JP2004221531A - 光充電可能な積層型電気二重層キャパシタ - Google Patents

光充電可能な積層型電気二重層キャパシタ Download PDF

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Abstract

【課題】 光発電の電極機能と充電用の電極機能を兼ね備えた電極材料を構成し、一対の電極と電解液からなる単一のセルで光照射による充電と光照射の停止による放電とを繰り返し行いうる新規な光充電可能な積層型電気二重層キャパシタを提供する。
【解決手段】 イオン性電解質層を中間層とし、その両側にそれぞれ正極層及び負極層を積層して一体化した積層体からなる電気二重層キャパシタにおいて、正極層及び負極層が中間層と接する表面が多孔質構造であり、正極層に光感応性物質を含有させるか又は光感応性物質の層を設け、正極層を光の吸収により起電力を生じる電極に構成することにより、正極層と負極層とを外部回路で連結して正極層に光照射した場合に、正極層に正電荷を、負極層に負電荷を蓄積して充電が行われ、充電した電気量の放電と繰り返しの充電と放電を行うことができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、光照射特に可視光の照射により充電し、充電後に光照射のない条件においても放電によって外部に電気エネルギーを供給することができるという、光充電と放電を繰り返して長期間にわたり継続して電力源として使用しうる光充電可能な積層型電気二重層キャパシタに関するものである。
近年、エネルギー原料としての化石燃料の枯渇や、その使用により発生する二酸化炭素に起因する地球環境破壊などの社会問題に対応するため、太陽光のような自然エネルギーの有効利用による電力供給の重要性への認識がますます高まりつつある。
この太陽光を直接電力に変換する手段の1つとして太陽電池があり、シリコン結晶やアモルファスシリコン薄膜、非シリコン系の化合物半導体の多層薄膜を用いる、いわゆる固体接合型の太陽電池について、そのエネルギー変換効率を向上させる研究が活発に行われている。
しかし、このような固体接合型の太陽電池は、製造コストがかさみ、またエネルギーペイバックタイムが長いという欠点があることから、最近では製造コストが低く、量産が可能な有機太陽電池、特に色素増感型太陽電池を用いる方法が注目され、このようなものとして色素増感された多孔質半導体膜を用いる光電変換方法が提案されている(非特許文献1、特許文献1、特許文献2参照)。
色素増感型太陽電池は、従来の太陽電池における固体(半導体)−固体(半導体)接合の代りに、固体(半導体)−液体(電解液)接合の、いわゆる湿式太陽電池を用いるものであり、そのエネルギー変換効率は10%という高い値まで達している点で、電気エネルギーの供給源として有望である。
この色素増感太陽電池は、電解液を用いる点で、化学電池や電解コンデンサ、又は光充電可能な電気二重層キャパシタなどと類似の構成を有している。とくに電気二重層キャパシタは高出力であり、これを複数直列に連結した積層型エネルギー貯蔵デバイスは高電圧、高出力が可能であるという利点を有している。
しかしながら、太陽電池については、太陽電池とともにクリーンな電気エネルギー供給源として注目されている燃料電池は、燃料源としてのガスを貯蔵しておけば、必要時に随時電力の供給が可能であるのに対し、発電量が光量に依存し、夜間など太陽光が得られず発電不可能になるときは、日中の発電で得た電力を貯蔵する能力を欠くために、電力供給を行うことができないという欠点がある。
そこで、一般に電力を貯蔵する代表的な方法としては、酸化還元反応の電気化学エネルギーとして蓄える二次電池を用いる方法、電気二重層の容量変化として貯蔵するキャパシタを用いる方法が知られており、これらはいずれもイオンの性質を利用するものである。
そして、上記の二次電池としては、酸・鉛蓄電池、NiCd系のアルカリ二次電池などの水系二次電池のほか、イオンの挿入反応に有効な活物質を用いるリチウムイオン二次電池などの非水系二次電池が研究されている。
一方、キャパシタは、基本的に酸化還元反応を伴わない電荷貯蔵型の素子であり、電荷貯蔵に適した電気二重層を提供する表面積の大きな材料を電極表面として用いて作られ、酸化還元反応による電極材料の劣化が伴わないことから長寿命であるという利点がある。
キャパシタは、通常、比表面積の大きな活性炭などの炭素材料を主材料とする分極性の電極層を用い、一対の対向する電極層で電気絶縁性のセパレータを挾んでなるセルの間隙に電解液を含浸させることにより構成されており、両電極間に電圧が印加されると、それによって生じる電極と電解液界面の電気二重層に電荷が蓄積され、大きな電気量を蓄えることができる。
この電気二重層キャパシタは、おなじく蓄電を行う酸化還元反応型の二次電池と比較し、短時間に大量の電力を出し入れする能力は約10倍もあり、充放電サイクル寿命も100倍以上と高く、ICやLSIのメモリー及びアクチュエータのバックアップ電源を含めて、種々の産業分野で利用されている。
しかしながら、太陽電池は、これらの電力貯蔵方法を組み合わせて、太陽光の照射がない場合にも電力を供給しうるように構成するには、余分の設備を付加させなければならないため、コスト高になるのを免れない上に、電気エネルギーへの変換と貯蔵そして再生までを含めたトータルな効率が低いため、エネルギー的なロスも大きい。
米国特許4927721号明細書(特許請求の範囲その他) 特許第2664194号公報(特許請求の範囲その他) 「ネイチャー(Nature)」,1991年,第353巻,p737−740
本発明は、このような事情のもとに、光発電の電極機能と充電用の電極機能を兼ね備えた電極材料を構成し、一対の電極と電解液からなる単一のセルで光照射による充電と光照射の停止による放電とを繰り返し行いうる新規な光充電可能な積層型電気二重層キャパシタを提供することを目的としてなされたものである。
本発明者らは、光による充電及び必要時における放電を任意に行いうる積層型電気二重層キャパシタを開発するために鋭意研究を重ねた結果、太陽電池において、半導体電極による光発電によって得られた電荷量と起電力が、半導体層と対極の電極層の層構成と材料物性に工夫を加えることによって、半導体電極と対極の表面が作る電極−電解液界面の電気二重層に蓄えられること、及びこのようにして得られた光発電素子が光充電と放電の繰り返し特性を発現できることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、イオン性電解質層を中間層とし、その両側にそれぞれ正極層及び負極層を積層して一体化した積層体からなる電気二重層キャパシタにおいて、正極層及び負極層が中間層と接する表面が多孔質構造であり、正極層に光感応性物質を含有させるか又は光感応性物質の層を設け、正極層を光の吸収により起電力を生じる電極に構成することにより、正極層と負極層とを外部回路で連結して正極層に光照射した場合に、正極層に正電荷を、負極層に負電荷を蓄積して充電が行われ、充電した電気量の放電と繰り返しの充電と放電を行うことができることを特徴とする、光充電可能な積層型電気二重層キャパシタを提供するものである。
次に添付図面により本発明を詳細に説明する。
図1ないし図5は、それぞれ本発明の異なった構成例を示す略解断面図である。
図1において、電解質溶液を含浸した多孔性セパレータ材料の層、すなわちイオン性電解質層1を中間層とし、その両側に2枚の電極すなわち正極層A及び負極層Bが積層されている。
この正極層Aは支持体2と導電膜3からなる光学的に透明な集電体4に担持された多孔質半導体層5により構成され光電極となっている。また負極層Bは、集電体6に担持された炭素材料7から構成され対極となっている。
図2においては、図1の層構成に加えて正極層の多孔質半導体層5の表面に色素分子層8が設けられている。
図3は、図2の層構成に加えて、色素分子層8の上に多孔質炭素材料9の層を設けた例である。
図4は、図3の層構成に加えて色素分子層8と多孔質炭素材料9の層との間に正孔輸送材料の層10を設けた例である。
また、図5は、図4の層構成に加えて、さらに対極Bの炭素材料の層7の下層にp型半導体の層11を設けた例である。
次に、本発明のキャパシタの形状については、特に制限はなく、フィルム状、コイン状、円筒状、ブロック状など任意の形状に作製することができるが、キャパシタは少なくとも2枚の電極A、Bの一方、好ましくは光電極Aを構成する集電体4が光学的に透明であることが必要である。
本発明のキャパシタに入射する光は、光電極Aに吸収される手段であればキャパシタの構造に対していかなる方向から進入させても差しつかえない。光電極の支持体側、対極側のいずれか片方あるいは両方から進入させても、あるいは支持体の側面から進入させてもよい。
次に、本発明の光充電型の積層型電気二重層キャパシタの作用原理と、キャパシタの光発電の役割を果す電極について説明する。本発明のキャパシタでは、光感応性物質の層が担持され光吸収によって電気化学的に卑の電位に励起される光感応性の電極(以下、光電極という)において、光励起下で電子と正孔の電荷分離が起こる。生じた正孔は、光感応性物質の層の表面もしくは光感応性物質の層と接する炭素材料の表面に移行し、これらの表面と電解液との界面に形成される電気二重層に正電荷として蓄えられる。
一方、生じた電子は、外部回路を経て対極に移動し、対極の表面もしくは対極と接する炭素材料の表面と電解液との界面に形成される電気二重層に負電荷として蓄えられる。このようにして光電極の光照射下で対極が負に、光電極が正に充電される。
ここで、光電極を構成する光感応性物質の層には、光励起下で電荷分離を行う光感応性の無機材料、有機材料など各種の材料が利用できる。これらの光感応性物質には、有機色素、有機導電材料、有機半導体、無機半導体などを用いることができる。これらの材料の中で、本発明においては紫外から赤外までの波長領域にバンドギャップを有する有機ならびに無機の半導体が好ましく用いられる。本発明のキャパシタにおいては、これらの光感応性物質の光電荷分離反応によって充電が進行し、充電が完了したキャパシタは外部回路を開いた状態でその充電状態が維持される。キャパシタの放電は、通常は光照射を停止した状態で外部回路を連結させることで進行する。
上記のキャパシタが広い面積の電気二重層を有し、高い充電容量を示すために、正極と負極の表面を多孔質にすることが必要であり、正極と負極はいずれもその表面粗さ係数が200以上であることが好ましい。ここで、電極の表面粗さ係数R(roughness
factor)とは電極の見かけの投影面積に対する電極材料が実際にもつ表面積の比を意味する。この比は電極材料の比表面積S(m2/g)と該電極材料の電極基板上の担持量M(g/m2)を用いて、R=SMで示される。ここで電極材料とは、電極基板上に担持され、厚みを与える全ての材料を意味する。光電極の表面粗さ係数は、500以上であることが好ましく、1000以上であることがさらに好ましい。
光電極を構成する光感応性物質として好ましい有機並びに無機の半導体は、伝導に関わるキャリアーの濃度が1014〜1020個/cm3の範囲の半導体である。半導体として好ましいのは無機半導体であり、無機半導体の材料としては、シリコン、ゲルマニウムのような単体半導体、金属酸化物、そして金属カルコゲナイド(例えば硫化物、セレン化物等)に代表されるいわゆる化合物半導体又はペロブスカイト構造を有する化合物等を使用することができる。
これら金属酸化物及び金属カルコゲナイドとして好ましいものには、チタン、スズ、亜鉛、鉄、タングステン、ジルコニウム、ストロンチウム、インジウム、セリウム、イットリウム、ランタン、バナジウム、ニオブ又はタンタルのなどの金属の酸化物、カドミウム、亜鉛、鉛、銀、アンチモン、ビスマスの硫化物、カドミウム、鉛のセレン化物、カドミウムのテルル化物、亜鉛、ガリウム、インジウム、カドミウム等のリン化物、ガリウムヒ素、銅−インジウム−セレン化物、銅−インジウム−硫化物等が挙げられる。
上記の半導体の中で本発明に好ましく用いられる半導体は、n型の無機半導体であり、たとえば、TiO2、TiSrO3、ZnO、Nb23、SnO2、WO3、Si、CdS、CdSe、V25、ZnS、ZnSe、SnSe、KTaO3、FeS2、PbS、InP、GaAs、CuInS2、CuInSe2などが用いられる。
本発明の光電極の光感応性物質として、半導体が単独で用いられる場合は、半導体は400nm以上の可視光の波長領域に少なくとも光吸収を持つn型半導体であることが好ましい。具体的には、400nm以上の可視光の波長領域に半導体のバンドギャップに相当する吸収の立ち上がりを持つn型半導体もしくは400nm以上の波長において光感応性を持つように増感された半導体であることが好ましい。可視光とは、400nm以上、850nm以下の波長に相当する光を意味し、本発明のキャパシタの光電極はこのような波長範囲の光の一部を少なくと吸収することが好ましい。
単独で可視光を吸収する半導体の材料としては、カルコゲナイド系化合物半導体が好ましく用いられる。カルコゲナイド系化合物半導体としては、硫化カドミウム、セレン化カドミウム、硫化亜鉛、セレン化亜鉛、から選ばれる化合物を主体とするカルコゲナイド系化合物半導体が特に好ましい。
また、光電極に用いる可視光を吸収する半導体としては、色素分子によって表面を被覆され該色素分子によって増感された多孔質の半導体も好ましく用いられる。ここで、多孔質の半導体には、ナノサイズの平均粒径を有する一次粒子が結合して形成されるメソポーラスな半導体薄膜が特に表面積と空孔率が高く、光吸収効率が高い点で有効である。色素増感を効率よく行うことができる点から、光電極に用いる半導体は、n型の酸化物半導体が電気化学的安定性の点で好ましい。n型の無機半導体としては、例えばTiO2、TiSrO3、ZnO、Nb23、SnO2、WO3、Si、CdS、CdSe、V25、ZnS、ZnSe、SnSe、KTaO3、FeS2、PbSなどがあるが、これらのうちより好ましい半導体はTiO2、ZnO、SnO2、WO3であり、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化タングステンから選ばれる金属酸化物を組成の主体とするn型半導体であることが特に好ましい。これらの酸化物半導体の2種以上を複合させて半導体多孔層として用いてもよい。
半導体多孔層を構成する半導体粒子は、その一次粒子の平均粒径が5〜100nmであるのが好ましく、5〜50nmがより好ましい。二次粒子の平均粒径は0.01〜1μmが好ましい。粒径分布の異なる2種類以上の粒子を混合してもよく、入射光を散乱させて光捕獲率を向上させる目的で、粒径の大きな、例えば200〜600nm程度の半導体粒子を混合してもよい。この場合小さい粒子の平均サイズは50nm以下であることが好ましい。
半導体ナノ粒子は公知方法、例えば作花済夫著,アグネ承風社発行,「ゾル−ゲル法の科学」,1998年、に記載のゾル−ゲル法、及び金属塩化物を酸水素塩中で高温加水分解して酸化物を調製する方法、清野学著,技報堂出版発行,「酸化チタン 物性と応用技術」,1997年、に記載の硫酸法及び塩素法、金属化合物を気相中、高温で熱分解して超微粒子とする気相合成法を用いて行うことができる。
多孔質半導体膜を色素によって増感する場合、多孔質半導体に被覆する増感色素分子には、有機色素分子、金属錯体色素分子など各種の増感色素が用いられる。このようなものとしては、例えばシアニン系、メロシアニン系、オキソノール系、キサンテン系、スクワリリウム系、ポリメチン系、クマリン系、リボフラビン系、ペリレン系などの有機色素、Ru錯体や金属フタロシアニン誘導体、金属ポルフィリン誘導体、クロロフィル誘導体などの錯体系色素などがある。
そのほか「機能材料」,2003年,6月号,P5−18に記載されている合成色素や天然色素や「ジャーナル・オブ・ケミカル・フィジックス(J.Chem.Phys.)」,2003年,B第107巻,P597に記載されるクマリンを中心とする有機色素を用いることもできる。
これらの色素の中でも、化学的、光化学的安定性の点で錯体色素が好ましく、特にRu錯体ならびに金属フタロシアニン誘導体が好ましい。
光電極の光感応性物質には、上記の無機半導体材料と色素増感された半導体材料のほかに、可視光を吸収する有機の半導体材料ならびに有機の導電材料を用いることができる。有機半導体の例としては、メロシアニン類の色素、シアニン類の色素とそのJ凝集体、クマリン類の色素、ポリエン類の色素、金属フタロシアニンとその誘導体、ポルフィリンとその誘導体、ペリレンとその誘導体などがあげられる。また有機導電材料の例としては、ポリアニリン、ポリピロール、ポリアセン、ポリチオフェンなどの高分子とその誘導体、ポリ(p−フェニレン)とその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)とその誘導体、ポリトルイジンとその誘導体等の導電性高分子、フラーレンとその誘導体などを用いることができる。これらの有機導電材料は光感応性に加えてあとにのべる正孔輸送材料としての機能も同時に備えて用いることもできる。
本発明のキャパシタの正極すなわち光電極は、半導体と炭素材料の混合物によって構成されることが充電容量を高める効果から好ましい。また、正極は半導体の層と該半導体層に接合する炭素材料の層の多層構成によって構成されることが特に好ましい。
正極に色素増感された多孔質半導体層を用いる場合、この正極は色素増感された多孔質の半導体と炭素材料の混合物によって構成されることが充電容量を高める効果から好ましい。また、このような正極は色素増感された多孔質の半導体の層と該多孔質半導体層に接合する炭素材料の層の多層構成によって構成されることが特に好ましい。
正極に半導体材料とともに、混合、複合、あるいは多層構成の形態で添加される炭素材料としては、活性炭、黒鉛、ピッチコークス、カーボンブラックなどを含めるキャパシタ用炭素材料として各種の目的で用いられる炭素材料が有効である。
正極ならびに正極に用いる炭素材料は、電子伝達機能に優れるフラーレン、カーボンナノチューブから選ばれるナノカーボン材料を含むことが特に有効であり好ましい。
正極を構成する半導体層ならびに多孔質半導体層は、その厚みが5μm以上30μm以下であることが好ましく、特に10μm以上20μm以下であることが特に好ましい。多孔質半導体はその空孔率が40%以上であることがこのましく60%以上であることが特に好ましい。
本発明のキャパシタの負極、すなわち正極である光電極に対向する対極は、正極と同様にその表面が表面粗さ係数が200以上の多孔質材料であることが必要である。この多孔質材料は電荷の蓄積を目的として電気抵抗の小さい集電体の上に形成される。集電体は電気二重層キャパシタに通常用いられる各種の金属電極及び電解コンデンサに用いられるアルミニウムやアルミナなどを含めた各種の導電体や誘電体を担持した電極を用いることができる。集電体上の多孔質材料は、電気二重層キャパシタに通常用いられる各種の分極性の電極用材料を用いることができる。
分極性材料については、比表面積の大きいこと、かさ比重が大きいこと、電気化学的に不活性なこと、電気抵抗が小さいことが好ましく、このような条件を満たす材料として炭素材料が適している。炭素材料として好ましいのは活性炭であり、例えば、フェノール繊維を活性炭化して得られる活性炭繊維、木粉などの植物性材料を炭化賦活して得られる粉末活性炭、粒状の活性炭などが好ましく用いられる。
そのほか分極性電極に使える公知の材料は、例えばシーエムシー出版発行,「大容量キャパシタ技術と材料」,1998年、日刊工業新聞社発行,「電気二重層キャパシタと蓄電システム」,1999年、B.E.Conway著、Electrochemical Super Capacitors、Kluwer Academic/Plenum Publishers、NY、1999年、などに記載されているものを用いることができる。
また、石油コークスや石炭ピッチコークスからなるカーボンを不活性ガス雰囲気下で炭化処理した後、水酸化カリウムなどのアルカリで賦活処理することによって作られる静電容量の高い電気二重層キャパシタ用炭素材料(特開平10−199767号公報)、電気二重層キャパシタ電極として大きな静電容量を示す各種材料(特開平11−317333号公報)なども用いることもできる。また、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を原料として作られる非表面積が高い多孔質炭素も用いることができる。活性炭ならびにこれらの炭素材料には、カーボンブラック、アセチレンブラックなどの導電性の高い材料を添加することもできる。
本発明の負極層を構成する炭素材料は、活性炭(活性炭素繊維)、黒鉛、カーボンブラックから選ばれる材料であることが好ましい。また炭素材料としてナノサイズの細孔を有するメソポーラスな炭素材料(細孔径2nm以上50nm以下)、ミクロポーラスな炭素材料(細孔径2nm以下)、マクロポーラスな炭素材料(細孔径50nm以上)も好ましく用いられ、なかでも特にメソポーラスな材料が好ましい。
負極層ならびに負極層を構成する炭素材料の少なくとも1つは、電子伝導性や充放電性能を良化する効果から、フラーレン及びカーボンナノチューブの少なくとも一方を含むことが好ましい。
負極ならびに正極に用いる炭素材料は、BET法による比表面積が、500m2/g〜5000m2/gとするのが高い静電容量を発現するので好ましく、1000m2/g以上5000m2/g以下であることが特に好ましい。炭素材料は、平均粒子径が0.02μm以上5μm以下であることが好ましく、平均粒子径が0.02μm以上0.5μm以下であることが特に好ましい。
本発明の光充電の可能な電気二重層キャパシタ(以下、光キャパシタ)は、電子と正孔の電荷分離を促す目的で層構成中に正孔輸送材料を用いることによりその充放電性能を高めることができる。正孔輸送材料は正極と負極のいずれに用いることもできるが、正極に用いることが好ましい。
正孔輸送材料としては有機又は無機あるいはこの両者を組み合わせた固体の正孔輸送材料を使用することができる。
本発明に適用可能な有機正孔輸送材料としては、芳香族アミン類(「シンセティック・メタル(Synthetic Metal)」,1997年,第89巻,P215−220、「ネイチュア(Nature)」,1998年10月,第395巻,第8号,p583−585、特開表WO97/10617号公報、特開平5−234681号公報、米国特許第4,923,774号明細書、米国特許第4,764,625号明細書、特開平5−25473号公報、特開平5−239455号公報、特開平5−320634号公報、特開平6−1972号公報、特開平7−138562号、特開平7−252474号、特開平11−144773等公報)、及びトリフェニレン誘導体(特開平11−149821号公報、特開平11−148067号公報、特開平11−176489号公報)が好ましい。
そのほか、オリゴチオフェン化合物(「アドバンセズ・イン・マテリアル(Adv.Mater.)」,1997年,第9巻,p557、「ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・ケミカル・ソサエティ(J.Am.Chem.Soc.)」,1998年,第120巻,p664−672、ポリピロール(「ケミストリー・レターズ」(Chem.Lett.),1997年,p471、ポリアセチレン及びその誘導体、ポリ(p−フェニレン)及びその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)及びその誘導体、ポリチエニレンビニレン及びその誘導体、ポリチオフェン及びその誘導体、ポリアニリン及びその誘導体、ポリトルイジン及びその誘導体などの導電性高分子化合物(ナルバ(Nalwa)著,「ハンドブック・オブ・オーガニック・コンダクティブ・モレキュールズ・アンド・ポリマーズ(Handbook of Organic Conductive Moleculesand Polymers)」,第1〜4巻)なども用いることができる。
正孔輸送材料にはドーパントレベルをコントロールするためにトリス(4−ブロモフェニル)アミニウムヘキサクロロアンチモネートのようなカチオンラジカルを含有する化合物を添加したり、酸化物半導体表面のポテンシャル制御を行うために、添加剤としてLi[(CF3SO22N]などを含めた各種のアルカリ金属塩を添加することができる。
無機の正孔輸送材料としては、p型無機化合物半導体を用いることができる。好ましいp型無機化合物半導体は一価の銅を含む化合物半導体であり、一価の銅を含む化合物半導体の例としてはCuI,CuSCN,CuInSe2,Cu(In,Ga)Se2,CuGaSe2,Cu2O,CuS,CuGaS2,CuInS2,CuAlSe2などが挙げられる。この中でもCuI及びCuSCNが好ましく、CuIが最も好ましい。このほかのp型無機化合物半導体として、GaP、NiO、CoO、FeO、Bi23、MoO2、Cr23等を用いることができる。
本発明の光キャパシタの負極には、負極の電気二重層への電子輸送を整流化する目的と、負極自体に光感応性すなわち光充電機能を付与する目的から、p型半導体を負極の層構成に組み込むことができる。
このようなp型半導体としては有機と無機の固体の半導体を用いることができる。有機半導体としては有機光導電材料として知られるフタロシアニン誘導体、ポルフィリン誘導体、メロシアニン系色素、ペリレンなどの色素材料が有効である。また、無機のp型半導体には、好ましいものとしてp型Siのほか、InP、GaAs、CuInS2、CuI、Cu2O、GaP、NiO、CoO、FeOなどを挙げることができる。p型半導体は可視の波長領域に光吸収があることが好ましい。
本発明の光キャパシタの負極には、負極のメソポーラス構造を広げる目的もしくは負極における充放電性能を良化する目的で、各種の金属酸化物を負極の層構成に組み込むことができる。
このような金属酸化物は半導体であっても絶縁体であってもよい。金属酸化物としては、例えばTiO2、ZnO、SnO2、WO3、RuO2、Nb23、V25、Al23、SiO2などを挙げることができる。これらのなかで好ましいものはTiO2、SnO2である。
また、負極には各種の金属の単体、合金、ならびに各種の金属化合物、有機金属化合物を層構成に組み込むことができる。これらの金属や金属化合物は負極の充放電において酸化還元を行う物質であってもよい。
正極と負極の層を構成する多孔質材料には、層を固定化する目的で各種のバインダーを添加することができる。バインダーとしては、ポリビニリデンフロライド、ポリテトラフロロエチレン、フッ化ビニリデン−六フッ化プロピレン共重合体、ポリ三フッ化塩化エチレン、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、エチレン−プロピレンゴム、ニトリルゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリエステル、ポリアミド、ポリカーボネートなどが挙げられる。バインダーは粉体で添加してもよく、エマルション状態で添加してもよい。
正極と負極の層を構成する多孔質材料には、電極抵抗を減らす目的で導電材料を添加することができる。導電材料してとして用いるものには、たとえばチャンネルブラック、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ケッチェンブラック、グラファイト、カーボンブラックが好ましい。これらは単独で用いても2種類以上の混合物で用いてもよい。またISAF、HAF、FEF、SRFカーボンなども用いられる。
本発明の光キャパシタの集電体に用いる導電材料としては、金属箔(アルミニウム箔、ステンレススチール箔、銅箔など)、エッチング金属箔、エキスパンドメタルなどが使用できる。また、光学的に透明な集電体には導電膜として、酸化スズ、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化亜鉛などを含む透明導電膜が好ましく用いられる。集電体の表面抵抗は50Ω/□以下であることが好ましく、20Ω/□以下であることがさらに好ましく、2Ω/□以下であることが最も好ましい。
正極の集電体には光学的に透明な導電性電極が集電体として好ましく用いられる。本発明の光キャパシタは光電極に外部から入射する光が到達するために、正極、負極のいずれかもしくは両方が光学的に透明な導電性電極によって構成されることが必要であるが、特に正極が透明であることが必要である。
透明な導電性電極としては、例えば、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)を被覆したガラス、酸化インジウムスズ(ITO)を被覆したガラス、ITOを被覆した各種のプラスチックフィルムなどを用いることができる。また、透明な金属薄膜を担持したガラスやプラスチック、格子状に金属線のパターンを担持させたガラスやプラスチックを用いることもできる。
集電体に透明導電膜を用いる場合は、表面抵抗を低減するために、補助リードを透明導電膜の面内に格子状にパターニングしたものを用いることができる。このような補助リードを構成する材料は、電気抵抗が低い金属が好ましく、特に、銅、銀、アルミニウム、金、亜鉛、ニッケル、などが好ましい。
このような補助リードを設置した透明な集電体は、補助リードの占める投影面積が集電体の全投影面積に占める割合が10%以内であること、特に5%以内であるのが好ましい。すなわち集電体の開口率は、10%以上であることがこのましく、95%以上であることが特に好ましい。また、補助リードを含めた光学的に透明な集電体の光透過率は、波長500nmにおいて60%以上あること、特に70%以上であることが好ましい。
集電体の厚みは、特に限定されるものではないが、金属箔を用いる場合においては通常10〜100μm程度であり、より好ましくは20〜70μm程度である。
本発明の光キャパシタの正極と負極の集電体は、その支持体材料に、ガラス、金属、樹脂、プラスチックなどを用いることができるが、支持体として機械的にフレキシブルな材料を用いることが好ましい。このように本発明の光キャパシタは正極と負極をフレキシブルとすることによってキャパシタ本体を機械的に折り曲げや券回が可能なフレキシブルな本体とすることができる。
透明導電膜をもつフレキシブルな集電体には導電性プラスチックを用いることが好ましい。導電性プラスチックを用いる場合、その導電膜には、酸化スズ、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化亜鉛などを含む金属酸化物系の透明導電膜の他に、金属の薄膜を用いることもできる。このような金属には例えば、白金、金、銀、アルミニウム、銅、ニッケル、クロム、鉄やその合金が用いられる。
これらの金属の薄膜は1種以上を積層してもよい。また、導電膜には、電導性を持つ高分子材料を用いることもできる。このような高分子としては、例えば、ポリアセチレン系、ポリピロール系、ポリチオフェン系、ポリフェニレン系、ポリフェニレンビニレン系の高分子が選ばれる。
透明導電性プラスチック支持体のプラスチック材料としては、無着色で透明性が高く、耐熱性が高く、耐薬品性ならびにガス遮断性に優れ、かつ低コストの材料が好ましく選ばれる。この観点から、プラスチック材料として、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、シンジオタクチックポリスチレン(SPS)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリカーボネート(PC)、ポリアリレート(PAr)、ポリスルホン(PSF)、ポリエステルスルホン(PES)、ポリエーテルイミド(PEI)、透明ポリイミド(PI)などを用いることができる。
プラスチック支持体の耐熱性は、ガラス転移点が100℃以上、好ましくは120℃以上のポリマーが好ましく、光透過率が、波長420nmにおいて50%以上、波長500nmにおいて70%以上であることが好ましい。また低コストであることが好ましい。本発明で特に好ましく用いられるいものは、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)である。
プラスチック材料の中に金属微粒子や炭素材料(カーボンブラックなど)などの導電材料あるいは導電性フィラーを複合化して得られる導電性プラスチックの層を上記のプラスチック集電体の一部もしくは全体として用いることもできる。
このような複合化に用いる高分子材料としての例としては、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ABS樹脂などの熱可塑性樹脂;塩化ビニル系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、スチレン系エラストマー、塩素化ポリエチレン、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチエン−酢酸ビニル共重合体などの熱可塑性エラストマーもしくはその架橋物;天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、ブチルゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、エチレンプロピレンゴム、クロロプレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、塩素化ポリエチレンゴム、アクリルゴム、エピクロルヒドリンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴムなどのゴム類もしくはその架橋物を挙げることができる。
これら高分子物質を2種類以上ブレンドして使用してもよい。プラスチック集電体には、また、カーボンファイバー、ポリエステル、ナイロン、ビニロンなどからなる補強用繊維を含ませてもよい。
本発明のキャパシタに用いる電解液は特に制限はなく、有機電解液、水溶液系電解液、溶融塩系電解液、ポリマー型電解液を含め、キャパシタに用いることのできる各種の電解液が用いられる。大型電源用途に用いる場合は、安全性の観点から引火・発火の恐れのない水溶液系が好ましい。水溶液電解液としては、各種の酸溶液、塩の水溶液、アンモニウム塩を含めるアルカリ性水溶液を用いることができる。
さらに瞬時に多量の電流が出入りする用途では、水溶液系の中でも、高電流密度下での充放電特性に優れる少なくとも一つのランタノイド元素の塩の水溶液を酸の共存下で電解液として用いることが好ましい。この電解液は、多孔質半導体層と炭素層ならびにセパレータに含浸して用いられる。
単セル当たりの電圧が高いキャパシタの作製には有機電解液を用いることがより好ましい。有機溶媒としては、特に限定されるものではないが、本発明に使用する電解質の溶媒としては、例えば、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなどのカーボネート類、アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル類、γ−ブチロラクトン、α−メチル−γ−ブチロラクトン、β−メチル−γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、3−メチル−γ−バレロラクトンなどのラクトン類、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシドなどのスルホキシド類、ジメチルホルムアミド、ジエチルホルムアミドなどのアミド類、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタンなどのエーテル類、ジメチルスルホラン、スルホランなどを挙げることができる。これらの有機溶媒は、1種又は2種以上の混合溶媒として用いることもできる。
電解質としても、特に限定されるものではないが、テトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレート、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレート、トリエチルメチルアンモニウムテトラフルオロボレート、テトラエチルアンモニウムヘキサフルオロホスフェートなどの公知のものが使用でき、これらのうちの1種又は2種以上の混合物を使用することができる。有機電解液は、非プロトン性の有機溶媒に対し電解質を通常0.5〜3.0mol/リットル(より好ましくは0.7〜2.0mol/リットル程度)に溶解したものを使用する。
電解質の濃度としては、0.5mol/リットル〜5mol/リットルが好ましい。特に好ましくは1mol/リットル〜2.5mol/リットルである。
電解質溶液の中には、酸化還元剤を含める電極活物質を添加することができる。特に還元剤として増感色素の酸化体を還元する電子供与性化合物を添加することができる。このような電子供与性化合物として、例えば、無機や有機のヨウ素塩ならびに臭素塩、有機化合物としてアミン類、ヒドロキノン類、ヒドラジン誘導体、アルコール類、などが挙げられる。
本発明の光キャパシタには電極間の短絡防止の目的でセパレータが用いられる。このセパレータ層は、正極と負極との間に電解液を含浸して挿入される。セパレータを設けたキャパシタにおいては、電解液層はセパレータ層と一体化し、電解液層の厚みは、セパレータの厚みと同等となる。セパレータ材料には、絶縁性の材料としてフィルム形状のもの、粒子状のものなど、電極間距離を確保するのに適当なものが用いられ、その形状と方式は限定されない。
セパレータ層を形成する材料は電気的に絶縁性の材料であり、その形状はフィルム状、粒子状のいずれであってもよいが、フィルム状のセパレータを用いるのが好ましい。フィルム状のものには、フィルターに用いる多孔性の樹脂フィルム、繊維状の高分子材料からなるフィルムなどが挙げられる。繊維状の高分子材料として、樹脂の不織布を用いることができる。不織布とは、いわゆる湿式法又は乾式法などの製法を用いて、適当な長さに切断された合成繊維、天然繊維などを繊維自身の融着力などによって繊維間接合し、マット状又は薄綿状にした後、蒸し焼きなどの後処理により作製され得る布状物である。特に親水化処理されたポリプロピレン不織布が好ましい。
他に、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン製の微孔膜、一般に電解コンデンサ紙と呼ばれるパルプを主原料とする多孔質膜などの公知のものを用いることができる。これらのセパレータはその表面に対して、目的に応じて親水処理、疎水処理を施すことができる。
このフィルム状セパレータの厚みは80μm以下、好ましくは5〜50μm、さらに好ましくは5〜25μmの範囲である。このフィルムとしては空孔率が40〜85%のものを用いるのが好ましい。
粒子としては各種の無機材料、有機材料を用いることができる。例えば、シリコン、シリカ、アルミナなどの無機材料、ポリスチレン、ポリエチレン、PMMA、ナイロンなどの有機材料からなる粒径がそろったビーズが用いられる。これらのセパレータの厚みあるいは粒子径は、好ましくは10〜200μm、さらに好ましくは、10〜50μmである。
セパレータは電解質と兼用することもできる。この目的でポリマーなどによってゲル化した電解液、電解液中の化合物の架橋反応によって電解液を架橋して粘度を高めた電解液などが用いられる。これらのいわゆる擬固体化された電解液もセパレータの役割を果すことができる。例えば、ポリエチレンオキシドなどポリエーテル系の固体電解質やポリマーゲル電解質、ポリフッ化ビニリデン系のポリマーに有機電解液を含浸させたポリマー電解質などを用いることができる。
本発明の光キャパシタは、フレキシブルなプラスチックシートの形で組み立てることが好ましく、このようなシート型の光キャパシタは厚さが1mm以下であることが好ましく、0.5mm以下であることが特に好ましい。
以上説明した本発明の積層型電気二重層キャパシタの好適な態様としては、正極層及び負極層における多孔質構造の表面粗さ係数が、それぞれ200以上であること、負極層の多孔質構造が多孔質炭素材料で形成されていること、正極層に含有されるか又はそれに設けられる感光材料が半導体の層であり、該半導体層の半導体が少なくとも400nm以上の可視光の波長領域で光吸収を示すn型半導体からなること、上記の半導体がカルコゲナイド系化合物半導体であること、上記のカルコゲナイド系化合物半導体が、硫化カドミウム、セレン化カドミウム、硫化亜鉛及びセレン化亜鉛の中から選ばれる化合物を主体とするものであること、上記の半導体が金属酸化物からなるn型半導体であること、上記の金属酸化物が酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ及び酸化タングステンの中から選ばれる金属酸化物を主体とするものであること、上記の半導体が色素増感された多孔質半導体からなること、上記の正極層が半導体と炭素材料との混合物によって構成されること、上記の半導体が色素増感された多孔質半導体であること、上記の正極層が半導体層とそれに接合した炭素材料層からなること、上記の半導体層が色素増感された多孔質半導体層であること、上記の炭素材料がBET法による比表面積500〜5000m2/g、平均粒子径0.02〜15μmの炭素材料で構成されること、上記の多孔質炭素材料が活性炭、黒鉛及びカーボンブラックの中から選ばれること、上記の正極層、負極層とこれらを構成する炭素材料の少なくとも1つがフラーレン及びカーボンナノチューブの少なくとも一方を含むこと、上記の正極層が正孔輸送材料を含むこと、上記の負極層がp型半導体を含むこと、上記の負極層が金属酸化物含有層を含むこと、上記の中間層のイオン性電解質が酸化還元剤、電子供与物質、電子受容物質のいずれも含まない支持塩と溶媒のみからなる電解液であること、上記の正極層が光学的に透明な導電性電極を集電体として該集電体上に半導体を担持して構成されていること、及び上記の正極層の集電体が光学的に透明な導電層をもつ導電性フィルムであり、正極層、負極層の両方とも機械的にフレキシブルなものであることが挙げられる。
本発明によれば、光照射により正極に発生した光起電力による充電が行われ、光照射を停止すると放電が行われる光充電型のキャパシタが提供され、このものは軽量のシート状又はフィルム状に形成しうるので蓄電可能な太陽電池として好適である。
次に実施例により本発明の最良の実施形態を説明するが、本発明はこれによって何ら限定されるものではない。
(1)光電極(正極)の作製
結晶性二酸化チタンナノ粒子(昭和電工社製,ルチル、アナターゼ混合型,平均粒径20nm)を超純水とイソプロピルアルコールを用いて十分に洗浄した後、tert−ブチルアルコール(純度99.5%以上)とアセトニトリル(純度99.5%以上)の混合溶媒(質量比95:5)100mlに30gを撹拌分散し、この分散液に粒径5nmの二酸化チタン粒子を水とエチルアルコールの混合溶媒(質量比50:50)に分散した酸性のゾル液(濃度8質量%)を10質量%添加し、得られた混合分散液を自転/公転併用式のミキシングコンディショナーを使って均一に混合し、粘性のペーストを調製した。このチタニアペーストを、ITO膜を片面に被覆した透明導電性のポリエチレンナフタレート(ITO−PEN)フィルム(厚み125μm、表面抵抗10Ω/□)のITO面にドクターブレード法によって塗布し、40℃で20分乾燥し、多孔性の二酸化チタン粒子層をn型半導体層としてITO−PEN集電体上に形成した。粒子層の膜厚みは10μm、表面粗さ係数は950、空孔率は70%であった。
BET比表面積が1100m2/g、一次粒子の平均粒系が0.03μmの多孔質の活性炭(活性炭素繊維)をバインダーのポリフッ化ビニリデンのN−メチルピロリドン溶液と質量比10:1で混合してペーストを調製し、ペーストを上記の二酸化チタン粒子層上に塗布して、活性炭を0.2mg/cm2の被覆量で担持した。活性炭を被覆した電極フィルムを乾燥空気中で150℃のもとで1時間加熱処理を行った。このようにして得られた炭素被覆二酸化チタン正極の表面粗さ係数は550であった。
(2)負極の作製
負極の集電体として膜厚500nmのアルミニウムを片面に被覆したPENフィルム(厚さ125μm)を用いた。上記の正極で用いた活性炭の粉末、アセチレンブラック、ポリフッ化ビニリデンのN−メチルピロリドン溶液を質量比9:1:1で混合し、得られたペーストをアルミニウム表面上に塗布し60℃で乾燥後プレスすることによって、活性炭を含む膜厚10μmの炭素層を被覆した。この負極フィルムをさらに乾燥空気中で150℃のもとで1時間加熱処理を行った。このようにして得た活性炭を被覆した負極の表面粗さ係数は800であった。また、比較のために、負極に活性炭層を担持させないアルミニウムPENフィルムのみの負極(表面粗さ係数1.2)も準備した。
(3)光キャパシタの組み立て
電解液として、非水有機電解液としてテトラエチルアンモニウムテトラフルオロボーレートを支持塩として20重量%含む乾燥プロピレンカーボネート溶液を用いた。また、水系電解液として、0.01Nの希硫酸水溶液を用いた。非水有機電解液に対しては多孔性ポリプロピレンフィルム(厚さ20μm、空孔率70%)、水系電解液に対しては多孔性セルロースフィルム(厚さ50μm、空孔率70%)をそれぞれセパレータとして用いて、上記の正極と負極の両極間にセパレータを挿入して、両極を挟み、両極間に上記の電解液を注入した。両極のエッジ部に挿入したホットメルト型のシール用フィルムを用いて両極を熱圧着してシールした。このようにして、厚みが約300μm、正極と負極の有効電極面積ならびに正極の有効受光面積が1cm2のフィルム型の光キャパシタを作製した。非水有機電解液を用いて作製したキャパシタをキャパシタA、水系電解液を用いて作製したキャパシタをキャパシタBとした。
二酸化チタン粒子膜に代えて、400nm以上の可視波長領域に光吸収を持つ硫化カドミウム(CdS)の粒子をITO−PENフィルム上に担持した以外は、実施例1と同様な方法で非水有機電解液を用いて光キャパシタを作製した。CdSは、Cd(ClO42とNa2Sを水溶液中で反応させ、沈殿物を水洗して調製した。CdS粒子の一次粒径は50nmであった。このCdS粒子をITO膜上にプレス法によって担持させ120℃で30分乾燥させ、膜厚10μm、表面粗さ係数500、空孔率55%のn型半導体のCdS膜を形成させた。また、このCdS膜上に活性炭を被覆して作製したCdS正極の表面粗さ係数は300であった。このCdS電極を用いて光キャパシタCを作製した。また、非水有機電解液に代えて水系電解液を用いてキャパシタDを作製した。非水有機電解液を用いた系で比較として、プレス圧を高めて電極材料の空孔率を減じ、表面粗さ係数が150に低下したCdS電極を作製しこれを用いて光キャパシタEを作製した。また、キャパシタCにおいて、比較として負極に活性炭を担持しないアルミニウムPENフィルムを用いて同様に作製したキャパシタをキャパシタFとした。
実施例1で作製した多孔性二酸化チタン電極の表面を色素の吸着によって増感させて、色素増感二酸化チタン電極とした以外は、実施例1に従って光キャパシタを作製した。増感色素にはRuビピリジル錯体(Solaronix社製、Ru535)を用い、色素を3×10-4mol/リットル含むアセトニトリルとtert−ブチルアルコール混合溶媒(質量比1:1)の溶液に二酸化チタン被覆ITO−PEN電極を浸漬し、40℃で1時間振とう攪拌し、増感色素を二酸化チタン粒子に吸着させた。実施例1にしたがって活性炭を色素吸着二酸化チタン層に被覆して得られた正極の表面粗さ係数は550であった。この正極を用い、非水有機電解液を用いてキャパシタG、水系電解液を用いてキャパシタHを作製した。また、キャパシタGにおいて比較のために、実施例1で用いたBET比表面積が1100m2/gの活性炭に代えて、比表面積が600m2/g、400m2/gと小さい黒鉛炭素材料を正極に用いて正極の表面粗さ係数が350、150である光キャパシタI、Jをそれぞれ作製した。また、光キャパシタGにおいて負極に活性炭を担持しないアルミニウムPEN電極を用いてキャパシタKを作製した。
実施例3で作製した光キャパシタGにおいて、色素増感二酸化チタン層に活性炭を被覆する段階で、活性炭を被覆する前に色素増感二酸化チタン層の表面にフラーレンを吸着させた。フラーレン(C60)はトルエンに10-4Mに溶解し、トルエン溶液を色素増感二酸化チタン層に添加し乾燥させた。次いで、実施例3と同様にBET比表面積が1100m2/gの活性炭の膜をキャスト法によってフラーレン吸着色素増感二酸化チタン層上に形成した。この正極を用いて、キャパシタLを作製した。
実施例4のキャパシタLの作製において、色素増感二酸化チタン層を色素の存在しない二酸化チタンに置き換えてキャパシタMを作製した。すなわち、キャパシタMの光電極材料は、多孔性二酸化チタン層/フラーレン層/活性炭層からなる。
実施例4において、フラーレンに代えて正孔輸送材料を色素と活性炭の中間層に用いてキャパシタを作製した。無機の正孔輸送材料としてCuI、有機の正孔輸送材料として、MEH−PPVとして知られるポリ(2−メトキシ−5−(2´−エチルヘキシルオキシ)−1,4−フェニレンビニレン)の2種をそれぞれ用いた。CuIはアセトニトリルに1mMに溶解して色素増感二酸化チタン層上に添加したのちAr置換雰囲気中60℃で乾燥させた。MEH−PPVはトルエンに0.5g/リットルの濃度で溶解して色素増感二酸化チタン層上に添加したのち60℃で乾燥させた。このようにして、二酸化チタン/色素/正孔輸送剤/活性炭の層構成からなる正極と非水有機電解液を用いて、CuIについてキャパシタN、MEH−PPVについてキャパシタPをそれぞれ作製した。
実施例3のキャパシタGの作製において、対極にp型半導体の層を挿入してキャパシタを作製した。p型半導体のInPの結晶微粒子(平均粒径2μm)をバインダーのポリビニリデンフロリドと混合しプレス法によってアルミニウム集電体上に膜厚8μmで担持し、このInP層上に活性炭層を設けた以外は、キャパシタGと同様な方法によって、非水有機電解液を用いて光キャパシタQを作製した。負極の表面粗さ係数は800であった。
実施例3のキャパシタGの作製において、対極に活性炭の層に代えて、TiO2と活性炭を質量比2:1で混合した層を用いた以外は、キャパシタGと同様な方法によって、非水有機電解液を用いて光キャパシタRを作製した。負極の表面粗さ係数は700であった。
参考例
実施例1〜8で組み立てた電気二重層光キャパシタの充放電実験を次のように実施し、キャパシタとしての性能を評価した。暗中で光電極と対極を外部回路で結線して短絡させ、電極間電圧をゼロとした。次いで、このキャパシタに対して、500Wのキセノン灯とAir Mass 1.5(AM1.5)フィルターを用いる人工太陽光源(ソラーシミュレーター)を使って、100mW/cm2の光量の白色光を、キャパシタの光電極側に照射した。この照射の間、シャントした外部回路には光電極(正極)への電子注入と正極から負極への電子の流れを示すアノード光電流(mA/cm2のオーダー)が発生した。また、電極の光起電力を開回路下で測った結果、正極が光照射によって負の起電力(−0.4V以上)を生じていることが確認された。照射開始10秒後の光電流を初期光電流(I0)として計測し、シャント回路の状態で光照射を続行すると、光電流は照射時間と共に減少する傾向を示した。またこの照射の過程で開回路起電力を計測すると照射時間とともに光電極(正極)に対して負極の電圧がより負に変化していく現象が観測された。すなわち、光照射によって、正極に正電荷が、負極に負電荷が蓄積されて充電が進行した。光照射を継続し負極の電圧が飽和し、光電流が初期値の1/1000以下となるまで1時間光充電を行った後、光照射下で回路を開き、充電電圧Vcを計測した。
キャパシタを暗中に置き、外部回路を閉じて充放電制御装置(東方技研マルチポテンシオスタットPS−08)を用いて10μA/cm2の定電流密度で放電を行った。放電時間とともに電圧の降下する特性が観測された。放電の終了電圧を0Vとし、1時間の放電を行って0Vに到達した後は放電電流を減少させて0Vを維持させた。この放電に要した負極の炭素材料の重量あたりの容量(mAh/g)を計測し、放電容量Cdとした。
これらの光キャパシタについて得られた充放電性能を、キャパシタの構成内容とともに表1に示して比較した。電極材料の構成中、Cは活性炭、C60はフラーレンを示す。
表1の結果から、いずれの構成のキャパシタも光充電能力があることが示されるが、可視光に吸収を持たない二酸化チタン単独を感光物質として正極に用いたキャパシタA、Bでは紫外光のみによる充電のために能力が極めて小さい。一方、400nm以上の可視光に対し、吸収を示す化合物半導体(CdS)を正極に用いる系、色素増感半導体を用いる系ではいずれも十分な充放電機能が発揮されている。負極に多孔質炭素材料を担持しない系では充放電容量が小さい。正孔輸送材を正極に組み込んだキャパシタでは充放電能力が改善されることもわかった。これらの光キャパシタは、光充電と放電の10回の繰り返しにおいて放電容量が低下することなく安定に機能することが示された。
Figure 2004221531
蓄電可能の太陽電池として、電気エネルギー供給に広く利用することができる。
本発明の基本的な構成例の略解断面図。 本発明の色素分子層をもつ構成例の略解断面図。 本発明の色素分子層上に多孔質炭素材料をもつ構成例の略解断面図。 本発明の色素分子層と多孔質炭素材料層との間に正孔輸送材料層を設けた構成例の略解断面図。 本発明の色素分子層と多孔質炭素材料層との間に正孔輸送材料層を設け、さらに炭素材料層の下にp型半導体層を設けた構成例の略解断面図。
符号の説明
1 イオン性電解質層
2 支持体
3 透明導電膜
4,6 集電体
5 多孔質半導体層
7,9 多孔質炭素材料層
8 色素分子層
10 正孔輸送材料層
11 p型半導体層
A 正極層
B 負極層

Claims (22)

  1. イオン性電解質層を中間層とし、その両側にそれぞれ正極層及び負極層を積層して一体化した積層体からなる電気二重層キャパシタにおいて、正極層及び負極層が中間層と接する表面が多孔質構造であり、正極層に光感応性物質を含有させるか又は光感応性物質の層を設け、正極層を光の吸収により起電力を生じる電極に構成することにより、正極層と負極層とを外部回路で連結して正極層に光照射した場合に、正極層に正電荷を、負極層に負電荷を蓄積して充電が行われ、充電した電気量の放電と繰り返しの充電と放電を行うことができることを特徴とする、光充電可能な積層型電気二重層キャパシタ。
  2. 正極層に含有されるか又はそれに設けられる光感応性物質が、少なくとも400nm以上の可視光の波長領域で光吸収を示す半導体からなる請求項1記載の光充電可能な積層型電気二重層キャパシタ。
  3. 正極層及び負極層における多孔質構造の表面粗さ係数が、それぞれ200以上である請求項1又は2記載の光充電可能な積層型電気二重層キャパシタ。
  4. 負極層の多孔質構造が多孔質炭素材料で形成されている請求項1ないし3記載の光充電可能な積層型電気二重層キャパシタ。
  5. 半導体がカルコゲナイド系化合物半導体である請求項2記載の光充電可能な積層型電気二重層キャパシタ。
  6. カルコゲナイド系化合物半導体が、硫化カドミウム、セレン化カドミウム、硫化亜鉛及びセレン化亜鉛の中から選ばれる化合物を主体とするものである請求項5記載の光充電可能な積層型電気二重層キャパシタ。
  7. 半導体が金属酸化物からなるn型半導体である請求項2記載の光充電可能な積層型電気二重層キャパシタ。
  8. 金属酸化物が酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ及び酸化タングステンの中から選ばれる金属酸化物を主体とするものである請求項7記載の光充電可能な積層型電気二重層キャパシタ。
  9. 可視光の波長領域で光吸収を示す半導体が色素増感された多孔質半導体からなる請求項2ないし4及び7、8のいずれかに記載の光充電可能な積層型電気二重層キャパシタ。
  10. 正極層が光感応性物質と多孔質炭素材料との混合物によって構成される請求項1ないし9のいずれかに記載の光充電可能な積層型電気二重層キャパシタ。
  11. 光感応性物質が色素増感された多孔質半導体である請求項10記載の光充電可能な積層型電気二重層キャパシタ。
  12. 正極層が光感応性の半導体層とそれに接合した多孔質炭素材料層からなる請求項1記載の光充電可能な積層型電気二重層キャパシタ。
  13. 光感応性の半導体層が色素増感された多孔質半導体層である請求項12記載の光充電可能な積層型電気二重層キャパシタ。
  14. 多孔質炭素材料がBET法による比表面積500〜5000m2/gの炭素材料で構成される請求項10ないし13記載の光充電可能な積層型電気二重層キャパシタ。
  15. 多孔質炭素材料が活性炭、黒鉛及びカーボンブラックの中から選ばれる請求項4及び10、12、14記載の光充電可能な積層型電気二重層キャパシタ。
  16. 正極層、負極層、正極層を構成する炭素材料、負極層を構成する炭素材料、の少なくとも1つが、フラーレン及びカーボンナノチューブの少なくとも一方を含む請求項4及び請求項10ないし15記載の光充電可能な積層型電気二重層キャパシタ。
  17. 正極層が正孔輸送材料を含む請求項1ないし16のいずれかに記載の光充電可能な積層型電気二重層キャパシタ。
  18. 負極層がp型半導体を含む請求項1ないし17のいずれかに記載の光充電可能な積層型電気二重層キャパシタ。
  19. 負極層が金属酸化物含有層を含む請求項1ないし17のいずれかに記載の光充電可能な積層型電気二重層キャパシタ。
  20. 中間層のイオン性電解質が酸化還元剤、電子供与物質、電子受容物質のいずれも含まない支持塩と溶媒のみからなる電解液である請求項1ないし19のいずれかに記載の光充電可能な積層型電気二重層キャパシタ。
  21. 正極層が光学的に透明な導電性電極を集電体として該集電体上に半導体を担持して構成されている請求項1ないし14のいずれかに記載の光充電可能な積層型電気二重層キャパシタ。
  22. 正極層の集電体が光学的に透明な導電層をもつ導電性フィルムであり、正極層、負極層の両方とも機械的にフレキシブルな集電体によって構成される機械的にフレキシブルな請求項1ないし21に記載の光充電可能な積層型電気二重層キャパシタ。
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