JPWO2009014056A1 - 光ディスク - Google Patents

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Abstract

光ディスクは、第1〜第n層の記録層(13−1〜13−n)と、それぞれが2つの記録層の間に挟まれた第1〜第n−1層の中間層16とを有する。記録トラック領域14内での位置(r,θ)における、第1〜第n−1層の中間層16の厚さをそれぞれ、d(r,θ,1),d(r,θ,2),,,,d(r,θ,n−1)とし、m番目の中間層(1≦m≦n−1)の面内位置(r、θ)における厚さの最大値をd(m)max、最小値をd(m)minとすると、記録トラックのピッチをPとして、下記式、d (m)max-d(m)min]/[d(m)max+d(m)min]≧0.05、及び、|d(r,θ,m) - d(r,θ,m-1)|≧7×Pが成立する。

Description

本発明は、光ディスクに関し、更に詳しくは、微小な光スポットを記録層に照射することによりデータの記録又は再生が行われる、多層の記録層を有する光ディスクに関する。
微小な光スポットを照射することで、データの記録・再生を行う光ディスクが普及している。光ディスクの種類としては、製造者によってエンボス状のデータピット列が形成された再生専用のROM(Read Only Memory)媒体や、データの記録が可能なCD−R(Compact Disc-Recordable)やDVD−R(Digital Versatile Disc-Recordable)媒体がある。光ディスクには、記録されたデータを書き換えることが可能なCD−RW(CD-ReWritable)、DVD−RW(DVD-ReWritable)媒体も含まれる。
一般に、光ディスクは、光ディスク基板に形成された記録トラックを有する。ROMであれば、記録トラックは、記録トラックに沿って並ぶピット列を有し、また、CD−RやCD−RWであれば、記録トラックは、記録トラックに沿って延びるグルーブを有する。光ディスクの記録容量は、記録トラックのピッチを小さくすることで増加させることができる。しかし、トラックピッチを過度に狭くすると、隣接トラック間で光の干渉が生じるので、記録容量は、再生ビームのスポット径に依存する値に制限される。
複数の記録層を厚さ方向に積層することで、記録容量を増加させた光ディスクがある。複数の記録層を有する、そのような光ディスクでは、記録層の数を増加していくほど、記録容量が増加する。しかしながら、多層の、つまり、3層以上の記録層を有する多層構造の光ディスクでは、以下に説明するように、2層以下の記録層を有する光ディスクでは問題とならなかった、新たに考慮すべき問題がある。
図5に、多層構造の光ディスクの断面を示す。この光ディスクは、光入射面15に近い側から順次に配設された第1、第2、第3の記録層13−1、13−2、13−3を有する。各隣接する2つの記録層13の間は、中間層16によって隔てられている。情報の記録・再生に際しては、所望の記録層13に、集光ビーム18−1、18−2で微小スポットを形成し、その反射光を検出する。各記録層13に、微小スポットを形成することで、各層の記録・再生を独立に行うことができる。
図5に示す光ディスクにて、第3の記録層13−3に微小スポットを形成する場合を考える。この場合、第2の記録層13−2から第3の記録層13−3までの中間層16の厚さと、第1の記録層13−1から第2の記録層13−2までの中間層16の厚さとが等しいと、第3の記録層13−3へ微小スポットを形成する光路18−1と、第2の記録層13−2で反射して第1の記録層13−1の背面に微小スポットを形成する光路18−2とで、入射面15からの距離はほぼ等しくなる。その結果、第3の記録層13−3からの情報再生に際して、第1の記録層13−1と第2の記録層13−2とで多重反射した光が第3の記録層で反射する光に干渉し、この干渉により、再生特性が劣化する。
上記した問題を回避するための手法としては、非特許文献1に記載された手法がある。図6に、非特許文献1に記載された手法による3層構造の光ディスクの断面を示す。図6の光ディスクと図5に示す光ディスクとの相違点は、図6においては、第1の記録層13−1と第2の記録層13−2との間の第1の中間層16の厚さが、第2の記録層13−2と第3の記録層13−3との間の第2の中間層16の厚さよりも厚くなっていることである。中間層の厚さが異なることにより、図中右側の破線の光路18−3で示すように、光入射面15からの距離が異なる位置に、反射面をずらすことができる。2つの中間層16の厚さの差分をΔdとすると、多重反射光の光路18−2は、第3の記録層13−3からの反射光の光路18−1の焦光点に比べて、2Δdだけ遠い位置に仮想的な集光点を持つ、破線で示す光路18−3に相当する。
図7に、図6に示した光ディスクから光検出器に至る光学系の光路の概略を示す。光ディスク10からの反射光は、対物レンズ21を通過して、光検出器22上に集光される。なお、実際の光学系では、光路中に、複数のレンズ群や、ビームスプリッタ等が設置されているが、図7は、それら光学要素を省略して光学系を示している。光ディスク10からの信号光は、拡大結像されて、収束位置近傍に設置された光検出器22によって検出される。一方、干渉光は、信号光の反射位置から2Δdだけずれた位置から反射なので、光検出器22上ではぼけたビームとなる。従って、Δdを比較的大きな値としておけば、光検出器に受光される干渉光の強度を、信号光の受光強度に比べて小さな値とすることができる。
中間層の厚さの差分Δdは、対物レンズ21の光ディスク側の焦点距離に比べて小さな値である。このため、仮想的な集光点が対物レンズ21から遠くなる場合も、近くなる場合も、光検出器22における干渉光のぼけは、ほぼ同じになる。従って、図6の例で、第1の記録層と第2の記録層との間の第1の中間層の厚さを、第2の記録層と第3の記録層との間の第2の中間層よりΔdだけ薄くした場合でも、同じような効果を得ることができる。非特許文献1では、4つの記録層のために配設された3つの中間層の厚さを、それぞれ13μm、17μm、15μmに設定することで、干渉の少ない信号を実現している。
上記した非特許文献1は、以下の通りである。
Japanese Journal of Applied Physics, Vol.43, No.7B, 2004, P. 4983 "Multilayer Optical Read-Only-Memory Disk Applicable to Blu-ray Disc Standard Using a Photopolymer Sheet with a Recording Capacity of 100GB"
しかしながら、一般的に個人用で使用される直径12cmの光ディスクにおいては、光ディスク面内の有効な記録トラックが形成されている全領域で、中間層の厚さを一定に保つことは難しい。図8に、光ディスクにおける中間層の厚さと半径位置との関係を例示する。12cm径の光ディスクで一般的な、UV樹脂をスピンコートする方法で形成した中間層を、各半径位置で測定すると、図8に示すグラフが得られる。同図を参照すると、中間層を15μmを目標にして形成しても、±2μmの変動が発生することがわかる。つまり、厚さとして15μmを設定したときでも、中間層の厚さは、13μmから17μmまで変動する。この膜厚の減少又は増加により、場所によっては、所望の厚さ差分Δdを確保することができないことがある。
非特許文献1に記載されているように、シート材料を貼り付ける製造方法を用い、或いは、製品の検査過程で中間層の厚さの変動が大きい製品を除外するなどして、厚さ変動の小さな中間層を有する光ディスクを形成することも不可能ではない。しかし、この場合は、コスト高を招くことになる。実測からは、中間層の厚さ変動は、中間層厚さの10%程度に抑えるのが実用的な限界であった。この場合、例えば、15μmの設計厚みに対して、1.5μmの変動が残留し、十分な中間層厚さの差分が得られなくなる。
上記した面内での不確定な厚さ変動による増加又は減少分までを含めて厚さ差分Δdを確保するためには、例えば膜厚の大きな中間層の厚さを、変動分だけ更に厚く設定する必要がある。先の例で、ある中間層の厚さを15±1.5μmとすると、隣接する厚みの大きな中間層の厚さは、変動分を考慮して、20±1.5とする必要がある。このようにすると、平均的な記録層の間隔が広がることで、再生光の層間ジャンプで不安定化が生じ、或いは、入射面から各記録層までと定まる基板厚さが異なることにより発生する波面収差への対応など、別の問題が発生する。
本発明は、記録層を3層以上有する光ディスクにて、中間層の厚みの増大を抑えつつ、記録層の多層化に際して発生する多重反射光の干渉を低減できる光ディスクを提供することを目的とする。
本発明は、第1の態様において、光入射面から厚み方向に順次に配設された第1〜第n番目の記録層(nは3以上の整数)であって、それぞれが情報の記録/再生のために前記光入射面から入射される光によって照射される記録トラックを有する記録層と、
それぞれが隣接する2つの前記記録層の間に配設され、前記光入射面から順次に配設される第1〜第(n−1)番目の中間層と、を備え、
前記第1〜第(n−1)番目の中間層はそれぞれ、光ディスクの記録トラック領域の面内位置(r、θ)において、d(r,θ,1),d(r,θ,2),…,d(r,θ,n−1)で表される厚みを有し、
前記中間層のうちm番目の中間層(1≦m≦n−1)は、前記面内位置(r、θ)において最大厚みd(m)max、及び、最小厚みd(m)minを有し、
Pを前記記録トラックのピッチとするとき、以下の関係:
[d(m)max−d(m)min]/[d(m)max+d(m)min]≧0.05;及び
|d(r,θ,m)−d(r,θ,m−1)|≧7×P
を満たす光ディスクを提供する。
本発明は、第2の態様において、光入射面から厚み方向に順次に配設された第1〜第n番目の記録層(nは3以上の整数)であって、それぞれが情報の記録/再生のために前記光入射面から入射される光によって照射される記録トラックを有する記録層と、
それぞれが隣接する2つの前記記録層の間に配設され、前記光入射面から順次に配設される第1〜第(n−1)番目の中間層と、を備え、
前記第1〜第(n−1)番目の中間層はそれぞれ、光ディスクの記録トラック領域の面内位置(r、θ)において、d(r,θ,1),d(r,θ,2),…,d(r,θ,n−1)で表される厚みを有し、
前記中間層のうちm番目の中間層(1≦m≦n−1)は、前記面内位置(r、θ)において最大厚みd(m)max、及び、最小厚みd(m)minを有し、
Pを前記記録トラックのピッチとするとき、以下の関係:
d(r,m)min−d(r,m−1)max≧7×P、又は、
d(r,m−1)min−d(r,m)max≧7×P
を満たす光ディスクを提供する。
本発明の光ディスクでは、中間層の厚みの増大を抑えながらも、記録層の多層化に際して発生する多重反射光の干渉を低減できる。
本発明の上記、及び、他の目的、特徴及び利益は、図面を参照する以下の説明により明らかになる。
図1A及び1Bはそれぞれ、本発明の一実施形態の光ディスクの平面図及び断面図。 実施形態の光ディスクの一部を示す拡大断面図。 中間層の厚さ差分と、全干渉光のうち光検出器で受光する干渉光の比率との関係を示すグラフ。 中間層の厚さの半径位置依存特性を示す断面図。 関連技術における光ディスクの断面図。 非特許文献1における光ディスクの断面図。 光ディスクから光検出器までの光学系の光路を示す模式図。 半径位置と中間層の厚さとの関係を示すグラフ。
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、理解を容易にするために、全図を通して同様な要素には同様な符号を付して示した。図1A及び1Bはそれぞれ、本発明の一実施形態の光ディスクの平面構造及び断面構造を示している。図1Aに示すように、光ディスク10には、スパイラル状の記録トラック12、又は、同心円状の記録トラック12が設けられている。光ディスク10上でのデータの記録又は再生は、記録トラック領域14で行われる。ただし、記録領域は、図1Aに示した記録トラック領域14で示した領域に限定されるものではなく、記録トラックは、記録トラック領域14の外に形成されていてもよい。光ディスク10は、図1Bに示すように、複数の記録層13を有する。複数の記録層13は、適当な厚さを有する透明基板上に積層されている。各記録層13は、同一入射面から照射される光を用いて、記録又は再生される。各記録層13は、再生専用のエンボス状ピットトレインを有してもよく、或いは、記録が可能なグルーブ状トラックを有してもよい。
図2は、図1の光ディスクの一部の拡大断面図である。図示の断面は、記録トラック領域14内の任意の位置(r,θ)における断面に相当する。光ディスク10は、光入射面15に最も近い側を第1の記録層として、第1〜第n記録層、つまり、n層の記録層13−1〜13−nを有する。隣接する各2つの記録層13は、中間層16によって隔てられる。本実施形態では、中間層の厚さを、光ディスク面内での位置(r,θ)の関数で定義する。より詳細には、各記録層間の中間層16の厚さを、光入射面15に近い側から順次に、d(r,θ,1)、d(r,θ,2)、・・・、d(r,θ,n−1)と表す。このように、中間層16の厚さを、光ディスク面の位置(r,θ)の関数とするのは、中間層16を形成する際のディスク面内での変動を考慮したためである。なお、光入射面15から第1の記録層目の記録層13−1までの基板厚さは、d(r,θ,0)とする。
図2には、第n層目の記録層13−nに集光スポットを形成する集光ビームA(18−1)と、第n−1層目の記録層13−(n−1)で反射し第n−2層目の記録層13−(n−2)の背面に照射される集光スポットを形成する集光ビームB(18−2)とを併せて示している。第n層目の記録層13−nに照射する集光ビームAに対し、第n−1層目の記録層13−(n−1)に照射する集光ビームBが、多重反射による干渉光となる。4層以上の記録層が存在する場合は、更に光入射面15に近い側で多重反射する干渉光の他の経路も存在する。しかし、一般的に採用されているように、入射面から一定の光量で入射する再生光に対して、各記録層からの反射光の光量をほぼ一定とする構成を採用すれば、他の経路の影響は無視できる。その理由は、入射面に近い側の記録層ほど反射率が低く設定されるため、入射面に近い側の記録層からの多重反射光は相対的に光量が小さく、他の経路の影響は小さくなるからである。
例えば、記録層での吸収損失がない場合で、4層構造の光ディスクで入射光の光量の14%の光量の反射光を各記録層の再生で得ることを考える。各記録層の反射率は、
第1の記録層:14%、第2の記録層:19%、第3の記録層:30%、第4の記録層:60%、
に設定することになる。損失がないので、例えば第1の記録層の透過率は86%となる。第4の記録層の再生の場合には、干渉光となる集光ビーム(集光ビームBに相当)の光量と、第4の記録層に照射される集光ビーム(集光ビームAに相当)の光量との比は、第2の記録層反射率、第3の記録層反射率、及び、第4の記録層反射率をそれぞれ、R2,R3,R4とすると、
(R3×R2×R3)/(R3×R4×R3)=5.8%
となる。
これに対し、他の多重反射ビームの光量は、最大でも1%を超えない。従って、第m+1層の記録層からの再生においては、第m層の記録層と第m−1層の記録層との間での多重反射光を考慮すれば十分であることがわかる。結果として、第m+1層の記録層と第m層の記録層との間に挟まれるm番目の中間層の厚さd(r,θ,m)と、第m層の記録層と第m−1層の記録層との間に挟まれるm−1番目の中間層の厚さd(r,θ,m−1)との間で、所定の差分を確保することが、干渉光の影響を抑制するための条件となる。
本実施形態の光ディスク10からの反射光を受光する光学系として、図7に示す光学系を想定する。光ディスク10からの信号光は、対物レンズ21により拡大結像され、収束位置近傍に設置された光検出器22によって検出される。一方、第m層と第m−1層との中間層16の厚さd(r,θ,m)と第m−2層と第m−1層の中間層16の厚さd(r,θ,m−1)との差をΔdとすると、干渉光の経路は、等価的に2Δdだけずれた位置で集光したスポットからの反射光の経路とみなせる。つまり、干渉光のビームは、光検出器22上ではぼけたビームになる。光ディスクの光学系において、光検出器22の受光面は、収束される信号光のビーム径に対して大きめに設定されることが多い。これは、フォーカスエラー信号やトラックエラー信号などのサーボ信号を検出するため、受光面に複数の受光部を持つ分割型の光検出器を用い、或いは、デフォーカス状態である程度の信号を検出する必要があるなどの理由による。
図3に、中間層の厚さの差分と、全干渉光の光量と光検出器で検出される干渉光の光量の比率との関係を示す。光ディスクの集光点位置に換算したときの光検出器22の受光部のサイズが6μφ、対物レンズの開口数NAが0.65、中間層16の屈折率が1.5のとき、光検出器22で検出される干渉光の受光量の比率は、中間層の厚さの差分に依存して、図3に示すグラフのように変化する。「集光点位置に換算する」とは、光ディスク上の集光スポットに対する光検出器22上の集光スポットの倍率で、実際の光検出器22の受光部のサイズを割ることである。図3の条件は、波長λが0.4μmとすると、受光部のサイズが信号光のほぼ集光スポット径の10倍となる一般的な光学系の条件である。
図3を参照すると、中間層の厚さ差分Δdが3μmのとき、受光量比率が「1」となり、これは、干渉光が形成するスポットサイズと受光部のサイズとがほぼ同じ大きさになっていることを示している。Δdが3μmより大きくなると、干渉光が形成するスポットサイズが、受光部のサイズよりも大きくなるので、受光量比率は低下していく。受光量比率が「1」となるときの厚さ差分をΔd1とすると、Δd1(=3μm)は、対物レンズの焦点深度Z≒λ/(2NA2)を中間層の屈折分に基づいて換算したnZ≒0.7に対して、約4倍となっている。つまり、次の関係
Δd1≒4×nλ/(2NA2) (1)
が成立する。
受光量比率は、受光部のサイズが異なれば変わってくる。しかし、実験からは、干渉光のスポットサイズが受光部のサイズとほぼ等しくなる条件、つまりは、受光部でのスポットサイズが信号光と干渉光とで10倍異なる上記の厚さ差分の条件では、2つの光が同じ場所で重なり合う割合も小さくなるので、干渉光の影響は抑制されることが明らかとなった。つまり、干渉光の影響は、上記のΔd1が確保できていれば、受光面のサイズによらず、十分な抑制が可能である。
ここで、光ディスク10では、記録トラックのピッチPは、集光スポット径≒λ/(2NA)に対して、隣接トラックの干渉の影響を考慮してほぼ一定の割合に設定される。例えば先の例と同じ、波長λが0.4μm、開口数NAが0.65の構成においては、0.4μmピッチが実用化されており、このピッチは、集光スポット径の約1.3倍となっている。つまり、次の関係
P≒1.3×λ/(2NA) (2)
が成立する。式2と、式1とから、下記式3が得られる。
Δd1≒3×n/NA×P (3)
上記式3に、n=1.5、NA=0.65の標準的な値を代入すると、
Δd1≒7×P (4)
が得られる。
実用的な高密度光ディスクでは、0.65〜0.85程度の範囲のNAの値が一般的に用いられている。NAが大きくなれば、Δdは小さくなる方向であるので、式4が干渉光の影響を抑えるための十分条件であることがわかる。従って、干渉光の影響を抑えるための中間層の厚さ条件として、下記関係5が導き出される。
|d(r,θ,m)-d(r,θ,m-1)|≧7×P m=1,2,,,n-1 (5)
例えば、ピッチPが0.4μmであるとすると、中間層の厚さ差分Δdを、3μm以上とすればよい。記録トラック領域内に、異なる複数のピッチのトラックがある場合は、そのうちで、最も小さなピッチの値を用いればよい。
ただし、前述のように、d(r,θ,m)は、光ディスクの面内位置の関数となっており、面内の位置によってばらつくことを許容する必要がある。実測からは、中間層の厚さの10%程度の変動に抑えるのが実用的な限界であったので、このことから、下記式6が導出される。
[d(m)max-d(m)min]/[d(m)max+d(m)min]≧0.05, m=1,2,,,n-1 (6)
式6におけるd(m)maxとd(m)minは、それぞれ、記録トラック領域内におけるd(r,θ,m)の最大値と最小値を表す。式6より、中間層厚さの変動は、4μmあってもよいことになり、中間層厚さ差分Δdよりも大きな変動を許容することも可能であることがわかる。
本実施形態では、中間層の厚さdが、ディスク面内の位置(r,θ)の関数であるとき、各位置(r,θ)にて、中間層の厚さの差分を、所定の値以上とする構成を採用する。この構成により、再生性能特性の劣化を招くことなく、ディスク全面にて、注目する中間層を特定の厚さ、例えば15μmや17μmといった特定の厚みにする必要がない。これは、隣接する中間層の厚さが同様に面内位置で変動することにより可能になり、製造マージンの広い光ディスクを実現できる。例えば、必要な厚さ差分Δdを5μmとしたとき、ある中間層の厚さ範囲を15〜22μmとすれば、それに隣接する中間層の厚さは20〜30μmとなり、2つの中間層にて、重なった範囲を設定できる。従って、本実施形態では、中間層厚さを過度に厚くすることなく、記録層の多重化における多重反射光の干渉を低減でき、実用的なコストで製造可能な3層以上の多層光ディスクを得ることができる。
ここで、中間層を、スピンコート法を用いて形成した場合を考える。この場合、図8に示すように、中間層の厚さは、半径方向の位置に応じて大きく変動する。しかし、円周方向での厚さの変動は、半径方向での厚さの変動に比して小さい。これは、光ディスク10が、円盤状の軸対象の構造を持つためである。このため、中間層の厚さdは、位置(r,θ)ではなく、半径方向の位置rの関数であると表現することもできる。この場合、d(r,m)maxを第m層の中間層の半径方向の位置rにおける厚さの最大値とし、d(r,m)minを第m層の中間層の半径方向の位置rにおける厚さの最小値として、式5を、下記式7又は式8に置き換えることも可能である。
d(r,m)min-d(r,m-1)max≧7×P, m=1,2,,,n-1 (7)
d(r,m-1)min-d(r,m)max≧7×P, m=1,2,,,n-1 (8)
本実施形態では、d(r,m)maxとd(r,m)minとの差である特定半径位置での中間層の厚さの変動は、ディスク全面での変動に比べて十分に小さくできる。このため、式7及び8を用いることにより、式5を用いる場合と比べても、製造マージンをあまり減じることなく、光ディスクを製造することができる。各半径位置での最大値と最小値とを用いる場合のメリットとしては、半径位置rを合わせることは容易であることが挙げられる。つまり、製造後の検査過程を容易化できるメリットがある。他方、異なる中間層厚さを別々に測定すると、中間層は軸対象形状を有することから、円周方向位置を含む位置(r,θ)を特定することが難しい。
式7又は式8は、円周方向位置に依存する中間層の厚さの変動幅が小さいことを前提としており、中間層の厚さが半径方向の位置に応じて大きく変動するか否かを問わない。つまり、式7又は式8を用いる場合は、半径方向位置に依存して中間層の厚さ差分が10%以上であってもよい。
図4に、3層光ディスクの最内周から最外周に掛けての断面を示す。光ディスク10内には、第1の記録層〜第3の記録層の3つの記録層13−1〜13−3が設けられ、3つの記録層は2つの中間層16によって隔てられている。各中間層は、スピンコート法などの、円周方向位置(θ)に依存する厚さの変動が小さい製造方法によって形成される。図4を参照すると、各中間層の厚さは、半径によって大きく変動しているものの、2つの中間層の厚さは、同じような半径依存性を示している。このため、記録トラック領域14内の各半径における2つの中間層厚さの差分値は、所定値以上を確保できている。
ところで、多層光ディスクをドライブ装置にセットしたときには、集光スポットを厚さ方向にスキャンして、記録層の数や位置を検出する動作を行うことが一般的である。通常、記録層が多層化していくと、各記録層からの反射光量は低下していく。一方、入射面の反射光量は、基板の屈折率(約1.5)で決まっているので、約4%と一定である。このため、入射面と記録層とが近接していると、これらを区別するのが難しくなる。特に、本実施形態のように各中間層の厚さを異なるように設定している場合、ドライブ装置が、どの位置に記録層があるかを推測することが難しくなる。このような問題を避けるためには、厚さ方向にて、入射面の位置を、記録層が存在する位置範囲から十分に離せばよい。実用上は、記録層が存在する位置範囲の2倍をドライブがスキャンする範囲とすれば十分である。つまり、光ディスクの基板の厚みd(r,θ,0)が、
d(r,θ,0)≧2×[d(r,θ,1)+d(r,θ,2)+,,,+d(r,θ,n-1)]
を満足するように入射面位置を設定すれば十分となる。
本発明を特別に示し且つ例示的な実施形態を参照して説明したが、本発明は、その実施形態及びその変形に限定されるものではない。当業者に明らかなように、本発明は、添付のクレームに規定される本発明の精神及び範囲を逸脱することなく、種々の変更が可能である。
本出願は、2007年7月24日出願に係る日本特許出願2007−191618号を基礎とし且つその優先権を主張するものであり、引用によってその開示の内容の全てを本出願の明細書中に加入する。


Claims (4)

  1. 光入射面から厚み方向に順次に配設された第1〜第n番目の記録層(nは3以上の整数)であって、それぞれが情報の記録/再生のために前記光入射面から入射される光によって照射される記録トラックを有する記録層と、
    それぞれが隣接する2つの前記記録層の間に配設され、前記光入射面から順次に配設される第1〜第(n−1)番目の中間層と、を備え、
    前記第1〜第(n−1)番目の中間層はそれぞれ、光ディスクの記録トラック領域の面内位置(r、θ)において、d(r,θ,1),d(r,θ,2),…,d(r,θ,n−1)で表される厚みを有し、
    前記中間層のうちm番目の中間層(1≦m≦n−1)は、前記面内位置(r、θ)において最大厚みd(m)max、及び、最小厚みd(m)minを有し、
    Pを前記記録トラックのピッチとするとき、以下の関係:
    [d(m)max−d(m)min]/[d(m)max+d(m)min]≧0.05;及び
    |d(r,θ,m)−d(r,θ,m−1)|≧7×P
    を満たすことを特徴とする光ディスク。
  2. 前記光入射面と前記第1の記録層との間の距離d(r,θ,0)が、
    d(r,θ,0)≧2×[d(r,θ,1)+d(r,θ,2)+,,,+d(r,θ,n−1)]
    を満たすことを特徴とする、請求項1に記載の光ディスク。
  3. 光入射面から厚み方向に順次に配設された第1〜第n番目の記録層(nは3以上の整数)であって、それぞれが情報の記録/再生のために前記光入射面から入射される光によって照射される記録トラックを有する記録層と、
    それぞれが隣接する2つの前記記録層の間に配設され、前記光入射面から順次に配設される第1〜第(n−1)番目の中間層と、を備え、
    前記第1〜第(n−1)番目の中間層はそれぞれ、光ディスクの記録トラック領域の面内位置(r、θ)において、d(r,θ,1),d(r,θ,2),…,d(r,θ,n−1)で表される厚みを有し、
    前記中間層のうちm番目の中間層(1≦m≦n−1)は、前記面内位置(r、θ)において最大厚みd(m)max、及び、最小厚みd(m)minを有し、
    Pを前記記録トラックのピッチとするとき、以下の関係:
    d(r,m)min−d(r,m−1)max≧7×P、又は、
    d(r,m−1)min−d(r,m)max≧7×P
    を満たすことを特徴とする光ディスク。
  4. 前記光入射面と前記第1の記録層との間の距離d(r,θ,0)が、
    d(r,θ,0)≧2×[d(r,θ,1)+d(r,θ,2)+,,,+d(r,θ,n−1)]
    を満たすことを特徴とする、請求項1に記載の光ディスク。
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