JPWO2009025328A1 - アスコルビン酸誘導体又はその塩、その製造方法、及び化粧料 - Google Patents

アスコルビン酸誘導体又はその塩、その製造方法、及び化粧料 Download PDF

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Abstract

アスコルビン酸の2位又は3位の水酸基の水素の少なくとも一方が、R−O−CH2−CH(OH)−CH2−、R−O−CH2−CH(CH2OH)−、R−CH(CH2OH)−、R−CH(OH)−CH2−(Rは、アルキル基、アルケニニル基又はフェニル基)、又はヒドロキシシクロヘキシル基で置換されているアスコルビン酸誘導体又はその塩、並びにアスコルビン酸と、アルキルグリシジルエーテル、エポキシアルカン、脂環式エポキシ等のエポキシ化合物を反応させることを特徴とするその製造方法を提供する。

Description

本発明は、化粧料の原料等として好適に用いられるアスコルビン酸誘導体又はその塩に関する。本発明は、又、前記アスコルビン酸誘導体の製造方法に関する。本発明は、更に、前記アスコルビン酸誘導体又はその塩を配合した化粧料に関する。
アスコルビン酸は、安全かつ有用な抗酸化物質であり、優れた美白作用などを有する化合物として知られているが、一方、光、熱、酸化に対して不安定であり、化粧品分野での利用が妨げられていた。そこで、アスコルビン酸より経時安定性が向上したものとして、種々のアスコルビン酸誘導体又はその塩が提案されており、美白用の皮膚外用剤への配合(特許文献1、特許文献2)や、化粧料への配合(特許文献3)が提案されている。
しかしながら、前記のアスコルビン酸誘導体及びその塩の多くは、経時により着色や臭いを発生する等の問題があり、その経時安定性はなお不十分であり、また生体内での活性の持続も短期的でありその改善が望まれている。
経時安定性を更に改善するものとして、酵素の作用等により遊離のアスコルビン酸を生成するアスコルビン酸リン酸塩やアスコルビン酸グルコシド(特許文献4)などが提案されている。しかし、これらは、その製造が複雑であり価格的にも高価である。そこで、美白作用、コラーゲン産生促進作用など、アスコルビン酸誘導体が元来有する優れた機能を有するとともに、経時での安定性が良好であって、更に、安価で容易な製造方法により製造可能なアスコルビン酸誘導体が望まれている。
特開昭62−221611号公報 特開2005−60239号公報 特開平1−228978号公報 特許2926412号公報
本発明は、美白作用、コラーゲン産生促進作用等のアスコルビン酸が元来有する優れた機能を有するとともに、長期間の保存でも安定で、変色、変臭、活性低下等が少ない、新規なアスコルビン酸誘導体又はその塩を提供することを課題とする。本発明は、又、この新規なアスコルビン酸誘導体又はその塩を、容易に安価に製造することができる製造方法を提供することを課題とする。本発明は更に、この新規なアスコルビン酸誘導体又はその塩を配合した化粧料を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記実情に鑑みて鋭意検討した結果、下記式(I)で示される新規なアスコルビン酸誘導体又はその塩は、美白作用、保湿作用、コラーゲン産生促進作用などの優れた作用を有するとともに、長期間の保存でも安定で、変色、変臭、活性低下等が少ないことを見出した。本発明者らは、更に、下記式(I)で示される新規なアスコルビン酸誘導体は、アスコルビン酸と、エポキシド骨格を有するグリシドール、アルキルグリシジルエーテル、エポキシアルカン等を、単に反応させることにより容易に製造できることを見出した。本発明は、これらの知見に基づき完成されたものである。
本発明は、下記の一般式(I)で表されることを特徴とするアスコルビン酸誘導体又はその塩を提供する(請求項1)。
Figure 2009025328
[式中、
は、H、炭素数1〜22のアルキル基、炭素数2〜22のアルケニル基、ベンジル基、R−O−CH−CH(OH)−CH−、R−O−CH−CH(CHOH)−、R−CH(CHOH)−、R−CH(OH)−CH−、又はヒドロキシシクロヘキシル基であり、
は、H、炭素数1〜22のアルキル基、炭素数2〜22のアルケニル基、ベンジル基、R−O−CH−CH(OH)−CH−、R−O−CH−CH(CHOH)−、R−CH(CHOH)−、R10−CH(OH)−CH−、又はヒドロキシシクロヘキシル基であり、ここで
及びRは、H、炭素数1〜22のアルキル基、炭素数2〜22のアルケニル基、又はフェニル基であり、
及びRは、H、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、又はフェニル基であり、
及びRは、H、炭素数1〜22のアルキル基、炭素数2〜22のアルケニル基、又はフェニル基であり、
及びR10は、H、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、又はフェニル基である。
但し、RがH又は炭素数1〜22のアルキル基、炭素数2〜22のアルケニル基又はベンジル基のとき、Rは、H、炭素数1〜22のアルキル基、炭素数2〜22のアルケニル基及びベンジル基のいずれでもない。]
本発明は、前記式(I)で表されるアスコルビン酸誘導体である。さらに、前記式(I)中のRがHの場合又はRがHの場合は、このHが解離した水素イオンを、金属イオンやアンモニウムイオン等の陽イオンで置換してなるアスコルビン酸誘導体の塩も本発明に含まれる。
後述のように、一般式(I)で表されるアスコルビン酸誘導体又はその塩は、アスコルビン酸の2位及び/又は3位の水酸基に、グリシドール、特定構造のアルキルグリシジルエーテル、アルケニルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、エチレンオキサイド、エポキシアルカン、エポキシアルケン、スチレンオキサイド及び脂環式エポキシから選ばれるエポキシ環を有する化合物(エポキシ化合物)を反応させる工程を有する方法により製造することができる。アスコルビン酸と、グリシドール、アルキルグリシジルエーテル、アルケニルグリシジルエーテル又はフェニルグリシジルエーテルとを反応させる際には、Rが、R−O−CH−CH(OH)−CH−であるものとR−O−CH−CH(CHOH)−であるものとの混合物、Rが、R−O−CH−CH(OH)−CH−であるものとR−O−CH−CH(CHOH)−であるものとの混合物が生じる場合もあり、又
アスコルビン酸と、エチレンオキサイド、エポキシアルカン、エポキシアルケン、又はスチレンオキサイドとを反応させる際には、Rが、R−CH(CHOH)−であるものとR−CH(OH)−CH−であるものとの混合物、Rが、R−CH(CHOH)−であるものとR10−CH(OH)−CH−であるものとの混合物が生じる場合もある。
しかし上記反応においては、エポキシ環は、1級水酸基又は2級水酸基が生じるように開環しこれらの混合物として得られるが、主に、2級水酸基が生じるように開環してアスコルビン酸の水酸基と結合する。従って、Rが、R−O−CH−CH(CHOH)−又はR−CH(CHOH)−であるものよりも、R−O−CH−CH(OH)−CH−又はR−CH(OH)−CH−であるものが生じやすく、Rが、R−O−CH−CH(CHOH)−又はR−CH(CHOH)−であるものよりも、R−O−CH−CH(OH)−CH−又はR10−CH(OH)−CH−であるものが生じやすい。即ち、請求項1に記載のアスコルビン酸誘導体又はその塩としては、式(I)中の、
は、H、炭素数1〜22のアルキル基、炭素数2〜22のアルケニル基、ベンジル基、R−O−CH−CH(OH)−CH−、R−CH(OH)−CH−、又はヒドロキシシクロヘキシル基であり、
は、H、炭素数1〜22のアルキル基、炭素数2〜22のアルケニル基、ベンジル基、R−O−CH−CH(OH)−CH−、R10−CH(OH)−CH−、又はヒドロキシシクロヘキシル基であるものが生じやすい。
請求項2に記載の発明は、前記一般式(I)中の、
は、炭素数1〜22のアルキル基、炭素数2〜22のアルケニル基、ベンジル基、R−O−CH−CH(OH)−CH−、R−O−CH−CH(CHOH)−、R−CH(CHOH)−、R−CH(OH)−CH−、又はヒドロキシシクロヘキシル基であり、
は、炭素数1〜22のアルキル基、炭素数2〜22のアルケニル基、ベンジル基、R−O−CH−CH(OH)−CH−、R−O−CH−CH(CHOH)−、R−CH(CHOH)−、R10−CH(OH)−CH−、又はヒドロキシシクロヘキシル基であることを特徴とする請求項1に記載のアスコルビン酸誘導体又はその塩である。ここで、R〜R10は、請求項1に記載の発明についてした定義と同じ意味を表す。
前記本発明のアスコルビン酸誘導体又はその塩は、アスコルビン酸より、経時安定性がはるかに優れるものであるが、その中でも、Rが、炭素数1〜22のアルキル基、炭素数2〜22のアルケニル基、ベンジル基、R−O−CH−CH(OH)−CH−、R−O−CH−CH(CHOH)−、R−CH(CHOH)−、R10−CH(OH)−CH−又はヒドロキシシクロヘキシル基であるもの(即ち、RがHではないもの)は、RがHであってかつRが、炭素数1〜22のアルキル基、炭素数2〜22のアルケニル基、ベンジル基、R−O−CH−CH(OH)−CH−、R−O−CH−CH(CHOH)−、R−CH(CHOH)−、R−CH(OH)−CH−、又はヒドロキシシクロヘキシル基であるものよりも、経時安定性がより優れる点で好ましい。更に、R及びRのいずれもが前記の基で置換されているものは、経時安定性が特に優れ、この点で特に好ましい。請求項2は、この特に好ましい態様に該当するものである。
一般式(I)で表されるアスコルビン酸誘導体の具体例としては、以下に示す化合物を挙げることができるが、本発明の範囲は以下に示すものに限定されるものではない。
なお、以下の例示において、
グリセリルとは、HOCH−CH(OH)−CH−又はHOCH−CH(CHOH)−を示し、
アルキルグリセリル基とは、R−O−CH−CH(OH)CH−又はR−O−CH−CH(CHOH)−(Rはアルキル基を示す。)を示し、
アルキル基とは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基、ベヘニル基等を示し、
アルケニル基とは、ビニル基、アリル基、ブテニル基、イソブテニル基、クロチル基、オクテニル基、デセニル基、ドデセニル基等を示し、
ヒドロキシアルキル基とは、R−CH−CH(OH)−又はR−CH(OH)−CH−(Rはアルキル基を示す。)を示し、例えば、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、ヒドロキシブチル基、ヒドロキシペンチル基、ヒドロキシヘキシル基、ヒドロキシヘプチル基、ヒドロキシオクチル基、ヒドロキシノニル基、ヒドロキシデシル基、ヒドロキシウンデシル基、ヒドロキシドデシル基、ヒドロキシトリデシル基、ヒドロキシテトラデシル基、ヒドロキシペンタデシル基、ヒドロキシヘキサデシル基、ヒドロキシヘプタデシル基、ヒドロキシオクタデシル基、ヒドロキシノナデシル基、ヒドロキシエイコシル基、ヒドロキシベヘニル基を挙げることができる。
(1)3−O−グリセリルアスコルビン酸、
3−O−アルキルグリセリルアスコルビン酸、例えば3−O−メチルグリセリルアスコルビン酸、3−O−エイコシルグリセリルアスコルビン酸、
3−O−アルケニルグリセリルアスコルビン酸、例えば、3−O−アリルグリセリルアスコルビン酸、3−O−クロチルグリセリルアスコルビン酸、3−O−ビニルグリセリルアスコルビン酸、3−O−イソブテニルグリセリルアスコルビン酸、3−O−オクテニルグリセリルアスコルビン酸、3−O−デセニルグリセリルアスコルビン酸、3−O−ドデセニルグリセリルアスコルビン酸、及び、3−O−フェニルグリセリルアスコルビン酸、
(2)2−O−グリセリルアスコルビン酸、
2−O−アルキルグリセリルアスコルビン酸、例えば、2−O−メチルグリセリルアスコルビン酸、2−O−エイコシルグリセリルアスコルビン酸、
2−O−アルケニルグリセリルアスコルビン酸、例えば、2−O−アリルグリセリルアスコルビン酸、2−O−ドデセニルグリセリルアスコルビン酸、
及び、2−O−フェニルグリセリルアスコルビン酸、
(3)2,3−ジ−O−グリセリルアスコルビン酸、
2,3−ジ−O−アルキルグリセリルアスコルビン酸、2,3−ジ−O−アルケニルグリセリルアスコルビン酸、2,3−ジ−O−フェニルグリセリルアスコルビン酸、
(4)3−O−ヒドロキシアルキルアスコルビン酸、3−O−ヒドロキシフェニルエチルアスコルビン酸、
(5)2−O−ヒドロキシアルキルアスコルビン酸、2−O−ヒドロキシフェニルエチルアスコルビン酸、
(6)2,3−ジ−O−ヒドロキシアルキルアスコルビン酸、2,3−ジ−O−ヒドロキシフェニルエチルアスコルビン酸、
(7)3−O−グリセリル−2−O−アルキルグリセリルアスコルビン酸、3−O−グリセリル−2−O−アルケニルグリセリルアスコルビン酸、3−O−グリセリル−2−O−フェニルグリセリルアスコルビン酸、
(8)3−O−グリセリル−2−O−ヒドロキシルアルキルアスコルビン酸、3−O−グリセリル−2−O−ヒドロキシフェニルエチルアスコルビン酸、
(9)3−O−グリセリル−2−O−アルキルアスコルビン酸、3−O−グリセリル−2−O−アルケニルアスコルビン酸、
(10)3−O−アルキルグリセリル−2−O−アルキルグリセリルアスコルビン酸(但し、3−アルキルと2−アルキルは異なっている。)、3−O−アルキルグリセリル−2−O−アルケニルグリセリルアスコルビン酸、3−O−アルキルグリセリル−2−O−フェニルグリセリルアスコルビン酸、
(11)3−O−アルキルグリセリル−2−O−ヒドロキシアルキルグリセリルアスコルビン酸、3−O−アルケニルグリセリル−2−O−ヒドロキシアルキルグリセリルアスコルビン酸、3−O−アルキルグリセリル−2−O−ヒドロキシアルケニルグリセリルアスコルビン酸、3−O−アルケニルグリセリル−2−O−ヒドロキシアルケニルグリセリルアスコルビン酸、3−O−アルキルグリセリル−2−O−フェニルグリセリルアスコルビン酸、
(12)3−O−アルキルグリセリル−2−O−アルキルアスコルビン酸、3−O−アルキルグリセリル−2−O−アルケニルアスコルビン酸、
(13)3−O−ヒドロキシアルキル−2−O−アルキルアスコルビン酸、3−O−ヒドロキシアルキル−2−O−アルケニルアスコルビン酸、
(14)3−O−ヒドロキシアルキル−2−O−アルキルグリセリルアスコルビン酸、3−O−ヒドロキシアルキル−2−O−アルケニルグリセリルアスコルビン酸、
(15)3−O−ヒドロキシアルキル−2−O−ヒドロキシアルキルアスコルビン酸、3−O−ヒドロキシアルキル−2−O−ヒドロキシフェニルエチルアスコルビン酸、
(16)3−O−ヒドロキシシクロヘキシルアスコルビン酸、2−O−ヒドロキシシクロヘキシルアスコルビン酸、3−O−グリセリル−2−O−ベンジルアスコルビン酸、2−O−グリセリル−3−O−ベンジルアスコルビン酸。
請求項3に記載の発明は、前記一般式(I)中の、
は、H、又は、R−O−CH−CH(OH)−CH−、R−O−CH−CH(CHOH)−、R−CH(CHOH)−、R−CH(OH)−CH−、もしくはヒドロキシシクロヘキシル基であり、
は、H、又は、R−O−CH−CH(OH)−CH−、R−O−CH−CH(CHOH)−、R−CH(CHOH)−、R10−CH(OH)−CH−、もしくはヒドロキシシクロヘキシル基である(但し、R及びRの少なくとも一方はHではない。)ことを特徴とする請求項1に記載のアスコルビン酸誘導体又はその塩である。ここで、R、R、R及びRは、請求項1に記載の発明についてした定義と同じ意味を表す。この態様のアスコルビン酸誘導体又はその塩は、後述の本発明の製造方法により容易に製造できる。又、R又はRがHの場合は、塩にすることができる。塩にすることにより、化粧料中での安定性が向上する等、化粧料への適用性が向上する場合がある。
請求項3に記載のアスコルビン酸誘導体は、後述のように、アスコルビン酸と、グリシドール、特定構造のアルキルグリシジルエーテル、アルケニルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、エチレンオキサイド、エポキシアルカン、エポキシアルケン、スチレンオキサイド及び脂環式エポキシから選ばれるエポキシ化合物を反応させ、アスコルビン酸の2位、3位、5位、6位にある4つの水酸基の中で、2位及び/又は3位のみを、位置特異的にエーテル化することにより得ることができる。
中でも、請求項3に記載のアスコルビン酸誘導体であって、式(I)中の、Rが、H、R−O−CH−CH(OH)−CH−、又はR−O−CH−CH(CHOH)−であり、Rが、H、R−O−CH−CH(OH)−CH−、又はR−O−CH−CH(CHOH)−であるもの(但し、R及びRの少なくとも一方はHではない。)は、アスコルビン酸と、グリシドール、特定構造のアルキルグリシジルエーテル、アルケニルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテルとを反応させることにより得ることができる。
又、請求項3に記載のアスコルビン酸誘導体又はその塩であって、式(I)中の、Rが、H、R−CH(CHOH)−、又はR−CH(OH)−CH−であり、Rが、H、R−CH(CHOH)−、又はR10−CH(OH)−CH−であるもの(但し、R及びRの少なくとも一方はHではない。)は、アスコルビン酸と、エチレンオキサイド、特定構造のエポキシアルカン、1,2−エポキシシクロヘキサン又はスチレンオキサイドとを反応させることにより得ることができる。
前記の一般式(I)で表されるアスコルビン酸誘導体であってR又はRがHである化合物は、Hが解離した水素イオンを、金属イオンやアンモニウムイオン等の陽イオンで置換してなる塩を形成することができ、本発明の範囲にはその塩も含まれる。この塩としては無機塩及び有機塩を挙げることができ、無機塩としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩等が挙げられ、有機塩としては、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、塩基性アミノ酸塩等を挙げることができる。塩の形成は、R又はRがHであるアスコルビン酸誘導体の水溶液を、塩基性物質で中和する方法等の、公知の塩の形成と同様な方法により行うことができる。
本発明のアスコルビン酸誘導体又はその塩は、アスコルビン酸が元来有する美白作用、コラーゲン産生促進作用などの優れた作用を有するとともに、保湿作用を有し長期間の保存でも安定で、変色、変臭、活性低下等が少ない。中でも、以下に挙げるアスコルビン酸誘導体(A)〜(E)が、より優れた美白作用を示し好適である。
(A) 請求項1に記載のアスコルビン酸誘導体、即ち式(I)で表されるアスコルビン酸誘導体であって、R又はRの一方がHO−CH−CH(OH)−CH−であり、R又はRの他方が炭素数4〜16のアルキル基であることを特徴とする化合物(請求項4)。請求項4の化合物の中でも、R又はRの他方が炭素数6〜12のアルキル基である化合物は、更に優れた美白作用を示し、とりわけ、RがHO−CH−CH(OH)−CH−であり、Rが炭素数6〜12のアルキル基である化合物が、特に優れた美白作用を示す。
(B) 請求項1に記載のアスコルビン酸誘導体、即ち式(I)で表されるアスコルビン酸誘導体であって、R又はRの一方がR−O−CH−CH(OH)−CH−であり(Rは、炭素数2〜20のアルキル基)、R又はRの他方が炭素数2〜20のアルキル基であることを特徴とする化合物(請求項5)。請求項5の化合物の中でも、Rがブチル基でありかつR又はRの他方が炭素数4〜8のアルキル基である化合物、及び、Rが炭素数12〜16のアルキル基でありかつR又はRの他方が炭素数1〜8のアルキル基である化合物は、更に優れた美白作用を示し、とりわけ、RがCH(CH3−O−CH−CH(OH)−CH−であり、Rが炭素数4〜8のアルキル基である化合物、及び、Rが、R−O−CH−CH(OH)−CH−であり(Rは、炭素数12〜16のアルキル基)、Rが炭素数1〜8のアルキル基である化合物が、特に優れた美白作用を示す。
(C) 請求項1に記載のアスコルビン酸誘導体、即ち式(I)で表されるアスコルビン酸誘導体であって、R又はRの一方がR−CH(CHOH)−(Rは、炭素数6〜20のアルキル基)であり、R又はRの他方が炭素数4〜6のアルキル基もしくはR−CH(CHOH)−(Rは、炭素数4〜6のアルキル基)であることを特徴とする化合物(請求項6)。請求項6の化合物の中でも、Rが炭素数8〜12のアルキル基である化合物は、更に優れた美白作用を示し、とりわけ、RがR−CH(CHOH)−(Rは、炭素数8〜12のアルキル基)である化合物が、特に優れた美白作用を示す。
(D) 請求項1に記載のアスコルビン酸誘導体、即ち式(I)で表されるアスコルビン酸誘導体であって、R又はRの一方がR−O−CH−CH(OH)−CH−であり(Rは、フェニル基)であることを特徴とする化合物(請求項7)。請求項7の化合物の中でも、RがR−O−CH−CH(OH)−CH−(Rは、フェニル基)であり、Rがベンジル基又はR−O−CH−CH(OH)−CH−であり(Rは、フェニル基)である化合物は、更に優れた美白作用を示す。
(E) 請求項1に記載のアスコルビン酸誘導体、即ち式(I)で表されるアスコルビン酸誘導体であって、R又はRの一方がHO−CH−CH(OH)−CH−であり、R又はRの他方がR−O−CH−CH(OH)−CH−(Rは、炭素数10〜16のアルキル基)であることを特徴とする化合物(請求項8)。請求項8の化合物の中でも、RがHO−CH−CH(OH)−CH−であり、RがR−O−CH−CH(OH)−CH−である化合物が、特に優れた美白作用を示す。
又、本発明のアスコルビン酸誘導体又はその塩であって、式(I)中のRが、R−O−CH−CH(OH)−CH−、R−O−CH−CH(CHOH)−、R−CH(CHOH)−、もしくはR−CH(OH)−CH−であり、又は/及び、Rが、R−O−CH−CH(OH)−CH−、R−O−CH−CH(CHOH)−、R−CH(CHOH)−、もしくはR10−CH(OH)−CH−であって、かつR、R、R、R、R、R、R又はR10が、長鎖アルキル基又は長鎖アルケニル基の場合、特に炭素数8以上の場合、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等のポリオキシエチレンタイプの界面活性剤を使用しなくても乳化物を作ることができるという特徴があり、剤系を作るときに有利であるとの特徴も有する。
本発明のアスコルビン酸誘導体又はその塩であって、
式(I)中のRが、R−O−CH−CH(OH)−CH−、R−O−CH−CH(CHOH)−、R−CH(CHOH)−、もしくはR−CH(OH)−CH−であり、R、R、R、R及びRがH、アルキル又はアルケニルであり、かつR、R、R、R及びRの炭素数の合計が4以下のもの、
式(I)中のRが、R−O−CH−CH(OH)−CH−、R−O−CH−CH(CHOH)−、R−CH(CHOH)−、もしくはR10−CH(OH)−CH−であり、R、R、R、R10及びRがH、アルキル又はアルケニルであり、かつR、R、R、R10及びRの炭素数の合計が4以下のもの、ならびに
式(I)中のRが、R−O−CH−CH(OH)−CH−、R−O−CH−CH(CHOH)−、R−CH(CHOH)−、もしくはR−CH(OH)−CH−であり、Rが、R−O−CH−CH(OH)−CH−、R−O−CH−CH(CHOH)−、R−CH(CHOH)−、もしくはR10−CH(OH)−CH−であり、R、R、R、R、R、R、R及びR10がH、アルキル又はアルケニルであり、かつR、R、R、R、R、R、R及びR10の炭素数の合計が4以下のもの(請求項9)は、特に優れた保湿効果を与えるので、この観点から、化粧料の成分として好適に用いられる。即ち、化粧料の保湿性向上方法として、このアスコルビン酸誘導体又はその塩を化粧料成分中に配合する方法を挙げることができる。
この保湿効果は、化粧料等の中に1から20重量%配合した場合より大きい。特に、5から20重量%配合した場合に優れた保湿効果が発揮される(請求項14)
又、本発明のアスコルビン酸誘導体は、アスコルビン酸等と同等以上のコラーゲン産生促進効果を有するとともに、コラーゲン産生促進効果が経時により増大するとの特徴を有する。アスコルビン酸や公知のアスコルビン酸誘導体のコラーゲン産生促進効果は経時により低下するので、本発明のアスコルビン酸誘導体は、コラーゲン産生促進効果の持続性の点で特に優れている。
前記式(I)で表されるアスコルビン酸誘導体等、2位及び3位が位置特異的にエーテル化されたアスコルビン酸誘導体又はその塩は、アスコルビン酸と、グリシドール、アルキルグリシジルエーテル、アルケニルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、エチレンオキサイド、エポキシアルカン、エポキシアルケン、スチレンオキサイド及び脂環式エポキシから選ばれるエポキシ化合物を反応させることにより、アスコルビン酸の2位、3位、5位、6位にある4つの水酸基の中で、2位及び/又は3位のみを、位置特異的にエーテル化する方法により製造することができる。位置特異的にエーテル化する方法は、特に限定されず、例えば、5位及び6位の水酸基を保護基で保護した後に、エーテル化反応をさせる方法を挙げることができる。5位及び6位の水酸基を保護基で保護する反応としては、例えば、特開平8−81462号公報の段落0017や段落0029に記載されている方法、即ち、触媒量の無水塩化水素又は塩化アセチル存在下で、アスコルビン酸をアセトン存在下室温下で反応させて、5,6−O−イソプロピリデン−L−アスコルビン酸とする方法を挙げることができる。
しかし、本発明者は、検討の結果、アスコルビン酸と、グリシドール、アルキルグリシジルエーテル、アルケニルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、エチレンオキサイド、エポキシアルカン、エポキシアルケン、スチレンオキサイド及び脂環式エポキシから選ばれるエポキシ化合物とを反応させる場合は、5位及び6位の水酸基を保護した場合は当然のことながら、5位及び6位の水酸基を保護基で保護しない場合でも、先ず、選択的に2位又は3位への付加反応が行われ、2位又は3位付加体が得られることを見出した。更に、このようにして得られた2位又は3位付加体に、更にグリシドール、アルキルグリシジルエーテル、アルケニルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、エチレンオキサイド、エポキシアルカン、エポキシアルケン、スチレンオキサイド及び脂環式エポキシから選ばれるエポキシ化合物を反応させることにより、2位又は3位の中の残存している水酸基をエーテル化することができ、2位及び3位の両方のみが位置特異的にエーテル化された化合物が得られることも見出した。ここで、2位のエーテル化に用いるエポキシ化合物と、3位のエーテル化に用いるエポキシ化合物は、同一であってもよいし、互いに異なっていてもよい。この反応によれば、5位及び6位の水酸基を保護基で保護する工程が不要であるので、工程数が減少し反応も簡易なものとなる。従って、前記式(I)で表されるアスコルビン酸誘導体等の、2位及び3位が位置特異的にエーテル化されたアスコルビン酸誘導体又はその塩の製造方法として好ましい。
そこで、本発明は、請求項10において、この好ましい製造方法、即ちアスコルビン酸と、グリシドール、アルキルグリシジルエーテル、アルケニルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、エチレンオキサイド、エポキシアルカン、エポキシアルケン、スチレンオキサイド及び脂環式エポキシから選ばれるエポキシ化合物を、アスコルビン酸の5位及び6位の水酸基を保護せずに反応させる工程を有することを特徴とするアスコルビン酸誘導体又はその塩の製造方法を提供する。
前記エポキシ化合物としては、下記式(II)で表される化合物、下記式(III)で表される化合物、及び1,2−エポキシシクロヘキサンから選ばれるものを挙げることができる。これらの特定のエポキシ化合物を用いた場合は、位置特異的なエーテル化がより明白である。そこで、本発明は、この製造方法を請求項11として提供する。
Figure 2009025328
[式中、R11は、H、炭素数1〜22のアルキル基、炭素数2〜22のアルケニル基、又はフェニル基である。]
Figure 2009025328
[式中、R12は、H、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、又はフェニル基である。]
この特定構造のエポキシ化合物を用いる方法によれば、前記の効果がより優れ、保護基形成反応等を必要とせずに、1回の反応のみで、2位又は3位のみを位置特異的にエーテル化することができ、高い生産効率で、前記本発明のアスコルビン酸誘導体又はその塩を製造することができる。
式(II)で表される化合物としては、
グリシドール、メチルグリシジルエーテル、エチルグリシジルエーテル、プロピルグリシジルエーテル、イソプロピルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、ペンチルグリシジルエーテル、ヘキシルグリシジルエーテル、ヘプチルグリシジルエーテル、オクチルグリシジルエーテル、ノニルグリシジルエーテル、デシルグリシジルエーテル、ウンデシルグリシジルエーテル、ドデシルグリシジルエーテル、トリデシルグリシジルエーテル、テトラデシルグリシジルエーテル、ペンタデシルグリシジルエーテル、ヘキサデシルグリシジルエーテル、ヘプタデシルグリシジルエーテル、オクタデシルグリシジルエーテル、ノナデシルグリシジルエーテル、
ビニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、ブテニルグリシジルエーテル、イソブテニルグリシジルエーテル、クロチルグリシジルエーテル、オクテニルグリシジルエーテル、デセニルグリシジルエーテル、ドデセニルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテルが例示される。
式(III)で表されるエポキシアルカンとしては、エチレンオキサイド、メチルオキシラン、エチルオキシラン、プロピルオキシラン、イソプロピルオキシラン、ブチルオキシラン、ペンチルオキシラン、ヘキシルオキシラン、ヘプチルオキシラン、オクチルオキシラン、ノニルオキシラン、デシルオキシラン、ウンデシルオキシラン、ドデシルオキシラン、トリデシルオキシラン、テトラデシルオキシラン、ペンタデシルオキシラン、ヘキサデシルオキシラン、ヘプタデシルオキシラン、オクタデシルオキシラン、ノナデシルオキシランが、
式(III)で表されるエポキシアルケンとしては、イソプロピレンオキシラン、ブテンオキシラン、ペンテンオキシラン、ヘキセンオキシラン、ヘプテンオキシラン、オクテンオキシラン、ノネンオキシラン、デセンオキシラン、ウンデセンオキシラン、ドデセンオキシラン、トリデセンオキシラン、テトラデセンオキシラン、ペンタデセンオキシラン、ヘキサデセンオキシラン、ヘプタデセンオキシラン、オクタデセンオキシラン、ノナデセンオキシランが例示される。
アルキルグリシジルエーテルは、市販品を用いても良いが、アルコール類にエピハロ(クロロ)ヒドリンを反応することによっても得ることができる。
本発明のアスコルビン酸誘導体又はその塩の製造方法で用いられるアスコルビン酸は、4位、5位の炭素の立体がS配置、R配置のいずれでもよい。また、グリシドール、アルキルグリシジルエーテル、アルケニルグリシジルエーテル、又はエポキシアルカン、エポキシアルケン等のエポキシ化合物等も同様にS体、R体またはその混合物でもよい。
なお、前記式(I)で表されるアスコルビン酸誘導体又はその塩は、3−クロロ−1,2−プロパンジオール等の3−ハロ−1,2−プロパンジオール等を、グリシドールの代わりに用いて、アスコルビン酸と反応させ、アスコルビン酸の2位及び/又は3位のみをエーテル化する方法によっても製造することができる。ただし、この場合は、脱ハロゲンのために更に塩基性物質を反応系に添加する必要がある。
請求項10又は請求項11に記載の発明を構成する反応は、溶媒中で行うことができる。溶媒としては、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール等の低級アルコール、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)、又はそれらの混合溶媒等を挙げることができ、特に制限はない。ただし、前記エポキシ化合物として、式(II)で表され、かつR11が、H、炭素数1〜8のアルキル基もしくは炭素数2〜8のアルケニル基である化合物、又は式(III)で表され、かつR12が、H、炭素数1〜8のアルキル基もしくは炭素数2〜8のアルケニル基である化合物が用いられる場合は、環境への負荷を低減し、かつコスト、安全性の点から水系溶媒が好ましい(請求項12)。水系溶媒としては、水の他、水を主体とし水と相溶する溶媒との混合溶媒を挙げることができる。
反応温度は特に制限ないが、より好ましくは30〜100℃、更に好ましくは40〜90℃である。反応溶媒のpHは特に制限はないが
前記アスコルビン酸誘導体又はその塩であって、アスコルビン酸構造の2位がHであるものを製造する場合は、酸性条件下、特にpH2〜6が、
前記アスコルビン酸誘導体又はその塩であって、アスコルビン酸構造の3位がHであるものを製造する場合は、アルカリ性条件下、特にpH8〜11が、好ましい。
アスコルビン酸類は酸化されやすいため、この反応は、反応系内をアルゴン、窒素、ヘリウムなどの不活性ガスで置換して行うことが好ましく、不活性ガス下で反応を行うことにより、着色、着臭などを低減することができる。触媒としては、炭酸水素ナトリウム等のアルカリ触媒、硫酸等の酸触媒を使用することが可能である。臭化テトラブチルアンモニウム等の相間移動触媒を使用することも可能である。反応を行うときは、十分に混ざるように、触媒を少量の水に溶解させて添加してもよい。又、アスコルビン酸とエポキシ化合物等の原料の混合方法は特に限定されないが、エポキシ化合物を反応系中に滴下する事もできる。
アスコルビン酸に対するエポキシ化合物の使用量は、特に制限はないが、アスコルビン酸の1モルに対して0.5〜5モルが好ましい。アスコルビン酸に対するエポキシ化合物の使用量が少ない程、付加反応の位置特異性、即ち、2位又は3位への選択的付加が明白になる。又、2位又は3位の一方のみに付加させる場合は、0.5〜1.5モル程度の範囲が好ましい。
2位又は3位の両方にエポキシ化合物を付加させた化合物は、例えば、前記の条件(0.5〜1.5モル程度)にて一方のみに付加した付加体を得た後、後述の方法等により精製を行って一方のみに付加した付加体のみを取り出し、その後、その付加体に、エポキシ化合物を0.5〜1.5モル程度反応させる方法により得ることができる。精製前の反応と精製後の反応で使用するエポキシ化合物を変えることにより、2位又は3位の両方に異なるエポキシ化合物が付加された化合物を得ることができる。
前記一般式(I)のアスコルビン酸誘導体又はその塩であって、R又はRが、炭素数1〜22のアルキル基、炭素数2〜22のアルケニル基、又はベンジル基であるものは、前記請求項11に記載の反応を、アスコルビン酸に対するエポキシ化合物の使用量を、0.5〜1.5モル程度の範囲で行って、R又はRの一方のみをエーテル化したアスコルビン酸誘導体を得た後、2位又は3位の水酸基の中で残存している水酸基を、アルキル化、アルケニル化又はベンジル化することにより得ることができる。アルキル化、アルケニル化、又はベンジル化は、公知の方法、例えばハロゲン化アルキル、ハロゲン化アルケニル、ハロゲン化ベンジル等との反応により行うことができる。なお、ハロゲン化アリル、ハロゲン化クロチル、ハロゲン化ベンジル等の場合は水溶媒で反応を行う事もできる。
前記のようにして製造されるアスコルビン酸誘導体又はその塩はシリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィー、イオン交換樹脂等の樹脂を用いたカラムクロマトグラフィー、活性炭処理、抽出、蒸留、結晶化等の手段により精製することができる。
本発明のアスコルビン酸誘導体又はその塩は、皮膚外用剤や毛髪化粧料等の各種化粧料の成分として好適に用いられる。請求項13は、請求項1ないし請求項9のいずれか1項に記載のアスコルビン酸誘導体又はその塩を配合したことを特徴とする化粧料を提供するものである。
前記のように、本発明のアスコルビン酸誘導体又はその塩は、アスコルビン酸が元来有する美白作用、コラーゲン産生促進作用などの優れた作用を有するとともに、保湿作用を有し長期間の保存でも安定で、変色、変臭、活性低下等が少ない。そこで、このアスコルビン酸誘導体又はその塩を成分として含有させることにより、優れた美白作用、コラーゲン産生促進作用、保湿作用等を有するとともに、経時安定性にも優れた皮膚外用剤、毛髪化粧料等の各種化粧料を得ることができる。又、食品の添加剤、飼料等としても利用できる。
本発明のアスコルビン酸誘導体又はその塩を、保湿剤として用いる場合は、各種化粧料への配合量は、前記のように1から20重量%が好ましいが、他の用途の場合、その配合量の範囲は、化粧料の用途により異なり、特に限定できないが、通常、0.01%〜20重量%の範囲が好ましい。0.01%重量未満の場合は、美白効果等、本発明のアスコルビン酸誘導体又はその塩が有する効果を十分示せない場合が多い。一方、20重量%を超える場合は、配合量に見合った効果が望めない場合が多い、また剤系を壊す恐れがある。
本発明の化粧料には、この必須成分の他に、通常、用いられる成分、例えば、油性原料、界面活性剤、高分子化合物、紫外線吸収剤、薬剤、金属イオン封鎖剤、酸化防止剤などを適宜配合することができる。又、本発明のアスコルビン酸誘導体又はその塩は、保湿剤としても作用するが、本発明の化粧料には、他の保湿剤を適宜配合することができる。
油性原料としては、オリーブ油、椿油、マカデミアナッツ油、茶実油、ヒマシ油、トリ(カプリン/カプリル)グリセリルなどの油脂類、ホホバ油、カルナウバロウ、キャンデリラロウ、ラノリン、ミツロウなどのロウ類、流動パラフィン、パラフィン、ワセリン、セレシン、マイクロクリスタリンワックス、スクワランなどの炭化水素類、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、イソステアリン酸などの脂肪酸類、セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコールなどの高級アルコール類、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸−2−オクチルドデシル、2−エチルへキサン酸セチル、リンゴ酸ジイソステアリル、トリ−2−エチルヘキサノイン、などのエステル類、メチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサンなどのシリコーン類などが挙げられる。
界面活性剤としては、高級脂肪酸石鹸、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アシル−N−メチルタウリン塩、N−アシルアミノ酸塩、アルキルリン酸エステル塩などのアニオン性界面活性剤、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ジアルキルジメチルアンモニウムなどのカチオン性界面活性剤、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルアミドアミノ酢酸ベタイン、2−アルキル−N−カルボキシ−N−ヒドロキシイミダゾリニウムベタインなどの両性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、多価アルコール脂肪酸エステル、ポリエーテル変性シリコーンなどの非イオン性界面活性剤などが挙げられる。
他の保湿剤としては、グリセリン、プロピレングリコール、マルチトール、ソルビトール、1,3-ブチレングリコール、乳酸ナトリウム、ポリエチレングリコール、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウムなどが挙げられる。
高分子化合物としては、カルボキシビニルポリマー、カルボキシメチルセルロースナトリウム、キサンタンガム、ポリビニルアルコール、高分子のジメチルポリシロキサンなどが挙げられる。
酸化防止剤としては、ビタミンEやタンニン、BHT(ブチルヒドロキシトルエン)等を挙げることができる。
本発明の化粧料の剤系は任意であり、溶液系、可溶化系、乳化系、ゲル系、粉末分散系、水−油二層系等いずれも可能であり、目的とする製品に応じて上記一般式で表されるアスコルビン酸誘導体又はその塩と上記任意配合成分とを配合して製造することができる。
本発明の、前記一般式(I)で示されるアスコルビン酸誘導体又はその塩は、美白作用、コラーゲン産生促進作用等のアスコルビン酸誘導体が元来有する優れた機能を有するとともに、保湿作用を有し、長期間の保存でも安定で、変色、変臭、活性低下等が少ないものである。従って、この化合物を皮膚外用剤や毛髪化粧料などの化粧料に配合することにより、美白作用や保湿作用などに優れかつ長期間の保存でも安定した化粧料を得る事ができる。本発明の化粧料は、この美白作用や保湿作用などに優れかつ長期間の保存でも安定した化粧料(美白化粧料や保湿化粧料など)である。
本発明の製造方法によれば、保護基の形成工程を経ずに、アスコルビン酸とエポキシ化合物等を単に反応するのみで、前記一般式(I)で示されるアスコルビン酸誘導体又はその塩を製造することができ、従って、本発明のアスコルビン酸誘導体又はその塩を、容易に安価に製造することができる。
次に、本発明を実施するための具体的な形態を実施例により具体的に説明するが、本発明の範囲は実施例により限定されるものではない。
実施例1 3−O−グリセリルアスコルビン酸の合成
アルゴン雰囲気下、水に、L−アスコルビン酸(300g)、炭酸水素ナトリウム(42.9g)を加え、室温で30分攪拌した後、グリシドール(126g)を加えた。その後、加温して50℃とし5時間攪拌を行った。メタノールを加えろ過し、ろ液を減圧下に濃縮し、得られた残渣457gを、シリカゲルカラムクロマトグラフィーに付した。クロロホルム/メタノール/水=65/35/5で溶出し、減圧下にて濃縮を行い、3−O−グリセリルアスコルビン酸(296g)を得た。
得られた生成物について、高分解能質量分析、赤外吸収スペクトル、1H−NMR、13C−NMR測定を行い、この測定結果より、この生成物は、下記構造式で表される3−O−グリセリルアスコルビン酸であることが確認された。
なお、以下に示す実施例でも、得られた生成物について、高分解能質量分析、赤外吸収スペクトル、1H−NMR、及び/又は13C−NMR測定を行い、その測定結果より、生成物は、各実施例において示す構造式又は化合物名で表されるアスコルビン酸誘導体であることが確認されている。実施例で得られた生成物についての、高分解能質量分析、赤外吸収スペクトル、1H−NMR、及び/又は13C−NMRの測定結果は、表1〜8に示す。
Figure 2009025328
なお、この構造式においては、炭素原子、及び該炭素原子に結合する水素原子は省略されている。例えば、この式における1〜4の位置は炭素であり、6、7、9の位置はCH基であり、5、8の位置はCH基である。以下の構造式においてもこの式と同様に、水素原子や炭素原子を省略して表す。
実施例2 3−O−グリセリルアスコルビン酸ナトリウム塩の合成
実施例1と同様な方法により得られた3−O−グリセリルアスコルビン酸1gを、水に溶解し、炭酸水素ナトリウム336mgを加え30分攪拌を行った後、減圧下にて濃縮を行い、3−O−グリセリルアスコルビン酸ナトリウム塩1.07gを得た。
Figure 2009025328
実施例3 2−Oグリセリルアスコルビン酸の合成
アルゴン雰囲気下、水に、L−アスコルビン酸(10.0g)、炭酸水素ナトリウム(9.54g)を加え、室温で30分攪拌し、グリシドール(8.41g)を加えた。加温して60℃として5時間攪拌を行った。メタノールを加えろ過し、ろ液を減圧下に濃縮し、得られた残渣19.0gを、シリカゲルカラムクロマトグラフィーに付した。クロロホルム/メタノール/水=6/4/1で溶出し、減圧下にて濃縮を行い、2−O−グリセリルアスコルビン酸(1.21g)を得た。
Figure 2009025328
実施例4 2,3−ジ−O−グリセリルアスコルビン酸の合成
アルゴン雰囲気下、水に、L−アスコルビン酸(100g)、炭酸水素ナトリウム(14.4g)を加え、室温で30分攪拌し、グリシドール(42.0g)を加えた。加温して50℃とし5時間攪拌を行った。その後、グリシドール(57.5g)を加え80℃に加温し4時間攪拌を行った後、減圧下に濃縮した。得られた残渣232gをアルミナカラムクロマトグラフィーに付し、クロロホルム/メタノール/水=6/4/1混液にて溶出し、減圧下にて濃縮を行い、2,3−ジグリセリルアスコルビン酸(23.0g)を得た。
Figure 2009025328
実施例5 3−O−(1,3−ジヒドロキシ−2−プロピル)アスコルビン酸の合成
アルゴン雰囲気下、水に、アスコルビン酸(1.00g)、炭酸水素ナトリウム(0.14g)を加え、室温で30分攪拌した後、グリシドール(0.42g)を加えた。その後、加温して50℃とし5時間攪拌を行った。反応後水を加え、シリカゲルカラムクロマトグラフィーに付した。クロロホルム/メタノール/水=65/35/5混液にて溶出し、減圧下にて濃縮を行い、粗生成物0.99gを得た。得られた粗生成物を、HPLCにより、COSMOSIL 5C18−MS−II Waters(20mm×250mm)のカラムを用いて、100%水、流速9.9ml/minで分取し、3−O−(1’,3’−ジヒドロキシ−2’−プロピル)アスコルビン酸のピーク(8分、52mg)を分離精製した。
Figure 2009025328
実施例6 3−O−ブチルグリセリルアスコルビン酸の合成
アルゴン雰囲気下、水に、L−アスコルビン酸(100g)、炭酸水素ナトリウム(14.3g)、を加え、室温で30分攪拌し、ブチルグリシジルエーテル(73.8g)を加えた。80℃に加温し12時間攪拌を行った。その後、n−ブタノールで抽出した。抽出液を、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下に濃縮した。得られた残渣96.8gをシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付した。クロロホルム/メタノール/水=20/3/0.3混液にて溶出し、減圧下にて濃縮を行い、3−O−ブチルグリセリルアスコルビン酸(74.2g)を得た。
Figure 2009025328
実施例7 3−O−エチルグリセリルアスコルビン酸の合成
アルゴン雰囲気下、L−アスコルビン酸(50.0g)をDMF(150mL)中で攪拌し、エチルグリシジルエーテル(34.7g)を加えた後、80℃に加温し18時間攪拌した。その後、減圧下に濃縮して得られた残渣102gをシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付した。クロロホルム/メタノール/水=10/3/0.5混液にて溶出し、減圧下にて濃縮を行い、3−O−エチルグリセリルアスコルビン酸(39.6g)を得た。
Figure 2009025328
実施例8 3−O−オクチルグリセリルアスコルビン酸の合成
アルゴン雰囲気下、L−アスコルビン酸(100g)に、炭酸水素ナトリウム(14.3g)及びDMSO200mlを加え、さらにオクチルグリシジルエーテル(127g)を加えた。80℃に加温し24時間攪拌した後、酢酸エチルで抽出した。抽出液を、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下に濃縮して得られた残渣150gをシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付した。その後、クロロホルム/メタノール/水=30/3/0.3混液にて溶出し、減圧下にて濃縮を行い、3−O−オクチルグリセリルアスコルビン酸(36g)を得た。
Figure 2009025328
実施例9 3−O−ヘキサデシルグリセリルアスコルビン酸
オクチルグリシジルエーテルをセチルグリシジルエーテルに変えた以外は実施例8と同様にして3−O−ヘキサデシルグリセリルアスコルビン酸(7.31g)を得た。(シリカゲルカラムクロマトグラフィーに付した残渣量:107.2g)
Figure 2009025328
実施例10 3−O−(2−ヒドロキシヘキシル)アスコルビン酸の合成
アルゴン雰囲気下、L-アスコルビン酸(5.00g)にDMF30mlを加え、さらに1,2−エポキシへキサン(3.45g)を加えた。80℃に加温し24時間攪拌した後、酢酸エチルで抽出した。抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下に濃縮した。得られた残渣7.56gをシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、クロロホルム/メタノール/水=20/3/0.3混液にて溶出し、減圧下にて濃縮を行い、3−O−(2−ヒドロキシヘキシル)アスコルビン酸(1.93g)を得た。
Figure 2009025328
実施例11 3−O−(2−ヒドロキシシクロへキシル)アスコルビン酸の合成
アルゴン雰囲気下、L-アスコルビン酸(1.00g)に、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプロパノール4mlとアセトニトリル12mlを加え、さらに1,2−エポキシシクロへキサン(1.42g)を加えた。70℃に加温し36時間攪拌した後、減圧下に濃縮して得られた残渣3.65gをシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付した。その後、クロロホルム/メタノール/水=20/3/0.3混液にて溶出し、2種の溶出物を得た(先に溶出した溶出物:244mg、後に溶出した溶出物:217mg)。得られた各溶出物についての、高分解能質量分析、赤外吸収スペクトル、1H−NMR、13C−NMR測定、及び比旋光度の測定結果より、この2種は、互いに立体異性の関係にある2種の3−O−(2−ヒドキシシクロへキシル)アスコルビン酸であっていずれも下記構造式で表されるものであることが確認された。
Figure 2009025328
比旋光度 [α] 24
先に溶出してきた異性体 +2.90 (c=2.06 inMeOH)
後に溶出してきた異性体 +25.4 (c=2.06 inMeOH)
実施例12 3−O−(2−ヒドロキシ−1−フェニルエチル)アスコルビン酸の合成
アルゴン雰囲気下、L-アスコルビン酸(1.00g)に、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプロパノール4mlとアセトニトリル10mlを加え、スチレンオキサイド(1.37g)を加えた。70℃に加温し48時間攪拌した後、減圧下に濃縮した。得られた残渣2.73gをシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付した。クロロホルム/メタノール/水=20/3/0.3混液にて溶出し、2種の溶出物を得た(先に溶出した溶出物:225mg、後に溶出した溶出物:228mg)。得られた各溶出物についての、高分解能質量分析、赤外吸収スペクトル、1H−NMR、13C−NMR、及び比旋光度の測定結果より、この2種は、互いに立体異性の関係にある2種の3−O−(2−ヒドロキシ−1−フェニルエチル)アスコルビン酸であっていずれも下記構造式で表されるものであることが確認された。
Figure 2009025328
比旋光度 [α] 24
先に溶出してきた異性体 −26.8 (c=2.06 inMeOH)
後に溶出してきた異性体 +36.7 (c=1.96 inMeOH)
実施例13 2−O−エチルグリセリルアスコルビン酸の合成
アルゴン雰囲気下、水に、L−アスコルビン酸(5.00g)、炭酸ナトリウム(6.02g)を加え室温で30分攪拌を行い、その後エチルグリシジルエーテル(8.69g)を加え80℃に加温し24時間攪拌した。その後、メタノールを加えろ過しろ液を減圧下に濃縮して得られた残渣4.17gをシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付した。クロロホルム/メタノール/水=65/35/5混液にて溶出し、減圧下にて濃縮を行い、2−O−エチルグリセリルアスコルビン酸(2.17g)を得た。
Figure 2009025328
実施例14 3−O−グリセリル−2−O−オクチルアスコルビン酸の合成
アルゴン雰囲気下、実施例1で得られた3−O−グリセリルアスコルビン酸(54.1g)をDMSO(200mL)中で攪拌し、さらに炭酸水素ナトリウム(18.5g)を加え室温で30分攪拌を行った。その後臭化オクチル(63.7g)を加え100℃に加温し3時間攪拌した後、酢酸エチルで抽出した。抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下に濃縮をした。得られた残渣131gをシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付した。クロロホルム/メタノール/水=10/3/0.4混液にて溶出し、減圧下にて濃縮を行い、3−O−グリセリル−2−O−オクチルアスコルビン酸(48.0g)を得た。
Figure 2009025328
実施例15 3−O−グリセリル−2−O−ヘキサデシルアスコルビン酸の合成
アルゴン雰囲気下、実施例1で得られた3−O−グリセリルアスコルビン酸(5.10g)をDMSO(20mL)中で攪拌し、さらに炭酸水素ナトリウム(1.71g)を加え室温で30分攪拌を行った。その後臭化ヘキサデシル(9.42g)を加え100℃に加温し3時間攪拌した後、酢酸エチルで抽出した。抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下に濃縮して得られた残渣13.6gをシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付した。クロロホルム/メタノール/水=20/3/0.4混液にて溶出し、減圧下にて濃縮を行い、3−O−グリセリル−2−O−ヘキサデシルアスコルビン酸(4.09g)を得た。
Figure 2009025328
実施例16 3−O−グリセリル−2−O−アリルアスコルビン酸の合成
アルゴン雰囲気下、実施例1で得られた3−O−グリセリルアスコルビン酸(1.42g)に、水、炭酸水素ナトリウム(1.42g)を加え、室温で30分間攪拌した後、臭化アリル(2.45g)を加え60℃に加温し2時間攪拌した。その後、減圧下に濃縮した後メタノールに溶解した。得られた溶液を、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下に濃縮し、得られた残渣6.70gをシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付した。クロロホルム/メタノール/水=10/3/0.4混液にて溶出し、減圧下にて濃縮を行い、3−O−グリセリル−2−O−アリルアスコルビン酸(2.51g)を得た。
Figure 2009025328
実施例17 3−O−グリセリル−2−O−ベンジルアスコルビン酸の合成
アルゴン雰囲気下、実施例1で得られた3−O−グリセリルアスコルビン酸(2.93g)に、水と炭酸水素ナトリウム(1.42g)を加え室温で30分間攪拌した後、臭化ベンジル(2.61g)を加え50℃に加温し2時間攪拌した。その後、減圧下に濃縮しメタノールに溶解した。得られた溶液を、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下に濃縮し、得られた残渣6.13gをシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付した。クロロホルム/メタノール/水=10/3/0.4混液にて溶出し、減圧下にて濃縮を行い、3−O−グリセリル−2−O−ベンジルアスコルビン酸(2.47g)を得た。
Figure 2009025328
実施例18 3−O−エチルグリセリル−2−O−ブチルアスコルビン酸の合成
アルゴン雰囲気下、実施例7で得られた3−O−エチルグリセリルアスコルビン酸(3.03g)をDMSO(10mL)中で攪拌し、さらに炭酸水素ナトリウム(0.92g)、臭化ブチル(1.79g)を加えた。100℃に加温し5時間攪拌した後、酢酸エチルで抽出した。抽出液を、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下に濃縮して得られた残渣2.16gをシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付した。クロロホルム/メタノール/水=20/3/0.3混液にて溶出し、減圧下にて濃縮を行い、3−O−エチルグリセリル−2−O−ブチルアスコルビン酸(0.89g)を得た。
Figure 2009025328
実施例19 3−O−ブチルグリセリル−2−O−ブチルアスコルビン酸の合成
アルゴン雰囲気下、実施例6で得られた3−O−ブチルグリセリルアスコルビン酸(3.06g)をDMSO(10mL)中で攪拌し、炭酸水素ナトリウム(0.84g)を加えた。さらに、臭化ブチル(2.06g)を加え100℃に加温し3時間攪拌した後、酢酸エチルで抽出した。抽出液を、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下に濃縮して得られた残渣3.52gをシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付した。クロロホルム/メタノール/水=50/3/0.3混液にて溶出し、減圧下にて濃縮を行い、3−O−ブチルグリセリル−2−O−ブチルアスコルビン酸(0.95g)を得た。
Figure 2009025328
実施例20 3−O−オクチルグリセリル−2−O−ヘキサデシルアスコルビン酸の合成
アルゴン雰囲気下、実施例8で得られた3−O−オクチルグリセリルアスコルビン酸(5.17g)をDMSO(10mL)中で攪拌し、炭酸水素ナトリウム(1.20g)、臭化ヘキサデシル(5.22g)を加え、100℃に加温し3時間攪拌した。その後、酢酸エチルで抽出した。抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下に濃縮して得られた残渣9.06gをシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、クロロホルム/メタノール/水=50/3/0.3混液にて溶出し、減圧下にて濃縮を行い、3−O−オクチルグリセリル−2−O−ヘキサデシルアスコルビン酸(3.41g)を得た。
Figure 2009025328
実施例21 3−O−ブチルグリセリル−2−O−アリルアスコルビン酸の合成
アルゴン雰囲気下、実施例6で得られた3−O−ブチルグリセリルアスコルビン酸(3.56g)に、水、炭酸水素ナトリウム(0.98g)を加え室温で30分間攪拌した。その後、臭化アリル(1.68g)を加え、60℃に加温し5時間攪拌した後、酢酸エチルで抽出した。抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下に濃縮をし得られた残渣3.53gをシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付した。クロロホルム/メタノール/水=30/3/0.3混液にて溶出し、減圧下にて濃縮を行い、3−O−ブチルグリセリル−2−O−アリルアスコルビン酸(3.00g)を得た。
Figure 2009025328
実施例22 3−O−グリセリル−2−O−ブチルグリセリルアスコルビン酸の合成
アルゴン雰囲気下、実施例1で得られた3−O−グリセリルアスコルビン酸(5.27g)をDMSO(10mL)中で攪拌し、炭酸水素ナトリウム(0.53g)を加えた。さらに、ブチルグリシジルエーテル(4.10g)を加え80℃に加温し18時間攪拌した後、酢酸エチルで抽出した。抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下に濃縮をし得られた残渣3.47gをシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付した。クロロホルム/メタノール/水=20/3/0.4混液にて溶出し、減圧下にて濃縮を行い、3−O−グリセリル−2−O−ブチルグリセリルアスコルビン酸(0.62g)を得た。
Figure 2009025328
実施例23 3−O−ブチルグリセリル−2−O−グリセリルアスコルビン酸の合成
アルゴン雰囲気下、実施例6と同様な方法で得られた3−O−ブチルグリセリルアスコルビン酸(4.98g)をDMSO10mL中で攪拌し、炭酸水素ナトリウム(0.33g)を加えた。さらにグリシドール(1.46g)を加え80℃に加温し18時間攪拌した後、n−ブタノールで抽出した。抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下に濃縮をし、得られた残渣6.23gをシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付した。クロロホルム/メタノール/水=20/3/0.4混液にて溶出し、減圧下にて濃縮を行い、3−O−ブチルグリセリル−2−O−グリセリルアスコルビン酸(1.23g)を得た。
Figure 2009025328
実施例24 3−O−ブチルグリセリル−2−O−ヘキサデシルグリセリルアスコルビン酸の合成
アルゴン雰囲気下、実施例6と同様な方法で得られた3−O−ブチルグリセリルアスコルビン酸(5.31g)をDMSO10mL中で攪拌し、炭酸水素ナトリウム(0.44g)を加えた。さらにヘキサデシルグリシジルエーテル(4.82g)を加え80℃に加温し18時間攪拌した後、酢酸エチルで抽出した。抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下に濃縮をし得られた残渣6.81gをシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付した。クロロホルム/メタノール/水=50/3/0.3混液にて溶出し、減圧下にて濃縮を行い、3−O−ブチルグリセリル−2−O−ヘキサデシルグリシジルアスコルビン酸(0.91g)を得た。
Figure 2009025328
実施例25 3−O−ドデシルグリセリルアスコルビン酸の合成
アルゴン雰囲気下、アスコルビン酸(100g)をDMF200mL中で攪拌し、ドデシルグリシジルエーテル(166g)を加えた後、80℃に加温し36時間攪拌した後、酢酸エチルで抽出した。抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下に濃縮をし得られた残渣182gをシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付した。クロロホルム/メタノール/水=30/3/0.3混液にて溶出し、減圧下にて濃縮を行い、3−O−ドデシルグリセリルアスコルビン酸(45.6g)を得た。
Figure 2009025328
実施例26 3−O−ドデシルグリセリル−2−O−オクチルグリセリルアスコルビン酸の合成
アルゴン雰囲気下、実施例25で得られた3-O−ドデシルグリセリルアスコルビン酸(1.00g)をDMSO2mL中で攪拌し、炭酸水素ナトリウム(0.06g)を加えた。さらに、グリシジルオクチルエーテル(0.53g)を加え100℃に加温し22時間攪拌した後、酢酸エチルで抽出した。抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下に濃縮をし得られた残渣1.33gをシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付した。クロロホルム/メタノール/水=50/3/0.3混液にて溶出し、減圧下にて濃縮を行い、3−O−ドデシル−2−O−オクチルグリセリセリルアスコルビン酸(0.17g)を得た。
Figure 2009025328
実施例27 3−O−(2−O−ヒドロキシデシル)アスコルビン酸の合成
アルゴン雰囲気下、アスコルビン酸(14.2g)をDMF20mL中で攪拌し、1,2−エポキシデカン(15.1g)を加えた後、80℃に加温し24時間攪拌した後、酢酸エチルで抽出した。抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下に濃縮をし得られた残渣26.6gをシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付した。クロロホルム/メタノール/水=20/3/0.3混液にて溶出し、減圧下にて濃縮を行い、3−O−(2−ヒドロキシデシル)アスコルビン酸(7.01g)を得た。
Figure 2009025328
実施例28 3−O−(2−ヒドロキシデシル)−2−O−ブチルグリセリルアスコルビン酸の合成
アルゴン雰囲気下、実施例27で得られた3−O−(2−ヒドロキシデシル)アスコルビン酸(1.03g)をDMSO10mL中で攪拌し、炭酸水素ナトリウム(0.08g)を加えた。さらにブチルグリシジルエーテル(0.97g)を加え100℃に加温し8時間攪拌した後、酢酸エチルで抽出した。抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下に濃縮をし得られた残渣1.12gをシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付した。クロロホルム/メタノール/水=30/3/0.3混液にて溶出し、減圧下にて濃縮を行い、3−O−(2−ヒドロキシデシル)−2−O−ブチルグリセリルアスコルビン酸(0.27g)を得た。
Figure 2009025328
実施例29 3−O−グリセリル−2−O−(2−ヒドロキシデシル)アスコルビン酸の合成
アルゴン雰囲気下、実施例1で得られた3−O−グリセリルアスコルビン酸(5.00g)をDMSO8mL中で攪拌し、炭酸水素ナトリウム(0.50g)を加えた。さらに、1,2−エポキシデカン(3.75g)を加え100℃に加温し10時間攪拌した後、酢酸エチルで抽出した。抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下に濃縮をし得られた残渣3.40gをシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付した。クロロホルム/メタノール/水=20/3/0.3混液にて溶出し、減圧下にて濃縮を行い、3−O−グリセリル−2−O−(2−ヒドロキシデシル)アスコルビン酸(0.41g)を得た。
Figure 2009025328
実施例1〜29で得られた生成物の高分解能質量分析の測定結果を表1に示す。
Figure 2009025328
実施例1〜29で得られた生成物の赤外吸収スペクトルの測定結果を表2に示す。
Figure 2009025328

* TlBr及びAsSeは、それぞれ、TlBr、AsSeを用いた液膜法を、KBr、ATRは、それぞれ、KBr法、ATR法を表す。赤外吸収スペクトルの測定結果を示す以下の表においても同じである。
実施例1〜29で得られた生成物の1H−NMRの測定結果を表3〜5に示す。
Figure 2009025328
Figure 2009025328
Figure 2009025328
実施例1〜29で得られた生成物の13C−NMRの測定結果を表6〜8に示す。
Figure 2009025328
Figure 2009025328
Figure 2009025328
実施例30〜98
実施例1〜29における製造方法と同様な方法により、式(I)で表され、式(I)におけるR及びRが下記の表9〜15で示される化合物を製造した。得られた生成物については、高分解能質量分析、赤外吸収スペクトル、H−NMR、及び/又は13C−NMR測定を行い、その測定結果より、構造が確認された。
Figure 2009025328
Figure 2009025328
Figure 2009025328
Figure 2009025328
Figure 2009025328
Figure 2009025328
Figure 2009025328
実施例30〜98で得られた生成物の高分解能質量分析の測定結果を表16〜18に示す。
Figure 2009025328
Figure 2009025328
Figure 2009025328
実施例30〜98で得られた生成物の赤外吸収スペクトルの測定結果を表19〜21に示す。
Figure 2009025328
Figure 2009025328
Figure 2009025328
実施例30〜98で得られた生成物の1H−NMRの測定結果を表22〜28に示す。
Figure 2009025328
Figure 2009025328
Figure 2009025328
Figure 2009025328
Figure 2009025328
Figure 2009025328
Figure 2009025328
実施例30〜98で得られた生成物の13C−NMRの測定結果を表29〜37に示す。
Figure 2009025328
Figure 2009025328
Figure 2009025328
Figure 2009025328
Figure 2009025328
Figure 2009025328
Figure 2009025328
Figure 2009025328
Figure 2009025328
試験例1
美白効果の試験として、B16メラノーマ4A5細胞のテオフィリン誘発メラニン産生に対する作用の評価を、下記の手順により、本発明のアスコルビン酸誘導体について行った。同様な評価を、比較として、アスコルビン酸や、公知化合物であるアスコルビン酸塩、アスコルビン酸誘導体についても行った。その結果を表38〜40に示す。
(1)B16マウス メラノーマ4A5株を、2.0×10cells/wellの細胞密度で48穴プレートに播種した。
(2)10%ウシ胎児血清(Roshe Diagnostics社製)含有ダルベッコ変法イーグル培地(SIGMA社製、以下D−MEMと略記する。)にて24時間培養後、0.2mMテオフィリン、及び所定の濃度の試料を含有した10%ウシ胎児血清含有D−MEMに交換した。
(3)試料共存下で3日間培養後、アスピレーターを用いて培地を除去し、蒸留水を添加後超音波により細胞を破砕した。
(4)その後、タンパク量を、BCA protein assay kit(PIERCE社製)を用いて定量し、又、メラニンの生成量を、アルカリ可溶化法にて測定した。細胞破砕液に終濃度2Nとなるように水酸化ナトリウムを添加して加熱溶解(60℃、15分)後、マイクロプレートリーダーを用いて450nmの吸光度を測定した。メラニン量は、合成メラニン(SIGMA)を標準品として作成した検量線から算出した。タンパク量でメラニン量を除することにより単位タンパクあたりのメラニン量を算出した。
(5)メラニン生成抑制率は、次式から算出した。
メラニン生成抑制率(%)=[1−(A−B)/(C−B)]×100
[式中、Aは、試料添加時の単位タンパクあたりのメラニン量(g/g)、Bは、normal群の単位タンパクあたりのメラニン量(g/g)、Cはcontrol群の単位タンパクあたりのメラニン量(g/g)を示す。]
試料を100μM以下の濃度で測定したときのメラニン生成抑制率を下記のように表記した。なお、測定はN=4で行った。
<20% :±
20−40% :+
40−70% :++
70−100%:+++
Figure 2009025328
Figure 2009025328
Figure 2009025328
表38〜40の結果は、本発明のアスコルビン酸誘導体は、公知のアスコルビン酸誘導体又はその塩、即ち、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸リン酸マグネシウム、3−O−エチルアスコルビン酸と、同等又はこれらより優れる美白効果を有することを示している。中でも特定の化合物は、美白効果++又は+++を示しており、この結果から、前記(A)、(B)、(C)、(D)及び(E)のアスコルビン酸誘導体又はその塩が、より優れた美白作用を示すことが示されている。
試験例2 [安定性試験1]
各種試験サンプルの2%水溶液を希水酸化ナトリウム水溶液でそれぞれpH7に調製し、50mLのスクリュー管に入れ密栓し、室温にて4週間保管し、HPLC測定(東ソー社製液体クロマトグラフィーを用いた。)を行いピーク面積より残存率を求めた。残存率、臭い及び着色度を下記の方法、基準に基づき評価し結果を表41に示す。
残存率:
◎ : 90%以上
○ : 80%以上、90%未満
△ : 60%以上、80%未満
× : 20%以上、60%未満
××: 20%未満
臭い:
10人のパネラーにより、次の基準で評価した。
3: ほとんど無臭。
2: 少し異臭が感じられる。
1: 強い異臭が感じられる。
この評価結果に基づき、下記の様に分類した。
○:10人の総合点が25以上
△:10人の総合点が16〜24
×:15以下
着色:
10人のパネラーにより、次の基準で評価した。
3: 調製直後と比較しほとんど変化なし。
2: 調製直後と比較し着色する。
1: 調製直後と比較し強く着色。
この評価結果に基づき、下記の様に分類した。
○:10人の総合点が25以上
△:10人の総合点が16〜24
×:15以下
Figure 2009025328
試験例3 [安定性試験2]
室温にて4週間保管する代わりに、50℃にて4週間保管した以外は試験例2と同様の試験を行った。その結果を表42に示す。
Figure 2009025328
表42の結果は、本発明のアスコルビン酸誘導体は、公知のアスコルビン酸誘導体又はその塩、即ち、アスコルビン酸や3−O−エチルアスコルビン酸より、室温〜50℃で保存した場合の経時安定性に優れており、臭いの発生や着色等がほとんど見られないことを示している。すなわち、表38〜42に示す結果は、本発明のアスコルビン酸誘導体が、優れた美白効果とのアスコルビン酸が元来有する優れた性質を有するとともに、従来のアスコルビン酸誘導体の問題であった経時安定性が向上しており、化粧料の配合材料としてより好適であることを示している。
試験例4 [保湿試験:水分保持力による保湿効果の測定]
以下に示す試料を乾燥し、乾燥した試料を秤量瓶(直径3.6cm、蓋を除いた高さ1.8cm)の底に、約0.4g(この重量をWとする。)、均一な厚さになるように伸ばした。秤量瓶に入った試料を、恒湿恒温器(ENVIROS KCL−1000,東京理化器械社製)内で25℃、65%RHの環境下、静置した。定期的に重量を測定し、充分に吸湿して重量増加が平衡に達するのを待った(約48時間)。その後、25℃、20%RHの環境下に移し(飽和CHCOOK水溶液を底部に満たした密閉容器内)24時間後の重量(この重量をWとする。)から、次の式により、乾燥試料1gあたりの、保持している水分量を算出した。
(W−W)/W
このようにして算出した水分量から下記の判定基準に基づき保湿効果を判定し、その結果を表43に示した。
(試料)
2,3−ジ−O−グリセリルアスコルビン酸、2,3−ジ−O−フェニルグリセリルアスコルビン酸、及びグリセリン、の3化合物、並びに、
アスコルビン酸、アスコルビン酸グルコシド、2−O−グリセリルアスコルビン酸、3−O−グリセリルアスコルビン酸、3−O−ブチルグリセリルアスコルビン酸、及び3−O−オクチルグリセリルアスコルビン酸を希水酸化ナトリウム水溶液によりそれぞれpH7に調製し濃縮したもの、の6化合物。
(判定基準)
◎:40mg以上
○:25mg以上40mg未満
△:10mg以上25mg未満
×:10mg未満
Figure 2009025328
2−O−グリセリルアスコルビン酸、2,3−ジ−O−グリセリルアスコルビン酸は、アスコルビン酸よりはるかに優れた保湿効果を有し、保湿性の高いものとして広く知られているグリセリン等と同等程度の保湿効果を示すことが、表43の結果より明らかである。又、3−O−グリセリルアスコルビン酸、3−O−ブチルグリセリルアスコルビン酸も、アスコルビン酸より優れた保湿効果を有することも、表43の結果より示されている。この表43の結果より、本発明のアスコルビン酸誘導体又はその塩であって、式(I)中のRが、R−O−CH−CH(OH)−CH−もしくはR−O−CH−CH(CHOH)−であり、R、R及びRがHもしくはアルキルであり、R、R及びRの炭素数の合計が4以下のもの、
式(I)中のRが、R−O−CH−CH(OH)−CH−もしくはR−O−CH−CH(CHOH)−であり、R、R及びRがHもしくはアルキルであり、R、R及びRの炭素数の合計が4以下のもの、並びに
式(I)中のRが、R−O−CH−CH(OH)−CH−もしくはR−O−CH−CH(CHOH)−であり、Rが、R−O−CH−CH(OH)−CH−もしくはR−O−CH−CH(CHOH)−であり、かつR、R、R及びRがHもしくはアルキルであり、R、R、R及びRの炭素数の合計が4以下のものが、保湿効果の点で好ましいと考えることができる。
さらに、このアスコルビン酸誘導体の、R、R、R、R、R又はRのアルキルをアルケニルに置き換えたもの、R−O−CH−CH(OH)−CH−もしくはR−O−CH−CH(CHOH)−をR−CH(CHOH)−もしくはR−CH(OH)−CH−で置き換えたもの、又は/及び、R−O−CH−CH(OH)−CH−もしくはR−O−CH−CH(CHOH)−をR−CH(CHOH)−もしくはR10−CH(OH)−CH−で置き換えたものも好ましい保湿効果を有すると予測することができる。
試験例5 [アスコルビン酸誘導体がヒト繊維芽細胞のコラーゲン産生に与える影響]
正常ヒト皮膚繊維芽細胞を、2.5×10cells/wellの細胞密度になるように10%(v/v)のウシ胎児血清(Roshe Diagnostics社製)含有D−MEMで調製後、96ウェルプレート上で24時間のプレインキュベージョンを行った。培地を除去した後、次に5%(v/v)ウシ胎児血清含有D−MEMで100μMの濃度に調製したサンプルを各ウェルに添加した後37℃、5%CO下で48時間培養した。培養終了後、遊離コラーゲン量をSircol collagen assay kit(Biocolor社製)を用いて測定した。なお、測定はN=4で行った。
試料を100μMの濃度で測定したときのコラーゲン産生量をControl群と比較し、その結果(Control群を100%としたときの%値)を以下の基準に基づき表44、45に示す。
<100% :±
100−200%:+
200%< :++
Figure 2009025328
Figure 2009025328
表44、45の結果より、本発明のアスコルビン酸誘導体は、遊離のアスコルビン酸や、アスコルビン酸リン酸マグネシウム、アスコルビン酸グルコシド、3−O−エチルアスコルビン酸等の公知のアスコルビン酸誘導体と、同等程度のコラーゲン産生促進効果を有することが明らかである。
試験例6 [アスコルビン酸誘導体がヒト繊維芽細胞のコラーゲン産生に与える影響2]
各試料の濃度を100μM又は500μMとし、培養を2,4,7日間行った以外は、試験例5と同じ条件にて、遊離コラーゲンの測定を行った。なお、測定はN=4で行い、4つの試験例での、コラーゲン産生量をControl群と比較した値(Control群を100%としたときの%値)の平均及び標準誤差を、表46、47に示した。
Figure 2009025328
Figure 2009025328
表46に示されるように、アスコルビン酸や、公知化合物であるアスコルビン酸リン酸マグネシウム、アスコルビン酸グルコシド、3−O−エチルアスコルビン酸の、コラーゲン産生促進効果は、経時(7日間)により低下しているが、表46,47に示されるように、本発明アスコルビン酸誘導体は、経時的にコラーゲン産生促進効果が上昇している。従って、表44〜47の結果から、本発明のアスコルビン酸誘導体は、アスコルビン酸ならびに公知のアスコルビン酸誘導体又はその塩、即ち、アスコルビン酸リン酸マグネシウム、3−O−エチルアスコルビン酸、アスコルビン酸グルコシドと比較して、同等又はこれらより優れるコラーゲン産生促進効果を有するとともに、コラーゲン産生促進効果の持続性の点では、これら公知のアスコルビン酸より優れていることが明らかである。
実施例99 クリーム
表48に示す組成の(1)〜(5)の油相部の原料、および(6)〜(10)の水相部の原料をそれぞれ70℃に加温し溶解して、油相および水相をそれぞれ調製した。その後、水相に油相を加え予備乳化を行い、ホモミキサーで均一に乳化した後、よく攪拌しながら室温まで冷却することにより、美白効果に優れたクリームを調製する。なお、表48以後の表中、配合量は重量部を表す。
Figure 2009025328
実施例100 乳液
表49に示す組成の(1)〜(9)の油相部の原料、および(10)〜(13)の水相部の原料をそれぞれ70℃に加温し溶解して、油相および水相をそれぞれ調製した。その後、水相に油相を加え予備乳化を行い、ホモミキサーで均一に乳化した後、よく攪拌しながら室温まで冷却することにより、美白効果に優れた乳液を調製する。
Figure 2009025328
実施例101 乳液
表50に示す組成の(5)〜(10)の油相部の原料、および(1)〜(4)、(11)〜(12)の水相部の原料をそれぞれ70℃に加温し溶解して、油相および水相をそれぞれ調製した。その後、水相に油相を加え予備乳化を行い、ホモミキサーで均一に乳化した後、よく攪拌しながら室温まで冷却することにより、美白効果に優れた乳液を調製することができる。
Figure 2009025328
実施例102 クリーム
表51に示す組成の(1)〜(2)の油相部の原料、および(3)〜(10)の水相部の原料をそれぞれ70℃に加温し溶解して、油相および水相をそれぞれ調製した後、水相に油相を加え予備乳化を行い、ホモミキサーで均一に乳化した後、よく攪拌しながら室温まで冷却することにより、クリームを調製することができる。このクリームは、美白効果に優れた皮膚用化粧料として用いられる。
Figure 2009025328
実施例103 化粧水
表52に示す組成の(1)〜(6)の原料を、よく攪拌しながら混合することにより化粧水を調製することができる。この化粧水は、2,3−ジ−O−グリセリルアスコルビン酸を7重量%含んでいるので、優れた保湿効果を有する。
Figure 2009025328
実施例104 クリーム
表53に示す組成の(1)〜(6)の油相部を、および(7)〜(10)の水相部をそれぞれ70℃に加温溶解する。水相部に油相部を加え予備乳化を行い、ついでホモミキサーで乳化した後、よく攪拌しながら室温まで冷却してクリームを調製することができる。このクリームは、3−O−グリセリル−2−O−テトラデシルアスコルビン酸を3重量%含んでいるので、優れたコラーゲン産生促進効果を有し、特にその効果の持続性に優れたものである。又、3−O−グリセリル−2−O−テトラデシルアスコルビン酸は、優れた美白効果を与えるので、このクリームは、美白効果に優れた皮膚用化粧料として用いることができる。
Figure 2009025328
【0013】
グリシジルエーテル、エチレンオキサイド、エポキシアルカン、エポキシアルケン、スチレンオキサイド及び脂環式エポキシから選ばれるエポキシ化合物を反応させることにより、2位又は3位の中の残存している水酸基をエーテル化することができ、2位及び3位の両方のみが位置特異的にエーテル化された化合物が得られることも見出した。ここで、2位のエーテル化に用いるエポキシ化合物と、3位のエーテル化に用いるエポキシ化合物は、同一であってもよいし、互いに異なっていてもよい。この反応によれば、5位及び6位の水酸基を保護基で保護する工程が不要であるので、工程数が減少し反応も簡易なものとなる。従って、前記式(I)で表わされるアスコルビン酸誘導体等の、2位及び3位が位置特異的にエーテル化されたアスコルビン酸誘導体又はその塩の製造方法として好ましい。
(0038)
そこで、本発明は、請求項10において、この好ましい製造方法、即ちアスコルビン酸と、グリシドール、アルキルグリシジルエーテル、アルケニルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、エチレンオキサイド、エポキシアルカン、エポキシアルケン、スチレンオキサイド及び脂環式エポキシから選ばれるエポキシ化合物を、アスコルビン酸の5位及び6位の水酸基を保護せずに反応させる工程を有することを特徴とするアスコルビン酸誘導体又はその塩の製造方法を提供する。
(0039)
前記エポキシ化合物としては、下記式(II)で表される化合物、下記式(III)で表される化合物、及び1,2−エポキシシクロヘキサンから選ばれるものを挙げることができる。これらの特定のエポキシ化合物を用いた場合は、位置特異的なエーテル化がより明白である。そこで、本発明は、この製造方法を請求項11として提供する。
(0040)
[化2]
Figure 2009025328
[式中、R11は、H、炭素数1〜22のアルキル基、炭素数2〜22のアルケニル基、又はフェニル基である。]
(0041)
[化3]

Claims (14)

  1. 下記の一般式(I)で表されることを特徴とするアスコルビン酸誘導体又はその塩。
    Figure 2009025328
    [式中、
    は、H、炭素数1〜22のアルキル基、炭素数2〜22のアルケニル基、ベンジル基、R−O−CH−CH(OH)−CH−、R−O−CH−CH(CHOH)−、R−CH(CHOH)−、R−CH(OH)−CH−、又はヒドロキシシクロヘキシル基であり、
    は、H、炭素数1〜22のアルキル基、炭素数2〜22のアルケニル基、ベンジル基、R−O−CH−CH(OH)−CH−、R−O−CH−CH(CHOH)−、R−CH(CHOH)−、R10−CH(OH)−CH−、又はヒドロキシシクロヘキシル基であり、ここで
    及びRは、H、炭素数1〜22のアルキル基、炭素数2〜22のアルケニル基、又はフェニル基であり、
    及びRは、H、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、又はフェニル基であり、
    及びRは、H、炭素数1〜22のアルキル基、炭素数2〜22のアルケニル基、又はフェニル基であり、
    及びR10は、H、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、又はフェニル基である。
    但し、RがH又は炭素数1〜22のアルキル基、炭素数2〜22のアルケニル基又はベンジル基のとき、Rは、H、炭素数1〜22のアルキル基、炭素数2〜22のアルケニル基及びベンジル基のいずれでもない。]
  2. 前記一般式(I)中の、
    は、炭素数1〜22のアルキル基、炭素数2〜22のアルケニル基、ベンジル基、R−O−CH−CH(OH)−CH−、R−O−CH−CH(CHOH)−、R−CH(CHOH)−、R−CH(OH)−CH−、又はヒドロキシシクロヘキシル基であり、
    は、炭素数1〜22のアルキル基、炭素数2〜22のアルケニル基、ベンジル基、R−O−CH−CH(OH)−CH−、R−O−CH−CH(CHOH)−、R−CH(CHOH)−、R10−CH(OH)−CH−、又はヒドロキシシクロヘキシル基である
    ことを特徴とする請求項1に記載のアスコルビン酸誘導体。
  3. 前記一般式(I)中の、
    は、H、又は、R−O−CH−CH(OH)−CH−、R−O−CH−CH(CHOH)−、R−CH(CHOH)−、R−CH(OH)−CH−もしくはヒドロキシシクロヘキシル基であり、
    は、H、又は、R−O−CH−CH(OH)−CH−、R−O−CH−CH(CHOH)−、R−CH(CHOH)−、R10−CH(OH)−CH−、もしくはヒドロキシシクロヘキシル基である
    ことを特徴とする請求項1に記載のアスコルビン酸誘導体又はその塩。
  4. 前記一般式(I)中の、R又はRの一方がHO−CH−CH(OH)−CH−であり、R又はRの他方が炭素数4〜16のアルキル基であることを特徴とする請求項1に記載のアスコルビン酸誘導体又はその塩。
  5. 前記一般式(I)中の、R又はRの一方がR−O−CH−CH(OH)−CH−であり(Rは、炭素数2〜20のアルキル基)、R又はRの他方が炭素数2〜20のアルキル基であることを特徴とする請求項1に記載のアスコルビン酸誘導体又はその塩。
  6. 前記一般式(I)中の、R又はRの一方がR−CH(CHOH)−(Rは、炭素数6〜20のアルキル基)であり、R又はRの他方が炭素数4〜6のアルキル基もしくはR−CH(CHOH)−(Rは、炭素数4〜6のアルキル基)であることを特徴とする請求項1に記載のアスコルビン酸誘導体又はその塩。
  7. 前記一般式(I)中の、R又はRの一方がR−O−CH−CH(OH)−CH−であり(Rは、フェニル基)であることを特徴とする請求項1に記載のアスコルビン酸誘導体又はその塩。
  8. 前記一般式(I)中の、R又はRの一方がHO−CH−CH(OH)−CH−であり、R又はRの他方がR−O−CH−CH(OH)−CH−(Rは、炭素数10〜16のアルキル基)であることを特徴とする請求項1に記載のアスコルビン酸誘導体又はその塩。
  9. が、R−O−CH−CH(OH)−CH−、R−O−CH−CH(CHOH)−、R−CH(CHOH)−、もしくはR−CH(OH)−CH−であり、R、R、R、R及びRがH、アルキル又はアルケニルであり、かつR、R、R、R及びRの炭素数の合計が4以下である、又は
    が、R−O−CH−CH(OH)−CH−、R−O−CH−CH(CHOH)−、R−CH(CHOH)−、もしくはR10−CH(OH)−CH−であり、R、R、R、R10及びRがH、アルキル又はアルケニルであり、かつR、R、R、R10及びRの炭素数の合計が4以下である、又は
    が、R−O−CH−CH(OH)−CH−、R−O−CH−CH(CHOH)−、R−CH(CHOH)−、もしくはR−CH(OH)−CH−であり、Rが、R−O−CH−CH(OH)−CH−、R−O−CH−CH(CHOH)−、R−CH(CHOH)−、もしくはR10−CH(OH)−CH−であり、R、R、R、R、R、R、R及びR10がH、アルキル又はアルケニルであり、かつR、R、R、R、R、R、R及びR10の炭素数の合計が4以下であることを特徴とする請求項1に記載のアスコルビン酸誘導体又はその塩。
  10. アスコルビン酸と、グリシドール、アルキルグリシジルエーテル、アルケニルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、エチレンオキサイド、エポキシアルカン、エポキシアルケン、スチレンオキサイド及び脂環式エポキシから選ばれるエポキシ化合物を反応させる工程を有することを特徴とするアスコルビン酸誘導体又はその塩の製造方法。
  11. 前記エポキシ化合物が、下記式(II)で表される化合物、下記式(III)で表される化合物、及び1,2−エポキシシクロヘキサンから選ばれることを特徴とする請求項9に記載のアスコルビン酸誘導体又はその塩の製造方法。
    Figure 2009025328
    [式中、R11は、H、炭素数1〜22のアルキル基、炭素数2〜22のアルケニル基、又はフェニル基である。]
    Figure 2009025328
    [式中、R12は、H、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、又はフェニル基である。]
  12. 前記エポキシ化合物が、式(II)で表され、かつR11が、H、炭素数1〜8のアルキル基もしくは炭素数2〜8のアルケニル基である化合物、又は式(III)で表され、かつR12が、H、炭素数1〜8のアルキル基もしくは炭素数2〜8のアルケニル基である化合物であり、かつ前記アスコルビン酸と、前記エポキシ化合物との反応が、水系溶媒中で行われることを特徴とする請求項11に記載のアスコルビン酸誘導体又はその塩の製造方法。
  13. 請求項1ないし請求項9のいずれか1項に記載のアスコルビン酸誘導体又はその塩を配合したことを特徴とする化粧料。
  14. 請求項9に記載のアスコルビン酸誘導体又はその塩を、5から20重量%配合したことを特徴とする化粧料。
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