JPWO2009013942A1 - 色素増感太陽電池 - Google Patents

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Abstract

本発明の色素増感太陽電池は、透明基板、光透過性電極、色素を担持した金属酸化物層、電解質ポリマー層、対向電極および対向電極基板がこの順序で積層されてなり、該電解質ポリマー層が、ドーピング剤をドープした導電性ポリマー(A)および前記ドーピング剤のドーパントイオン種と相互置換可能なイオン性化合物(B)を含有するソリッドステート層であることを特徴としている。本発明によれば、長期間にわたって安定的に光を直接電気に変換できると共に、その変換効率の経時変化が小さい。

Description

本発明は、ルテニウム錯体などの色素を用いて増感する光電変換素子である色素増感型の太陽電池に関する。
光を電気に直接変換する太陽電池は、CO2を排出せずに発電することができ、地球温暖化などへの悪影響を及ぼすことがない発電システムとして注目されている。このような太陽電池は、当初はシリコンの単結晶を用いたものや、アモルファスシリコンを用いた金属半導体接合型が主であったが、製造コストが高いことから、近時、材料コストの安い色素増感型の太陽電池が注目されている。
色素増感太陽電池は、アノード電極(電子取り出し側)にチタニアなどのn型半導体特性を有する金属酸化物を有し、一般にこれらのn型半導体は受光表面積を上げる為、ナノポーラスな形状を持たせてある。また、通常の金属酸化物だけでは励起可能な波長領域が短波長のみに存在するため、通常はルテニウム錯体などの金属錯体色素を担持させる。
これら色素が実質的に光励起することにより、電荷はn型半導体である金属酸化物に移動し、電荷分離される。その際電子欠乏状態にある色素に対し電荷を注入する為、通常はヨウ素およびヨウ化リチウムで構成されたI-/I3 -のレドックス作用のある電解質層が積層されており、この電解質層が色素側へ電荷を注入する。また、アノード電極から取り出された電荷は電子回路などのサーキットを経て対向電極(カソード電極)に戻り、この対向電極から電解質層へ電荷が注入される。この繰り返しにより光を電気に変換している。
そして、このような色素増感太陽電池における電解質層は、腐食性を有しており特にカソード電極(電荷を電解質層に放出する側)に関しては、耐腐食性を有し標準電極電位として正値の高い白金などが使用される。
また、酸化還元対の移動度を高くする為、電解質層として、更に溶剤などの展開液が使用される。この為、これら流動性や揮発性を有する材料を封止しなければならず、太陽電池セル製造において非常に大きな課題と言える。
この為、対向電極にp型半導体としての導電性ポリマーを白金代替材として用いる検討や、酸化還元層としてイオン性液体を用いる手法、ゲル化剤により擬固形化する手法、ヨウ化銅を用いた固層系などを使用する手法などが検討されてきた。
また、通常は導電性基板として錫をドープした酸化インジウム(ITO)またはフッ素をドープした酸化錫(FTO)などの錫系酸化物を使用することにより、透明性(受光性)を付与しているが、これらも電解質層による腐食を防ぐためバリアー層などを設ける検討がなされている上、太陽電池セルが大きくなった場合ITOやFTOなどの電極では電極内抵抗が高いため充分な集電効果がないため、改めて集電線の配線が必要となる。
ところで、特開2005−223038号公報(特許文献1)には、表面に色素が吸着されたn型半導体電極と電子伝導性電極との間に、正孔輸送性高分子電解質膜が介在した積層構造を具備した光電変換素子において、前記正孔輸送性高分子電解質膜が、共役系導電性高分子と繊維状導電体とを含有することを特徴とする光電変換素子が開示されている。
この特許文献1では、正孔輸送性高分子電解質溶液として、ピロールと、ポリイソプレンスルホン酸と、スルホン酸化されたカーボンナノチューブとの混合水溶液に、過硫酸アンモニウムと硫酸第2鉄との溶液を加えてスルホン酸化されたカーボンナノチューブを含有する導電性ポリマーを製造し、これを濃縮してアセトニトリルを加えてペースト状にして塗布して正孔輸送性高分子電解質層とするか、上記の正孔輸送性高分子電解質溶液に、アセトニトリルに溶解したテトラプロピルアンモニウムアイオダイドおよびヨウ素の酸化還元対を加えたペーストを塗布して正孔輸送性高分子電解質層としている。
しかしながら、これらの正孔輸送性高分子電解質層も分散剤を含んだペーストを塗布して乾燥することにより形成されているため、残存する水あるいは気化成分によって膨れ、剥離などが生ずる虞があり、また、酸化還元対を分散した電解質層としている為、酸化還元反応下における電極の腐食が生じてしまう。
この為、対向電極材に白金のような耐腐食性の高いものを使用する必要があった。また、アノード側の透明電極としても、FTOなどが使用されており、電極の形成に真空蒸着装置を必要とするなど、電極の形成のために大規模な装置が必要であるだけでなく、セルの大型化に伴う集電線の再配線が必要となる為、さらなる改良が望まれている。
特開2005−223038号公報
本発明は、電解質層が、ドーピング剤がドープされた導電性ポリマーと、このドーパントイオン種と相互置換可能なイオン性化合物とからなるソリッドステート層である新規な構成を有する色素増感太陽電池を提供することを目的としている。
さらに本発明は、電極に対して腐食性のない電解質ポリマー層を有する色素増感太陽電池を提供することを目的としている。
本発明の色素増感太陽電池は、透明基板、光透過性電極、色素を担持した金属酸化物層、電解質ポリマー層、対向電極および対向電極基板がこの順序で積層されてなり、該電解質ポリマー層が、ドーピング剤をドープした導電性ポリマー(A)および前記ドーピング剤のドーパントイオン種と相互置換可能なイオン性化合物(B)を含有するソリッドステート層であることを特徴としている。また、光透過性電極と、色素を担持した金属酸化物層との間に、短絡防止用バッファー層を設けてもよい。
本発明の色素増感太陽電池では、LiI/I2などを用いたレドックス反応を利用した色素増感太陽電池と異なり、ソリッドステート層に、導電性ポリマー(A)にドープしているドーピング剤のドーパントイオン種と相互置換可能なイオン性化合物(B)を配合して、ドーパントイオン種が相互に置換して電荷を移送することにより、起電力を発生させるという新たなメカニズムを用いた色素増感太陽電池である。
本発明の色素増感太陽電池は、電解質ポリマー層が、ドーパントイオン種がドープされた導電性ポリマーとこのドーパントイオン種に対して相互置換可能なイオン性化合物とを含有し、これらの組み合わせによって導電性ポリマーのドーパントイオン種とイオン性化合物との相互電子授受により電荷移送を行っているため、電解質ポリマー層が揮発性成分を含まないソリッドステート層になり、従って、長期間の使用によっても膨れ、剥離などによる機能不全を起こしにくく、長期使用による劣化が少ない。
さらに、この電解質ポリマー層は、電極に対して腐食性がなく、さらに液状成分もほとんど含有していないので、電極として銅などで形成されたメッシュ電極を使用することができる。さらに、液状成分を含まず、電子の受け渡しをドーパントイオン種とカウンターイオン化合物とによって行うために、ルテニウムなどの金属錯体が担持された酸化チタンからなるアノード電極が滑落することがなく、従って長期間にわたり、安定した電力を供給することができる。
図1は、本発明の色素増感太陽電池の断面の一例を模式的に示す図である。 図2は、本発明の色素増感太陽電池の断面の一例を模式的に示す図である。
符号の説明
10・・・透明基板
20・・・光透過性電極
30・・・色素を担持した金属酸化物層
40・・・電解質ポリマー層
50・・・対向電極
60・・・対向電極基板
70・・・短絡防止用バッファー層
次に本発明の色素増感太陽電池について、具体的に説明する。
本発明の色素増感太陽電池は、図1に示されるように、透明基板、光透過性電極、色素を担持した金属酸化物層、電解質ポリマー層、対向電極および対向電極基板がこの順序に積層された積層構造を有する。また、図2に示されるように、光透過性電極と色素を担持した金属酸化物層との間に、短絡防止用バッファー層が積層されていてもよい。
本発明の色素増感太陽電池において、透明基板としては光透過率が通常は50%以上、好ましくは80%以上のフィルムまたは板を使用することができる。このような透明基板の例としては、ガラスのような無機透明基板;ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリフェニレンスルフィド、ポリスルホン、ポリエステルスルホン、ポリアルキル(メタ)アクリレート、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリシクロオレフィンなどの高分子透明基板を挙げることができる。
このような透明基板の厚さは、無機透明基板の場合には、通常は2000〜7000μmであり、高分子透明基板の場合には、通常は20〜4000μm、好ましくは20〜2000μmの範囲内にある。高分子透明基板の場合に、上記のような厚さの高分子透明基板を用いることにより、得られる色素増感太陽電池に可撓性を付与することができる。
このような透明基板の一方の面には光透過性電極が配置されている。ここで使用される光透過性電極としては、酸化錫、ITO、FTO、銅などの導電性金属をメッシュ状に形成したメッシュ状導電性金属電極を挙げることができる。光透過性電極が酸化錫、ITOあるいはFTOである場合、この光透過性電極の厚さは、通常は0.01〜1μm、好ましくは0.01〜0.5μmの範囲内にある。
また、銅などの導電性金属をメッシュ状に形成したメッシュ状導電性金属電極は、銅、ニッケル、アルミニウムなどの導電性金属を用いて、例えばフォトリソグラフ法により、線幅が通常は10〜70μm、好ましくは10〜20μmであり、ピッチ幅が通常は50〜300μm、好ましくは50〜200μmのメッシュを形成するようにエッチングすることにより形成することができる。このときのメッシュ状導電性金属電極の導線の厚さは、使用する導電性金属の厚さと略同一になり、通常は8〜150μm、好ましくは8〜15μmの範囲内にある。
光透過性電極が、酸化錫、ITOあるいはFTOである場合には、蒸着あるいはスパッタリングなどにより、透明基板の表面に酸化錫、ITOあるいはFTOからなる光透過性電極を形成することができる。また、導電性金属をメッシュ状に形成した導電性金属電極は、透明基板の表面に粘着剤などを用いて貼着することにより光透過性電極を形成することができる。
上記のような光透過性電極の表面に色素を担持した金属酸化物層を形成する。ここで使用する金属酸化物としては、n型半導体電極を形成することができる金属酸化物であり、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化錫、酸化鉄、酸化タングステン、酸化ジルコニウム、酸化ハフニウム、酸化タンタルなどを挙げることができる。これらは単独であるいは組み合わせて使用することができる。
特に本発明では、光触媒性を有するナノ酸化チタンおよびナノ酸化亜鉛を用いることが好ましい。このような金属酸化物の平均一次粒子径は、通常は3〜200nm、好ましくは7〜30nmの範囲内にある。本発明で使用する金属酸化物は、上記のような平均一次粒子径を有する金属酸化物の凝集体であってもよい。
このような金属酸化物に、この金属酸化物に対して不活性な溶媒を加えて金属酸化物のペーストを形成する。金属酸化物として光触媒性を有するナノ酸化チタンを用いる場合には、ペーストを調製する際の溶媒として、水、アルコール類、水−アルコール混合溶媒などを用いることができる。また、分散を容易にするためにパラトルエンスルホン酸のような分散剤を少量添加する事も出来るし、凝集性を向上させる為に過酸化水素などの酸化剤を微量添加することも出来る。また、金属酸化物の凝集性を向上させる為に、四塩化チタンやテトラアルコキシチタンなどの結合剤を微量添加してもよい。
さらに、この金属酸化物には、貴金属を担持させることもできる。例えば光触媒性を有するナノ酸化チタンのペーストを調製する際のボールミルなどを用いた擂潰の際に、貴金属である、例えば白金コロイドを添加して超音波分散させることにより、金属酸化物に白金を担持させることができる。また、上記貴金属として銀ナノコロイド粒子を用いてもよい。このような貴金属の担持量は金属酸化物100重量部に対して、通常は0.1〜10重量部、好ましくは0.5〜5重量部である。なお担持される貴金属の平均一次粒子径は、通常は4〜100nmの範囲内にある。
上記のようにして調製された金属酸化物のペーストを、透明基板の表面に形成した光透過性電極、あるいは後述する短絡防止用バッファー層を設ける場合にはその表面に塗布する。このときの金属酸化物ペーストの塗布厚さは、乾燥厚さで、通常は0.5〜100μm、好ましくは1〜30μmの範囲内にある。
このようにして塗布された金属酸化物ペーストを加熱して溶媒を除去することにより金属酸化物層を形成することができる。このときの温度は、使用した溶媒の沸点近傍の温度に設定することが好ましい。例えば水−エタノール混合溶媒を使用した場合には、エタノールの沸点近傍の80℃付近でいったん加熱して、その後、水の沸点以上の温度である120℃付近の温度で加熱することが好ましい。
また、通常は乾燥のみでは充分な固着が出来ないため、透明基板としてガラス基板などを使用する場合は、乾燥後の基板を更に400〜500℃にて30分〜1時間程度焼結させる。
このようにして形成された金属酸化物層に、色素を担持させる。ここで使用される色素としては、ルテニウム錯体色素、その他の金属錯体色素などの金属錯体色素、メチン色素、キサンテン色素、ポルフィリン色素、メロシアン色素、オリゴチオフェン色素、フタロシアニン色素、アゾ系色素、クマリン系色素などの有機色素を挙げることができる。これらの色素は単独であるいは組み合わせて使用することができる。本発明では特に次式[1]で表わされるルテニウム錯体色素を用いることが好ましい。
Figure 2009013942
まず、この色素を溶解可能な溶媒、例えばアセトニトリルに色素を溶解させた溶液を調製する。このときの色素溶液の濃度は、通常は色素0.01〜0.1モル/溶媒1000mlの範囲内にする。この色素溶液中に上記のようにして金属酸化物層が形成された透明基板を所定時間浸漬した後、該基板を引き上げる。次いで余剰の色素を、色素溶液を形成していた溶媒で洗浄して除去し、更に溶媒を乾燥除去することにより金属酸化物に色素を担持させることができる。
色素溶液に透明基板を浸漬する温度は、通常は20〜50℃であり、このような温度で通常は30分〜24時間浸漬する。このときの色素の担持量は、形成された金属酸化物の全表面を色素1分子分のレベルで被覆されていれば充分であり、この為、通常は金属酸化物表面のヒドロキシル基と化学結合し得るカルボキシル基を有する色素が使用される。この為、表面で充分な化学結合が成されていれば、色素担持処理を行った後充分な洗浄を行う事により、余分な色素成分は表面から取り除かれる。逆にこの洗浄工程を充分に行わず、色素分子が多重に金属酸化物表面に担持されている場合は、この色素分子間で電荷移送がおこり、本来、n型半導体に移送すべき電荷が色素分子間で消費され効率を著しく悪化させる。
本発明のように電解質ポリマー層がソリッドステート層である色素増感太陽電池においては、例えば金属酸化物として酸化チタンを用いる場合、色素を担持した酸化チタンや、該酸化チタンにより被覆されていない光透過性電極に、後述する導電性ポリマーが接触する。この為、励起電子が色素から酸化チタン、次いで光透過性電極へと移動して外部回路に流れる前に、該電子が導電性ポリマーへ流れてしまい、色素増感太陽電池のセル内部で短絡することがある。
従って、本発明の色素増感太陽電池の場合(特に電解質ポリマー層に溶剤溶解性が高く、ナノポーラスな酸化チタン内部への浸透性が高い導電性ポリマーを用いる場合)には、光透過性電極と色素を担持した金属酸化物層との間に、短絡防止用バッファー層を設けることが好ましい。
短絡防止用バッファー層は、n型半導体特性を有する材料であり、かつ薄膜(5000nm以下)での透明性を有する材料から形成された層であれば特に制限はされない。例えば、ゾルゲル法により形成された酸化チタン薄膜、酸化チタン以外の金属酸化物半導体の分散液を用いて形成された薄膜、ポリアルキルフルオレン類のn型半導体特性を有する導電性高分子膜、ビスナフチルオキサジアゾールなどの低分子有機n型半導体膜などを挙げることができる。金属酸化物層における金属酸化物としてナノ酸化チタンを使用する場合には、該金属酸化物との仕事関数を併せる為に、該金属酸化物層と同質のナノ酸化チタン薄膜を使用することが好ましい。
上記酸化チタン薄膜は、例えばゾルゲル法を用いる場合、前駆体であるテトライソプロポキシチタンなどのアルコキシチタンをアルコール類溶剤に溶解させ、得られた溶液に加水分解触媒として金属酸化剤、アミン、プロトン酸、塩化チタンなどを配合したゾル液を、光透過性電極上に塗布および乾燥して、加熱することにより形成することができる。
また、透明基板としてガラスなどの耐熱性材料を用いる場合は、上記加水分解触媒を添加せずに、アルコキシチタンを単独で光透過性電極上に塗布および乾燥して、350℃以上に加熱することにより、充分な短絡防止機能を有する酸化チタン薄膜を形成することができる。
このようにして形成された上記短絡防止用バッファー層の厚みは、通常は50〜5000nm、好ましくは100〜1000nmの範囲内にある。
このようにして必要に応じて光透過性電極と色素を担持した金属酸化物層との間に短絡防止用バッファー層を設け、上記のようにして色素を担持するアノード電極を形成したのち、このアノード電極上に電解質ポリマー層を形成する。本発明において、この電解質ポリマー層はソリッドステートであり、液状ではない。
すなわち、本発明において、電解質ポリマー層は、ドーピング剤をドープした導電性ポリマー(A)と、このドーピング剤のドーパントイオン種と相互置換可能なイオン性化合物(B)とを含有するソリッドステート層である。
ここで使用される導電性ポリマー(A)の例としては、ポリアセチレン、ポリパラフェニレン、ポリフェニレンビニレン、ポリフェニレンサルファイド、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリ(3−メチルチオフェン)、ポリアニリン、ポリペリナフタレン、ポリアクリロニトリル、ポリオキサジアゾール、ポリ[Feフタロシアニン(テトラジン)]などを挙げることができる。これらは単独であるいは組み合わせて使用することができる。
特に本発明では導電性ポリマー(A)として、ポリアニリン(PANI)、ポリアルキルピロール(アルキルがオクチルのとき「POPY」)、ポリチオフェンを用いることが好ましい。なお、これらのポリアニリン、ポリアルキルピロール、ポリチオフェンが、アルキル基、カルボキシル基、スルホン酸基、アルコキシル基、ヒドロキシ基、エステル基、シアノ基などの置換基を有していてもよい。
上記のような導電性ポリマー(A)にドープされるドーピング剤は、アニオン性化合物であれば何れの化合物でも可能であるが、一般的には、パラトルエンスルホン酸、ビス2エチルヘキシルスルホコハク酸、アミノベンゼンスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸などのスルホン酸化合物;ギ酸、酢酸、コハク酸、アジピン酸などのカルボン酸化合物;塩素、ヨウ素、臭素などのハロゲン化合物;フッ化ホウ酸、フッ化リン酸などのルイス酸化合物;クレゾールやナフタノールなどのフェノール化合物;アセトフェノン、アセチルアセトン、アセト酢酸などのアセチル化合物などの、アクセプター型のドーピング剤を挙げることができる。
これらは単独であるいは組み合わせて使用することができる。
上記のようなドーピング剤の導電性ポリマー(A)に対するドープ量は、導電性ポリマー(A)のモノマー構成モル数に対して、通常は25〜100mol/mol%、好ましくは40〜80mol/mol%である。
上記のように導電性ポリマー(A)にドープされて電解質ポリマー層を構成するドーパントイオン種は、電解質ポリマー層中に存在するイオン性化合物(B)と相互置換が可能である。
ここで電解質ポリマー層中に存在するイオン性化合物(B)としては、ルイス酸塩(b−1−1)、アルカリ金属塩(b−1−2)、金属キレート化合物(b−1−3)を挙げることができる。
さらに電解質ポリマー層中に存在するイオン性化合物(B)としては、特にハロゲン化リチウム、ルイス酸のリチウム塩、ルイス酸のアンモニウム塩などが好ましい。特にカチオン種としては分子量が小さく移動度の大きいリチウムが特に好ましいが、これらのリチウム塩化合物の導電性ポリマー(A)への溶解性は通常余り良くない為に、溶解性を改善するため、ルイス酸のアンモニウム塩なども使用する。
本発明におけるルイス酸またはハロゲンアニオンに関しては、導電性ポリマー(A)へのドープが可能であり、また、カウンターイオンとしてのカチオン種のリチウムやアンモニウムに関しては、導電性ポリマー(A)から脱ドープしたアニオン性ドーパントイオン種のカウンターイオンとして働く。
この為、本発明において、従来の酸化還元成分としてのI-/I3 -の様な酸化還元対が必要ではなく、導電性ポリマー(A)のドーパントイオン種および添加したイオン性化合物(B)との間での相互電荷授受、ならびに導電性ポリマーの酸化還元性により電解質ポリマー層としての機能を保持出来る。従って本発明は、対向電極として、銅などの導電性金属をメッシュ状に形成したメッシュ状導電性金属からなる電極を対向電極として使用しても、このメッシュ状導電性金属からなる対向電極がハロゲンによる浸食によって電極として機能しなくなるといった事態は生じない。
さらに本発明の色素増感太陽電池においては、導電性ポリマー(A)にドープされたドーパントイオン種と相互置換可能なイオン性化合物(B)として、ドーピング剤がドープされた導電性ポリマーを用いることもできる。イオン性化合物(B)としてドープされた導電性ポリマーを使用する場合には、導電性ポリマー(A)との間で、相互の電荷授受を行うために、導電性ポリマー(A)とはドーピング率の異なる導電性ポリマー(b−2)、導電性ポリマー(A)とは異なるポリマー主鎖骨格を有する、ドーピング剤をドープした導電性ポリマー(b−3)、導電性ポリマー(A)にドープしているイオン種とは異なるイオン種を有するドーピング剤をドープした導電性ポリマー(b−4)より選ばれる1種以上を使用する。
ドーピング率の異なる導電性ポリマー(b−2)を使用する場合には、導電性ポリマー(A)のドーピング率と、導電性ポリマー(b−2)のドーピング率とが、以下に示す関係を満たすことが好ましい。
Figure 2009013942
このような関係を満たすことにより、ドープされた導電性ポリマー(A)と、ドープされた導電性ポリマー(b−2)との間で電子の受け渡しが円滑に行われ、効率よく色素増感太陽電池を駆動させることができる。
ここで使用する導電性ポリマー(b−2)としては、上記導電性ポリマー(A)の説明で掲げた、ポリアセチレン、ポリパラフェニレン、ポリフェニレンビニレン、ポリフェニレンサルファイド、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリ(3−メチルチオフェン)、ポリアニリン、ポリペリナフタレン、ポリアクリロニトリル、ポリオキサジアゾール、ポリ[Feフタロシアニン(テトラジン)]などを挙げることができる。これらは単独であるいは組み合わせて使用することができる。
特に本発明では導電性ポリマー(b−2)として、ポリアニリン(PANI)、ポリアルキルピロール(アルキルがオクチルのとき「POPY」)、ポリチオフェンを用いることが好ましい。なお、これらのポリアニリン、ポリアルキルピロール、ポリチオフェンが、アルキル基、カルボキシル基、スルホン酸基、アルコキシル基、ヒドロキシ基、エステル基、シアノ基などの置換基を有していてもよい。この導電性ポリマー(b−2)は、導電性ポリマー(A)と同一であっても異なっていてもよい。
さらにこの導電性ポリマー(b−2)にドープされるドーピング剤の例としては、上述の導電性ポリマー(A)にドープされるドーピング剤であるパラトルエンスルホン酸、ビス2エチルヘキシルスルホコハク酸、アミノベンゼンスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸などのスルホン酸化合物;ギ酸、酢酸、コハク酸、アジピン酸などのカルボン酸化合物;塩素、ヨウ素、臭素などのハロゲン化合物;フッ化ホウ酸、フッ化リン酸などのルイス酸化合物;クレゾールやナフタノールなどのフェノール化合物などを使用することが好ましい。
また、導電性ポリマー(A)とは異なるポリマー主鎖骨格を有する、ドーピング剤をドープした導電性ポリマー(b−3)を使用する場合には、同種同様のドーパントイオン種を用いていても導電性ポリマーの主骨格が異なる事により酸化還元順位差が生じ、ドーパントイオン種を媒介した電荷授受が生じる。
さらにまた、導電性ポリマー(A)にドープしているイオン種とは異なるイオン種を有するドーピング剤をドープした導電性ポリマー(b−4)を使用する場合には、異なるイオン種がドープされていることで導電性ポリマー(A)とイオン性化合物(B)である導電性ポリマー(b−4)との間で電荷授受が生じる。
本発明の色素増感太陽電池において、上記の電解質ポリマー層の厚さは、通常は1〜40μm、好ましくは5〜20μmの範囲内にある。
このような電解質ポリマー層は、ドーパントイオン種がドープされた導電性ポリマーが溶解または分散された溶液を調製し、これにカウンターイオン化合物を形成するイオン性化合物を添加した後、この溶液を塗布し、溶剤を除去することにより形成することができる。
電解質ポリマー層が、導電性ポリマー(A)と、導電性ポリマー(b−2)、(b−3)または(b−4)とを有する場合には、それぞれの導電性ポリマーを溶解または分散する溶液を調製して、それぞれを混合し混合調製液として塗布する事により混合層として形成させることもできるし、それぞれ塗布することにより導電性ポリマー(A)を含有する層と、導電性ポリマー(b−2)、(b−3)または(b−4)を含有する層とを形成することもできる。このように二層の電解質ポリマー層を形成する場合、厚さの比率((A)/(b−2)、(b−3)or(b−4))は、通常は50/1〜1/50の範囲内にする。
また、この電解質ポリマー層には他の樹脂を配合することができる。ここで使用する他の樹脂は、溶媒に対し不溶なポリマーを高密度に分散固定化させる為のものであり、導電性を有している必要はなく、種々の樹脂を使用することができる。このような他の樹脂の例としては、熱可塑性樹脂、具体的にはポリアルキル(メタ)アクリレート、ポリエステル、ポリスチレン、ポリエーテル、ポリウレタン、ポリイミド、ポリエチレンなどを挙げることができる。このような他の樹脂の配合量は、電解質ポリマー層を構成する導電性ポリマー100重量部に対して、好ましくは10〜300重量部、より好ましくは20〜100重量部である。このような量で他の樹脂を配合しても、この電解質ポリマー層における電子の移動が阻害されることがなく、かつ溶媒に対し不溶な微粒子状の電解質ポリマー層を高密度に分散密着状態にすることができる。
上記のような電解質ポリマー層の表面には、対向電極が配置されている。この対向電極としては、白金基板などを直接接合してもよく、上述の光透過性電極と同様に酸化錫、FTO、ITO、導電性金属をメッシュ状に形成した導電性金属電極などの表面へ白金蒸着した電極を用いることができるし、酸化錫、FTO、ITO、導電性金属をメッシュ状に形成した導電性金属電極などをそのまま使用することもできる。すなわち、バリアー層などを特に必要とするものではない。
このときの対向電極が、酸化錫、ITOあるいはFTOである場合、この対向電極の厚さは、通常は0.01〜1μm、好ましくは0.01〜0.5μmの範囲内にあり、導電性金属をメッシュ状に形成したメッシュ状導電性金属電極は、線幅が通常は10〜70μm、好ましくは20〜50μmであり、ピッチ幅が通常は50〜300μm、好ましくは50〜200μmのメッシュを形成するようにエッチングすることにより形成することができる。このときのメッシュ状導電性金属電極の導線の厚さは、通常は8〜150μm、好ましくは20〜75μmの範囲内にある。
殊に本発明の色素増感太陽電池は、電解質ポリマー層が液体ではなくソリッドステート層であるので、液漏れの発生、温度上昇による膨れの発生などを防止することができる。さらに、光透過性電極および対向電極として導電性金属をメッシュ状に形成した導電性金属電極を使用することができるので、この場合には真空蒸着技術を使用することなく電極を形成することができ、色素増感太陽電池の製造が非常に容易になる。
上記のように対向電極を形成した後、この対向電極の外側に対向電極基板を配置する。対向電極基板としては、上述の透明基板で例示した無機透明基板や高分子透明基板を用いることができる。なお、対向電極基板に対向電極を予め形成した後に、電解質ポリマー層の表面に、対向電極が電解質ポリマー層と接触するようにして、対向電極と対向電極基板とを積層してもよい。
こうして形成された本発明の色素増感太陽電池の合計の厚さは、通常は50〜4000μm、好ましくは70〜300μmであり、非常に薄く、しかも可撓性を有している。
上記のような構成を有する本発明の色素増感太陽電池に透明基板側から光を照射すると、透明基板および光透過性電極を透過した光は、色素を担持した金属酸化物層に到達し、この担持されている色素を励起して酸化チタンなどの金属酸化物に電子注入が行われる。
本発明で使用される励起した色素からの例えば酸化チタンなどの金属酸化物への電子移動は、逆反応に比べて極めて速いため、有効に電荷分離が行われる。酸化チタンに注入された電子は、アノード電極および外部回路を通じてカソード電極に達する。一方、酸化チタンなどの金属酸化物に電荷を供与して酸化状態にある色素は、電解質ポリマー層の導電性ポリマーにドープされたドーパントイオン種から電子を受け取り、速やかに中性分子に戻る。電解質ポリマー層中の電子を受け渡したドーパントイオン種は、カウンターイオンと結合して電解質ポリマー層内を移動して対向電極から電子を受け取る。上記のサイクルを繰り返すことにより光が電流に変換される。
本発明の色素増感太陽電池は初期特性が高く、しかもこの特性が長期間にわたって維持され、劣化しにくい。一例を示すと、本発明の色素増感太陽電池の初期における電流値は1000〜5000μA/cm2の範囲内にあり、電圧は100〜600mV/cm2の範囲内にあり、60℃、90%RH下で100時間放置して行った老化促進試験後の電流値は100〜4000μA/cm2の範囲内にあり、電圧は100〜400mV/cm2の範囲内にあり、老化による起電力の低下が初期値に対して20%以下であり、非常に劣化しにくい。
また、本発明の色素増感太陽電池では、電解質ポリマー層がソリッドステート層であり、水をほとんど含んでいないので、アノード電極を形成する酸化チタンのような導電性金属層の滑落が発生しにくく、長期間にわたって本発明の色素増感太陽電池を駆動させることができる。
さらに、電解質ポリマー層では、従来のヨウ素およびヨウ素イオンを用いたレドックス反応を行っておらず、カウンターイオンによって、電子の受け渡しを行っているので、この電解質ポリマー層に過剰のヨウ素などのハロゲン化物を含有させる必要がなく、従って、電解質ポリマー層に接触する対向電極として白金電極のような貴金属電極を用いることを特に必要とせず、例えば銅などから形成されたメッシュ電極を使用することができる。また、光透過性電極としてもメッシュ電極を使用すれば、電極の形成に真空蒸着技術を使用せずに電極を形成することができ、さらに、白金のような貴金属を使用することも必要としなくなり、色素増感太陽電池を安価に供給することができる。
次に本発明の色素増感太陽電池について実施例を示して具体的に説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。
〔合成例〕
<光透過性電極が積層された透明基板>
(A−1)2mm厚のガラス板上にFTO形成された透明導電性基板で、表面抵抗が40Ω/cmである。
(A−2)80μm厚のPETフィルム上にITO形成された透明導電性基板で、表面抵抗が30Ω/cmである。
(A−3)80μm厚のPETフィルム上に200メッシュの開口部を有する銅メッシュが積層された導電性基板で、銅メッシュ上の表面抵抗が0.4Ω/cmである。
(A−4)ITO透明電極付き透明基板(A−2)と同様である。
<酸化チタンペーストの調製>
(Ti−1)光触媒性ナノ酸化チタン(石原産業(株)製;ST−21、平均一次粒子径=20nm)10gと、水70g、メタノール20gおよびパラトルエンスルホン酸0.01を配合した溶液とを、ボールミルを用いて24時間分散混合して酸化チタンナノペーストを調製した。
(Ti−2Pt)上記(Ti−1)で調製した酸化チタンナノペースト100gに、白金コロイド溶液(Heraeus社製、PT97S007S)0.05モル/リットル0.5gを添加し、超音波分散機を用いて40分間超音波分散処理を行いつつ、酸化チタンに白金を担持させた。このようにして、Pt担持酸化チタンナノペーストを調製した。
<アノード電極の製造>
(A−1−FTO−ST21)FTO透明電極付き透明基板(A−1)に、上記のようにして調製した酸化チタンナノペースト(Ti−1)をドクターブレード法により、酸化チタン層の厚さが20μmになるようにキャストコートし、80℃で2分間乾燥した後、120℃で10分間ネッキングした。
(A−2−ITO−ST21)ITO透明電極付き透明基板(A−2)に、上記のようにして調製した酸化チタンナノペースト(Ti−1)をドクターブレード法により、酸化チタン層の厚さが20μmになるようにキャストコートし、80℃で2分間乾燥した後、120℃で10分間ネッキングした。
(A−3−Cu−ST21)200メッシュの開口部を有する銅メッシュ電極付き透明基板(A−3)に、上記のようにして調製した酸化チタンナノペースト(Ti−1)をドクターブレード法により、酸化チタン層の厚さが20μmになるようにキャストコートし、80℃で2分間乾燥した後、120℃で10分間ネッキングした。
(A−4−ITO−ST21―Pt)ITO透明電極付き透明基板(A−4)に、上記のようにして調製したPt担持酸化チタンナノペースト(Ti−2Pt)をドクターブレード法により、酸化チタン層の厚さが20μmになるようにキャストコートし、80℃で2分間乾燥した後、120℃で10分間ネッキングした。
<色素定着アノード電極の製造>
上記のようにして調製したアノード電極((A−1−FTO−ST21)、(A−2−ITO−ST21)、(A−3−Cu−ST21)、(A−4−ITO−ST21―Pt))を、下記式[1]で示すルテニウム錯体(小島化学(株)製)0.05モル/リットル濃度のアセトニトリル溶液に、40℃で2時間浸漬した後、酸化チタン表面をアセトニトリルで洗浄し、室温で乾燥させて色素定着アノード電極を製造した。
Figure 2009013942
<導電性ポリマーの製造>
(C−1)ポリアニリンの合成
室温下、100mlの水にアニリンモノマー4.7gおよび30%塩酸水溶液5.7gを加えて均一溶液になるまで攪拌混合した。次いで、この溶液に、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム17.5gを加えてさらに均一になるまで攪拌混合した。
これとは別に、液温を5℃に調整した30%過硫酸アンモニウム水溶液を調製し、この過硫酸アンモニウム水溶液14gを上記アニリンモノマー溶液に1時間かけて添加してポリアニリンの重合を行った。
過硫酸アンモニウム水溶液を全量加え終わった後、さらに5℃で4時間反応を行い、重合反応を完結させた。
得られた濃緑色水溶液100mlに200mlのメタノールを加えてポリアニリン凝集体を生成させ、この凝集体を濾別した。
次いで濾別したポリアニリンを100mlの水:アセトン(容量比=1:1)に再度分散して、再度濾別を行う操作を繰り返して、濾液が完全に無色透明になるまで洗浄を行った。
こうして得られたポリアニリンを真空乾燥してドープ状態の緑色ポリアニリン(C−1)を得た。
<ポリアニリンの脱ドープおよび再ドープ>
上記のようにして得られたドープ状態の緑色ポリアニリン(C−1)10gを5%水酸化ナトリウム水溶液200mlに徐々に加えながら、ホモミキサーを用いて2時間粉砕分散混合を行い硫酸ドーパントの脱ドープを行った。
調整中の水溶液は濃緑色に変化し、最終的には非常に濃い青色に変化したポリアニリン粉末が水溶液中に分散した分散液が得られた。この分散液は、硫酸ドーパントが脱ドープし、ポリアニリンが還元されていることがわかった。
上記のようにしてアルカリ処理した後、窒素ガスで反応系をパージしながら濾過して、さらに1000mlの水を用いて5回濾過物を洗浄した後、真空乾燥して還元ポリアニリンを得た。
乾燥したポリアニリン1gをメチルエチルケトン(MEK):N−メチルピロリドン(NMP)の混合溶液(混合容量比=1:1)100mlに溶解して、続いて、0.0108モル/100mlの4フッ化ホウ素MEK溶液を100ml加え、4フッ化ホウ素がドープしたポリアニリン(C−3)を得た。
上記のようにして得られた4フッ化ホウ素がドープしたポリアニリンを製造する工程中で得られた真空乾燥した還元アニリン1gをメチルエチルケトン(MEK):N−メチルピロリドン(NMP)(混合容量比=1:1)100mlに溶解し、次いで0.0108モル/100mlの4フッ化ホウ素MEK溶液を50ml加えて、4フッ化ホウ素が50%ドープしたポリアニリン(C−4)を得た。
(C−2)ポリオクチルピロールの合成
室温下、100mlの水にオクチルピロールモノマー1.8gおよび30%塩酸水溶液1.6gを加えて均一になるまで攪拌混合した。次いで、この溶液にドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム3.5gを加えてさらに均一になるまで攪拌混合した。
次いで、液温を0℃に調整しながら30%過硫酸アンモニウム水溶液9.2gを2時間かけて上記オクチルピロール水溶液に加えてポリオクチルピロールの重合を行った。
過硫酸アンモニウム水溶液全量を加えた後、さらに10℃の温度に8時間保持し、重合を完結させた。
得られた濃青色水溶液100mlに200mlのメタノールを加えてポリオクチルピロール凝集体を生成させ、これを濾別した。
次いで、濾別したポリオクチルピロールを100mlの水に再分散し再度濾別を行う操作を繰り返し、濾液が完全に無色透明になるまで洗浄を行った。
上記のような操作により得られたポリオクチルピロールを真空乾燥してドープ状態の黒青色ポリオクチルピロールを得た。
<導電性樹脂溶液の調製>
(B−1)バインダー樹脂を含有する導電性樹脂溶液
上記のようにして得られたドープ状態のポリアニリン(C−1)10gにMEK90gを加えてボールミルを用いて24時間粉砕分散し、均一に分散したポリアニリン分散液を調製した。この溶液にバインダー樹脂として分子量5万のポリイソブチルメタクリレート樹脂を5g加えて均一に分散させて導電性樹脂溶液(B−1)を得た。
得られた導電性樹脂溶液(B−1)をPET板上に10μmの厚さになるように塗布して、この塗膜の表面抵抗を測定したところ300kΩであった。
(B−2)導電性ポリマー溶液
上記のようにして得られたドープ状態のポリオクチルピロール(C−2)5gを、トルエン/NMP/MEK=7/2/1(混合容量比)の混合溶液95gに溶解させて導電性ポリマー溶液(B−2)を得た。
得られた溶液をPET板上に10μmの厚さになるように塗布し、この塗膜の表面抵抗を測定したところ500kΩであった。
(B−3)導電性ポリマー溶液
上記のようにして得られた50%ドーピング率のポリアニリン(C−4)2gを、トルエン/NMP/MEK=5/3/2(混合容量比)混合溶液98gに溶解させた導電性ポリマー溶液(B−3)を得た。
得られた溶液をPET板上に10μmの厚さに塗布し、この塗膜の表面抵抗を測定したところ20kΩであった。
<アノード電極用樹脂溶液の調製>
(D−1)アノード電極用樹脂溶液の調製
上記<導電性樹脂溶液の調製>で調製したバインダー樹脂を含有する導電性樹脂溶液である導電性ポリマー溶液(B−1)10gと、LiI0.5gとを混合してアノード電極用樹脂溶液(D−1)を調製した。このアノード電極用樹脂溶液(D−1)中にはドープ状態のポリアニリン(C−1)と、分子量5万のポリイソブチルメタクリレートと、カウンターイオン化合物としてリチウムイオンとが含有されている。
(D−2)アノード電極用樹脂溶液の調製
上記<導電性樹脂溶液の調製>で調製した導電性ポリマーであるポリオクチルピロール(C−2)を含有する導電性ポリマー溶液(B−2)10gと、LiPF60.3gとを混合してアノード電極用樹脂溶液(D−2)を調製した。このアノード電極用樹脂溶液(D−2)中にはドープ状態のポリオクチルピロール(C−2)と、カウンターイオン化合物としてリチウムイオンとが含有されている。
(D−2−2)アノード電極用樹脂溶液の調製
上記<導電性樹脂溶液の調製>で調製した導電性樹脂溶液である導電性ポリマー溶液(B−2)10gと、TMEMA/BF4;0.7gとを混合してアノード電極用樹脂溶液(D−2−2)を調製した。このアノード電極用樹脂溶液(D−2−2)中にはドープ状態のポリオクチルピロール(C−2)と、イオン性液体であるN,N−ジメチル−N−メチルーN−(2-メトキシエチル)アンモニウム 4フッ化ホウ素(TMEMA)とが含有されている。
(D−3)アノード電極用樹脂溶液の調製
上記<導電性樹脂溶液の調製>で調製したドープ率50%の導電性ポリマー溶液(B−3)10gと、<ポリアニリンの脱ドープおよび再ドープ>で得られた4フッ化ホウ素がドープしたポリアニリン(C−3)0.2gとを混合してアノード電極用樹脂溶液(D−3)を調製した。このアノード電極用樹脂溶液(D−3)中には4フッ化ホウ素が100%ドープしたポリアニリン(C−3)と、4フッ化ホウ素が50%ドープしたポリアニリン(C−4)とが含有されている。
(D−4)アノード電極用樹脂溶液の調製
上記<導電性樹脂溶液の調製>で調製したドープ率50%の導電性ポリマー溶液(B−3)10gと、NH4BF40.2gと、<ポリアニリンの脱ドープおよび再ドープ>で得られた4フッ化ホウ素がドープしたポリアニリン(C−3)0.2gとを混合してアノード電極用樹脂溶液(D−4)を調製した。このアノード電極用樹脂溶液(D−4)中にはドープ状態のポリアニリン(C−3)と、ルイス塩基であるNH4BF4とが含有されている。
(D−5)アノード電極用樹脂溶液の調製
上記<導電性樹脂溶液の調製>で調製したバインダー樹脂を含有する導電性樹脂溶液(B−1)10gと、<ポリアニリンの脱ドープおよび再ドープ>で得られた4フッ化ホウ素がドープしたポリアニリン(C−3)0.8gとを混合してアノード電極用樹脂溶液(D−5)を調製した。このアノード電極用樹脂溶液(D−5)中にはドープ状態のポリアニリン(C−1)と、4フッ化ホウ素がドープしたポリアニリン(C−3)と、バインダー樹脂とが含有されている。
(D−6)アノード電極用樹脂溶液の調製
上記<導電性樹脂溶液の調製>で調製したバインダー樹脂を含有する導電性樹脂溶液(B−1)10gと、LiI0.2gと、<ポリアニリンの脱ドープおよび再ドープ>で得られた4フッ化ホウ素がドープしたポリアニリン(C−3)0.4gとを混合してアノード電極用樹脂溶液(D−6)を調製した。このアノード電極用樹脂溶液(D−6)中にはドープ状態のポリアニリン(C−1)と、4フッ化ホウ素がドープしたポリアニリン(C−3)と、カウンターイオン化合物であるリチウムイオンと、バインダー樹脂とが含有されている。
(D−7)アノード電極用樹脂溶液の調製
上記<導電性樹脂溶液の調製>で調製したポリオクチルピロールを含む導電性ポリマー溶液(B−2)10gと、<ポリアニリンの合成>で得られたドープ状態のポリアニリン(C−1)0.1gとを混合してアノード電極用樹脂溶液(D−7)を調製した。このアノード電極用樹脂溶液(D−7)中にはドープ状態のポリオクチルピロール(C−2)と、ドープ状態のポリアニリン(C−1)とが含有されている。
(D−8)アノード電極用樹脂溶液の調製
上記<導電性樹脂溶液の調製>で調製したポリオクチルピロールを含む導電性樹脂溶液(B−2)10gと、LiPF60.1gと、<ポリアニリンの合成>で得られたドープ状態のポリアニリン(C−1)0.1gとを混合してアノード電極用樹脂溶液(D−8)を調製した。このアノード電極用樹脂溶液(D−8)中にはドープ状態のポリオクチルピロール(C−2)と、カウンターイオン化合物であるリチウムイオンと、ドープ状態のポリアニリン(C−1)とが含有されている。
(D−9)アノード電極用樹脂溶液の調製
上記<導電性樹脂溶液の調製>で調製したポリオクチルピロールを含む導電性ポリマー溶液(B−2)10gと、TMEMA/BF4;0.7gと、フラーレン(PCBM)とを混合してアノード電極用樹脂溶液(D−9)を調製した。このアノード電極用樹脂溶液(D−9)中にはドープ状態のポリオクチルピロール(C−2)と、イオン性液体であるN,N−ジメチル−N−メチルーN−(2−メトキシエチル)アンモニウム 4フッ化ホウ素と、PCBMとが含有されている。
(E−1)アノード電極用樹脂溶液の調製
上記<導電性樹脂溶液の調製>で調製したバインダー樹脂を含有する導電性樹脂溶液(B−1)10gと、LiI0.5gとI21.0gとを混合してアノード電極用樹脂溶液(E−1)を調製した。このアノード電極用樹脂溶液(E−1)中にはドープ状態のポリアニリン(C−1)と、分子量5万のポリイソブチルメタクリレートと、ヨウ素によるレドックス反応に必要なヨウ素イオンおよびヨウ素とが含有されている。
(E−2)アノード電極用樹脂溶液の調製
ポリオクチルピロール(C−2)を含有する導電性ポリマー溶液(B−2)10gからなるアノード電極用樹脂溶液(E−2)を使用した。このアノード電極用樹脂溶液(E−2)中にはドープ状態のポリオクチルピロール(C−2)が含有されているが、カウンターイオン化合物になるリチウムイオンは含有されていない。
上記アノード電極用樹脂溶液の組成を表1に示す。
Figure 2009013942
〔実施例1〕
上記<光透過性電極が積層された透明基板>に記載のITO透明電極付き透明基板(A−2)を構成する、ITOからなる光透過性電極の表面に、<酸化チタンペーストの調製>で製造した酸化チタンナノペースト(Ti−1)を、<アノード電極の製造>の(A−2−ITO−SR21)の記載にしたがって塗布し、乾燥させて透明基板の表面にアノード電極を形成した。
このアノード電極に<色素定着アノード電極の製造>の記載にしたがってルテニウム錯体を担持させて、ルテニウム錯体が担持された酸化チタン層とした。
こうしてルテニウム錯体が定着された光透過性電極付き透明基板のアノード電極の表面に<アノード電極用樹脂溶液の調製>で調製したアノード電極用樹脂溶液(D−1)をスプレーコーティングにより、乾燥厚さが10μmになるように塗布し、80℃で2分間乾燥させた。こうして形成された電解質ポリマー層(以下、「アノード電極用樹脂層」ともいう。)は、液状成分を実質的に含んでいないソリッドステート層であった。
次いで、得られた積層フィルムを1cm×1cmに切断して、フィルムの乾燥したアノード電極用樹脂層の表面に開口部が200メッシュの開口銅メッシュ電極を載置し、線圧2kg/cmの圧力で加圧接着したのち、40℃に調整されたオートクレーブを用いて5kgの圧力で30分かけて開口銅メッシュ電極をアノード電極用樹脂層に貼り合わせ処理を行い色素増感太陽電池素子を製造した。なお、開口銅メッシュ電極の表面に対向電極基板として厚さ80μmのPETフィルムを配置した。
上記のようにして得られた色素増感太陽電池素子を、アノード面から受光できるように配置して、受光面の7000Lxの光量の光が照射できるように白色蛍光灯を配置して点灯し、その時に取り出した電流値および電圧値を測定して初期特性として評価した。
上記のようにして得られた色素増感太陽電池素子を、60℃、90%RHの条件下で100時間放置したのち、上記と同様に、色素増感太陽電池素子を、アノード面から受光できるように配置して、受光面の7000Lxの光量の光が照射できるように白色蛍光灯を配置して、点灯し、その時に取り出した電流値および電圧値を測定して老化後耐久性として評価した。さらに、このときの色素増感太陽電池素子の状態を目視観察した。
得られた色素増感太陽電池素子の層構成を表2に、特性を表3に示す。
〔実施例2〕
上記<光透過性電極が積層された透明基板>に記載の銅メッシュ電極付き透明基板(A−3)を構成する、銅メッシュからなる光透過性電極の表面に、<酸化チタンペーストの調製>で製造した酸化チタンナノペースト(Ti−1)を、<アノード電極の製造>の(A−3−Cu−ST21)の記載にしたがって塗布し、乾燥させて透明基板の表面にアノード電極を形成した。
このアノード電極に<色素定着アノード電極の製造>の記載にしたがってルテニウム錯体を担持させて、ルテニウム錯体が担持された酸化チタン層とした。
こうしてルテニウム錯体が定着された光透過性電極付き透明基板のアノード電極の表面に<アノード電極用樹脂溶液の調製>で調製したアノード電極用樹脂溶液(D−1)をスプレーコーティングにより、乾燥厚さが10μmになるように塗布し、80℃で2分間乾燥させた。こうして形成されたアノード電極用樹脂層は、液状成分を実質的に含んでいないソリッドステート層であった。
次いで、得られた積層フィルムを1cm×1cmに切断して、フィルムの乾燥したアノード電極用樹脂層の表面に開口部が200メッシュの開口銅メッシュ電極を載置し、線圧2kg/cmの圧力で加圧接着したのち、40℃に調整されたオートクレーブを用いて5kgの圧力で30分かけて開口銅メッシュ電極をアノード電極用樹脂層に貼り合わせ処理を行い色素増感太陽電池素子を製造した。なお、開口銅メッシュ電極の表面に対向電極基板として厚さ80μmのPETフィルムを配置した。
上記のようにして得られた色素増感太陽電池素子を、アノード面から受光できるように配置して、受光面の7000Lxの光量の光が照射できるように白色蛍光灯を配置して、点灯し、その時に取り出した電流値および電圧値を測定して初期特性として評価した。
上記のようにして得られた色素増感太陽電池素子を、60℃、90%RHの条件下で100時間放置したのち、上記と同様に、色素増感太陽電池素子を、アノード面から受光できるように配置して、受光面の7000Lxの光量の光が照射できるように白色蛍光灯を配置して、点灯し、その時に取り出した電流値および電圧値を測定して老化後耐久性として評価した。さらに、このときの色素増感太陽電池素子の状態を目視観察した。
得られた色素増感太陽電池素子の層構成を表2に、特性を表3に示す。
〔実施例3〕
上記<光透過性電極が積層された透明基板>に記載のITO透明電極付き透明基板(A−4)を構成する、ITOからなる光透過性電極の表面に、<酸化チタンペーストの調製>で製造したPt担持酸化チタンナノペースト(Ti−2Pt)を、<アノード電極の製造>の(A−4−ITO−SR21−Pt)の記載にしたがって塗布し、乾燥させて透明基板の表面にアノード電極を形成した。
このアノード電極に<色素定着アノード電極の製造>の記載にしたがってルテニウム錯体を担持させて、ルテニウム錯体が担持された酸化チタン層とした。
こうしてルテニウム錯体が定着された光透過性電極付き透明基板のアノード電極の表面に<アノード電極用樹脂溶液の調製>で調製したアノード電極用樹脂溶液(D−1)をスプレーコーティングにより、乾燥厚さが10μmになるように塗布し、80℃で2分間乾燥させた。こうして形成されたアノード電極用樹脂層は、液状成分を実質的に含んでいないソリッドステート層であった。
次いで、得られた積層フィルムを1cm×1cmに切断して、フィルムの乾燥したアノード電極用樹脂層の表面に開口部が200メッシュの開口銅メッシュ電極を載置し、線圧2kg/cmの圧力で加圧接着したのち、40℃に調整されたオートクレーブを用いて5kgの圧力で30分かけて開口銅メッシュ電極をアノード電極用樹脂層に貼り合わせ処理を行い色素増感太陽電池素子を製造した。なお、開口銅メッシュ電極の表面に対向電極基板として厚さ80μmのPETフィルムを配置した。
上記のようにして得られた色素増感太陽電池素子を、アノード面から受光できるように配置して、受光面の7000Lxの光量の光が照射できるように白色蛍光灯を配置して、点灯し、その時に取り出した電流値および電圧値を測定して初期特性として評価した。
上記のようにして得られた色素増感太陽電池素子を、60℃、90%RHの条件下で100時間放置したのち、上記と同様に、色素増感太陽電池素子を、アノード面から受光できるように配置して、受光面の7000Lxの光量の光が照射できるように白色蛍光灯を配置して、点灯し、その時に取り出した電流値および電圧値を測定して老化後耐久性として評価した。さらに、このときの色素増感太陽電池素子の状態を目視観察した。
得られた色素増感太陽電池素子の層構成を表2に、特性を表3に示す。
〔実施例4〕
上記<光透過性電極が積層された透明基板>に記載のFTO透明電極付き透明基板(A−1)を構成する、ITOからなる光透過性電極の表面に、<酸化チタンペーストの調製>で製造した酸化チタンナノペースト(Ti−1)を、<アノード電極の製造>の(A−2−ITO−SR21)の記載にしたがって塗布し、乾燥させて透明基板の表面にアノード電極を形成した。
このアノード電極に<色素定着アノード電極の製造>の記載にしたがってルテニウム錯体を担持させて、ルテニウム錯体が担持された酸化チタン層とした。
こうしてルテニウム錯体が定着された光透過性電極付き透明基板のアノード電極の表面に<アノード電極用樹脂溶液の調製>で調製したアノード電極用樹脂溶液(D−1)をスプレーコーティングにより、乾燥厚さが10μmになるように塗布し、80℃で2分間乾燥させた。こうして形成されたアノード電極用樹脂層は、液状成分を実質的に含んでいないソリッドステート層であった。
次いで、得られた積層フィルムを1cm×1cmに切断して、フィルムの乾燥したアノード電極用樹脂層の表面に開口部が200メッシュの開口銅メッシュ電極を載置し、線圧2kg/cmの圧力で加圧接着したのち、40℃に調整されたオートクレーブを用いて5kgの圧力で30分かけて開口銅メッシュ電極をアノード電極用樹脂層に貼り合わせ処理を行い色素増感太陽電池素子を製造した。なお、開口銅メッシュ電極の表面に対向電極基板として厚さ80μmのPETフィルムを配置した。
上記のようにして得られた色素増感太陽電池素子を、アノード面から受光できるように配置して、受光面の7000Lxの光量の光が照射できるように白色蛍光灯を配置して、点灯し、その時に取り出した電流値および電圧値を測定して初期特性として評価した。
上記のようにして得られた色素増感太陽電池素子を、60℃、90%RHの条件下で100時間放置したのち、上記と同様に、色素増感太陽電池素子を、アノード面から受光できるように配置して、受光面の7000Lxの光量の光が照射できるように白色蛍光灯を配置して、点灯し、その時に取り出した電流値および電圧値を測定して老化後耐久性として評価した。さらに、このときの色素増感太陽電池素子の状態を目視観察した。
得られた色素増感太陽電池素子の層構成を表2に、特性を表3に示す。
〔比較例1〕
上記<光透過性電極が積層された透明基板>に記載のITO透明電極付き透明基板(A−2)を構成する、ITOからなる光透過性電極の表面に、<酸化チタンペーストの調製>で製造した酸化チタンナノペースト(Ti−1)を、<アノード電極の製造>の(A−2−ITO−SR21)の記載にしたがって塗布し、乾燥させて透明基板の表面にアノード電極を形成した。
このアノード電極に<色素定着アノード電極の製造>の記載にしたがってルテニウム錯体を担持させて、ルテニウム錯体が担持された酸化チタン層とした。
こうしてルテニウム錯体が定着された光透過性電極付き透明基板のアノード電極の表面に<アノード電極用樹脂溶液の調製>で調製したアノード電極用樹脂溶液(E−2)をスプレーコーティングにより、乾燥厚さが10μmになるように塗布し、80℃で2分間乾燥させた。こうして形成されたアノード電極用樹脂層は、ドープ状態のポリオクチルピロール(C−2)を含有するが、カウンターイオンは含有していない。
次いで、得られた積層フィルムを1cm×1cmに切断して、フィルムの乾燥したアノード電極用樹脂層の表面に開口部が200メッシュの開口銅メッシュ電極を載置し、線圧2kg/cmの圧力で加圧接着したのち、40℃に調整されたオートクレーブを用いて5kgの圧力で30分かけて開口銅メッシュ電極をアノード電極用樹脂層に貼り合わせ処理を行い色素増感太陽電池素子を製造した。なお、開口銅メッシュ電極の表面に対向電極基板として厚さ80μmのPETフィルムを配置した。
上記のようにして得られた色素増感太陽電池素子を、アノード面から受光できるように配置して、受光面の7000Lxの光量の光が照射できるように白色蛍光灯を配置して、点灯し、その時に取り出した電流値および電圧値を測定して初期特性として評価した。
上記のようにして得られた色素増感太陽電池素子を、60℃、90%RHの条件下で100時間放置したのち、上記と同様に、色素増感太陽電池素子を、アノード面から受光できるように配置して、受光面の7000Lxの光量の光が照射できるように白色蛍光灯を配置して、点灯し、その時に取り出した電流値および電圧値を測定して老化後耐久性として評価した。さらに、このときの色素増感太陽電池素子の状態を目視観察した。
得られた色素増感太陽電池素子の層構成を表2に、特性を表3に示す。
〔比較例2〕
上記<光透過性電極が積層された透明基板>に記載のITO透明電極付き透明基板(A−2)を構成する、ITOからなる光透過性電極の表面に、<酸化チタンペーストの調製>で製造した酸化チタンナノペースト(Ti−1)を、<アノード電極の製造>の(A−2−ITO−SR21)の記載にしたがって塗布し、乾燥させて透明基板の表面にアノード電極を形成した。
このアノード電極に<色素定着アノード電極の製造>の記載にしたがってルテニウム錯体を担持させて、ルテニウム錯体が担持された酸化チタン層とした。
こうしてルテニウム錯体が定着された光透過性電極付き透明基板のアノード電極の表面に<アノード電極用樹脂溶液の調製>で調製したアノード電極用樹脂溶液(E−1)をスプレーコーティングにより、乾燥厚さが10μmになるように塗布し、80℃で2分間乾燥させた。こうして形成されたアノード電極用樹脂層は、LiIとI2とを含有する液体含有層である。
次いで、得られた積層フィルムを1cm×1cmに切断して、フィルムの乾燥したアノード電極用樹脂層の表面に開口部が200メッシュの開口銅メッシュ電極を載置し、線圧2kg/cmの圧力で加圧接着したのち、40℃に調整されたオートクレーブを用いて5kgの圧力で30分かけて開口銅メッシュ電極をアノード電極用樹脂層に貼り合わせ処理を行い色素増感太陽電池素子を製造した。なお、開口銅メッシュ電極の表面に対向電極基板として厚さ80μmのPETフィルムを配置した。
上記のようにして得られた色素増感太陽電池素子を、アノード面から受光できるように配置して、受光面の7000Lxの光量の光が照射できるように白色蛍光灯を配置して、点灯し、その時に取り出した電流値および電圧値を測定して初期特性として評価した。
上記のようにして得られた色素増感太陽電池素子を、60℃、90%RHの条件下で100時間放置したのち、上記と同様に、色素増感太陽電池素子を、アノード面から受光できるように配置して、受光面の7000Lxの光量の光が照射できるように白色蛍光灯を配置して、点灯し、その時に取り出した電流値および電圧値を測定して老化後耐久性として評価した。さらに、このときの色素増感太陽電池素子の状態を目視観察した。
得られた色素増感太陽電池素子の層構成を表2に、特性を表3に示す。
Figure 2009013942
Figure 2009013942
上記表2および表3に示した事項から、導電性ポリマーのみでは酸化還元能力が低く充分な電流電圧値が得られない(比較例1参照)。また、LiI/I2のような低分子レドックス剤を添加した場合には、耐久試験後の特性が著しく低下し、かつ、チタニア面の滑落が発生した。また、LiI/I2を用いたレドックス反応の際に銅メッシュで形成した対向電極がヨウ素イオンにより溶解するため、この対向電極として銅メッシュ電極は使用できない。
〔実施例5〜13〕
実施例1において、実施例1で採用したアノード電極の構成をそのまま採用して、電解質ポリマー層の構成を表4に記載するように替えた以外は同様にして、色素増感太陽電池素子を製造した。なお、実施例11および実施例12では、添加化合物としてヨウ素を少量の水に溶解し電解質ポリマー層に加えたが、加えた水の量は非常に僅かであり、電解質ポリマー層はソリッドステート層として存在させることができた。
電解質ポリマー層の構成を表4に示すとともに、この色素増感太陽電池素子の特性を表5に記載する。
Figure 2009013942
Figure 2009013942
〔実施例14〕
(バッファー液A)
テトライソプロポキシチタン1gをイソプロピルアルコールにて20倍(重量比)に希釈して、酸化チタンのゾルゲル液からなるバッファー液Aを調製した。
(短絡防止用バッファー層付き透明基板(A−5))
FTO透明電極付き透明基板(A−1)を構成する、FTOからなる光透過性電極の表面に、上記バッファー液Aをスピンコート法にて塗工して、120℃で5分間乾燥した後、更に400℃で20分間加熱して、該光透過性電極上に短絡防止用バッファー層を形成した。短絡防止用バッファー層の平均膜厚は300nmであった。
実施例4において、FTO電極付き透明基板(A−1)を構成する光透過性電極上に酸化チタン層を形成したことに替えて、上記で得られた短絡防止用バッファー層付き透明基板(A−5)を用いて短絡防止用バッファー層上に酸化チタン層を形成したこと以外は実施例4と同様にして、色素増感太陽電池素子を製造した。
上記のようにして得られた色素増感太陽電池素子を、アノード面から受光できるように配置して、受光面の7000Lxの光量の光が照射できるように白色蛍光灯を配置して、点灯し、その時に取り出した電流値および電圧値を測定して初期特性として評価した。
上記のようにして得られた色素増感太陽電池素子を、60℃、90%RHの条件下で100時間放置したのち、上記と同様に、色素増感太陽電池素子を、アノード面から受光できるように配置して、受光面の7000Lxの光量の光が照射できるように白色蛍光灯を配置して、点灯し、その時に取り出した電流値および電圧値を測定して老化後耐久性として評価した。さらに、このときの色素増感太陽電池素子の状態を目視観察した。
得られた色素増感太陽電池素子の特性を表6に示す。
〔実施例15〕
(バッファー液B)
テトラブトキシチタン1gをイソプロピルアルコールにて20倍(重量比)に希釈した溶液に、四塩化チタン0.05gを添加して、酸化チタンのゾルゲル液からなるバッファー液Bを調製した。
(短絡防止用バッファー層付き透明基板(A−6))
銅メッシュ電極付き透明基板(A−3)を構成する、銅メッシュからなる光透過性電極の表面に、上記バッファー液Bをスプレーコート法にて表面塗工して、120℃で5分間乾燥した。前記表面塗布および乾燥を3回繰り返した後、更に120℃で10分間加熱し、前記光透過性電極上に短絡防止用バッファー層を形成した。短絡防止用バッファー層の平均膜厚は700nmであった。
実施例2において、銅メッシュ電極付き透明基板(A−3)を構成する光透過性電極上に酸化チタン層を形成したことに替えて、上記で得られた短絡防止用バッファー層付き透明基板(A−6)を用いて短絡防止用バッファー層上に酸化チタン層を形成したこと以外は実施例2と同様にして、色素増感太陽電池素子を製造した。
上記のようにして得られた色素増感太陽電池素子を、アノード面から受光できるように配置して、受光面の7000Lxの光量の光が照射できるように白色蛍光灯を配置して、点灯し、その時に取り出した電流値および電圧値を測定して初期特性として評価した。
上記のようにして得られた色素増感太陽電池素子を、60℃、90%RHの条件下で100時間放置したのち、上記と同様に、色素増感太陽電池素子を、アノード面から受光できるように配置して、受光面の7000Lxの光量の光が照射できるように白色蛍光灯を配置して、点灯し、その時に取り出した電流値および電圧値を測定して老化後耐久性として評価した。さらに、このときの色素増感太陽電池素子の状態を目視観察した。
得られた色素増感太陽電池素子の特性を表6に示す。
Figure 2009013942
本発明によれば、安定した起電力を有する色素増感太陽電池が安価に提供される。この色素増感太陽電池は、長期間使用しても、電解質ポリマー層が液状成分をほとんど含んでいないので、膨れ、剥離などが発生しにくく、さらにアノード電極である色素を担持した酸化チタン層の滑落が所持にくい。
また、電極として、銅などから形成されたメッシュ電極を使用することができる。

Claims (15)

  1. 透明基板、光透過性電極、色素を担持した金属酸化物層、電解質ポリマー層、対向電極および対向電極基板がこの順序で積層されてなり、
    該電解質ポリマー層が、ドーピング剤をドープした導電性ポリマー(A)および該ドーピング剤のドーパントイオン種と相互置換可能なイオン性化合物(B)を含有するソリッドステート層であることを特徴とする色素増感太陽電池。
  2. 上記ドービング剤が、スルホン酸基を有する化合物、アセチル基を有する化合物、カルボキシル基を有する化合物、ホウ酸基を有する化合物、リン酸基を有する化合物およびハロゲン化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種類のアクセプター型ドーピング剤であることを特徴とする請求項第1項記載の色素増感太陽電池。
  3. 上記導電性ポリマー(A)と共に電解質ポリマー層を構成するドーパントイオン種と相互置換可能なイオン性化合物(B)が、ルイス酸塩(b−1−1)を含有することを特徴とする請求項第1項記載の色素増感太陽電池。
  4. 上記導電性ポリマー(A)と共に電解質ポリマー層を構成するドーパントイオン種と相互置換可能なイオン性化合物(B)が、アルカリ金属塩(b−1−2)を含有することを特徴とする請求項第1項記載の色素増感太陽電池。
  5. 上記導電性ポリマー(A)と共に電解質ポリマー層を構成するドーパントイオン種と相互置換可能なイオン性化合物(B)が、金属キレート化合物(b−1−3)を含有することを特徴とする請求項第1項記載の色素増感太陽電池。
  6. 上記導電性ポリマー(A)と共に電解質ポリマー層を構成するドーパントイオン種と相互置換可能なイオン性化合物(B)が、下記の関係を満たすドーピング剤をドープした導電性ポリマー(b−2)を含有することを特徴とする請求項第1項記載の色素増感太陽電池。
    Figure 2009013942
  7. 上記導電性ポリマー(A)と共に電解質ポリマー層を構成するドーパントイオン種と相互置換可能なイオン性化合物(B)が、導電性ポリマー(A)とは異なる主鎖骨格を有する、ドーピング剤をドープした導電性ポリマー(b−3)を含有することを特徴とする請求項第1項記載の色素増感太陽電池。
  8. 上記導電性ポリマー(A)と共に電解質ポリマー層を構成するドーパントイオン種と相互置換可能なイオン性化合物(B)が、導電性ポリマー(A)にドープしているイオン種とは異なるイオン種を有するドーピング剤をドープした導電性ポリマー(b−4)を含有することを特徴とする請求項第1項記載の色素増感太陽電池。
  9. 上記導電性ポリマー(A)が、ポリアニリン、ポリピロールおよびポリチオフェンよりなる群から選ばれる少なくとも1種類のポリマーであることを特徴とする請求項第1項記載の色素増感太陽電池。
  10. 上記電解質ポリマー層が、上記導電性ポリマー(A)100重量部に対して10〜300重量部の量で熱可塑性樹脂を含有することを特徴とする請求項第1項記載の色素増感太陽電池。
  11. 上記電解質ポリマー層が、さらにフラーレン化合物を含有することを特徴とする請求項第1項または第10項記載の色素増感太陽電池。
  12. 上記透明基板および対向電極基板が、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリスルホン、ポリエーテルサルフォン(PES)およびポリシクロオレフィンよりなる群から選ばれる少なくとも1種類の高分子透明基板であることを特徴とする請求項第1項記載の色素増感太陽電池。
  13. 上記光透過性電極と色素を担持した金属酸化物層との間に、短絡防止用バッファー層が積層されていることを特徴とする請求項第1項記載の色素増感太陽電池。
  14. 上記光透過性電極および/または対向電極が、メッシュ状に形成された導電性金属からなることを特徴とする請求項第1項、第12項または第13項記載の色素増感太陽電池。
  15. 上記金属酸化物層が、金属酸化物表面に、白金および/または銀ナノコロイド粒子を定着させることにより形成されてなることを特徴とする請求項第1項記載の色素増感太陽電池。
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