JP3979558B2 - 光記録媒体とその記録方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は光記録媒体に関し、レ−ザ光によって記録可能な光記録媒体、およびその記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポルフィリン誘導体は、例えばフタロシアニン化合物がCD−R用記録材料として実用化されている。これは、フタロシアニン化合物が置換基のバリエーションも豊富であり、耐光性に非常に優れている等の特徴を有するためである。
しかしながら、ポルフィリン誘導体は、例えばCD−RやDVD−Rで実用化されているアゾ金属錯体やシアニン色素に比べて、マークの広がりが抑制されやすい。
そのためポルフィリン誘導体からなる光記録媒体へ、例えばDVD Specifications for Recordable Disk(DVD−R) Part 1 PHYSICAL SPECIFICATIONS Version 1.0 July 1997に記載されているようなBasic Strategy(図1参照)を用いて記録した場合、良好なジッタ値は得られても、再生不可能となる場合が生じていた。
特開平10−172181号公報には、フタロシアニン化合物を用いたCD−Rにおけるマークのデビエーション悪化が、基板と記録層間に金属または合金からなる薄膜層を設けることで改善できることが記載されている。
【0003】
しかしこの方法は、新たに金属または合金からなる薄膜層を設けるプロセスが加わることや、記録層形成時の欠陥率が増加する恐れがあるなど、生産性の低下を招く恐れがある。
この再生不良の問題は、ポルフィリン誘導体からなるCD−Rでも生じていたが、ポルフィリン誘導体からなるDVD−Rではより顕著に再生不良が生じていた。
また、ポルフィリン誘導体に限らず、分解促進効果が小さい記録材料を用いた場合は、良好なジッタ値は得られても、再生不可能となる場合が生じていた。
しかしポルフィリン誘導体には高耐光性や骨格、置換基を含めて豊富なバリエーションがあること、広い波長域に対応でき、かつ高吸収係数を有するなどの特徴があり、光記録媒体への有用性は非常に高い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明では、分解促進効果が小さい記録材料を記録層として用いた光情報記録媒体において、マークのデビーエーション問題のない光記録媒体を提供し、かつマークのデビエーション問題のない記録方法を提供する。
同様に本発明では、ポルフィリン誘導体を記録層として用いた光情報記録媒体において、マークのデビエーション問題のない光記録媒体を提供し、かつマークのデビエーション問題のない記録方法を提供する。
【0005】
【課題を解決するための手段】
したがって、上記課題は(1)「記録レーザ照射開始時間と記録レーザ照射完了時間の時間差と、データマーク長の差が、同一記録パターンで記録するデータマーク長の範囲内において、データマーク長が長くなるに従い短くして記録したことを特徴とする光記録媒体。」、(2)「主としてポルフィリン誘導体からなる記録層を有する光記録媒体において、記録レーザ照射開始時間と記録レーザ照射完了時間の時間差と、データマーク長の差が、同一記録パターンで記録するデータマーク長の範囲内において、データマーク長が長くなるに従い短くして記録したことを特徴とする光記録媒体。」、(3)「前記ポルフィリン誘導体が、下記式(1)で示されるナフタロシアニン化合物であることを特徴とする前記第(2)項に記載の光記録媒体。
【0006】
【化17】
(R1〜R24はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、水酸基、カルボキシル基、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアルコキシ基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換のアミノ基、置換もしくは未置換のアシル基を表わす。
Mは2個の水素原子、または酸素、ハロゲンを有してもよい2価、3価、もしくは4価の金属原子、または(OR25)p、(OSiR26R27R28)q、(OPOR29R30)r、(OCOR31)sを有してもよい金属原子を表わす。R25〜R31は独立に水素原子、置換もしくは未置換の脂肪族、芳香族炭化水素基を表わし、p、q、r、sは0〜2の整数を表わす。)」、(4)「前記ポルフィリン誘導体が、下記式(2)で示されるフタロシアニン化合物であることを特徴とする前記第(2)項に記載の光記録媒体。
【0007】
【化18】
(R1〜R16はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、水酸基、カルボキシル基、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアルコキシ基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換のアミノ基、置換もしくは未置換のアシル基を表わす。
Mは2個の水素原子、または酸素、ハロゲンを有してもよい2価、3価、もしくは4価の金属原子、または(OR17)p、(OSiR18R19R20)q、(OPOR21R22)r、(OCOR23)sを有してもよい金属原子を表わす。R17〜R23は独立に水素原子、置換もしくは未置換の脂肪族、芳香族炭化水素基を表わし、p、q、r、sは0〜2の整数を表わす。)」、(5)「前記ポルフィリン誘導体が、下記式(3)で示されるポルフィラジン化合物であることを特徴とする前記第(2)項に記載の光記録媒体。
【0008】
【化19】
(R1〜R8はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、水酸基、カルボキシル基、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアルコキシ基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換のアミノ基、置換もしくは未置換のアシル基を表わす。
Mは2個の水素原子、または酸素、ハロゲンを有してもよい2価、3価、もしくは4価の金属原子、または(OR9)p、(OSiR10R11R12)q、(OPOR13R14)r、(OCOR15)sを有してもよい金属原子を表わす。R9〜R15は独立に水素原子、置換もしくは未置換の脂肪族、芳香族炭化水素基を表わし、p 、q、r、sは0〜2の整数を表わす。)」、(6)「前記ポルフィリン誘導体が、下記式(4)で示されるポルフィリン化合物であることを特徴とする前記第(2)項に記載の光記録媒体。
【0009】
【化20】
(R1〜R8、X1〜X4はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、水酸基、カルボキシル基、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアルコキシ基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換のアミノ基、置換もしくは未置換のアシル基を表わす。
Mは2個の水素原子、または酸素、ハロゲンを有してもよい2価、3価、もしくは4価の金属原子、または(OR9)p、(OSiR10R11R12)q、(OPOR13R14)r、(OCOR15)sを有してもよい金属原子を表わす。R9〜R15は独立に水素原子、置換もしくは未置換の脂肪族、芳香族炭化水素基を表わし、p、q、r、sは0〜2の整数を表わす。)」によって達成される。
さらに、上記課題は本発明の(7)「主としてポルフィリン誘導体からなる記録層を有する光記録媒体において、前記ポルフィリン誘導体が、下記式(5)〜(9)で示されるポルフィセン化合物であることを特徴とする光記録媒体。
【0010】
【化21】
【0011】
【化22】
【0012】
【化23】
【0013】
【化24】
【0014】
【化25】
(R1〜R8、X1〜X4はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、水酸基、カルボキシル基、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアルコキシ基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換のアミノ基、置換もしくは未置換のアシル基を表わす。
Mは2個の水素原子、または酸素、ハロゲンを有してもよい2価、3価、もしくは4価の金属原子、または(OR9)p、(OSiR10R11R12)q、(OPOR13R14)r、(OCOR15)sを有してもよい金属原子を表わす。R9〜R15は独立に水素原子、置換もしくは未置換の脂肪族、芳香族炭化水素基を表わし、p、q、r、sは0〜2の整数を表わす。)」により達成される。
さらに、上記課題は(8)「前記ポルフィリン誘導体が、下記式(10)〜(14)で示されるコロール化合物であることを特徴とする前記第(2)項に記載の光記録媒体。
【0015】
【化26】
【0016】
【化27】
【0017】
【化28】
【0018】
【化29】
【0019】
【化30】
(R1〜R8、X1〜X3はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、水酸基、カルボキシル基、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアルコキシ基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換のアミノ基、置換もしくは未置換のアシル基を表わす。
Mは3個の水素原子、または酸素、ハロゲンを有してもよい2価、3価、もしくは4価の金属原子、または(OR9)p、(OSiR10R11R12)q、(OPOR13R14)r、(OCOR15)sを有してもよい金属原子を表わす。R9〜R15は独立に水素原子、置換もしくは未置換の脂肪族、芳香族炭化水素基を表わし、p、q、r、sは0〜2の整数を表わす。)」によって達成される。
さらに、上記課題は本発明の(9)「主としてポルフィリン誘導体からなる記録層を有する光記録媒体において、前記ポルフィリン誘導体が、下記式(15)で示されるモノアザポルフィリン化合物であることを特徴とする光記録媒体。
【0020】
【化31】
(R1〜R8、X1〜X3はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、水酸基、カルボキシル基、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアルコキシ基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換のアミノ基、置換もしくは未置換のアシル基を表わす。
Mは2個の水素原子、または酸素、ハロゲンを有してもよい2価、3価、もしくは4価の金属原子、または(OR9)p、(OSiR10R11R12)q、(OPOR13R14)r、(OCOR15)sを有してもよい金属原子を表わす。R9〜R15は独立に水素原子、置換もしくは未置換の脂肪族、芳香族炭化水素基を表わし、p、q、r、sは0〜2の整数を表わす。)」、(10)「主としてポルフィリン誘導体からなる記録層を有する光記録媒体において、前記ポルフィリン誘導体が、下記式(16)で示されるジアザポルフィリン化合物であることを特徴とする光記録媒体。
【0021】
【化32】
(R1〜R8、X1〜X2はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、水酸基、カルボキシル基、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアルコキシ基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換のアミノ基、置換もしくは未置換のアシル基を表わす。
Mは2個の水素原子、または酸素、ハロゲンを有してもよい2価、3価、もしくは4価の金属原子、または(OR9)p、(OSiR10R11R12)q、(OPOR13R14)r、(OCOR15)sを有してもよい金属原子を表わす。R9〜R15は独立に水素原子、置換もしくは未置換の脂肪族、芳香族炭化水素基を表わし、p、q、r、sは0〜2の整数を表わす。)」によって達成される。
【0022】
また、上記課題は(11)「記録レーザ照射開始時間と記録レーザ照射完了時間の時間差と、データマーク長の差が、同一記録パターンで記録するデータマーク長の範囲内において、データマーク長が長くなるに従い短くして記録したことを特徴とする前記第(1)項乃至第(10)項の何れか一に記載のポルフィリン誘導体からなる記録層を有する光記録媒体の記録方法。」、(12)「少なくとも先頭パルス部、最終パルス部からなる記録ストラテジを用いる記録方法において、先頭パルス照射時間をデータマーク長が長くなるに従い長くして記録することを特徴とする前記第(1)項乃至第(10)項の何れか一に記載のポルフィリン誘導体からなる記録層を有する光記録媒体の記録方法。」によって達成される。
また、上記課題は、本発明の(13)「少なくとも先頭パルス部、最終パルス部からなる記録ストラテジを用いる記録方法において、最終パルス照射時間をデータマーク長が長くなるに従い長くして記録することを特徴とする前記第(1)項乃至第(10)項の何れか一に記載のポルフィリン誘導体からなる記録層を有する光記録媒体の記録方法。」によって達成される。
【0023】
本発明では、分解促進効果が小さい記録材料、あるいは多くのポルフィリン誘導体は、DVD Specifications for Recordable Disk(DVD−R) Part 1 PHYSICAL SPECIFICATIONS Version 1.0 July 1997に記載されているようなBasic Strategyを用いて記録した場合に、良好なジッタ値が得られる場合においても再生不良が生じる原因は、長マークほど物理的に記録マーク長が短くなってしまうことにあることを見出した。
また、分解促進効果が小さい記録材料やポルフィリン誘導体を記録層として用いたCD−Rでも同期不良等やジッタの悪化等の問題が生じていたが、CD−Rでは変調方式にEFM変調を用いており、最長マークが11Tであるのに対し、DVD−Rでは8−16変調を用いており、最長マークが14Tとなるため、このマークのデビエーション問題は分解促進効果が小さい記録材料やポルフィリン誘導体を記録層として用いたDVD−Rにおいて、より顕著になることが判明した。
【0024】
具体的にこの現象は、DVD Specifications for Recordable Disk(DVD−R) Part 1 PHYSICALSPECIFICATIONS Version 1.0 July 1997に記載されているようなBasic Strategyを用いて各種記録パワーで記録した場合のアゾ金属錯体(図2)とポルフィリン誘導体であるポルフィラジン化合物(図3)のスペース長とマーク長の差を測定することでわかる。
すなわち、アゾ金属錯体の場合は、スペース長とマーク長の差にデータマーク長依存性がほとんどないが、ポルフィラジン化合物の場合は、スペース長とマーク長の差に大きなデータマーク長依存性がある。
【0025】
図3によって、ポルフィリン誘導体を記録層として用いた光記録媒体では、ジッタ値自体は短マークによって大きく支配されるため良好な値が得られても、フレーム同期をとる目的などに使用される14Tマークが大幅に短く判定され、同期不良を起こす可能性が高いことや、マーク長が長くなるに従ってピットデビエーションが悪化するために、記録中のパワー変化や膜厚変化等の外乱因子でジッタが急激に劣化しまうことがわかる。
この長マークほど物理的に短くなってしまう現象は、記録レーザ照射開始時間と記録レーザ照射完了時間の時間差と、データマーク長の差が、同一記録パターンで記録するデータマーク長の範囲内において、データマーク長が長くなるに従い短くして記録することで回避でき、非常に優れたジッタ値が得られることを見出したものである。
すなわち、図4に示すような記録パタ−ンを用いる場合においては、記録レーザ照射開始時間をttop(nT)、記録レ−ザ照射完了時間をtend(nT)とし、両者の時間差をTint(nT)とすると、同一記録パタ−ンで記録するマーク長の範囲内において
【0026】
【式1】
(nT−Tint(nT))≧((nT+1)−Tint(nT+1))≧
((nT+2)−Tint(nT+2)) …(I)
という関係にすることで、デビエーション悪化は防止できる(但し(I)式で、全ての不等号が=となることはない)。
【0027】
ところで、本発明でいう同一記録パターンとは、レーザ照射パルスの構成・組み合わせが同一である場合を言い、例えば、DVD Specifications for Recordable Disk(DVD−R) Part 1PHYSICAL SPECIFICATIONS Version 1.0July 1997に記載されているように、3Tマーク形成は単一パルスで行ない、4T以上は複数のパルスで記録を行なうため、4Tマーク以上を同一記録パタ−ンという(3Tは4Tマーク以上とは同一記録パターンでない)。
データマーク長nTとは記録すべきデータの長さのことである(図中のTwd(nT)と同じ)。
なお、記録レーザ照射開始時間とは、図4に示されるような単純矩形波から記録マークを形成する場合は、マークを形成するためのレーザ光照射が開始される時間ttop(nT)のことであり、図5に示されるような複数のパルスから記録マークを形成する場合は、先頭パルスのレーザ照射が開始される時間tstop(nT)のことである。
また、記録レ−ザ照射完了時間とは、図4に示されるような単純矩形波から記録マークを形成する場合は、マークを形成するためのレーザ光照射が完了する時間tend(nT)のことであり、図5に示されるような複数のパルスから記録マークを形成する場合は、最終パルスのレーザ照射が完了する時間teend(nT)のことである。
【0028】
DVD−Rで適用されている変調方式と、ストラテジの規定を用いた場合、図5に示すように、記録レーザ照射開始時間をtstop(nT)、記録レ−ザ照射完了時間をteend(nT)とし、両者の時間差をTint(nT)とすると,同一記録パターンで記録するデータマーク長の範囲内である4T〜14Tのデータマーク長においては、
【0029】
【式2】
(4T−Tint(4T))≧(5T−Tint(5T))≧(6T−Tint(6T))≧…
…≧(10T−Tint(10T))≧(11T−Tint(11T))≧
(14T−Tint(14T)) …(II)
という関係にすることで,デビエーション悪化は防止できる(但し(II)式で、全ての不等号が=となることはない)。
【0030】
一方、DVD Specifications for Recordable Disk(DVD−R) Part 1 PHYSICAL SPECIFICATIONS Version 1.0 July 1997に記載されているようなBasic Strategyを用いた場合は、
【0031】
【式3】
(4T−Tend(4T))=(5T−Tend(5T))=(6T−Tend(6T))=…
…=(10T−Tend(10T))=(11T−Tend(11T))=
(14T−Tend(14T)) …(III)
という関係にあるため、長マークほどよりマルチパルスによる冷却効果を受けるために、マークが物理的に短くなる。
【0032】
上述の(I)、(II)式のような関係にするためには、データマーク長が長くなるに従い、ttop(nT)またはtstop(nT)の時刻を早めるか、あるいはtend(nT)またはteend(nT)の時刻を遅らせるか、あるいはその両者を組み合わせればよい。
但し、データマーク長nT長くなるに従ってttop(nT)またはtstop(nT)の時刻を早めるか、あるいはtend(nT)またはteend(nT)の時刻を遅らせるか、いずれかの方法のみを用いた場合は、マーク長によって前スペースあるいは後スペースの差異が大きくなりジッタが悪化する場合があるため、この場合はttop(nT)またはtstop(nT))の時刻を早める量、およびtend(nT)またはteend(nT)の時刻を遅らせるようある程度制限し、両者を組み合わせて用いる必要がある。
【0033】
全てのパルス照射時間をパルス照射終了時刻を基準にとるような設定を用いる場合、すなわち先頭パルス照射完了時刻tetop(nT)と最終パルス照射完了時刻teend(nT)は固定とし、先頭パルス照射時間Ttopと最終パルス照射時間Tendを、先頭パルス照射開始時刻tstop(nT)と最終パルス照射開始時刻tsend(nT)を変更することで制御する場合は、上述の(II)式のような関係にするためには、
【0034】
【式4】
Ttop(3T)≦Ttop(4T)≦Ttop(5T)≦…
…≦Ttop(10T)≦Ttop(11T)≦Ttop(14T) …(IV)
とすればよい(但し(IV)式で、全ての不等号が=となることはない)。
但し、Ttop(nT)をデータマーク長nTが長くなるに従って長く設定すると、マーク長によって前スペースの差異が大きくなりジッタが悪化する場合があるため、Ttop(nT)の制御量をある程度制限する必要がある。
この場合、(IV)式の関係を適度な範囲に設定し、最終パルス照射時間Tend(xT)を
【0035】
【式5】
Tend(3T)≦Tend(4T)≦Tend(5T)≦…≦Tend(10T)
≦Tend(11T)≦Tend(14T) …(V)
とする設定を加えることで、マークのデビエーション改善と、記録マーク長による前マーク差異の増大によるジッタの悪化も防止することが可能である(但し(V)式で、全ての不等号が=となることはない)。
【0036】
【式6】
あるいは逆に,上述の(2)式のような関係にするためには、
Tend(3T)≦Tend(4T)≦Tend(5T)≦…≦Tend(10T)≦
Tend(11T)≦Tend(14T) …(V)
とすればよい(但し(V)で、全ての不等号が=となることはない)。
但し、Tend(nT)をデータマーク長nTが長くなるに従って長く設定すると、マーク長によって後スペ−スの差異が大きくなりジッタが悪化する場合があるため、Tend(nT)の制御量をある程度制限する必要がある。
この場合、(V)式の関係を適度な範囲に設定し、先頭パルス照射時間Ttop(xT)を
【0037】
【式7】
Ttop(3T)≦Ttop(4T)≦Ttop(5T)≦…≦Ttop(10T)≦
Ttop(11T)≦Ttop(14T) …(4)
とする設定を加えることで、マークのデビエーション改善と、記録マーク長による後マーク差異の増大によるジッタの悪化も防止することが可能である(但し(IV)式で、全ての不等号が=となることはない)。
なお勿論、(IV)式の関係、あるいは(V)式の関係単独で用いても構わない。
上記では、全てのパルス照射時間をパルス照射終了時刻を基準にとり、すなわち先頭パルス照射完了時刻tetop(nT)と最終パルス照射完了時刻teend(nT)は固定とし、先頭パルス照射時間Ttopと最終パルス照射時間Tendを、先頭パルス照射開始時刻tstop(nT)と最終パルス照射開始時刻tsend(nT)を変更することで制御する場合を述べたが、これはあくまでも一例に過ぎず、パルス照射位置の基準はどこにとっても構わない。
【0038】
本発明でいう分解促進効果が小さい記録材料とは、記録レーザ照射開始時間と記録レーザ照射完了時間の時間差と、データマーク長の差が、同一記録パターンで記録するデータマーク長の範囲内において、一定値である記録ストラテジを用いて記録した場合、長マークほど短く記録されてしまう材料を総称するものであり、多くのポルフィリン誘導体は分解促進効果が小さい記録材料に含まれる。
【0039】
本発明に用いるポルフィリン誘導体におけるR1〜R24およびX1〜X4はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、水酸基、カルボキシル基、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアルコキシ基、置換もしくは未置換のアリ−ル基、置換もしくは未置換のアミノ基、置換もしくは未置換のアシル基を表わす。
【0040】
未置換のアルキル基、および未置換のアルコキシ基中のアルキル基としては、直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基があげられ、置換アルキル基、および置換アルコキシ基中の置換アルキル基としては、2−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピル基、4−ヒドロキシブチル基、2−ヒドロキシプロピル基等のヒドロキシ置換アルキル基;カルボキシメチル基、2−カルボキシエチル基、3−カルボキシプロピル基等のカルボキシ置換アルキル基;2−シアノエチル基、シアノメチル基などのシアノ置換アルキル基;2−アミノエチル基などのアミノ置換アルキル基;2−クロロエチル基、3−クロロプロピル基、2−クロロプロピル基、2,2,2−トリフルオロエチル基などのハロゲン原子置換アルキル基;ベンジル基、p−クロロベンジル基、2−フェニルエチル基などのフェニル置換アルキル基;2−メトキシエチル基、2−エトキシエチル基、2−(n)プロポキシエチル基、2−(iso)プロポキシエチル基、2−(n)ブトキシエチル基、2−(iso)ブトキシエチル基、2−(2−エチルヘキシルオキシ)エチル基、3−メトキシプロピル基、4−メトキシブチル基、2−メトキシプロピル基等のアルコキシ置換アルキル基;2−(2−メトキシエトキシ)エチル基、2−(2−エトキシエトキシ)エチル基、2−(2−(n)プロポキシエトキシ)エチル基、2−(2−(iso)プロポキシエトキシ)エチル基、2−(2−(n)ブトキシエトキシ)エチル基、2−(2−(iso)ブトキシエトキシ)エチル基、2−{2−(2−エチルヘキシルオキシ)エトキシ}エチル基等のアルコキシアルコキシ置換アルキル基;アリルオキシエチル基、2−フェノキシエチル基、2−ベンジルオキシエチル基等の置換アルキル基;2−アセチルオキシエチル基、2−プロピオニルオキシエチル基、2−(n)ブチリルオキシエチル基、2−(iso)ブチリルオキシエチル基、2−トリフルオロアセチルオキシエチル基等のアシルオキシ置換アルキル基;メトキシカルボニルメチル基、エトキシカルボニルメチル基、(n)プロポキシカルボニルメチル基、(iso)プロポキシカルボニルメチル基、(n)ブトキシカルボニルメチル基、(iso)ブトキシカルボニルメチル基、2−エチルヘキシルオキシカルボニルメチル基、ベンジルオキシカルボニルメチル基、フルフリルオキシカルボニルメチル基、テトラヒドロフルフリルオキシカルボニルメチル基、2−メトキシカルボニルエチル基、2−エトキシカルボニルエチル基、2−(n)プロポキシカルボニルエチル基、2−(iso)プロポキシカルボニルエチル基、2−(n)ブトキシカルボニルエチル基、2−(iso)ブトキシカルボニルエチル基、2−(2−エチルヘキシルオキシカルボニル)エチル基、2−ベンジルオキシカルボニルエチル基、2−フルフリルオキシカルボニルエチル基等の置換もしくは非置換のアルコキシカルボニル置換アルキル基;2−メトキシカルボニルオキシエチル基、2−エトキシカルボニルオキシエチル基、2−(n)プロポキシカルボニルオキシエチル基、2−(iso)プロポキシカルボニルオキシエチル基、2−(n)ブトキシカルボニルオキシエチル基、2−(iso)ブトキシカルボニルオキシエチル基、2−(2−エチルヘキシルオキシカルボニルオキシ)エチル基、2−ベンジルオキシカルボニルオキシエチル基、2−フルフリルオキシカルボニルオキシエチル基等の置換もしくは非置換のアルコキシカルボニルオキシ置換アルキル基;フルフリル基、テトラヒドロフルフリル基等のヘテロ環置換アルキル基等が挙げられる。
【0041】
また、シクロアルキル基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
【0042】
アルキル基およびアルコキシ基中のアルキル基の具体例としては、例えば、次のものが挙げられる。なお、これらのアルキル基は、ハロゲン原子等の置換基で置換されていてもよい。メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、イソアミル基、2−メチルブチル基、n−ヘキシル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基、2−エチルブチル基、n−ヘプチル基、2−メチルヘキシル基、3−メチルヘキシル基、4−メチルヘキシル基、5−メチルヘキシル基、2−エチルペンチル基、3−エチルペンチル基、n−オクチル基、2−メチルヘプチル基、3−メチルヘプチル基、4−メチルヘプチル基、5−メチルヘプチル基、2−エチルヘキシル基、3−エチルヘキシル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ドデシル基等の一級アルキル基;イソプロピル基、sec−ブチル基、1−エチルプロピル基、1−メチルブチル基、1,2−ジメチルプロピル基、1−メチルヘプチル基、1−エチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、1−エチル−2−メチルプロピル基、1−メチルヘキシル基、1−エチルヘプチル基、1−プロピルブチル基、1−イソプロピル−2−メチルプロピル基、1−エチル−2−メチルブチル基、1−プロピル−2−メチルプロピル基、1−メチルヘプチル基、1−エチルヘキシル基、1−プロピルペンチル基、1−イソプロピルぺンチル基、1−イソプロピル−2−メチルブチル基、1−イソプロピル−3−メチルブチル基、1−メチルオクチル基、1−エチルヘプチル基、1−プロピルヘキシル基、1−イソブチル−3−メチルブチル基等の二級アルキル基;tert−ブチル基、tert−ヘキシル基、tert−アミル基、tert−オクチル基等の三級アルキル基;シクロヘキシル基、4−メチルシクロヘキシル基、4−エチルシクロヘキシル基、4−tert−ブチルシクロヘキシル基、4−(2−エチルヘキシル)シクロヘキシル基、ボルニル基、イソボルニル基、アダマンタン基等のシクロアルキル基等が挙げられる。
【0043】
またアリ−ル基としてはフェニル基、メチルフェニル基、ジメチルフェニル基、トリメチルフェニル基、エチルフェニル基、tert−ブチルフェニル基、ジ(tert−ブチル)フェニル基、ブチルフェニル基、メトキシフェニル基、ジメトキシフェニル基、トリメトキシフェニル基、ブトキシフェニル基などが挙げられ、またこれらのアリ−ル基はハロゲン等の置換基で置換されていてもよい。
【0044】
式(1)〜式(16)中、Mは2個の水素原子(但し化10〜化14は3個の水素原子)、または酸素、ハロゲンを有してもよい2価、3価、もしくは4価の金属原子、または(ORa)p、(OSiRbRcRd)q、(OPOReRf)r、(OCORg)sを有してもよい金属原子を表す。Ra〜Rgは独立に水素原子、置換もしくは未置換の脂肪族、芳香族炭化水素基を表わし、p、q、r、sは0〜2の整数を表わす。
具体的にMとしては、Ib族、IIa族、IIb族、IIIa族、IVa族、IVb族、Vb族、VIb族、VIIb族、VIII族の金属、これらの金属の酸化物、これらの金属のハロゲン化物またはこれらの金属の水酸化物などがあり、さらに、上記金属で置換基を有するものがある。
上記の金属としては、Cu、Zn、Mg、Al、Ge、Ti、Sn、Pb、Cr、Mo、Mn、Fe、Co、Ni、In、Pt、Pd等があり、酸化物としては、TiO、VO等があり、ハロゲン化物としては、AlCl、GeCl2、SiCl2、FeCl、SnCl2、InCl等があり、水酸化物としてはAl(OH)、Si(OH)2、Ge(OH)2、Sn(OH)2等がある。
さらに、金属が置換基を有する場合に、金属としては、Al、Ti、Si、Ge、Sn等があり、置換基としては、アリールオキシル基、アルコキシル基、トリアルキルシロキシル基、トリアリールシロキシル基、トリアルコキシシロキシル基、トリアリールオキシシロキシル基、トリチルオキシル基又はアシロキシル基等がある。
【0045】
【実施例】
<参考例>
まず初めに、ポルフィリン誘導体の記録マークは、長マークほど物理的に短くなっていることを確認した。
厚さ0.6mm、トラックピッチ0.74(μm)のポリカーボネート基板上(4.7GB対応)に下記式(17)のポルフィラジン化合物と、下記式(18)のアゾ金属錯体をスピンコートによって成膜し、その上にスパッタにより金反射層、さらに紫外線硬化型樹脂からなる保護層を設け、光記録媒体を作成した。
記録再生装置は、パルステック工業製のDDU−1000(波長635(nm)、NA0.60)用い、記録には、図5のようなストラテジを用い、先頭パスル長1.00(T)、マルチパルス長0.60(T)で14Tマークのみを、記録パワー11.0(mw)で記録した。
【0046】
【化33】
【0047】
【化34】
【0048】
この結果は、図6に示すように、明らかにポルフィリン誘導体であるポルフィラジン化合物では、アゾ金属錯体に比べて記録されたマーク長が短くなっており、アシンメトリずれ等によってスライスレベルの位置が長マークに対して短く判定されるレベルにあるのではなく、物理的にマークが短めに記録されていることが明らかである。
【0049】
次いで、厚さ0.6mm、トラックピッチ0.74(μm)のポリカーボネート基板上(4.7GB対応)に下記式(19)、下記式(20)のポルフィラジン化合物をスピンコートによって成膜し、その上にスパッタにより金反射層、さらに紫外線硬化型樹脂からなる保護層を設け、光記録媒体を作成した。
記録再生装置は,パルステック工業製のDDU1000(波長635(nm)、NA0.60)を、ジッタの測定は横河電機製のタイムインターバルアナライザTA320を用いた。
【0050】
【化35】
【0051】
【化36】
【0052】
式(19)の化合物の、DVD Specifications for Recordable Disk(DVD−R) Part 1 PHYSICAL SPECIFICATIONS Version 1.0 July 1997に記載されたBasic Strategyにおける最適条件は、記録パワーが11.0(mw)の時、1.04−1.00−0.54であり(表1参照)、
式(20)の化合物の、DVD Specifications for Recordable Disk(DVD−R) Part 1 PHYSICAL SPECIFICATIONS Version 1.0 July 1997に記載されたBasic Strategyにおける最適条件は、記録パワーが11.5(mw)の時、1.01−1.00−0.56であった(表2参照)。
【0053】
【表1】
【0054】
【表2】
この最適記録条件でのジッタ(Data to Clock Jitter)は、式(19)の化合物が10.9%であり、式(20)の化合物が10.6%であった。なお、細かな再生条件はDVD Specifications for Recordable Disk(DVD−R) Part 1 PHYSICAL SPECIFICATIONS Version 1.0 July 1997に記載された規定値を用いた。
またこの最適記録条件での、マークのデビエーションを測定した結果、式(19)の化合物は図7のような結果が得られ、式(20)の化合物は図9のような結果が得られた。
式(19)、式(20)の化合物とも、DVD Specifications for Recordable Disk(DVD−R) Part 1 PHYSICAL SPECIFICATIONS Version 1.0 July 1997に記載されたBasic Strategyでは、非常に良好なジッタ値は得られるものの、11Tや14Tなどの長マークが理論値から短くなっていることが確認できた(マーク長増加とともに理論値からのずれ量が大きくなる)。
【0055】
次に本発明で提供される記録ストラテジの効果を確認した。
式(19)の化合物に対しては表3のようなストラテジを、式(20)の化合物に対しては表4のようなストラテジを用いた。
【0056】
【表3】
【0057】
【表4】
表1〜4におけるTtopは先頭パルスの照射時間、Tmpはマルチパルスの照射時間、Tendは最終パルスの照射時間である。
なお、表1〜4には、図5におけるTtop、Tmp、Tendとともに、本発明で規定されるデータマーク長nT(=Twd)とTint(TstopとTeend時間差)の差を示してある。
この表2、表4で示されたストラテジを用いて、マークのデビエーションを測定した。
なお、式(19)の記録パワーは11.0(mw)であり、式(20)の化合物の記録パワーは11.5(mw)である。
【0058】
この結果は式(19)の化合物に対しては図8、式(20)の化合物に対しては図10のようになり、本発明のストラテジを用いることで、DVD Specifications for Recordable Disk(DVD−R) Part 1 PHYSICAL SPECIFICATIONS Version 1.0 July 1997に記載されたBasic Strategyでの記録に比べて、マークのデビエーションが非常に小さくなった。
このように、本発明で規定されるデータマーク長nT(=Twd)とTint (TstopとTeendの時間差)の差をデータマーク長が増加するに従い短くすることで、マークのデビエーションを改善できることが明らかになった。
さらに表2、表4で示されたストラテジを用いて、記録パワーを変えたときのジッタを測定した。
【0059】
図11は式(19)の結果、図12は式(20)の結果である。
なお、図11、図12中の横軸は、記録パワーを最適記録パワーで規格化したものである(式(19)の化合物の最適記録パワーは11.0(mw)であり、式(20)の化合物の最適記録パワーは11.5(mw)である)。
この結果、式(19)の化合物の最小ジッタは10.2%であり、式(20)の化合物の最小ジッタは9.8%であり、本発明で規定されるデータマーク長nT(=Twd)とTint(TstopとTeendの時間差)の差をデータマーク長が増加するに従い短くすることで、マークのデビエーションとともにジッタも改善されることがわかった。
なお、本参考例では、ポルフィラジン化合物における本発明のストラテジの有効性を示したが、ナフタロシアニン化合物、フタロシアニン化合物、ポルフィリン化合物、ポルフィセン化合物、コロール化合物、モノアザポルフィリン化合物、ジアザポルフィリン化合物においても基本骨格構造が同一であり、また熱重量分析における分解挙動が類似していることから、本発明のストラテジによって同様な効果が得られる。
【0060】
【発明の効果】
以上、詳細かつ具体的な説明から明らかなように、本発明の分解促進効果が小さい記録材料を記録層として用いた光記録媒体、あるいはポルフィリン誘導体を記録層として用いた光記録媒体によって、マークのデビエーション問題がなく、ジッタに優れた光記録媒体が提供でき、また本発明の分解促進効果が小さい記録材料を記録層として用いた光記録媒体への記録方法、あるいはポルフィリン誘導体を記録層として用いた光記録媒体への記録方法を用いることによって、マークのデビエーション問題がなく、ジッタに優れた光記録媒体が提供でき、本発明によって、基本骨格や置換基のバリエーションが非常に豊富であり、記録再生波長として、赤色領域〜青色領域まで広く対応できるポルフィリン誘導体を広く光記録媒体に適用することが可能となるという優れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来技術における1つのBasic Strategyを示す図である。
【図2】従来技術における1アゾ金属錯体を示す図である。
【図3】従来技術における1ポルフィリン誘導体であるポルフィラジン化合物を示す図である。
【図4】本発明で用いた1記録パターンを示す図である。
【図5】従来技術におけるストラテジを示す図である。
【図6】本発明におけるポリフィリン誘導体の1記録マークを示す図である。
【図7】本発明におけるストラテジを用いてマークのデビエーションを測定した結果を示す図である。
【図8】本発明におけるストラテジを用いてマークのデビエーションを測定した結果を示す別の図である。
【図9】本発明におけるストラテジを用いてマークのデビエーションを測定した結果を示す更に別の図である。
【図10】本発明におけるストラテジを用いてマークのデビエーション測定した結果を示すまた更に別の図である。
【図11】本発明におけるストラテジを用いて記録パワーを変えたときのジッタを測定した結果を示す図である。
【図12】本発明におけるストラテジを用いて記録パワーを変えたときのジッタを測定した結果を示す別の図である。
Claims (4)
- 主としてポルフィリン誘導体からなる記録層を有する光記録媒体において、前記ポリフィリン誘導体が、下記式(5)〜下記式(9)で示されるポルフィセン化合物であることを特徴とする光記録媒体。
Mは2個の水素原子、または酸素、ハロゲンを有してもよい2価、3価、もしくは4価の金属原子、または(OR9)p、(OSiR10R11R12)q、(OPOR13R14)r、(OCOR15)sを有してもよい金属原子を表わす。R9〜R15は独立に水素原子、置換もしくは未置換の脂肪族、芳香族炭化水素基を表わし、p、q、r、sは0〜2の整数を表わす。) - 主としてポルフィリン誘導体からなる記録層を有する光記録媒体において、前記ポルフィリン誘導体が、下記式(15)で示されるモノアザポルフィリン化合物であることを特徴とする光記録媒体。
Mは2個の水素原子、または酸素、ハロゲンを有してもよい2価、3価、もしくは4価の金属原子、または(OR9)p、(OSiR10R11R12)q、(OPOR13R14)r、(OCOR15)sを有してもよい金属原子を表わす。R9〜R15は独立に水素原子、置換もしくは未置換の脂肪族、芳香族炭化水素基を表わし、p、q、r、sは0〜2の整数を表わす。) - 主としてポルフィリン誘導体からなる記録層を有する光記録媒体において、前記ポルフィリン誘導体が、下記式(16)で示されるジアザポルフィリン化合物であることを特徴とする光記録媒体。
Mは2個の水素原子、または酸素、ハロゲンを有してもよい2価、3価、もしくは4価の金属原子、または(OR9)p、(OSiR10R11R12)q、(OPOR13R14)r、(OCOR15)sを有してもよい金属原子を表わす。R9〜R15は独立に水素原子、置換もしくは未置換の脂肪族、芳香族炭化水素基を表わし、p、q、r、sは0〜2の整数を表わす。) - 少なくとも先頭パルス部、最終パルス部からなる記録ストラテジを用いる記録方法において、最終パルス照射時間をデータマーク長が長くなるに従い長くして記録することを特徴とする請求項1乃至3の何れか一に記載の光記録媒体の記録方法。
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