JP4755882B2 - 色素増感型太陽電池ブラインド - Google Patents
色素増感型太陽電池ブラインド Download PDFInfo
- Publication number
- JP4755882B2 JP4755882B2 JP2005308928A JP2005308928A JP4755882B2 JP 4755882 B2 JP4755882 B2 JP 4755882B2 JP 2005308928 A JP2005308928 A JP 2005308928A JP 2005308928 A JP2005308928 A JP 2005308928A JP 4755882 B2 JP4755882 B2 JP 4755882B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- dye
- solar cell
- sensitized solar
- sensitized
- layer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E10/00—Energy generation through renewable energy sources
- Y02E10/50—Photovoltaic [PV] energy
- Y02E10/542—Dye sensitized solar cells
Description
特許文献1の図2(d)には、長尺状の固体接合型太陽電池ユニットセルの長辺がブラインドの羽根板の短辺と平行になり、太陽電池ユニットセルの長辺が互いに平行になるように配置され、電気的に直列に結線されている長尺状の太陽電池モジュールが開示されている。図2(d)におけるブラインドの羽根板では、複数の長尺状の太陽電池モジュールが電気的に直列に結線されている。特許文献1の図3にも、長尺状の固体接合型太陽電池ユニットセルの長辺がブラインドの羽根板の短辺と平行になり、太陽電池ユニットセルの長辺が互いに平行になるように配置され、電気的に直列に結線されている長尺状の太陽電池モジュールが開示されている。特許文献1の図3におけるブラインドの羽根板では、複数の長尺状の太陽電池モジュールが電気的に並列に結線されている。
1.長尺状の羽根板(1)が複数枚、長辺(L1)が互いに平行になるように配置されており、各羽根板(1)上に、色素増感型光電極層(4)、電荷輸送層(6)および対向電極層(7)からなる3層構造を有する色素増感型太陽電池が取り付けられており、複数の羽根板間において色素増感型太陽電池が電気的に直列または並列に結線(10)されている色素増感型太陽電池ブラインドであって、色素増感型太陽電池は、短辺(W2)が1乃至5cmおよび長辺(L2)が10乃至50cmの長尺矩形のユニットセル(2)からなり、色素増感型光電極層(4)および対向電極層(7)が、それぞれ基板(3、8)上に設けられており、いずれの基板(3、8)も、透明導電膜を被覆した透明で屈曲性があるプラスチックフィルムからなり、対向電極層(7)に接して一方の長辺に沿って線状の金属端子(9)が設けられており、一枚の羽根板(1)上に、長尺矩形のユニットセル(2)が複数枚、長辺(L2)が羽根板の長辺(L1)と平行になるように一列に配置され電気的に直列または並列に結線(11)されていることを特徴とする色素増感型太陽電池ブラインド。
2.長尺矩形のユニットセルの長辺(L2)/短辺(W2)の比が8以上50以下である。
3.羽根板(1)が長尺矩形のユニットセル(2)を含め全体として屈曲性があり、複数枚の羽根板がコード(12〜14)によって連結されている。
4.さらに、キャパシタ(15)を直列に結合した蓄電部(16)、および昇圧もしくは降圧のための回路からなる電圧回路部(17)を有する。
6.プラスチックフィルムがポリエチレンナフタレートからなる。
7.色素増感型光電極層(4)の基板(3)の透明導電膜が酸化亜鉛を含む。
8.対向電極層(7)がチタンを含む金属からなる。
9.色素増感型光電極層(4)の95%質量以上が、色素によって増感された酸化チタンと無機酸化物からなる。
本明細書において、長尺矩形とは、二つの長辺と二つの短辺からなるほぼ平行四辺形の(長方形や菱形を含む)平面形状を有することを意味する。長辺と短辺は直交している(ほぼ長方形である)ことが好ましい。
本発明によれば、光によって発電を行い、軽量、フレキシブルで、高い電力を高効率で取り出すことができ、昼間の蓄電量を夜間に利用することのできる、電力供給システムを得ることができる。
図1に示すブラインドは、最小限の構成として2枚の長尺状の羽根板(1)が、長辺(L1)が互いに平行になるように配置されている。普通のブラインドは、さらに多数(3〜100枚)の羽根板からなる。ブラインドの羽根板は、一般に、短辺(W1)が2乃至10cmおよび長辺(L1)が20cm乃至10mの範囲の寸法を有する。
図1に示す羽根板(1)は、最小限の構成として2枚の長尺矩形のユニットセル(2)が、長辺(L2)が羽根板の長辺(L1)と平行になるように一列に配置されている。羽根板(1)には、さらに多数(例えば、3〜20枚)のユニットセルを配置することができる。
長尺矩形のユニットセル(2)は、短辺(W2)が1乃至5cmおよび長辺(L2)が10乃至50cmの範囲の寸法を有する。短辺(W2)は、1.2乃至3cmであることが好ましく、1.5乃至2cmであることがさらに好ましい。長辺(L2)は、12乃至40cmであることが好ましく、15乃至35cmであることがさらに好ましい。長辺(L2)/短辺(W2)の比は、8以上50以下であることが好ましく、10以上30以下であることがさらに好ましく、12以上25以下であることが最も好ましい。
光電極層(4)と対向電極層(7)は、封止材(5)を挟んで対向している。封止材(5)の内側に、電荷輸送層(6)が、色素増感型光電極層(4)および対向電極層(7)と接触して収納されている。色素増感型光電極層(4)、電荷輸送層(6)および対向電極層(7)が接触して積層している領域が、光発電領域である。
なお、図1では表示の都合で、ユニットセル(2)の長辺(L2)側のみ封止材(5)を示したが、実際には、ユニットセル(2)の短辺(W2)側にも封止材があり、封止材により電荷輸送層(6)が密閉されている。
対向電極層(7)に接して、一方の長辺に沿って線状の金属端子(9)が設けられている。
図1では、羽根板(1)上の二枚のユニットセル(2)は、電気的に並列に結線(11)されている。羽根板上のユニットセルは、電気的に直列に結線してもよい。また、直列と並列との双方が可能なように結線しておき、必要(電圧を優先するか、電流を優先するかの判断)に応じて、直列と並列との切り替えが可能であるようにスイッチを設けてもよい。
ブラインドは、一般に、角度調整コード(12、13)と昇降コード(14)を有する。複数の羽根板(1)間の結線(10)は、角度調整コードまたは昇降コードに内在させることができる。図1では、結線(10)を角度調整コード(12)に内在させている。
光入射面は、紫外線の透過を遮断するフィルムや薄膜で被覆することが好ましい。光入射面には、光の反射を防止するフィルムや薄膜で被覆することも好ましい。
図1に示す二枚の羽根板では、いずれも、色素増感型光電極層(4)が上で、対向電極層(7)が下になるように配置されている。図1に示す二枚の羽根板は、電気的に直列に結線するため、羽根板(1)の内部にも配線が必要になっている。色素増感型光電極層(4)が上で、対向電極層(7)が下になる羽根板と、色素増感型光電極層(4)が下で、対向電極層(7)が上になる羽根板とを交互に配置することで、羽根板間および羽根板内の配線を簡略にすることができる。
図1に示すブラインドは、羽根板(1)が可動であって、角度調整コード(12、13)コードにより羽根板(1)の角度を変化させ、昇降コード(14)により羽根板(1)を上下に移動させることができる。ブラインドには、羽根板を固定する態様もある。本発明は、羽根板を固定したブラインドにも有効である。ただし、色素増感型太陽電池には、屈曲性があるユニットセルを設計できるとの利点がある。屈曲性があるユニットセルは、図1に示すような羽根板が可動性のブラインドに特に有利に用いることができる。
光電極層は、一般に色素で増感された半導体を含む。有機半導体よりも無機半導体の方が好ましく、結晶性の無機半導体がさらに好ましい。無機半導体は、単体(例、ケイ素、ゲルマニウム)、金属酸化物、金属カルコゲナイド(例、硫化物、セレン化物)および金属リン化物を含む。金属酸化物を構成する金属元素の例は、チタン、スズ、亜鉛、鉄、タングステン、ジルコニウム、ストロンチウム、インジウム、セリウム、イットリウム、ランタン、バナジウム、ニオブ、タンタルを含む。金属硫化物を構成する金属元素の例は、カドミウム、亜鉛、鉛、銀、アンチモン、ビスマスを含む。金属セレン化物を構成する金属元素の例は、カドミウム、鉛を含む。金属テルル化物を構成する金属元素の例は、カドミウムを含む。金属リン化物を構成する金属の例は、亜鉛、ガリウム、インジウム、カドミウムを含む。複数の金属のカルコゲナイド(例、銅−インジウム−セレン化物、銅−インジウム−硫化物)を用いてもよい。ガリウムヒ素も、無機半導体として用いることができる。
光電極層において、空孔率(空孔が占める体積分率)は50%以上85%以下が好ましく、65%以上85%以下がさらに好ましい。
電荷輸送層には、正孔(正電荷)を移動する能力のある有機または無機の正孔輸送材料が用いられる。好ましい正孔輸送材料は、酸化還元剤を含むイオン性電解質である。正孔輸送材料により、光電極層の色素で生じた正孔は内部対極の表面に輸送される。
電解液が好ましく、I2とヨウ化物とを含む電解液がさらに好ましい。ヨウ化物は、LiIおよび第四級アンモニウム化合物のヨウ素塩が好ましい。第四級アンモニウム化合物のヨウ素塩は、ピリジニウムヨーダイドおよびイミダゾリウムヨーダイドが好ましい。
有機固体の正孔輸送材料として、芳香族アミン、オリゴチオフェン化合物またはポリマーを用いることができる。ポリマーの例は、ポリビニルカルバゾール、ポリピロール、ポリアセチレン、ポリ(p−フェニレン)、ポリ(p−フェニレンビニレン)、ポリチエニレンビニレン、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリトルイジン、ポリシランを含む。有機EL素子の正孔輸送層に用いられている正孔輸送材を、電荷輸送層に用いてもよい。
光電極層と対向電極層は、基板上に設けられることが好ましい。基板は、透明導電膜を被覆した支持体からなることが好ましい。支持体は、機械的にフレキシブルであることが好ましい。好ましい支持体は、プラスチックシートまたは金属板である。
プラスチックシートは、無着色で透明性が高く、耐熱性、耐薬品性およびガス遮断性に優れ、さらに経済性に優れていることが好ましい。プラスチックを構成するポリマーの例は、ポリエステル(例、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)、ポリアリレート(PAr))、ポリオレフィン(例、シンジオタクチックポリスチレン(SPS))、ポリスルフィド(例、ポリフェニレンスルフィド(PPS))、ポリスルホン(PSF)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリイミド(PI)を含む。ポリエステルが好ましく、ポリエチレンテレフタレート(PET)およびポリエチレンナフタレート(PEN)がさらに好ましく、ポリエチレンナフタレート(PEN)が最も好ましい。金属の例は、鉄、チタン、アルミニウム、銅を含む。好ましい金属は、鉄(特に好ましくは、ステンレススチール)およびチタンである。エキスパンドメタルのような金属製の網を基板として使用することもできる。
対向電極層は、金属薄膜からなることが好ましい。金属は、化学的耐腐食性があり、比抵抗が低く、カソードとして電気化学的に充分な活性を持つことが好ましい。白金が特に好ましい。ただし、白金は高価である。また、白金薄膜は、基板との密着性が低いことが問題である。白金以外に好ましい金属は、チタンである。チタンと白金とを組み合わせた複合材料が好ましい。チタンを含む金属薄膜には、白金以外の化学的に安定な金属(例、タングステン、ニッケル、ルテニウム)を添加することもできる。金属以外の化学的に安定な材料(例えば、炭素材料)を添加することもできる。
金属端子は、比抵抗の低い金属からなることが好ましい。好ましい金属は、銀、銅、鉄、クロム、亜鉛、アルミニウム、ニッケルである。銀、銅、アルミニウムがさらに好ましい。市販されている導電性粘着剤が付いた金属(銅、アルミニウム)箔を用いることもできる。
電極間の短絡を防止するため、電荷輸送層にセパレータを挿入できる。セパレータは、電気的に絶縁性の材料で形成する。セパレータの形状はフィルム状または粒子状である。フィルム状のセパレータは、フィルターに用いる多孔性の樹脂フィルム、繊維状の高分子材料からなるフィルムが好ましい。粒子状のセパレータは、無機材料(例、シリコン、シリカ、アルミナ)または有機材料(例、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリメチルメタクリレート、ナイロン)から形成できる。粒子状のセパレータは、粒径が均一なビーズであることが好ましい。
蓄電部には、キャパシタを用いることが好ましい。キャパシタは、電気二重層コンデンサとも呼ばれる。キャパシタは、汎用の電気二重層キャパシタ、酸化還元反応を充放電の手段とする電気化学キャパシタもしくはレドックスキャパシタが好ましい。また、ハイブリッド型のキャパシタやスーパーキャパシタを用いることもできる。ハイブリッド型のキャパシタでは、二次電池の機能を電気二重層の蓄電に複合させることによって大容量を実現できる。キャパシタの分類と例は、田村英雄監修、「大容量二重層キャパシタの最前線」、丸善、2002年、「電気二重層キャパシタと蓄電システム」,日刊工業新聞社発行,1999年に記載がある。キャパシタの形状について、特に制限はない。キャパシタは、フィルム状、コイン状、円筒状あるいはブロック状のような任意の形状に作製することができる。
蓄電した電力を安定な電圧で出力する目的で、電圧の制御に必要な降圧もしくは昇圧の回路を装着できる。降圧の回路は、蓄電の結果として得られた最大の電圧が放電の操作によって時間とともに低下するときに、高い値で推移する電圧を一定の低い電圧に変換し、制御する回路である。また、昇圧の回路はこの逆であり、蓄電の結果として得られた最大の電圧が放電の操作によって時間とともに低下するときに、低い値で推移する電圧を一定の高い電圧に変換し、制御する回路である。降圧もしくは昇圧の回路を経て得られた一次電力は、電圧が一定の直流の電力である。この降圧もしくは昇圧の回路を用いた電圧制御部は、電圧を必要によって自在に設定できるスイッチを装備することができる。また、電流を一定に制御するための回路を装備することができる。
色素増感型太陽電池の光発電によって得られる電力は、キャパシタに蓄電され、昇圧もしくは降圧の回路をもつ電圧制御回路を通して、一定の電圧として出力される。得られる電力は、直流の電力であることが望ましい。変換器(インバーター)もしくは安定器をシステムに加えることによって、交流として出力することもできる。電力は、電圧として10V以上50V以下が好ましく、10V以上20V以下がさらに好ましい。典型的な出力電圧は、直流12Vである。回路には、必要なデバイス類(例、整流器、ダイオード、スイッチ)、光の効率的な利用のための光センサ、光発電部本体の向きを自動的に変えるための動力装置や制御システムを装着することができる。
結晶性二酸化チタンナノ粒子(昭和電工(株)製、ルチル、アナターゼ混合型、平均粒径20nm)を超純水とイソプロピルアルコールを用いて十分に洗浄した後、tert−ブチルアルコール(純度99.5%以上)とアセトニトリル(純度99.5%以上)の混合溶媒(質量比95:5)100mlに30gを撹拌分散し、この分散液に粒径5nmの二酸化チタン粒子を水とエチルアルコールの混合溶媒(質量比50:50)に分散した酸性のゾル液(濃度8質量%)を12質量%添加し、得られた混合分散液を自転/公転併用式のミキシングコンディショナーを使って均一に混合し、粘性のチタニアペーストを調製した。
PENフィルム(厚さ125μm)の片面上に、スパッタリング法によって真空下で、チタンと白金の複合物(チタンの含量、90重量%)からなる金属薄膜(膜厚150nm)を被覆し、対向電極層(幅3.0cm、長さ30cm)を作製した。
電荷輸送層として、ヨウ素とヨウ素イオンを酸化還元剤、γ−ブチロラクタンと3−メチルプロピオニトリルの1:1の混合溶媒を用いる有機電解液(ヨウ素0.05M、ヨウ化リチウム0.1M、4−tert−ブチルピリジン0.5M)を用いた。封止材としてポリエチレン樹脂系の熱融着型フィルムを用い、光電極層と対向電極層の2つの電極間に、電荷輸送層を囲む形で封止材を挿入し、2つの電極を挟んで、120℃で2分間加熱して電極を接合した。対極に設けた小孔から毛管現象によって有機電解液を注入し、電極間を有機電解液で満たし、小孔を封じて封止された光発電セルを作製した。このセルの対向電極層の長手方向(30cm)の一端に、スクリーン印刷法によって銀ペーストを印刷し、135℃で硬膜処理を行なって、厚さが20μm、幅6mmの銀端子を担持させた。このようにして、図1に示されるような幅3.5cm、長さ30cmの短冊状の形状を持つ色素増感型太陽電池ユニットセルを作製した。
短冊状のユニットセルを長手方向に2つを一列に並べて導線によって電気的に並列に結合し、長さが60cmの組みセルにした。この2つの組みセルを幅方向に50個並べてセルを導線によって電気的に直列に結合し、ブラインド型のモジュールを製作した。モジュールを構成するユニットセルは、100個であり、2つの並列結合、50の直列結合からなる。
1kWのキセノンランプを装着した太陽光シミュレーターを光源に用いて、上記のブラインド型モジュールに対し、入射光強度が25mW/cm2のAM1.5の白色光を、光電極の側から照射した。このとき、ブラインドの羽根に当たるユニットセルへの光の入射角度を0度(垂直入射)から70度まで変えて比較を行った。測定環境は温度30℃に制御した。電流電圧測定装置(ケースレー製ソースメータ2400型)を用いて、素子に印加するDC電圧を20mV/秒の定速でスキャンし、素子の出力する光電流を計測することにより、光電流−電圧特性を測定した。これにより求められた短絡光電流(Isc)、開放回路起電力(Voc)、エネルギー変換効率(η)を第1表に示す。太陽光直射の垂直入射条件において、本モジュールの短絡光電流は0.15A、開放回路起電力は33.7V、エネルギー変換効率は2.1%となった。入射角度70度と大きい状態(浅い角度からの入射)においても、光電流が大きく低下することがなく、直射光以外の拡散光の利用能力が高いことも示された。
円筒型キャパシタ12個の直列の構成による蓄電部を、電流の逆流を防止する整流回路を介して、上記のブラインド型モジュールに電気的に結合した。また、蓄電部には最終出力電圧を制御する降圧用の回路を電気的に結合し、光蓄電のシステムを製作した。晴天下にモジュールをガラス窓の内側の屋内に設置し、窓を透過する太陽光に曝して、モジュールの光発電の電力を蓄電部に入力した。光強度は20mW/cm2〜80mW/cm2の間で変動した。光発電による蓄電を開始すると充電時間とともに充電電圧は徐々に上昇したが、光充電の電流値は電圧上昇とともに急速に低下した。およそ4時間の連続露光によって30Vまでの充電を行なった。このときの充電容量として、880クーロンの電気量が得られた。次に、蓄電部において蓄電した電力を放電させた。放電においては、蓄電部を降圧回路に結合し、この降圧回路を通じて出力電圧を12Vの一定電圧に制御しながら、0.5Aの一定電流のもとで放電を行った。この放電の電力を用いて、定格が12Vの小型液晶カラーテレビを駆動させた。この結果、およそ1時間の放電によって5.6Whの電力が出力された。
────────────────────────────────────────
セルへの太陽直射光の入射角度 0° 20° 45° 70°
────────────────────────────────────────
短絡光電流(Isc) 0.15A 0.15A 0.12A 0.10A
開放回路起電力(Voc) 33.7V 33.7V 33.6V 33.0V
エネルギー変換効率(η) 2.1% 2.1% 1.7% 1.5%
────────────────────────────────────────
2 色素増感型太陽電池のユニットセル
3 光電極層側の基板
4 色素増感型光電極層
5 封止材
6 電荷輸送層
7 対向電極層
8 対向電極層側の基板
9 線状金属端子
10 直列の結線(羽根板間)
11 並列の結線(羽根板内)
12 角度調整コード(結線が内在)
13 角度調整コード
14 昇降コード
15 キャパシタ
16 蓄電部
17 電圧回路部
18 出力端子
L1 羽根板の長辺
W1 羽根板の短辺
L2 ユニットセルの長辺
W2 ユニットセルの短辺
Claims (9)
- 長尺状の羽根板が複数枚、長辺が互いに平行になるように配置されており、各羽根板上に、色素増感型光電極層、電荷輸送層および対向電極層からなる3層構造を有する色素増感型太陽電池が取り付けられており、複数の羽根板間において色素増感型太陽電池が電気的に直列または並列に結線されている色素増感型太陽電池ブラインドであって、色素増感型太陽電池は、短辺が1乃至5cmおよび長辺が10乃至50cmの長尺矩形のユニットセルからなり、色素増感型光電極層および対向電極層が、それぞれ基板上に設けられており、いずれの基板も、透明導電膜を被覆した透明で屈曲性があるプラスチックフィルムからなり、対向電極層に接して一方の長辺に沿って線状の金属端子が設けられており、一枚の羽根板上に、長尺矩形のユニットセルが複数枚、長辺が羽根板の長辺と平行になるように一列に配置され電気的に直列または並列に結線されていることを特徴とする色素増感型太陽電池ブラインド。
- 長尺矩形のユニットセルの長辺/短辺の比が8以上50以下である請求項1に記載の色素増感型太陽電池ブラインド。
- 羽根板が長尺矩形のユニットセルを含め全体として屈曲性があり、複数枚の羽根板がコードによって連結されている請求項1に記載の色素増感型太陽電池ブラインド。
- さらに、キャパシタを直列に結合した蓄電部、および昇圧もしくは降圧のための回路からなる電圧回路部を有する請求項1に記載の色素増感型太陽電池ブラインド。
- 線状の金属端子が、銀、銅、鉄、クロム、亜鉛、アルミニウムおよびニッケルからなる群より選ばれる比抵抗の低い金属からなる請求項1に記載の色素増感型太陽電池ブラインド。
- プラスチックフィルムがポリエチレンナフタレートからなる請求項1に記載の色素増感型太陽電池ブラインド。
- 色素増感型光電極層の基板の透明導電膜が酸化亜鉛を含む請求項1に記載の色素増感型太陽電池ブラインド。
- 対向電極層がチタンを含む金属からなる請求項1に記載の色素増感型太陽電池ブラインド。
- 色素増感型光電極層の95%質量以上が、色素によって増感された酸化チタンと無機酸化物からなる請求項1に記載の色素増感型太陽電池ブラインド。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005308928A JP4755882B2 (ja) | 2005-10-24 | 2005-10-24 | 色素増感型太陽電池ブラインド |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005308928A JP4755882B2 (ja) | 2005-10-24 | 2005-10-24 | 色素増感型太陽電池ブラインド |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007113365A JP2007113365A (ja) | 2007-05-10 |
JP4755882B2 true JP4755882B2 (ja) | 2011-08-24 |
Family
ID=38095810
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005308928A Expired - Fee Related JP4755882B2 (ja) | 2005-10-24 | 2005-10-24 | 色素増感型太陽電池ブラインド |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4755882B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018076666A (ja) * | 2016-11-07 | 2018-05-17 | 積水化学工業株式会社 | 太陽電池モジュール付きスラット、太陽電池スラット、太陽電池モジュール付きスラットの製造方法、及び太陽電池スラットの製造方法 |
Families Citing this family (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101479803B1 (ko) * | 2007-07-23 | 2015-01-06 | 바스프 에스이 | 광전 탠덤 전지 |
JP2009238571A (ja) * | 2008-03-27 | 2009-10-15 | Dainippon Printing Co Ltd | 色素増感型太陽電池用電解質 |
WO2010061663A1 (ja) * | 2008-11-27 | 2010-06-03 | 横浜ゴム株式会社 | 光電変換素子用電解質ならびにその電解質を用いた光電変換素子および色素増感太陽電池 |
JP5387326B2 (ja) | 2009-10-22 | 2014-01-15 | カシオ計算機株式会社 | 光発電偏光素子、その製造方法及びそれを用いた液晶ディスプレイ |
KR20110083248A (ko) * | 2010-01-14 | 2011-07-20 | (주)엘지하우시스 | 태양광 블라인드 창호 |
JP2011210672A (ja) * | 2010-03-30 | 2011-10-20 | Toyo Seikan Kaisha Ltd | 色素増感太陽電池に用いる負極の製造方法 |
WO2011139754A2 (en) | 2010-04-27 | 2011-11-10 | University Of Florida Research Foundation, Inc. | Electronic gate enhancement of schottky junction solar cells |
DK177508B1 (da) * | 2011-04-18 | 2013-08-19 | Kim Hybholt Soerensen | Persienner med solceller samt anvendelse |
JP6267035B2 (ja) | 2014-03-28 | 2018-01-24 | 積水化学工業株式会社 | 色素増感太陽電池セルの組込構造及び発電ブラインド用スラット |
JP2018163958A (ja) * | 2017-03-24 | 2018-10-18 | 積水化学工業株式会社 | 太陽電池モジュール付きスラット、発電ブラインド、及び太陽電池モジュール付きスラットの製造方法 |
JP6861560B2 (ja) * | 2017-03-31 | 2021-04-21 | 株式会社Lixil | 太陽電池ブラインド |
Family Cites Families (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CH674596A5 (ja) * | 1988-02-12 | 1990-06-15 | Sulzer Ag | |
JPH05259494A (ja) * | 1992-03-16 | 1993-10-08 | Fuji Electric Co Ltd | フレキシブル型太陽電池の製造方法 |
JP2000340824A (ja) * | 1999-05-26 | 2000-12-08 | Matsushita Electric Works Ltd | 太陽光発電装置 |
JP3863435B2 (ja) * | 2002-01-31 | 2006-12-27 | 立川ブラインド工業株式会社 | 電動内包ブラインド |
JP3879917B2 (ja) * | 2002-06-26 | 2007-02-14 | 富士電機ホールディングス株式会社 | 太陽電池ブラインド |
-
2005
- 2005-10-24 JP JP2005308928A patent/JP4755882B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018076666A (ja) * | 2016-11-07 | 2018-05-17 | 積水化学工業株式会社 | 太陽電池モジュール付きスラット、太陽電池スラット、太陽電池モジュール付きスラットの製造方法、及び太陽電池スラットの製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2007113365A (ja) | 2007-05-10 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4755882B2 (ja) | 色素増感型太陽電池ブラインド | |
US7586035B2 (en) | Photovoltaic cell with spacers | |
EP1727167A2 (en) | Photochargeable layered capacitor comprising photovoltaic electrode unit and layered capacitor unit | |
EP1331653A2 (en) | Pigment-sensitized solar cell | |
JP2007227087A (ja) | 色素増感型光電変換素子 | |
JP2005235725A (ja) | 色素増感型太陽電池モジュール | |
JP4576544B2 (ja) | フィルム型色素増感光電池 | |
JP4813819B2 (ja) | キャパシタ付色素増感型太陽電池 | |
CA2878406C (en) | Photoelectrically convertible composition comprising an anionic polymer, a laminate, and processes therefor | |
Lan et al. | Quasi-solid-state dye-sensitized solar cells based on a sol–gel organic–inorganic composite electrolyte containing an organic iodide salt | |
US20090050203A1 (en) | Dye-sensitized photoelectric conversion device | |
JP2004221531A (ja) | 光充電可能な積層型電気二重層キャパシタ | |
JP2004241378A (ja) | 色素増感型太陽電池 | |
US10270050B2 (en) | Photoelectric conversion layer composition and photoelectric conversion element | |
JP4473541B2 (ja) | 光充電可能な二次電池及び電気化学キャパシタ | |
JP2006236807A (ja) | 色素増感型太陽電池 | |
JP5657780B2 (ja) | 光電変換素子および光電変換モジュール | |
JP4883559B2 (ja) | 光電変換電極 | |
JP6201317B2 (ja) | 色素増感型光電変換素子および色素増感型太陽電池 | |
KR101447618B1 (ko) | 광감응 태양전지 및 그의 제조방법 | |
JP5882598B2 (ja) | 電気化学キャパシタ | |
JP2005093406A (ja) | 光電変換素子およびその光電変換効率を向上する方法 | |
KR102046295B1 (ko) | 다공성 입자의 광 산란층을 구비한 염료감응 태양전지 | |
JP2008243618A (ja) | 光電変換素子 | |
JP4520142B2 (ja) | 色素増感型太陽電池及び色素増感型太陽電池モジュール |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20080903 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20110113 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20110118 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20110310 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20110524 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20110530 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140603 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 4755882 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |