JP4499960B2 - 光学フィルター - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アザポルフィリン化合物を含む光学フィルターに関するものである。さらに詳しくは、液晶表示装置(LCD)、プラズマディスプレパネル(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)、陰極管表示装置(CRT)、蛍光表示管、電界放射型ディスプレイ等の発光色の色純度を向上させるために取り付けられる光学フィルターに関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示装置(LCD)、プラズマディスプレパネル(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)、陰極管表示装置(CRT)、蛍光表示管、電界放射型ディスプレイのような画像表示装置は、赤、青、緑の三原色の光の組み合わせでカラー画像を表示する。しかし、これらのディスプレイでは、三原色蛍光体からの発光に余分な光(波長が570〜605nmの範囲)が含まれているため、可視光線の赤色部分を正確に再生できないという問題点を有している。
【0003】
この不要発光波長の光を抑えるために、その波長の光を選択的に吸収する色素を用いることが有効であり、特定波長帯の光線を通さない光学フィルターが提案されている。例えば、特開昭58−153904号公報、特開昭59−221943号公報、特開昭60−22102号公報、特開2000−193820号公報、特開2001−131345号公報、特開2001−183522号公報に開示されている。
【0004】
しかしながら、これらの先行技術で開示されている色素は、吸収波長帯がブロードなため、本来遮断すべき特定波長帯以外の波長帯をも遮断するため、発光色の色純度は不十分である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、上記従来技術に鑑み、各種ディスプレーにおいて発生する特定の波長の光を選択的にカットするとともに、ディスプレーの色純度を阻害しないような可視光線透過率が高い実用的なフィルターを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、アザポルフィリンを用いた光学フィルターを作製することにより、問題となる570〜605nmの波長帯にある余分な光をカットする光学フィルターができることを見出して、本発明を完成するに至った。
【0007】
即ち、本発明は、
(1)基材中に、570〜605nmに極大吸収波長を有する後述の一般式(1)で表されるアザポルフィリンを少なくとも1種含有してなる光学フィルター、
(2)570〜605nmの透過率が1〜50%である前記(1)の光学フィルター、
(3)アザポルフィリンが、透明粘着層に含有されている前記(1)または(2)の光学フィルター、
(4)アザポルフィリンが、高分子成形体に含有されている前記(1)または(2)の光学フィルター、および、
(5)高分子成形体またはガラス表面に形成されているコート層にアザポルフィリンが含有されている前記(1)または(2)の光学フィルターに関するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の光学フィルターは、基材中に、570〜605nmに極大吸収波長を有するアザポルフィリンを少なくとも1種含有するものである。アザポルフィリン類としては特に限定されないが、赤色発光波長である610〜630nmに吸収極大を持たないことが望ましい。また基材樹脂との相溶性、成形性に優れ、成形後の耐久性に優れたものが望ましい。特に好ましい化合物としては、下記一般式(1)(化2)で表されるアザポルフィリン化合物が挙げられる。
【0009】
【化2】
Figure 0004499960
【0010】
[式中、X1〜X8 は各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、スルホン酸基、炭素数20以下のアルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アラルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アシル基またはアルコキシカルボニル基を表す。R1〜R4は各々独立に炭素原子または窒素原子を表す。但し、R1〜R4のうち窒素原子は1個または2個含む。Mは2個の水素原子、2価の金属原子、3価または4価の置換金属原子、あるいはオキシ金属を表す。
本発明で用いる一般式(1)で表されるアザポルフィリン化合物中、R1〜R4で表される置換基において、R1〜R4のうちの1個が窒素原子であるモノアザポルフィリンまたは2個が窒素原子であるジアザポルフィリンであれば、その他の置換基については特に制限を受けないが、以下に具体的に記載する。
水素原子;フッ素、塩素、臭素、ヨウ素のハロゲン原子;ニトロ基;シアノ基;水酸基;アミノ基;カルボキシル基;スルホン酸基
メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso-プロピル基、n−ブチル基、iso-ブチル基、sec-ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、iso-ペンチル基、2-メチルブチル基、1-メチルブチル基、neo-ペンチル基、1,2-ジメチルプロピル基、1,1-ジメチルプロピル基、cyclo-ペンチル基、n−ヘキシル基、4-メチルペンチル基、3-メチルペンチル基、2-メチルペンチル基、1-メチルペンチル基、3,3-ジメチルブチル基、2,3-ジメチルブチル基、1,3-ジメチルブチル基、2,2-ジメチルブチル基、1,2-ジメチルブチル基、1,1-ジメチルブチル基、3-エチルブチル基、2-エチルブチル基、1-エチルブチル基、1,2,2-トリメチルブチル基、1,1,2-トリメチルブチル基、1-エチル-2-メチルプロピル基、cyclo-ヘキシル基、n−ヘプチル基、2-メチルヘキシル基、3-メチルヘキシル基、4-メチルヘキシル基、5-メチルヘキシル基、2,4-ジメチルペンチル基、n−オクチル基、2-エチルヘキシル基、2,5-ジメチルヘキシル基、2,5,5-トリメチルペンチル基、2,4-ジメチルヘキシル基、2,2,4-トリメチルペンチル基、n−ノニル基、3,5,5-トリメチルヘキシル基、n−デシル基、4-エチルオクチル基、4-エチル-4,5-ジメチルヘキシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、1,3,5,7-テトラメチルオクチル基、4-ブチルオクチル基、6,6-ジエチルオクチル基、n−トリデシル基、6-メチル-4-ブチルオクチル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、3,5-ジメチルヘプチル基、2,6-ジメチルヘプチル基、2,4-ジメチルヘプチル基、2,2,5,5-テトラメチルヘキシル基、1-cyclo-ペンチル-2,2-ジメチルプロピル基、1-cyclo-ヘキシル-2,2-ジメチルプロピル基等の炭素数1〜20の直鎖、分岐または環状のアルキル基;
メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso-プロポキシ基、n−ブトキシ基、iso-ブトキシ基、sec-ブトキシ基、t-ブトキシ基、n−ペントキシ基、iso-ペントキシ基、neo-ペントキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−ドデシルオキシ基、メトキシエチル基、エトキシエチル基、iso-プロピルオキシエチル基、3-メトキシプロピル基、2-メトキシブチル基、メトキシエトキシ基、エトキシエトキシ基、3-メトキシプロピルオキシ基、3-(iso-プロピルオキシ)プロピルオキシ基等の炭素数1〜20のアルコキシ基;
フェノキシ基、2-メチルフェノキシ基、4-メチルフェノキシ基、4-t-ブチルフェノキシ基、2-メトキシフェノキシ基、4-iso-プロピルフェノキシ基等の炭素数6〜20のアリールオキシ基;
メチルアミノ基、エチルアミノ基、n-プロピルアミノ基、n-ブチルアミノ基、n-ヘキシルアミノ基等の炭素数1〜20のモノアルキルアミノ基;
ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジ-n-プロピルアミノ基、ジ-n-ブチルアミノ基、N-メチル-N-シクロヘキシルアミノ基等の炭素数2〜20のジアルキルアミノ基;
ベンジル基、ニトロベンジル基、シアノベンジル基、ヒドロキシベンジル基、メチルベンジル基、ジメチルベンジル基、トリメチルベンジル基、ジクロロベンジル基、メトキシベンジル基、エトキシベンジル基、トリフルオロメチルベンジル基、ナフチルメチル基、ニトロナフチルメチル基、シアノナフチルメチル基、ヒドロキシナフチルメチル基、メチルナフチルメチル基、トリフルオロメチルナフチルメチル基等の炭素数7〜20のアラルキル基;
フェニル基、ニトロフェニル基、シアノフェニル基、ヒドロキシフェニル基、メチルフェニル基、ジメチルフェニル基、トリメチルフェニル基、ジクロロフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基、N,N-ジメチルアミノフェニル基、ナフチル基、ニトロナフチル基、シアノナフチル基、ヒドロキシナフチル基、メチルナフチル基、トリフルオロメチルナフチル基等の炭素数6〜20のアリール基;
ピロリル基、チエニル基、フラニル基、オキサゾイル基、イソオキサゾイル基、オキサジアゾイル基、イミダゾイル基、ベンゾフラニル基、インドイル基等のヘテロアリール基;
メチルチオ基、エチルチオ基、n-プロピルチオ基、iso-プロピルチオ基、n-ブチルチオ基、iso-ブチルチオ基、sec-ブチルチオ基、t-ブチルチオ基、n-ペンチルチオ基、iso-ペンチルチオ基、2-メチルブチルチオ基、1-メチルブチルチオ基、neo-ペンチルチオ基、1,2-ジメチルプロピルチオ基等の炭素数1〜20のアルキルチオ基;
フェニルチオ基、4-メチルフェニルチオ基、2-メトキシフェニルチオ基、4-t-ブチルフェニルチオ基等の炭素数6〜20のアリールチオ基;
ホルミル基、アセチル基、エチルカルボニル基、n−プロピルカルボニル基、iso-プロピルカルボニル基、n−ブチルカルボニル基、iso-ブチルカルボニル基、sec-ブチルカルボニル基、t-ブチルカルボニル基、n−ペンチルカルボニル基、iso-ペンチルカルボニル基、neo-ペンチルカルボニル基、2-メチルブチルカルボニル基、ニトロベンジルカルボニル基等の炭素数1〜20のアシル基;
メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、イソプロピルオキシカルボニル基、2,4-ジメチルブチルオキシカルボニル基等の炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基等を挙げることができる。
Mで表される2価の金属の例としては、Cu(II)、Zn(II)、Fe(II)、Co(II)、Ni(II)、Ru(II)、Rh(II)、Pd(II)、Pt(II)、Mn(II)、Mg(II)、Ti(II)、Be(II)、Ca(II)、Ba(II)、Cd(II)、Hg(II)、Pb(II)、Sn(II)等が挙げられる。
1置換の3価金属の例としては、Al−Cl、Al−Br、Al−F、Al−I、Ga−Cl、Ga−Br、Ga−F、Ga−I、In−Cl、In−Br、In−F、In−I、Tl−Cl、Tl−Br、Tl−F、Tl−I、Al−Cl、Al−C6H5、Al−C6H4(CH3 )、In−C6H5、In−C6H4(CH3 )、Mn(OH)、Mn (OC6H5) 、Mn (OSi(CH3) 3)、Fe−Cl、Ru−Cl等が挙げられる。
2置換の4金属の例としては、CrCl2、SiCl2、SiBr2、SiF2、SiI2、ZrCl2、GeCl2、GeBr2、GeF2、GeI2、SnCl2、SnF2、SnBr2、TiCl2、TiBr2、TiF2、Si(OH)2、Ge(OH)2、Zr(OH)2、Mn(OH)2、Sn(OH)2、TiR2、CrR2、SiR2、SnR2、GeR2[Rは、アルキル基、フェニル基、ナフチル基およびその誘導体を表す。]、Si(OR')2、Sn(OR')2、Ge(OR')2、Ti(OR')2、Cr(OR')2[R'は、アルキル基、フェニル基、ナフチル基、トリアルキルシリル基、ジアルキルアルコキシシリル基およびその誘導体を表す。]、Sn(SR'')2、Ge(SR'')2、[R''は、アルキル基、フェニル基、ナフチル基およびその誘導体を表す。]等が挙げられる。
オキシ金属の例としては、VO、MnO、TiO等が挙げられる。
一般式(1)の代表例を次の表‐1(表1〜表4)に示す。
【0011】
【表1】
Figure 0004499960
【0012】
【表2】
Figure 0004499960
【0013】
【表3】
Figure 0004499960
【0014】
【表4】
Figure 0004499960
本発明の光学フィルターは、基材中に、570〜605nmに極大吸収波長を有するアザポルフィリンを少なくとも1種含有してなるもので、本発明でいう基材に含有するとは、基材の内部に含有されることは勿論、基材の表面に塗布した状態、基材と基材の間に挟まれた状態等を意味する。
【0015】
基材としては、透明樹脂板、透明フィルム、透明ガラス等が挙げられ、波長400〜700nmの光線透過率が40%以上の透明性があれば特に制限はない。具体的に例示すると、ポリイミド、ポリスルフォン(PSF)、ポリエーテルスルフォン(PES)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリメチレンメタクリレート(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリプロピレン(PP)、トリアセチルセルロース(TAC)等が挙げられる。特に、ポリエチレンテレフタレート(PET)及びトリアセチルセルロース(TAC)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)等のアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂等が好ましい。
【0016】
基材の厚さは、ある程度の機械的強度があれば特に制限はないが、通常は、20μm〜10mmであり、20μm〜1mmが好ましく、20μm〜200μmが特に好ましい。
【0017】
上記アザポルフィリン化合物を用いて本願の光学フィルターを作製する方法としては、特に限定されるものではないが、(1)透明粘着剤に含有させる方法、(2)高分子成形体へ含有させる方法、(3)高分子成形体又はガラス表面にコーティングする方法等が挙げられる。
(1)に挙げた透明粘着剤の具体的な例としては、アクリル系粘着剤、シリコン系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ポリビニルブチラール粘着剤(PVB)、エチレンー酢酸ビニル系粘着剤(EVA)等、ポリビニルエーテル、飽和無定形ポリエステル、メラミン樹脂等のシート状または液状の粘着剤等を挙げることができる。アザポルフィリンの添加量は、通常10ppm〜30重量%であり、10ppm〜20重量%が好ましく、10ppm〜10重量%が特に好ましい。
(2)に挙げた高分子成形体へ含有させる方法としては、(A)樹脂にアザポルフィリンを混錬し、加熱成形する方法と(B)有機溶剤に、樹脂または樹脂モノマーとアザポルフィリンを分散、溶解させ、キャスティング法により高分子成形体を作成する方法が挙げられる。
(A)で使用される樹脂は、板またはフィルム作成した際に、できるだけ透明性の高いものが好ましく、具体的にはポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリエチレンナフタレート、ポリアリレート、ポリエーテルケトン、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン6等のポリアミド、ポリイミド、トリアセチルセルロース等のセルロース樹脂、ポリウレタン、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂、ポリ塩化ビニル等のビニル化合物、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、ポリアクリロニトリル、ビニル化合物の付加重合体、ポリメタクリル酸、ポリメタクリル酸エステル、ポリ塩化ビニリデン等のビニリデン化合物、フッ化ビニリデン/トリフルオロエチレン共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体等のビニル化合物又はフッ素系化合物の共重合体、ポリエチレンオキシド等のポリエーテル、エポキシ樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール等を挙げることができる。
【0018】
加工条件は、用いるアザポルフィリン、ベース高分子によって、加工温度、フィルム化条件等が多少異なるが、アザポルフィリンをベース高分子の粉体或いはペレットに添加し、150〜350℃に加熱、溶解させた後、成形して板を作製する方法。押し出し機でフィルム化をする方法。押し出し機で原反を作製し、30〜120℃で2〜5倍に1軸乃至2軸に延伸して、10〜200μm厚のフィルムにする方法、等が挙げられる。
【0019】
尚、混錬する際に可塑性等の通常の樹脂成形に用いる添加剤を加えても良い。アザポルフィリンの添加量は、吸収係数、作製する高分子成形体の厚み、目的の吸収強度、目的の透過特性・透過率等によって異なるが、通常、ベース高分子成形体の重量に対して1ppm〜20重量%であり、1ppm〜10重量%が好ましく、1ppm〜5重量%が特に好ましい。
(B)のキャスティング法では、樹脂又は樹脂モノマーの有機溶剤溶液に、アザポルフィリンを添加・溶解させ、必要であれば可塑剤、重合開始剤、酸化防止剤を加え、必要とする面状態を有する金型やドラム上へ流し込み、溶剤揮発・乾燥又は重合・溶剤揮発・乾燥させることにより、板又はフィルムを製造することができる。
【0020】
使用される樹脂としては、脂肪族エステル系樹脂、アクリル系樹脂、メラミン系樹脂、ウレタン樹脂、芳香族エステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、脂肪族ポリオレフィン樹脂、芳香族ポリオレフィン樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニル系変成樹脂(PVA、EVA等)或いはそれらの共重合樹脂の樹脂モノマーが挙げられる。
【0021】
溶媒としては、ハロゲン系、アルコール系、ケトン系、エステル系、脂肪族炭化水素系、芳香族炭化水素系、エーテル系溶媒、或いはそれらの混合物系等が挙げられる。
【0022】
アザポルフィリンの濃度は、色素の吸収係数、板又はフィルムの厚み、目的の吸収強度、目的の透過特性・透過率等によって異なるが、樹脂モノマーの重量に対して、通常、1ppm〜20重量%である。また、樹脂濃度は、塗料全体に対して、通常、1〜90重量%である。
(3)に挙げた高分子成形体又はガラス表面にコーティングする方法としては、アザポルフィリンをバインダー樹脂及び有機系溶媒に溶解させて塗料化する方法、未着色のアクリルエマルジョン塗料にアザポルフィリンを微粉砕(50〜500nm)したものを分散させてアクリルエマルジョン系水性塗料にする方法等が挙げられる。
バインダー樹脂としては、脂肪族エステル系樹脂、アクリル系樹脂、メラミン系樹脂、ウレタン系樹脂、芳香族エステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、脂肪族ポリオレフィン樹脂、芳香族ポリオレフィン樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニル系変成樹脂(PVB、EVA等)或いはそれらの共重合樹脂等が挙げられる。
溶媒としては、ハロゲン系、アルコール系、ケトン系、エステル系、脂肪族炭化水素系、芳香族炭化水素系、エーテル系溶媒、或いはそれらの混合物系等が挙げられる。
アザポルフィリンの濃度は、吸収係数、コーティングの厚み、目的の吸収強度、目的の可視光透過率等によって異なるが、バインダー樹脂の重量に対して、通常、0.1ppm〜30重量%である。また、樹脂濃度は、塗料全体に対して、通常、1〜50重量%である。
アクリルエマルジョン系水系塗料の場合も、前記と同様に、未着色のアクリルエマルジョン塗料に色素を微粉砕(50〜500nm)したものを分散させて得られる。塗料中には、酸化防止剤等の通常塗料に用いるような添加物を加えても良い。
【0023】
上記の方法で作製した塗料は、透明高分子フィルム、透明樹脂、透明ガラス等の上にバーコーダー、ブレードコーター、スピンコーター、リバースコーター、ダイコーター、或いはスプレー等のコーティング法で色素を含有させることができる。
色純度・色座標の評価には、通常のカラーメーターを使うこともできるし、また、分光放射輝度計を用いて、波長分散情報から計算することもできる。実際の測定では、それぞれ色の3原色を表示させて、その時の(X、Y)を測定し、次にフィルターを装着して、(X、Y)を測定し、この時の変化分として(ΔX、ΔY)を評価すればよい。
本発明の光学フィルターには、電磁波シールド機能と近赤外線遮断機能を持たせることが好ましい。電磁波シールドには、銀薄膜を用いた積層体や銅を主として用いる金属のメッシュを用いることができる。銀薄膜を用いた積層体としては、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化チタン、等の誘電体(DE)と銀(M)を交互に、DE/M/DE/M/DE(5層)となるよう作成したものが好ましい。積層数は5層から9層が好ましいがこの、総数に限定されるものではなく、密着性や耐久性を上げるためにMとDEの間に光学特性を妨げない程度の超薄膜を挿入しても良い。金属のメッシュとしては、繊維に金属を蒸着した繊維メッシュ、フォトリソグラフィーの技術を用いパターンを形成してエッチングによりメッシュを得るエッチングメッシュ等を使用することができる。
近赤線遮断機能は、銀薄膜を用いる電磁波シールドを用いる場合は、銀の自由電子による散乱のため、同時に、近赤外線の遮断を行うことができる。金属のメッシュを用いた場合は、別途、近赤外線を吸収するフィルムもしくは近赤外線を反射するフィルムを用いる。
次に図を用いて光学フィルターの構成について説明する。図1〜4は、本発明における光学フィルターの一例を示す断面図である。
図1は、透明基体10上にアザポルフィリンを含有した透明粘着層20を積層した場合の光学フィルターの模式的な断面図を示した。図2は、アザポルフィリンを含有した透明粘着層20のみからなる光学フィルターの模式的な断面図を示した。図3は、アザポルフィリンを含有した透明基体10のみからなる光学フィルターの模式的な断面図を示した。図4は、透明基体10上にアザポルフィリンを含有したコート層30が積層された光学フィルターの模式的な断面図を示した。
【0024】
【実施例】
以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこれによりなんら限定されるものではない。
〔実施例1〕
酢酸エチル/トルエン(50:50重量%)溶剤に表−1中、(1−13)で示されるジアザポルフィリンを分散・溶解させ、濃度が1150ppmになるようにアクリル系粘着剤用の色素入り希釈剤とした。アクリル系粘着剤/色素入り希釈剤(80:20重量%)を混合し、バッチ式ダイコーターでポリエチレンテレフタレートフィルム[帝人社製、厚さ75μm]上に塗工し、乾燥させて光学フィルターを作製した。該フィルターについて、島津製作所製分光光度計UV-3100にて透過率を測定した。584nmの吸収極大での透過率は15.9%であった。赤色の飽和値(X、Y)=(0.612、0.335)である透過型液晶ディスプレー(カラーフィルター付)に、当該フィルターを装着したところ、(ΔX、ΔY)=(+0.002、−0.002)と向上したことが確認できた。
【0025】
〔実施例2〕
ポリエチレンテレフタレートペレット[ユニチカ社製 品名1203]に実施例1で用いたジアザポルフィリン0.015重量%を混合し、260〜280℃で溶融させ、押し出し機により厚み200μmのフィルムを作製した。このフィルムを2軸方向に延伸し、厚み100μmの光学フィルターを作製した。
該フィルターについて、島津製作所製分光光度計UV-3100にて透過率を測定した。584nmの吸収極大での透過率は16.2%であった。
また、該フィルターを63℃の条件で、カーボンアーク灯で300時間照射して耐光試験を行ったところ、584nmの吸収極大での透過率は%でありフィルターの劣化はほとんど見られなかった。
【0026】
〔実施例3〕
実施例1において、(1−13)のジアザポルフィリンの代わりに、(1−7)で示されるモノアザポルフィリンの濃度が1250ppmになるようにアクリル系粘着剤用の色素入り希釈剤を調整した以外は、実施例1と同様にして光学フィルターを作製した。
このフィルターについて、同様に透過率を測定したところ570nmの吸収極大での透過率は16.5%であった。
【0027】
〔実施例4〕
実施例2において、(1−13)のジアザポルフィリンの代わりに、(1−35)で示されるジアザポルフィリン0.012重量%を用いた以外は、実施例2と同様にして光学フィルターを作製した。
このフィルターについて、同様に透過率を測定したところ594nmの吸収極大での透過率は16.0%であった。
また、実施例2と同様に耐光性試験を行ったがフィルターの劣化は見られなかった。
【0028】
【発明の効果】
本発明の光学フィルターは、基材中に、570〜605nmに極大吸収波長を有するアザポルフィリン化合物を含有するため、各種ディスプレーにおいて発生する570〜605nmの波長帯にある余分な光を効率よくカットするため、可視光線の赤色部分を正確に再生する優れた性能を有する。また、アザポルフィリン化合物を用いることで、耐久性に優れかつ成形が容易で様々な方法でディスプレー用の光学フィルターの作製が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】光学フィルターの一例を示す断面図
【図2】光学フィルターの一例を示す断面図
【図3】光学フィルターの一例を示す断面図
【図4】光学フィルターの一例を示す断面図
【符号の説明】
10 透明基礎体
20 透明粘着層
30 コート層

Claims (5)

  1. 基材中に、570〜605nmに極大吸収波長を有するアザポルフィリンを少なくとも1種含有してなる光学フィルターであって、アザポルフィリンが下記式(1)で表される化合物である光学フィルター
    Figure 0004499960
    [式中、X〜Xは各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、スルホン酸基、炭素数20以下のアルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アラルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アシル基またはアルコキシカルボニル基を表す。R〜Rは各々独立に炭素原子または窒素原子を表す。但し、R〜Rのうち窒素原子は1個または2個含む。Mは2個の水素原子、2価の金属原子、3価または4価の置換金属原子、あるいはオキシ金属を表す。]
  2. 570〜605nmの透過率が1〜50%であることを特徴とする請求項に記載の光学フィルター。
  3. アザポルフィリンが、透明粘着層に含有されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の光学フィルター。
  4. アザポルフィリンが、高分子成形体に含有されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の光学フィルター。
  5. 高分子成形体またはガラス表面に形成されているコート層にアザポルフィリンが含有されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の光学フィルター。
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