JP6295507B2 - 白色有機el光源用色補正フィルタ、照明装置及びディスプレイ装置 - Google Patents

白色有機el光源用色補正フィルタ、照明装置及びディスプレイ装置 Download PDF

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Description

本発明は、白色有機EL光源用色補正フィルタ、照明装置及びディスプレイ装置に関する。
近年、照明装置やディスプレイ装置に用いられる白色光源として、有機EL(エレクトロルミネッセンス)素子が注目されている。有機EL素子を用いて白色光を得るための方式としては、R(赤)、G(緑)、B(青)のそれぞれの光を発する発光層を独立させて並べて白色光を得る方式のものや、青色光を発する青色有機EL素子を用いて、青色光を赤色蛍光材料及び緑色蛍光材料に吸収させて赤色光及び緑色光に変換させ、混色により白色光を得る方式のものがある。
図6は、青色有機EL素子を用いて白色光を得る方式を示す模式図である。
図6に示す方式では、基板110の上に陽極120(ITO等の透明電極)が設けられ、その上に青色発光層100(100a、100b、100c)、陰極130(Al等)が設けられる。
青色発光層100aから発せられた青色光は、赤色蛍光材料160に吸収されて赤色光に変換され、青色発光層100bから発せられた青色光は緑色蛍光材料150に吸収されて緑色光に変換される。そして、赤色光、緑色光が青色発光層100cから発せられた青色光と混色されて白色光となる。
特許文献1には、青色有機EL素子に使用されるカラーフィルムが開示されている。このフィルムを用いると青色色純度を向上させることができ、かつ、輝度の低下が小さいとされている。このカラーフィルムは図6において140で示す位置に配置されるものと考えられる。
また、白色光を得る別の方法として、有機EL素子の発光層内に複数種類の蛍光材料をドープして混色により白色光を得る方法がある。
この場合、有機EL素子自体から白色光が発せられるので、このような有機EL素子は白色有機EL素子ということができる。
特開2011−23322号公報
人工光源からの光を用いた場合の物の見え方が、基準光を用いた場合の物の見え方とどれぐらい近いかを示す指標に演色性があり、平均演色評価数(Ra)という指数が知られている。Ra値が高いほど基準光に近い光とされる。
白色有機EL素子を用いて得られる白色光のスペクトルには、590nm付近の領域にオレンジ色を示す光が含まれており、この領域の光の発光強度が高いと演色性が低下するということがある。
そこで、白色光の演色性を向上させることのできる手法が求められていたが、特許文献1に開示された技術は、青色有機EL素子から発せられた青色光の青色色純度を向上させることにしか着目しておらず、白色有機EL素子から得られた白色光の演色性を向上させることについて着目したものではなかった。
そのため、白色有機EL素子を光源とする装置に対して、演色性を向上させることのできる手法が求められていた。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、白色有機EL素子を光源とする装置に用いられる、白色光の演色性を高めるための白色有機EL光源用色補正フィルタを提供することを目的とする。
本発明者らは、白色有機EL素子を光源とする白色光の演色性を高めるための色補正フィルタに用いられる色素の構造について検討したところ、テトラアザポルフィリン化合物が好ましい可視光吸収特性を示すことを見出した。
本発明者らは、上記知見から白色有機EL素子の発光スペクトルに対して最適な色補正フィルタを設計する指針を得て、本発明に想到した。
すなわち、本発明の白色有機EL光源用色補正フィルタは、
白色有機EL素子を光源とする装置に用いられる色補正フィルタであって、
下記一般式(1)で示される構造のテトラアザポルフィリン化合物を少なくとも1種含むことを特徴とする。
Figure 0006295507
(式(1)中、ZとZ、ZとZ、ZとZ及びZとZは、それぞれ独立して、直鎖、分岐若しくは環状のアルキル基、直鎖、分岐若しくは環状のアルコキシ基、置換若しくは無置換のアリール基、置換若しくは無置換のヘテロアリール基、又は、水素原子であり、上記アルキル基及び上記アルコキシ基の水素原子の一部又は全部はハロゲンで置換されていてもよく、ZとZ、ZとZ、ZとZ及びZとZの2つの置換基はそれぞれ互いに異なる。Mは2個の水素原子、2価の金属原子、3価若しくは4価の置換金属原子、又は、オキシ金属である。)
上記構造のテトラアザポルフィリン化合物は、白色有機EL素子から発せられる白色光のスペクトルにおいて590nm付近の領域に存在するオレンジ色を示す光を吸収する特性を有している。そのため、上記テトラアザポルフィリン化合物を含む色補正フィルタを用いることによって、白色有機EL素子からの白色光の演色性を高めることができる。
本発明の白色有機EL光源用色補正フィルタにおいて、上記一般式(1)中、ZとZ、ZとZ、ZとZ及びZとZの2つの置換基のうち、いずれか一方の置換基は、それぞれ独立して、置換若しくは無置換のアリール基であることが望ましい。
本発明の白色有機EL光源用色補正フィルタにおいて、上記一般式(1)中、ZとZ、ZとZ、ZとZ及びZとZの2つの置換基のうち、いずれか一方の置換基は、それぞれ独立して、水素原子以外の置換基を少なくとも1つ有するフェニル基であることがより望ましく、上記フェニル基の2位、4位及び6位のうちの少なくとも1つが、それぞれ独立して、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、メチル基又は3フッ化メチル基で置換されてなることがより望ましい。
本発明の白色有機EL光源用色補正フィルタにおいて、上記一般式(1)中、ZとZ、ZとZ、ZとZ及びZとZの2つの置換基のうち、いずれか一方の置換基は、それぞれ独立して、水素原子の一部又は全部がハロゲンで置換されたアルコキシ基であることが望ましい。
本発明の白色有機EL光源用色補正フィルタにおいて、上記一般式(1)中、ZとZ、ZとZ、ZとZ及びZとZの2つの置換基のうち、いずれか一方の置換基は、炭素数1〜6のアルキル基であることが望ましい。
本発明の白色有機EL光源用色補正フィルタにおいて、上記一般式(1)中、ZとZ、ZとZ、ZとZ及びZとZの2つの置換基のうちいずれか一方の置換基は、t−ブチル基又はシクロヘキシル基であることがより望ましい。
本発明の白色有機EL光源用色補正フィルタにおいては、上記MがCu、Pd、Ni又はCoであることが望ましい。
本発明の白色有機EL光源用色補正フィルタにおいて、上記白色有機EL素子は、少なくとも2色の発光により白色光を得る方式に用いられる白色有機EL素子であることが望ましい。
本発明の白色有機EL光源用色補正フィルタにおいては、上記一般式(1)で示される構造のテトラアザポルフィリン化合物の吸収極大波長が570〜620nmであることが望ましい。
本発明の白色有機EL光源用色補正フィルタは、白色有機EL素子を光源とする照明装置に用いられることが望ましい。
本発明の白色有機EL光源用色補正フィルタは、白色有機EL素子を光源とするディスプレイ装置に用いられることが望ましい。
本発明の照明装置は、本発明の白色有機EL光源用色補正フィルタを備えることを特徴とする。
本発明のディスプレイ装置は、本発明の白色有機EL光源用色補正フィルタを備えることを特徴とする。
本発明の白色有機EL光源用色補正フィルタは、白色有機EL素子を光源とする白色光の演色性を高めるために適した構造の色素を含んでいるため、白色有機EL素子からの白色光の演色性を高めることができる。
また、本発明の照明装置は演色性の高い光を発する照明装置とすることができる。
また、本発明のディスプレイ装置は色再現性が高いディスプレイ装置とすることができる。
図1は、本発明の白色有機EL光源用色補正フィルタの使用例を示す模式図である。 図2は、実施例2及び比較例1において得られる白色有機EL光源Aからの分光スペクトルの比較である。 図3は、実施例5及び比較例1において得られる白色有機EL光源Aからの分光スペクトルの比較である。 図4は、実施例8及び比較例2において得られる白色有機EL光源Bからの分光スペクトルの比較である。 図5は、実施例11及び比較例2において得られる白色有機EL光源Bからの分光スペクトルの比較である。 図6は、青色有機EL素子を用いて白色光を得る方式を示す模式図である。
本発明の白色有機EL光源用色補正フィルタは、
白色有機EL素子を光源とする装置に用いられる色補正フィルタであって、
下記一般式(1)で示される構造のテトラアザポルフィリン化合物を少なくとも1種含むことを特徴とする。
Figure 0006295507
(式(1)中、ZとZ、ZとZ、ZとZ及びZとZは、それぞれ独立して、直鎖、分岐若しくは環状のアルキル基、直鎖、分岐若しくは環状のアルコキシ基、置換若しくは無置換のアリール基、置換若しくは無置換のヘテロアリール基、又は、水素原子であり、上記アルキル基及び上記アルコキシ基の水素原子の一部又は全部はハロゲンで置換されていてもよく、ZとZ、ZとZ、ZとZ及びZとZの2つの置換基はそれぞれ互いに異なる。Mは2個の水素原子、2価の金属原子、3価若しくは4価の置換金属原子、又は、オキシ金属である。)
上記一般式(1)で表されるテトラアザポルフィリン化合物には、4種の異性体が存在する。
例えば、ZとZ、ZとZ、ZとZ及びZとZの2つの置換基のうち、いずれか一方の置換基が2位に置換基Xを有するフェニル基であり、他方の置換基がRで示すアルキル基である場合、下記式(2)〜(5)で示す4種の異性体が存在することになる。
上記一般式(1)は、ZとZ、ZとZ、ZとZ及びZとZの2つの置換基の位置関係が異なる4種類の異性体を全て含むことを意味している。また、本発明の白色有機EL光源用色補正フィルタにはこれらの異性体のうち1つのみが含まれていてもよく、複数種類が混合物として含まれていてもよい。
Figure 0006295507
Figure 0006295507
Figure 0006295507
Figure 0006295507
一般式(1)において、ZとZ、ZとZ、ZとZ及びZとZの2つの置換基はそれぞれ互いに異なる。例えば、式(2)〜(5)に示すように、Zが2位に置換基Xを有するフェニル基であり、ZがRで示すアルキル基である場合、ZとZの関係も同様であり、ZとZのうちの一方の置換基が2位に置換基Xを有するフェニル基であり、他方の置換基がRで示すアルキル基である。
とZの関係も同様であり、ZとZのうちの一方の置換基が2位に置換基Xを有するフェニル基であり、他方の置換基がRで示すアルキル基である。
とZの関係も同様であり、ZとZのうちの一方の置換基が2位に置換基Xを有するフェニル基であり、他方の置換基がRで示すアルキル基である。
〜Zの例として、直鎖、分岐又は環状のアルキル基としては、それぞれ独立して、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、2−メチルブチル基、1−メチルブチル基、neo−ペンチル基、1,2−ジメチルプロピル基、1,1−ジメチルプロピル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、4−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、1−メチルペンチル基、3,3−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、1,1−ジメチルブチル基、3−エチルブチル基、2−エチルブチル基、1−エチルブチル基、1,1,2−トリメチルプロピル基、1−エチル−2−メチルプロピル基、シクロヘキシル基、n−へプチル基、2−メチルヘキシル基、3−メチルヘキシル基、4−メチルヘキシル基、5−メチルヘキシル基、2,4−ジメチルペンチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、2,5−ジメチルヘキシル基、2,5,5−トリメチルペンチル基、2,4−ジメチルヘキシル基、2,2,4−トリメチルペンチル基、t−オクチル基、n−ノニル基、3,5,5−トリメチルヘキシル基、n−デシル基、4−エチルオクチル基、4−エチル−4,5−ジメチルヘキシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、1,3,5,7−テトラメチルオクチル基、4−ブチルオクチル基、6,6−ジエチルオクチル基、n−トリデシル基、6−メチル−4−ブチルオクチル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、3,5−ジメチルヘプタデシル基、2,6−ジメチルヘプタデシル基、2,4−ジメチルヘプタデシル基、2,2,5,5−テトラメチルヘキシル基、1−シクロ−ペンチル−2,2−ジメチルプロピル基、1−シクロ−ペンチル−2,2−ジメチルプロピル基、1−シクロ−ヘキシル−2,2−ジメチルプロピル基等が挙げられる。これらの中でも、炭素数1〜6のアルキル基が望ましく、t−ブチル基又はシクロヘキシル基がより望ましい。
また、Z〜Zは水素原子であってもよい。
〜Zの例として、直鎖、分岐若しくは環状のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、iso−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基、n−ペントキシ基、iso−ペントキシ基、neo−ペントキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−シクロヘキシルオキシ基、n−ドデシルオキシ基等が挙げられる。
〜Zの例として、置換又は無置換のアリール基としては、フェニル基、ニトロフェニル基、シアノフェニル基、ヒドロキシフェニル基、メチルフェニル基、ジメチルフェニル基、トリメチルフェニル基、フルオロフェニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基、N,N−ジメチルアミノフェニル基、ナフチル基、ニトロナフチル基、シアノナフチル基、ヒドロキシナフチル基、メチルナフチル基、フルオロナフチル基、クロロナフチル基、ブロモナフチル基、トリフルオロメチルナフチル基等のアリール基が挙げられる。
また、置換アリール基は、水素原子以外の置換基を少なくとも1つ有するフェニル基であることが望ましく、フェニル基の2位〜6位のうちの複数箇所が水素原子以外の置換基で置換されていてもよい。
特に、フェニル基の2位、4位及び6位のうちの少なくとも1つが、それぞれ独立して、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、メチル基又は3フッ化メチル基(トリフルオロメチル基)で置換されてなるものが望ましい。
具体的な例としては、2−フルオロフェニル基、3−フルオロフェニル基、4−フルオロフェニル基、2,3−ジフルオロフェニル基、2,4−ジフルオロフェニル基、2,5−ジフルオロフェニル基、2,6−ジフルオロフェニル基、3,4−ジフルオロフェニル基、3,5−ジフルオロフェニル基、2,4,6−トリフルオロフェニル基、2,3,5,6−テトラフルオロフェニル基、2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニル基、
2−クロロフェニル基、3−クロロフェニル基、4−クロロフェニル基、2,3−ジクロロフェニル基、2,4−ジクロロフェニル基、2,5−ジクロロフェニル基、2,6−ジクロロフェニル基、3,4−ジクロロフェニル基、3,5−ジクロロフェニル基、2,4,6−トリクロロフェニル基、2,3,5,6−テトラクロロフェニル基、2,3,4,5,6−ペンタクロロフェニル基、
2−ブロモフェニル基、3−ブロモフェニル基、4−ブロモフェニル基、2,3−ジブロモフェニル基、2,4−ジブロモフェニル基、2,5−ジブロモフェニル基、2,6−ジブロモフェニル基、3,4−ジブロモフェニル基、3,5−ジブロモフェニル基、2,4,6−トリブロモフェニル基、2,3,5,6−テトラブロモフェニル基、2,3,4,5,6−ペンタブロモフェニル基、
2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、2,3−ジメチルフェニル基、2,4−ジメチルフェニル基、2,5−ジメチルフェニル基、2,6−ジメチルフェニル基、3,4−ジメチルフェニル基、3,5−ジメチルフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、2,3,5,6−テトラメチルフェニル基、2,3,4,5,6−ペンタメチルフェニル基、
2−トリフルオロメチルフェニル基、3−トリフルオロメチルフェニル基、4−トリフルオロメチルフェニル基、2,3−ジトリフルオロメチルフェニル基、2,4−ジトリフルオロメチルフェニル基、2,5−ジトリフルオロメチルフェニル基、2,6−ジトリフルオロメチルフェニル基、3,4−ジトリフルオロメチルフェニル基、3,5−ジトリフルオロメチルフェニル基、2,4,6−トリトリフルオロメチルフェニル基、2,3,5,6−テトラトリフルオロメチルフェニル基、2,3,4,5,6−ペンタトリフルオロメチルフェニル基、等が挙げられる。
そして、これらの中でも、フェニル基、2−フルオロフェニル基、4−フルオロフェニル基、2,4−ジフルオロフェニル基、2,6−ジフルオロフェニル基、2−クロロフェニル基、4−クロロフェニル基、2,4−ジクロロフェニル基、2,6−ジクロロフェニル基、2−ブロモフェニル基、4−ブロモフェニル基、2,4−ジブロモフェニル基、2,6−ジブロモフェニル基、2−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、2,4−ジメチルフェニル基、2,6−ジメチルフェニル基、2−トリフルオロメチルフェニル基、4−トリフルオロメチルフェニル基、2,4−ジトリフルオロメチルフェニル基、2,6−ジトリフルオロメチルフェニル基が望ましい。
〜Zの例として、置換又は無置換のヘテロアリール基としては、ピロリル基、チエニル基、フラニル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、オキサジアゾリル基、イミダゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾフラニル基、インドリル基等のヘテロアリール基等、あるいは上記ヘテロアリール基にハロゲン原子を含むハロゲノヘテロアリール基等が挙げられる。
〜Zの例としては、上記アルキル基及び上記アルコキシ基の水素原子の一部又は全部がハロゲンで置換されているものも挙げられる。
アルキル基の水素原子の一部又は全部がハロゲンで置換されているものの例としては、クロロメチル基、ジクロロメチル基、フルオロメチル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ノナフルオロブチル基等が挙げられる。
アルコキシ基の水素原子の一部又は全部がハロゲンで置換されているものの例としては、フルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基、1,1,2,2,2−ペンタフルオロエトキシ基、1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ基、1,1,2−トリフルオロエトキシ基、1,2,2−トリフルオロエトキシ基、2,2,2−トリフルオロエトキシ基、2,2−ジフルオロエトキシ基、1,2−ジフルオロエトキシ基、1,1−ジフルオロエトキシ基、2−フルオロエトキシ基、1−フルオロエトキシ基、2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロポキシ基、2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−1−プロポキシ基、2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロ−1−ブトキシ基、2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロ−1−ブトキシ基、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−1−ペンチルオキシ基、3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロ−1−ヘキシルオキシ基、4,4,5,5,6,6,7,7,7−ノナフルオロ−1−ヘプチルオキシ基、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7−ドデカフルオロ−1−ヘプチルオキシ基、7,7,8,8,8−ペンタフルオロ−1−オクチルオキシ基、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロ−1−オクチルオキシ基、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,−ヘキサデカフルオロ−1−ノニルオキシ基、4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,9−トリデカフルオロ−1−ノニルオキシ基、7,7,8,8,9,9,10,10,10−ノナフルオロ−1−ノニルオキシ基、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロ−1−デシルオキシ基、4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ペンタデカフルオロ−1−デシルオキシ基、7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,12,12,12−トリデカフルオロ−1−ドデシルオキシ基、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,12,12,12−ヘニコサフルオロ−1−ドデシルオキシ基、7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,12,12,13,13,14,14,14−ヘプタデカフルオロ−1−テトラデシルオキシ基、1H,1H,2,5−ビス(トリフルオロメチル)−3,6−ジオキサウンデカフルオロ−1−ノニルオキシ基、6−(パーフルオロ−1−メチルエチル)−1−ヘキシルオキシ基、2−(パーフルオロ−1−メチルブチル)−1−エトキシ基、2−(パーフルオロ−3−メチルブチル)エトキシ基、2−(パーフルオロ−7−メチルオクチル)エトキシ基、2H−ヘキサフルオロ−2−プロポキシ基、2,2−ビス(トリフルオロメチル)−1−プロポキシ基等が挙げられる。
一般式(1)において、ZとZ、ZとZ、ZとZ及びZとZの2つの置換基のうち、一方の置換基は、置換若しくは無置換のアリール基であることが望ましい。この場合、ZとZ、ZとZ、ZとZ及びZとZの2つの置換基のうち、一方の置換基は、それぞれ独立して、水素原子以外の置換基を少なくとも1つ有するフェニル基であり、上記フェニル基の2位、4位及び6位のうちの少なくとも1つが、それぞれ独立して、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、メチル基又は3フッ化メチル基で置換されてなることがより望ましい。
また、一般式(1)において、ZとZ、ZとZ、ZとZ及びZとZの2つの置換基のうち、一方の置換基は、それぞれ独立して、水素原子の一部又は全部がハロゲンで置換されたアルコキシ基であることも望ましい。
一般式(1)において、ZとZ、ZとZ、ZとZ及びZとZの2つの置換基のうち、他方の置換基は、炭素数1〜6のアルキル基であることが望ましく、t−ブチル基又はシクロヘキシル基であることがより望ましい。
これらの中では、一般式(1)において、ZとZ、ZとZ、ZとZ及びZとZの2つの置換基のうち、一方の置換基が、置換若しくは無置換のアリール基であり、他方の置換基が、炭素数1〜6のアルキル基である組み合わせが望ましい。また、一方の置換基が、それぞれ独立して、水素原子以外の置換基を少なくとも1つ有するフェニル基であり、上記フェニル基の2位、4位及び6位のうちの少なくとも1つが、それぞれ独立して、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、メチル基又は3フッ化メチル基で置換されてなり、他方の置換基が、t−ブチル基又はシクロヘキシル基である組み合わせがより望ましい。
また、一方の置換基が、水素原子の一部又は全部がハロゲンで置換されたアルコキシ基であり、他方の置換基が、炭素数1〜6のアルキル基である組み合わせも望ましい。
一般式(1)におけるMは2個の水素原子、2価の金属原子、3価若しくは4価の置換金属原子、又は、オキシ金属である。
Mで示される2価の金属原子の例としては、Cu,Zn,Fe,Co,Ni,Ru,Rh,Pd,Pt,Mn,Sn,Mg,Hg,Cd,Ba,Ti,Be,Ca等が挙げられる。
3価の置換金属原子の例としては、Al−F,Al−Cl,Al−Br,Al−I,Al(OH),Al(OA)[但し、Aはアルキル基、フェニル基、ナフチル基、トリアルキルシリル基、ジアルキルアルコキシシリル基及びその誘導体を表す],Ga−F,Ga−Cl,Ga−Br,Ga−I,In−F,InCl,In−Br,In−I,Tl−F,Tl−Cl,Tl−Br,Tl−I,Al−C,Al−C(CH),In−C,In−C(CH),Mn(OH),Mn(OC),Mn[OSi(CH],Fe−Cl,Ru−Cl等が挙げられる。
4価の置換金属原子の例としては、CrCl,SiF,SiCl,SiBr,SiI,SnF,SnCl,SnBr,ZrCl,GeF,GeCl,GeBr,GeI,TiF,TiCl,TiBr,Si(OH),Sn(OH),Ge(OH),Zr(OH),Mn(OH),TiA,CrA,SiA,SnA,GeA[但し、Aはアルキル基、フェニル基、ナフチル基及びその誘導体を表す]、Si(OA),Sn(OA)、Ge(OA)、Ti(OA),Cr(OA)[但し、Aはアルキル基、フェニル基、ナフチル基、トリアルキルシリル基、ジアルキルアルコキシシリル基及びその誘導体を表す]、Si(SA)、Sn(SA),Ge(SA)[但し、Aはアルキル基、フェニル基、ナフチル基及びその誘導体を表す]等が挙げられる。
オキシ金属の例としては、VO,MnO,TiO等が挙げられる。
MとしてはCu、Pd、Ni又はCoが望ましい。
本発明の白色有機EL光源用色補正フィルタに含まれる、一般式(1)で表されるテトラアザポルフィリン化合物は、590nm付近のオレンジ色を示す光を吸収する化合物であるが、その吸収極大波長(λmax)が570〜620nmであることが望ましい。
テトラアザポルフィリン化合物の吸収極大波長は、テトラアザポルフィリン化合物の中心金属Mや置換基を変更することによって変化させることができる。
また、吸収極大波長のより望ましい上限値は615nmであり、さらに望ましい上限値は600nmである。また、吸収極大波長の望ましい下限値は570nmであり、より望ましい下限値は575nmである。
吸収極大波長は分光光度計により測定することができる。
本発明の白色有機EL光源用色補正フィルタに含まれる、一般式(1)で表されるテトラアザポルフィリン化合物は、下記一般式(6)で示される1,2−ジシアノエチレン化合物のシス体を環化することによって得られる。
Figure 0006295507
(式(6)中、Z及びZは、直鎖、分岐若しくは環状のアルキル基、直鎖、分岐若しくは環状のアルコキシ基、置換若しくは無置換のアリール基、置換若しくは無置換のヘテロアリール基、又は、水素原子であり、上記アルキル基及び上記アルコキシ基の水素原子の一部又は全部はハロゲンで置換されていてもよく、ZとZは互いに異なる。)
一般式(6)に示す1,2−ジシアノエチレン化合物のシス体4モルを環化することによって、一般式(1)に示すテトラアザポルフィリン化合物1モルが得られる。
環化反応は、一般式(6)に示す1,2−ジシアノエチレン化合物のシス体と金属又は金属誘導体とをアルコール系溶媒中で有機塩基共存下で加熱反応することによって行うことができる。
環化反応によって得られる一般式(1)に示すテトラアザポルフィリン化合物は、通常、ZとZ、ZとZ、ZとZ及びZとZの2つの置換基の位置関係が異なる4種類の異性体の混合物となる。
本発明の白色有機EL光源用色補正フィルタは、一般式(1)に示すテトラアザポルフィリン化合物を含有し、白色有機EL光源と視認者との間に配置されるものであればよく、その形態、配置場所は特に限定されるものではない。
例えば、一般式(1)に示すテトラアザポルフィリン化合物及びバインダー樹脂とを含む色補正コーティング層、一般式(1)に示すテトラアザポルフィリン化合物及び粘着剤とを含む色補正粘着剤層、透明樹脂フィルムの上に一般式(1)に示すテトラアザポルフィリン化合物及びバインダー樹脂とを含む色補正コーティング層が塗布された色補正フィルム(以下、色補正フィルムA)、透明樹脂フィルムの粘着剤層に一般式(1)に示すテトラアザポルフィリン化合物が含まれる色補正フィルム(以下、色補正フィルムB)、透明樹脂フィルムに一般式(1)に示すテトラアザポルフィリン化合物が含まれる色補正フィルム(以下、色補正フィルムC)等の形態が挙げられる。
以後、「色補正フィルム」という場合は、特に区別しない限り上記色補正フィルムA、B、Cの全てを指すものとする。また、一般式(1)に示すテトラアザポルフィリン化合物が透明樹脂フィルム上のコーティング層、粘着剤層及び透明樹脂フィルムのうちの複数の箇所に含まれたフィルムも「色補正フィルム」に含まれるものとする。
上記バインダー樹脂としては、特に限定されるものではないが、(メタ)アクリル系樹脂(PMMA等)、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート樹脂等の樹脂が挙げられる。
また、粘着剤としては、特に限定されるものではないが、アクリル系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリウレタン系、ポリオレフィン系、ポリカーボネート系、ゴム系又はシリコン樹脂系等の粘着剤が挙げられる。これらの中ではアクリル系粘着剤、シリコン樹脂系粘着剤が望ましい。
また、透明樹脂フィルムとしては、透明性を有する各種のプラスチック材料が挙げられる。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、アセテート系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹脂等が挙げられる。
また、本発明の白色有機EL光源用色補正フィルタには、さらにその他の添加剤が含まれていてもよい。例えば、近赤外線吸収色素、紫外線吸収剤、帯電防止剤、酸化防止剤、分散剤、難燃剤、滑材、可塑剤等の添加剤が挙げられる。
図1は、本発明の白色有機EL光源用色補正フィルタの使用例を示す模式図である。
図1には白色有機EL素子を備えた白色有機EL光源が示されている。
図1に示す白色有機EL光源では、透明基板20の上に陽極30(ITO等の透明電極)が設けられ、その上に白色発光層10、陰極40(Al等)が設けられる。
白色発光層には、補色となる少なくとも2種類の蛍光材料が含まれており、少なくとも2色の発光により白色光を得ることのできる方式であることが望ましい。
蛍光材料の組み合わせとしては青色蛍光材料及び黄色蛍光材料の組み合わせ、青色蛍光材料、赤色蛍光材料及び緑色蛍光材料の組み合わせ等が挙げられる。
図1には、白色有機EL光源用色補正フィルタ1を設ける位置の例を示しており、白色有機EL光源用色補正フィルタ1は、透明基板20の陽極30が設けられる面とは反対の面に設けられている。白色有機EL光源用色補正フィルタ1は、白色有機EL光源から発せられる白色光に含まれる特定波長の光を吸収して、白色光の演色性を向上させることに寄与する。
本発明の白色有機EL光源用色補正フィルタは、白色有機EL素子を光源とする照明装置に用いられる色補正フィルタとすることができる。
この場合、白色有機EL光源用色補正フィルタの設置位置は、白色有機EL光源と視認者との間に配置されるものであれば特に限定されるものではない。例えば、電球型白色有機EL照明、直管型白色有機EL素子照明等の照明装置の最も外側にある筐体(ガラス、プラスチック等)の外側表面又は内側表面に塗布された上記色補正コーティング層であってもよく、上記筐体の外側表面又は内側表面に貼り付けられた上記色補正フィルムであってもよい。
なお、筐体とは光が出る部位であり、カバー、フード等とも呼ばれる。
また、筐体自身に一般式(1)に示すテトラアザポルフィリン化合物が含まれている形態であってもよい。この場合、筐体の材質としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、トリアセチルセルロース、ポリカーボネート等の透明高分子成形体が挙げられる。
また、白色有機EL光源は面発光光源であるため、図1に示すように白色有機EL光源の透明基板に塗布された上記色補正コーティング層であってもよく、白色有機EL光源の透明基板に貼り付けられた上記色補正フィルムであってもよい。
本発明の白色有機EL光源用色補正フィルタは、白色有機EL素子を光源とするディスプレイ装置に用いられる色補正フィルタとすることができる。
この場合、色補正フィルタの設置位置は、バックライトとしての白色有機EL光源と視認者との間に配置されるものであれば特に限定されるものではない。
例えば、ディスプレイ装置のガラス板、カラーフィルタ等に塗布された上記色補正コーティング層又は色補正粘着剤層であってもよく、ディスプレイ装置のガラス板、カラーフィルタ等の表面に貼り付けられた上記色補正フィルムであってもよい。
また、ディスプレイ装置内に設けられる板状の透明高分子成形体の表面に塗布された上記色補正コーティング層又は色補正粘着剤層であってもよく、上記透明高分子成形体の表面に貼り付けられた上記色補正フィルムであってもよい。また、板状の透明高分子成形体自身に一般式(1)に示すテトラアザポルフィリン化合物が含まれている形態であってもよい。上記透明高分子成形体としては、ポリエチレンテレフタレート、トリアセチルセルロース、ポリカーボネート等が挙げられる。
色補正フィルタの位置は、ガラス板や透明高分子成形体の表裏のうち、白色有機EL光源側であってもよく、視認者側であってもよい。
また、白色有機EL光源は面発光光源であるため、図1に示すように白色有機EL光源の透明基板に塗布された上記色補正コーティング層であってもよく、白色有機EL光源の透明基板に貼り付けられた上記色補正フィルムであってもよい。
一般式(1)に示すテトラアザポルフィリン化合物とバインダー樹脂を混合して色補正コーティング層を設ける場合、テトラアザポルフィリン化合物の配合量は、バインダー樹脂100重量部に対して0.01〜10重量部であることが望ましい。
また、一般式(1)に示すテトラアザポルフィリン化合物と粘着剤を混合して色補正粘着剤層を設ける場合、テトラアザポルフィリン化合物の配合量は、粘着剤100重量部に対して0.01〜10重量部であることが望ましい。
色補正コーティング層及び色補正粘着剤層を透明樹脂フィルム等(筐体、ガラス板、カラーフィルタ、透明高分子成形体等をも含む)や白色有機EL光源の透明基板に塗布する場合、テトラアザポルフィリン化合物とバインダー樹脂及び/又は粘着剤、並びに、必要に応じてその他の添加剤を含む組成物を溶剤に溶解及び/又は分散させて塗工液を調製し、スピンコート、スプレー、バーコート、フローコート、グラビアコート、ロールコート、ブレードコート、ダイコーター等の公知の塗布方法により塗工する方法を用いることができる。
また、透明樹脂フィルムや透明高分子成形体中に一般式(1)に示すテトラアザポルフィリン化合物が含まれている色補正フィルタを製造する場合、透明樹脂フィルムや透明高分子成形体の成形時に、樹脂中にテトラアザポルフィリン化合物及び必要に応じてその他の添加剤を配合しておき、透明樹脂フィルムの成形及び透明高分子成形体の成形を行えばよい。
透明樹脂フィルムや透明高分子成形体中に一般式(1)に示すテトラアザポルフィリン化合物が含まれている色補正フィルタを製造する場合、テトラアザポルフィリン化合物の配合量は、樹脂100重量部に対して0.0001〜1重量部であることが望ましい。
本発明の照明装置は、本発明の白色有機EL光源用色補正フィルタを備えることを特徴とする。
照明装置としては、白色有機EL素子を光源として用いる電球型照明、直管型照明、シーリングライト、スポットライト、ダウンライト、投光灯、街路灯、デスクライト等が挙げられる。
上述したように、照明装置において色補正フィルタの設置位置は、白色有機EL光源と視認者との間に配置されるものであれば特に限定されるものではない。
また、照明装置の白色の種類は特に限定されるものではなく、電球色(色温度2600〜3250K)、温白色(色温度3250〜3800K)、白色(色温度3800〜4500K)、昼白色(色温度4600〜5500K)、昼光色(色温度5700〜7100K)といった色の照明装置が使用される。
上記色温度の区分はJIS Z 9112の基準に拠っている。
本発明のディスプレイ装置は、本発明の白色有機EL光源用色補正フィルタを備えることを特徴とする。また、ディスプレイ装置としては、白色有機EL素子を光源とする液晶表示装置(反射型、透過型等を含む)が挙げられる。上述したように、ディスプレイ装置において色補正フィルタの設置位置は、白色有機EL光源と視認者との間に配置されるものであれば特に限定されるものではない。
以下に本発明をより具体的に説明する実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
(1)白色有機EL光源用色補正フィルタの製造
バインダー樹脂としてのポリメチルメタクリレート(以下、PMMA)7.5g、クロロベンゼン15.3g、トルエン6g、酢酸エチル6.3g及びアセトン5.5gを混合し、PMMA調製液を得た。この調製液1gをトルエン1gで希釈した溶液に、一般式(1)においてZとZ、ZとZ、ZとZ及びZとZの2つの置換基のうち、いずれか一方の置換基がt−ブチル基であり、他方の置換基が2−フルオロフェニル基(式(7)で示す置換基A)であり、MがPdであるテトラアザポルフィリン化合物5mgを溶解させ、得られた溶液を無色透明のガラス板上にスピンコートし、乾燥してテトラアザポルフィリン化合物を含む色補正コーティング層としての白色有機EL光源用色補正フィルタを製造した。この色補正フィルタ名を色補正フィルタ1とする。
Figure 0006295507
(2)白色有機EL光源に対する評価
得られた色補正フィルタ1を使用して演色性評価を実施した。
(白色有機EL光源の作製)
インジウム・スズ酸化物(ITO)透明導電膜を堆積したガラス基板上に、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン):ポリ(スチレンスルホナート)(Heraeus社)をスピンコート法により塗布した。次いで、ポリビニルカルバゾール(SIGMA−ALDRICH社製)、青色蛍光色素(山田化学工業製Blue−01)、黄色蛍光色素(山田化学工業製Yellow−01)、2−(4−tert−ブチルフェニル)−5−(4−ビフェニリル)−1,3,4−オキサジアゾール(東京化成製)を含む溶液を、スピンコート法により塗布し、真空蒸着法によりフッ化セシウムとアルミニウムを順次蒸着し白色有機EL光源Aを作製した。
(色補正フィルタの評価)
色補正フィルタ1と白色有機EL光源Aを組み合わせて、白色有機EL素子光源Aから出射された光を白色有機EL光源用色補正フィルタ1に透過させ、白色有機EL光源用色補正フィルタ1を透過した光の演色評価数及び色温度を評価した。
演色評価数については、JIS Z 8726の規格に準拠して評価した。
色温度は、JIS Z 8725の規格に準拠して評価した。
演色評価数、色温度の測定は大塚電子製MCPD−9800を用いて行った。
評価結果を表1に示した。
また、色補正フィルタ1の吸収極大波長(λmax)を日本分光製分光光度計V−570により測定した結果も表1に示した。
Figure 0006295507
表1の実施例1の欄においては、Zの欄にtBu、Zの欄に置換基Aと示しているが、これは、ZとZの2つの置換基のうち、いずれか一方の置換基がt−ブチル基であり、他方の置換基が2−フルオロフェニル基(式(7)で示す置換基A)であることを省略して示している。
とZ、ZとZ及びZとZについても、いずれか一方の置換基がt−ブチル基であり、他方の置換基が2−フルオロフェニル基(式(7)で示す置換基A)である。また、用いているテトラアザポルフィリン化合物は、ZとZ、ZとZ、ZとZ及びZとZの2つの置換基の位置関係が異なる4種類の異性体を任意の割合で含む混合物である。
(実施例2〜7)
中心金属及び置換基Z、Zを表1に示すように変更(ZとZ、ZとZ及びZとZについてもZ、Zと同様に変更)したテトラアザポルフィリン化合物を用いたほかは実施例1と同様にして色補正フィルタを製造した。これらの色補正フィルタのフィルタ名は、それぞれ色補正フィルタ2〜7とした。
そして、色補正フィルタ2〜7を用いて、実施例1と同様にして白色有機EL光源Aに対する評価を行った。評価結果を表1に示した。
表1中、Zの欄に示す”Cy”はシクロヘキシル基である。
表1中、Zの欄に示す置換基Bは2,4−ジクロロフェニル基(式(8))、置換基Dは2,2,2−トリフルオロエトキシ基(式(9))である。
Figure 0006295507
Figure 0006295507
(比較例1)
実施例1と同じ白色有機EL光源Aを用いて、色補正フィルタを用いずに白色有機EL光源Aから出射された光の演色評価数及び色温度を評価した。評価結果を表1に示した。
図2には、実施例2及び比較例1において得られる白色有機EL光源Aからの分光スペクトルの比較を示した。また、図3には、実施例5及び比較例1において得られる白色有機EL光源Aからの分光スペクトルの比較を示した。
図2、図3において「フィルタなし」と示した結果が比較例1の結果である。これらの図から、色補正フィルタを用いることにより、590nm付近のオレンジ色を示す光がカットされていることがわかる。
(実施例8〜12)
青色蛍光色素として山田化学工業製Blue−02、黄色蛍光色素として山田化学工業製Yellow−02を用いた他は、白色有機EL光源Aの作製方法と同様にして白色有機EL光源Bを作製した。
また、中心金属及び置換基Z、Zを表2に示すように変更(ZとZ、ZとZ及びZとZについてもZ、Zと同様に変更)したテトラアザポルフィリン化合物を用いたほかは実施例1と同様にして色補正フィルタ8,9を製造した。
この白色有機EL光源Bから出射された光を、白色有機EL光源用色補正フィルタに透過させ、実施例1と同様にして光の演色評価数及び色温度を評価した。
評価結果を表2に示した。
Figure 0006295507
表2中、Zの欄に示す置換基Cはフェニル基(式(10))である。
Figure 0006295507
(比較例2)
実施例8と同じ白色有機EL光源Bを用いて、色補正フィルタを用いずに白色有機EL光源Bから出射された光の演色評価数及び色温度を評価した。評価結果を表2に示した。
図4には、実施例8及び比較例2において得られる白色有機EL光源Bからの分光スペクトルの比較を示した。また、図5には、実施例11及び比較例2において得られる白色有機EL光源Bからの分光スペクトルの比較を示した。
図4、図5において「フィルタなし」と示した結果が比較例2の結果である。これらの図から、色補正フィルタを用いることにより、590nm付近のオレンジ色を示す光がカットされていることがわかる。
表1、2に示す実施例1〜12からは、白色有機EL光源A又はBから出射された白色光に対し、色補正フィルタ1〜9を用いることによって、色補正フィルタを用いない場合と比較してRaを高くすることができ、白色光の演色性を高めることができたことがわかる。また、R9についても、色補正フィルタを用いることによって大幅に高めることができたことがわかる。
すなわち、一般式(1)で表されるテトラアザポルフィリン化合物を用いた色補正フィルタを用いることによって、白色有機EL素子を光源とする白色光の演色性を高めることができた。
1 白色有機EL光源用色補正フィルタ

Claims (4)

  1. 白色有機EL素子を光源とする照明装置に用いられる色補正フィルタであって、
    下記一般式(1)で示される構造のテトラアザポルフィリン化合物を少なくとも1種含むことを特徴とする白色有機EL光源用色補正フィルタ。
    Figure 0006295507
    (式(1)中、ZとZ、ZとZ、ZとZ及びZとZのうちの一方の置換基、他方の置換基並びにMは以下の組み合わせのいずれか1つである。
    化合物1:一方の置換基がt−ブチル基、他方の置換基が2−フルオロフェニル基、MがPd
    化合物4:一方の置換基がt−ブチル基、他方の置換基が2−フルオロフェニル基、MがCo
    化合物5:一方の置換基がt−ブチル基、他方の置換基が2−フルオロフェニル基、MがNi
    化合物6:一方の置換基がシクロヘキシル基、他方の置換基が2−フルオロフェニル基、MがCu
    化合物7:一方の置換基がt−ブチル基、他方の置換基が2,4−ジクロロフェニル基、MがPd
    化合物8:一方の置換基がt−ブチル基、他方の置換基が2−フルオロフェニル基、MがCu
    化合物9:一方の置換基がt−ブチル基、他方の置換基がフェニル基、MがNi)
  2. 前記白色有機EL素子は、少なくとも2色の発光により白色光を得る方式に用いられる白色有機EL素子である請求項1に記載の白色有機EL光源用色補正フィルタ。
  3. 前記一般式(1)で示される構造のテトラアザポルフィリン化合物の吸収極大波長が570〜620nmである請求項1又は2に記載の白色有機EL光源用色補正フィルタ。
  4. 請求項1〜のいずれかに記載の白色有機EL光源用色補正フィルタを備えることを特徴とする照明装置。
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