JPWO2009014177A1 - ジベンゾフルベン誘導体の淘汰方法 - Google Patents

ジベンゾフルベン誘導体の淘汰方法 Download PDF

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Abstract

Fmoc基で保護されたアミノ酸化合物をアミンと反応させることにより脱保護して得られる、ジベンゾフルベン及び/又はジベンゾフルベンアミン付加体を含む反応混合物を、炭素数5以上の炭化水素溶媒および該炭化水素溶媒に混和しない極性有機溶媒(但し、アミド系有機溶媒を除く。)中で攪拌、分層させ、炭化水素溶媒層を除去することにより、脱保護後に副成するジベンゾフルベン及び/又はジベンゾフルベンアミン付加体を効率的に淘汰することができる。

Description

本発明は、Fmoc(9−フルオレニルメトキシカルボニル)基で保護されたアミノ酸化合物の脱保護の際に副成するジベンゾフルベン誘導体を効率的に淘汰する方法等に関する。
Fmoc基はアミノ基の保護基であり、保護された化合物に適度な脂溶性を付与し取り扱いが容易になる、UV吸収が付与されるため反応の追跡が容易になる、中性〜酸性域で安定である、アミンとの緩和な反応条件で容易に脱保護できるなど利点が多いため、広く使用されている。特に、ペプチド合成におけるアミノ酸やペプチドのアミノ基の重要な保護基である。
Fmoc基を脱保護する際には、ジベンゾフルベン及び/又はジベンゾフルベンと脱保護試薬であるアミンとの付加体(以下、本明細書において「ジベンゾフルベン誘導体」と総称する場合がある。)が副成するが、特にペプチド合成においては、該ジベンゾフルベン誘導体が残留したまま次工程に進めると、9−フルオレニルメチル化などの副反応を引き起こす恐れがあるため効率的に淘汰する必要がある。しかしながら、ジベンゾフルベン誘導体は脂溶性が高いため、反応混合物の水洗などでは淘汰することができない。
ペプチド合成においてFmoc基は、固体支持体の洗浄によりジベンゾフルベン誘導体を容易に淘汰することができる固相合成法の保護基として主に利用されている。しかし、固相法は反応が固体支持体表面に限定されるためスケールアップや反応性に課題がある。
一方、ペプチドの液相合成法では、ジベンゾフルベン誘導体の淘汰が容易ではないため、脱保護の副成物を気体(イソブテン、二酸化炭素)として淘汰できるBoc基(tert−ブトキシカルボニル)が主に利用されている。しかし、システインやメチオニンなどの含硫アミノ酸を含むペプチドを合成する際には、N末端にBoc基を使用し、アミノ酸側鎖の官能基の保護やC末端の保護にBzl基を組み合わせて使用する、いわゆるBoc法は、含硫アミノ酸により触媒が被毒されて接触還元によりBzl基を脱保護することができないので採用することはできず、N末端保護基としてFmoc基の使用が望まれる場合がある。
このような背景から、スケールアップが容易であり、ペプチド医薬品などの工業的生産に適した液相法において、保護基としてFmoc基使用した場合に、ジベンゾフルベン誘導体を効率的に淘汰できる方法の開発が望まれている。
非特許文献1には、ペプチドの液相合成においてジベンゾフルベン誘導体を淘汰するために、反応抽出物を濃縮乾固した残渣にヘキサンなどの炭化水素溶媒を加えてトリチュレートすることによりジベンゾフルベン誘導体を溶媒に溶解させ、脱保護されたペプチドを結晶として単離する方法が記載されている。
しかし、この方法は操作性が悪く、大スケールでは再現性が得られない場合もあり、工業的生産には不向きである。また、目的の脱保護されたペプチドが油状物の場合にはこの方法は用いることができず、該ペプチドが結晶化することが必要である。さらに、ペプチド鎖が短い段階ではペプチド自体が炭化水素溶媒に溶解してしまい回収率が低下するなどの問題もある。
WO03/018188 実験化学講座第5版、(日本国)、丸善出版社、平成17年3月31日発行、第16巻、272頁
本発明の目的は、Fmoc基を保護基として使用した場合において、脱保護後に副成するジベンゾフルベン誘導体の効率的な淘汰方法を提供し、特にペプチドの液相合成において工業的製造に適用可能な方法、さらにはワンポット合成を可能とする方法に繋げる操作法を提供することである。
本発明者は上記課題を解決するため、ジベンゾフルベン誘導体の淘汰方法を鋭意検討した結果、炭素数5以上の炭化水素溶媒と該炭化水素溶媒に混和しない極性有機溶媒の分層において、ジベンゾフルベン誘導体が炭化水素溶媒層に効率的に抽出され、かつ極性溶媒層に脱保護されたアミノ酸化合物が効率的に移行して、炭化水素溶媒にはほとんど抽出されないこと、すなわち、かかる有機溶媒−有機溶媒分層から炭化水素溶媒層を除去することにより、簡便にジベンゾフルベン誘導体が淘汰できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下を包含する。
[1]Fmoc基で保護されたアミノ酸化合物をアミンと反応させることにより脱保護して得られる反応混合物からジベンゾフルベン及び/又はジベンゾフルベンアミン付加体を淘汰する方法であって、該反応混合物を、炭素数5以上の炭化水素溶媒および該炭化水素溶媒に混和しない極性有機溶媒(但し、アミド系有機溶媒を除く。)中で攪拌、分層させ、ジベンゾフルベン及び/又はジベンゾフルベンアミン付加体が溶解した炭化水素溶媒層を除去する工程を含むことを特徴とする方法。
[2]アミンが、ジエチルアミン、ジメチルアミン、ピペリジン、モリホリンおよび1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7−エン(DBU)から選ばれる、上記[1]記載の方法。
[3]アミンが、ジエチルアミンおよびジメチルアミンから選ばれる、上記[2]記載の方法。
[4]炭素数5以上の炭化水素溶媒が、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタンおよびデカリンから選ばれる少なくとも一種である、上記[1]〜[3]のいずれかに記載の方法。
[5]炭化水素溶媒に混和しない極性有機溶媒が、アセトニトリルおよびメタノールから選ばれる少なくとも一種を含む溶媒である上記[1]〜[4]のいずれかに記載の方法。
[6]炭化水素溶媒に混和しない極性有機溶媒がさらに水を含む、上記[1]〜[5]のいずれかに記載の方法。
[7]Fmoc基で保護されたアミノ酸化合物が、Fmoc基で保護されたアミノ酸エステルまたはFmoc基で保護されたペプチドである、上記[1]〜[6]のいずれかに記載の方法。
[8]上記[7]記載の方法を含む、液相合成法によるペプチドの製造方法。
[9](1)C−保護ペプチドまたはC−保護アミノ酸を、N−Fmocアミノ酸と、縮合剤の存在下縮合させる工程、および/または
(2)C−保護ペプチドまたはC−保護アミノ酸を、N−Fmocアミノ酸活性エステルと縮合させる工程
を含む上記[8]記載の方法。
[10]上記[9]の(1)記載の工程において、さらに活性化剤を存在させる、上記[9]記載の方法。
[11]上記[1]記載の工程で得られた中間体ペプチドを固体として単離せずに上記[9]記載の工程に供することを含む、上記[9]または[10]記載の方法。
[12]ワンポット合成で行う、上記[8]〜[11]のいずれかに記載の方法。
本発明により、Fmoc基を脱保護した際に副成するジベンゾフルベン誘導体を簡便に淘汰する方法が提供される。該方法は、結晶のトリチュレート、濾過、洗浄などの煩雑な操作を要せず、大スケール反応にも容易に適用可能である。したがって、Fmoc基の工業的生産への利用が容易になり、アミノ基の保護が必要である化合物の製造法の選択肢を格段に広げることができる。
特に、本発明の方法をペプチドの液相合成法に適用した場合、ジベンゾフルベン誘導体を洗浄のみで簡便に淘汰し、さらに必要に応じて水洗、塩基性水溶液洗浄、酸性水溶液洗浄などの洗浄操作を組み合わせることで、脱保護により得られるN末端無保護のペプチドを簡便に精製することができる。したがって、次工程のペプチド伸長反応へそのまま繋ぐことができるので、ペプチドのワンポット合成が可能となり、工業的生産に特に好適である。
本明細書において使用される記号、略号の意味を以下に示す。
(1)Boc:tert−ブトキシカルボニル
(2)Z:ベンジルオキシカルボニル
(3)Fmoc:9−フルオレニルメトキシカルボニル
(4)Bsmoc:1,1−ジオキソベンゾ[b]チオフェン−2−イルメトキシカルボニル
(5)Alloc:アリルオキシカルボニル
(6)Ac:アセチル
(7)Me:メチル
(8)Et:エチル
(9)iPr:イソプロピル
(10)tBu:tert−ブチル
(11)Bzl:ベンジル
(12)Fm:9−フルオレニルメチル
(13)Trt:トリチル
(14)HOBt:1−ヒドロキシベンゾトリアゾール
(15)HOCt:6−クロロ−1−ヒドロキシベンゾトリアゾール
(16)HOAt:1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール
(17)HOOBt:3−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−4−オキソ−1.2.3−ベンゾトリアジン
(18)HOSu:N−ヒドロキシスクシンイミド
(19)HOPht:N−ヒドロキシフタルイミド
(20)HONb:N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド
(21)Bt:1−ヒドロキシベンゾトリアゾール−1−イル
(22)Ct:1−ヒドロキシ−6−クロロベンゾトリアゾール−1−イル
(23)At:1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール−1−イル
(24)OBt:3,4−ジヒドロ−4−オキソ−1.2.3−ベンゾトリアジン−3−イル
(25)Su:スクシンイミドイル
(26)Pht:フタルイミドイル
(27)Nb:5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミドイル
(28)DCC:N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド
(29)EDC:N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド
(30)EDC.HCl:N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド塩酸塩
(31)DIC:N,N’−ジイソプロピルカルボジイミド
(32)BOP:(ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウム ヘキサフルオロホスフェート
(33)PyBOP:(ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)トリピロリジノホスホニウム ヘキサフルオロホスフェート
(34)PyBroP:ブロモトリピロリジノホスホニウム ヘキサフルオロホスフェート
(35)HBTU:O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロホスフェート
(36)TBTU:O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム テトラフルオロボレート
(37)HCTU:O−(6−クロロベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロホスフェート
(38)HATU:O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロホスフェート
(39)CDI:カルボニルジイミダゾール
(40)DMT−MM:4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホニウム クロリド
(41)AA:アミノ酸残基(下付のnは1以上の任意の整数であり、ペプチドC末端からの順番を示す。)
(42)PG:ペプチドのC末端カルボキシル基の保護基
(43)PG:アミノ基の保護基(下付のnは1以上の任意の整数であり、AAのアミノ基の保護基であることを示す。)
(44)HOE:活性化剤
(45)E:活性エステル基
(46)Gly:グリシン
(47)Ala:アラニン
(48)Val:バリン
(49)Leu:ロイシン
(50)Ile:イソロイシン
(51)Met:メチオニン
(52)Phe:フェニルアラニン
(53)Tyr:チロシン
(54)Trp:トリプトファン
(55)His:ヒスチジン
(56)Lys:リジン
(57)Arg:アルギニン
(58)Ser:セリン
(59)Thr:トレオニン
(60)Asp:アスパラギン酸
(61)Glu:グルタミン酸
(62)Asn:アスパラギン
(63)Gln:グルタミン
(64)Cys:システイン
(65)Pro:プロリン
(66)Orn:オルニチン
(67)Sar:サルコシン
(68)β−Ala:β−アラニン
(69)GABA:γ−アミノ酪酸
(70)Dap:2,3−ジアミノプロピオン酸
PGで示されるC末端カルボキシル基の保護基としては、Me、Et、iPr、tBuなどのアルキル基、Bzl、Fm、Trt、ジフェニルメチル、1−1−ジメチルベンジル、ジメチルフェニル等が挙げられる。
PGで示されるアミノ基の保護基としては、Boc、Z、Fmoc、Bsmoc、Alloc、Ac等が挙げられる。
Eで示される活性エステル基とは、アミノ基による求核攻撃を受けて「EO」として容易に脱離し、アミド結合を生成させうる基を意味し、Bt、Ct,At、OBt、Su、Pht、Nb、ペンタフルオロフェニル等が挙げられる。
1.ジベンゾフルベン誘導体の淘汰方法
本発明のジベンゾフルベン誘導体の淘汰方法は、Fmoc基で保護されたアミノ酸化合物をアミンと反応させることにより脱保護して得られる反応混合物を、炭素数5以上の炭化水素溶媒および該炭化水素溶媒に混和しない極性有機溶媒(但し、アミド系有機溶媒を除く。)中で攪拌、分層させ、ジベンゾフルベン及び/又はジベンゾフルベンアミン付加体が溶解した炭化水素溶媒層を除去する工程を含むことを特徴とする。
かかる操作により、意外なことに脱保護されたアミノ酸化合物が極性有機溶媒層に優先的に移行し、炭化水素溶媒層にはほとんど抽出されず、かつ、ジベンゾフルベン誘導体は炭化水素溶媒層に効率的に抽出されるので、抽出操作という大規模反応に適した簡便な操作のみでジベンゾフルベン誘導体を淘汰することができる。したがって、結晶化やクロマトグラフィーなどの操作によることなく、所望のアミノ酸化合物を簡便に精製または単離することができる。
なお、WO 03/018188(特許文献1)の実施例9には、ペプチドの液相合成に際し、シクロヘキサンとN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)を分層させて、シクロヘキサン層からアミノ酸エステルまたはペプチドを回収する方法が記載されているが、アミノ酸エステルまたはペプチドを極性溶媒中から回収する本発明の方法とは構成が異なる。またこの方法は、アミノ酸エステルまたはペプチドを炭化水素溶媒であるシクロヘキサン層に移行させるため、脂溶性が極めて高い可溶性担体である(3,4,5−トリオクタデシルオキシフェニル)メタン−1−オールをペプチドのC末端にエステル結合させている。炭化水素溶媒層にジベンゾフルベン誘導体を淘汰し、アミノ酸エステル又はペプチドを極性有機溶媒に移行させる本発明とは発想も全く異なっている。
「Fmoc基で保護されたアミノ酸化合物」の「アミノ酸化合物」とは、分子内に、1級アミノ基および/または2級アミノ基、並びにカルボキシル基および/またはエステル化、チオエステル化またはアミド化されたカルボキシル基を有する化合物であって、本発明の炭化水素溶媒−極性有機溶媒の分層において極性有機溶媒層に効率的に移行するものであれば、特に限定されない。かかるアミノ酸化合物の好適な例としては、ペプチド、アミノ酸エステルが挙げられる。
ここで、ペプチド、アミノ酸エステルは、N末端としての1級アミノ基または2級アミノ基の他に、アミン性の側鎖官能基(アミノ基、インドール、グアニジン等)を有していてもよく、これらアミン性の側鎖官能基は保護基で保護されていても良い。またペプチドのC末端のカルボキシル基も保護されていても、保護されていなくてもよい。またペプチド、アミノ酸エステルがカルボキシル基及びアミノ基以外の側鎖官能基を有する場合、該側鎖官能基保護されていても、保護されていなくてもよい。なお、カルボキシル基が保護されている場合、(3,4,5−トリオクタデシルオキシフェニル)メチルのようなペプチドの保護基としては通常使用しない極めて脂溶性が高い基でカルボキシル基等を保護すると、アミノ酸エステル又はペプチドが炭化水素溶媒層にも移行しやすくなるので適切ではない。好ましいカルボキシル基の保護基としてはメチル、エチル、tert−ブチル等の炭素数1〜6のアルキル、ベンジル、p−ニトロベンジル、p−メトキシベンジル、ジフェニルメチル、アリルが挙げられる。
「Fmoc基で保護されたアミノ酸化合物」は、アミノ酸化合物が有する第1級アミノ基および/または第2級アミノ基並びにアミン性側鎖官能基の少なくとも一つがFmoc基で保護されていればよい。Fmoc基で保護されていない第1級アミノ基および/または第2級アミノ基並びにアミン性側鎖官能基は、無保護であっても、Fmoc基以外のアミノ基の保護基(アミン保護基)(例えば、Boc、Z、Bsmoc、Alloc、Ac等)で保護されていてもよい。
「Fmoc基で保護されたアミノ酸化合物」は、N末端アミノ基がFmoc基で保護されており、アミン性の側鎖官能基がある場合、該アミン性の側鎖官能基はFmoc基以外のアミン保護基で保護されている態様が好ましい。
「アミン」としては、Fmoc基を脱保護させる程度の求核性を有するものであれば特に限定されず、例えば、ジエチルアミン、ジメチルアミン、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7−エン(DBU)等が挙げられる。
該アミンは、減圧濃縮で淘汰できる低沸点(沸点:0〜120℃程度)のものが好ましく、例えば、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ピロリジン、ピペリジン、モルホリンが好ましい。
ジベンゾフルベンとは、Fmoc基が脱保護する際に生成する副生成物である。ジベンゾフルベンアミン付加体とは、脱保護に用いたアミンが第2級アミンの場合に、ジベンゾフルベンに付加した化合物を意味する。これらをまとめて「ジベンゾフルベン誘導体」と総称するのは、前記で述べたとおりである。
「ジベンゾフルベン誘導体の淘汰」とは、脱保護によって得られるアミノ酸化合物とジベンゾフルベン誘導体を含む反応混合物から、洗浄、結晶化その他精製操作によってジベンゾフルベン誘導体を除くことを意味する。
「炭素数5以上の炭化水素溶媒」としては、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、デカリン、ナフタレンまたはこれらの混合溶媒が挙げられ、n−ヘプタン、n−オクタンが好ましい。混合溶媒とする場合は、任意の割合で混合することができる。炭素数が4以下の炭化水素溶媒は極性溶媒と混和しやすい。炭素数の上限は特に限定はないが、溶媒の留去等の取り扱いやすさ、溶媒としての存在性を考慮すると、炭素数20以下のものが好ましい。
「炭素数5以上の炭化水素溶媒に混和しない極性有機溶媒」は、当該性質を有するものから制限なく選択することができるが、但し、当該極性有機溶媒にアミド系有機溶媒(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMA))などは含まれない。アミド系有機溶媒を用いた場合でも、炭化水素溶媒と分層させることができるが、ジベンゾフルベン誘導体が炭化水素溶媒層に効率的に分配されにくいので、アミド系有機溶媒層を炭化水素溶媒で数多く洗浄する必要があり効率が悪い(後掲比較例5、6参照)。また、アミド系有機溶媒は比較的高沸点であるために高温で留去しなければならず、効率が悪く、脱保護されたアミノ酸化合物が分解する恐れもある。さらには、水洗でアミド系有機溶媒を除く場合でも、酢酸エチル、ジエチルエーテルなどを用いた抽出操作を行わなければならず、煩雑である。
かかる極性有機溶媒としては、アセトニトリル、メタノール、アセトン等またはそれらの混合溶媒が挙げられ、アセトニトリルまたはメタノールが好ましい。混合溶媒とする場合は、任意の割合で混合することができる。
本発明のジベンゾフルベン誘導体の淘汰方法は、具体的には、まず、
(1)Fmoc基で保護されたアミノ酸化合物とアミンを、有機溶媒中で混合し、アミノ酸化合物とジベンゾフルベン誘導体を含む反応混合物を得、次いで
(2)該反応混合物を炭化水素溶媒および極性有機溶媒中で攪拌後、静置して分層させ、炭化水素溶媒を除去することにより行うことができる。
アミンの使用量は、Fmoc基で保護されたアミノ酸化合物に対して、通常2〜100当量、好ましくは5〜20当量である。この範囲より少ないと、未反応のFmoc基で保護されたアミノ酸化合物が残りやすく、多いとアミンが淘汰困難になりやすい。
脱保護反応の溶媒としては、脱保護反応を阻害しない溶媒であればいずれでもよく、脱保護の対象となるFmoc基で保護されたアミノ酸化合物にもよるが、例えば、DMF、N−メチルピロリドン(NMP)、酢酸エチル、アセトニトリル、テトラヒドロフラン(THF)、クロロホルムなどまたはそれらの混合溶媒が挙げられる。混合溶媒とする場合は、任意の割合で混合することができる。溶媒の使用量は、Fmoc基で保護されたアミノ酸化合物に対して、通常3〜100倍重量であり、好ましくは5〜20倍重量である。
反応温度は、脱保護の対象となるFmoc基で保護されたアミノ酸化合物にもよるが、通常0〜40℃、好ましくは5〜30℃の範囲内である。反応時間は、上記温度範囲内で、通常1〜20時間である。
反応終了後、反応液を濃縮することにより、アミノ酸化合物とジベンゾフルベン誘導体を含む混合物を得ることができる。低沸点のアミンを用いた場合には、当該濃縮操作によってアミンを淘汰することができる。
このようにして得られた該混合物に極性有機溶媒と炭化水素溶媒を加え、攪拌後、静置して、極性有機溶媒と炭化水素溶媒を分層させることができる。
あるいは、脱保護反応に本発明の極性有機溶媒および/または炭化水素溶媒を使用した場合は、濃縮することなく、必要に応じて極性有機溶媒および/または炭化水素溶媒を追加して、攪拌後、静置して、極性有機溶媒と炭化水素溶媒を分層させることができる。
この際に、加熱により極性有機溶媒と炭化水素溶媒を均一系にした後に冷却して分層させてもよいが、操作が煩雑であり、攪拌、静置のみで本発明の効果を十分奏することができるので、加熱と冷却を伴う操作は不要である。
極性有機溶媒は、炭化水素溶媒との分層性を向上させたり、ジベンゾフルベン誘導体除去率、目的物の極性有機溶媒層への抽出率を向上させるためにさらに水を添加しても良い。水の含有量は、極性有機溶媒に対して1〜50%(v/v)が好ましい。水の含有量がこの範囲より多い場合はFmoc基で保護されたアミノ酸化合物の抽出効率が低下する場合がある。
極性有機溶媒の使用量は、本発明の効果を損なわないかぎり特に限定はないが、Fmoc基で保護されたアミノ酸化合物の濃度が極性有機溶媒に対して0.5〜30%(w/v)となる範囲から適宜選択すればよい。
炭化水素溶媒の使用量は、本発明の効果を損なわないかぎり特に限定はないが、ジベンゾフルベン誘導体の濃度が炭水化物溶媒に対して0.2〜3%(w/v)となる範囲から適宜選択すればよい。
(極性有機溶媒)/(炭化水素溶媒)比(v/v)は、本発明の効果を損なわないかぎり特に限定はないが、好ましくは1/10〜1/0.2であり、より好ましくは1/3〜1/0.5である。
攪拌、静置後、炭化水素溶媒層を除去することにより、ジベンゾフルベン誘導体を淘汰することができる。極性有機溶媒層にさらに炭化水素溶媒を加え、攪拌、静置後および炭化水素溶媒層除去の操作を複数回繰り返すことによって、極性有機溶媒層に残留したジベンゾフルベン誘導体をさらに淘汰することができる。
極性有機溶媒層を濃縮することにより、ジベンゾフルベン誘導体が淘汰されたアミノ酸化合物を含有する粗製物を得ることができる。この段階でアミノ酸化合物が単離できる場合もあるが、ジベンゾフルベン誘導体以外の不純物(例えば、脱保護に使用したアミンなど)が含まれる場合には、自体公知の単離精製操作(水洗、塩基性または酸性水溶液洗浄など)を組み合わせることにより、所望のアミノ酸化合物を単離することができる。
2.ペプチド液相合成法
アミノ酸化合物がペプチドまたはアミノ酸エステルである場合、本発明のジベンゾフルベン誘導体の淘汰方法は、ペプチドの液相合成法に好適に適用できる。以下、本発明のジベンゾフルベン誘導体の淘汰方法をペプチドの液相合成法に適用した一態様(以下、本明細書において、「本発明のペプチド液相合成法」という。)について説明するが、本発明がこれに限定されないことはいうまでもない。
2−1.用語の説明
本発明のペプチド液相合成法に使用される用語の意義について説明する。
本発明のペプチド液相合成法において「Fmoc基で保護されたペプチドまたはアミノ酸エステル」の脱保護は、ペプチドの液相合成法に含まれるFmoc基の脱保護であれば、特に限定されない。例えば、後掲のN末端脱保護工程であってもよいし、最終脱保護における側鎖アミノ基の脱保護であってもよい。好ましくは、後掲のペプチド伸長反応において、次工程のカップリングの対象となるアミノ基を生成させる脱保護である。
本発明のペプチド液相合成法においてアミノ酸を「H−AA−OH」と表示した場合は、左側がアミノ基、右側がカルボキシル基であることを意味し、アミノ基およびカルボキシル基がそれぞれ保護されていないことを意味する。
この場合において、例えば、カルボキシル基が保護されている場合は、「H−AA−OPG」と表示され、アミノ基が保護されている場合は、「PG−AA−OH」と表示される。
アミノ基が保護されたアミノ酸のカルボキシル基が活性エステル化されている場合は、「PG−AA−OE」と表示される。
PG−AA−OHの対称酸無水物は、「(PG−AA)−O」と表示される。
アミノ酸が側鎖官能基を有する場合に、該官能基が保護されている場合は、「H−AA(PG)−OH」(PGは側鎖官能基の保護基を示す)と表示される。
本発明のペプチド液相合成法においてペプチドを「H−AAn’−AAn’−1−・・・−AA−OH」(下付けのn’は2以上の任意の整数を示す。)と表示した場合は、左側がN末端、右側がC末端であり、N末端およびC末端がそれぞれ保護されていないアミノ酸残基をn’個有するペプチドであることを意味する。ここで、N末端とはアミノ酸残基のα位アミノ基に限定されず、ペプチド伸長が側鎖アミノ基(例えば、Lysのεアミノ基)を介して行われる場合は、当該側鎖アミノ基もN末端に含まれる。以下、同様。
この場合において、例えば、C末端が保護されている場合は、「H−AAn’−AAn’−1−・・・−AA−OPG」と表示し、さらにN末端が保護されている場合は、「PGn’−AAn’−AAn’−1−・・・−AA−OPG」と表示するものとする。
本発明のペプチド液相合成法により合成されるペプチドの構成単位となるアミノ酸残基としては、天然アミノ酸または非天然アミノ酸が特に限定されることなく含まれ、また、それらのL体あるいはラセミ体も包含される。
天然アミノ酸としては、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Ser、Thr、Asn、Gln、Asp、Glu、Lys、Arg、Cys、Met、Phe、Tyr、Trp、His、Pro、Orn、Sar、β−Ala、GABA等が挙げられる。
非天然アミノ酸としては、Dap等が挙げられる。
また、当該アミノ酸が側鎖に官能基を有する場合に、該官能基を保護基により保護したアミノ酸とすることもできる。かかる側鎖保護アミノ酸としては、例えば、Gluのγ位又はAspのβ位のカルボキシル基をベンジル基で保護したγ-Bzl−Glu又はβ−Bzl−Asp;、Gluのγ位又はAspのβ位のカルボキシル基をtert−ブチル基で保護したγ−tBu−Glu又はβ−tBu−Asp;Lysのεアミノ基を保護したε−Z−Lys、ε−Boc−Lys、ε−iPr−ε−Boc−Lys;CysのSH基をフェニルカルバモイル基で保護したS−フェニルカルバモイル−Cys;CysのSH基をトリチル基で保護したS−Trt−Cys;Tyr及びSerの水酸基の酸素をBzlで保護した誘導体等が挙げられる。
本発明のペプチド液相合成法において「N−保護アミノ酸」とは、アミノ基が保護されており、カルボキシル基が無保護のアミノ酸を意味し、上記表記法によれば、「PG−AA−OH」と表示される。
本発明のペプチド液相合成法において「N−保護アミノ酸活性エステル」とは、アミノ基が保護され、カルボキシル基がEにより活性エステル化されたアミノ酸を意味し、上記表記法によれば、「PG−AA−OE」と表示される。
なお、N−保護アミノ酸活性エステルとして単離可能なものは、Eがペンタフルオロフェニル、SuまたはNbであるものであり、その他のN−保護アミノ酸活性エステルは、N−保護アミノ酸を縮合剤(例えば、EDC)および活性化剤(例えば、HOBt)と反応させることにより、反応系中で生成される。
本発明のペプチド液相合成法において「N−Fmocアミノ酸」とは、アミノ基がFmocで保護されており、カルボキシル基が無保護のアミノ酸残基を意味し、上記表記法によれば、「Fmoc−AA−OH」と表示される。
本発明のペプチド液相合成法において「N−Fmocアミノ酸活性エステル」とは、アミノ基がFmocで保護され、カルボキシル基がEにより活性エステル化された任意のアミノ酸残基を意味し、上記表記法によれば、「Fmoc−AA−OE」と表示される。
N−Fmocアミノ酸活性エステルとして単離可能なものは、Eがペンタフルオロフェニル、SuまたはNbであるものであり、その他のN−Fmocアミノ酸活性エステルは、N−Fmocアミノ酸を縮合剤(例えば、EDC)および活性化剤(例えば、HOBt)と反応させることにより、反応系中で生成される。
本発明のペプチド液相合成法において「C−保護ペプチド」とは、C末端が保護されており、N末端が保護されていない任意の個数のアミノ酸残基を有するペプチドを意味し、上記表記法によれば、「H−AAn’−AAn’−1−・・・−AA−OPG」(n’は2以上の整数を示す)と表示される。
本発明のペプチド液相合成法において「C−保護アミノ酸」とは、カルボキシル基が保護されており、アミノ基が保護されていないアミノ酸を意味し、上記表記法によれば、「H−AA−OPG」と表示される。
本発明のペプチド液相合成法において「N,C−ジ保護ペプチド」とは、N末端とC末端の両方が保護されている任意の個数のアミノ酸残基を有するペプチド意味し、上記表記法によれば、「PGn’−AAn’−AAn’−1−・・・−AA−OPG」(n’は2以上の整数を示す)と表示される。また、例えば、N末端がFmocで保護されていて、C末端が保護されているN,C−ジ保護ペプチドは「N−Fmoc−C−保護ペプチド」と表示するものとする。
本発明のペプチド液相合成法において「中間体ペプチド」とは、ペプチド液相合成における各工程で得られる合成中間体であるペプチドであって、最終的に目的とするペプチドよりアミノ酸残基数が少ないものを意味する。好ましい中間体ペプチドは、後掲のN末端脱保護後に得られるC−保護ペプチドである。
本発明のペプチド液相合成法において「縮合剤」としては、DCC、EDC(塩酸塩およびフリー体を含む。)、DIC、BOP、PyBOP、PyBroP、HBTU、HCTU、TBTU、HATU、CDI、DMT−MM等が挙げられる。
本発明のペプチド液相合成法において「活性化剤」とは、縮合剤との共存化でカルボキシル基を活性エステル、対称酸無水物などに導いてアミド結合を形成させやすくする試薬であり、「HOE」で示される。具体的には、HOBt、HOCt、HOAt、HOOBt、HOSu、HOPht、HONB、ペンタフルオロフェノール等が挙げられる。
本発明のペプチド液相合成法において「ワンポット合成」とは、ペプチドの液相合成法において、各工程で得られる中間体ペプチドを反応容器から取り出さずに目的とするペプチドまで合成することを意味する。
2−2.ペプチド液相合成法
本発明のペプチド液相合成法により最終的に合成されるペプチドは特に限定されるものはないが、合成医薬ペプチド、化粧品、電子材料(有機ELなど)、食品などの合成に好適に利用可能である。
該ペプチドの構成アミノ酸残基数は特に限定されないが、一般的な合成ペプチドにみられる2〜20残基程度が好適である。
また、本発明のペプチド液相合成法は、アミノ酸側鎖官能基および/またはC末端保護基が酸で脱保護される保護基で保護されたC−保護ペプチド(例えば、ε−Boc−Lysなどを含むペプチド)を使用したペプチド液相合成法などに適している。
「ペプチドの液相合成法」とは、固相法ではないことを意味し、全ての試薬が溶媒に溶解している場合の他、試薬の全部または一部が溶媒に溶解せず、懸濁などしているいわゆる不均一反応も本発明の方法に含まれる。
ペプチドの液相合成法は、ペプチド合成化学で常用される一般的な方法を特に制限なく採用することができる。
具体的には、下記スキームに示す方法、すなわち、
(1)C−保護ペプチド(Pn’)(n’は、2以上の任意の整数を示し、アミノ酸残基がn’個のペプチドであることを意味する。以下、同様。)または一回目のペプチド伸長においてはC−保護アミノ酸(A)(以下、本明細書において「C−保護ペプチド(P)等」(nは、1以上の任意の整数を示し、nが1の場合は、C−保護アミノ酸(A)を意味する。以下、同様。)と総称する。)を、N−保護アミノ酸(PAn+1)と、縮合剤(および好ましくは活性化剤)の存在下、縮合させるか、あるいは
(2)C−保護ペプチド(P)等を、N−保護アミノ酸活性エステル(PAEn+1)と縮合させて、
アミノ酸残基が一つ伸長したN,C−ジ保護ペプチド(PPn+1)を得る工程(以下、本明細書においてそれぞれ「カップリング工程(1)」および「カップリング工程(2)」という。)、
得られたN,C−ジ保護ペプチド(PPn+1)のアミノ保護基を脱保護してC−保護ペプチド(Pn+1)を得る工程(以下、本明細書において「N末端脱保護工程」という。)を1サイクルとする反応(以下、本明細書において「ペプチド伸長反応」という。)の繰り返しからなる方法であり、
最終段階で、C−保護ペプチド(P)のカルボキシ保護基および側鎖官能基が保護されている場合は当該保護基を脱保護することにより(以下、本明細書において「最終脱保護工程」という。)、目的のペプチド(P)が得られる。
本発明のペプチド合成法において、n番目のペプチド伸長反応を「ペプチド伸長反応(n)」、ペプチド伸長反応(n)を構成する各工程をそれぞれ「カップリング工程(1−n)」、「カップリング工程(2−n)」および「N末端脱保護工程(n)」と表示するものとする。
Figure 2009014177
(式中、mは目的とするペプチドのアミノ酸残基数を示し、他の記号は上記で定義した通りである。)
本発明は、一連のペプチド伸長反応の少なくとも一回で、N−Fmocアミノ酸を使用してカップリング工程(1)を行うか、またはN−Fmocアミノ酸活性エステルを使用してカップリング工程(2)を行いN−Fmoc−C−保護ペプチドを得、
続くN末端脱保護工程でN−Fmoc−C−保護ペプチドをアミンと反応させることにより脱保護して、C−保護ペプチド(Pn+1)とジベンゾフルベン誘導体を含む混合物を得、その後のワークアップにおいて、該混合物を極性有機溶媒と炭化水素溶媒中で分層させて、ジベンゾフルベン誘導体が溶解した炭化水素溶媒層を除去することを特徴とする(以下、「本発明のペプチド伸長反応」といい、n回目のペプチド伸長反応を「本発明のペプチド伸長反応(n)」と表示する。)。
本発明のペプチド液相合成法において、少なくとも1回、本発明のペプチド伸長反応が含まれていればよいが、全ての工程を本発明のペプチド伸長反応で行うことが好ましく、それにより目的のペプチドまでワンポットで合成することができる。
以下に、本発明のペプチド伸長反応(n)のスキームを示す。
Figure 2009014177
(式中、DBFはジベンゾフルベンを、DBFAはジベンゾフルベンアミン付加体を示し、NRは、脱保護に使用したアミン(第2級アミンの場合)に相当し、その他の記号は前記と同義である。)
C−保護ペプチド(Pn+1)とジベンゾフルベン誘導体を含む混合物を極性有機溶媒と炭化水素溶媒中で分層させることにより、意外なことにC−保護ペプチド(Pn+1)は極性有機溶媒層に優先的に移行し、炭化水素溶媒層にはほとんど抽出されず、かつ、ジベンゾフルベン誘導体は炭化水素溶媒層に効率的に抽出されるので、抽出操作という大規模反応に適した簡便な操作のみでジベンゾフルベン誘導体を淘汰することができる。したがって、結晶化やクロマトグラフィーなどの単離精製操作をすることなく、得られたC−保護ペプチド(Pn+1)を次のペプチド伸長反応(n+1)に供することができ、ワンポット合成に繋げることができる。
以下に、本発明のペプチド液相合成法について詳述する。
2−2−1.カップリング工程(1)
本発明のペプチド伸長反応のカップリング工程(1)においては、例えば、溶媒中において、N−Fmocアミノ酸(FAn+1)、C−保護ペプチド(P)等および縮合剤を(好ましくは、活性化剤と共に)混合することによって一つアミノ酸残基が伸長したN−Fmoc−C−保護ペプチド(FPn+1)が得られる。添加順序は特に限定はないが、C−保護ペプチド(P)等が一つ前のペプチド伸長反応(n−1)によって得られたものである場合は、反応容器中のC−保護ペプチド(P)等の溶液にN−Fmocアミノ酸(FAn+1)および縮合剤を添加すればよい。
N−Fmocアミノ酸(FAn+1)の使用量は、C−保護ペプチド(P)等に対して、通常0.9〜4.0当量、好ましくは1.0〜1.5当量である。この範囲より少ないと、未反応のC−保護ペプチド(P)等が残りやすく、多いと過剰のN−Fmocアミノ酸(FAn+1)を除去しにくくなる。
C−保護ペプチド(P)等を酸付加塩として使用した場合には中和するため、塩基が添加される。該塩基としては、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、N−メチルモルホリンなどが挙げられる。該塩基の使用量は、C−保護ペプチド(P)等に対して、通常0.5〜2.0当量、好ましくは1.0〜1.5当量である。塩基の使用量がこの範囲より少ないと中和が不十分となり反応が進行しにくくなる。
縮合剤は上記で例示したものを特に制限なく使用することができ、EDC(フリー体または塩酸塩)、DIC、DCC、PyBOP、HBTU、HCTU、DMT−MMが挙げられ、EDCが、残留した縮合剤や縮合剤の分解物を洗浄により淘汰することが容易であるため好ましい。縮合剤の使用量は、N−Fmocアミノ酸(FAn+1)に対して通常0.8〜4.0当量、好ましくは1.0〜1.5当量である。
カップリング工程(1)において、反応を促進し、ラセミ化などの副反応を抑制するために、好ましくは、活性化剤が添加される。活性化剤を存在させた場合は、反応系中で一時的にN−保護アミノ酸の活性エステルなどが生成する。
活性化剤は上記で例示したものを制限無く使用することができ、HOBt、HOOBt、HOCt、HOAt、HONb、HOSu等が好ましい。活性化剤の使用量は、N−Fmocアミノ酸(FAn+1)に対して通常、0〜4.0当量、好ましくは0.1〜1.5当量である。
溶媒としては、本反応を阻害しない溶媒であればいずれでもよく、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチルピロリドン(NMP)、酢酸エチル、テトラヒドロフラン(THF)、アセトニトリル、クロロホルム、塩化メチレンなどまたはそれらの混合溶媒が挙げられ、酢酸エチルまたはDMFが好ましい。溶媒の使用量は、C−保護ペプチド(P)等に対して、通常3〜100倍重量であり、好ましくは5〜20倍重量である。
反応温度は、通常−20〜40℃、好ましくは0〜30℃の範囲内である。反応時間は、上記温度範囲内で、通常0.5〜30時間である。
カップリング工程(1)反応終了後のワークアップは、カップリング工程(2)と同様であるので、後掲の2−2−3においてまとめて説明する。
2−2−2.カップリング工程(2)
本発明のペプチド伸長反応のカップリング工程(2)においては、例えば、溶媒中において、N−Fmocアミノ酸活性エステル(FAEn+1)およびC−保護ペプチド(P)等を混合することによってN−Fmoc−C−保護ペプチド(FPn+1)が得られる。添加順序は特に限定はないが、C−保護ペプチド(P)等が一つ前のペプチド伸長反応(n−1)によって得られたものである場合は、反応容器中のC−保護ペプチド(P)等の溶液にN−Fmocアミノ酸活性エステル(FAEn+1)を添加すればよい。
N−Fmocアミノ酸活性エステル(FAEn+1)の使用量はカップリング工程(1)におけるN−Fmocアミノ酸(FAn+1)と同様である。
また、塩基、溶媒およびその使用量、反応温度、反応時間等のその他の反応条件は、カップリング工程(1)と同様である。
2−2−3.カップリング工程(1)および(2)のワークアップ
カップリング工程(1)および(2)の反応終了後、N−Fmocアミノ酸活性エステル(FAEn+1)、N−Fmocアミノ酸のイソウレアエステル、N−Fmocアミノ酸の対称酸無水物などのアミン成分と縮合しうる反応混合物中の残留物や副生成物を淘汰するため、チオール基担持シリカゲル等の固相求核剤除去試薬(例えば、SHシリカ、NHシリカ(富士シリシア化学(株)製)など)を加え、攪拌後、濾去してもよい。また、洗浄工程にて、炭酸ナトリウムなど弱アルカリ性の水溶液で洗浄して、積極的に活性エステルを失活させてもよい。
カップリング工程(1)および(2)のワークアップでは、好ましくは、酸性水溶液洗浄および/または塩基性水溶液洗浄が行われる。酸性水溶液洗浄により、C−保護ペプチド、残留した縮合剤またはその分解物、塩基などを水層に淘汰することができる。塩基性水溶液洗浄により、活性化剤、残留したN−Fmocアミノ酸などを水層に淘汰することができる。
酸性水溶液洗浄は、例えば、反応混合物を希塩酸水溶液(例えば、1N塩酸水溶液)、硫酸、ギ酸、クエン酸、リン酸などの水溶液と攪拌後、分液して水層を除去することにより行われる。
塩基性水溶液洗浄は、例えば、反応混合物を炭酸水素ナトリウム水溶液(例えば、5%炭酸水素ナトリウム水溶液)、炭酸ナトリウム水溶液、炭酸カリウム水溶液などの水溶液と攪拌後、分液して水層を除去することにより行われる。
必要に応じてさらに水洗し、有機層を濃縮することにより、N−Fmoc−C−保護ペプチド(FPn+1)を得ることができ、そのまま容器から取り出すことなく、N末端脱保護工程に供することができる。また、濃縮することなく、N−Fmoc−C−保護ペプチド(FPn+1)の溶液としてN末端脱保護工程に用いてもよい。
本発明のペプチド液相合成法において、Fmoc以外のアミン保護基を使用するカップリング工程が含まれる場合も、上記と同様に行えばよい。
2−2−4.N末端脱保護工程
本発明のペプチド伸長反応におけるN末端脱保護工程においては、N−Fmoc−C−保護ペプチド(FPn+1)を、溶媒中、アミンと反応させることによりC−保護ペプチド(Pn+1)が得られる。具体的には、カップリング工程で得られたN−Fmoc−C−保護ペプチド(FPn+1)の溶液中にアミンを添加すればよい。
該脱保護反応によって得られる、C−保護ペプチド(Pn+1)とジベンゾフルベン誘導体の混合物を炭素数5以上の炭化水素溶媒および該炭化水素溶媒に混和しない極性有機溶媒(但し、アミド系有機溶媒を除く。)中で攪拌、分層させ、炭化水素溶媒層を除去することにより、ジベンゾフルベン誘導体を淘汰することができる。
伸長反応開始時はC−保護ペプチド(P)等がC−保護アミノ酸となる。該C−保護アミノ酸の調製は以下のようにして行うことができる。すなわちN−Fmocアミノ酸のカルボキシル基を常法によりエステル化し、N−Fmoc−C−保護アミノ酸を得る。上記と同様、得られたN−Fmoc−C−保護アミノ酸を、溶媒中、アミンと反応させることによりC−保護アミノ酸(アミノ酸エステル)が得られる。上記と同様に、該脱保護反応によって得られる、C−保護アミノ酸とジベンゾフルベン誘導体の混合物を炭素数5以上の炭化水素溶媒および該炭化水素溶媒に混和しない極性有機溶媒(但し、アミド系有機溶媒を除く。)中で攪拌、分層させ、炭化水素溶媒層を除去することにより、ジベンゾフルベン誘導体を淘汰することができる。かかるN−Fmoc−C−保護アミノ酸のFmoc基の脱保護も、ここでいうN末端脱保護工程に含まれる。
本発明のペプチド液相合成法におけるN末端脱保護工程は、上記1の「ジベンゾフルベン誘導体の淘汰方法」において、「Fmoc基で保護されたアミノ酸化合物」を「N−Fmoc−C−保護ペプチド(FPn+1)」又は「N−Fmoc−C−保護アミノ酸」に、「アミノ酸化合物」を「C−保護ペプチド(Pn+1)」又は「C−保護アミノ酸」にそれぞれ読み代えて、同様に行うことができる。
N末端脱保護工程により単離されたC−保護ペプチド(Pn+1)の溶液を濃縮するか、または濃縮することなく、次のペプチド伸長反応にそのまま用いることができる。
本発明のペプチド合成において、Fmoc以外のN末端保護基を使用したN末端脱保護工程が含まれる場合は、ペプチド合成化学で常用されるアミノ基保護基の種類に応じた一般的なN−末端脱保護方法により行えばよい。
以上のように、本発明の方法により、N末端脱保護工程において、Fmoc基で保護されたアミノ酸化合物をアミンと反応させることにより脱保護して得られる反応混合物からジベンゾフルベン及び/又はジベンゾフルベンアミン付加体を簡便に淘汰できるため、ペプチドの液相合成法において、次の縮合工程、すなわち次のペプチド伸長反応を、中間体ペプチドを反応容器から取り出すことなく行うことができる。すなわち、得られた中間体ペプチドを晶析等により固体として単離せずに次の縮合工程を行うことができる。このように、本発明の方法によれば、ペプチドの液相合成法により、目的とする最終ペプチドをワンポット合成することが可能である。
2−2−5.最終脱保護工程
本発明のペプチド合成で、目的のペプチドまで構築されたC−保護ペプチド(P)のPGや側鎖保護基を脱保護することにより、目的のペプチド(P)を得ることができる。
最終脱保護工程は、PGまたは側鎖保護基の種類に応じた自体公知の脱保護法を特に制限なく採用することができる。
例えば、Me、Etなどの低級アルキル基の場合は、水又は水性有機溶媒などの溶媒中、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの塩基と、−20〜40℃で、0.5〜10時間反応させることができる。
tBuの場合は、クロロホルム、塩化メチレン、酢酸エチル、ジオキサンなどの溶媒中、トリフルオロ酢酸、塩酸、メタンスルホン酸、トシル酸、ギ酸などの酸と、−20〜40℃で、0.5〜10時間反応させることにより脱保護することができる。
Bzlの場合は、メタノール、DMF、酢酸などの溶媒中、パラジウム炭素などの触媒を用いて、0〜40℃で、0.5〜100時間、水素化反応させるか、あるいはフッ化水素、トリフルオロメタンスルホン酸などの強酸と、−20〜40℃で、0.5〜10時間反応させることにより脱保護することができる。
Alloc基の場合は、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム等の0価パラジウム均一系触媒と反応させる。0価パラジウム均一系触媒は、0.01〜1.0当量、好ましくは、0.05〜0.5当量使用される。
最終脱保護工程において、Fmoc基で保護された側鎖アミノ基を脱保護する場合も、N末端脱保護工程と同様にワークアップにおいて本発明のジベンゾフルベン誘導体の淘汰方法が適用できる。
本発明の方法により、合成されたペプチド(P)は、ペプチド化学で常用される方法に従って単離精製することができる。例えば、C末端脱保護工程のワークアップにおいて、反応混合物を抽出洗浄、晶析、クロマトグラフィーなどによって、ペプチド(P)を単離精製することができる。
以下、本発明について、実施例を挙げてさらに具体的に説明する。本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。
HPLC分析は以下の条件で行った。
カラム:YMC-Pack 150mm x4.6mm 12nm 5μm
移動相:0.1% TFAaq./ 0.1%TFA−MeCN
参考例1
H−Ala−OtBu.HCl (1.00 g, 5.50 mmol)をDMF (10 ml)に溶解し、トリエチルアミン(0.80 ml, 5.78 mmol)を加え、Fmoc−Phe−OH (2.24 g, 5.78 mmol)及びHOBt(0.15g, 1.1 mmol)を加え、氷冷下でEDC.HCl(1.21 g, 6.06 mmol)を添加して室温で3時間攪拌した。反応液を5%炭酸水素ナトリウム水溶液、1N塩酸水、及び、飽和食塩水にて順次洗浄し有機層を濃縮し、残渣にヘキサンを加えて析出物を濾取して減圧乾燥して、Fmoc−Phe−Ala−OtBu (2.80 g,5.44 mmol)を得た。
参考例2
H−Cys(Trt)−OtBu.HCl (6.11 g, 13.40 mmol)をAcOEt (65 ml)と10%炭酸ナトリウム水溶液(65 ml)を加えて分層させ、飽和食塩水で洗浄した。得られた有機層に、Fmoc−Dap(Alloc)−OH(5.50 g, 13.40 mmol)及びHOBt(1.81g, 13.40 mmol)を加え、氷冷下でEDC.HCl(2.83 g, 14.74 mmol)を添加して室温で3時間攪拌した。反応液にAcOEt (65 ml)を加え、5%炭酸水素ナトリウム水溶液、1N塩酸水、及び、飽和食塩水にて順次洗浄し、有機層を濃縮した。残渣にヘキサンを加えて析出物を濾取して減圧乾燥して、Fmoc−Dap(Alloc)−Cys(Trt)−OtBu (10.35 g, 12.75 mmol)を得た。
実施例1
Fmoc−Phe−Ala−OtBu (0.50 g, 0.97 mmol)をアセトニトリル(10 ml)に溶解し、ジエチルアミン(1.02 ml, 9.72 mmol)を加え2時間攪拌した。反応液を濃縮乾固し、90%アセトニトリル水(8 ml)に溶解し、ヘプタン(8 ml)で3回洗浄した。HPLC分析したところ、ヘプタン層には目的物のH−Phe−Ala−OtBuは検出されず、フルベン誘導体の反応液からヘプタン層への除去率は93%であった。
実施例2
Fmoc−Dap(Alloc)−Cys(Trt)−OtBu (0.70 g, 0.86 mmol)をアセトニトリル(12 ml)に溶解して、ジエチルアミン(0.64 ml)を加え室温下にて2時間攪拌した。反応液を減圧濃縮して残査をアセトニトリル(12 ml)を加えて溶解し、ヘプタン(7 ml)にて3回洗浄した。アセトニトリル層を濃縮し、残渣をHPLC分析した。H−Dap(Alloc)−Cys(Trt)−OtBu (0.50 g, 0.85 mmol)を得た。HPLC分析したところ、フルベン誘導体の反応液からヘプタン層への除去率は81%であった。目的物はヘプタン層に検出されなかった。
実施例3
Fmoc−Phe−Ala−OtBu (0.25 g, 0.49 mmol)をアセトニトリル(4 ml)に溶解して、ジエチルアミン(1.02 ml)を加え室温下にて2時間攪拌した。反応液を減圧濃縮して残査を90%アセトニトリル水(3 ml)で溶解して、ヘキサン(4 ml)にて3回洗浄した。HPLC分析したところ、ヘキサン層にはH−Phe−Ala−OtBuは検出されず、フルベン誘導体の反応液からのヘキサン層への除去率は85%であった。
実施例4
上記実施例3と同様の操作を行い、洗浄溶媒をヘキサンの代わりにオクタン(4 ml)のみ変えて実施した。HPLC分析したところ、オクタン層にはH−Phe−Ala−OtBuは検出されず、フルベン誘導体の反応液からのオクタン層への除去率は95%であった。
実施例5
上記実施例3と同様の操作を行い、洗浄溶媒をヘキサンの代わりにデカリン(4 ml)のみ変えて実施した。HPLC分析したところ、デカリン層にはH−Phe−Ala−OtBuは検出されず、フルベン誘導体の反応液からのオクタン層への除去率は93%であった。
実施例6
上記実施例3と同様の操作を行い、ヘキサン−90%アセトニトリル水の代わりに、ヘプタン−メタノール(4 ml)のみ変えて実施した。HPLC分析したところ、ヘプタン層にはH−Phe−Ala−OtBuは検出されず、フルベン誘導体の反応液からのオクタン層への除去率は86%であった。
実施例7
H−Ala−OtBu.HCl (0.50 g, 2.25 mmol)をDMF(5 ml)に溶解し、トリエチルアミン(0.40 ml, 2.89 mmol)を加え、Fmoc−Phe−OH (1.12 g, 2.89 mmol)及びHOBt(0.75 g, 0.55 mmol)を加え、氷冷下でEDC.HCl(0.60 g, 3.03 mmol)を添加して室温で3時間攪拌した。反応液にSHシリカ(0.70 g)加えて、30分攪拌した後、濾過した。濾液に酢酸エチル(10 ml)を加え、5%炭酸水素ナトリウム水溶液、1N塩酸水、及び、飽和食塩水にて順次洗浄し有機層を濃縮した。残渣にアセトニトリル(10 ml)を加えて、ジエチルアミン(2ml)を加え室温下にて攪拌した。反応液をヘプタン(15 ml)にて3回洗浄した。HPLC分析したところ、ヘプタン層にはH−Phe−Ala−OtBuは検出されず、フルベン誘導体の反応液からの除去率は93%であった。
得られたアセトニトリル層にHOBt (0.04 g, 0.27 mmol)とFmoc−Ser(tBu)−OH (1.11 g, 2.89mmol)を加え、氷冷下でHCl.EDC (0.61 g, 3.03 mmol)を添加して3時間攪拌した。反応液にSHシリカ(0.70 g)加えて、30分攪拌した後、濾過して濾液に酢酸エチル(30ml)を加え、5%炭酸水素ナトリウム水溶液、1N塩酸水、及び、飽和食塩水にて順次洗浄し、有機層を濃縮して、Fmoc−Ser(tBu)−Phe−Ala−OtBu(1.32 g, 2.00 mmol)を得た。
実施例8
Fmoc−Dap(Alloc)−Cys(Trt)−OtBu (11.78 g,1.45 mmol)をアセトニトリル(120 ml)に溶解して、ジエチルアミン(15.1 ml)を加え室温下にて2時間攪拌した。反応液を減圧濃縮して、酢酸エチル(30 ml)を加えて再度濃縮した。残査を90%アセトニトリル(180 ml)を加えて溶解し、ヘプタン(180 ml)にて3回洗浄した。HPLC分析したところ、フルベン誘導体の反応液からヘプタン層への除去率は86%であり、目的物のペプチドはヘプタン層に検出されなかった。得られたアセトニトリル層を濃縮して酢酸エチル(180 ml)を加え、10%炭酸ナトリウム水溶液、飽和食塩水で順次洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させた。
有機層にHOBt(0.20 g, 1.41mmol)及びFmoc−Asp(OtBu)−OH(5.97 g, 1.45 mmol)を溶解し、EDC.HCl(3.06 g, 1.60 mmol)を氷冷下で添加して3時間攪拌した。反応液を5%炭酸水素ナトリウム水溶液、1N塩酸水、及び、飽和食塩水にて順次洗浄し、有機層を濃縮してFmoc−Asp(OtBu)−Dap(Alloc)−Cys(Trt)−OtBu (13.3 g, 1.35 mmol)を得た。
比較例1
Fmoc−Phe−Ala−OtBu(300 mg, 0.58 mmol)をアセトニトリル(7 ml)に溶解し、ジエチルアミン(0.61 ml, 5.80 mmol)を加え2時間攪拌した。反応液を濃縮乾固し、残渣にヘキサンを加えたが、沈殿化することはなく、油状物となった。
比較例2
Fmoc−Dap(Alloc)−Cys(Trt)−OtBu(1.56 g, 1.92 mmol)をアセトニトリ(16 ml)に溶解して、ジエチルアミン(1.95 ml, 19.2 mmol)を加え、室温下にて2時間攪拌した。反応液を減圧濃縮して、残査油状物をヘキサン(15 ml)で2回デカントして、更にヘキサンを加えて攪拌し、析出物を濾過し、減圧乾燥させて、H−Dap(Alloc)−Cys(Trt)−OtBuを1.02 g(1.73 mmol)得た。 HPLC分析したところ、ジベンゾフルベン(DBF)の反応液からヘキサン母液への除去率は83%であった。
比較例3
実施例3と同様の操作を行い、抽出、洗浄溶媒を90%アセトニトリル水−ヘキサンの代わりに、水(4 ml)とヘプタン(4 ml)にのみ変えて実施したところ、不溶性物質が浮遊して分層操作を著しく低下させた。HPLC分析したところ、水層へはフルベン誘導体、H−Phe−Ala−OtBuは検出されず、抽出、及び、フルベン誘導体の除去はできなかった。
比較例4
実施例3と同様の操作を行い、抽出、洗浄溶媒を90%アセトニトリル水−ヘキサンの代わりに、水(4 ml)と酢酸エチル(4 ml)のみ変えて実施した。HPLC分析したところ、水層へはフルベン誘導体は検出されず、フルベン誘導体の水層への除去率は1%以下であった。
比較例5
実施例3と同様の操作を行い、抽出、洗浄溶媒を90%アセトニトリル水−ヘキサンの代わりに、ジメチルホルムアミド(4 ml)とヘプタン(4 ml)のみ変えて実施した。HPLC分析したところ、ヘプタン層にはH−Phe−Ala−OtBuは検出されず、フルベン誘導体の反応液からのヘプタン層への除去率は44%であった。
比較例6
実施例3と同様の操作を行い、抽出、洗浄溶媒を90%アセトニトリル水−ヘキサンの代わりに、90%ジメチルホルムアミド水(4 ml)とヘプタン(4 ml)のみ変えて実施した。HPLC分析したところ、ヘプタン層にはH−Phe−Ala−OtBuは検出されず、フルベン誘導体の反応液からのヘプタン層への除去率は51%であった。
本発明の方法は、ペプチド医薬品などの工業的製造に好適に利用できる。
本出願は、日本で出願された特願2007−193153を基礎としており、その内容は本明細書にすべて包含されるものである。
本発明がその好ましい態様を参照して提示又は記載される一方、本明細書中において、添付の請求の範囲で包含される発明の範囲を逸脱することなく、形態や詳細の様々な変更をなし得ることは当業者に理解されるであろう。本明細書中に示され又は参照されたすべての特許、特許公報及びその他の刊行物は、参照によりその全体が取り込まれる。

Claims (12)

  1. Fmoc基で保護されたアミノ酸化合物をアミンと反応させることにより脱保護して得られる反応混合物からジベンゾフルベン及び/又はジベンゾフルベンアミン付加体を淘汰する方法であって、該反応混合物を、炭素数5以上の炭化水素溶媒および該炭化水素溶媒に混和しない極性有機溶媒(但し、アミド系有機溶媒を除く。)中で攪拌、分層させ、ジベンゾフルベン及び/又はジベンゾフルベンアミン付加体が溶解した炭化水素溶媒層を除去する工程を含むことを特徴とする方法。
  2. アミンが、ジエチルアミン、ジメチルアミン、ピペリジン、モリホリンおよび1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7−エン(DBU)から選ばれる、請求項1記載の方法。
  3. アミンが、ジエチルアミンおよびジメチルアミンから選ばれる、請求項2記載の方法。
  4. 炭素数5以上の炭化水素溶媒が、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタンおよびデカリンから選ばれる少なくとも一種である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 炭化水素溶媒に混和しない極性有機溶媒が、アセトニトリルおよびメタノールから選ばれる少なくとも一種を含む溶媒である請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 炭化水素溶媒に混和しない極性有機溶媒がさらに水を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. Fmoc基で保護されたアミノ酸化合物が、Fmoc基で保護されたアミノ酸エステルまたはFmoc基で保護されたペプチドである、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 請求項7記載の方法を含む、液相合成法によるペプチドの製造方法。
  9. (1)C−保護ペプチドまたはC−保護アミノ酸を、N−Fmocアミノ酸と、縮合剤の存在下縮合させる工程、および/または
    (2)C−保護ペプチドまたはC−保護アミノ酸を、N−Fmocアミノ酸活性エステルと縮合させる工程
    を含む請求項8記載の方法。
  10. 請求項9の(1)記載の工程において、さらに活性化剤を存在させる、請求項9記載の方法。
  11. 請求項1記載の工程で得られた中間体ペプチドを固体として単離せずに請求項9記載の工程に供することを含む、請求項9または10記載の方法。
  12. ワンポット合成で行う、請求項8〜11のいずれか一項に記載の方法。
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