JPWO2008146806A1 - 可変容量型斜板式圧縮機 - Google Patents

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Abstract

斜板の傾角の変更により容量を可変可能な圧縮機において、斜板を傾角増大方向に付勢する復帰バネと斜板を傾角減少方向に付勢する傾角減少バネを備えており、復帰バネと傾角減少バネの、圧縮機回転停止時におけるバランス点が、斜板の傾角に関して、吐出反力による斜板の傾角増大方向への角度復帰が確実に可能となる限界角度以上に設定されているとともに、圧縮機回転時ピストン等の往復動によって発生する斜板の傾角を増大させるモーメントと、斜板の回転運動に伴い自身の質量分布によって発生する斜板の傾角を減少させるモーメントの和が、斜板の傾角が限界角度以下の領域にあるときには斜板の傾角を減少させる方向に、限界角度を超える領域にあるときには斜板の傾角を増大させる方向に作用するように設定されている可変容量型斜板式圧縮機。この構成により、安定した斜板の最小傾角運転の維持と、必要に応じての斜板の角度復帰を確実に行うことができる。

Description

本発明は、車両用空調装置などに用いられる可変容量型斜板式圧縮機に関する。
車両用空調システムなどに用いられる冷凍回路には、冷媒ガスを圧縮するための圧縮機が組み込まれている。例えば公知の可変容量型斜板式圧縮機では、ハウジングの内部にシリンダボア、クランク室、吸入室及び吐出室が区画形成され、シリンダボア内にはピストンが往復動自在に収容されている。ハウジングに回転可能に支承された駆動軸は外部駆動源により駆動され、斜板が駆動軸に対して同期回転かつ傾動可能に支承され、この斜板にはピストンを往復動に変換した形態で従動させるべくシュー等が係合されている。このような圧縮機においては、容量制御弁を用いてクランク室内の圧力が制御され、斜板の傾角に基づくピストンの往復動によるシリンダボアから吐出室への吐出の容量が変更可能になっている。
圧縮機には電磁クラッチを用いたもの、又は電磁クラッチを介在させることなく圧縮機とエンジンとを直結し、常時動力が伝達されるいわゆるクラッチレス方式の圧縮機がある。このようなクラッチレス方式の可変容量型斜板式圧縮機では、外部駆動源と直結される駆動軸に対して傾動可能な斜板が小さな吐出容量をもたらすようにその最小傾角を維持できるようになっている。このためこのような圧縮機では、電磁クラッチを介さずにエンジン等の駆動源に連結することで、重量軽減等を実現しつつ、そのエンジンの動力消費を大きく低減することが可能となっている。
しかし、従来の圧縮機では、電磁クラッチを介している場合は外部駆動源が駆動されつつ電磁クラッチがその外部駆動源の駆動力を伝達したままの状態のとき、またクラッチレスの場合は外部駆動源が駆動されたままの状態のときにおいては、車両空調システムの作動スイッチがオフされた場合のように、外部からの指令によって冷房機能を停止したとき、外部駆動源の動力消費をいかに低減するかが課題となる。
すなわち、一般に圧縮機の吐出容量の調節は、前述したように、容量制御弁を用いたクランク室圧力(Pc)の制御に依っている。具体的には、吐出室内における高圧の吐出圧力(Pd)の冷媒ガスをクランク室に導くことによりクランク室圧力(Pc)を高めることで斜板の傾角が減少され、吐出容量が縮小する。一方、クランク室内における冷媒ガスを低圧の吸入圧力(Ps)状態にある吸入室に導くことによりクランク室圧力(Pc)を低めることで、斜板の傾角が増大し、吐出容量が増大する。このような構成においては、斜板が最小傾角にある状態から傾角増大方向へ角度復帰できるためには、クランク室圧力(Pc)を低下させたとき、斜板がその最小傾角から最大傾角側に向けて(傾角増大方向に)傾動できることが必須となる。
従来の圧縮機では、より広い容量制御範囲と空調システムオフ時の消費動力低減のために 最小傾角を0゜近傍に設定しようとすると、その最小傾角位置では圧縮動作が実質的に行われなくなり、吐出反力が得られなくなることから、斜板の角度復帰が確実でなくなってしまう。このため、特許文献1では斜板の角度復帰を確実にするための斜板を最小傾角から傾角増大方向に付勢する復帰バネを設けることが提案されている。これにより 斜板の最小傾角を吐出反力による角度復帰が確実に可能となる限界角度未満に設定し、より広い最大の容量制御範囲の実現と消費動力の低減との両立が達成可能とされている。
また、特許文献2では、圧縮機の再起動時には小容量の状態から起動するように傾角減少バネを用いて斜板の傾角が減少する方向に付勢力を与えることが提案されている。これにより、再起動時のクラッチオンのショック、騒音の低減を達成している。これは大容量からの起動においては、上記ショックが生じ、騒音が大きくなり、搭乗者に不快感を与えるばかりでなく、クラッチの耐久性が低下するという問題を解決するためであった。
これらの圧縮機において最小吐出容量時の動力消費を低減することと、吐出反力による斜板の角度復帰を確保しながらクラッチオンのショック、騒音を低減することとは、斜板の傾角変更のための力の付与方向に関しては、相反する要求となるため、両要求を満足すべく、最小吐出容量(最小傾角)を高精度に調節する必要が生じる。そのために、製造が難しくなり、製造コストが高くなってしまうという問題を発生する懸念がある。
この問題に対し、特許文献3では、容易に製造することができ、かつ上記の要求を満足するため、斜板の傾角減少バネの付勢力と復帰バネの付勢力とのバランス位置を限界角度以上に設定した圧縮機に、該斜板の回転に伴って傾角増大方向に作用する回転運動のモーメントを加えることが提案されている。これにより、最小吐出容量時の動力消費を低減することと、吐出反力による斜板の角度復帰を確保しながら、クラッチオンのショック、騒音を低減することを両立させることができるとともに、最小吐出容量(最小傾角)をそれほど高精度に調節する必要がなくなり、製造コストの低廉化を実現している。
特開昭61−261681号公報 特開昭62−055478号公報 特許第3856281号公報
しかしながら上記特許文献3の構成の場合、空調システムのオフ時に車両の急加速などで圧縮機の回転数が一時的に上昇した時、斜板にそのとき急に増大した慣性モーメントが作用し、それによって上述の限界角度を超えたバランス位置以上に傾角が増大されてしまい、より大きな圧縮作動を起こしてしまうことがある。しかし、このとき、空調システムはオフであるため容量制御弁は吐出室の圧力をクランク室内に導入しクランク室内の圧力を上昇させる方向に制御され、斜板の傾角は減少される。この傾角の減少によって吐出室の圧力は低下するので、上記容量制御弁による制御によっては、斜板傾角を減少、維持させておくのに十分な圧力が得られなくなると、復帰バネと慣性モーメントによって再び斜板の傾角が増大する。この斜板傾角の減少方向への作動と斜板傾角の増大方向への作動を繰り返すことにより、圧縮機の小容量領域での圧縮条件の繰り返し変動が生じ、消費動力の増加と変動によるドライバビリティーの悪化を招く。
そこで、本発明の課題は、上記のような圧縮条件の繰り返し変動によるドライバビリティーの悪化の防止と消費動力の低減のために、安定した最小傾角運転の維持と、必要に応じての斜板の角度復帰を確実に行うことができる可変容量型斜板式圧縮機を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係る可変容量型斜板式圧縮機は、シリンダボア内に収容されたピストンを、クランク室内に設けられ駆動軸に対して同期回転かつ傾動可能に支承された斜板に、往復動に変換された形態で従動させ、クランク室内の圧力を制御することにより、斜板の傾角を変更してピストンのストロークを変更可能な可変容量型斜板式圧縮機において、
斜板を傾角増大方向に付勢する復帰バネと斜板を傾角減少方向に付勢する傾角減少バネを備えており、該復帰バネと傾角減少バネの、圧縮機回転停止時におけるバランス点が、斜板の傾角に関して、吐出反力による斜板の傾角増大方向への角度復帰が確実に可能となる限界角度以上に設定されているとともに、
圧縮機回転時に斜板に作用するモーメントとしての、ピストン等の往復動によって発生する斜板の傾角を増大させるモーメントと、斜板の回転運動に伴い自身の質量分布によって発生する斜板の傾角を減少させるモーメントの和が、斜板の傾角が限界角度以下の領域にあるときには斜板の傾角を減少させる方向に、限界角度を超える領域にあるときには斜板の傾角を増大させる方向に作用するように設定されていることを特徴とするものからなる。
すなわち、従来の圧縮機において、圧縮機回転時に斜板にモーメントを作用させる形態とする場合には、斜板を傾角増大方向にのみ作用させるようにしていたが、本発明では、吐出反力による斜板の傾角増大方向への角度復帰が確実に可能となる限界角度を基準にして、上記斜板に作用するモーメントとしての、ピストン等の往復動によって発生する斜板の傾角を増大させるモーメントと、斜板の回転運動に伴い自身の質量分布によって発生する斜板の傾角を減少させるモーメントの和を、斜板の傾角が限界角度以下の領域にあるときには斜板の傾角を減少させる方向に、限界角度を超える領域にあるときには斜板の傾角を増大させる方向に作用させるようにしている。
このような本発明に係る可変容量型斜板式圧縮機は、空調システムの冷凍サイクルに、とくに車両用空調装置の冷凍サイクルに用いられて好適なものである。
このような可変容量型斜板式圧縮機において、圧縮機が外部駆動源に駆動され空調システムがオフの時には、斜板の傾角は限界角度以下の最小傾角に維持されようとするが、そのときにたとえ回転数が上昇したとしても、回転数の上昇に従って増大する慣性モーメントは斜板の傾角を減少させる方向に働くため、斜板の傾角が増大方向に変動することが防止され、確実に最小傾角へと維持されるようになる。斜板の最小傾角が完全に0度でない場合には、微少な吐出冷媒流量が発生するが、変動することなく所定の最小傾角に維持されることにより、圧縮機が発生する微少な冷媒流量が略一定となり、吐出圧力の上昇が抑えられる。このため高速回転時でも、圧縮作用が実質的に無い傾角0度近傍での連続無負荷運転が可能になる。
この空調システムオフ時における作動をより確実にするためには、例えば、圧縮機の吐出室とクランク室間、またはクランク室と吸入室間を連通させ、僅かに行われる圧縮動作に供されるガスを内部循環させる内部循環路を有する構成を採用することが好ましい。このような内部循環路は、新たに循環路を形成することなく、既存の容量制御弁が設けられている通路、つまり吐出室とクランク室間の連通路やクランク室と吸入室間の連通路において、容量制御弁の制御により強制的に所定の室間を連通させることによって構成可能である。
このような内部循環路を設けることにより、上述の最小傾角に維持される場合の微少な流量の吐出冷媒が確実に内部循環されることになり、それによって吐出圧力の上昇が抑えられる。したがって、高速度回転時でも圧縮作用が実質的に無い傾角0度近傍での連続無負荷運転がより確実に可能となる。また、空調システムがオンになった時には、上記内部循環路を遮断し、圧縮動作に伴う吐出反力による斜板の傾角増大方向への角度復帰を行えばよい。とくに冷凍サイクルに使用される冷媒が二酸化炭素からなる場合には、圧縮作用による高圧側の圧力上昇が容易に起きるため、この内部循環路の遮断制御が特に有効となる。
この本発明に係る可変容量型斜板式圧縮機は、外部駆動源からの駆動力伝達をオン/オフするクラッチを備えている場合にも適用できるが、とくに、外部駆動源からの駆動力が常時伝達され、常時回転駆動されるクラッチレス方式の圧縮機として好適なものである。クラッチレス方式の圧縮機の場合、空調システムオフ時における、安定した斜板の最小傾角維持による無負荷運転が要求され、消費動力の最小化が要求されるが、本発明によりこの要求に応えることができるようになる。
本発明に係る可変容量型斜板式圧縮機によれば、高速度回転時でも圧縮作用の無い傾角0度近傍での安定した連続無負荷運転が可能になる。また、内部循環路を設けておけば、空調システムオフ時のより確実な連続無負荷運転が可能になり、空調システムがオンになった時には内部循環路を遮断することにより圧縮動作による斜板の角度復帰をスムーズに行うことができるようになる。そして、この本発明に係る可変容量型斜板式圧縮機は、クラッチレス方式の圧縮機として、また、二酸化炭素など圧縮作用による高圧側の圧力上昇が容易に起きる冷媒を使用する場合に、特に有効なものである。
本発明の一実施態様に係る可変容量型斜板式圧縮機の縦断面図である。 図1の圧縮機における斜板の傾角と斜板に作用するモーメントとの関係を表した特性図である。
符号の説明
1 可変容量型斜板式圧縮機
2 ハウジング
3 シリンダボア
4 クランク室
5 吸入室
6 吐出室
7 ピストン
8 駆動軸
9 斜板
10 ロータ
11 リンク機構
12 シュー
13 容量制御弁
14 傾角減少バネ
15 復帰バネ
16 内部循環路
M 斜板に作用するモーメント
Mp ピストン等の往復動によって発生する斜板の傾角を増大させるモーメント
Ms 斜板の回転運動に伴い自身の質量分布によって発生する斜板の傾角を減少させるモーメント
以下に、本発明の望ましい実施の形態を、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施態様に係る可変容量型斜板式圧縮機を示しており、とくに、車両用空調装置の冷凍サイクルに設けられるクラッチレス方式の可変容量型斜板式圧縮機の斜板最小傾角(傾角0度近傍)の状態を示している。図1に示す可変容量型斜板式圧縮機1においては、ハウジング2内に複数のシリンダボア3と、クランク室4と、冷媒の吸入室5および吐出室6が区画形成されている。各シリンダボア3内にはピストン7が往復動自在に挿入されている。クラッチレスの形態で駆動源(例えば、エンジン)へと接続される駆動軸8が回転可能に支承されており、クランク室4内に、駆動軸8に対して同期回転かつ傾動可能に斜板9が支承されている。斜板9は、駆動軸8と一体に回転されるロータ10にリンク機構11を介して連結されており、自身の傾角を変更しながら駆動軸8に沿って移動できるようになっている。この斜板9に摺接可能に係合された一対のシュー12を介して、斜板9の回転運動がピストン7の往復動に変換されるとともに、斜板9の傾角に対応して、ピストン7のストローク、ひいては圧縮機の吐出容量が決定されるようになっている。そして、クランク室4内の圧力を制御することにより、斜板9の傾角を変更してピストン7のストロークを変更できるようになっている。
クランク室4内の圧力は、容量制御弁13によって制御され、前述の如く、吐出室6内における高圧の吐出圧力(Pd)の冷媒ガスをクランク室4に導くことによりクランク室圧力(Pc)を高めることで斜板9の傾角が減少され、吐出容量が減少する。一方、クランク室4内における冷媒ガスを低圧の吸入圧力(Ps)である吸入室5に導くことによりクランク室圧力(Pc)を低めることで斜板9の傾角が増大し、吐出容量が増大する。
斜板9のロータ10側には、斜板9を傾角減少方向に付勢する傾角減少バネ14が設けられており、反対側には、斜板9を傾角増大方向に付勢する復帰バネ15が設けられている。これら復帰バネ15と傾角減少バネ14の、圧縮機回転停止時におけるバランス点は、斜板9の傾角に関して、吐出室6側からの吐出反力による斜板9の傾角増大方向への角度復帰が確実に可能となる限界角度以上に設定されている。この限界角度は、図1に示した斜板最小傾角よりも大きい傾角である。
圧縮機回転時においては、ピストン7等の往復動によって発生する斜板9の傾角を増大させるモーメントと、斜板9の回転運動に伴い自身の質量分布によって発生する斜板9の傾角を減少させるモーメントの和が、斜板9にモーメントとして作用するが、この斜板9に作用するモーメントM(図1に表示)が、斜板9の傾角が上記限界角度以下の領域にあるときには斜板9の傾角を減少させる方向に、限界角度を超える領域にあるときには斜板9の傾角を増大させる方向に作用するように設定されている。
すなわち、図2に示すように、斜板9の傾角と、その傾角における、ピストン7等の往復動によって発生する斜板9の傾角を増大させるモーメントMpと、斜板9の回転運動に伴い自身の質量分布によって発生する斜板9の傾角を減少させるモーメントMsの和との関係は、上記限界角度を基準にして(境にして)、傾角が限界角度以下の領域にあるときには斜板9の傾角を減少させるマイナス方向に、限界角度を超える領域にあるときには斜板9の傾角を増大させるプラス方向に作用するように設定されている。前述の、圧縮機回転停止時における復帰バネ15と傾角減少バネ14のバランス点は、図2の特性図においては、斜板9の傾角に関して、限界角度よりも大きい位置にある。図1に、この図2における慣性モーメントMのプラス、マイナス方向の作用方向を図示してある。
本発明における内部循環路16は、本実施態様では、別途通路を設けることなく、容量制御弁13によって連通が制御されるクランク室4と吐出室6との間の通路およびクランク室4と吸入室5との間の通路によって構成されている。この内部循環路16は、空調システムオフ時には、圧縮機の吐出室6とクランク室4間、またはクランク室4と吸入室5間が連通させ、僅かに行われる圧縮動作に供されるガスを内部循環させる内部循環路として機能する。空調システムオン時には、内部循環路を遮断し(上記内部循環路としての機能を停止し)、圧縮動作に伴う吐出反力による斜板9の傾角増大方向への角度復帰(つまり、通常の容量制御弁13の機能による傾角増大方向への角度復帰)を行うことができるようになっている。
このように構成された可変容量型斜板式圧縮機1においては、圧縮機1が外部駆動源に駆動され空調システムがオフの時には、小さな消費動力に維持するために、斜板9の傾角は限界角度以下の最小傾角に維持されようとするが、そのときにたとえ回転数が上昇したとしても、回転数の上昇に従って増大する慣性モーメントが斜板9の傾角を減少させる方向に働くので、斜板9の傾角が増大方向に変動することが防止され、確実に最小傾角へと維持されるようになる。斜板9の傾角が最小傾角に維持されても、その最小傾角が完全に0度でない場合には微少な吐出冷媒流量が発生することとなるが、上記の如く所定の最小傾角に維持されることにより、冷媒流量は微少な略一定の流量に維持され、それによって吐出圧力の好ましくない上昇が抑えられる。このため、クラッチレス圧縮機の高速回転時にあっても、圧縮作用が実質的に無い傾角0度近傍での連続無負荷運転が可能になる。
とくに上記実施態様では、このとき内部循環路16による冷媒の内部循環が行われるので、圧縮機が発生する微少な冷媒流量が略一定となるとともにその内部循環量が略一定となり、吐出圧力の上昇が実質的に無くなる。したがって、傾角0度近傍の最小傾角での連続無負荷運転がより確実に可能になる。そして、空調システムがオンになった時には、内部循環路16を遮断することにより、圧縮動作による斜板9の角度復帰を行われ、通常の空調制御が問題なく行われる。とくに二酸化炭素冷媒では、圧縮作用による高圧側の圧力上昇が容易に起きるので、内部循環路16の遮断による通常の空調制御への移行もスムーズに行われることとなる。
本発明に係る可変容量型斜板式圧縮機は、車両用空調装置に、とくにクラッチレス方式の圧縮機として用いられる場合に有効なものであり、また、二酸化炭素冷媒が使用される場合に有効なものである。

Claims (7)

  1. シリンダボア内に収容されたピストンを、クランク室内に設けられ駆動軸に対して同期回転かつ傾動可能に支承された斜板に、往復動に変換された形態で従動させ、クランク室内の圧力を制御することにより、斜板の傾角を変更してピストンのストロークを変更可能な可変容量型斜板式圧縮機において、
    斜板を傾角増大方向に付勢する復帰バネと斜板を傾角減少方向に付勢する傾角減少バネを備えており、該復帰バネと傾角減少バネの、圧縮機回転停止時におけるバランス点が、斜板の傾角に関して、吐出反力による斜板の傾角増大方向への角度復帰が確実に可能となる限界角度以上に設定されているとともに、
    圧縮機回転時に斜板に作用するモーメントとしての、ピストン等の往復動によって発生する斜板の傾角を増大させるモーメントと、斜板の回転運動に伴い自身の質量分布によって発生する斜板の傾角を減少させるモーメントの和が、斜板の傾角が限界角度以下の領域にあるときには斜板の傾角を減少させる方向に、限界角度を超える領域にあるときには斜板の傾角を増大させる方向に作用するように設定されていることを特徴とする可変容量型斜板式圧縮機。
  2. 空調システムの冷凍サイクルに用いられる、請求項1に記載の可変容量型斜板式圧縮機。
  3. 空調システムオフ時に、圧縮機の吐出室とクランク室間、またはクランク室と吸入室間を連通させ、僅かに行われる圧縮動作に供されるガスを内部循環させる内部循環路を有する、請求項2に記載の可変容量型斜板式圧縮機。
  4. 空調システムオン時には、前記内部循環路が遮断され、圧縮動作に伴う吐出反力による斜板の傾角増大方向への角度復帰が行われる、請求項3に記載の可変容量型斜板式圧縮機。
  5. 前記空調システムが車両用空調装置からなる、請求項2に記載の可変容量型斜板式圧縮機。
  6. 駆動軸がクラッチレス形態で駆動源へと接続されている、請求項1に記載の可変容量型斜板式圧縮機。
  7. 冷凍サイクルに使用される冷媒が二酸化炭素からなる、請求項2に記載の可変容量型斜板式圧縮機。
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