JP4410430B2 - 光記録媒体の記録方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は光記録媒体に関し、レーザー光によって記録可能な光記録媒体、およびその記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポルフィリン誘導体は、例えばフタロシアニン化合物がCD−R用記録材料として実用化されている。これは、フタロシアニン化合物が置換基のバリエーションも豊富であり、耐光性に非常に優れている等の特徴を有するためである。
しかしながら、ポルフィリン誘導体は、例えばCD−RやDVD−Rで実用化されているアゾ金属錯体やシアニン色素に比べて、マークの広がりが抑制されやすい。
そのためポルフィリン誘導体からなる光記録媒体へ、例えばDVD Specifications for Recordable Disk(DVD−R) Part 1 PHYSICAL SPECIFICATIONS Version 1.0 July 1997に記載されているようなBasic Strategy(図1参照)を用いて記録した場合、良好なジッタ値は得られても、再生不可能となる場合が生じていた。
特開平10−172181号公報には、フタロシアニン化合物を用いたCD−Rにおけるマークのデビエーション悪化が、基板と記録層間に金属または合金からなる薄膜層を設けることで改善できることが記載されている。
【0003】
しかしこの方法は、新たに金属または合金からなる薄膜層を設けるプロセスが加わることや、記録層形成時の欠陥率が増加する恐れがあるなど、生産性の低下を招く恐れがある。
この再生不良の問題は、ポルフィリン誘導体からなるCD−Rでも生じていたが、ポルフィリン誘導体からなるDVD−Rではより顕著に再生不良が生じていた。
また、ポルフィリン誘導体に限らず、分解促進効果が小さい記録材料、すなわち分解時に吸熱反応を示す材料、あるいは分解発熱の小さな材料等を用いた場合は、良好なジッタ値は得られても、再生不可能となる場合が生じていた。
しかし、ポルフィリン誘導体には高耐光性や骨格、置換基を含めて豊富なバリエーションがあること、広い波長域に対応でき、かつ高吸収係数を有するなどの特徴があり、光記録媒体への有用性は非常に高い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明では、ポルフィリン誘導体のような分解促進効果が小さい記録材料、すなわち分解時に吸熱反応を示す材料、または分解発熱の小さな材料、あるいは基本骨格は分解せず置換基の離脱や置換基のみの分解によって記録が行なわれるような材料等を記録層として用いた光情報記録媒体において、マークのデビエーション問題のない光記録媒体を提供し、かつマークのデビエーション問題のない記録方法を提供する。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題は本発明の()「少なくとも基板上に主としてポルフィリン誘導体からなる記録層が形成された光記録媒体の記録方法であって、記録マークを形成するためのレーザ照射パルスは、一つの連続した記録パルス中に2つの記録パワーを有し、このうち最大の記録パワーPaが割り当てられた領域をA領域、前記最大記録パワー以外の記録パワーPbが割り当てられた領域をB領域としたとき、前記A領域はデーターマーク長によらず1箇所または2箇所であり、データーマーク長が長くなるに従い、前記A領域の少なくとも1箇所の長さを長くして記録することを特徴とする光記録媒体の記録方法」によって達成される。
【0007】
また、上記課題は、本発明の(17)「前記ポルフィリン誘導体が、下記式(化1)で示されるナフタロシアニン化合物であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(16)項の何れか1に記載の光記録媒体;
【0008】
【化17】
Figure 0004410430
(R1〜R24はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、水酸基、カルボキシル基、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアルコキシ基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換のアミノ基、置換もしくは未置換のアシル基を表わす。
Mは2個の水素原子、または酸素、ハロゲンを有してもよい2価、3価、もしくは4価の金属原子、または(OR25)p、(OSiR262728)q、(OPOR2930)r、(OCOR31)sを有してもよい金属原子を表わす。R25〜R31は独立に水素原子、置換もしくは未置換の脂肪族、芳香族炭化水素基を表わし、p、q、r、sは0〜2の整数を表わす。)」、(18)「前記ポルフィリン誘導体が、下記式(化2)で示されるフタロシアニン化合物であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(16)項の何れか1に記載の光記録媒体;
【0009】
【化18】
Figure 0004410430
(R1〜R16はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、水酸基、カルボキシル基、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアルコキシ基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換のアミノ基、置換もしくは未置換のアシル基を表わす。
Mは2個の水素原子、または酸素、ハロゲンを有してもよい2価、3価、もしくは4価の金属原子、または(OR17)p、(OSiR181920)q、(OPOR2122)r、(OCOR23)sを有してもよい金属原子を表わす。R17〜R23は独立に水素原子、置換もしくは未置換の脂肪族、芳香族炭化水素基を表わし、p、q、r、sは0〜2の整数を表わす。)」、(19)「前記ポルフィリン誘導体が、下記式(化3)で示されるポルフィラジン化合物であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(16)項の何れか1に記載の光記録媒体;
【0010】
【化19】
Figure 0004410430
(R1〜R8はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、水酸基、カルボキシル基、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアルコキシ基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換のアミノ基、置換もしくは未置換のアシル基を表わす。
Mは2個の水素原子、または酸素、ハロゲンを有してもよい2価、3価、もしくは4価の金属原子、または(OR9)p、(OSiR101112)q、(OPOR1314)r、(OCOR15)sを有してもよい金属原子を表わす。R9〜R15は独立に水素原子、置換もしくは未置換の脂肪族、芳香族炭化水素基を表わし、p、q、r、sは0〜2の整数を表わす。)」、(20)「前記ポルフィリン誘導体が、下記式(化4)で示されるポルフィリン化合物であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(16)項の何れか1に記載の光記録媒体;
【0011】
【化20】
Figure 0004410430
(R1〜R8、X1〜X4はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、水酸基、カルボキシル基、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアルコキシ基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換のアミノ基、置換もしくは未置換のアシル基を表わす。
Mは2個の水素原子、または酸素、ハロゲンを有してもよい2価、3価、もしくは4価の金属原子、または(OR9)p、(OSiR101112)q、(OPOR1314)r、(OCOR15)sを有してもよい金属原子を表わす。R9〜R15は独立に水素原子、置換もしくは未置換の脂肪族、芳香族炭化水素基を表わし、p、q、r、sは0〜2の整数を表わす。)」、(21)「前記ポルフィリン誘導体が、下記式(化5)〜(化9)で示されるポルフィセン化合物であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(16)項の何れか1に記載の光記録媒体;
【0012】
【化21】
Figure 0004410430
【0013】
【化22】
Figure 0004410430
【0014】
【化23】
Figure 0004410430
【0015】
【化24】
Figure 0004410430
【0016】
【化25】
Figure 0004410430
(R1〜R8、X1〜X4はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、水酸基、カルボキシル基、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアルコキシ基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換のアミノ基、置換もしくは未置換のアシル基を表わす。
Mは2個の水素原子、または酸素、ハロゲンを有してもよい2価、3価、もしくは4価の金属原子、または(OR9)p、(OSiR101112)q、(OPOR1314)r、(OCOR15)sを有してもよい金属原子を表わす。R9〜R15は独立に水素原子、置換もしくは未置換の脂肪族、芳香族炭化水素基を表わし、p、q、r、sは0〜2の整数を表わす。)」、(22)「前記ポルフィリン誘導体が、下記式(化10)〜(化14)で示されるコロール化合物であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(16)項の何れか1に記載の光記録媒体;
【0017】
【化26】
Figure 0004410430
【0018】
【化27】
Figure 0004410430
【0019】
【化28】
Figure 0004410430
【0020】
【化29】
Figure 0004410430
【0021】
【化30】
Figure 0004410430
(R1〜R8、X1〜X3はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、水酸基、カルボキシル基、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアルコキシ基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換のアミノ基、置換もしくは未置換のアシル基を表わす。
Mは3個の水素原子、または酸素、ハロゲンを有してもよい2価、3価、もしくは4価の金属原子、または(OR9)p、(OSiR101112)q、(OPOR1314)r、(OCOR15)sを有してもよい金属原子を表わす。R9〜R15は独立に水素原子、置換もしくは未置換の脂肪族、芳香族炭化水素基を表わし、p、q、r、sは0〜2の整数を表わす。)」、(23)「前記ポルフィリン誘導体が、下記式(化15)で示されるモノアザポルフィリン化合物であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(16)項の何れか1に記載の光記録媒体;
【0022】
【化31】
Figure 0004410430
(R1〜R8、X1〜X3はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、水酸基、カルボキシル基、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアルコキシ基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換のアミノ基、置換もしくは未置換のアシル基を表わす。
Mは2個の水素原子、または酸素、ハロゲンを有してもよい2価、3価、もしくは4価の金属原子、または(OR9)p、(OSiR101112)q、(OPOR1314)r、(OCOR15)sを有してもよい金属原子を表わす。R9〜R15は独立に水素原子、置換もしくは未置換の脂肪族、芳香族炭化水素基を表わし、p、q、r、sは0〜2の整数を表わす。)」、(24)「前記ポルフィリン誘導体が、下記式(化16)で示されるジアザポルフィリン化合物であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(16)項の何れか1に記載の光記録媒体;
【0023】
【化32】
Figure 0004410430
(R1〜R8、X1〜X2はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、水酸基、カルボキシル基、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアルコキシ基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換のアミノ基、置換もしくは未置換のアシル基を表わす。
Mは2個の水素原子、または酸素、ハロゲンを有してもよい2価、3価、もしくは4価の金属原子、または(OR9)p、(OSiR101112)q、(OPOR1314)r、(OCOR15)sを有してもよい金属原子を表わす。R9〜R1 5は独立に水素原子、置換もしくは未置換の脂肪族、芳香族炭化水素基を表わし、p、q、r、sは0〜2の整数を表わす。)」によって達成される。
【0024】
本発明では、分解促進効果が小さい記録材料、すなわち分解時に吸熱反応を示す材料、または分解発熱の小さな材料、あるいは基本骨格は分解せず置換基の離脱や置換基のみの分解によって記録が行われるような材料等、例えば多くのポルフィリン誘導体は、DVD Specifications for Recordable Disk(DVD−R) Part 1 PHYSICAL SPECIFICATIONS Version 1.0 July 1997に記載されているようなBasic Strategy(基本的に、全ての記録マーク長形成パルスに対し、同一記録パワーが割り当てられ、かつパルス長を固定することにより記録を行なう方法)を用いて記録した場合に、良好なジッタ値が得られる場合においても再生不良が生じる場合が多発するが、この原因が、長マークほど物理的に記録マーク長が短くなってしまうことにあることを見出した。また、ポルフィリン誘導体を記録層として用いたCD−Rでも同期不良等やジッタの悪化等の問題が生じていたが、CD−Rでは変調方式にEFM変調を用いており、最長マークが11Tであるのに対し、DVD−Rでは8−16変調を用いており、最長マークが14Tとなるため、このマークのデビエーション問題は分解時に吸熱反応を示す材料、または分解発熱の小さな材料、あるいは基本骨格は分解せず置換基の離脱や置換基のみの分解によって記録が行われるような材料等、例えばポルフィリン誘導体を記録層として用いたDVD−Rにおいて、より顕著になることが判明した。
【0025】
具体的にこの現象は、DVD Specifications for Recordable Disk(DVD−R) Part 1 PHYSICALSPECIFICATIONS Version 1.0 July 1997に記載されているようなBasic Strategyを用いて各種記録パワーで記録した場合のアゾ金属錯体(図2)とポルフィリン誘導体であるポルフィラジン化合物(図3)のスペース長とマーク長の差を測定することでわかる。
すなわち、アゾ金属錯体の場合は、スペース長とマーク長の差にデータマーク長依存性がほとんどないが、ポルフィラジン化合物の場合は、スペース長とマーク長の差に大きなデータマーク長依存性がある。
【0026】
図3によって、ポルフィリン誘導体を記録層として用いた光記録媒体では、ジッタ値自体は短マークによって大きく支配されるため良好な値が得られても、フレーム同期をとる目的などに使用される14Tマークが大幅に短く判定され、同期不良を起こす可能性が高いことや、マーク長が長くなるに従ってピットデビエーションが悪化するために、記録中のパワー変化や膜厚変化等の外乱因子でジッタが急激に劣化しまうことがわかる。
【0027】
ここで、分解時に吸熱反応を示す材料、または分解発熱の小さな材料、あるいは基本骨格は分解せず置換基の離脱や置換基のみの分解によって記録が行なわれるような材料等、例えばポルフィリン誘導体でこのようなデビエーション問題が起こる現象を説明するために、簡単に反射層をもつ有機材料からなる記録媒体の記録メカニズムについて触れる。
【0028】
記録は、記録層材料がレーザー光を吸収し、記録層材料が分解や変質することにより行なわれる。
記録層材料が分解や変質を起こすと、記録層材料自身の光吸収能力が低下することや、基板変形や溶融による吸熱によって記録層の温度が低下するため、分解や変質が抑制される。
このとき、分解時に吸熱反応を示す材料、または分解発熱の小さな材料、あるいは基本骨格は分解せず置換基の離脱や置換基のみの分解が起こる材料は、より温度の低下が生じてしまう。
そのため、記録マークの形状は、昇温と冷却の繰り返しによって、レーザーの移動方向にうねった波形の形状を示すことになる。
【0029】
ポルフィリン誘導体は、その光安定性や、シアニン色素やアゾ色素と比べても分解温度が高いことからも明らかなように、基本の骨格が非常に丈夫であるため、レーザー照射による記録では、基本骨格が壊れるのではなく、基本骨格から置換基が外れる過程が主であると考えられる。
したがって、エネルギー安定性の高い基本骨格が分解すれば大きな発熱が生じるが、ポルフィリン誘導体では、主に結合エネルギーの低い置換基の離脱や、置換基の分解が記録過程の主過程となるため、大きな発熱は期待できず、これが分解が抑制される原因となることを見出した。
【0030】
そこで本発明では、分解時に吸熱反応を示す材料、または分解発熱の小さな材料、あるいは基本骨格は分解せず置換基の離脱や置換基のみの分解によって記録が行なわれるような材料等を記録層として用いても、記録特性が優れた光記録媒体が得られること、および記録特性が優れた記録方法が存在することを見出すに至ったものである。
【0031】
以下、本発明の詳細について述べる。
矩形波記録の場合、任意のマーク長Twd(nT)(但し、8−16変調の場合、n=3〜11,14)を形成させるためのパルスの形態を図5に示す。
形波パルスに割り当てる記録パワーP(nT)が下式数1を満足するように設定するもので(下式数1は8−16変調の例。図5(a)参照)、ポルフィリン誘導体などの分解促進効果が十分でない記録材料を用いた光記録媒体の記録特性を改善できる。
【0032】
【数1】
P(3T)≦P(4T)≦P(5T)≦…≦P(10T)≦P(11T)≦P(14T)
【0033】
形波パルスに任意の部分に複数の記録パワーPi(nT)を割り当て、このうち最大の記録パワーが割り当てられたPi(nT)が下式数2を満足するように設定するもので(下式数2は8−16変調で、i=1,2、P1(nT)≦P2(nT)の例。図5(b)〜(e)参照)、ポルフィリン誘導体などの分解促進効果が十分でない記録材料を用いた光記録媒体の記録特性を改善できる。
【0034】
【数2】
2(3T)≦P2(4T)≦P2(5T)≦…≦P2(10T)≦P2(11T)≦P2(14T)
但し、最大記録パワーが割り当てられた部分以外の記録パワーは、記録マーク長に関わらず同一としても、また最大記録パワーが割り当てられた部分と同様に、記録マーク長が長くなるに従い、高く設定しても構わない(下式数3)。
【0035】
【数3】
1(3T)≦P1(4T)≦P1(5T)≦…≦P1(10T)≦P1(11T)≦P1(14T)
【0036】
本発明は、矩形波パルスに任意の部分に2つの記録パワーPi(nT)を割り当て、最大記録パワーが割り当てられた領域の長さLi(nT)が下式数4を満足するように設定するもので(下式数4は8−16変調で、i=1,2、P1(nT)≦P2(nT)の例。図5(b)〜(e)参照)、ポルフィリン誘導体などの分解促進効果が十分でない記録材料を用いた光記録媒体の記録特性を改善できる。
【0037】
【数4】
2(3T)≦L2(4T)≦L2(5T)≦…≦L2(10T)≦L2(11T)≦L2(14T)
但し、最高記録パワーが割り当てられた部分が断続的に複数個所存在する場合は、その合計パルス長が上式数4を満足すればよい(図5(e)参照)。
【0038】
形波パルスに任意の部分に複数の記録パワーPi(nT)を割り当て、矩形波が終了する時間Tend(nT)に対する最大記録パワーが割り当てられた領域が終了する時間Tiend(nT)が下式数5を満足するように設定するもので(下式数5は8−16変調で、i=1,2、P1(nT)≦P2(nT)の例。図5(b)〜(e)参照)、ポルフィリン誘導体などの分解促進効果が十分でない記録材料を用いた光記録媒体の記録特性を改善できる。
【0039】
【数1】
end(3T)−T2end(3T)≧Tend(4T)−T2end(4T)≧Tend(5T)−T2end(5T)≧・・・Tend(10T)−T2end(10T)≧Tend(11T)−T2end(11T)≧Tend(14T)−T2end(14T)
但し、最高記録パワーが割り当てられた部分が断続的に複数個所存在する場合は、最高記録パワーが割り当てられた最後のパルス部分に対し、上式数5が満足されればよい(図5(e)参照)。
一方、マルチパルス記録の場合、任意のマーク長Twd(nT)(但し、8−16変調の場合、n=3〜11,14)を形成させるためのパルス列をMP(nT)iで表わすことにする(但し、8−16変調の場合、n=3〜11,14。図4参照)。
iは、n−2記録の場合、1〜nT−2、n−1の場合1〜nT−1の整数である。
ルチパルスMP(nT)iにかかわらず同一記録パワーP(nT)を割り当て、このP(nT)が下式数6を満足するように設定するもので(下式数6は8−16変調でn−2の例。図6(a)参照)、ポルフィリン誘導体などの分解促進効果が十分でない記録材料を用いた光記録媒体の記録特性を改善できる。
【0040】
【数6】
P(3T)≦P(4T)≦P(5T)≦…≦P(10T)≦P(11T)≦P(14T)
【0041】
ルチパルスMP(nT)iにiよって異なってもよい記録パワーの割り当てを行ない、最大の記録パワー割り当てられたPi(nT)が下式数7を満足するように設定するもので(下式数7は8−16変調でn−2の例。図6(b)〜(e)参照)、ポルフィリン誘導体などの分解促進効果が十分でない記録材料を用いた光記録媒体の記録特性を改善できる。
【0042】
【数7】
2(3T)≦P2(4T)≦P2(5T)≦…≦P2(10T)≦P2(11T)≦P2(14T)
【0043】
ルチパルスMP(nT)i間のパルス列間パワーPb(nT)が下式を満足するように設定するもので(下式数8は8−16変調の例。図6(b)〜(e)参照)、ポルフィリン誘導体などの分解促進効果が十分でない記録材料を用いた光記録媒体の記録特性を改善できる。
【0044】
【数8】
Pb(3T)≦Pb(4T)≦Pb(5T)≦…≦Pb(10T)≦Pb(11T)≦Pb(14T)
なお、以上の本発明は2つ以上組み合わせて用いることもできる。
【0045】
本発明は、特に、記録ストラテジとして記録マークを形成するためのレーザー照射パルスが1つ以上のパルス列から構成されるマルチパルス記録の場合に有効になる。
これはマルチパルス記録では、パルス間欠部分によって温度上昇が抑制されるため、記録材料の分解によってより記録層の温度低下が起こるためである(分解による熱吸収能力を考えなければ、矩形波記録では長マークほど温度が上がる)。
したがって、ポルフィリン誘導体からなる光記録媒体とマルチパルス記録の組み合わせは、記録マーク内の記録層温度を記録層材料の分解や変質温度以上に均一保持するには非常に不利になることが明らかである。
【0046】
なお、以上では8−16変調によるn−2のマルチパルス記録を例にとって説明したが、本発明はこれに限られたものではなく、どんな変調方式にも有効である。
本発明でいう分解促進効果が小さい記録材料、すなわち分解時に吸熱反応を示す材料、または分解発熱の小さな材料とは、DVD Specifications for Recordable Disk (DVD−R) Part1PHYSICAL SPECIFICATIONS Version 1.0July 1997に記載されているようなBasic Strategyを用いて記録した場合、長マークほど短く記録されてしまう材料を総称するものである。
また、基本骨格は分解せず置換基の離脱や置換基のみの分解によって記録が行なわれるような材料とは、当然のごとく分解発熱量は小さく、また基本骨格が分解していないため、凝集状態等の変化が生じる可能性があり、分解時に吸熱反応を示す材料、または分解発熱の小さな材料となる。
【0047】
本発明に用いるポルフィリン誘導体におけるR1〜R24およびX1〜X4はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、水酸基、カルボキシル基、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアルコキシ基、置換もしくは未置換のアリ−ル基、置換もしくは未置換のアミノ基、置換もしくは未置換のアシル基を表わす。
【0048】
未置換のアルキル基、および未置換のアルコキシ基中のアルキル基としては、直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基があげられ、置換アルキル基、および置換アルコキシ基中の置換アルキル基としては、2−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピル基、4−ヒドロキシブチル基、2−ヒドロキシプロピル基等のヒドロキシ置換アルキル基;カルボキシメチル基、2−カルボキシエチル基、3−カルボキシプロピル基等のカルボキシ置換アルキル基;2−シアノエチル基、シアノメチル基などのシアノ置換アルキル基;2−アミノエチル基などのアミノ置換アルキル基;2−クロロエチル基、3−クロロプロピル基、2−クロロプロピル基、2,2,2−トリフルオロエチル基などのハロゲン原子置換アルキル基;ベンジル基、p−クロロベンジル基、2−フェニルエチル基などのフェニル置換アルキル基;2−メトキシエチル基、2−エトキシエチル基、2−(n)プロポキシエチル基、2−(iso)プロポキシエチル基、2−(n)ブトキシエチル基、2−(iso)ブトキシエチル基、2−(2−エチルヘキシルオキシ)エチル基、3−メトキシプロピル基、4−メトキシブチル基、2−メトキシプロピル基等のアルコキシ置換アルキル基;2−(2−メトキシエトキシ)エチル基、2−(2−エトキシエトキシ)エチル基、2−(2−(n)プロポキシエトキシ)エチル基、2−(2−(iso)プロポキシエトキシ)エチル基、2−(2−(n)ブトキシエトキシ)エチル基、2−(2−(iso)ブトキシエトキシ)エチル基、2−{2−(2−エチルヘキシルオキシ)エトキシ}エチル基等のアルコキシ置換アルキル基;アリルオキシエチル基、2−フェノキシエチル基、2−ベンジルオキシエチル基等の置換アルキル基;2−アセチルオキシエチル基、2−プロピオニルオキシエチル基、2−(n)ブチリルオキシエチル基、2−(iso)ブチリルオキシエチル基、2−トリフルオロアセチルオキシエチル基等のアシルオキシ置換アルキル基;メトキシカルボニルメチル基、エトキシカルボニルメチル基、(n)プロポキシカルボニルメチル基、(iso)プロポキシカルボニルメチル基、(n)ブトキシカルボニルメチル基、(iso)ブトキシカルボニルメチル基、2−エチルヘキシルオキシカルボニルメチル基、ベンジルオキシカルボニルメチル基、フルフリルオキシカルボニルメチル基、テトラヒドロフルフリルオキシカルボニルメチル基、2−メトキシカルボニルエチル基、2−エトキシカルボニルエチル基、2−(n)プロポキシカルボニルエチル基、2−(iso)プロポキシカルボニルエチル基、2−(n)ブトキシカルボニルエチル基、2−(iso)ブトキシカルボニルエチル基、2−(2−エチルヘキシルオキシカルボニル)エチル基、2−ベンジルオキシカルボニルエチル基、2−フルフリルオキシカルボニルエチル基等の置換もしくは非置換のアルコキシカルボニル置換アルキル基;2−メトキシカルボニルオキシエチル基、2−エトキシカルボニルオキシエチル基、2−(n)プロポキシカルボニルオキシエチル基、2−(iso)プロポキシカルボニルオキシエチル基、2−(n)ブトキシカルボニルオキシエチル基、2−(iso)ブトキシカルボニルオキシエチル基、2−(2−エチルヘキシルオキシカルボニルオキシ)エチル基、2−ベンジルオキシカルボニルオキシエチル基、2−フルフリルオキシカルボニルオキシエチル基等の置換もしくは非置換のアルコキシカルボニルオキシ置換アルキル基;フルフリル基、テトラヒドロフルフリル基等のヘテロ環置換アルキル基等が挙げられる。
【0049】
また、シクロアルキル基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
【0050】
アルキル基およびアルコキシ基中のアルキル基の具体例としては、例えば、次のものが挙げられる。なお、これらのアルキル基は、ハロゲン原子等の置換基で置換されていてもよい。メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、イソアミル基、2−メチルブチル基、n−ヘキシル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基、2−エチルブチル基、n−ヘプチル基、2−メチルヘキシル基、3−メチルヘキシル基、4−メチルヘキシル基、5−メチルヘキシル基、2−エチルペンチル基、3−エチルペンチル基、n−オクチル基、2−メチルヘプチル基、3−メチルヘプチル基、4−メチルヘプチル基、5−メチルヘプチル基、2−エチルヘキシル基、3−エチルヘキシル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ドデシル基等の一級アルキル基;イソプロピル基、sec−ブチル基、1−エチルプロピル基、1−メチルブチル基、1,2−ジメチルプロピル基、1−メチルヘプチル基、1−エチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、1−エチル−2−メチルプロピル基、1−メチルヘキシル基、1−エチルヘプチル基、1−プロピルブチル基、1−イソプロピル−2−メチルプロピル基、1−エチル−2−メチルブチル基、1−プロピル−2−メチルプロピル基、1−メチルヘプチル基、1−エチルヘキシル基、1−プロピルペンチル基、1−イソプロピルぺンチル基、1−イソプロピル−2−メチルブチル基、1−イソプロピル−3−メチルブチル基、1−メチルオクチル基、1−エチルヘプチル基、1−プロピルヘキシル基、1−イソブチル−3−メチルブチル基等の二級アルキル基;tert−ブチル基、tert−ヘキシル基、tert−アミル基、tert−オクチル基等の三級アルキル基;シクロヘキシル基、4−メチルシクロヘキシル基、4−エチルシクロヘキシル基、4−tert−ブチルシクロヘキシル基、4−(2−エチルヘキシル)シクロヘキシル基、ボルニル基、イソボルニル基、アダマンタン基等のシクロアルキル基等が挙げられる。
【0051】
またアリ−ル基としてはフェニル基、メチルフェニル基、ジメチルフェニル基、トリメチルフェニル基、エチルフェニル基、tert−ブチルフェニル基、ジ(tert−ブチル)フェニル基、ブチルフェニル基、メトキシフェニル基、ジメトキシフェニル基、トリメトキシフェニル基、ブトキシフェニル基などが挙げられ、またこれらのアリール基はハロゲン等の置換基で置換されていてもよい。
【0052】
式(化1)〜式(化16)中、Mは2個の水素原子(但し(化10)〜(化14)は3個の水素原子)、または酸素、ハロゲンを有してもよい2価、3価、もしくは4価の金属原子、または(ORa)p、(OSiRbcd)q、(OPORef)r、(OCORg)sを有してもよい金属原子を表す。Ra〜Rgは独立に水素原子、置換もしくは未置換の脂肪族、芳香族炭化水素基を表わし、p、q、r、sは0〜2の整数を表わす。
具体的にMとしては、Ib族、IIa族、IIb族、IIIa族、IVa族、IVb族、Vb族、VIb族、VIIb族、VIII族の金属、これらの金属の酸化物、これらの金属のハロゲン化物またはこれらの金属の水酸化物などがあり、さらに、上記金属で置換基を有するものがある。
上記の金属としては、Cu、Zn、Mg、Al、Ge、Ti、Sn、Pb、Cr、Mo、Mn、Fe、Co、Ni、In、Pt、Pd等があり、酸化物としては、TiO、VO等があり、ハロゲン化物としては、AlCl、GeCl2、SiCl2、FeCl、SnCl2、InCl等があり、水酸化物としてはAl(OH)、Si(OH)2、Ge(OH)2、Sn(OH)2等がある。
さらに、金属が置換基を有する場合に、金属としては、Al、Ti、Si、Ge、Sn等があり、置換基としては、アリールオキシル基、アルコキシル基、トリアルキルシロキシル基、トリアリールシロキシル基、トリアルコキシシロキシル基、トリアリールオキシシロキシル基、トリチルオキシル基又はアシロキシル基等がある。
【0053】
【実施例】
まず初めに、従来の記録方法ではポルフィリン誘導体の記録マークは、長マークほど物理的に短くなっていることを確認した。
厚さ0.6mm、トラックピッチ0.74(μm)のポリカーボネート基板上(4.7GB対応)に下記式(化17)のポルフィラジン化合物と、下記式(化18)のアゾ金属錯体をスピンコートによって成膜し、その上にスパッタにより金反射層、さらに紫外線硬化型樹脂からなる保護層を設け、光記録媒体を作成した。
記録再生装置は、パルステック工業製のDDU−1000(波長635(nm)、NA0.60)を用い、記録には、図1のようなストラテジを用い、先頭パスル長Ttop=1.00(T)、マルチパルス長Tmp=0.60(T)で14Tマークのみを、記録パワー11.0(mw)で記録した。
【0054】
【化33】
Figure 0004410430
【0055】
【化34】
Figure 0004410430
【0056】
この結果は、図7に示すように、明らかにポルフィリン誘導体であるポルフィラジン化合物では、アゾ金属錯体に比べて記録されたマーク長が短くなっており、アシンメトリずれ等によってスライスレベルの位置が長マークに対して短く判定されるレベルにあるのではなく、物理的にマークが短めに記録されていることが明らかである。
【0057】
次いで、厚さ0.6mm、トラックピッチ0.74(μm)のポリカーボネート基板上(4.7GB対応)に下記式(化19)、下記式(化20)のポルフィラジン化合物をスピンコートによって成膜し、その上にスパッタにより金反射層、さらに紫外線硬化型樹脂からなる保護層を設け、光記録媒体を作成した。
記録再生装置は,パルステック工業製のDDU1000(波長635(nm)、NA0.60)を、ジッタの測定は横河電機製のタイムインターバルアナライザTA320を用いた。
【0058】
【化35】
Figure 0004410430
【0059】
【化36】
Figure 0004410430
【0060】
式(化19)の化合物の、DVD Specifications for Recordable Disk(DVD−R) Part 1 PHYSICAL SPECIFICATIONS Version 1.0 July 1997に記載されたBasic Strategyにおける最適条件は、記録パワーが11.0(mw)のとき、1.04−1.00−0.54であり、式(化20)の化合物の、DVD Specifications for Recordable Disk(DVD−R) Part 1 PHYSICAL SPECIFICATIONS Version 1.0 July 1997に記載されたBasic Strategyにおける最適条件は、記録パワーが11.5(mw)のとき、1.01−1.00−0.56であった。
【0061】
この最適記録条件でのジッタ(Data to Clock Jitter)は、式(化19)の化合物が10.9%であり、式(化20)の化合物が10.6%であった。なお、細かな再生条件はDVD Specificationsfor Recordable Disk(DVD−R) Part 1 PHYSICAL SPECIFICATIONS Version 1.0 July 1997に記載された規定値を用いた。
また、この最適記録条件での、マークのデビエーションを測定した結果、式(化19)の化合物は図8のような結果が得られ、式(化20)の化合物は図10のような結果が得られた。
式(化19)、式(化20)の化合物とも、DVD Specifications for Recordable Disk(DVD−R) Part 1 PHYSICAL SPECIFICATIONS Version 1.0 July 1997に記載されたBasic Strategyでは、非常に良好なジッタ値は得られるものの、11Tや14Tなどの長マークが理論値から短くなっていることが確認できた(マーク長増加とともに理論値からのずれ量が大きくなる)。
次に、本発明で提供される記録ストラテジの効果を確認した。
【0062】
(実施例1)
(化19)の化合物の、DVD Specifications for Recordable Disk(DVD−R) Part 1 PHYSICALSPECIFICATIONS Version 1.0 July 1997に記載されたBasic Strategyとして、前記で求められた値1.04−1.00−0.54を用い、4T以上のパルスにおける最終パルス(すなわちMP(nT)imax)の記録パワーを最終パルス以外のパルスに同一に割り当てた記録パワーよりも高く設定した(表1参照。記録パワーの割り当て方は図6の(d)と同じ)。
【0063】
【表1】
Figure 0004410430
(化20)の化合物の、DVD Specifications for Recordable Disk(DVD−R) Part 1 PHYSICALSPECIFICATIONS Version 1.0 July 1997に記載されたBasic Strategyとして、1.01−1.00−0.56を用い、4T以上のパルスにおける最終パルス(すなわちMP(nT)imax)の記録パワーを最終パルス以外のパルスに同一に割り当てた記録パワーよりも高く設定した(表1参照。記録パワーの割り当て方は図6の(d)と同じ)。この結果は、(化19)の化合物に対しては図9、(化20)の化合物に対しては図11のようになり、本発明のストラテジを用いることで、DVD Specifications for Recordable Disk(DVD−R) Part 1 PHYSICAL SPECIFICATIONS Version 1.0 July 1997に記載されたBasic Strategyでの記録に比べて、マークのデビエーションが非常に小さくなった。
このように、本発明の光記録媒体およびその記録方法によって、マークのデビエーションを改善できることが明らかになった。
さらに本発明の記録ストラテジを用いて、記録パワーを変えたときのジッタを測定した。
図12は(化19)の結果、図13は(化20)の結果である。
なお、図12、図13中の横軸は、記録パワーを最適記録パワーで規格化したものである((化19)の化合物の最適記録パワーは11.0(MW)であり、(化20)の化合物の最適記録パワーは11.5(MW)である)。
、この結果、(化19)の化合物の最小ジッタは10.2%であり、(化20)の化合物の最小ジッタは9.8%であり、本発明の光記録媒体およびその記録方法によって、マークのデビエーションとともにジッタも改善されることがわかった。
【0064】
(実施例2)
(化19)の化合物に対し矩形波記録を用い、他の部分よりも0.2(mw)高パワー化した部分を1.0(T)設け(図5の(c)参照)、Tend(nT)−T2end(nT)を長マークほど小さくなるように設定した(表2参照)。
【0065】
【表2】
Figure 0004410430
同様に(化20)の化合物に対し矩形波記録を用い、他の部分よりも0.2(mw)高パワー化した部分を1.0(T)設け(図5の(c)参照)、Tend(nT)−T2end(nT)を長マークほど小さくなるように設定した(表2参照)。
この結果は、実施例1同様、(化19)の化合物に対しては図9、(化20)の化合物に対しては図11のようになり、本発明のストラテジを用いることで、マークのデビエーションが非常に小さくなった。
このように、本発明の光記録媒体およびその記録方法によって、マークのデビエーションを改善できることが明らかになった。
【0066】
(実施例3)
(化19)の化合物の、DVD Specifications for Recordable Disk(DVD−R) Part 1 PHYSICALSPECIFICATIONS Version 1.0 July 1997に記載されたBasic Strategyとして、前記で求められた値1.04−1.00−0.54を用い、4T以上のパルスにおけるパルス列間パワーPb(nT)を表3のように設定した。
同様に、(化20)の化合物の、DVD Specifications for Recordable Disk(DVD−R) Part 1 PHYSICAL SPECIFICATIONS Version 1.0 July 1997に記載されたBasic Strategyとして、1.01−1.00−0.56を用い、4T以上のパルスにおけるパルス列間パワーPb(nT)を表3のように設定した。
【0067】
【表3】
Figure 0004410430
この結果は実施例1、2同様、(化19)の化合物に対しては図9、(化20)の化合物に対しては図11のようになり、本発明のストラテジを用いることで、マークのデビエーションが非常に小さくなった。
このように、本発明の光記録媒体およびその記録方法によって、マークのデビエーションを改善できることが明らかになった。
なお、本実施例では、ポルフィラジン化合物における本発明のストラテジの有効性を示したが、ナフタロシアニン化合物、フタロシアニン化合物、ポルフィリン化合物、ポルフィセン化合物、コロール化合物、モノアザポルフィリン化合物、ジアザポルフィリン化合物においても基本骨格構造が同一であり、また熱重量分析における分解挙動が類似していることから、本発明のストラテジによって同様な効果が得られる。
【0068】
【発明の効果】
以上、詳細かつ具体的な説明から明らかなように、本発明により、分解促進効果が小さい記録材料を記録層として用いた光記録媒体、例えばポルフィリン誘導体を記録層として用いた光記録媒体であっても、マークのデビエーション問題がなく、ジッタに優れた光記録媒体が提供できる。
また、本発明の分解促進効果が小さい記録材料を記録層として用いた光記録媒体への記録方法、あるいはポルフィリン誘導体を記録層として用いた光記録媒体への記録方法を用いることによって、マークのデビエーション問題がなく、ジッタに優れた光記録媒体が提供できる。
本発明によって、基本骨格や置換基のバリエーションが非常に豊富であり、記録再生波長として、赤色領域〜青色領域まで広く対応できるポルフィリン誘導体を広く光記録媒体に適用することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来技術における1つのBasic Strategyを示す図である。
【図2】 従来技術における1アゾ金属錯体を示す図である。
【図3】 従来技術における1ポルフィリン誘導体であるポルフィラジン化合物を示す図である。
【図4】 意のマーク長のパルスの形態を示した図である。
【図5】 本発明における任意のマーク長のパルスの形態を示した別の図である。
【図6】 意のマーク長のパルスの形態を示した更に別の図である。
【図7】 本発明におけるポルフィリン誘導体の1記録マークを示す図である。
【図8】 本発明におけるストラテジを用いてマークのデビエーションを測定した結果を示す図である。
【図9】 本発明におけるストラテジを用いてマークのデビエーションを測定した結果を示す別の図である。
【図10】 本発明におけるストラテジを用いてマークのデビエーションを測定した結果を示す更に別の図である。
【図11】 本発明におけるストラテジを用いてマークのデビエーション測定した結果を示すまた更に別の図である。
【図12】 本発明におけるストラテジを用いて記録パワーを変えたときのジッタを測定した結果を示す図である。
【図13】 本発明におけるストラテジを用いて記録パワーを変えたときのジッタを測定した結果を示す別の図である。

Claims (1)

  1. 少なくとも基板上に主としてポルフィリン誘導体からなる記録層が形成された光記録媒体の記録方法であって、記録マークを形成するためのレーザ照射パルスは、一つの連続した記録パルス中に2つの記録パワーを有し、このうち最大の記録パワーPaが割り当てられた領域をA領域、前記最大記録パワー以外の記録パワーPbが割り当てられた領域をB領域としたとき、前記A領域はデーターマーク長によらず1箇所または2箇所であり、データーマーク長が長くなるに従い、前記A領域の少なくとも1箇所の長さを長くして記録することを特徴とする光記録媒体の記録方法。
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