JP2007227087A - 色素増感型光電変換素子 - Google Patents

色素増感型光電変換素子 Download PDF

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Abstract

【課題】色素増感型光電変換素子の電荷輸送層を、高いエネルギー変換効率を維持しながら、完全に固体化する。
【解決手段】色素増感された半導体粒子からなる多孔性の光電極層、電荷輸送層および対向電極層をこの順序で有する色素増感型光電変換素子において、電荷輸送層を、p型導電性ポリマーを1乃至50質量%、炭素材料を5乃至50質量%、およびイオン液体を20乃至90質量%含む固体混合物で構成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、色素増感型の光電変換素子に関する。
近年、太陽エネルギーを電力に変換する光電変換素子として、固体のpn接合型太陽電池が活発に研究されている。固体接合型太陽電池は、シリコン結晶やアモルファスシリコン薄膜、非シリコン系の化合物半導体の多層薄膜を用いる。
しかし、固体接合型太陽電池は、高温もしくは真空下で製造する必要がある。そのため、固体接合型太陽電池の製造には、プラントのコストが高くなり、エネルギーペイバックタイムが長くなるとの欠点がある。
次世代の太陽電池として、低温でより低コストで製造が可能な有機太陽電池の開発が期待されている。有機太陽電池では、大気中で低コストの量産が可能な色素増感型太陽電池が特に注目されている。特許文献1は、色素増感型太陽電池について、色素増感された多孔質半導体膜を用いる高効率の光電変換方法を提案している。
色素増感型太陽電池は、固体接合型太陽電池における固体(半導体)−固体(半導体)接合の代りに、固体(半導体)−液体(電解液)接合を採用する湿式太陽電池である。色素増感型太陽電池は、エネルギー変換効率が11%という高い値まで達しており、電気エネルギーの供給源として有望である。
しかしながら、湿式である色素増感太陽電池は、流動性の液体電解液を電荷輸送層(イオン導電層)に用いている。そのため、従来の固体接合型太陽電池に比べて、保存時の耐久性が低く、構造劣化(例えば、電解液の漏出、色素の液体への溶出、半導体膜の剥離)が起こりやすいとの問題を有している。
耐久性の問題を解決するために、電解液を固体状にする方法あるいは電解液に代えて固体状の電解質を用いる方法が提案されている。特許文献2は、p型導電性ポリマー(例、ポリピロール)を添加して電解液をゲル化する方法を開示している。また、特許文献3は、電解液に代えて、カップスタック型カーボンナノチューブとイオン液体とのゲル状混合物を用いる方法を開示している。カーボンナノチューブがイオン液体を吸収することによって、混合物全体がゲル化する。さらに、非特許文献1は、電解液に代えて、n型導電性ポリマーであるポリビニルカルバゾールを用いる方法を開示している。
米国特許4927721号明細書 特開2003−142168号公報 特開2005−93075号公報 「ケミカル・コミュニケーションズ(Chemical Communications)」, 1886頁〜1888頁(2005年)
ポリマーを添加して電解液を固体状にする方法は、電荷輸送層の内部抵抗が高くなり、エネルギー変換の効率が(例えば、3%以下まで)低下するという問題がある。一方、電解液に代えて、イオン液体を用いて、これを固体状にする方法は、充分に固体状にならず(粘度が充分に上昇せず、言い換えると流動性が充分に低下せず)、耐久性が充分に改善されないという問題がある。
本発明の目的は、色素増感型光電変換素子の電荷輸送層を、高いエネルギー変換効率を維持しながら、完全に固体状態にすることである。
本発明は、色素増感された半導体粒子からなる多孔性の光電極層、電荷輸送層および対向電極層をこの順序で有する色素増感型光電変換素子であって、電荷輸送層が、p型導電性ポリマーを1乃至50質量%、炭素材料を5乃至50質量%、およびイオン液体を20乃至85質量%含む固体状の混合物からなることを特徴とする色素増感型光電変換素子を提供する。
本発明は、下記(1)〜(26)の態様で実施できる。
(1)p型導電性ポリマーが、10−7S/cm−1以上の導電率を有する。
(2)p型導電性ポリマーが、1万乃至200万の数平均分子量を有する。
(3)p型導電性ポリマーが、ポリアニリン、ポリアセチレン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリフェニレンおよびポリフェニレンビニレンからなる群より選ばれるポリマーである。
(4)p型導電性ポリマーが、ポリアニリン、ポリピロールおよびポリチオフェンからなる群より選ばれるポリマーである。
(5)p型導電性ポリマーが、アニオンをドープしたポリマーである。
(6)上記(5)のアニオンがスルホン酸イオンである。
(7)上記(5)のアニオンがアニオン性界面活性剤である。
(8)炭素材料が、その一次粒子の平均粒径が2nm乃至500nmである粒子の形状を有する。
(9)炭素材料が、カーボンブラックまたは黒鉛である。
(10)炭素材料が、カーボンブラックである。
(11)カーボンブラックが、アセチレンブラック、ケッチェンブラックまたはファーネスブラックである。
(12)イオン液体が常温で液状の塩からなる。
(13)上記(12)の塩が、カチオンとしてアルキルイミダゾリウムイオンを有する。
(14)上記(13)の塩が、アニオンとしてヨウ素イオンを有する。
(15)上記(14)において、イオン液体中のヨウ素含有量が0.2質量%未満である。
(16)多孔性の光電極層が、イオン液体を含有する。
(17)上記(16)において、イオン液体が、多孔性の光電極層が有する空孔の20体積%以上に充填されている。
(18)固体状の混合物が、100000mPs以上の粘度を有する。
(19)光電極層が基板上に設けられており、基板が、屈曲性がある金属箔または透明導電膜を被覆した透明で屈曲性があるプラスチックフィルムからなる。
(20)上記(19)のプラスチックフィルムがポリエチレンナフタレートからなる。
(21)上記(19)の透明導電膜が、酸化亜鉛を含む。
(22)光電極層の半導体粒子が、二酸化チタンまたは酸化亜鉛からなる。
(23)対向電極層が基板上に設けられており、基板が、屈曲性がある金属箔または透明導電膜を被覆した透明で屈曲性があるプラスチックフィルムからなる。
(24)上記(23)のプラスチックフィルムがポリエチレンナフタレートからなる。
(25)対向電極層が白金以外の導電性材料からなる。
(26)対向電極層がチタンを含む金属からなる。
本発明者の研究の結果、電解液に代えて、p型導電性ポリマー、炭素材料およびイオン液体の固体状の混合物を使用し、電荷輸送層を固体化できることが判明した。p型導電性ポリマーと炭素材料とを併用することにより、イオン液体を多量に(全体の20〜90質量%)含む混合物であっても、充分に固体状になっている電荷輸送層を構成することができる。また、固体状の混合物は、導電性に関して、p型導電性ポリマーの正孔輸送性、炭素材料の電子伝導性およびイオン液体のイオン伝導性を併せ持っている。従って、本発明に従う電荷輸送層は、内部抵抗が低いとの特徴がある。
以上の結果、本発明に従い得られる色素増感型光電変換素子は、色素増感太陽電池の特徴である高いエネルギー変換効率を維持しながら、従来の液状電荷輸送層における耐久性に関する問題を解決することができる。
図1は、本発明に従う色素増感型光電変換素子の構造例を示す断面図である。
色素増感型光電変換素子は、対向電極層1、電荷輸送層2および光電極層3〜5をこの順序で有する積層構造からなる。
本発明において、電荷輸送層2は、p型導電性ポリマー、炭素材料およびイオン液体の固体状の混合物からなる。
光電極層は、色素増感された半導体粒子からなる多孔性層(色素増感多孔質半導体粒子層)3と透明導電性基板(光電極基板)5からなる。図1に示す色素増感型光電変換素子では、色素増感多孔質半導体粒子層3の多孔膜内(空孔)が、電荷輸送層2を構成しているイオン液体4により充填されている。
以下、光電極層、電荷輸送層、そして、対向電極層の順序で説明する。
(光電極層)
光電極層は、透明導電性基板(光電極基板)および色素増感多孔質半導体粒子層からなることが好ましい。
透明導電性基板は、透明基板上に透明導電層を有する。
透明基板は、ガラス板またはプラスチックフィルムが好ましい。ガラス板よりも、屈曲性があるプラスチックフィルムの方が好ましい。基板に用いるプラスチック材料は、無着色で透明性が高く、耐熱性が高く、耐薬品性ならびにガス遮断性に優れ、かつ低コストが求められる。プラスチック材料の例は、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、シンジオタクチックポリスチレン(SPS)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリカーボネート(PC)、ポリアリレート(PAr)、ポリスルホン(PSF)、ポリエステルスルホン(PES)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリイミド(PI)を含む。ポリエチレンテレフタレート(PET)およびポリエチレンナフタレート(PEN)は、化学的に安定であり、かつ入手が容易であるため、好ましく、ポリエチレンナフタレート(PEN)が最も好ましい。
透明導電層は、金属(例、白金、金、銀、銅、アルミニウム、インジウム)、炭素、導電性金属酸化物(例、酸化スズ、酸化亜鉛)または複合金属酸化物(例、インジウム−スズ酸化物、インジウム−亜鉛酸化物)から形成できる。導電性金属酸化物が高い光学的透明性を有するため好ましい。インジウム−スズ酸化物(ITO)、酸化亜鉛およびインジウム−亜鉛酸化物(IZO)がさらに好ましい。インジウム−亜鉛酸化物(IZO)が耐熱性と化学安定性に優れ、最も好ましい。
透明導電層は、低い表面抵抗値を有する必要がある。具体的な表面抵抗値は10Ω/□以下が好ましく、3Ω/□以下がさらに好ましく、1Ω/□以下が最も好ましい。透明導電層には、集電のための補助リードを配置させることができる。補助リードは、例えば、パターニングにより配置できる。補助リードは、低抵抗の金属材料(例、銅、銀、アルミニウム、白金、金、チタン、ニッケル)より形成される。補助リードがパターニングされた透明導電層において、補助リードを含めた表面の抵抗値は、1Ω/□以下に制御することが好ましい。透明基板に蒸着またはスパッタリングで補助リードのパターンを形成し、その上に透明導電層を設けることが好ましい。
色素増感多孔質半導体粒子層は、ナノサイズの細孔が内部に網目状に形成された、いわゆるメソポーラスな半導体膜からなっている。多孔質半導体粒子層を形成する半導体材料として、金属酸化物および金属カルコゲニドを使用することが好ましい。
金属酸化物および金属カルコゲニドを構成する金属元素の例は、チタン、スズ、亜鉛、鉄、タングステン、ジルコニウム、ストロンチウム、インジウム、セリウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、カドミウム、鉛、アンチモン、ビスマスを含む。
半導体材料は、n型の無機半導体が好ましい。n型の無機半導体の例は、TiO、TiSrO、ZnO、Nb、SnO、WO、Si、CdS、CdSe、V、ZnS、ZnSe、SnSe、KTaO、FeSおよびPbSを含む。TiO、ZnO、SnO、WOおよびNbが好ましく、チタン酸化物、亜鉛酸化物、スズ酸化物およびこれらの複合体がさらに好ましく、二酸化チタンが最も好ましい。半導体の一次粒子は、平均粒径が2nm以上、50nm以下であることが好ましく、2nm以上3.0nm以下であることがさらに好ましい。
多孔質半導体粒子層は、色素によって増感されている。従って、光電極層は、色素を多孔性膜の表面に吸着分子としてもつ。色素増感多孔質半導体粒子層において、層内を空孔が占める体積分率で示される空孔率は、50%以上85%以下であることが好ましく、65%以上85%以下であることがさらに好ましい。
多孔質半導体粒子層は、2種類以上の微粒子群を含むことができる。2種類以上の微粒子群は、例えば、粒径分布が異なることができる。粒径分布が異なる2種類以上の微粒子群を含む場合、最も小さい粒子群の平均サイズは20nm以下が好ましい。この超微粒子群に対して、平均粒径が200nmを越える比較的大きな粒子群を5乃至30質量%の割合で添加することが好ましい。大きな粒子群は、光吸収を高める目的で用いられる。
光電極層は、透明導電性基板(透明基板および透明導電層)および色素増感多孔質半導体粒子層からなり、透明導電層は実質的に無機酸化物のみから構成され、色素増感多孔質半導体粒子層は実質的に半導体と色素のみから構成されていることが好ましい。具体的には、透明導電層および色素増感多孔質半導体粒子層から、無機酸化物、半導体および色素を除いた固形分の質量が、透明導電層および色素増感多孔質半導体粒子層の全質量に占める割合は、3%未満が好ましく、1%未満がさらに好ましい。
色素増感された多孔質半導体粒子層を担持した透明導電性プラスチック電極を光電極として用いる場合、光電極はプラスチックの耐熱性の範囲内である低温条件下(例えば200℃以下、好ましくは150℃以下)で半導体膜を形成する低温製膜の技術により作製できる。低温製膜は、例えばプレス法、水熱分解法、泳動電着法、バインダーフリーコーティング法によって行うことができる。バインダーフリーコーティング法は、ポリマーのようなバインダー材料を用いずに、粒子分散液をコーティングして作製する方法である。
簡便な製造工程の観点から、バインダーフリーコーティング法が特に好ましい。バインダーフリーコーティング法は、コーティング剤として用いる半導体粒子分散ペーストが、半導体材料の結合のために添加される無機または有機のバインダーを実質的にほとんど含まないことを特徴とする。バインダーを実質的にほとんど含まないことは、ペーストの組成において、半導体を除く固形分でありバインダー材料を含める固形分が、半導体の全量に対して占める含量が1%以下であることを意味する。
バインダーフリーコーティング法では、半導体粒子分散ペーストをプラスチック基板にコーティングした後、150℃乃至200℃の条件で加熱し乾燥することによって、多孔質半導体粒子層を形成することができる。
多孔質半導体の増感に用いる色素は、電気化学の分野で色素分子を用いる半導体電極の分光増感にこれまで用いられてきた各種の有機系、金属錯体系の増感材料と同様の色素を用いることができる。増感色素は、有機色素(例、シアニン色素、メロシアニン色素、オキソノール色素、キサンテン色素、スクワリリウム色素、ポリメチン色素、クマリン色素、リボフラビン色素、ペリレン色素)および金属錯体色素(例、フタロシアニン錯体、ポルフィリン錯体)を含む。金属錯体色素を構成する金属の例は、ルテニウムおよびマグネシウムを含む。クマリン色素のような有機色素は、「機能材料」,2003年,6月号,P5−18、および「ジャーナル・オブ・ケミカル・フィジクス(J.Chem.Phys.)」,2003年,B第107巻,P597に記載がある。
(電荷輸送層)
電荷輸送層は、p型導電性ポリマー、炭素材料およびイオン液体の固体状の混合物からなる。従って、電荷輸送層を固体層として構成できる。電荷輸送層と共に光電変換素子を構成する光電極層および対向電極層は、いずれも固体層であるから、本発明に従うと、光電変換素子全体を固体素子として構成できる。
なお、固体状とは、(液体でなく)固体として分類できる程度まで、高い粘度(言い換えると低い流動性)を有することを意味する。具体的に、固体状の混合物または形成される電荷輸送層が固体状であるとは、それらが100000mPs以上の粘度を有する (粘度が測定不能な程度まで硬い場合を含む)ことを意味する。
電荷輸送層は、光電極層を構成する色素によって増感された多孔質半導体粒子層と物理的に接し、多孔質半導体粒子層上に積層されている。
本発明に従いp型導電性ポリマー、炭素材料およびイオン液体の固体状の混合物から構成した固体電荷輸送層は、室温で自在に変形および加工が可能である。本発明に従う電荷輸送層は、高い導電性およびせん断性を持つ複合材料でもある。また、本発明に従う電荷輸送層は、導電性に関して、p型導電性ポリマーの正孔輸送性、炭素材料の電子伝導性およびイオン液体のイオン伝導性を併せ持つことも特徴である。
p型導電性ポリマーは、正孔輸送性をもつことで知られる各種の有機高分子を用いることができる。p型導電性ポリマーの例は、ポリアニリン、ポリアセチレン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリフェニレン、ポリフェニレンビニレンおよびそれらの誘導体を含む。p型導電性ポリマーは、ポリアニリン、ポリピロールまたはポリチオフェンであることが好ましい。p型導電性ポリマーは、“Handbook of Organic Conductive Molecules and Polymers Vol.1〜4”(NALWA著、WILEY出版)にも記載がある。
導電性ポリマーの一部をアニオン(例、スルホン酸イオン)でドープして、p−ドープ型として用いることができる。p型導電性ポリマーの調製に用いるドーパントとして、アニオン界面活性剤(例、ベンゼンスルホン酸誘導体、ナフタレンスルホン酸誘導体)が有効である。p−ドープ型導電性ポリマーの例は、スルホン酸やスルホン酸塩をドープしたポリアニリン、各種アニオンをドープしたポリピロールを含む。p型導電性ポリマーは、p−ドープ型導電性ポリマーであることが特に好ましい。
p型導電性ポリマーは、10−7S/cm−1以上の導電率を有することが好ましい。p型導電性ポリマーは、1万乃至200万の数平均分子量を有することが好ましい。
電荷輸送層を構成する固体状の混合物は、p型導電性ポリマーを1乃至50質量%含む。固体状の混合物は、p型導電性ポリマーを1.5乃至40質量%含むことが好ましく、2乃至30質量%含むことがさらに好ましい。
炭素材料の形状は、粒子状、鱗片状、繊維状、チューブ状、分子状のいずれでもよい。粒子状あるいは燐片状の炭素材料の例は、黒鉛(グラファイト)、カーボンブラック、活性炭を含む。チューブ状炭素材料は、ナノサイズの細孔を有するメソポーラスな炭素材料(細孔径2nm以上50nm以下)、ミクロポーラスな炭素材料(細孔径2nm以下)、マクロポーラスな炭素材料(細孔径50nm以上)を含む。分子状炭素材料の例は、フラーレンを含む。粒子状(細孔がない)またはチューブ状(細孔がある)炭素材料が好ましく、粒子状の炭素材料がさらに好ましい。
粒子状の炭素材料は、その一次粒子の平均粒径が2nm乃至500nmであることが好ましい。
電子伝導性(導電性)が高い炭素材料が好ましい。導電性を考慮すると、カーボンブラック、黒鉛またはナノチューブが好ましく、カーボンブラックまたは黒鉛がさらに好ましく、カーボンブラックが最も好ましい。カーボンブラックの例は、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ケッチェンブラック、ファーネスブラックを含む。アセチレンブラック、ケッチェンブラックおよびファーネスブラック(例、ISAF、HAF、FEF、SRF)が好ましい。
二種類以上の炭素材料を併用してもよい。二種類以上の炭素材料からなる複合材料を用いてもよい。
電荷輸送層を構成する固体状の混合物は、炭素材料を5乃至50質量%含む。固体状の混合物は、炭素材料を7乃至40質量%含むことが好ましく、10乃至30質量%含むことがさらに好ましい。
イオン液体は、常温(25℃付近)で液状の室温溶融塩であることが好ましい。イオン液体は低粘度であることが好ましい。
塩のカチオンは、イミダゾリウムイオン、ピリジニウムイオン、トリアゾリウムイオンおよびそれらの誘導体が好ましい。ピリジニウム塩、イミダゾリウム塩またはトリアゾリウム塩からなる電解質については、国際公開第95/18456号パンフレット、特開平8−259543号公報、および電気化学,第65巻,11号,923頁(1997年)に記載がある。イミダゾリウムイオンおよびその誘導体が好ましく、アルキルイミダゾリウムイオン(例、ジメチルイミダゾリウム、メチルプロピルイミダゾリウム、メチルブチルイミダゾリウム、メチルヘキシルイミダゾリウム)がさらに好ましい。
塩のアニオンは、ハロゲンイオンが好ましく、ヨウ素イオンが特に好ましい。
イオン液体(室温溶融塩)については、特開2001−196105号、特開2001−199961号、特開2002−190323号の各公報、および機能材料、2004年、11月号、7〜68頁にも記載がある。
イオン液体に、酸化還元剤を添加することができる。酸化還元剤の例は、ハロゲンとハロゲン化物との組み合わせ(例えば、ヨウ素とヨウ化物との組み合わせ、臭素と臭化物との組み合わせ)、第一鉄化合物(またはイオン)と第二鉄化合物(またはイオン)との組み合わせ(例、フェロシアン酸塩−フェリシアン酸塩、フェロセン−フェリシニウムイオン)および硫黄化合物(例、ポリ硫化ナトリウム、アルキルチオール−アルキルジスルフィド)を含む。ハロゲンとハロゲン化物との組み合わせが好ましく、ヨウ素とヨウ化物との組み合わせまたは臭素と臭化物との組み合わせがさらに好ましく、ヨウ素とヨウ化物との組み合わせが最も好ましい。
ヨウ化物の例は、金属ヨウ化物(例、LiI、NaI、KI)および第四級アンモニウムヨウ化物(例、テトラアルキルアンモニウムヨーダイド、ピリジニウムヨーダイド、イミダゾリウムヨーダイド)を含む。臭化物の例は、金属臭化物(例、LiBr、NaBr、KBr)および第四級アンモニウム臭化物(例、テトラアルキルアンモニウムブロマイド、ピリジニウムブロマイド)を含む。
なお、イオン液体中のヨウ素含有量は、0.2質量%未満であることが好ましく、0.1質量%未満であることがさらに好ましい。ヨウ素をイオン液体の成分として実質的に含まないことが特に好ましい。
多孔性の光電極層は、その多孔構造中の空孔がイオン液体によって充填されていることが好ましい。具体的には、多孔性の光電極層が有する空孔の20体積%以上が、イオン液体により充填されていることが好ましい。空孔内を満たすイオン液体は、アルカリイミダゾリウムのヨウ化物であることが特に好ましい。
イオン液体に、p型導電性ポリマー以外のポリマー(例、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン)やオイルゲル化剤を添加し、イオン液体をゲル化してもよい。イオン液体中で、ポリマーを架橋し、さらにゲル化を進行させることもできる。オイルゲル化剤は、分子構造中にアミド構造を有する化合物が好ましい。オイルゲル化剤で電解液をゲル化した例は、特開平11−185863号公報に記載がある。オイルゲル化剤で溶融塩電解質をゲル化した例は、特開2000−58140号公報に記載がある。
電荷輸送層を構成する固体状の混合物は、イオン液体を20乃至85質量%含む。固体状の混合物は、イオン液体を30乃至85質量%含むことが好ましく、40乃至80質量%含むことがさらに好ましい。
電荷輸送層を構成する固体状の混合物は、有機溶媒を含むことができる。有機溶媒の例は、カーボネート(例、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート)、一価アルコール(例、エチレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコールモノアルキルエーテル、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールモノアルキルエーテル)、多価アルコール(例、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン)、エーテル(例、ジオキサン、エチレングリコールジアルキルエーテル、プロピレングリコールジアルキルエーテル、ポリエチレングリコールジアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールジアルキルエーテル)、ラクトン(例、γ‐ブチロラクトン、α‐メチル‐γ‐ブチロラクトン、β‐メチル‐γ‐ブチロラクトン、γ‐バレロラクトン、3‐メチル‐γ‐バレロラクトン)、ニトリル(例、メトキシアセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル、3−メトキシプロピオニトリル)、スルホキシド(例、ジメチルスルホキシド)、スルホン(例、スルホラン)を含む。有機溶媒の沸点は、200℃以上であることが好ましい。
(対向電極層)
対向電極層は、電荷輸送層と物理的に接している。対向電極層は、基板および導電層からなることが好ましい。
導電層は、金属(例、白金、金、銀、銅、アルミニウム、マグネシウム、インジウム)、金属酸化物(例、インジウム−スズ複合酸化物(ITO)、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)、酸化亜鉛、インジウム−亜鉛複合酸化物(IZO))または導電性ポリマーから構成できる。金属酸化物が好ましく、インジウム−亜鉛複合酸化物(IZO)が特に好ましい。
対向電極層の基板は、光電極層の基板と同様に、フレキシブルな材料からなることが好ましい。基板は、プラスチックフィルムであることがさらに好ましい。基板に用いるプラスチック材料は、無着色で、透明性が高く、耐熱性が高く、耐薬品性ならびにガス遮断性に優れ、低コストであることが好ましい。プラスチック材料は、ポリエチレンナフタレート(PEN)が特に好ましい。
[実施例1]
(1)酸化チタン半導体多孔膜からなる色素増感光電極の作製
透明導電性プラスチックフィルムとして、IZOを透明導電膜として担持した、厚みが200μm、表面抵抗が10Ω/□のポリエチレンナフタレート(PEN)フィルム(IZO−PEN)を用いた。
ルチル、アナターゼ混合型の結晶性の二酸化チタンナノ粒子(平均粒径60nm)30gと分子量200万のポリエチレングリコール0.2gをt‐ブタノール100mlに分散した。平均粒径15nmの二酸化チタン粒子が水に分散された酸性のゾル液(二酸化チタン濃度8質量%)100mlを、分散液に添加した。得られた混合分散液を自転/公転併用式のミキシングコンディショナーを使って均一に混合し、粘性のペーストを調製した。ペースト中の固形分に占める酸化チタンの含率は99.4質量%であった。得られたチタニアペーストを、IZO−PENフィルムのIZO面にドクターブレード法によって塗布し、室温で乾燥後に150℃で5分乾燥し、多孔性の酸化チタン半導体膜が被覆されたIZO−PENフィルム(多孔性半導体フィルム電極基板)を得た。
波長400〜800nmに光学吸収をもつRu錯体色素を、アセトニトリル:t‐ブタノール(1:1)の混合溶媒に濃度3×10−4モル/リットル溶解した。得られた色素溶液に上記の多孔性半導体フィルム電極基板を浸漬して、撹拌下40℃で60分放置して、色素吸着を完了し、色素増感IZO−PENフィルム電極を作製した。
(2)電荷輸送層の形成
ポリアニリン(数平均分子量:約30万)のエメラルディン塩を、ヘキサフルオロ−2−プロパノールに溶解し、これに導電性を付与するドーパントとしてドデシルベンゼンスルホン酸を添加した。このポリマー溶液に、アセチレンブラックを加えて、ポリアニリン(p型導電性ポリマー)とアセチレンブラック(炭素材料)が質量比1:1で含まれる分散物を調製した。分散物に20分間超音波をかけてよく混合したのち、得られた混合物1gに、ヨウ化エチルメチルイミダゾリウム(イオン液体)を2g混合し、メノウ乳鉢中で混錬して粘土状の導電性固形物を調製した。この固形物は400000mPsを超える高い粘度を与えた。
得られた導電性固形物の80mgを、色素増感IZO−PENフィルム電極の多孔性酸化チタン膜の表面1cmに密着させ、プレス機を使って多孔性酸化チタン膜の厚み方向にプレスした。この操作によって、厚さがおよそ50μmの電荷輸送層が多孔性酸化チタン膜の上に直接に積層された。
(3)対向電極層の作製
厚さ200μmのPENフィルムの表面に、真空スパッタリング法によって金属チタンの薄膜を厚さ100nmで被覆して、対向電極層を作製した。このチタン薄膜の表面抵抗は5Ω/□であった。
(4)固体型色素増感光電変換素子の作製
多孔性酸化チタン膜上に設けた電荷輸送層の表面に、上記の対向電極層のチタン導電面を乗せて、プレス機を使って圧着させた。このようにしてサンドイッチ型の厚さが約500μm、有効受光面積が1cmであるフレキシブルなフィルム状固体型色素増感光電変換素子を作製した。
(5)光電変換特性の評価
500Wのキセノンランプを装着した擬似太陽光源(シミュレーター)を用いて、光電変換素子に対し、入射光強度が100mW/cmのAM1.5模擬太陽光を、色素増感半導体フィルム電極側から照射した。光電変換素子は恒温装置のステージ上に密着して固定し、照射中の素子の温度を30℃に制御した。電流電圧測定装置(ケースレー製ソースメータ2400型)を用いて、素子に印加するDC電圧を10mV/秒の定速でスキャンし、素子の出力する光電流密度を計測することにより、光電流−電圧特性を測定した。これにより光電変換素子の光電流密度(Jsc)、開放回路起電力(Voc)、フィルファクター(FF)、エネルギー変換効率を求めた。
結果を第1表に示す。
[実施例2]
ポリアニリン:アセチレンブラック:ヨウ化エチルメチルイミダゾリウムの質量比を1:5:10に変更した以外は、実施例1と同様にして、光電変換素子を作製して評価した。結果を第1表に示す。
[実施例3]
ポリアニリン:アセチレンブラック:ヨウ化エチルメチルイミダゾリウムの質量比を1:5:30に変更した以外は、実施例1と同様にして、光電変換素子を作製して評価した。結果を第1表に示す。
[実施例4]
ポリアニリンに代えて、電解重合法によって合成したアニオンドープ型のポリピロール(数平均分子量:約120000)を用いた以外は、実施例2と同様にして、光電変換素子を作製して評価した。結果を第1表に示す。
[実施例5]
ポリアニリンに代えて、電解重合法によって合成したアニオンドープ型のポリチオフェン(数平均分子量:約150000)を用いた以外は、実施例2と同様にして、光電変換素子を作製して評価した。結果を第1表に示す。
[比較例1]
ポリアニリンを使用せず、アセチレンブラックおよびヨウ化エチルメチルイミダゾリウムのみを用いた以外は、実施例1と同様にして、光電変換素子を作製して評価した。結果を第1表に示す。
[比較例2]
ポリアニリンに代えて、導電性のないポリマーであるポリフッ化ビニリデン(PVDF)を用いた以外は、実施例2と同様にして、光電変換素子を作製して評価した。結果を第1表に示す。
第1表(その1)
────────────────────────────────────────
光電変換 固体状の混合物の組成
素子 ポリマー:炭素材料:イオン液体=質量組成比
────────────────────────────────────────
実施例1 ポリアニリン:アセチレンブラック:IL=5:5:10
実施例2 ポリアニリン:アセチレンブラック:IL=1:5:10
実施例3 ポリアニリン:アセチレンブラック:IL=1:5:30
実施例4 ポリピロール:アセチレンブラック:IL=1:5:10
実施例5 ポリチオフェン:アセチレンブラック:IL=1:5:10
比較例1 なし:アセチレンブラック:IL=0:5:10
比較例2 ポリフッ化ビニリデン:アセチレンブラック:IL=1:5:10
────────────────────────────────────────
(註)
IL:ヨウ化エチルメチルイミダゾリウム
第1表(その2)
────────────────────────────────────────
光電変換 連絡光電流密度 開回路起電力 フィルファクター エネルギー
素子 (Jsc) (Voc) (FF) 変換効率
────────────────────────────────────────
実施例1 11.0mA/cm 0.58V 0.65 4.1%
実施例2 12.0mA/cm 0.58V 0.65 4.5%
実施例3 11.5mA/cm 0.58V 0.65 4.3%
実施例4 10.0mA/cm 0.57V 0.62 3.5%
実施例5 9.5mA/cm 0.55V 0.60 3.1%
比較例1 7.5mA/cm 0.55V 0.41 1.7%
比較例2 5.0mA/cm 0.55V 0.40 1.1%
────────────────────────────────────────
第1表に示される結果から明らかなように、炭素材料とイオン液体の複合物(比較例1)では、光電変換は可能であるが光電流とフィルファクターが低く、充分な変換効率が得られない。
導電性をもたないポリマーをバインダー(結合剤)として添加した固体の電荷輸送層を用いる光電変換素子(比較例2)では、光電変換は可能であるが光電流とフィルファクターが著しく低く、充分な変換効率が得られない。
本発明に従ってp型導電性ポリマー、炭素材料、イオン液体を混合して作製した固体の電荷輸送層を用いる光電変換素子では、良好な光電変換が得られ、4%を超える変換効率を得ることも可能である。
本発明に従うと、揮発性の液体電解液を用いることなく、耐久性と寿命において優れ、高いエネルギー変換効率を持つフィルム状の固体型の光電変換素子が得られる。
本発明に従う色素増感型光電変換素子の構造例を示す断面図である。
符号の説明
1 対向電極層
2 電荷輸送層
3 色素増感された半導体粒子からなる多孔性層(色素増感多孔質半導体粒子層)
4 イオン液体
5 透明導電性基板(光電極基板)

Claims (11)

  1. 色素増感された半導体粒子からなる多孔性の光電極層、電荷輸送層および対向電極層をこの順序で有する色素増感型光電変換素子であって、電荷輸送層が、p型導電性ポリマーを1乃至50質量%、炭素材料を5乃至50質量%、およびイオン液体を20乃至85質量%含む固体状の混合物からなることを特徴とする色素増感型光電変換素子。
  2. p型導電性ポリマーが、10−7S/cm−1以上の導電率を有する請求項1に記載の色素増感型光電変換素子。
  3. p型導電性ポリマーが、1万乃至200万の数平均分子量を有する請求項1に記載の色素増感型光電変換素子。
  4. p型導電性ポリマーが、ポリアニリン、ポリアセチレン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリフェニレンおよびポリフェニレンビニレンからなる群より選ばれるポリマーである請求項1に記載の色素増感型光電変換素子。
  5. p型導電性ポリマーが、アニオンをドープしたポリマーである請求項1に記載の色素増感型光電変換素子。
  6. 炭素材料が、その一次粒子の平均粒径が2nm乃至500nmである粒子の形状を有する請求項1に記載の色素増感型光電変換素子。
  7. 炭素材料が、カーボンブラックまたは黒鉛である請求項1に記載の色素増感型光電変換素子。
  8. イオン液体が常温で液状の塩からなる請求項1に記載の色素増感型光電変換素子。
  9. 多孔性の光電極層が、イオン液体を含有する請求項1に記載の色素増感型光電変換素子。
  10. イオン液体が、多孔性の光電極層が有する空孔の20体積%以上に充填されている請求項9に記載の色素増感型光電変換素子。
  11. 固体状の混合物が、100000mPs以上の粘度を有する請求項1に記載の色素増感型光電変換素子。
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