の駆動量Δdx1を求めることができる。それに加えて、振れ量Δx2に相当する回転角度θxおよび図18のグラフから、振れ量Δx2により生じる像振れを補正するための駆動量Δdx2を算出することができる。駆動量Δdx1およびΔdx2を合算した駆動量Δdxが最終的な補正レンズ9の駆動量となる。この駆動量Δdxだけ補正レンズ9がY軸方向に駆動されると、振れ量Δx1およびΔx2により生じる像振れを補正することができる。
なお、図16では、回転中心Oc(Xc,Yc,Zc)が加速度センサ7の後方(被写体103と反対側)に存在しているが、回転中心Oc(Xc,Yc,Zc)が加速度センサ7の前方(被写体103側)に存在する場合も、前述と同様な方法で像振れを補正することが可能である。なぜなら、前述のように、振れ量Δx1,Δx2、角度θx,θy,θzが正方向および負方向に関する情報も含んでいるためである。したがって、例えば図19(A)に示すように、回転中心Ocが加速度センサ7を挟んで被写体103と反対側にある場合の他に、図19(B)に示すように、回転中心Ocが加速度センサ7と被写体103との間にある場合であっても、式(21)により振れ量Δbxを算出することができる。
(2)Y軸方向から見た場合の振れ量
次に、角度θy(ヨー成分)の回転振れに対する像振れ補正について説明する。図20に、カメラ1の回転振れを発生させる回転中心がOc(Xc,Yc,Zc)、カメラ1の回転振れ角度をθy(ヨー成分)としたときの説明図を示す。
ここでは、前述の角度θxの場合と同様に、加速度センサ7の検出中心Cを基準に回転振れ成分Δy2を算出する。
図20において、回転中心Ocを中心に角度θyだけ回転した結果、加速度センサ7が位置7′に移動したとすると、振れ量Δbyは以下の式で表される。
Figure 2009060626
ここで、振れ量Δy2は加速度センサ7の検出中心Cを基準とした場合の振れ量の回転成分、振れ量Δy1は回転中心Ocと加速度センサ7の検出中心Cとのずれにより生じるカメラ1の振れ量の並進成分である。なお、振れ量Δy1およびΔy2は、X軸方向の振れ量を示しており、正方向および負方向に関する情報も含んでいる。
前述の振れ量Δy2′と同様に、振れ量Δy2は以下の式で表される。
Figure 2009060626
この場合、レンズ30の中心Eから被写体103までの距離Lに加えて、レンズ30から加速度センサ7までの距離L2も考慮しているため、前述の式(14)に比べて振れ量Δy2′よりも振れ量Δy2の方がL2×tanθyだけ大きくなっている。
また、レンズ30の中心Eではなく加速度センサ7の検出中心Cを基準に振れ量Δy2を算出しているため、図20に示すように、振れ量Δy1は加速度センサ7のY軸方向の変位量と一致する。加速度センサ7の変位量は、加速度センサ7により検出されたX軸方向の加速度Axを2回時間積分することで得られる。具体的には、振れ量Δy1は以下の式で表される。
Figure 2009060626
以上のように、加速度センサ7の検出中心Cを基準とすることで、回転中心Ocを直接求めることなく、簡単な方法で回転中心の位置ズレによって影響する振れ量Δby(より詳細には、振れ量Δy1およびΔy2)の算出が可能となる。具体的には、加速度センサ7により得られるX軸方向の加速度Axから正確は振れ量Δx1を算出することができ、第2角速度センサ5により得られるY軸回りの角速度ωyから正確な回転角度θyを求めることができる。
前述の補正角度θx1と同様に、加速度センサ7から得られた振れ量Δx1に対応する補正角度θy1は、以下の式で表される。
Figure 2009060626
前述の補正角度θx1と同様に、図18のグラフに基づいて、補正角度θy1に対応する駆動量Δdy1を求めることができる。それに加えて、前述の振れ量Δx2と同様に、振れ量Δy2に相当する回転角度θyおよび図18のグラフから、振れ量Δy2により生じる像振れを補正するための駆動量Δdy2を算出することができる。駆動量Δdy1およびΔdy2を合算した駆動量Δdyが最終的な補正レンズ9の駆動量となる。この駆動量Δdyだけ補正レンズ9がX軸方向に駆動されると、振れ量Δy1およびΔy2により生じる像振れを補正することができる。
(3)Z軸方向から見た場合の振れ量
角度θz(ロール成分)の回転振れに対する像振れ補正について説明する。図21は、カメラ1の回転振れの回転中心をOc(Xc,Yc,Zc)、Z軸回りのカメラ1の回転振れ角度を角度θz(ロール成分)としたときの説明図である。ロールにより生じるカメラ1の振れ量は、式(20)に示したとおり、回転中心Ocが加速度センサ7の検出中心Cと一致している場合の振れ量Δz2と、回転中心Ocと加速度センサ7の検出中心Cとのずれにより生じる振れ量Δz1と、から構成されている。
回転中心Ocが加速度センサ7の検出中心Cと一致している場合の振れ量Δz2は、角度θzに対応している。角度θzは、第3角速度センサ6によって検出されたZ軸回りの角速度ωzを時間積分することで求めることができる。算出される回転角度θzに基づいて、マイコン20は回転駆動ユニット11を回転角度θzだけ反対方向に回転するよう指令を下す。これにより、カメラ1のZ軸回りの回転運動に合わせて、筐体2に対して撮像素子17が回転し、振れ量Δz2が補正される。
次に、振れ量Δz1の補正動作について説明する。振れ量Δz1は、加速度センサ7の検出結果から求めることができる。具体的には図22に示すように、回転角度θz(ロール成分)の回転振れが発生したときに、加速度センサ7には力F1およびF2が作用する。力F1は回転方向成分(回転力)、力F2は半径方向成分(遠心力)を示す。
ここで、回転力F1および遠心力F2の関係を調べるため、回転力F1および遠心力F2を求める実験を行った。回転力F1および遠心力F2は、理論上、以下の式で表される。
Figure 2009060626
Figure 2009060626
ここで、mは回転するカメラの質量、rは回転半径、ωは角速度、αは角加速度である。角加速度αは、第3角速度センサ6からの出力を時間微分することにより求めることができる。
第3角速度センサ6の出力から求めた測定結果を図23〜図27に示す。図23〜図27において、上側のグラフは回転力F1に相当する値(回転半径r×接線方向の角加速度α)、下側のグラフは遠心力F2に相当する値(回転半径r×角速度ωの2乗)を示している。図中下側に示した式は、回転力F1の最大値と遠心力F2の最大値との比率、すなわちF2/F1の値を示している。図23〜図27は、被験者5人で測定したそれぞれの結果を示している。
図23〜図27の結果より、回転角度が実質的に最大0.5°と比較的小さい値であるため、遠心力F2は、回転力F1の1%以下と十分小さく、無視しても問題ないことが分かる。同様に、第1角速度センサ4および第2角速度センサ5での実験結果も第3角速度センサ6の実験結果と同様であるため、遠心力は無視しても全く問題ない。
以上より、図22において、回転力F1が加速度センサ7に加わる力と考えることができる。このように、遠心力F2を無視することができるため、加速度センサ7を光軸A上に配置することにより、点Oc(Xc,Yc,Zc)を回転中心として角度θz(ロール成分)だけ回転したときの変位量Δz1と同じ方向の力が加速度センサ7に作用することになる。
ここで、加速度センサ7には重力加速度も作用するため、重力加速度を考慮する必要がある。この場合、加速度センサ7は回転駆動ユニット11により撮像素子17とともに筐体2に対して回転駆動される。このため、重力加速度に対する加速度センサ7の角度(姿勢)はほとんど変化しないことになる。したがって、像振れ補正開始時あるいは電源ON時から像振れ補正開始時までの加速度センサ7の出力値(例えば、加速度AxおよびAyの合成加速度)を例えばRAMに格納しておき、像振れ補正中の加速度センサ7の出力から記憶された出力値を引き算することにより、像振れ補正時において重力加速度成分の影響を排除することができる。例えば、この演算はマイコン20に行われる。重力加速度は、加速度センサ7のY軸方向の検出加速度Ayの最小値と考えることができる。加速度センサ7の出力を2回時間積分することにより、振れ量Δz1を算出することができる。
以上のように、このカメラ1では、回転中心Ocの位置(Xc,Yc,Zc)を直接求めることなく、点Oc(Xc,Yc,Zc)を回転中心として角度θz(ロール成分)だけ回転したときの光学系の振れ量Δz1を、簡単な方法で加速度センサ7の出力を利用して求めることが可能となる。
この振れ量Δz1のX軸方向成分(より詳細には、振れ量Δz1の第1感度軸Sx成分)、すなわち加速度センサ7の検出結果から重力加速度成分を引き算した後に2回時間積分した値をΔz1x、振れ量Δz1のY軸方向成分(より詳細には、振れ量Δz1の第2感度軸Sy成分)、すなわち加速度センサ7の検出結果から重力加速度成分を引き算した後に2回時間積分した値をΔz1yとする。振れ量Δz1xおよびΔz1yは、補正レンズ9をX軸方向およびY軸方向に駆動することにより補正することができる。
<並進振れ>
次に、カメラ1の並進振れに対する像振れ補正について説明する。なお、ここでは、図13(A)〜図15(C)のカメラ1の並進成分の像振れ量への影響の検討結果にて説明したとおり、Z軸成分の振れ量ΔZは無視しても差し支えないことがわかっている。したがって、カメラ1の並進振れとして、並進振れ量ΔXおよびΔYを考慮する。
(1)並進振れ量ΔY
まず、並進振れ量ΔYだけカメラ1が移動する場合の補正動作について説明する。図16に示すように、並進振れ量ΔYが発生すると、Y軸方向に加速度センサ7も同じ距離だけ移動するので、加速度センサ7により検出されたY軸方向(より詳細には、第2感度軸Syに沿った方向)の加速度Ayから並進振れ量ΔYを求めることができる。
なお、並進振れ量ΔYに対応する補正角度θyhは、以下の式で表される。
Figure 2009060626
前述の補正角度θx1と同様に、図18のグラフに基づいて、補正角度θyhに対応する駆動量Δdyhを求めることができる。第1駆動ユニット10により補正レンズ9を駆動量Δdyhだけ移動させることにより、並進振れ量ΔYにより生じる像振れを補正することができる。
(2)並進振れ量ΔX
同様に、並進振れ量ΔXが発生した場合の補正動作について説明する。図20に示すように、並進振れ量ΔXが発生すると、X軸方向に加速度センサ7も同じ距離を移動するため、加速度センサ7により検出されたX軸方向(より詳細には、第1感度軸Sxに沿った方向)の加速度Axから並進振れ量ΔXを求めることができる。
なお、並進振れ量ΔXに対応する補正角度θxhは、以下の式で表される。
Figure 2009060626
前述の補正角度θyhと同様に、図18のグラフに基づいて、補正角度θxhに対応する駆動量Δdxhを求めることができる。第2駆動ユニット12により補正レンズ9を駆動量Δdxhだけ移動させることにより、並進振れ量ΔXにより生じる像振れを補正することができる。
以上に述べたように、加速度センサ7の検出中心Cを光軸A上に配置し、検出中心Cを基準としてカメラ1の振れ量を算出することにより、回転角度θx(ピッチ成分)、θy(ヨー成分)、θz(ロール成分)の回転の各成分の補正動作時に、算出された振れ量が回転中心Ocおよび検出中心Cのずれの影響をほとんど受けなくなる。これにより、このカメラ1では、より正確な像振れ補正を実現できる。
また、カメラ1の並進振れに対しても、加速度センサ7の出力を利用して像振れ補正が可能となる。
<総振れ量>
以上のように算出された振れ量を成分ごとにまとめると、以下のようになる。
(1)Y軸方向の総振れ量
図28にY軸方向の総振れ量を示す。図28において、振れ量Δx1は、回転中心OcのYcおよびZcが0でないことに起因する振れ量である。また、振れ量Δx2はX軸回りの回転振れに起因する振れ量である。振れ量Δz1xは、回転中心OcのXcおよびYcが0でないことに起因する振れ量である。振れ量ΔYはカメラ1の並進振れのY軸方向成分である。ここでは、加速度センサ7の出力を利用する成分は、振れ量Δx1、Δz1xおよびΔYとなる。
加速度センサ7の出力を利用する全ての振れ量に対応する補正角度θxt(第1補正量の一例)は以下の式で表される。
Figure 2009060626
式(33)によって求められた補正角度θxtおよび撮影時の光学倍率に基づいて、図18の関係から補正演算部21により補正レンズ9の駆動量Δdxtが算出される。第1駆動ユニット10によって補正レンズ9を駆動量Δdxtだけ移動させることにより、振れ量Δx1、Δz1xおよびΔYにより生じる像振れを補正することができる。
振れ量Δx2については、第1角速度センサ4の検出角速度ωxから算出される回転角度θx(第2補正量の一例)および撮影時の光学倍率に基づいて、図18の関係から補正演算部21により補正レンズ9の駆動量Δdx2が算出される。
補正演算部21により駆動量ΔdxtおよびΔdx2の合算である駆動量Δdxが算出され、補正レンズ9が駆動量Δdxだけ移動するように、駆動制御部22により第1駆動ユニット10の動作が制御される。
このように、加速度センサ7および第1角速度センサ4の検出結果を用いて、簡単な方法で振れ量Δx1、Δx2、Δz1xおよびΔYにより生じる像振れを補正することができる。
なお、加速度センサ7の検出結果に基づいて算出された変位量を用いることで、振れ量Δx1、Δz1xおよびΔYの振れ方向が異なる場合も考慮された補正角度θxtを得ることができる。
(2)X軸方向の総振れ量
図29に、X軸方向の総振れ量を示す。図29において、振れ量Δy1は、回転中心OcのXcおよびZcが0でないことに起因する振れ量である。また、振れ量Δy2はY軸回りの回転振れに起因する振れ量である。振れ量Δz1yは、回転中心OcのXcおよびYcが0でないことに起因する振れ量である。振れ量ΔXはカメラ1の並進振れのX軸方向成分である。ここでは、加速度センサ7の出力を利用する成分は、振れ量Δy1、Δz1yおよびΔXとなる。
加速度センサ7の出力を利用する全ての振れ量に対応する補正角度θyt(第1補正量の一例)は以下の式で表される。
Figure 2009060626
式(34)によって求められた補正角度θytおよび撮影時の光学倍率に基づいて、図18に示す関係から補正演算部21により補正レンズ9の駆動量Δdytが算出される。第2駆動ユニット12により補正レンズ9を駆動量Δdytだけ移動させることにより、振れ量Δy1、Δz1yおよびΔXにより生じる像振れを補正することができる。
振れ量Δy2については、第2角速度センサ5の検出角速度ωyから算出される回転角度θy(第2補正量の一例)および撮影時の光学倍率に基づいて、図18の関係から補正演算部21により補正レンズ9の駆動量Δdy2が算出される。
補正演算部21により駆動量ΔdytおよびΔdy2の合算である駆動量Δdyが算出され、補正レンズ9が駆動量Δdyだけ移動するように、駆動制御部22により第2駆動ユニット12の動作が制御される。
このように、加速度センサ7および第2角速度センサ5の検出結果を用いて、簡単な方法で振れ量Δy1、Δy2、Δz1yおよびΔXにより生じる像振れを補正することができる。
なお、加速度センサ7の検出結果に基づいて算出された変位量を用いることで、振れ量Δy1、Δz1yおよびΔXの振れ方向が異なる場合も考慮された補正角度θytを得ることができる。
(3)ロール方向の総振れ量
Z軸回りの総振れ量に関しては、回転中心Ocおよび検出中心Cのずれにより生じる振れ量Δz1xおよびz1yは、上述したように、X軸方向およびY軸方向の振れとして補正されている。このため、ここでは振れ量の回転成分Δz2のみを補正すればよいことになる。すなわち、Z軸回りの第3角速度センサ6によって検出された角速度ωzから算出される回転角度θzに基づいて、その振れを打ち消すように回転駆動ユニット11の回転量、すなわち角度θzが補正演算部21により算出される。算出された回転角度θzだけ回転プレート18が回転するように、マイコン20の駆動制御部22により回転駆動ユニット11の動作が制御される。このため、角度θzの振れに応じて撮像素子17が角度θzだけ回転し、振れ量Δz2により生じる像振れを補正することができる。
<カメラの特徴>
カメラ1の特徴は以下の通りである。
(1)
このカメラ1では、加速度センサ7の位置、より詳細には加速度センサ7の検出中心C、を基準として振れ量Δx2およびΔy2が補正演算部21により算出されているため、加速度センサ7の位置を基準とすることで、計算上の振れ量と実際の振れ量との誤差を大幅に低減できる。例えば、図18および図19に示すように、前述の振れ量Δx2と振れ量Δx2´との差あるいは振れ量Δy2と振れ量Δy2´との差だけ、計算上の振れ量と実際の振れ量との誤差を低減できる。これにより、より正確な補正レンズ9の駆動量ΔdxおよびΔdyを算出することができ、像振れ補正性能を高めることができる。
(2)
このカメラ1では、補正演算部21により駆動量Δdを算出する際に、加速度センサ7と光学系Oとの間の距離L2を考慮しているため、回転中心Ocの位置によってカメラ1の振れ量が変わる場合であっても、距離L2により生じる計算上の振れ量と実際の振れ量との誤差を抑えることができる。
(3)
このカメラ1では、光軸Aに沿った方向から見た場合に加速度センサ7が光軸Aと重なり合っているため、加速度センサ7が光軸A付近に配置されている。より詳細には、光軸Aに沿った方向から見た場合に、加速度センサ7の検出中心Cは光軸Aと概ね一致している。このため、振れ量Δx1、Δx2、Δy1およびΔy2の誤差を低減することができ、より正確な駆動量ΔdxおよびΔdyを算出することができる。
ここで、「検出中心Cが光軸Aと概ね一致している」とは、検出中心Cが光軸Aと完全に一致している場合の他に、像振れ補正性能が向上する範囲内において検出中心Cが光軸Aとずれている場合も含まれる。
(4)
このカメラ1では、第3角速度センサ6により取得されたZ軸回りの回転角度θzに応じて回転駆動ユニット11の動作が駆動制御部22により制御されるため、カメラ1の姿勢(角度)の変化に応じて撮像素子17を回転駆動することができる。これにより、カメラ1のZ軸回りの回転振れに起因する像振れを補正することができる。
さらには、回転駆動ユニット11により撮像素子17とともに加速度センサ7を回転駆動することができるため、例えば重力加速度が作用する鉛直方向に対して加速度センサ7の姿勢を一定に保つことができる。これにより、加速度センサ7により取得された変位量から予め重力加速度成分の影響(ノイズ)を排除することができ、加速度センサ7により取得される加速度や加速度から算出された変位量の精度が向上する。すなわち、このカメラ1では、像振れ補正性能をより高めることができる。
(5)
このカメラ1では、加速度センサ7が回転駆動ユニット11の回転軸Kの近くに配置されている。より詳細には、光軸Aに沿った方向から見た場合に、加速度センサ7の検出中心Cが回転駆動ユニット11の回転軸Kと概ね一致している。このため、加速度センサ7に対して回転駆動により生じる遠心力が作用しにくい。これにより、加速度センサ7により取得される変位量の精度がさらに向上する。
(6)
このカメラ1では、加速度センサ7が回転プレート18の撮像素子17と反対側に配置されているため、撮像素子17に入射する光を遮ることなく、撮像素子17および加速度センサ7が一体回転する構成を実現できる。
<第2実施形態>
前述の実施形態では、補正レンズ9の駆動量Δdに基づいて補正レンズ9が第1駆動ユニット10および第2駆動ユニット12により駆動されている。
しかし、例えば、回転振れの回転成分Δx2およびΔy2を補正レンズ9の駆動により補正し、残りの並進により生じる振れ量Δx1、Δy1、Δz1を、撮像素子17を光軸Aに直交する方向に移動させることにより補正してもよい。すなわち、光学式の像振れ補正装置とセンサシフト方式の像振れ補正装置とを、この実施形態では別々に制御することができる。
なお、前述の実施形態と実質的に同じ構成については同じ符号を付すとともに、その詳細な説明は省略する。
図30および図31に示すように、このカメラ201は、回転駆動ユニット11の回転プレート18に対して撮像素子17を光軸Aに直交する2方向に駆動するセンサ駆動ユニット240(撮像素子駆動部の一例)を有している。センサ駆動ユニット240は、被写体103の光学像の受光位置が変更されるように、撮像素子17を光軸Aに対して駆動する。マイコン220の駆動制御部222は、第1駆動ユニット10および第2駆動ユニット12に加えて、センサ駆動ユニット240の動作も制御し得る。例えば、撮像素子17およびセンサ駆動ユニット240により、撮像素子を用いて像振れ補正を行う第2補正部が実現されている。
ここでは、例えば、前述の実施形態と同様に、振れ量Δx1、Δz1xおよびΔYから補正角度θxt(第1補正量の一例)が補正演算部221により算出される。振れ量Δy1、Δz1yおよびΔXから補正角度θyt(第1補正量の一例)が補正演算部221により算出される。図18に示すグラフと同様に、補正角度θxtと撮像素子17の駆動量との関係を示すデータが予め算出されており、例えばROMに格納されている。このデータに基づいて、補正演算部221により補正角度θxtに対応する駆動量Δdx1が求められる。補正角度θytの場合も同様に、補正演算部221により補正角度θytに対応する駆動量Δdy1が求められる。求められた駆動量Δdx1およびΔdy1に基づいて、駆動制御部222によりセンサ駆動ユニット240の動作が制御され、撮像素子17が光軸Aに直交する方向に移動する。これにより、振れ量Δx1、Δz1x、ΔY、Δy1、Δz1yおよびΔXにより生じる像振れが補正される。
一方、振れ量Δx2およびΔy2については、前述の実施形態と同様に、補正角度θxおよびθyに対応する駆動量Δdx2およびΔdy2(第2補正量の一例)が補正演算部221により算出される。駆動量Δdx2およびΔdy2に基づいて、駆動制御部222により第1駆動ユニット10および第2駆動ユニット12の動作が制御される。これにより、回転振れの回転成分である振れ量Δx2およびΔy2により生じる像振れは、補正レンズ9での光路の調節により補正できる。
以上のように、このカメラ201では、駆動量Δdx1およびΔdy1に基づいてセンサ駆動ユニット240により撮像素子17が駆動され、駆動量Δdx2およびΔdy2に基づいて第1駆動ユニット10および第2駆動ユニット12により補正レンズ9が駆動される。このため、補正レンズ9および撮像素子17のうち一方のみを駆動する場合に比べて、各駆動ユニット240,10,12の駆動量を小さく抑えることができる。
それに加えて、画像処理による像振れ補正を行っていないため、像振れ補正による画像の劣化を防止できる。これにより、補正レンズ9および撮像素子17の可動範囲を小さく抑えつつ、より正確な像振れ補正を行うことができる。すなわち、このカメラ201では、像振れ補正性能を確保しつつ小型化を図ることが可能となる。
また、このカメラ201では、同時に制御するのが困難であった光学式およびシフトセンサ方式の像振れ補正機構の制御が可能となる。
<他の実施形態>
本発明の具体的構成は、前述の実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の修正および変更が可能である。
(1)
前述の実施形態では補正レンズ9をX軸方向およびY軸方向に駆動させ、かつ撮像素子17を回転駆動させる方式が採用されているが、補正レンズ9および撮像素子17の駆動方式はこれに限定されるものではない。例えば、補正レンズ9が存在せず、撮像素子17をX軸方向およびY軸方向に駆動するとともにZ軸回りに回転駆動する方式が採用されてもよい。この場合、この駆動方式に応じた補正角度Δθと撮像素子17の駆動量Δdとの関係を図17のように求めればよい。
(2)
補正レンズ9をX軸方向,Y軸方向に駆動させるかわりに、レンズ鏡筒3を筐体2に対して回転駆動させる方式でもよい。
(3)
前述の実施形態では、光学式の像振れ補正について説明しているが、撮像素子17により取得された画像信号に特定の処理を施すことで、電気的に像振れが補正される方式であってもよい。この場合、例えば、画像信号を格納するメモリの読み出しおよび書き込みの位置が画像記録部により制御される。
(4)
前述の実施形態では、加速度センサ7を回転駆動ユニット11により撮像素子17とともに回転駆動する方式を採用しているが、加速度センサ7を筐体2やレンズ鏡筒3に対して固定的に設けてもよい。
この場合であっても、重力加速度成分の方向が鉛直方向から多少ずれるが、Z軸回りの回転角度θzは最大0.5°程度であるため、加速度センサ7の検出加速度に対する重力加速度の影響を低減でき、従来よりも像振れ補正性能を高めることができる。
この場合には、光軸Aに沿った方向から見た場合、加速度センサ7の検出中心Cが光軸Aと一致していることが好ましい。
なお、この場合の利点としては、筐体2に設けられたX軸およびY軸に対して加速度センサ7の第1および第2感度軸SxおよびSyが相対移動しないことがあげられる。これにより、加速度センサ7により検出された加速度の方向がX軸およびY軸に一致し、補正演算部21における駆動量の演算の精度が高くなる。
(5)
光学系Oにプリズムのような屈曲光学系が含まれている場合も考えられる。この場合、被写体からプリズムまでの入射光軸が前述の光軸Aに相当することになる。このため、加速度センサ7は入射光軸を基準に設けられる。
(6)
前述の実施形態では、撮像素子17の中心、回転駆動ユニット11の回転軸Kおよび加速度センサ7の検出中心Cが光軸Aと概ね一致しているが、像振れ補正効果が高まる範囲内において、これらが互いにずれていてもよい。
特に、加速度センサ7は、回転駆動ユニット11の回転プレート18上に配置されていれば、前述のように筐体2の動きに合わせて回転プレート18が回転するため、光軸A上で検出した場合の加速度とほぼ同じ大きさおよび方向の加速度を検出することができる。このため、加速度センサ7が回転駆動ユニット11に設けられていればよく、検出中心Cが光軸A上に配置されている必要はない。
また、加速度センサ7および撮像素子17がともに回転プレート18上に設けられているため、加速度センサ7および撮像素子17の相対位置が変化しない。例えば、撮像素子17が回転駆動ユニット11によりカメラ1の光軸A回りの回転に応じて駆動される場合、それに応じて加速度センサ7も筐体2に対して回転駆動される。このため、地球の鉛直方向(あるいは水平方向)に対する撮像素子17および加速度センサ7の姿勢が一定に保たれる。このため、加速度センサ7により検出された加速度AxおよびAyから算出された変位量が、回転駆動ユニット11の回転軸Kでの変位量とほぼ同じ値となる。これにより、回転中心Ocと加速度センサ7の検出中心Cとがずれている場合であっても、加速度センサ7の検出加速度から算出された変位量が回転中心Ocのズレによる影響を受けにくくなる。
(7)
前述の実施形態では、ピッチ方向、ヨー方向およびロール方向の全ての像振れに対して、前述の補正方法を利用しているが、ピッチ方向、ヨー方向およびロール方向のうちいずれか1つの成分を前述の方法で補正すれば、カメラ1の像振れ補正性能が向上する。例えば、ピッチ方向のみに対して前述の補正方法を適用し、かつ、ヨー方向およびロール方向の像振れに対しては従来の補正方法を適用した場合であっても、カメラ1の像振れ補正性能を高めることができる。
また、前述の実施形態では、回転駆動ユニット11を用いてロール方向の像振れを補正しているが、回転駆動ユニット11が搭載されていなくてもよい。この場合、ピッチ方向およびヨー方向のうち少なくともいずれか一方に対して前述の補正方法が適用されていれば、カメラの像振れ補正性能を高めることができる。
(8)
前述の実施形態では、像振れ補正開始時あるいは電源ON時から像振れ補正開始時までの加速度センサ7の出力値を重力加速度としているが、重力加速度の決定方法はこの方法に限定されない。例えば、第1〜第3角速度センサ4〜6のそれぞれの検出角速度が所定値以下になった場合の検出加速度を重力加速度としてもよい。この場合、カメラ1の動きがほとんどない状態の検出加速度が重力加速度となるため、重力加速度成分に遠心力などの余分な成分が含まれにくくなり、重力加速度成分の精度が高まる。これにより、像振れ補正時において加速度センサ7の検出加速度から重力加速度成分を除去することができ、変位量の精度を高めることができる。
さらに、撮像素子17により取得される画像信号をもとにカメラ1が水平状態(例えば、Y軸が鉛直方向に平行な状態)であるか否かが判断可能である。この場合、カメラ1が水平状態の場合の検出加速度を重力加速度とすることができ、重力加速度成分の精度をより高めることができる。なお、この場合は、回転駆動ユニット11により加速度センサ7を筐体2に対して回転させなくても、重力加速度成分の精度を高めることができる。
(9)
前述の第1実施形態では、光学式の像振れ補正装置を用いて説明しているが、センサシフト方式あるいは電子式の像振れ補正装置であってもよい。センサシフト方式とは、撮像素子17を光軸Aに対して移動させることで像振れ補正を行う方式である。電子式とは、撮像素子17により得られた画像信号に所定の像振れ補正処理を施すことで像振れ補正を行う方式である。電子式の場合、像振れ補正処理を施すことにより画像の劣化が懸念されるが、その画像の劣化以上に、振れ量あるいは補正角度の精度の向上に伴って像振れ補正性能が向上すれば、カメラの像振れ補正性能が高まっていると言える。
同様に、前述の第2実施形態では、光学式およびシフトセンサ方式の像振れ補正装置を組み合わせた例について説明しているが、一方の像振れ補正装置が電子式であってもよい。例えば、光学式および電子式の像振れ補正装置を組み合わせて使用しても、像振れ補正性能の向上が期待できる。同様に、センサシフト方式および電子式の像振れ補正装置を組み合わせて使用しても、像振れ補正性能の向上が期待できる。
(10)
前述の実施形態では、一体型のカメラを例に説明しているが、本発明は交換レンズおよびカメラ本体からなる一眼レフカメラにも適用可能である。
例えば、図32に示すように、一眼レフカメラ301(カメラシステムの一例)は、カメラ本体302と、カメラ本体302に装着可能な交換レンズ303と、を有している。カメラ本体302には、撮像素子17と、測距装置8と、第1〜第3角速度センサ4〜6と、加速度センサ7と、マイコン20と、が搭載されている。交換レンズ303には、光学系Oと、補正レンズ9と、第1駆動ユニット10と、第2駆動ユニット12と、ズーム駆動ユニット13と、が搭載されている。
この一眼レフカメラ301であっても、前述のカメラ1と同様の効果を得ることができる。
なお、図32に示す一眼レフカメラ301は一例であり、第1〜第3角速度センサ4〜6、加速度センサ7およびマイコン20などの構成要素は、カメラ本体302および交換レンズ303のうちいずれに設けられていてもよい。
また、カメラ1や一眼レフカメラ301のような撮像装置としては、例えば、静止画撮影のみ可能な装置、動画撮影のみ可能な装置、および静止画撮影および動画撮影が可能な装置が考えられる。
本発明に係るカメラでは、上記の構成を有しているため、像振れ補正性能の向上を図ることができる。このため、本発明は、装置の振れにより像振れが生じ得るデジタルスチルカメラ、デジタル一眼レフカメラおよびデジタルビデオカメラなどのカメラの分野で有用である。
本発明は、像振れ補正機能を有するカメラに関する。
従来、カメラの振れにより生じる画像の劣化(以下、像振れとも言う)を抑制するために、像振れ補正機能を有するカメラが知られている。このカメラは、補正レンズを駆動する像振れ補正ユニットと、カメラの振れを検出する振れ検出センサと、振れ検出センサの出力に応じて像振れ補正ユニットの動作を制御する補正制御部と、を有している。このカメラでは、振れ検出センサにより検出された振れ量に基づいて、その振れにより生じる像振れを打ち消すように、補正レンズが像振れ補正ユニットにより駆動される。これにより、像振れが補正された画像を取得することが可能となる。
より具体的には、従来のカメラでは、カメラ本体に対して、光学系の入射光軸と直交するX軸およびY軸が設定されている。このカメラは、X軸回りのカメラ本体の角速度(振れ)を検出する第1振れ検出センサと、Y軸回りのカメラ本体の角速度(振れ)を検出する第2振れ検出センサと、を有している。補正制御部は、第1および第2振れ検出センサにより、X軸回りおよびY軸回りのカメラの回転角度を検出することができる。このカメラの振れにより生じる像振れを補正するために、補正レンズの駆動量がマイコンにより演算される。この駆動量に基づいて、補正レンズが駆動ユニットにより駆動される(例えば、特許文献1を参照)。
より正確に像振れを補正するために、X軸およびY軸回りの角速度(振れ)を検出することに加えて、カメラ本体の並進振れを検出するカメラも提案されている(例えば特許文献2および3)。また、カメラ本体の光軸回りの角速度(振れ)あるいは傾きを検出するセンサを有するカメラも提案されている(特許文献4および5を参照)。このカメラでは、光軸回りのカメラ本体の振れあるいは傾きにより生じる像振れを打ち消すように、撮像素子が回転駆動される。これにより、光軸回りの像振れあるいは傾きが補正された画像を取得することができる。
特開平3−37616号公報 特開平3−46642号公報 特許第3513950号公報 特開平6−30327号公報 特公平1−53957号公報 特開2006−337680号公報
従来のカメラでは、並進振れを加速度センサにより検出できても、カメラに対して常に作用する重力加速度成分がノイズとして出力に影響を及ぼす。また、重力加速度成分を予め除去する場合であっても、カメラとともに加速度センサも鉛直方向に対して傾くため、加速度センサに作用する重力加速度の方向が一定ではない。このため、重力加速度成分を正確に除去することが困難であり、加速度センサにて検出された加速度や加速度から算出された変位量の精度が低下する。この結果、従来のカメラでは像振れ補正性能が低下する場合がある。
本発明の課題は、像振れ補正性能の向上を図ることができるカメラを提供することにある。
第1の発明に係るカメラは、光学系と、筐体と、像振れ補正部と、変位取得部と、回転駆動部と、補正演算部と、駆動制御部と、を有している。光学系は像振れ補正を行う補正光学系を有し被写体の光学像を形成する。像振れ補正部は筐体の動きにより生じる像振れを補正する。変位取得部は筐体の変位量を取得可能である。回転駆動部は筐体に対して変位取得部を回転駆動する。補正演算部は変位取得部により取得された変位量から像振れ補正部での第1補正量を算出する。駆動制御部は、回転駆動部の動作を制御するとともに、第1補正量に基づいて像振れ補正部の動作を制御する。
このカメラでは、補正演算部により算出された第1駆動量に基づいて駆動制御部により光学系駆動部の動作が制御されるため、カメラの移動量に応じて補正光学系を駆動できる。これにより、カメラの並進振れに起因する像振れを補正できる。
ここでは、回転駆動部により変位取得部が回転駆動されるため、例えば重力加速度が作用する方向である鉛直方向に対して変位取得部の姿勢を一定に保つことができる。これにより、変位取得部により取得された変位量から予め重力加速度成分を排除することができ、変位取得部により取得される変位量の精度が向上する。すなわち、像振れ補正性能をより高めることができる。
なお、像振れ補正部としては、例えば、補正光学系を移動させる光学式、撮像素子を移動させるセンサシフト方式、および画像信号に像振れ補正処理を施す電子式が考えられる。また、カメラとしては、例えば、静止画撮影のみ可能な装置、動画撮影のみ可能な装置、および静止画撮影および動画撮影が可能な装置が考えられる。さらに、カメラとしては、例えば、デジタルスチルカメラ、交換レンズ式デジタルカメラおよびデジタルビデオカメラが考えられる。
第2の発明に係るカメラは、第1の発明に係るカメラにおいて、光学系の光軸に沿った方向から見た場合、変位取得部が回転駆動部の回転軸と重なり合っている。
第3の発明に係るカメラは、第2の発明に係るカメラにおいて、光軸に沿った方向から見た場合、変位取得部の検出中心が回転駆動部の回転軸と略一致している。
ここで、「検出中心」とは、変位取得部が変位量あるいは加速度を検出する際に中心となる仮想点である。光軸に沿った方向から見て変位取得部が長方形の場合、例えば、検出中心は長方形の中心と概ね一致する。「変位取得部の検出中心が回転駆動部の回転軸と略一致する」とは、検出中心が回転軸とが完全に一致している場合の他に、像振れ補正性能が向上する範囲内において検出中心が回転軸とずれている場合も含まれる。
第4の発明に係るカメラは、第3の発明に係るカメラにおいて、被写体の光学像を画像信号に変換する撮像素子をさらに有している。回転駆動部は、撮像素子および変位取得部が一体回転可能に設けられた回転体と、筐体に対して回転体を駆動する回転アクチュエータと、を有している。撮像素子は回転体の光学系側に配置されている。変位取得部は回転体の撮像素子と反対側に配置されている。
第5の発明に係るカメラは、第3の発明に係るカメラにおいて、筐体の回転角度を取得可能な角度取得部をさらに有している。補正演算部は、変位取得部の位置を基準として角度取得部により取得された回転角度から像振れ補正部での第2補正量を算出する。駆動制御部は、第1および第2補正量に基づいて像振れ補正部の動作を制御する。
第6の発明に係るカメラは、第3の発明に係るカメラにおいて、角度取得部をさらに有している。角度取得部は筐体の回転角度を取得可能である。像振れ補正部は、光学系の光路が変更されるように補正光学系を駆動する光学系駆動部と、被写体の光学像の受光位置が変更されるように筐体に対して撮像素子を駆動する撮像素子駆動部と、を有している。補正演算部は、角度取得部により取得された回転角度から像振れ補正部での第2補正量を算出する。駆動制御部は、第1補正量に基づいて光学系駆動部の動作を制御するとともに、第2補正量に基づいて撮像素子駆動部の動作を制御する。
第7の発明に係るカメラは、第3の発明に係るカメラにおいて、変位取得部とともに回転駆動部により駆動され被写体の光学像を画像信号に変換する撮像素子と、筐体の回転角度を取得可能な角度取得部と、をさらに有している。駆動制御部は、角度取得部により取得された回転角度に基づいて筐体に対して撮像素子が回転駆動されるように、回転駆動部の動作を制御する。
第8の発明に係るカメラは、第1の発明に係るカメラにおいて、筐体の回転角度を取得可能な角度取得部をさらに備えている。駆動制御部は、角度取得部により取得された回転角度に基づいて筐体に対して変位取得部が回転駆動されるように、回転駆動部の動作を制御する。
第9の発明に係るカメラは、第8の発明に係るカメラにおいて、変位取得部とともに回転駆動部により駆動され被写体の光学像を画像信号に変換する撮像素子をさらに備えている。
第10の発明に係るカメラは、第9の発明に係るカメラにおいて、回転駆動部は、撮像素子および変位取得部が一体回転可能に設けられた回転体と、筐体に対して回転体を駆動する回転アクチュエータと、を有している。撮像素子は回転体の撮影光学系光学系側に配置されている。変位取得部は回転体の撮像素子と反対側に配置されている。
本発明に係るカメラでは、上記の構成を有しているため、像振れ補正性能の向上を図ることができる。
カメラの正面図 カメラの概略構成図 カメラのブロック図 カメラの座標系を示す図 回転角度θxが振れ量に与える影響の模式図 回転角度θyが振れ量に与える影響の模式図 (A)および(B)回転中心Ocがレンズ102の中心Eと一致している場合の振れ量Δz2を説明するための図 回転中心Ocがレンズ102の中心Eからずれている場合の振れ量Δz1を説明するための図 振れ量のピッチ成分、ヨー成分およびロール成分の計算結果 (A)〜(C)回転中心OcのX軸成分Xcと第1増加量との関係を示す図 (A)〜(C)回転中心OcのY軸成分Ycと第1増加量との関係を示す図 (A)〜(C)回転中心OcのZ軸成分Zcと第1増加量との関係を示す図 (A)〜(C)X軸方向におけるカメラの並進振れ量ΔXと第2増加量との関係を示す図 (A)〜(C)Y軸方向におけるカメラの並進振れ量ΔYと第2増加量との関係を示す図 (A)〜(C)Z軸方向におけるカメラの並進振れ量ΔZと第2増加量との関係を示す図 X軸方向から見た場合の振れ量の説明図 補正レンズの駆動量と補正角度との関係を示す図 各光学倍率における駆動量と補正角度との関係を示すグラフ (A)回転中心Ocが加速度センサを挟んで被写体と反対側にある場合の図、(B)回転中心Ocが加速度センサと被写体との間にある場合の図 Y軸方向から見た場合の振れ量の説明図 Z軸方向から見た場合の振れ量の説明図 Z軸方向から見た場合の振れ量の説明図 回転力F1と遠心力F2との測定結果(1) 回転力F1と遠心力F2との測定結果(2) 回転力F1と遠心力F2との測定結果(3) 回転力F1と遠心力F2との測定結果(4) 回転力F1と遠心力F2との測定結果(5) Y軸方向の総振れ量を示す図 X軸方向の総振れ量を示す図 カメラの概略構成図(第2実施形態) カメラのブロック図(第2実施形態) 一眼レフカメラの概略構成図(他の実施形態)
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
<カメラの全体構成>
図1〜図3を用いて、第1実施形態に係るカメラ1について説明する。図1はカメラ1の正面図である。図2はカメラ1の内部構成図である。図3はカメラ1のブロック図である。
図1および図2に示すように、カメラ1は、筐体2と、被写体の光学像を形成する光学系Oと、光学系Oを支持するレンズ鏡筒3と、撮像素子17と、を有している。光学系Oは、例えば複数のレンズ群を有するズーム光学系であり、光軸Aを有している。カメラ1では、光軸Aを基準として直交座標系(X,Y,Z)が設定されている。Z軸は光軸Aと一致しており、カメラ1の被写体側がZ軸方向正側に対応している。光学系Oのレンズ群は、レンズ鏡筒3に含まれる複数のレンズ枠を介して、ズーム駆動ユニット13により光軸Aに沿った方向へ駆動される。これにより、光学系Oの光学倍率を変化させることができる。ズーム駆動ユニット13は、例えばステッピングモータを有している。ズーム駆動ユニット13の動作はマイコン20の駆動制御部22(後述)により制御される。駆動制御部22がズーム駆動ユニット13に送信する制御パルス数をカウントすることで、マイコン20は光学系Oの光学倍率を把握することができる。
カメラ1は、筐体2のX軸回りの角速度ωxを検出するための第1角速度センサ4(第1角度取得部の一例)と、筐体2のY軸回りの角速度ωyを検出するための第2角速度センサ5(角度取得部の一例)と、筐体2のZ軸回りの角速度ωzを検出するための第3角速度センサ6と、測距装置8(距離取得部の一例)と、を有している。
第1〜第3角速度センサ4〜6は、例えばジャイロセンサである。第1〜第3角速度センサ4〜6により、筐体2の回転運動(角速度)を検出することができる。検出された角速度を時間積分することで、回転角度を取得することができる。この演算は、マイコン20の角度演算部24により行われる。つまり、第1〜第3角速度センサ4〜6および角度演算部24により、カメラ1の回転角度を取得可能な角度取得部が実現されている。
測距装置8は赤外線やレーザなどを利用して被写体までの距離を測定するための装置である。測距装置8によりカメラ1から被写体までの距離を測定することができる。より詳細には、測距装置8は、後述する加速度センサ7の検出中心Cから被写体までの距離を取得することができる。
カメラ1は、第1〜第3角速度センサ4〜6に加えて、カメラ1に作用する加速度を検出するための加速度センサ7(変位取得部の一例)を有している。加速度センサ7は、例えばMEMS(Micro Electro Mechanical System)型の2軸加速度センサであり、直交する2つの感度軸(第1感度軸Sx、第2感度軸Sy)を有している。回転駆動ユニット11が基準位置の状態(撮像素子17が筐体2に対して傾いていない状態)で、第1および第2感度軸SxおよびSyは、X軸方向およびY軸方向に概ね平行に配置されている。加速度センサ7は検出中心Cを有している。検出中心Cは、加速度センサ7が加速度を検出する際に中心となる仮想点であり、第1および第2感度軸SxおよびSyの交点と概ね一致している。Z軸方向から見た場合に、検出中心Cは光軸AおよびZ軸と概ね一致している。光軸Aに沿った方向から見た場合に加速度センサ7が長方形であれば、検出中心Cは、例えば長方形の中心と概ね一致する。したがって、光軸Aに沿った方向から見た場合、加速度センサ7は光軸Aと重なり合っている。
加速度センサ7により検出された加速度を2回時間積分すると、カメラ1の変位量(移動量)が得られる。この演算は後述する変位量演算部23により行われる。この変位量は、補正演算部21において駆動量の演算に用いられる。つまり、加速度センサ7および変位量演算部23により、カメラ1の変位量を取得可能な変位取得部が実現されている。
また、光学系Oは、筐体2の振れにより生じる撮像素子17に対する光学像の変位(以下、像振れとも言う)を補正するための補正レンズ9を有している。補正レンズ9は、第1駆動ユニット10および第2駆動ユニット12により、筐体2に対して光軸Aに直交する方向に駆動される。より詳細には、第1駆動ユニット10は、Y軸方向(ピッチ方向)に補正レンズ9を駆動する。第2駆動ユニット12は、X軸方向(ヨー方向)に補正レンズ9を駆動する。光軸Aあるいはレンズ鏡筒3に対する補正レンズ9の位置は、第1位置センサ15および第2位置センサ16により検出可能である。第1位置センサ15は補正レンズ9のX軸方向の位置を検出する。第2位置センサ16は補正レンズ9のY軸方向の位置を検出する。
カメラ1は、撮像素子17を光軸A回りに回転駆動するための回転駆動ユニット11を有している。回転駆動ユニット11は、光軸A回りに回転する回転プレート18と、回転プレート18を回転駆動するアクチュエータ19と、を有している。回転プレート18の回転軸Kは光軸Aと概ね一致している。アクチュエータ19は、例えばステッピングモータであり、直接的あるいは間接的に筐体2に固定されている。回転駆動ユニット11の動作は駆動制御部22により制御されている。駆動制御部22からアクチュエータ19に送信される制御パルス数をカウントすることで、マイコン20は筐体2に対する回転プレート18の回転角度を把握することができる。
回転プレート18のZ軸方向正側には、撮像素子17が設けられており、Z軸方向負側(撮像素子17と反対側)には加速度センサ7が設けられている。これにより、撮像素子17および加速度センサ7は筐体2に対して光軸A回り(Z軸回り)に任意の角度で回転可能となる。光軸Aに沿った方向から見た場合、撮像素子17の中心および加速度センサ7の検出中心Cは、回転プレート18の回転軸Kと概ね一致している。
カメラ1の制御はマイコン(マイクロコンピュータ:Micro Computer)20により行われる。マイコン20は、CPU、ROMおよびRAMを有しており、ROMに格納されたプログラムがCPUに読み込まれることで様々な機能を実現し得る。例えば、マイコン20は、カメラ1の振れ量を算出する機能、あるいは光学倍率および補正角度から補正レンズ9の駆動量を算出する機能を有している。
図3に示すように、マイコン20は、補正演算部21と、駆動制御部22と、変位量演算部23と、角度演算部24と、を有している。角度演算部24は、第1〜第3角速度センサ4〜6にて検出された角速度ωx、ωy、ωzを時間積分することで回転角度θx、θy、θzを算出する。変位量演算部23は、加速度センサ7にて検出された第1および第2感度軸SxおよびSy成分である加速度Ax、Ayを2回時間積分することで変位量をそれぞれ算出する。補正演算部21は、これらの回転角度および変位量に基づいて、補正レンズ9の駆動量Δdを算出する。駆動制御部22は、補正演算部21により算出された駆動量Δdに基づいて第1駆動ユニット10、第2駆動ユニット12および回転駆動ユニット11の動作を制御する。
以上のように、マイコン20により各センサの検出結果に基づく演算が行われ、カメラ1の動きに合わせて像振れ補正が可能となる。つまり、補正レンズ9、第1駆動ユニット10、第2駆動ユニット12、撮像素子17および回転駆動ユニット11により、像振れを補正する像振れ補正部が実現されている。また、補正レンズ9、第1駆動ユニット10および第2駆動ユニット12により、補正光学系を用いて像振れ補正を行う第1補正部が実現されている。
<回転中心の位置が振れ量に与える影響>
ここで、カメラの回転振れの回転中心の位置がカメラの振れ量および像振れ量に与える影響について、カメラ101を例に説明する。図4はカメラ101の座標系を示している。図4に示すように、光学系Oの光軸Aを基準とする直交座標系(X,Y,Z)が設定されている。Z軸は光軸Aと一致している。
撮影時のカメラ101の振れとしては、回転振れと、並進振れと、が考えられる。回転振れとは、座標系に存在する点を中心にカメラ101が回転することにより生じるカメラ101の振れを言う。並進振れとは、座標系に対するカメラ101の角度(姿勢)が変化しない状態でカメラ101が座標系に対して移動することにより生じるカメラ101の振れを言う。通常、これら2つの振れが組み合わされて、カメラ1の振れとなっている。
カメラ101の回転振れの回転中心をOc(Xc,Yc,Zc)、回転振れのX軸回りの回転角度を角度θx(ピッチ成分)、Y軸回りの回転角度を角度θy(ヨー成分)およびZ軸回りの回転角度を角度θz(ロール成分)とする。カメラ101の並進振れVのX軸成分をΔX、Y軸成分をΔY、Z軸成分をΔZとする。
(1)回転角度θxが振れ量に与える影響
図5は、回転角度θxが振れ量に与える影響を模式的に示した図である。図5では、便宜上、光学系Oを単一のレンズ102に置き換えている。カメラ101の振れが発生していない状態でのレンズ102から被写体103までの距離(撮影距離)をL、カメラ101の振れが発生していない状態でのレンズ102から撮像素子17までの距離をf×Dとする。ここで、fは焦点距離(例えば、35mm換算)、Dは光学倍率である。
図5において、点Oc(Xc,Yc,Zc)を中心に角度θxだけカメラ101が回転した後にレンズ102が位置102´に移動したとすると、X軸方向から見た場合のカメラ101の振れ量Δbx´は、以下の式で表される。
Figure 2009060626
ここで、振れ量Δx2´は、レンズ102の中心Eを基準とした場合のカメラ101の振れ量の回転成分、振れ量Δx1´は、回転中心Ocおよびレンズ102の中心Eがずれていることにより生じるカメラ101の振れ量の並進成分である。なお、後述の振れ量Δx1およびΔx2との違いを分かりやすくするために、ここでは振れ量としてΔx1´およびΔx2´を用いている。
振れ量Δx1´、ΔLおよびΔx2´を幾何学的に算出すると、以下の式で表される。
Zc=0のとき、
Figure 2009060626
Figure 2009060626
Zc≠0のとき、
Figure 2009060626
Figure 2009060626
Figure 2009060626
さらに、並進振れV=(ΔX,ΔY,ΔZ)によってレンズ102´が位置102´´に移動したとすると、並進振れ量Δx3´は以下の式で表される。
Figure 2009060626
以上より、振れ量Δbx´は以下の式で表される。
Figure 2009060626
(2)回転角度θyが振れ量に与える影響
図6は、回転角度θyが振れ量に与える影響を模式的に示した図である。図6においても図5と同様で、光学系Oを単一のレンズ102に置き換え、カメラ101の振れが発生していない状態でのレンズ102から被写体103までの距離(撮影距離)をL、カメラ101の振れが発生していない状態でのレンズ102から撮像素子17までの距離をf×Dとする。ここで、fは焦点距離(例えば、35mm換算)、Dは光学倍率である。
図6において、回転中心Oc(Xc,Yc,Zc)を中心にカメラ101が角度θyだけ回転した結果、レンズ102が位置102´に移動する場合、Y軸方向から見た場合のカメラ101の振れ量Δby´は、以下の式で表される。
Figure 2009060626
ここで、振れ量Δy2´はレンズ102の中心Eを基準とした場合のカメラ101の振れ量の回転成分、振れ量Δy1´は回転中心Ocおよびレンズ102の中心Eがずれていることにより生じるカメラ101の振れ量の並進成分である。なお、後述の振れ量Δy1およびΔy2との違いを分かりやすくするために、ここでは振れ量としてΔy1´およびΔy2´を用いている。
振れ量Δy1´、ΔLおよびΔy2´を幾何学的に算出すると、以下の式で表される。
Zc=0のとき、
Figure 2009060626
Figure 2009060626
Zc≠0のとき、
Figure 2009060626
Figure 2009060626
Figure 2009060626
さらに、カメラ101の並進振れV=(ΔX,ΔY,ΔZ)によってレンズ102´が位置102´´に移動したとすると、カメラ101の並進振れ量Δy3´は、以下の式で表される。
Figure 2009060626
以上より、振れ量Δby´は、以下の式で表される。
Figure 2009060626
(3)Z軸方向から見た場合の振れ量
図7(A)および図7(B)は回転中心Ocがレンズ102の中心Eと一致している場合のカメラ101の振れ量Δz2を説明するための図である。図8は回転中心Ocがレンズ102の中心Eからずれている場合の振れ量Δz1を説明するための図である。図7(A)および図7(B)に示すように、回転中心Ocがレンズ102の中心Eと一致している場合は光軸A回りにレンズ102が角度θzだけ回転する。この場合、被写体103の横幅Wは以下の式で表される。
Figure 2009060626
したがって、撮像素子17の横幅をWx、撮像素子17の縦幅をWyとすると、振れ量Δz2は以下の式で表される。
Figure 2009060626
図8において、回転中心Ocが中心Eとずれている場合は、回転中心Oc(Xc,Yc,Zc)を中心にレンズ102が角度θzだけ回転することになる。したがって、回転中心Ocおよび中心Eのずれにより生じる振れ量Δz1は、以下の式で表される。
Figure 2009060626
したがって、Z軸方向から見た場合の振れ量Δbzは、以下の式で表される。
Figure 2009060626
(4)振れ量の計算結果
以上の関係式に基づいて、カメラ101の振れ量のピッチ成分Δbx´、ヨー成分Δby´およびロール成分Δbz(より詳細には、ピッチ成分Δbx´、ヨー成分Δby´およびロール成分Δbzに基づいて算出された撮像素子17に対する光学像の変位量のピッチ成分、ヨー成分およびロール成分)が光学倍率D、撮影距離Lによってどのように変化するかを計算すると、以下のような結果となる。計算する際の条件としては、光学倍率D=1のときの焦点距離fを28mm、光学倍率Dを1〜10倍、撮像素子17を1/2.5型および720万画素のCCDとする。
なお、前述のように、カメラ1の回転振れに関しては、角度θx,θy,θzが同程度であることが、過去の実験結果により確認されており、また例えば、「社団法人 電子情報通信学会 信学技報 IEICE Technical Report PRMU2006-202(2007-1)」に喝載された「手ブレの3D計測と定量化」にて紹介されている。回転振れの最大回転角度が0.5°程度であることも、過去の撮影実験により確認されている。そのため、ここでは各回転角度をθx=θy=θz=0.5°とする。
図9は、回転中心Ocがレンズ102の中心Eと一致し、かつ、カメラ101の並進振れがない場合での、像振れ量のピッチ成分、ヨー成分およびロール成分の計算結果を示している。つまり、図9はXc=Yc=Zc=0のときの計算結果である。ここで、像振れ量とは、カメラ101の振れにより生じる撮像素子17に対する光学像の変位量である。像振れ量のピッチ成分、ヨー成分およびロール成分は、前述のピッチ成分Δbx´、ヨー成分Δby´およびロール成分Δbzに基づいて算出されており、それぞれ画素数で表されている。図9より、光学倍率Dが小さいときは像振れ量のピッチ成分、ヨー成分およびロール成分は同程度であるが、光学倍率Dが大きくなるにつれて、像振れ量のピッチ成分およびヨー成分が増加していることがわかる。
次に、回転中心Ocがレンズ102の中心Eとずれている場合について説明する。図10(A)〜(C)は回転中心OcのX軸成分Xcと第1増加量との関係、図11(A)〜(C)は回転中心OcのY軸成分Ycと第1増加量との関係、図12(A)〜(C)は回転中心OcのZ軸成分Zcと第1増加量との関係を示す。ここで、第1増加量とは、回転中心Ocがレンズ102の中心Eからずれることにより増加する像振れ量であり、前述の振れ量Δx1´およびΔy1´に対応する像振れ量である。
図中、横軸は光学倍率D、縦軸は第1増加量を示している。図中、上段のグラフは撮影距離L=50cm、中段のグラフは撮影距離L=1m、下段のグラフは撮影距離L=10mを示している。また、回転中心Ocからレンズ102の中心Eまでの距離Xc、YcおよびZcがそれぞれ(A)0mm、(B)150mm、(C)300mmの3種類の場合について計算を行っている。実際の撮影の際に回転中心となるのは撮影者の関節部分であることが多い。例えば肘や肩のようにカメラから離れた点が回転中心となる場合、レンズ102の中心Eから回転中心Ocまでの距離は300mm程度となる。
図10(A)〜図12(C)より、光学倍率Dが大きく、撮影距離Lが短いときに、回転中心Ocとレンズ102の中心Eとのずれが像振れ量に与える影響は大きくなることがわかる。実際の像振れ量が10〔Pixel〕以上の場合にカメラ101の振れによる画像の劣化が大きく目立つことを考慮すると、回転中心Ocとレンズ102の中心Eとのずれは無視できないレベルである。特に、X軸方向の回転中心Ocとレンズ102の中心Eとのずれ量Xcは、像振れ量のロール成分への影響が大きく、Y軸方向の回転中心Ocとレンズ102の中心Eとのずれ量Ycも像振れ量のロール成分への影響が大きい。さらに、Z軸方向における回転中心Ocとレンズ102の中心Eとのずれ量Zcが像振れ量のピッチ成分およびヨー成分に与える影響も大きい。なお、これらのグラフにおいて、ピッチ成分の計算結果が表示されていないように見える場合があるが、ピッチ成分の計算結果がヨー成分の計算結果と同じであるため、ピッチ成分の結果がヨー成分の結果と重なっているだけである。
<カメラの並進振れが振れ量に与える影響>
次に、カメラ101の並進振れが像振れ量に与える影響について説明する。図13(A)〜(C)はX軸方向におけるカメラ101の並進振れ量ΔXと第2増加量との関係を示している。図14(A)〜(C)はY軸方向におけるカメラ101の並進振れ量ΔYと第2増加量との関係を示している。図15(A)〜(C)はZ軸方向におけるカメラ101の並進振れ量ΔZと第2増加量との関係を示している。図13(A)〜図15(C)では、横軸は光学倍率D、縦軸は第2増加量を示している。ここで、第2増加量とは、並進振れに対応する像振れ量であり、前述の振れ量Δx3´およびΔy3´に対応する像振れ量である。
図13(A)〜図15(C)では、上段のグラフが撮影距離L=50cm、中段のグラフが撮影距離L=1m、下段のグラフが撮影距離L=10mを示している。ここでは、並進振れ量ΔX、ΔYおよびΔZがそれぞれ(A)0mm、(B)2mm、(C)4mmの3種類の場合について計算を行っている。
図13(A)〜図15(C)より、並進振れ量ΔXおよびΔYに関しては、光学倍率Dが大きくかつ撮影距離Lが短い場合に、カメラ101の並進振れが像振れ量に与える影響が大きくなることがわかる。具体的には、並進振れ量ΔXにより第2増加量のヨー成分が大きくなり、並進振れ量ΔYにより第2増加量のピッチ成分が大きくなる。しかし、Z軸方向の並進振れ量ΔZについては像振れ量にほとんど影響しないため、並進振れ量ΔZは無視しても差し支えないレベルであることがわかる。
以上に述べたように、回転中心Ocの位置が像振れ量に与える影響は大きく、無視できないレベルである。このため、像振れ補正性能をさらに高めるためには、回転中心Ocが様々な位置をとり得ることを考慮して、振れ量あるいは像振れ量を算出する必要がある。
<回転中心および並進を考慮した像振れ補正>
上述したように、カメラの振れは回転振れおよび並進振れの2種類に分類できる。そして、像振れ補正効果を高めるためには、カメラの回転振れに関しては、回転中心Ocと基準点とのずれ量を考慮する必要がある。
しかし、回転中心Ocの位置を求めるのは実際には困難であり、前述の算出方法ではカメラの振れ量を算出することができない。
そこで、このカメラ1では、以下に示すように分類して像振れ補正のための演算を行っている。
なお、図4に示した模式図と同様、このカメラ1では、光学系Oの光軸AをZ軸とする直交座標系(X,Y,Z)が設定されている。カメラ1の回転振れを発生させる回転中心をOc(Xc,Yc,Zc)、回転振れを直交座標系(X,Y,Z)に分解したときの回転角度をそれぞれθx(ピッチ成分),θy(ヨー成分),θz(ロール成分)とする。また、カメラ1の並進振れの成分をV=(ΔX,ΔY,ΔZ)とする。
ここで、角度θxは、カメラ1のX軸回りの回転角度を示しており、X軸回りの正方向および負方向に関する情報も含んでいる。角度θyは、カメラ1のY軸回りの回転角度を示しており、Y軸回りの正方向および負方向に関する情報も含んでいる。角度θzは、カメラ1のZ軸回りの回転角度を示しており、Z軸回りの正方向および負方向に関する情報も含んでいる。振れ量ΔX,ΔY,ΔZは、X軸、Y軸およびZ軸方向のカメラの並進振れ量を示しており、前述の直交座標系における正方向および負方向に関する情報も含んでいる。
なお、回転角度θx、θyおよびθzは、第1〜第3角速度センサ4〜6により検出された角速度ωx、ωy、ωzを時間積分することで算出することができる。
以下、回転振れおよび並進振れの振れ量の算出方法について説明する。
<回転振れ>
(1)X軸方向から見た場合の振れ量
角度θx(ピッチ成分)の回転振れに対する像振れ補正について説明する。図16に、カメラ1の回転振れの回転中心をOc(Xc,Yc,Zc)とし、カメラ1の回転振れ角度をθx(ピッチ成分)としたときの説明図を示す。
前述の振れ量の算出方法では、レンズ102の中心Eを基準に回転振れ成分Δx2´が算出されている。
しかし、レンズ102の中心Eを基準として回転中心Ocの位置を求めるのは実際には困難であり、回転振れ成分Δx2´を求めることができない。
そこで、このカメラ1では、回転中心Ocの位置を考慮した演算を行うために、加速度センサ7の検出中心Cを基準に回転振れ成分Δx2を算出する。以下、加速度センサ7の検出中心Cを基準とした回転振れ成分Δx2の算出方法について説明する。
図16に示すように、回転中心Oc(Xc,Yc,Zc)を中心に角度θxだけ回転して加速度センサ7が位置7´に移動した場合、振れ量Δbxは以下の式で表される。
Figure 2009060626
ここで、振れ量Δx2は加速度センサ7の検出中心Cを基準とした場合のカメラ1の振れ量の回転成分、振れ量Δx1は回転中心Ocと加速度センサ7の検出中心Cとのずれより生じるカメラ1の振れ量の並進成分である。ここでは便宜上、光学系Oを単一のレンズ30に置き換えている。なお、振れ量Δx1およびΔx2は、Y軸方向のカメラ1の振れ量を示しており、正方向および負方向に関する情報も含んでいる。
前述の振れ量Δx2′と同様に、振れ量Δx2は以下の式で表される。
Figure 2009060626
この場合、レンズ30の中心Eから被写体103までの距離Lに加えて、レンズ30から加速度センサ7までの距離L2も考慮しているため、前述の式(6)に比べて振れ量Δx2′よりも振れ量Δx2の方がL2×tanθxだけ大きくなっている。ここで、距離Lは、例えば測距装置8により求めることができる。距離L2は、設計時に決定される値であり、マイコン20において予め設定されている。
また、レンズ30の中心Eではなく加速度センサ7の検出中心Cを基準に振れ量Δx2を算出しているため、図16に示すように振れ量Δx1は加速度センサ7のY軸方向の変位量と一致する。加速度センサ7の変位量は、加速度センサ7により検出されたY軸方向の加速度Ayを2回時間積分することで得られる。具体的には、振れ量Δx1は以下の式で表される。
Figure 2009060626
ここで、時間tは、予め定められた単位時間であり、例えば加速度センサ7の単位検出時間である。
以上のように、加速度センサ7の検出中心Cを基準とすることで、回転中心Ocを直接求めることなく、簡単な方法で回転中心Ocの位置を考慮した振れ量Δbx(より詳細には、振れ量Δx1およびΔx2)の算出が可能となる。具体的には、加速度センサ7により得られるY軸方向の加速度Ayから正確な振れ量Δx1を算出することができ、第1角速度センサ4により得られるX軸回りの角速度ωxから正確な回転角度θxを求めることができる。
ここで、振れ量Δbにより生じる像振れを補正する方法を簡単に説明する。各振れ量に応じて補正レンズ9をX軸方向あるいはY軸方向(この場合はY軸方向)に駆動することで、像振れは補正される。このときの補正レンズ9の駆動量Δdと補正角度Δθとの関係は、光学倍率によって異なる。補正角度Δθとは、振れ量Δbおよび撮影距離から算出される角度である。この場合、図17に示すように、補正角度Δθは、レンズ30の中心Eではなく加速度センサ7の検出中心Cを基準として決定されている。駆動量Δdを算出する際の被写体までの距離は、加速度センサ7(より詳細には、加速度センサ7の検出中心C)から被写体までの距離が用いられている。この条件で予め算出された補正レンズ9の駆動量Δdと補正角度Δθとの関係は、例えば図18に示すデータのようになる。
図18において、縦軸は補正レンズ9の駆動量Δd、横軸は補正角度Δθである。駆動量Δdおよび補正角度Δθの関係は光学系によって異なるため、光学系ごとに把握する必要がある。このため、図18に示すデータは、マイコン20のROMに予め格納されており、算出された振れ量および光学倍率から、このデータを利用して駆動量Δdを求めることができる。図18からわかるように、補正レンズ9の駆動量Δdと補正角度Δθとの関係は、光学倍率によって変わる。なお、図18に示す関係はX軸回りの補正角度(ピッチ方向)、Y軸回りの補正角度(ヨー方向)共に同じである。
図17より、例えば、振れ量Δx1に対応する補正角度θx1は、以下の式で表される。
Figure 2009060626
このように、振れ量Δx1に基づいて、補正角度θx1を求めることができ、そして実際の補正レンズ9の駆動量Δdx1を求めることができる。それに加えて、振れ量Δx2に相当する回転角度θxおよび図18のグラフから、振れ量Δx2により生じる像振れを補正するための駆動量Δdx2を算出することができる。駆動量Δdx1およびΔdx2を合算した駆動量Δdxが最終的な補正レンズ9の駆動量となる。この駆動量Δdxだけ補正レンズ9がY軸方向に駆動されると、振れ量Δx1およびΔx2により生じる像振れを補正することができる。
なお、図16では、回転中心Oc(Xc,Yc,Zc)が加速度センサ7の後方(被写体103と反対側)に存在しているが、回転中心Oc(Xc,Yc,Zc)が加速度センサ7の前方(被写体103側)に存在する場合も、前述と同様な方法で像振れを補正することが可能である。なぜなら、前述のように、振れ量Δx1,Δx2、角度θx,θy,θzが正方向および負方向に関する情報も含んでいるためである。したがって、例えば図19(A)に示すように、回転中心Ocが加速度センサ7を挟んで被写体103と反対側にある場合の他に、図19(B)に示すように、回転中心Ocが加速度センサ7と被写体103との間にある場合であっても、式(21)により振れ量Δbxを算出することができる。
(2)Y軸方向から見た場合の振れ量
次に、角度θy(ヨー成分)の回転振れに対する像振れ補正について説明する。図20に、カメラ1の回転振れを発生させる回転中心がOc(Xc,Yc,Zc)、カメラ1の回転振れ角度をθy(ヨー成分)としたときの説明図を示す。
ここでは、前述の角度θxの場合と同様に、加速度センサ7の検出中心Cを基準に回転振れ成分Δy2を算出する。
図20において、回転中心Ocを中心に角度θyだけ回転した結果、加速度センサ7が位置7′に移動したとすると、振れ量Δbyは以下の式で表される。
Figure 2009060626
ここで、振れ量Δy2は加速度センサ7の検出中心Cを基準とした場合の振れ量の回転成分、振れ量Δy1は回転中心Ocと加速度センサ7の検出中心Cとのずれにより生じるカメラ1の振れ量の並進成分である。なお、振れ量Δy1およびΔy2は、X軸方向の振れ量を示しており、正方向および負方向に関する情報も含んでいる。
前述の振れ量Δy2′と同様に、振れ量Δy2は以下の式で表される。
Figure 2009060626
この場合、レンズ30の中心Eから被写体103までの距離Lに加えて、レンズ30から加速度センサ7までの距離L2も考慮しているため、前述の式(14)に比べて振れ量Δy2′よりも振れ量Δy2の方がL2×tanθyだけ大きくなっている。
また、レンズ30の中心Eではなく加速度センサ7の検出中心Cを基準に振れ量Δy2を算出しているため、図20に示すように、振れ量Δy1は加速度センサ7のY軸方向の変位量と一致する。加速度センサ7の変位量は、加速度センサ7により検出されたX軸方向の加速度Axを2回時間積分することで得られる。具体的には、振れ量Δy1は以下の式で表される。
Figure 2009060626
以上のように、加速度センサ7の検出中心Cを基準とすることで、回転中心Ocを直接求めることなく、簡単な方法で回転中心の位置ズレによって影響する振れ量Δby(より詳細には、振れ量Δy1およびΔy2)の算出が可能となる。具体的には、加速度センサ7により得られるX軸方向の加速度Axから正確は振れ量Δy1を算出することができ、第2角速度センサ5により得られるY軸回りの角速度ωyから正確な回転角度θyを求めることができる。
前述の補正角度θx1と同様に、加速度センサ7から得られた振れ量Δy1に対応する補正角度θy1は、以下の式で表される。
Figure 2009060626
前述の補正角度θx1と同様に、図18のグラフに基づいて、補正角度θy1に対応する駆動量Δdy1を求めることができる。それに加えて、前述の振れ量Δx2と同様に、振れ量Δy2に相当する回転角度θyおよび図18のグラフから、振れ量Δy2により生じる像振れを補正するための駆動量Δdy2を算出することができる。駆動量Δdy1およびΔdy2を合算した駆動量Δdyが最終的な補正レンズ9の駆動量となる。この駆動量Δdyだけ補正レンズ9がX軸方向に駆動されると、振れ量Δy1およびΔy2により生じる像振れを補正することができる。
(3)Z軸方向から見た場合の振れ量
角度θz(ロール成分)の回転振れに対する像振れ補正について説明する。図21は、カメラ1の回転振れの回転中心をOc(Xc,Yc,Zc)、Z軸回りのカメラ1の回転振れ角度を角度θz(ロール成分)としたときの説明図である。ロールにより生じるカメラ1の振れ量は、式(20)に示したとおり、回転中心Ocが加速度センサ7の検出中心Cと一致している場合の振れ量Δz2と、回転中心Ocと加速度センサ7の検出中心Cとのずれにより生じる振れ量Δz1と、から構成されている。
回転中心Ocが加速度センサ7の検出中心Cと一致している場合の振れ量Δz2は、角度θzに対応している。角度θzは、第3角速度センサ6によって検出されたZ軸回りの角速度ωzを時間積分することで求めることができる。算出される回転角度θzに基づいて、マイコン20は回転駆動ユニット11を回転角度θzだけ反対方向に回転するよう指令を下す。これにより、カメラ1のZ軸回りの回転運動に合わせて、筐体2に対して撮像素子17が回転し、振れ量Δz2が補正される。
次に、振れ量Δz1の補正動作について説明する。振れ量Δz1は、加速度センサ7の検出結果から求めることができる。具体的には図22に示すように、回転角度θz(ロール成分)の回転振れが発生したときに、加速度センサ7には力F1およびF2が作用する。力F1は回転方向成分(回転力)、力F2は半径方向成分(遠心力)を示す。
ここで、回転力F1および遠心力F2の関係を調べるため、回転力F1および遠心力F2を求める実験を行った。回転力F1および遠心力F2は、理論上、以下の式で表される。
Figure 2009060626
Figure 2009060626
ここで、mは回転するカメラの質量、rは回転半径、ωは角速度、αは角加速度である。角加速度αは、第3角速度センサ6からの出力を時間微分することにより求めることができる。
第3角速度センサ6の出力から求めた測定結果を図23〜図27に示す。図23〜図27において、上側のグラフは回転力F1に相当する値(回転半径r×接線方向の角加速度α)、下側のグラフは遠心力F2に相当する値(回転半径r×角速度ωの2乗)を示している。図中下側に示した式は、回転力F1の最大値と遠心力F2の最大値との比率、すなわちF2/F1の値を示している。図23〜図27は、被験者5人で測定したそれぞれの結果を示している。
図23〜図27の結果より、回転角度が実質的に最大0.5°と比較的小さい値であるため、遠心力F2は、回転力F1の1%以下と十分小さく、無視しても問題ないことが分かる。同様に、第1角速度センサ4および第2角速度センサ5での実験結果も第3角速度センサ6の実験結果と同様であるため、遠心力は無視しても全く問題ない。
以上より、図22において、回転力F1が加速度センサ7に加わる力と考えることができる。このように、遠心力F2を無視することができるため、加速度センサ7を光軸A上に配置することにより、点Oc(Xc,Yc,Zc)を回転中心として角度θz(ロール成分)だけ回転したときの変位量Δz1と同じ方向の力が加速度センサ7に作用することになる。
ここで、加速度センサ7には重力加速度も作用するため、重力加速度を考慮する必要がある。この場合、加速度センサ7は回転駆動ユニット11により撮像素子17とともに筐体2に対して回転駆動される。このため、重力加速度に対する加速度センサ7の角度(姿勢)はほとんど変化しないことになる。したがって、像振れ補正開始時あるいは電源ON時から像振れ補正開始時までの加速度センサ7の出力値(例えば、加速度AxおよびAyの合成加速度)を例えばRAMに格納しておき、像振れ補正中の加速度センサ7の出力から記憶された出力値を引き算することにより、像振れ補正時において重力加速度成分の影響を排除することができる。例えば、この演算はマイコン20に行われる。重力加速度は、加速度センサ7のY軸方向の検出加速度Ayの最小値と考えることができる。加速度センサ7の出力を2回時間積分することにより、振れ量Δz1を算出することができる。
以上のように、このカメラ1では、回転中心Ocの位置(Xc,Yc,Zc)を直接求めることなく、点Oc(Xc,Yc,Zc)を回転中心として角度θz(ロール成分)だけ回転したときの光学系の振れ量Δz1を、簡単な方法で加速度センサ7の出力を利用して求めることが可能となる。
この振れ量Δz1のX軸方向成分(より詳細には、振れ量Δz1の第1感度軸Sx成分)、すなわち加速度センサ7の検出結果から重力加速度成分を引き算した後に2回時間積分した値をΔz1x、振れ量Δz1のY軸方向成分(より詳細には、振れ量Δz1の第2感度軸Sy成分)、すなわち加速度センサ7の検出結果から重力加速度成分を引き算した後に2回時間積分した値をΔz1yとする。振れ量Δz1xおよびΔz1yは、補正レンズ9をX軸方向およびY軸方向に駆動することにより補正することができる。
<並進振れ>
次に、カメラ1の並進振れに対する像振れ補正について説明する。なお、ここでは、図13(A)〜図15(C)のカメラ1の並進成分の像振れ量への影響の検討結果にて説明したとおり、Z軸成分の振れ量ΔZは無視しても差し支えないことがわかっている。したがって、カメラ1の並進振れとして、並進振れ量ΔXおよびΔYを考慮する。
(1)並進振れ量ΔY
まず、並進振れ量ΔYだけカメラ1が移動する場合の補正動作について説明する。図16に示すように、並進振れ量ΔYが発生すると、Y軸方向に加速度センサ7も同じ距離だけ移動するので、加速度センサ7により検出されたY軸方向(より詳細には、第2感度軸Syに沿った方向)の加速度Ayから並進振れ量ΔYを求めることができる。
なお、並進振れ量ΔYに対応する補正角度θyhは、以下の式で表される。
Figure 2009060626
前述の補正角度θx1と同様に、図18のグラフに基づいて、補正角度θyhに対応する駆動量Δdyhを求めることができる。第1駆動ユニット10により補正レンズ9を駆動量Δdyhだけ移動させることにより、並進振れ量ΔYにより生じる像振れを補正することができる。
(2)並進振れ量ΔX
同様に、並進振れ量ΔXが発生した場合の補正動作について説明する。図20に示すように、並進振れ量ΔXが発生すると、X軸方向に加速度センサ7も同じ距離を移動するため、加速度センサ7により検出されたX軸方向(より詳細には、第1感度軸Sxに沿った方向)の加速度Axから並進振れ量ΔXを求めることができる。
なお、並進振れ量ΔXに対応する補正角度θxhは、以下の式で表される。
Figure 2009060626
前述の補正角度θyhと同様に、図18のグラフに基づいて、補正角度θxhに対応する駆動量Δdxhを求めることができる。第2駆動ユニット12により補正レンズ9を駆動量Δdxhだけ移動させることにより、並進振れ量ΔXにより生じる像振れを補正することができる。
以上に述べたように、加速度センサ7の検出中心Cを光軸A上に配置し、検出中心Cを基準としてカメラ1の振れ量を算出することにより、回転角度θx(ピッチ成分)、θy(ヨー成分)、θz(ロール成分)の回転の各成分の補正動作時に、算出された振れ量が回転中心Ocおよび検出中心Cのずれの影響をほとんど受けなくなる。これにより、このカメラ1では、より正確な像振れ補正を実現できる。
また、カメラ1の並進振れに対しても、加速度センサ7の出力を利用して像振れ補正が可能となる。
<総振れ量>
以上のように算出された振れ量を成分ごとにまとめると、以下のようになる。
(1)Y軸方向の総振れ量
図28にY軸方向の総振れ量を示す。図28において、振れ量Δx1は、回転中心OcのYcおよびZcが0でないことに起因する振れ量である。また、振れ量Δx2はX軸回りの回転振れに起因する振れ量である。振れ量Δz1xは、回転中心OcのXcおよびYcが0でないことに起因する振れ量である。振れ量ΔYはカメラ1の並進振れのY軸方向成分である。ここでは、加速度センサ7の出力を利用する成分は、振れ量Δx1、Δz1xおよびΔYとなる。
加速度センサ7の出力を利用する全ての振れ量に対応する補正角度θxt(第1補正量の一例)は以下の式で表される。
Figure 2009060626
式(33)によって求められた補正角度θxtおよび撮影時の光学倍率に基づいて、図18の関係から補正演算部21により補正レンズ9の駆動量Δdxtが算出される。第1駆動ユニット10によって補正レンズ9を駆動量Δdxtだけ移動させることにより、振れ量Δx1、Δz1xおよびΔYにより生じる像振れを補正することができる。
振れ量Δx2については、第1角速度センサ4の検出角速度ωxから算出される回転角度θx(第2補正量の一例)および撮影時の光学倍率に基づいて、図18の関係から補正演算部21により補正レンズ9の駆動量Δdx2が算出される。
補正演算部21により駆動量ΔdxtおよびΔdx2の合算である駆動量Δdxが算出され、補正レンズ9が駆動量Δdxだけ移動するように、駆動制御部22により第1駆動ユニット10の動作が制御される。
このように、加速度センサ7および第1角速度センサ4の検出結果を用いて、簡単な方法で振れ量Δx1、Δx2、Δz1xおよびΔYにより生じる像振れを補正することができる。
なお、加速度センサ7の検出結果に基づいて算出された変位量を用いることで、振れ量Δx1、Δz1xおよびΔYの振れ方向が異なる場合も考慮された補正角度θxtを得ることができる。
(2)X軸方向の総振れ量
図29に、X軸方向の総振れ量を示す。図29において、振れ量Δy1は、回転中心OcのXcおよびZcが0でないことに起因する振れ量である。また、振れ量Δy2はY軸回りの回転振れに起因する振れ量である。振れ量Δz1yは、回転中心OcのXcおよびYcが0でないことに起因する振れ量である。振れ量ΔXはカメラ1の並進振れのX軸方向成分である。ここでは、加速度センサ7の出力を利用する成分は、振れ量Δy1、Δz1yおよびΔXとなる。
加速度センサ7の出力を利用する全ての振れ量に対応する補正角度θyt(第1補正量の一例)は以下の式で表される。
Figure 2009060626
式(34)によって求められた補正角度θytおよび撮影時の光学倍率に基づいて、図18に示す関係から補正演算部21により補正レンズ9の駆動量Δdytが算出される。第2駆動ユニット12により補正レンズ9を駆動量Δdytだけ移動させることにより、振れ量Δy1、Δz1yおよびΔXにより生じる像振れを補正することができる。
振れ量Δy2については、第2角速度センサ5の検出角速度ωyから算出される回転角度θy(第2補正量の一例)および撮影時の光学倍率に基づいて、図18の関係から補正演算部21により補正レンズ9の駆動量Δdy2が算出される。
補正演算部21により駆動量ΔdytおよびΔdy2の合算である駆動量Δdyが算出され、補正レンズ9が駆動量Δdyだけ移動するように、駆動制御部22により第2駆動ユニット12の動作が制御される。
このように、加速度センサ7および第2角速度センサ5の検出結果を用いて、簡単な方法で振れ量Δy1、Δy2、Δz1yおよびΔXにより生じる像振れを補正することができる。
なお、加速度センサ7の検出結果に基づいて算出された変位量を用いることで、振れ量Δy1、Δz1yおよびΔXの振れ方向が異なる場合も考慮された補正角度θytを得ることができる。
(3)ロール方向の総振れ量
Z軸回りの総振れ量に関しては、回転中心Ocおよび検出中心Cのずれにより生じる振れ量Δz1xおよびz1yは、上述したように、X軸方向およびY軸方向の振れとして補正されている。このため、ここでは振れ量の回転成分Δz2のみを補正すればよいことになる。すなわち、Z軸回りの第3角速度センサ6によって検出された角速度ωzから算出される回転角度θzに基づいて、その振れを打ち消すように回転駆動ユニット11の回転量、すなわち角度θzが補正演算部21により算出される。算出された回転角度θzだけ回転プレート18が回転するように、マイコン20の駆動制御部22により回転駆動ユニット11の動作が制御される。このため、角度θzの振れに応じて撮像素子17が角度θzだけ回転し、振れ量Δz2により生じる像振れを補正することができる。
<カメラの特徴>
カメラ1の特徴は以下の通りである。
(1)
このカメラ1では、加速度センサ7の位置、より詳細には加速度センサ7の検出中心C、を基準として振れ量Δx2およびΔy2が補正演算部21により算出されているため、加速度センサ7の位置を基準とすることで、計算上の振れ量と実際の振れ量との誤差を大幅に低減できる。例えば、図18および図19に示すように、前述の振れ量Δx2と振れ量Δx2´との差あるいは振れ量Δy2と振れ量Δy2´との差だけ、計算上の振れ量と実際の振れ量との誤差を低減できる。これにより、より正確な補正レンズ9の駆動量ΔdxおよびΔdyを算出することができ、像振れ補正性能を高めることができる。
(2)
このカメラ1では、補正演算部21により駆動量Δdを算出する際に、加速度センサ7と光学系Oとの間の距離L2を考慮しているため、回転中心Ocの位置によってカメラ1の振れ量が変わる場合であっても、距離L2により生じる計算上の振れ量と実際の振れ量との誤差を抑えることができる。
(3)
このカメラ1では、光軸Aに沿った方向から見た場合に加速度センサ7が光軸Aと重なり合っているため、加速度センサ7が光軸A付近に配置されている。より詳細には、光軸Aに沿った方向から見た場合に、加速度センサ7の検出中心Cは光軸Aと概ね一致している。このため、振れ量Δx1、Δx2、Δy1およびΔy2の誤差を低減することができ、より正確な駆動量ΔdxおよびΔdyを算出することができる。
ここで、「検出中心Cが光軸Aと概ね一致している」とは、検出中心Cが光軸Aと完全に一致している場合の他に、像振れ補正性能が向上する範囲内において検出中心Cが光軸Aとずれている場合も含まれる。
(4)
このカメラ1では、第3角速度センサ6により取得されたZ軸回りの回転角度θzに応じて回転駆動ユニット11の動作が駆動制御部22により制御されるため、カメラ1の姿勢(角度)の変化に応じて撮像素子17を回転駆動することができる。これにより、カメラ1のZ軸回りの回転振れに起因する像振れを補正することができる。
さらには、回転駆動ユニット11により撮像素子17とともに加速度センサ7を回転駆動することができるため、例えば重力加速度が作用する鉛直方向に対して加速度センサ7の姿勢を一定に保つことができる。これにより、加速度センサ7により取得された変位量から予め重力加速度成分の影響(ノイズ)を排除することができ、加速度センサ7により取得される加速度や加速度から算出された変位量の精度が向上する。すなわち、このカメラ1では、像振れ補正性能をより高めることができる。
(5)
このカメラ1では、加速度センサ7が回転駆動ユニット11の回転軸Kの近くに配置されている。より詳細には、光軸Aに沿った方向から見た場合に、加速度センサ7の検出中心Cが回転駆動ユニット11の回転軸Kと概ね一致している。このため、加速度センサ7に対して回転駆動により生じる遠心力が作用しにくい。これにより、加速度センサ7により取得される変位量の精度がさらに向上する。
(6)
このカメラ1では、加速度センサ7が回転プレート18の撮像素子17と反対側に配置されているため、撮像素子17に入射する光を遮ることなく、撮像素子17および加速度センサ7が一体回転する構成を実現できる。
<第2実施形態>
前述の実施形態では、補正レンズ9の駆動量Δdに基づいて補正レンズ9が第1駆動ユニット10および第2駆動ユニット12により駆動されている。
しかし、例えば、回転振れの回転成分Δx2およびΔy2を補正レンズ9の駆動により補正し、残りの並進により生じる振れ量Δx1、Δy1、Δz1を、撮像素子17を光軸Aに直交する方向に移動させることにより補正してもよい。すなわち、光学式の像振れ補正装置とセンサシフト方式の像振れ補正装置とを、この実施形態では別々に制御することができる。
なお、前述の実施形態と実質的に同じ構成については同じ符号を付すとともに、その詳細な説明は省略する。
図30および図31に示すように、このカメラ201は、回転駆動ユニット11の回転プレート18に対して撮像素子17を光軸Aに直交する2方向に駆動するセンサ駆動ユニット240(撮像素子駆動部の一例)を有している。センサ駆動ユニット240は、被写体103の光学像の受光位置が変更されるように、撮像素子17を光軸Aに対して駆動する。マイコン220の駆動制御部222は、第1駆動ユニット10および第2駆動ユニット12に加えて、センサ駆動ユニット240の動作も制御し得る。例えば、撮像素子17およびセンサ駆動ユニット240により、撮像素子を用いて像振れ補正を行う第2補正部が実現されている。
ここでは、例えば、前述の実施形態と同様に、振れ量Δx1、Δz1xおよびΔYから補正角度θxt(第1補正量の一例)が補正演算部221により算出される。振れ量Δy1、Δz1yおよびΔXから補正角度θyt(第1補正量の一例)が補正演算部221により算出される。図18に示すグラフと同様に、補正角度θxtと撮像素子17の駆動量との関係を示すデータが予め算出されており、例えばROMに格納されている。このデータに基づいて、補正演算部221により補正角度θxtに対応する駆動量Δdx1が求められる。補正角度θytの場合も同様に、補正演算部221により補正角度θytに対応する駆動量Δdy1が求められる。求められた駆動量Δdx1およびΔdy1に基づいて、駆動制御部222によりセンサ駆動ユニット240の動作が制御され、撮像素子17が光軸Aに直交する方向に移動する。これにより、振れ量Δx1、Δz1x、ΔY、Δy1、Δz1yおよびΔXにより生じる像振れが補正される。
一方、振れ量Δx2およびΔy2については、前述の実施形態と同様に、補正角度θxおよびθyに対応する駆動量Δdx2およびΔdy2(第2補正量の一例)が補正演算部221により算出される。駆動量Δdx2およびΔdy2に基づいて、駆動制御部222により第1駆動ユニット10および第2駆動ユニット12の動作が制御される。これにより、回転振れの回転成分である振れ量Δx2およびΔy2により生じる像振れは、補正レンズ9での光路の調節により補正できる。
以上のように、このカメラ201では、駆動量Δdx1およびΔdy1に基づいてセンサ駆動ユニット240により撮像素子17が駆動され、駆動量Δdx2およびΔdy2に基づいて第1駆動ユニット10および第2駆動ユニット12により補正レンズ9が駆動される。このため、補正レンズ9および撮像素子17のうち一方のみを駆動する場合に比べて、各駆動ユニット240,10,12の駆動量を小さく抑えることができる。
それに加えて、画像処理による像振れ補正を行っていないため、像振れ補正による画像の劣化を防止できる。これにより、補正レンズ9および撮像素子17の可動範囲を小さく抑えつつ、より正確な像振れ補正を行うことができる。すなわち、このカメラ201では、像振れ補正性能を確保しつつ小型化を図ることが可能となる。
また、このカメラ201では、同時に制御するのが困難であった光学式およびシフトセンサ方式の像振れ補正機構の制御が可能となる。
<他の実施形態>
本発明の具体的構成は、前述の実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の修正および変更が可能である。
(1)
前述の実施形態では補正レンズ9をX軸方向およびY軸方向に駆動させ、かつ撮像素子17を回転駆動させる方式が採用されているが、補正レンズ9および撮像素子17の駆動方式はこれに限定されるものではない。例えば、補正レンズ9が存在せず、撮像素子17をX軸方向およびY軸方向に駆動するとともにZ軸回りに回転駆動する方式が採用されてもよい。この場合、この駆動方式に応じた補正角度Δθと撮像素子17の駆動量Δdとの関係を図17のように求めればよい。
(2)
補正レンズ9をX軸方向,Y軸方向に駆動させるかわりに、レンズ鏡筒3を筐体2に対して回転駆動させる方式でもよい。
(3)
前述の実施形態では、光学式の像振れ補正について説明しているが、撮像素子17により取得された画像信号に特定の処理を施すことで、電気的に像振れが補正される方式であってもよい。この場合、例えば、画像信号を格納するメモリの読み出しおよび書き込みの位置が画像記録部により制御される。
(4)
前述の実施形態では、加速度センサ7を回転駆動ユニット11により撮像素子17とともに回転駆動する方式を採用しているが、加速度センサ7を筐体2やレンズ鏡筒3に対して固定的に設けてもよい。
この場合であっても、重力加速度成分の方向が鉛直方向から多少ずれるが、Z軸回りの回転角度θzは最大0.5°程度であるため、加速度センサ7の検出加速度に対する重力加速度の影響を低減でき、従来よりも像振れ補正性能を高めることができる。
この場合には、光軸Aに沿った方向から見た場合、加速度センサ7の検出中心Cが光軸Aと一致していることが好ましい。
なお、この場合の利点としては、筐体2に設けられたX軸およびY軸に対して加速度センサ7の第1および第2感度軸SxおよびSyが相対移動しないことがあげられる。これにより、加速度センサ7により検出された加速度の方向がX軸およびY軸に一致し、補正演算部21における駆動量の演算の精度が高くなる。
(5)
光学系Oにプリズムのような屈曲光学系が含まれている場合も考えられる。この場合、被写体からプリズムまでの入射光軸が前述の光軸Aに相当することになる。このため、加速度センサ7は入射光軸を基準に設けられる。
(6)
前述の実施形態では、撮像素子17の中心、回転駆動ユニット11の回転軸Kおよび加速度センサ7の検出中心Cが光軸Aと概ね一致しているが、像振れ補正効果が高まる範囲内において、これらが互いにずれていてもよい。
特に、加速度センサ7は、回転駆動ユニット11の回転プレート18上に配置されていれば、前述のように筐体2の動きに合わせて回転プレート18が回転するため、光軸A上で検出した場合の加速度とほぼ同じ大きさおよび方向の加速度を検出することができる。このため、加速度センサ7が回転駆動ユニット11に設けられていればよく、検出中心Cが光軸A上に配置されている必要はない。
また、加速度センサ7および撮像素子17がともに回転プレート18上に設けられているため、加速度センサ7および撮像素子17の相対位置が変化しない。例えば、撮像素子17が回転駆動ユニット11によりカメラ1の光軸A回りの回転に応じて駆動される場合、それに応じて加速度センサ7も筐体2に対して回転駆動される。このため、地球の鉛直方向(あるいは水平方向)に対する撮像素子17および加速度センサ7の姿勢が一定に保たれる。このため、加速度センサ7により検出された加速度AxおよびAyから算出された変位量が、回転駆動ユニット11の回転軸Kでの変位量とほぼ同じ値となる。これにより、回転中心Ocと加速度センサ7の検出中心Cとがずれている場合であっても、加速度センサ7の検出加速度から算出された変位量が回転中心Ocのズレによる影響を受けにくくなる。
(7)
前述の実施形態では、ピッチ方向、ヨー方向およびロール方向の全ての像振れに対して、前述の補正方法を利用しているが、ピッチ方向、ヨー方向およびロール方向のうちいずれか1つの成分を前述の方法で補正すれば、カメラ1の像振れ補正性能が向上する。例えば、ピッチ方向のみに対して前述の補正方法を適用し、かつ、ヨー方向およびロール方向の像振れに対しては従来の補正方法を適用した場合であっても、カメラ1の像振れ補正性能を高めることができる。
また、前述の実施形態では、回転駆動ユニット11を用いてロール方向の像振れを補正しているが、回転駆動ユニット11が搭載されていなくてもよい。この場合、ピッチ方向およびヨー方向のうち少なくともいずれか一方に対して前述の補正方法が適用されていれば、カメラの像振れ補正性能を高めることができる。
(8)
前述の実施形態では、像振れ補正開始時あるいは電源ON時から像振れ補正開始時までの加速度センサ7の出力値を重力加速度としているが、重力加速度の決定方法はこの方法に限定されない。例えば、第1〜第3角速度センサ4〜6のそれぞれの検出角速度が所定値以下になった場合の検出加速度を重力加速度としてもよい。この場合、カメラ1の動きがほとんどない状態の検出加速度が重力加速度となるため、重力加速度成分に遠心力などの余分な成分が含まれにくくなり、重力加速度成分の精度が高まる。これにより、像振れ補正時において加速度センサ7の検出加速度から重力加速度成分を除去することができ、変位量の精度を高めることができる。
さらに、撮像素子17により取得される画像信号をもとにカメラ1が水平状態(例えば、Y軸が鉛直方向に平行な状態)であるか否かが判断可能である。この場合、カメラ1が水平状態の場合の検出加速度を重力加速度とすることができ、重力加速度成分の精度をより高めることができる。なお、この場合は、回転駆動ユニット11により加速度センサ7を筐体2に対して回転させなくても、重力加速度成分の精度を高めることができる。
(9)
前述の第1実施形態では、光学式の像振れ補正装置を用いて説明しているが、センサシフト方式あるいは電子式の像振れ補正装置であってもよい。センサシフト方式とは、撮像素子17を光軸Aに対して移動させることで像振れ補正を行う方式である。電子式とは、撮像素子17により得られた画像信号に所定の像振れ補正処理を施すことで像振れ補正を行う方式である。電子式の場合、像振れ補正処理を施すことにより画像の劣化が懸念されるが、その画像の劣化以上に、振れ量あるいは補正角度の精度の向上に伴って像振れ補正性能が向上すれば、カメラの像振れ補正性能が高まっていると言える。
同様に、前述の第2実施形態では、光学式およびシフトセンサ方式の像振れ補正装置を組み合わせた例について説明しているが、一方の像振れ補正装置が電子式であってもよい。例えば、光学式および電子式の像振れ補正装置を組み合わせて使用しても、像振れ補正性能の向上が期待できる。同様に、センサシフト方式および電子式の像振れ補正装置を組み合わせて使用しても、像振れ補正性能の向上が期待できる。
(10)
前述の実施形態では、一体型のカメラを例に説明しているが、本発明は交換レンズおよびカメラ本体からなる一眼レフカメラにも適用可能である。
例えば、図32に示すように、一眼レフカメラ301(カメラシステムの一例)は、カメラ本体302と、カメラ本体302に装着可能な交換レンズ303と、を有している。カメラ本体302には、撮像素子17と、測距装置8と、第1〜第3角速度センサ4〜6と、加速度センサ7と、マイコン20と、が搭載されている。交換レンズ303には、光学系Oと、補正レンズ9と、第1駆動ユニット10と、第2駆動ユニット12と、ズーム駆動ユニット13と、が搭載されている。
この一眼レフカメラ301であっても、前述のカメラ1と同様の効果を得ることができる。
なお、図32に示す一眼レフカメラ301は一例であり、第1〜第3角速度センサ4〜6、加速度センサ7およびマイコン20などの構成要素は、カメラ本体302および交換レンズ303のうちいずれに設けられていてもよい。
また、カメラ1や一眼レフカメラ301のような撮像装置としては、例えば、静止画撮影のみ可能な装置、動画撮影のみ可能な装置、および静止画撮影および動画撮影が可能な装置が考えられる。
本発明に係るカメラでは、上記の構成を有しているため、像振れ補正性能の向上を図ることができる。このため、本発明は、装置の振れにより像振れが生じ得るデジタルスチルカメラ、デジタル一眼レフカメラおよびデジタルビデオカメラなどのカメラの分野で有用である。
1 カメラ
2 筐体
3 レンズ鏡筒
4 第1角速度センサ(角度取得部の一例)
5 第2角速度センサ(角度取得部の一例)
6 第3角速度センサ(角度取得部の一例)
7 加速度センサ(変位取得部の一例)
8 測距装置
9 補正レンズ(補正光学系の一例)
10 第1駆動ユニット(光学系駆動部の一例)
11 回転駆動ユニット(回転駆動部の一例)
12 第2駆動ユニット(光学系駆動部の一例)
13 ズーム駆動ユニット
20 マイコン
21 補正演算部
22 駆動制御部
23 変位量演算部(変位取得部の一例)
24 角度演算部(角度取得部の一例)
240 センサ駆動ユニット(撮像素子駆動部の一例)
301 一眼レフカメラ(カメラシステムの一例)
302 カメラ本体
303 交換レンズ

Claims (7)

  1. 被写体の光学像を形成する光学系と、
    筐体と、
    前記筐体の動きにより生じる像振れを補正する像振れ補正部と、
    前記筐体の変位量を取得可能な変位取得部と、
    前記筐体に対して前記変位取得部を回転駆動する回転駆動部と、
    前記変位取得部により取得された変位量から前記像振れ補正部での第1補正量を算出する補正演算部と、
    前記回転駆動部の動作を制御するとともに、前記第1補正量に基づいて前記像振れ補正部の動作を制御する駆動制御部と、
    を備えたカメラ。
  2. 前記光学系の光軸に沿った方向から見た場合、前記変位取得部は、前記回転駆動部の回転軸と重なり合っている、
    請求項1に記載のカメラ。
  3. 前記光軸に沿った方向から見た場合、前記変位取得部の検出中心は、前記回転駆動部の回転軸と略一致している、
    請求項2に記載のカメラ。
  4. 前記被写体の光学像を画像信号に変換する撮像素子をさらに備え、
    前記回転駆動部は、前記撮像素子および変位取得部が一体回転可能に設けられた回転体と、前記筐体に対して前記回転体を駆動する回転アクチュエータと、を有しており、
    前記撮像素子は、前記回転体の前記光学系側に配置されており、
    前記変位取得部は、前記回転体の前記撮像素子と反対側に配置されている、
    請求項3に記載のカメラ。
  5. 前記筐体の回転角度を取得可能な角度取得部をさらに備え、
    前記補正演算部は、前記変位取得部の位置を基準として前記角度取得部により取得された回転角度から前記像振れ補正部での第2補正量を算出し、
    前記駆動制御部は、前記第1および第2補正量に基づいて前記像振れ補正部の動作を制御する、
    請求項3に記載のカメラ。
  6. 前記被写体の光学像を画像信号に変換する撮像素子と、
    前記筐体の回転角度を取得可能な角度取得部と、をさらに備え、
    前記像振れ補正部は、前記光学系の光路が変更されるように前記補正光学系を駆動する光学系駆動部と、前記被写体の光学像の受光位置が変更されるように前記筐体に対して前記撮像素子を駆動する撮像素子駆動部と、を有しており、
    前記補正演算部は、前記角度取得部により取得された回転角度から前記像振れ補正部での第2補正量を算出し、
    前記駆動制御部は、前記第1補正量に基づいて前記光学系駆動部の動作を制御するとともに、前記第2補正量に基づいて前記撮像素子駆動部の動作を制御する、
    請求項3に記載のカメラ。
  7. 前記変位取得部とともに前記回転駆動部により駆動され前記被写体の光学像を画像信号に変換する撮像素子と、
    前記筐体の回転角度を取得可能な角度取得部と、をさらに備え、
    前記駆動制御部は、前記角度取得部により取得された回転角度に基づいて前記筐体に対して前記撮像素子が回転駆動されるように、前記回転駆動部の動作を制御する、
    請求項3に記載のカメラ。
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