JP7423071B2 - 粉末光電極、半透明粉末光電極並びにその製造方法、及び光電気化学セル - Google Patents

粉末光電極、半透明粉末光電極並びにその製造方法、及び光電気化学セル Download PDF

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Description

本発明は、水分解反応に適用することができる光触媒の光電極を用いた光電気化学的手法に係る技術分野であって、粉末光電極、半透明粉末光電極並びにその製造方法、及び光電気化学(PEC)セルに関する。
太陽光エネルギーを利用した水からの水素生成は、クリーンな再生可能エネルギーからキャリヤとして水素を生成する有望な手段であり、さらに光触媒による水分解は太陽エネルギーを変換して水素を得るための好ましい方法とされている。
水の全分解のための光触媒によるアプローチの一つとして、直列に接続され前後に並んだ光アノードと光カソードを使用してPEC/PECタンデムセルを構築することが考えられている。光電極を前後に積層させたタンデムセルの概略図を図1に示す。n型半導体の表面では、水が酸化されて酸素が発生され、p型半導体表面では還元反応によって水素が生成される。より具体的には、このタンデムセルでは前面の電極では半導体の吸収端よりも短い波長の光をほぼ吸収し、長い波長は透過する。したがって二段階の太陽光吸収によって、より多くの光子を利用する事ができ、光の照射面積を小さくする事ができる点で、従来のセルよりも効率的な水分解が可能となる。熱力学の観点からは、各光電極が水の全分解のエネルギーの一部を提供すれば良いため、単一の光電極と比較してより小さなバンドギャップを有する2つの半導体を選択することができる。図1に示すように各光電極のバンドギャップはO/HOまたはH/H標準電極電位を挟む構造が必要である。半導体材料のバンドギャップが適度に小さいほど、太陽スペクトルのより多く割合を占める可視領域の光を吸収する事ができ、より大きな太陽光―水素変換効率(STH)を得られる。実際のSTH値は最大光電流(iover)と2つの半反応が重複する領域の電位によって決定されるため、半導体上の各半反応の開始電位つまり水の酸化または還元が重要となる。したがって、低電位で高い光電流密度を生成する光アノードは、効率的な水の全分解を達成するために不可欠である。
また、効率的な水分解を達成するための光触媒材料としては、単結晶や薄膜材料が、頻繁に使用されている。しかしながら、そのような電極は、高価であり、大規模用途に使用するには不十分であると考えられる。そのため、光触媒粒子からの電極製造は、大規模に実現可能な光電極を調整するための方法として研究されている。
光触媒粒子を用い、光の照射方向について半透明光アノードと光カソードとが重なった状態に構成される光電気化学装置としては、例えば、光の照射方向にカソードを配置しなくてもカソードの光触媒を機能させるものとして、水を分解して水素イオンを生成するアノードと、少なくとも1つのベンゼン環を有するベンゼン環有機化合物を、光触媒を用いて水素イオンによるベンゼン環の水素化により少なくとも1つのシクロヘキサン環を有するシクロヘキサン環有機化合物とするカソードと、水素イオン導電性を有しアノードとカソードとにより挟持される隔膜とを備え、隔膜は少なくとも湿潤したときに透光性を有し、カソードは、光触媒層と多孔性の集電層とを有し、隔膜側から光触媒層、集電層の順に配置されているもので、アノード側から光を照射すれば光が隔膜を透過してカソードの光触媒に作用し、カソード反応を促進する膜電極接合体(特許文献1参照)が提案されている。
このような光触媒粒子からの電極製造の利点は、粉末合成の容易さと拡張性にある。一方、粒子の結晶性が低いことや、粒子と導電性基板間の導電性が低いことが光電極の性能を著しく制限している。光電極では一般的に光触媒と導電性基板の間、あるいは光触媒粒子間の粒界抵抗を低減させ、光励起により生じた電子と正孔が効率よく移動できるようにすることが高性能化する上で重要となる。
この課題の解決策の一つとして、粉末光触媒粒子を利用した電極製造の方法である「粒子転写(PT)法」が報告されている。このPT法では、まず、イソプロパノール(IPA)中に懸濁させた光触媒粒子をガラス基板上にドロップキャストし、続いて乾燥させることによって光触媒粒子を堆積させる。次にスパッタ法を用いて光触媒粒子上に裏面金属層を堆積させる。これを別のガラスに固定し1つ目のガラスから剥がし、裏面金属層に直接固定化されていない粒子を超音波処理によって除去することにより光電極とする。このPT法によって製作された電極の形態例を図2に示す。なお、10は光触媒粉末、11は助触媒、15は裏面金属層である。PT法により作製した光電極は機械的に強く、光触媒粒子が導電性基板に高密度に結着した高い電気的接触を有する単粒子層の構造をしていることが報告されている。キセノン光源を用いた光電気化学測定により得られた、電流-電位曲線ではそれ以前の手法により作製した電極よりもはるかに高い光電流値を示している。つまりPT法は、粒状半導体から製造された光電極の光電流を著しく改善した。しかしながら、PEC特性を改善する余地がまだ残っている。例えば、空乏層の幅は光の吸収深さに対応するべきであり、粒子サイズは不必要な光キャリア移動を回避するために吸収深さと一致すべきである。このような問題を解決するためには、粒子の結晶性を向上させて真性キャリアの数を減らし、粒子サイズを制御して光電流を最適化する必要がある。空乏層の幅、吸収深さ、および粒径を一致させることは依然として課題である。界面での光励起電子移動に対するかなりの障壁の可能性が残っている。より滑らかな電子移動のために半導体と導体層との間の界面をよりよく理解するためにさらなる努力が必要とされる。PT法は、太陽エネルギー変換効率および電極製造の拡張性の両方を改善するための有効な方法とされる。PT法によって調製された電極は、PEC水分解だけでなく、様々な太陽燃料の人工光合成およびPEC光電池にも適用可能であると考えられる。
光触媒粉末ベースでの電極作製手法には、前述したPT法がある。この方法では、粉末の単粒子層を形成することによって、半導体粒子間の抵抗を小さくでき、比較的性能の良い電極製造が可能である。しかしながら、一方で、裏面金属層15の形成には真空成膜が必要でありコストがかかる点が課題である。また、裏面金属層15は光透明性に乏しく、水分解タンデムセル構築において必須である、前面の電極では半導体の吸収端よりも短い波長の光をほぼ吸収し、長い波長は透過するような透明電極の製造は、基本的に難しい。
なお、可視光照射により水を光分解することが可能な光触媒粒子を基材上に固定した光触媒材の製造方法については、例えば、可視光応答型光触媒粒子と導電性基材とを含み、可視光照射により水を分解可能な光触媒材の製造方法であって、導電性を有し、所定の板厚を有する導電性基材の上に、複数の可視光応答型光触媒粒子を配置する工程と、前記光触媒粒子を配置した前記基材を、所定のギャップを有するローラーを用いて圧延する工程とを含む製造方法(特許文献2参照)が提案されている。
また、層状酸化物ナノシートについては、例えば、アスペクト比の高い薄片状の形態を有する酸化チタン微結晶集合体から構成されることを特徴とする薄膜であるチタニアナノシート(特許文献3参照)に関するものが提案されている。
さらに、チタニアナノシート以外の層状酸化物ナノシートとしては、ニオビア(酸化ニオブ)ナノシート、層状ペロブスカイト酸化物、酸化ルテニウムナノシート、層状複水酸化物(LDH)などが挙げられる(非特許文献1参照)。
特開2018-123429号公報(第1頁) 特開2017-217623号公報(第1頁) 特開2003-321222号公報(第1頁) Nanosheets of Oxides and Hydroxides: Ultimate 2D Charge-Bearing Functional Crystallites By Renzhi Ma and Takayoshi Sasaki Adv. Mater. 2010, 22, 5082-5104 https://onlinelibrary.wiley.com/doi/epdf/10.1002/adma.201001722 (第8ページの表1)
粉末光電極、半透明粉末光電極並びにその製造方法、及び光電気化学セルに関して解決しようとする課題は、先行技術の半透明粉末光電極では、光触媒粉末が層状に配された形態となるように結着する裏面金属層の形成に、真空成膜が必要であるため、コストが高くなってしまう点と、先行技術では、水分解タンデムセル構築において必須である構成として、前面の電極では半導体の吸収端よりも短い波長の光をほぼ吸収して長い波長は透過させることのできる透明電極を適切に製造することが難しい点にある。
そこで、本発明の目的は、光触媒粉末が層状に配された形態を適切に維持できるように、安価な形態で光触媒粉末を基板上に結着できる粉末光電極を提供することと、短い波長の光を吸収して長い波長は透過させることができる半透明粉末光電極並びにその製造方法、及び光電気化学セルを提供することにある。
本発明は、上記目的を達成するために次の構成を備える。
本発明にかかる粉末光電極の一例によれば、光触媒粉末の層と、導電層との間に、半導体材料であって薄片状の二次元形態を有する層状酸化物ナノシートを堆積した、層状酸化物ナノシートの層が配されている。
本発明にかかる半透明粉末光電極の一例によれば、光触媒粉末の層と、透明導電層との間に、半導体材料であって薄片状の二次元形態を有する層状酸化物ナノシートを堆積した、層状酸化物ナノシートの層が配されている。
また、本発明にかかる粉末光電極及び半透明粉末光電極の一例によれば、前記光触媒粉末が、半導体であることを特徴とすることができる。
また、本発明にかかる粉末光電極及び半透明粉末光電極の一例によれば、前記光触媒粉末の層が、単粒子層状に配されていることを特徴とすることができる。
また、本発明にかかる粉末光電極及び半透明粉末光電極の一例によれば、層状酸化物ナノシートが、可視光領域で透明な薄膜状の半導体材料であることを特徴とすることができる。
また、本発明にかかる粉末光電極及び半透明粉末光電極の一例によれば、層状酸化物ナノシートが、チタニアナノシート(TNS)であることを特徴とすることができる。
また、本発明にかかる半透明粉末光電極の一例によれば、前記透明導電層が、前記層状酸化物ナノシートの層に積層された状態に配されるITOの層と、該ITOの層に積層された状態に配されたガラス基板の層とによって構成されているITO/ガラス基板によって設けられていることを特徴とすることができる。
また、本発明にかかる半透明粉末光電極の一例によれば、前記透明導電層が、前記層状酸化物ナノシートの層と前記ITO/ガラス基板との間に積層された状態に配される透明導電性接着剤の層を、構成要素として含むことを特徴とすることができる。
また、本発明にかかる光電気化学セルの一例によれば、光の照射方向について半透明光アノードと光カソードとが重なった状態に構成された光電気化学セルにおいて、前記の半透明粉末光電極が、半透明光アノードとして用いられていることを特徴とすることができる。
また、本発明にかかる半透明粉末光電極の製造方法の一例によれば、受面用基板の上に、光触媒粉末の層を堆積させて形成する光触媒粉末の堆積工程と、前記光触媒粉末の層の上に、半導体材料であって薄片状の二次元形態を有する層状酸化物ナノシートを堆積させて層状酸化物ナノシートの層を形成する層状酸化物ナノシートの堆積工程と、前記層状酸化物ナノシートの層に、透明導電性接着剤の層、ITOの層、ガラス基板の層の順に積層されるように、前記透明導電性接着剤の層を介して、ITOの層及びガラス基板の層によって構成されるITO/ガラス基板を積層する接着積層工程と、前記受面用基板を除去する保持基板除去工程とを備えることを特徴とする。
また、本発明にかかる半透明粉末光電極の製造方法の一例によれば、ガラス基板の層の上にITOの層が層状に配されて構成されたITO/ガラス基板の上に、半導体材料であって薄片状の二次元形態を有する層状酸化物ナノシートを堆積させて層状酸化物ナノシートの層を形成する層状酸化物ナノシートの堆積工程と、前記層状酸化物ナノシートの層の上に、光触媒粉末の層を堆積させて形成する光触媒粉末の堆積工程と、前記各堆積工程で積層された材料を焼成する熱処理工程と、前記光触媒粉末の層が単粒子層状に配された状態となるように、超音波によって余剰の前記光触媒粉末を除去する超音波工程とを備えることを特徴とする。

また、本発明にかかる半透明粉末光電極の製造方法の一例によれば、前記堆積工程の堆積方法が、ドロップキャスト又はスプレーコートであることを特徴とすることができる。
本発明にかかる粉末光電極、半透明粉末光電極並びにその製造方法、及び光電気化学セルによれば、光触媒粉末が層状に配された形態を適切に維持できるように、安価な形態で光触媒粉末を基板上に結着できることや、短い波長の光を吸収して長い波長は透過させることができるという特別有利な効果を奏する。
光の照射方向について半透明光アノードと光カソードとが重なった状態に構成された光電気化学セルの形態例を示す原理図である。 従来の粒子転写法によって製作された電極の形態例を示す断面図である。 本発明にかかる半透明粉末光電極の形態例を示す断面図である。 本発明にかかるTNS転写法の形態例を示す工程図である。 本発明にかかる逐次堆積法の形態例を示す工程図である。 本発明にかかる半透明粉末光電極の光透過性を示す写真である。 本発明にかかる半透明粉末光電極の光透過性を示す図表である。 本発明にかかる半透明粉末光電極の形態例を示す走査型電子顕微鏡写真である。 キセノン光源を用いた光電気化学測定により得られた電流-電位曲線の比較データを示す図表である。 本発明に利用できる光触媒粉末(STO及びMo:BVO)の光吸収にかかる性質を示す図表である。 本発明に利用できる光触媒粉末であるMo:BVOの形態例を示す走査型電子顕微鏡写真である。 本発明にかかる光触媒粉末としてMo:BVOを用いた場合の光透過性を示す写真である。 本発明にかかる光触媒粉末としてMo:BVOを用いた場合に生じる光電流を示す写真である。 本発明にかかる粉末光電極であるSTO/TNS/Ti多孔体電極の形態例を示す走査型電子顕微鏡写真である。 本発明にかかる粉末光電極であるSTO/TNS/Ti多孔体電極の形態例についてキセノン光源を用いた光電気化学測定により得られた電流-電位曲線のデータを示す図表である。
本発明にかかる半透明粉末光電極並びにその製造方法の形態例を、添付図面(図1~7)に基づいて詳細に説明する。
本発明にかかる粉末光電極は、光触媒粉末の層と、導電層との間に、層状酸化物ナノシートの層が配されている。これによれば、光触媒粉末を、導電層の表面に、層状酸化物ナノシートの層によって、導電状態に結着できる。なお、導電層の表面は平滑面的であっても良いし、凹凸状の粗面状になっていても良い。
本発明にかかる半透明粉末光電極は、図3に示すように、光触媒粉末10の層と、透明導電層30との間に、層状酸化物ナノシート20の層が配されている。すなわち、本発明にかかる半透明粉末光電極は、光触媒粉末10が層状に配された状態の光触媒粉末10の層と、その光触媒粉末10の層に積層された状態に配され、その光触媒粉末10が結着されるようにアンカーとして用いられると共に導電層として用いられる層状酸化物ナノシート20の層と、その層状酸化物ナノシート20の層に積層された状態に配された透明導電層30とを備えている。つまり、本発明では、層状酸化物ナノシート20を電極裏面導電層として用い光触媒粉末10を固定化させる構造を構築している。
これによれば、光触媒粉末10が層状に配された形態を適切に維持できるように、安価な形態で光触媒粉末10を基板上に結着できると共に、短い波長の光を吸収して長い波長は透過させることができる半透明粉末光電極を適切に構成することができる。
ここで、光触媒粉末10が、半導体であることで、光触媒として活性の高い半透明粉末光電極を構成できる。この半導体の光触媒粉末10としては、例えば、TiO、SrTiO(STO) 、BiVO 、Ta 、BaTaONなどを挙げることができる。
また、無機半導体以外の有機半導体光触媒粉末を用いることもでき、例えば、Cを挙げることができる。
また、光触媒粉末10の層が、単粒子層状に配されていることで、粒界抵抗が小さく、光触媒として効率的で活性の高い半透明粉末光電極を構成できる。
なお、STOなどの光触媒粉末10の粒子サイズは、サブミクロンからμmオーダー(1~2μm程度)であることが好ましい。この光触媒粉末10の粒子サイズによれば、水との接触面積を大きくして水分解の効率を高めることができ、層状酸化物ナノシート20の層に対する結着性を高めることができる。
また、層状酸化物ナノシート20が、薄膜状の可視光領域で透明な半導体材料であることで、光触媒として活性の高い半透明粉末光電極を構成できると共に、この半透明粉末光電極を半透明光アノードとして用いることで、光カソードと積層してタンデム化させた光電気化学セルを好適に構成できる。
また、層状酸化物ナノシート20が、チタニアナノシート(TNS)であることで、光触媒として活性の高い半透明粉末光電極を構成できると共に、チタニアナノシートの層が電極裏面導電層として用いられて光触媒粉末10を層状に適切に結着させることができる。つまり、本形態例では、酸化チタンナノシート(TNS)を電極裏面導電層として用いて半導体粉末である光触媒粉末10を固定化させる構造を構築している。これによれば、粉末ベースの光触媒で、比較的簡便に、半透明粉末光電極が製造できる。
なお、層状酸化物ナノシート20としては、チタニアナノシートに限定されるものではなく、例えば、前述の非特許文献1に示されているニオビア(酸化ニオブ)ナノシート、層状ペロブスカイト酸化物、酸化ルテニウムナノシート、層状複水酸化物(LDH)などが挙げられる。
また、本形態例の半透明粉末光電極では、前述の透明導電層30が、層状酸化物ナノシート20の層に積層された状態に配されるITOの層32と、そのITOの層に積層された状態に配されたガラス基板の層31とによって構成されているITO/ガラス基板によって設けられている。これによれば、半透明粉末光電極を合理的に構成することができる。
さらに、透明導電層30が、層状酸化物ナノシート20の層とITO/ガラス基板との間に積層された状態に配される透明導電性接着剤25の層を、構成要素として含むことを特徴とすることができる。これによれば、後述するように、転写法によって半透明粉末光電極を合理的に製造できる構成とすることができる。
そして、以上に説明した半透明粉末光電極を、半透明光アノードとして用いることで、光の照射方向について半透明光アノードと光カソードとが重なった状態に構成された光電気化学セル(タンデムセル)を適切に構築できる。このタンデムセルでは前面の電極(半透明光アノード)では半導体の吸収端よりも短い波長の光をほぼ吸収し、長い波長は透過する。したがって二段階の太陽光吸収 によって、より多くの光子を利用する事ができ、光の照射面積を小さくする事ができる点で、効率的な水分解ができる。すなわち、本発明の半透明粉末光電極の透過性については、後述するが、図6及び図7に示すように、可視光を適切に透過できる。
以上に説明したチタニアナノシート(TNS)などの層状酸化物ナノシート20を用いた電極作製手法としては、2つの方法が考えられる。
1つ目方法は、チタニアナノシート(TNS)転写法であり、図4に示すように、前述の従来の粒子転写(PT)法による電極作製の方法(前述の段落[0007]を参照)を参考に、受面用基板50となるガラス基板上に、半導体粒子などの光触媒粒子(光触媒粉末10)とTNSをそれぞれ堆積させ、TNS薄膜上に光触媒粒子を固定化し、PT法と同じ要領で導電性基板上に転写する(TNS転写)ことにより半透明光アノードを作製する。
すなわち、このTNS転写法は、受面用基板50の上に、光触媒粉末10の層を堆積させて形成する光触媒粉末10の堆積工程(図4(a))と、光触媒粉末10の層の上に層状酸化物ナノシート20の層を堆積させて形成する層状酸化物ナノシート20の堆積工程(図4(b))と、層状酸化物ナノシート20の層に、透明導電性接着剤25の層、ITOの層、ガラス基板の層の順に積層されるように、透明導電性接着剤25の層を介して、ITOの層及びガラス基板の層によって構成されるITO/ガラス基板(透明導電層30)を積層する接着積層工程(図4(c))と、受面用基板50を剥がして除去する保持基板除去工程(図4(d))とを備える。なお、受面用基板50としては、ガラス基板を利用できるが、これに限定されず、平坦な受面を備えるものであって保持基板除去工程が適切になされるものであれば、適宜選択的に他の素材部材を採用してもよい。また、堆積工程の堆積方法としては、ドロップキャスト又はスプレーコートを用いることができる。なお、透明導電性接着剤としては、例えば、ITOペースト、導電性ポリマーなどを用いることができる。
2つ目の方法は、逐次堆積法であり、透明電極(ITO/ガラス基板)上に、チタニアナノシート(TNS)などの層状酸化物ナノシート20、そして半導体粒子などの光触媒粒子(光触媒粉末10)の順番で堆積させ、層状酸化物ナノシート20上に固定化 (逐次堆積) し、半透明光アノードとする方法である。それぞれの手法で作製した電極は、超音波処理を行いほぼ単粒子層にすることで粒界抵抗の小さい電極とすることができる。
すなわち、この逐次堆積法は、ガラス基板の層の上にITOの層が層状に配されて構成されたITO/ガラス基板(透明導電層30)の上に、層状酸化物ナノシート20の層を堆積させて形成する層状酸化物ナノシートの堆積工程(図5(a))と、層状酸化物ナノシート20の層の上に、光触媒粉末10の層を堆積させて形成する光触媒粉末の堆積工程(図5(b))と、前記各堆積工程で積層された材料を焼成する熱処理工程と、光触媒粉末10の層が単粒子層状に配された状態となるように、超音波によって余剰の光触媒粉末10を除去する超音波工程(図5(c))とを備える。なお、堆積工程の堆積方法としては、ドロップキャスト又はスプレーコートを用いることができる。
以上のように作製された半透明粉末光電極(半透明光アノード電極)の実施例であるSTO/TNS/ITO/glassの光透過性を、図6に写真で示す。さらに、図7に、その光透過性のデータを図表で示す。
これによれば、本発明にかかる半透明光アノード電極(STO/TNS/ITO/glass)は、優れた光透過性を備えることがわかる。
すなわち、ここで作製した半透明光アノードは、光カソードと前後に積層しタンデム化させることにより、前面の電極では半導体の吸収端よりも短い波長の光をほぼ吸収し、長い波長は透過するような光電気化学セルを構築できる。すなわち、水の全分解のためのアプローチの1つとして、直列に接続され前後に並んだ光アノードと光カソードを使用してPEC/PECタンデムセルを構築することができる。このそれぞれの光電極が前後に積層されたタンデムセルでは、光アノードおよびカソードが左右に並べられた従来のパラレルセルと比較して、光の照射面積を小さくできることにより潜在的に効率的な水分解を可能にすることができる。また、電極作製の過程において、粉末から調整したTNSと光触媒粒子を用いることにより、単結晶材料や薄膜材料といった高価な材料や真空装置をほぼ使わないことが可能である。すなわち、電極製造の拡張性に十分な比較的に調整の容易な粉末ベースでタンデム化可能な半透明光アノードの作製ができるという特別有利な効果を奏する。
また、以上のように作製された半透明粉末光電極(半透明光アノード電極)の実施例であるSTO/TNS/ITO/glassを、図8に走査型電子顕微鏡写真で示す。また、図9に、キセノン光源を用いた光電気化学測定により得られた電流-電位曲線の比較データを、図表で示す。これによれば、図2に示した従来の裏面金属層15が設けられた電極(粒子転写法)と比較して、本発明にかかるTNS/STO電極の方が、低い光電流値を示しているが、半透明光アノード電極として用いるために十分な光電流値を確保しており、且つ、前述したように、優れた光透過性を備えており、タンデムセルを適切に構築することができる。
次に、本発明にかかる半透明光アノード電極のTNS転写法による作製方法の具体的な実施例(図4参照)について説明する。
本実施例では、光触媒粉末10には紫外光応答のSrTiO(STO)を用いた。
先ず、STO光触媒粉末0.1Gを、イソプロパノール(IPA)1ml中に分散させた懸濁液を、1次ガラス基板(受面用基板50)上にドロップキャストして堆積させた。
次に、その堆積されたSTO光触媒粉末の層の上に、TNS(層状酸化物ナノシート20)を堆積させた。TNSは、過剰量(300μlcm-2 ) 堆積させることにより、粘性の高い状態にし、酸化インジウムスズ / ガラス(ITO/ガラス基板)の透明電極に接着させた。その後、500℃で、3時間焼成させた。
その焼成後は、1次ガラス基板から、ITO/ガラス基板(透明導電層30)に固定された光触媒粉末10とTNSの接合体を剥離し、TNSに直接固定化されていない余分なSTOは超音波処理を行うことで除去し、光電極とした。
以上のように、TNSを光触媒粉末のアンカーとして用い、透明電極に転写する手法によって半透明光アノード電極を作製するTNS転写法では、転写の過程で、1次基板体部(受面用基板50の上に光触媒粉末の層とTNSの層とが積層された基板状の材料)と透明電極を接着させる必要がある。このTNS転写法による半透明光アノード電極の作製では、以上に説明した1次基板体部と透明電極を直接TNSによって接着させる方法と、図4に示した透明導電性接着剤を用いて接着させる方法がある。
その透明導電性接着剤を用いた半透明光アノード電極の作製の実施例を次に説明する。先ず、1次ガラス基板の上にSTOをスプレーコートにより堆積させ、その上にTNSをスプレーコートまたはドロップキャストで堆積させた。透明電極のITO/ガラス基板(透明導電層30)上に透明導電性接着剤としてITO分散液をスピンコートし、1次基板体部を接着させた。1次基板体部と透明電極の接合体はクリップ等で適当な圧力を加えた状態で、60℃で、2時間の乾燥後に1次基板からITO/ガラス基板(透明導電層30)に固定された光触媒粉末とTNSの接合体を剥離した。その後、500℃で、3時間焼成し電極とした。
次に、半透明光アノード電極の逐次堆積法による製造方法の具体的な実施例について説明する。
透明電極のITO/ガラス上にTNSを75μlcm-2ドロップキャストにより堆積させた。TNSには2000rpmで回収した濃いTNSと3000rpmで回収したTNSを用いた。TNS上にIPAに分散させたSTOをスプレーコートにより塗布し、500℃で、3時間焼成することで電極とした。TNSの膜厚は、TNSをドロップキャストし、乾燥させた後、200℃ で、30 min 焼成する過程を繰り返すことにより変化させた。逐次堆積法による電極作製の概要を図5に示す。
ITO/ガラス基板(透明導電層30)上に3000rpmで回収したTNSを堆積させ作製した透明電極の光電気化学測定の結果によれば、電流-電位特性の結果から、TNSを75μlcm-2 ドロップキャストする操作を繰り返すことで膜厚を大きくすると、光電流値が向上することが分かった。ドロップキャスト 1 回から5 回の場合では、特性がおよそ一次関数的に向上する。7回のドロップキャストでは 5 回の場合よりも電流値が減少したことから、TNSのみを透明電極に堆積させた場合、5 回のドロップキャストで形成させる 0.20μmの膜厚が最適であると考えられる。
逐次堆積法により作製した粉末光アノードの光電気化学測定の結果は、それぞれオンセット電位に大きな差はないが、TNSのドロップキャスト回数によって電流値に違いが見られ、TNSのみを堆積させた光電極と同様にTNSの膜厚が電流-電位特性に寄与することが考えられる。3000rpmで回収したTNSをドロップキャスト1回から3回までは回数を重ねるごとに電流値が向上し、更に5回7回とTNSの膜厚を厚くすることで電流値が減少した。したがってTNSの膜厚は、3000rpmで回収したTNSをドロップキャスト3回また4回することで形成される厚さが最適である可能性が考えられる。
次に、本発明で用いることができる層状酸化物ナノシート20に関する実施例として、チタニアシート(TNS)の合成方法の実施例について説明する。
ナノサイズのTiO材料が、光触媒や色素増感電池を含む幅広い用途に有望であることが注目を集めている。 このナノサイズの酸化チタンは、層状チタン酸塩の前駆体結晶をそれらの単層に剥離することにより合成する。得られた材料は、その二次元形態に基づいてチタニアナノシート(TNS)と呼ばれる。微結晶は、0.7nmの極めて小さい厚さでサブミクロンから数十ミクロンの範囲の幅のサイズを有する。すなわち、このTNSでは、アスペクト比が、100~数万となっている。この構造的特徴は、酸化チタン粒子とは異なる新しい化学的および物理的性質を持つと期待され、実際にはTNS は非常に鋭く強い紫外光の吸収を示し、バルクTiOと比較して著しく短波長側にシフトしている。本研究では、TNSを裏面透明導電層として光触媒粒子を固定化する目的で用いる。
材料として、TNSの前駆体である層状チタン酸アルカリ金属CsxTi(2-x/4)x/4(x~0.7)は、従来の固相反応によって調製される。
TiO とCsCOの混合物を800℃で 20h(時間)焼成させる手順を2回繰り返すことで得られたCsTi(2-x/4)は、CsTi(2-x/4)粉末(0.5g)を、HCl水溶液 (0.1 mol L-1) 50 ml中で室温で24 h 攪拌することによって、層間からCsが引き抜かれ、プロトン交換された形に変換される。この塩酸処理は24h毎にフレッシュな溶液に取り替え、3回繰り返した。塩酸処理の後、生成物HTi(2-x/4)・HOは、8900 rpm, 10分の遠心分離によって回収し、純水でよく洗浄することでClを取り除き、空気中で乾燥させた。
次に、チタン酸塩シートの剥離は、テトラブチルアンモニウム(TBA)水溶液中で行った。HTi(2-x/4)・HO(1G)に対しTBA 250 mlの割合で入れ、1h程度超音波処理をした後、室温で10日間攪拌を行うことでナノシート状に剥離させた。得られた懸濁液は、2000rpmまたは3000rpmで30min遠心分離させ、懸濁液から沈殿物を取り除いた。
そして、以上のように合成したTNS薄膜のXRDパターンと、TNS合成に関する過去の報告にあるTNS薄膜のXRDパターンが一致していることから正しく合成されたことが確認された。
次に、他の半透明光アノード電極の逐次堆積法による製造方法について、具体的な実施例について説明する。この実施例では、光触媒粉末を、以上に説明したSTOに代えてMoドープBiVO(Mo:BVO)とした。Mo:BVOは、図10に示すように、500nm程度までの可視光を吸収できるものであって、STOに比較して長い波長についても光触媒効果を生じさせるものである。このMo:BVOは、図11の走査型電子顕微鏡写真に示すように、サブミクロンからμmオーダーの板状粒子になっている。
このMo:BVOを用いた半透明光アノード電極の製造方法では、次の工程を備える。先ず、ITO/ガラス基板上にTNSを堆積後、空気中において、500℃で3時間焼成し、ITO/ガラス基板上にTNS層を構築する。
次に、そのTNS層にBVOを塗布後、N気流化において、400℃で1時間熱処理を行い、半透明光アノード電極とした。すなわち、不活性ガスの気流化(N気流化)で熱処理をすることで、TNS層の層上に、光触媒粉末(本形態例ではBVOの微粒子)を結着させ、光触媒粉末10の層を好適に構築できた。なお、TNS層に塗布される原料のBVOについては、図11のように凝集している場合、ボールミルで粉砕することで微粉末化できる。
このように製造されたMo:BVOを用いた半透明光アノード電極によれば、STOの微粒子を用いた場合と類似の機能性(半透明性及び光電流)を示す構造体(光電極)を構築することができた。すなわち、このMo:BVOを用いた半透明光アノード電極では、図12参照に示すように半透明性を生じると共に、光電流(図13参照)を生じることが確認された。
次に、図14及び図15に基づいて、光触媒粉末の層と、透明でない導電層との間に、層状酸化物ナノシートの層が配されている粉末光電極の実施例を示す。
この実施例では、図14の走査型電子顕微鏡写真に示すように、光触媒粉末(STO)が、導電層(Ti多孔体電極)の表面に、層状酸化物ナノシート(TNS)の層によって、導電状態に結着され、STO/TNS/Ti多孔体電極が構築されている。これによれば、導電層であるTi多孔体電極は、その表面が凹凸状の粗面状になっているが、その表面に、層状酸化物ナノシートの層を介して光触媒粉末を好適に固定(結着)されている。なお、図14(a)の写真は、Ti多孔体電極の表面が粗面になっていて、その表面に、TNSの層を介してSTOが結着されている状況を示しており、図14(b)の写真は、図14(a)の一部を拡大したものであり、STOの各微粒子が結着されている状況が示されている。
そして、この実施例によれば、Ti多孔体は金属基板であって透明性がないが、図15に示すように、STOの光励起に起因する有意な酸化的光電流を得ることができた。すなわち、この実施例によれば、Ti多孔体(多孔性基板)のようなラフネスの大きな基板上にも、前述のITO/ガラス基板のような平坦な導電層の上に光触媒粉末の層が形成されたものと同等の構造体を構築できることが実証された。
以上、本発明につき好適な形態例を挙げて種々説明してきたが、本発明はこの形態例に限定されるものではなく、発明の精神を逸脱しない範囲内で多くの改変を施し得るのは勿論のことである。
10 光触媒粉末
11 助触媒
15 裏面金属層
20 層状酸化物ナノシート
25 透明導電性接着剤
30 透明導電層
31 ガラス基板の層
32 ITOの層
50 受面用基板

Claims (12)

  1. 光触媒粉末の層と、導電層との間に、半導体材料であって薄片状の二次元形態を有する層状酸化物ナノシートが堆積した、層状酸化物ナノシートの層が配されてることを特徴とする粉末光電極。
  2. 前記光触媒粉末が、半導体であることを特徴とする請求項1記載の粉末光電極。
  3. 前記光触媒粉末の層が、単粒子層状に配されていることを特徴とする請求項1又は2記載の粉末光電極。
  4. 前記層状酸化物ナノシートが、可視光領域で透明な薄膜状の半導体材料であることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の粉末光電極。
  5. 前記層状酸化物ナノシートが、チタニアナノシートであることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の粉末光電極。
  6. 請求項1~5のいずれかに記載の粉末光電極における前記導電層が、透明導電層であることを特徴とする半透明粉末光電極。
  7. 前記透明導電層が、前記層状酸化物ナノシートの層に積層された状態に配されるITOの層と、該ITOの層に積層された状態に配されたガラス基板の層とによって構成されているITO/ガラス基板によって設けられていることを特徴とする請求項6記載の半透明粉末光電極。
  8. 前記透明導電層が、前記層状酸化物ナノシートの層と前記ITO/ガラス基板との間に積層された状態に配される透明導電性接着剤の層を、構成要素として含むことを特徴とする請求項7記載の半透明粉末光電極。
  9. 光の照射方向について半透明光アノードと光カソードとが重なった状態に構成された光電気化学セルにおいて、請求項6~8のいずれかに記載の半透明粉末光電極が、半透明光アノードとして用いられていることを特徴とする光電気化学セル。
  10. 受面用基板の上に、光触媒粉末の層を堆積させて形成する光触媒粉末の堆積工程と、
    前記光触媒粉末の層の上に、半導体材料であって薄片状の二次元形態を有する層状酸化物ナノシートを堆積させて層状酸化物ナノシートの層を形成する層状酸化物ナノシートの堆積工程と、
    前記層状酸化物ナノシートの層に、透明導電性接着剤の層、ITOの層、ガラス基板の層の順に積層されるように、前記透明導電性接着剤の層を介して、ITOの層及びガラス基板の層によって構成されるITO/ガラス基板を積層する接着積層工程と、
    前記受面用基板を除去する保持基板除去工程とを備えることを特徴とする半透明粉末光電極の製造方法。
  11. ガラス基板の層の上にITOの層が層状に配されて構成されたITO/ガラス基板の上に、半導体材料であって薄片状の二次元形態を有する層状酸化物ナノシートを堆積させて層状酸化物ナノシートの層を形成する層状酸化物ナノシートの堆積工程と、
    前記層状酸化物ナノシートの層の上に、光触媒粉末の層を堆積させて形成する光触媒粉末の堆積工程と、
    前記各堆積工程で積層された材料を焼成する熱処理工程と、
    前記光触媒粉末の層が単粒子層状に配された状態となるように、超音波によって余剰の前記光触媒粉末を除去する超音波工程とを備えることを特徴とする半透明粉末光電極の製造方法。
  12. 前記堆積工程の堆積方法が、ドロップキャスト又はスプレーコートであることを特徴とする請求項10又は11記載の半透明粉末光電極の製造方法
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