JP3897739B2 - 近距離小電力無線デバイス - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、無線タグ又無線LAN若しくはBluetooth(登録商標)のPCカードの如き近距離小電力無線デバイスに関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の近距離小電力無線デバイスとして、例えば無線タグの場合は、図12に示すように、図示しない移動体に設けた無線タグ1をコントローラ2で検知することにより、移動体の位置検知等に用いている。
【0003】
また、図13に示すように、無線LAN、Bluetooth(登録商標)のPCカード3の場合は、図示しないパーソナルコンピュータ等に挿入可能なカード状をなし、一のパーソナルコンピュータ等と他のパーソナルコンピュータ等との間での無線通信等に用いている。
【0004】
上述の他に広帯域化を図る無線タグとして特許文献1に示すものも知られている。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−332523号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、近距離小電力無線デバイスは、汎用且つ簡便に移動体の位置検知や移動体通信を行うものであるため、電波の到達距離は自ずと制限されたものであり、また一般に無指向性であるため、特定の移動体の位置検知や特定の移動体通信を行うことができない場合があった。
【0007】
本発明の目的は、特定の移動体の位置検知や特定の移動体通信を行う場合に好適とされる近距離小電力無線デバイスを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため本発明に係る近距離小電力無線デバイスは、近距離小電力無線デバイス本体部と、このデバイス本体部に近接して設けられるアンテナ効果を有する導体部とを具備することを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、デバイス本体部から輻射された電波は近接した導体部に電磁界を誘起し、この導体部から電波が2次輻射されるので、デバイス本体部だけの場合よりも電波が効率的に空間に輻射される。
【0010】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、本発明に係る近距離小電力無線デバイスの第1実施形態を、図11と同一部分には同一符号を付した図1を参照して説明する。
【0011】
本実施形態は、近距離小電力無線デバイスとして無線タグを、デバイス本体部としたものである。
【0012】
ここで、無線タグについて説明する。
【0013】
現在、日本国内で使用できる無線タグは大別して下記の4種類に大別される。
【0014】
(1)124KHz帯無線タグ
(2)13MHz帯無線タグ
(3)2.4GHz帯無線タグ
(4) 微弱電波型無線タグ
上記のうち(1)及び(2)は、探索距離が数十cm程度の短距離検索タイプであり、(3)及び(4)は、探索距離が十数m〜数十mの長距離タイプである。また、(3)は、マイクロ波帯の性質上、直進性が顕著で、物陰などへ伝搬しにくい特性がある。(4)は、周波数の制限がないため、電波伝搬特性とアンテナサイズの点で有利な300MHZ帯程度の周波数のものがあり、UHFの周波数帯電子デバイスであることから低コストである。
【0015】
本実施形態の近距離小電力無線デバイスは、図1に示すように、上述した無線タグ、例えば微弱電波型無線タグをデバイス本体部4とし、デバイス本体部4と、このデバイス本体部4に近接して設けられるアンテナ効果を有する導体部5とから構成される。
【0016】
デバイス本体部4は、図2に示すように、プラスチックケース4A内に、図示しない集積回路素子を含む電子回路基板4B、アンテナ4C及び電池4Dを備え、コントローラ2から送信された電波をアンテナ4Cにより受信し、該受信信号に基づき電子回路基板4Bの集積回路素子にて所定の信号処理を行い、該信号処理に基づく信号をアンテナ4Cを介してコントローラ2に送信するものである。
【0017】
導体部5は、例えば、デバイス本体部4の端部としてプラスチックケース4Aの短辺部に、その長手方向面を固着した電気導電性を有するものであり、好ましくは、後述するような形状であるが、基本的には任意の形状をとり得る。
【0018】
本実施形態では、デバイス本体部4から輻射された電波は導体部5を励振し、導体部5から2次輻射によって電波が空間に輻射される。
【0019】
以上のように本実施形態によれば、電波送信電力が限られている無線タグであるデバイス本体部4に導体部5を設けることで、導体部5からの2次輻射電波により、デバイス本体部4だけの場合よりも電波が効率的に空間に輻射されることになり、また導体部5の形態により所望の指向性を得ることができる。これにより、特定の移動体の位置検知や特定の移動体通信を行う場合にも対応可能となる。
【0020】
(第2実施形態)
次に、本発明に係る近距離小電力無線デバイスの第2実施形態を、図1と同一部分には同一符号を付した図3を参照して説明する。
【0021】
本実施形態は、第1実施形態と同様に、近距離小電力無線デバイスとして無線タグを、デバイス本体部としたものである。
【0022】
本実施形態の近距離小電力無線デバイスは、図3に示すように、例えば微弱電波型無線タグをデバイス本体部4とし、デバイス本体部4の送信周波数に対し略1/4波長の整数倍の電波長を長手方向長さとする導体部6の当該長手方向を、デバイス本体部4の短辺方向に沿ように配置した構成である。
【0023】
本実施形態では、デバイス本体部4から輻射された電波は導体部6を励振し、導体部6から2次輻射によって電波が空間に輻射される。この場合、導体部6は、デバイス本体部4の送信周波数に対し略1/4波長の整数倍の電波長を有するので、効率的に電波輻射が行われる。
【0024】
発明者は、デバイス本体部4の送信周波数に対し略1/4波長の電波長を有する導体部6を用いた場合における、電波の水平方向到達距離について測定を行った。その結果について、図4を参照して説明する。
【0025】
図4に示すように、デバイス本体部4の前方及び後方として、測定点P11及びP12を決め、該点における電波の検知と消失とを、デバイス本体部4の送信周波数に対し略1/2波長の整数倍の電波長を有するアンテナ(1/2波長ホイップアンテナ)、八木アンテナを用いて測定した。この測定おいては、本実施形態の近距離小電力無線デバイスからの送信電波を、1/2波長アンテナ及び八木アンテナで受信する。なお、実際の測定においては、コンクリート床に置かれた木箱上に近距離小電力無線デバイスを置き、当該コンクリート床から近距離小電力無線デバイスまでを25cm高さとして、1/2波長アンテナ及び八木アンテナで受信測定を行った。
【0026】
(1/2波長ホイップアンテナによる測定)
測定によると、近距離小電力無線デバイスから40m離れた測定点P11で電波の検知が行われ、41m離れた測定点P11で電波の消失が確認された。すなわち、測定点P11では電波到達が40mとなった。
【0027】
また、同じ近距離小電力無線デバイスから20m離れた測定点P12で電波の検知が行われ、21m離れた測定点P12で電波の消失が確認された。すなわち、測定点P12では電波到達が20mとなった。
【0028】
このようにデバイス本体部4の送信周波数に対し略1/4波長の電波長を有する導体部6を用い、1/2波長アンテナで受信測定した場合は、前方向である測定点P11側に指向性を有する電波特性が得られたことが確認された。
【0029】
(八木アンテナによる水平及び垂直偏波の測定)
八木アンテナにより水平偏波を測定したところ次のような結果を得た。すなわち、近距離小電力無線デバイスから50m離れた測定点P1で電波の検知及び消失が確認された。すなわち、測定点P11では電波到達が50mとなった。また、近距離小電力無線デバイスから1m離れた測定点P12で電波の検知及び消失が確認された。すなわち、測定点P12では電波到達が1mとなった。
【0030】
八木アンテナにより垂直偏波を測定したところ次のような結果を得た。すなわち、近距離小電力無線デバイスから43m離れた測定点P1で電波の検知及び消失が確認された。また、近距離小電力無線デバイスから2m離れた測定点P2で電波の検知及び消失が確認された。
【0031】
このようにデバイス本体部4の送信周波数に対し略1/4波長の電波長を有する導体部6を用い、八木アンテナで受信測定した場合は、前方向である測定点P11側に大きい指向性を有する電波特性が得られたことが確認された。
【0032】
以上のように本実施形態によれば、第1実施形態と同様の作用効果が得られる他、デバイス本体部4の送信周波数に応じた効率的に電波輻射が行われて図4に示すような8字状の指向特性を示すようになるので、この指向特性を利用することで特定の移動体の位置検知や特定の移動体通信を良好に行うことができる。
【0033】
(第3実施形態)
次に、本発明に係る近距離小電力無線デバイスの第3実施形態を、図1及び図3と同一部分には同一符号を付した図5を参照して説明する。
【0034】
本実施形態は、第1,第2実施形態と同様に、近距離小電力無線デバイスとして無線タグを、デバイス本体部としたものである。
【0035】
本実施形態の近距離小電力無線デバイスは、図5に示すように、例えば微弱電波型無線タグをデバイス本体部4とし、デバイス本体部4の送信周波数に対し略1/2波長の電波長を有する長尺状導体2つが直交2軸となるように構成した導体部7をデバイス本体部4に載置した構成である。
【0036】
本実施形態では、デバイス本体部4から輻射された電波は導体部7を励振し、導体部7から2次輻射によって電波が空間に輻射される。この場合、導体部7は、デバイス本体部4の送信周波数に対し略1/2波長の電波長を有する長尺状導体2つが直交2軸となるように構成しているので、直交2軸方向に効率的に電波輻射が行われる。
【0037】
次に、かかる導体部7を用いた場合における、電波の水平方向到達距離について、デバイス本体部4の送信周波数に対し略1/2波長の整数倍の電波長を有するアンテナ(1/2波長ホイップアンテナ)、八木アンテナを用いた測定結果を図6を参照して説明する。この測定おいては、本実施形態の近距離小電力無線デバイスからの送信電波を、1/2波長アンテナ及び八木アンテナで受信する。
【0038】
図6に示すように、デバイス本体部4の前方向、左方向及び右方向として、測定点P21、P22及びP23を決め、該点における電波の検知と消失とを、1/2波長ホイップアンテナ、八木アンテナを用いて測定した。なお、実際の測定においては、コンクリート床に置かれた木箱上に近距離小電力無線デバイスを置き、当該コンクリート床から近距離小電力無線デバイスまでを25cm高さとして、1/2波長アンテナ及び八木アンテナで受信測定を行った。
【0039】
(1/2波長ホイップアンテナによる測定)
測定によると、近距離小電力無線デバイスから24m離れた測定点P21で電波の検知が行われ、25m離れた測定点P21で電波の消失が確認された。すなわち、測定点P21では電波到達が24mとなった。
【0040】
また、同じ近距離小電力無線デバイスから32m離れた測定点P22で電波の検知が行われ、33m離れた測定点P22で電波の消失が確認された。すなわち、測定点P22では電波到達が32mとなった。
【0041】
さらに、同じ近距離小電力無線デバイスから16m離れた測定点P23で電波の検知及び消失が確認された。すなわち、測定点P23では電波到達が23mとなった。
【0042】
このようにデバイス本体部4の送信周波数に対し略1/2波長の電波長を有する長尺状導体2つが直交2軸となるように構成した導体部7を用い、1/2波長アンテナで受信測定した場合は、測定点P21,P22,P23側それぞれに指向性を有する電波特性が得られたことが確認された。
【0043】
(八木アンテナによる水平偏波の測定)
八木アンテナにより水平偏波を測定したところ次のような結果を得た。すなわち、近距離小電力無線デバイスから35m離れた測定点P21で電波の検知が行われ、36m離れた測定点P21で電波の消失が確認された。すなわち、測定点P21では電波到達が35mとなった。また、近距離小電力無線デバイスから60m離れた測定点P22で電波の検知及び消失が確認された。すなわち、測定点P22では電波到達が60mとなった。さらに、近距離小電力無線デバイスから21m離れた測定点P23で電波の検知が行われ、22m離れた測定点P23で電波の消失が確認された。すなわち、測定点P23では電波到達が22mとなった。
【0044】
このようにデバイス本体部4の送信周波数に対し略1/2波長の電波長を有する長尺状導体2つが直交2軸となるように構成した導体部7を用い、八木アンテナで水平偏波を測定した場合は、測定点P21,P22,P23側それぞれに指向性を有する電波特性が得られたことが確認された。
【0045】
(八木アンテナによる垂直偏波の測定)
八木アンテナにより垂直偏波を測定したところ次のような結果を得た。すなわち、近距離小電力無線デバイスから38m離れた測定点P21で電波の検知が行われ、39m離れた測定点P21で電波の消失が確認された。すなわち、測定点P21では電波到達が38mとなった。また、近距離小電力無線デバイスから55m離れた測定点P22で電波の検知及び消失が確認された。すなわち、測定点P22では電波到達が55mとなった。さらに、近距離小電力無線デバイスから21m離れた測定点P23で電波の検知が行われ、22m離れた測定点P23で電波の消失が確認された。すなわち、測定点P23では電波到達が22mとなった。
【0046】
このようにデバイス本体部4の送信周波数に対し略1/2波長の電波長を有する長尺状導体2つが直交2軸となるように構成した導体部7を用い、八木アンテナで垂直偏波を測定した場合は、測定点P21,P22,P23側それぞれに指向性を有する電波特性が得られたことが確認された。
【0047】
次に、本実施形態の導体部7を用いた近距離小電力無線デバイスを、金属物体の近傍に配置した場合における、電波の水平方向到達距離について、デバイス本体部4の送信周波数に対し略1/2波長の整数倍の電波長を有するアンテナ(1/2波長ホイップアンテナ)、八木アンテナを用いて測定した結果について、図7を参照して説明する。
【0048】
図7に示すように、金属物体としてコンクリート床上の手押しトレーラ8の水平脚9に、木箱10を置き、この木箱10上に本実施形態の導体部7を用いた近距離小電力無線デバイスを載置する。
【0049】
図7に示すように、デバイス本体部4の右方向として、測定点P31を決め、該点における電波の検知と消失とを、1/2波長ホイップアンテナ、八木アンテナを用いて測定した。なお、実際の測定において、コンクリート床から近距離小電力無線デバイスまでを27cm高さとして、1/2波長アンテナ及び八木アンテナで受信測定を行った。
【0050】
(1/2波長ホイップアンテナによる測定)
測定によると、近距離小電力無線デバイスから27m離れた測定点P31で電波の検知が行われ、28m離れた測定点P31で電波の消失が確認された。すなわち、測定点P31では電波到達が27mとなった。
【0051】
(八木アンテナによる水平偏波の測定)
八木アンテナにより水平偏波を測定したところ次のような結果を得た。すなわち、近距離小電力無線デバイスから35m離れた測定点P35で電波の検知が行われ、36m離れた測定点P31で電波の消失が確認された。すなわち、測定点P31では電波到達が35mとなった。
【0052】
(八木アンテナによる垂直偏波の測定)
八木アンテナにより垂直偏波を測定したところ次のような結果を得た。すなわち、近距離小電力無線デバイスから35m離れた測定点P31で電波の検知が行われ、36m離れた測定点P31で電波の消失が確認された。すなわち、測定点P31では電波到達が35mとなった。
【0053】
以上のように本実施形態によれば、第1,第2実施形態と同様の作用効果が得られる他、デバイス本体部4の送信周波数に応じた効率的に電波輻射が行われて図6に示すような8字状指向特性をクロスした十字状の合成指向特性を示すようになるので、この指向特性を利用することで特定の移動体の位置検知や特定の移動体通信を良好に行うことができる。
【0054】
(第4実施形態)
次に、本発明に係る近距離小電力無線デバイスの第4実施形態を、図1及び図7と同一部分には同一符号を付した図8を参照して説明する。
【0055】
本実施形態は、第1〜第3実施形態と同様に、近距離小電力無線デバイスとして無線タグを、デバイス本体部としたものである。本実施形態の近距離小電力無線デバイスは、図8に示すように、例えば微弱電波型無線タグをデバイス本体部4とし、このデバイス本体部4の送信周波数に対し略1/2波長の電波長を有し且つ中心部が円形である長尺状導体2つからなり、それらを十字状とした導体部7′を、前記2つの中心部が当該デバイス本体部4上となるように載置した構成である。
【0056】
本実施形態によれば、デバイス本体部4から輻射された電波を、近接電磁界成分のうち磁界成分として効率よく、導体部7′へ結合することができる。すなわち、導体部7′は、一種の磁気結合アンテナとして、デバイス本体部4から電磁界エネルギーを受け、空間に対して1/2波長ダイポールアンテナとして効率よく、電磁界を輻射できる。
【0057】
(第5実施形態)
次に、本発明に係る近距離小電力無線デバイスの第5実施形態を、図1乃至図8と同一部分には同一符号を付した図9を参照して説明する。
【0058】
本実施形態は、第1〜第4実施形態と同様に、近距離小電力無線デバイスとして無線タグを、デバイス本体部としたものである。
【0059】
本実施形態の近距離小電力無線デバイスは、図9に示すように、例えば微弱電波型無線タグをデバイス本体部4とし、デバイス本体部4の送信周波数に対し略1/2波長の電波長を有する長尺状導体2つが直交2軸となり、該直交2軸の交点にデバイス本体部4の送信周波数に対し略1/4波長の電波長を有する長尺状導体を直角に設けた導体部11を、当該デバイス本体部4上に載置した構成である。
【0060】
本実施形態によれば、デバイス本体部4から輻射された電波は導体部7を励振し、導体部11から2次輻射によって電波が空間に輻射される。この場合、導体部11は、デバイス本体部4の送信周波数に対し略1/2波長の電波長を有する長尺状導体2つが直交2軸となり、該直交2軸の交点にデバイス本体部4の送信周波数に対し略1/4波長の電波長を有する長尺状導体を直角に設けた構成であるので、直交2軸方向のみならず、立体的に全方向へ2次輻射によってほぼ無指向性に360度概略均等に電波が空間へ輻射される。この指向特性を利用することで特定の移動体の位置検知や特定の移動体通信を良好に行うことができる。
【0061】
(第6実施形態)
次に、本発明に係る近距離小電力無線デバイスの第4実施形態を、図1乃至図9と同一部分には同一符号を付した図10を参照して説明する。
【0062】
本実施形態は、第1〜第4実施形態と同様に、近距離小電力無線デバイスとして無線タグを、デバイス本体部としたものである。
【0063】
本実施形態の近距離小電力無線デバイスは、図10に示すように、例えば微弱電波型無線タグをデバイス本体部4とし、このデバイス本体部4と、環状体12とにより導体部11を構成している。この場合、環状体12は、デバイス本体部4の送信周波数に対し略1/2波長の整数倍の電波長を有する長尺状導体12Aと、絶縁材からなる紐13とからなり、長尺状導体12Aの長手方向中間部位を、当該デバイス本体部4上に載置した構成である。
【0064】
このような構成では、環状体12は、移動体として人体の首に簡単に掛けることができるので、電波特性が改良された近距離小電力無線デバイスを容易に人体等に適用可能となる。
【0065】
(第7実施形態)
次に、本発明に係る近距離小電力無線デバイスの第7実施形態を、図11を参照して説明する。
【0066】
本実施形態は、近距離小電力無線デバイスとして無線LAN、Bluetooth(登録商標)のPCカードを、デバイス本体部としたものである。
【0067】
本実施形態の近距離小電力無線デバイスは、図11に示すように、PCカードをデバイス本体部14とし、導体部15を、止め具16によりデバイス本体部14に着脱自在に取付けた構成である。
【0068】
ここに導体部15は、基板15Aに例えば八木アンテナの導波器15Bを形成したものを採用することができる。
【0069】
また、止め具16は、凹部と凸部とからなるクリップ等からなり、例えばデバイス本体部14の端部に凹部16Aを設け、導体部15の端部に凸部16Bを設けて、デバイス本体部14の端部に、導体部15の端部を取付けている。
【0070】
以上のように本実施形態によれば、電波送信電力が限られているPCカードであるデバイス本体部14に導体部15を設けることで、導体部15からの2次輻射電波により、デバイス本体部14だけの場合よりも電波が効率的に空間に輻射されることになり、また導体部15の形態により所望の指向性を得ることができる。これにより、特定の移動体の位置検知や特定の移動体通信を行う場合にも対応可能となる。
【0071】
また、PCカードにデバイス本体部14を適用した場合は、通信範囲に指向性を持たせることが可能で、混信を低減でき、安定した通信とデータのスループットの向上が期待できる上に、通常のアンテナ内蔵型PCカードになんら手を加えることなく使用できるので、運用状態において、通信を切断することなく、簡単に通信エリアを可変することが可能である。
【0072】
なお、本願発明は、前記各実施形態に限定されるものでなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は可能な限り適宜組み合わせて実施してもよく、その場合、組み合わされた効果が得られる。さらに、前記各実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が省略されることで発明が抽出された場合には、その抽出された発明を実施する場合には省略部分が周知慣用技術で適宜補われるものである。
【0073】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、特定の移動体の位置検知や特定の移動体通信を行う場合に好適とされる近距離小電力無線デバイスを提供できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の近距離小電力無線デバイスをコントローラと共に示す図。
【図2】同実施形態における近距離小電力無線デバイスを詳細に示す図。
【図3】本発明の第2実施形態の近距離小電力無線デバイスをコントローラと共に示す図。
【図4】同実施形態における指向性を説明する図。
【図5】本発明の第3実施形態の近距離小電力無線デバイスをコントローラと共に示す図。
【図6】同実施形態における指向性を説明する図。
【図7】本発明の第4実施形態の近距離小電力無線デバイスをトレーラと共に示す図。
【図8】本発明の第5実施形態の近距離小電力無線デバイスを示す図。
【図9】本発明の第6実施形態の近距離小電力無線デバイスを示す図。
【図10】本発明の第7実施形態の近距離小電力無線デバイスを示す図。
【図11】本発明の第8実施形態の近距離小電力無線デバイスを示す図。
【図12】従来の近距離小電力無線デバイスとして無線タグをコントローラと共に示す図。
【図13】従来の近距離小電力無線デバイスとしてPCカードを示す図。
【符号の説明】
2…コントローラ、4,14…デバイス本体部、5,6,7,7′,11,12,15…導体部。

Claims (6)

  1. 近距離小電力無線デバイス本体部と、
    このデバイス本体部に近接して設けられるアンテナ効果を有する導体部と
    を具備し、
    前記導体部は、前記デバイス本体部の送信周波数に対し略1/2波長の電波長を有し、その中心部付近をループ状に構成した
    ことを特徴とする近距離小電力無線デバイス。
  2. 近距離小電力無線デバイス本体部と、
    このデバイス本体部に近接して設けられるアンテナ効果を有する導体部と
    を具備し、
    前記導体部は、前記デバイス本体部の送信周波数に対し略1/2波長の電波長を有する長尺状導体2つが直交2軸となり、該直交2軸の交点に前記デバイス本体部の送信周波数に対し略1/4波長の電波長を有する長尺状導体を直角に設けた構成である
    ことを特徴とする近距離小電力無線デバイス。
  3. 前記近距離小電力無線デバイス本体部は、少なくとも集積回路素子を含む電子回路基板及びアンテナを備え、
    前記電子回路基板の集積回路素子にて所定の信号処理を行い、該信号処理に基づく信号を前記アンテナを介して前記外部のコントローラに送信する無線タグである
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の近距離小電力無線デバイス。
  4. 前記導体部は、前記デバイス本体部を吊す紐の一部を導体で構成したものである
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の近距離小電力無線デバイス。
  5. 前記近距離小電力無線デバイス本体部はPCカードであり、
    前記導体部は、前記PCカードに近接して設けられる
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の近距離小電力無線デバイス。
  6. 前記導体部は、指向性アンテナの導波器である
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の近距離小電力無線デバイス。
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