JPWO2009019850A1 - アンテナ装置 - Google Patents

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Abstract

人体による利得の変化を小さくすることができるアンテナ装置を提供すること。磁流を放射源とする磁流アンテナ401と、電流を放射源とする電流アンテナ402と、磁流アンテナ401及び電流アンテナ402に対して信号の給電を行う電流磁流配分制御回路403とを備え、磁流アンテナ401から放射される偏波と電流アンテナ402から放射される偏波とが直交するように磁流アンテナ401及び電流アンテナ402を配置し、電流磁流配分制御回路403は、磁流アンテナ401と電流アンテナ402から放射される電波の配分を制御する。

Description

本発明は、ループアンテナ素子を用いたアンテナ装置に関するものである。
近年、情報セキュリティの確保のため、SPC(Secure Private Cosm)に代表される無線による個人認証技術の開発が進められている。使用者が身につける無線通信機能を備えた認証キーと、パソコン、携帯電話、車などの無線通信機能を備えた被制御機器との間で常時相互認証およびRSSI(Received Signal Strength Indicator)による距離検知を行う。被制御機器が認証エリア(認証キーの周囲数メートル以内)にあるかどうかをRSSIの強度にて判別し、被制御機器の機能ロックや警報ブザーの動作を制御する。これにより、他人による不正利用や置き忘れ防止の機能を実現する。認証エリアは狭すぎると機器使用中に機能ロック、警報ブザー鳴動される。また、認証エリアが広すぎるとセキュリティが低下する。従って認証エリアの大きさは一定であることが望ましい。
しかしながら、認証キーと人体との距離に応じてアンテナ利得が変化し、認証エリアの大きさが変化するといった課題があった。
従来は、人体などの導体によるアンテナへの影響を回避する方法として、導体がアンテナに接近しても利得が急激に低下することを防ぐため、導体に対してループ面が垂直である構造をしたループアンテナを使用する方法(特許文献1[図1]、特許文献2[図2]、特許文献3参照)があった。
特開2000−244219号公報 特開2005−109609号公報 特許第3735635号公報
しかしながら、上記従来特許文献1、2、3の方法では人体や導体との距離に応じてアンテナの利得が変化する。
本発明は、上記従来の課題に鑑み、人体による利得の変化を小さくすることができるアンテナ装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のアンテナ装置は、磁流を放射源とする磁流アンテナと、電流を放射源とする電流アンテナと、前記磁流アンテナ及び電流アンテナに対して信号の給電を行う信号給電手段とを備え、前記磁流アンテナから放射される偏波と前記電流アンテナから放射される偏波とが直交するように前記磁流アンテナ及び電流アンテナが配置され、前記信号給電手段は、前記磁流アンテナと前記電流アンテナから放射される電波の配分を制御する。
以上のように、本発明は、人体による利得の変化を小さくすることができるアンテナ装置を実現できる。
本発明の実施の形態1におけるアンテナ装置の構成を示す図 本発明の実施の形態1における分配器103のウィルキンソン分配器による構成例を示す図 本発明の実施の形態1における位相変化量の範囲が0度から90度の移相器104a、104bの構成例を示す図 本発明の実施の形態1における位相変化量の範囲が0度から−90度の移相器104a、104bの構成例を示す図 (a)本発明の実施の形態1における整合回路105、106の構成例を示す図(b)本発明の実施の形態1における整合回路105、106の構成例を示す図 (a)本発明の実施の形態1におけるループアンテナ107、108のそれぞれに接地線を設けた場合のループアンテナ107、108、接地線109の構成例を示す図(b)本発明の実施の形態1におけるループアンテナ107、108のループ面がXY平面にあり、それぞれに接地線を設けた場合のループアンテナ107、108、接地線109の構成例を示す図(c)本発明の実施の形態1におけるループアンテナ107、108のループ面がXY平面にあり、接地線を共通とした場合のループアンテナ107、108、接地線109の構成例を示す図 本発明の実施の形態1における交差偏波比検知器111の構成例を示す図 (a)本発明の実施の形態1における導体板と微小ループアンテナの位置関係を示す図(b)本発明の実施の形態1における微小ループアンテナと導体板との距離と、導体板と反対方向の微小ループアンテナの利得の関係を示す図 (a)本発明の実施の形態1における導体板と線状アンテナの位置関係を示す図(b)本発明の実施の形態1における線状アンテナと導体板との距離と、導体板と反対方向の線状アンテナの利得の関係を示す図 (a)本発明の実施の形態1におけるループアンテナ107、108に給電する位相差が0度のときのアンテナ装置の動作を示す図(b)本発明の実施の形態1におけるループアンテナ107、108に給電する位相差が180度のときのアンテナ装置の動作を示す図 (a)本発明の実施の形態1におけるループアンテナ107、108に給電する位相差が60度のときのアンテナ装置の動作を示す図(b)本発明の実施の形態1におけるループアンテナ107、108に給電する位相差が120度のときのアンテナ装置の動作を示す図 本発明の実施の形態1における計算時のアンテナ装置の寸法を示す図 本発明の実施の形態1におけるループアンテナ107、108の給電位相差とアンテナ装置のXY面の平均利得の関係を示す図 本発明の実施の形態1におけるループアンテナ107、108のループ面がXY面に対して水平である場合の人体の影響の解析モデルおよび解析モデルの寸法を示す図 (a)本発明の実施の形態1におけるループアンテナ107、108のループ面がXY面に対して水平である場合の給電位相差0度のときの人体モデル301との距離に対するXY平面の平均利得の変化を示した図(b)本発明の実施の形態1におけるループアンテナ107、108のループ面がXY面に対して水平である場合の給電位相差90度のときの人体モデル301との距離に対するXY平面の平均利得の変化を示した図(c)本発明の実施の形態1におけるループアンテナ107、108のループ面がXY面に対して水平である場合の給電位相差180度のときの人体モデル301との距離に対するXY平面の平均利得の変化を示した図 (a)本発明の実施の形態1におけるループアンテナ107、108のループ面がXY面に対して水平である場合のXPR=6dBのときの人体との距離に対するMEGの変化を示した図(b)本発明の実施の形態1におけるループアンテナ107、108のループ面がXY面に対して水平である場合のXPR=0dBのときの人体との距離に対するMEGの変化を示した図(c)本発明の実施の形態1におけるループアンテナ107、108のループ面がXY面に対して水平である場合のXPR=−6dBのときの人体との距離に対するMEGの変化を示した図 本発明の実施の形態1におけるループアンテナ107、108のループ面がXY面に対して水平である場合の給電位相差によるΔMEGの変化を示した図 本発明の実施の形態1におけるループアンテナ107、108のループ面がXY面に対して垂直である場合の人体の影響の解析モデルおよび解析モデルの寸法を示す図 (a)本発明の実施の形態1におけるループアンテナ107、108のループ面がXY面に対して垂直である場合の給電位相差0度のときの人体モデル301との距離に対するXY平面の平均利得の変化を示した図(b)本発明の実施の形態1におけるループアンテナ107、108のループ面がXY面に対して垂直である場合の給電位相差90度のときの人体モデル301との距離に対するXY平面の平均利得の変化を示した図(c)本発明の実施の形態1におけるループアンテナ107、108のループ面がXY面に対して垂直である場合の給電位相差180度のときの人体モデル301との距離に対するXY平面の平均利得の変化を示した図 (a)本発明の実施の形態1におけるループアンテナ107、108のループ面がXY面に対して垂直である場合のXPR=6dBのときの人体との距離に対するMEGの変化を示した図(b)本発明の実施の形態1におけるループアンテナ107、108のループ面がXY面に対して垂直である場合のXPR=0dBのときの人体との距離に対するMEGの変化を示した図(c)本発明の実施の形態1におけるループアンテナ107、108のループ面がXY面に対して垂直である場合のXPR=−6dBのときの人体との距離に対するMEGの変化を示した図 本発明の実施の形態1におけるループアンテナ107、108のループ面がXY面に対して垂直である場合の給電位相差によるΔMEGの変化を示した図 (a)本発明の実施の形態1における本発明のアンテナ装置の等価回路モデルを示す図(b)本発明の実施の形態1における本発明のアンテナ装置の等価回路を示す図(c)本発明の実施の形態1における本発明のアンテナ装置の変換後の等価回路を示す図 (a)本発明の実施の形態1におけるループのX軸方向の長さhを5mmとした場合のループアンテナ108と接地板101間の距離lに対するS21の変化を示す図(b)本発明の実施の形態1におけるループ間の距離pを7.5mmとした場合のループアンテナ108と接地板101間の距離lに対するS21の変化を示す図 本発明の実施の形態1におけるシステムの構成例を示した図 本発明の実施の形態1におけるアンテナ装置の給電位相差の設定手順を示した図 本発明の実施の形態1におけるアンテナ装置の給電位相差の設定例を示した図 本発明の実施の形態1におけるアンテナ装置の原理を示す図
符号の説明
101 接地板
102 送受信回路
103 分配器
104a、104b 移相器
105、106 整合回路
107、108 ループアンテナ
109 接地線
110 姿勢検知器
111 交差偏波比検知器
201、202、203 微小ループアンテナ
204 信号処理部
301 人体モデル
401 磁流アンテナ
402 電流アンテナ
403 電流磁流配分制御回路
501 被制御機器
502 垂直偏波アンテナ
503 水平偏波アンテナ
504 姿勢検知器
第1の発明は、磁流を放射源とする磁流アンテナと、電流を放射源とする電流アンテナと、前記磁流アンテナ及び電流アンテナに対して信号の給電を行う信号給電手段とを備え、前記磁流アンテナから放射される偏波と前記電流アンテナから放射される偏波とが直交するように前記磁流アンテナ及び電流アンテナが配置され、前記信号給電手段は、前記磁流アンテナと前記電流アンテナから放射される電波の配分を制御するアンテナ装置である。
この構成により、人体による利得の変化が小さいアンテナ装置を実現できる。
第2の発明は、第1の発明のアンテナ装置において、前記信号給電手段を設置した接地板の基準平面に対する傾きを検知する姿勢検知手段を設け、前記信号給電手段は、前記姿勢検知手段により検知される傾きに応じて、磁流アンテナと電流アンテナから放射される電波の配分を制御するアンテナ装置である。
この構成により、アンテナ装置の傾きが変化しても、人体による利得の変化が小さいアンテナ装置を実現できる。
第3の発明は、第1または2の発明のアンテナ装置において、前記信号給電手段は、無線機器からの到来電波に含まれる前記無線機器の基準平面に対する傾き情報に応じて、磁流アンテナと電流アンテナから放射される電波の配分を制御するアンテナ装置である。
この構成により、無線機器の傾きが変化しても、人体による利得の変化が小さいアンテナ装置を実現できる。
第4の発明は、第2または3の発明のアンテナ装置において、無線機器からの到来電波の交差偏波比を検知する交差偏波比検知手段を設け、前記信号給電手段は、前記交差偏波比検知手段により検知される交差偏波比に応じて、磁流アンテナと電流アンテナから放射される電波の配分を制御するアンテナ装置である。
この構成により、到来電波の交差偏波比が変化しても、人体による利得の変化が小さいアンテナ装置を実現できる。
第5の発明は、第2または3の発明のアンテナ装置において、無線機器からの到来電波の垂直偏波成分と水平偏波成分が略同一である場合、前記信号給電手段は、磁流アンテナと電流アンテナから放射される電波の配分を予め決められた配分で制御するアンテナ装置である。
この構成により、交差偏波比の検知処理と、無線機器の傾き情報がなくても、人体による利得の変化が小さいアンテナ装置を実現できる。
第6の発明は、第2から第5の発明のアンテナ装置において、前記信号給電手段は、利得の変動幅が所定範囲内に収まるように磁流アンテナと電流アンテナから放射される電波の配分を制御するアンテナ装置である。
この構成により、常に人体による利得変動幅が所定範囲内となるアンテナ装置を実現できる。
第7の発明は、接地導体を有する平面状の接地板と、前記接地板から水平方向に離れた位置に設けた第1ループアンテナ及び第2ループアンテナと、前記第1ループアンテナ及び第2ループアンテナのそれぞれ一端に設けた給電点に対して信号の給電を行う信号給電手段とを備え、前記第1ループアンテナ及び第2ループアンテナに形成されるループ面は前記接地板に対して垂直に形成され、前記第1ループアンテナ及び第2ループアンテナの他端を前記接地板に接続し、前記第1ループアンテナの給電点から前記接地板へ至る方向に向かう巻き方向と、前記第2ループアンテナの給電点から前記接地板へ至る方向に向かう巻き方向とが互いに反対方向となり、前記第1ループアンテナ及び第2ループアンテナから放射されるループ面に平行な偏波と、前記第1ループアンテナ及び第2ループアンテナから前記接地板へ流れ込む電流により放射される偏波とが直交するアンテナ装置である。
この構成により、互いの偏波が直交する磁流アンテナ成分と電流アンテナ成分を有するアンテナ装置を実現できる。
第8の発明は、第7の発明のアンテナ装置において、前記第1ループアンテナに形成されるループ面と前記第2ループアンテナに形成されるループ面とが向かい合うアンテナ装置である。
この構成により、磁流アンテナとして動作する第1ループアンテナ及び第2ループアンテナの偏波面を同一にできる。
第9の発明は、第8の発明のアンテナ装置において、前記第1ループアンテナと前記第2ループアンテナの間の相互結合量が−10dB以下となる位置に、前記第1ループアンテナ及び第2ループアンテナを構成するアンテナ装置である。
この構成により、第1ループアンテナ及び第2ループアンテナに給電する信号の位相を、両者のインピーダンス整合を崩すことなく、変化させることができる。
第10の発明は、第9の発明のアンテナ装置において、前記信号給電手段は、前記第1ループアンテナに給電する信号の位相と前記第2ループアンテナに給電する信号の位相とを制御するアンテナ装置である。
この構成により、人体による利得の変化が小さいループアンテナを用いたアンテナ装置を実現できる。
第11の発明は、第10の発明のアンテナ装置において、基準平面に対する接地板の傾きを検知する姿勢検知手段を設け、前記信号給電手段は、前記姿勢検知手段により検知される傾きに応じて、前記第1ループアンテナに給電する信号の位相と前記第2ループアンテナに給電する信号の位相とを制御するアンテナ装置である。
第12の発明は、第10または第11の発明のアンテナ装置において、前記信号給電手段は、無線機器からの到来電波に含まれる前記無線機器の基準平面に対する傾き情報に応じて、前記第1ループアンテナと前記第2ループアンテナから放射される電波の配分を制御するアンテナ装置である。
この構成により、無線機器の傾きが変化しても、人体による利得の変化が小さいアンテナ装置を実現できる。
この構成により、アンテナ装置の傾きが変化しても、人体による利得の変化が小さいループアンテナを用いたアンテナ装置を実現できる。
第13の発明は、第11または第12の発明のアンテナ装置において、到来電波の交差偏波比を検知する交差偏波比検知手段を設け、前記信号給電手段は、前記交差偏波比検知手段により検知される交差偏波比に応じて、前記第1ループアンテナに給電する信号の位相と前記第2ループアンテナに給電する信号の位相とを制御するアンテナ装置である。
この構成により、到来電波の交差偏波比が変化しても、人体による利得の変化が小さいループアンテナを用いたアンテナ装置を実現できる。
第14の発明は、第11または第12のアンテナ装置において、無線機器からの到来電波の垂直偏波成分と水平偏波成分が略同一である場合、前記信号給電手段は、前記第1ループアンテナと前記第2ループアンテナから放射される電波の配分を予め決められた配分で制御するアンテナ装置である。
この構成により、交差偏波比の検知処理と、無線機器の傾き情報がなくても、人体による利得の変化が小さいアンテナ装置を実現できる。
第15の発明は、第11から第14の発明のアンテナ装置において、前記信号給電手段は、利得の変動幅が所定範囲内に収まるように前記第1ループアンテナに給電する信号の位相と前記第2ループアンテナに給電する信号の位相とを制御するアンテナ装置である。
この構成により、常に人体による利得変動幅が所定範囲内となるループアンテナを用いたアンテナ装置を実現できる。
第16の発明は、第1から第15の発明であるアンテナ装置と、そのアンテナ装置と無線通信を行う無線機器とを備える無線通信システムである。
このシステム構成によれば、アンテナ装置は人体による利得の変化を小さくすることができる。
以下、本発明のアンテナを実施するための最良の形態について、図1から図27の各図面に沿って説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
以下に、本発明のアンテナ装置の実施の形態1の詳細について説明する。
図1は、本発明のアンテナ装置の構成を示す図である。X、YおよびZは、各々の座標軸を示す。図1において、接地板101は、接地導体を有する接地板である。接地板101は、長手方向がZ軸方向である。つまり、接地板101のZ軸方向の長さLは、X軸方向の長さTよりも大きい。なお接地板101の長さLは、長さTとほぼ同じ長さであってもよい。
送受信回路102は、接地板101上に設けられ、送信信号を生成し出力し、入力された受信信号を処理する送受信回路である。なお、送受信回路102は、送信回路のみ、または受信回路のみであってもよい。また、後述する姿勢検知器110から送受信回路102へ本発明のアンテナ装置の傾き情報が入力される。また、後述する交差偏波比検知器111から送受信回路102へ到来電波の交差偏波比の情報が入力される。さらに、送受信回路102から後述する移相器104a、104bを制御するための移相量制御信号を出力する。
分配器103は、接地板101に設けられ、入力端子が送受信回路102に接続され、送受信回路102から入力される信号を2つに電力分割して出力する分配器である。分配器103は、具体的にはウィルキンソン分配器などで構成される。
図2は、分配器103のウィルキンソン分配器による構成例を示す図である。2つの直列インダクタLと3つの並列コンデンサCと抵抗Rにより構成される。分配器103は、チップ部品が使用できるインダクタやコンデンサにより回路を構成できるため、一般的な伝送線路を用いる方式に比べて、回路を小型化できる。
移相器104a、104bは、送受信回路102と分配器103の2つの出力端子にそれぞれ接続され、入力された信号の位相を、送受信回路102から出力される移相量制御信号に基づいて、所定の値に変換して出力する移相器である。これにより後述するループアンテナ107、108に給電する2つの信号の給電位相差を変化させる。2つの信号の位相差を変化させることができればよいので、分配器103の2つの出力端子のうち、一方のみ移相器が接続されていてもよい。また、移相量が固定の値であり、移相量の制御が必要ない場合、移相量制御信号は不要としてもよい。
図3は、位相変化量の範囲が0度から90度の移相器104a、104bの構成例を示す図である。複数の異なる移相量を有する移相器をスイッチにて切り替えることにより構成される。移相器はそれぞれ2つの直列コンデンサCとその間に設けられた1つの並列インダクタLにより構成される。移相量が0度の場合は、入出力を直接接続する。
図4は、位相変化量の範囲が0度から−90度の移相器104a、104bの構成例を示す図である。複数の異なる移相量を有する移相器をスイッチにて切り替えることにより構成される。移相器はそれぞれ2つの並列コンデンサCとその間に設けられた1つの直列インダクタLにより構成される。移相量が0度の場合は、入出力を直接接続する。
移相器104a、104bは、チップ部品が使用できるインダクタやコンデンサにより回路を構成できるため、一般的な遅延線路を切り替える方式の移相器を用いた場合に比べて、回路を小型化できる。
整合回路105は、接地板101上に設けられ、後述するループアンテナ108と移相器104aに接続され、後述するループアンテナ108へ効率よく給電するため、後述するループアンテナ108と移相器104aとの間のインピーダンスの整合を行う整合回路である。
整合回路106は、接地板101上に設けられ、後述するループアンテナ107と移相器104bに接続され、後述するループアンテナ107へ効率よく給電するため、後述するループアンテナ107と移相器104bとの間のインピーダンスの整合を行う整合回路である。
図5(a)、(b)は、整合回路105、106の構成例を示す図である。直列コンデンサと並列コンデンサにて構成される。後述するループアンテナ107、108は放射抵抗が小さいため、損失の非常に小さい整合回路が必要である。インダクタはコンデンサに比べて損失が大きいため、整合回路に使用すると、放射効率が劣化し、利得が大幅に低下する。よって、コンデンサによる整合回路の構成が望ましい。
ループアンテナ107は、形成するループ面が接地板101の面に対して略垂直になるように設けられ、2つの給電端が、整合回路106と、後述する接地線109を経由して接地板101とに電気的に接続されたループ状の導体からなるループアンテナである。
ループアンテナ108は、形成するループ面が接地板101の面に対して略垂直になるように設けられ、2つの給電端が、整合回路105と、後述する接地線109を経由して接地板101とに電気的に接続されたループ状の導体からなるループアンテナである。
ループアンテナ107、108は、ループの軸方向が互いに等しく、また接地板101の長手方向とループの軸方向が一致する。
ループアンテナ107、108は、全長が送受信する電波の1波長以下である。ループアンテナ107、108のループの巻き数は、1回巻きとしているが、いくらであってもよい。また、ループアンテナ107、108のループの形状は図1のような矩形でなくてもよい。ループアンテナ107、108は、接地板101から突出して設けられている。
ループアンテナ107、108の給電側(整合回路105、106に接続されている給電端側)からグランド側(後述する接地線109を経由して接地板101に接続されている給電端側)へ向かうループの巻き方向は、互いに逆方向でなければならない。なお、ループアンテナ107、108のループのサイズは同一が望ましいが、異なっていてもよい。
接地線109は、ループアンテナ107、108のそれぞれの給電端と接地板101とを電気的に接続する接地線である。
図1において、ループアンテナ107、108のそれぞれの接地板101側に接続される方の端子を互いに接続して1つの端子とし、共通の接地線109を経由して接地板101に接続される。なお、ループアンテナ107、108のそれぞれに接地線を設け、別々に接地板101に接続してもよい。
図6(a)は、ループアンテナ107、108のそれぞれに接地線を設けた場合のループアンテナ107、108、接地線109の構成例を示す図である。図6(b)は、ループアンテナ107、108のループ面がXY平面にあり、それぞれに接地線を設けた場合のループアンテナ107、108、接地線109の構成例を示す図である。図6(c)は、ループアンテナ107、108のループ面がXY平面にあり、接地線を共通とした場合のループアンテナ107、108、接地線109の構成例を示す図である。
図6(a)、(b)、(c)のように接地線はそれぞれ設けても、共通の接地線としてもよく、またループアンテナ107、108のループの中心軸は一致していなくてもよい。
姿勢検知器110は、接地板101上に設けられ、本発明のアンテナ装置の傾きを検知して、送受信回路102に傾き情報を出力する姿勢検知器である。姿勢検知器110は具体的には加速度センサや転倒スイッチなど地面に対する傾きがわかるセンサで構成される。
交差偏波比検知器111は、接地板101上に設けられ、到来する受信電波の垂直偏波電力と水平偏波電力の比である交差偏波電力比を検知し、送受信回路102に交差偏波比の情報を出力する交差偏波比検知器である。
図7は、交差偏波比検知器111の構成例を示す図である。微小ループアンテナ201はループの軸方向がX軸方向である微小ループアンテナである。微小ループアンテナ202はループの軸方向がY軸方向である微小ループアンテナである。微小ループアンテナ203はループの軸方向がZ軸方向である微小ループアンテナである。
信号処理部204は、微小ループアンテナ201、202、203に接続され、微小ループアンテナ201、202、203から受信された到来電波の信号強度を測定し、垂直偏波電力と水平偏波電力の比である交差偏波電力比を計算し、送受信回路102へ交差偏波比の情報を出力する信号処理部である。信号強度の測定から交差偏波電力比の計算まで送受信回路102にて処理してもよい。
本発明のアンテナ装置の傾きを姿勢検知器110にて検知し、傾きに応じて、微小ループアンテナ201、202、203のいずれかを垂直偏波測定用アンテナ、水平偏波測定用アンテナに割り当てて、両者から得られた信号強度の比から交差偏波電力比を算出する。例えば地面がXY平面と平行な場合、微小ループアンテナ201、202で得られた信号強度のうち高いほうを垂直偏波電力、微小ループアンテナ203で得られた信号強度を水平偏波電力として、交差偏波電力比を計算する。
以上のように構成されたアンテナ装置について、その動作を説明する。
送受信回路102から出力された送信信号は、分配器103により2つに電力分割される。2つの分割された信号のうち一方は、移相器104aにより所定の位相に変換され、整合回路105によりインピーダンス変換され、ループアンテナ108に出力される。2つの分割された信号のうち他方は、移相器104bにより所定の位相に変換され、整合回路106によりインピーダンス変換され、ループアンテナ107に出力される。送受信回路102から出力される移相量制御信号にもとづいて、ループアンテナ107、108に位相差給電をおこなう。
次に上記のように構成されたアンテナ装置の電波の放射について説明する。
図8(a)は、導体板と微小ループアンテナの位置関係を示す図である。図8(b)は微小ループアンテナと導体板との距離と、導体板と反対方向の微小ループアンテナの利得の関係を示す図である。
微小ループアンテナは磁流を放射源とする磁流アンテナとして動作する。よって、ループ面が導体面に対して垂直であるとき、微小ループアンテナと導体板との距離が、波長に対して十分短いとき、利得が高くなる。
微小ループアンテナと導体板との距離が、4分の1波長の奇数倍であるとき、利得が大幅に低下する。微小ループアンテナと導体板との距離が、4分の1波長の偶数倍であるとき、利得が高くなる。
図9(a)は、導体板と線状アンテナの位置関係を示す図である。図9(b)は線状アンテナと導体板との距離と、導体板と反対方向の線状アンテナの利得の関係を示す図である。
線状アンテナは電流を放射源とする電流アンテナとして動作する。よって、線状アンテナは導体面に対して平行であるとき、線状アンテナと導体板との距離が、波長に対して十分短いとき、利得が大幅に低下する。
線状アンテナと導体板との距離が、4分の1波長の奇数倍であるとき、利得が高くなる。線状アンテナと導体板との距離が、4分の1波長の偶数倍であるとき、利得が大幅に低下する。
図8、図9から、人体など導体の影響による利得変化を小さくするためには、電流アンテナ素子と磁流アンテナ素子の両方を有するアンテナであればよいことが分かる。
本発明のアンテナ装置は、ループアンテナ107、108が磁流アンテナ、接地板101が電流アンテナとして動作する。また、放射する偏波は、図1において地面がXY平面と平行であり、Z軸方向の偏波を垂直偏波、垂直偏波に直交する偏波を水平偏波とすると、ループアンテナ107、108はXY平面上をループ状に電流が流れ、水平偏波を放射する。接地板101は、Z軸方向にループアンテナ素子があり、さらに長手方向がZ軸方向であるので、Z軸方向に電流が流れ、垂直偏波を放射する。磁流アンテナ成分は水平偏波、電流アンテナ成分は垂直偏波を放射する。
図10(a)は、ループアンテナ107、108に給電する位相差が0度のときのアンテナ装置の動作を示す図である。ループアンテナ107の給電位相をα1、ループアンテナ108の給電位相をα2、給電位相差をα1−α2とする。位相差が0度のとき、ループアンテナ107、108に流れる電流は互いに逆方向となるため、ループアンテナ107、108から形成される磁流は互いに打ち消しあう。また、ループアンテナ107、108から接地線109に流れ込む電流の向きは、ともに同一方向となるため、接地板101に電流が形成される。
図10(b)は、ループアンテナ107、108に給電する位相差が180度のときのアンテナ装置の動作を示す図である。位相差が180度のとき、ループアンテナ107、108に流れる電流はともに同一方向となるため、ループアンテナ107、108に磁流が形成される。また、ループアンテナ107、108から接地線109に流れ込む電流の向きは、互いに逆方向となるため、電流は互いに打ち消しあう。
図11(a)は、ループアンテナ107、108に給電する位相差が60度のときのアンテナ装置の動作を示す図である。図11(b)は、ループアンテナ107、108に給電する位相差が120度のときのアンテナ装置の動作を示す図である。
給電する位相差が0度に近くなるほど磁流が弱まり、電流が強まる。一方、給電する位相差が180度に近くなるほど磁流が強まり、電流が弱まる。
図10、11から、給電位相差を変化させることにより、電流、磁流の配分を制御することが出来ることがわかる。
次に、計算結果にもとづいて、本発明のアンテナ装置の特性について説明する。
図12は、計算時のアンテナ装置の寸法を示す図である。周波数は426MHz、ループアンテナ107、108の線の直径を0.4mm、ループ間の距離をp、ループのX軸方向の長さをh、ループアンテナ108と接地板101間の距離をlとして計算した。
図13は、ループアンテナ107、108の給電位相差とアンテナ装置のXY面の平均利得の関係を示す図である。ループ間の距離pが7.5mmのときの計算値である。
垂直、水平両偏波成分つまり電流、磁流両アンテナ成分から放射される電波の配分を給電位相差によって連続的かつ大幅に変化させることが可能である。
図14は、ループアンテナ107、108のループ面がXY面に対して水平である場合の人体の影響の解析モデルおよび解析モデルの寸法を示す図である。図14において、人体モデル301は直立した人体を直径220mm、高さ1700mmの円柱形状にてモデル化した人体モデルである。人体モデル301は比誘電率が57.8、導電率が0.82S/mとしている。本発明のアンテナ装置と人体モデル301との距離dを変化させて、本発明のアンテナ装置への人体の影響を計算した。
図15(a)は、ループアンテナ107、108のループ面がXY面に対して水平である場合の給電位相差0度のときの人体モデル301との距離に対するXY平面の平均利得の変化を示した図である。図15(b)は、ループアンテナ107、108のループ面がXY面に対して水平である場合の給電位相差90度のときの人体モデル301との距離に対するXY平面の平均利得の変化を示した図である。図15(c)は、ループアンテナ107、108のループ面がXY面に対して水平である場合の給電位相差180度のときの人体モデル301との距離に対するXY平面の平均利得の変化を示した図である。
給電位相差により人体との距離に対する利得特性を制御できることがわかる。次に実際の伝搬環境での実効的な利得を計算するため、人体との距離を変化させた場合の各交差偏波比(Cross Polarization Power Ratio:XPR)毎の平均実効利得(Mean Effective Gain:MEG)を計算した。
ここで、交差偏波比XPRは垂直偏波電力と水平偏波電力の比であり、次式で表される。
Figure 2009019850
また平均実効利得MEGは、到来波はほぼ水平面内に集中し、且つ一様に分布していると仮定し、XY面におけるアンテナの電力利得指向性の垂直偏波成分、水平偏波成分の平均値をそれぞれGθave、Gφaveとすると、以下のような簡略化した式で表せる。
Figure 2009019850
図16(a)は、ループアンテナ107、108のループ面がXY面に対して水平である場合のXPR=6dBのときの人体との距離に対するMEGの変化を示した図である。図16(b)は、ループアンテナ107、108のループ面がXY面に対して水平である場合のXPR=0dBのときの人体との距離に対するMEGの変化を示した図である。図16(c)は、ループアンテナ107、108のループ面がXY面に対して水平である場合のXPR=−6dBのときの人体との距離に対するMEGの変化を示した図である。
図16から、それぞれ特定の交差偏波比に対して平均実効利得が一定となる位相差が存在することがわかる。
人体との距離5〜210mmの間のMEGの変動幅をΔMEGとし、人体による利得変動の評価指標とした。図17は、ループアンテナ107、108のループ面がXY面に対して水平である場合の給電位相差によるΔMEGの変化を示した図である。伝搬環境などによってきまる各交差偏波比に対してΔMEGが最小となる位相差が存在することがわかる。
以上は、ループアンテナ107、108のループ面がXY面に対して水平である場合についての説明であるが、同様にループアンテナ107、108のループ面がXY面に対して垂直である場合について人体の影響を解析した結果を図18から図21に示す。
図18は、ループアンテナ107、108のループ面がXY面に対して垂直である場合の人体の影響の解析モデルおよび解析モデルの寸法を示す図である。
図19(a)は、ループアンテナ107、108のループ面がXY面に対して垂直である場合の給電位相差0度のときの人体モデル301との距離に対するXY平面の平均利得の変化を示した図である。図19(b)は、ループアンテナ107、108のループ面がXY面に対して垂直である場合の給電位相差90度のときの人体モデル301との距離に対するXY平面の平均利得の変化を示した図である。図19(c)は、ループアンテナ107、108のループ面がXY面に対して垂直である場合の給電位相差180度のときの人体モデル301との距離に対するXY平面の平均利得の変化を示した図である。
図20(a)は、ループアンテナ107、108のループ面がXY面に対して垂直である場合のXPR=6dBのときの人体との距離に対するMEGの変化を示した図である。図20(b)は、ループアンテナ107、108のループ面がXY面に対して垂直である場合のXPR=0dBのときの人体との距離に対するMEGの変化を示した図である。図20(c)は、ループアンテナ107、108のループ面がXY面に対して垂直である場合のXPR=−6dBのときの人体との距離に対するMEGの変化を示した図である。
図21は、ループアンテナ107、108のループ面がXY面に対して垂直である場合の給電位相差によるΔMEGの変化を示した図である。
以上から、ループアンテナ107、108のループ面がXY面に対して水平である場合と同様に、ループアンテナ107、108のループ面がXY面に対して垂直である場合についても、給電位相差により人体との距離に対する利得特性を制御できることがわかる。また、それぞれ特定の交差偏波比に対して平均実効利得が一定となる位相差が存在することがわかる。また、伝搬環境などによってきまる各交差偏波比に対してΔMEGが最小となる位相差が存在することがわかる。
ここで、ループアンテナ107、108のインピーダンス整合を崩すことなく、給電位相差を変化させるためには、ループアンテナ107、108間の相互結合量が小さくなければならない。
図22(a)は、本発明のアンテナ装置の等価回路モデルを示す図である。図22(b)は、本発明のアンテナ装置の等価回路を示す図である。図22(c)は、本発明のアンテナ装置の変換後の等価回路を示す図である。
図22(a)において、ループアンテナ107、108のインダクタンスをそれぞれL1、L2、ループアンテナ107、108間の相互インダクタンスをM、ループアンテナ107、108間の容量をC12、ループアンテナ107、108とグランド間の容量をそれぞれC1g、C2gとすると、本発明のアンテナ装置の等価回路は図22(b)のようになる。さらに図22(b)の等価回路を変換すると図22(c)のようになる。インダクタンスLa、Lb、Lcは、インダクタンスL1、L2、相互インダクタンスMを変換したものである。図22(c)から本発明のアンテナ装置は並列共振回路が複数合成されたものとみなすことが出来る。つまり、ループアンテナ107、108間の距離、ループアンテナ107、108のループ面積、ループアンテナ107、108とグランド101間の距離を並列共振するようにサイズを調整することにより、相互結合を小さくすることが出来る。
図23(a)は、ループのX軸方向の長さhを5mmとした場合のループアンテナ108と接地板101間の距離lに対するS21の変化を示す図である。図23(b)は、ループ間の距離pを7.5mmとした場合のループアンテナ108と接地板101間の距離lに対するS21の変化を示す図である。
S21はSパラメータのうち電力の伝達係数をあらわすパラメータであり、ループアンテナ107、108間の相互結合量を表す。相互結合量は小さいほどよいが、−10dB以下であれば望ましい。つまり、ループアンテナ107とループアンテナ108の間の相互結合量が−10dB以下となる位置に、ループアンテナ107及びループアンテナ108が配置されることが望ましい。
図23(a)において、ループ間の距離pが短くなるとループ間の相互インダクタンスが増加するため、並列共振するlの値が大きくなる。ループ間の距離が短くなるにつれてグランドとの距離lを伸ばすことにより、相互結合を低く抑えられる。
図23(b)において、ループ面積が広くなるとループのインダクタンス、ループ間の相互インダクタンスが増加するため、並列共振するlの値が大きくなる。ループ面積が広くなるにつれてグランドとの距離lを伸ばすことにより、相互結合を低く抑えられる。
次に本発明のアンテナ装置の位相制御手順について説明する。図24は、本発明のアンテナ装置と被制御機器501を含む無線通信システムの構成例を示した図である。
被制御機器501は、本発明のアンテナ装置が認証エリア内(認証キーの周囲数メートル以内)にあるかどうかにより、機能ロックや警報ブザーの動作を制御される被制御機器である。具体的には、アンテナ装置が認証エリア内になければ機能ロックや警報ブザーの動作を行い、アンテナ装置が認証エリア内にあれば機能ロックや警報ブザーの動作を行わない。
垂直偏波アンテナ502は、アンテナ装置と無線通信するために被制御機器501に備えられ、垂直偏波成分を放射する垂直偏波アンテナである。水平偏波アンテナ503は、アンテナ装置と無線通信するために被制御機器501に備えられ、水平偏波成分を放射する水平偏波アンテナである。
姿勢検知器504は、被制御機器501に備えられ、被制御機器501の傾きを検知して、無線通信によりアンテナ装置へその傾き情報を送る姿勢検知器である。姿勢検知器504は具体的には加速度センサや転倒スイッチなど基準面(例えば地面など)に対する傾きがわかるセンサで構成される。
図25は本発明のアンテナ装置の給電位相差の設定手順を示した図である。まずステップ1において、アンテナ装置(送受信回路102)は給電位相差の設定を開始する。ステップ2において、本発明のアンテナ装置の基準平面(例えば、地面)に対する傾きを検知する姿勢検知器110により検知する。ステップ3においてアンテナ装置(送受信回路102)はXPRを検知するかどうか判断する。ステップ4において交差偏波比検知器111により到来電波の交差偏波比XPRを検知する。ステップ5においてアンテナ装置(送受信回路102)は当該アンテナ装置と到来電波の交差偏波比XPRからΔMEGが最小となる給電位相差を判断し、設定する。
ステップ3において、交差偏波比検知器111の搭載を省略したい場合や、交差偏波比検知器111を搭載した場合であっても交差偏波比の検知処理を省きたい場合は、ステップ6においてアンテナ装置(送受信回路102)は被制御機器501の傾きを検知するかどうか判断する。
ステップ6で被制御機器501の傾きを検知する場合、姿勢検知器504はステップ7にて被制御機器501の傾きを検知してアンテナ装置に送信し、アンテナ装置(送受信回路102)は姿勢検知器504で検知された傾きから交差偏波比XPRを判断してステップ5へ進む。
図26は、本発明のアンテナ装置の給電位相差の設定例を示した図である。図17、図21のΔMEG特性に基づいた場合の設定例である。ループアンテナ107、108のループ面が図1のようにXY面に対して水平である場合、ループアンテナ107、108は水平偏波アンテナ、接地板101は垂直偏波アンテナとなるが、ループアンテナ107、108のループ面がXY面に対して垂直である場合、ループアンテナ107、108は垂直偏波アンテナ、接地板101は水平偏波アンテナとなる。
また、図14、図18からもわかるように、本発明のアンテナ装置の傾きにより、人体とループアンテナ107、108の相互の位置関係、人体と接地板101の相互の位置関係が変わる。これにより、磁流アンテナであるループアンテナ107、108、電流アンテナである接地板101、それぞれの人体の影響度も変化し、図15、図19からわかるように同じ給電位相差でも人体との距離に対する電流アンテナ成分と磁流アンテナ成分の利得の変化の様子が大きく異なる。
つまり、各XPRに対応する給電位相差が、本発明のアンテナ装置の地面に対する傾きによって変化する。よって、図26のように本発明のアンテナ装置の地面に対する傾きと到来電波のXPRからΔMEGが最小となる給電位相差を判断し、設定する。
なお、図25において、被制御機器501の利用時の傾きがつねに一定であり、交差偏波比XPRが利用時にあまり変化しない場合、事前に交差偏波比XPRを把握できるため、ステップ4やステップ7での交差偏波比XPRを検知する処理は省略できる。
また、被制御機器501の利用時の傾きが変化する場合であっても、被制御機器501が備えるアンテナから放射される垂直偏波成分と水平両偏波成分が同程度(略同一を含む)となるように、被制御機器501のアンテナを構成することで、被制御機器501の傾きによらず交差偏波比XPRはつねにほぼ0dBとなるため、ステップ4やステップ7での交差偏波比XPRを検知する処理を省略できる。このとき、本発明のアンテナ装置の給電位相差を、ループアンテナ107、108のループ面がXY面に対して水平である場合は150度とし、ループアンテナ107、108のループ面がXY面に対して垂直である場合は90度に設定する。また、このとき、給電位相差を利用して、磁流アンテナと電流アンテナから放射される電波の配分を予め決められた配分で制御する。
以上により、パソコンなど被制御機器側のアンテナの偏波や伝搬環境によってきまる交差偏波比に応じて給電位相差を最適値に設定することにより、人体による利得変化を小さくできる。
本発明のアンテナ装置は、互いに偏波面が直交する磁流アンテナと電流アンテナを備えて、両者から放射される電波の配分の調整機能を有するものである。
図27は、本発明のアンテナ装置の原理を示す図である。
磁流アンテナ401は、磁流を放射源とするループアンテナ、スロットアンテナ、パッチアンテナ、逆Fアンテナなどの磁流アンテナである。
電流アンテナ402は、電流を放射源とする線状アンテナや接地板などの電流アンテナである。磁流アンテナ401、電流アンテナ402の両者の偏波は直交している。また、磁流アンテナ401、電流アンテナ402はそれぞれ単一のアンテナ素子で構成しなくてもよい。
電流磁流配分制御回路403は、送受信回路102から入力される送受信信号を、磁流アンテナ401、電流アンテナ402から放射する電波の配分に基づいて、分配して出力する回路である。磁流アンテナ401、電流アンテナ402への分配の比率は、送受信回路102から入力される配分制御信号に基づいて決められる。
なお、図1は、磁流アンテナをループアンテナ107、108で構成し、電流アンテナを接地板101で構成したものであり、両者から放射される電波の配分の制御をループアンテナ107、108の給電位相差を制御することで行った場合に相当する。このように、本発明は、図1のように磁流アンテナと電流アンテナを一体として構成した場合であっても、図27のように別々に構成した場合であっても発明に影響を及ぼさない。
最後に、本発明におけるアンテナ装置は、図1等に示す構成に限らず、その構成を搭載した送受信装置も含むものである。
本発明を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。
本出願は、2007年12月4日出願の日本特許出願No.2007-313258、2008年6月30日出願の日本特許出願No.2008-170088、及び、2007年8月3日出願の国際特許出願PCT/JP2007/065258に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
本発明のアンテナ装置は、人体による利得の変化を小さくすることができる。よって、本発明のアンテナ装置を、例えば、セキュリティなど位置検知や距離検知な機器に搭載されるアンテナ装置として適用できる。
本発明は、ループアンテナ素子を用いたアンテナ装置に関するものである。
近年、情報セキュリティの確保のため、SPC(Secure Private Cosm)に代表される無線による個人認証技術の開発が進められている。使用者が身につける無線通信機能を備えた認証キーと、パソコン、携帯電話、車などの無線通信機能を備えた被制御機器との間で常時相互認証およびRSSI(Received Signal Strength Indicator)による距離検知を行う。被制御機器が認証エリア(認証キーの周囲数メートル以内)にあるかどうかをRSSIの強度にて判別し、被制御機器の機能ロックや警報ブザーの動作を制御する。これにより、他人による不正利用や置き忘れ防止の機能を実現する。認証エリアは狭すぎると機器使用中に機能ロック、警報ブザー鳴動される。また、認証エリアが広すぎるとセキュリティが低下する。従って認証エリアの大きさは一定であることが望ましい。
しかしながら、認証キーと人体との距離に応じてアンテナ利得が変化し、認証エリアの大きさが変化するといった課題があった。
従来は、人体などの導体によるアンテナへの影響を回避する方法として、導体がアンテナに接近しても利得が急激に低下することを防ぐため、導体に対してループ面が垂直である構造をしたループアンテナを使用する方法(特許文献1[図1]、特許文献2[図2]、特許文献3参照)があった。
特開2000−244219号公報 特開2005−109609号公報 特許第3735635号公報
しかしながら、上記従来特許文献1、2、3の方法では人体や導体との距離に応じてアンテナの利得が変化する。
本発明は、上記従来の課題に鑑み、人体による利得の変化を小さくすることができるアンテナ装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のアンテナ装置は、磁流を放射源とする磁流アンテナと、電流を放射源とする電流アンテナと、前記磁流アンテナ及び電流アンテナに対して信号の給電を行う信号給電手段とを備え、前記磁流アンテナから放射される偏波と前記電流アンテナから放射される偏波とが直交するように前記磁流アンテナ及び電流アンテナが配置され、前記信号給電手段は、前記磁流アンテナと前記電流アンテナから放射される電波の配分を制御する。
以上のように、本発明は、人体による利得の変化を小さくすることができるアンテナ装置を実現できる。
第1の発明は、磁流を放射源とする磁流アンテナと、電流を放射源とする電流アンテナと、前記磁流アンテナ及び電流アンテナに対して信号の給電を行う信号給電手段とを備え、前記磁流アンテナから放射される偏波と前記電流アンテナから放射される偏波とが直交するように前記磁流アンテナ及び電流アンテナが配置され、前記信号給電手段は、前記磁流アンテナと前記電流アンテナから放射される電波の配分を制御するアンテナ装置である。
この構成により、人体による利得の変化が小さいアンテナ装置を実現できる。
第2の発明は、第1の発明のアンテナ装置において、前記信号給電手段を設置した接地板の基準平面に対する傾きを検知する姿勢検知手段を設け、前記信号給電手段は、前記姿勢検知手段により検知される傾きに応じて、磁流アンテナと電流アンテナから放射される電波の配分を制御するアンテナ装置である。
この構成により、アンテナ装置の傾きが変化しても、人体による利得の変化が小さいアンテナ装置を実現できる。
第3の発明は、第1または2の発明のアンテナ装置において、前記信号給電手段は、無線機器からの到来電波に含まれる前記無線機器の基準平面に対する傾き情報に応じて、磁流アンテナと電流アンテナから放射される電波の配分を制御するアンテナ装置である。
この構成により、無線機器の傾きが変化しても、人体による利得の変化が小さいアンテナ装置を実現できる。
第4の発明は、第2または3の発明のアンテナ装置において、無線機器からの到来電波の交差偏波比を検知する交差偏波比検知手段を設け、前記信号給電手段は、前記交差偏波比検知手段により検知される交差偏波比に応じて、磁流アンテナと電流アンテナから放射される電波の配分を制御するアンテナ装置である。
この構成により、到来電波の交差偏波比が変化しても、人体による利得の変化が小さいアンテナ装置を実現できる。
第5の発明は、第2または3の発明のアンテナ装置において、無線機器からの到来電波の垂直偏波成分と水平偏波成分が略同一である場合、前記信号給電手段は、磁流アンテナと電流アンテナから放射される電波の配分を予め決められた配分で制御するアンテナ装置である。
この構成により、交差偏波比の検知処理と、無線機器の傾き情報がなくても、人体による利得の変化が小さいアンテナ装置を実現できる。
第6の発明は、第2から第5の発明のアンテナ装置において、前記信号給電手段は、利得の変動幅が所定範囲内に収まるように磁流アンテナと電流アンテナから放射される電波の配分を制御するアンテナ装置である。
この構成により、常に人体による利得変動幅が所定範囲内となるアンテナ装置を実現できる。
第7の発明は、接地導体を有する平面状の接地板と、前記接地板から水平方向に離れた位置に設けた第1ループアンテナ及び第2ループアンテナと、前記第1ループアンテナ及び第2ループアンテナのそれぞれ一端に設けた給電点に対して信号の給電を行う信号給電手段とを備え、前記第1ループアンテナ及び第2ループアンテナに形成されるループ面は前記接地板に対して垂直に形成され、前記第1ループアンテナ及び第2ループアンテナの他端を前記接地板に接続し、前記第1ループアンテナの給電点から前記接地板へ至る方向に向かう巻き方向と、前記第2ループアンテナの給電点から前記接地板へ至る方向に向かう巻き方向とが互いに反対方向となり、前記第1ループアンテナ及び第2ループアンテナから放射されるループ面に平行な偏波と、前記第1ループアンテナ及び第2ループアンテナから前記接地板へ流れ込む電流により放射される偏波とが直交するアンテナ装置である。
この構成により、互いの偏波が直交する磁流アンテナ成分と電流アンテナ成分を有するアンテナ装置を実現できる。
第8の発明は、第7の発明のアンテナ装置において、前記第1ループアンテナに形成されるループ面と前記第2ループアンテナに形成されるループ面とが向かい合うアンテナ装置である。
この構成により、磁流アンテナとして動作する第1ループアンテナ及び第2ループアンテナの偏波面を同一にできる。
第9の発明は、第8の発明のアンテナ装置において、前記第1ループアンテナと前記第2ループアンテナの間の相互結合量が−10dB以下となる位置に、前記第1ループアンテナ及び第2ループアンテナを構成するアンテナ装置である。
この構成により、第1ループアンテナ及び第2ループアンテナに給電する信号の位相を、両者のインピーダンス整合を崩すことなく、変化させることができる。
第10の発明は、第9の発明のアンテナ装置において、前記信号給電手段は、前記第1ループアンテナに給電する信号の位相と前記第2ループアンテナに給電する信号の位相とを制御するアンテナ装置である。
この構成により、人体による利得の変化が小さいループアンテナを用いたアンテナ装置を実現できる。
第11の発明は、第10の発明のアンテナ装置において、基準平面に対する接地板の傾きを検知する姿勢検知手段を設け、前記信号給電手段は、前記姿勢検知手段により検知される傾きに応じて、前記第1ループアンテナに給電する信号の位相と前記第2ループアンテナに給電する信号の位相とを制御するアンテナ装置である。
第12の発明は、第10または第11の発明のアンテナ装置において、前記信号給電手段は、無線機器からの到来電波に含まれる前記無線機器の基準平面に対する傾き情報に応じて、前記第1ループアンテナと前記第2ループアンテナから放射される電波の配分を制御するアンテナ装置である。
この構成により、無線機器の傾きが変化しても、人体による利得の変化が小さいアンテナ装置を実現できる。
この構成により、アンテナ装置の傾きが変化しても、人体による利得の変化が小さいループアンテナを用いたアンテナ装置を実現できる。
第13の発明は、第11または第12の発明のアンテナ装置において、到来電波の交差偏波比を検知する交差偏波比検知手段を設け、前記信号給電手段は、前記交差偏波比検知手段により検知される交差偏波比に応じて、前記第1ループアンテナに給電する信号の位相と前記第2ループアンテナに給電する信号の位相とを制御するアンテナ装置である。
この構成により、到来電波の交差偏波比が変化しても、人体による利得の変化が小さいループアンテナを用いたアンテナ装置を実現できる。
第14の発明は、第11または第12のアンテナ装置において、無線機器からの到来電波の垂直偏波成分と水平偏波成分が略同一である場合、前記信号給電手段は、前記第1ループアンテナと前記第2ループアンテナから放射される電波の配分を予め決められた配分で制御するアンテナ装置である。
この構成により、交差偏波比の検知処理と、無線機器の傾き情報がなくても、人体による利得の変化が小さいアンテナ装置を実現できる。
第15の発明は、第11から第14の発明のアンテナ装置において、前記信号給電手段は、利得の変動幅が所定範囲内に収まるように前記第1ループアンテナに給電する信号の位相と前記第2ループアンテナに給電する信号の位相とを制御するアンテナ装置である。
この構成により、常に人体による利得変動幅が所定範囲内となるループアンテナを用いたアンテナ装置を実現できる。
第16の発明は、第1から第15の発明であるアンテナ装置と、そのアンテナ装置と無線通信を行う無線機器とを備える無線通信システムである。
このシステム構成によれば、アンテナ装置は人体による利得の変化を小さくすることができる。
以下、本発明のアンテナを実施するための最良の形態について、図1から図27の各図面に沿って説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
以下に、本発明のアンテナ装置の実施の形態1の詳細について説明する。
図1は、本発明のアンテナ装置の構成を示す図である。X、YおよびZは、各々の座標軸を示す。図1において、接地板101は、接地導体を有する接地板である。接地板101は、長手方向がZ軸方向である。つまり、接地板101のZ軸方向の長さLは、X軸方向の長さTよりも大きい。なお接地板101の長さLは、長さTとほぼ同じ長さであってもよい。
送受信回路102は、接地板101上に設けられ、送信信号を生成し出力し、入力された受信信号を処理する送受信回路である。なお、送受信回路102は、送信回路のみ、または受信回路のみであってもよい。また、後述する姿勢検知器110から送受信回路102へ本発明のアンテナ装置の傾き情報が入力される。また、後述する交差偏波比検知器111から送受信回路102へ到来電波の交差偏波比の情報が入力される。さらに、送受信回路102から後述する移相器104a、104bを制御するための移相量制御信号を出力する。
分配器103は、接地板101に設けられ、入力端子が送受信回路102に接続され、送受信回路102から入力される信号を2つに電力分割して出力する分配器である。分配器103は、具体的にはウィルキンソン分配器などで構成される。
図2は、分配器103のウィルキンソン分配器による構成例を示す図である。2つの直列インダクタLと3つの並列コンデンサCと抵抗Rにより構成される。分配器103は、チップ部品が使用できるインダクタやコンデンサにより回路を構成できるため、一般的な伝送線路を用いる方式に比べて、回路を小型化できる。
移相器104a、104bは、送受信回路102と分配器103の2つの出力端子にそれぞれ接続され、入力された信号の位相を、送受信回路102から出力される移相量制御信号に基づいて、所定の値に変換して出力する移相器である。これにより後述するループアンテナ107、108に給電する2つの信号の給電位相差を変化させる。2つの信号の位相差を変化させることができればよいので、分配器103の2つの出力端子のうち、一方のみ移相器が接続されていてもよい。また、移相量が固定の値であり、移相量の制御が必要ない場合、移相量制御信号は不要としてもよい。
図3は、位相変化量の範囲が0度から90度の移相器104a、104bの構成例を示す図である。複数の異なる移相量を有する移相器をスイッチにて切り替えることにより構成される。移相器はそれぞれ2つの直列コンデンサCとその間に設けられた1つの並列インダクタLにより構成される。移相量が0度の場合は、入出力を直接接続する。
図4は、位相変化量の範囲が0度から−90度の移相器104a、104bの構成例を示す図である。複数の異なる移相量を有する移相器をスイッチにて切り替えることにより構成される。移相器はそれぞれ2つの並列コンデンサCとその間に設けられた1つの直列インダクタLにより構成される。移相量が0度の場合は、入出力を直接接続する。
移相器104a、104bは、チップ部品が使用できるインダクタやコンデンサにより回路を構成できるため、一般的な遅延線路を切り替える方式の移相器を用いた場合に比べて、回路を小型化できる。
整合回路105は、接地板101上に設けられ、後述するループアンテナ108と移相器104aに接続され、後述するループアンテナ108へ効率よく給電するため、後述するループアンテナ108と移相器104aとの間のインピーダンスの整合を行う整合回路である。
整合回路106は、接地板101上に設けられ、後述するループアンテナ107と移相器104bに接続され、後述するループアンテナ107へ効率よく給電するため、後述するループアンテナ107と移相器104bとの間のインピーダンスの整合を行う整合回路である。
図5(a)、(b)は、整合回路105、106の構成例を示す図である。直列コンデンサと並列コンデンサにて構成される。後述するループアンテナ107、108は放射抵抗が小さいため、損失の非常に小さい整合回路が必要である。インダクタはコンデンサに比べて損失が大きいため、整合回路に使用すると、放射効率が劣化し、利得が大幅に低下する。よって、コンデンサによる整合回路の構成が望ましい。
ループアンテナ107は、形成するループ面が接地板101の面に対して略垂直になるように設けられ、2つの給電端が、整合回路106と、後述する接地線109を経由して接地板101とに電気的に接続されたループ状の導体からなるループアンテナである。
ループアンテナ108は、形成するループ面が接地板101の面に対して略垂直になるように設けられ、2つの給電端が、整合回路105と、後述する接地線109を経由して接地板101とに電気的に接続されたループ状の導体からなるループアンテナである。
ループアンテナ107、108は、ループの軸方向が互いに等しく、また接地板101の長手方向とループの軸方向が一致する。
ループアンテナ107、108は、全長が送受信する電波の1波長以下である。ループアンテナ107、108のループの巻き数は、1回巻きとしているが、いくらであってもよい。また、ループアンテナ107、108のループの形状は図1のような矩形でなくてもよい。ループアンテナ107、108は、接地板101から突出して設けられている。
ループアンテナ107、108の給電側(整合回路105、106に接続されている給電端側)からグランド側(後述する接地線109を経由して接地板101に接続されている給電端側)へ向かうループの巻き方向は、互いに逆方向でなければならない。なお、ループアンテナ107、108のループのサイズは同一が望ましいが、異なっていてもよい。
接地線109は、ループアンテナ107、108のそれぞれの給電端と接地板101とを電気的に接続する接地線である。
図1において、ループアンテナ107、108のそれぞれの接地板101側に接続される方の端子を互いに接続して1つの端子とし、共通の接地線109を経由して接地板101に接続される。なお、ループアンテナ107、108のそれぞれに接地線を設け、別々に接地板101に接続してもよい。
図6(a)は、ループアンテナ107、108のそれぞれに接地線を設けた場合のループアンテナ107、108、接地線109の構成例を示す図である。図6(b)は、ループアンテナ107、108のループ面がXY平面にあり、それぞれに接地線を設けた場合のループアンテナ107、108、接地線109の構成例を示す図である。図6(c)は、ループアンテナ107、108のループ面がXY平面にあり、接地線を共通とした場合のループアンテナ107、108、接地線109の構成例を示す図である。
図6(a)、(b)、(c)のように接地線はそれぞれ設けても、共通の接地線としてもよく、またループアンテナ107、108のループの中心軸は一致していなくてもよい。
姿勢検知器110は、接地板101上に設けられ、本発明のアンテナ装置の傾きを検知して、送受信回路102に傾き情報を出力する姿勢検知器である。姿勢検知器110は具体的には加速度センサや転倒スイッチなど地面に対する傾きがわかるセンサで構成される。
交差偏波比検知器111は、接地板101上に設けられ、到来する受信電波の垂直偏波電力と水平偏波電力の比である交差偏波電力比を検知し、送受信回路102に交差偏波比の情報を出力する交差偏波比検知器である。
図7は、交差偏波比検知器111の構成例を示す図である。微小ループアンテナ201はループの軸方向がX軸方向である微小ループアンテナである。微小ループアンテナ202はループの軸方向がY軸方向である微小ループアンテナである。微小ループアンテナ203はループの軸方向がZ軸方向である微小ループアンテナである。
信号処理部204は、微小ループアンテナ201、202、203に接続され、微小ループアンテナ201、202、203から受信された到来電波の信号強度を測定し、垂直偏波電力と水平偏波電力の比である交差偏波電力比を計算し、送受信回路102へ交差偏波比の情報を出力する信号処理部である。信号強度の測定から交差偏波電力比の計算まで送受信回路102にて処理してもよい。
本発明のアンテナ装置の傾きを姿勢検知器110にて検知し、傾きに応じて、微小ループアンテナ201、202、203のいずれかを垂直偏波測定用アンテナ、水平偏波測定用アンテナに割り当てて、両者から得られた信号強度の比から交差偏波電力比を算出する。例えば地面がXY平面と平行な場合、微小ループアンテナ201、202で得られた信号強度のうち高いほうを垂直偏波電力、微小ループアンテナ203で得られた信号強度を水平偏波電力として、交差偏波電力比を計算する。
以上のように構成されたアンテナ装置について、その動作を説明する。
送受信回路102から出力された送信信号は、分配器103により2つに電力分割される。2つの分割された信号のうち一方は、移相器104aにより所定の位相に変換され、整合回路105によりインピーダンス変換され、ループアンテナ108に出力される。2つの分割された信号のうち他方は、移相器104bにより所定の位相に変換され、整合回路106によりインピーダンス変換され、ループアンテナ107に出力される。送受信回路102から出力される移相量制御信号にもとづいて、ループアンテナ107、108に位相差給電をおこなう。
次に上記のように構成されたアンテナ装置の電波の放射について説明する。
図8(a)は、導体板と微小ループアンテナの位置関係を示す図である。図8(b)は微小ループアンテナと導体板との距離と、導体板と反対方向の微小ループアンテナの利得の関係を示す図である。
微小ループアンテナは磁流を放射源とする磁流アンテナとして動作する。よって、ループ面が導体面に対して垂直であるとき、微小ループアンテナと導体板との距離が、波長に対して十分短いとき、利得が高くなる。
微小ループアンテナと導体板との距離が、4分の1波長の奇数倍であるとき、利得が大幅に低下する。微小ループアンテナと導体板との距離が、4分の1波長の偶数倍であるとき、利得が高くなる。
図9(a)は、導体板と線状アンテナの位置関係を示す図である。図9(b)は線状アンテナと導体板との距離と、導体板と反対方向の線状アンテナの利得の関係を示す図である。
線状アンテナは電流を放射源とする電流アンテナとして動作する。よって、線状アンテナは導体面に対して平行であるとき、線状アンテナと導体板との距離が、波長に対して十分短いとき、利得が大幅に低下する。
線状アンテナと導体板との距離が、4分の1波長の奇数倍であるとき、利得が高くなる。線状アンテナと導体板との距離が、4分の1波長の偶数倍であるとき、利得が大幅に低下する。
図8、図9から、人体など導体の影響による利得変化を小さくするためには、電流アンテナ素子と磁流アンテナ素子の両方を有するアンテナであればよいことが分かる。
本発明のアンテナ装置は、ループアンテナ107、108が磁流アンテナ、接地板101が電流アンテナとして動作する。また、放射する偏波は、図1において地面がXY平面と平行であり、Z軸方向の偏波を垂直偏波、垂直偏波に直交する偏波を水平偏波とすると、ループアンテナ107、108はXY平面上をループ状に電流が流れ、水平偏波を放射する。接地板101は、Z軸方向にループアンテナ素子があり、さらに長手方向がZ軸方向であるので、Z軸方向に電流が流れ、垂直偏波を放射する。磁流アンテナ成分は水平偏波、電流アンテナ成分は垂直偏波を放射する。
図10(a)は、ループアンテナ107、108に給電する位相差が0度のときのアンテナ装置の動作を示す図である。ループアンテナ107の給電位相をα1、ループアンテナ108の給電位相をα2、給電位相差をα1−α2とする。位相差が0度のとき、ループアンテナ107、108に流れる電流は互いに逆方向となるため、ループアンテナ107、108から形成される磁流は互いに打ち消しあう。また、ループアンテナ107、108から接地線109に流れ込む電流の向きは、ともに同一方向となるため、接地板101に電流が形成される。
図10(b)は、ループアンテナ107、108に給電する位相差が180度のときのアンテナ装置の動作を示す図である。位相差が180度のとき、ループアンテナ107、108に流れる電流はともに同一方向となるため、ループアンテナ107、108に磁流が形成される。また、ループアンテナ107、108から接地線109に流れ込む電流の向きは、互いに逆方向となるため、電流は互いに打ち消しあう。
図11(a)は、ループアンテナ107、108に給電する位相差が60度のときのアンテナ装置の動作を示す図である。図11(b)は、ループアンテナ107、108に給電する位相差が120度のときのアンテナ装置の動作を示す図である。
給電する位相差が0度に近くなるほど磁流が弱まり、電流が強まる。一方、給電する位相差が180度に近くなるほど磁流が強まり、電流が弱まる。
図10、11から、給電位相差を変化させることにより、電流、磁流の配分を制御することが出来ることがわかる。
次に、計算結果にもとづいて、本発明のアンテナ装置の特性について説明する。
図12は、計算時のアンテナ装置の寸法を示す図である。周波数は426MHz、ループアンテナ107、108の線の直径を0.4mm、ループ間の距離をp、ループのX軸方向の長さをh、ループアンテナ108と接地板101間の距離をlとして計算した。
図13は、ループアンテナ107、108の給電位相差とアンテナ装置のXY面の平均利得の関係を示す図である。ループ間の距離pが7.5mmのときの計算値である。
垂直、水平両偏波成分つまり電流、磁流両アンテナ成分から放射される電波の配分を給電位相差によって連続的かつ大幅に変化させることが可能である。
図14は、ループアンテナ107、108のループ面がXY面に対して水平である場合の人体の影響の解析モデルおよび解析モデルの寸法を示す図である。図14において、人体モデル301は直立した人体を直径220mm、高さ1700mmの円柱形状にてモデル化した人体モデルである。人体モデル301は比誘電率が57.8、導電率が0.82S/mとしている。本発明のアンテナ装置と人体モデル301との距離dを変化させて、本発明のアンテナ装置への人体の影響を計算した。
図15(a)は、ループアンテナ107、108のループ面がXY面に対して水平である場合の給電位相差0度のときの人体モデル301との距離に対するXY平面の平均利得の変化を示した図である。図15(b)は、ループアンテナ107、108のループ面がXY面に対して水平である場合の給電位相差90度のときの人体モデル301との距離に対するXY平面の平均利得の変化を示した図である。図15(c)は、ループアンテナ107、108のループ面がXY面に対して水平である場合の給電位相差180度のときの人体モデル301との距離に対するXY平面の平均利得の変化を示した図である。
給電位相差により人体との距離に対する利得特性を制御できることがわかる。次に実際の伝搬環境での実効的な利得を計算するため、人体との距離を変化させた場合の各交差偏波比(Cross Polarization Power Ratio:XPR)毎の平均実効利得(Mean Effective Gain:MEG)を計算した。
ここで、交差偏波比XPRは垂直偏波電力と水平偏波電力の比であり、次式で表される。
Figure 2009019850
また平均実効利得MEGは、到来波はほぼ水平面内に集中し、且つ一様に分布していると仮定し、XY面におけるアンテナの電力利得指向性の垂直偏波成分、水平偏波成分の平均値をそれぞれGθave、Gφaveとすると、以下のような簡略化した式で表せる。
Figure 2009019850
図16(a)は、ループアンテナ107、108のループ面がXY面に対して水平である場合のXPR=6dBのときの人体との距離に対するMEGの変化を示した図である。図16(b)は、ループアンテナ107、108のループ面がXY面に対して水平である場合のXPR=0dBのときの人体との距離に対するMEGの変化を示した図である。図16(c)は、ループアンテナ107、108のループ面がXY面に対して水平である場合のXPR=−6dBのときの人体との距離に対するMEGの変化を示した図である。
図16から、それぞれ特定の交差偏波比に対して平均実効利得が一定となる位相差が存在することがわかる。
人体との距離5〜210mmの間のMEGの変動幅をΔMEGとし、人体による利得変動の評価指標とした。図17は、ループアンテナ107、108のループ面がXY面に対して水平である場合の給電位相差によるΔMEGの変化を示した図である。伝搬環境などによってきまる各交差偏波比に対してΔMEGが最小となる位相差が存在することがわかる。
以上は、ループアンテナ107、108のループ面がXY面に対して水平である場合についての説明であるが、同様にループアンテナ107、108のループ面がXY面に対して垂直である場合について人体の影響を解析した結果を図18から図21に示す。
図18は、ループアンテナ107、108のループ面がXY面に対して垂直である場合の人体の影響の解析モデルおよび解析モデルの寸法を示す図である。
図19(a)は、ループアンテナ107、108のループ面がXY面に対して垂直である場合の給電位相差0度のときの人体モデル301との距離に対するXY平面の平均利得の変化を示した図である。図19(b)は、ループアンテナ107、108のループ面がXY面に対して垂直である場合の給電位相差90度のときの人体モデル301との距離に対するXY平面の平均利得の変化を示した図である。図19(c)は、ループアンテナ107、108のループ面がXY面に対して垂直である場合の給電位相差180度のときの人体モデル301との距離に対するXY平面の平均利得の変化を示した図である。
図20(a)は、ループアンテナ107、108のループ面がXY面に対して垂直である場合のXPR=6dBのときの人体との距離に対するMEGの変化を示した図である。図20(b)は、ループアンテナ107、108のループ面がXY面に対して垂直である場合のXPR=0dBのときの人体との距離に対するMEGの変化を示した図である。図20(c)は、ループアンテナ107、108のループ面がXY面に対して垂直である場合のXPR=−6dBのときの人体との距離に対するMEGの変化を示した図である。
図21は、ループアンテナ107、108のループ面がXY面に対して垂直である場合の給電位相差によるΔMEGの変化を示した図である。
以上から、ループアンテナ107、108のループ面がXY面に対して水平である場合と同様に、ループアンテナ107、108のループ面がXY面に対して垂直である場合についても、給電位相差により人体との距離に対する利得特性を制御できることがわかる。また、それぞれ特定の交差偏波比に対して平均実効利得が一定となる位相差が存在することがわかる。また、伝搬環境などによってきまる各交差偏波比に対してΔMEGが最小となる位相差が存在することがわかる。
ここで、ループアンテナ107、108のインピーダンス整合を崩すことなく、給電位相差を変化させるためには、ループアンテナ107、108間の相互結合量が小さくなければならない。
図22(a)は、本発明のアンテナ装置の等価回路モデルを示す図である。図22(b)は、本発明のアンテナ装置の等価回路を示す図である。図22(c)は、本発明のアンテナ装置の変換後の等価回路を示す図である。
図22(a)において、ループアンテナ107、108のインダクタンスをそれぞれL1、L2、ループアンテナ107、108間の相互インダクタンスをM、ループアンテナ107、108間の容量をC12、ループアンテナ107、108とグランド間の容量をそれぞれC1g、C2gとすると、本発明のアンテナ装置の等価回路は図22(b)のようになる。さらに図22(b)の等価回路を変換すると図22(c)のようになる。インダクタンスLa、Lb、Lcは、インダクタンスL1、L2、相互インダクタンスMを変換したものである。図22(c)から本発明のアンテナ装置は並列共振回路が複数合成されたものとみなすことが出来る。つまり、ループアンテナ107、108間の距離、ループアンテナ107、108のループ面積、ループアンテナ107、108とグランド101間の距離を並列共振するようにサイズを調整することにより、相互結合を小さくすることが出来る。
図23(a)は、ループのX軸方向の長さhを5mmとした場合のループアンテナ108と接地板101間の距離lに対するS21の変化を示す図である。図23(b)は、ループ間の距離pを7.5mmとした場合のループアンテナ108と接地板101間の距離lに対するS21の変化を示す図である。
S21はSパラメータのうち電力の伝達係数をあらわすパラメータであり、ループアンテナ107、108間の相互結合量を表す。相互結合量は小さいほどよいが、−10dB以下であれば望ましい。つまり、ループアンテナ107とループアンテナ108の間の相互結合量が−10dB以下となる位置に、ループアンテナ107及びループアンテナ108が配置されることが望ましい。
図23(a)において、ループ間の距離pが短くなるとループ間の相互インダクタンスが増加するため、並列共振するlの値が大きくなる。ループ間の距離が短くなるにつれてグランドとの距離lを伸ばすことにより、相互結合を低く抑えられる。
図23(b)において、ループ面積が広くなるとループのインダクタンス、ループ間の相互インダクタンスが増加するため、並列共振するlの値が大きくなる。ループ面積が広くなるにつれてグランドとの距離lを伸ばすことにより、相互結合を低く抑えられる。
次に本発明のアンテナ装置の位相制御手順について説明する。図24は、本発明のアンテナ装置と被制御機器501を含む無線通信システムの構成例を示した図である。
被制御機器501は、本発明のアンテナ装置が認証エリア内(認証キーの周囲数メートル以内)にあるかどうかにより、機能ロックや警報ブザーの動作を制御される被制御機器である。具体的には、アンテナ装置が認証エリア内になければ機能ロックや警報ブザーの動作を行い、アンテナ装置が認証エリア内にあれば機能ロックや警報ブザーの動作を行わない。
垂直偏波アンテナ502は、アンテナ装置と無線通信するために被制御機器501に備えられ、垂直偏波成分を放射する垂直偏波アンテナである。水平偏波アンテナ503は、アンテナ装置と無線通信するために被制御機器501に備えられ、水平偏波成分を放射する水平偏波アンテナである。
姿勢検知器504は、被制御機器501に備えられ、被制御機器501の傾きを検知して、無線通信によりアンテナ装置へその傾き情報を送る姿勢検知器である。姿勢検知器504は具体的には加速度センサや転倒スイッチなど基準面(例えば地面など)に対する傾きがわかるセンサで構成される。
図25は本発明のアンテナ装置の給電位相差の設定手順を示した図である。まずステップ1において、アンテナ装置(送受信回路102)は給電位相差の設定を開始する。ステップ2において、本発明のアンテナ装置の基準平面(例えば、地面)に対する傾きを検知する姿勢検知器110により検知する。ステップ3においてアンテナ装置(送受信回路102)はXPRを検知するかどうか判断する。ステップ4において交差偏波比検知器111により到来電波の交差偏波比XPRを検知する。ステップ5においてアンテナ装置(送受信回路102)は当該アンテナ装置と到来電波の交差偏波比XPRからΔMEGが最小となる給電位相差を判断し、設定する。
ステップ3において、交差偏波比検知器111の搭載を省略したい場合や、交差偏波比検知器111を搭載した場合であっても交差偏波比の検知処理を省きたい場合は、ステップ6においてアンテナ装置(送受信回路102)は被制御機器501の傾きを検知するかどうか判断する。
ステップ6で被制御機器501の傾きを検知する場合、姿勢検知器504はステップ7にて被制御機器501の傾きを検知してアンテナ装置に送信し、アンテナ装置(送受信回路102)は姿勢検知器504で検知された傾きから交差偏波比XPRを判断してステップ5へ進む。
図26は、本発明のアンテナ装置の給電位相差の設定例を示した図である。図17、図21のΔMEG特性に基づいた場合の設定例である。ループアンテナ107、108のループ面が図1のようにXY面に対して水平である場合、ループアンテナ107、108は水平偏波アンテナ、接地板101は垂直偏波アンテナとなるが、ループアンテナ107、108のループ面がXY面に対して垂直である場合、ループアンテナ107、108は垂直偏波アンテナ、接地板101は水平偏波アンテナとなる。
また、図14、図18からもわかるように、本発明のアンテナ装置の傾きにより、人体とループアンテナ107、108の相互の位置関係、人体と接地板101の相互の位置関係が変わる。これにより、磁流アンテナであるループアンテナ107、108、電流アンテナである接地板101、それぞれの人体の影響度も変化し、図15、図19からわかるように同じ給電位相差でも人体との距離に対する電流アンテナ成分と磁流アンテナ成分の利得の変化の様子が大きく異なる。
つまり、各XPRに対応する給電位相差が、本発明のアンテナ装置の地面に対する傾きによって変化する。よって、図26のように本発明のアンテナ装置の地面に対する傾きと到来電波のXPRからΔMEGが最小となる給電位相差を判断し、設定する。
なお、図25において、被制御機器501の利用時の傾きがつねに一定であり、交差偏波比XPRが利用時にあまり変化しない場合、事前に交差偏波比XPRを把握できるため、ステップ4やステップ7での交差偏波比XPRを検知する処理は省略できる。
また、被制御機器501の利用時の傾きが変化する場合であっても、被制御機器501が備えるアンテナから放射される垂直偏波成分と水平両偏波成分が同程度(略同一を含む)となるように、被制御機器501のアンテナを構成することで、被制御機器501の傾きによらず交差偏波比XPRはつねにほぼ0dBとなるため、ステップ4やステップ7での交差偏波比XPRを検知する処理を省略できる。このとき、本発明のアンテナ装置の給電位相差を、ループアンテナ107、108のループ面がXY面に対して水平である場合は150度とし、ループアンテナ107、108のループ面がXY面に対して垂直である場合は90度に設定する。また、このとき、給電位相差を利用して、磁流アンテナと電流アンテナから放射される電波の配分を予め決められた配分で制御する。
以上により、パソコンなど被制御機器側のアンテナの偏波や伝搬環境によってきまる交差偏波比に応じて給電位相差を最適値に設定することにより、人体による利得変化を小さくできる。
本発明のアンテナ装置は、互いに偏波面が直交する磁流アンテナと電流アンテナを備えて、両者から放射される電波の配分の調整機能を有するものである。
図27は、本発明のアンテナ装置の原理を示す図である。
磁流アンテナ401は、磁流を放射源とするループアンテナ、スロットアンテナ、パッチアンテナ、逆Fアンテナなどの磁流アンテナである。
電流アンテナ402は、電流を放射源とする線状アンテナや接地板などの電流アンテナである。磁流アンテナ401、電流アンテナ402の両者の偏波は直交している。また、磁流アンテナ401、電流アンテナ402はそれぞれ単一のアンテナ素子で構成しなくてもよい。
電流磁流配分制御回路403は、送受信回路102から入力される送受信信号を、磁流アンテナ401、電流アンテナ402から放射する電波の配分に基づいて、分配して出力する回路である。磁流アンテナ401、電流アンテナ402への分配の比率は、送受信回路102から入力される配分制御信号に基づいて決められる。
なお、図1は、磁流アンテナをループアンテナ107、108で構成し、電流アンテナを接地板101で構成したものであり、両者から放射される電波の配分の制御をループアンテナ107、108の給電位相差を制御することで行った場合に相当する。このように、本発明は、図1のように磁流アンテナと電流アンテナを一体として構成した場合であっても、図27のように別々に構成した場合であっても発明に影響を及ぼさない。
最後に、本発明におけるアンテナ装置は、図1等に示す構成に限らず、その構成を搭載した送受信装置も含むものである。
本発明を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。
本出願は、2007年12月4日出願の日本特許出願No.2007-313258、2008年6月30日出願の日本特許出願No.2008-170088、及び、2007年8月3日出願の国際特許出願PCT/JP2007/065258に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
本発明のアンテナ装置は、人体による利得の変化を小さくすることができる。よって、本発明のアンテナ装置を、例えば、セキュリティなど位置検知や距離検知な機器に搭載されるアンテナ装置として適用できる。
本発明の実施の形態1におけるアンテナ装置の構成を示す図 本発明の実施の形態1における分配器103のウィルキンソン分配器による構成例を示す図 本発明の実施の形態1における位相変化量の範囲が0度から90度の移相器104a、104bの構成例を示す図 本発明の実施の形態1における位相変化量の範囲が0度から−90度の移相器104a、104bの構成例を示す図 (a)本発明の実施の形態1における整合回路105、106の構成例を示す図(b)本発明の実施の形態1における整合回路105、106の構成例を示す図 (a)本発明の実施の形態1におけるループアンテナ107、108のそれぞれに接地線を設けた場合のループアンテナ107、108、接地線109の構成例を示す図(b)本発明の実施の形態1におけるループアンテナ107、108のループ面がXY平面にあり、それぞれに接地線を設けた場合のループアンテナ107、108、接地線109の構成例を示す図(c)本発明の実施の形態1におけるループアンテナ107、108のループ面がXY平面にあり、接地線を共通とした場合のループアンテナ107、108、接地線109の構成例を示す図 本発明の実施の形態1における交差偏波比検知器111の構成例を示す図 (a)本発明の実施の形態1における導体板と微小ループアンテナの位置関係を示す図(b)本発明の実施の形態1における微小ループアンテナと導体板との距離と、導体板と反対方向の微小ループアンテナの利得の関係を示す図 (a)本発明の実施の形態1における導体板と線状アンテナの位置関係を示す図(b)本発明の実施の形態1における線状アンテナと導体板との距離と、導体板と反対方向の線状アンテナの利得の関係を示す図 (a)本発明の実施の形態1におけるループアンテナ107、108に給電する位相差が0度のときのアンテナ装置の動作を示す図(b)本発明の実施の形態1におけるループアンテナ107、108に給電する位相差が180度のときのアンテナ装置の動作を示す図 (a)本発明の実施の形態1におけるループアンテナ107、108に給電する位相差が60度のときのアンテナ装置の動作を示す図(b)本発明の実施の形態1におけるループアンテナ107、108に給電する位相差が120度のときのアンテナ装置の動作を示す図 本発明の実施の形態1における計算時のアンテナ装置の寸法を示す図 本発明の実施の形態1におけるループアンテナ107、108の給電位相差とアンテナ装置のXY面の平均利得の関係を示す図 本発明の実施の形態1におけるループアンテナ107、108のループ面がXY面に対して水平である場合の人体の影響の解析モデルおよび解析モデルの寸法を示す図 (a)本発明の実施の形態1におけるループアンテナ107、108のループ面がXY面に対して水平である場合の給電位相差0度のときの人体モデル301との距離に対するXY平面の平均利得の変化を示した図(b)本発明の実施の形態1におけるループアンテナ107、108のループ面がXY面に対して水平である場合の給電位相差90度のときの人体モデル301との距離に対するXY平面の平均利得の変化を示した図(c)本発明の実施の形態1におけるループアンテナ107、108のループ面がXY面に対して水平である場合の給電位相差180度のときの人体モデル301との距離に対するXY平面の平均利得の変化を示した図 (a)本発明の実施の形態1におけるループアンテナ107、108のループ面がXY面に対して水平である場合のXPR=6dBのときの人体との距離に対するMEGの変化を示した図(b)本発明の実施の形態1におけるループアンテナ107、108のループ面がXY面に対して水平である場合のXPR=0dBのときの人体との距離に対するMEGの変化を示した図(c)本発明の実施の形態1におけるループアンテナ107、108のループ面がXY面に対して水平である場合のXPR=−6dBのときの人体との距離に対するMEGの変化を示した図 本発明の実施の形態1におけるループアンテナ107、108のループ面がXY面に対して水平である場合の給電位相差によるΔMEGの変化を示した図 本発明の実施の形態1におけるループアンテナ107、108のループ面がXY面に対して垂直である場合の人体の影響の解析モデルおよび解析モデルの寸法を示す図 (a)本発明の実施の形態1におけるループアンテナ107、108のループ面がXY面に対して垂直である場合の給電位相差0度のときの人体モデル301との距離に対するXY平面の平均利得の変化を示した図(b)本発明の実施の形態1におけるループアンテナ107、108のループ面がXY面に対して垂直である場合の給電位相差90度のときの人体モデル301との距離に対するXY平面の平均利得の変化を示した図(c)本発明の実施の形態1におけるループアンテナ107、108のループ面がXY面に対して垂直である場合の給電位相差180度のときの人体モデル301との距離に対するXY平面の平均利得の変化を示した図 (a)本発明の実施の形態1におけるループアンテナ107、108のループ面がXY面に対して垂直である場合のXPR=6dBのときの人体との距離に対するMEGの変化を示した図(b)本発明の実施の形態1におけるループアンテナ107、108のループ面がXY面に対して垂直である場合のXPR=0dBのときの人体との距離に対するMEGの変化を示した図(c)本発明の実施の形態1におけるループアンテナ107、108のループ面がXY面に対して垂直である場合のXPR=−6dBのときの人体との距離に対するMEGの変化を示した図 本発明の実施の形態1におけるループアンテナ107、108のループ面がXY面に対して垂直である場合の給電位相差によるΔMEGの変化を示した図 (a)本発明の実施の形態1における本発明のアンテナ装置の等価回路モデルを示す図(b)本発明の実施の形態1における本発明のアンテナ装置の等価回路を示す図(c)本発明の実施の形態1における本発明のアンテナ装置の変換後の等価回路を示す図 (a)本発明の実施の形態1におけるループのX軸方向の長さhを5mmとした場合のループアンテナ108と接地板101間の距離lに対するS21の変化を示す図(b)本発明の実施の形態1におけるループ間の距離pを7.5mmとした場合のループアンテナ108と接地板101間の距離lに対するS21の変化を示す図 本発明の実施の形態1におけるシステムの構成例を示した図 本発明の実施の形態1におけるアンテナ装置の給電位相差の設定手順を示した図 本発明の実施の形態1におけるアンテナ装置の給電位相差の設定例を示した図 本発明の実施の形態1におけるアンテナ装置の原理を示す図
符号の説明
101 接地板
102 送受信回路
103 分配器
104a、104b 移相器
105、106 整合回路
107、108 ループアンテナ
109 接地線
110 姿勢検知器
111 交差偏波比検知器
201、202、203 微小ループアンテナ
204 信号処理部
301 人体モデル
401 磁流アンテナ
402 電流アンテナ
403 電流磁流配分制御回路
501 被制御機器
502 垂直偏波アンテナ
503 水平偏波アンテナ
504 姿勢検知器

Claims (16)

  1. 磁流を放射源とする磁流アンテナと、
    電流を放射源とする電流アンテナと、
    前記磁流アンテナ及び電流アンテナに対して信号の給電を行う信号給電手段とを備え、
    前記磁流アンテナから放射される偏波と前記電流アンテナから放射される偏波とが直交するように前記磁流アンテナ及び電流アンテナが配置され、
    前記信号給電手段は、前記磁流アンテナと前記電流アンテナから放射される電波の配分を制御するアンテナ装置。
  2. 前記信号給電手段を設置した接地板の基準平面に対する傾きを検知する姿勢検知手段を設け、
    前記信号給電手段は、前記姿勢検知手段により検知される傾きに応じて、磁流アンテナと電流アンテナから放射される電波の配分を制御する請求項1記載のアンテナ装置。
  3. 前記信号給電手段は、無線機器からの到来電波に含まれる前記無線機器の基準平面に対する傾き情報に応じて、磁流アンテナと電流アンテナから放射される電波の配分を制御する請求項1または2記載のアンテナ装置。
  4. 無線機器からの到来電波の交差偏波比を検知する交差偏波比検知手段を設け、
    前記信号給電手段は、前記交差偏波比検知手段により検知される交差偏波比に応じて、磁流アンテナと電流アンテナから放射される電波の配分を制御する請求項2または3記載のアンテナ装置。
  5. 無線機器からの到来電波の垂直偏波成分と水平偏波成分が略同一である場合、前記信号給電手段は、磁流アンテナと電流アンテナから放射される電波の配分を予め決められた配分で制御する請求項2または3記載のアンテナ装置。
  6. 前記信号給電手段は、利得の変動幅が所定範囲内に収まるように磁流アンテナと電流アンテナから放射される電波の配分を制御する請求項2ないし5のいずれか1項に記載のアンテナ装置。
  7. 接地導体を有する平面状の接地板と、
    前記接地板から水平方向に離れた位置に設けた第1ループアンテナ及び第2ループアンテナと、
    前記第1ループアンテナ及び第2ループアンテナのそれぞれ一端に設けた給電点に対して信号の給電を行う信号給電手段とを備え、
    前記第1ループアンテナ及び第2ループアンテナに形成されるループ面は前記接地板に対して垂直に形成され、
    前記第1ループアンテナ及び第2ループアンテナの他端は前記接地板に接続され、
    前記第1ループアンテナの給電点から前記接地板へ至る方向に向かう巻き方向と、前記第2ループアンテナの給電点から前記接地板へ至る方向に向かう巻き方向とが互いに反対方向となり、
    前記第1ループアンテナ及び第2ループアンテナから放射されるループ面に平行な偏波と、前記第1ループアンテナ及び第2ループアンテナから前記接地板へ流れ込む電流により放射される偏波とが直交するアンテナ装置。
  8. 前記第1ループアンテナに形成されるループ面と前記第2ループアンテナに形成されるループ面とが向かい合う請求項7記載のアンテナ装置。
  9. 前記第1ループアンテナと前記第2ループアンテナの間の相互結合量が−10dB以下となる位置に、前記第1ループアンテナ及び第2ループアンテナが配置された請求項8記載のアンテナ装置。
  10. 前記信号給電手段は、前記第1ループアンテナに給電する信号の位相と前記第2ループアンテナに給電する信号の位相とを制御する請求項9記載のアンテナ装置。
  11. 基準平面に対する接地板の傾きを検知する姿勢検知手段を設け、
    前記信号給電手段は、前記姿勢検知手段により検知される傾きに応じて、前記第1ループアンテナに給電する信号の位相と前記第2ループアンテナに給電する信号の位相とを制御する請求項10記載のアンテナ装置。
  12. 前記信号給電手段は、無線機器からの到来電波に含まれる前記無線機器の基準平面に対する傾き情報に応じて、前記第1ループアンテナと前記第2ループアンテナから放射される電波の配分を制御する請求項10または11記載のアンテナ装置。
  13. 到来電波の交差偏波比を検知する交差偏波比検知手段を設け、
    前記信号給電手段は、前記交差偏波比検知手段により検知される交差偏波比に応じて、前記第1ループアンテナに給電する信号の位相と前記第2ループアンテナに給電する信号の位相とを制御する請求項11または12記載のアンテナ装置。
  14. 無線機器からの到来電波の垂直偏波成分と水平偏波成分が略同一である場合、前記信号給電手段は、前記第1ループアンテナと前記第2ループアンテナから放射される電波の配分を予め決められた配分で制御する請求項11または12記載のアンテナ装置。
  15. 前記信号給電手段は、利得の変動幅が所定範囲内に収まるように前記第1ループアンテナに給電する信号の位相と前記第2ループアンテナに給電する信号の位相とを制御する請求項11ないし14のいずれか1項に記載のアンテナ装置。
  16. 請求項1ないし15のいずれか1項に記載のアンテナ装置と、
    前記アンテナ装置と無線通信を行う無線機器と
    を備える無線通信システム。
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