JP2015003894A - 抗菌剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】優れた抗菌剤を提供すること。また、前記抗菌剤を配合し、優れた機能を有する化粧料を提供することを課題とする。【解決手段】アスコルビン酸の2位及び/又は3位の水酸基に、グリシドール、アルキルグリシジルエーテル、アルケニルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、エポキシアルカン、エポキシアルケン等を反応させてエーテル化したアスコルビン酸誘導体又はその塩を抗菌剤および抗アクネ剤として提供する。アスコルビン酸誘導体としては、特に、グリシドールをアスコルビン酸の2位及び/又は3位の水酸基に反応させたものが好ましい。【選択図】 なし
Description
本発明は、化粧料に利用できる抗菌剤に関する。
化粧料において、外部からの微生物汚染による異臭、変敗などを防止する目的で、抗菌剤が使用されている。これまで汎用されてきた抗菌剤として、パラベン(パラオキシ安息香酸エステル)やフェノキシエタノール等が挙げられる。しかし、安全面で不安視されており、そのため、昨今の化粧料における製品開発は、上記のような抗菌剤の配合量を極力減らす、もしくは代替の抗菌剤を使用する等の試みがなされている。例えば、1,2−アルカンジオール(特許文献1)やグリセリルモノアルキルエーテル(特許文献2)などが開発されているが、満足いく効果は得られていない。
さらに、抗菌剤は、ニキビ発症の原因菌であるPropionibacterium acnes(以下、アクネ菌と略す)に作用するものも多く、抗アクネ化粧料の開発にも有用である(特許文献3)。
ニキビは思春期だけでなく、20代や30代の成人男女にも現れる皮膚疾患の1つである。顔面、胸、首、背部などに発症し、その主な原因の1つとして嫌気性皮膚常在菌であるアクネ菌の増殖が挙げられる。アクネ菌が産生する細菌性リパーゼによって分泌される皮脂分解物(遊離脂肪酸)が、毛嚢漏斗部の角化や炎症惹起過程に関与することが知られており、ニキビ発症機序の複数の過程にアクネ菌が関与している。そのため、安全且つ効果のある抗アクネ菌剤の開発が望まれている。
一方、アスコルビン酸は、メラニン産生抑制作用、コラーゲン産生促進作用、抗酸化作用など皮膚に対して多用な生理学的作用を有し、安全性が高いことから様々な化粧料に用いられている。また、抗菌作用についても周知されており、人体に悪影響を与えることなく大腸菌や黄色ブドウ球菌などに対する抗菌作用を有することが報告されているが、効果を示すにはpHが3以下の酸性である必要がある(特許文献4)。一般的な化粧料のpHは弱酸性から弱アルカリ性であるため、実際の化粧料に配合した際に同様の抗菌作用を示さない可能性が極めて高い。
さらに、アスコルビン酸はアクネ菌に対して直接的な作用がないことも報告されており(非特許文献1)、抗アクネ菌剤としても効果面で満足できるものではなく、より実用的な抗菌剤の開発が望まれている。
また、本発明者らは、グリセリルアスコルビン酸やそのアシル化誘導体の保湿作用、コラーゲン産生促進作用、メラニン産生抑制作用、美白作用に優れる化粧料への配合等に関しては充分に熟知したものであるが(特許文献5、特許文献6)、抗菌作用については充分に検討されておらず、その効果については解明されていなかった。
本発明は、前記従来技術の問題を解決するものであり、優れた抗菌剤を提供することを課題とする。本発明は、又、前記抗菌剤を配合し、優れた機能を有する化粧料を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記実情に鑑みて鋭意検討した結果、特定構造のグリセリルアスコルビン酸誘導体及びその塩に、優れた抗菌作用、優れた抗アクネ菌作用を有することを見出した。本発明は、これらの知見に基づき完成されたものである。
なお、本発明でいうグリセリルアスコルビン酸とは、アスコルビン酸の各水酸基の、いずれか又は複数個の酸素にグリセリル基が結合したものであり、グリセリル基とは、HO−CH2−CH(OH)−CH2−、を表わす。グリセリルアスコルビン酸の具体例としては、2−O−グリセリルアスコルビン酸、3−O−グリセリルアスコルビン酸、2,3−ジ−O−グリセリルアスコルビン酸が挙げられる。また、グリセリルアスコルビン酸のアシル化誘導体とは、前記グリセリルアスコルビン酸の水酸基にアシル基をエステル結合させ、疎水性を高めた誘導体である。
本発明は、下記一般式(I)または(II)で表されるグリセリルアスコルビン酸誘導体又はその塩からなる抗菌剤である(請求項1)。
請求項2の発明は、前記一般式(I)中の、R1およびR2のそれぞれが、水素原子または炭素数6〜16のアルキル基、炭素数6〜16のアルケニル基、ベンジル基およびR3−O−CH2−CH(OH)−CH2−からなる群から選ばれる基で、R3が、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数2〜4のアルケニル基またはフェニル基であり、前記一般式(II)中のRa及びRcが、水素原子であり、RbがRe−O−CH2−CH(OH)−CH2−であり、RdがRf−CO−であり、Rfが炭素数5〜17のアルキル基または炭素数6〜16のアルケニル基である、請求項1に記載のグリセリルアスコルビン酸誘導体又はその塩であり、優れた抗菌作用を有しており、好ましい様態に該当するものである。
請求項3の発明は、前記一般式(I)で表されるグリセリルアスコルビン酸誘導体であって、式中の、R1がHO−CH2−CH(OH)−CH2−であり、R2が炭素数6〜12のアルキル基である、請求項2に記載のグリセリルアスコルビン酸誘導体又はその塩である。すなわち、前記一般式(I)に表される、3−O−グリセリルアスコルビン酸の2位水酸基にアルキル基が結合した、3−O−グリセリル−2−O−アルキルアスコルビン酸である。請求項3は、特に優れた抗菌作用を有しており、特に好ましい様態に該当するものである。
請求項4の発明は、前記一般式(I)で表されるグリセリルアスコルビン酸誘導体であって、式中の、R1が炭素数6〜12のアルキル基であり、R2がHO−CH2−CH(OH)−CH2−である、請求項2に記載のグリセリルアスコルビン酸誘導体又はその塩である。すなわち、一般式(I)に表される、2−O−グリセリルアスコルビン酸の3位水酸基にアルキル基が結合した、2−O−グリセリル−3−O−アルキルアスコルビン酸である。請求項4は、特に優れた抗菌作用を有しており、特に好ましい様態に該当するものである。
請求項5の発明は、前記一般式(II)で表されるグリセリルアスコルビン酸誘導体であって、式中の、Raが水素原子、RbがHO−CH2−CH(OH)−CH2−、Rcが水素原子、RdがRf−CO−であり、Rfが炭素数7〜17のアルキル基である、請求項2に記載のグリセリルアスコルビン酸誘導体又はその塩である。すなわち、前記一般式(II)に表される、2−O−グリセリルアスコルビン酸の2、3、6位の水酸基にそれぞれ1ないし複数のアシル基が結合した、2−O−アシルグリセリルアスコルビン酸、2−O−グリセリル−3−O−アシルアスコルビン酸、2−O−グリセリル−6−O−アシルアスコルビン酸、2−O−アシルグリセリル−3−O−アシルアスコルビン酸、2−O−アシルグリセリル−6−O−アシルアスコルビン酸、
2−グリセリル−3,6−ジ−O−アシルアスコルビン酸、2−O−アシルグリセリル−3−O−アシル−6−O−アシルアスコルビン酸である。請求項5は、特に優れた抗菌作用を有しており、特に好ましい様態に該当するものである。
2−グリセリル−3,6−ジ−O−アシルアスコルビン酸、2−O−アシルグリセリル−3−O−アシル−6−O−アシルアスコルビン酸である。請求項5は、特に優れた抗菌作用を有しており、特に好ましい様態に該当するものである。
加えて、請求項6記載の発明は、請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載のグリセリルアスコルビン酸誘導体及びその塩について、優れた抗アクネ菌作用を有しており前記課題を解決するものとして提供する。
さらに加えて、請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載のグリセリルアスコルビン酸誘導体を配合することを特徴とする化粧料を提供する(請求項7)。化粧料への本発明のグリセリルアスコルビン酸誘導体の配合量は、通常0.001質量%から10質量%が好ましい。0.001質量%未満の場合は、本発明が有する抗菌作用を十分に発揮できない場合が多い。一方、10質量%を超える場合は、配合量に見合った効果が望めない場合が多い。
本発明の抗菌剤である前記一般式(I)または(II)で示されるグリセリルアスコルビン酸誘導体及びその塩は、優れた抗菌作用を有し、抗アクネ菌作用も有する。よって、前記抗菌剤を配合し、優れた機能を有する化粧料を得ることができる。
本発明は、前記一般式(I)または(II)で表わされるアスコルビン酸誘導体からなる抗菌剤である。さらに、前記一般式(I)中のR1又はR2が水素原子の場合、または前記一般式(II)中のRa又はRbが水素原子の場合は、この水素原子が解離した水素イオンを、金属イオンやアンモニウムイオン等の陽イオンで置換してなるアスコルビン酸誘導体の塩も本発明に含まれる。
本発明でいうグリセリル基とは、前述の通り、HO−CH2−CH(OH)−CH2−、を表し、アルキルグリセリル基とはR−O−CH2−CH(OH)−CH2−(Rはアルキル基、アルケニル基、フェニル基等を示す)を表し、前記一般式(I)または(II)で表されるグリセリルアスコルビン酸は、特許4681670号公報等の公知の諸種の方法により製造することができる。
グリセリルアスコルビン酸の具体例としては、以下に示す化合物を挙げることができるが、本発明の範囲は以下に示すものに限定されるものではない。
前記一般式(I)で表されるアスコルビン酸誘導体の具体例を以下に示す。なお、以下の例示において、グリセリル基とは、HO−CH2−CH(OH)−CH2−、アルキルグリセリル基とは、R−O−CH2−CH(OH)−CH2−(Rはアルキル基、アルケニル基、フェニル基等を示す)を示し、
アルキル基とは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基、ベヘニル基等を示し、
アルケニル基とは、ビニル基、アリル基、ブテニル基、イソブテニル基、クロチル基、オクテニル基、デセニル基、ドデセニル基等を示し、
ヒドロキシアルキル基とは、R−CH(OH)−CH2−(Rはアルキル基、アルケニル基、フェニル基等を示す。)を示し、例えば、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、ヒドロキシブチル基、ヒドロキシペンチル基、ヒドロキシヘキシル基、ヒドロキシヘプチル基、ヒドロキシオクチル基、ヒドロキシノニル基、ヒドロキシデシル基、ヒドロキシウンデシル基、ヒドロキシドデシル基、ヒドロキシトリデシル基、ヒドロキシテトラデシル基、ヒドロキシペンタデシル基、ヒドロキシヘキサデシル基、ヒドロキシヘプタデシル基、ヒドロキシオクタデシル基、ヒドロキシノナデシル基、ヒドロキシエイコシル基、ヒドロキシベヘニル基を挙げることができる。
アルキル基とは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基、ベヘニル基等を示し、
アルケニル基とは、ビニル基、アリル基、ブテニル基、イソブテニル基、クロチル基、オクテニル基、デセニル基、ドデセニル基等を示し、
ヒドロキシアルキル基とは、R−CH(OH)−CH2−(Rはアルキル基、アルケニル基、フェニル基等を示す。)を示し、例えば、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、ヒドロキシブチル基、ヒドロキシペンチル基、ヒドロキシヘキシル基、ヒドロキシヘプチル基、ヒドロキシオクチル基、ヒドロキシノニル基、ヒドロキシデシル基、ヒドロキシウンデシル基、ヒドロキシドデシル基、ヒドロキシトリデシル基、ヒドロキシテトラデシル基、ヒドロキシペンタデシル基、ヒドロキシヘキサデシル基、ヒドロキシヘプタデシル基、ヒドロキシオクタデシル基、ヒドロキシノナデシル基、ヒドロキシエイコシル基、ヒドロキシベヘニル基を挙げることができる。
(1)3−O−グリセリルアスコルビン酸、
3−O−アルキルグリセリルアスコルビン酸、例えば3−O−メチルグリセリルアスコルビン酸、3−O−エイコシルグリセリルアスコルビン酸、
3−O−アルケニルグリセリルアスコルビン酸、例えば、3−O−アリルグリセリルアスコルビン酸、3−O−クロチルグリセリルアスコルビン酸、3−O−ビニルグリセリルアスコルビン酸、3−O−イソブテニルグリセリルアスコルビン酸、3−O−オクテニルグリセリルアスコルビン酸、3−O−デセニルグリセリルアスコルビン酸、3−O−ドデセニルグリセリルアスコルビン酸、及び、3−O−フェニルグリセリルアスコルビン酸
3−O−アルキルグリセリルアスコルビン酸、例えば3−O−メチルグリセリルアスコルビン酸、3−O−エイコシルグリセリルアスコルビン酸、
3−O−アルケニルグリセリルアスコルビン酸、例えば、3−O−アリルグリセリルアスコルビン酸、3−O−クロチルグリセリルアスコルビン酸、3−O−ビニルグリセリルアスコルビン酸、3−O−イソブテニルグリセリルアスコルビン酸、3−O−オクテニルグリセリルアスコルビン酸、3−O−デセニルグリセリルアスコルビン酸、3−O−ドデセニルグリセリルアスコルビン酸、及び、3−O−フェニルグリセリルアスコルビン酸
(2)2−O−グリセリルアスコルビン酸、
2−O−アルキルグリセリルアスコルビン酸、例えば、2−O−メチルグリセリルアスコルビン酸、2−O−エイコシルグリセリルアスコルビン酸、
2−O−アルケニルグリセリルアスコルビン酸、例えば、2−O−アリルグリセリルアスコルビン酸、2−O−ドデセニルグリセリルアスコルビン酸、及び、2−O−フェニルグリセリルアスコルビン酸、
(3)2,3−ジ−O−グリセリルアスコルビン酸、
2,3−ジ−O−アルキルグリセリルアスコルビン酸、2,3−ジ−O−アルケニルグリセリルアスコルビン酸、2,3−ジ−O−フェニルグリセリルアスコルビン酸
(4)3−O−ヒドロキシアルキルアスコルビン酸、3−O−ヒドロキシフェニルエチルアスコルビン酸
(5)2−O−ヒドロキシアルキルアスコルビン酸、2−O−ヒドロキシフェニルエチルアスコルビン酸
(6)2,3−ジ−O−ヒドロキシアルキルアスコルビン酸、2,3−ジ−O−ヒドロキシフェニルエチルアスコルビン酸
2−O−アルキルグリセリルアスコルビン酸、例えば、2−O−メチルグリセリルアスコルビン酸、2−O−エイコシルグリセリルアスコルビン酸、
2−O−アルケニルグリセリルアスコルビン酸、例えば、2−O−アリルグリセリルアスコルビン酸、2−O−ドデセニルグリセリルアスコルビン酸、及び、2−O−フェニルグリセリルアスコルビン酸、
(3)2,3−ジ−O−グリセリルアスコルビン酸、
2,3−ジ−O−アルキルグリセリルアスコルビン酸、2,3−ジ−O−アルケニルグリセリルアスコルビン酸、2,3−ジ−O−フェニルグリセリルアスコルビン酸
(4)3−O−ヒドロキシアルキルアスコルビン酸、3−O−ヒドロキシフェニルエチルアスコルビン酸
(5)2−O−ヒドロキシアルキルアスコルビン酸、2−O−ヒドロキシフェニルエチルアスコルビン酸
(6)2,3−ジ−O−ヒドロキシアルキルアスコルビン酸、2,3−ジ−O−ヒドロキシフェニルエチルアスコルビン酸
(7)3−O−グリセリル−2−O−アルキルグリセリルアスコルビン酸、3−O−グリセリル−2−O−アルケニルグリセリルアスコルビン酸、3−O−グリセリル−2−O−フェニルグリセリルアスコルビン酸
(8)3−O−グリセリル−2−O−ヒドロキシアルキルアスコルビン酸、3−O−グリセリル−2−O−ヒドロキシフェニルエチルアスコルビン酸
(9)3−O−グリセリル−2−O−アルキルアスコルビン酸、3−O−グリセリル−2−O−アルケニルアスコルビン酸、
(10)3−O−アルキルグリセリル−2−O−アルキルグリセリルアスコルビン酸(但し、3−アルキルと2−アルキルは異なっている。)、3−O−アルキルグリセリル−2−O−アルケニルグリセリルアスコルビン酸、3−O−アルキルグリセリル−2−O−フェニルグリセリルアスコルビン酸、
(8)3−O−グリセリル−2−O−ヒドロキシアルキルアスコルビン酸、3−O−グリセリル−2−O−ヒドロキシフェニルエチルアスコルビン酸
(9)3−O−グリセリル−2−O−アルキルアスコルビン酸、3−O−グリセリル−2−O−アルケニルアスコルビン酸、
(10)3−O−アルキルグリセリル−2−O−アルキルグリセリルアスコルビン酸(但し、3−アルキルと2−アルキルは異なっている。)、3−O−アルキルグリセリル−2−O−アルケニルグリセリルアスコルビン酸、3−O−アルキルグリセリル−2−O−フェニルグリセリルアスコルビン酸、
(11)3−O−アルキルグリセリル−2−O−ヒドロキシアルキルグリセリルアスコルビン酸、3−O−アルケニルグリセリル−2−O−ヒドロキシアルキルグリセリルアスコルビン酸、3−O−アルキルグリセリル−2−O−ヒドロキシアルケニルグリセリルアスコルビン酸、3−O−アルケニルグリセリル−2−O−ヒドロキシアルケニルグリセリルアスコルビン酸、3−O−アルキルグリセリル−2−O−フェニルグリセリルアスコルビン酸
(12)3−O−アルキルグリセリル−2−O−アルキルアスコルビン酸、3−O−アルキルグリセリル−2−O−アルケニルアスコルビン酸
(13)3−O−ヒドロキシアルキル−2−O−アルキルアスコルビン酸、3−O−ヒドロキシアルキル−2−O−アルケニルアスコルビン酸
(14)3−O−ヒドロキシアルキル−2−O−アルキルグリセリルアスコルビン酸、3−O−ヒドロキシアルキル−2−O−アルケニルグリセリルアスコルビン酸
(15)3−O−ヒドロキシアルキル−2−O−ヒドロキシアルキルアスコルビン酸、3−O−ヒドロキシアルキル−2−O−ヒドロキシフェニルエチルアスコルビン酸
(16)3−O−ヒドロキシシクロヘキシルアスコルビン酸、2−O−ヒドロキシシクロヘキシルアスコルビン酸、3−O−グリセリル−2−O−ベンジルアスコルビン酸、2−O−グリセリル−3−O−ベンジルアスコルビン酸。
(12)3−O−アルキルグリセリル−2−O−アルキルアスコルビン酸、3−O−アルキルグリセリル−2−O−アルケニルアスコルビン酸
(13)3−O−ヒドロキシアルキル−2−O−アルキルアスコルビン酸、3−O−ヒドロキシアルキル−2−O−アルケニルアスコルビン酸
(14)3−O−ヒドロキシアルキル−2−O−アルキルグリセリルアスコルビン酸、3−O−ヒドロキシアルキル−2−O−アルケニルグリセリルアスコルビン酸
(15)3−O−ヒドロキシアルキル−2−O−ヒドロキシアルキルアスコルビン酸、3−O−ヒドロキシアルキル−2−O−ヒドロキシフェニルエチルアスコルビン酸
(16)3−O−ヒドロキシシクロヘキシルアスコルビン酸、2−O−ヒドロキシシクロヘキシルアスコルビン酸、3−O−グリセリル−2−O−ベンジルアスコルビン酸、2−O−グリセリル−3−O−ベンジルアスコルビン酸。
グリセリルアスコルビン酸アシル化誘導体とは、グリセリルアスコルビン酸に疎水性が付与される全てのグリセリルアスコルビン酸アシル化誘導体を含む。
本発明でいうアシル化とは、グリセリルアスコルビン酸にアシル基(Rf−CO−)を導入することを意味する。ここで、Rfは直鎖状又は分岐状の飽和又は不飽和のアルキル基を有する、通常炭素数2〜22のアルキル基が好ましく、更に好ましくは、7〜17である。したがって、本発明のグリセリルアスコルビン酸アシル化誘導体とは、前述のようにグリセリルアスコルビン酸における1または複数の水酸基、望ましくは、グリセリルアスコルビン酸におけるアスコルビン酸骨格の1つの水酸基にアシル基が結合した化合物全般を表す。
グリセリルアスコルビン酸アシル化誘導体は、特許2011−079772号公報等の公知の諸種の方法により製造することができる。
グリセリルアスコルビン酸アシル化誘導体の具体例としては、以下に示す化合物を挙げることができるが、本発明の範囲は以下に示すものに限定されるものではない。
なお、以下の例示においてアシル基とは、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブタノイル基、ペンタノイル基、ヘキサノイル基、ヘプタノイル基、オクタノイル基、ノナイル基、デカノイル基、ウンデカノイル基、ドデカノイル基、テトラデカノイル基、ヘキサデカノイル基、オクタデカノイル基、エイコサノイル基、ヘキサデセノイル基、オクタデセノイル基、オレイル基、オクタデカトリエノイル基、イコサテトラエノイル基、イソオクタノイル基、イソパルミトイル基、イソステアロイル基、2−プロピルペンタノイル基、2−ブチルヘキサノイル基、2−ペンチルヘプタノイル基等を示す。
2−O−グリセリル−6−O−アシルアスコルビン酸、2−O−グリセリル−5−O−アシルアスコルビン酸、2−O−グリセリル−3−O−アシルアスコルビン酸、2−O−アシルグリセリルアスコルビン酸、3−O−グリセリル−6−O−アシルアスコルビン酸、3−O−グリセリル−5−O−アシルアスコルビン酸、3−O−グリセリル−2−O−アシルアスコルビン酸、3−O−アシルグリセリルアスコルビン酸等のモノアシルグリセリルアスコルビン酸、2−O−アシルグリセリル−6−O−アシルアスコルビン酸等のジアシルグリセリルアスコルビン酸、2−O−アシルグリセリル−3−O−アシル−6−O−アシルアスコルビン酸等のトリアシルグリセリルアスコルビン酸等がグリセリルアスコルビン酸アシル化誘導体として挙げられる。なお、ジ体、トリ体のアシル基は同一のものであっても良いし、異なるものであっても良い。
前記一般式(I)及び(II)で表されるグリセリルアスコルビン酸誘導体又はその塩は、化粧料に配合することによって、優れた抗菌作用、優れた抗アクネ菌作用を発揮する。その結果、製品の微生物汚染による異臭、変敗などが抑制され、さらにニキビの予防、改善にも寄与する。さらに従来のアスコルビン酸誘導体に比べて、それ自体の分解・着色といった劣化が少なく、製品の感触・形状に悪影響を及ぼしにくい。
グリセリルアスコルビン酸誘導体又はその塩を用いる場合は、各種化粧料への配合量の範囲は、化粧料の用途により異なり、特に限定できないが、通常、0.001%〜10質量%の範囲が好ましい。0.001%質量未満の場合は、アスコルビン酸誘導体又はその塩が有する抗菌作用、抗アクネ菌作用を十分に発揮できない場合が多い。一方、10質量%を超える場合は、配合量に見合った効果が望めない場合が多い、また剤系を壊す恐れがある。
本発明の化粧料には、この必須成分の他に、通常、用いられる成分、例えば、油性原料、界面活性剤、保湿剤、高分子化合物、酸化防止剤、美白剤、薬剤、紫外線吸収剤、金属イオン封鎖剤、抗菌剤等を適宜配合することができる。なお、グリセリルアスコルビン酸誘導体又はその塩は、美白剤、保湿剤としても効果を発揮するが、本発明の化粧料には、他の美白剤、保湿剤、抗菌剤も適宜配合することができる。
油性原料としては、例えば、オリーブ油、椿油、マカデミアナッツ油、茶実油、ヒマシ油、トリ(カプリン/カプリル)グリセリル等の油脂類、ホホバ油、カルナウバロウ、キャンデリラロウ、ラノリン、ミツロウ等のロウ類、流動パラフィン、パラフィン、ワセリン、セレシン、マイクロクリスタリンワックス、スクワラン等の炭化水素類、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、イソステアリン酸等の脂肪酸類、セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール等の高級アルコール類、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸−2−オクチルドデシル、2−エチルへキサン酸セチル、リンゴ酸ジイソステアリル、トリ−2−エチルヘキサノイン等のエステル類、メチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン等のシリコーン類等が挙げられる。
界面活性剤としては、例えば、高級脂肪酸石鹸、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アシル−N−メチルタウリン塩、N−アシルアミノ酸塩、アルキルリン酸エステル塩等のアニオン性界面活性剤、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ジアルキルジメチルアンモニウム等のカチオン性界面活性剤、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルアミドアミノ酢酸ベタイン、2−アルキル−N−カルボキシ−N−ヒドロキシイミダゾリニウムベタイン等の両性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、多価アルコール脂肪酸エステル、ポリエーテル変性シリコーン等の非イオン性界面活性剤等が挙げられる。
他の保湿剤としては、例えば、グリセリン、プロピレングリコール、マルチトール、ソルビトール、1,3-ブチレングリコール、乳酸ナトリウム、ポリエチレングリコール、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム等が挙げられる。
高分子化合物としては、例えば、カルボキシビニルポリマー、カルボキシメチルセルロースナトリウム、キサンタンガム、ポリビニルアルコール、高分子のジメチルポリシロキサン等が挙げられる。
酸化防止剤としては、例えば、ビタミンEやタンニン、BHT(ブチルヒドロキシトルエン)等を挙げることができる。
他の美白剤としては、例えば、エラグ酸、カミツレエキス、甘草エキス、ルシノール、ローズマリーエキス、アルブチン、トラネキサム酸、4−メトキシサリチル酸カリウム塩、アスコルビン酸、アスコルビン酸グルコシド、アスコルビン酸リン酸マグネシウムといったアスコルビン酸誘導体等を挙げることができる。
他の薬剤としては、肌荒れ防止剤または抗炎症剤を挙げることができる。肌荒れ防止剤または抗炎症剤としては、例えば、グリチルリチン酸ジカリウム、グリチルレチン酸ステアリル、サリチル酸メチル、ピリドキシン塩酸塩、アラントイン、海塩、ソウハクヒエキス、アロエエキス、クチナシエキス、カミツレエキス、カンゾウエキス、ムクロジエキス、キョウニンエキス、オウゴンエキス、甜茶エキス、ビワエキス、イチョウエキス、オトギリソウエキス、セイヨウノコギリソウエキス、ベニバナエキス、トウヒエキス、サルビアエキス、シラカバエキス、チンピエキス、トウニンエキス、ガイヨウエキス、アルテアエキス、アルニカエキス、ニンジンエキス、シャクヤクエキス、センキュウエキス、ゲンチアナエキス、冬虫夏草エキス、オウバクエキス、インチンコウエキス、ゲンノショウコエキス、モモ葉エキス、クマザサエキス、ヨクイニンエキス、マロニエエキス、サンザシエキス、オウレンエキス、レイシエキス、トウキンセンカエキス、ペパーミントエキス、コンフリーエキス、ブッチャーブルームエキス、ウスベニアオイエキス、ヤグルマルソウエキス、トゲナシエキス等が挙げられる。その他、育毛用薬剤、ニキビ用薬剤、ふけ・かゆみ用薬剤、腋臭防止用薬剤等も他の薬剤として挙げることができる。
紫外線吸収剤としては、例えば、パラメトキシ桂皮酸エチル、パラメトキシ桂皮酸イソプロピル、パラメトキシ桂皮酸オクチル、パラメトキシ桂皮酸2−エトキシエチル、パラメトキシ桂皮酸2−エチルヘキシル、パラメトキシ桂皮酸カリウム、パラメトキシ桂皮酸モノ−2−エチルヘキサン酸グリセリル、ジパラメトキシ桂皮酸グリセリルオクチル、トリメトキシ桂皮酸メチルビス(トリメチルシロキシ)シリルイソペンチル、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸、ジヒドロキシジメトキシベンゾフェノン、ジヒドロキシジメトキシベンゾフェノン−スルホン酸ナトリウム、パラアミノ安息香酸、パラアミノ安息香酸エチル、パラアミノ安息香酸グリセリル、サリチル酸オクチル、サリチル酸フェニル、サリチル酸エチレングリコール、サリチル酸ミリスチル、サリチル酸メチル、ウロカニン酸、ウロカニン酸エチル、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、アントラニル酸メチル等が挙げられる。
金属イオン封鎖剤としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸、アラニン、エデト酸ナトリウム、リン酸、クエン酸、アスコルビン酸、コハク酸、グルコン酸等が挙げられる。
他の抗菌剤としては、例えば、パラオキシ安息香酸アルキルエステル、安息香酸、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、フェノキシエタノール等が挙げられる。
タンパク加水分解物としては、例えば、乳タンパク、絹タンパク、小麦タンパク、米タンパク、エンドウタンパク、コラーゲン、ケラチン、大豆、ゴマ、コンキオリン、海洋コラーゲン等のタンパク加水分解物ならびにその誘導体等が挙げられる。
アミノ酸又はそれらの誘導体としては、例えば、グリシン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、トレオニン、フェニルアラニン、アルギニン、リジン、アスパラギン、アスパラギン酸、グルタミン、グルタミン酸、シスチン、システイン、メチオニン、トリプトファン、プロリン、ヒスチジン等のアミノ酸とその誘導体が挙げられる。
pH調整剤としては、例えば、乳酸、クエン酸、グリコール酸、コハク酸、酒石酸、リンゴ酸、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンモニウム等が挙げられる。
増粘剤としては、例えば、アラビアガム、トラガカントガム、キャブロガム、グアーガム、ペクチン、寒天、クインスシード、デンプン、アルゲコロイド、キサンタンガム、デキストラン、サクシノグルカン、コラーゲン、ゼラチン、カゼイン、アルブミン、カルボキシメチルデンプン、メチルセルロース、エチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ニトロセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、アルギニン酸ナトリウム、ポリビニルメチルエーテル、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチレンアクリレート、ポリアクリルアミド、カチオンポリマー等が挙げられる。
色素としては、タール色素、天然色素、無機顔料、高分子粉体等が挙げられる。香料としては、天然香料、合成香料、調合香料等が挙げられる。
本発明の化粧料の剤系は任意であり、溶液系、可溶化系、乳化系、ゲル系、粉末分散系、水−油二層系等いずれも可能であり、目的とする製品に応じて前記一般式(I)及び(II)で表されるグリセリルアスコルビン酸誘導体又はその塩と上記任意配合成分とを配合して製造することができる。
本発明を実施するための具体的な形態を実施例によって説明するが、本発明の範囲は以下の実施例によって限定されるものではない。なお、実施例に先立って、グリセリルアスコルビン酸誘導体の製造例を示す。
製造例1 3−O−グリセリルアスコルビン酸の合成
アルゴン雰囲気下、水に、L−アスコルビン酸(300g)、炭酸水素ナトリウム(42.9g)を加え、室温で30分攪拌した後、グリシドール(126g)を加えた。その後、加温して50℃とし5時間攪拌を行った。メタノールを加えろ過し、ろ液を減圧下に濃縮し、得られた残渣457gを、シリカゲルカラムクロマトグラフィーに付した。クロロホルム/メタノール/水=65/35/5で溶出し、減圧下にて濃縮を行い、化3で示される3−O−グリセリルアスコルビン酸(296g)を得た。
アルゴン雰囲気下、水に、L−アスコルビン酸(300g)、炭酸水素ナトリウム(42.9g)を加え、室温で30分攪拌した後、グリシドール(126g)を加えた。その後、加温して50℃とし5時間攪拌を行った。メタノールを加えろ過し、ろ液を減圧下に濃縮し、得られた残渣457gを、シリカゲルカラムクロマトグラフィーに付した。クロロホルム/メタノール/水=65/35/5で溶出し、減圧下にて濃縮を行い、化3で示される3−O−グリセリルアスコルビン酸(296g)を得た。
得られた生成物について、1H−NMR、13C−NMR測定を行い、この測定結果より、この生成物は、下記構造式で表される3−O−グリセリルアスコルビン酸であることが確認された。
なお、以下に示す製造例でも、得られた生成物について、1H−NMR、及び/又は13C−NMR測定を行い、その測定結果を示す。
なお、この式においては、炭素原子、及び該炭素原子に結合する水素原子は省略されている。例えば、この式における1〜4の位置は炭素であり、6、7、9の位置はCH2基(メチレン)であり、5、8の位置はCH基である。以下の式においても同様である。
NMR(核磁気共鳴分光法)による分析結果は以下のとおりであった。
1H−NMR(600MHz,CD3OD):
δ ppm 3.59(2H,m),3.66(2H,m),3.89(1H,m),3.92(1H,m),4.45/4.49(1H,dd),4.59/4.62(1H,dd),4.82(1H,d)
13C−NMR (150MHz, CD3OD):
δ ppm 63.4,63.7,70.56,70.61,71.79,71.89,73.4,73.6,76.9,121.17,121.24,151.84,151.88,173.04,173.07
1H−NMR(600MHz,CD3OD):
δ ppm 3.59(2H,m),3.66(2H,m),3.89(1H,m),3.92(1H,m),4.45/4.49(1H,dd),4.59/4.62(1H,dd),4.82(1H,d)
13C−NMR (150MHz, CD3OD):
δ ppm 63.4,63.7,70.56,70.61,71.79,71.89,73.4,73.6,76.9,121.17,121.24,151.84,151.88,173.04,173.07
製造例2 2−O−グリセリルアスコルビン酸の合成
アルゴン雰囲気下、水に、L−アスコルビン酸(10.0g)、炭酸水素ナトリウム(9.54g)を加え、室温で30分攪拌し、グリシドール(8.41g)を加えた。加温して60℃として5時間攪拌を行った。メタノールを加えろ過し、ろ液を減圧下に濃縮し、得られた残渣19.0gを、シリカゲルカラムクロマトグラフィーに付した。クロロホルム/メタノール/水=6/4/1で溶出し、減圧下にて濃縮を行い、化4で示される2−O−グリセリルアスコルビン酸(1.21g)を得た。1H−NMRと13C−NMRにより同定を行った。
アルゴン雰囲気下、水に、L−アスコルビン酸(10.0g)、炭酸水素ナトリウム(9.54g)を加え、室温で30分攪拌し、グリシドール(8.41g)を加えた。加温して60℃として5時間攪拌を行った。メタノールを加えろ過し、ろ液を減圧下に濃縮し、得られた残渣19.0gを、シリカゲルカラムクロマトグラフィーに付した。クロロホルム/メタノール/水=6/4/1で溶出し、減圧下にて濃縮を行い、化4で示される2−O−グリセリルアスコルビン酸(1.21g)を得た。1H−NMRと13C−NMRにより同定を行った。
NMR(核磁気共鳴分光法)による分析結果は以下のとおりであった。
1H−NMR (400MHz, CD3OD): δ ppm 3.61(2H,m),3.67(2H,m),3.90(1H,m),3.92(1H,dt−like),3.92(1H,m),4.07/4.09(1H,dd),4.86(1H,d)
13C−NMR (100MHz, CD3OD): δ ppm 63.3,63.7,70.4,72.0,74.6,76.8,122.2,161.6,172.9
1H−NMR (400MHz, CD3OD): δ ppm 3.61(2H,m),3.67(2H,m),3.90(1H,m),3.92(1H,dt−like),3.92(1H,m),4.07/4.09(1H,dd),4.86(1H,d)
13C−NMR (100MHz, CD3OD): δ ppm 63.3,63.7,70.4,72.0,74.6,76.8,122.2,161.6,172.9
製造例3 2,3−ジ−O−グリセリルアスコルビン酸の合成
アルゴン雰囲気下、水に、L−アスコルビン酸(100g)、炭酸水素ナトリウム(14.4g)を加え、室温で30分攪拌し、グリシドール(42.0g)を加えた。加温して50℃とし5時間攪拌を行った。その後、グリシドール(57.5g)を加え80℃に加温し4時間攪拌を行った後、減圧下に濃縮した。得られた残渣232gをアルミナカラムクロマトグラフィーに付し、クロロホルム/メタノール/水=6/4/1混液にて溶出し、減圧下にて濃縮を行い、化5で示される2,3−ジグリセリルアスコルビン酸(23.0g)を得た。1H−NMRと13C−NMRにより同定を行った。
アルゴン雰囲気下、水に、L−アスコルビン酸(100g)、炭酸水素ナトリウム(14.4g)を加え、室温で30分攪拌し、グリシドール(42.0g)を加えた。加温して50℃とし5時間攪拌を行った。その後、グリシドール(57.5g)を加え80℃に加温し4時間攪拌を行った後、減圧下に濃縮した。得られた残渣232gをアルミナカラムクロマトグラフィーに付し、クロロホルム/メタノール/水=6/4/1混液にて溶出し、減圧下にて濃縮を行い、化5で示される2,3−ジグリセリルアスコルビン酸(23.0g)を得た。1H−NMRと13C−NMRにより同定を行った。
NMR(核磁気共鳴分光法)による分析結果は以下のとおりであった。
1H−NMR (400MHz,CD3OD):
δ ppm 3.58(2H,m),3.61(2H,m),3.65(2H,m),3.88(1H,m),3.91(1H,m),3.93(1H,m),3.99(1H,m),4.16(1H,m),4.53(1H,m),4.65(1H,dd),4.88(1H,m)
13C−NMR (100MHz, CD3OD):
δ ppm 63.22,63.60,63.63,63.95,63.98,64.44,70.57,70.60,71.68,71.94,71.98,73.87,74.27,74.33,75.06,76.83,123.02,159.48,172.29
1H−NMR (400MHz,CD3OD):
δ ppm 3.58(2H,m),3.61(2H,m),3.65(2H,m),3.88(1H,m),3.91(1H,m),3.93(1H,m),3.99(1H,m),4.16(1H,m),4.53(1H,m),4.65(1H,dd),4.88(1H,m)
13C−NMR (100MHz, CD3OD):
δ ppm 63.22,63.60,63.63,63.95,63.98,64.44,70.57,70.60,71.68,71.94,71.98,73.87,74.27,74.33,75.06,76.83,123.02,159.48,172.29
製造例4 3−O−ブチルグリセリルアスコルビン酸の合成
アルゴン雰囲気下、水に、L−アスコルビン酸(100g)、炭酸水素ナトリウム(14.3g)、を加え、室温で30分攪拌し、ブチルグリシジルエーテル(73.8g)を加えた。80℃に加温し12時間攪拌を行った。その後、n−ブタノールで抽出した。抽出液を、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下に濃縮した。得られた残渣96.8gをシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付した。クロロホルム/メタノール/水=20/3/0.3混液にて溶出し、減圧下にて濃縮を行い、化6で示される3−O−ブチルグリセリルアスコルビン酸(74.2g)を得た。1H−NMRと13C−NMRにより同定を行った。
アルゴン雰囲気下、水に、L−アスコルビン酸(100g)、炭酸水素ナトリウム(14.3g)、を加え、室温で30分攪拌し、ブチルグリシジルエーテル(73.8g)を加えた。80℃に加温し12時間攪拌を行った。その後、n−ブタノールで抽出した。抽出液を、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下に濃縮した。得られた残渣96.8gをシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付した。クロロホルム/メタノール/水=20/3/0.3混液にて溶出し、減圧下にて濃縮を行い、化6で示される3−O−ブチルグリセリルアスコルビン酸(74.2g)を得た。1H−NMRと13C−NMRにより同定を行った。
NMR(核磁気共鳴分光法)による分析結果は以下のとおりであった。
1H−NMR(500MHz,CD3OD):
δ ppm 0.93(3H,m), 1.38(2H,m),1.56(2H,m),3.49(2H,m),3.50(2H,m),3.66(2H,m),3.88(1H,m),4.03(1H,m),4.44(1H,dd),4.46(1H,dd),4.59(1H,dd),4.62(1H,dd),4.81(1H,d)
13C−NMR(125MHz,CD3OD):
δ ppm 14.2,20.3,32.8,63.36,63.39,70.2,70.4,70.56,70.61,72.4,72.5,72.6,73.8,73.9,76.8,121.1,121.2,151.7,151.8,172.9,173.0
1H−NMR(500MHz,CD3OD):
δ ppm 0.93(3H,m), 1.38(2H,m),1.56(2H,m),3.49(2H,m),3.50(2H,m),3.66(2H,m),3.88(1H,m),4.03(1H,m),4.44(1H,dd),4.46(1H,dd),4.59(1H,dd),4.62(1H,dd),4.81(1H,d)
13C−NMR(125MHz,CD3OD):
δ ppm 14.2,20.3,32.8,63.36,63.39,70.2,70.4,70.56,70.61,72.4,72.5,72.6,73.8,73.9,76.8,121.1,121.2,151.7,151.8,172.9,173.0
製造例5 3−O−(2−ヒドロキシヘキシル)アスコルビン酸の合成
アルゴン雰囲気下、L-アスコルビン酸(5.00g)にDMF30mlを加え、さらに1,2−エポキシへキサン(3.45g)を加えた。80℃に加温し24時間攪拌した後、酢酸エチルで抽出した。抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下に濃縮した。得られた残渣7.56gをシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、クロロホルム/メタノール/水=20/3/0.3混液にて溶出し、減圧下にて濃縮を行い、化7で示される3−O−(2−ヒドロキシヘキシル)アスコルビン酸(1.93g)を得た。1H−NMRと13C−NMRにより同定を行った。
アルゴン雰囲気下、L-アスコルビン酸(5.00g)にDMF30mlを加え、さらに1,2−エポキシへキサン(3.45g)を加えた。80℃に加温し24時間攪拌した後、酢酸エチルで抽出した。抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下に濃縮した。得られた残渣7.56gをシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、クロロホルム/メタノール/水=20/3/0.3混液にて溶出し、減圧下にて濃縮を行い、化7で示される3−O−(2−ヒドロキシヘキシル)アスコルビン酸(1.93g)を得た。1H−NMRと13C−NMRにより同定を行った。
NMR(核磁気共鳴分光法)による分析結果は以下のとおりであった。
1H−NMR(600MHz,CD3OD):
δ ppm 0.93(3H,m), 1.36(2H,m),1.48(4H,m),3.65(2H,m),3.88(1H,m),4.27(1H,dd),4.31(1H,dd),4.51(1H,dd),4.53(1H,dd),4.81(1H,d)
13C−NMR (150MHz,CD3OD):
δ ppm 14.3,23.68,23.70,26.68,28.75,33.70,33.74,63.36,63.40,70.6,70.7,70.9,71.1,76.3,76.4,76.8,120.9,121.0,151.8,151.9,172.96,173.02
1H−NMR(600MHz,CD3OD):
δ ppm 0.93(3H,m), 1.36(2H,m),1.48(4H,m),3.65(2H,m),3.88(1H,m),4.27(1H,dd),4.31(1H,dd),4.51(1H,dd),4.53(1H,dd),4.81(1H,d)
13C−NMR (150MHz,CD3OD):
δ ppm 14.3,23.68,23.70,26.68,28.75,33.70,33.74,63.36,63.40,70.6,70.7,70.9,71.1,76.3,76.4,76.8,120.9,121.0,151.8,151.9,172.96,173.02
製造例6 2−O−ブチルグリセリルアスコルビン酸の合成
アルゴン雰囲気下、水に、L−アスコルビン酸(5.00g)、炭酸ナトリウム(6.02g)を加え室温で30分攪拌を行い、その後ブチルグリシジルエーテル(14.8g)を加え80℃に加温し12時間攪拌した。その後、メタノールを加えろ過し、ろ液を減圧下に濃縮して得られた残渣20.1gをシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付した。クロロホルム/メタノール/水=75/35/5混液にて溶出し、減圧下にて濃縮を行い、化8で示される2−O−ブチルグリセリルアスコルビン酸(1.74g)を得た。1H−NMRと13C−NMRにより同定を行った。
アルゴン雰囲気下、水に、L−アスコルビン酸(5.00g)、炭酸ナトリウム(6.02g)を加え室温で30分攪拌を行い、その後ブチルグリシジルエーテル(14.8g)を加え80℃に加温し12時間攪拌した。その後、メタノールを加えろ過し、ろ液を減圧下に濃縮して得られた残渣20.1gをシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付した。クロロホルム/メタノール/水=75/35/5混液にて溶出し、減圧下にて濃縮を行い、化8で示される2−O−ブチルグリセリルアスコルビン酸(1.74g)を得た。1H−NMRと13C−NMRにより同定を行った。
NMR(核磁気共鳴分光法)による分析結果は以下のとおりであった。
1H−NMR(400MHz,CD3OD):
δ ppm 0.92(3H,t),1.37(2H,m),1.55(2H,m),3.49(4H,m),3.67(2H,brd),3.92(2H,m),3.99(1H,m),4.06/4.07(1H,dd),4.81(1H,brs)
13C−NMR (100MHz,CD3OD):
δ ppm 14.24,20.25,32.77,63.29,70.55,70.61,72.34,72.64,72.66,75.01,75.09,77.10,121.78,121.82,163.76,163.84,173.32,173.34
1H−NMR(400MHz,CD3OD):
δ ppm 0.92(3H,t),1.37(2H,m),1.55(2H,m),3.49(4H,m),3.67(2H,brd),3.92(2H,m),3.99(1H,m),4.06/4.07(1H,dd),4.81(1H,brs)
13C−NMR (100MHz,CD3OD):
δ ppm 14.24,20.25,32.77,63.29,70.55,70.61,72.34,72.64,72.66,75.01,75.09,77.10,121.78,121.82,163.76,163.84,173.32,173.34
製造例7 3−O−グリセリル−2−O−オクチルアスコルビン酸の合成
アルゴン雰囲気下、製造例1で得られた3−O−グリセリルアスコルビン酸(54.1g)をDMSO(200mL)中で攪拌し、さらに炭酸水素ナトリウム(18.5g)を加え室温で30分攪拌を行った。その後臭化オクチル(63.7g)を加え100℃に加温し3時間攪拌した後、酢酸エチルで抽出した。抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下に濃縮をした。得られた残渣131gをシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付した。クロロホルム/メタノール/水=10/3/0.4混液にて溶出し、減圧下にて濃縮を行い、化9で示される3−O−グリセリル−2−O−オクチルアスコルビン酸(48.0g)を得た。1H−NMRと13C−NMRにより同定を行った。
アルゴン雰囲気下、製造例1で得られた3−O−グリセリルアスコルビン酸(54.1g)をDMSO(200mL)中で攪拌し、さらに炭酸水素ナトリウム(18.5g)を加え室温で30分攪拌を行った。その後臭化オクチル(63.7g)を加え100℃に加温し3時間攪拌した後、酢酸エチルで抽出した。抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下に濃縮をした。得られた残渣131gをシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付した。クロロホルム/メタノール/水=10/3/0.4混液にて溶出し、減圧下にて濃縮を行い、化9で示される3−O−グリセリル−2−O−オクチルアスコルビン酸(48.0g)を得た。1H−NMRと13C−NMRにより同定を行った。
NMR(核磁気共鳴分光法)による分析結果は以下のとおりであった。
1H−NMR(600MHz,CD3OD):
δ ppm 0.90(3H,t),1.32(8H,m),1.42(2H,m),1.70(2H,m),3.60(2H,brd),3.65(2H,m),3.89(1H,m),3.91(1H,m),4.02(1H,m),4.47(1H,dd),4.48(1H,dd),4.57(1H,dd),4.59(1H,dd),4.86(1H,d)
13C−NMR(150MHz,CD3OD):
δ ppm 14.4,23.7,26.9,30.37,30.44,30.8,33.0,63.2,63.56,63.59,70.5,70.6,71.5,71.6,74.01,74.04,74.1,76.7,123.27,123.30,159.2,159.3,172.2
1H−NMR(600MHz,CD3OD):
δ ppm 0.90(3H,t),1.32(8H,m),1.42(2H,m),1.70(2H,m),3.60(2H,brd),3.65(2H,m),3.89(1H,m),3.91(1H,m),4.02(1H,m),4.47(1H,dd),4.48(1H,dd),4.57(1H,dd),4.59(1H,dd),4.86(1H,d)
13C−NMR(150MHz,CD3OD):
δ ppm 14.4,23.7,26.9,30.37,30.44,30.8,33.0,63.2,63.56,63.59,70.5,70.6,71.5,71.6,74.01,74.04,74.1,76.7,123.27,123.30,159.2,159.3,172.2
製造例8 3−O−グリセリル−2−O−ベンジルアスコルビン酸の合成
アルゴン雰囲気下、製造例1で得られた3−O−グリセリルアスコルビン酸(2.93g)に、水と炭酸水素ナトリウム(1.42g)を加え室温で30分間攪拌した後、臭化ベンジル(2.61g)を加え50℃に加温し2時間攪拌した。その後、減圧下に濃縮しメタノールに溶解した。得られた溶液を、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下に濃縮し、得られた残渣6.13gをシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付した。クロロホルム/メタノール/水=10/3/0.4混液にて溶出し、減圧下にて濃縮を行い、化10で示される3−O−グリセリル−2−O−ベンジルアスコルビン酸(2.47g)を得た。1H−NMRと13C−NMRにより同定を行った。
アルゴン雰囲気下、製造例1で得られた3−O−グリセリルアスコルビン酸(2.93g)に、水と炭酸水素ナトリウム(1.42g)を加え室温で30分間攪拌した後、臭化ベンジル(2.61g)を加え50℃に加温し2時間攪拌した。その後、減圧下に濃縮しメタノールに溶解した。得られた溶液を、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下に濃縮し、得られた残渣6.13gをシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付した。クロロホルム/メタノール/水=10/3/0.4混液にて溶出し、減圧下にて濃縮を行い、化10で示される3−O−グリセリル−2−O−ベンジルアスコルビン酸(2.47g)を得た。1H−NMRと13C−NMRにより同定を行った。
NMR(核磁気共鳴分光法)による分析結果は以下のとおりであった。
1H−NMR(500MHz,CD3OD):
δ ppm 3.49(2H,m),3.65(2H,m),3.81(1H,m),3.88(1H,m),4.47(1H,dd),4.28(1H,dd),4.36(1H,dd),4.37(1H,dd),4.85(1H,brs),5.05(2H,m),7.35(3H,m),7.43(2H,m)
13C−NMR(175MHz,CD3OD):
δ ppm 63.21,63.51,63.54,70.54,70.57,71.42,71.49,74.12,74.20,75.25,75.28,76.80,76.82,122.27,122.31,129.60,129.95,130.11,137.61,159.90,159.94,172.17
1H−NMR(500MHz,CD3OD):
δ ppm 3.49(2H,m),3.65(2H,m),3.81(1H,m),3.88(1H,m),4.47(1H,dd),4.28(1H,dd),4.36(1H,dd),4.37(1H,dd),4.85(1H,brs),5.05(2H,m),7.35(3H,m),7.43(2H,m)
13C−NMR(175MHz,CD3OD):
δ ppm 63.21,63.51,63.54,70.54,70.57,71.42,71.49,74.12,74.20,75.25,75.28,76.80,76.82,122.27,122.31,129.60,129.95,130.11,137.61,159.90,159.94,172.17
製造例9 3−O−ブチルグリセリル−2−O−アリルアスコルビン酸の合成
アルゴン雰囲気下、製造例4で得られた3−O−ブチルグリセリルアスコルビン酸(3.56g)に、水、炭酸水素ナトリウム(0.98g)を加え室温で30分間攪拌した。その後、臭化アリル(1.68g)を加え、60℃に加温し5時間攪拌した後、酢酸エチルで抽出した。抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下に濃縮をし得られた残渣3.53gをシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付した。クロロホルム/メタノール/水=30/3/0.3混液にて溶出し、減圧下にて濃縮を行い、化11で示される3−O−ブチルグリセリル−2−O−アリルアスコルビン酸(3.00g)を得た。1H−NMRと13C−NMRにより同定を行った。
アルゴン雰囲気下、製造例4で得られた3−O−ブチルグリセリルアスコルビン酸(3.56g)に、水、炭酸水素ナトリウム(0.98g)を加え室温で30分間攪拌した。その後、臭化アリル(1.68g)を加え、60℃に加温し5時間攪拌した後、酢酸エチルで抽出した。抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下に濃縮をし得られた残渣3.53gをシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付した。クロロホルム/メタノール/水=30/3/0.3混液にて溶出し、減圧下にて濃縮を行い、化11で示される3−O−ブチルグリセリル−2−O−アリルアスコルビン酸(3.00g)を得た。1H−NMRと13C−NMRにより同定を行った。
NMR(核磁気共鳴分光法)による分析結果は以下のとおりであった。
1H−NMR(500MHz,CD3OD):
δ ppm 0.93(3H,t),1.39(2H,m),1.55(2H,m),3.48(4H,m),3.65(2H,m),3.89(1H,m),4.01(1H,m),4.457/4.464(1H,dd),4.54(2H,m),4.586/4.594(1H,dd),4.87(1H,1d),5.25(1H,m),5.35(1H,m),6.04(1H,m)
13C−NMR(175MHz,CD3OD):
δ ppm 14.24, 20.33, 32.83, 63.19, 70.00, 70.10, 70.50, 70.54, 72.42, 72.45, 72.50, 74.14, 74.63, 74.63, 76.77, 76.79, 119.25, 122.50, 122.54, 134.52, 159.67, 159.72, 172.08
1H−NMR(500MHz,CD3OD):
δ ppm 0.93(3H,t),1.39(2H,m),1.55(2H,m),3.48(4H,m),3.65(2H,m),3.89(1H,m),4.01(1H,m),4.457/4.464(1H,dd),4.54(2H,m),4.586/4.594(1H,dd),4.87(1H,1d),5.25(1H,m),5.35(1H,m),6.04(1H,m)
13C−NMR(175MHz,CD3OD):
δ ppm 14.24, 20.33, 32.83, 63.19, 70.00, 70.10, 70.50, 70.54, 72.42, 72.45, 72.50, 74.14, 74.63, 74.63, 76.77, 76.79, 119.25, 122.50, 122.54, 134.52, 159.67, 159.72, 172.08
製造例10 3−O−オクチルグリセリル−2−O−ヘキサデシルアスコルビン酸の合成
アルゴン雰囲気下、L−アスコルビン酸(100g)に、炭酸水素ナトリウム(14.3g)及びDMSO200mlを加え、さらにオクチルグリシジルエーテル(127g)を加えた。80℃に加温し24時間攪拌した後、酢酸エチルで抽出した。抽出液を、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下に濃縮して得られた残渣150gをシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付した。その後、クロロホルム/メタノール/水=30/3/0.3混液にて溶出し、減圧下にて濃縮を行い、3−O−オクチルグリセリルアスコルビン酸(36g)を得た。得られた3−O−オクチルグリセリルアスコルビン酸(5.17g)をアルゴン雰囲気下、DMSO(10mL)中で攪拌し、炭酸水素ナトリウム(1.20g)、臭化ヘキサデシル(5.22g)を加え、100℃に加温し3時間攪拌した。その後、酢酸エチルで抽出した。抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下に濃縮して得られた残渣9.06gをシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、クロロホルム/メタノール/水=50/3/0.3混液にて溶出し、減圧下にて濃縮を行い、化12で示される3−O−オクチルグリセリル−2−O−ヘキサデシルアスコルビン酸(3.41g)を得た。1H−NMRと13C−NMRにより同定を行った。
アルゴン雰囲気下、L−アスコルビン酸(100g)に、炭酸水素ナトリウム(14.3g)及びDMSO200mlを加え、さらにオクチルグリシジルエーテル(127g)を加えた。80℃に加温し24時間攪拌した後、酢酸エチルで抽出した。抽出液を、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下に濃縮して得られた残渣150gをシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付した。その後、クロロホルム/メタノール/水=30/3/0.3混液にて溶出し、減圧下にて濃縮を行い、3−O−オクチルグリセリルアスコルビン酸(36g)を得た。得られた3−O−オクチルグリセリルアスコルビン酸(5.17g)をアルゴン雰囲気下、DMSO(10mL)中で攪拌し、炭酸水素ナトリウム(1.20g)、臭化ヘキサデシル(5.22g)を加え、100℃に加温し3時間攪拌した。その後、酢酸エチルで抽出した。抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下に濃縮して得られた残渣9.06gをシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、クロロホルム/メタノール/水=50/3/0.3混液にて溶出し、減圧下にて濃縮を行い、化12で示される3−O−オクチルグリセリル−2−O−ヘキサデシルアスコルビン酸(3.41g)を得た。1H−NMRと13C−NMRにより同定を行った。
NMR(核磁気共鳴分光法)による分析結果は以下のとおりであった。
1H−NMR(600MHz,d6−DMSO):
δ ppm 0.90(6H,m),1.24(34H,brs),1.34(2H,m),1.48(2H,m),1.60(2H,m),3.38(4H,m),3.46(2H,m),3.72(1H,m),3.87(1H,m),3.94(2H,m),4.25(1H,dd),4.31(1H,dd),4.42(1H,dd),4.45(1H,dd),4.82(1H,d)
13C−NMR(150MHz,d6−DMSO,40℃):
δ ppm 13.95,22.13,25.40,25.42,25.63,25.71,28.74,28.78,28.87,28.97,29.09,29.20,29.28,29.30,31.34,61.72,68.04,68.09,68.81,70.88,71.48,71.52,72.14,73.24,73.43,74.55,121.29,157.71,157.85,169.42
1H−NMR(600MHz,d6−DMSO):
δ ppm 0.90(6H,m),1.24(34H,brs),1.34(2H,m),1.48(2H,m),1.60(2H,m),3.38(4H,m),3.46(2H,m),3.72(1H,m),3.87(1H,m),3.94(2H,m),4.25(1H,dd),4.31(1H,dd),4.42(1H,dd),4.45(1H,dd),4.82(1H,d)
13C−NMR(150MHz,d6−DMSO,40℃):
δ ppm 13.95,22.13,25.40,25.42,25.63,25.71,28.74,28.78,28.87,28.97,29.09,29.20,29.28,29.30,31.34,61.72,68.04,68.09,68.81,70.88,71.48,71.52,72.14,73.24,73.43,74.55,121.29,157.71,157.85,169.42
製造例11 2−O−グリセリル−6−O−ブタノイルアスコルビン酸の合成
アルゴン雰囲気下、2−O−グリセリルアスコルビン酸(50mg)にピリジン5mLを加え、n−ブタン酸無水物(57mg)を加え、60℃で3時間攪拌を行った。その後、酢酸エチルを加え水により抽出を行った。抽出液を減圧下にて濃縮し、得られた残渣98mgをシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付した。クロロホルム/メタノール/水=7/3/0.3混液にて溶出し精製を行い、減圧下にて濃縮を行い、化13で示される2−O−グリセリル−6−O−ブタノイルアスコルビン酸(43mg)を得た。1H−NMRと13C−NMRにより同定を行った。
アルゴン雰囲気下、2−O−グリセリルアスコルビン酸(50mg)にピリジン5mLを加え、n−ブタン酸無水物(57mg)を加え、60℃で3時間攪拌を行った。その後、酢酸エチルを加え水により抽出を行った。抽出液を減圧下にて濃縮し、得られた残渣98mgをシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付した。クロロホルム/メタノール/水=7/3/0.3混液にて溶出し精製を行い、減圧下にて濃縮を行い、化13で示される2−O−グリセリル−6−O−ブタノイルアスコルビン酸(43mg)を得た。1H−NMRと13C−NMRにより同定を行った。
NMR(核磁気共鳴分光法)による分析結果は以下のとおりであった。
1H−NMR(400MHz,CD3OD):
δ ppm 0.95(3H,t),1.60(2H,m),2.34(2H,m),3.60(2H,t),3.90(2H,m),4.13(3H,m),4.79(1H,d)
13C−NMR (150MHz, CD3OD):
δ ppm 13.9,19.3,36.7,63.7,65.6,67.9,72.0,74.65,74.70,77.19,122.29,122.32,161.50,161.54,172.6,174.9
1H−NMR(400MHz,CD3OD):
δ ppm 0.95(3H,t),1.60(2H,m),2.34(2H,m),3.60(2H,t),3.90(2H,m),4.13(3H,m),4.79(1H,d)
13C−NMR (150MHz, CD3OD):
δ ppm 13.9,19.3,36.7,63.7,65.6,67.9,72.0,74.65,74.70,77.19,122.29,122.32,161.50,161.54,172.6,174.9
製造例12 2−O−グリセリル−6−O−オクタノイルアスコルビン酸の合成
アルゴン雰囲気下、2−O−グリセリルアスコルビン酸(50mg)にピリジン5mLを加え、n−オクタン酸無水物(97mg)を加え、60℃で3時間攪拌を行った。その後、酢酸エチルを加え水により抽出を行った。抽出液を減圧下にて濃縮し、得られた残渣134mgをシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付した。クロロホルム/メタノール/水=7/3/0.3混液にて溶出し精製し、減圧下にて濃縮を行い、化14で示される2−O−グリセリル−6−O−オクタノイルアスコルビン酸(67.0mg)を得た。1H−NMRと13C−NMRにより同定を行った。
アルゴン雰囲気下、2−O−グリセリルアスコルビン酸(50mg)にピリジン5mLを加え、n−オクタン酸無水物(97mg)を加え、60℃で3時間攪拌を行った。その後、酢酸エチルを加え水により抽出を行った。抽出液を減圧下にて濃縮し、得られた残渣134mgをシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付した。クロロホルム/メタノール/水=7/3/0.3混液にて溶出し精製し、減圧下にて濃縮を行い、化14で示される2−O−グリセリル−6−O−オクタノイルアスコルビン酸(67.0mg)を得た。1H−NMRと13C−NMRにより同定を行った。
NMR(核磁気共鳴分光法)による分析結果は以下のとおりであった。
1H−NMR(400MHz,CD3OD):
δ ppm 0.89(3H,t),1.31(8H,m),1.60(2H,m),2.36(2H,m),3.60(2H,t),3.87(1H,m),3.94(1H,m),4.09(2H,m),4.17(1H,m),4.27(1H,m),4.79(1H,d)
13C−NMR (100MHz, CD3OD):
δ ppm 14.4,23.6,25.9,30.0,30.1,,32.8,34.8,63.8,65.6,67.9,72.1,74.70,74.70,74.74,77.2,122.4,161.3,172.6,175.4
1H−NMR(400MHz,CD3OD):
δ ppm 0.89(3H,t),1.31(8H,m),1.60(2H,m),2.36(2H,m),3.60(2H,t),3.87(1H,m),3.94(1H,m),4.09(2H,m),4.17(1H,m),4.27(1H,m),4.79(1H,d)
13C−NMR (100MHz, CD3OD):
δ ppm 14.4,23.6,25.9,30.0,30.1,,32.8,34.8,63.8,65.6,67.9,72.1,74.70,74.70,74.74,77.2,122.4,161.3,172.6,175.4
製造例13 2−O−グリセリル−6−O−ヘキサデカノイルアスコルビン酸の合成
アルゴン雰囲気下、2−O−グリセリルアスコルビン酸(50mg)にピリジン5mLを加え、n−ヘキサデカン酸無水物(176mg)を加え、60℃で3時間攪拌を行った。その後、水を加え酢酸エチルにより抽出を行った。抽出液を減圧下にて濃縮し、得られた残渣134mgをシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付した。クロロホルム/メタノール/水=7/3/0.3混液にて溶出し精製し、減圧下にて濃縮を行い、化15で示される2−O−グリセリル−6−O−ヘキサデカノイルアスコルビン酸(65mg)を得た。1H−NMRと13C−NMRにより同定を行った。
アルゴン雰囲気下、2−O−グリセリルアスコルビン酸(50mg)にピリジン5mLを加え、n−ヘキサデカン酸無水物(176mg)を加え、60℃で3時間攪拌を行った。その後、水を加え酢酸エチルにより抽出を行った。抽出液を減圧下にて濃縮し、得られた残渣134mgをシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付した。クロロホルム/メタノール/水=7/3/0.3混液にて溶出し精製し、減圧下にて濃縮を行い、化15で示される2−O−グリセリル−6−O−ヘキサデカノイルアスコルビン酸(65mg)を得た。1H−NMRと13C−NMRにより同定を行った。
NMR(核磁気共鳴分光法)による分析結果は以下のとおりであった。
1H−NMR(400MHz,CD3OD):
δ ppm 0.95(3H,t),1.60(2H,m),2.34(2H,m),3.60(2H,t),3.90(2H,m),4.13(3H,m),4.79(1H,d)
13C−NMR (150MHz, CD3OD):
δ ppm 14.4,23.7,26.0,30.2,30.4,30.5,30.7,33.0,35.0,63.7,65.6,67.8,71.9,74.7,74.8,77.3,122.3,161.6,172.9,175.1
1H−NMR(400MHz,CD3OD):
δ ppm 0.95(3H,t),1.60(2H,m),2.34(2H,m),3.60(2H,t),3.90(2H,m),4.13(3H,m),4.79(1H,d)
13C−NMR (150MHz, CD3OD):
δ ppm 14.4,23.7,26.0,30.2,30.4,30.5,30.7,33.0,35.0,63.7,65.6,67.8,71.9,74.7,74.8,77.3,122.3,161.6,172.9,175.1
製造例14 2−O−(3’−O−オクタノイルグリセリル)−6−O−オクタノイルアスコルビン酸の合成
アルゴン雰囲気下、2−O−グリセリルアスコルビン酸(50mg)にピリジン5mLを加え、n−オクタン酸無水物(194mg)を加え、60℃で3時間攪拌を行った。その後、水を加え酢酸エチルにより抽出を行った。抽出液を減圧下にて濃縮し、得られた残渣232mgをシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付した。クロロホルム/メタノール/水=7/3/0.3混液にて溶出し精製し、減圧下にて濃縮を行い、化16で示される2−O−(3’−オクタノイルグリセリル)−6−O−オクタノイルアスコルビン酸(83.0mg)を得た。1H−NMRと13C−NMRにより同定を行った。
アルゴン雰囲気下、2−O−グリセリルアスコルビン酸(50mg)にピリジン5mLを加え、n−オクタン酸無水物(194mg)を加え、60℃で3時間攪拌を行った。その後、水を加え酢酸エチルにより抽出を行った。抽出液を減圧下にて濃縮し、得られた残渣232mgをシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付した。クロロホルム/メタノール/水=7/3/0.3混液にて溶出し精製し、減圧下にて濃縮を行い、化16で示される2−O−(3’−オクタノイルグリセリル)−6−O−オクタノイルアスコルビン酸(83.0mg)を得た。1H−NMRと13C−NMRにより同定を行った。
NMR(核磁気共鳴分光法)による分析結果は以下のとおりであった。
1H−NMR(400MHz,CD3OD):
δ ppm 0.89(6H,t),1.30(16H,brs),1.59(4H,m),(2H,m),2.30(4H,m),3.98(1H,m),4.06(2H,m),4.15(3H,m),4.26(1H,m),4.76(1H,d)
13C−NMR (100MHz, CD3OD):
δ ppm 14.4,23.5,26.0,30.0,30.1,,32.7,34.9,65.4,65.8,67.9,69.3,74.0,77.1,122.0,161.5,172.3,174.8
1H−NMR(400MHz,CD3OD):
δ ppm 0.89(6H,t),1.30(16H,brs),1.59(4H,m),(2H,m),2.30(4H,m),3.98(1H,m),4.06(2H,m),4.15(3H,m),4.26(1H,m),4.76(1H,d)
13C−NMR (100MHz, CD3OD):
δ ppm 14.4,23.5,26.0,30.0,30.1,,32.7,34.9,65.4,65.8,67.9,69.3,74.0,77.1,122.0,161.5,172.3,174.8
製造例15 2−O−グリセリル−6−O−ドデカノイルアスコルビン酸の合成
アルゴン雰囲気下、2−O−グリセリルアスコルビン酸(50mg)にピリジン5mLを加え、n−ドデカン酸無水物(138mg)を加え、60℃で3時間攪拌を行った。その後、酢酸エチルを加え水により抽出を行った。抽出液を減圧下にて濃縮し、得られた残渣134mgをシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付した。クロロホルム/メタノール/水=7/3/0.3混液にて溶出し精製し、減圧下にて濃縮を行い、化17で示される2−O−グリセリル−6−O−ドデカノイルアスコルビン酸(73mg)を得た。得られたこの生成物を、下記のMASS分析条件1により質量分析〔ESI、FID(試料直接導入)〕を行ったところ、ESIマススペクトルより下記に示すピークが得られ、下記化合物18で示される、2−O−グリセリル−6−O−ドデカノイルアスコルビン酸であることが確認された。
アルゴン雰囲気下、2−O−グリセリルアスコルビン酸(50mg)にピリジン5mLを加え、n−ドデカン酸無水物(138mg)を加え、60℃で3時間攪拌を行った。その後、酢酸エチルを加え水により抽出を行った。抽出液を減圧下にて濃縮し、得られた残渣134mgをシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付した。クロロホルム/メタノール/水=7/3/0.3混液にて溶出し精製し、減圧下にて濃縮を行い、化17で示される2−O−グリセリル−6−O−ドデカノイルアスコルビン酸(73mg)を得た。得られたこの生成物を、下記のMASS分析条件1により質量分析〔ESI、FID(試料直接導入)〕を行ったところ、ESIマススペクトルより下記に示すピークが得られ、下記化合物18で示される、2−O−グリセリル−6−O−ドデカノイルアスコルビン酸であることが確認された。
[MASS分析条件1]
移動相 :0.1%ギ酸水溶液/アセトニトリル=10/90
流量 :0.2mL/min
検出器電圧 :1.15kV
インターフェイス電圧 :4.5kV
ヒートブロック温度 :200℃
インターフェイス温度 :300℃
ネプライザガス :1.5L/min
ドライングガス :15L/min
イオン化モード :ESI−ポジティブ又はネガティブ
測定モード :スキャンモード
移動相 :0.1%ギ酸水溶液/アセトニトリル=10/90
流量 :0.2mL/min
検出器電圧 :1.15kV
インターフェイス電圧 :4.5kV
ヒートブロック温度 :200℃
インターフェイス温度 :300℃
ネプライザガス :1.5L/min
ドライングガス :15L/min
イオン化モード :ESI−ポジティブ又はネガティブ
測定モード :スキャンモード
[ESIマススペクトル測定結果:検出されたピーク]
ポジティブイオン:433([M+H]+に相当),455([M+Na]+に相当)
ネガティブイオン:432([M−H]−に相当)
ポジティブイオン:433([M+H]+に相当),455([M+Na]+に相当)
ネガティブイオン:432([M−H]−に相当)
製造例16 2−O−グリセリル−6−O−(2−エチルヘキサノイル)アスコルビン酸の合成
アルゴン雰囲気下、2−O−グリセリルアスコルビン酸(50mg)にピリジン5mLを加え、2−エチルへキサン酸無水物(118mg)を加え、60℃で3時間攪拌を行った。その後、酢酸エチルを加え水により抽出を行った。抽出液を減圧下にて濃縮し、得られた残渣134mgをシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付した。クロロホルム/メタノール/水=7/3/0.3混液にて溶出し精製し、減圧下にて濃縮を行い、生成物(55mg)を得た。下記のMASS分析条件1により質量分析〔ESI、FID(試料直接導入)〕を行ったところ、ESIマススペクトルより下記に示すピークが得られ、下記化合物18で示される、2−O−グリセリル−6−O−(2−エチルヘキサノイル)アスコルビン酸であることが確認された。
アルゴン雰囲気下、2−O−グリセリルアスコルビン酸(50mg)にピリジン5mLを加え、2−エチルへキサン酸無水物(118mg)を加え、60℃で3時間攪拌を行った。その後、酢酸エチルを加え水により抽出を行った。抽出液を減圧下にて濃縮し、得られた残渣134mgをシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付した。クロロホルム/メタノール/水=7/3/0.3混液にて溶出し精製し、減圧下にて濃縮を行い、生成物(55mg)を得た。下記のMASS分析条件1により質量分析〔ESI、FID(試料直接導入)〕を行ったところ、ESIマススペクトルより下記に示すピークが得られ、下記化合物18で示される、2−O−グリセリル−6−O−(2−エチルヘキサノイル)アスコルビン酸であることが確認された。
[ESIマススペクトル測定結果:検出されたピーク]
ポジティブイオン:377([M+H]+),399([M+Na]+)
ネガティブイオン:375([M−H]−に相当)
ポジティブイオン:377([M+H]+),399([M+Na]+)
ネガティブイオン:375([M−H]−に相当)
製造例17 2−O−グリセリル−6−O−テトラデカノイルアスコルビン酸の合成
2−O−グリセリルアスコルビン酸(1.00g)にDMSO10mLを加え、トリエチルアミン(0.85g)、テトラデカン酸クロリド(1.48g)を加え、50℃で1時間攪拌を行った。その後、水を加え酢酸エチルにより抽出を行った。抽出液を減圧下にて濃縮し、得られた残渣2.20gをシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付した。クロロホルム/メタノール/水=20/3/0.3〜6/4/1混液にて溶出し精製し、減圧下にて濃縮を行い、生成物(0.35g)を得た。上記のMASS分析条件1により質量分析〔ESI、FID(試料直接導入)〕を行ったところ、ESIマススペクトルより下記に示すピークが得られ、化19で示される2−O−グリセリル−6−O−(テトラデカノイルアスコルビン酸であることが確認された。
2−O−グリセリルアスコルビン酸(1.00g)にDMSO10mLを加え、トリエチルアミン(0.85g)、テトラデカン酸クロリド(1.48g)を加え、50℃で1時間攪拌を行った。その後、水を加え酢酸エチルにより抽出を行った。抽出液を減圧下にて濃縮し、得られた残渣2.20gをシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付した。クロロホルム/メタノール/水=20/3/0.3〜6/4/1混液にて溶出し精製し、減圧下にて濃縮を行い、生成物(0.35g)を得た。上記のMASS分析条件1により質量分析〔ESI、FID(試料直接導入)〕を行ったところ、ESIマススペクトルより下記に示すピークが得られ、化19で示される2−O−グリセリル−6−O−(テトラデカノイルアスコルビン酸であることが確認された。
[ESIマススペクトル測定結果:検出されたピーク]
ポジティブイオン:461([M+H]+),483([M+Na]+)
ネガティブイオン:459([M−H]−)
ポジティブイオン:461([M+H]+),483([M+Na]+)
ネガティブイオン:459([M−H]−)
製造例18 2−O−グリセリル−6−O−イソステアリルアスコルビン酸の合成
テトラデカン酸クロリド(1.48g)の代わりにイソステアリン酸クロリド(0.97g)を用い、トリエチルアミン(0.85g)の代わりにトリエタノールアミン(0.95g)を用いた以外は製造例17と同条件で反応を行い、0.28gの生成物を得た。
テトラデカン酸クロリド(1.48g)の代わりにイソステアリン酸クロリド(0.97g)を用い、トリエチルアミン(0.85g)の代わりにトリエタノールアミン(0.95g)を用いた以外は製造例17と同条件で反応を行い、0.28gの生成物を得た。
製造例19 2−O−グリセリル−6−O−オクタデカノイルアスコルビン酸の合成
DMSO10mLの代わりにDMF10mLを用い、テトラデカン酸クロリド(1.48g)の代わりにオクタデカン酸クロリド(1.94g)を用い、トリエチルアミン(0.85g)の代わりにトリエチルアミン(0.40g)と炭酸水素ナトリウム(0.21g)を用い、50℃を80℃にした以外は製造例17と同条件で反応を行い、0.36gの生成物を得た。
DMSO10mLの代わりにDMF10mLを用い、テトラデカン酸クロリド(1.48g)の代わりにオクタデカン酸クロリド(1.94g)を用い、トリエチルアミン(0.85g)の代わりにトリエチルアミン(0.40g)と炭酸水素ナトリウム(0.21g)を用い、50℃を80℃にした以外は製造例17と同条件で反応を行い、0.36gの生成物を得た。
製造例20 2−O−グリセリル−6−O−オレオイルアスコルビン酸の合成
DMSO10mLとトリエチルアミン(0.85g)の代わりに濃硫酸(20mL)を用い、テトラデカン酸クロリド(1.48g)の代わりにオレイン酸(2.03g)を用い、50℃1時間を室温24時間にし、酢酸エチル抽出後飽和重曹水で洗浄した以外は製造例17と同条件で反応を行い、0.15gの生成物を得た。
DMSO10mLとトリエチルアミン(0.85g)の代わりに濃硫酸(20mL)を用い、テトラデカン酸クロリド(1.48g)の代わりにオレイン酸(2.03g)を用い、50℃1時間を室温24時間にし、酢酸エチル抽出後飽和重曹水で洗浄した以外は製造例17と同条件で反応を行い、0.15gの生成物を得た。
製造例21 2−O−(3’−O−ブタノイルグリセリル)−6−O−ブタノイル−アスコルビン酸の合成
DMSO10mLの代わりにDMF10mLを用い、テトラデカン酸クロリド(1.48g)の代わりにブタン酸アミド(1.74g)を用い、さらに濃硫酸(0.02g)を加えた以外は製造例17と同条件で反応を行い、0.24gの生成物を得た。
DMSO10mLの代わりにDMF10mLを用い、テトラデカン酸クロリド(1.48g)の代わりにブタン酸アミド(1.74g)を用い、さらに濃硫酸(0.02g)を加えた以外は製造例17と同条件で反応を行い、0.24gの生成物を得た。
製造例22 2−O−グリセリル−6−O−ブタノイルアスコルビン酸の合成
テトラデカン酸クロリド(1.48g)の代わりにブタン酸エチル(0.93g)を用い、トリエチルアミン(0.85g)の代わりに硫酸(0.02g)を用い、50℃を80℃にした以外は製造例17と同条件で反応を行い、0.10gの生成物を得た。
テトラデカン酸クロリド(1.48g)の代わりにブタン酸エチル(0.93g)を用い、トリエチルアミン(0.85g)の代わりに硫酸(0.02g)を用い、50℃を80℃にした以外は製造例17と同条件で反応を行い、0.10gの生成物を得た。
製造例23 2−O−(3’−O−ブタノイルグリセリル)−3,6−ジ−O−ブタノイルアスコルビン酸の合成
テトラデカン酸クロリド(1.48g)の代わりにブタン酸クロリド(2.14g)を用い、トリエチルアミン(0.85g)の代わりにトリエチルアミン(0.80g)と炭酸ナトリウム(1.27g)を用いた以外は製造例17と同条件で反応を行い、0.37gの生成物を得た。
テトラデカン酸クロリド(1.48g)の代わりにブタン酸クロリド(2.14g)を用い、トリエチルアミン(0.85g)の代わりにトリエチルアミン(0.80g)と炭酸ナトリウム(1.27g)を用いた以外は製造例17と同条件で反応を行い、0.37gの生成物を得た。
製造例24 2−O−(3’−O−ヘキサデカノイルグリセリル)−3,6−ジ−O−ヘキサデカノイルアスコルビン酸の合成
テトラデカン酸クロリド(1.48g)の代わりにヘキサデカン酸クロリド(5.50g)を用い、トリエチルアミン(0.85g)の代わりにトリエチルアミン(2.83g)を用いた以外は製造例17と同条件で反応を行い、0.50gの生成物を得た。
テトラデカン酸クロリド(1.48g)の代わりにヘキサデカン酸クロリド(5.50g)を用い、トリエチルアミン(0.85g)の代わりにトリエチルアミン(2.83g)を用いた以外は製造例17と同条件で反応を行い、0.50gの生成物を得た。
上記のようにして得られた製造例18〜24の反応生成物のそれぞれについて、実施例7と同じMASS分析条件1により質量分析(ESI、FID)を行った。その測定結果(ESIマススペクトルのピーク)及び得られた生成物の構造を表1および表2に示す。
製造例25 2−O−(3’−O−オクタノイルグリセリル)−6−O−ブタノイルアスコルビン酸の合成
アルゴン雰囲気下、2−O−グリセリルアスコルビン酸(1.00g)にDMF10mLを加え、トリエチルアミン(1.01g)、ブタン酸クロリド(0.34g)を加え、50℃で1時間攪拌を行った。その後、さらにオクタン酸クロリド(0.65g)を加え50℃で1時間攪拌を行った。水を加え酢酸エチルにより抽出を行った。抽出液を減圧下にて濃縮し、得られた残渣2.10gをシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付した。クロロホルム/メタノール/水=20/3/0.3〜6/4/1混液にて溶出し精製し、減圧下にて濃縮を行い、生成物(0.34g)を得た。上記のMASS分析条件1により質量分析〔ESI、FID(試料直接導入)〕を行ったところ、ESIマススペクトルより下記に示すピークが得られ、下記化合物20で示される、2−O−(3’−O−オクタノイルグリセリル)−6−O−ブタノイルアスコルビン酸であることが確認された。
アルゴン雰囲気下、2−O−グリセリルアスコルビン酸(1.00g)にDMF10mLを加え、トリエチルアミン(1.01g)、ブタン酸クロリド(0.34g)を加え、50℃で1時間攪拌を行った。その後、さらにオクタン酸クロリド(0.65g)を加え50℃で1時間攪拌を行った。水を加え酢酸エチルにより抽出を行った。抽出液を減圧下にて濃縮し、得られた残渣2.10gをシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付した。クロロホルム/メタノール/水=20/3/0.3〜6/4/1混液にて溶出し精製し、減圧下にて濃縮を行い、生成物(0.34g)を得た。上記のMASS分析条件1により質量分析〔ESI、FID(試料直接導入)〕を行ったところ、ESIマススペクトルより下記に示すピークが得られ、下記化合物20で示される、2−O−(3’−O−オクタノイルグリセリル)−6−O−ブタノイルアスコルビン酸であることが確認された。
[ESIマススペクトル測定結果:検出されたピーク]
ポジティブイオン:447([M+H]+),469([M+Na]+)
ネガティブイオン:445([M−H]−)
ポジティブイオン:447([M+H]+),469([M+Na]+)
ネガティブイオン:445([M−H]−)
製造例26 2−O−(3’−O−ヘキサデカノイルグリセリル)−6−O−ブタノイルアスコルビン酸の合成
DMF10mLの代わりにTHF10mLを用い、オクタン酸クロリド(0.65g)の代わりにヘキサデカン酸クロリド(1.10g)を用い、トリエチルアミン(1.01g)の代わりにt−ブトキシカリウム(0.45g)を用い、さらにテトラブチルアンモニウムブロミド(0.13g)を加え、50℃1時間を60℃24時間にした以外は製造例25と同条件で反応を行い、0.14gの生成物を得た。
DMF10mLの代わりにTHF10mLを用い、オクタン酸クロリド(0.65g)の代わりにヘキサデカン酸クロリド(1.10g)を用い、トリエチルアミン(1.01g)の代わりにt−ブトキシカリウム(0.45g)を用い、さらにテトラブチルアンモニウムブロミド(0.13g)を加え、50℃1時間を60℃24時間にした以外は製造例25と同条件で反応を行い、0.14gの生成物を得た。
製造例27 2−O−(3’−O−ブタノイルグリセリル)−6−O−ドデカノイルアスコルビン酸の合成
ブタン酸クロリド(0.34g)の代わりにドデカン酸クロリド(0.70g)を用い、オクタン酸クロリド(0.65g)の代わりにブタン酸クロリド(0.42g)用いた以外は製造例25と同条件で反応を行い、0.20gの生成物を得た。
ブタン酸クロリド(0.34g)の代わりにドデカン酸クロリド(0.70g)を用い、オクタン酸クロリド(0.65g)の代わりにブタン酸クロリド(0.42g)用いた以外は製造例25と同条件で反応を行い、0.20gの生成物を得た。
製造例28 2−O−グリセリル−3−O−オクタノイルアスコルビン酸の合成
アルゴン雰囲気下、2−O−グリセリルアスコルビン酸(1.00g)にDMSO10mLを加え、トリエチルアミン(0.12g)、オクタン酸クロリド(0.65g)を加え、25℃で5時間攪拌を行った。その後、水を加え酢酸エチルにより抽出を行い飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水後濾過した。抽出液を減圧下にて濃縮し、得られた残渣1.95gをシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付した。クロロホルム/メタノール/水=20/3/0.3〜6/4/1混液にて溶出し精製し、減圧下にて濃縮を行い、生成物(0.30g)を得た。
アルゴン雰囲気下、2−O−グリセリルアスコルビン酸(1.00g)にDMSO10mLを加え、トリエチルアミン(0.12g)、オクタン酸クロリド(0.65g)を加え、25℃で5時間攪拌を行った。その後、水を加え酢酸エチルにより抽出を行い飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水後濾過した。抽出液を減圧下にて濃縮し、得られた残渣1.95gをシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付した。クロロホルム/メタノール/水=20/3/0.3〜6/4/1混液にて溶出し精製し、減圧下にて濃縮を行い、生成物(0.30g)を得た。
製造例29 2−O−グリセリル−3−O−ドデカノイル−6−O−オクタノイルアスコルビン酸の合成
2−O−グリセリルアスコルビン酸(1.00g)にDMF10mLを加え、トリエチルアミン(0.12g)、ドデカン酸クロリド(0.70g)を加え、50℃で5時間攪拌を行った。その後、さらにトリエチルアミン(0.48g)、オクタン酸無水物(1.30g)を加え、50℃で5時間攪拌を行った。水を加え酢酸エチルにより抽出を行い飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水後濾過した。抽出液を減圧下にて濃縮し、得られた残渣3.25gをシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付した。クロロホルム/メタノール/水=20/3/0.3〜6/4/1混液にて溶出し精製し、減圧下にて濃縮を行い、生成物(0.45g)を得た。
2−O−グリセリルアスコルビン酸(1.00g)にDMF10mLを加え、トリエチルアミン(0.12g)、ドデカン酸クロリド(0.70g)を加え、50℃で5時間攪拌を行った。その後、さらにトリエチルアミン(0.48g)、オクタン酸無水物(1.30g)を加え、50℃で5時間攪拌を行った。水を加え酢酸エチルにより抽出を行い飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水後濾過した。抽出液を減圧下にて濃縮し、得られた残渣3.25gをシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付した。クロロホルム/メタノール/水=20/3/0.3〜6/4/1混液にて溶出し精製し、減圧下にて濃縮を行い、生成物(0.45g)を得た。
製造例30 3−O−グリセリル−6−O−ブタノイルアスコルビン酸の合成
2−O−グリセリルアスコルビン酸(1.00g)の代わりに3−O−グリセリルアスコルビン酸(1.00g)を用い、オクタン酸クロリド(0.65g)の代わりにブタン酸クロリド(0.42g)を用いた以外は製造例17と同条件で反応を行い、0.25gの生成物を得た。
2−O−グリセリルアスコルビン酸(1.00g)の代わりに3−O−グリセリルアスコルビン酸(1.00g)を用い、オクタン酸クロリド(0.65g)の代わりにブタン酸クロリド(0.42g)を用いた以外は製造例17と同条件で反応を行い、0.25gの生成物を得た。
製造例31 3−O−グリセリル−6−O−オクタノイルアスコルビン酸の合成
2−O−グリセリルアスコルビン酸(1.00g)の代わりに3−O−グリセリルアスコルビン酸(1.00g)を用い、DMSO10mLの代わりにDMF10mLを用い、オクタン酸クロリド(0.65g)の代わりにオクタン酸無水物(1.08g)を用いた以外は製造例17と同条件で反応を行い、0.30gの生成物を得た。
2−O−グリセリルアスコルビン酸(1.00g)の代わりに3−O−グリセリルアスコルビン酸(1.00g)を用い、DMSO10mLの代わりにDMF10mLを用い、オクタン酸クロリド(0.65g)の代わりにオクタン酸無水物(1.08g)を用いた以外は製造例17と同条件で反応を行い、0.30gの生成物を得た。
製造例32 3−O−グリセリル−6−O−ヘキサデカノイルアスコルビン酸の合成
2−O−グリセリルアスコルビン酸(1.00g)の代わりに3−O−グリセリルアスコルビン酸(1.00g)を用い、DMSO10mLの代わりにピリジン10mLを用い、オクタン酸クロリド(0.65g)の代わりにヘキサデカン酸無水物(1.78g)を用い、トリエチルアミン(0.85g)を用いなかった以外は製造例17と同条件で反応を行い、0.40gの生成物を得た。
2−O−グリセリルアスコルビン酸(1.00g)の代わりに3−O−グリセリルアスコルビン酸(1.00g)を用い、DMSO10mLの代わりにピリジン10mLを用い、オクタン酸クロリド(0.65g)の代わりにヘキサデカン酸無水物(1.78g)を用い、トリエチルアミン(0.85g)を用いなかった以外は製造例17と同条件で反応を行い、0.40gの生成物を得た。
製造例33 3−O−(3’−O−ドデカノイルグリセリル)−6−O−ブタノイルアスコルビン酸の合成
2−O−グリセリルアスコルビン酸(1.00g)の代わりに3−O−グリセリルアスコルビン酸(1.00g)を用い、オクタン酸クロリド(0.65g)の代わりにドデカン酸クロリド(1.64g)を用いた以外は製造例17と同条件で反応を行い、0.42gの生成物を得た。
2−O−グリセリルアスコルビン酸(1.00g)の代わりに3−O−グリセリルアスコルビン酸(1.00g)を用い、オクタン酸クロリド(0.65g)の代わりにドデカン酸クロリド(1.64g)を用いた以外は製造例17と同条件で反応を行い、0.42gの生成物を得た。
上記のようにして得られた製造例26〜33の反応生成物のそれぞれについて、製造例17と同じMASS分析条件1により質量分析(ESI、FID)を行った。その測定結果(ESIマススペクトルのピーク)及び得られた生成物の構造を表3および表4に示す。
実施例1 抗菌性試験
大腸菌(Escherichia
coli)、緑濃菌(Pseudomonas aeruginosa)、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、及びカンジダ菌(Candida
albicans)の4種の菌(ATCC株)を用いて、下記の手順により本発明のグリセリルアスコルビン酸誘導体について抗菌性試験の評価を行った。比較品として、メチルパラベン、フェノキシエタノール、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸−2−グルコシド、リン酸−L−アスコルビン酸マグネシウムを用いた。
大腸菌(Escherichia
coli)、緑濃菌(Pseudomonas aeruginosa)、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、及びカンジダ菌(Candida
albicans)の4種の菌(ATCC株)を用いて、下記の手順により本発明のグリセリルアスコルビン酸誘導体について抗菌性試験の評価を行った。比較品として、メチルパラベン、フェノキシエタノール、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸−2−グルコシド、リン酸−L−アスコルビン酸マグネシウムを用いた。
(1)ツイン80(モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン)1.0gを加えた試験管に、各種サンプルを所定の濃度になるように秤量し、SCD(ソイビーン・カゼイン・ダイジェスト)寒天培地(和光純薬工業)を添加、ボルテックスでよく撹拌した。その後、サンプルを含有する培地を高圧蒸気滅菌(121℃で15分)で滅菌し、45℃になるまで冷却し、培地を滅菌済みシャーレに静かに流し込み、底部外面に4区分の記しを付けたシャーレ全体に広げ、静置し培地を固化させた。
(2)その後、(1)で作製したサンプルを含む培地に、予め菌数が1.0×104〜5.0×104cfu/mLとなるように調製しておいた各種菌液を、シャーレの1区分に1菌種ずつ、4箇所に各々10μLずつ接種した。(すなわち、1サンプルに4種の菌について3濃度となるので、1サンプルあたり12検体となる。)
(3)30℃の恒温槽で7日間培養を行った。
(4)肉眼により菌の有無の判定を行った。
(2)その後、(1)で作製したサンプルを含む培地に、予め菌数が1.0×104〜5.0×104cfu/mLとなるように調製しておいた各種菌液を、シャーレの1区分に1菌種ずつ、4箇所に各々10μLずつ接種した。(すなわち、1サンプルに4種の菌について3濃度となるので、1サンプルあたり12検体となる。)
(3)30℃の恒温槽で7日間培養を行った。
(4)肉眼により菌の有無の判定を行った。
その結果を、下記基準で分類し表5〜表8に示す。
△:菌が確認された検体数が、10検体以上
○:菌が確認された検体数が、6〜9
◎:菌が確認された検体数が、5以下
△:菌が確認された検体数が、10検体以上
○:菌が確認された検体数が、6〜9
◎:菌が確認された検体数が、5以下
表5〜表8から明らかなように、本発明のグリセリルアスコルビン酸誘導体は、汎用の抗菌剤、公知のアスコルビン酸誘導体と比較して、同等もしくはそれ以上の抗菌作用を有していた。
実施例2 抗アクネ菌性試験
Propionibacterium acnes(JCM6415:ATCC株)をGAMブイヨン培地(日水製薬)に移植し、37℃、嫌気条件下で24時間培養した。その後、GAMブイヨン培地で希釈し、終菌体濃度がOD620=0.1になるように調製し、これを試験菌液とした。グリセリルアスコルビン酸誘導体は、終濃度が所定の濃度になるように秤量し、GAMブイヨン培地に溶解した後、濾過滅菌を行い、これを試料溶液とした。96穴マイクロプレート(住友ベークライト)に試験菌液を30μL、試料溶液を120μL添加した後、直ちに嫌気ジャー(三菱ガス化学)にマイクロプレートとアネロパック・ケンキ(三菱ガス化学)を入れ、37℃、嫌気条件下で48時間培養を行った。その後、マイクロプレートリーダーにより、OD620を測定した。なお、比較品として、メチルパラベン、フェノキシエタノール、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸−2−グルコシド、リン酸−L−アスコルビン酸マグネシウムを用いて同様の試験を行った。
Propionibacterium acnes(JCM6415:ATCC株)をGAMブイヨン培地(日水製薬)に移植し、37℃、嫌気条件下で24時間培養した。その後、GAMブイヨン培地で希釈し、終菌体濃度がOD620=0.1になるように調製し、これを試験菌液とした。グリセリルアスコルビン酸誘導体は、終濃度が所定の濃度になるように秤量し、GAMブイヨン培地に溶解した後、濾過滅菌を行い、これを試料溶液とした。96穴マイクロプレート(住友ベークライト)に試験菌液を30μL、試料溶液を120μL添加した後、直ちに嫌気ジャー(三菱ガス化学)にマイクロプレートとアネロパック・ケンキ(三菱ガス化学)を入れ、37℃、嫌気条件下で48時間培養を行った。その後、マイクロプレートリーダーにより、OD620を測定した。なお、比較品として、メチルパラベン、フェノキシエタノール、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸−2−グルコシド、リン酸−L−アスコルビン酸マグネシウムを用いて同様の試験を行った。
その結果を、下記基準で分類し表9〜表12に示す。
△:OD620=0.6以上
○:OD620=0.3〜0.6
◎:OD620=0.3以下
△:OD620=0.6以上
○:OD620=0.3〜0.6
◎:OD620=0.3以下
表9〜表12から明らかなように、本発明のグリセリルアスコルビン酸誘導体は、汎用の抗菌剤、公知のアスコルビン酸誘導体と比較して、同等もしくはそれ以上の抗アクネ菌作用を有していた。
実施例3 クリームの作製
表13に示す組成の(1)〜(5)の油相部の原料、および(6)〜(10)の水相部の原料をそれぞれ70℃に加温し溶解して、油相および水相をそれぞれ調製した。その後、水相に油相を加え予備乳化を行い、ホモミキサーで均一に乳化した後、よく攪拌しながら室温まで冷却することにより、クリームを調製することができた。このクリームは、グリセリルアスコルビン酸誘導体を含むため、抗菌作用、抗アクネ菌作用に加えて、使用感、保湿作用、美白作用に優れており、皮膚用化粧料として好適に使用できると考えられる。
表13に示す組成の(1)〜(5)の油相部の原料、および(6)〜(10)の水相部の原料をそれぞれ70℃に加温し溶解して、油相および水相をそれぞれ調製した。その後、水相に油相を加え予備乳化を行い、ホモミキサーで均一に乳化した後、よく攪拌しながら室温まで冷却することにより、クリームを調製することができた。このクリームは、グリセリルアスコルビン酸誘導体を含むため、抗菌作用、抗アクネ菌作用に加えて、使用感、保湿作用、美白作用に優れており、皮膚用化粧料として好適に使用できると考えられる。
Claims (7)
- 下記一般式(I)または(II)で表されるグリセリルアスコルビン酸誘導体又はその塩からなる抗菌剤。
- 前記一般式(I)中の、R1およびR2のそれぞれが、水素原子または炭素数6〜16のアルキル基、炭素数6〜16のアルケニル基、ベンジル基およびR3−O−CH2−CH(OH)−CH2−からなる群から選ばれる基で、R3が、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数2〜4のアルケニル基またはフェニル基であり、前記一般式(II)中の、Ra及びRcが、水素原子であり、RbがRe−O−CH2−CH(OH)−CH2−であり、RdがRf−CO−であり、Rfが炭素数5〜17のアルキル基または炭素数6〜16のアルケニル基である、請求項1に記載のグリセリルアスコルビン酸誘導体又はその塩からなる抗菌剤。
- 前記一般式(I)で表されるグリセリルアスコルビン酸誘導体であって、式中の、R1がHO−CH2−CH(OH)−CH2−であり、R2が炭素数6〜12のアルキル基である、請求項2に記載のグリセリルアスコルビン酸誘導体又はその塩からなる抗菌剤。
- 前記一般式(I)で表されるグリセリルアスコルビン酸誘導体であって、式中の、R1が炭素数6〜12のアルキル基であり、R2がHO−CH2−CH(OH)−CH2−である、請求項2に記載のグリセリルアスコルビン酸誘導体又はその塩からなる抗菌剤。
- 前記一般式(II)で表されるグリセリルアスコルビン酸誘導体であって、式中の、Ra及びRdが水素原子又はRf−CO−であり、Rfが炭素数7〜17のアルキル基、
RbがRe−O−CH2−CH(OH)−CH2−、又はRf−CO−で表される基であり〔Reは水素原子またはRf−CO−で表される基(Rfは、水素原子、炭素数7〜17のアルキル基または炭素数7〜17のアルケニル基)を示す〕、Rcが水素原子である、請求項2に記載のグリセリルアスコルビン酸誘導体又はその塩からなる抗菌剤。 - 請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載のアクネ菌生成阻害剤。
- 請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の抗菌剤を配合した化粧料。
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---|---|---|---|---|
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2013
- 2013-06-24 JP JP2013131794A patent/JP2015003894A/ja active Pending
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