JP4334701B2 - 光情報記録媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光学的に情報の記録、再生が行なわれる追記型光情報記録媒体に関するものであり、特に有機色素を記録材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光情報記録媒体に対して記録、再生を行なうレーザー光としては、赤〜赤外領域のものが用いられ、これに対応した記録媒体が広く普及している。
例えば、追記型の光情報記録媒体のようなユーザーによる書き込みが可能であるディスク状光情報記録媒体(CD−R、DVD−R)もその一例である。
この追記型光情報記録媒体は、基板上に例えば有機色素等よりなる記録層が形成された構成とされ、通常、ヒートモードで記録が行なわれる。
すなわち、記録層にレーザ光を照射すると、有機色素の光吸収によって光のエネルギーが熱に変換され、この発生した熱によってピットが形成される。
そして、このピットは、レーザ光を照射したときの、当該ピットが形成された部分と形成されていない部分との位相変化に基づく反射率の差によって検出される。
【0003】
従来のレ−ザ波長で記録再生し、記録密度を増加させるためには、いわゆる超解像のような工夫が必要である。
しかし、近年、青色光領域の半導体レ−ザの実用化が実現可能となりつつあり、このような超解像等の工夫なしで記録情報量を増加させることが可能となりつつある。
青色光領域対応の半導体レ−ザの発振波長は400〜450(nm)となる見込みであり、記録材料もこれに合わせて短波長化する必要がある。
【0004】
通常、最大吸収波長が350〜450(nm)程度にある有機材料は、一般に分子骨格が小さいため、分子吸光係数も低く、10万を越える材料はほとんどない。
また、一般に溶解性も十分なものが少ない。
しかし、この課題を解決し得る材料の1つとして、ポルフィリン誘導体がある。
【0005】
ポルフィリン誘導体は、中心金属に原子団が配位した構造の金属錯体であり、最低38個のπ電子を含む(このπ電子の数は置換基によって増加する)。
このポルフィリン誘導体では、分子吸光スペクトルにおいて、その16員環(18個π電子系)に由来した、ソーレー帯(S帯)と称される吸収帯を短波長側に有している。
このソーレー帯は、10万以上の非常に大きな分子吸光係数を有しており、この大きな吸収帯を利用することで青色光領域での高感度な光記録が可能である。
400〜450(nm)で記録再生可能な材料としてポルフィリン誘導体誘導体が有望であるが、多くのポルフィリン誘導体誘導体は400〜450(nm)という短波長には対応できない。
【0006】
ポルフィリン誘導体誘導体を用いた短波長記録媒体としては、特開平7−304256号公報に「ポルフィリン誘導体誘導体と配位能を持つ分子構造を側鎖に有する高分子よりなる光情報記録媒体」が記載されており、また特開平7−304257号公報には「ポルフィリン誘導体誘導体と配位能を持つ分子化合物及び高分子よりなる光情報記録媒体」が記載されており、いずれも短波長領域での波長整合性を目的としたものであるが、その記録波長は480〜490(nm)であり、今後実用化されると考えられる400〜450(nm)の記録再生波長には全く適合できない。
【0007】
これらの公開特許記載の技術では、ポルフィリン誘導体誘導体の中心金属に配位能を有する分子化合物、または配位能を持つ分子構造を側鎖に有する高分子を配位させ、これによって分子吸光係数を増加させるとともに、ソーレー帯の吸収波長を長波長側にシフトさせることに主眼がおかれている。
【0008】
またこれらの公開特許記載の技術においては、基本的にポルフィリン誘導体として、テトラフェニルテトラベンズポルフィリンが用いられている。
テトラフェニルテトラベンズポルフィリンは吸収波長が470(nm)近傍にあるため、400〜450(nm)に発振波長を持つ半導体レ−ザで記録再生できない。
そのため実施例に記載の記録はArレーザ(波長は488(nm))により行なわれている。
【0009】
また、近年CD系光情報記録媒体は、その記録再生波長が780(nm)近傍から635〜660(nm)近傍へ移行し、今後さらに400(nm)近傍へと移行すると予測されるが、通常の有機材料を用いた光情報記録媒体では、複数の記録再生波長に対応することは困難である。
この原因は、高吸収係数を有する有機材料は、複素屈折率の波長依存性が大きいためである。
すなわち、高吸収係数を有する有機材料は、一般的に1つの大きな吸収帯を有するから、この吸収帯の長波長側のすそ近傍以外では屈折率が大幅に減少し、変調度が十分とれなくなる。
また、大きな吸収帯以外にはほとんど吸収を有さないから、レ−ザ光の吸収率も低下し、適度な記録パワ−で記録できなくなる。
【0010】
異なる波長域での記録再生を可能にする方法としては、それぞれの波長域に対応する異なる有機材料の混合系が考えられている(但し青色レ−ザ領域と、620〜690(nm)のレ−ザ波長域との記録再生互換性を達成させる材料はいまだ公開されていない)。
しかし、色素の混合系は混合比の管理が厄介であり、混合する有機材料を莫大な組み合わせの中から選択する必要があるなど、デメリットが多い手法である。
【0011】
また、単独材料で異なる2波長において記録再生を可能とさせる材料として、特開平8−169182号公報、特開平9−240144号公報等に特定ポルフィリン誘導体が開示されている。
しかし、これらのポルフィリン誘導体は、本発明の材料と構造が異なり、また公開特許の記録再生波長範囲は、620〜690(nm)と770〜830(nm)であり、本発明が目的とする記録再生波長範囲350〜500(nm)と620〜690(nm)とは異なる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明はこのような従来の実情に鑑みて提案されたものであり、本発明では、有機材料の混合系を用いることなく、異なる記録再生波長においても、記録再生が可能な光情報記録媒体、特に青色光領域において高感度な光記録が可能であり、記録再生波長350〜500(nm)に対応可能な追記型光情報記録媒体を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、本発明の光情報記録媒体は、透明基板上に光学的に情報の記録及び再生が可能な記録層が形成されてなり、上記記録層は主として、化1で示されるポルフィリン誘導体よりなることを特徴とするものである。
【0014】
すなわち上記目的は、本発明の(1)「下記式(1)で示されるポルフィリン誘導体において、R 1 〜R 4 のうち、1つが窒素原子であり、残りは炭素原子であるモノアザポルフィリン化合物」、
【化5】
(2)「上記式(1)で示されるポルフィリン誘導体において、R 1 〜R 4 のうち、2つが窒素原子であり、残りは炭素原子であるジアザポルフィリン化合物」、
(3)「記録再生波長350〜500nmに適合するものであることを特徴とする前記第(1)項または第(2)項記載のポルフィリン誘導体」、
(4)「記録再生波長350〜500nm、及び620〜690nmの両方の波長範囲に適合するものであることを特徴とする前記第(1)項または第(2)項記載のポルフィリン誘導体」、
また、本発明の(5)「下記式(1)で示されるポルフィリン誘導体において、R1〜R4のうち、1つが窒素原子であり、残りは炭素原子であるモノアザポルフィリン化合物を記録層として用いたことを特徴とする光情報記録媒体」、
【0015】
【化6】
(6)「上記式(1)で示されるポルフィリン誘導体において、R1〜R4のうち、2つが窒素原子であり、残りは炭素原子であるジアザポルフィリン化合物を記録層として用いたことを特徴とする光情報記録媒体」、(7)「少なくとも基板上に主として前記第(5)項または第(6)項に記載のポルフィリン誘導体からなる記録層を設け、記録再生波長を350〜500(nm)とすることを特徴とする光情報記録媒体」、(8)「少なくとも基板上に主として前記第(5)項または第(6)項に記載のポルフィリン誘導体からなる記録層、反射層が順次積層され、記録再生波長を350〜500(nm)とすることを特徴とする光情報記録媒体」、(9)「少なくとも基板上に主として前記第(5)項または第(6)項に記載のポルフィリン誘導体からなる記録層を設け、350〜500(nm)、および620〜690(nm)の両方の波長範囲において記録再生が可能であることを特徴とする光情報記録媒体」、(10)「少なくとも基板上に主として前記第(5)項または第(6)項に記載のポルフィリン誘導体からなる記録層、反射層が順次積層され、記録再生波長を350〜500(nm)、および620〜690(nm)の両方の波長範囲において記録再生が可能であることを特徴とする光情報記録媒体」によって達成される。
【0016】
本発明の前記第(8)項に記載の光情報記録媒体は、本発明の記録層を反射層を有するDVD−R、CD−RなどのCD系互換メディア構造として適用するものであり、本発明の前記第(7)項に記載の光情報記録媒体は、本発明の記録層を反射層を有さないCD系非互換メディア構造として適用するものである。
【0017】
本発明の前記第(10)項に記載の光情報記録媒体は、本発明の記録層を反射層を有するDVD−R、CD−RなどのCD系互換メディア構造として適用し、かつ複数の記録再生波長で記録・再生を可能とするものである。
【0018】
本発明の前記第(9)項に記載の光情報記録媒体は、記録層を反射層を有さないCD系非互換メディア構造として適用し、かつ複数の記録再生波長で記録・再生を可能とするものである。
【0019】
本発明が適用される光情報記録媒体は、例えば図1、あるいは図2に示したような構造を有するものである。
図1は反射層を有するDVD−R、CD−RなどのCD系互換メディア構造であり(高反射率タイプ)、図2は反射層を有さないCD系非互換メディア構造である(低反射率タイプ)。
すなわち図1は、基板(1)上に記録層(2)及び反射層(3)を順次成膜してなるものである。
また図2は、基板(1)上に記録層(2)を形成してなるものである。
この光情報記録媒体では、記録層(2)にレーザ光を照射することによって発生する熱によってピットを形成する、ヒートモード方式によって記録が行なわれる。
【0020】
反射層を有するDVD−R、CD−RなどのCD系互換メディア構造の場合、再生信号は反射層による記録層内での多重反射によって得られるため、ROMメディアとの反射率互換性を持たせるためには、記録層材料の複素屈折率の実部が大きく、虚部が小さいことが要求される。
したがって、記録再生波長は、有機材料の最大吸収波長よりも長波長側へずれた、いわゆる吸収スペクトルのすそに位置しなければならない。
【0021】
この屈折率最大波長近傍に記録再生波長を適合させる理由は、記録が基本的には記録材料の記録前後での屈折率変化によって行なわれているため、未記録時の色素の屈折率が一番高い波長領域を使うことが好ましいことと、また最大屈折率波長近傍は、吸収スペクトルのすそに位置することになり、追記型光情報記録媒体の場合、高反射率化、すなわちROMとの互換性という大きな特徴を出せることにある(高変調度と高反射率が両立できる)。
【0022】
この最大吸収波長と最大屈折率波長のずれ量は、吸収帯の幅や吸収係数の大小で変化するが、青色レ−ザ領域においては、おおむね20(nm)程度である。
通常は、最大屈折率波長では、複素屈折率の虚部が大きすぎて高反射率化が困難になるため、最大屈折率波長よりもおおよそ10〜20(nm)程度長波長側へシフトした波長が、最適記録再生波長となる。
したがって、CD系互換メディア構造の場合、記録材料の溶液、あるいは膜での吸収スペクトルの最大吸収波長は、記録再生波長よりも30〜40(nm)程度短波長にあることが好ましい。
【0023】
一方、反射層を有さないCD系非互換メディア構造の場合、再生信号は主に記録層と基板界面の界面反射によって得られるため、反射率を大きくとるためには、記録層材料の複素屈折率の実部が大きいことが要求される。
したがって、CD系非互換メディア構造の場合は、記録材料の溶液、あるいは膜での吸収スペクトルの最大波長は、ほぼ記録再生波長近傍にあればよい。
【0024】
ところで、現状では開発・量産される青色レ−ザ波長が確定していないためより短波長化できる材料を見つけ出す必要がある。
なぜなら、ポルフィリン誘導体では、短波長化させることは非常に困難であるが、長波長化させることは比較的容易であるからである。
したがって、いかに短波長へ対応させるかが重要な課題である。
【0025】
上記式(1)においてR1〜R4がすべて炭素原子もしくは置換基を有してもよい炭素原子であるポルフィリン誘導体はナフタロシアニンやフタロシアニンに比べて分子骨格が小さく、またメソ位が炭素であるため、隣接置換基の立体障害性によって、非常に歪みやすいという性質をもっている。
そのため置換基による立体障害性が大きくなれば、歪みによるHOMOの不安定化が大きくなり長波長化してしまうため、置換基効果を高めても多くのポルフィリンは溶液または膜スペクトルの最大吸収波長が390(nm)以下とならない。
したがってCD系互換メディア構造における最適記録再生波長は、420〜430(nm)程度となり、これより短波長の記録再生波長に適合させることが困難である。
また、今後実用化される青色レ−ザ波長がやや長波長化しても、大きな構造変化を生じたことによる長波長化では、分子吸光係数が大幅に低下することとなり、高反射率、高感度という特徴が消失するこことなるため、構造歪みの起きやすい化合物は不利な点が多い。
【0026】
そこで本発明者は、鋭意検討の結果、モノアザポルフィリン化合物、およびジアザポルフィリン化合物が上記式(1)においてR1〜R4がすべて炭素原子もしくは置換基を有してもよい炭素原子であるポルフィリン誘導体よりも短波長に対応可能であり、また上記式(1)においてR1〜R4がすべて炭素原子もしくは置換基を有してもよい炭素原子であるポルフィリン誘導体よりも歪みにくい構造となるため、分子吸光係数を低下させることなく長波長化させることも可能であることを見出し、350〜500(nm)という短波長領域で記録再生可能となることを見出したものである。
【0027】
モノアザポルフィリン化合物、およびジアザポルフィリン化合物は、ポルフィリンに特徴的な大きなS帯(高吸収係数を有する)と、ポルフィラジンやフタロシアニンなどのようなテトラアザポルフィリンに特徴的なS帯の短波長化という両者の特徴を併せ持つ化合物であり、短波長でかつ高吸収係数を有する非常に優れた化合物であることを見出したものである。
【0028】
つまり、ポルフィリンの4つのメソ位炭素のうち、1個または2個を窒素原子に置換しても、Q帯がさほど大きくならず、Q帯に対してS帯が十分大きいこと(したがって、S帯の長波長側のすそ近傍での屈折率が大きい)、またポルフィリンの4つのメソ位炭素のうち、1個または2個を窒素原子に置換することで、ポルフィリンに比べてHOMOの安定化がもたらせれ、S帯を短波長化できることを見出したものである。
さらに、異なる記録再生波長間での互換性を持たせるためには、それぞれの記録再生波長で、ある程度の吸収を有し、かつ屈折率が大きいことが要求される。
【0029】
本発明のモノアザポルフィリン、ジアザポルフィリンでは、ポルフィリンの4つのメソ位炭素のうち、1個または2個を窒素原子に置換することで、600〜650(nm)近傍に存在するQ帯の一部を、S帯の屈折率を低下させることなく、また屈折率の波長依存性を大きく損なうことなく、適度に増大させることができることを見出した。
これによって、350〜500(nm)、および620〜690(nm)の波長範囲において、適度な記録パワ−で記録が可能であり、変調度も十分確保することができる。
【0030】
【化7】
未置換のアルキル基、および未置換のアルコキシ基中のアルキル基としては、直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基があげられ、置換アルキル基、および置換アルコキシ基中の置換アルキル基としては、2−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピル基、4−ヒドロキシブチル基、2−ヒドロキシプロピル基等のヒドロキシ置換アルキル基;カルボキシメチル基、2−カルボキシエチル基、3−カルボキシプロピル基等のカルボキシ置換アルキル基;2−シアノエチル基、シアノメチル基などのシアノ置換アルキル基;2−アミノエチル基などのアミノ置換アルキル基;2−クロロエチル基、3−クロロプロピル基、2−クロロプロピル基、2,2,2−トリフルオロエチル基などのハロゲン原子置換アルキル基;ベンジル基、p−クロロベンジル基、2−フェニルエチル基などのフェニル置換アルキル基;2−メトキシエチル基、2−エトキシエチル基、2−(n)プロポキシエチル基、2−(iso)プロポキシエチル基、2−(n)ブトキシエチル基、2−(iso)ブトキシエチル基、2−(2−エチルヘキシルオキシ)エチル基、3−メトキシプロピル基、4−メトキシブチル基、2−メトキシプロピル基等のアルコキシ置換アルキル基;2−(2−メトキシエトキシ)エチル基、2−(2−エトキシエトキシ)エチル基、2−(2−(n)プロポキシエトキシ)エチル基、2−(2−(iso)プロポキシエトキシ)エチル基、2−(2−(n)ブトキシエトキシ)エチル基、2−(2−(iso)ブトキシエトキシ)エチル基、2−{2−(2−エチルヘキシルオキシ)エトキシ}エチル基等のアルコキシアルコキシ置換アルキル基;アリルオキシエチル基、2−フェノキシエチル基、2−ベンジルオキシエチル基等の置換アルキル基;2−アセチルオキシエチル基、2−プロピオニルオキシエチル基、2−(n)ブチリルオキシエチル基、2−(iso)ブチリルオキシエチル基、2−トリフルオロアセチルオキシエチル基等のアシルオキシ置換アルキル基;メトキシカルボニルメチル基、エトキシカルボニルメチル基、(n)プロポキシカルボニルメチル基、(iso)プロポキシカルボニルメチル基、(n)ブトキシカルボニルメチル基、(iso)ブトキシカルボニルメチル基、2−エチルヘキシルオキシカルボニルメチル基、ベンジルオキシカルボニルメチル基、フルフリルオキシカルボニルメチル基、テトラヒドロフルフリルオキシカルボニルメチル基、2−メトキシカルボニルエチル基、2−エトキシカルボニルエチル基、2−(n)プロポキシカルボニルエチル基、2−(iso)プロポキシカルボニルエチル基、2−(n)ブトキシカルボニルエチル基、2−(iso)ブトキシカルボニルエチル基、2−(2−エチルヘキシルオキシカルボニル)エチル基、2−ベンジルオキシカルボニルエチル基、2−フルフリルオキシカルボニルエチル基等の置換もしくは非置換のアルコキシカルボニル置換アルキル基;2−メトキシカルボニルオキシエチル基、2−エトキシカルボニルオキシエチル基、2−(n)プロポキシカルボニルオキシエチル基、2−(iso)プロポキシカルボニルオキシエチル基、2−(n)ブトキシカルボニルオキシエチル基、2−(iso)ブトキシカルボニルオキシエチル基、2−(2−エチルヘキシルオキシカルボニルオキシ)エチル基、2−ベンジルオキシカルボニルオキシエチル基、2−フルフリルオキシカルボニルオキシエチル基等の置換もしくは非置換のアルコキシカルボニルオキシ置換アルキル基;フルフリル基、テトラヒドロフルフリル基等のヘテロ環置換アルキル基等があげられる。
また、シクロアルキル基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等があげられる。
【0031】
アルキル基およびアルコキシ基中のアルキル基の具体例としては、例えば、次のものが挙げられる。なお、これらのアルキル基は、ハロゲン原子等の置換基で置換されていてもよい。メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、イソアミル基、2−メチルブチル基、n−ヘキシル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基、2−エチルブチル基、n−ヘプチル基、2−メチルヘキシル基、3−メチルヘキシル基、4−メチルヘキシル基、5−メチルヘキシル基、2−エチルペンチル基、3−エチルペンチル基、n−オクチル基、2−メチルヘプチル基、3−メチルヘプチル基、4−メチルヘプチル基、5−メチルヘプチル基、2−エチルヘキシル基、3−エチルヘキシル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ドデシル基等の一級アルキル基;イソプロピル基、sec−ブチル基、1−エチルプロピル基、1−メチルブチル基、1,2−ジメチルプロピル基、1−メチルヘプチル基、1−エチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、1−エチル−2−メチルプロピル基、1−メチルヘキシル基、1−エチルヘプチル基、1−プロピルブチル基、1−イソプロピル−2−メチルプロピル基、1−エチル−2−メチルブチル基、1−プロピル−2−メチルプロピル基、1−メチルヘプチル基、1−エチルヘキシル基、1−プロピルペンチル基、1−イソプロピルぺンチル基、1−イソプロピル−2−メチルブチル基、1−イソプロピル−3−メチルブチル基、1−メチルオクチル基、1−エチルヘプチル基、1−プロピルヘキシル基、1−イソブチル−3−メチルブチル基等の二級アルキル基;tert−ブチル基、tert−ヘキシル基、tert−アミル基、tert−オクチル基等の三級アルキル基;シクロヘキシル基、4−メチルシクロヘキシル基、4−エチルシクロヘキシル基、4−tert−ブチルシクロヘキシル基、4−(2−エチルヘキシル)シクロヘキシル基、ボルニル基、イソボルニル基、アダマンタン基等のシクロアルキル基等が挙げられる。
【0032】
また、アリール基としてはフェニル基、メチルフェニル基、ジメチルフェニル基、トリメチルフェニル基、エチルフェニル基、tert−ブチルフェニル基、ジ(tert−ブチル)フェニル基、ブチルフェニル基、メトキシフェニル基、ジメトキシフェニル基、トリメトキシフェニル基、ブトキシフェニル基などが挙げられ、またこれらのアリ−ル基はハロゲン等の置換基で置換されていてもよい。
【0033】
上記式(1)中、Mは2個の水素原子、または酸素、ハロゲンを有してもよい2価、3価、もしくは4価の金属原子、または(OR5)p、(OSiR6R7R8)q、(OPOR9R10)r、(OCOR11)sを有してもよい金属原子を表す。R5〜R11は独立に水素原子、置換もしくは未置換の脂肪族、芳香族炭化水素基を表し、p、q、r、sは0〜2の整数を表す。
【0034】
具体的にMとしては、Ib族、IIa族、IIb族、IIIa族、IVa族、IVb族、Vb族、VIb族、VIIb族、VIII族の金属、これらの金属の酸化物、これらの金属のハロゲン化物またはこれらの金属の水酸化物などがあり、さらに、上記金属で置換基を有するものがある。
上記の金属としては、Cu、Zn、Mg、Al、Ge、Ti、Sn、Pb、Cr、Mo、Mn、Fe、Co、Ni、In、Pt、Pd等があり、酸化物としては、酸化チタン、酸化バナジウム等があり、ハロゲン化物としては、塩化アルミニウム、塩化ゲルマニウム、塩化珪素、塩化鉄、塩化スズ、塩化インジウム等があり、水酸化物としては水酸化アルミニウム、水酸化珪素、水酸化ゲルマニウム、水酸化スズ等がある。
【0035】
さらに、金属が置換基を有する場合に、金属としては、Al、Ti、Si、Ge、Sn等があり、置換基としては、アリールオキシル基、アルコキシル基、トリアルキルシロキシル基、トリアリールシロキシル基、トリアルコキシシロキシル基、トリアリールオキシシロキシル基、トリチルオキシル基又はアシロキシル基等がある。
【0036】
以下、本発明で用いることのできる各層構成材料について説明する。
<記録層>
記録層は基本的に本発明の特定ポルフィリン誘導体からなるが、必要に応じて、例えばポリメチン色素、スクアリリウム系、コロコニウム系、ピリリウム系、ナフトキノン系、アントラキノン(インダンスレン)系、キサンテン系、トリフェニルメタン系、アズレン系、テトラヒドロコリン系、フェナンスレン系、トリフェノチアジン系染料、および金属錯体化合物などを適宜混合して用いてもよい。
【0037】
また上記染料中に金属、金属化合物、例えばIn、Te、Bi、Al、Be、TeO2、SnO、As、Cdなどを分散混合、あるいは積層の形態で用いることもできる。さらに、上記染料中に高分子材料、例えばアイオノマー樹脂、ポリアミド系樹脂、ビニル系樹脂、天然高分子、シリコ−ン、液状ゴムなどの種々の材料、もしくはシランカップリング剤などを分散混合して用いてもよいし、あるいは特性改良の目的で、安定剤(例えば遷移金属錯体)、分散剤、難燃剤、滑剤、帯電防止剤、界面活性剤、可塑剤などと一緒に用いることができる。
【0038】
塗布法を用いる場合には、上記染料などを有機溶媒に溶解させて、スプレー、ローラーコーティング、ディッピングおよび、スピンコーティングなどの慣用のコーティング法によって行なわれるが、本発明の性格上スピンコーティングが最も好ましい。
【0039】
有機溶媒としては、一般にメタノール、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミドなどのアミド類、ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルなどのエーテル類、酢酸メチル、酢酸エチルなどのエステル類、クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタン、四塩化炭素、トリクロロエタンなどの脂肪族ハロゲン化炭素類、あるいは、ベンゼン、キシレン、モノクロロベンゼン、ジクロロベンゼンなどの芳香族類、メトキシエタノール、エトキシエタノールなどのセルソルブ類、ヘキサン、ペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンなどの炭化水素類などを用いることができる。
記録層の膜厚は、100Å〜10μm、好ましくは200Å〜2000Åが適当である。
【0040】
<基板>
基板の必要特性としては、基板側より記録・再生を行なう場合のみ使用レーザ光に対して透明でなければならず、記録層側から記録・再生を行なう場合は透明である必要はない。
基板材料としては例えば、ポリエステル、アクリル樹脂、ポリアミド、ポリカーボネート樹脂、ポリオレフィン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミドなどのプラスチック、あるいはガラス、セラミック、金属などを用いることができる。
なお、基板を1層しか用いない場合、あるいは基板2枚をサンドイッチ状で用いる場合は請求項に記載の第1の基板の表面にトラッキング用の案内溝や案内ピット、さらにアドレス信号などのプレフォーマットが形成されている必要がある。
【0041】
<中間層>
下引き層等を含め基板、記録層、反射層、保護層以外に設けられた層をここでは中間層と呼ぶことにする。この中間層は(a)接着性の向上、(b)水、またはガスなどのバリアー、(c)記録層の保存安定性の向上、(d)反射率の向上、(e)溶剤からの基板や記録層の保護、(f)案内溝・案内ピット・プレフォーマット等の形成などを目的として使用される。
【0042】
(a)の目的に対しては高分子材料、例えばアイオノマー樹脂、ポリアミド樹脂、ビニル系樹脂、天然樹脂、天然高分子、シリコーン、液状ゴムなどの種々の高分子物質、およびシランカップリング剤などを用いることができ、(b)および(c)の目的に対しては、上記高分子材料以外に無機化合物、例えばSiO2、MgF2、SiO、TiO2、ZnO、TiN、SiNなど金属、または半金属、例えばZn、Cu、Ni、Cr、Ge、Se、Au、Ag、Alなどを用いることができる。
【0043】
また(d)の目的に対しては金属、例えばAl、Ag等や、金属光沢を有する有機薄膜、例えばメチン染料、キサンテン系染料等を用いることができ、(e)および(f)の目的に対しては紫外線硬化樹脂、熱硬化樹脂、熱可塑性樹脂等を用いることができる。
下引き層の膜厚は0.01〜30μm、好ましくは0.05〜10μmが適当である。
【0044】
<保護層・基板表面ハードコート層>
保護層、または基板表面ハードコート層は(a)記録層(反射吸収層)を傷、ホコリ、汚れ等から保護する、(b)記録層(反射吸収層)の保存安定性の向上、(c)反射率の向上等を目的として使用される。これらの目的に対しては、前記下引き層に示した材料を用いることができる。
【0045】
また無機材料として、SiO、SiO2なども用いることができ、有機材料として、ポリメチルアクリレート、ポリカーボネート、エポキシ樹脂、ポリスチレン、ポリエステル樹脂、ビニル樹脂、セルロース、脂肪族炭化水素樹脂、芳香族炭化水素樹脂、天然ゴム、スチレン−ブタジエン樹脂、クロロプレンゴム、ワックス、アルキッド樹脂、乾性油、ロジン等の熱軟化性、熱溶融性樹脂も用いることができる。
【0046】
上記材料のうち保護層、または基板表面ハードコート層に最も好ましい物質は、生産性に優れた紫外線硬化樹脂である。保護層、または基板表面ハードコートの膜厚は、0.01〜30μm、好ましくは0.05〜10μmが適当である。
【0047】
本発明において、前記下引き層、保護層、および基板表面ハ−ドコ−ト層には、記録層の場合と同様に、安定剤、分散剤、難燃剤、滑剤、帯電防止剤、界面活性剤、可塑剤等を含有させることができる。
【0048】
<金属反射層>
反射層は単体で高反射率の得られる、腐食されにくい金属、半金属等が挙げられ、材料例としてはAu、Ag、Cu、Cr、Ni、Alなどが挙げられ、好ましくは短波長においても高反射率化が達成できるAg、Alがよい。
これらの金属、半金属は単独で使用してもよく、2種以上の合金としてもよい。また、誘電体の多層膜を利用してもよい。
膜形成方法としては、蒸着、スパッタリングなどが挙げられ、膜厚としては50〜3000Å、好ましくは100〜1000Åである。
【0049】
<接着層>
接着層はDVD系メディアで見られるように、薄い基板を2枚張り合わせる際、必要となる。
本発明で特に好ましいのは、ホットメルト型(熱溶融型)接着剤、もしくは紫外線硬化型接着剤である。
紫外線硬化型接着剤は、紫外線照射によってラジカル重合が開始して硬化する接着剤である。その組成は、一般的に(1)アクリル系オリゴマー、(2)アクリル系モノマー、(3)光重合開始剤、(4)重合禁止剤からなるもので、オリゴマーはポリエステル系、ポリウレタン系、エポキシ系アクリル酸エステル等で、光重合開始剤はベンゾフェノン、ベンゾインエーテル等が使用できる。
【0050】
ホットメルト接着剤は液状接着剤が溶剤揮散や反応によって硬化し接着力が発現するのに対し、常温固体の熱可塑性樹脂が熱溶融、冷却固化の物理変化で接着力が発現するものである。
ホットメルト接着剤は、EVA、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリウレタン系等を用いることができる。
【0051】
【実施例】
本発明のモノアザポルフィリンとジアザポルフィリンは以下のような方法で合成することができる。
(化合物製造例1)
モノアザポルフィリン(名称、α−アザメソポルフィリン XIII)
3,3’−ジ(メトキシカルボニルエチル)−4,4’−ジメチル−2,2’−ジピロメタン−5,5’−ジカルボン酸(200mg)を30%HBr含有酢酸中で脱炭酸し、メタノール4mLに溶かした5−ブロモ(またはヨード)−4−エチル−2−ホルミル−3−メチルピロール(242mg)を混合した。
この溶液を60℃で2分間加熱後、生成する沈殿(1,19−ジデオキシ−3,17−ジエチル−8,12−ジ(メトキシカルボニルエチル)−2,7,13,18−テトラメチル−1,19−ジブロモ(またはジヨード)ビラジエン−a,c−ジヒドロブロミド)を集め、乾燥した。
この沈殿100mgとアジ化ナトリウム500mgを20mLメタノール中で16時間還流した。
反応液を水100mLに投じ、クロロホルムで抽出した。(30mL×3回)。
クロロホルム溶液を留去し残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、2%メタノール含有ジクロロメタンで展開して流れる赤紫色分画を集めた。
この溶液を濃縮し、メタノール:ジクロロメタン、1:1の混合溶液から、弱い加熱下で結晶化し金属光沢を持つ濃青色針状結晶20mgを得た。(収率20%)。
【0052】
分子式C35H41N5O4に対する元素分析値、C70.57、H6.94、N11.74、(理論値、C70.57、H6.94、N11.45)。
1H−NMR(300MHz、CDCL3);δ、−2.73(2H、広幅s、NH)、1.81(6H、t、CH2CH3)、3.22(4H、t、CH2CH2CO)、3.53と3.54(各6H、s、環CH3)、3.64(6H、s、OCH3)、3.96(4H、q、CH2CH3)、4.32(4H、t、CH2CH2CO)、9.85(2H、s、メソH)、および10.04(1H、s、メソH)。
UV/Visスペクトル(クロロホルム)、λmax(E);376(95000)、503(6500)、534(18800)、559(6700)および610(20000)。質量分析(EI)、595(M+)。
【0053】
(化合物製造例2)
ジアザポルフィリン(ベータ、δ−ジアザメソポルフィリン III)
5,5’−ジブロモ−3,3’−ジエチル−4,4’−ジメチルジピロメテン(2.0g)と5,5’−ジブロモ−3,3’−ジ(メトキシカルボニルエチル)−4,4’−ジメチルジピロメテン(2.6g)およびアジ化ナトリウム500mgを1Lメタノール中で72時間還流した。
溶液を留去し、残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。
2種類のジメチルジピロメテンを使用したため、3種類のジアザポルフィリンからなる混合物を得た。
天然ポルフィリンに類似したプロピオン酸残基2個を持つ目的物はカラム上で中間物質として流出した。(第1および第3分画はそれぞれエチオ型およびコプロ型ジアザポルフィリンであった。)目的物を含む分画を溶媒留去し、残ったジアザポルフィリンをメタノール:ジクロロメタン、1:1の混合溶液から弱い加熱下で結晶化し金属光沢を持つ濃青色の針状結晶240mgを得た(収率8%)。
【0054】
分子式C34H40N6O4に対する元素分析値、C68.19、H6.46、N14.07(理論値、C68.37、H6.70、N14.08)。1H−NMR(300MHz、CDCL3):δ、−3.17(2H、広幅s、NH)、1.82(6H、t、CH2CH3)、3.24(4H、t、CH2CH2CO)、3.57と3.60(各6H、s、環CH3)、3.63(6H、s、OCH3)、3.98(4H、q、CH2CH3)、4.32(4H、t、CH2CH2CO)、9.93(1H、s、メソH)および10.00(1H、s、メソH)。
【0055】
UV/Visスペクトル(クロロホルム)、λmax(E);373(104000)、545(29600)、567(8500)および620(49500)。質量分析(EI)、596(M+)。
【0056】
本発明で見出されたポルフィリン誘導体の溶液スペクトルにおける最大吸収波長と分子吸光係数を測定した。また化2〜化4の化合物のクロロホルム溶液中での吸収スペクトルの測定結果を図4〜図6に示す。
また、下記式(2)〜下記式(4)に関しては、熱分解開始温度を測定した。下記式(2)〜下記式(8)では、炭素原子と水素原子は省略してある。
【0057】
【表1】
【0058】
【化8】
【0059】
【化9】
【0060】
【化10】
【0061】
【化11】
【0062】
【化12】
【0063】
【化13】
【0064】
【化14】
【0065】
上記式(5)の化合物をガラス基板上に薄膜を形成させ、記録による反射スペクトルの変化を調べた。
記録マ−ク生成の確認、および記録マ−ク生成に伴う記録材料の反射スペクトルの測定には、図3で示すようにサンプル(10)に対して、SHG(第2高調波)レーザ(11)、パルスジェネレータ(12)、音響光学変調器(AOM)(13)、光学顕微鏡(14)、顕微分光光度計(15)よりなる評価システムにより行なった。
【0066】
なお、SHGレ−ザは日立金属社製の全固体SHGレ−ザICD420を用い、このレ−ザの波長は420nmであり、レーザの出力は約10mvである。
このレ−ザ照射による記録に伴って、薄膜サンプルの反射率が初期反射率に対し、約65%となり、420nmの波長のレ−ザ光によって記録が可能であることが確認できた。
また、この記録部の650nmにおける反射率変化は、初期反射率に対し、約73%となり複数の波長で記録再生可能であることが確認できた。
【0067】
これらの測定結果から、本発明で特定したポルフィリン誘導体は、十分な溶解性を有し、350〜500(nm)のレ−ザ波長で記録再生が可能であり、また従来のCD−R、DVD−R材料とほぼ同等の分子吸光係数を有することがわかった。
【0068】
また本発明で特定したポルフィリン誘導体は、十分な溶解性を有し、350〜500(nm)と620〜690(nm)の波長範囲で記録再生が可能であり、また従来のCD−R、DVD−R材料とほぼ同等の反射率を有することがわかった。
【0069】
【発明の効果】
以上、詳細かつ具体的な説明から明らかなように、本発明の特定ポルフィリン誘導体を記録層として用いた光情報記録媒体により、溶解性が高く、350nm〜500nmの波長範囲で高反射率で高コントラストが図れた光情報記録媒体が提供でき、また、本発明の特定ポルフィリン誘導体を記録層として用いた光情報記録媒体により、従来と同様に、350〜500(nm)という短波長領域においてもROMとの互換性を有する光情報記録媒体が提供でき、また、本発明の特定ポルフィリン誘導体を記録層として用いた光情報記録媒体により、350〜500(nm)の波長域での記録再生とともに、620〜690(nm)の波長範囲での記録再生も可能である、互換性の高い光情報記録媒体が提供できるという極めて優れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光情報記録媒体の1例を示す図である。
【図2】本発明の別の光情報記録媒体の1例を示す図である。
【図3】本発明の光情報記録媒体の評価システムを示す図である。
【図4】本発明で使用する1化合物例の吸収スペクトルを示す図である。
【図5】本発明で使用する別の1化合物例の吸収スペクトルを示す図である。
【図6】本発明で使用する更に別の1化合物例の吸収スペクトルを示す図である。
【符号の説明】
1 基板
2 記録層
3 反射層
10 サンプル
11 SHGレーザー
12 音響光学変調器(AOM)
13 パルスジェネレータ
14 光学顕微鏡
15 顕微分光光度計
Claims (10)
- 前記X 1 がCH 3 、X 2 がCH 2 CH 2 COOHまたはC 4 H 9 、X 3 がCH 3 またはC 4 H 9 、X 4 がCH 3 またはCH 2 CH 2 COOH、X 5 がC 4 H 9 、X 6 がCH 2 CH 2 COOHまたはC 4 H 9 、X 7 がCH 3 またはC 4 H 9 、X 8 がCH 3 またはCH 2 CH 2 COOHであることを特徴とする請求項3に記載のジアザポルフィリン化合物。
- 請求項1または2に記載のモノアザポルフィリン化合物を記録層として用いたことを特徴とする光情報記録媒体。
- 請求項3または4に記載のジアザポルフィリン化合物を記録層として用いたことを特徴とする光情報記録媒体。
- 少なくとも基板上に主として請求項5または6に記載のポルフィリン誘導体からなる記録層を設け、記録再生波長を350〜500(nm)とすることを特徴とする光情報記録媒体。
- 少なくとも基板上に主として請求項5または6に記載のポルフィリン誘導体からなる記録層、反射層が順次積層され、記録再生波長を350〜500(nm)とすることを特徴とする光情報記録媒体。
- 少なくとも基板上に主として請求項5または6に記載のポルフィリン誘導体からなる記録層を設け、350〜500(nm)、および620〜690(nm)の両方の波長範囲において記録再生が可能であることを特徴とする光情報記録媒体。
- 少なくとも基板上に主として請求項5または6に記載のポルフィリン誘導体からなる記録層、反射層が順次積層され、記録再生波長を350〜500(nm)、および620〜690(nm)の両方の波長範囲において記録再生が可能であることを特徴とする光情報記録媒体。
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