JP2006238294A - 指向性アンテナ及びアンテナシステム - Google Patents
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Abstract
【課題】 小型の装置に搭載可能で、かつ、放射強度分布を自由に変更することで妨害電波の受信を抑制し感度良く受信できる指向性アンテナ及びアンテナシステムを提供する。
【解決手段】 指向性アンテナに給電素子1と無給電素子3とを設ける。そして、給電素子1で高次の共振を行うことにより、放射強度分布において放射強度の小さいポイントであるヌル点5を形成する。このヌル点5が妨害電波の方向に向くような放射強度分布パターンにより、妨害電波の受信を抑制する。
【選択図】 図1
【解決手段】 指向性アンテナに給電素子1と無給電素子3とを設ける。そして、給電素子1で高次の共振を行うことにより、放射強度分布において放射強度の小さいポイントであるヌル点5を形成する。このヌル点5が妨害電波の方向に向くような放射強度分布パターンにより、妨害電波の受信を抑制する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、指向性アンテナ及びアンテナシステムに関し、特に、小型で携帯性に優れる指向性アンテナ及びアンテナシステムに関する。
近年、衛星通信や移動体通信などの通信方式が様々な場面で利用されている。このような通信方式においては通信手段として電波を用いており、この電波を受信する手段としてアンテナが利用されている。
アンテナを大まかに分類すると、指向性アンテナと無指向性アンテナの2種類に大別される。指向性アンテナは、特定の方向の電波のみを選択的に受信するアンテナであり、無指向性アンテナは、方位については完全な放射強度分布を持つアンテナのことである。
上記の通信方式においては送信側と受信側は相対的に移動するため、指向性アンテナでは相手装置の方向を検出し、そちらにアンテナを向ける必要があるという問題点がある。他方、無指向性アンテナではアンテナを相手装置方向に向ける必要がなくなるが、効率が悪く、ノイズに弱い等の欠点がある。
このような、アンテナ技術において、指向性アンテナが主として用いられており、近年ではいかにして上述の問題点を回避するかが考えられている。
特許文献1では、衛星通信における衛星追尾システムが提案されている。これは、アンテナを機械的に動かして送信または受信の方向を検知し、追尾する技術である。
また、特許文献2では、移動体通信に関する技術として、ジャイロと地磁気を利用した指向システムが提案されている。また特許文献3では、ジャイロとGPSと地磁気を利用して移動体の位置を常に確認しながらアンテナを機械的に動かして追尾する指向システムが提案されている。
しかし、上記の技術で用いられるアンテナは大型のアンテナであるゆえ、小型化、携帯性が重要視される移動体通信用のアンテナに応用することが困難である。
このような問題点を解決するために、非特許文献1ではパッチアンテナを用い、無給電パッチ部分をGNDに落とすことで指向性を持たせるアンテナ技術が提案されている。具体的には無給電パッチに誘起された電流をGNDに落とすことで、反対側の給電パッチで誘起された電流の位相と給電パッチの電流の位相との相互作用により放射方向を傾ける。
特許第3558242号公報
特公平07−58854号公報
特開平10−10220号公報
D.V.Thiel,Electronics Letters,vol.33 No.1,pp7-8
しかし、非特許文献1に記載のアンテナ技術では、指向性は得られるものの、その方向は所定の1方向のみであり、任意の方向への指向性を変化させることができない。また、無給電パッチに誘起された電流を一点でGNDに落としているため無給電パッチに残る残電が大きく、ビームの放射方向を大きく傾ける妨げとなる。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、小型の装置に搭載可能で、放射強度分布を自由に変更することのできる指向性アンテナ及びアンテナシステムを提供することを目的とする。
請求項1記載の発明は、給電素子と、その周囲に配置された少なくとも1つの無給電素子と、を有し、前記無給電素子に誘起された電流を前記無給電素子に設けられた短絡線を介して接地することによって電磁波の放射方向が変化する指向性アンテナであって、前記給電素子は、主共振と、高次共振と、を選択して実行することを特徴とする指向性アンテナである。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の指向性アンテナにおいて、前記高次共振は、1次の高次共振であることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1または2に記載の指向性アンテナにおいて、前記高次共振は、2次の高次共振であることを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項1から3のいずれか1項に記載の指向性アンテナにおいて、前記無給電素子は、前記給電素子の励振方向と平行方向上に、前記給電素子を挟み込む形で配置されていることを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項1から3のいずれか1項に記載の指向性アンテナにおいて、前記無給電素子は、前記給電素子の励振方向と垂直方向上に、前記給電素子を挟み込む形で配置されていることを特徴とする。
請求項6記載の発明は、請求項1から3のいずれか1項に記載の指向性アンテナにおいて、前記無給電素子は、前記給電素子を中心として、マトリクス状に配置されていることを特徴とする。
請求項7記載の発明は、請求項1から6のいずれか1項に記載の指向性アンテナにおいて、前記無給電素子は、前記短絡線を接地するか否かを切り替えるスイッチ部を有することを特徴とする。
請求項8記載の発明は、請求項1から7のいずれか1項に記載の指向性アンテナにおいて、前記無給電素子は、前記短絡線を複数有することを特徴とする。
請求項9記載の発明は、請求項1から8のいずれか1項に記載の指向性アンテナにおいて、前記短絡線は、前記無給電素子を流れる定常電流の値が小さい箇所に設けられていることを特徴とする。
請求項10記載の発明は、請求項1から9のいずれか1項に記載の指向性アンテナにおいて、前記給電素子は、共振方向に長い矩形形状であることを特徴とする。
請求項11記載の発明は、請求項1から10のいずれか1項に記載の指向性アンテナを用いたことを特徴とするアンテナシステムであって、受信電波に含まれる雑音の比率を検出する検出手段と、前記検出手段において検出された前記雑音の比率と所定値とを比較する比較手段と、前記指向性アンテナの前記放射強度分布を制御する制御手段と、を有し、前記雑音の比率が前記所定値を下回る場合には、前記雑音の比率が前記所定値を上回るまで、前記制御手段を用いて前記放射強度分布を変更することを特徴とするアンテナシステムである。
本発明により、高次共振モードを利用してあらゆる方向にヌル点を形成することが可能となり、このヌル点が妨害電波の方向に向く放射強度分布パターンを採用することで、妨害電波の受信を抑制し感度の良好な受信を行うことが可能となる。
<指向性アンテナの構成>
本実施形態の指向性アンテナの構成について説明する。本実施形態の指向性アンテナはマイクロストリップアンテナ(MSA)から構成される。MSAは、全体が導体であるGND(地板)上に誘電体が形成され、該誘電体の上にパッチ状の導体であるアンテナパターンが形成された構造となっている。
本実施形態の指向性アンテナの構成について説明する。本実施形態の指向性アンテナはマイクロストリップアンテナ(MSA)から構成される。MSAは、全体が導体であるGND(地板)上に誘電体が形成され、該誘電体の上にパッチ状の導体であるアンテナパターンが形成された構造となっている。
アンテナパターンには給電する部分のパターンと無給電のパターンとがあり、以下の本実施形態では、「給電素子」「無給電素子」と表現する。給電素子は、給電点において裏面から同軸ケーブルで給電され、励振する。無給電素子には給電はなされず、給電素子の電磁影響により励振される。なお、本実施形態の指向性アンテナでは、無給電素子はGND短絡線とスイッチ部を有する。GND短絡線は、無給電素子をGNDに短絡し、スイッチ部は該GND短絡線の接続状態を制御する。
<共振モード>
次に、共振モードについて説明する。
次に、共振モードについて説明する。
なお、以下の説明においては、図15に示す座標系を用いて、空間内の位置をXYZの3軸による直交座標で表し、X軸からY軸への回転角をφ、Z軸からXY平面への回転角をθと表記する。なお、Z軸の正方向は天頂方向を表し、XY平面は水平面を表す。また、X軸は給電素子の励振方向と垂直な軸、Y軸は給電素子の励振方向と平行な軸を表す。
まず、主共振モードについて説明する。
図11は、給電点2を持つ給電素子1を示す。この給電素子1の励振方向がY軸方向と平行である場合、図12(a)に示す定常電流分布で電流が流れる。ここでは、定常電流は給電素子1の中央部において大きく流れ、端部においてほとんど流れていない状態となる。このような状態を主共振モードという。
図12(b)は、主共振モードの放射強度分布をZ軸方向(天頂方向)から計測したものであり、図12(c)は、主共振モードの放射強度分布のY軸断面を示すものである。なお、図12(b)においては、色の濃さと放射強度の強弱を対応させており、色が濃いほど放射強度が小さく、色が薄いほど放射強度が大きい状態を示す。
図12(b)から、X−Yの中央部に近いと放射強度が大きいことがわかる。また、図12(c)から、θ=0°で表される天頂方向に対しての放射強度が大きいことがわかる。
次に、1次の高次共振モードについて説明する。
図11に示す給電素子1において、給電素子1側の給電点2の位置を調整したり、受信回路側に整合回路を持たせたりすることで、アンテナ側のインピーダンスと受信回路側のインピーダンスとがマッチングするように調整すると、図13(a)に示す定常電流分布で電流が流れる。この場合、定常電流は給電素子の端部と中央部においてほとんど流れなくなり、各端部と中央部の中間点において大きく流れる状態になる。このような状態を1次の高次共振モードという。
図13(b)は、1次の高次共振モードの放射強度分布をZ軸方向(天頂方向)から計測したものであり、図13(c)は、1次の高次共振モードの放射強度分布のY軸断面を示すものである。なお、図13(b)においては、色の濃さと放射強度の強弱を対応させており、色が濃いほど放射強度が小さく、色が薄いほど放射強度が大きい状態を示す。
図13(b)から、X−Yの中央部の放射強度が小さいことがわかる。また、図13(c)から、左右斜め方向に対しての放射強度は大きく、θ=0°で表される天頂方向に対しての放射強度は小さいことがわかる。なお、以下の説明においては、このような放射強度の小さいポイントを「ヌル点5」と呼称する。
次に、2次の高次共振モードについて説明する。
図11に示す給電素子1において、給電素子1側の給電点2の位置を調整したり、受信回路側に整合回路を持たせたりすることで、アンテナ側のインピーダンスと受信回路側のインピーダンスとがマッチングするように調整すると、図14(a)に示す定常電流分布で電流が流れる。この場合、給電素子の端部と、中央部からずれた準中央部2箇所においては、定常電流がほとんど流れなくなり、その間において大きく流れる状態になる。このような状態を2次の高次共振モードという。
図14(b)は、2次の高次共振モードの放射強度分布をZ軸方向(天頂方向)から計測したものであり、図14(c)は、2次の高次共振モードの放射強度分布のY軸断面を示すものである。なお、図14(b)においては、色の濃さと放射強度の強弱を対応させており、色が濃いほど放射強度が小さく、色が薄いほど放射強度が大きい状態を示す。
図14(b)から、X−Yの中央部と両端の放射強度が大きいことがわかる。また、図14(c)から、左右斜め方向及び天頂方向に対して大きく放射し、左右斜め方向と天頂方向との間に対しての放射強度は小さく、ヌル点5が形成されていることがわかる。
<指向性アンテナの制御>
次に、本実施形態の指向性アンテナの制御について説明する。本実施形態の指向性アンテナは、上述の高次共振モードを用いて放射強度の小さいヌル点を形成し、ヌル点を妨害電波の発生方向に向けることで妨害電波の受信を抑制し、感度の良好な受信を行う。以下、具体的な形態を提示して説明する。
次に、本実施形態の指向性アンテナの制御について説明する。本実施形態の指向性アンテナは、上述の高次共振モードを用いて放射強度の小さいヌル点を形成し、ヌル点を妨害電波の発生方向に向けることで妨害電波の受信を抑制し、感度の良好な受信を行う。以下、具体的な形態を提示して説明する。
まず、第1の実施形態の指向性アンテナについて、図1を参照して説明する。図1は、指向性アンテナを示す。指向性アンテナは給電素子1と無給電素子3とを有し、給電素子1を中心とし給電素子1の励振方向と平行方向であるY軸方向の両端に無給電素子3が配置された構成を持つ。
図1の指向性アンテナにおいて1次の高次共振を行った場合、図2に示す放射強度分布となる。図2(a)は、放射強度分布をZ軸方向(天頂方向)から計測したものであり、図2(b)は、放射強度分布のY軸断面を示すものである。なお、図2(a)においては、色の濃さと放射強度の強弱を対応させており、色が濃いほど放射強度が小さく、色が薄いほど放射強度が大きい状態を示す。
図2(a)(b)から、本実施形態の指向性アンテナにおいては、左右斜めの複数方向に大きく放射し、天頂方向、または、大きく放射している方向の間にヌル点5が複数生成されていることがわかる。
よって、図1のように、給電素子1の励振方向と平行な方向に無給電素子3を配置し、この指向性アンテナで1次の高次共振を行うことで、励振方向であるY軸方向上に放射強度の弱いヌル点5を複数形成することができ、この方向からの妨害電波の受信を抑制することが可能となる。
次に、第2の実施形態の指向性アンテナについて、図3を参照して説明する。図3は、指向性アンテナを示す。指向性アンテナは給電素子1と無給電素子3とを有し、給電素子1を中心とし給電素子1の励振方向と垂直方向であるX軸方向の両端に無給電素子3が配置された構成を持つ。
図3の指向性アンテナにおいて1次の高次共振を行った場合、図4に示す放射強度分布となる。図4(a)は、放射強度分布をZ軸方向(天頂方向)から計測したものであり、図4(b)は、放射強度分布の図4(a)のA−A´断面を示すものである。なお、図4(a)においては、色の濃さと放射強度の強弱を対応させており、色が濃いほど放射強度が小さく、色が薄いほど放射強度が大きい状態を示す。
図4(a)から、X軸(Y軸)から45°ずれた軸方向に対する放射強度が大きく、X軸Y軸方向に対しては、放射強度が小さいことがわかる。また、図4(b)から、左右斜め方向に対しての放射強度が大きく、天頂方向に対してはヌル点5が形成されていることがわかる。
よって、図3のように、給電素子1の励振方向と垂直な方向に無給電素子3を配置し、この指向性アンテナで1次の高次共振を行うことで、励振方向であるX軸方向、Y軸方向、天頂方向に対して放射強度の弱いヌル点5を形成することができ、この方向からの妨害電波の受信を抑制することが可能となる。
次に、第3の実施形態の指向性アンテナについて、図5を参照して説明する。図5は、指向性アンテナを示す。指向性アンテナは、給電素子1と無給電素子3とを有し、給電素子1を中心として周囲に無給電素子3を3×3のマトリクス状に配置した構成を持つ。
また、無給電素子3には、GND短絡点4が設けられており、GND短絡点4は、スイッチ部を介してGNDに短絡している。スイッチ部がON状態である場合には、無給電素子3とGNDとは短絡されており、スイッチ部がOFF状態である場合には、無給電素子3はGNDと短絡されず浮いた状態となる。なお、このスイッチ部は、必要に応じてON/OFF切り替えをすることができる。
図6は、図5の指向性アンテナにおいて、給電素子1の上下にある無給電素子3がスイッチ部OFF制御により浮き、他の無給電素子3がスイッチ部ON制御によりGNDに短絡した状態を示す。
無給電素子3がGNDに短絡すると、無給電素子3上に流れる電流が小さくなり、給電素子1から見てそこに無給電素子3が無いような状態を作ることが可能となる。この状態は、図1に示す指向性アンテナの状態と同じであるから、この状態において1次の高次共振を行った場合、図2に示した放射強度分布が得られる。よって、図6のように励振方向と平行な方向以外の無給電素子3をON制御することで短絡し1次の高次共振を行うと、図1で示した放射パターン、放射強度分布を得ることができる。
また、図7のように、図5の指向性アンテナにおいて給電素子1の左右にある無給電素子3をスイッチ部OFF制御により浮かせ、他の無給電素子をスイッチ部ON制御によりGNDに短絡させた場合には、図3に示す指向性アンテナが擬似的に形成されることになり、この状態において1次の高次共振を行った場合、図4に示した放射強度分布が得られる。よって、図7のように励振方向と垂直な方向以外の無給電素子3をON制御することで短絡し1次の高次共振を行うと、図4で示した放射パターン、放射強度分布を得ることができる。
なお、図5の指向性アンテナにおいては、無給電素子3のON/OFF制御の組み合わせは多数存在し、その組み合わせ毎に放射強度分布、ヌル点5の数、位置、大きさが異なる。よって、ON/OFF制御により短絡する無給電素子3と短絡させずに浮かせる無給電素子3の組み合わせにより異なる放射強度分布を得ることができるので、複数のヌル点5を形成し、妨害波の受信を抑制することができる。
なお、上述の第3の実施形態では、給電素子1と無給電素子3とを有し、給電素子1を中心として周囲に無給電素子3を3×3のマトリクス状に配置した構成を持つ指向性アンテナについて説明したが、無給電素子3の配置構成はこの構成に限られるものではなく、例えば5×5のマトリクス状配置であってもよい。
なお、本実施形態の指向性アンテナの無給電素子3に流れる電流を効率的に縮小するには、図8(a)に示すように、定常電流がほとんど流れない電流の「節」に該当する箇所にGND短絡線4を設け、短絡させる。なお、図8(b)のように、励振方向と平行方向の両端部2ヶ所にGND短絡線4を設けて短絡させれば、より電流量を縮小することができる。さらに、図8(c)のように無給電素子3の中央部にもGND短絡線4を設けて短絡させれば、さらに電流量を縮小することができ、さらに電流量を縮小するのであれば、図8(d)のように複数の箇所にGND短絡線4を設け多くの点で短絡させればよい。
なお、このGND短絡点4は、上述の配置位置に限られるものではなく、節からずれたところに設けてもよい。
なお、無給電素子3をGND短絡線4により短絡させると、相互作用によって生じた無給電素子3に流れる電流を小さくできることは上述したが、流れる電流を完全に0にすることはできず、微量の電流が無給電素子3を流れることになる。よって、無給電素子3を短絡させる際に用いるGND短絡線4を変えることによっても異なる放射強度分布を得ることができる。
また、上述の実施形態では1次の高次共振モードを用いた指向性アンテナに関して説明してきたが、2次の高次共振モードを用いても同様に複数のヌル点5の形成が可能である。この2次の高次共振モードを用いると、天頂方向に対して放射強度を残し、左右斜め方向にヌル点5を形成することが可能となる。
なお、指向性アンテナの給電素子3は、矩形形状で、共振方向に長辺が来るように配置することが好ましい。このように構成することにより、高次での共振を起こりやすくすることができる。
<アンテナシステム>
次に、上述の指向性アンテナを利用したアンテナシステムについて説明する。図9は、アンテナシステムの構成を示す。アンテナシステムは、指向性アンテナ10と、スイッチング制御部11と、共振モード選択部12と、変換部13と、S/N評価部14と、放射パターン選択部15と、データ取り込み部16と、から構成される。
次に、上述の指向性アンテナを利用したアンテナシステムについて説明する。図9は、アンテナシステムの構成を示す。アンテナシステムは、指向性アンテナ10と、スイッチング制御部11と、共振モード選択部12と、変換部13と、S/N評価部14と、放射パターン選択部15と、データ取り込み部16と、から構成される。
スイッチング制御部11は、指向性アンテナ10の無給電素子3のGND短絡線4をON/OFF制御するスイッチ部の制御を行う。共振モード選択部12は指向性アンテナの共振モードの選択を行う。変換部13は、受信した電波をデータ信号に変換する。S/N評価部14は、データ信号のS/N(signal to noise ratio)の評価を行う。なお、S/Nとは、任意のポイントにおける受信したい信号の振幅とそのポイントでの雑音信号の振幅との比率のことである。放射パターン選択部15は、次共振モードや短絡状態を調整することで指向性アンテナ10の放射強度分布パターンを選択する。データ取り込み部16は、信号データの取り込みを行う。
以下、図10を参照して、アンテナシステムの制御フローを説明する。まず、指向性アンテナ10で受信された電波は変換部13でデータ信号に変換され(S101、S102)、S/N評価部14に送られる。S/N評価部14において、送られてきた信号のS/N値と所定S/N値との比較が行われる(S103)。
信号S/N値が所定のS/N値よりも小さい場合には(S104/No)、放射パターン選択部14で現在の放射強度分布とは異なる放射強度分布パターンを選択し(S105)、該放射強度分布が実現できるようにスイッチング制御部11や共振モード選択部12を選択制御する(S106)。そして、新しい放射強度分布パターンでS101からの処理を再実行する。他方、信号S/N値が所定S/N値よりも大きい場合には(S104/Yes)、そのデータ信号をデータ取込部16で取り込む(S107)。
このように制御することにより、妨害電波などで受信電波のS/Nが低い場合には、その妨害電波を受信しないような放射強度分布パターンを選択して電波を受信するので、妨害電波を排除した信頼性の高いデータを取り込むことが可能となる。
1 給電素子
2 給電点
3 無給電素子
4 GND短絡点
5 ヌル点
2 給電点
3 無給電素子
4 GND短絡点
5 ヌル点
Claims (11)
- 給電素子と、その周囲に配置された少なくとも1つの無給電素子と、を有し、前記無給電素子に誘起された電流を前記無給電素子に設けられた短絡線を介して接地することによって電磁波の放射強度分布を制御する指向性アンテナであって、
前記給電素子は、主共振と、高次共振と、を選択して実行することを特徴とする指向性アンテナ。 - 前記高次共振は、1次の高次共振であることを特徴とする請求項1記載の指向性アンテナ。
- 前記高次共振は、2次の高次共振であることを特徴とする請求項1または2に記載の指向性アンテナ。
- 前記無給電素子は、前記給電素子の励振方向と平行方向上に、前記給電素子を挟み込む形で配置されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の指向性アンテナ。
- 前記無給電素子は、前記給電素子の励振方向と垂直方向上に、前記給電素子を挟み込む形で配置されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の指向性アンテナ。
- 前記無給電素子は、前記給電素子を中心として、マトリクス状に配置されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の指向性アンテナ。
- 前記無給電素子は、前記短絡線を接地するか否かを切り替えるスイッチ部を有することを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の指向性アンテナ。
- 前記無給電素子は、前記短絡線を複数有することを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の指向性アンテナ。
- 前記短絡線は、前記無給電素子を流れる定常電流の値が小さい箇所に設けられていることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の指向性アンテナ。
- 前記給電素子は、共振方向に長い矩形形状であることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の指向性アンテナ。
- 請求項1から10のいずれか1項に記載の指向性アンテナを用いたことを特徴とするアンテナシステムであって、
受信電波に含まれる雑音の比率を検出する検出手段と、
前記検出手段において検出された前記雑音の比率と所定値とを比較する比較手段と、
前記指向性アンテナの前記放射強度分布を制御する制御手段と、を有し、
前記雑音の比率が前記所定値を下回る場合には、前記雑音の比率が前記所定値を上回るまで、前記制御手段を用いて前記放射強度分布を変更することを特徴とするアンテナシステム。
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