JPWO2009041294A1 - 積層帯域通過フィルタ - Google Patents

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Abstract

小型・低損失で且つ通過帯域から通過帯域外への減衰が急峻であり、帯域内でのリップルの少ない積層帯域通過フィルタを構成する。接地電極形成層(101)の接地電極(109)とキャパシタ電極形成層(102)のキャパシタ電極(111〜113)との間にそれぞれ容量を形成し、ビア電極(131〜136)および線路電極(116〜118)によって複数のインダクタ電極を構成するとともに、それらのループ面をインダクタ電極の配列方向に見たときにループの面同士が一部で重なるようにする。また、線路電極(117)を、第1の線路電極形成層(104)に形成する。線路電極(116,118)を、第2の線路電極形成層(105)に形成する。

Description

この発明は、複数の誘電体層と複数の電極層とを積層してなる積層帯域通過フィルタに関するものである。
積層帯域通過フィルタが高周波の帯域通過フィルタとして利用されている。積層帯域通過フィルタは、誘電体層と電極層とを積層した積層体内に複数のLC共振器を設けて構成される。このような構成の積層帯域通過フィルタは、小型・低廉化に適している。
従来の積層帯域通過フィルタが特許文献1〜4に開示されている。
図1は、特許文献1の積層帯域通過フィルタの回路図である。
このフィルタでは、コイルとコンデンサとを並列に接続したLC並列共振回路が複数設けられている。各LC並列共振回路は、それぞれ隣接する共振器間のコイル同士で磁気的に結合する。
図2は、同積層帯域通過フィルタの断面図である。
第1の層10−1には、接地電極11が設けられている。第2の層10−2および第3の層10−3には、キャパシタ電極12とコイルパターン13とが印刷形成されている。接地電極11とキャパシタ電極12との間には容量が構成される。2層にわたるコイルパターン13は、ブラインドスルーホール14を介して導通される。これらの接地電極11とキャパシタ電極12とコイルパターン13とブラインドスルーホール14とによりLC並列共振回路が構成される。LC並列共振回路は、第4の層10−4から下の層にもさらに積層される。これにより、複数のLC並列共振回路がコイル間で磁気的に結合される。
特許文献2の積層帯域通過フィルタは、自己共振するコンデンサからなる複数のLC共振器を備える。各LC共振器は、積層体の厚み方向に積層され、電磁気的に結合される。これにより、バンドパスフィルタの設計上必要とするLC共振器間の物理的距離を確保した状態で部品サイズを小型化できる。
特許文献3の積層帯域通過フィルタは、配線層の一部に互いに平行な一対の線路からなるフィルタ線路を備える。第1のフィルタ線路と第2のフィルタ線路とは、互いに異なる回路層で平行に対向する。厚み方向に対向する線路同士は、一端部で電気的に接続され、誘電体層を介して折り返される。
特許文献4の積層帯域通過フィルタは、共振器を構成する2本のストリップラインが同一層に一定間隔で配置される。
特開平4−6911号公報 特開2000−201001号公報 特開2003−198226号公報 国際公開第02/009225号パンフレット
特許文献1の積層帯域通過フィルタは、各LC並列共振器が有するコイルが2層のコイルパターンで形成される。したがって、各LC並列共振器間の磁気的な結合が過度に大きくなる虞がある。また、2層のコイルパターンでコイルが形成される。したがって、コイルのQ値の劣化により、積層帯域通過フィルタの挿入損失が大きくなる問題がある。以上の問題を解決するためには、各LC並列共振器間の距離を十分空ける必要がある。しかしながらその場合、積層帯域通過フィルタの厚み寸法が大きくなる問題がある。
特許文献2の積層帯域通過フィルタは、コンデンサが自己共振する。そのため、キャパシタ電極のキャパシタンス成分と、そのキャパシタ電極が有するインダクタンス成分とでLC共振器が構成される。この場合、所望のインダクタンスを持つ共振器を構成することが難しく、低損失な帯域通過フィルタの特性が得られない問題がある。
特許文献3,4の積層帯域通過フィルタは、小型且つ低損失な帯域通過フィルタを得ることができる。しかし、通過帯域からその帯域外への急峻な減衰特性を得るためには、共振器を多段化し、2段のフィルタを積層方向に積み上げて結合させる必要がある。したがって、多段のフィルタを構成する場合に厚み寸法が大きくなる問題がある。
また、従来の積層帯域通過フィルタでは、積層体内にキャパシタ電極およびインダクタ電極によるLC並列共振器を配置して隣接するインダクタ電極間を誘導結合させた場合、通過帯域での通過特性にリップル(偏差)が生じるという問題がある。
そこで、この発明の目的は、上述の問題を解消して、小型・低損失で且つ通過帯域から通過帯域外への減衰が急峻で、帯域内でのリップルの少ない積層帯域通過フィルタを提供することにある。
(1)この発明の積層帯域通過フィルタは、複数の誘電体層と複数の電極層とを積層した積層体で構成される。また、複数のLC並列共振器を備える。各LC並列共振器は、接地電極およびキャパシタ電極とインダクタ電極とを接続してそれぞれ構成される。接地電極およびキャパシタ電極は、いずれかの電極層に形成される。インダクタ電極は、キャパシタ電極の形成された電極層とは異なる電極層を経由してキャパシタ電極との接続点を始点とし、接地電極との接続点を終点とし、積層体の積層方向に垂直な方向から見てループ状に形成される。複数のLC並列共振器のうちの少なくとも2つは、それぞれのインダクタ電極が経由する電極層が相違する。
(2)それぞれのインダクタ電極が経由する電極層が相違する2つのLC並列共振器は、誘電体層と電極層との積層方向に垂直な配列方向に配列される。また、2つのLC並列共振器それぞれのインダクタ電極は、配列方向から見てループが重なるように形成される。
(3)2つのLC並列共振器は、それぞれのインダクタ電極のループの方向が互いに逆である。
(4)2つのLC並列共振器は、配列方向に隣接して配置される。また、2つのLC並列共振器のうち少なくとも一方は、入力段または出力段の共振器である。
(5)2つのLC並列共振器それぞれのインダクタ電極は、ビア電極と線路電極とを含んで構成される。ビア電極は、誘電体層と電極層との積層方向に延びる。線路電極は、電極層を通る。
(6)2つのLC並列共振器それぞれの線路電極は、積層方向から見てループ状に重なるように形成されている。
(7)2つのLC並列共振器のうち少なくとも一方の線路電極は、ミアンダライン形状またはコの字形状である。
(8)入力段のLC並列共振器に接続された入力電極、および、出力段のLC並列共振器に接続された出力電極、のうち少なくとも一方を、線路電極とキャパシタ電極との間のビア電極に接続した。
(9)飛び結合用のキャパシタ電極を備える。飛び結合用のキャパシタ電極は、2つのLC並列共振器の一方のキャパシタ電極に一端が対向し、2つのLC並列共振器の他方のキャパシタ電極に他端が対向する。
(10)入力段のLC並列共振器のキャパシタ電極と出力段のLC並列共振器のキャパシタ電極とは、同一の電極層にて隣接する。
(1)2つのLC並列共振器を構成するインダクタ電極が、それぞれ異なる電極層を経由することにより、積層帯域通過フィルタが小型・低背の場合でも、各電極層にてインダクタ電極の専有面積を大きくできる。したがって、各インダクタ電極の電極形状や電極幅、電極長の設計自由度が高まる。具体的には、電極長を長くすることによりインダクタンスを高めることができ、電極幅を広くすることによりインダクタのQ値を高められる。これにより、所望のインダクタンスを有する共振器を構成して、所望の通過帯域で低挿入損失の積層帯域通過フィルタを実現できる。
(2)2つのLC並列共振器それぞれのループ面が配列方向を向き、積層体を配列方向から見てループが重なるように構成したことにより、これらのLC並列共振器が結合する。この場合では、ループ面の間隔によって、共振器間の誘導結合を任意に調整できる。
(3)2つのLC並列共振器のループの方向が互いに逆方向であることにより、通過帯域での通過特性のリップルが抑えられ、良好な帯域通過特性が得られる。
(4)2つのLC並列共振器が、入出力段の共振器と隣接する共振器とを構成することにより、これらのLC並列共振器のインダクタンスの設定の自由度が高まる。仮に、これらのLC並列共振器のインダクタ電極が同一電極層を経由する場合、電極層の限られた領域内にしかインダクタ電極を形成できない。しかしながら、共振器の経由する電極層を相違させることにより、共振器の経由する電極層における各インダクタ電極を形成可能な領域が極めて広くなる。したがって、これらのLC並列共振器のインダクタンスの設定の自由度が高まる。
(5)線路電極とビア電極とでインダクタ電極が構成されることにより、積層帯域通過フィルタの積層方向の厚みが抑制できる。また、ビア電極の相対位置精度は高いため、積層体のカットズレや、積み重ねズレなどが生じても、インダクタンスやキャパシタンスの変動や、共振周波数のズレを抑制できる。
(6)積層体を積層方向から見て、2つのLC並列共振器の線路電極同士がループ状に重なり合うので、これらLC並列共振器間の結合度(誘導結合)を高められる。したがって、低挿入損失で広帯域化した通過特性の積層帯域通過フィルタを実現できる。
(7)線路電極をミアンダ形状またはコ字形状とすることにより、限られた占有面積内に相対的に長い線路電極を形成できる。そのため、必要なインダクタンスを得るための面積が縮小化でき、積層帯域通過フィルタを全体に小型化できる。また、積層体を積層方向から見て、線路電極同士を重ね合わせることが容易になる。
(8)線路電極とキャパシタ電極との間のビア電極に入出力電極を接続することにより、入出力電極との接続のために余分な電極を引き回す必要が無く、導体損を抑制して高いQ値の共振器の特性を利用できる。
(9)飛び結合用のキャパシタ電極を備えることにより、飛び結合の調整が容易になる。
(10)入力段のLC並列共振器のキャパシタ電極と出力段のLC並列共振器のキャパシタ電極とを隣接させることにより、入力側のLC並列共振器のキャパシタ電極と出力側のLC並列共振器のキャパシタ電極と間の飛び容量を他のキャパシタ電極に影響されずに設定することができる。
特許文献1に示されている積層帯域通過フィルタの回路図である。 同フィルタの断面図である。 第1の実施形態に係る積層帯域通過フィルタの外観斜視図である。 同フィルタの分解斜視図である。 同フィルタの等価回路図である。 同フィルタの通過特性図である。
符号の説明
1…積層帯域通過フィルタ
6…接地端子
7,8…入出力端子
100…積層体
101…接地電極形成層
102…キャパシタ電極形成層
103…入出力電極形成層
104,105…線路電極形成層
106…外層
109…接地電極
111〜113…キャパシタ電極
116〜118…線路電極
121,122…入出力電極
121A,122A…引出電極部
131〜136…ビア電極
151,152…接地接続電極
160…入出力間キャパシタ電極
以下、第1の実施形態に係る積層帯域通過フィルタについて説明する。ここで示すフィルタは、3段のLC並列共振器が結合する帯域通過(バンドパス)型のフィルタである。
図3は同フィルタの外観斜視図である。
積層帯域通過フィルタ1は、積層体100を備える。積層体100は、図中上下方向を積層方向として誘電体層と電極層とを積層したものである。積層体100の積層方向に垂直な4つの側面のうち、短辺を含む2つの側面には入出力端子7,8が設けられている。長辺を含む残る2つの側面には、接地端子6が設けられている。2つの入出力端子7,8の間に接地端子6が存在するので入出力間の信号の不要な結合を遮断できる。
図4は同フィルタの分解斜視図である。
積層体100は、接地電極形成層101、キャパシタ電極形成層102、入出力電極形成層103、第1の線路電極形成層104、第2の線路電極形成層105、および外層106を備える。層101〜106は誘電体層である。また、層101〜105の上面には、電極層を構成する電極が形成されている。したがって、このフィルタは、6つの誘電体層と5つの電極層とで構成され、積層体の端面に、入出力端子と接地端子とを形成したものである。
層101〜105は、それぞれ長辺が1.6mmで、短辺が0.8mm、厚みが0.4mmの矩形板状である。また、層101〜106は、比誘電率εr53.5の低温焼結セラミック(LTCC)で構成される。LTCCは、例えば酸化チタン、酸化バリウム、アルミナ等の成分のうち、少なくとも1つ以上の成分と、ガラス成分とから構成される。なお、線路電極形成層104,105および外層106の比誘電率は6以上80以下の範囲内で有ると好適である。また、キャパシタ電極形成層102の比誘電率は20以上80以下の範囲内で有ると好適である。
接地電極形成層101は、接地電極109と接地接続電極151,152とが上面に形成されている。接地電極109は、層101の平面外形から所定間隔へだてた内側の範囲に、矩形状に形成されている。接地接続電極151,152は、接地電極109から層101の長辺側の側面にまで延びる線路状に形成されて、積層体の端面で接地端子(不図示)に導通する。
キャパシタ電極形成層102は、キャパシタ電極111〜113が上面に形成されている。キャパシタ電極111とキャパシタ電極113とは、図中手前側の長辺のなす両角付近にそれぞれ配置されている。キャパシタ電極112は、図中奥側の長辺の中央付近の、キャパシタ電極111とキャパシタ電極113との間に挟まれない位置に配置されている。なお、キャパシタ電極の電極寸法は、LC並列共振器に必要とされる容量が得られるように設定される。
入出力電極形成層103は、入出力電極121,122と入出力間キャパシタ電極160とが上面に形成されている。入出力電極121,122は、層103の短辺側の側面に接する中央付近に矩形状に形成されていて、積層体の端面で入出力端子(不図示)に導通する。また、入出力電極121,122からは、図中手前方向に引出電極部121A,122Aが引き出されている。引出電極部121A,122Aは、互いに、所定の間隔だけ離れて対向する。入出力間キャパシタ電極160は、引出電極部121A,122Aの間の領域に、引出電極部121A,122Aと所定間隔へだてて形成されている。入出力キャパシタ電極160の両端は、入出力電極形成層103を介してキャパシタ電極111,113に対向する。
第1の線路電極形成層104は、線路電極117が上面に形成されている。線路電極117は、ミアンダライン状に形成されている。
第2の線路電極形成層105は、線路電極116と線路電極118とが上面に形成されている。線路電極116と線路電極118とは、コの字形状に形成されている。
層102〜105は、それぞれ積層方向に延びるビア電極131〜136が内部に形成されている。
ビア電極131は線路電極116の一端116Aとキャパシタ電極111とに導通する。ビア電極132は線路電極116の他端116Bと接地電極109とに導通する。これらのビア電極131と線路電極116とビア電極132とが第1のインダクタ電極を構成する。ビア電極131は入出力電極121の引出電極部121Aにも導通する。
ビア電極135は線路電極118の一端118Aとキャパシタ電極113とに導通する。ビア電極136は線路電極118の他端118Bと接地電極109とに導通する。これらのビア電極135と線路電極118とビア電極136とは第3のインダクタ電極を構成する。ビア電極136は入出力電極122の引出電極部122Aにも導通する。
ビア電極133は線路電極117の一端117Aと接地電極109とに導通する。ビア電極134は線路電極117の他端117Bとキャパシタ電極112とに導通する。これらのビア電極133と線路電極117とビア電極134とは第2のインダクタ電極を構成する。なお、ビア電極133はビア電極131に近接する。また、ビア電極134はビア電極136に近接する。
以上のように積層帯域通過フィルタ1は構成されている。
第1〜第3のインダクタ電極はそれぞれ、一端がキャパシタ電極111〜113に、他端が接地電極109に接続されている。またキャパシタ電極111〜113は、接地電極109と対向する。したがって、第1〜第3のインダクタ電極とキャパシタ電極111〜113との組は、それぞれLC並列共振器を構成する。
第1のインダクタ電極を構成するビア電極131は入出力電極121の引出電極部121Aに導通する。したがって、第1のインダクタ電極とキャパシタ電極111とを含んで構成される共振器は入出力段(入力段)のLC並列共振器となる。
また、第3のインダクタ電極を構成するビア電極136は入出力電極122の引出電極部122Aに導通する。したがって、第3のインダクタ電極とキャパシタ電極113とを含んで構成される共振器は入出力段(出力段)のLC並列共振器となる。
線路電極117は第1の線路電極形成層104に形成され、線路電極116と線路電極118とは第2の線路電極形成層105に形成されている。したがって、各線路電極116〜118の形成可能な占有領域の面積は、これら全てを同一層に配する場合よりも大きい。
また線路電極117はミアンダライン状に形成され、線路電極116と線路電極118とはコの字形状に形成されている。したがって、限られた占有面積内に相対的に長い線路電極を形成できる。そのため、各線路電極116〜118の線路長を確保でき、インダクタンスを所望の値にできる。また、各線路電極116〜118の線路幅も確保して、高いQ値を実現できる。このため、各線路電極116〜118の占有面積を縮小化でき、その分全体に小型化できる。
入出力電極121,122と入力段および出力段のLC並列共振器との結合は、引出電極部121A,122Aとビア電極131,136との接続により行われる。ビア電極131,136は、それぞれLC並列共振器のインダクタ電極を構成する。したがって、入出力電極121,122との接続のために余分な電極を引き回す必要が無く、導体損を抑制して高いQ値の共振器の特性を利用できる。また、入出力電極形成層の厚みを変更することで、インダクタ電極から入出力電極を引き出す位置を任意に変更できる。これにより、所望の入出力インピーダンスを得ることができる。
第1〜第3のインダクタ電極は、インダクタ電極の配列方向から透過して見たとき、それぞれのなすループ面が、少なくとも一部で重なるように配置されている。したがって、隣接するLC並列共振器は、互いに誘導結合する。
また、第1、第2のインダクタ電極は、積層体の積層方向から透過して見たとき、線路電極117の一端117A付近のコの字形状部分と、コの字形状の線路電極116とが、矩形状の領域を囲んで重なるように配置されている。また第2、第3のインダクタ電極は、線路電極117の他端117B付近のコの字形状部分と、コの字形状の線路電極118とが、矩形状の領域を囲んで重なるように配置されている。したがって、隣接するLC並列共振器間の誘導結合は強められる。
キャパシタ電極111とキャパシタ電極112とは、キャパシタ電極形成層102にて、いずれも所定間隔だけ隔てて配置されている。また、キャパシタ電極113とキャパシタ電極112とは、キャパシタ電極形成層102にて、いずれも所定間隔だけ隔てて配置されている。したがって、隣接するLC並列共振器は、互いに容量結合する。
また、キャパシタ電極111とキャパシタ電極113とは、キャパシタ電極形成層102にて、いずれも所定間隔だけ隔てて配置されている。また、キャパシタ電極111とキャパシタ電極113とは、それぞれ入出力間キャパシタ電極160と対向する。したがって、入力段のLC並列共振器と出力段のLC並列共振器とは、互いに容量結合(飛び結合)する。
また、入出力間キャパシタ電極160は引出電極部121A,122Aと近接し、引出電極部121A,122Aはそれぞれ入力段のLC並列共振器と出力段のLC並列共振器とにつながっている。したがって、入出力間キャパシタ電極160と引出電極部121A,122Aとの間に生じる容量が、入力段のLC並列共振器と出力段のLC並列共振器との飛び結合を強める。
このように各キャパシタ電極を配置している。したがって、キャパシタ電極111と112との間に生じる容量、およびキャパシタ電極113と112との間に生じる容量は、キャパシタ電極111と113との間に生じる飛び結合の容量に比べて相対的に小さい。また、キャパシタ電極111と112との間に生じる容量、およびキャパシタ電極113と112との間に生じる容量とは独立に、キャパシタ電極111と113との間に生じる飛び結合の容量を最適な値に定めることができる。
これにより、入出力間キャパシタ電極の有無、形状、形成位置を適切に設計したり、各キャパシタ電極の間隔を適切に設計したりすることで、入出力端子間の容量を自由に設定することができ、通過特性における減衰極の周波数の設計が容易となる。
また、第1〜第3のインダクタ電極による誘導結合は、各インダクタ電極のループ方向による影響を受ける。
ここでのビア電極131〜136と線路電極116〜118とによる各インダクタ電極およびそれらのループ方向は次のような関係となる。
[表1]
________________________________
インダクタ電極 ビア電極 線路電極 ループ方向
________________________________
第1 131,132 116 1
第2 133,134 117 0
第3 135,136 118 1
________________________________
なお、インダクタ電極が形成する「ループ」は、キャパシタ電極とインダクタ電極との接続点を始点とし、接地電極とインダクタ電極との接続点を終点とした、インダクタ電極の経路により形成される。すなわち、キャパシタ電極とビア電極との接続点を始点とし、当該ビア電極、線路電極、別のビア電極との接続経路によりループは形成される。
また、「ループ方向」とは、線路電極の配列方向の一方の方向からループを見たとき、そのループの始点からの回り方向である。例えば、入出力電極121側から入出力電極122に向かって、各インダクタ電極が形成するループを見たとき、第1のインダクタ電極は、キャパシタ電極111とビア電極131との接続点(始点)−ビア電極131−線路電極116−ビア電極132との接続経路でループを形成していて、当該第1のインダクタ電極によるループの方向は左回りである。第2のインダクタ電極は、キャパシタ電極112とビア電極134との接続点(始点)−ビア電極134−線路電極117−ビア電極133との接続経路でループを形成していて、当該第2のインダクタ電極によるループ方向は右回りである。第3のインダクタ電極は、キャパシタ電極113とビア電極135との接続点(始点)−ビア電極135−線路電極118−ビア電極136との接続経路でループを形成していて、当該第3のインダクタ電極によるループの方向は左回りである。ここで、ループの方向は左回り、右回りの2方向しかないので、一方の方向を「1」,他方を「0」で表している。
表1に示した3つ(3段)のLC並列共振器の各共振器間の結合の極性は、帯域通過フィルタの入力側から出力側にかけて順に表すと、〈101〉と表現できる。
このように入力側LC並列共振器のインダクタ電極(第1のインダクタ電極)によるループの方向と、それに隣接するLC並列共振器のインダクタ電極(第2のインダクタ電極)によるループの方向とは互いに逆である。また、出力側LC並列共振器のインダクタ電極(第3のインダクタ電極)によるループの方向と、それに隣接するLC並列共振器のインダクタ電極(第2のインダクタ電極)によるループの方向とは互いに逆である。このように、隣接するLC並列共振器同士でインダクタ電極によるループの方向を逆にすることにより、また、特に入力側または出力側LC並列共振器のインダクタ電極とそれに結合するLC並列共振器のインダクタ電極によるループの方向を逆にすることにより、通過帯域のリップルを小さくすることができる。
また、線路電極とキャパシタ電極と接地電極とをビア電極にて接続するが、ビア電極の位置精度は高いため、積層体のカットズレや、積み重ねズレなどが生じても、キャパシタンスやインダクタンスの特性変動や、共振周波数のズレを低減できる。
次に、積層帯域通過フィルタ1の回路を説明する。
図5は同フィルタの回路図である。
入力端子INは、入出力電極121が導通する入出力端子7に対応し、出力端子OUTは入出力電極122が導通する入出力端子8に対応する。
インダクタL1は線路電極116とビア電極131,132により構成されるインダクタ電極により生じるインダクタンスを記号化したものである。インダクタL2は線路電極117とビア電極133,134により構成されるインダクタ電極により生じるインダクタンスを記号化したものである。インダクタL3は線路電極118とビア電極135,136により構成されるインダクタ電極により生じるインダクタンスを記号化したものである。各インダクタ電極のループ方向の組合わせは、〈101〉である。
キャパシタC1,C2,C3はキャパシタ電極111、112、113と接地電極109との間に生じる容量を記号化したものである。キャパシタC12はキャパシタ電極111と112との電極間間隙に生じる容量を記号化したものである。キャパシタC23はキャパシタ電極112と113との電極間間隙に生じる容量を記号化したものである。キャパシタC13はキャパシタ電極111と113との電極間間隙に生じる容量、入出力間キャパシタ電極160と引出電極部121A,122Aとの電極間間隙に生じる容量、および入出力間キャパシタ電極160の両端部分とキャパシタ電極111,113との間に生じる容量の合成容量を記号化したものである。
また、インダクタ電極116〜118におけるループの重なりによって、インダクタL1とL2との間に誘導結合M1、インダクタL2とL3との間に誘導結合M2がそれぞれ生じる。また、ビア電極133がビア電極131に近接し、ビア電極134がビア電極136に近接することにより、これらの近接するビア電極間での誘導結合M1,M2が強められる。
以上の構造により、3段の共振器が、ループ方向〈101〉で誘導結合するとともに、容量C12,C23,C13により容量性結合する。したがって、3段のLC並列共振器から成るバンドパスフィルタとして作用する。
ここでは、各線路電極のパターンは第1の線路電極形成層104および第2の線路電極形成層105でそれぞれの中心に対して点対称に形成している。そのため、等価回路で表した場合の1段目と3段目のLC並列共振器のインダクタL1,L3は等しく、またインダクタL1−L2間の誘導結合M1と、インダクタL2−L3間の誘導結合M2とは等しくなっている。
図6は同フィルタの通過特性(SパラメータのS21特性)である。
この例では、約2300〜2750MHzの周波数帯で通過し、それ以外の周波数帯を遮断する帯域通過特性が得られる。また、約1650MHz付近と約1950MHz付近には減衰極(ポール)が生じている。
この積層帯域通過フィルタ1では、複数のLC並列共振器を交互に逆極性の誘導結合で結合させるとともに、1段目と3段目の共振器間を大きく容量性結合させることによって、通過帯域より高域側の減衰極を高域側に離し、低域側に2つの減衰極付近の減衰量を大きく確保している。このようにして、通過帯域から低域側への減衰特性を急峻にすることができる。
なお、入出力電極の取り出し方は、上記構成に限らず、どのような構成であっても良い。例えば、入出力電極形成層を設けずに第2の線路電極形成層105などから、タップ接続等により直接入出力電極を取り出すようにしても良い。また、隣接するLC並列共振器の段数は、上記構成に限らず、どのような構成であっても良い。例えば、4段や5段に共振器を結合させるようにしてもよい。その際には、共振器間の誘導結合の極性の組み合わせをどのように設定しても良い。
また、この例では線路電極116,118はコの字形状に形成したが、それぞれをミアンダライン状に形成しても良い。これにより等価回路で表した場合の各段のLC並列共振器のインダクタL1,L3のインダクタンスが大きくできる。
なお、以上に示した各実施形態ではキャパシタ電極をキャパシタ電極形成層に形成することによってLC並列共振器のキャパシタを構成したが、チップコンデンサを誘電体層と電極層との積層体に搭載してもよい。
また、以上に示した各実施形態では、共通の接地電極とキャパシタ電極とで容量を生じさせたが、接地電極の代わりに別のキャパシタ電極を別の電極形成層に形成することで、容量を生じさせてもよい。
この発明は、複数の誘電体層と複数の電極層とを積層してなる積層帯域通過フィルタに関するものである。
積層帯域通過フィルタが高周波の帯域通過フィルタとして利用されている。積層帯域通過フィルタは、誘電体層と電極層とを積層した積層体内に複数のLC共振器を設けて構成される。このような構成の積層帯域通過フィルタは、小型・低廉化に適している。
従来の積層帯域通過フィルタが特許文献1〜4に開示されている。
図1は、特許文献1の積層帯域通過フィルタの回路図である。
このフィルタでは、コイルとコンデンサとを並列に接続したLC並列共振回路が複数設けられている。各LC並列共振回路は、それぞれ隣接する共振器間のコイル同士で磁気的に結合する。
図2は、同積層帯域通過フィルタの断面図である。
第1の層10−1には、接地電極11が設けられている。第2の層10−2および第3の層10−3には、キャパシタ電極12とコイルパターン13とが印刷形成されている。接地電極11とキャパシタ電極12との間には容量が構成される。2層にわたるコイルパターン13は、ブラインドスルーホール14を介して導通される。これらの接地電極11とキャパシタ電極12とコイルパターン13とブラインドスルーホール14とによりLC並列共振回路が構成される。LC並列共振回路は、第4の層10−4から下の層にもさらに積層される。これにより、複数のLC並列共振回路がコイル間で磁気的に結合される。
特許文献2の積層帯域通過フィルタは、自己共振するコンデンサからなる複数のLC共振器を備える。各LC共振器は、積層体の厚み方向に積層され、電磁気的に結合される。これにより、バンドパスフィルタの設計上必要とするLC共振器間の物理的距離を確保した状態で部品サイズを小型化できる。
特許文献3の積層帯域通過フィルタは、配線層の一部に互いに平行な一対の線路からなるフィルタ線路を備える。第1のフィルタ線路と第2のフィルタ線路とは、互いに異なる回路層で平行に対向する。厚み方向に対向する線路同士は、一端部で電気的に接続され、誘電体層を介して折り返される。
特許文献4の積層帯域通過フィルタは、共振器を構成する2本のストリップラインが同一層に一定間隔で配置される。
特開平4−6911号公報 特開2000−201001号公報 特開2003−198226号公報 国際公開第02/009225号パンフレット
特許文献1の積層帯域通過フィルタは、各LC並列共振器が有するコイルが2層のコイルパターンで形成される。したがって、各LC並列共振器間の磁気的な結合が過度に大きくなる虞がある。また、2層のコイルパターンでコイルが形成される。したがって、コイルのQ値の劣化により、積層帯域通過フィルタの挿入損失が大きくなる問題がある。以上の問題を解決するためには、各LC並列共振器間の距離を十分空ける必要がある。しかしながらその場合、積層帯域通過フィルタの厚み寸法が大きくなる問題がある。
特許文献2の積層帯域通過フィルタは、コンデンサが自己共振する。そのため、キャパシタ電極のキャパシタンス成分と、そのキャパシタ電極が有するインダクタンス成分とでLC共振器が構成される。この場合、所望のインダクタンスを持つ共振器を構成することが難しく、低損失な帯域通過フィルタの特性が得られない問題がある。
特許文献3,4の積層帯域通過フィルタは、小型且つ低損失な帯域通過フィルタを得ることができる。しかし、通過帯域からその帯域外への急峻な減衰特性を得るためには、共振器を多段化し、2段のフィルタを積層方向に積み上げて結合させる必要がある。したがって、多段のフィルタを構成する場合に厚み寸法が大きくなる問題がある。
また、従来の積層帯域通過フィルタでは、積層体内にキャパシタ電極およびインダクタ電極によるLC並列共振器を配置して隣接するインダクタ電極間を誘導結合させた場合、通過帯域での通過特性にリップル(偏差)が生じるという問題がある。
そこで、この発明の目的は、上述の問題を解消して、小型・低損失で且つ通過帯域から通過帯域外への減衰が急峻で、帯域内でのリップルの少ない積層帯域通過フィルタを提供することにある。
(1)この発明の積層帯域通過フィルタは、複数の誘電体層積層した積層体に構成され、複数のLC並列共振器を備える。各LC並列共振器は接地電極キャパシタ電極、およびインダクタ電極接続してそれぞれ構成される。接地電極は、いずれかの誘電体層上に形成される。キャパシタ電極は、接地電極とは異なる誘電体層上に形成される。インダクタ電極は、線路電極と第1のビア電極と第2のビア電極とを有する。第1のビア電極は、キャパシタ電極と線路電極の第一端とを接続する。第2のビア電極は、接地電極と線路電極の第二端とを接続する。第1のビア電極とキャパシタ電極との接続端をインダクタ電極の始点とし、接地電極と第2のビア電極との接続端インダクタ電極の終点とする線路電極が形成される誘電体層は、接地電極が形成された誘電体層ならびにキャパシタ電極が形成された誘電体層とは異なり、かつ、誘電体層の積層方向に接地電極とキャパシタ電極とに挟まれる領域を除く領域のものとする。ここで、複数のLC並列共振器のうちの少なくとも2つは、それぞれのインダクタ電極の線路電極が形成される誘電体層が相違する。
(2)線路電極が形成される誘電体層が相違する2つのLC並列共振器は、誘電体層と電極層との積層方向に垂直な配列方向に配列される。また、2つのLC並列共振器それぞれのインダクタ電極は、配列方向から見るとそれぞれの前記第1のビア電極と前記線路電極と前記第2のビア電極とにより挟まれる領域が互いに少なくとも一部の領域で重なるように、形成される。
(3)2つのLC並列共振器は、配列方向から見るとそれぞれのインダクタ電極の始点から終点まで右回りで巻く、または左回りで巻くループの方向が互いに逆である。
(4)2つのLC並列共振器は、配列方向に隣接して配置される。また、2つのLC並列共振器のうち少なくとも一方は、入力段または出力段の共振器である。
)2つのLC並列共振器それぞれの線路電極は、積層方向から見ると矩形状に見える領域を囲んで互いに重なるように形成されている。
)2つのLC並列共振器のうち少なくとも一方の線路電極は、積層方向から見るとミアンダライン形状またはコの字形状である。
)入力段のLC並列共振器に接続された入力電極、および、出力段のLC並列共振器に接続された出力電極、のうち少なくとも一方を、線路電極とキャパシタ電極との間のビア電極に接続した。
)飛び結合用の入出力間キャパシタ電極を備える。飛び結合用のキャパシタ電極は、2つのLC並列共振器の一方のキャパシタ電極に一端が対向し、2つのLC並列共振器の他方のキャパシタ電極に他端が対向するようにキャパシタ電極とは異なる誘電体層上に形成される
)入力段のLC並列共振器のキャパシタ電極と出力段のLC並列共振器のキャパシタ電極とは、同一の誘電体層上にて隣接する。
(1)2つのLC並列共振器を構成するインダクタ電極が、それぞれ異なる電極層を経由することにより、積層帯域通過フィルタが小型・低背の場合でも、各電極層にてインダクタ電極の専有面積を大きくできる。したがって、各インダクタ電極の電極形状や電極幅、電極長の設計自由度が高まる。具体的には、電極長を長くすることによりインダクタンスを高めることができ、電極幅を広くすることによりインダクタのQ値を高められる。これにより、所望のインダクタンスを有する共振器を構成して、所望の通過帯域で低挿入損失の積層帯域通過フィルタを実現できる。
また、線路電極とビア電極とでインダクタ電極が構成されることにより、積層帯域通過フィルタの積層方向の厚みが抑制できる。また、ビア電極の相対位置精度は高いため、積層体のカットズレや、積み重ねズレなどが生じても、インダクタンスやキャパシタンスの変動や、共振周波数のズレを抑制できる。
(2)2つのLC並列共振器それぞれのループ面が配列方向を向き、積層体を配列方向から見てループが重なるように構成したことにより、これらのLC並列共振器が結合する。この場合では、ループ面の間隔によって、共振器間の誘導結合を任意に調整できる。
(3)2つのLC並列共振器のループの方向が互いに逆方向であることにより、通過帯域での通過特性のリップルが抑えられ、良好な帯域通過特性が得られる。
(4)2つのLC並列共振器が、入出力段の共振器と隣接する共振器とを構成することにより、これらのLC並列共振器のインダクタンスの設定の自由度が高まる。仮に、これらのLC並列共振器のインダクタ電極が同一電極層を経由する場合、電極層の限られた領域内にしかインダクタ電極を形成できない。しかしながら、共振器の経由する電極層を相違させることにより、共振器の経由する電極層における各インダクタ電極を形成可能な領域が極めて広くなる。したがって、これらのLC並列共振器のインダクタンスの設定の自由度が高まる。
)積層体を積層方向から見て、2つのLC並列共振器の線路電極同士がループ状に重なり合うので、これらLC並列共振器間の結合度(誘導結合)を高められる。したがって、低挿入損失で広帯域化した通過特性の積層帯域通過フィルタを実現できる。
)線路電極をミアンダ形状またはコ字形状とすることにより、限られた占有面積内に相対的に長い線路電極を形成できる。そのため、必要なインダクタンスを得るための面積が縮小化でき、積層帯域通過フィルタを全体に小型化できる。また、積層体を積層方向から見て、線路電極同士を重ね合わせることが容易になる。
)線路電極とキャパシタ電極との間のビア電極に入出力電極を接続することにより、入出力電極との接続のために余分な電極を引き回す必要が無く、導体損を抑制して高いQ値の共振器の特性を利用できる。
)飛び結合用の入出力間キャパシタ電極を備えることにより、飛び結合の調整が容易になる。
)入力段のLC並列共振器のキャパシタ電極と出力段のLC並列共振器のキャパシタ電極とを隣接させることにより、入力側のLC並列共振器のキャパシタ電極と出力側のLC並列共振器のキャパシタ電極と間の飛び容量を他のキャパシタ電極に影響されずに設定することができる。
特許文献1に示されている積層帯域通過フィルタの回路図である。 同フィルタの断面図である。 第1の実施形態に係る積層帯域通過フィルタの外観斜視図である。 同フィルタの分解斜視図である。 同フィルタの等価回路図である。 同フィルタの通過特性図である。
以下、第1の実施形態に係る積層帯域通過フィルタについて説明する。ここで示すフィルタは、3段のLC並列共振器が結合する帯域通過(バンドパス)型のフィルタである。
図3は同フィルタの外観斜視図である。
積層帯域通過フィルタ1は、積層体100を備える。積層体100は、図中上下方向を積層方向として誘電体層と電極層とを積層したものである。積層体100の積層方向に垂直な4つの側面のうち、短辺を含む2つの側面には入出力端子7,8が設けられている。長辺を含む残る2つの側面には、接地端子6が設けられている。2つの入出力端子7,8の間に接地端子6が存在するので入出力間の信号の不要な結合を遮断できる。
図4は同フィルタの分解斜視図である。
積層体100は、接地電極形成層101、キャパシタ電極形成層102、入出力電極形成層103、第1の線路電極形成層104、第2の線路電極形成層105、および外層106を備える。層101〜106は誘電体層である。また、層101〜105の上面には、電極層を構成する電極が形成されている。したがって、このフィルタは、6つの誘電体層と5つの電極層とで構成され、積層体の端面に、入出力端子と接地端子とを形成したものである。
層101〜105は、それぞれ長辺が1.6mmで、短辺が0.8mm、厚みが0.4mmの矩形板状である。また、層101〜106は、比誘電率εr53.5の低温焼結セラミック(LTCC)で構成される。LTCCは、例えば酸化チタン、酸化バリウム、アルミナ等の成分のうち、少なくとも1つ以上の成分と、ガラス成分とから構成される。なお、線路電極形成層104,105および外層106の比誘電率は6以上80以下の範囲内で有ると好適である。また、キャパシタ電極形成層102の比誘電率は20以上80以下の範囲内で有ると好適である。
接地電極形成層101は、接地電極109と接地接続電極151,152とが上面に形成されている。接地電極109は、層101の平面外形から所定間隔へだてた内側の範囲に、矩形状に形成されている。接地接続電極151,152は、接地電極109から層101の長辺側の側面にまで延びる線路状に形成されて、積層体の端面で接地端子(不図示)に導通する。
キャパシタ電極形成層102は、キャパシタ電極111〜113が上面に形成されている。キャパシタ電極111とキャパシタ電極113とは、図中手前側の長辺のなす両角付近にそれぞれ配置されている。キャパシタ電極112は、図中奥側の長辺の中央付近の、キャパシタ電極111とキャパシタ電極113との間に挟まれない位置に配置されている。なお、キャパシタ電極の電極寸法は、LC並列共振器に必要とされる容量が得られるように設定される。
入出力電極形成層103は、入出力電極121,122と入出力間キャパシタ電極160とが上面に形成されている。入出力電極121,122は、層103の短辺側の側面に接する中央付近に矩形状に形成されていて、積層体の端面で入出力端子(不図示)に導通する。また、入出力電極121,122からは、図中手前方向に引出電極部121A,122Aが引き出されている。引出電極部121A,122Aは、互いに、所定の間隔だけ離れて対向する。入出力間キャパシタ電極160は、引出電極部121A,122Aの間の領域に、引出電極部121A,122Aと所定間隔へだてて形成されている。入出力キャパシタ電極160の両端は、入出力電極形成層103を介してキャパシタ電極111,113に対向する。
第1の線路電極形成層104は、線路電極117が上面に形成されている。線路電極117は、ミアンダライン状に形成されている。
第2の線路電極形成層105は、線路電極116と線路電極118とが上面に形成されている。線路電極116と線路電極118とは、コの字形状に形成されている。
層102〜105は、それぞれ積層方向に延びるビア電極131〜136が内部に形成されている。
ビア電極131は線路電極116の一端116Aとキャパシタ電極111とに導通する。ビア電極132は線路電極116の他端116Bと接地電極109とに導通する。これらのビア電極131と線路電極116とビア電極132とが第1のインダクタ電極を構成する。ビア電極131は入出力電極121の引出電極部121Aにも導通する。
ビア電極135は線路電極118の一端118Aとキャパシタ電極113とに導通する。ビア電極136は線路電極118の他端118Bと接地電極109とに導通する。これらのビア電極135と線路電極118とビア電極136とは第3のインダクタ電極を構成する。ビア電極136は入出力電極122の引出電極部122Aにも導通する。
ビア電極133は線路電極117の一端117Aと接地電極109とに導通する。ビア電極134は線路電極117の他端117Bとキャパシタ電極112とに導通する。これらのビア電極133と線路電極117とビア電極134とは第2のインダクタ電極を構成する。なお、ビア電極133はビア電極131に近接する。また、ビア電極134はビア電極136に近接する。
以上のように積層帯域通過フィルタ1は構成されている。
第1〜第3のインダクタ電極はそれぞれ、一端がキャパシタ電極111〜113に、他端が接地電極109に接続されている。またキャパシタ電極111〜113は、接地電極109と対向する。したがって、第1〜第3のインダクタ電極とキャパシタ電極111〜113との組は、それぞれLC並列共振器を構成する。
第1のインダクタ電極を構成するビア電極131は入出力電極121の引出電極部121Aに導通する。したがって、第1のインダクタ電極とキャパシタ電極111とを含んで構成される共振器は入出力段(入力段)のLC並列共振器となる。
また、第3のインダクタ電極を構成するビア電極136は入出力電極122の引出電極部122Aに導通する。したがって、第3のインダクタ電極とキャパシタ電極113とを含んで構成される共振器は入出力段(出力段)のLC並列共振器となる。
線路電極117は第1の線路電極形成層104に形成され、線路電極116と線路電極118とは第2の線路電極形成層105に形成されている。したがって、各線路電極116〜118の形成可能な占有領域の面積は、これら全てを同一層に配する場合よりも大きい。
また線路電極117はミアンダライン状に形成され、線路電極116と線路電極118とはコの字形状に形成されている。したがって、限られた占有面積内に相対的に長い線路電極を形成できる。そのため、各線路電極116〜118の線路長を確保でき、インダクタンスを所望の値にできる。また、各線路電極116〜118の線路幅も確保して、高いQ値を実現できる。このため、各線路電極116〜118の占有面積を縮小化でき、その分全体に小型化できる。
入出力電極121,122と入力段および出力段のLC並列共振器との結合は、引出電極部121A,122Aとビア電極131,136との接続により行われる。ビア電極131,136は、それぞれLC並列共振器のインダクタ電極を構成する。したがって、入出力電極121,122との接続のために余分な電極を引き回す必要が無く、導体損を抑制して高いQ値の共振器の特性を利用できる。また、入出力電極形成層の厚みを変更することで、インダクタ電極から入出力電極を引き出す位置を任意に変更できる。これにより、所望の入出力インピーダンスを得ることができる。
第1〜第3のインダクタ電極は、インダクタ電極の配列方向から透過して見たとき、それぞれのなすループ面が、少なくとも一部で重なるように配置されている。したがって、隣接するLC並列共振器は、互いに誘導結合する。
また、第1、第2のインダクタ電極は、積層体の積層方向から透過して見たとき、線路電極117の一端117A付近のコの字形状部分と、コの字形状の線路電極116とが、矩形状の領域を囲んで重なるように配置されている。また第2、第3のインダクタ電極は、線路電極117の他端117B付近のコの字形状部分と、コの字形状の線路電極118とが、矩形状の領域を囲んで重なるように配置されている。したがって、隣接するLC並列共振器間の誘導結合は強められる。
キャパシタ電極111とキャパシタ電極112とは、キャパシタ電極形成層102にて、いずれも所定間隔だけ隔てて配置されている。また、キャパシタ電極113とキャパシタ電極112とは、キャパシタ電極形成層102にて、いずれも所定間隔だけ隔てて配置されている。したがって、隣接するLC並列共振器は、互いに容量結合する。
また、キャパシタ電極111とキャパシタ電極113とは、キャパシタ電極形成層102にて、いずれも所定間隔だけ隔てて配置されている。また、キャパシタ電極111とキャパシタ電極113とは、それぞれ入出力間キャパシタ電極160と対向する。したがって、入力段のLC並列共振器と出力段のLC並列共振器とは、互いに容量結合(飛び結合)する。
また、入出力間キャパシタ電極160は引出電極部121A,122Aと近接し、引出電極部121A,122Aはそれぞれ入力段のLC並列共振器と出力段のLC並列共振器とにつながっている。したがって、入出力間キャパシタ電極160と引出電極部121A,122Aとの間に生じる容量が、入力段のLC並列共振器と出力段のLC並列共振器との飛び結合を強める。
このように各キャパシタ電極を配置している。したがって、キャパシタ電極111と112との間に生じる容量、およびキャパシタ電極113と112との間に生じる容量は、キャパシタ電極111と113との間に生じる飛び結合の容量に比べて相対的に小さい。また、キャパシタ電極111と112との間に生じる容量、およびキャパシタ電極113と112との間に生じる容量とは独立に、キャパシタ電極111と113との間に生じる飛び結合の容量を最適な値に定めることができる。
これにより、入出力間キャパシタ電極の有無、形状、形成位置を適切に設計したり、各キャパシタ電極の間隔を適切に設計したりすることで、入出力端子間の容量を自由に設定することができ、通過特性における減衰極の周波数の設計が容易となる。
また、第1〜第3のインダクタ電極による誘導結合は、各インダクタ電極のループ方向による影響を受ける。
ここでのビア電極131〜136と線路電極116〜118とによる各インダクタ電極およびそれらのループ方向は次のような関係となる。
[表1]
________________________________
インダクタ電極 ビア電極 線路電極 ループ方向
________________________________
第1 131,132 116 1
第2 133,134 117 0
第3 135,136 118 1
________________________________
なお、インダクタ電極が形成する「ループ」は、キャパシタ電極とインダクタ電極との接続点を始点とし、接地電極とインダクタ電極との接続点を終点とした、インダクタ電極の経路により形成される。すなわち、キャパシタ電極とビア電極との接続点を始点とし、当該ビア電極、線路電極、別のビア電極との接続経路によりループは形成される。
また、「ループ方向」とは、線路電極の配列方向の一方の方向からループを見たとき、そのループの始点からの回り方向である。例えば、入出力電極121側から入出力電極122に向かって、各インダクタ電極が形成するループを見たとき、第1のインダクタ電極は、キャパシタ電極111とビア電極131との接続点(始点)−ビア電極131−線路電極116−ビア電極132との接続経路でループを形成していて、当該第1のインダクタ電極によるループの方向は左回りである。第2のインダクタ電極は、キャパシタ電極112とビア電極134との接続点(始点)−ビア電極134−線路電極117−ビア電極133との接続経路でループを形成していて、当該第2のインダクタ電極によるループ方向は右回りである。第3のインダクタ電極は、キャパシタ電極113とビア電極135との接続点(始点)−ビア電極135−線路電極118−ビア電極136との接続経路でループを形成していて、当該第3のインダクタ電極によるループの方向は左回りである。ここで、ループの方向は左回り、右回りの2方向しかないので、一方の方向を「1」,他方を「0」で表している。
表1に示した3つ(3段)のLC並列共振器の各共振器間の結合の極性は、帯域通過フィルタの入力側から出力側にかけて順に表すと、〈101〉と表現できる。
このように入力側LC並列共振器のインダクタ電極(第1のインダクタ電極)によるループの方向と、それに隣接するLC並列共振器のインダクタ電極(第2のインダクタ電極)によるループの方向とは互いに逆である。また、出力側LC並列共振器のインダクタ電極(第3のインダクタ電極)によるループの方向と、それに隣接するLC並列共振器のインダクタ電極(第2のインダクタ電極)によるループの方向とは互いに逆である。このように、隣接するLC並列共振器同士でインダクタ電極によるループの方向を逆にすることにより、また、特に入力側または出力側LC並列共振器のインダクタ電極とそれに結合するLC並列共振器のインダクタ電極によるループの方向を逆にすることにより、通過帯域のリップルを小さくすることができる。
また、線路電極とキャパシタ電極と接地電極とをビア電極にて接続するが、ビア電極の位置精度は高いため、積層体のカットズレや、積み重ねズレなどが生じても、キャパシタンスやインダクタンスの特性変動や、共振周波数のズレを低減できる。
次に、積層帯域通過フィルタ1の回路を説明する。
図5は同フィルタの回路図である。
入力端子INは、入出力電極121が導通する入出力端子7に対応し、出力端子OUTは入出力電極122が導通する入出力端子8に対応する。
インダクタL1は線路電極116とビア電極131,132により構成されるインダクタ電極により生じるインダクタンスを記号化したものである。インダクタL2は線路電極117とビア電極133,134により構成されるインダクタ電極により生じるインダクタンスを記号化したものである。インダクタL3は線路電極118とビア電極135,136により構成されるインダクタ電極により生じるインダクタンスを記号化したものである。各インダクタ電極のループ方向の組合わせは、〈101〉である。
キャパシタC1,C2,C3はキャパシタ電極111、112、113と接地電極109との間に生じる容量を記号化したものである。キャパシタC12はキャパシタ電極111と112との電極間間隙に生じる容量を記号化したものである。キャパシタC23はキャパシタ電極112と113との電極間間隙に生じる容量を記号化したものである。キャパシタC13はキャパシタ電極111と113との電極間間隙に生じる容量、入出力間キャパシタ電極160と引出電極部121A,122Aとの電極間間隙に生じる容量、および入出力間キャパシタ電極160の両端部分とキャパシタ電極111,113との間に生じる容量の合成容量を記号化したものである。
また、インダクタ電極116〜118におけるループの重なりによって、インダクタL1とL2との間に誘導結合M1、インダクタL2とL3との間に誘導結合M2がそれぞれ生じる。また、ビア電極133がビア電極131に近接し、ビア電極134がビア電極136に近接することにより、これらの近接するビア電極間での誘導結合M1,M2が強められる。
以上の構造により、3段の共振器が、ループ方向〈101〉で誘導結合するとともに、容量C12,C23,C13により容量性結合する。したがって、3段のLC並列共振器から成るバンドパスフィルタとして作用する。
ここでは、各線路電極のパターンは第1の線路電極形成層104および第2の線路電極形成層105でそれぞれの中心に対して点対称に形成している。そのため、等価回路で表した場合の1段目と3段目のLC並列共振器のインダクタL1,L3は等しく、またインダクタL1−L2間の誘導結合M1と、インダクタL2−L3間の誘導結合M2とは等しくなっている。
図6は同フィルタの通過特性(SパラメータのS21特性)である。
この例では、約2300〜2750MHzの周波数帯で通過し、それ以外の周波数帯を遮断する帯域通過特性が得られる。また、約1650MHz付近と約1950MHz付近には減衰極(ポール)が生じている。
この積層帯域通過フィルタ1では、複数のLC並列共振器を交互に逆極性の誘導結合で結合させるとともに、1段目と3段目の共振器間を大きく容量性結合させることによって、通過帯域より高域側の減衰極を高域側に離し、低域側に2つの減衰極付近の減衰量を大きく確保している。このようにして、通過帯域から低域側への減衰特性を急峻にすることができる。
なお、入出力電極の取り出し方は、上記構成に限らず、どのような構成であっても良い。例えば、入出力電極形成層を設けずに第2の線路電極形成層105などから、タップ接続等により直接入出力電極を取り出すようにしても良い。また、隣接するLC並列共振器の段数は、上記構成に限らず、どのような構成であっても良い。例えば、4段や5段に共振器を結合させるようにしてもよい。その際には、共振器間の誘導結合の極性の組み合わせをどのように設定しても良い。
また、この例では線路電極116,118はコの字形状に形成したが、それぞれをミアンダライン状に形成しても良い。これにより等価回路で表した場合の各段のLC並列共振器のインダクタL1,L3のインダクタンスが大きくできる。
なお、以上に示した各実施形態ではキャパシタ電極をキャパシタ電極形成層に形成することによってLC並列共振器のキャパシタを構成したが、チップコンデンサを誘電体層と電極層との積層体に搭載してもよい。
また、以上に示した各実施形態では、共通の接地電極とキャパシタ電極とで容量を生じさせたが、接地電極の代わりに別のキャパシタ電極を別の電極形成層に形成することで、容量を生じさせてもよい。
1…積層帯域通過フィルタ
6…接地端子
7,8…入出力端子
100…積層体
101…接地電極形成層
102…キャパシタ電極形成層
103…入出力電極形成層
104,105…線路電極形成層
106…外層
109…接地電極
111〜113…キャパシタ電極
116〜118…線路電極
121,122…入出力電極
121A,122A…引出電極部
131〜136…ビア電極
151,152…接地接続電極
160…入出力間キャパシタ電極

Claims (10)

  1. 複数の誘電体層と複数の電極層とを積層した積層体で構成される積層帯域通過フィルタであって、
    いずれかの電極層に形成された接地電極およびキャパシタ電極と、前記キャパシタ電極の形成された電極層とは異なる電極層を経由して前記キャパシタ電極との接続点を始点とし、前記接地電極との接続点を終点として、前記積層体の積層方向に垂直な方向から見てループ状に形成されたインダクタ電極と、を接続してそれぞれ構成される複数のLC並列共振器を備え、
    前記複数のLC並列共振器のうちの少なくとも2つは、それぞれのインダクタ電極が経由する電極層が相違する積層帯域通過フィルタ。
  2. それぞれのインダクタ電極が経由する電極層が相違する2つのLC並列共振器は、前記誘電体層と前記電極層との積層方向に垂直な配列方向に配列され、
    前記2つのLC並列共振器それぞれのインダクタ電極は、前記配列方向から見てループが重なるように形成される請求項1に記載の積層帯域通過フィルタ。
  3. 前記2つのLC並列共振器は、それぞれのインダクタ電極のループの方向が互いに逆である請求項2に記載の積層帯域通過フィルタ。
  4. 前記2つのLC並列共振器は、前記配列方向に隣接して配置され、
    前記2つのLC並列共振器のうち少なくとも一方は、入力段または出力段の共振器である請求項2または3に記載の積層帯域通過フィルタ。
  5. それぞれのインダクタ電極が経由する電極層が相違する2つのLC並列共振器は、それぞれのインダクタ電極が、前記誘電体層と前記電極層との積層方向に延びるビア電極と、前記電極層を通る線路電極と、を含んで構成される、請求項1〜4のいずれかに記載の積層帯域通過フィルタ。
  6. 前記2つのLC並列共振器それぞれの線路電極は、前記積層方向から見て、ループ状に重なるように形成される請求項5に記載の積層帯域通過フィルタ。
  7. 前記2つのLC並列共振器のうち少なくとも一方の線路電極は、ミアンダライン形状またはコの字形状である請求項5または6に記載の積層帯域通過フィルタ。
  8. 前記入力段のLC並列共振器に接続された入力電極、および、前記出力段のLC並列共振器に接続された出力電極、のうち少なくとも一方を、前記線路電極と前記キャパシタ電極との間のビア電極に接続した請求項5〜7のいずれかに記載の積層帯域通過フィルタ。
  9. 前記2つのLC並列共振器の一方のキャパシタ電極に一端が対向し、前記2つのLC並列共振器の他方のキャパシタ電極に他端が対向する、飛び結合用のキャパシタ電極を備える請求項2〜8のいずれかに記載の積層帯域通過フィルタ。
  10. 入力段のLC並列共振器のキャパシタ電極と出力段のLC並列共振器のキャパシタ電極とは、同一の電極層にて隣接する請求項2〜9のいずれかに記載の積層帯域通過フィルタ。
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