JP2003338326A - 色素増感太陽電池 - Google Patents

色素増感太陽電池

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JP2003338326A JP2002143407A JP2002143407A JP2003338326A JP 2003338326 A JP2003338326 A JP 2003338326A JP 2002143407 A JP2002143407 A JP 2002143407A JP 2002143407 A JP2002143407 A JP 2002143407A JP 2003338326 A JP2003338326 A JP 2003338326A
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Ryosuke Yamanaka
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 半導体層と増感色素との接触に起因するキャ
リア再結合過程を抑制し得る増感色素を用いることによ
り、高い光電変換効率を得ることができる色素増感太陽
電池を提供することを目的とする。 【解決手段】 表面に透明導電膜7が形成された透明基
板8、透明導電膜7上に形成され、増感色素5を担持す
る半導体層6、対電極及び対電極と半導体層6との間に
挟持されたキャリア輸送層4とから構成され、増感色素
5が、少なくとも1つの色素を半導体層に支持するため
の基と少なくとも1つの電子を半導体層へ注入するため
の基とを有する色素増感太陽電池。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、色素増感太陽電池
に関し、より詳細には、安定した、高い変換効率を有す
る増感色素を利用した色素増感太陽電池に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
光エネルギーを電気エネルギーに直接変換する方法とし
て、シリコン結晶太陽電池がよく知られており、すでに
微弱電力消費の分野や独立電源、さらには宇宙用電源と
して利用されている。しかし、シリコン単結晶はもちろ
んのこと、アモルファスシリコンを製造するにあたって
は多大なエネルギーを必要とするので、電池を作るのに
費やしたエネルギ−を回収するには、十年にも及ぶ長期
間にわたって発電を続ける必要がある。
【0003】そこで近年、色素を用いた低コストの色素
増感太陽電池が広く注目されるようになった。この色素
増感太陽電池は、主に、一対の透明基板、一対の電極を
構成する透明導電膜、電極間に挟持された、光電変換材
料である半導体層及びキャリア輸送層とから構成されて
おり、半導体層は、その表面に、可視光領域に吸収スペ
クトルを有する増感色素を吸着させている。
【0004】そのような電池において、半導体層に可視
光が照射されると、半導体層表面上の増感色素が光を吸
収することにより、色素分子内の電子が励起され、励起
電子が半導体層へ注入される。半導体層に注入された電
子は、一方電極から電気回路を通って他方の電極に移動
する。他方の電極に移動した電子は、キャリア輸送層中
のホール又はイオンによって運ばれ、半導体層に戻る。
このような過程が繰返されて電気エネルギーが取出され
る。
【0005】特開平1−220380号公報及び国際公
開公報WO91/16719号では、金属酸化物半導体
の表面に遷移金属錯体、例えばルテニウム錯体などの増
感色素が吸着された太陽電池が開示されている。この太
陽電池において用いられるルテニウム錯体は、高価でか
つ製造工程が複雑であり、原料のルテニウムの供給性に
問題がある。また、ルテニウム錯体が光電変換できる光
は、可視光又は800nmよりも短波長の近紫外に限ら
れており、シリコン結晶太陽電池などに比べると、光電
変換効率も十分とは言えない。
【0006】このような理由により、近年、安価な有機
色素や、ルテニウム錯体以外の有機金属錯体を用いる太
陽電池が提案されている。例えば、特開平11−214
730号公報ではシアニン誘導体が、特開平11−21
4731号公報及び特開平11−238905号公報で
はメロシアニン誘導体が、特開平7−249790号公
報及び特開平11−54003号公報ではフタロシアニ
ン誘導体が、特開2001−357899号公報ではク
マリン誘導体が、増感色素として利用された太陽電池が
開示されており、比較的高い光電変換効率が得られてい
る。
【0007】また、特開2001−52766号公報で
は、増感色素としてアルキル基で修飾したメロシアニン
誘導体を用いた太陽電池が開示されている。この太陽電
池で用いられる増感色素において、アルキル基の炭素数
を16以上にすることにより、増感色素間の会合を促進
させ、従来と比べ高い光電変換効率が得られている。し
かし、これらの有機色素や有機金属錯体を用いた太陽電
池においては、未だルテニウム錯体を用いた太陽電池の
光電変換効率を超えるものはない。
【0008】色素増感太陽電池において高い光電変換効
率を得るためには、増感色素中のキャリア輸送層側にあ
る原子団から半導体層側にある原子団への光吸収に起因
する電荷移動によって、半導体層への電子注入が効率よ
く行われる必要がある。前記の有機色素に対し、MOPAC
やCacheなどを用いて分子軌道計算を行うと、最高被占
軌道(得られた分子軌道にエネルギーの低い方から順に
電子を割り当てた際に、電子が入った最もエネルギーの
高い軌道)と、最低空軌道(得られた分子軌道にエネル
ギーの低い方から順に電子を割り当てた際に、電子が詰
まっていない最もエネルギーの低い軌道)とが分子上に
分離して局在していることが確認できる。光吸収による
電子励起は、最高被占軌道から最低空軌道への電子遷移
が主である。したがって、メロシアニン誘導体、クマリ
ン誘導体などのように、分子内の最高被占軌道の電子雲
と最低空軌道の電子雲とが空間的に分離している増感色
素では、光吸収により分子内電荷移動が効率よく起こ
り、増感色素として高い性能を示すと考えられる。しか
し、このような分子内電荷移動は、高い変換効率を得る
ための十分条件であり、現状の増感色素を用いた色素増
感太陽電池には、変換効率を低下させる様々な反応・過
程が存在し、太陽電池の高効率化が妨げられている。
【0009】例えば、有機色素又は有機金属錯体色素
は、通常、カルボキシル基、スルホン基などの半導体層
と結合する機能を有する官能基(インターロック基)を
介して半導体層表面に固定される。光吸収により励起さ
れた電子は、このようなインターロック基を介して半導
体層へ注入される。しかし、増感色素独自の幾何学的構
造や増感色素分子内の回転自由度に起因して、増感色素
のインターロック基以外の部分が半導体層に接触した場
合、増感色素から半導体層に注入された電子が、接触部
分を介して増感色素へ戻り、増感色素内の正孔と再結合
するため(キャリア再結合過程)、電流を外部に取り出
せなくなり、光電変換効率を低下させる要因の1つとな
る。
【0010】したがって、有機色素又は有機金属錯体色
素を用いて高い光電変換効率を得るためには、増感色素
での光励起による分子内電荷移動だけでなく、増感色素
の幾何学的構造や半導体層表面での吸着構造が重要とな
る。本発明は、上記の問題点に鑑みなされたものであ
り、半導体層と増感色素との接触に起因するキャリア再
結合過程を抑制し得る増感色素を用いることにより、高
い光電変換効率を得ることができる色素増感太陽電池を
提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、表面に
透明導電膜が形成された透明基板、前記透明導電膜上に
形成され、増感色素を担持する半導体層、対電極及び該
対電極と半導体層との間に挟持されたキャリア輸送層と
から構成され、前記増感色素が、下記一般式(I)で表
される化合物であることを特徴とする色素増感太陽電池
が提供される。
【化3】 [一般式(I)中、Qは色素構造を表し、A及びBは、
同一又は異なって、インターロック基を表し、Rは脂肪
族炭化水素基または脂環式炭化水素基を表し、n、mは
1以上の整数であり、αは0、1または2の整数であ
る。]
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の色素増感太陽電池は、例
えば、図1に示すように、透明基板である支持基板8上
に、透明導電膜7、半導体層6がこの順に堆積され、こ
の半導体層6と、対電極(例えば、透明導電膜2がコー
トされたガラス板からなる支持基板1上に白金層3が形
成されたもの)との間にキャリア輸送層4が挟持されて
構成される。また、半導体層6は、酸化チタンなどの微
粒子によって構成されており、半導体層6表面に増感色
素5が担持されてなる。太陽電池における増感色素に太
陽光を照射すると、増感色素5は光を吸収して励起す
る。この励起によって発生する電子は、半導体層6に移
動し、次いで、透明導電膜7を通って対電極の透明導電
膜2に移動する。対電極に移動した電子は、キャリア輸
送層4中の酸化還元系を還元する。一方、半導体層6に
電子を移動させた増感色素5は、酸化体の状態になって
いるが、この酸化体は、電解質中の酸化還元系によって
還元され、もとの状態に戻る。このようなプロセスにお
ける電子の流れを介して、光エネルギーが連続的に電気
エネルギーに変換される。
【0013】本発明における透明基板としては、ガラス
基板、プラスチック基板などが挙げられる。その膜厚
は、太陽電池に適当な強度を付与することができるもの
であれば特に限定されない。また、この透明基板上に
は、透明導電膜が形成されている。透明導電膜として
は、例えば、ITO、SnO2、CuI、ZnO等の透
明導電材料からなる膜が挙げられる。透明導電膜は、常
法によって形成され、その膜厚は0.1μm〜5μm程
度が適当である。
【0014】半導体層は、透明導電膜上に形成されてお
り、半導体の微粒子から構成される。この半導体微粒子
は、一般に光電変換材料に使用されるものであればどの
ようなものでも使用することができ、例えば、酸化チタ
ン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化ニオブ、酸化ジルコニウ
ム、酸化セリウム、酸化タングステン、酸化シリコン、
酸化アルミニウム、酸化ニッケル、チタン酸バリウム、
チタン酸ストロンチウム、硫化カドミウム、CuAlO
2、SrCu22等の単独、化合物又は組み合わせが挙
げられる。安定性及び安全性の点から、酸化チタンが好
ましい。この酸化チタンは、アナタース型酸化チタン、
ルチル型酸化チタン、無定形酸化チタン、メタチタン
酸、オルソチタン酸などの各種の狭義の酸化チタン及び
水酸化チタン、含水酸化チタン等を包含する。半導体層
は、粒子状や膜状でもよいが、多孔質の膜状等の形態で
あることが好ましい。
【0015】半導体層は、公知の種々の方法によって透
明導電膜上に形成することができる。具体的には、透
明導電膜上に半導体粒子を含有する懸濁液を塗布し、乾
燥及び/又は焼成する方法、必要な原料ガスを用いた
CVD又はMOCVD等により透明導電膜上に半導体層
を形成する方法、固体原料を用いるPVD法、蒸着法
又はスパッタリング法、ゾルゲル法等の単独又は組み合
わせが挙げられる。半導体層を製造するために使用され
る半導体粒子は、例えば1nm〜2000nmの範囲の
平均粒径を有する単体の半導体又は化合物半導体からな
り、市販されているものを用いることができる。
【0016】例えば、上述のの方法においては、ま
ず、半導体粒子を適当な溶媒に懸濁する。そのような溶
媒としては、エチレングリコールモノメチルエーテル等
のグライム系溶媒、イソプロピルアルコール等のアルコ
ール類、イソプロピルアルコール/トルエン等のアルコ
ール系混合溶媒、水等が挙げられる。半導体粒子の懸濁
液の基板への塗布は、ドクターブレード法、スキージ
法、スピンコート法、スクリーン印刷法など公知の方法
が挙げられる。その後、塗布液を乾燥及び焼成する。乾
燥及び焼成に必要な温度、時間、雰囲気等は、使用され
る基板及び半導体粒子の種類に応じて、適宜調整するこ
とができ、例えば、大気下又は不活性ガス雰囲気下、5
0〜800℃程度の範囲で10秒〜12時間程度が挙げ
られる。乾燥及び焼成は、単一の温度で1回のみ行なっ
てもよいし、温度を変化させて2回以上行なってもよ
い。また、塗布、乾燥及び焼成は、1回のみ行ってもよ
いし、2回以上行ってもよい。
【0017】上述のの方法では、CVD等に使用され
る原料ガスは、半導体を構成する元素を含有する単一の
ガス又は2種類以上の混合ガスを用いることができる。
上述のの方法では、PVD等に使用される固体原料
は、半導体を構成する元素を含有する単一の固体、複数
の固体の組み合せ又は化合物の固体を利用することがで
きる。半導体層の厚みは、特に限定されるものではな
く、例えば、0.1〜50μm程度が挙げられる。ま
た、別の観点から、半導体層の表面積が大きいものが好
ましく、例えば、10〜200m2/g程度が挙げられ
る。
【0018】半導体層には、増感色素が担持されてい
る。増感色素は、上記一般式(I)の構造を有しており、
Qの色素構造としては、シアニン構造、メロシアニン構
造、クマリン構造、アゾ構造、キノン構造、キノンイミ
ン構造、キナクリドン構造、スクワリリウム構造、トリ
フェニルメタン構造、キサンテン構造、ポルフィン構造
(ポルフィリン類)、フタロシアニン構造、ペリレン構
造、インジゴイド構造、ナフタロシアニン構造、オキサ
ジン構造ならびにアントラキノン構造等が挙げられる。
【0019】増感色素は、(A−R)−で表される置換
基と−[(CH2)α−B]で表される置換基とを少なくとも
一つずつ有しており、それらの置換基の数、すなわち、
n及びmは、置換できる限り、特に限定されない。例え
ば、mが2で、nが3の場合には、
【化4】 のような化合物となる。なお、このように各置換基が複
数ずつ置換されている場合、置換基(A−R)−は、そ
れぞれ同一でもよいし、異なっていてもよい。また、置
換基−[(CH2)α−B]も、それぞれ同一でもよいし、異
なっていてもよい。また、AとBとは、それぞれ同一で
あってもよいし、異なっていてもよい。
【0020】置換基−[(CH2)α−B]は、増感色素にお
いては励起された電子を半導体層に注入する役割を果た
し、増感色素の色素構造と半導体層の伝導帯との間に電
気的結合を提供する機能を有する。この置換基は、色素
構造から半導体層の伝導帯への電子の流れを促進するた
め、なるべく短いものを用いるのが好ましい。つまり、
増感色素の色素構造や半導体層を構成する原子の電子雲
の広がりは、1Å〜2Å程度であり、これらの電子雲が
重なりを生じ、両者間で電子移動が起こるためには、原
子間距離が4Å以下程度である必要がある。したがっ
て、−(CH2)α−は、炭素数3以上でその長さが4Åを
超えるため、αは2以下であることが好ましい。
【0021】置換基(A−R)−は、色素構造を半導体
層表面から一定の角度・距離をおいて固定(配向)する
機能を有する基であり、増感色素母体と半導体層との接
触を減らす役割を果たす。この置換基は、インターロッ
ク基と色素母体との間のπ電子の繋がりを断ち、このパ
スを介した半導体内の電子の色素への移動を阻止する機
能を有する。よって、(A−R)−の長さは、−[(C
H2)α−B]の長さよりも長いことが好ましく、これらの
各置換基が複数ある場合には、(A−R)−のいずれの
長さも、−[(CH2)α−B]の何れの長さよりも長いこと
が好ましい。一般式(I)におけるA、Bはインターロッ
ク基を示すが、インターロック基としては、例えば、ヒ
ドロキシル基、カルボキシル基、スルホン基、ホスホノ
基又はメルカプト基等が挙げられる。
【0022】また、一般式(I)におけるRの脂肪族炭化
水素基又は脂環式炭化水素基は、それぞれ、直鎖又は分
岐鎖アルキル基あるいは直鎖又は分岐鎖アルキル基が置
換されていてもよい環状アルキル基等が挙げられる。具
体的には、メチル、エチル、ブチル、イソブチル、ドデ
シル、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキシ
ル、シクロヘキセン等が挙げられる。Rが複数ある場合
には、それらは同一であってもよいし、異なっていても
良い。Rが、分岐鎖を有する脂肪族炭化水素基又は脂環
式炭化水素基の場合、その長さは色素構造とインターロ
ック基までの距離で定義される。Rがアルキル基の場
合、増感色素の色素構造や半導体層を構成する原子の電
子雲の広がりを考慮すると、炭素数は3以上であること
が好ましい。一方、Nature,353,737(1
991)によれば、吸着色素濃度は1.3×10-7mo
l/cm2程度必要とされているため、これと同程度の
吸着色素濃度を確保するには、色素の半導体層上での占
有面積から見積もると、炭素数は25以下とすることが
好ましい。増感色素母体と半導体層との接触を減らす役
割を果たす置換基はRだけでもよいが、その先端にイン
ターロック基Aを付けることにより、半導体に固定でき
るため、より効果的である。
【0023】本発明における増感色素においては、色素
を固定する機能を有する基は、増感色素の最高被占軌道
が局在する部分に結合することが好ましい。また、光励
起により増感色素において生じた電子を効率よく半導体
層へ移動させるために、電子を注入する機能を有する基
は、増感色素の最低空軌道が局在する部分に結合するこ
とが好ましい。増感色素の多くは、電子の最高被占軌道
の電子雲と最低空軌道の電子雲が空間的に分離して局在
していることが、MOPACやCacheなどを用いた分子軌道計
算で確認されている。よって、光吸収による最高被占軌
道から最低空軌道への電子励起は、分子内電荷移動を伴
い、最高被占軌道に正孔を生成する。したがって、増感
色素中の最高被占軌道が局在する原子団が半導体層に接
触すると、半導体層内の電子が原子団に存在する正孔と
容易に結合し、増感色素を還元する過程(キャリア再結
合過程)が促進される。このようなことから、半導体層
表面から増感色素中の最高被占軌道に局在する原子団へ
の電子移動を抑えるために、最高被占軌道上の正孔を半
導体層表面から一定の長さを保ち固定する機能を有する
置換基(A−R)−を導入するのがよい。
【0024】本発明における増感色素は、さらに、塩基
性複素環及び酸性複素環を少なくとも1つずつ有し、か
つ、色素を固定する機能を有する基は塩基性複素環に結
合し、電子を注入する機能を有する基は酸性複素環に結
合していることが好ましく、さらに、メチン基又はポリ
メチン構造を有することが好ましい。例えば、メロシア
ニン誘導体やクマリン誘導体などのように、塩基性複素
環と酸性複素環とがポリメチン構造により連結されてい
る構造をもつ増感色素では、電子の最高被占軌道の電子
雲が塩基性複素環に局在し、最低空軌道の電子雲が酸性
複素環に局在しており、ポリメチン構造を隔て、これら
の軌道が空間的に分離していることが分子軌道計算より
確認できるからである。ここで、塩基性複素環とは、電
子供与性の大きい複素環のことあり、例えば、ベンゾチ
アゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾイミダゾール、
インドレニン、キノリン等が挙げられる。酸性複素環と
は、電子吸引性の大きい複素環のことであり、ローダニ
ン、チオオキサゾリドン、チオヒダントイン、チオバル
ビツール酸等が挙げられる。
【0025】本発明における増感色素は、電子供与性基
を有する芳香環と電子吸引基を有する芳香環を少なくと
も1つずつ有し、かつ、置換基(A−R)−は、電子供
与基を多く有する芳香環に結合し、置換基−[(CH2)α
−B]は、電子吸引基を多く有する芳香環に結合してい
ることが好ましい。例えば、アゾ誘導体などのように、
電子供与基が結合している芳香環と電子吸引基が結合し
ている芳香環を有する増感色素では、電子供与性芳香環
に電子の最高被占軌道の電子雲が局在し、電子吸引芳香
環に最低空軌道の電子雲が局在しており、アゾ基を隔
て、これらの軌道が空間的に分離していることが分子軌
道計算より確認できるからである。ここで、電子供与基
とは、フェニル基のような芳香族化合物に付けることに
より、芳香族化合物の電子密度を増加させる置換基のこ
とであり、アミノ基、ジメチルアニリノ基、ヒドロキシ
ル基、メルカプト基、等が挙げられる。電子吸引基と
は、フェニル基のような芳香族化合物に付けることによ
り、芳香族化合物の電子密度を減少させる置換基のこと
であり、ニトロ基、シアノ基、スルホン基、カルボキシ
ル基、ハロゲン等が挙げられる。芳香族化合物として
は、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、ピレン環等の
縮合ベンゼン環;ピリジン環、ピロール環などの芳香族
複素環等が挙げられる。
【0026】また、芳香環であるベンゼン環やナフタレ
ン環などに、ヘテロ原子を入れ、電子リッチまたは電子
プアの芳香族化合物にすることができる。この化合物と
しては、例えば、ピリジン、フランなどが挙げられる。
この場合、置換基−[(CH2) α−B]は電子プアの芳香環
に、置換基(A−R)−は電子リッチの芳香環に結合す
るのが好ましい。
【0027】本発明における増感色素は、メチン基又は
ポリメチン構造(環状構造のポリメチン構造を含む)を
有することが好ましい。例えば、メロシアニン誘導体、
クマリン誘導体、アゾ誘導体のように、光吸収による分
子内電荷分離が効率よく起こる増感色素では、光吸収に
より生成する塩基性複素環又は電子供与基を有する芳香
環上の正電荷量が大きくなるため、半導体層内の負の電
荷をもつ電子が受ける引力クーロンポテンシャルが大き
くなり、電子と正孔の再結合確率が増加する。よって、
分子内電荷分離が効率よく起こる増感色素では、色素を
固定する機能を有する基が特に重要になるからである。
したがって、メチン基又はポリメチン構造を有するメロ
シアニン誘導体、クマリン誘導体又はアゾ誘導体が好ま
しい。
【0028】本発明に用いられる増感色素は、市販品を
そのまま又は市販品を修飾するか、適当な合成スキーム
を用いることによって、少なくとも1つの色素を固定す
る機能を有する基と少なくとも1つの電子を注入する機
能を有する基とのいずれか一方又は両方を導入して使用
することができる。あるいは、色素を固定する機能を有
する基及び/又は電子を注入する機能を有する基が導入
された中間体から本発明の増感色素を合成してもよい。
また、増感色素は、特に、式(II)
【化5】 [式中、A、Bは同一又は異なってインターロック基で
あり、Dは芳香環を表し、zは3以上の整数を表わ
す。]で表されるアゾ誘導体であることが好ましい。
【0029】上記式(II)における芳香環としては、ベ
ンゼン環、ナフタレン環、ピレン環等の縮合ベンゼン
環;ピリジン環、ピロール環などの芳香族複素環等が挙
げられる。また、zは3以上の整数であれば特に限定さ
れない。インターロック基は、例えば、以下のスキーム
又はこれに準じて導入することができる。
【0030】
【化6】 (式中Aは-OH, -SH, -COOH, -SO3H又は-P
32, XはI、Br又はCl、YはS、O、N(C
3)2又はN-Etを示す)。以下に、本発明による増感
色素の好ましい具体例を示す。
【0031】
【化7】
【0032】
【化8】
【0033】
【化9】
【0034】
【化10】
【0035】
【化11】
【0036】
【化12】
【0037】半導体層に色素を吸着させる方法として
は、例えば、透明導電膜上に形成された半導体層を、色
素を溶解した溶液(色素吸着用溶液)に浸漬する方法が
挙げられる。なお、増感色素の吸着に先立って、半導体
層の表面を活性化するための処理を必要に応じて行なっ
てもよい。
【0038】増感色素は、適当な溶媒に溶解させる。溶
媒は、常法に従って精製された溶媒、また溶媒の使用に
先立って、必要に応じて蒸留及び/又は乾燥を行ない、
より純度の高い溶媒であることが好ましく、例えば、エ
タノール、1種又はそれ以上の疎水性溶媒、非プロトン
性溶媒、疎水性かつ非プロトン性の溶媒又はそれらの混
合物が挙げられる。溶媒中の増感色素の濃度は、使用す
る増感色素、溶媒の種類、色素吸着工程により適宜調整
することができ、例えば、1×10-5モル/リットル以
上、好ましくは5×10-5〜1×10-2モル/リットル
程度が挙げられる。ここで、疎水性溶媒としては、例え
ば、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロ
ゲン化脂肪族炭化水素;ヘキサン、シクロヘキサン等の
炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭
化水素;クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のハロゲ
ン化芳香族炭化水素;酢酸エチル、酢酸ブチル、安息香
酸エチル等のエステル類等、ならびにそれらの組合せた
混合溶媒等が挙げられる。非プロトン性溶媒としては、
例えば、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;
ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジメトキ
シエタン等のエーテル類;アセトニトリル、ジメチルア
セトアミド、ヘキサメチルリン酸トリアミド等の窒素化
合物類;二硫化炭素、ジメチルスルホキシド等の硫黄化
合物類;ヘキサメチルホスホルアミド等のリン化合物
類、ならびにそれらの組み合せが挙げられる。疎水性か
つ非プロトン性の溶媒としては、例えば、クロロホル
ム、塩化メチレン、四塩化炭素等のハロゲン化脂肪族炭
化水素;ヘキサン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水
素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水
素;酢酸エチル、酢酸ブチル、安息香酸エチル等のエス
テル類、ならびにそれらを組合せた混合溶媒等が挙げら
れる。
【0039】増感色素の半導体層への吸着は、半導体層
を色素溶液への浸漬するか、色素溶液を半導体層表面に
塗布することによって行うことができる。浸漬は、半導
体層を収容することができる適当な容器に色素溶液を充
填し、その溶液に半導体層の全体を漬けるか又は半導体
層の所望の部分のみを漬けて、所定の時間保持すること
が適当である。この際の条件は、使用する増感色素、溶
媒の種類、溶液の濃度等に応じて適宜調製することがで
きる。例えば、雰囲気及び溶液の温度は、室温、圧力は
大気圧下であることが適当であるが、これらは適宜変動
させてもよい。浸漬時間は、例えば5分〜96時間程度
が挙げられる。浸漬は、1回でもよいし、複数回行なっ
てもよい。また、浸漬又は塗布の工程の後、適宜乾燥を
行なってもよい。このような方法により半導体に吸着さ
れた増感色素は、光エネルギーにより電子を半導体層に
送る光増感剤として機能する。
【0040】本発明の太陽電池における対電極は、透明
基板上に形成された透明導電膜とともに一対の電極を構
成し得るものであり、導電膜によって形成することがで
きる。この導電膜は透明でもよいし、不透明であっても
よい。例えば、N型又はP型の元素半導体(例えば、シ
リコン、ゲルマニウム等)又は化合物半導体(例えば、
GaAs、InP、ZnSe、CsS等);金、白金、
銀、銅、アルミニウム等の金属;チタン、タンタル、タ
ングステン等の高融点金属;ITO、SnO2、Cu
I、ZnO等の透明導電材料からなる膜が挙げられる。
これらの導電膜は、常法によって形成され、その膜厚は
0.1μm〜5μm程度が適当である。なお、対電極
は、太陽電池を支持し得る支持基板又は保護層上に形成
されていることが好ましい。支持基板や保護層は、通常
太陽電池の基板として使用することができる透明又は不
透明の基板等を使用することができる。具体的には、ス
パッタ、塩化白金酸の熱分解、電着などの方法によって
導電膜が被覆された支持基板上に白金膜を形成させたも
の等が挙げられる。この場合の白金膜の膜厚は、1nm
〜100nm程度が挙げられる。
【0041】また、対電極と半導体層との間には、キャ
リア輸送層が挟持されている。キャリア輸送層として
は、電子、ホール、イオンを輸送できるものであればど
のようなものでも用いることができる。具体的には、ポ
リビニルカルバゾール、トリフェニルアミン等のホール
輸送材、テトラニトロフロレノン等の電子輸送材:ポリ
ピロール等の導電性ポリマー:液体電解質:高分子電解
質等のイオン導電体:ヨウ化銅、チオシアン酸銅等の無
機p型半導体を用いることができる。イオン導電体は、
酸化還元性のものがよく、これも一般に電池や太陽電池
等において使用することができる電解質であれば特に限
定されず、具体的にはLiI、NaI、KI、CaI2
等の金属ヨウ化物とヨウ素の組み合わせ及びLiBr、
NaBr、KBr、CaBr2等の金属臭化物と臭素の
組み合わせが挙げられる。なかでもLiIとヨウ素の組
み合わせが好ましい。電解質濃度としては、0.1〜
1.5モル/リットルが適当であり、0.1〜0.7モ
ル/リットルが好ましい。また、電解質の溶媒として
は、プロピレンカーボネート等のカーボネート化合物、
アセトニトリル等のニトリル化合物、エタノール等のア
ルコール類、その他、水や非プロトン極性物質等が挙げ
られ、なかでも、カーボネート化合物及びニトリル化合
物が好ましい。
【0042】以下に、本発明の色素増感太陽電池の実施
の形態を詳細に説明する。 増感色素の合成例1:例示化合物(1)の合成 以下の合成ルートにて本発明の太陽電池に使用する増感
色素である例示化合物(1)を合成した。
【化13】 まず、2-メチルベンゾチアゾール(東京化成製)と4-
ブロモ-1-ブタノール(東京化成製)とを用いて、上記
スキームより得られるヨウ化1-ヒドロキシブチル-2-メ
チルベンゾチアゾリウムアイオダイドにジフェニルホル
ムアミジン(Aldrich Chemical Company製)を加えて加
熱し、2-アニリノビニル-3-ヒドロキシブチル-ベンゾ
チアゾリウムアイオダイド(A)を得た。2-アニリノ
ビニル-3-ヒドロキシブチル-ベンゾチアゾリウムアイ
オダイド(A)1.20g(2.5mmol)に無水酢
酸0.13g(1.25mmol)を加えて加熱し、そ
の後、ローダニン-3-酢酸((C)、Aldrich Chemical
Company製)0.48g(2.5mmol)とトリエチ
ルアミン20mlとを加え、アルゴンガスを吹込みなが
ら還流を行なった。反応終了後、反応混合物を常温に冷
却してから一晩攪拌した。反応混合物を濾過し、濾液中
の溶媒を蒸発させて紫色の固体を得た。この固体をカラ
ムクロマトグラフィーで精製し、0.87gの例示化合
物(1)を得た(収率:67%)。 元素分析:C19H22N2O4S3 計算値(%) C:52.03、H:5.06、N:6.39 実測値(%) C:51.50、H:4.94、N:6.01
【0043】増感色素の合成例2:例示化合物(16)
の合成 以下の合成ルートにて例示化合物(16)を合成した。
【化14】
【0044】化合物(I)11.73g(40mmol)を
メタノール100mlに加え、氷冷撹拌下に化合物
(J)を少量ずつ加えて、化合物(I)と化合物(J)
とを公知の方法でのアゾカップリング反応に付した。2
時間撹拌後、水200mlを加えて析出している結晶を
濾過し、例示化合物(16)を得た。 元素分析:C20H27N3O5S 計算値(%) C:56.99、H:6.46、N:9.97 実測値(%) C:56.24、H:6.42、N:9.71
【0045】実施例1 ・半導体層の製造 市販の酸化チタンペースト(Solaronix社製、商品名Ti-
Nanoxide D、平均粒径13nm)を、ドクターブレード
法により、透明導電膜であるSnO2膜が蒸着された透明基
板であるガラス板(日本板硝子社製)に塗布し、300
℃で30分間予備乾燥し、次いで500℃で40分間焼
成し、半導体層として、膜厚6μmの酸化チタン膜を得
た。
【0046】・光電変換層の作製 例示化合物(1)の色素を5×10-4mol/lの濃度とな
るようエタノールに溶解し、溶液を調製した。次に、酸
化チタン膜を形成したガラス板を、この溶液中に30分
間保持し、増感色素を酸化チタン膜に吸着させた。得ら
れた吸着色素濃度は、酸化チタン膜に対して、7×10
-8mol/cm2である。これにより、半導体層である
酸化チタン膜に増感色素が吸着された光電変換層を得
た。同様に、例示化合物(6)を用い、例示化合物
(1)の場合と同様に太陽電池を製作した。なお、比較
例として、以下の色素I又は色素IIを用いて、同様に光
電変換層を作製した。
【0047】
【化15】
【0048】・太陽電池の作製 上述したのと同じ透明導電性ガラス板に白金膜を1μm
蒸着して対電極を形成した。この対電極と上記で得られ
た半導体層との間にキャリア輸送材料を挿入し、それら
の側面を樹脂でシールした。各電極にリード線を取付け
て、太陽電池を得た。キャリア輸送材料は、LiI/I
2(0.5M/0.05M)を3-メトキシ-2-プロピオ
ニトリル(Aldrich Chemical Company製)に溶解するこ
とにより調製した。得られた太陽電池に、1kW/m2
の強度の光(AM1.5ソーラーシミュレータ)を照射
して、光電変換効率を測定した。その結果を表1に示
す。
【0049】
【表1】
【0050】実施例2 実施例2として例示化合物(16)を、比較例として色
素IIIを用いる以外は実施例1同様に太陽電池を製作し
た。
【化16】
【0051】得られた太陽電池にソーラーシミュレータ
で1kW/m2 の強度の光を照射して、光電変換効率を
測定した。その結果を表2に示す。
【表2】
【0052】実施例3 実施例3として例示化合物(7)、(10)、(14)
を用い、実施例1同様に太陽電池を製作した。得られた
太陽電池にソーラーシミュレータで1kW/m2 の強度
の光を照射して、光電変換効率を測定した。その結果を
表3に示す。
【表3】
【0053】
【発明の効果】本発明によれば、増感色素が、一般式
(I)で示されるように、実質的に、少なくとも1つの
色素を半導体層に固定するための基と少なくとも1つの
電子を半導体層へ注入するための基とを有するため、増
感色素構造中の色素構造を、電子注入基を支点として、
半導体層表面に対し一定の角度と距離を保って固定し、
半導体層−増感色素間でのキャリア再結合を抑制するこ
とにより、高い光電変換効率を有する色素増感太陽電池
を得ることができる。特に、色素を半導体層に固定する
ための基が色素を半導体層に対して一定の角度・距離を
おいて配向させる機能を有する置換基が置換されてなる
脂肪族又は脂環式炭化水素基である場合には、増感色素
分子内の回転自由度を減少させることができ、増感色素
の上記基以外での増感色素と半導体層との間の接触面積
が減少し、光電変換効率をより向上させることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の色素増感太陽電池を示す模式図であ
る。
【符号の説明】
1、8 支持基板 2、7 透明導電膜 3 白金層 4 キャリア輸送層 5 増感色素 6 半導体層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山中 良亮 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 榎本 和弘 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 Fターム(参考) 5F051 AA14 CB13 FA03 FA06 5H032 AA06 AS06 AS16 EE04 EE07 EE16 EE20

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面に透明導電膜が形成された透明基
    板、 前記透明導電膜上に形成され、増感色素を担持する半導
    体層、 対電極及び該対電極と半導体層との間に挟持されたキャ
    リア輸送層とから構成され、 前記増感色素が、一般式(I) 【化1】 [一般式(I)中、Qは色素構造を表し、A及びBは、
    同一又は異なって、インターロック基を表し、Rは脂肪
    族炭化水素基または脂環式炭化水素基を表し、n、mは
    1以上の整数であり、αは0、1または2の整数であ
    る。]で表される化合物であることを特徴とする色素増
    感太陽電池。
  2. 【請求項2】 (A−R)−の何れの長さも、−[(C
    H2)α−B]の何れの長さよりも長い請求項1に記載の色
    素増感太陽電池。
  3. 【請求項3】 前記インターロック基が、ヒドロキシル
    基、カルボキシル基、スルホン基、ホスホノ基又はメル
    カプト基である請求項1または2に記載の色素増感太陽
    電池。
  4. 【請求項4】 (A−R)−が、色素分子の最高被占軌
    道の分布する部分に結合し、−[(CH2)α−B]が、色素
    分子の最低被占軌道の分布する部分に結合してなる請求
    項1〜3のいずれか1項に記載の色素増感太陽電池。
  5. 【請求項5】 増感色素が、少なくとも1つの塩基性複
    素環と少なくとも1つの酸性複素環とを有し、かつ、
    (A−R)−が前記塩基性複素環に結合し、−[(CH2)
    α−B]が前記酸性複素環に結合してなる請求項1〜4
    のいずれか1つに記載の色素増感太陽電池。
  6. 【請求項6】 増感色素が、電子供与基又は電子供与基
    を有する少なくとも1つの芳香環と電子吸引基又は電子
    吸引基を有する少なくとも1つの芳香環とを有し、か
    つ、(A−R)−が、電子供与基又は電子供与基を有す
    る芳香環に結合し、−[(CH2)α−B]が、電子吸引基又
    は又は電子吸引基を有する芳香環に結合してなる請求項
    1〜5のいずれか1つに記載の色素増感太陽電池。
  7. 【請求項7】 増感色素が、メチン基又はポリメチン構
    造を有する請求項1〜6のいずれか1つに記載の色素増
    感太陽電池。
  8. 【請求項8】 増感色素が、式(II) 【化2】 [式中、A及びBは、同一又は異なって、インターロッ
    ク基を表し、Dは芳香環を表し、zは3以上の整数を表
    わす。]で表されるアゾ誘導体である請求項1〜6のい
    ずれか1つに記載の色素増感太陽電池。
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