JPH1047241A - 可変容量型圧縮機 - Google Patents

可変容量型圧縮機

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Publication number
JPH1047241A
JPH1047241A JP8205812A JP20581296A JPH1047241A JP H1047241 A JPH1047241 A JP H1047241A JP 8205812 A JP8205812 A JP 8205812A JP 20581296 A JP20581296 A JP 20581296A JP H1047241 A JPH1047241 A JP H1047241A
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JP
Japan
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swash plate
cam plate
variable displacement
piston
moment
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Application number
JP8205812A
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English (en)
Inventor
Masahiro Kawaguchi
真広 川口
Takeshi Mizufuji
健 水藤
Eiji Tokunaga
英二 徳永
Takuya Okuno
卓也 奥野
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Toyota Industries Corp
Original Assignee
Toyoda Automatic Loom Works Ltd
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Publication date
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  • Compressors, Vaccum Pumps And Other Relevant Systems (AREA)
  • Control Of Positive-Displacement Pumps (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 外部駆動源の高回転時における安定した容量
制御を達成し得る可変容量型圧縮機を提供すること。 【解決手段】 重量部61は斜板21の外周面に設けら
れ、同斜板21においてその回転軸線Lから最も離れた
位置に存在する質量となる。従って、車両エンジンが高
回転となると、同斜板21には大きな遠心力が作用さ
れ、同遠心力に起因して自身に作用される傾角減少方向
のモーメントが大きくなる。その結果、ピストン慣性力
により、斜板21に作用される傾角増大方向のモーメン
トが大きくなったとしても、同傾角増大方向のモーメン
トは、傾角減少方向のモーメントにより相殺されて小さ
くなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、車両用空
調システムに適用され、クランク室の圧力とシリンダボ
ア内の圧力との前記ピストンを介した差を変更すること
で、吐出容量を変更可能な可変容量型圧縮機に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の可変容量型圧縮機においては、
例えば、次のような構成のものが存在する。フロントハ
ウジングはシリンダブロックに接合固定されており、内
部には両者に囲まれてクランク室が形成されている。駆
動軸は、クランク室内において回転可能に配設されてい
る。同駆動軸は、車両エンジン等の外部駆動源に作動連
結されている。シリンダボアは前記シリンダブロックに
貫設形成され、ピストンは同シリンダボア内に収容され
ている。カムプレートはクランク室内において駆動軸に
挿着されており、同駆動軸の回転により一体回転可能で
あるとともにその軸線方向に揺動可能である。前記ピス
トンは同カムプレートに連結されており、従って、前記
駆動軸の回転により同ピストンが往復動されて冷媒ガス
の圧縮が行われる。
【0003】前記クランク室は吸入圧領域及び吐出圧領
域に接続されており、同クランク室への吐出冷媒ガスの
導入量及び/又は同クランク室からの冷媒ガスの排出量
が容量制御弁により調節される。これによって、クラン
ク室の圧力とシリンダボア内の圧力との前記ピストンを
介した差が変更され、その差に応じてカムプレートの傾
角が変更されて、吐出容量が制御される。前記容量制御
弁は、例えば、吸入圧を感知して動作され、同吸入圧が
設定値となるように、その差に応じてクランク室への吐
出冷媒ガスの導入量及び/又は同クランク室からの冷媒
ガスの排出量を調節する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、図5に示す
ように、前記構成の圧縮機においては、車両エンジンが
高回転となるとピストン71のストローク速度が速くな
り、ピストン慣性力F1が、カムプレート72に対して
傾角を増大させる方向のモーメントM1として過大に作
用される。従って、容量制御弁が吐出容量を中間容量に
制御しようとしても、カムプレート72が同モーメント
M1により最大傾角側に大きく傾動されて吐出容量が最
大となり、吸入圧が設定値よりも大幅に小さくなる。こ
のため、容量制御弁は、同吸入圧と設定値との大きな差
を解消すべくカムプレート72を最小傾角付近に変更す
る。しかし、これでは吐出容量が過少となって、吸入圧
が設定値よりも大幅に高くなる。このため、容量制御弁
は吸入圧を低くしようとして、再びカムプレート72を
最大傾角付近に変更する。以降、前述した動作が繰り返
される。
【0005】以上のように、車両エンジンが高回転とな
ると、吐出容量を中間容量に制御しようとしても、カム
プレート72が最大傾角付近と最小傾角付近との間で大
きく揺動されてしまう。その結果、安定した容量制御を
行うことができず、カムプレート72の揺動にともなう
振動・騒音の発生や、吐出容量の大きな変動が車両エン
ジンのトルク変動を招いて、車両のドライバビリティが
悪化される等の問題が生じていた。
【0006】本発明は、上記従来技術に存在する問題点
に着目してなされたものであって、その目的は、外部駆
動源の高回転時における安定した容量制御を達成し得る
可変容量型圧縮機を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1の発明では、カムプレートの外周部におい
て、同カムプレートに作用する遠心力を増大させるため
の重量部を設けた可変容量型圧縮機である。
【0008】請求項2の発明では、前記重量部は、カム
プレートの全周に渡って設けられている。請求項3の発
明では、前記重量部は、カムプレートに一体形成されて
いる。
【0009】請求項4の発明では、外部冷媒回路上の冷
媒循環を阻止するための冷媒循環阻止手段を備えたもの
である。 (作用)上記構成の請求項1の発明においては、駆動軸
が高回転となるとピストンが高速で往復運動され、同ピ
ストンの慣性力が大きくなる。同ピストン慣性力はカム
プレートに対して傾角を増大させる方向のモーメントと
して作用される。しかし、重量部を外周部に備えた斜板
には大きな遠心力が作用され、同遠心力に起因して自身
に作用される傾角減少方向のモーメントが大きくなる。
従って、前述した傾角増大方向のモーメントは、同傾角
減少方向のモーメントにより相殺されて小さくなり、同
傾角増大方向のモーメントがカムプレートの傾角制御に
影響を与えることを抑制できる。
【0010】請求項2の発明においては、重量部がカム
プレートの全周に渡って設けられており、同重量部を設
けることで、カムプレートの回転が不安定となることは
ない。
【0011】請求項3の発明においては、重量部がカム
プレートに一体形成されており、圧縮機を構成する部品
点数を低減できる。請求項4の発明においては、冷房不
要時やフロスト発生のおそれがある場合に、冷媒循環阻
止手段によって外部冷媒回路上の冷媒循環が阻止され
る。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体化した実施形
態について説明する。なお、第2実施形態においては第
1実施形態との相違点についてのみ説明し、同一又は相
当部材には同じ部材番号を付して説明を省略する。
【0013】(第1実施形態)図1に示すように、フロ
ントハウジング11はシリンダブロック12の前端に接
合されている。リヤハウジング13は、シリンダブロッ
ク12の後端にバルブプレート14を介して接合固定さ
れている。クランク室15は、フロントハウジング11
とシリンダブロック12とに囲まれて空間形成されてい
る。駆動軸16は、同クランク室15内を通るようにフ
ロントハウジング11とシリンダブロック12との間に
ラジアルベアリング17を介して回転可能に架設支持さ
れている。同駆動軸16は、図示しない外部駆動源とし
ての車両エンジンに電磁クラッチ等のクラッチ機構を介
して連結されている。従って、同駆動軸16は、車両エ
ンジンの起動状態において電磁クラッチが接続されるこ
とで回転駆動される。
【0014】リップシール18は、駆動軸16の前端側
とフロントハウジング11との間に介在され、クランク
室15を圧縮機外部よりシールしている。回転支持体1
9は、クランク室15内において前記駆動軸16に止着
されている。カムプレートとしての斜板21は、駆動軸
16に対して同駆動軸16の軸線L方向へスライド可能
かつ傾動可能に支持されている。ヒンジ機構を構成する
一対の支持アーム24は、回転支持体19の裏面外周部
に突設されている。同じくヒンジ機構を構成する一対の
ガイドピン25は、斜板21の前面側に突設されている
(図3に示す)。そして、各ガイドピン25の先端部に
設けられた球状部25aが、各支持アーム24に設けら
れたガイド孔24aにスライド移動可能に嵌入されてい
る。
【0015】前記斜板21は、支持アーム24とガイド
ピン25との連係により、駆動軸16の軸線L方向へ傾
動可能かつ同駆動軸16と一体的に回転可能となってい
る。同斜板21の傾動は、ガイド孔24aと球状部25
aとの間のスライドガイド関係、駆動軸16のスライド
支持作用により案内される。斜板21の半径中心部がシ
リンダブロック12側に移動されると、同斜板21の傾
角が減少される。
【0016】リング状をなすストッパ27は、回転支持
体19とシリンダブロック12との間において駆動軸1
6に外嵌されている。前記斜板21が同ストッパ27に
当接されることで、同斜板21の最小傾角が規定され
る。傾角規制突部28は、斜板21の前面側に一体形成
されている。前記斜板21の最大傾角は、同傾角規制突
部28が回転支持体19の裏面側に当接することで規定
される。
【0017】複数(図面中には一個所のみ表れる)のシ
リンダボア31は前記シリンダブロック12に貫設形成
され、同数の片頭ピストン(以下、単にピストンとす
る)32は同シリンダボア31内に収容されている。前
記斜板21はシュー33を介してピストン32に係合さ
れており、同斜板21の回転運動がピストン32の前後
往復運動に変換される。
【0018】吸入圧領域を構成する吸入室38及び吐出
圧領域を構成する吐出室39は、前記リヤハウジング1
3内にぞれぞれ区画形成されている。吸入孔40、同吸
入孔40を開閉する吸入弁41、吐出孔42、同吐出孔
42を開閉する吐出弁43は、それぞれ前記バルブプレ
ート14に形成されている。そして、吸入室38内の冷
媒ガスは、ピストン32の復動動作により吸入孔40及
び吸入弁41を介してシリンダボア31内に吸入され
る。同シリンダボア31内に流入された冷媒ガスは、ピ
ストン32の往動動作により吐出孔42及び吐出弁43
を介して吐出室39に吐出される。なお、同吐出弁43
の開度は、バルブプレート14に重合固定されたリテー
ナ44により規定される。
【0019】スラストベアリング45は、前記回転支持
体19とフロントハウジング11の内壁面との間に介在
されている。同スラストベアリング45は、ピストン3
2及び斜板21を介して回転支持体19に作用される、
冷媒圧縮時の圧縮反力を受け止める。
【0020】放圧通路47は、クランク室15と吸入室
38とを接続している。圧力供給通路48は前記吐出室
39とクランク室15とを接続し、同通路48上には容
量制御弁49が介在されている。すなわち、容量制御弁
49を構成する弁室50は、圧力供給通路48の途中に
形成されている。ポート51は、同弁室50内に形成さ
れている。弁体52は弁室50内に収容されており、ポ
ート51に対して接離可能である。収容室53はロッド
ガイド54により弁室50に対して区画されており、同
収容室53をダイヤフラム55により区画することで感
圧室56及び大気に開放された大気室57が形成されて
いる。ロッド58はロッドガイド54によりスライド移
動可能に支持されており、同ロッド58によって前記弁
体52とダイヤフラム55とが連結されている。感圧通
路59は吸入室38と感圧室56とを接続し、同感圧通
路59を介して吸入室38の冷媒ガスが感圧室56に導
入される。従って、ダイヤフラム55が吸入圧の高低に
より動作され、ポート51の開度、つまり、圧力供給通
路48の開度が調節される。その結果、クランク室15
内の圧力が変更され、前記ピストン32の前後に作用す
るクランク室15内の圧力とシリンダボア31内の圧力
との差が調整される。従って、斜板21の傾斜角が変更
されて、ピストン32のストロークが変更され、吐出容
量が調整される。
【0021】つまり、例えば、冷房負荷が大きいと吸入
圧が設定値よりも高くなり、容量制御弁49は圧力供給
通路48の開度を小さくするように動作される。従っ
て、クランク室15の圧力は、放圧通路47を介して吸
入室38に放圧されて低下され、斜板21の傾角が最大
傾角側に変更されてピストン32のストローク量が大き
くなる。その結果、吐出容量が大きくなって、吸入圧が
低下される。
【0022】また、冷房負荷が小さいと吸入圧が設定値
よりも低くなり、容量制御弁49は圧力供給通路48の
開度を大きくするように動作される。従って、クランク
室15の圧力は吐出冷媒ガスの導入により上昇され、斜
板21の傾角が最小傾角側に変更されてピストン32の
ストローク量が小さくなる。その結果、吐出容量が小さ
くなって、吸入圧が上昇される。このように、容量制御
弁48は、設定された吸入圧を維持すべく、斜板21の
傾角を変更して吐出容量を変更する。なお、前記設定値
は、弁体52をポート51側に付勢するバネ62及び同
バネ62に抗する方向にダイヤフラム55を付勢するバ
ネ63のレート等により設定されている。
【0023】次に、本実施形態の特徴点について説明す
る。図1〜図3に示すように、本実施形態においては、
重量部61が斜板21の外周面中央部においてその周方
向に沿って円環状に凸設されている。同重量部61は斜
板21と一体に形成されており、同斜板21においてそ
の回転軸線Lから半径方向に最も離れた位置に存在す
る。また、同重量部61の肉厚は斜板外周部の肉厚より
も薄く、その前後面61a,61bはシュー33との接
触を避けるために、対応する斜板外周部の前後面(シュ
ー33との摺接面)21a,21bに対して一段下がっ
て連続される。同重量部61の肉厚及び高さは、同斜板
21が最小傾角と最大傾角との間を傾動されてもピスト
ン32に干渉されないことと、所望の重量を確保するこ
ととの兼ね合いの点で調節されている。
【0024】さて、図5に示すように、車両エンジンが
高回転となるにつれて斜板21が高回転となり、ピスト
ン32のストローク速度が大きくなる。従って、ピスト
ン慣性力F1が増大して、斜板21に作用される傾角増
大方向のモーメントM1が大きくなる。しかし、外周側
に重量部61を備えた斜板21には大きな遠心力F2が
作用され、同遠心力F2に起因して自身に作用される傾
角減少方向のモーメントM2が増大される。従って、傾
角増大方向のモーメントM1は、傾角減少方向のモーメ
ントM2により相殺されて小さくなり、車両エンジンの
高回転時においても、同傾角増大方向のモーメントM2
が斜板21の傾角制御に大きな影響を与えることはな
い。
【0025】上記構成の本実施形態においては、次のよ
うな効果を奏する。 (1)重量部61を斜板21の外周部に設けることで、
同斜板21の遠心力F2が増大され、ピストン慣性力に
基づく傾角増大方向のモーメントM1を小さくできる。
従って、車両エンジンの高回転時においても安定した中
間容量制御を行うことができ、従来技術において問題と
なっていた、斜板21が中間傾角に収束されるまでの振
れ角の大きな揺動にともなう振動・騒音の発生や、容量
の大きな変動による車両のドライバビリティの悪化等を
抑制できる。
【0026】(2)重量部61は、斜板21の回転軸線
Lから最も離れた位置に存在し、その回転半径は大き
い。従って、同重量部61が、最も効果的に斜板21の
遠心力を増大させ、所望の遠心力を得るにその重量を極
力軽くすることができる。
【0027】(3)重量部61は、斜板21の全周に渡
って設けられている。従って、同重量部61を設けるこ
とで、斜板21に回転軸線Lを中心とした重量のアンバ
ランスが生じることはなく、同斜板21の安定した回
転、つまり、ピストンの安定した往復動(圧縮動作)が
阻害されることはない。
【0028】(4)重量部61は、斜板21と一体に構
成されている。このため、圧縮機の構成部品点数を低減
でき、組み付け工程数を減らして製造コストを低減でき
る。 (5)重量部61は、シュー33と接触しないように構
成されている。従って、同重量部61を斜板21に設け
ることで同斜板21とシュー33との摩擦抵抗が増大さ
れることはなく、両者21,33間のスムーズな摺動が
阻害されることはない。
【0029】(第2実施形態)図4においては第2実施
形態を示す。本実施形態の重量部は斜板21と別体に構
成されている。すなわち、嵌合溝65は、斜板21の外
周面においてその周方向に沿って円環状に凹設されてい
る。重量部としてのリング状のウエイト66は、斜板2
1を構成する材料よりも比重の高い材料により構成され
ている。同ウエイト66は外周側が内周側と比較して肉
厚に形成されている。同ウエイト66は、それに合致さ
れる形状をなす前記嵌合溝65内に嵌入固定されてお
り、同嵌合溝65内に収まって斜板21の外周面から突
出されていない。
【0030】本実施形態においても上記第1実施形態の
効果(1)〜(3)と同様な効果を奏する他、次のよう
な効果も奏する。 (1)重量部としてのウエイト66は、斜板21と別体
に構成されている。従って、ウエイト66の全体重量
や、同ウエイト66における外周側と内周側との間での
重量配分を変更するのみで、斜板21に作用される遠心
力F2の微調節を容易に行い得る。
【0031】(2)前記ウエイト66は、その外周側が
内周側と比較して肉厚(重量配分が大)となっており、
斜板21の遠心力F2を効果的に増大し得る。 (3)ウエイト66は嵌合溝65内に収容されており、
斜板21の外周面から突出されていない。従って、重量
部を斜板21に設けるにあたって、上記第1実施形態に
おいて述べた、シュー33との摺動やピストン32との
干渉について考慮する必要がなくなる。
【0032】なお、本発明の趣旨から逸脱しない範囲
で、以下の態様でも実施できる。 (1)重量部を、斜板21の外周部において部分的に設
けること。 (2)例えば、特開平6−346845号公報に開示さ
れた、所謂、クラッチレスタイプの可変容量型圧縮機に
おいて具体化すること。同圧縮機は、駆動軸と車両エン
ジンとの間に電磁クラッチ等のクラッチ機構を介さない
ため、圧縮機全体の軽量化及びコストの低減を図り得る
し、同電磁クラッチのオン・オフショックによる体感フ
ィーリングの悪さを解消できる等の利点がある。
【0033】前記圧縮機はクラッチレスを達成するため
に冷媒循環阻止手段を備え、冷房不要時或いはフロスト
発生のおそれがある場合には、同冷媒循環阻止手段によ
って外部冷媒回路上の冷媒循環を停止するようになって
いる。同冷媒循環阻止手段は、例えば、カムプレートの
最小傾角に連動して吸入圧領域と外部冷媒回路との接続
を遮断する遮断体を有している。また、圧縮機の内部に
は、外部冷媒回路における冷媒循環阻止状態において、
各摺動部分を経由して潤滑油を循環させるための内部潤
滑経路が構成されている。
【0034】前記クラッチレス圧縮機においては、遮断
体による外部冷媒回路上の冷媒循環阻止を確実とするた
めに、カムプレートを最小傾角に確実に保持する必要が
ある。従って、同圧縮機に本発明を適用すれば、ピスト
ン慣性力による傾角増大方向のモーメントを小さくし
て、カムプレートを最小傾角に確実に保持できる。
【0035】(3)上記実施形態においては、クランク
室15への吐出冷媒ガスの導入量を調節することで容量
制御を行う圧縮機において具体化されていた。しかし、
これに限定されるものではなく、クランク室15からの
冷媒ガスの排出量を調節することで容量制御を行う圧縮
機において具体化しても良い。また、クランク室15へ
の吐出冷媒ガスの導入量及び同クランク室15からの冷
媒ガスの排出量の両方を調節することで容量制御を行う
圧縮機において具体化しても良い (4)上記実施形態においては、クランク室15内の圧
力を調節することにで容量制御を行う圧縮機において具
体化されていた。しかし、これに限定されるものではな
く、シリンダボア31内の圧力を調節することで容量制
御を行う圧縮機において具体化しても良い。
【0036】上記実施形態から把握できる技術的思想に
ついて記載すると、前記重量部66はカムプレート21
と別体に構成されている請求項1又は2に記載の可変容
量型圧縮機。
【0037】このようにすれば、斜板21に作用される
遠心力の微調節を、ウエイト66の全体重量や同ウエイ
ト66における外周側と内周側との間での重量配分を変
更するのみで容易に行い得る。
【0038】
【発明の効果】上記構成の請求項1の発明によれば、重
量部をカムプレートに設けることで同カムプレートの遠
心力が増大される。従って、同斜板に作用される、ピス
トン慣性力による傾角増大方向のモーメントを小さくで
き、外部駆動源の高回転時においても安定した容量制御
を行い得る。また、同重量部はカムプレートの外周側に
設けられており、効果的にカムプレートの遠心力を増大
させる。従って、同重量部の重量を極力軽減できる。
【0039】請求項2の発明によれば、重量部を斜板に
設けることで、同斜板の安定した回転、ひいては安定し
た圧縮動作が阻害されることはない。請求項3の発明に
よれば、部品点数増をともなわずして重量部をカムプレ
ートに形成でき、圧縮機の製造コストを低減できる。
【0040】請求項4の発明によれば、例えば、冷房不
要時等におけるカムプレートの最小傾角保持を確実に行
い得る。言い換えれば、クラッチレス圧縮機において本
発明を具体化することは、安定した最小容量運転に貢献
される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 可変容量型圧縮機の縦断面図。
【図2】 図1の要部拡大図。
【図3】 斜板の正面図
【図4】 別例を示す要部拡大断面図。
【図5】 可変容量型圧縮機の圧縮機構を模式的に示す
図。
【符号の説明】
13…ハウジングを構成するシリンダブロック、15…
クランク室、16…駆動軸、21…カムプレートとして
の斜板、31…シリンダボア、32…ピストン、61…
重量部、F2…遠心力。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 奥野 卓也 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機製作所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハウジングの内部にクランク室を形成す
    るとともに駆動軸を回転可能に支持し、ハウジングの一
    部を構成するシリンダブロックにシリンダボアを形成
    し、同シリンダボア内にはピストンを往復動可能に収容
    し、前記駆動軸にカムプレートを一体回転可能かつ揺動
    可能に挿着し、前記クランク室の圧力とシリンダボア内
    の圧力との前記ピストンを介した差を変更することで、
    その差に応じてカムプレートの傾角を変更して、吐出容
    量を制御するようにした可変容量型圧縮機において、 前記カムプレートの外周部において、同カムプレートに
    作用する遠心力を増大させるための重量部を設けた可変
    容量型圧縮機。
  2. 【請求項2】 前記重量部は、カムプレートの全周に渡
    って設けられている請求項1に記載の可変容量型圧縮
    機。
  3. 【請求項3】 前記重量部は、カムプレートに一体形成
    されている請求項1又は2に記載の可変容量型圧縮機。
  4. 【請求項4】 外部冷媒回路上の冷媒循環を阻止するた
    めの冷媒循環阻止手段を備えた請求項1〜3のいずれか
    に記載の可変容量型圧縮機。
JP8205812A 1996-08-05 1996-08-05 可変容量型圧縮機 Pending JPH1047241A (ja)

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JP8205812A JPH1047241A (ja) 1996-08-05 1996-08-05 可変容量型圧縮機

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WO2008146806A1 (ja) * 2007-05-29 2008-12-04 Sanden Corporation 可変容量型斜板式圧縮機

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