JP2010189363A - 化粧料 - Google Patents

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正人 吉岡
Norihisa Taira
徳久 平
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直哉 橋本
Akane Kamiyama
亜鐘 神山
Keiichi Uehara
計一 植原
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Abstract

【課題】優れた保湿効果とともに皮膚や毛髪に対するべとつきのない軽い感触(優れた使用感)を与え、更に肌荒れ防止効果(肌改善効果)、美白効果、毛髪の退色防止効果、損傷毛髪の保護効果、老化防止作用、皮膚光老化防止、コラーゲン生成促進効果、メイラード反応阻害作用、シワ形成阻害作用、抗酸化作用、血行促進作用、又は細胞増殖作用等に優れる化粧料を提供する。
【解決手段】アスコルビン酸の2位及び/又は3位が、グリシドール、アルキルグリセリル、エポキシアルカン等を用いてエーテル化されているアスコルビン酸誘導体又はその塩、及び3価以上の多価アルコールを含有することを特徴とする化粧料。
【選択図】 なし

Description

本発明は、化粧料に関し、より具体的にはアスコルビン酸誘導体又はその塩及び多価アルコールを含有する皮膚用化粧料及び毛髪化粧料に関する。
多くの化粧料にとって保湿性能は重要な品質の一つである。皮膚や毛髪に対する保湿効果を期待した保湿化粧料も、数多く市販されている。従来、このような化粧料においては、保湿性能を付与するためにグリセリン、1,3−ブチレングリコール、ソルビトール、プロピレングリコール等の水溶性多価アルコールが、保湿剤として配合されていた。
又、皮膚等に対する美白作用や抗酸化作用、皮膚光老化防止等を期待した化粧料も市販されており、美白作用を有する化合物として、アスコルビン酸及びその塩を配合した化粧料が知られている。アスコルビン酸及びその塩は、優れた酸化防止作用、美白作用、コラーゲン産生促進作用などを有する化合物(美白剤)であり、例えば、美白用の皮膚外用剤への配合(特許文献1)や、抗酸化剤として化粧料への配合(特許文献2)が提案されている。
ただし、アスコルビン酸及びその塩は、経時で着色し臭いが発生するなど、その経時安定性や臭気等の問題がある。そこで、これらの問題点を改善した美白剤として、アスコルビン酸リン酸マグネシウム(特許文献3)や、アスコルビン酸グルコシド(特許文献4)等のアスコルビン酸誘導体が提案されている。
特開昭62−221611号公報 特開平1−228978号公報 特開2005−60239号公報 特開2005−120023号公報
しかしながら、前記のような多価アルコールを配合した化粧料は、保湿効果等は優れているものの、べたつき感がある等その使用感に問題があった。又、保湿効果の持続性が弱いという欠点もあった。
本発明は、従来技術の前記の問題を解決するものであり、優れた保湿効果とともに皮膚や毛髪に対するべとつきの少ない感触(優れた使用感)を与え、更に肌荒れ防止効果(肌荒れ改善効果)、美白効果、毛髪の退色防止効果、損傷毛髪の保護効果、老化防止作用、皮膚光老化防止、コラーゲン生成促進効果、メイラード反応阻害作用、シワ形成阻害作用、抗酸化作用、血行促進作用、又は細胞増殖作用等に優れる化粧料を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記実情に鑑みて鋭意検討した結果、特定構造のアスコルビン酸誘導体又はその塩及び3価以上の多価アルコールを含有する組成物は、皮膚や毛髪に対するべとつきの少ない感触及び保湿性を与えるとともに、優れた、肌荒れ改善効果、美白効果、毛髪の退色防止効果、損傷毛髪の保護効果、老化防止作用、皮膚光老化防止、コラーゲン生成促進効果、メイラード反応阻害作用、シワ形成阻害作用、抗酸化作用、血行促進作用、又は細胞増殖作用等を与えることを見出し、本発明を完成した。
本発明は、下記一般式(I)で表されることを特徴とするアスコルビン酸誘導体又はその塩、及び3価以上の多価アルコールを含有することを特徴とする化粧料である(請求項1)。
Figure 2010189363
[式中、
は、H、炭素数1〜22のアルキル基、炭素数2〜22のアルケニル基、ベンジル基、R−O−CH−CH(OH)−CH−、R−O−CH−CH(CHOH)−、R−CH(CHOH)−、R−CH(OH)−CH−、又はヒドロキシシクロヘキシル基であり、
は、H、炭素数1〜22のアルキル基、炭素数2〜22のアルケニル基、ベンジル基、R−O−CH−CH(OH)−CH−、R−O−CH−CH(CHOH)−、R−CH(CHOH)−、R10−CH(OH)−CH−、又はヒドロキシシクロヘキシル基であり、ここで
及びRは、H、炭素数1〜22のアルキル基、炭素数2〜22のアルケニル基、又はフェニル基であり、
及びRは、H、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、又はフェニル基であり、
及びRは、H、炭素数1〜22のアルキル基、炭素数2〜22のアルケニル基、又はフェニル基であり、
及びR10は、H、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、又はフェニル基である。
但し、RがH又は炭素数1〜22のアルキル基、炭素数2〜22のアルケニル基又はベンジル基のとき、Rは、H、炭素数1〜22のアルキル基、炭素数2〜22のアルケニル基及びベンジル基のいずれでもない。]
本発明の化粧料を構成する一般式(I)で表されるアスコルビン酸誘導体は、アスコルビン酸の2位又は/及び3位の水酸基に、グリシドール、特定構造のアルキルグリシジルエーテル、アルケニルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、エチレンオキサイド、エポキシアルカン、エポキシアルケン、スチレンオキサイド及び脂環式エポキシから選ばれるエポキシ環を有する化合物(エポキシ化合物)を反応させたものである。2位及び3位の水酸基の水素の少なくとも一方をグリセリル基、アルキルグリセリル基、ヒドロキシアルキル基で置換することにより、アスコルビン酸の経時安定性や臭気等の問題が改善され、長期間の保存でも安定で、変色、変臭、活性低下等が少ないアスコルビン酸誘導体が得られる。
アスコルビン酸とグリシドール、アルキルグリシジルエーテル、アルケニルグリシジルエーテル又はフェニルグリシジルエーテルとを反応させる際には、Rが、R−O−CH−CH(OH)−CH−であるものとR−O−CH−CH(CHOH)−であるものとの混合物、Rが、R−O−CH−CH(OH)−CH−であるものとR−O−CH−CH(CHOH)−であるものとの混合物が生じる場合もあり、又
アスコルビン酸と、エチレンオキサイド、エポキシアルカン、エポキシアルケン、又はスチレンオキサイドとを反応させる際には、Rが、R−CH(CHOH)−であるものとR−CH(OH)−CH−であるものとの混合物、Rが、R−CH(CHOH)−であるものとR10−CH(OH)−CH−であるものとの混合物が生じる場合もある。
しかし上記反応においては、エポキシ環は、1級水酸基又は2級水酸基が生じるように開環し、これらの混合物として得られるが、主に、2級水酸基が生じるように開環してアスコルビン酸の水酸基と結合する。従って、Rが、R−O−CH−CH(CHOH)−又はR−CH(CHOH)−であるものよりも、R−O−CH−CH(OH)−CH−又はR−CH(OH)−CH−であるものが生じやすく、Rが、R−O−CH−CH(CHOH)−又はR−CH(CHOH)−であるものよりも、R−O−CH−CH(OH)−CH−又はR10−CH(OH)−CH−であるものが生じやすい。即ち、請求項1に記載のアスコルビン酸誘導体又はその塩としては、式(I)中の、
は、H、炭素数1〜22のアルキル基、炭素数2〜22のアルケニル基、ベンジル基、R−O−CH−CH(OH)−CH−、R−CH(OH)−CH−、又はヒドロキシシクロヘキシル基であり、
は、H、炭素数1〜22のアルキル基、炭素数2〜22のアルケニル基、ベンジル基、R−O−CH−CH(OH)−CH−、R10−CH(OH)−CH−、又はヒドロキシシクロヘキシル基であるものが生じやすい。
又、R又はRの一方がHである場合は、塩にすることができる。
一般式(I)で表されるアスコルビン酸誘導体の具体例を以下に示す。なお、以下の例示において、
グリセリルとは、HOCH−CH(OH)−CH−又はHOCH−CH(CHOH)−を示し、
アルキルグリセリル基とは、R−O−CH−CH(OH)CH−又はR−O−CH−CH(CHOH)−(Rはアルキル基を示す。)を示し、
アルキル基とは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基、ベヘニル基等を示し、
アルケニル基とは、ビニル基、アリル基、ブテニル基、イソブテニル基、クロチル基、オクテニル基、デセニル基、ドデセニル基等を示し、
ヒドロキシアルキル基とは、R−CH−CH(OH)−又はR−CH(OH)−CH−(Rはアルキル基を示す。)を示し、例えば、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、ヒドロキシブチル基、ヒドロキシペンチル基、ヒドロキシヘキシル基、ヒドロキシヘプチル基、ヒドロキシオクチル基、ヒドロキシノニル基、ヒドロキシデシル基、ヒドロキシウンデシル基、ヒドロキシドデシル基、ヒドロキシトリデシル基、ヒドロキシテトラデシル基、ヒドロキシペンタデシル基、ヒドロキシヘキサデシル基、ヒドロキシヘプタデシル基、ヒドロキシオクタデシル基、ヒドロキシノナデシル基、ヒドロキシエイコシル基、ヒドロキシベヘニル基を挙げることができる。
(1)3−O−グリセリルアスコルビン酸、
3−O−アルキルグリセリルアスコルビン酸、例えば3−O−メチルグリセリルアスコルビン酸、3−O−エイコシルグリセリルアスコルビン酸、
3−O−アルケニルグリセリルアスコルビン酸、例えば、3−O−アリルグリセリルアスコルビン酸、3−O−クロチルグリセリルアスコルビン酸、3−O−ビニルグリセリルアスコルビン酸、3−O−イソブテニルグリセリルアスコルビン酸、3−O−オクテニルグリセリルアスコルビン酸、3−O−デセニルグリセリルアスコルビン酸、3−O−ドデセニルグリセリルアスコルビン酸、
及び、3−O−フェニルグリセリルアスコルビン酸
(2)2−O−グリセリルアスコルビン酸、
2−O−アルキルグリセリルアスコルビン酸、例えば、2−O−メチルグリセリルアスコルビン酸、2−O−エイコシルグリセリルアスコルビン酸、
2−O−アルケニルグリセリルアスコルビン酸、例えば、2−O−アリルグリセリルアスコルビン酸、2−O−ドデセニルグリセリルアスコルビン酸、
及び、2−O−フェニルグリセリルアスコルビン酸、
(3)2,3−ジ−O−グリセリルアスコルビン酸、
2,3−ジ−O−アルキルグリセリルアスコルビン酸、2,3−ジ−O−アルケニルグリセリルアスコルビン酸、2,3−ジ−O−フェニルグリセリルアスコルビン酸
(4)3−O−ヒドロキシアルキルアスコルビン酸、3−O−ヒドロキシフェニルエチルアスコルビン酸
(5)2−O−ヒドロキシアルキルアスコルビン酸、2−O−ヒドロキシフェニルエチルアスコルビン酸
(6)2,3−ジ−O−ヒドロキシアルキルアスコルビン酸、2,3−ジ−O−ヒドロキシフェニルエチルアスコルビン酸
(7)3−O−グリセリル−2−O−アルキルグリセリルアスコルビン酸、3−O−グリセリル−2−O−アルケニルグリセリルアスコルビン酸、3−O−グリセリル−2−O−フェニルグリセリルアスコルビン酸
(8)3−O−グリセリル−2−O−ヒドロキシアルキルアスコルビン酸、3−O−グリセリル−2−O−ヒドロキシフェニルエチルアスコルビン酸
(9)3−O−グリセリル−2−O−アルキルアスコルビン酸、3−O−グリセリル−2−O−アルケニルアスコルビン酸、
(10)3−O−アルキルグリセリル−2−O−アルキルグリセリルアスコルビン酸(但し、3−アルキルと2−アルキルは異なっている。)、3−O−アルキルグリセリル−2−O−アルケニルグリセリルアスコルビン酸、3−O−アルキルグリセリル−2−O−フェニルグリセリルアスコルビン酸、
(11)3−O−アルキルグリセリル−2−O−ヒドロキシアルキルグリセリルアスコルビン酸、3−O−アルケニルグリセリル−2−O−ヒドロキシアルキルグリセリルアスコルビン酸、3−O−アルキルグリセリル−2−O−ヒドロキシアルケニルグリセリルアスコルビン酸、3−O−アルケニルグリセリル−2−O−ヒドロキシアルケニルグリセリルアスコルビン酸、3−O−アルキルグリセリル−2−O−フェニルグリセリルアスコルビン酸
(12)3−O−アルキルグリセリル−2−O−アルキルアスコルビン酸、3−O−アルキルグリセリル−2−O−アルケニルアスコルビン酸
(13)3−O−ヒドロキシアルキル−2−O−アルキルアスコルビン酸、3−O−ヒドロキシアルキル−2−O−アルケニルアスコルビン酸
(14)3−O−ヒドロキシアルキル−2−O−アルキルグリセリルアスコルビン酸、3−O−ヒドロキシアルキル−2−O−アルケニルグリセリルアスコルビン酸
(15)3−O−ヒドロキシアルキル−2−O−ヒドロキシアルキルアスコルビン酸、3−O−ヒドロキシアルキル−2−O−ヒドロキシフェニルエチルアスコルビン酸
(16)3−O−ヒドロキシシクロヘキシルアスコルビン酸、2−O−ヒドロキシシクロヘキシルアスコルビン酸、3−O−グリセリル−2−O−ベンジルアスコルビン酸、2−O−グリセリル−3−O−ベンジルアスコルビン酸。
一般式(I)で表されるアスコルビン酸誘導体の塩としては、無機塩及び有機塩を挙げることができ、無機塩としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩等が挙げられ、有機塩としては、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、アミノ酸塩等を挙げることができる。塩の形成は、公知の方法により行うことができる。
前記式(I)で表されるアスコルビン酸誘導体等は、アスコルビン酸と、グリシドール、アルキルグリシジルエーテル、アルケニルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、エチレンオキサイド、エポキシアルカン、エポキシアルケン、スチレンオキサイド及び脂環式エポキシから選ばれるエポキシ化合物を反応させることにより、アスコルビン酸の2位、3位、5位、6位にある4つの水酸基の中で、2位及び/又は3位のみを、位置特異的にエーテル化する方法により製造することができる。位置特異的にエーテル化する方法は、特に限定されず、例えば、5位及び6位の水酸基を保護基で保護した後に、エーテル化反応をさせる方法を挙げることができる。5位及び6位の水酸基を保護基で保護する反応としては、例えば、特開平8−81462号公報に記載されている方法、即ち、触媒量の無水塩化水素又は塩化アセチル存在下で、アスコルビン酸をアセトン存在下室温下で反応させて、5,6−O−イソプロピリデン−L−アスコルビン酸とする方法を挙げることができる。
しかし、アスコルビン酸と、グリシドール、アルキルグリシジルエーテル、アルケニルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、エチレンオキサイド、エポキシアルカン、エポキシアルケン、スチレンオキサイド及び脂環式エポキシから選ばれるエポキシ化合物とを反応させる場合は、5位及び6位の水酸基を保護した場合は当然のことながら、5位及び6位の水酸基を保護基で保護しない場合でも、先ず、選択的に2位又は3位への付加反応が行われ、2位又は3位付加体が得られることを見出した。更に、このようにして得られた2位又は3位付加体に、グリシドール、アルキルグリシジルエーテル、アルケニルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、エチレンオキサイド、エポキシアルカン、エポキシアルケン、スチレンオキサイド及び脂環式エポキシから選ばれるエポキシ化合物を反応させることにより、2位又は3位の中の残存している水酸基をエーテル化することができ、2位及び3位の両方のみが位置特異的にエーテル化された化合物が得られることも見出した。ここで、2位のエーテル化に用いるエポキシ化合物と、3位のエーテル化に用いるエポキシ化合物は、同一であってもよいし、互いに異なっていてもよい。この反応によれば、5位及び6位の水酸基を保護基で保護する工程が不要であるので、工程数が減少し反応も簡易なものとなる。従って、前記式(I)で表されるアスコルビン酸誘導体等の、2位及び3位が位置特異的にエーテル化されたアスコルビン酸誘導体又はその塩の製造方法として好ましい。
前記エポキシ化合物としては、下記式(II)で表される化合物、下記式(III)で表される化合物、及び1,2−エポキシシクロヘキサンから選ばれるものを挙げることができる。
Figure 2010189363

[式中、R11は、H、炭素数1〜22のアルキル基、炭素数2〜22のアルケニル基、又はフェニル基である。]
Figure 2010189363

[式中、R12は、H、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、又はフェニル基である。]
式(II)で表される化合物としては、
グリシドール、メチルグリシジルエーテル、エチルグリシジルエーテル、プロピルグリシジルエーテル、イソプロピルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、ペンチルグリシジルエーテル、ヘキシルグリシジルエーテル、ヘプチルグリシジルエーテル、オクチルグリシジルエーテル、ノニルグリシジルエーテル、デシルグリシジルエーテル、ウンデシルグリシジルエーテル、ドデシルグリシジルエーテル、トリデシルグリシジルエーテル、テトラデシルグリシジルエーテル、ペンタデシルグリシジルエーテル、ヘキサデシルグリシジルエーテル、ヘプタデシルグリシジルエーテル、オクタデシルグリシジルエーテル、ノナデシルグリシジルエーテル、
ビニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、ブテニルグリシジルエーテル、イソブテニルグリシジルエーテル、クロチルグリシジルエーテル、オクテニルグリシジルエーテル、デセニルグリシジルエーテル、ドデセニルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテルが例示される。
式(III)で表されるエポキシアルカンとしては、エチレンオキサイド、メチルオキシラン、エチルオキシラン、プロピルオキシラン、イソプロピルオキシラン、ブチルオキシラン、ペンチルオキシラン、ヘキシルオキシラン、ヘプチルオキシラン、オクチルオキシラン、ノニルオキシラン、デシルオキシラン、ウンデシルオキシラン、ドデシルオキシラン、トリデシルオキシラン、テトラデシルオキシラン、ペンタデシルオキシラン、ヘキサデシルオキシラン、ヘプタデシルオキシラン、オクタデシルオキシラン、ノナデシルオキシランが、
式(III)で表されるエポキシアルケンとしては、イソプロピレンオキシラン、ブテンオキシラン、ペンテンオキシラン、ヘキセンオキシラン、ヘプテンオキシラン、オクテンオキシラン、ノネンオキシラン、デセンオキシラン、ウンデセンオキシラン、ドデセンオキシラン、トリデセンオキシラン、テトラデセンオキシラン、ペンタデセンオキシラン、ヘキサデセンオキシラン、ヘプタデセンオキシラン、オクタデセンオキシラン、ノナデセンオキシランが例示される。
グリシジルエーテルは、市販品を用いても良いが、アルコール類にエピハロ(クロロ)ヒドリンを反応することによっても得ることができる。
この製造方法で用いられるアスコルビン酸は、4位、5位の炭素の立体がS配置、R配置のいずれでもよい。又、グリシドール、アルキルグリシジルエーテル、アルケニルグリシジルエーテル、又は、エポキシアルケン、エポキシアルカン等のエポキシ化合物も同様にS体、R体又はその混合物でもよい。
なお、前記式(I)で表されるアスコルビン酸誘導体又はその塩は、3−クロロ−1,2−プロパンジオール等の3−ハロ−1,2−プロパンジオール等を、グリシドールの代わりに用いて、アスコルビン酸と反応させ、アスコルビン酸の2位及び/又は3位のみをエーテル化する方法によっても製造することができる。ただし、この場合は、脱ハロゲンのために更に塩基性物質を反応系に添加する必要がある。
この反応は、溶媒中で行うことができる。溶媒としては、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール等の低級アルコール、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)、又はそれらの混合溶媒等を挙げることができ、特に制限はない。ただし、前記エポキシ化合物として、式(II)で表され、かつR11が、H、炭素数1〜8のアルキル基もしくは炭素数2〜8のアルケニル基である化合物、又は式(III)で表され、かつR12が、H、炭素数1〜8のアルキル基もしくは炭素数2〜8のアルケニル基である化合物が用いられる場合は、環境への負荷を低減し、かつコスト、安全性の点から水系溶媒が好ましい。水系溶媒としては、水の他、水を主体とし水と相溶する溶媒との混合溶媒を挙げることができる。
反応温度は特に制限ないが、より好ましくは30〜100℃、更に好ましくは40〜90℃である。反応溶媒のpHは特に制限はないが、
前記アスコルビン酸誘導体又はその塩であって、アスコルビン酸構造の2位がHであるものを製造する場合は、酸性条件下、特にpH2〜6が、
前記アスコルビン酸誘導体又はその塩であって、アスコルビン酸構造の3位がHであるものを製造する場合は、アルカリ性条件下、特にpH8〜11が好ましい。
アスコルビン酸類は酸化されやすいため、この反応は、反応系内をアルゴン、窒素、ヘリウムなどの不活性ガスで置換して行うことが好ましく、不活性ガス下で反応を行うことにより、着色、着臭などを低減することができる。触媒として炭酸水素ナトリウム等のアルカリ触媒、硫酸等の酸触媒を使用することも可能である。臭化テトラブチルアンモニウム等の相間移動触媒等の各種触媒を使用することも可能である。
アスコルビン酸に対するエポキシ化合物の使用量は、特に制限はないが、アスコルビン酸の1モルに対して0.5〜5モルが好ましい。2位又は3位の一方のみに付加させる場合は、0.5〜1.5モル程度の範囲が好ましい。
2位又は3位の両方にエポキシ化合物を付加させた化合物は、例えば、前記の条件(0.5〜1.5モル程度)にて一方のみに付加した付加体を得た後、後述の方法等により精製を行って一方のみに付加した付加体のみを取り出し、その後、その付加体に、エポキシ化合物を0.5〜1.5モル程度反応させる方法により得ることができる。精製前と精製後の反応で使用するエポキシ化合物を変えることにより、2位又は3位の両方に異なるエポキシ化合物が付加された化合物を得ることができる。
前記一般式(I)のアスコルビン酸誘導体又はその塩であって、R又はRが、炭素数1〜22のアルキル基、炭素数2〜22のアルケニル基、又はベンジル基であるものは、前記の反応を、アスコルビン酸に対するエポキシ化合物の使用量を、0.5〜1.5モル程度の範囲で行って、R又はRの一方のみをエーテル化したアスコルビン酸誘導体を得た後、2位又は3位の水酸基の中で残存している水酸基を、アルキル化、アルケニル化又はベンジル化することにより得ることができる。アルキル化、アルケニル化、又はベンジル化は、公知の方法、例えばハロゲン化アルキル、ハロゲン化アルケニル、ハロゲン化ベンジル等との反応により行うことができる。なお、ハロゲン化アリル、ハロゲン化クロチル、ハロゲン化ベンジル等の場合は水溶媒で反応を行うこともできる。
前記のようにして製造されるアスコルビン酸誘導体又はその塩はシリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィー、イオン交換樹脂等の樹脂を用いたカラムクロマトグラフィー、活性炭処理、抽出、蒸留、結晶化等の手段により精製することができる。
前記一般式(I)の化合物の中でも、式(I)中のR及びR中に含まれるアルキル基、アルケニル基、ヒドロキシシクロヘキシル基及び/又はベンジル基の炭素数の合計が8以下であり、R及びRの少なくとも一方はHではないものは、3価以上の多価アルコールとの相溶性に優れており、好ましい(請求項2)。なお、R及びR中に含まれるアルキル基、アルケニル基、ヒドロキシシクロヘキシル基及び/又はフェニル基の炭素数の合計とは、R又はR中の一方がHの場合は、他方に含まれるR、R、R、R、R、R、R、R10又はヒドロキシシクロヘキシル基中の炭素数であり、R又はR中の一方がアルキル基、アルケニル基、ベンジル基の場合は、これらの基の中の炭素数と他方に含まれるR、R、R、R、R、R、R、R10又はヒドロキシシクロヘキシル基中の炭素数の合計を意味する。従って、−O−CH−CH(OH)−CH−、−O−CH−CH(CHOH)−、−CH(CHOH)−、−CH(OH)−CH−部中の炭素数は前記合計数に含まれない。
更に、式(I)中のR及びR中に含まれるアルキル基、アルケニル基、ヒドロキシシクロヘキシル基及び/又はフェニル基の炭素数の合計が8以下の化合物の中でも、Rは、H、−CH−CH(OH)−CHOH、又は−CH(CHOH)−CHOHであり、Rは、H、−CH−CH(OH)−CHOH、又は−CH(CHOH)−CHOHである(但し、R及びRの少なくとも一方はHではない)ものは、水系への溶解性も特に優れており、より好適に用いられる(請求項3)。
本発明の化粧料を構成する3価以上の多価アルコールとしては、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、ポリグリセリン、キシリトール、ソルビトール、マルチトール、エリスリトール、ペンタエリスリトール、グルコース、ガラクトース、フルクトース、スクロース、マルトース、キシロース、キシロビオース等のオリゴ糖還元物などを挙げることができ、これらは単独あるいは混合して使用できる。3価以上の多価アルコールを化粧料に配合することにより、優れた保湿性能が得られる。2価アルコール、例えば1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等の保湿剤でも保湿性能は得られるが、3価以上の多価アルコールの方がより高い保湿性能が得られる。
本発明の化粧料は、一般式(I)で表されるアスコルビン酸誘導体又はその塩と3価以上の多価アルコールを併用することを特徴とする。その結果、アスコルビン酸誘導体の有する前記の優れた効果、例えば美白効果、及び3価以上の多価アルコールが有する優れた保湿性能と同等以上の効果を奏するとともに、多価アルコールを配合した場合の問題であるべたつき等が改善され、優れた使用感が得られる。
請求項4に記載の発明は、一般式(I)で表されるアスコルビン酸誘導体又はその塩と多価アルコールの含有量の質量比が、1:50〜25:1の範囲であることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の化粧料である。
本発明に係る化粧料に配合するアスコルビン酸誘導体又はその塩と3価以上の多価アルコールの配合比率の好ましい範囲は用途により変動するが、通常の用途では、質量比で、1:50〜25:1の範囲が好ましい。
3価以上の多価アルコールの配合比が、アスコルビン酸誘導体又はその塩に対して50質量倍を超える場合は、多価アルコール由来の使用時のベトツキ感が大きくなり、使用感が低下する場合がある。一方、アスコルビン酸誘導体又はその塩の配合比が、3価以上の多価アルコールに対して25質量倍を超える場合は、多価アルコール由来の機能性が十分に発揮されず、保湿性が低下する場合がある。
請求項5に記載の発明は、3価以上の多価アルコールがグリセリンであることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の化粧料である。前記例示の多価アルコールの中でも、グリセリンは、皮膚バリア機能、角質溶解効果、抗刺激性効果等の優れた機能が知られており、安価で簡便であるので好ましい。
本発明に係る化粧料中への一般式(I)で表されるアスコルビン酸誘導体又はその塩の配合量は用途により異なり特に限定されないが、通常、0.01%〜20質量%の範囲が好ましい。0.01%未満の場合は、効果が低い場合が多い。一方、20質量%を超える場合は、配合量に見合った効果が望めない場合が多い、又、剤型を壊す場合がある。
本発明の化粧料は、皮膚外用剤(皮膚用化粧料)や毛髪化粧料等として好適に用いられる(請求項6、請求項7)。
本発明の化粧料は、肌荒れ防止効果(肌荒れ改善効果)、美白作用、毛髪の退色防止効果、損傷毛髪の保護効果、老化防止作用、皮膚光老化防止、コラーゲン生成促進効果、メイラード反応阻害作用、シワ形成阻害作用、抗酸化作用、血行促進作用、細胞増殖作用などから選ばれる優れた作用を有する。又、優れた保湿作用を有する。表皮への水分不足は、肌荒れや小じわの生成、かゆみの原因などさまざまなスキントラブルの原因となることが知られているが、本発明の化粧料は、優れた保湿作用を有するので、皮膚用化粧料として使用すれば肌荒れや小じわの生成等を抑制することができる。即ち、本発明の化粧料は、優れた肌荒れ防止・改善効果、しわ形成防止効果を有する。
このように、本発明の化粧料は、アスコルビン酸誘導体又はその塩の有する効果と、3価以上の多価アルコールが有する効果をともに有するものであるが、さらに、3価以上の多価アルコールが添加された場合の問題であったべたつきが抑制され、べとつきのない軽い感触、優れた使用感が得られる。
さらに、本発明の化粧料を構成するアスコルビン酸誘導体又はその塩は、長期間の保存でも安定で、変色、変臭、活性低下等が少ないので、本発明の化粧料は、経時安定性にも優れた皮膚外用剤又は毛髪化粧料等である。
本発明の化粧料には、この必須成分の他に、通常、用いられる成分、例えば、油性原料、界面活性剤、高分子化合物、紫外線吸収剤、他の保湿剤、金属イオン封鎖剤、酸化防止剤、他の美白剤、他の薬剤、タンパク加水分解物、アミノ酸又はそれらの誘導体、pH調整剤、防腐剤、増粘剤、色素、香料などを適宜配合することができる。又、他の保湿剤を適宜配合することができる。
油性原料としては、オリーブ油、椿油、マカデミアナッツ油、茶実油、ヒマシ油、トリ(カプリン/カプリル)グリセリルなどの油脂類、ホホバ油、カルナウバロウ、キャンデリラロウ、ラノリン、ミツロウなどのロウ類、流動パラフィン、パラフィン、ワセリン、セレシン、マイクロクリスタリンワックス、スクワランなどの炭化水素類、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、イソステアリン酸などの脂肪酸類、セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、キミルアルコールなどの高級アルコール類、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸−2−オクチルドデシル、2−エチルへキサン酸セチル、リンゴ酸ジイソステアリル、トリ−2−エチルヘキサノイン、などのエステル類、メチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサンなどのシリコーン類などが挙げられる。
界面活性剤としては、高級脂肪酸石鹸、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アシル−N−メチルタウリン塩、N−アシルアミノ酸塩、アルキルリン酸エステル塩などのアニオン性界面活性剤、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ジアルキルジメチルアンモニウムなどのカチオン性界面活性剤、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルアミドアミノ酢酸ベタイン、2−アルキル−N−カルボキシ−N−ヒドロキシイミダゾリニウムベタインなどの両性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、多価アルコール脂肪酸エステル、ポリエーテル変性シリコーンなどの非イオン性界面活性剤などが挙げられる。
高分子化合物としては、カルボキシビニルポリマー、カルボキシメチルセルロースナトリウム、キサンタンガム、ポリビニルアルコール、高分子のジメチルポリシロキサンなどが挙げられる。
紫外線吸収剤としては、パラメトキシ経皮酸エチル、パラメトキシ経皮酸イソプロピル、パラメトキシ経皮酸オクチル、パラメトキシ経皮酸2−エトキシエチル、パラメトキシ経皮酸2−エチルヘキシル、パラメトキシ経皮酸カリウム、パラメトキシ経皮酸モノ−2−エチルヘキサン酸グリセリル、ジパラメトキシ経皮酸グリセリルオクチル、トリメトキシ経皮酸メチルビス(トリメチルシロキシ)シリルイソペンチル、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸、ジヒドロキシジメトキシベンゾフェノン、ジヒドロキシジメトキシベンゾフェノン−スルホン酸ナトリウム、パラアミノ安息香酸、パラアミノ安息香酸エチル、パラアミノ安息香酸グリセリル、サリチル酸オクチル、サリチル酸フェニル、サリチル酸エチレングリコール、サリチル酸ミリスチル、サリチル酸メチル、ウロカニン酸、ウロカニン酸エチル、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、アントラニル酸メチルなどが挙げられる。
他の保湿剤としては、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、乳酸ナトリウム、ポリエチレングリコール、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウムなどが挙げられる。
金属イオン封鎖剤としては、エチレンジアミン四酢酸、アラニン、エデト酸ナトリウム、リン酸、クエン酸、アスコルビン酸、コハク酸、グルコン酸などが挙げられる。
酸化防止剤としては、ビタミンEやタンニン、BHT(ブチルヒドロキシトルエン)等を挙げることができる。
他の美白剤としては、アルブチン、ビタミンC誘導体、エラグ酸、カミツレエキス、甘草エキス、ルシノール、ローズマリーエキス等が挙げられる。
他の薬剤としては、肌荒れ防止剤または抗炎症剤を挙げることができる。肌荒れ防止剤または抗炎症剤としては、グリチルリチン酸ジカリウム、グリチルレチン酸ステアリル、サリチル酸メチル、ピリドキシン塩酸塩、アラントイン、海塩、ソウハクヒエキス、アロエエキス、クチナシエキス、カミツレエキス、カンゾウエキス、ムクロジエキス、キョウニンエキス、オウゴンエキス、甜茶エキス、ビワエキス、イチョウエキス、オトギリソウエキス、セイヨウノコギリソウエキス、ベニバナエキス、トウヒエキス、サルビアエキス、シラカバエキス、チンピエキス、トウニンエキス、ガイヨウエキス、アルテアエキス、アルニカエキス、ニンジンエキス、シャクヤクエキス、センキュウエキス、ゲンチアナエキス、冬虫夏草エキス、オウバクエキス、インチンコウエキス、ゲンノショウコエキス、モモ葉エキス、クマザサエキス、ヨクイニンエキス、マロニエエキス、サンザシエキス、オウレンエキス、レイシエキス、トウキンセンカエキス、ペパーミントエキス、コンフリーエキス、ブッチャーブルームエキス、ウスベニアオイエキス、ヤグルマルソウエキス、トゲナシエキス等が挙げられる。その他、育毛用薬剤、ニキビ用薬剤、ふけ・かゆみ用薬剤、腋臭防止用薬剤なども挙げることができる。
タンパク加水分解物としては、乳タンパク、絹タンパク、小麦タンパク、米タンパク、エンドウマメタンパク、コラーゲン、ケラチン、大豆、ゴマ、コンキオリン、海洋コラーゲンなどのタンパク加水分解物ならびにその誘導体が挙げられる。
アミノ酸又はそれらの誘導体として、グリシン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、トレオニン、フェニルアラニン、アルギニン、リジン、アスパラギン、アスパラギン酸、グルタミン、グルタミン酸、シスチン、システイン、メチオニン、トリプトファン、プロリン、ヒスチジンなどのアミノ酸とその誘導体が挙げられる。
pH調整剤として、乳酸、クエン酸、グリコール酸、コハク酸、酒石酸、リンゴ酸、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンモニウムなどが挙げられる。
防腐剤として、パラオキシ安息香酸アルキルエステル、安息香酸、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、フェノキシエタノールが挙げられる。
増粘剤として、アラビアガム、トラガカントガム、キャブロガム、グアーガム、ペクチン、寒天、クインスシード、デンプン、アルゲコロイド、キサンタンガム、デキストラン、サクシノグルカン、コラーゲン、ゼラチン、カゼイン、アルブミン、カルボキシメチルデンプン、メチルセルロース、エチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ニトロセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、アルギニン酸ナトリウム、ポリビニルメチルエーテル、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチレンアクリレート、ポリアクリルアミド、カチオンポリマーなどが挙げられる。
色素としては、タール色素、天然色素、無機顔料、高分子粉体等が挙げられる。香料としては、天然香料、合成香料、調合香料等が挙げられる。
本発明の化粧料の剤系は任意であり、溶液系、可溶化系、乳化系、ゲル系、粉末分散系、水−油二層系等いずれも可能であり、目的とする製品に応じて上記一般式で表されるアスコルビン酸誘導体又はその塩と上記任意配合成分とを配合して製造することができる。
本発明の化粧料は、従来の化粧料とは異なり、高い保湿性を持ちながら皮膚や毛髪に対しべたつき感が少なく、使用感触の良い化粧料である。即ち、多価アルコールを配合した従来の化粧料は、保湿性に優れるもののべたつき感があり使用感触の問題があったが、前記式(I)のアスコルビン酸誘導体を配合することにより、保湿性を損なうことなく、べたつき感が解消され、使用感触の良い化粧料が得られる。一方、式(I)のアスコルビン酸誘導体を配合することにより、優れた保湿効果の他に、肌荒れ改善効果、しわ形成防止効果、美白効果、毛髪の色素の退色防止効果、老化防止作用、皮膚光老化防止、コラーゲン生成促進効果、メイラード反応阻害作用、シワ形成阻害作用、抗酸化作用、血行促進作用、細胞増殖作用等から選ばれる効果にも優れ、さらに経時安定性も良い化粧料であり、皮膚外用剤又は毛髪化粧料等として好適に用いられる。
発明の実施するための形態
次に、本発明を実施するための具体的な形態を実施例により具体的に説明するが、本発明の範囲は実施例により限定されるものではない。
合成例1 3−O−グリセリルアスコルビン酸の合成
アルゴン雰囲気下、水に、L−アスコルビン酸(300g)、炭酸水素ナトリウム(42.9g)を加え、室温で30分攪拌した後、グリシドール(126g)を加えた。その後、加温して50℃とし5時間攪拌を行った。メタノールを加えろ過し、ろ液を減圧下に濃縮し、得られた残渣457gを、シリカゲルカラムクロマトグラフィーに付した。クロロホルム/メタノール/水=65/35/5で溶出し、減圧下にて濃縮を行い、3−O−グリセリルアスコルビン酸(296g)を得た。
得られた生成物について、H−NMR、13C−NMR測定を行い、この測定結果より、この生成物は、下記構造式で表される3−O−グリセリルアスコルビン酸であることが確認された。
なお、以下に示す実施例でも、得られた生成物について、H−NMR、及び/又は13C−NMR測定を行い、その測定結果を示す。
Figure 2010189363
なお、この式においては、炭素原子、及び該炭素原子に結合する水素原子は省略されている。例えば、この式における1〜4の位置は炭素であり、6、7、9の位置はCH基(メチレン)であり、5、8の位置はCH基である。以下の式においても同様である。
H−NMR(600MHz,CDOD):
δ ppm 3.59(2H,m),3.66(2H,m),3.89(1H,m),3.92(1H,m),4.45/4.49(1H,dd),4.59/4.62(1H,dd),4.82(1H,d)
13C−NMR (150MHz, CDOD):
δ ppm 63.4, 63.7, 70.56, 70.61, 71.79, 71.89, 73.4, 73.6, 76.9, 121.17, 121.24, 151.84, 151.88, 173.04, 173.07
合成例2 2−O−グリセリルアスコルビン酸の合成
アルゴン雰囲気下、水に、L−アスコルビン酸(10.0g)、炭酸水素ナトリウム(9.54g)を加え、室温で30分攪拌し、グリシドール(8.41g)を加えた。加温して60℃として5時間攪拌を行った。メタノールを加えろ過し、ろ液を減圧下に濃縮し、得られた残渣19.0gを、シリカゲルカラムクロマトグラフィーに付した。クロロホルム/メタノール/水=6/4/1で溶出し、減圧下にて濃縮を行い、2−O−グリセリルアスコルビン酸(1.21g)を得た。
Figure 2010189363
H−NMR (400MHz, CDOD):
δ ppm 3.61(2H,m),3.67(2H,m),3.90(1H,m),3.92(1H,dt−like),3.92(1H,m),4.07/4.09(1H,dd),4.86(1H,d)
13C−NMR (100MHz, CDOD):
δ ppm 63.3, 63.7, 70.4, 72.0, 74.6, 76.8, 122.2, 161.6, 172.9
合成例3 2,3−ジ−O−グリセリルアスコルビン酸の合成
アルゴン雰囲気下、水に、L−アスコルビン酸(100g)、炭酸水素ナトリウム(14.4g)を加え、室温で30分攪拌し、グリシドール(42.0g)を加えた。加温して50℃とし5時間攪拌を行った。その後、グリシドール(57.5g)を加え80℃に加温し4時間攪拌を行った後、減圧下に濃縮した。得られた残渣232gをアルミナカラムクロマトグラフィーに付し、クロロホルム/メタノール/水=6/4/1混液にて溶出し、減圧下にて濃縮を行い、2,3−ジグリセリルアスコルビン酸(23.0g)を得た。
Figure 2010189363
H−NMR (400MHz,CDOD):
δ ppm 3.58(2H,m),3.61(2H,m),3.65(2H,m),3.88(1H,m),3.91(1H,m),3.93(1H,m),3.99(1H,m),4.16(1H,m),4.53(1H,m),4.65(1H,dd),4.88(1H,m)
13C−NMR (100MHz, CDOD):
δ ppm 63.22, 63.60, 63.63, 63.95, 63.98, 64.44, 70.57,70.60, 71.68, 71.94, 71.98, 73.87, 74.27, 74.33, 75.06, 76.83,123.02
合成例4 3−O−(1,3−ジヒドロキシ−2−プロピル)アスコルビン酸の合成
アルゴン雰囲気下、水に、アスコルビン酸(1.00g)、炭酸水素ナトリウム(0.14g)を加え、室温で30分攪拌した後、グリシドール(0.42g)を加えた。その後、加温して50℃とし5時間攪拌を行った。反応後水を加え、シリカゲルカラムクロマトグラフィーに付した。クロロホルム/メタノール/水=65/35/5混液にて溶出し、減圧下にて濃縮を行い、粗生成物0.99gを得た。得られた粗生成物を、HPLCにより、COSMOSIL 5C18−MS−II Waters(20mm×250mm)のカラムを用いて、100%水、流速9.9ml/minで分取し、3−O−(1’,3’−ジヒドロキシ−2’−プロピル)アスコルビン酸のピーク(8分、52mg)を分離精製した。
Figure 2010189363
H−NMR(500MHz,CDOD):
δ ppm 3.67(2H,m),3.75(2H,dd),3.78(1H,dd),3.81(1H,dd),3.84(1H,dd),4.84(1H,d),4.99(1H,m)
13C−NMR(125MHz,CDOD):
δ ppm 62.3, 62.4, 63.3, 70.6, 77.1, 83.3, 120.9, 151.2, 172.9
合成例5 3−O−ブチルグリセリルアスコルビン酸の合成
アルゴン雰囲気下、水に、L−アスコルビン酸(100g)、炭酸水素ナトリウム(14.3g)、を加え、室温で30分攪拌し、ブチルグリシジルエーテル(73.8g)を加えた。80℃に加温し12時間攪拌を行った。その後、n−ブタノールで抽出した。抽出液を、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下に濃縮した。得られた残渣96.8gをシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付した。クロロホルム/メタノール/水=20/3/0.3混液にて溶出し、減圧下にて濃縮を行い、3−O−ブチルグリセリルアスコルビン酸(74.2g)を得た。
Figure 2010189363
H−NMR(500MHz,CDOD):
δ ppm 0.93(3H,m), 1.38(2H,m),1.56(2H,m),3.49(2H,m),3.50(2H,m),3.66(2H,m),3.88(1H,m),4.03(1H,m),4.44(1H,dd),4.46(1H,dd),4.59(1H,dd),4.62(1H,dd),4.81(1H,d)
13C−NMR(125MHz,CDOD):
δ ppm 14.2, 20.3, 32.8, 63.36, 63.39, 70.2, 70.4, 70.56, 70.61 , 72.4 , 72.5, 72.6, 73.8, 73.9, 76.8, 121.1, 121.2 , 151.7, 151.8, 172.9, 173.0
合成例6 3−O−(2−ヒドロキシヘキシル)アスコルビン酸の合成
アルゴン雰囲気下、L−アスコルビン酸(5.00g)にDMF30mlを加え、さらに1,2−エポキシへキサン(3.45g)を加えた。80℃に加温し24時間攪拌した後、酢酸エチルで抽出した。抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下に濃縮した。得られた残渣7.56gをシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、クロロホルム/メタノール/水=20/3/0.3混液にて溶出し、減圧下にて濃縮を行い、3−O−(2−ヒドロキシヘキシル)アスコルビン酸(1.93g)を得た。
Figure 2010189363
H−NMR(600MHz,CDOD):
δ ppm 0.93(3H,m), 1.36(2H,m),1.48(4H,m),3.65(2H,m),3.88(1H,m),4.27(1H,dd),4.31(1H,dd),4.51(1H,dd),4.53(1H,dd),4.81(1H,d)
13C−NMR (150MHz,CDOD):
δ ppm 14.3, 23.68, 23.70, 26.68, 28.75, 33.70, 33.74, 63.36, 63.40, 70.6, 70.7, 70.9, 71.1, 76.3, 76.4, 76.8, 120.9, 121.0, 151.8, 151.9, 172.96, 173.02
合成例7 2−O−エチルグリセリルアスコルビン酸の合成
アルゴン雰囲気下、水に、L−アスコルビン酸(5.00g)、炭酸ナトリウム(6.02g)を加え室温で30分攪拌を行い、その後ブチルグリシジルエーテル(14.8g)を加え80℃に加温し12時間攪拌した。その後、メタノールを加えろ過し、ろ液を減圧下に濃縮して得られた残渣20.1gをシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付した。クロロホルム/メタノール/水=75/35/5混液にて溶出し、減圧下にて濃縮を行い、2−O−ブチルグリセリルアスコルビン酸(1.74g)を得た。
Figure 2010189363
H−NMR(400MHz,CDOD):
δ ppm 0.92(3H,t),1.37(2H,m),1.55(2H,m),3.49(4H,m),3.67(2H,brd),3.92(2H,m),3.99(1H,m),4.06/4.07(1H,dd),4.81(1H,brs)
13C−NMR (100MHz,CDOD):
δ ppm 14.24, 20.25, 32.77, 63.29, 70.55, 70.61, 72.34, 72.64, 72.66, 75.01, 75.09, 77.10, 121.78, 121.82, 163.76, 163.84, 173.32, 173.34
合成例8 3−O−グリセリル−2−O−オクチルアスコルビン酸の合成
アルゴン雰囲気下、合成例1で得られた3−O−グリセリルアスコルビン酸(54.1g)をDMSO(200mL)中で攪拌し、さらに炭酸水素ナトリウム(18.5g)を加え室温で30分攪拌を行った。その後臭化オクチル(63.7g)を加え100℃に加温し3時間攪拌した後、酢酸エチルで抽出した。抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下に濃縮をした。得られた残渣131gをシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付した。クロロホルム/メタノール/水=10/3/0.4混液にて溶出し、減圧下にて濃縮を行い、3−O−グリセリル−2−O−オクチルアスコルビン酸(48.0g)を得た。
Figure 2010189363
H−NMR(600MHz,CDOD):
δ ppm 0.90(3H,t),1.32(8H,m),1.42(2H,m),1.70(2H,m),3.60(2H,brd),3.65(2H,m),3.89(1H,m),3.91(1H,m),4.02(1H,m),4.47(1H,dd),4.48(1H,dd),4.57(1H,dd),4.59(1H,dd),4.86(1H,d)
13C−NMR(150MHz,CDOD):
δ ppm 14.4, 23.7, 26.9, 30.37, 30.44, 30.8, 33.0, 63.2, 63.56, 63.59, 70.5, 70.6, 71.5, 71.6, 74.01, 74.04, 74.1, 76.7, 123.27, 123.30, 159.2, 159.3, 172.2
合成例9 3−O−グリセリル−2−O−ベンジルアスコルビン酸の合成
アルゴン雰囲気下、合成例1で得られた3−O−グリセリルアスコルビン酸(2.93g)に、水と炭酸水素ナトリウム(1.42g)を加え室温で30分間攪拌した後、臭化ベンジル(2.61g)を加え50℃に加温し2時間攪拌した。その後、減圧下に濃縮しメタノールに溶解した。得られた溶液を、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下に濃縮し、得られた残渣6.13gをシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付した。クロロホルム/メタノール/水=10/3/0.4混液にて溶出し、減圧下にて濃縮を行い、3−O−グリセリル−2−O−ベンジルアスコルビン酸(2.47g)を得た。
Figure 2010189363
H−NMR(500MHz,CDOD):
δ ppm 3.49(2H,m),3.65(2H,m),3.81(1H,m),3.88(1H,m),4.47(1H,dd),4.28(1H,dd),4.36(1H,dd),4.37(1H,dd),4.85(1H,brs),5.05(2H,m),7.35(3H,m),7.43(2H,m)
13C−NMR(175MHz,CDOD):
δ ppm 63.21, 63.51, 63.54, 70.54, 70.57, 71.42, 71.49, 74.12, 74.20, 75.25, 75.28, 76.80, 76.82, 122.27, 122.31, 129.60, 129.95, 130.11, 137.61, 159.90, 159.94, 172.17
合成例10 3−O−ブチルグリセリル−2−O−アリルアスコルビン酸の合成
アルゴン雰囲気下、合成例5で得られた3−O−ブチルグリセリルアスコルビン酸(3.56g)に、水、炭酸水素ナトリウム(0.98g)を加え室温で30分間攪拌した。その後、臭化アリル(1.68g)を加え、60℃に加温し5時間攪拌した後、酢酸エチルで抽出した。抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下に濃縮をし得られた残渣3.53gをシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付した。クロロホルム/メタノール/水=30/3/0.3混液にて溶出し、減圧下にて濃縮を行い、3−O−ブチルグリセリル−2−O−アリルアスコルビン酸(3.00g)を得た。
Figure 2010189363
H−NMR(500MHz,CDOD):
δ ppm 0.93(3H,t),1.39(2H,m),1.55(2H,m),3.48(4H,m),3.65(2H,m),3.89(1H,m),4.01(1H,m),4.457/4.464(1H,dd),4.54(2H,m),4.586/4.594(1H,dd),4.87(1H,1d),5.25(1H,m),5.35(1H,m),6.04(1H,m)
13C−NMR(175MHz,CDOD):
δ ppm 14.24, 20.33, 32.83, 63.19, 70.00, 70.10, 70.50, 70.54, 72.42, 72.45, 72.50, 74.14, 74.63, 74.63, 76.77, 76.79, 119.25, 122.50, 122.54, 134.52, 159.67, 159.72, 172.08
合成例11 3−O−オクチルグリセリル−2−O−ヘキサデシルアスコルビン酸の合成
アルゴン雰囲気下、L−アスコルビン酸(100g)に、炭酸水素ナトリウム(14.3g)及びDMSO200mlを加え、さらにオクチルグリシジルエーテル(127g)を加えた。80℃に加温し24時間攪拌した後、酢酸エチルで抽出した。抽出液を、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下に濃縮して得られた残渣150gをシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付した。その後、クロロホルム/メタノール/水=30/3/0.3混液にて溶出し、減圧下にて濃縮を行い、3−O−オクチルグリセリルアスコルビン酸(36g)を得た。得られた3−O−オクチルグリセリルアスコルビン酸(5.17g)をアルゴン雰囲気下、DMSO(10mL)中で攪拌し、炭酸水素ナトリウム(1.20g)、臭化ヘキサデシル(5.22g)を加え、100℃に加温し3時間攪拌した。その後、酢酸エチルで抽出した。抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下に濃縮して得られた残渣9.06gをシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、クロロホルム/メタノール/水=50/3/0.3混液にて溶出し、減圧下にて濃縮を行い、3−O−オクチルグリセリル−2−O−ヘキサデシルアスコルビン酸(3.41g)を得た。
Figure 2010189363
H−NMR(600MHz,d−DMSO):
δ ppm 0.90(6H,m),1.24(34H,brs),1.34(2H,m),1.48(2H,m),1.60(2H,m),3.38(4H,m),3.46(2H,m),3.72(1H,m),3.87(1H,m),3.94(2H,m),4.25(1H,dd),4.31(1H,dd),4.42(1H,dd),4.45(1H,dd),4.82(1H,d)
13C−NMR(150MHz,d−DMSO,40℃):
δ ppm 13.95, 22.13, 25.40, 25.42, 25.63, 25.71, 28.74, 28.78, 28.87, 28.97, 29.09, 29.20, 29.28, 29.30, 31.34, 61.72, 68.04, 68.09, 68.81, 70.88, 71.48, 71.52, 72.14, 73.24, 73.43, 74.55, 121.29, 157.71, 157.85, 169.42
実施例1 (化粧水)
表1に示した組成で、pH5.5に調整した化粧水を調製した。被験者10名が試料を使用した際の、塗布のしやすさ、べたつき感及び保湿感の感触について、下記評価基準に基づいて評価した。
(評点基準)
(塗布のしやすさ)
◎:10人中8人以上が、「のびがよく肌に塗布しやすい」と判定した。
○:10人中5−7人が、「のびがよく肌に塗布しやすい」と判定した。
△:10人中2−4人が、「のびがよく肌に塗布しやすい」と判定した。
×:10人中0−1人が、「のびがよく肌に塗布しやすい」と判定した。
(べたつき感)
◎:10人中8人以上が、「べたつき感がない」と判定した。
○:10人中5−7人が、「べたつき感がない」と判定した。
△:10人中2−4人が、「べたつき感がない」と判定した。
×:10人中0−1人が、「べたつき感がない」と判定した。
(保湿感)
◎:10人中8人以上が、「塗布後、肌がしっとりする」と判定した。
○:10人中5−7人が、「塗布後、肌がしっとりする」と判定した。
△:10人中2−4人が、「塗布後、肌がしっとりする」と判定した。
×:10人中0−1人が、「塗布後、肌がしっとりする」と判定した。
Figure 2010189363
実施例1は、「塗布のし易さ」、「べたつき感」、「保湿感」のすべての項目で優れた結果であった。
実施例2 (スキンクリーム)
表2に示した処方によりスキンクリームを調製し、被験者10名が試料を使用した際の、塗布のしやすさ、べたつき感及び保湿感について、下記評価基準に基づいて評価した。
(評点基準)
(塗布のしやすさ)
◎:10人中8人以上が、「のびがよく肌に塗布しやすい」と判定した。
○:10人中5−7人が、「のびがよく肌に塗布しやすい」と判定した。
△:10人中2−4人が、「のびがよく肌に塗布しやすい」と判定した。
×:10人中0−1人が、「のびがよく肌に塗布しやすい」と判定した。
(べたつき感)
◎:10人中8人以上が、「べたつき感がない」と判定した。
○:10人中5−7人が、「べたつき感がない」と判定した。
△:10人中2−4人が、「べたつき感がない」と判定した。
×:10人中0−1人が、「べたつき感がない」と判定した。
(保湿感)
◎:10人中8人以上が、「塗布後、肌がしっとりする」と判定した。
○:10人中5−7人が、「塗布後、肌がしっとりする」と判定した。
△:10人中2−4人が、「塗布後、肌がしっとりする」と判定した。
×:10人中0−1人が、「塗布後、肌がしっとりする」と判定した。
Figure 2010189363
実施例2のスキンクリームは、「塗布のしやすさ」、「べたつき感」、「保湿感」のすべての項目で比較例と比べて優れていた。
実施例3 (スキンクリーム)
表3に示した処方によりスキンクリームを調製し、肌荒れを感じている被験者5名が試料を1ヶ月間連用し、試料特性を評価した。
評価は、「使用感」、「肌荒れ改善効果」、「美白効果」、「皮膚の張り」について下記の5段階評価基準に従って評価をしてもらった。更に、評点の平均を3段階判定基準に従って判定した。
(5段階評価)
(評点) (内容)
2点 : 非常に良い
1点 : 良い
0点 : どちらともいえない
−1点 : やや悪い
−2点 : わるい
(3段階判定)
(評点の平均) (評価)
1.5点以上 : ◎(非常に良好)
0点以上 : ○(良好)
0点未満 : ×(不良)
Figure 2010189363
実施例3のスキンクリームは、「使用感」、「肌荒れ改善効果」、「美白効果」、「皮膚の張り」のすべての項目で比較例と比べて優れていた。
実施例4 (ヘアクリーム)
表4に示す基本処方よりヘアクリームを調製し、以下のようにして毛髪に施術した。毛束2gに対して1g塗布し、毛髪となじませる。その施術後、感触、毛髪の潤い感、光沢について評価した。
(評価基準)
(感触)
◎:触感が非常になめらかでしっとりする。
○:触感がなめらかでしっとりする。
△:触感がなめらかだがパサツキを感じる。
×:なめらかでなく、パサツキを感じる。
(毛髪の潤い感)
◎:毛髪に非常に潤いがある。
○:毛髪に潤いがある。
△:毛髪に潤いがややある。
×:毛髪に潤いがない。
(光沢)
◎:毛髪に非常につやがある。
○:毛髪につやがある。
△:毛髪につやがややある。
×:毛髪につやがない。
Figure 2010189363
実施例4、即ちグリセリンとアスコルビン酸誘導体を配合したヘアクリームでは、使用感覚の向上、潤い感、光沢で優れた効果が見られた。
実施例5 (ヘアトリートメント)
表5に示す基本処方よりヘアトリートメントを調製し、以下のようにして毛髪に施術した。毛束2gに対して1g塗布し、毛髪となじませる。その施術後、紫外線による影響について下記のように評価した。
(紫外線による影響評価)
毛束2gをブリーチ剤で脱色した後、市販カラー剤で染色を行った。その後、毛束2gに対して1g塗布し、自然乾燥を行った。紫外線照射器で48時間(射度275w/m)処理を行った後、照射前と照射後の毛束の光沢、紫外線によるダメージ、紫外線による退色抑制効果について比較を行った。
(評価基準)
(光沢)
◎:毛髪に非常につやがある。
○:毛髪につやがある。
△:毛髪につやがややある。
×:毛髪につやがない。
(紫外線によるダメージ)
◎:引っ張り試験器による破断強度低下が90%以上である。
○:引っ張り試験器による破断強度低下が80以上90%未満である。
△:引っ張り試験器による破断強度低下が70以上80%未満である。
×:引っ張り試験器による破断強度低下が70%未満である。
(退色抑制効果)
◎:処理を行っていない毛髪と比較して、非常に鮮やかである。
○:処理を行っていない毛髪と比較して、多少鮮やかさが残っている。
△:処理を行っていない毛髪と比較して、同等である。
×:処理を行っていない毛髪と比較して、退色が激しい。
Figure 2010189363
ジグリセリンとアスコルビン酸誘導体を配合した実施例5は、比較例と比べ、光沢とともに、紫外線による影響に対して優れた性能を示していた。
実施例6〜10 化粧水
表6に示す組成の(1)〜(10)の原料をそれぞれ、室温にて溶解して、保湿効果、美肌効果、美白効果に優れた化粧水を調製することができる。
Figure 2010189363
実施例11〜14 乳液
表7に示す組成の(1)〜(5)、(12)〜(13)の油相部原料、及び(7)、(8)〜(11)(15)〜(19)の水相部の原料をそれぞれ70℃に加温し溶解して、油相及び水相をそれぞれ調製した後、水相に油相を加え予備乳化を行った後、クインスシード抽出液エタノールを加え撹拌後、ホモミキサーで均一に乳化した。冷却後、保湿効果に優れた乳液を調製することができる。
Figure 2010189363
実施例15〜19 クリーム
表8に示す組成で、美肌効果に優れたクリームを調整する。
Figure 2010189363
実施例20〜23 コンシーラー
表9に示す組成で、密着感、保湿効果、しっとり感、ぱさぱさしないコンシーラーを調製する。
Figure 2010189363
実施例24〜27 シャンプー
表10に示す組成の原料を、70℃に加熱した精製水中に添加し、均一に溶解した後冷却し、使用感触のよいシャンプーを調製する。
Figure 2010189363
実施例28〜31 コンディショナー
表11に示す組成の(1)〜(4)の油相原料、及び(5)〜(14)の水相原料をそれぞれ70℃に加温して溶解して、油相及び水相をそれぞれ調製した後、水相に油相を加えてホモミキサーで乳化後撹拌しながら冷却し、退色防止効果とつやを与えるトリートメントを調製する。
Figure 2010189363
実施例32 クリーム
表12に示す組成の(1)〜(6)の油相部を、および(7)〜(11)の水相部をそれぞれ70℃に加熱溶解する。水相部に油相部を加えて予備乳化を行い、ついでホモミキサーで乳化した後、よく攪拌しながら室温まで冷却して美白効果に優れたクリームを調製する。
Figure 2010189363

Claims (7)

  1. 下記一般式(I)で表されることを特徴とするアスコルビン酸誘導体又はその塩、及び3価以上の多価アルコールを含有することを特徴とする化粧料。
    Figure 2010189363

    [式中、
    は、H、炭素数1〜22のアルキル基、炭素数2〜22のアルケニル基、ベンジル基、R−O−CH−CH(OH)−CH−、R−O−CH−CH(CHOH)−、R−CH(CHOH)−、R−CH(OH)−CH−、又はヒドロキシシクロヘキシル基であり、
    は、H、炭素数1〜22のアルキル基、炭素数2〜22のアルケニル基、ベンジル基、R−O−CH−CH(OH)−CH−、R−O−CH−CH(CHOH)−、R−CH(CHOH)−、R10−CH(OH)−CH−、又はヒドロキシシクロヘキシル基であり、ここで
    及びRは、H、炭素数1〜22のアルキル基、炭素数2〜22のアルケニル基、又はフェニル基であり、
    及びRは、H、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、又はフェニル基であり、
    及びRは、H、炭素数1〜22のアルキル基、炭素数2〜22のアルケニル基、又はフェニル基であり、
    及びR10は、H、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、又はフェニル基である。
    但し、RがH又は炭素数1〜22のアルキル基、炭素数2〜22のアルケニル基又はベンジル基のとき、Rは、H、炭素数1〜22のアルキル基、炭素数2〜22のアルケニル基及びベンジル基のいずれでもない。]
  2. 及びR中に含まれるアルキル基、アルケニル基、ヒドロキシシクロヘキシル基及び/又はフェニル基の炭素数の合計が8以下であることを特徴とする請求項1に記載の化粧料。
  3. は、H、−CH−CH(OH)−CHOH、又は−CH(CHOH)−CHOHであり、Rは、H、−CH−CH(OH)−CHOH、又は−CH(CHOH)−CHOHであることを特徴とする請求項2に記載の化粧料。
  4. 一般式(I)で表されるアスコルビン酸誘導体又はその塩と多価アルコールの含有量の質量比が、1:50〜25:1であることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の化粧料。
  5. 3価以上の多価アルコールが、グリセリンであることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の化粧料。
  6. 皮膚用化粧料であることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の化粧料。
  7. 毛髪化粧料であることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の化粧料。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017057146A (ja) * 2015-09-14 2017-03-23 株式会社アイ・ティー・オー アンチプロオキシダント・グリセリルオクチルアスコルビン酸誘導体その製法及び用途
JP2019043914A (ja) * 2017-09-06 2019-03-22 株式会社ノエビア 皮膚外用剤
US20190142726A1 (en) * 2016-06-29 2019-05-16 Nikko Chemicals Co., Ltd. Damaged hair improving agents and damaged hair improving cosmetics containing the same

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