JP2004319439A - 色素増感太陽電池およびその製造方法 - Google Patents

色素増感太陽電池およびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2004319439A
JP2004319439A JP2004054568A JP2004054568A JP2004319439A JP 2004319439 A JP2004319439 A JP 2004319439A JP 2004054568 A JP2004054568 A JP 2004054568A JP 2004054568 A JP2004054568 A JP 2004054568A JP 2004319439 A JP2004319439 A JP 2004319439A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
dye
solar cell
sensitized solar
semiconductor layer
porous semiconductor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2004054568A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4563697B2 (ja
Inventor
Atsushi Fukui
篤 福井
Reigen Kan
礼元 韓
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sharp Corp filed Critical Sharp Corp
Priority to JP2004054568A priority Critical patent/JP4563697B2/ja
Priority to US10/815,976 priority patent/US20040221888A1/en
Publication of JP2004319439A publication Critical patent/JP2004319439A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4563697B2 publication Critical patent/JP4563697B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01GCAPACITORS; CAPACITORS, RECTIFIERS, DETECTORS, SWITCHING DEVICES, LIGHT-SENSITIVE OR TEMPERATURE-SENSITIVE DEVICES OF THE ELECTROLYTIC TYPE
    • H01G9/00Electrolytic capacitors, rectifiers, detectors, switching devices, light-sensitive or temperature-sensitive devices; Processes of their manufacture
    • H01G9/20Light-sensitive devices
    • H01G9/2027Light-sensitive devices comprising an oxide semiconductor electrode
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01GCAPACITORS; CAPACITORS, RECTIFIERS, DETECTORS, SWITCHING DEVICES, LIGHT-SENSITIVE OR TEMPERATURE-SENSITIVE DEVICES OF THE ELECTROLYTIC TYPE
    • H01G9/00Electrolytic capacitors, rectifiers, detectors, switching devices, light-sensitive or temperature-sensitive devices; Processes of their manufacture
    • H01G9/20Light-sensitive devices
    • H01G9/2027Light-sensitive devices comprising an oxide semiconductor electrode
    • H01G9/2031Light-sensitive devices comprising an oxide semiconductor electrode comprising titanium oxide, e.g. TiO2
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01GCAPACITORS; CAPACITORS, RECTIFIERS, DETECTORS, SWITCHING DEVICES, LIGHT-SENSITIVE OR TEMPERATURE-SENSITIVE DEVICES OF THE ELECTROLYTIC TYPE
    • H01G9/00Electrolytic capacitors, rectifiers, detectors, switching devices, light-sensitive or temperature-sensitive devices; Processes of their manufacture
    • H01G9/20Light-sensitive devices
    • H01G9/2059Light-sensitive devices comprising an organic dye as the active light absorbing material, e.g. adsorbed on an electrode or dissolved in solution
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy
    • Y02E10/542Dye sensitized solar cells
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Microelectronics & Electronic Packaging (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Photovoltaic Devices (AREA)
  • Hybrid Cells (AREA)

Abstract

【課題】 逆電流を抑制することにより、高い開放電圧、さらには高い光電変換効率を有する色素増感太陽電池を提供することを課題とする。
【解決手段】 透明基板上に形成された透明導電膜と対電極との間に、増感色素が吸着された多孔性半導体層とキャリア輸送層を有する色素増感太陽電池において、増感色素が吸着された多孔性半導体層の吸光度ピークが、増感色素を吸着させた直後の吸光度ピークよりも短波長側にあることを特徴とする色素増感太陽電池により、上記の課題を解決する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、色素増感太陽電池およびその製造方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、高い光電変換効率を有する色素増感太陽電池およびその製造方法に関する。
従来から、光エネルギーを電気エネルギーに直接変換する方法として、シリコン太陽電池が知られ、既に微弱電力消費の分野の電源や宇宙用電源のような独立電源として利用されている。しかしながら、シリコン単結晶やアモルファスシリコンの製造には多大なエネルギーを必要とし、電池作製に費やしたエネルギ−を回収するためには、十年近い長期間にわたって発電を続ける必要がある。
このような状況下で、比較的低コストで得られる色素増感太陽電池が広く注目されるようになってきた。色素増感太陽電池は、例えば、透明基板上に形成された透明導電膜と対電極および、それらの間に挟持された増感色素が担持(吸着)された多孔性半導体層とキャリア輸送層を基本構成とする。
例えば、J. Am. Ceram. Soc.,80(12) 3157-3171(1997)(非特許文献1)には、多孔性半導体層としての酸化チタン膜の表面に、遷移金属錯体などの増感色素を吸着させた色素増感太陽電池の製造方法が記載されている。この方法では、透明基板上に透明導電膜および多孔性半導体層としての酸化チタン膜を順次形成し、これを増感色素を溶解した溶剤に浸漬することにより、多孔性電極に増感色素を担持させて半導体電極を形成し、これに酸化還元系を含む電解液を滴下し、多孔性電極上に対電極を重ねることにより色素増感太陽電池を作製している。
色素増感太陽電池の多孔性電極に可視光が照射されると、半導体層上の増感色素が光を吸収し、色素分子内の電子が励起され、励起電子が半導体電極に注入される。これにより電極(透明導電膜)側で電子が発生し、電気回路を通って対電極に移動する。対電極に移動した電子は、キャリア輸送層中のホールまたはイオンによって運ばれ、半導体電極に戻る。このような過程が繰り返されて電気エネルギーが取り出され、高い光電変換効率が実現されている。しかしながら、太陽電池として実用化するためには、さらなる光電変換効率の向上が望まれており、このためには発生電流の増大とともに、開放電圧の増加が必要となる。
開放電圧を増加させるためには、半導体電極から増感色素、さらにキャリア輸送層への逆電流を抑制する必要がある。シリコン太陽電池における等価回路では、逆電流I0と開放電圧Vocの関係は、次式:
Figure 2004319439
(式中、Iphは光電流、kはボルツマン定数、Tは絶対温度、qはキャリアの電荷数を示す)で表される。色素増感太陽電池において、厳密に前式が成り立たつとは言えないが、シリコン太陽電池の場合と同様に、逆電流の増加によるVocの低下が起こると考えられる。
色素増感太陽電池における逆電流を抑制するための様々な方法が提案されている(特開2002−75471号公報(特許文献1)、特開2002−280087号公報(特許文献2)、特開2002−352869号公報(特許文献3)、特開2001−167807号公報(特許文献4)参照)。
特に、電解液へのt−ブチルピリジンの添加が有効であることが知られている。しかしながら、揮発性のt−ブチルピリジンは、実用化には不向きであり、実際に得られる開放電圧は、理論的に期待される開放電圧よりも格段に低い。
特開2002−75471号公報 特開2002−280087号公報 特開2002−352869号公報 特開2001−167807号公報 J. Am. Ceram. Soc.,80(12) 3157-3171(1997)
本発明は、逆電流を抑制することにより、高い開放電圧、さらには高い光電変換効率を有する色素増感太陽電池を提供することを課題とする。
かくして、本発明によれば、透明基板上に形成された透明導電膜と対電極との間に、増感色素が吸着された多孔性半導体層とキャリア輸送層を有する色素増感太陽電池において、増感色素が吸着された多孔性半導体層の吸光度ピークが、増感色素を吸着させた直後の吸光度ピークよりも短波長側にあることを特徴とする色素増感太陽電池が提供される。
また、本発明によれば、透明基板上に形成された透明導電膜と対電極との間に、増感色素が吸着された多孔性半導体層とキャリア輸送層を有する色素増感太陽電池の製造方法であって、その製造過程において、増感色素が吸着された多孔性半導体層の吸光度ピークを、増感色素を吸着させた直後の吸光度ピークよりも短波長化させる工程を含むことを特徴とする色素増感太陽電池の製造方法が提供される。
本発明によれば、逆電流を抑制することにより、高い開放電圧、さらには高い光電変換効率を有する色素増感太陽電池を提供することができる。
本発明において「吸光度ピーク」とは、吸光度測定装置による吸光度測定にて観測される最も長波長側にあるピークを意味する。半導体による光散乱効果が少ない場合には、吸光度ピークがなくなり、波長変化に対して吸光度が変化しない波長領域が現れる。この場合の吸光度ピークの位置は、波長変化に対する吸光度の増分が0になる波長値を意味する。
また、本発明において「増感色素を吸着させた直後の吸光度ピーク」とは、多孔性半導体層に増感色素を吸着させ、アルコールなどの溶剤で洗浄した後で測定した吸光度ピークを意味するが、一般に、色素とそれを吸着させる半導体(酸化チタンなど)が決まれば一意的に決まる吸光度ピークを指す。
本発明の色素増感太陽電池は、透明基板上に形成された透明導電膜と対電極との間に、増感色素が吸着された多孔性半導体層とキャリア輸送層を有する色素増感太陽電池において、その製造過程において、多孔性半導体層の吸光度ピークを短波長化させる工程を経ることにより、増感色素を吸着させた直後の吸光度ピークよりも短波長側にある。これにより、逆電流を抑制することができ、高い開放電圧、さらには高い光電変換効率を有する色素増感太陽電池を得ることができる。なお、以下の説明において、「増感色素が吸着された多孔性半導体層」を「半導体電極」または「光電極」ともいう。
すなわち、増感色素から注入された電子は、半導体電極の伝導体下端準位を占めているが、この電子が増感色素のLUMO準位またはHOMO準位に戻ることで逆向き電子の流れが生じ、開放電圧が低下するものと考えられる。
吸光度ピークの短波長化は、LUMO(最低非占軌道)準位−HOMO(最高占有軌道)準位間のエネルギーギャップが増加していることを意味し、LUMO準位が上昇し、さらにHOMO準位が低下していることを意味している。
HOMO準位が低下すれば、伝導帯下端準位とHOMO準位とのエネルギーギャップが大きくなり、半導体電極から増感色素のHOMO準位への逆向きの電子の流れ(逆電流)が抑制されると考えられ、LUMO準位に関しても同様のことが言える。よって、吸光度ピークが短波長化すれば、開放電圧が改善されるものと考えられる。
本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、この実施形態は一例であり、種々の形態での実施が本発明の範囲内で可能である。
図1は、本発明の色素増感太陽電池の層構成を示す模式断面図である。図中、1、8は支持基板、2、7は透明導電膜、3は白金層、4はキャリア輸送層、5は増感色素、6は多孔性半導体層であり、e-と矢印は電子の流れを示す。なお、透明導電膜2と白金層3とを合わせて対電極ともいう。
支持基板1、8は、少なくとも一方が透明であり、ガラス基板、プラスチック基板などが挙げられる。その膜厚は、薄膜太陽電池に適当な強度を付与することができるものであれば特に限定されない。
透明導電膜2、7は、例えば、ITO、SnO2、CuI、ZnOなどの透明導電材料から構成され、それぞれ支持基板1、8上に、真空蒸着法、スパッタリング法、CVD法、PVD法などの気相法、ゾルゲル法によるコーティング法などの公知の方法により形成される。それらの膜厚は0.1μm〜5μm程度が適当である。
透明導電膜2と白金層3からなる対電極は、支持基板8上に形成された透明導電膜7とともに一対の電極を構成する。図1では、透明導電膜2と白金層3の2層からなる対電極を示しているが、他の透明または不透明の導電膜で対電極を構成してもよい。このような導電膜としては、例えば、n型またはp型の元素半導体(例えば、シリコン、ゲルマニウムなど)または化合物半導体(例えば、GaAs、InP、ZnSe、CsSなど);金、銀、銅、アルミニウムなどの金属;チタン、タンタル、タングステンなどの高融点金属;ITO、SnO2、CuI、ZnOなどの透明導電材料からなる1層または複数層の膜が挙げられる。
これらの導電膜は、真空蒸着法、スパッタリング法、CVD法、PVD法などの気相法、ゾルゲル法によるコーティング法などの公知の方法により形成される。その膜厚は0.1μm〜5μm程度が適当である。
白金層3は、保護層としても機能し、スパッタリング法、塩化白金酸の熱分解、電着などの方法によって形成することができる。その膜厚は、1nm〜1000nm程度が適当である。
多孔性半導体層6は、半導体微粒子から構成され、透明導電膜2上に形成される。この層は多孔質の膜状の形態が好ましいが、粒子状や膜状であってもよい。
半導体微粒子としては、一般に光電変換材料に使用されるものであれば特に限定されず、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化ニオブ、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化タングステン、酸化シリコン、酸化アルミニウム、酸化ニッケル、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、硫化カドミウム、CuAlO2、SrCu22などの酸化物の微粒子が挙げられる。これらの酸化物は単独または組み合わせて用いることができる。
半導体微粒子としては、市販のものを用いることができ、その平均粒径は、例えば、1〜2000nmである。
上記の酸化物の中でも、安定性および安全性の点から、酸化チタンが特に好ましい。酸化チタンは、アナタース型酸化チタン、ルチル型酸化チタン、無定形酸化チタン、メタチタン酸、オルソチタン酸などの各種の狭義の酸化チタンおよび水酸化チタン、含水酸化チタンなどを包含する。
透明導電膜上に多孔質半導体層を形成する方法としては、特に限定されず、以下のような公知の方法およびそれらの組み合わせが挙げられる。
(1)透明導電膜上に半導体粒子を含有する懸濁液を塗布し、乾燥および/または焼成する方法
(2)半導体を構成する元素を含有する単一のガスまたは2種類以上の混合ガスを用いたCVD法、MOCVD法などの方法
(3)半導体を構成する元素を含有する単一の固体、複数の固体の組み合せ、または化合物の固体の原料を用いたPVD法、蒸着法、スパッタリング法などの方法
(4)ゾルゲル法、電気化学的な酸化還元反応を利用した方法
方法(1)では、まず、エチレングリコールモノメチルエーテルなどのグライム系溶剤、イソプロピルアルコールなどのアルコール系溶剤、イソプロピルアルコール/トルエンなどのアルコール系混合溶剤、水などの溶剤に、半導体粒子および任意に分散剤を加えて、懸濁液を調製し、その懸濁液を透明導電膜上に塗布する。塗布方法としては、ドクターブレード法、スキージ法、スピンコート法、スクリーン印刷法など公知の方法が挙げられる。その後、塗布液を乾燥および焼成することにより、多孔性半導体層を得る。乾燥および焼成における温度、時間、雰囲気などの条件は、使用する透明導電膜および半導体粒子の種類に応じて、適宜調整することができ、例えば、大気雰囲気下または不活性ガス雰囲気下、50〜800℃程度の温度、10秒〜12時間程度の時間が挙げられる。この乾燥および焼成は、それぞれ単一の温度で1回または温度を変化させて2回以上行ってもよい。
多孔性半導体層の膜厚は、特に限定されるものではないが、光透過性、光電変換効率などの観点から、0.1〜50μm程度が好ましい。また、光電変換効率を向上させるためには、より多くの色素を多孔性半導体層に吸着させることが必要であり、このために多孔性半導体の比表面積は大きなものが好ましく、10〜200m2/g程度が好ましい。
多孔性半導体層に吸着し、光増感剤として、光エネルギーにより生じた電子を多孔性半導体層に送る機能を発現する増感色素5としては、種々の可視光領域および/または赤外光領域に吸収を有するものであって、金属錯体色素および有機色素が挙げられる。多孔性半導体層に色素を強固に吸着させるためには、色素分子中にカルボン酸基、カルボン酸無水基、アルコキシ基、ヒドロキシル基、ヒドロキシアルキル基、スルホン酸基、エステル基、メルカプト基、ホスホニル基などのインターロック基を有するものが好ましく、これらの中でも、カルボン酸基およびカルボン酸無水基が特に好ましい。なお、インターロック基は、励起状態の色素と多孔性半導体層の伝導帯端との間の電子移動を容易にする電気的結合を提供するものであり、一般的に色素はインターロック基を介して多孔性半導体に固定される。
有機色素としては、例えば、アゾ系色素、キノン系色素、キノンイミン系色素、キナクリドン系色素、スクアリリウム系色素、シアニン系色素、メロシアニン系色素、トリフェニルメタン系色素、キサンテン系色素、ポルフィリン系色素、ペリレン系色素、インジゴ系色素、ナフタロシアニン系色素などが挙げられる。
また、金属錯体色素としては、Cu、Ni、Fe、Co、V、Sn、Si、Ti、Ge、Cr、Zn、Ru、Mg、Al、Pb、Mn、In、Mo、Y、Zr、Nb、Sb、La、W、Pt、Ta、Ir、Pd、Os、Ga、Tb、Eu、Rb、Bi、Se、As、Sc、Ag、Cd、Hf、Re、Au、Ac、Tc、Te、Rhなどの金属錯体が挙げられ、これらの中でも、フタロシアニン系またはルテニウムビピリジン系の金属錯体色素が好ましく、ルテニウムビピリジン系の金属錯体色素が特に好ましい。
具体的には、シス−ビス(イソチオシアナト)ビス(2,2’−ビピリジル−4,4’−ジカルボキシラト)−ルテニウム(II)[cis-bis(isothiocyanato)bis(2,2'-bipyridyl-4,4'-dicarboxylato)ruthenium(II)]、シス−ビス(イソチオシアナト)ビス(2,2’−ビピリジル−4,4’−ジカルボキシラト)−ルテニウム(II)ビス−テトラブチルアンモニウム[cis-bis(thiocyanato)bis(2,2'-bipyridyl-4,4'- dicarboxylato)-ruthenium(II)bis-tetrabutylammonium]および式(1):
Figure 2004319439
(式中、TBAは、テトラブチルアンモニウム残基である)
で表されるトリス(イソチオシアナト)−ルテニウム(II)−2,2’:6’,2”−ターピリジン−4,4’,4”−トリカルボン酸,トリス−テトラブチルアンモニウム塩[tris(thiocyanato)-ruthenium(II)-2,2':6',2"-terpyridine-4,4',4"-tricarboxylic acid,tris-tetrabutylammonium salt]が挙げられる。
これらの金属錯体色素は、ソラロニクス社(Solaronix、スイス)から、それぞれ、商品名:ルテニウム(Ruthenium)535色素、ルテニウム535−bisTBA色素およびルテニウム620−1H3TBA色素として市販されている。
多孔性半導体層に増感色素を吸着させる方法としては、例えば、増感色素を含有する溶液(色素吸着用溶液)に多孔性半導体層を浸漬する方法が挙げられる。
増感色素を溶解する溶媒としては、具体的には、アルコール、トルエン、アセトニトリル、THF、クロロホルム、ジメチルホルムアミドなどの有機溶剤が挙げられる。これらの溶媒は、通常、精製されたものが好ましく、2種類以上を混合して用いることもできる。溶剤中の色素濃度は、使用する色素や溶剤の種類、吸着工程の条件などに応じて調整することができ、1×10-5モル/リットル以上が好ましい。
色素吸着用溶液に多孔性半導体層を浸漬する工程における温度、圧力、時間などの条件は、適宜調整することができる。浸漬は、1回または複数回行ってもよく、浸漬後には、適宜乾燥を行ってもよい。
多孔性半導体層に増感色素を吸着させる前に、半導体表面を活性化するための処理、例えば、TiCl4による処理を必要に応じて行ってもよい。
次に、増感色素が吸着された多孔性半導体層の吸光度ピークを短波長化させる工程により、増感色素が吸着された多孔性半導体層の吸光度ピークを、増感色素を吸着させた直後の吸光度ピークよりも短波長側、具体的には、約10〜60nm短波長側に移動させる。
吸光度ピークを短波長化させる工程は、多孔性半導体層に増感色素を吸着した後、すなわち透明導電膜上に多孔性半導体層を形成し、増感色素を吸着させた段階に行われ、その方法は特に限定されないが、例えば、加熱処理、化学処理および光照射などが挙げられる。
加熱処理は、増感色素を吸着した多孔性半導体層をエタノールなどの溶剤で洗浄し、乾燥炉で、大気雰囲気中または窒素などの不活性ガス雰囲気中で行うことができる。加熱温度は、約100〜180℃、加熱時間は、約1分〜1時間が好ましい。
化学処理は、増感色素を吸着した多孔性半導体層をエタノールなどの溶剤で洗浄し、少なくとも1種の含ヘテロ原子環状化合物を含む溶液を用いて行うことができる。
この処理は、該溶液に増感色素を吸着させた多孔性半導体層基板を浸漬する処理であるのが好ましい。浸漬時間は、溶液の濃度などにより適宜調整することができ、例えば、1分〜30時間程度である。処理温度は特に限定されず、必要に応じて調整することができる。
含ヘテロ原子環状化合物が固体である場合には、エタノール、メタノールなどのアルコール系溶剤、アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル系溶剤、N,N’−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドなどの非プロトン性溶剤などの溶剤に溶解して用いる。また、含ヘテロ原子環状化合物が液体である場合でも、前記の溶剤に溶解し用いてもよい。また、溶剤には他の化合物が添加されていてもよい。
溶液の濃度は、増感色素や含ヘテロ原子環状化合物の種類などにより適宜調整すればよく、例えば、0.5M程度である。
化学処理による吸光度ピークの短波長化のメカニズムは明らかでないが、処理に用いる溶液量は多いほどよく、多孔性半導体層の体積の30倍以上が好ましく、100倍以上がより好ましい。溶液量が多孔性半導体層の体積の30倍に満たない場合には、吸光度ピークが大きく変化せず、Voc向上の効果が現れ難いので好ましくない。
含ヘテロ原子環状化合物としては、フラン、テトラヒドロフラン、ジオキソール、ジオキソラン、チオフェン、テトラヒドロチオフェン、ピロール、イミダゾール、ピラン、テトラヒドロピラン、ジオキセン、ジオキサン、ジオキシン、トリオキサンおよびそれらの誘導体などの単環式化合物;キノリジン、キノキサリン、キノリン、2−メチルベンゾチアゾール、2−メチルベンゾオキソゾールおよびそれらの誘導体などの二環式化合物;カルバゾール、カルボリン、フェナジンおよびそれらの誘導体などの三環式化合物が挙げられる。
これらの中でも、キノリジン、キノキサリン、キノリンおよびそれらの誘導体などの含窒素環状化合物が好ましく、窒素原子を2個以上含む化合物が特に好ましい。
また、2−メチルベンゾチアゾール、2−メチルベンゾオキサゾールおよびカルバゾールおよびそれらの誘導体などの置換あるいは非置換の5員環を含む含窒素環状化合物が好ましい。
含ヘテロ原子環状化合物の誘導体としては、例えば、イミダゾールが挙げられる。また、他の含ヘテロ原子環状化合物の誘導体としては、例えば、エチルイミダゾリウムアイオダイド、エチルメチルイミダゾリウムアイオダイド、メチルプロピルイミダゾリウムアイオダイド、ジメチルプロピルイミダゾリウムアイオダイド、ヘキシルメチルイミダゾリウムアイオダイドなどのイミダゾールのアルキル化塩が挙げられる。
光照射は、増感色素を吸着した多孔性半導体層をエタノールなどの溶剤で洗浄し、ソーラーシミュレーターの光を用いて、大気雰囲気中または窒素などの不活性ガス雰囲気中で行うことができる。光の強度は、例えば約0.1〜10kW/m2であり、照射時間は、約1分〜6時間である。この強度は自然光の約1/10〜10倍に相当する。光照射の際に多孔性半導体層の温度が上昇することがあるが、特に温度を調節する必要はない。
酸化チタンからなる多孔性半導体層に、増感色素として、ルテニウム535色素、ルテニウム535−bisTBA、ルテニウム620−1H3TBA色素および次式で表される色素Iを吸着させ、加熱処理(加熱温度:100℃、加熱時間:1時間)または化学処理(0.5M ジメチルプロピルイミダゾリウムアイオダイドのアセトニトリル溶液に25℃1時間浸漬)を行い、処理前後の吸光度ピークを測定した結果を表1に示す。
Figure 2004319439
Figure 2004319439
表1の結果から、加熱処理または化学処理を行った多孔性半導体層の吸光度ピークは、吸着直後の吸光度ピークよりも短波長側にあることがわかる。ルテニウム535色素、ルテニウム535−bisTBA色素およびルテニウム620−1H3TBA色素が吸着された多孔性半導体層の吸光度ピークは、それぞれ500nm±30nm、490nm±35nmおよび580nm±35nmの範囲にあるのが好ましい。
増感色素5が吸着された多孔性半導体層6と透明導電膜7との間に充填されるキャリア輸送層4は、電子、ホール、イオンを輸送できる導電性材料から構成される。例えば、ポリビニルカルバゾール、トリフェニルアミンなどのホール輸送材料;テトラニトロフロレノンなどの電子輸送材料;ポリピロールなどの導電性ポリマー;液体電解質、高分子電解質などのイオン導電体;ヨウ化銅、チオシアン酸銅などの無機p型半導体が挙げられる。
上記の導電性材料の中でもイオン導電体が好ましく、酸化還元性電解質を含む液体電解質が特に好ましい。このような酸化還元性電解質としては、一般に電池や太陽電池などにおいて使用することができるものであれば特に限定されない。具体的には、LiI、NaI、KI、CaI2などの金属ヨウ化物とヨウ素の組み合わせおよびLiBr、NaBr、KBr、CaBr2などの金属臭化物と臭素の組み合わせが好ましく、これらの中でも、LiIとヨウ素の組み合わせが特に好ましい。
また、液体電解質の溶剤としては、プロピレンカーボネートなどのカーボネート化合物、アセトニトリルなどのニトリル化合物、エタノールなどのアルコール類、その他、水や非プロトン極性物質などが挙げられるが、これらの中でも、カーボネート化合物やニトリル化合物が特に好ましい。これらの溶剤は2種類以上を混合して用いることもできる。
液体電解質中の電解質濃度は、0.1〜1.5モル/リットルの範囲が好ましく、0.1〜0.7モル/リットルの範囲が特に好ましい。
キャリア輸送層を構成する材料が液体であって、太陽電池からの外に漏れ出すような場合には、封止材(図1では図示せず)で太陽電池をシールしてもよい。封止剤としては、例えば、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、熱可塑性樹脂などが挙げられる。
(実施例)
本発明を実施例および比較例によりさらに具体的に説明するが、これらの実施例により本発明が限定されるものではない。
なお、以下の実施例および比較例については、本発明の色素増感太陽電池の層構成を示す模式断面図である図1に基づいて説明する。
図1において、1、8は支持基板、2、7は透明導電膜、3は白金層、4はキャリア輸送層、5は増感色素、6は多孔性半導体層であり、e-と矢印は電子の流れを示す。なお、透明導電膜2と白金層3とを合わせて対電極ともいう。
実施例1
・多孔性半導体層の作製
透明導電膜7として膜厚1μmのSnO2膜を蒸着した厚さ1.1mmのガラス板(日本板硝子株式会社製)の支持基板8の透明導電膜7側に、ドクターブレード法により、市販の酸化チタンペースト(ソラロニクス社製、商品名:Ti−Nanoxide D、平均粒径13nm)を塗布し、300℃で30分間予備乾燥し、次いで500℃で40分間焼成し、多孔性半導体層6として膜厚6μmの酸化チタン膜を得た。
・光電極の作製
増感色素5としてシス−ビス(イソチオシアナト)ビス(2,2’−ビピリジル−4,4’−ジカルボキシラト)−ルテニウム(II)(ソラロニクス社製、商品名:ルテニウム535色素)をエタノール(アルドリッチ社製)に溶解し、濃度4×10-4モル/リットルの色素溶液を調製した。次に、得られた色素溶液に、酸化チタン膜を形成したガラス板を浸漬し、30分間保持し、増感色素を酸化チタン膜に吸着させた。得られた吸着色素濃度は、酸化チタン膜に対して、7×10-8mol/cm2であった。
その後、酸化チタン膜を形成し、増感色素を吸着させたガラス板をエタノール(アルドリッチ社製)で洗浄し、乾燥炉で、大気雰囲気中、加熱温度130℃で30分間加熱処理をして光電極を得た。
得られた光電極について、吸光度測定装置(株式会社島津製作所製、型式:UV−3150)を用いて吸光度を測定し、最も長波長側にある吸光度ピークを求めた。
・酸化還元性電解液の作製
キャリア輸送層4として用いる酸化還元性電解液を、プロピレンカーボネート(アルドリッチ社製)を溶剤として、ヨウ化リチウム(アルドリッチ社製)が濃度0.5モル/リットル、ヨウ素(アルドリッチ社製)が濃度0.05モル/リットルになるように溶解させて調製した。
・色素増感太陽電池の作製
多孔性半導体層の作製で用いたものと同じ透明導電性ガラス板、すなわち透明導電膜2としてSnO2膜を蒸着したガラス板(日本板硝子株式会社製)の支持基板1の透明導電膜2側に、蒸着法により、膜厚1μmの白金膜を形成して対電極を得た。得られた対電極と上記で得られた光電極との間に、短絡防止用のスペーサーを挟み、支持基板1と支持基板8を重ねた。次いで、それらの間隙から調製した酸化還元性電解液を注入し、それらの側面をエポキシ樹脂で封止し、各電極にリード線を取付けて、色素増感太陽電池を得た。
得られた色素増感太陽電池に、強度1kW/m2の光(AM1.5ソーラーシミュレータ)を照射して、電池特性を評価した。
得られた結果を、吸光度ピークと共に表2に示す。
比較例1
光電極の作製において加熱処理を行わないこと以外は、実施例1と同様にして、色素増感太陽電池を作製し、評価した。
得られた結果を、吸光度ピークと共に表2に示す。表中、Jsc、Vco、FFおよびEffiは、それぞれ短絡電流、開放電圧、フィルファクターおよび変換効率を表す。
Figure 2004319439
表2の結果から、光電極の作製において加熱処理を行った色素増感太陽電池(実施例1)は、加熱処理を行わなかったもの(比較例1)より、吸光度ピークが短波長側にあり、光電変換効率が向上していることがわかる。
実施例2
増感色素としてルテニウム535色素の代わりに、シス−ビス(イソチオシアナト)ビス(2,2’−ビピリジル−4,4’−ジカルボキシラト)−ルテニウム(II)ビス−テトラブチルアンモニウム(ソラロニクス社製、商品名:ルテニウム535−bisTBA色素)を用いること以外は、実施例1と同様にして、色素増感太陽電池を作製し、評価した。
得られた結果を、吸光度ピークと共に表3に示す。
比較例2
光電極の作製において加熱処理を行わないこと以外は、実施例2と同様にして、色素増感太陽電池を作製し、評価した。
得られた結果を、吸光度ピークと共に表3に示す。
Figure 2004319439
表3の結果から、光電極の作製において加熱処理を行った色素増感太陽電池(実施例2)は、加熱処理を行わなかったもの(比較例2)より、吸光度ピークが短波長側にあり、光電変換効率が向上していることがわかる。
実施例3
増感色素としてルテニウム535色素の代わりに、式(1)で表されるトリス(イソチオシアナト)−ルテニウム(II)−2,2’:6’,2”−ターピリジン−4,4’,4”−トリカルボン酸,トリス−テトラブチルアンモニウム塩(ソラロニクス社製、商品名:ルテニウム620−1H3TBA色素)を用い、光電極の作製において加熱処理の代わりに化学処理を行うこと以外は、実施例1と同様にして、色素増感太陽電池を作製し、評価した。
なお、化学処理は、0.5M−ジメチルプロピルイミダゾリウムアイドダイド(四国化成製)のアセトニトリル溶液(キシダ化学社製)50に多孔性半導体層基板を25℃1時間浸漬することで行った。
得られた結果を、吸光度ピークと共に表4に示す。
比較例3
光電極の作製において化学処理を行わないこと以外は、実施例3と同様にして、色素増感太陽電池を作製し、評価した。
得られた結果を、吸光度ピークと共に表4に示す。
Figure 2004319439
表4の結果から、光電極の作製において化学処理を行った色素増感太陽電池(実施例3)は、化学処理を行わなかったもの(比較例3)より、吸光度ピークが短波長側にあり、光電変換効率が向上していることがわかる。
実施例4
増感色素してルテニウム535色素の代わりに次式の色素Iを用い、光電極の作製において加熱処理の代わりに化学処理を行うこと以外は、実施例1と同様にして、色素増感太陽電池を作製し、評価した。
なお、化学処理は、0.5M−ジメチルプロピルイミダゾリウムアイドダイド(四国化成製)のアセトニトリル溶液(キシダ化学社製)50mLに多孔性半導体層基板を25℃で1時間浸漬することで行った。
得られた結果を、吸光度ピークと共に表5に示す。
Figure 2004319439
比較例4
光電極の作製において化学処理を行わないこと以外は、実施例4と同様にして、色素増感太陽電池を作製し、評価した。
得られた結果を、吸光度ピークと共に表5に示す。
Figure 2004319439
表5の結果から、光電極の作製において化学処理を行った色素増感太陽電池(実施例4)は、化学処理を行わなかったもの(比較例4)より、吸光度ピークが短波長側にあり、光電変換効率が向上していることがわかる。
実施例5
増感色素としてルテニウム620色素(ソラロニクス社製、商品名:ルテニウム620)を用い、光電極の作製において加熱処理の代わりに化学処理を行うこと以外は、実施例1と同様にして、色素増感太陽電池を作製し、評価した。
なお、化学処理は、0.5M−エチルメチルプロピルイミダゾリウムアイドダイド(富山薬品工業製)のアセトニトリル溶液(キシダ化学社製)50mLに多孔性半導体層基板を25℃で1時間浸漬することで行った。
Figure 2004319439
実施例6
増感色素としてシス−ビス(イソチオシアナト)ビス(2,2’−ビピリジル−4,4’−ジカルボキシラト)−ルテニウム(II)ビス−テトラブチルアンモニウム色素(ソラロニクス社製、商品名:ルテニウム535BisTBA)を用い、光電極の作製において加熱処理の代わりに化学処理を行うこと以外は、実施例1と同様にして、色素増感太陽電池を作製し、評価した。
なお、化学処理は、0.5M−メチルプロピルイミダゾリウムアイドダイド(富山薬品工業製)のアセトニトリル溶液(キシダ化学社製)50mLに多孔性半導体層基板を25℃1時間浸漬することで行った。
Figure 2004319439
本発明の色素増感太陽電池の層構成を示す模式断面図である。
符号の説明
1、8 支持基板
2、7 透明導電膜
3 白金層
4 キャリア輸送層
5 増感色素
6 多孔性半導体層

Claims (17)

  1. 透明基板上に形成された透明導電膜と対電極との間に、増感色素が吸着された多孔性半導体層とキャリア輸送層を有する色素増感太陽電池において、増感色素が吸着された多孔性半導体層の吸光度ピークが、増感色素を吸着させた直後の吸光度ピークよりも短波長側にあることを特徴とする色素増感太陽電池。
  2. 多孔性半導体層が、酸化チタンからなる請求項1に記載の色素増感太陽電池。
  3. 増感色素が、有機色素または金属錯体色素からなる請求項1または2に記載の色素増感太陽電池。
  4. 増感色素が、シス−ビス(イソチオシアナト)ビス(2,2’−ビピリジル−4,4’−ジカルボキシラト)−ルテニウム(II)であり、増感色素が吸着された多孔性半導体層の吸光度ピークが、500nm±30nmの範囲にある請求項1または2に記載の色素増感太陽電池。
  5. 増感色素が、シス−ビス(イソチオシアナト)ビス(2,2’−ビピリジル−4,4’−ジカルボキシラト)−ルテニウム(II)ビス−テトラブチルアンモニウムであり、増感色素が吸着された多孔性半導体層の吸光度ピークが、490nm±35nmの範囲にある請求項1または2に記載の色素増感太陽電池。
  6. 増感色素が、式(1):
    Figure 2004319439
    (式中、TBAは、テトラブチルアンモニウム残基である)
    で表されるトリス(イソチオシアナト)−ルテニウム(II)−2,2’:6’,2”−ターピリジン−4,4’,4”−トリカルボン酸,トリス−テトラブチルアンモニウム塩であり、増感色素が吸着された多孔性半導体層の吸光度ピークが、580nm±35nmの範囲にある請求項1または2に記載の色素増感太陽電池。
  7. 透明基板上に形成された透明導電膜と対電極との間に、増感色素が吸着された多孔性半導体層とキャリア輸送層を有する色素増感太陽電池の製造方法であって、その製造過程において、増感色素が吸着された多孔性半導体層の吸光度ピークを、増感色素を吸着させた直後の吸光度ピークよりも短波長化させる工程を含むことを特徴とする色素増感太陽電池の製造方法。
  8. 多孔性半導体層の吸光度ピークを短波長化させる工程が、透明導電膜上に多孔性半導体層を形成し、増感色素を吸着させた段階で行われる請求項7に記載の色素増感太陽電池の製造方法。
  9. 多孔性半導体層の吸光度ピークを短波長化させる工程が、加熱処理である請求項7または8に記載の色素増感太陽電池の製造方法。
  10. 加熱処理が、約100℃〜180℃の加熱温度の処理である請求項9に記載の色素増感太陽電池の製造方法。
  11. 多孔性半導体層の吸光度ピークを短波長化させる工程が、化学処理である請求項7または8に記載の色素増感太陽電池の製造方法。
  12. 化学処理が、含ヘテロ原子環状化合物を含む溶液を用いた処理である請求項11に記載の色素増感太陽電池の製造方法。
  13. 含ヘテロ原子環状化合物を含む溶液を用いた処理が、該溶液に増感色素を吸着させた多孔性半導体層基板を1分〜30時間浸漬する処理である請求項12に記載の色素増感太陽電池の製造方法。
  14. 含ヘテロ原子環状化合物が、含窒素環状化合物である請求項12または13に記載の色素増感太陽電池の製造方法。
  15. 含ヘテロ原子環状化合物が、窒素原子を2つ以上含む請求項14に記載の色素増感太陽電池の製造方法。
  16. 含ヘテロ原子環状化合物が、置換あるいは非置換の5員環を含む含窒素環状化合物である請求項12〜15のいずれか1つに記載の色素増感太陽電池の製造方法。
  17. 増感色素が吸着された多孔性半導体層の吸光度ピークを、増感色素を吸着させた直後の吸光度ピークよりも約10〜60nm短波長化させる請求項7〜16のいずれか1つに記載の色素増感太陽電池の製造方法。
JP2004054568A 2003-04-04 2004-02-27 色素増感太陽電池およびその製造方法 Expired - Fee Related JP4563697B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004054568A JP4563697B2 (ja) 2003-04-04 2004-02-27 色素増感太陽電池およびその製造方法
US10/815,976 US20040221888A1 (en) 2003-04-04 2004-04-02 Dye-sensitized solar cell and manufacturing method thereof

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003101571 2003-04-04
JP2004054568A JP4563697B2 (ja) 2003-04-04 2004-02-27 色素増感太陽電池およびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004319439A true JP2004319439A (ja) 2004-11-11
JP4563697B2 JP4563697B2 (ja) 2010-10-13

Family

ID=33422016

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004054568A Expired - Fee Related JP4563697B2 (ja) 2003-04-04 2004-02-27 色素増感太陽電池およびその製造方法

Country Status (2)

Country Link
US (1) US20040221888A1 (ja)
JP (1) JP4563697B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006252986A (ja) * 2005-03-11 2006-09-21 Sony Corp 色素増感光電変換素子およびその製造方法ならびに電子装置およびその製造方法ならびに電子機器
JP2007227087A (ja) * 2006-02-22 2007-09-06 Toin Gakuen 色素増感型光電変換素子
JP2010269303A (ja) * 2009-05-25 2010-12-02 Sungkyunkwan Univ Foundation For Corporate Collaboration 光触媒、その製造方法、光反応器及び光分解方法
JP2011187455A (ja) * 2011-06-01 2011-09-22 Sony Corp 色素増感光電変換素子、色素増感光電変換素子の製造方法、光電変換素子モジュール、電子機器、移動体および発電システム
JPWO2012169530A1 (ja) * 2011-06-06 2015-02-23 国際先端技術総合研究所株式会社 複合ガラス板
JP2016046486A (ja) * 2014-08-26 2016-04-04 株式会社豊田中央研究所 金属錯体色素、配位子及び色素増感型太陽電池

Families Citing this family (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6649824B1 (en) * 1999-09-22 2003-11-18 Canon Kabushiki Kaisha Photoelectric conversion device and method of production thereof
US7511298B2 (en) * 2002-10-10 2009-03-31 Kansai Paint Co., Ltd. Method for forming semiconductor film and use of semiconductor film
FR2869454B1 (fr) * 2004-04-22 2006-11-03 Commissariat Energie Atomique Procede de fabrication de couches minces semi-conductrices photosensibilisees.
JP5028804B2 (ja) * 2006-01-19 2012-09-19 ソニー株式会社 機能デバイス
JP5023866B2 (ja) * 2007-07-27 2012-09-12 ソニー株式会社 色素増感光電変換素子およびその製造方法ならびに電子機器
KR101384665B1 (ko) * 2007-09-13 2014-04-15 성균관대학교산학협력단 그라펜 시트를 함유하는 투명 전극, 이를 채용한 표시소자및 태양전지
WO2010125974A1 (ja) * 2009-04-30 2010-11-04 株式会社ブリヂストン 半導体電極、半導体電極を用いた太陽電池、及び半導体電極の製造方法
TWI394309B (zh) * 2009-12-30 2013-04-21 Ind Tech Res Inst 染料敏化太陽能電池
US20110214726A1 (en) * 2010-03-02 2011-09-08 Alliance For Sustainable Energy, Llc Ultra- High Solar Conversion Efficiency for Solar Fuels and Solar Electricity via Multiple Exciton Generation in Quantum Dots Coupled with Solar Concentration
US9065156B2 (en) * 2011-08-08 2015-06-23 Wisconsin Alumni Research Foundation Photovoltaic capacitor for direct solar energy conversion and storage
US10121601B2 (en) 2012-05-22 2018-11-06 International Frontier Technology Laboratory, Inc. Photoelectrode material and photocell material
CN103366967B (zh) * 2013-07-18 2016-08-24 北京科技大学 一种柔性敏化太阳能电池光阳极的制备方法

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002246626A (ja) * 2001-02-21 2002-08-30 Fuji Photo Film Co Ltd 光電変換素子の作成方法及び光電変換素子
JP2002289271A (ja) * 2001-03-26 2002-10-04 Sharp Corp 色素増感型太陽電池
JP2002334728A (ja) * 2000-08-15 2002-11-22 Fuji Photo Film Co Ltd 光電変換素子の作成方法及び光電変換素子
JP2002334727A (ja) * 2000-08-15 2002-11-22 Fuji Photo Film Co Ltd 光電変換素子の作成方法及び光電変換素子
JP2003252624A (ja) * 2002-02-27 2003-09-10 Fuji Photo Film Co Ltd 酸化チタン微粒子の作製方法及び光電変換素子
JP2003298082A (ja) * 2002-03-28 2003-10-17 Asahi Kasei Corp 複合半導体

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE19533850A1 (de) * 1995-09-13 1997-03-27 Hoechst Ag Photovoltaische Zelle
US5800632A (en) * 1995-09-28 1998-09-01 Canon Kabushiki Kaisha Photovoltaic device and method for manufacturing it
US20050257827A1 (en) * 2000-04-27 2005-11-24 Russell Gaudiana Rotational photovoltaic cells, systems and methods
DE60123714T2 (de) * 2000-08-15 2007-10-04 FUJI PHOTO FILM CO., LTD., Minamiashigara Photoelektrische Zelle und Herstellungsmethode

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002334728A (ja) * 2000-08-15 2002-11-22 Fuji Photo Film Co Ltd 光電変換素子の作成方法及び光電変換素子
JP2002334727A (ja) * 2000-08-15 2002-11-22 Fuji Photo Film Co Ltd 光電変換素子の作成方法及び光電変換素子
JP2002246626A (ja) * 2001-02-21 2002-08-30 Fuji Photo Film Co Ltd 光電変換素子の作成方法及び光電変換素子
JP2002289271A (ja) * 2001-03-26 2002-10-04 Sharp Corp 色素増感型太陽電池
JP2003252624A (ja) * 2002-02-27 2003-09-10 Fuji Photo Film Co Ltd 酸化チタン微粒子の作製方法及び光電変換素子
JP2003298082A (ja) * 2002-03-28 2003-10-17 Asahi Kasei Corp 複合半導体

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006252986A (ja) * 2005-03-11 2006-09-21 Sony Corp 色素増感光電変換素子およびその製造方法ならびに電子装置およびその製造方法ならびに電子機器
JP4591131B2 (ja) * 2005-03-11 2010-12-01 ソニー株式会社 色素増感光電変換素子およびその製造方法ならびに電子装置およびその製造方法ならびに電子機器
JP2007227087A (ja) * 2006-02-22 2007-09-06 Toin Gakuen 色素増感型光電変換素子
JP2010269303A (ja) * 2009-05-25 2010-12-02 Sungkyunkwan Univ Foundation For Corporate Collaboration 光触媒、その製造方法、光反応器及び光分解方法
JP2011187455A (ja) * 2011-06-01 2011-09-22 Sony Corp 色素増感光電変換素子、色素増感光電変換素子の製造方法、光電変換素子モジュール、電子機器、移動体および発電システム
JPWO2012169530A1 (ja) * 2011-06-06 2015-02-23 国際先端技術総合研究所株式会社 複合ガラス板
JP2016046486A (ja) * 2014-08-26 2016-04-04 株式会社豊田中央研究所 金属錯体色素、配位子及び色素増感型太陽電池

Also Published As

Publication number Publication date
JP4563697B2 (ja) 2010-10-13
US20040221888A1 (en) 2004-11-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2897144B1 (en) Photosensitized solar cell module and production method thereof
EP2296216B1 (en) Dye-sensitized solar cell, method for manufacturing dye-sensitized solar cell, and dye-sensitized solar cell module
JP4563697B2 (ja) 色素増感太陽電池およびその製造方法
EP2432069B1 (en) Porous electrode, dye-sensitized solar cell, and dye-sensitized solar cell module
JP5118805B2 (ja) 色素増感太陽電池及び色素増感太陽電池モジュール
EP1976051A1 (en) Dye sensitized solar cell and dye sensitized solar cell module
WO2009116511A1 (ja) 光増感素子及びそれを用いた太陽電池
KR20080094021A (ko) 색소 증감형 광전 변환장치
JP2007073505A (ja) 光電変換素子
US10014122B2 (en) Photoelectric conversion element and photoelectric conversion element module
EP1780827A1 (en) Semiconductor electrode, fabrication method thereof and solar cell comprising the same
JP2003249275A (ja) 色素増感型太陽電池およびその製造方法
JP4627427B2 (ja) 色素増感太陽電池および色素増感太陽電池モジュール
JP2006265549A (ja) 色素化合物、該化合物を用いた光電変換素子及び光電気化学電池
JP2004247104A (ja) 酸化チタン微粒子、光電変換素子の作製方法及び光電変換素子
JP4509066B2 (ja) 光増感剤、半導体電極および光電変換素子
JP2012156096A (ja) 光電変換素子およびそれを用いた色素増感型太陽電池
JP5467237B2 (ja) 色素増感型光電変換素子およびそれを用いた色素増感型太陽電池の製造方法
US20050150544A1 (en) Dye-sensitized solar cell
JP4455868B2 (ja) 色素増感太陽電池
JP4537693B2 (ja) 色素増感太陽電池
JP4537694B2 (ja) 色素増感太陽電池
US10916382B2 (en) Photoelectric conversion element and photoelectric conversion element module
JP2006100025A (ja) 太陽電池モジュール
US20130327374A1 (en) Photoelectric conversion device and photoelectric conversion device module

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060125

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090818

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091013

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100202

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100318

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100518

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100628

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100727

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100729

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130806

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4563697

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees