JP2006310380A - 固体積層型コンデンサ - Google Patents

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Abstract

【課題】 液漏れ等の問題がなく、また外部回路を正極及び負極を連結しない状態でも光充電することができ、さらに電極間隔の減少並びに電荷保持の長寿命化を達成することが可能な固体積層型コンデンサを提供すること。
【解決手段】 シリカ系メソ多孔体薄膜と、前記シリカ系メソ多孔体薄膜に担持されている増感色素分子と、前記シリカ系メソ多孔体薄膜の少なくとも一方の面上に積層されているチタニアナノシート層と、前記チタニアナノシート層に担持されている電子受容体とを備えることを特徴とする固体積層型コンデンサ。
【選択図】 なし

Description

本発明は、固体積層型コンデンサに関し、より詳しくは、光充電可能な固体積層型コンデンサに関する。
近年、電力を貯蔵する方法の一つとして、電気二重層の容量変化として電気を貯蔵するコンデンサを用いる方法が検討されており、同様に蓄電を行う酸化還元反応型の二次電池と比較して電力の充放電速度が早く、充放電寿命も長いことが知られている。
一方、太陽光を直接電力に変換する手段の一つとして、太陽電池に関する研究が活発に行われており、固体接合型の太陽電池や色素増感型の太陽電池が提案されている。しかしながら、太陽電池の場合は太陽光の照射がない場合には電力を供給することができず、コンデンサ等と組み合わせて継続的な電力供給を可能とするためには付加的な設備が必要となり、エネルギー的なロスも大きいという問題があった。
このような状況の下、特開2004−221531号公報(特許文献1)には、イオン性電解質層を中間層とし、その両側にそれぞれ正極層及び負極層を積層して一体化した積層体からなり、正極層及び負極層が中間層と接する表面が多孔質構造であり、正極層に光感応性物質を含有させるか又は光感応性物質の層を設け、正極層を光の吸収により起電力を生じる電極に構成してなる積層型電気二重層キャパシタが開示されており、かかる積層型電気二重層キャパシタによれば、正極層と負極層とを外部回路で連結して正極層に光照射した場合に、正極層に正電荷を、負極層に負電荷を蓄積して充電が行われ、繰り返しの充放電を行うことができることが記載されている。
しかしながら、特許文献1に記載されている積層型電気二重層キャパシタにおいては、電解質として液体を用いているため液漏れ等の問題があり、また光感応性物質が正極側のみであるため外部回路で正極及び負極を連結しない限り光充電することができず、さらに電極間隔の減少並びに電荷保持の長寿命化にも限界があるといった問題があった。
特開2004−221531号公報
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、液漏れ等の問題がなく、また外部回路を正極及び負極を連結しない状態でも光充電することができ、さらに電極間隔の減少並びに電荷保持の長寿命化を達成することが可能な固体積層型コンデンサを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、増感色素分子を担持させたシリカ系メソ多孔体薄膜と電子受容体を担持させたチタニアナノシート層とを積層することによって、驚くべきことに上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の固体積層型コンデンサは、シリカ系メソ多孔体薄膜と、前記シリカ系メソ多孔体薄膜に担持されている増感色素分子と、前記シリカ系メソ多孔体薄膜の少なくとも一方の面上に積層されているチタニアナノシート層と、前記チタニアナノシート層に担持されている電子受容体とを備えることを特徴とするものである。
本発明にかかる前記増感色素分子としては、ポルフィリン誘導体が好ましい。また、本発明にかかる前記電子受容体としては、ビオロゲン色素が好ましい。
なお、本発明の固体積層型コンデンサによれば、液漏れ等の問題がなく、また外部回路を正極及び負極を連結しない状態でも光充電することができ、さらに電極間隔の減少並びに電荷保持の長寿命化を達成することが可能となる理由は必ずしも定かではないが、本発明者らは以下のように推察する。すなわち、本発明の固体積層型コンデンサにおいては、チタニアナノシート層が中間層及び固体増感層として機能し、その一方の側に電子供与能を有する分子又は電子供与能と増感能を併せ持つ色素分子が担持されたシリカ系メソ多孔体薄膜からなる正電荷保持層が積層され、さらにチタニアナノシート層の層間に電子受容体からなる負電荷保持層が配置された状態となっている。このように中間層が光増感物質であることにより、中間層に光照射した場合に、正電荷保持層に正電荷が、負電荷保持層に負電荷が蓄積されて充電が行われ、充電した電気量の放電と繰り返しの充電と放電を行うことが可能となる。そして、チタニアナノシートが電荷再結合反応を阻止しているため、充電後の電荷保持の長寿命化が達成されると本発明者らは推察する。また、本発明の固体積層型コンデンサにおいては、従来の液体電解質層の代替として、上記の増感色素分子が担持されたシリカ系メソ多孔体薄膜と電子受容体という固体成分のみで構成されているため、液漏れ等の問題が解消される。さらに、本発明にかかるチタニアナノシートは膜厚をサブnm〜nmレンジで制御することが可能なものであるため、電極間隔を極めて小さくすることが可能となる。したがって、本発明の固体積層型コンデンサによれば、前記目的が全て達成されるようになるものと本発明者らは推察する。
本発明によれば、液漏れ等の問題がなく、また外部回路を正極及び負極を連結しない状態でも光充電することができ、さらに電極間隔の減少並びに電荷保持の長寿命化を達成することが可能な固体積層型コンデンサを提供することが可能となる。
以下、本発明の固体積層型コンデンサをその好適な実施形態に即して詳細に説明する。
(シリカ系メソ多孔体薄膜)
先ず、本発明の固体積層型コンデンサにおいて用いられるシリカ系メソ多孔体薄膜について説明する。
先ず、メソ多孔体とは、細孔のサイズがメソ孔である多孔体をいう。ここで、メソ孔とは、中心細孔直径が1〜50nmのものをいい、好ましくは中心細孔直径が2〜20nmのものである。中心細孔直径が前記下限未満の場合は増感色素分子が細孔内に導入されにくくなり、他方、前記上限を超える場合は細孔内に導入された増感色素分子の安定化効果が低くなる。なお、中心細孔直径とは、メソ多孔体の細孔容積(V)を細孔直径(D)で微分した値(dV/dD)を細孔直径(D)に対してプロットした曲線(細孔径分布曲線)の最大ピークにおける細孔直径を意味する。そして、細孔分布曲線は、メソ多孔体を液体窒素温度(−196℃)に冷却して窒素ガスを導入し、定容量法によりその吸着量を求め、次いで、導入する窒素ガスの圧力を徐々に増加させ、各平衡圧に対する窒素ガス吸着量をプロットして吸着等温線を得た後に、Cranston−Inklay法、Dollimore−Heal法、BJH法等を適用して求めることができる曲線である。
本発明にかかるシリカ系メソ多孔体は、ケイ素原子と酸素原子を必須成分として含む化合物の多孔体である。このようなシリカ系メソ多孔体としては、0.1〜1.5mL/gの細孔容積を有するものが好ましく、また、200〜1500m/gのBET比表面積を有するものが好ましい。そして、シリカ系メソ多孔体は、全細孔容積に占める、中心細孔直径の±40%の範囲内の直径を有する細孔の全容積の割合が60%以上の多孔体であることが好ましい。
ここで、「全細孔容積に占める、中心細孔直径の±40%の範囲内の直径を有する細孔の全容積の割合が60%以上」とは、例えば、中心細孔直径が3.00nmである場合、この3.00nmの±40%、すなわち1.80〜4.20nmの範囲にある細孔の容積の合計が、全細孔容積の60%以上を占めていることを意味する。この条件を満たす多孔体は、細孔の直径が非常に均一であることを意味し、このような細孔配列構造を有するシリカ系メソ多孔体に増感色素分子を固定化させることにより、増感色素分子の熱等に対する安定性が向上する傾向にある。なお、細孔容積は、上述のようにシリカ系メソ多孔体を液体窒素温度に冷却して窒素ガスを導入する方法(窒素吸着法)により算出することができる。
また、本発明にかかるシリカ系メソ多孔体は、1nm以上のd値に相当する回折角度に1本以上のピークを有するX線回折パターンを示す多孔体であることが好ましい。X線回折パターンでピークが現われる場合は、そのピーク角度に相当するd値の周期構造がシリカ系メソ多孔体中にあることを意味する。したがって、1nm以上のd値に相当する回折角度に1本以上のピークがあることは、細孔が1nm以上の間隔で規則的に配列していることを意味する。このように非常に規則的な細孔配列構造を有するシリカ系メソ多孔体に増感色素分子を固定化させることにより、増感色素分子の安定性が向上する傾向にある。
上述のシリカ系メソ多孔体における、細孔の配列状態(細孔配列構造)は特に制限されず、例えば、2d−ヘキサゴナルや3d−ヘキサゴナル等のヘキサゴナルの細孔配列構造を有するものであっても、キュービックやディスオーダの細孔配列構造を有するものであってもよい。
ここで、シリカ系メソ多孔体がヘキサゴナルの細孔配列構造を有するとは、シリカ系メソ多孔体の細孔の配置が六方構造であることを意味する(S.Inagaki et al.,J.Chem.Soc.,Chem.Commun.,680,1993; S.Inagaki et al.,Bull.Chem.Soc.Jpn.,69,1449,1996; Q.Huo et al.,Science,268,1324,1995参照)。また、シリカ系メソ多孔体がキュービックの細孔配列構造を有するとは、シリカ系メソ多孔体中の細孔の配置が立方構造であることを意味する(J.C.Vartuli et al.,Chem.Mater.,6,2317,1994; Q.Huo et al.,Nature,368,317,1994参照)。さらに、シリカ系メソ多孔体がディスオーダの細孔配列構造を有するとは、細孔の配置が不規則であることを意味する(P.T.Tanev et al.,Science,267,865,1995; S.A.Bagshaw et al.,Science,269,1242,1995; R.Ryoo et al.,J.Phys.Chem.,100,17718,1996参照)。
なお、シリカ系メソ多孔体が、ヘキサゴナルやキュービック等の規則的細孔配列構造を有する場合は、細孔の全てがこれらの規則的細孔配列構造である必要はない。すなわち、シリカ系メソ多孔体は、ヘキサゴナルやキュービック等の規則的細孔配列構造とディスオーダの不規則的細孔配列構造の両方を有していてもよい。しかしながら、全ての細孔のうち80%以上はヘキサゴナルやキュービック等の規則的細孔配列構造となっていることが好ましい。
また、シリカ系メソ多孔体は、有機基を有するシリカ系メソ多孔体(以下、場合により「有機化シリカ系メソ多孔体」という)であっても、有機基を有しないシリカ系メソ多孔体(以下、場合により「非有機化シリカ系メソ多孔体」という)であってもよい。なお、有機基の有無にかかわらず、いずれのシリカ系メソ多孔体の場合においても、ケイ素以外の金属元素(例えば、Al、Zr、Ti等)を更に含んでいてもよい。
ここで、有機化シリカ系メソ多孔体とは、シリカ系メソ多孔体を構成するケイ素原子の少なくとも一部に、有機基が、炭素−ケイ素結合を形成することによって結合しているものをいう。有機基としては、アルカン、アルケン、アルキン、ベンゼン、シクロアルカン等の炭化水素から1以上の水素がとれて生じる炭化水素基や、アミド基、アミノ基、イミノ基、メルカプト基、スルホン基、カルボキシル基、エーテル基、アシル基、ビニル基等が挙げられる。
上記非有機化シリカ系メソ多孔体を得る方法としては、例えば、(i)米国特許5057296号公報に記載されているように、アルコキシシラン(テトラメチルオルソシリケート(TMOS)、テトラエチルオルソシリケート(TEOS)等)、沈降性シリカ、水ガラス、ケイ酸ナトリウム等のシリカ原料を、界面活性剤(ポリエチレンオキサイド系非イオン性界面活性剤、アルキルトリメチルアンモニウム塩等)が溶解した水溶液に添加して反応させ、その後界面活性剤を除去する方法や、(ii)特開平8−67578号公報及び特開平8−277105号公報に記載されているように、層間にイオンを有する層状ケイ酸塩を界面活性剤(アルキルトリメチルアンモニウム塩等)を用いてイオン交換した後に層間を架橋せしめ、その後界面活性剤を除去する方法等が挙げられる。また、上記有機化シリカ系メソ多孔体を得る方法としては、例えば、(iii)特開2001−114790号公報に記載されているように、有機基とケイ素原子を含有し、有機基の1箇所以上で炭素−ケイ素結合を形成しているケイ素化合物を含むシリカ原料を、界面活性剤(ポリエチレンオキサイド系非イオン性界面活性剤、アルキルトリメチルアンモニウム塩等)と溶媒とを含む溶液中で反応させ、その後界面活性剤を除去する方法が挙げられる。
このような非層状のシリカ原料を用いる(i)や(iii)の方法においては、先ず、水に界面活性剤を添加することにより、界面活性剤は水中で規則的に配列したミセルを形成する。ミセルが形成された水溶液に対してシリカ原料が添加されると、界面活性剤の周囲にシリカ原料が集合し複合体(典型的にはハニカム状の複合体)が形成される。そして、界面活性剤の周囲において塩基性又は酸性条件下でシリカ原料が反応してケイ素酸化物に変化する。したがって、界面活性剤がミセルを形成していた部分にはケイ素酸化物が形成されないため反応生成物は多孔体となる。
また、層状のシリカ原料を用いる(ii)の方法においては、界面活性剤の水溶液に層状ケイ酸塩が添加されると、層状ケイ酸塩の層間に界面活性剤が入り込み複合体(典型的にはハニカム状の複合体)が形成される。このとき、隣接する層状ケイ酸塩の各層は結合しないが、塩基性又は酸性条件下で層状ケイ酸塩の反応が進行することにより隣接する層が結合する。これにより、界面活性剤が存在していた部分が孔となるようにして多孔体が形成される。
なお、本発明にかかるシリカ系メソ多孔体を得る際に用いられる界面活性剤は、特に限定されるものではなく、陽イオン性、陰イオン性、非イオン性のうちのいずれであってもよく、具体的には、アルキルトリメチルアンモニウム{Cp2p+1N(CH33}、アルキルトリエチルアンモニウム、ジアルキルジメチルアンモニウム、ベンジルアンモニウム等の塩化物、臭化物、ヨウ化物又は水酸化物;ポリエチレンオキサイド系非イオン性界面活性剤{(EO)x(PO)y(EO)xで表されるトリブロックコポリマー型ポリアルキレンオキサイド等};脂肪酸塩;アルキルスルホン酸塩;アルキルリン酸塩;一級アルキルアミン等が挙げられる。これらの界面活性剤は、単独で又は二種以上を混合して用いてもよい。
また、本発明においては、前記シリカ系メソ多孔体の薄膜を用いることから、以下のようにして得た高結晶性のシリカ系メソ多孔体薄膜を用いることが好ましい。
すなわち、先ず、前記アルコキシシラン等のシリカ原料を前述の界面活性剤を含有する酸性溶液(塩酸、硝酸等の水溶液又はアルコール溶液等)中で攪拌することにより反応(部分加水分解及び部分縮合反応)せしめてその部分重合体を含むゾル溶液を得る。このようなシリカ原料の加水分解反応はpHが低い領域で起こりやすいことから、系のpHを低くすることにより部分重合を促進することができる。このとき、pHは2以下であることが好ましく、1.5以下であることがより好ましい。また、その際の反応温度は15〜25℃程度とすることができ、反応時間は30〜90分程度とすることができる。
次に、このゾル溶液を各種のコーティング方法で基板に塗布することにより、薄膜状のシリカ系メソ多孔体の前駆体を作製することができる。なお、各種のコーティング方法としては、バーコーター、ロールコーター、グラビアコーター等を用いて塗布することができ、また、ディップコーティング、スピンコーティング、スプレーコーティング等も可能である。さらに、ゾルゲル溶液をインクジェット法により塗布することにより、基板にパターン状の発光材料を形成することも可能である。また、基板としては、特に制限はなく、例えば金属、樹脂等からなる板状成型物やフィルム等が挙げられるが、透光性を有するITO基板等が好ましい。
次いで、得られた薄膜を70〜150℃程度に加熱して乾燥せしめ、前記部分重合体の縮合反応を進めて三次元的な架橋構造を形成させることが好ましい。
さらに、このようにして得られたシリカ系メソ多孔体の前駆体に含まれる界面活性剤を除去する。このように界面活性剤を除去する方法としては、例えば、(i)界面活性剤に対する溶解度が高い有機溶媒(例えば、エタノール)中に前記メソ多孔体の前駆体を浸漬して界面活性剤を除去する方法、(ii)前記メソ多孔体の前駆体を300〜1000℃で焼成して界面活性剤を除去する方法、(iii)前記メソ多孔体の前駆体を酸性溶液に浸漬して加熱し、界面活性剤を水素イオンに交換せしめるイオン交換法、等を挙げることができる。
本発明において用いるシリカ系メソ多孔体薄膜の膜厚(平均膜厚)は特に限定されないが、0.8〜1.2μm程度であることが好ましい。また、このようなシリカ系メソ多孔体薄膜は、特開2001−130911号公報等に記載の方法に準拠して得ることも可能である。
(増感色素分子)
次に、本発明において用いられる増感色素分子について説明する。
本発明において用いる増感色素分子としては、有機色素分子、金属錯体色素分子等のいわゆる増感色素として機能する分子が用いられる。このようなものとしては、例えば、金属ポルフィリン誘導体、クロロフィル誘導体、Ru錯体、金属フタロシアニン誘導体等の金属錯体色素分子、シアニン系、メロシアニン系、オキソノール系、キサンテン系、スクワリリウム系、ポリメチン系、クマリン系、リボフラビン系、ペリレン系等の有機色素分子が挙げられ、中でも可視光応答性、高い吸光度、Redox電位のチューニングの簡単さといった観点からポルフィリン誘導体が好ましい。
また、このようなポルフィリン誘導体としては、特に限定されないが、テトラ(メチルピリジニウム)ポルフィリン、テトラフェニルポルフィリン、テトラアニリウムポルフィリン、オクタエチルポルフィリン等、及びこれらのポルフィリンを配位子とする金属(特に限定されないが、Mg、Fe、Co、Zn、Sb、Au、Ge、Ru等)ポルフィリン錯体が挙げられる。
(増感色素分子が担持されたシリカ系メソ多孔体薄膜)
本発明の固体積層型コンデンサは、前記シリカ系メソ多孔体薄膜と、前記シリカ系メソ多孔体薄膜に担持されている増感色素分子とを備えるものである。かかる増感色素分子は、シリカ系メソ多孔体の表面、特に細孔内表面に担持(好ましくは吸着)されており、それによって増感色素分子の分子運動が抑制され、熱等に対する安定性の向上が達成される。このような吸着は、増感色素分子と多孔体表面との相互作用によって生じている物理的吸着であってもよいが、増感色素分子の一端が多孔体表面に存在する官能基と化学的に結合することによって固定化されていてもよい。
本発明においてシリカ系メソ多孔体に担持されている増感色素分子の量は特に制限されないが、増感色素分子としての機能がより確実に達成されるようになるという観点から、シリカ系メソ多孔体100質量部に対して担持されている増感色素分子の量が0.01〜0.1質量部程度であることが好ましい。
シリカ系メソ多孔体薄膜に増感色素分子を担持させる方法としては、特に限定されないが、増感色素分子を溶解せしめた水又は有機溶剤(ベンゼン、トルエン等)の溶液にシリカ系メソ多孔体薄膜を浸漬し、0〜80℃程度の温度で1〜24時間程度攪拌する方法が好適である。
(チタニアナノシート)
次に、本発明の固体積層型コンデンサにおいて用いられるチタニアナノシート層について説明する。
本発明にかかるチタニアナノシート層は、層状チタン酸化物微結晶を剥離して得られる薄片粒子が積層した多層超薄膜であり、薄片粒子が組成式Ti1-d2(0≦d≦0.5)で示されるチタニアナノシートからなる層である。このようなチタニアナノシートは、膜厚がサブnm〜nmレンジで制御可能であり、波長300nm以下の紫外光を高効率で吸収するものである。
基板(又は前記シリカ系メソ多孔体薄膜)上に累積する原料となるチタニアナノシートは、層状構造を有するチタン酸化物に特殊な化学処理を施すことによって、ホスト層1枚にまで剥離して得られるものであり、特異な半導体2次元結晶として従来のチタニア球状微粒子とは大きく異なる独特の性質を示す。剥離前の層状構造結晶である母結晶は、2次元方向に強い化学結合を有する「ホスト層」が積み重なってできている。逆に言えば、「ホスト層」は層状構造の最小基本構成単位であり、厚さは0.5nm前後と非常に薄い。
この特殊な化学処理は、酸処理とコロイド化処理を組み合わせた処理である。すなわち、層状構造を有するチタン酸化物粉末に塩酸等の酸水溶液を接触させ、生成物をろ過、洗浄後、乾燥させると処理前に層間に存在したアルカリ金属イオンがすべて水素イオンに置き換わり、水素型物質が得られる。次に得られた水素型物質をアミン等の水溶液中に入れ撹拌すると、コロイド化する。このとき、層状構造を構成していた層が1枚1枚にまで剥離することとなる。
この前段の酸処理は、「斜方晶の層状構造を有するチタン酸及びその製造方法」(特公平6−99786号公報、特許第1966650号)及び「組成式H2Ti511・nH2Oで示される単斜晶の層状構造を有する化合物及びその製造方法」(特公平6−781661788号公報、特許第1936988号)に開示した酸処理と、「チタニアゾルとその製造方法」(特開平9−25123号公報、特許第2671949号)に開示したコロイド化処理とを組み合わせた処理に相当する。
出発化合物である層状チタン酸化物としては、レピドクロサイト型チタン酸塩(CsxTi2-x/4O4(ここで0.5≦x≦1)、AxTi2-x/3Lix/3O4(但しA=K,Rb,Cs;0.5≦x≦1をはじめとして、三チタン酸塩(Na2Ti3O7)、四チタン酸塩(K2Ti4O9)、五チタン酸塩(Cs2Ti5O11)等を用いることができる。これを酸処理して水素型(HxTi2-x/4O4・nH2O、HxTi2-x/3O4・nH2O、H2Ti3O7・nH2O、H2Ti4O9・nH2O、H2Ti5O11・nH2O)に変換後、適当なアミン等の水溶液中で振盪することにより、ゾル化する。
このゾル溶液中には母結晶を構成していた層、すなわちナノシートが1枚ずつ水中に分散している。ナノシートの厚みはその出発母結晶の結晶構造に依存するが、0.5nm前後と極めて薄い。一方、横サイズはμmオーダーであり、非常に高い2次元異方性を有する。
このようなチタニアナノシートは、キャスト法、スピンコート法、電気泳動法等種々の方法により、基板又は前記シリカ系メソ多孔体薄膜の表面上に積層させることができる。キャスト法の条件は特に限定されないが、0.1〜10.0wt%程度のチタニアナノシートを含む溶液を、5〜80℃程度の温度にて、基板全体に滴下することが好ましい。また、電気泳動法の条件は特に限定されないが、通電量は0.1〜10mA/cm程度、液温は5〜80℃程度が好ましい。
また、用いる溶液中のチタニアナノシート濃度は、5wt%以下が好ましく、0.1wt%以下が特に好ましい。また、酸性側でナノシートは凝集する傾向があるので、用いる溶液のpHは5以上であることが好ましく、より安定した成膜には7以上が特に好ましい。
本発明において用いるチタニアナノシート層の膜厚(平均膜厚)は特に限定されないが、0.5〜2.0μm程度であることが好ましい。また、このようなチタニアナノシート層は、特開2001−270022号公報、特開2002−2652232号公報、特開2004−2556842号公報等に記載の方法に準拠して得ることも可能である。
(電子受容体)
次に、本発明において用いられる電子受容体について説明する。
本発明において用いる電子受容体としては、特に限定されないが、ビオロゲン色素、キノン、キノリン、ニトリル、ケトン等のいわゆる酸化還元色素として機能する分子が用いられ、中でもナノシートへの良好な吸着と良好な電子受容性といった観点からビオロゲン色素が好ましい。
また、このようなビオロゲン色素としては、メチルビオロゲン、エチルビオロゲン、ベンジルビオロゲン、対称形アルキルビオロゲン、非対称形アルキルビオロゲン等が挙げられる。
(電子受容体が担持されたチタニアナノシート層)
本発明の固体積層型コンデンサは、前記増感色素分子が担持されたシリカ系メソ多孔体薄膜と共に、そのシリカ系メソ多孔体薄膜の少なくとも一方の面上に積層されているチタニアナノシート層と、前記チタニアナノシート層に担持されている電子受容体とを備えるものである。かかる電子受容体は、前述のチタニアナノシートの表面、特にチタニアナノシートの層間に担持(好ましくは吸着)されており、それによってチタニアナノシートによって電荷再結合反応がより確実に阻止され、充電後の電荷保持の寿命がより長くなる傾向にある。
本発明においてチタニアナノシート層に担持されている電子受容体の量は特に制限されないが、電子受容体としての機能がより確実に達成されるようになるという観点から、チタニアナノシート100質量部に対して担持されている電子受容体の量が1〜100質量部程度であることが好ましい。
チタニアナノシート層に電子受容体を担持させる方法としては、特に限定されないが、電子受容体を溶解せしめた水又は有機溶剤(アルコール、アセトン、アセトニトリル等)の溶液にチタニアナノシート層を浸漬し、5〜80℃程度の温度で1〜24時間程度攪拌する方法が好適である。
以下、実施例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1
(シリカ系メソ多孔体薄膜の合成)
100mLのビーカーに15.22g(0.1mol)のテトラメチルオルソシリケート(Si(OCH34、以下TMOSと称す)を秤りとり、水3.6mL(0.2mol)と2mol/LのHClを100μL加えた。室温で1時間攪拌した後、界面活性剤であるオクタデシルトリメチルアンモニウムクロライド3.48g(0.01mol)を溶解した。さらに2規定塩酸0.2mL及び水50mLを加えpHを1.5にしてコーティング溶液を得た。
次に、上記のコーティング溶液を、スピンコート法によりITO基板(大きさ:1×1〜2×2cm)の一方の面上に塗布し、次いで70℃にて1時間加熱乾燥させた後に、500℃で4時間焼成し、細孔内の界面活性剤を除去してシリカメソ多孔体薄膜を得た。このようにして得られたシリカメソ多孔体薄膜の平均膜厚は1.0μmであった。
(増感色素分子の担持)
次に、上記で得られたシリカ系メソ多孔体薄膜に以下のようにして増感色素分子を担持せしめた。すなわち、以下の構造式:
Figure 2006310380
で示されるテトラ(メチルピリジン)ポルフィリン(TMPyP)のp−トルエンスルホン酸塩を濃度1×10−4mol/Lで含有する水溶液を準備し、その溶液中に上記シリカ系メソ多孔体薄膜を積層した基板を浸漬し、10〜40℃の温度で1時間攪拌した後に取り出し、洗浄及び乾燥してTMPyPが担持されたシリカ系メソ多孔体薄膜を得た。このようにしてシリカ系メソ多孔体に担持されたTMPyPの量は、シリカ系メソ多孔体100質量部に対して0.05質量部であった。
(チタニアナノシートの積層)
次に、上記でTMPyPを担持せしめたシリカ系メソ多孔体薄膜の表面上に以下のようにしてチタニアナノシートを積層せしめた。
すなわち、先ず、炭酸セシウム(Cs2CO3)と二チタニア(TiO2)をモル比にして1/5.3の割合に混合し、800℃で40時間焼成して合成した斜方晶のチタン酸セシウム(CsxTi2-x/4O4、x〜0.7)粉末1gに対して1規定の塩酸溶液100cm3の割合で接触させ、時々撹拌しながら室温で反応させた。1日毎に新しい塩酸溶液に取り替える操作を3回繰り返した後、固相を濾過水洗して風乾した。
得られた層状チタン酸粉末(HxTi2-x/4O4・nH2O)0.5gをテトラブチルアンモニウム水酸化物溶液100cm3に加えて室温で1週間程度振盪(150rpm)し、乳白色のチタニアゾルを得た。そして、これを50倍に希釈した溶液を調製し、そのpHを9に調整した。
次に、上記でTMPyPを担持せしめたシリカ系メソ多孔体薄膜に、キャスト法又は電気泳動法にてチタニアナノシートを積層させた。キャスト法では、0.4wt%のチタニアナノシートを含む上記チタニアナノシート溶液を、膜全体に滴下し(キャスト法)、室温下・暗所で24時間乾燥させた。また、電気泳動法では、通電量は1.0mA/cm、液温は20℃、通電時間は5分とした。このようにして得られたチタニアナノシート層の平均膜厚は約1μmであり、それを構成するチタニアナノシートの膜厚は約0.5nmであった。
(電子受容体の担持)
次に、上記で得られたチタニアナノシート層に以下のようにして電子受容体を担持せしめた。すなわち、以下の構造式:
Figure 2006310380
で示されるメチルビオロゲン(MV2+)を濃度2×10−4mol/Lで含有する水溶液を準備し、その溶液中に上記チタニアナノシート層及びシリカ系メソ多孔体薄膜を積層した基板を浸漬し、25℃の温度で4時間攪拌した後に取り出し、洗浄及び乾燥してMV2+が担持されたチタニアナノシート層とTMPyPが担持されたシリカ系メソ多孔体薄膜とを備えた本発明の固体積層型コンデンサを得た。このようにしてチタニアナノシート層に担持されたMV2+の量は、チタニアナノシート100質量部に対して10質量部であった。
(固体積層型コンデンサの特性解析)
<メチルビオロゲン(MV2+)の吸着の確認>
実施例1で得られた固体積層型コンデンサ(浸漬後)と、メチルビオロゲンを担持させる前の積層体(浸漬前)に対してそれぞれXRD分析(測定装置:Rigaku RINT−2100:CuKα線照射)を行い、得られた結果を図1に示す。図1に示した結果から明らかな通り、メチルビオロゲンの浸漬前のXRD波形に比べて明らかに浸漬後はピークの右方向へのシフトとブロード化がみられ、メチルビオロゲンがチタニアナノシート層間に吸着されていることが確認された。
<チタニアナノシートの光励起と電荷分離の確認>
実施例1で得られた固体積層型コンデンサに対して光照射後(光照射時間:0〜30分)の吸光スペクトル変化の測定(測定装置:JASCO V−550)を行い、得られた結果を図2に示す。図2に示した結果から明らかな通り、約410nmと約600nmの吸光度が増加していることから、メチルビオロゲンの負電荷保持が確認された。また、約420nmから約500nmの吸光度が減少していることから、ポルフィリンの正電荷保持が確認された。したがって、実施例1で得られた固体積層型コンデンサにおいては、光照射時にチタニアナノシートで光励起により正電荷・負電荷の発生が行なわれていることが確認された。
<電荷分離の安定化の確認>
実施例1で得られた固体積層型コンデンサに対して紫外線(波長:270〜380nm)を照射し、電荷分離状態を発生させた試料を暗所(空気中)に放置し、その間における吸光スペクトル(395nm、435nm、610nm)の変化を測定した。得られた結果を図3に示す。図3に示した結果から明らかな通り、負電荷保持をしたメチルビオロゲンの経時的な消失と正電荷保持をしたポルフィリンの経時的な消失が確認され、約5時間で光照射前の状態に回復した。
また、同様にして電荷分離状態を発生させた試料を暗所(真空中)に放置し、その間における吸光スペクトル(610nm)の変化を測定した。得られた結果を、暗所(空気中)に放置した場合の結果と共に図4に示す。図4に示した結果から明らかな通り、実施例1で得られた固体積層型コンデンサを光照射後に真空下に静置すると、空気中に比較して電荷分離状態が持続することが確認された。さらに継続観察したところ、真空下では電荷分離状態が30日以上持続することが確認された。一般に電荷分離状態は非常に不安定であり、通常は一万分の一秒、極低温下でも一秒程度の寿命しか有さないのに対し、本発明の固体積層型コンデンサによれば圧倒的な電荷分離状態の長寿命化が達成できることが確認された。
また、実施例1に用いたポルフィリンを、Zn又はCoを用いた金属ポルフィリン錯体に変更した場合、可視光線(波長:390〜600nm)を照射しても、上記と同様の結果が確認された。
<電荷分離の繰り返し特性の確認>
実施例1で得られた固体積層型コンデンサに対して紫外線照射→電荷分離→電荷分離状態の解消のサイクルを一度施した試料に、再び紫外線を照射した後に暗所(空気中)に放置し、その間における吸光スペクトル(395nm、435nm、610nm)の変化を測定した。得られた結果を図3に示す。図3に示した結果から明らかな通り、電荷分離解消状態となった後に光照射を繰り返した場合も、再び負電荷を保持したメチルビオロゲン及び正電荷を保持したポルフィリンの生成と、非常に遅い電荷分離状態の解消が達成されることが確認された。
<水による電荷分離状態の解消の確認>
実施例1で得られた固体積層型コンデンサに対して紫外線(波長:270〜380nm)を照射して電荷分離状態を発生させた試料を2つ準備し、一方には水を付与し、他方には水を付与しないで暗所(空気中)に放置し、その間における吸光スペクトル(435nm)の変化を測定した。得られた結果を図5に示す。図5に示した結果から明らかな通り、水を添加すると、正電荷保持したポルフィリンにおける速やかな電荷分離状態の解消が確認された。このように水の添加という外部刺激によって速やかな電荷分離状態の解消が達成させることから、本発明の固体積層型コンデンサは電荷保持材料だけでなく、電荷放出トリガーとしても用いることが可能であることが確認された。
また、実施例1に用いたポルフィリンを、Zn又はCoを用いた金属ポルフィリン錯体に変更した場合、可視光線(波長:390〜600nm)を照射しても、上記と同様の結果が確認された。
<水の分解の確認>
実施例1で得られた固体積層型コンデンサにおける吸光スペクトルを測定し(a)、さらにそこに水を滴下して暗所(空気中)で1時間放置した後に再び吸光スペクトルを測定した(b)。得られた結果を図6に示す。図6に示した結果から明らかな通り、水を滴下した後に暗所で1時間放置すると、ポルフィリンの吸収帯が変化した(図6中のa→b)。水を滴下した後の吸収スペクトルは、ポルフィリンのプロトン化物の吸収に相当しており、かかるプロトン化物は水の光触媒分解により発生したと考えられる。従って、本発明の固体積層型コンデンサは水の光分解作用を同時に有することが確認された。
以上説明したように、本発明によれば、液漏れ等の問題がなく、また外部回路を正極及び負極を連結しない状態でも光充電することができ、さらに電極間隔の減少並びに電荷保持の長寿命化を達成することが可能な固体積層型コンデンサを提供することが可能となる。
実施例1で得られた固体積層型コンデンサ(浸漬後)と、メチルビオロゲンを担持させる前の積層体(浸漬前)に対するXRD分析の結果を示すグラフである。 実施例1で得られた固体積層型コンデンサに対して光照射後の吸光スペクトル変化を測定した結果を示すグラフである。 実施例1で得られた固体積層型コンデンサに対して紫外線を照射した後に暗所(空気中)に放置した場合における吸光スペクトルの変化を示すグラフである。 実施例1で得られた固体積層型コンデンサに対して紫外線を照射した後に真空中及び空気中に放置した場合における吸光スペクトルの変化を示すグラフである。 実施例1で得られた固体積層型コンデンサに対して紫外線を照射して電荷分離状態を発生させた試料における、水の存在下と水の非存在下での吸光スペクトルの変化を示すグラフである。 実施例1で得られた固体積層型コンデンサにおける水の滴下前(a)及び後(b)の吸光スペクトルを示すグラフである。

Claims (3)

  1. シリカ系メソ多孔体薄膜と、前記シリカ系メソ多孔体薄膜に担持されている増感色素分子と、前記シリカ系メソ多孔体薄膜の少なくとも一方の面上に積層されているチタニアナノシート層と、前記チタニアナノシート層に担持されている電子受容体とを備えることを特徴とする固体積層型コンデンサ。
  2. 前記増感色素分子がポルフィリン誘導体であることを特徴とする請求項1に記載の固体積層型コンデンサ。
  3. 前記電子受容体がビオロゲン色素であることを特徴とする請求項1又は2に記載の固体積層型コンデンサ。
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