JP4254831B2 - アンテナ装置 - Google Patents
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Description
本発明は、路車間通信システム、その他の無線通信システムに使用されるアンテナ装置に関する。
従来、狭域無線通信(Dedicated Short Range Communication:DSRC)や高速道路の自動料金収受(Electronic Toll Collection:ETC)などの路車間通信の路側器に利用されるアンテナ装置として、例えば、図14に示すように、1波長の導体の中央部で90度屈曲したアンテナ素子21と22、23と24、25と26、27と28をそれぞれ菱形形状をなすように対向して配置し、更にアンテナ素子21、22、23、24の偏波とアンテナ素子25、26、27、28の偏波とが互いに直交するように配置し、アンテナ素子21、22、23、24を第1の高周波信号源29で励振し、アンテナ素子25、26、27、28を第2の高周波信号源30で励振するように構成したものが知られている(例えば、特許文献1)。
このアンテナ装置によれば、第1の高周波信号源29と第2の高周波信号源30の信号の位相差を90度とすることによって、+Z方向および−Z方向に円偏波の電波が放射され、高い指向性利得が得られる。
また、他のアンテナ装置として、4つの円偏波パッチアンテナ素子を各素子の中心が菱形形状をなすように配置し、1つの給電点からマイクロストリップラインを分岐して等しい電力で4つの円偏波パッチアンテナ素子を励振するように構成したものが知られている(例えば、特許文献2)。
このアンテナ装置によれば、菱形の2つの対角線の長さを調整することにより、最大放射方向と短い対角線を含む面と、最大放射方向と長い対角線を含む面で、異なる半値幅を設定することができる。
特開平11−355030号公報(第7−10頁、第9図)
実開平5−91019号公報(第5−6頁、第2図)
しかしながら、特許文献1に記載された従来のアンテナ装置においては、2つの給電点を有するため、高周波信号源を1つとする場合には、電力を2等分して90度の位相差を与えるハイブリッド回路などが必要となり、また、直交する偏波を放射するそれぞれのアンテナ素子が互いに近接しているため、直交する2偏波のアイソレーションの確保が困難であるという問題があった。
また、路車間通信の路側器に要求される通信エリアは多様化しており、例えば、ETCやドライブスルーのように、車両が進行していても通信を確保するためには、車長(車線)方向に通信エリアを広くする必要があり、また、駐車場管理システムなどでは、並列駐車した複数の自動車をひとつの路側器で管理するために、車幅方向に通信エリアを広くする必要があり、これらにそれぞれ対応する必要があるが、従来のアンテナ装置では、直交する2平面の半値幅がほぼ等しいという問題があった。
また、路車間通信の路側器に要求される通信エリアは多様化しており、例えば、ETCやドライブスルーのように、車両が進行していても通信を確保するためには、車長(車線)方向に通信エリアを広くする必要があり、また、駐車場管理システムなどでは、並列駐車した複数の自動車をひとつの路側器で管理するために、車幅方向に通信エリアを広くする必要があり、これらにそれぞれ対応する必要があるが、従来のアンテナ装置では、直交する2平面の半値幅がほぼ等しいという問題があった。
また、特許文献2に記載された従来のアンテナ装置においては、直交する2平面において異なる半値幅の設定が可能であるが、4つのパッチアンテナ素子がそれぞれ円偏波を放射する形状としなければならない上に分岐給電線路の構成が複雑であるという問題があった。
本発明は、以上のような従来の問題に鑑みてなされたものであり、簡単な平面構成で、特別な回路を必要とせず、1点給電で円偏波を放射することができ、しかも、直交する2平面で異なる半値幅を得ることができ、かつ、直交する2偏波のアイソレーションも容易に確保できるアンテナ装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係るアンテナ装置は、偏波方向を一致させて並列に配置した2つの直線偏波アンテナ素子と、前記2つの直線偏波アンテナ素子を互いに接続するとともに前記2つの直線偏波アンテナ素子の物理的位置関係を決定する長さd1の第1線路対とを備えた第1アンテナ群と、偏波方向を一致させて並列に配置した2つの直線偏波アンテナ素子と、前記2つの直線偏波アンテナ素子を互いに接続するとともに前記2つの直線偏波アンテナ素子の物理的位置関係を決定する長さd2の第2線路対とを備えた第2アンテナ群とを備え、前記第1、第2アンテナ群は互いに直交するように配置され、前記第1、第2線路対の中央部に給電部が設けられ、前記第1、第2線路対の中央部間に、それぞれ前記第1、第2線路対を互いに接続する第3の線路対が設けられ、さらに、
前記第1、第2線路対の長さd1、d2は、前記第3線路対を含め、前記第1アンテナ群の直線偏波アンテナ素子と前記第2アンテナ群の直線偏波アンテナ素子とにおける励振位相がそれぞれ互いに略90度異なるように設定されていることを特徴とする。
前記第1、第2線路対の長さd1、d2は、前記第3線路対を含め、前記第1アンテナ群の直線偏波アンテナ素子と前記第2アンテナ群の直線偏波アンテナ素子とにおける励振位相がそれぞれ互いに略90度異なるように設定されていることを特徴とする。
上記構成によれば、1点給電で円偏波を放射することができ、しかも、直交する2平面で異なる半値幅を得ることができ、かつ、直交する2偏波のアイソレーションも容易に確保できる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
なお、実施の形態では、アンテナ装置の動作周波数を5.8GHz帯とし、それに合わせた寸法を明示しているが、アンテナ装置の動作周波数や寸法は、それぞれ明示された周波数や寸法以外であってもよい。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態におけるアンテナ装置の概略構成図である。
図1は、本発明の第1の実施の形態におけるアンテナ装置の概略構成図である。
本発明の第1の実施の形態におけるアンテナ装置は、図1に示すように、長さが約1波長(51mm)のアンテナ素子1、2を中央部においてそれぞれ角度α屈曲し、この2つのアンテナ素子1、2で菱形アンテナ素子を構成し、同様に、長さが約1波長(51mm)のアンテナ素子3、4を中央部においてそれぞれ角度α屈曲し、この2つのアンテナ素子3、4で菱形アンテナ素子を構成し、これらの菱形アンテナ素子間を、長さd1の2つの線路5、6から成る第1線路対で互いに並列に接続して第1アンテナ群を構成している。
また、長さが約1波長のアンテナ素子7、8を中央部においてそれぞれ角度β屈曲し、この2つのアンテナ素子7、8で菱形アンテナ素子を構成し、同様に、長さが約1波長のアンテナ素子9、10を中央部においてそれぞれ角度β屈曲し、この2つのアンテナ素子9、10で菱形アンテナ素子を構成し、これらの菱形アンテナ素子間を、長さd2の2つの線路11、12から成る第2線路対で互いに並列に接続して第2アンテナ群を構成している。
そして、第1アンテナ群と第2アンテナ群とを、同一平面上で直交するように配置し、第1線路対の一方の線路5の中点と第2線路対の一方の線路11の中点とを互いに接続し、第1線路対の他方の線路6の中点と第2線路対の他方の線路12の中点とを互いに接続して、それぞれの接続点間に給電部13を設けている。
なお、本実施の形態において、第1、第2線路対は、それぞれ第1アンテナ群の直線偏波アンテナ素子と第2アンテナ群の直線偏波アンテナ素子とにおける励振位相がそれぞれ互いに略90度異なるように、その長さd1、d2が設定されている。
以上のように構成された本実施の形態のアンテナ装置について、図2、図3を用いてその動作を説明する。
まず、アンテナ素子1、2、3、4と、第1線路対5、6から成る第1アンテナ群から放射される電波は、偏波方向がY軸方向の直線偏波(以降垂直偏波と称する)であり、アンテナ素子7、8、9、10と、第2線路対11、12から成る第2アンテナ群から放射される電波は、偏波方向がX軸方向の直線偏波(以降水平偏波と称する)である。
また、第1、第2線路対は、それぞれ第1、第2アンテナ群における励振位相がそれぞれ互いに略90度異なるように、その長さd1、d2が設定されているため、ハイブリッド回路などの特別な回路を用いることなく、線路対間の接続点より1点給電することで、垂直偏波と水平偏波の位相差を90度に設定し、+Z方向に最大放射を有する右旋円偏波、−Z方向に最大放射を有する左旋円偏波をそれぞれ放射することができる。
本実施の形態において、今、角度α、βを共に90度、長さd1を約5分の2波長(22mm)、長さd2を0mmに設定したところ、約9dBiの円偏波指向性利得を得ることができる。また、右旋円偏波の放射パターン、及び、軸比パターンはそれぞれ次の通りである。
図2は、このようにして構成した本実施の形態におけるアンテナ装置の、右旋円偏波の放射パターンを示しており、図2(a)がXZ面、図2(b)がYZ面の特性を示している。図2において、放射角θ=0度が+Z方向、放射角θ=90度が+Xおよび+Y方向を示している。
図2より明らかなように、本実施の形態におけるアンテナ装置によれば、第1、第2線路対の長さd1、d2をそれぞれ前述の通り設定したことによって、XZ面の利得半値幅が約27度であるのに対し、YZ面の利得半値幅は約40度とXZ面の利得半値幅より広くなっている。
図3は、同様に、本実施の形態におけるアンテナ装置の、右旋円偏波の軸比パターンを示しており、図2と同様、図3(a)がXZ面、図3(b)がYZ面の特性を示している。
図3より明らかなように、本実施の形態におけるアンテナ装置によれば、第1、第2線路対の長さd1、d2を上述の通り設定したことによって、XZ面の軸比が3dB以下となる角度範囲(以降軸比半値幅と称する)は約25度であるのに対し、YZ面の軸比半値幅は約38度とXZ面の軸比半値幅より広くなっている。
このように、本実施の形態によれば、第1、第2アンテナ群における励振位相がそれぞれ互いに略90度異なるように、第1、第2線路対の長さd1、d2を設定しているため、垂直偏波と水平偏波の位相差を容易に90度に設定することができ、容易に正確に円偏波を放射することができる。また、XZ面とYZ面とでそれぞれアレイファクタが異なるため、XZ面とYZ面とでそれぞれ異なる半値幅を得ることができる。
また、垂直偏波を放射するアンテナ素子と水平偏波を放射するアンテナ素子との間隔を第1、第2線路対の長さd1、d2によって比較的広くすることが可能になり、直交する2偏波のアイソレーションを充分に確保することができるようになる。
このように、本発明の第1の実施の形態によれば、第1、第2アンテナ群を構成するそれぞれの直線偏波アンテナ素子を菱形アンテナ素子で構成しており、簡単な平面構成のアンテナ装置とすることができ、第1、第2線路対の長さd1、d2をそれぞれ前述したように所定の値に設定することにより、1点給電で容易に円偏波を放射することができるようになり、直交する2平面で異なる半値幅を容易に得ることができ、直交する2偏波のアイソレーションも充分確保することができるという効果を有する。
なお、ここで、所定の値とは、d1=約5分の2波長(22mm)、d2=0mmに限定されず、第1、第2アンテナ群における励振位相がそれぞれ互いに略90度異なるようになる長さであればよいことは言うまでもないことである。
なお、本実施の形態では、直線偏波アンテナ素子を菱形アンテナ素子で構成しているが、菱形アンテナに代えてダイポールアンテナ、ループアンテナ、パッチアンテナなどで構成してもよく、これらを互いに接続する第1、第2線路対の長さd1、d2を所定の値とすることにより同様な効果が得られる。
また、アンテナ素子を誘電体基板上の銅箔パターンで構成すれば、波長短縮によって小型化することができ、更に半値幅を広角にすることができる。
また、アンテナ素子が位置する面と約4分の1波長(13mm)の距離を隔てて反射板を配置すれば、約12dBiの指向性利得を得ることができ、半値幅も更に広角になるという効果を有する。
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態におけるアンテナ装置について、図4、図5を用いて説明する。
次に、本発明の第2の実施の形態におけるアンテナ装置について、図4、図5を用いて説明する。
図4は、本発明の第2の実施の形態におけるアンテナ装置の概略構成図、図5は、その要部の概略構成図である。図4、図5において、図1と同一の符号を付したものは、図1と同様のものを示している。
本実施の形態におけるアンテナ装置は、図4、図5に示すように、先に述べた第1の実施の形態におけるアンテナ装置と比較し次の点で異なるだけである。
すなわち、本実施の形態では、第1、第2の線路対の長さd1、d2を、共に約10分の7波長(36mm)と等しく設定し、第1アンテナ群を構成する第1線路対と第2アンテナ群を構成する第2線路対を互いに直接接続せず、長さ約5分の2波長(23mm)の2つの線路14、15から成る第3の線路対を介して互いに接続するようにしている。
そして、第1線路対の一方の線路5の中点と第2線路対の一方の線路12の中点を第3線路対の一方の線路14に接続し、第1線路対の他方の線路6の中点と第2線路対の他方の線路11の中点を第3線路対の他方の線路15に接続して、線路5と線路14の接続点と、線路6と線路15の接続点のそれぞれの間に給電部13を設けるようにしている。
以上のように構成された本実施の形態におけるアンテナ装置について、図6、図7を用いてその動作を説明する。
まず、アンテナ素子1、2、3、4と第1線路対5、6から成る第1アンテナ群から放射される電波は垂直偏波であり、アンテナ素子7、8、9、10と第2線路対11、12から成る第2アンテナ群から放射される電波は水平偏波である。
また、第1線路対5、6と第2線路対11、12とは同じ長さであるが、第3線路対14、15が存在するため、第3線路対14、15の働きで、ハイブリッド回路などの特別な回路を用いることなく、1点給電で垂直偏波と水平偏波の位相差を90度に設定することができる。
すなわち、この実施の形態でも、第1の実施の形態と同様、+Z方向に最大放射を有する右旋円偏波と、−Z方向に最大放射を有する左旋円偏波とをそれぞれ放射することができ、約10dBiの円偏波指向性利得のアンテナ装置を得ることができる。
図6は、本実施の形態におけるアンテナ装置の、右旋円偏波の放射パターンを示しており、図6(a)がXZ面、図6(b)がYZ面の特性を示している。図6より明らかなように、本実施の形態におけるアンテナ装置によれば、XZ面の利得半値幅はYZ面の利得半値幅とほぼ等しく約25度である。
また、図7は、同様のアンテナ装置の、右旋円偏波の軸比パターンを示しており、図7(a)がXZ面、図7(b)がYZ面の特性を示している。図7より明らかなように、本実施の形態におけるアンテナ装置よれば、XZ面の軸比半値幅はYZ面の軸比半値幅とほぼ等しく約20度である。
このように、本実施の形態によれば、第1の実施の形態に比べ、約1dBi高い指向性利得が得られ、XZ面とYZ面の半値幅はほぼ等しくなる。すなわち、第3線路対の長さを前述の値にすることにより、垂直偏波と水平偏波の位相差を容易に90度に設定することができ、円偏波を放射することができるようになる。また、第1、第2の線路対の長さd1、d2を等しくすることにより、XZ面とYZ面でアレイファクタを等しくすることができるようになり、XZ面とYZ面でほぼ等しい半値幅を得ることができるようになる。
また、垂直偏波を放射するアンテナ素子と水平偏波を放射するアンテナ素子との間隔をより広く採ることができるため、直交する2偏波のアイソレーションもより大きく確保することができる。
以上のように、本発明の第2の実施の形態によれば、第1アンテナ群と第2アンテナ群のそれぞれの給電点を互いに接続する第3線路対を設け、この第3線路対の長さを所定の値にし、第1、第2線路対の長さを同じにしているため、簡単な平面構成、かつ、1点給電で円偏波を放射することができ、しかも、直交する2平面で等しい半値幅を得ることができ、高利得、かつ、直交する2偏波のアイソレーションも充分確保できるアンテナ装置を得ることができる。
なお、第1、第2線路対の長さd1、d2や、第3線路対の長さは、本実施の形態に限るものではなく、垂直偏波と水平偏波の位相差が90度となり、かつ直交する2平面において所望の半値幅を得るように設定すればよい。すなわち、第1、第2線路対の長さd1、d2は、必ずしも同一である必要はなく、第3の線路対を含めて、第1、第2アンテナ群における励振位相がそれぞれ互いに略90度異なる長さであればよく、このような長さに設定することによって一点給電で容易に円偏波を放射させることができるようになる。また、第1、第2線路対の長さd1、d2が互いに異なる場合には、直交する2平面で互いに異なる半値幅を得ることができる。
(第3の実施の形態)
次に、本発明の第3の実施の形態におけるアンテナ装置について説明する。
次に、本発明の第3の実施の形態におけるアンテナ装置について説明する。
本実施の形態におけるアンテナ装置は、図1に示すように、第1の実施の形態と同じ構成を有している。そして、異なる点は、第1線路対の長さd1が約半波長(26mm)、角度αが120度、角度βが60度という点だけである。
以上のように構成された本実施の形態について、図8および図9を用いてその動作を説明する。
まず、アンテナ素子1、2、3、4と第1線路対5、6から成る第1アンテナ群から放射される電波は垂直偏波であり、アンテナ素子7、8、9、10と第2線路対11、12から成る第2アンテナ群から放射される電波は水平偏波である。
また、第1、第2線路対の長さd1、d2がそれぞれ前述の通り異なる長さに設定されているため、ハイブリッド回路などの特別な回路を用いることなく、1点給電で垂直偏波と水平偏波の位相差を90度に設定することができる。すなわち、この実施の形態でも、+Z方向に最大放射を有する右旋円偏波と、−Z方向に最大放射を有する左旋円偏波とをそれぞれ放射させることができ、約8dBiの円偏波指向性利得が得られる。
図8は、本実施の形態におけるアンテナ装置の、右旋円偏波の放射パターンを示しており、図8(a)がXZ面、図8(b)がYZ面の特性を示している。図8より明らかなように、本実施の形態におけるアンテナ装置によれば、第1、第2線路対の長さd1、d2の差と、角度α、βによって、XZ面の利得半値幅が約25度に対してYZ面の利得半値幅が約60度と広くなっている。
図9は、同様に、本実施の形態におけるアンテナ装置の、右旋円偏波の軸比パターンを示しており、図9(a)がXZ面、図9(b)がYZ面の特性を示している。図9より明らかなように、本実施の形態におけるアンテナ装置によれば、第1、第2線路対の長さd1、d2の差と、角度α、βによって、XZ面の軸比半値幅が約25度に対してYZ面の軸比半値幅が約57度と広くなっている。
このように、本実施の形態によれば、第1の実施の形態に比して、指向性利得が約1dB低くなるものの、YZ面の半値幅が約20度広くなっている。すなわち、第1、第2の線路対の長さd1、d2や、角度α、βをそれぞれ前述の通り設定することにより、垂直偏波と水平偏波の位相差を90度に設定することが可能になり、円偏波を放射することができるとともに、XZ面とYZ面とでアレイファクタを異ならせることができるため、XZ面とYZ面で異なる半値幅を得ることも可能になる。
また、垂直偏波を放射するアンテナ素子と水平偏波を放射するアンテナ素子との間隔が広くなるため、直交する2偏波のアイソレーションも容易に確保することができるようになる。
以上のように、本発明の第3の実施の形態によれば、第1、第2線路対の長さd1、d2は、第1の実施の形態と同様であるが、、角度α、βが異なることから、異なる特性を得ることができ、かつ、直交する2偏波のアイソレーションも容易に確保することができる。
なお、第1、第2線路対の長さd1、d2や、角度α、βは、本実施の形態に限るものではなく、垂直偏波と水平偏波の位相差が90度となり、かつ、直交する2平面において所望の半値幅を得るように設定すればよい。例えば、長さd1、d2や角度α、βを任意に変更可能なように構成しておけば、用途に応じてそれらを任意に変更し、設定することが可能になり、有効である。
(第4の実施の形態)
次に、本発明の第4の実施の形態におけるアンテナ装置について、図10を用いて説明する。
次に、本発明の第4の実施の形態におけるアンテナ装置について、図10を用いて説明する。
図10は、本発明の第4の実施の形態におけるアンテナ装置の概略構成図であり、図1と同一符号を付したものは、図1と同一のものを示している。
本実施の形態におけるアンテナ装置は、図10に示すように、第1の実施の形態におけるアンテナ装置に、更に、アンテナ素子1a、2aよりなる菱形アンテナ素子、及び、アンテナ素子3a、4aよりなる菱形アンテナ素子を付加したものである。すなわち、本実施の形態では、アンテナ素子1、2から成る菱形アンテナ素子の開放端にアンテナ素子1a、2aから成る菱形アンテナ素子を直列に接続し、アンテナ素子3、4から成る菱形アンテナ素子の開放端にアンテナ素子3a、4aから成る菱形アンテナ素子を直列に接続している。
なお、ここで、アンテナ素子1a、2aよりなる菱形アンテナ素子、及び、アンテナ素子3a、4aよりなる菱形アンテナ素子は、それぞれアンテナ素子1、2よりなる菱形アンテナ素子、及び、アンテナ素子3、4よりなる菱形アンテナ素子と同寸法、同形状に形成されている。
以上のように構成された本発明の第4の実施の形態におけるアンテナ装置について、図11、図12を用いてその動作を説明する。
まず、アンテナ素子1、2、3、4とアンテナ素子1a、2a、3a、4a、及び、第1線路対5、6から成る第1アンテナ群から放射される電波は垂直偏波であり、アンテナ素子7、8、9、10と第2線路対11、12から成る第2アンテナ群から放射される電波は水平偏波である。また、第1、第2線路対の長さd1、d2をそれぞれ前述の通り設定したため、ハイブリッド回路などの特別な回路を用いることなく、1点給電で、垂直偏波と水平偏波の位相差を90度に設定することができ、+Z方向に最大放射を有する右旋円偏波と、−Z方向に最大放射を有する左旋円偏波とをそれぞれ放射することができる。また、第1アンテナ群の菱形アンテナ素子を多段構成としたことによって、約10dBiの円偏波指向性利得が得られる。
図11は、本実施の形態におけるアンテナ装置の、右旋円偏波の放射パターンを示しており、図11(a)がXZ面、図11(b)がYZ面の特性を示している。図11より明らかなように、本実施の形態によれば、第1、第2線路対の長さd1、d2の差と、第1アンテナ群を構成する菱形アンテナ素子を多段構成としたことによって、XZ面の利得半値幅が約18度に対して、YZ面の利得半値幅が約40度と広くなっている。
図12は、同様に、本実施の形態におけるアンテナ装置の、右旋円偏波の軸比パターンを示しており、図12(a)がXZ面、図12(b)がYZ面の特性を示している。図12より明らかなように、本実施の形態によれば、第1、第2線路対の長さd1、d2の差と、第1アンテナ群を構成する菱形アンテナ素子を多段構成としたことによって、XZ面の軸比半値幅が約15度に対して、YZ面の軸比半値幅が約33度と広くなっている。
このように、本実施の形態によれば、第1の実施の形態のアンテナ装置と比較して、指向性利得が約1dB高くなり、XZ面の半値幅が約10度狭くなる。すなわち、第1、第2線路対の長さd1、d2の差と、菱形素子の多段数を所定の値とすることにより、垂直偏波と水平偏波の位相差を容易に90度に設定でき、円偏波を放射することができるようになる。また、XZ面とYZ面でアレイファクタが異なるため、XZ面とYZ面で異なる半値幅を得ることができる。
また、垂直偏波を放射するアンテナ素子と水平偏波を放射するアンテナ素子との間隔が広いため、直交する2偏波のアイソレーションが確保できる。
以上のように本発明の第4の実施の形態におけるアンテナ装置によれば、菱形アンテナ素子を複数連結しており、その分、利得を向上させることができる。また、第1、第2の線路対の長さd1、d2の差と、第1アンテナ群を構成する菱形アンテナ素子の段数を所定の値とすることにより、簡単な平面構成、かつ、1点給電で円偏波を放射することの可能なアンテナ装置とすることができ、直交する2平面で異なる半値幅を得ることも可能で、かつ、直交する2偏波のアイソレーションも充分確保することができるようになる。
なお、第1、第2線路対の長さd1、d2、角度α、β、及び、菱形アンテナ素子の段数は、本実施の形態に限るものではなく、垂直偏波と水平偏波の位相差が90度となり、かつ、直交する2平面において所望の半値幅を得るように設定すればよい。例えば、図13に示すように、菱形アンテナ素子数を8とした構造では、約12dBiの指向性利得が得られ、約20度の半値幅が得られる。
また、菱形アンテナ素子の多段数を給電点を中心に対称としない場合は、最大放射方向を±Z方向から傾けることもできる。
1,2,3,4,7,8,9,10 アンテナ素子
5,6 第1線路対
11,12 第2線路対
13 給電部
14,15 第3線路対
5,6 第1線路対
11,12 第2線路対
13 給電部
14,15 第3線路対
Claims (6)
- 偏波方向を一致させて並列に配置した2つの直線偏波アンテナ素子と、前記2つの直線偏波アンテナ素子を互いに接続するとともに前記2つの直線偏波アンテナ素子の物理的位置関係を決定する長さd1の第1線路対とを備えた第1アンテナ群と、
偏波方向を一致させて並列に配置した2つの直線偏波アンテナ素子と、前記2つの直線偏波アンテナ素子を互いに接続するとともに前記2つの直線偏波アンテナ素子の物理的位置関係を決定する長さd2の第2線路対とを備えた第2アンテナ群とを備え、
前記第1、第2アンテナ群は互いに直交するように配置され、
前記第1、第2線路対の中央部に給電部が設けられ、
前記第1、第2線路対の中央部間に、それぞれ前記第1、第2線路対を互いに接続する第3の線路対が設けられ、さらに、
前記第1、第2線路対の長さd1、d2は、前記第3線路対を含め、前記第1アンテナ群の直線偏波アンテナ素子と前記第2アンテナ群の直線偏波アンテナ素子とにおける励振位相がそれぞれ互いに略90度異なるように設定されていることを特徴とするアンテナ装置。 - 前記第1、第2アンテナ群の直線偏波アンテナ素子が、中央部において屈曲された略1波長のアンテナ素子を互いに2つ対向して配置した菱形アンテナ素子で構成されていることを特徴とする請求項1記載のアンテナ装置。
- 前記菱形アンテナ素子を構成する2つのアンテナ素子の屈曲角度を任意に設定可能に構成したことを特徴とする請求項2に記載のアンテナ装置。
- 前記第1、第2アンテナ群の少なくとも一方のアンテナ群を、前記菱形アンテナ素子を複数連結して構成したことを特徴とする請求項2に記載のアンテナ装置。
- 前記第1、第2アンテナ群を構成する前記菱形アンテナ素子の連結数が互いに異なることを特徴とする請求項4に記載のアンテナ装置。
- 前記d1およびd2は同一の値である、請求項1に記載のアンテナ装置。
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