JPWO2012053223A1 - アンテナ装置 - Google Patents

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    • H01Q9/285Planar dipole

Abstract

各無給電素子ペア(6)の無給電素子(5a,5b)はストリップ形状を有し、プリントダイポールアンテナ(4)の長手方向に平行でありかつプリントダイポールアンテナ(4)からの電波の放射方向に位置する直線上に、所定の間隔(L1)のギャップ(5c)を有するように形成される。無給電素子ペア(6)とダイポールアンテナ(4)とは、所定の間隔(L2)で、互いに対向しかつ互いに電磁的に結合するように配置される。

Description

本発明は、ダイポールアンテナを備えたアンテナ装置及び当該アンテナ装置を備えた無線通信装置に関する。
従来、基本的なプリントダイポールアンテナ又は、プリントダイポールアンテナを備えたプリント八木アンテナを用いた種々のアンテナ装置が提案されている(例えば、特許文献1〜5参照。)。例えば、特許文献1には、ダイポールアンテナの素子を用いた水平偏波用アンテナを広帯域化するアンテナ装置が記載されている。特許文献1記載のアンテナ装置では、プリントダイポールアンテナの素子の両側の端部の近傍に、線状の1対の無給電素子をダイポールアンテナの素子と同じ平面状に設けたことを特徴としている。また、特許文献2には、プリント八木アンテナを備え、エンドファイア方向に双方向性を有する双指向性アンテナが記載されている。特許文献2記載のアンテナでは、1枚のプリント基板上に、アンテナ全体で双方向に指向性を有するように2つの八木アンテナを設け、各プリント八木アンテナを構成する励振素子に相互に逆相で給電することを特徴としている。
特開2001−284946号公報。 特開平7−245525号公報。 米国特許出願公開第2009/0207088号明細書。 米国特許出願公開第2009/0046019号明細書。 米国特許出願公開第2009/0195460号明細書。
プリント八木アンテナは、誘電体基板を用いて容易に製造できるエンドファイアアンテナ装置であり、比較的高い利得を有することが知られている。しかしながら、ミリ波帯又はマイクロ波帯などの高い周波数帯で用いるプリント八木アンテナの誘電体基板として、ガラスエポキシ基板のような一般的なプリント基板を用いると、誘電体基板内での損失により高利得特性を得ることができないという課題があった。また、利得の低下を抑制するためにはアンテナサイズを大きくする必要があり、アンテナ装置を小型化できないという課題があった。
本発明の目的は以上の問題点を解決し、従来技術に比較して小型でありかつ高利得特性を有するアンテナ装置及び当該アンテナ装置を備えた無線通信装置を提供することにある。
第1の発明に係るアンテナ装置は、
第1及び第2の面を有する誘電体基板と、
上記第1の面に形成された接地導体と、
上記第2の面に、上記接地導体に対向して給電線路を構成するように形成されたストリップ導体と、
上記第2の面に形成されかつ上記ストリップ導体に接続された第1の給電素子と、上記第1の面に形成されかつ上記接地導体に接続された第2の給電素子とを備え、上記給電線路を介して伝送される高周波信号の波長の実質的に1/2の電気長を有するダイポールアンテナと、
上記第2の面に形成された第1及び第2の無給電素子をそれぞれ備えた複数の第1の無給電素子ペアとを備えたアンテナ装置であって、
上記各第1の無給電素子ペアの第1及び第2の無給電素子はストリップ形状を有し、上記ダイポールアンテナの長手方向に平行でありかつ上記ダイポールアンテナからの電波の放射方向に位置する直線上に、互いにギャップを有しかつ互いに電磁的に結合するように形成され、
上記ダイポールアンテナと上記各第1の無給電素子ペアとが互いに対向しかつ電磁的に結合するように、所定の間隔で配置されたことを特徴とする。
上記アンテナ装置において、上記第1の無給電素子に電磁的に結合しかつ上記第2の無給電素子と電磁的に結合するように上記各ギャップに形成された複数の第3の無給電素子をさらに備えたことを特徴とする。
また、上記アンテナ装置において、
上記ダイポールアンテナは、
上記第1の給電素子に対向するように上記第1の面に形成された第4の無給電素子と、
上記第2の給電素子に対向するように上記第2の面に形成された第5の無給電素子とをさらに備え、
上記アンテナ装置は、
上記各第1の無給電素子に対向するように上記第1の面に形成された複数の第6の無給電素子と、
上記各第2の無給電素子に対向するように上記第1の面に形成された複数の第7の無給電素子と、
上記各第3の無給電素子に対向するように上記第1の面に形成された複数の第8の無給電素子とをさらに備えたことを特徴とする。
さらに、上記アンテナ装置において、
上記ダイポールアンテナは、
上記第1の給電素子に対向するように上記第1の面に形成された第3の無給電素子と、
上記第2の給電素子に対向するように上記第2の面に形成された第4の無給電素子とをさらに備え、
上記アンテナ装置は、
上記各第1の無給電素子に対向するように上記第1の面に形成された複数の第5の無給電素子と、
上記各第2の無給電素子に対向するように上記第1の面に形成された複数の第6の無給電素子とをさらに備えたことを特徴とする。
またさらに、上記アンテナ装置において、
上記第1の給電素子の電気長と上記第2の給電素子の電気長とは、互いに異なるように設定されたことを特徴とする。
また、上記アンテナ装置において、上記第1の給電素子の電気長と上記第2の給電素子の電気長とは、実質的に互いに等しいように設定されたことを特徴とする。
さらに、上記アンテナ装置において、上記第1又は第2の面に形成され反射器として動作する2つの無給電素子を備えた少なくとも1組の第2の無給電素子ペアをさらに備え、
上記2つの無給電素子はストリップ形状を有し、上記長手方向に平行でありかつ上記ダイポールアンテナに関して上記放射方向と反対側に位置する直線上に、上記ダイポールアンテナに対向しかつ電磁的に結合するように形成されたことを特徴とする。
またさらに、上記アンテナ装置において、上記給電線路は不平衡線路であることを特徴とする。
また、上記アンテナ装置において、上記各第1の無給電素子の電気長と、上記各第2の無給電素子の電気長とは、上記波長の実質的に1/4の電気長に設定されたことを特徴とする。
さらに、上記アンテナ装置において、上記間隔は、上記波長の実質的に1/8以下の間隔に設定されたことを特徴とする。
第2の発明に係る無線通信装置は、上記アンテナ装置を備えたことを特徴とする。
本発明に係るアンテナ装置及び無線通信装置によれば、誘電体基板の第2の面に形成された第1及び第2の無給電素子をそれぞれ備えた複数の第1の無給電素子ペアを備え、各第1の無給電素子ペアの第1及び第2の無給電素子はストリップ形状を有し、ダイポールアンテナの長手方向に平行でありかつダイポールアンテナからの電波の放射方向に位置する直線上に、互いにギャップを有しかつ互いに電磁的に結合するように形成され、ダイポールアンテナと各第1の無給電素子ペアとが互いに対向しかつ電磁的に結合するように、所定の間隔で配置されたので、従来技術に比較して小型でありかつ高利得特性を有するアンテナ装置及び無線通信装置を提供できる。
本発明の第1の実施形態に係るアンテナ装置100の表面図である。 図1のアンテナ装置100の裏面図である。 図1のアンテナ装置100のxz平面における放射パターンを示すグラフである。 図1のアンテナ装置100のxy平面における放射パターンを示すグラフである。 図1のアンテナ装置100の誘電体素子ペア6間の間隔L2とピーク利得との関係を示すグラフである。 本発明の第2の実施形態に係るアンテナ装置100Aの表面図である。 図6のアンテナ装置100Aの裏面図である。 本発明の第3の実施形態に係るアンテナ装置100Bの表面図である。 図8のアンテナ装置100Bの裏面図である。 本発明の第4の実施形態に係るアンテナ装置100Cの表面図である。 図10のアンテナ装置100Cの裏面図である。 本発明の第5の実施形態に係るアンテナ装置100Dの表面図である。 図10のアンテナ装置100Dの裏面図である。 本発明の第6の実施形態に係るアンテナ装置100Eの表面図である。 図14のアンテナ装置100Eの裏面図である。 本発明の第7の実施形態に係る無線通信装置200の表面図である。 比較例に係るアンテナ装置300の表面図である。 図17のアンテナ装置300の裏面図である。 図17のアンテナ装置300のxz平面における放射パターンを示すグラフである。 図17のアンテナ装置300のxy平面における放射パターンを示すグラフである。
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照して説明する。なお、同様の構成要素については同一の符号を付している。
第1の実施形態.
図1は、本発明の第1の実施形態に係るアンテナ装置100の表面図であり、図2は、図1のアンテナ装置100の裏面図である。本実施形態に係るアンテナ装置100は、マイクロ波帯又はミリ波帯などの高周波帯で無線通信を行う無線通信装置のためのエンドファイアアンテナ装置である。
図1及び図2において、アンテナ装置100は、誘電体基板1と、ストリップ導体2,30及び31と、給電素子4a及び4bと、無給電素子5a及び5bをそれぞれ含む6組の無給電素子ペア6とを備えて構成される。なお、本実施形態及び以下の各実施形態において、図1に示すようにxyz座標系を定義する。
詳細後述するように、本実施形態に係るアンテナ装置100は、
(a)裏面である第1の面と、表面である第2の面とを有する誘電体基板1と、
(b)第1の面に形成された接地導体3と、
(c)第2の面に、接地導体3に対向して給電線路20を構成するように形成されたストリップ導体2と、
(d)第2の面に形成されかつストリップ導体2に接続された給電素子4aと、第1の面に形成されかつ接地導体3に接続された給電素子4bとを備え、給電線路20を介して伝送される高周波信号の波長λの実質的に1/2の電気長L1を有するダイポールアンテナ4と、
(e)第2の面に形成された無給電素子5a,5bをそれぞれ備えた複数の無給電素子ペア6とを備えて構成される。
ここで、アンテナ装置100は、各無給電素子ペア6の無給電素子5a,5bはストリップ形状を有し、ダイポールアンテナ4の長手方向(y軸方向である。)に平行でありかつダイポールアンテナ4からの電波の放射方向に位置する直線上に、互いにギャップ5cを有しかつ互いに電磁的に結合するように形成され、ダイポールアンテナ4とダイポールアンテナ4に最も近い無給電素子ペア6とが互いに対向しかつ電磁的に結合するように所定の間隔L5で配置され、各無給電素子ペア6とが互いに対向しかつ電磁的に結合するように所定の間隔L2で配置されたことを特徴としている。
図1において、誘電体基板1は、例えばガラスエポキシ基板である。また、ストリップ導体2,30と、給電素子4aと、給電素子ペア6とは、誘電体基板1の表面上に形成され、接地導体3と、ストリップ導体31と、給電素子4bとは誘電体基板1の裏面上に形成される。さらに、接地導体3は、図1の誘電体基板1の左端部に形成される。ストリップ導体2は、接地導体3に対向しかつ誘電体基板1の左端部からx軸の正の方向に延在するように形成される。また、ストリップ導体30は、電気長L6を有し、図1のストリップ導体2の右端部に接続された一端と他端とを有し、x軸方向に延在するように形成される。さらに、給電素子4aはy軸方向に延在するストリップ形状を有し、ストリップ導体30の他端に接続された一端と、開放端である他端とを有する。
図2において、ストリップ導体31は、接地導体3に接続された一端と、給電素子4bの一端に接続された他端とを有し、ストリップ導体30に対向するように形成される。また、給電素子4bは、y軸方向に延在するストリップ形状を有し、ストリップ導体31の他端に接続された一端と、開放端である他端とを有する。
ここで、図1及び図2において、誘電体基板1を挟設する接地導体3とストリップ導体2とはマイクロストリップ線路を構成し、給電線路20として用いられる。また、給電素子4aと4bとは、給電素子4aの開放端から給電素子4bの開放端までの電気長L1を有する半波長プリントダイポールアンテナ4(以下、ダイポールアンテナ4という。)として動作する。
図1の各無給電素子ペア6において、無給電素子5a及び5bはそれぞれ、電気長L4を有するストリップ形状を有し、y軸(すなわち、ダイポールアンテナ4の長手方向である。)に平行な直線上に、所定の間隔L3のギャップ5cを有するように形成される。さらに、6組の無給電素子ペア6は、ダイポールアンテナ4からの電波の放射方向(x軸の正の方向である。以下、エンドファイア方向ともいう。)に、所定の間隔L2で、互いに対向するように形成される。また、ダイポールアンテナ4に最も近い無給電素子ペア6と、ダイポールアンテナ4との間の間隔は間隔L5に設定される。
ここで、ダイポールアンテナ4の電気長L1は、給電線路20に給電される高周波信号の波長λの1/2に実質的に等しいように設定される。また、給電素子4a及び4bの各電気長は実質的に互いに等しいように設定される。さらに、間隔L2は、隣接する無給電素子ペア6が互いに電磁的に結合するように設定される。またさらに、間隔L3は、各無給電素子ペア6において無給電素子5aと5bとが互いに電磁的に結合するように、例えばλ/25に設定される。また、電気長L4は、実質的にλ/4に等しい電気長に設定される。さらに、間隔L5は、ダイポールアンテナ4に最も近い無給電素子ペア6とダイポールアンテナ4とが互いに電磁的に結合するように設定され、好ましくは、間隔L2と等しい値に設定される。電気長L6は、例えば、間隔L2に等しいように設定される。
図1及び図2において、マイクロ波帯又はミリ波帯などの高周波帯の周波数成分を有する高周波信号を出力する高周波回路からの高周波信号は、給電線路20と、誘電体基板1を挟設するストリップ導体30及び31からなる伝送線路とを介して伝送され、ダイポールアンテナ4に給電され、ダイポールアンテナ4から放射される。一方、各無給電素子ペア6において、無給電素子5aと5bとの間のギャップ5cに、電磁的に結合された強い結合電界が生じる。そして、無給電素子5aと5bとは共振する。このため、ダイポールアンテナ4から放射された電波は、各無給電素子ペア6のギャップ5cに沿って誘電体基板1の表面を導波され、エンドファイア方向に放射される。このとき、誘電体基板1のエンドファイア方向の端部(図1の誘電体基板1の右端部である。)において、電波の位相が揃って等位相面が生じる。以上説明したように、無給電素子5aと5bとは、導波器として動作する。
次に、図1のアンテナ装置100と、比較例に係るアンテナ装置300とに対して3次元電磁界解析を行った結果を示す。
図17は、比較例に係るアンテナ装置300の表面図であり、図18は、図17のアンテナ装置300の裏面図である。比較例に係るアンテナ装置300はプリント八木アンテナである。図17及び図18において、アンテナ装置300は、誘電体基板1と、ストリップ導体2,30及び31と、給電素子4a及び4bと、5個の無給電素子190とを備えて構成される。ここで、図17及び図18において、ストリップ導体2,30及び31と、給電素子4a及び4bとは、第1の実施形態に係るアンテナ装置100のストリップ導体2,30及び31と、給電素子4a及び4bと同様に誘電体基板1に形成される。
また、図17において、各無給電素子190は、y軸方向に延在した電気長L90のストリップ形状を有し、ダイポールアンテナ4からの電波の放射方向に、所定の間隔L91を有するように形成される。ここで、各無給電素子190の電気長L90は実質的にλ/2に設定され、間隔L91は実質的にλ/4に設定される。
図17及び図18において、マイクロ波帯又はミリ波帯などの高周波帯の周波数成分を有する高周波信号を出力する高周波回路からの高周波信号は、第1の実施形態に係るアンテナ装置100と同様に、ダイポールアンテナ4に給電されて放射される。そして、ダイポールアンテナ4から放射された電波は、導波器として動作する無給電素子190によって導波されて、図17の誘電体基板1の右端部からエンドファイア方向に放射される。
図3及び図4は、それぞれ図1のアンテナ装置100のxz平面及びxy平面における放射パターンを示すグラフである。また、図19及び図20は、それぞれ図17のアンテナ装置300のxz平面及びxy平面における放射パターンを示すグラフである。図3、図4、図19及び図20において、誘電体基板1としてガラスエポキシ基板を用い、ダイポールアンテナ4に給電される高周波信号の周波数を60GHzに設定した。また、図3及び図4において、無給電素子ペア6間の間隔L2をλ/8に設定し、間隔L3をλ/25に設定し、間隔L5及び電気長L6を間隔L3と等しい値に設定した。
図19及び図20に示すように、比較例に係るアンテナ装置300においてエンドファイア方向にメインビームが形成されている。しかしながら、アンテナ装置300では理論上のピーク利得は9.1dBiであることが期待されるが、実際のピーク利得は7.6dBiまで低下しており、高利得特性が得られていない。これは、ミリ波帯又はマイクロ波帯などの高周波帯では、より低い周波数帯に比較して、誘電体基板1による誘電体損の影響を大きく受けることに起因すると考えられる。また、従来は、このような利得低下を克服するためはアンテナサイズを大きくする必要があった。一方、本実施形態に係るアンテナ装置100の場合、図3及び図4に示すように、比較例に係るアンテナ装置300とほぼ同様の形状の放射パターンが得られ、かつピーク利得は8.3dBiまで大きくなった。
図5は、図1のアンテナ装置100の誘電体素子ペア6間の間隔L2とピーク利得との関係を示すグラフである。図5に示すように、間隔L2が小さいほど、ピーク利得は大きくなる。特に、間隔L2が、比較例に係るアンテナ装置300における無給電素子109間の間隔L91(λ/4)より小さくても、ピーク利得は向上している。従って、間隔L2は、好ましくはλ/8より小さい値に設定される。さらに好ましくは、間隔L2は、アンテナ装置100の製造プロセスにより実現し得る最小の値(例えば、100μmである。)に設定される。この場合、無給電素子5a及び5bの幅は間隔L2と実質的に等しい値に設定される。
本実施形態によれば、上述したように、各無給電素子ペア6において、無給電素子5aと5bとの間のギャップ5cに、電磁的に結合された強い結合電界が生じる。このため、ダイポールアンテナ4から放射された電波は、各無給電素子ペア6のギャップ5cに沿って誘電体基板1の表面を導波され、エンドファイア方向に放射される。特に、上述したように間隔L2をできるだけ小さく設定することにより、無給電素子ペア6どうしが誘電体基板1の表面上の自由空間を介して強く電磁的に結合し、誘電体基板1内の電気力線の密度を低下させることができるので、誘電体基板1による誘電体損の影響を小さくできる。このため、比較例に係るアンテナ装置300に比較して高利得特性を得ることができる。
また、本実施形態によれば、間隔L3を変化させることにより、垂直面(xz平面)内のビーム幅を変化させることなく、水平面(xy平面)内のビーム幅のみを変化させることができる。具体的には、間隔L3を大きく設定するほど、誘電体基板1のエンドファイア方向の端部に生じる水平面の等位相面の幅が広がるので、水平方向のアンテナサイズが大きくなる。このため、水平ビームの幅は小さくなり、利得は大きくなる。すなわち、本実施形態によれば、無給電素子190の間隔L91がλ/4に設定される一般的な八木アンテナとは異なり、間隔L3を変化させることにより、水平面内のビーム幅を垂直面内のビーム幅と独立に変化させることができる。また、本実施形態によれば、全ての無給電素子ペア6が同一の形状を有するので、間隔L3を比較的容易に設計できる。
さらに、本実施形態において、無給電素子ペア6の数は6個であったが、本発明はこれに限られず、無給電素子ペア6の数を変化させることにより、垂直面(xz平面)内のビーム幅及び水平面内のビーム幅を変化させることができる。一般に、エンドファイアアンテナ装置では導波方向のアンテナサイズが大きくなるほど垂直面のビーム幅を狭くできる。本実施形態の場合、無給電素子ペア6の数を増加させると、導波方向のアンテナサイズが大きくなり、垂直面のビーム幅を狭くできる。
以上説明したように、本実施形態に係るアンテナ装置100によれば、従来技術に比較して高利得特性を得ることができる。また、間隔L2を例えばλ/8より小さく設定することにより、従来技術に比較して小型のアンテナ装置100を実現できる。さらに、誘電体基板1の端部で等位相面が生じるので、垂直面内のビーム幅及び水平面内のビーム幅を従来技術に比較して狭くできる。
第2の実施形態.
上述したように、第1の実施形態に係るアンテナ装置100によれば、無給電素子5a,5b間のギャップ5cの間隔L3を広くすることにより、水平面内のビーム幅を小さくしてアンテナ利得を向上できる。しかしながら、間隔L3を所定の値よりも大きく設定すると、無給電素子5aと5bとの間の電磁的結合の度合いが低下してしまい、アンテナ利得が低下する。本実施形態では、このようなアンテナ利得の低下を抑制するために、各ギャップ5cに無給電素子7をさらに設ける。
図6は、本発明の第2の実施形態に係るアンテナ装置100Aの表面図であり、図7は、図6のアンテナ装置100Aの裏面図である。図6及び図7において、アンテナ装置100Aは、第1の実施形態に係るアンテナ装置100に比較して、6組の無給電素子ペア6に代えて9組の無給電素子ペア6を備え、各無給電素子ペア6のギャップ5cに設けられた6個の無給電素子7をさらに備えたことを特徴としている。本実施形態において、第1の実施形態との相違点のみを説明する。
図6において、各無給電素子ペア6は、無給電素子5a及び5bを備えて構成される。また、各無給電素子ペア6において、無給電素子5a及び5bはそれぞれ、電気長L4を有するストリップ形状を有し、y軸に平行な直線上に所定の間隔L9のギャップ5cを有するように形成される。さらに、各無給電素子7は、電気長L7を有しかつy軸方向に延在するストリップ形状を有し、各ギャップ5cに形成される。ここで、無給電素子7の一端と無給電素子5aとの間の間隔及び無給電素子7の他端と無給電素子5bとの間の間隔はそれぞれ間隔L8に設定される。
なお、図6において、電気長L4は、実質的にλ/4に等しい電気長に設定される。また、電気長L7は、無給電素子7が無給電素子5a及び5bと共振することを防止するために、例えば、電気長L4の1/3以下に設定される。さらに、間隔L8は、無給電素子7と無給電素子5aとが電磁的に結合し、かつ無給電素子7と無給電素子5bとが電磁的に結合するように設定される。
本実施形態によれば、無給電素子7と無給電素子5aとが電磁的に結合し、無給電素子7と無給電素子5bとが電磁的に結合する。従って、ギャップ5cの間隔L9が、無給電素子5aと無給電素子5bとを直接的に電磁的に結合させるために必要な間隔よりも広くても、無給電素子5aと5bとを無給電素子7を介して電磁的に結合させることができる。従って、第1の実施形態に係るアンテナ装置100に比較して、水平方向のアンテナサイズを広くできる。このため、第1の実施形態に比較して、水平ビームの幅は小さくなり、利得を大きくできる。
第3の実施形態.
図8は、本発明の第3の実施形態に係るアンテナ装置100Bの表面図であり、図9は、図8のアンテナ装置100Bの裏面図である。本実施形態に係るアンテナ装置100Bは、第2の実施形態に係るアンテナ装置100Aに比較して、ダイポールアンテナ4に代えてダイポールアンテナ4Aを備え、12組の無給電素子ペア6Aと、12個の無給電素子10とをさらに備えたことを特徴としている。本実施形態において、第2の実施形態との相違点のみを説明する。
図8及び図9において、ダイポールアンテナ4Aは、給電素子4a及び4bと、無給電素子4c及び4dとを備えて構成される。ここで、無給電素子4cは、誘電体基板1の表面に、給電素子4bに対向しかつ給電素子4aとの間に所定の間隔を有するように形成される。また、無給電素子4dは、誘電体基板1の裏面に、給電素子4aと対向しかつ給電素子4bとの間に所定の間隔を有するように形成される。従って、無給電素子4cが給電素子4bと電磁的に結合し、無給電素子4dが給電素子4aと電磁的に結合するので、ダイポールアンテナ4Aは、上述した各実施形態に係るダイポールアンテナ4に比較して、効率よく電波を放射できる。
また、図8及び図9において、各無給電素子ペア6Aは、誘電体基板1の裏面に形成された無給電素子9a及び9bを備えて構成される。また、各無給電素子9aは各無給電素子5aに対向するように形成され、各無給電素子9bは各無給電素子5bに対向するように形成される。さらに、各無給電素子10は、誘電体基板1の裏面に、各無給電素子7と対向するように形成される。従って、各無給電素子ペア6Aにおいて、無給電素子9aと10とは互いに電磁的に結合し、無給電素子9bと10とは互いに電磁的に結合する。さらに、ダイポールアンテナ4Aと、無給電素子ペア6Aとは互いに対向しかつ電磁的に結合する。
本実施形態によれば、無給電素子4c,4dと、無給電素子ペア6Aと、無給電素子10とをさらに備えたので、上述した各実施形態に比較して、放射効率及び開口効率を上げることができる。
第4の実施形態.
図10は、本発明の第4の実施形態に係るアンテナ装置100Cの表面図であり、図11は、図10のアンテナ装置100Cの裏面図である。本実施形態に係るアンテナ装置100Cは、第2の実施形態に係るアンテナ装置100A(図6及び図7参照。)に比較して、給電素子4bに代えて、給電素子4eを備えたことを特徴としている。本実施形態において、第2の実施形態との相違点のみを説明する。上述した各実施形態において、給電素子4a及び4bの各電気長は互いに等しい値に設定されたが、本実施形態において、給電素子4eの電気長は給電素子4bの電気長より短い値に設定される。また、給電素子4aと4eとは、給電素子4aの開放端から給電素子4eの開放端までの電気長L1を有するダイポールアンテナ4Bとして動作する。
本実施形態及び上述した各実施形態において、給電線路20は不平衡伝送線路であるため、給電線路20に平衡型のダイポールアンテナ4を接続すると、給電素子4aに流れる電流と、給電素子4bに流れる電流がアンバランスになり、水平面内のビームがエンドファイア方向を向かないことがある。上述した各実施形態に係るアンテナ装置100,100A,100Bは、従来技術に比較して小さいビーム幅を有するため、ビームの向きがアンテナ装置100,100A,100Bの正面を向かないと、ユーザにとって使い勝手が悪くなってしまう。
本実施形態に係るアンテナ装置100Cでは、給電素子4eの電気長を給電素子4aの電気長より短く設定することで、上述した電流のアンバランスを調整してビームをエンドファイア方向に向かせることができる。また、ダイポールアンテナ4Bからの電波の放射方向をエンドファイア方向に向けるので、上述した各実施形態に比較して、無給電素子ペア6での導波効率が向上する。
なお、給電素子4eの電気長を給電素子4aの電気長より短く設定したが、本発明はこれに限られず、ダイポールアンテナ4Bからの電波の放射方向をエンドファイア方向に向けるように、給電素子4aの電気長と給電素子4eの電気長とを互いに異なるように設定すればよい。
また、第1の実施形態において、ダイポールアンテナ4に代えてダイポールアンテナ4Bを設けてもよい。さらに、第3の実施形態において、給電素子4bに代えて給電素子4eを誘電体基板1の裏面に形成し、給電素子4eに対向しかつ給電素子4aとの間に所定の間隔を有するように形成される無給電素子を誘電体基板1の表面にさらに形成してもよい。
第5の実施形態.
図12は、本発明の第5の実施形態に係るアンテナ装置100Dの表面図であり、図13は、図10のアンテナ装置100Dの裏面図である。本実施形態に係るアンテナ装置100Dは、第3の実施形態に係るアンテナ装置100B(図8及び図9参照。)に比較して、無給電素子11a,11bを備えた無給電素子ペア11と、無給電素子12a,12bを備えた無給電素子ペア12とをさらに備えて構成される。本実施形態において、第3の実施形態との相違点のみを説明する。
図12及び図13において、無給電素子11a及び11bは、ストリップ形状を有し、ダイポールアンテナ4Aの長手方向に平行でありかつダイポールアンテナ4Aに関してダイポールアンテナ4Aからの電波の放射方向と反対側に位置する直線上に、ダイポールアンテナ4Aに対向しかつ電磁的に結合するように形成され、反射器として動作する。また、無給電素子12a及び12bは、ストリップ形状を有し、ダイポールアンテナ4Aの長手方向に平行でありかつダイポールアンテナ4Aに関してダイポールアンテナ4Aからの電波の放射方向と反対側に位置する直線上に、ダイポールアンテナ4Aに対向しかつ電磁的に結合するように形成され、反射器として動作する。
また、図12において、無給電素子11aは、誘電体基板1の表面であって給電素子4aと接地導体3との間の領域に、y軸方向に延在するように形成される。また、無給電素子11bは、誘電体基板1の表面であって無給電素子4cと接地導体3との間の領域に、y軸方向に延在するように形成される。さらに、無給電素子12a及び12bは、誘電体基板1の裏面に、無給電素子11a及び11bとそれぞれ対向するように形成される。なお、無給電素子11a,11b,12a及び12bの各電気長は、無給電素子5a及び5bの電気長L4と実質的に同一の値に設定される。好ましくは、無給電素子ペア11は、無給電素子ペア6と対向するように設けられる。これにより、無給電素子11aは給電素子4aと電磁的に結合し、無給電素子11bは無給電素子4cと電磁的に結合し、無給電素子12aは無給電素子4dと電磁的に結合し、無給電素子12bは給電素子4bと電磁的に結合する。
本実施形態によれば、ダイポールアンテナ4Aに関してダイポールアンテナ4Aからの電波の放射方向と反対側の位置に、反射器として動作する無給電素子ペア11及び12を設けたので、第3の実施形態に比較して、ダイポールアンテナ4から放射される電波を効率よくエンドファイア方向に向けることができ、FB(Front to Back)比を向上できる。特に、アンテナ装置100Dの水平方向のアンテナサイズが大きいほど、無給電素子11a,11b,12a及び12bの効果は大きくなる。
なお、アンテナ装置100Dは2つの無給電素子ペア11及び12を備えたが、本発明はこれに限られず、無給電素子ペア11及び12のうちの一方のみを備えてもよい。また、給電素子4a及び4bの各電気長を、ダイポールアンテナ4Aのメインビームをエンドファイア方向に向けるように互いに異なるように設定してもよい。
また、無給電素子ペア11及び12のうちの少なくとも一方を、アンテナ装置100,100A,100B,100Cに設けてもよい。
第6の実施形態.
図14は、本発明の第6の実施形態に係るアンテナ装置100Eの表面図であり、図15は、図14のアンテナ装置100Eの裏面図である。本実施形態に係るアンテナ装置100Eは、第1の実施形態に係るアンテナ装置100に比較して、ダイポールアンテナ4に代えてダイポールアンテナ4Aを備え、誘電体基板1の裏面上に、無給電素子ペア6にそれぞれ対向する無給電素子ペア6Aを備えたことを特徴としている。ここで、本実施形態において、ダイポールアンテナ4Aは、第3の実施形態に係るアンテナ装置100Bのダイポールアンテナ4A(図8及び図9参照。)と同様に構成される。また、また、各無給電素子9aは各無給電素子5aに対向するように形成され、各無給電素子9bは各無給電素子5bに対向するように形成される。さらに、各無給電素子10は、誘電体基板1の裏面に、各無給電素子7と対向するように形成される。従って、各無給電素子ペア6Aにおいて、無給電素子9aと9bは互いに電磁的に結合する。さらに、ダイポールアンテナ4Aと、無給電素子ペア6Aとは互いに対向しかつ電磁的に結合する。
本実施形態によれば、無給電素子4c,4dと、無給電素子ペア6Aとをさらに備えたので、第1の実施形態に比較して、放射効率及び開口効率を上げることができる。
なお、本実施形態に係るアンテナ装置100Eに、第5の実施形態に係る無給電素子ペア11及び12のうちの少なくとも一方を設けてもよい。また、アンテナ装置100Eにおいて、ダイポールアンテナ4Aに代えてダイポールアンテナ4又は4Bを備えてもよい。さらに、ダイポールアンテナ4Aに代えてダイポールアンテナ4Bを備え、無給電素子4a,4eにそれぞれ対向する無給電素子をさらに備えてもよい。
第7の実施形態.
図16は、本発明の第7の実施形態に係る無線通信装置200の表面図である。図16において、無線通信装置200は、無線モジュール基板などの無線通信装置であって、第4の実施形態に係るアンテナ装置100Cと、上位層回路501と、ベースバンド回路502と、高周波回路503とを備えて構成される。ここで、無線通信装置200は、上位層回路501と、ベースバンド回路502と、高周波回路503とは、ストリップ導体2が形成された誘電体基板1の表面上であって、ダイポールアンテナ4Bに関してダイポールアンテナ4Bからの電波の放射方向と反対側の位置に設けられる。
図16において、上位層回路501は、MAC(Media Access Control)層及びアプリケーション層などの物理層より上位の層の回路であって、例えば通信回路及びホスト処理回路を含む。上位層回路501は、所定のデータ信号をベースバンド回路502に出力する一方、ベースバンド回路502からのベースバンド信号に対して所定の信号処理を行ってデータ信号に変換する。また、ベースバンド回路502は、上位層回路501からのデータ信号に対して波形成形処理を行った後に、所定の搬送波信号を処理後のデータ信号に従って変調して高周波信号に変換し高周波回路503に出力する。さらに、ベースバンド回路502は、高周波回路503からの高周波信号をベースバンド信号に復調して上位層回路501に出力する。
また、図16において、高周波回路503は、ベースバンド回路502からの高周波信号に対して無線周波数帯での電力増幅処理及び波形整形処理を行い、給電線路2を介してダイポールアンテナ4Bに出力する。さらに、高周波回路503は、ダイポールアンテナ4Bにより無線受信された高周波信号に対して周波数変換などの所定の処理を行った後にベースバンド回路502に出力する。
なお、高周波回路503とアンテナ装置100Cとは、高周波伝送世路を介して接続される。また、必要に応じて、高周波回路503とアンテナ装置100Cとの間にインピーダンス整合回路を設ける。以上説明したように構成された無線通信装置200は、アンテナ装置100Cを用いて高周波信号を無線送受信するので、従来技術に比較して小型かつ高利得の無線通信装置を実現できる。
なお、本実施形態に係る無線通信装置200はアンテナ装置100Cを備えたが、本発明はこれに限られず、アンテナ装置100,100A,100B,100D又は100Eを備えてもよい。
また、上述した各実施形態において、マイクロストリップ線路を、高周波信号を伝送するための給電線路20として用いたが、本発明はこれに限られず、コプレーナ線路などの不平衡伝送線路又は平衡伝送線路を給電線路20として用いればよい。
以上、本発明に係るアンテナ装置及び無線通信装置に係る実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記各実施形態に限定はされず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良および変更を行ってもよい。
以上説明したように、本発明に係るアンテナ装置及び無線通信装置によれば、誘電体基板の第2の面に形成された第1及び第2の無給電素子をそれぞれ備えた複数の第1の無給電素子ペアを備え、各第1の無給電素子ペアの第1及び第2の無給電素子はストリップ形状を有し、ダイポールアンテナの長手方向に平行でありかつダイポールアンテナからの電波の放射方向に位置する直線上に、互いにギャップを有しかつ互いに電磁的に結合するように形成され、ダイポールアンテナと各第1の無給電素子ペアとが互いに対向しかつ電磁的に結合するように、所定の間隔で配置されたので、従来技術に比較して小型でありかつ高利得特性を有するアンテナ装置及び無線通信装置を提供できる。
1…誘電体基板、
2,30,31…ストリップ導体、
3…接地導体、
4,4A,4B…ダイポールアンテナ、
4a,4b,4e…給電素子、
4c,4d,5a,5b,7,9a,9b,10,11a,11b,12a,12b…無給電素子、
6,6A,11,12…無給電素子ペア、
20…給電線路、
100,100A,100B,100C,100D,100E…アンテナ装置、
200…無線通信装置。
本発明は、ダイポールアンテナを備えたアンテナ装置及び当該アンテナ装置を備えた無線通信装置に関する。
従来、基本的なプリントダイポールアンテナ又は、プリントダイポールアンテナを備えたプリント八木アンテナを用いた種々のアンテナ装置が提案されている(例えば、特許文献1〜5参照。)。例えば、特許文献1には、ダイポールアンテナの素子を用いた水平偏波用アンテナを広帯域化するアンテナ装置が記載されている。特許文献1記載のアンテナ装置では、プリントダイポールアンテナの素子の両側の端部の近傍に、線状の1対の無給電素子をダイポールアンテナの素子と同じ平面状に設けたことを特徴としている。また、特許文献2には、プリント八木アンテナを備え、エンドファイア方向に双方向性を有する双指向性アンテナが記載されている。特許文献2記載のアンテナでは、1枚のプリント基板上に、アンテナ全体で双方向に指向性を有するように2つの八木アンテナを設け、各プリント八木アンテナを構成する励振素子に相互に逆相で給電することを特徴としている。
特開2001−284946号公報。 特開平7−245525号公報。 米国特許出願公開第2009/0207088号明細書。 米国特許出願公開第2009/0046019号明細書。 米国特許出願公開第2009/0195460号明細書。
プリント八木アンテナは、誘電体基板を用いて容易に製造できるエンドファイアアンテナ装置であり、比較的高い利得を有することが知られている。しかしながら、ミリ波帯又はマイクロ波帯などの高い周波数帯で用いるプリント八木アンテナの誘電体基板として、ガラスエポキシ基板のような一般的なプリント基板を用いると、誘電体基板内での損失により高利得特性を得ることができないという課題があった。また、利得の低下を抑制するためにはアンテナサイズを大きくする必要があり、アンテナ装置を小型化できないという課題があった。
本発明の目的は以上の問題点を解決し、従来技術に比較して小型でありかつ高利得特性を有するアンテナ装置及び当該アンテナ装置を備えた無線通信装置を提供することにある。
第1の発明に係るアンテナ装置は、
第1及び第2の面を有する誘電体基板と、
上記第1の面に形成された接地導体と、
上記第2の面に、上記接地導体に対向して給電線路を構成するように形成されたストリップ導体と、
上記第2の面に形成されかつ上記ストリップ導体に接続された第1の給電素子と、上記第1の面に形成されかつ上記接地導体に接続された第2の給電素子とを備え、上記給電線路を介して伝送される高周波信号の波長の実質的に1/2の電気長を有するダイポールアンテナと、
上記第2の面に形成された第1及び第2の無給電素子をそれぞれ備えた複数の第1の無給電素子ペアとを備えたアンテナ装置であって、
上記各第1の無給電素子ペアの第1及び第2の無給電素子はストリップ形状を有し、上記ダイポールアンテナの長手方向に平行でありかつ上記ダイポールアンテナからの電波の放射方向に位置する直線上に、互いにギャップを有しかつ互いに電磁的に結合するように形成され、
上記ダイポールアンテナと上記各第1の無給電素子ペアとが互いに対向しかつ電磁的に結合するように、所定の間隔で配置されたことを特徴とする。
上記アンテナ装置において、上記第1の無給電素子に電磁的に結合しかつ上記第2の無給電素子と電磁的に結合するように上記各ギャップに形成された複数の第3の無給電素子をさらに備えたことを特徴とする。
また、上記アンテナ装置において、
上記ダイポールアンテナは、
上記第1の給電素子に対向するように上記第1の面に形成された第4の無給電素子と、
上記第2の給電素子に対向するように上記第2の面に形成された第5の無給電素子とをさらに備え、
上記アンテナ装置は、
上記各第1の無給電素子に対向するように上記第1の面に形成された複数の第6の無給電素子と、
上記各第2の無給電素子に対向するように上記第1の面に形成された複数の第7の無給電素子と、
上記各第3の無給電素子に対向するように上記第1の面に形成された複数の第8の無給電素子とをさらに備えたことを特徴とする。
さらに、上記アンテナ装置において、
上記ダイポールアンテナは、
上記第1の給電素子に対向するように上記第1の面に形成された第3の無給電素子と、
上記第2の給電素子に対向するように上記第2の面に形成された第4の無給電素子とをさらに備え、
上記アンテナ装置は、
上記各第1の無給電素子に対向するように上記第1の面に形成された複数の第5の無給電素子と、
上記各第2の無給電素子に対向するように上記第1の面に形成された複数の第6の無給電素子とをさらに備えたことを特徴とする。
またさらに、上記アンテナ装置において、
上記第1の給電素子の電気長と上記第2の給電素子の電気長とは、互いに異なるように設定されたことを特徴とする。
また、上記アンテナ装置において、上記第1の給電素子の電気長と上記第2の給電素子の電気長とは、実質的に互いに等しいように設定されたことを特徴とする。
さらに、上記アンテナ装置において、上記第1又は第2の面に形成され反射器として動作する2つの無給電素子を備えた少なくとも1組の第2の無給電素子ペアをさらに備え、
上記2つの無給電素子はストリップ形状を有し、上記長手方向に平行でありかつ上記ダイポールアンテナに関して上記放射方向と反対側に位置する直線上に、上記ダイポールアンテナに対向しかつ電磁的に結合するように形成されたことを特徴とする。
またさらに、上記アンテナ装置において、上記給電線路は不平衡線路であることを特徴とする。
また、上記アンテナ装置において、上記各第1の無給電素子の電気長と、上記各第2の無給電素子の電気長とは、上記波長の実質的に1/4の電気長に設定されたことを特徴とする。
さらに、上記アンテナ装置において、上記間隔は、上記波長の実質的に1/8以下の間隔に設定されたことを特徴とする。
第2の発明に係る無線通信装置は、上記アンテナ装置を備えたことを特徴とする。
本発明に係るアンテナ装置及び無線通信装置によれば、誘電体基板の第2の面に形成された第1及び第2の無給電素子をそれぞれ備えた複数の第1の無給電素子ペアを備え、各第1の無給電素子ペアの第1及び第2の無給電素子はストリップ形状を有し、ダイポールアンテナの長手方向に平行でありかつダイポールアンテナからの電波の放射方向に位置する直線上に、互いにギャップを有しかつ互いに電磁的に結合するように形成され、ダイポールアンテナと各第1の無給電素子ペアとが互いに対向しかつ電磁的に結合するように、所定の間隔で配置されたので、従来技術に比較して小型でありかつ高利得特性を有するアンテナ装置及び無線通信装置を提供できる。
本発明の第1の実施形態に係るアンテナ装置100の表面図である。 図1のアンテナ装置100の裏面図である。 図1のアンテナ装置100のxz平面における放射パターンを示すグラフである。 図1のアンテナ装置100のxy平面における放射パターンを示すグラフである。 図1のアンテナ装置100の誘電体素子ペア6間の間隔L2とピーク利得との関係を示すグラフである。 本発明の第2の実施形態に係るアンテナ装置100Aの表面図である。 図6のアンテナ装置100Aの裏面図である。 本発明の第3の実施形態に係るアンテナ装置100Bの表面図である。 図8のアンテナ装置100Bの裏面図である。 本発明の第4の実施形態に係るアンテナ装置100Cの表面図である。 図10のアンテナ装置100Cの裏面図である。 本発明の第5の実施形態に係るアンテナ装置100Dの表面図である。 図10のアンテナ装置100Dの裏面図である。 本発明の第6の実施形態に係るアンテナ装置100Eの表面図である。 図14のアンテナ装置100Eの裏面図である。 本発明の第7の実施形態に係る無線通信装置200の表面図である。 比較例に係るアンテナ装置300の表面図である。 図17のアンテナ装置300の裏面図である。 図17のアンテナ装置300のxz平面における放射パターンを示すグラフである。 図17のアンテナ装置300のxy平面における放射パターンを示すグラフである。
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照して説明する。なお、同様の構成要素については同一の符号を付している。
第1の実施形態.
図1は、本発明の第1の実施形態に係るアンテナ装置100の表面図であり、図2は、図1のアンテナ装置100の裏面図である。本実施形態に係るアンテナ装置100は、マイクロ波帯又はミリ波帯などの高周波帯で無線通信を行う無線通信装置のためのエンドファイアアンテナ装置である。
図1及び図2において、アンテナ装置100は、誘電体基板1と、ストリップ導体2,30及び31と、給電素子4a及び4bと、無給電素子5a及び5bをそれぞれ含む6組の無給電素子ペア6とを備えて構成される。なお、本実施形態及び以下の各実施形態において、図1に示すようにxyz座標系を定義する。
詳細後述するように、本実施形態に係るアンテナ装置100は、
(a)裏面である第1の面と、表面である第2の面とを有する誘電体基板1と、
(b)第1の面に形成された接地導体3と、
(c)第2の面に、接地導体3に対向して給電線路20を構成するように形成されたストリップ導体2と、
(d)第2の面に形成されかつストリップ導体2に接続された給電素子4aと、第1の面に形成されかつ接地導体3に接続された給電素子4bとを備え、給電線路20を介して伝送される高周波信号の波長λの実質的に1/2の電気長L1を有するダイポールアンテナ4と、
(e)第2の面に形成された無給電素子5a,5bをそれぞれ備えた複数の無給電素子ペア6とを備えて構成される。
ここで、アンテナ装置100は、各無給電素子ペア6の無給電素子5a,5bはストリップ形状を有し、ダイポールアンテナ4の長手方向(y軸方向である。)に平行でありかつダイポールアンテナ4からの電波の放射方向に位置する直線上に、互いにギャップ5cを有しかつ互いに電磁的に結合するように形成され、ダイポールアンテナ4とダイポールアンテナ4に最も近い無給電素子ペア6とが互いに対向しかつ電磁的に結合するように所定の間隔L5で配置され、各無給電素子ペア6とが互いに対向しかつ電磁的に結合するように所定の間隔L2で配置されたことを特徴としている。
図1において、誘電体基板1は、例えばガラスエポキシ基板である。また、ストリップ導体2,30と、給電素子4aと、給電素子ペア6とは、誘電体基板1の表面上に形成され、接地導体3と、ストリップ導体31と、給電素子4bとは誘電体基板1の裏面上に形成される。さらに、接地導体3は、図1の誘電体基板1の左端部に形成される。ストリップ導体2は、接地導体3に対向しかつ誘電体基板1の左端部からx軸の正の方向に延在するように形成される。また、ストリップ導体30は、電気長L6を有し、図1のストリップ導体2の右端部に接続された一端と他端とを有し、x軸方向に延在するように形成される。さらに、給電素子4aはy軸方向に延在するストリップ形状を有し、ストリップ導体30の他端に接続された一端と、開放端である他端とを有する。
図2において、ストリップ導体31は、接地導体3に接続された一端と、給電素子4bの一端に接続された他端とを有し、ストリップ導体30に対向するように形成される。また、給電素子4bは、y軸方向に延在するストリップ形状を有し、ストリップ導体31の他端に接続された一端と、開放端である他端とを有する。
ここで、図1及び図2において、誘電体基板1を挟設する接地導体3とストリップ導体2とはマイクロストリップ線路を構成し、給電線路20として用いられる。また、給電素子4aと4bとは、給電素子4aの開放端から給電素子4bの開放端までの電気長L1を有する半波長プリントダイポールアンテナ4(以下、ダイポールアンテナ4という。)として動作する。
図1の各無給電素子ペア6において、無給電素子5a及び5bはそれぞれ、電気長L4を有するストリップ形状を有し、y軸(すなわち、ダイポールアンテナ4の長手方向である。)に平行な直線上に、所定の間隔L3のギャップ5cを有するように形成される。さらに、6組の無給電素子ペア6は、ダイポールアンテナ4からの電波の放射方向(x軸の正の方向である。以下、エンドファイア方向ともいう。)に、所定の間隔L2で、互いに対向するように形成される。また、ダイポールアンテナ4に最も近い無給電素子ペア6と、ダイポールアンテナ4との間の間隔は間隔L5に設定される。
ここで、ダイポールアンテナ4の電気長L1は、給電線路20に給電される高周波信号の波長λの1/2に実質的に等しいように設定される。また、給電素子4a及び4bの各電気長は実質的に互いに等しいように設定される。さらに、間隔L2は、隣接する無給電素子ペア6が互いに電磁的に結合するように設定される。またさらに、間隔L3は、各無給電素子ペア6において無給電素子5aと5bとが互いに電磁的に結合するように、例えばλ/25に設定される。また、電気長L4は、実質的にλ/4に等しい電気長に設定される。さらに、間隔L5は、ダイポールアンテナ4に最も近い無給電素子ペア6とダイポールアンテナ4とが互いに電磁的に結合するように設定され、好ましくは、間隔L2と等しい値に設定される。電気長L6は、例えば、間隔L2に等しいように設定される。
図1及び図2において、マイクロ波帯又はミリ波帯などの高周波帯の周波数成分を有する高周波信号を出力する高周波回路からの高周波信号は、給電線路20と、誘電体基板1を挟設するストリップ導体30及び31からなる伝送線路とを介して伝送され、ダイポールアンテナ4に給電され、ダイポールアンテナ4から放射される。一方、各無給電素子ペア6において、無給電素子5aと5bとの間のギャップ5cに、電磁的に結合された強い結合電界が生じる。そして、無給電素子5aと5bとは共振する。このため、ダイポールアンテナ4から放射された電波は、各無給電素子ペア6のギャップ5cに沿って誘電体基板1の表面を導波され、エンドファイア方向に放射される。このとき、誘電体基板1のエンドファイア方向の端部(図1の誘電体基板1の右端部である。)において、電波の位相が揃って等位相面が生じる。以上説明したように、無給電素子5aと5bとは、導波器として動作する。
次に、図1のアンテナ装置100と、比較例に係るアンテナ装置300とに対して3次元電磁界解析を行った結果を示す。
図17は、比較例に係るアンテナ装置300の表面図であり、図18は、図17のアンテナ装置300の裏面図である。比較例に係るアンテナ装置300はプリント八木アンテナである。図17及び図18において、アンテナ装置300は、誘電体基板1と、ストリップ導体2,30及び31と、給電素子4a及び4bと、5個の無給電素子90とを備えて構成される。ここで、図17及び図18において、ストリップ導体2,30及び31と、給電素子4a及び4bとは、第1の実施形態に係るアンテナ装置100のストリップ導体2,30及び31と、給電素子4a及び4bと同様に誘電体基板1に形成される。
また、図17において、各無給電素子90は、y軸方向に延在した電気長L90のストリップ形状を有し、ダイポールアンテナ4からの電波の放射方向に、所定の間隔L91を有するように形成される。ここで、各無給電素子90の電気長L90は実質的にλ/2に設定され、間隔L91は実質的にλ/4に設定される。
図17及び図18において、マイクロ波帯又はミリ波帯などの高周波帯の周波数成分を有する高周波信号を出力する高周波回路からの高周波信号は、第1の実施形態に係るアンテナ装置100と同様に、ダイポールアンテナ4に給電されて放射される。そして、ダイポールアンテナ4から放射された電波は、導波器として動作する無給電素子90によって導波されて、図17の誘電体基板1の右端部からエンドファイア方向に放射される。
図3及び図4は、それぞれ図1のアンテナ装置100のxz平面及びxy平面における放射パターンを示すグラフである。また、図19及び図20は、それぞれ図17のアンテナ装置300のxz平面及びxy平面における放射パターンを示すグラフである。図3、図4、図19及び図20において、誘電体基板1としてガラスエポキシ基板を用い、ダイポールアンテナ4に給電される高周波信号の周波数を60GHzに設定した。また、図3及び図4において、無給電素子ペア6間の間隔L2をλ/8に設定し、間隔L3をλ/25に設定し、間隔L5及び電気長L6を間隔L3と等しい値に設定した。
図19及び図20に示すように、比較例に係るアンテナ装置300においてエンドファイア方向にメインビームが形成されている。しかしながら、アンテナ装置300では理論上のピーク利得は9.1dBiであることが期待されるが、実際のピーク利得は7.6dBiまで低下しており、高利得特性が得られていない。これは、ミリ波帯又はマイクロ波帯などの高周波帯では、より低い周波数帯に比較して、誘電体基板1による誘電体損の影響を大きく受けることに起因すると考えられる。また、従来は、このような利得低下を克服するためはアンテナサイズを大きくする必要があった。一方、本実施形態に係るアンテナ装置100の場合、図3及び図4に示すように、比較例に係るアンテナ装置300とほぼ同様の形状の放射パターンが得られ、かつピーク利得は8.3dBiまで大きくなった。
図5は、図1のアンテナ装置100の誘電体素子ペア6間の間隔L2とピーク利得との関係を示すグラフである。図5に示すように、間隔L2が小さいほど、ピーク利得は大きくなる。特に、間隔L2が、比較例に係るアンテナ装置300における無給電素子109間の間隔L91(λ/4)より小さくても、ピーク利得は向上している。従って、間隔L2は、好ましくはλ/8より小さい値に設定される。さらに好ましくは、間隔L2は、アンテナ装置100の製造プロセスにより実現し得る最小の値(例えば、100μmである。)に設定される。この場合、無給電素子5a及び5bの幅は間隔L2と実質的に等しい値に設定される。
本実施形態によれば、上述したように、各無給電素子ペア6において、無給電素子5aと5bとの間のギャップ5cに、電磁的に結合された強い結合電界が生じる。このため、ダイポールアンテナ4から放射された電波は、各無給電素子ペア6のギャップ5cに沿って誘電体基板1の表面を導波され、エンドファイア方向に放射される。特に、上述したように間隔L2をできるだけ小さく設定することにより、無給電素子ペア6どうしが誘電体基板1の表面上の自由空間を介して強く電磁的に結合し、誘電体基板1内の電気力線の密度を低下させることができるので、誘電体基板1による誘電体損の影響を小さくできる。このため、比較例に係るアンテナ装置300に比較して高利得特性を得ることができる。
また、本実施形態によれば、間隔L3を変化させることにより、垂直面(xz平面)内のビーム幅を変化させることなく、水平面(xy平面)内のビーム幅のみを変化させることができる。具体的には、間隔L3を大きく設定するほど、誘電体基板1のエンドファイア方向の端部に生じる水平面の等位相面の幅が広がるので、水平方向のアンテナサイズが大きくなる。このため、水平ビームの幅は小さくなり、利得は大きくなる。すなわち、本実施形態によれば、無給電素子190の間隔L91がλ/4に設定される一般的な八木アンテナとは異なり、間隔L3を変化させることにより、水平面内のビーム幅を垂直面内のビーム幅と独立に変化させることができる。また、本実施形態によれば、全ての無給電素子ペア6が同一の形状を有するので、間隔L3を比較的容易に設計できる。
さらに、本実施形態において、無給電素子ペア6の数は6個であったが、本発明はこれに限られず、無給電素子ペア6の数を変化させることにより、垂直面(xz平面)内のビーム幅及び水平面内のビーム幅を変化させることができる。一般に、エンドファイアアンテナ装置では導波方向のアンテナサイズが大きくなるほど垂直面のビーム幅を狭くできる。本実施形態の場合、無給電素子ペア6の数を増加させると、導波方向のアンテナサイズが大きくなり、垂直面のビーム幅を狭くできる。
以上説明したように、本実施形態に係るアンテナ装置100によれば、従来技術に比較して高利得特性を得ることができる。また、間隔L2を例えばλ/8より小さく設定することにより、従来技術に比較して小型のアンテナ装置100を実現できる。さらに、誘電体基板1の端部で等位相面が生じるので、垂直面内のビーム幅及び水平面内のビーム幅を従来技術に比較して狭くできる。
第2の実施形態.
上述したように、第1の実施形態に係るアンテナ装置100によれば、無給電素子5a,5b間のギャップ5cの間隔L3を広くすることにより、水平面内のビーム幅を小さくしてアンテナ利得を向上できる。しかしながら、間隔L3を所定の値よりも大きく設定すると、無給電素子5aと5bとの間の電磁的結合の度合いが低下してしまい、アンテナ利得が低下する。本実施形態では、このようなアンテナ利得の低下を抑制するために、各ギャップ5cに無給電素子7をさらに設ける。
図6は、本発明の第2の実施形態に係るアンテナ装置100Aの表面図であり、図7は、図6のアンテナ装置100Aの裏面図である。図6及び図7において、アンテナ装置100Aは、第1の実施形態に係るアンテナ装置100に比較して、6組の無給電素子ペア6に代えて9組の無給電素子ペア6を備え、各無給電素子ペア6のギャップ5cに設けられた6個の無給電素子7をさらに備えたことを特徴としている。本実施形態において、第1の実施形態との相違点のみを説明する。
図6において、各無給電素子ペア6は、無給電素子5a及び5bを備えて構成される。また、各無給電素子ペア6において、無給電素子5a及び5bはそれぞれ、電気長L4を有するストリップ形状を有し、y軸に平行な直線上に所定の間隔L9のギャップ5cを有するように形成される。さらに、各無給電素子7は、電気長L7を有しかつy軸方向に延在するストリップ形状を有し、各ギャップ5cに形成される。ここで、無給電素子7の一端と無給電素子5aとの間の間隔及び無給電素子7の他端と無給電素子5bとの間の間隔はそれぞれ間隔L8に設定される。
なお、図6において、電気長L4は、実質的にλ/4に等しい電気長に設定される。また、電気長L7は、無給電素子7が無給電素子5a及び5bと共振することを防止するために、例えば、電気長L4の1/3以下に設定される。さらに、間隔L8は、無給電素子7と無給電素子5aとが電磁的に結合し、かつ無給電素子7と無給電素子5bとが電磁的に結合するように設定される。
本実施形態によれば、無給電素子7と無給電素子5aとが電磁的に結合し、無給電素子7と無給電素子5bとが電磁的に結合する。従って、ギャップ5cの間隔L9が、無給電素子5aと無給電素子5bとを直接的に電磁的に結合させるために必要な間隔よりも広くても、無給電素子5aと5bとを無給電素子7を介して電磁的に結合させることができる。従って、第1の実施形態に係るアンテナ装置100に比較して、水平方向のアンテナサイズを広くできる。このため、第1の実施形態に比較して、水平ビームの幅は小さくなり、利得を大きくできる。
第3の実施形態.
図8は、本発明の第3の実施形態に係るアンテナ装置100Bの表面図であり、図9は、図8のアンテナ装置100Bの裏面図である。本実施形態に係るアンテナ装置100Bは、第2の実施形態に係るアンテナ装置100Aに比較して、ダイポールアンテナ4に代えてダイポールアンテナ4Aを備え、12組の無給電素子ペア6Aと、12個の無給電素子10とをさらに備えたことを特徴としている。本実施形態において、第2の実施形態との相違点のみを説明する。
図8及び図9において、ダイポールアンテナ4Aは、給電素子4a及び4bと、無給電素子4c及び4dとを備えて構成される。ここで、無給電素子4cは、誘電体基板1の表面に、給電素子4bに対向しかつ給電素子4aとの間に所定の間隔を有するように形成される。また、無給電素子4dは、誘電体基板1の裏面に、給電素子4aと対向しかつ給電素子4bとの間に所定の間隔を有するように形成される。従って、無給電素子4cが給電素子4bと電磁的に結合し、無給電素子4dが給電素子4aと電磁的に結合するので、ダイポールアンテナ4Aは、上述した各実施形態に係るダイポールアンテナ4に比較して、効率よく電波を放射できる。
また、図8及び図9において、各無給電素子ペア6Aは、誘電体基板1の裏面に形成された無給電素子9a及び9bを備えて構成される。また、各無給電素子9aは各無給電素子5aに対向するように形成され、各無給電素子9bは各無給電素子5bに対向するように形成される。さらに、各無給電素子10は、誘電体基板1の裏面に、各無給電素子7と対向するように形成される。従って、各無給電素子ペア6Aにおいて、無給電素子9aと10とは互いに電磁的に結合し、無給電素子9bと10とは互いに電磁的に結合する。さらに、ダイポールアンテナ4Aと、無給電素子ペア6Aとは互いに対向しかつ電磁的に結合する。
本実施形態によれば、無給電素子4c,4dと、無給電素子ペア6Aと、無給電素子10とをさらに備えたので、上述した各実施形態に比較して、放射効率及び開口効率を上げることができる。
第4の実施形態.
図10は、本発明の第4の実施形態に係るアンテナ装置100Cの表面図であり、図11は、図10のアンテナ装置100Cの裏面図である。本実施形態に係るアンテナ装置100Cは、第2の実施形態に係るアンテナ装置100A(図6及び図7参照。)に比較して、給電素子4bに代えて、給電素子4eを備えたことを特徴としている。本実施形態において、第2の実施形態との相違点のみを説明する。上述した各実施形態において、給電素子4a及び4bの各電気長は互いに等しい値に設定されたが、本実施形態において、給電素子4eの電気長は給電素子4bの電気長より短い値に設定される。また、給電素子4aと4eとは、給電素子4aの開放端から給電素子4eの開放端までの電気長L1を有するダイポールアンテナ4Bとして動作する。
本実施形態及び上述した各実施形態において、給電線路20は不平衡伝送線路であるため、給電線路20に平衡型のダイポールアンテナ4を接続すると、給電素子4aに流れる電流と、給電素子4bに流れる電流がアンバランスになり、水平面内のビームがエンドファイア方向を向かないことがある。上述した各実施形態に係るアンテナ装置100,100A,100Bは、従来技術に比較して小さいビーム幅を有するため、ビームの向きがアンテナ装置100,100A,100Bの正面を向かないと、ユーザにとって使い勝手が悪くなってしまう。
本実施形態に係るアンテナ装置100Cでは、給電素子4eの電気長を給電素子4aの電気長より短く設定することで、上述した電流のアンバランスを調整してビームをエンドファイア方向に向かせることができる。また、ダイポールアンテナ4Bからの電波の放射方向をエンドファイア方向に向けるので、上述した各実施形態に比較して、無給電素子ペア6での導波効率が向上する。
なお、給電素子4eの電気長を給電素子4aの電気長より短く設定したが、本発明はこれに限られず、ダイポールアンテナ4Bからの電波の放射方向をエンドファイア方向に向けるように、給電素子4aの電気長と給電素子4eの電気長とを互いに異なるように設定すればよい。
また、第1の実施形態において、ダイポールアンテナ4に代えてダイポールアンテナ4Bを設けてもよい。さらに、第3の実施形態において、給電素子4bに代えて給電素子4eを誘電体基板1の裏面に形成し、給電素子4eに対向しかつ給電素子4aとの間に所定の間隔を有するように形成される無給電素子を誘電体基板1の表面にさらに形成してもよい。
第5の実施形態.
図12は、本発明の第5の実施形態に係るアンテナ装置100Dの表面図であり、図13は、図10のアンテナ装置100Dの裏面図である。本実施形態に係るアンテナ装置100Dは、第3の実施形態に係るアンテナ装置100B(図8及び図9参照。)に比較して、無給電素子11a,11bを備えた無給電素子ペア11と、無給電素子12a,12bを備えた無給電素子ペア12とをさらに備えて構成される。本実施形態において、第3の実施形態との相違点のみを説明する。
図12及び図13において、無給電素子11a及び11bは、ストリップ形状を有し、ダイポールアンテナ4Aの長手方向に平行でありかつダイポールアンテナ4Aに関してダイポールアンテナ4Aからの電波の放射方向と反対側に位置する直線上に、ダイポールアンテナ4Aに対向しかつ電磁的に結合するように形成され、反射器として動作する。また、無給電素子12a及び12bは、ストリップ形状を有し、ダイポールアンテナ4Aの長手方向に平行でありかつダイポールアンテナ4Aに関してダイポールアンテナ4Aからの電波の放射方向と反対側に位置する直線上に、ダイポールアンテナ4Aに対向しかつ電磁的に結合するように形成され、反射器として動作する。
また、図12において、無給電素子11aは、誘電体基板1の表面であって給電素子4aと接地導体3との間の領域に、y軸方向に延在するように形成される。また、無給電素子11bは、誘電体基板1の表面であって無給電素子4cと接地導体3との間の領域に、y軸方向に延在するように形成される。さらに、無給電素子12a及び12bは、誘電体基板1の裏面に、無給電素子11a及び11bとそれぞれ対向するように形成される。なお、無給電素子11a,11b,12a及び12bの各電気長は、無給電素子5a及び5bの電気長L4と実質的に同一の値に設定される。好ましくは、無給電素子ペア11は、無給電素子ペア6と対向するように設けられる。これにより、無給電素子11aは給電素子4aと電磁的に結合し、無給電素子11bは無給電素子4cと電磁的に結合し、無給電素子12aは無給電素子4dと電磁的に結合し、無給電素子12bは給電素子4bと電磁的に結合する。
本実施形態によれば、ダイポールアンテナ4Aに関してダイポールアンテナ4Aからの電波の放射方向と反対側の位置に、反射器として動作する無給電素子ペア11及び12を設けたので、第3の実施形態に比較して、ダイポールアンテナ4から放射される電波を効率よくエンドファイア方向に向けることができ、FB(Front to Back)比を向上できる。特に、アンテナ装置100Dの水平方向のアンテナサイズが大きいほど、無給電素子11a,11b,12a及び12bの効果は大きくなる。
なお、アンテナ装置100Dは2つの無給電素子ペア11及び12を備えたが、本発明はこれに限られず、無給電素子ペア11及び12のうちの一方のみを備えてもよい。また、給電素子4a及び4bの各電気長を、ダイポールアンテナ4Aのメインビームをエンドファイア方向に向けるように互いに異なるように設定してもよい。
また、無給電素子ペア11及び12のうちの少なくとも一方を、アンテナ装置100,100A,100B,100Cに設けてもよい。
第6の実施形態.
図14は、本発明の第6の実施形態に係るアンテナ装置100Eの表面図であり、図15は、図14のアンテナ装置100Eの裏面図である。本実施形態に係るアンテナ装置100Eは、第1の実施形態に係るアンテナ装置100に比較して、ダイポールアンテナ4に代えてダイポールアンテナ4Aを備え、誘電体基板1の裏面上に、無給電素子ペア6にそれぞれ対向する無給電素子ペア6Aを備えたことを特徴としている。ここで、本実施形態において、ダイポールアンテナ4Aは、第3の実施形態に係るアンテナ装置100Bのダイポールアンテナ4A(図8及び図9参照。)と同様に構成される。た、各無給電素子9aは各無給電素子5aに対向するように形成され、各無給電素子9bは各無給電素子5bに対向するように形成される。さらに、各無給電素子10は、誘電体基板1の裏面に、各無給電素子7と対向するように形成される。従って、各無給電素子ペア6Aにおいて、無給電素子9aと9bは互いに電磁的に結合する。さらに、ダイポールアンテナ4Aと、無給電素子ペア6Aとは互いに対向しかつ電磁的に結合する。
本実施形態によれば、無給電素子4c,4dと、無給電素子ペア6Aとをさらに備えたので、第1の実施形態に比較して、放射効率及び開口効率を上げることができる。
なお、本実施形態に係るアンテナ装置100Eに、第5の実施形態に係る無給電素子ペア11及び12のうちの少なくとも一方を設けてもよい。また、アンテナ装置100Eにおいて、ダイポールアンテナ4Aに代えてダイポールアンテナ4又は4Bを備えてもよい。さらに、ダイポールアンテナ4Aに代えてダイポールアンテナ4Bを備え、無給電素子4a,4eにそれぞれ対向する無給電素子をさらに備えてもよい。
第7の実施形態.
図16は、本発明の第7の実施形態に係る無線通信装置200の表面図である。図16において、無線通信装置200は、無線モジュール基板などの無線通信装置であって、第4の実施形態に係るアンテナ装置100Cと、上位層回路501と、ベースバンド回路502と、高周波回路503とを備えて構成される。ここで、無線通信装置200は、上位層回路501と、ベースバンド回路502と、高周波回路503とは、ストリップ導体2が形成された誘電体基板1の表面上であって、ダイポールアンテナ4Bに関してダイポールアンテナ4Bからの電波の放射方向と反対側の位置に設けられる。
図16において、上位層回路501は、MAC(Media Access Control)層及びアプリケーション層などの物理層より上位の層の回路であって、例えば通信回路及びホスト処理回路を含む。上位層回路501は、所定のデータ信号をベースバンド回路502に出力する一方、ベースバンド回路502からのベースバンド信号に対して所定の信号処理を行ってデータ信号に変換する。また、ベースバンド回路502は、上位層回路501からのデータ信号に対して波形成形処理を行った後に、所定の搬送波信号を処理後のデータ信号に従って変調して高周波信号に変換し高周波回路503に出力する。さらに、ベースバンド回路502は、高周波回路503からの高周波信号をベースバンド信号に復調して上位層回路501に出力する。
また、図16において、高周波回路503は、ベースバンド回路502からの高周波信号に対して無線周波数帯での電力増幅処理及び波形整形処理を行い、給電線路2を介してダイポールアンテナ4Bに出力する。さらに、高周波回路503は、ダイポールアンテナ4Bにより無線受信された高周波信号に対して周波数変換などの所定の処理を行った後にベースバンド回路502に出力する。
なお、高周波回路503とアンテナ装置100Cとは、高周波伝送路を介して接続される。また、必要に応じて、高周波回路503とアンテナ装置100Cとの間にインピーダンス整合回路を設ける。以上説明したように構成された無線通信装置200は、アンテナ装置100Cを用いて高周波信号を無線送受信するので、従来技術に比較して小型かつ高利得の無線通信装置を実現できる。
なお、本実施形態に係る無線通信装置200はアンテナ装置100Cを備えたが、本発明はこれに限られず、アンテナ装置100,100A,100B,100D又は100Eを備えてもよい。
また、上述した各実施形態において、マイクロストリップ線路を、高周波信号を伝送するための給電線路20として用いたが、本発明はこれに限られず、コプレーナ線路などの不平衡伝送線路又は平衡伝送線路を給電線路20として用いればよい。
以上、本発明に係るアンテナ装置及び無線通信装置に係る実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記各実施形態に限定はされず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良および変更を行ってもよい。
以上説明したように、本発明に係るアンテナ装置及び無線通信装置によれば、誘電体基板の第2の面に形成された第1及び第2の無給電素子をそれぞれ備えた複数の第1の無給電素子ペアを備え、各第1の無給電素子ペアの第1及び第2の無給電素子はストリップ形状を有し、ダイポールアンテナの長手方向に平行でありかつダイポールアンテナからの電波の放射方向に位置する直線上に、互いにギャップを有しかつ互いに電磁的に結合するように形成され、ダイポールアンテナと各第1の無給電素子ペアとが互いに対向しかつ電磁的に結合するように、所定の間隔で配置されたので、従来技術に比較して小型でありかつ高利得特性を有するアンテナ装置及び無線通信装置を提供できる。
1…誘電体基板、
2,30,31…ストリップ導体、
3…接地導体、
4,4A,4B…ダイポールアンテナ、
4a,4b,4e…給電素子、
4c,4d,5a,5b,7,9a,9b,10,11a,11b,12a,12b…無給電素子、
6,6A,11,12…無給電素子ペア、
20…給電線路、
100,100A,100B,100C,100D,100E…アンテナ装置、
200…無線通信装置。

Claims (11)

  1. 第1及び第2の面を有する誘電体基板と、
    上記第1の面に形成された接地導体と、
    上記第2の面に、上記接地導体に対向して給電線路を構成するように形成されたストリップ導体と、
    上記第2の面に形成されかつ上記ストリップ導体に接続された第1の給電素子と、上記第1の面に形成されかつ上記接地導体に接続された第2の給電素子とを備え、上記給電線路を介して伝送される高周波信号の波長の実質的に1/2の電気長を有するダイポールアンテナと、
    上記第2の面に形成された第1及び第2の無給電素子をそれぞれ備えた複数の第1の無給電素子ペアとを備えたアンテナ装置であって、
    上記各第1の無給電素子ペアの第1及び第2の無給電素子はストリップ形状を有し、上記ダイポールアンテナの長手方向に平行でありかつ上記ダイポールアンテナからの電波の放射方向に位置する直線上に、互いにギャップを有しかつ互いに電磁的に結合するように形成され、
    上記ダイポールアンテナと上記各第1の無給電素子ペアとが互いに対向しかつ電磁的に結合するように、所定の間隔で配置されたことを特徴とするアンテナ装置。
  2. 上記第1の無給電素子に電磁的に結合しかつ上記第2の無給電素子と電磁的に結合するように上記各ギャップに形成された複数の第3の無給電素子をさらに備えたことを特徴とする請求項1のアンテナ装置。
  3. 上記ダイポールアンテナは、
    上記第1の給電素子に対向するように上記第1の面に形成された第4の無給電素子と、
    上記第2の給電素子に対向するように上記第2の面に形成された第5の無給電素子とをさらに備え、
    上記アンテナ装置は、
    上記各第1の無給電素子に対向するように上記第1の面に形成された複数の第6の無給電素子と、
    上記各第2の無給電素子に対向するように上記第1の面に形成された複数の第7の無給電素子と、
    上記各第3の無給電素子に対向するように上記第1の面に形成された複数の第8の無給電素子とをさらに備えたことを特徴とする請求項2記載のアンテナ装置。
  4. 上記ダイポールアンテナは、
    上記第1の給電素子に対向するように上記第1の面に形成された第3の無給電素子と、
    上記第2の給電素子に対向するように上記第2の面に形成された第4の無給電素子とをさらに備え、
    上記アンテナ装置は、
    上記各第1の無給電素子に対向するように上記第1の面に形成された複数の第5の無給電素子と、
    上記各第2の無給電素子に対向するように上記第1の面に形成された複数の第6の無給電素子とをさらに備えたことを特徴とする請求項1記載のアンテナ装置。
  5. 上記第1の給電素子の電気長と上記第2の給電素子の電気長とは、互いに異なるように設定されたことを特徴とする請求項1から4のうちのいずれか1つの請求項記載のアンテナ装置。
  6. 上記第1の給電素子の電気長と上記第2の給電素子の電気長とは、実質的に互いに等しいように設定されたことを特徴とする請求項1から4のうちのいずれか1つの請求項記載のアンテナ装置。
  7. 上記第1又は第2の面に形成され反射器として動作する2つの無給電素子を備えた少なくとも1組の第2の無給電素子ペアをさらに備え、
    上記2つの無給電素子はストリップ形状を有し、上記長手方向に平行でありかつ上記ダイポールアンテナに関して上記放射方向と反対側に位置する直線上に、上記ダイポールアンテナに対向しかつ電磁的に結合するように形成されたことを特徴とする請求項1から6のうちのいずれか1つの請求項記載のアンテナ装置。
  8. 上記給電線路は不平衡線路であることを特徴とする請求項1から7のうちのいずれか1つの請求項記載のアンテナ装置。
  9. 上記各第1の無給電素子の電気長と、上記各第2の無給電素子の電気長とは、上記波長の実質的に1/4の電気長に設定されたことを特徴とする請求項1から8のうちのいずれか1つの請求項記載のアンテナ装置。
  10. 上記間隔は、上記波長の実質的に1/8以下の間隔に設定されたことを特徴とする請求項1から9のうちのいずれか1つの請求項記載のアンテナ装置。
  11. 請求項1から10のうちのいずれか1つの請求項記載のアンテナ装置を備えたことを特徴とする無線通信装置。
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