JPWO2009031406A1 - テトラアザポルフィリン混合物、これを用いた光学フィルター及び表示装置 - Google Patents

テトラアザポルフィリン混合物、これを用いた光学フィルター及び表示装置 Download PDF

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    • C09B67/0034Mixtures of two or more pigments or dyes of the same type

Abstract

各種ディスプレイにおいて発生する特定の波長の余分な光を選択的かつ効率的にカットしてディスプレイの色再現性を向上でき、且つ、ディスプレイ使用環境の外光による画面色の着色を抑制した光学フィルター、及びこれに用いられる新規な物質を提供する。下記一般式(1):〔式中、X1〜X4はそれぞれ独立に、炭素数6以下の第三級飽和炭化水素基であり、Y1〜Y4はそれぞれ独立に、水素原子;フェノキシ基;または所定の置換基を有するフェノキシ基を表す。ただしY1〜Y4のすべてが水素原子であることはない。〕で表されるテトラアザポルフィリン化合物から選ばれ、Y1〜Y4中、水素原子以外の置換基の数が異なる少なくとも2種の化合物を含有してなるテトラアザポルフィリン混合物、およびこれを用いた光学フィルター。

Description

本発明は、テトラアザポルフィリン混合物、及びこれを用いた光学フィルター、表示装置に関する。更に詳しくは、液晶表示装置(LCD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)、陰極管表示装置(CRT)、蛍光表示管、電界放射型ディスプレイ等の発光色の色純度を向上させるために取り付けられる光学フィルター、特にプラズマディスプレイパネル用の光学フィルターに好適に用いられる新規なテトラアザポルフィリン混合物、及びこれを用いた光学フィルター、表示装置に関する。
液晶表示装置(LCD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)、陰極管表示装置(CRT)、蛍光表示管、電界放射型ディスプレイのような画像表示装置は、赤、青、緑の光の三原色の組み合わせでカラー画像を表示する。
しかし、これらディスプレイの三原色光の有する色相・純度では、理想的な色再現性を実現することは非常に困難である。例えば、プラズマディスプレイパネルには、放電ガス成分のネオンの励起や赤色発光の蛍光体よって放出される、波長585〜595nm付近にピークを有する不要な発光が含まれているため、赤表示がオレンジ色がかる問題点を有している。
この不要発光を抑えるために、その波長の光を選択的に吸収する色素を用いることが有効であり、特定波長帯の光線を通さない光学フィルターが提案されている。例えば、特許文献1、2には、シアニン系、スクアリリウム系、アゾメチン系、キサンテン系、オキソノール系、アゾ系等の化合物がこれらの目的に好ましく用いられることが開示されている。特許文献1、2にも記載されているように、余分な発光のカットに使用される光学フィルターは、3原色の表示に有用な発光部分に影響を与えないために、吸収スペクトルのピークがシャープであることが求められている。
テトラアザポルフィリン化合物は、波長570nm〜605nm付近に強い極大吸収を有し、その吸収波長幅が比較的狭いため、近年上記した目的の光学フィルターへの応用が盛んに検討されている(特許文献3〜7)。
例えば、特許文献3、4には、テトラ(tert−ブチル)テトラアザポルフィリン銅錯体(下記化合物A)や、テトラ(tert−ブチル)テトラアザポルフィリンバナジル錯体(下記化合物B)を用いる光学フィルターが開示されている。
Figure 2009031406
Figure 2009031406
また、特許文献7には、上記化合物Aの異性体のうち特定の異性体2種の混合物が、有する吸収帯が特にシャープであるため前記した目的の光学フィルターに特に有用であることが開示されている。
これらのテトラアザポルフィリン化合物を用いた光学フィルターは、不要な光を選択的に除去し必要な光をできるだけ透過し、発光色を改善するのに適したシャープな吸収を有している。しかしながら、ディスプレイの使用環境下において、照明などの光源の種類によってディスプレイの画面色が変化し、不適切に着色してしまう場合がある。その為、使用環境によらずディスプレイ画面が適切な色調となるように、一般的な各光源によるディスプレイ画面色の着色を抑制することが求められている。
特許文献8には、特定のテトラアザポルフィリン化合物を用いた光記録媒体について開示がある。例えば、化合物No.57として下記式化合物(化合物C)の開示があるが、物性等の具体的な記載はない。本発明者等の研究によれば、この化合物Cの異性体混合物を光学フィルター用の色素として用いた場合、吸光係数が低いため目的とする波長帯域の光の遮断が不十分であるばかりでなく、耐光堅牢度が低いという問題があることが分かった。
Figure 2009031406
特開2002−228828号公報 特開2002−328219号公報 特開2002−40233号公報 特許3834479号 特開2004−323481号公報 特開2004−361551号公報 特開2005−120303号公報 特開平9−267562号公報
本発明の課題は、上記従来技術に鑑み、各種ディスプレイにおいて発生する特定の波長の光を選択的且つ効率的にカットしてディスプレイの色再現性を改善し、且つ、ディスプレイ使用環境下において外光によるディスプレイ画面色の着色を抑制した光学フィルター、及びこれに用いられる新規な色素を提供することである。
本発明者等は、上記した課題を解決するために鋭意検討した結果、特定のアザポルフィリン化合物の特定の混合物が、上記した目的にきわめて好適であることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、
(1) 下記一般式(1):
Figure 2009031406
〔式中、X〜Xはそれぞれ独立に、炭素数6以下の第三級飽和炭化水素基であり、Y〜Yはそれぞれ独立に、水素原子;フェノキシ基;または置換基として置換もしくは非置換のアルキル基、置換もしくは非置換のアルコキシ基、置換もしくは非置換のアリールオキシ基またはハロゲン原子を有するフェノキシ基を表す。ただしY〜Yのすべてが水素原子であることはない。〕
で表されるテトラアザポルフィリン化合物から選ばれた少なくとも2種の化合物を含有してなるテトラアザポルフィリン混合物であって、
当該少なくとも2種の化合物が、Y〜Y中、水素原子以外の置換基の数が異なるテトラアザポルフィリン混合物に関する。
(2) X〜Xがtert−ブチル基であり、Y〜Yが水素原子;フェノキシ基;または置換基として炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基またはトリフルオロメチル基を有するフェノキシ基である、(1)に記載のテトラアザポルフィリン混合物が好ましい。
(3) 濃度0.01g /Lトルエン溶液の光路長10mmで測定した吸収スペクトル図において、波長500nm以上700nm以下の範囲における最大の吸収ピークの半値幅が20nm以上45nm未満であることを特徴とする(1)または(2)に記載のテトラアザポルフィリン混合物が好ましい。
(4)さらに、下記式(2):
Figure 2009031406
〔式中、t−Buはtert−ブチル基を表す。〕
のテトラ(tert−ブチル)テトラアザポルフィリン銅錯体を含むことを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載のテトラアザポルフィリン混合物が好ましい。
(5) (1)〜(3)いずれかに記載のテトラアザポルフィリン混合物と、式(2)で表されるテトラ(tert−ブチル)テトラアザポルフィリン銅錯体の含有比が8:2から5:5の範囲であることを特徴とする、(4)に記載のテトラアザポルフィリン混合物が好ましい。
また、本発明は、
(6) (1)〜(5)いずれかに記載のテトラアザポルフィリン混合物を含有する光学フィルターに関する。
(7) プラズマディスプレイパネル用のフィルターである、(6)記載の光学フィルターが好ましい。
(8)(6)または(7)に記載の光学フィルターを具備した表示装置に関する。
さらに、本発明は、
(9) 光学フィルターを具備した表示装置であって、
該光学フィルターの含有する色素は、濃度0.01g/Lトルエン溶液の光路長10mmにて測定した吸収スペクトル図において、波長500nm以上700nm以下の範囲における最大吸収ピークの半値幅が20nm以上45nm未満であり、
外光光源に標準光源F 6、F10、D65を用い、表示画面を黒表示として当該画面の色度をa*b*色座標上にプロットし、各光源下での色度点を結んだ図形の面積が0より大きく10以下である表示装置。
(10)前記いずれの標準光源下においても、黒表示とした表示画面のa*値が0以下である(9)記載の表示装置が好ましい。
(11)光学フィルターに含まれる色素が(1)記載のテトラアザポルフィリン混合物である(9)または(10)に記載の表示装置に関する。
本発明のテトラアザポルフィリン混合物は、グラム吸光係数(εg)が高く、半値幅が適度に広い吸収ピークを波長領域500nm〜700nmの範囲、特に590〜605nm付近に有するため、ディスプレイ、特にプラズマディスプレイにおいて発生する不要な発光を効率よくカットしてディスプレイの色再現性を向上できるとともに、様々な光源下でのディスプレイ画面色の着色を抑制できる光学フィルター、表示装置を得ることができる。
本発明のテトラアザポルフィリン混合物は、下記で定義される。
本発明のテトラアザポルフィリン混合物は、下記一般式(1):
Figure 2009031406

〔式中、X〜Xはそれぞれ独立に、炭素数6以下の第三級飽和炭化水素基であり、Y〜Yはそれぞれ独立に、水素原子;フェノキシ基;または置換基として置換もしくは非置換のアルキル基、置換もしくは非置換のアルコキシ基、置換もしくは非置換のアリールオキシ基またはハロゲン原子を有するフェノキシ基を表す。ただしY〜Yのすべてが水素原子であることはない。〕
で表されるテトラアザポルフィリン化合物から選ばれた少なくとも2種の化合物を含有してなるテトラアザポルフィリン混合物であって、
当該少なくとも2種の化合物が、Y〜Y中、水素原子以外の置換基の数が異なるテトラアザポルフィリン混合物である。
一般式(1)において、X〜Xは炭素数6以下の第三級飽和炭化水素基であり、例としては、tert−ブチル基、1,1−ジメチルプロピル基、1,1−ジメチルブチル基、1,1−ジエチルエチル基、1,1,2−トリメチルプロピル基等が挙げられ、tert−ブチル基が好ましい。
〜Yは、水素原子;フェノキシ基;または置換基として置換もしくは非置換のアルキル基、置換もしくは非置換のアルコキシ基、置換もしくは非置換のアリールオキシ基またはハロゲン原子を有するフェノキシ基であり、水素原子;フェノキシ基;または置換基として炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基またはトリフルオロメチル基を有するフェノキシ基が好ましい。
〜Yが水素原子以外であるものの具体例としては、フェノキシ基、o−トリルオキシ基、p−トリルオキシ基、p−エチルフェニルオキシ基、m−イソブチルフェニルオキシ基、p−t−ブチルフェニルオキシ基、o−メトキシフェニルオキシ基、p−トリフルオロメチルフェニルオキシ基、p−メトキシフェニルオキシ基、p−エトキシフェニルオキシ基、p−フェノキシフェノキシ基、m−クロルフェニルオキシ基、p−ブロモフェニルオキシ基等が挙げられるが、フェノキシ基、o−トリルオキシ基、p−トリルオキシ基、p−エチルフェニルオキシ基、p−t−ブチルフェニルオキシ基、p−トリフルオロメチルフェニルオキシ基、p−メトキシフェニルオキシ基、p−エトキシフェニルオキシ基が好ましく、フェノキシ基、p−トリルオキシ基、p−t−ブチルフェニルオキシ基、p−メトキシフェニルオキシ基、p−トリフルオロメチルフェニルオキシ基が特に好ましい。とりわけ、フェノキシ基が最も好ましい。
本発明のテトラアザポルフィリン混合物は、前記一般式(1)において、Y〜Y中、水素原子以外の置換基の数が異なる少なくとも2種の化合物を含む。
以下に具体的に説明すると、本発明のテトラアザポルフィリン混合物に含まれる化合物として、下記4種の化合物が存在する。
Figure 2009031406
Figure 2009031406
Figure 2009031406
Figure 2009031406
上記各一般式において、Ya、Yb、Yc、Ydはそれぞれ独立に、前記一般式(1)におけるY〜Yのうち水素原子以外の置換基、すなわちフェノキシ基;または置換基として置換もしくは非置換のアルキル基、置換もしくは非置換のアルコキシ基、置換もしくは非置換のアリールオキシ基またはハロゲン原子を有するフェノキシ基を表す。
〜Yの中でも好ましいもの、具体例等は前記したY〜Yの好ましいもの、具体例等から水素原子を除いたものと同じである。
本発明のテトラアザポルフィリン混合物は、前記した4種の化合物のうち少なくとも2種の化合物を含む。
すなわち下記4種に区別される化合物のうち少なくとも2種を含む。
(1)前記[化合物1]
(2)前記[化合物2の異性体1]および/または[化合物2の異性体2]
(3)前記[化合物3]
(4)前記[化合物4]
また、吸収ピークの半値幅特性の点から、これら4種に区別される化合物のうち少なくとも3種を含む混合物が好ましく、4種すべてを含む混合物が特に好ましい。
[化合物2の異性体1]と[化合物2の異性体2]とは吸収ピーク位置に大きな差がないため、これら2つの異性体の混合物はピークがシャープであり、適度の半値幅とするためには更に他の化合物である[化合物1]、[化合物3]および/または[化合物4]を含む必要がある。本発明のテトラアザポルフィリン混合物は、前記[化合物4]を必ず含むものが好ましく、[化合物3]及び[化合物4]を必ず含むものが特に好ましい。また、[化合物4]を、混合物全体の50重量%以上80重量%未満含むものが好ましい。
なお、前記一般式(1)で表されるテトラアザポルフィリン化合物において、上記4種の化合物1〜4にはX〜X、Y〜Yの置換位置が異なる位置異性体が含まれる。
これらの位置異性体は相互の吸収ピーク位置に大差がなく、これら異性体はその混合物であってもピークは比較的シャープである。これに対して、本発明の置換基数(水素原子以外)の異なるテトラアザポルフィリン混合物は吸収ピークが適度にブロードである。
本発明のテトラアザポルフィリン混合物は、その吸収ピークが適度にブロードである特徴を有するため、ディスプレイパネル用の光学フィルターに使用した場合に、ディスプレイ使用環境下における光源によってディスプレイ画面が不適切に着色することを抑制できる光学フィルターが得られる。光源によって画面が着色するのは、光源のもつ演色性が異なるからである。特に三波長蛍光管のように発光ピークの幅が比較的狭い光源を用いると、顕著に着色する場合がある。本発明者等は、吸収ピークが狭すぎると光源の演色性の影響を受けやすいこと、および、テトラアザポルフィリン化合物の混合物が、好適に用いることができることを見出した。
詳細には、本発明のテトラアザポルフィリン混合物は、濃度0.01g
/ Lトルエン溶液の光路長10mmで測定した吸収スペクトル図において、波長500nm以上700nm以下の範囲、好ましくは波長550nm以上650nm以下の範囲、より好ましくは波長570nm以上610nm以下の範囲における最大の吸収ピークの半値幅が好ましくは20nm以上45nm未満、より好ましくは22nm以上40nm未満であり、とりわけ24nm以上38nm未満であることが特に好ましい。
なお、本明細書において半値幅とは半値全幅のことであり、上記吸収スペクトル図において最大吸収ピークにおける吸収係数値(εg)の1/2の値にて引いた横軸に並行な直線と当該ピークとにより形成される2つの交点の間の距離(nm)で表される。
尚、テトラアザポルフィリン混合物を、後述する透明粘着剤や高分子成型体、あるいは、コーティングに用いるバインダー樹脂等に含有させる場合、マトリックスの影響により、テトラアザポルフィリン混合物の吸収ピークの半値幅は1〜5nm程度広がることがある。
テトラアザポルフィリン混合物の吸収ピークの半値幅が20nmより小さいと、光学フィルターに適用したときにマトリックスの影響で半値幅が広がっても、まだ十分に広くないため、特に三波長蛍光管のような光源の演色性に影響を受けやすくなる。光学フィルターとした際、吸収ピークの半値幅が24nm以上であることが好ましい。一方、半値幅が45nmより大きいと、不要な光だけでなく必要な光もカットしてしまうことがある。
また、グラム吸光係数(εg)が小さいと、光学フィルターとした時の耐光性が低下するため、グラム吸光係数(εg)は70,000以上が好ましい。
さらに、光学フィルターとして、表示装置に設置した場合について述べる。
表示装置の表示画面を黒表示とした時、外光光源の種類による表示画面の色変化が少ないことが好ましい。表示画面の色は、a*b*色度で表せる。各外光光源下での表示画面(表示は黒表示)の色度をa*b*色座標上にプロットし、各光源下での色度点を結んだ図形の面積が小さいほど、外光光源が変わることによる表示画面の色変化が少ないと言える。外光光源に標準光源F 6、F10、D65を用いて、表示画面(表示は黒表示)の色度をa*b*色座標上にプロットし、各光源下での色度点を結んだ図形の面積が、0より大きく10以下であることが好ましい。なお、表示光源F
6、F10、D65はCIE標準で規定されている。
本発明のテトラアザポルフィリン混合物とその構成成分である各化合物の具体例を、表1に示す。なお、Y〜Yのうち水素以外の置換基が1分子内に2個導入された化合物は前記[化合物2の異性体1]と[化合物2の異性体2]の2種の異性体が存在するが、表1においては2置換体として同じ化合物No.を付けて扱う。

Figure 2009031406
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Figure 2009031406
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本発明のテトラアザポルフィリン混合物の製造方法について以下に説明する。
反応経路は、下記に示すとおりである。
Figure 2009031406
〔式(1)、式(II )、式(III)において、X〜X、Y〜Yは前記と同義であり、XはX〜Xと同じ基を表し、YはY〜Yと同じ基を表し、nは1〜4の整数を表す。〕
式(II)で示される化合物(II)は、特開2006−321925号公報等に記載の方法に従って製造することができる。例えば、X〜Xがtert−ブチル基である化合物(前記化合物A)は、同号公報実施例3の方法に従って製造できる。
DMF(N,N−ジメチルホルムアミド)等の非プロトン系溶媒中で、化合物(II)を、化合物(II)の3〜7倍モル量、好ましくは3.5〜5倍モル量のN−ブロモコハク酸イミドと40〜120℃、好ましくは60〜80℃で、2〜24時間、好ましくは5〜16時間反応させることにより、式(III)で示される、化合物(III)を得ることができる。
化合物(III)をDMI(1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン)等の非プロトン系溶媒中で、化合物(III)に、化合物(III)の約8倍モル量の芳香族アルコールと約8倍モル量の炭酸カリウム等のアルカリとを加え、100〜180℃、好ましくは130〜160℃で2〜12時間、好ましくは4〜8時間反応させことにより得ることができる。ここで芳香族アルコールはY−Hで表されYで表される基が異なる芳香族アルコールを数種混合使用することにより、Y〜Yで表される基が一分子内で異なる、式(1)の化合物を製造することができる。
なお、上記反応条件での製造の場合、化合物(III)は臭素原子の導入数が異なる化合物が生成し、通常これらの混合物として得られる。
この化合物(III)で臭素導入数が異なる化合物の混合物を使用して反応を行うと、臭素原子の置換反応であるので、本発明のテトラアザポルフィリン混合物を直接製造することができる。
また、前記テトラアザポルフィリン混合物中の4種化合物の組成比は、上記製造法における臭素原子導入数の異なる化合物(III)の混合比に大きく影響される。上記の反応条件下、とりわけ好ましい条件にて反応を行うことにより、前記4種の化合物を本発明の目的上好ましい組成比で含むテトラアザポルフィリン混合物が得られる。
得られた生成物は必要に応じカラムクロマトグラフィー等の公知の方法により精製することができる。
また、構造の確認、同定等の目的のために、本発明のテトラアザポルフィリン混合物中の各々の化合物をシリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィー等の分離方法により単品として得ることができる。
前記表1における具体例の混合物及び化合物とは、本発明のテトラアザポルフィリン混合物及びこれから単離した単品の化合物を表す。
本発明のテトラアザポルフィリン化合物は、このように下記一般式(1):
Figure 2009031406
〔式中、X〜Xはそれぞれ独立に、炭素数6以下の第三級飽和炭化水素基であり、Y〜Yはそれぞれ独立に、水素原子;フェノキシ基;または置換基として置換もしくは非置換のアルキル基、置換もしくは非置換のアルコキシ基、置換もしくは非置換のアリールオキシ基またはハロゲン原子を有するフェノキシ基を表す。ただしY〜Yのすべてが水素原子であることはない。〕
で表されるテトラアザポルフィリン化合物から選ばれた少なくとも2種の化合物を含有してなるテトラアザポルフィリン混合物であって、
当該少なくとも2種の化合物が、Y〜Y中、水素原子以外の置換基の数が異なるテトラアザポルフィリン混合物であり、光学フィルター用の色素として好適であるが、更に前記化合物(II)を特定の割合で含んでいることも好ましい。
化合物(II)としては、下記式(2)のテトラ(tert−ブチル)テトラアザポルフィリン銅錯体(前記化合物A)が特に好ましい。
Figure 2009031406
〔式中、t−Buはtert−ブチル基を表す。〕
一般式(1)のテトラアザポルフィリン化合物から選ばれた少なくとも2種の化合物を含有してなる前記混合物と、式(2)のテトラ(tert−ブチル)テトラアザポルフィリン銅錯体を併用する場合の含有比は、前者:後者の重量比で8:2〜5:5が好ましく、7.5:2.5〜6:4が特に好ましい。
上記比率で併用したテトラアザポルフィリン混合物は、特定の波長領域に適切な半値幅の吸収ピークを有することから、ディスプレイの色再現性向上ができ、且つ、光源による演色性の違いの影響を受け難いので、光学フィルター用の色素として特に好適である。
本発明の光学フィルターは、光学フィルター構成する部材中に本発明の上記テトラアザポルフィリン混合物を含有してなるもので、本発明でいう部材中に含有するとは、部材の基材内部に含有されることは勿論、基材の表面に塗布した状態、基材と基材の間に挟まれた状態等を意味する。
上記テトラアザポルフィリン混合物を用いて本願の光学フィルターを作製する方法としては、従来公知のあらゆる技術を用いることができる。特に限定されるものではないが、例えば、(1)透明粘着剤に含有させる方法、(2)高分子成形体へ含有させる方法、(3)高分子成形体又はガラス表面にコーティングする方法等が挙げられる。
(1)に挙げた透明粘着剤の具体的な例としては、アクリル系粘着剤、シリコン系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ポリビニルブチラール粘着剤(PVB)、エチレン−酢酸ビニル系粘着剤(EVA)等、ポリビニルエーテル、飽和無定形ポリエステル、メラミン樹脂等が挙げられ、各部材間のラミネート、あるいは光学フィルターとディスプレイのラミネートに使用できる。硬化前あるいは溶剤揮散前の液状の粘着剤に、テトラアザポルフィリン混合物を含有せしめ、部材上に塗布することによって形成するか、離型フィルム上に塗布してシート状の粘着剤として、離型フィルムを剥がしてから部材上に貼り合せることによって形成する。塗工方法としては、バーコート法、リバースコート法、グラビアコート法、ダイコート法、ロールコート法等の従来公知の方法が挙げられるが、特に限定されない。粘着剤層の厚さは、特に限定されるものではないが、通常1〜50μmである。
(2)に挙げた高分子成形体へ含有させる方法としては、(A)樹脂にテトラアザポルフィリン混合物を混練し、加熱成形する方法と(B)樹脂または樹脂モノマーの有機溶剤溶液に、テトラアザポルフィリン混合物を溶解させ、キャスティング成形する方法が挙げられる。
(A)で使用される樹脂としては、板またはフィルム成形した際に、できるだけ透明性の高いものが好ましく、具体的にはポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリエチレンナフタレート、ポリアリレート、ポリエーテルケトン、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン6等のポリアミド、ポリイミド、トリアセチルセルロース等のセルロース樹脂、ポリウレタン、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂、ポリ塩化ビニル等のビニル化合物、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、ポリアクリロニトリル、ビニル化合物の付加重合体、ポリメタクリル酸、ポリメタクリル酸エステル、ポリ塩化ビニリデン等のビニリデン化合物、フッ化ビニリデン/トリフルオロエチレン共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体等のビニル化合物又はフッ素系化合物の共重合体、ポリエチレンオキシド等のポリエーテル、エポキシ樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール等を挙げることができる。ここでいうところの透明性の高いものとは、波長400〜700nmにおける光線透過率が40%以上を意味する。
加工条件としては、用いるテトラアザポルフィリン混合物、ベース樹脂によって、加工温度、フィルム化条件等が多少異なるが、テトラアザポルフィリン混合物をベース樹脂の粉体或いはペレットに添加し、150〜350℃に加熱、溶解させた後、成形して、厚さ0.2〜10mmの板を作製する方法、押し出し機でフィルム化する方法、押し出し機で原反を作製し、30〜120℃で2〜5倍に1軸乃至2軸に延伸して、10〜200μm厚のフィルムにする方法、等が挙げられる。
尚、混錬する際に可塑剤等の通常の樹脂成形に用いる添加剤を加えても良い。
(B)のキャスティング法では、樹脂又は樹脂モノマーの有機溶剤溶液に、テトラアザポルフィリン混合物を添加・溶解させ、必要であれば可塑剤、重合開始剤、酸化防止剤を加え、必要とする面状態を有する金型やドラム上へ流し込み、溶剤揮発・乾燥又は重合・溶剤揮発・乾燥させることにより、板又はフィルムを製造することができる。
使用される樹脂としては、脂肪族エステル系樹脂、アクリル系樹脂、メラミン系樹脂、ウレタン樹脂、芳香族エステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、脂肪族ポリオレフィン樹脂、芳香族ポリオレフィン樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニル系変成樹脂(PVA、EVA等)或いはそれらの共重合樹脂の樹脂モノマーが挙げられる。
溶媒としては、ハロゲン系、アルコール系、ケトン系、エステル系、脂肪族炭化水素系、芳香族炭化水素系、エーテル系溶媒、或いはそれらの混合物系等が挙げられる。
(3)に挙げた高分子成形体又はガラス表面にコーティングする方法としては、テトラアザポルフィリン混合物を有機系溶媒及びバインダー樹脂に溶解あるいはまた混合させて塗料化する方法、未着色のアクリルエマルジョン塗料にテトラアザポルフィリン混合物を微粉砕(粒径50〜500nm)したものを分散させてアクリルエマルジョン系水性塗料にする方法等が挙げられる。
バインダー樹脂としては、脂肪族エステル系樹脂、アクリル系樹脂、メラミン系樹脂、ウレタン系樹脂、芳香族エステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、脂肪族ポリオレフィン樹脂、芳香族ポリオレフィン樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニル系変成樹脂(PVB、EVA等)或いはそれらの共重合樹脂等が挙げられる。
溶媒としては、ハロゲン系、アルコール系、ケトン系、エステル系、脂肪族炭化水素系、芳香族炭化水素系、エーテル系溶媒、或いはそれらの混合物系等が挙げられる。
アクリルエマルジョン系水系塗料の場合も、前記と同様に、未着色のアクリルエマルジョン塗料にテトラアザポルフィリン混合物を微粉砕(粒径50〜500nm)したものを分散させて得られる。
塗料中には、酸化防止剤等の、通常塗料に用いるような添加物を加えても良い。
上記の方法で作製した塗料は、透明高分子フィルム、透明樹脂、透明ガラス等の上にバーコーダー、ブレードコーター、スピンコーター、リバースコーター、ダイコーター、或いはスプレー等のコーティング法等で塗膜を形成することにより、該塗膜中にテトラアザポルフィリン混合物を含有させることができる。塗膜の厚さは、特に限定されないが、1〜50μm程度である。
上記(1)〜(3)の方法で添加するテトラアザポルフィリン混合物の添加量は、吸収係数、作製する粘着剤層あるいは高分子成形体あるいはコーティング層の厚み、目的の吸収強度および透過特性等によって決定され、特に制限を受けない。例えば(1)透明粘着剤に含有させる方法においては、粘着剤層の厚みを25μmとする場合、樹脂又は樹脂モノマーの重量に対して、通常、1ppm〜1重量%程度である。
透過特性の調整を目的として、本発明のテトラアザポルフィリン混合物以外の可視光線吸収色素を部材中に含有しても構わない。また、近赤外線カット能の付与あるいは向上を目的に、有機材料または無機材料からなる近赤外線吸収剤を部材中に含有しても構わない。これら色素あるいは近赤外線吸収剤は、本発明のテトラアザポルフィリン混合物と同一層に含まれている必要はなく、複数層存在しても構わない。更にまた、色素の耐久性、光学フィルターとしての耐久性を考慮して、耐久性向上剤や紫外線吸収剤を同一層あるいは異なる層に含有させてもよく、同様の機能を有した層が本発明の光学フィルターに含まれていてもよい。
本発明の光学フィルターは、特にプラズマディスプレイ用として用いるには、電磁波シールド機能、近赤外線遮断機能を有していることが好ましい。これは、プラズマディスプレイは、その構造や動作原理上、漏洩電磁波や近赤外線を発生する為、法規制上および実用使用上、これらの遮蔽が必要な場合があるためである。通常、電磁波を遮蔽する為には、ディスプレイ表面を透光性および導電性を有する電磁波シールド材料で覆う必要がある。必要な導電性としては、要求される電磁波規格やプラズマディスプレイから放射される電磁波の強度にもよるが、面抵抗が10Ω/□以下である事が好ましく、より好ましくは3Ω/□以下である。民生用途等で要求される厳しい電磁波規格の場合は、より高い導電性の電磁波シールド材で覆う必要があり、面抵抗が0.8Ω/□以下であることが好ましく、より好ましくは0.5Ω/□以下、更に好ましくは0.1Ω/□以下である。
電磁波シールド材料としては、金属薄膜、酸化物半導体などからなる透明導電性薄膜、導電性メッシュ、導電性繊維などを用いることができる。中でも、金属薄膜と高屈折率透明薄膜を積層した多層積層膜、銅箔のフォトリソエッチングや印刷パターニングとメッキなどによって得られる導電性メッシュは、好適に用いることができる。これは、金属薄膜と高屈折率透明薄膜を積層した多層積層膜は近赤外線を反射するので、電磁波シールド機能と同時に近赤外線遮蔽機能も併せ持つことが可能であり、導電性メッシュは高い導電性を得ることができるので、高い電磁波シールド機能が得られ、厳しい電磁波規格にも対応することができる為である。
更に本発明の光学フィルターには公知の反射防止層、防眩層、ハードコート層、静電防止層、防汚層、ガスバリア層、紫外線カット層、メッシュ平坦化処理層などの機能層を付加することができる。該機能を有していれば、膜、フィルム、粘着層、及び、その複合体などの任意の形態をとることができる。また、機能層は2層以上形成してもよく、複数の機能を同層に有していても良い。
本発明の光学フィルターは、公知の光学フィルターと同様に加工して、液晶表示装置(LCD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)、陰極管表示装置(CRT)、蛍光表示管、電界放射型ディスプレイ等の色再現性を改善する光学フィルターとして用いることができる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。
(実施例1)
テトラアザポルフィリン混合物No.1の合成
以下の操作によって、前記表1におけるテトラアザポルフィリン混合物No.1を合成した。
テトラ(tert−ブチル)テトラアザポルフィリン銅錯体6.00gとN−ブロモコハク酸イミド7.65gとを、DMF500mL中に加え、69〜71℃で10時間反応させた。反応混合物を水510mL中に排出し、生じた沈殿を濾過した。濾物を温水(80℃)100mLで3回洗浄した。乾燥後、上記テトラアザポルフィリン化合物の臭素化物8.78gを得た。
なお、使用したテトラ(tert−ブチル)テトラアザポルフィリン銅錯体は、特開2006−321925号公報実施例3に記載の方法に従って製造した。
得られたテトラアザポルフィリン化合物の臭素化物8.78gと、フェノール7.23g、炭酸カリウム10.65gをDMI45.8g中に加え、135〜145℃で5時間反応させた。反応混合物を水400mL中に排出し、100℃で1時間攪拌した。析出物を熱時濾過後、70℃の温水100mLで2回洗浄した。乾燥後、前記表1のテトラアザポルフィリン混合物No.1を7.59g得た。
このもののトルエン溶液の吸収スペクトルチャートを図1に示す。
また、この吸収スペクトルチャートにおける最大ピークの吸収極大波長(λmax)、グラム吸光係数(εg)、半値幅を表2に示す。
なお、全実施例、参考例及び比較例において吸収スペクトルの測定は、濃度0.01g/Lのトルエン溶液を、測定機器として(株)日立製作所製U-3500型自記分光光度計を使用し、光路長10mmで行った。
このテトラアザポルフィリン混合物No.1中の、前記表1の化合物No.1−1〜1−4の含有率をLC−MASSにて測定した。なお、No.1−2で表される2種のジフェノキシ置換体は、ほぼ同位置のピークを示した。結果を以下に示す。
化合物1−1:12% 化合物1−2:9% 化合物1−3:17% 化合物1−4:62%
化合物No.1−1〜1−4の単離、同定
テトラアザポルフィリン混合物No.1をシリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:トルエン/ヘプタン=1/1)で分離を行い、化合物No.1−1〜1−4をそれぞれ単離した。結果を下記に示す。
化合物No.1−1(モノフェノキシ置換体)
濃紫色粉末、マススペクトル(M/e):692
トルエン溶液の吸収スペクトル図における最大ピークの吸収極大波長:588.5nm
化合物No.1−2(ジフェノキシ置換体)
濃紫色粉末、マススペクトル(M/e):784
トルエン溶液の吸収スペクトル図における最大ピークの吸収極大波長:592.0nm
化合物No.1−3(トリフェノキシ置換体)
濃紫色粉末、マススペクトル(M/e):876
トルエン溶液の吸収スペクトル図における最大ピークの吸収極大波長:595.5nm
化合物No.1−4(テトラフェノキシ置換体)
濃紫色粉末、マススペクトル(M/e):968
トルエン溶液の吸収スペクトル図における最大ピークの吸収極大波長:598.0nm
(実施例2)
テトラアザポルフィリン混合物No.2の合成
実施例1において、フェノール7.23gの代わりにp−メチルフェノール8.31gを用いた以外は、実施例1と同様の操作を行い、前記表1のテトラアザポルフィリン混合物No.2を8.72g得た。
このもののトルエン溶液の吸収スペクトルチャートを図2に示す。
また、この吸収スペクトルチャートにおける最大ピークの吸収極大波長(λmax)、グラム吸光係数(εg)、半値幅を表2に示す。
このテトラアザポルフィリン混合物中の化合物No.2−1〜2−4の含有率は、化合物2−1:11% 化合物2−2:10% 化合物2−3:19% 化合物2−4:60%であった。
化合物No.2−1〜2−4の単離、同定
テトラアザポルフィリン混合物No.2を実施例1と同様の操作でカラムクロマトグラフィーによる化合物2−1〜2−4の分離を行った。結果を以下に示す。
化合物No.2−1(モノ(p−メチルフェノキシ)置換体)
濃紫色粉末、マススペクトル(M/e):706
トルエン溶液の吸収スペクトル図における最大ピークの吸収極大波長:589.0nm
化合物No.2−2(ジ(p−メチルフェノキシ)置換体)
濃紫色粉末、マススペクトル(M/e):812
トルエン溶液の吸収スペクトル図における最大ピークの吸収極大波長:592.5nm
化合物No.2−3(トリ(p−メチルフェノキシ)置換体)
濃紫色粉末、マススペクトル(M/e):918
トルエン溶液の吸収スペクトル図における最大ピークの吸収極大波長:596.5nm
化合物No.2−4(テトラ(p−メチルフェノキシ)置換体)
濃紫色粉末、マススペクトル(M/e):1024
トルエン溶液の吸収スペクトル図における最大ピークの吸収極大波長:600.0nm
(実施例3)
テトラアザポルフィリン混合物No.3の合成
実施例1において、フェノール7.23gの代わりにp−tert−ブチルフェノール11.54gを用いた以外は、実施例1と同様の操作を行い、前記表1のテトラアザポルフィリン混合物No.3を9.37g得た。
このもののトルエン溶液の吸収スペクトルチャートを、図3に示す。
また、この吸収スペクトルチャートにおける最大ピークの吸収極大波長(λmax)、グラム吸光係数(εg)、半値幅を表2に示す。
このテトラアザポルフィリン混合物中の化合物No.3−1〜3−4の含有率は、化合物3−1:12% 化合物3−2:10% 化合物3−3:18% 化合物3−4:60%であった。
化合物No.3−1〜3−4の単離、同定
テトラアザポルフィリン混合物No.3を実施例1と同様の操作でカラムクロマトグラフィーによる化合物3−1〜3−4の分離を行った。結果を以下に示す。
化合物No.3−1(モノ(p−tert−ブチルフェノキシ)置換体)
濃紫色粉末、マススペクトル(M/e):748
トルエン溶液の吸収スペクトル図における最大ピークの吸収極大波長:589.0nm
化合物No.3−2(ジ(p−tert−ブチルフェノキシ)置換体)
濃紫色粉末、マススペクトル(M/e):896
トルエン溶液の吸収スペクトル図における最大ピークの吸収極大波長:593.0nm
化合物No.3−3(トリ(p−tert−ブチルフェノキシ)置換体)
濃紫色粉末、マススペクトル(M/e):1044
トルエン溶液の吸収スペクトル図における最大ピークの吸収極大波長:597.5nm
化合物No.3−4(テトラ(p−tert−ブチルフェノキシ)置換体)
濃紫色粉末、マススペクトル(M/e):1192
トルエン溶液の吸収スペクトル図における最大ピークの吸収極大波長:601.5nm
(実施例4)
テトラアザポルフィリン混合物No.4の合成
実施例1において、フェノール7.23gの代わりにp−メトキシフェノール9.54gを用いた以外は、実施例1と同様の操作を行い、前記表1のテトラアザポルフィリン混合物No.4を8.31g得た。
このもののトルエン溶液の吸収スペクトルチャートを、図4に示す。
また、この吸収スペクトルチャートにおける最大ピークの吸収極大波長(λmax)、グラム吸光係数(εg)、半値幅を表2に示す。
このテトラアザポルフィリン混合物中の化合物No.4−1〜4−4の含有率は、化合物4−1:11% 化合物4−2:11% 化合物4−3:17% 化合物4−4:61%であった。
化合物No.4−1〜4−4の単離、同定
テトラアザポルフィリン混合物No.4を実施例1と同様の操作でカラムクロマトグラフィーによる化合物4−1〜4−4の分離を行った。結果を以下に示す。
化合物No.4−1(モノ(p−メトキシフェノキシ)置換体)
濃紫色粉末、マススペクトル(M/e):722
トルエン溶液の吸収スペクトル図における最大ピークの吸収極大波長:589.5nm
化合物No.4−2(ジ(p−メトキシフェノキシ)置換体)
濃紫色粉末、マススペクトル(M/e):844
トルエン溶液の吸収スペクトル図における最大ピークの吸収極大波長:594.0nm
化合物No.4−3(トリ(p−メトキシフェノキシ)置換体)
濃紫色粉末、マススペクトル(M/e):966
トルエン溶液の吸収スペクトル図における最大ピークの吸収極大波長:598.5nm
化合物No.4−4(テトラ(p−メトキシフェノキシ)置換体)
濃紫色粉末、マススペクトル(M/e):1088
トルエン溶液の吸収スペクトル図における最大ピークの吸収極大波長:603.0nm
(実施例5)
テトラアザポルフィリン混合物No.5の合成
実施例1において、フェノール7.23gの代わりにp−トリフルオロメチルフェノール12.46gを用いた以外は、実施例1と同様の操作を行い、前記表1のテトラアザポルフィリン混合物No.5を4.98g得た。
このもののトルエン溶液の吸収スペクトルチャートを、図5に示す。
また、この吸収スペクトルチャートにおける最大ピークの吸収極大波長(λmax)、グラム吸光係数(εg)、半値幅を表2に示す。
このテトラアザポルフィリン混合物中の化合物No.5−1〜5−4の含有率は、化合物5−1:11% 化合物5−2:9% 化合物5−3:17% 化合物5−4:63%であった。
化合物No.5−1〜5−4の単離、同定
テトラアザポルフィリン混合物No.5を実施例1と同様の操作でカラムクロマトグラフィーによる化合物5−1〜5−4の分離を行った。結果を以下に示す。
化合物No.5−1(モノ(p−トリフルオロメチルフェノキシ)置換体)
濃紫色粉末、マススペクトル(M/e):760
トルエン溶液の吸収スペクトル図における最大ピークの吸収極大波長:588.0nm
化合物No.5−2(ジ(p−トリフルオロメチルフェノキシ)置換体)
濃紫色粉末、マススペクトル(M/e):920
トルエン溶液の吸収スペクトル図における最大ピークの吸収極大波長:591.5nm
化合物No.5−3(トリ(p−トリフルオロメチルフェノキシ)置換体)
濃紫色粉末、マススペクトル(M/e):1080
トルエン溶液の吸収スペクトル図における最大ピークの吸収極大波長:594.5nm
化合物No.5−4(テトラ(p−トリフルオロメチルフェノキシ)置換体)
濃紫色粉末、マススペクトル(M/e):1240
トルエン溶液の吸収スペクトル図における最大ピークの吸収極大波長:597.5nm
(参考例1)テトラ(tert−ブチル)テトラアザポルフィリン銅錯体(前記化合物A)の合成
Figure 2009031406
特開2006−321925号公報実施例3に従ってテトラ(tert−ブチル)テトラアザポルフィリン銅錯体を合成した。これを比較試験用サンプルに用いた。
化合物Aのトルエン溶液の吸収スペクトルチャートを図6に示す。
また、この吸収スペクトルチャートにおける吸収極大波長(λmax)、グラム吸光係数(εg)、半値幅を表2に示す。
(参考例2)テトラ(tert−ブチル)テトラアザポルフィリンバナジル錯体(前記化合物B)の合成
Figure 2009031406

特開2006−321925号公報実施例2に従ってテトラ(tert−ブチル)テトラアザポルフィリンバナジル錯体を合成した。これを比較試験用サンプルに用いた。
化合物Bのトルエン溶液の吸収スペクトルチャートを図7に示す。
また、この吸収スペクトルチャートにおける最大ピークの吸収極大波長(λmax)、グラム吸光係数(εg)、半値幅を表2に示す。
(参考例3)テトラ(tert−ブチル)テトラ(n−ブトキシ)テトラアザポルフィリン銅錯体(前記化合物C)の合成
テトラ(tert−ブチル)テトラアザポルフィリン銅錯体6.00gとN−ブロモコハク酸イミド21.4gとを、DMF510mL中に加え、69〜71℃で10時間反応させた。反応混合物を、水400mL中に排出し、生じた沈殿を濾過した。濾物を80℃の温水100mLで3回洗浄した。乾燥後、テトラ(tert−ブチル)テトラブロモテトラアザポルフィリン銅錯体9.16gを得た。
得られたテトラブロモ体9.16gとn−ブタノール7.40g、炭酸カリウム13.8gを、DMI45.8g中に加え、135〜145℃で5時間反応させた。反応混合物を水400mL中に排出し、100℃で1時間攪拌した。析出物を熱時濾過後、70℃の温水100mLで2回洗浄した。乾燥後、化合物Cを8.12g得た。なお、ここで得られた化合物Cは、tert−ブチル基とn−ブチルオキシ基に関しての位置異性体の混合物である。
この化合物のトルエン溶液における吸収スペクトルチャートを図8に示す。
また、この吸収スペクトルチャートにおける最大ピークの吸収極大波長(λmax)、グラム吸光係数(εg)、半値幅を表2に示す。
(実施例6)テトラアザポルフィリン混合物No.1とテトラ(tert−ブチル)テトラアザポルフィリン銅錯体とを含むテトラアザポルフィリン混合物の製造
実施例1で得たテトラアザポルフィリン混合物No.1と、参考例1で合成した化合物Aとを、重量比で6:4の割合で均一に混合してテトラアザポルフィリン混合物20gを製造した。
このテトラアザポルフィリン混合物のトルエン溶液の吸収スペクトルチャートを図9に示す。
また、この吸収スペクトルチャートにおける最大ピークの吸収極大波長(λmax)、グラム吸光係数(εg)、半値幅を表2に示す。
(参考例4)テトラ(tert−ブチル)テトラアザポルフィリンバナジル錯体とテトラ(tert−ブチル)テトラアザポルフィリン銅錯体とを含むテトラアザポルフィリン混合物の製造
参考例2で合成した化合物Bと、参考例1で合成した化合物Aとを、重量比で6:4の割合で均一に混合してテトラアザポルフィリン混合物20gを製造した。
このテトラアザポルフィリン混合物のトルエン溶液の吸収スペクトルチャートを図10に示す。
また、この吸収スペクトルチャートにおける最大ピークの吸収極大波長(λmax)、グラム吸光係数(εg)、半値幅を表2に示す。
Figure 2009031406
(実施例7)
酢酸エチル/トルエン(50:50重量%)混合溶剤に、実施例6で作製した、テトラアザポルフィリン混合物No.1とテトラ(tert−ブチル)テトラアザポルフィリン銅錯体の6:4混合物を、濃度が2040ppmになるように溶解させ、アクリル系粘着剤用の色素入り希釈剤とした。アクリル系粘着剤と、この色素入り希釈剤を重量比で80:20となるように混合し、バッチ式ダイコーターでポリエチレンテレフタレートフィルム[帝人デュポンフィルム(株)製、厚さ75μm]上に乾燥膜厚25μmとなるように塗工し、乾燥させて光学フィルターを作製した。
なお、実施例7、8、及び比較例1乃至3において、光学フィルター作製の際の色素配合量は、色素による最大吸収波長における光学フィルターの透過率が、同じ25%となるようにしたものである。
この光学フィルターの波長領域300〜800nmの透過スペクトルを、分光光度計((株)島津製作所製 UV−3100)を用いて測定し、テトラアザポルフィリン混合物No.1とテトラ(tert−ブチル)テトラアザポルフィリン銅錯体の6:4混合物による最大吸収ピークの半値幅を測定したところ、33nmであった。
(実施例8)
実施例7において、テトラアザポルフィリン混合物No.1とテトラ(tert−ブチル)テトラアザポルフィリン銅錯体の6:4混合物の代わりに、実施例2で作製したテトラアザポルフィリン混合物No.2を濃度が2020ppmになるように溶解させた以外は、実施例7と同様の操作を行って、光学フィルターを作製した。
実施例7と同様に、この光学フィルターの透過スペクトルを測定し、テトラアザポルフィリン混合物No.2の最大吸収ピークの半値幅を測定したところ、25nmであった。
(比較例1)
実施例7において、テトラアザポルフィリン混合物No.1とテトラ(tert−ブチル)テトラアザポルフィリン銅錯体の6:4混合物の代わりに、参考例1で合成した化合物Aを濃度が1100ppmになるように溶解させた以外は実施例7と同様の操作を行って、光学フィルターを作製した。
実施例7と同様に、この光学フィルターの透過スペクトルを測定し、化合物Aによる最大吸収ピークの半値幅を測定したところ、18nmであった。
(比較例2)
実施例7において、テトラアザポルフィリン混合物No.1とテトラ(tert−ブチル)テトラアザポルフィリン銅錯体の6:4混合物の代わりに、参考例2で合成した化合物Bを濃度が1150ppmになるように溶解させた以外は実施例7と同様の操作を行って、光学フィルターを作製した。
実施例7と同様に、この光学フィルターの透過スペクトルを測定し、化合物Bによる最大吸収ピークの半値幅を測定したところ、19nmであった。
(比較例3)
実施例7において、テトラアザポルフィリン混合物No.1とテトラ(tert−ブチル)テトラアザポルフィリン銅錯体の6:4混合物の代わりに、参考例4で製造したテトラ(tert−ブチル)テトラアザポルフィリンバナジル錯体とテトラ(tert−ブチル)テトラアザポルフィリン銅錯体の6:4混合物を濃度が1270ppmになるように溶解させた以外は実施例7と同様の操作を行って、光学フィルターを作製した。
実施例7と同様に、この光学フィルターの透過スペクトルを測定し、テトラ(tert−ブチル)テトラアザポルフィリンバナジル錯体とテトラ(tert−ブチル)テトラアザポルフィリン銅錯体の6:4混合物による最大吸収ピークの半値幅を測定したところ、22nmであった。
実施例7および実施例8で作製した本発明の光学フィルターと、比較例1乃至3で作製した光学フィルターを、42型プラズマディスプレイパネル(PDP)に装着し、光学フィルターの効果を評価した。
ディスプレイの色再現性向上能については、分光放射輝度計(コニカミノルタホールディングス(株)社製 CS−1000)を用いて、RGB3原色表示の各色度座標(x、y)を測定した。色再現範囲は、RGB表示色度点をxy色座標上で結んだ三角形の面積で表せ、光学フィルター無しの場合のRGB表示色度点からなる三角形の面積に対してどのくらいか広がっているかを、面積比にて比較した。結果を表3に示す。
Figure 2009031406
表3から明らかなように、PDPのみと比べて、実施例7および実施例8、さらには比較例1乃至3の光学フィルターを装着することによって、ディスプレイの色再現性が向上した。特に、PDPの赤表示に含まれるオレンジ色の発光と、緑表示に含まれる黄緑色の発光を、選択に除去することにより、赤表示の色度と緑表示の色度が改善した。
各種光源の外光下におけるディスプレイ画面の着色については、ディスプレイを黒表示にし、分光測色計(コニカミノルタホールディングス(株)製 CM−2600d)を用いて、代表的な標準光源であるF6、F10、D65光源下でのディスプレイ画面の色度(a*、b*)の変化により評価した。この際、画面上での光源の照度は150ルクスに調整した。外光光源が変わることによる色変化が少なく、また、不適切な赤みを帯びないほど(不適切な赤みを帯びた場合は、a*値が正の値になる)、好ましい。光源による色変化の大きさは、各光源下での画面の色度点をa*b*色座標上で結んだ図形(3種の光源で比較の場合は、三角形)の面積で表せる。評価結果を表4に示す。ここで、比較例1の光学フィルターを装着した場合の面積を100として、面積比を示す。
Figure 2009031406
表4から明らかなように、実施例7および実施例8の光学フィルター装着時の各光源下での色変化量は、比較例1乃至3の光学フィルターを装着時に比べ、小さく、外光光源の演色性の影響を受け難かった。また、比較例1乃至3の光学フィルターは、F10光源下においてa*値が正の値であり、赤みを帯びた画面となった。比較例1の光学フィルターは、F6光源、F10、D65光源のいずれも光源下においても、a*値が正の値であり、赤みを帯びた画面となった。
(実施例9)
実施例7で作製した光学フィルターを紫外線カットアクリル板[厚さ2mm]にアクリル系透明粘着剤[厚さ25μm]を介して貼合した。
該光学フィルター付きアクリル板について、分光光度計((株)島津製作所製 UV−3100)にて光線透過率を測定した。最大吸収波長595nmにおける光線透過率は24.8%であった。
該光学フィルター付きアクリル板のアクリル板面側にキセノンランプ[照射強度50mW/cm]を照射して耐光性試験を行ったところ、1000時間後の波長599nmでの透過率は24.0%であり、光学フィルターの劣化はほとんど見られなかった。
(比較例4)
実施例7において、テトラアザポルフィリン混合物No.1とテトラ(tert−ブチル)テトラアザポルフィリン銅錯体の6:4混合物の代わりに、参考例3で合成した化合物Cを使用した以外は実施例7と同様に光学フィルターを作製した。この光学フィルターを紫外線カットアクリル板[厚さ2mm]にアクリル系透明粘着剤[厚さ25μm]を介して貼合した。
該フィルター付きアクリル板について、分光光度計((株)島津製作所製 UV−3100)にて光線透過率を測定した。最大吸収波長595nmにおける光線透過率は36.5%であった。
該光学フィルター付きアクリル板のアクリル板面側にキセノンランプ[照射強度50mW/cm] を照射して耐光性試験を行ったところ、1000時間後の波長596nmでの透過率は64%であり、光学フィルターの劣化が見られた。
本発明によれば、各種ディスプレイ、特にプラズマディスプレイにおいて発生する不要な発光を選択的且つ効率的にカットするとともに、演色性の異なる各光源下でディスプレイ画面色の着色を抑制できる、テトラアザポルフィリン混合物及び該混合物を用いた光学フィルターを提供することができる。
実施例1で合成したテトラアザポルフィリン混合物No.1の吸収スペクトル図である。 実施例2で合成したテトラアザポルフィリン混合物No.2の吸収スペクトル図である。 実施例3で合成したテトラアザポルフィリン混合物No.3の吸収スペクトル図である。 実施例4で合成したテトラアザポルフィリン混合物No.4の吸収スペクトル図である。 実施例5で合成したテトラアザポルフィリン混合物No.5の吸収スペクトル図である。 参考例1で合成した化合物Aの吸収スペクトル図である。 参考例2で合成した化合物Bの吸収スペクトル図である。 参考例3で合成した化合物Cの吸収スペクトル図である。 実施例6で製造したテトラアザポルフィリン混合物の吸収スペクトル図である。 参考例4で製造したテトラアザポルフィリン混合物の吸収スペクトル図である。

Claims (11)

  1. 下記一般式(1):
    Figure 2009031406
    〔式中、X〜Xはそれぞれ独立に、炭素数6以下の第三級飽和炭化水素基であり、Y〜Yはそれぞれ独立に、水素原子;フェノキシ基;または置換基として置換もしくは非置換のアルキル基、置換もしくは非置換のアルコキシ基、置換もしくは非置換のアリールオキシ基またはハロゲン原子を有するフェノキシ基を表す。ただしY〜Yのすべてが水素原子であることはない。〕
    で表されるテトラアザポルフィリン化合物から選ばれた少なくとも2種の化合物を含有してなるテトラアザポルフィリン混合物であって、
    当該少なくとも2種の化合物が、Y〜Y中、水素原子以外の置換基の数が異なるテトラアザポルフィリン混合物。
  2. 〜Xがtert−ブチル基であり、Y〜Yが水素原子;フェノキシ基;または置換基として炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基またはトリフルオロメチル基を有するフェノキシ基である、請求項1に記載のテトラアザポルフィリン混合物。
  3. 濃度0.01g / Lトルエン溶液の光路長10mmで測定した吸収スペクトル図において、波長500nm以上700nm以下の範囲における最大の吸収ピークの半値幅が20nm以上45nm未満であることを特徴とする請求項1または2に記載のテトラアザポルフィリン混合物。
  4. さらに、下記式(2):
    Figure 2009031406
    〔式中、t−Buはtert−ブチル基を表す。〕
    のテトラ(tert−ブチル)テトラアザポルフィリン銅錯体を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のテトラアザポルフィリン混合物。
  5. 請求項1〜3いずれかに記載のテトラアザポルフィリン混合物と、式(2)で表されるテトラ(tert−ブチル)テトラアザポルフィリン銅錯体の含有比が8:2から5:5の範囲であることを特徴とする、請求項4に記載のテトラアザポルフィリン混合物。
  6. 請求項1〜請求項5いずれかに記載のテトラアザポルフィリン混合物を含有する光学フィルター。
  7. プラズマディスプレイパネル用のフィルターである、請求項6記載の光学フィルター。
  8. 請求項6または7に記載の光学フィルターを具備した表示装置。
  9. 光学フィルターを具備した表示装置であって、
    該光学フィルターの含有する色素は、濃度0.01g/Lトルエン溶液の光路長10mmにて測定した吸収スペクトル図において、波長500nm以上700nm以下の範囲における最大吸収ピークの半値幅が20nm以上45nm未満であり、
    外光光源に標準光源F 6、F10、D65を用い、表示画面を黒表示として当該画面の色度をa*b*色座標上にプロットし、各光源下での色度点を結んだ図形の面積が0より大きく10以下であることを特徴とする表示装置。
  10. 前記いずれの標準光源下においても、黒表示とした表示画面のa*値が0以下である請求項9に記載の表示装置。
  11. 光学フィルターに含まれる色素が請求項1に記載のテトラアザポルフィリン混合物である請求項9または請求項10に記載の表示装置。
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