JPH10153171A - 両頭ピストン式可変容量型圧縮機 - Google Patents

両頭ピストン式可変容量型圧縮機

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Publication number
JPH10153171A
JPH10153171A JP8312391A JP31239196A JPH10153171A JP H10153171 A JPH10153171 A JP H10153171A JP 8312391 A JP8312391 A JP 8312391A JP 31239196 A JP31239196 A JP 31239196A JP H10153171 A JPH10153171 A JP H10153171A
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JP
Japan
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pressure
chamber
refrigerant circuit
valve
refrigerant
Prior art date
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Pending
Application number
JP8312391A
Other languages
English (en)
Inventor
Masahiro Kawaguchi
真広 川口
Takeshi Mizufuji
健 水藤
Yuji Kubo
裕司 久保
Hiroyuki Nagai
宏幸 永井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Industries Corp
Original Assignee
Toyoda Automatic Loom Works Ltd
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Publication date
Application filed by Toyoda Automatic Loom Works Ltd filed Critical Toyoda Automatic Loom Works Ltd
Priority to JP8312391A priority Critical patent/JPH10153171A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 クラッチレス化を達成可能な両頭ピストン式
可変容量型圧縮機を提供すること。 【解決手段】 電磁開閉弁66は、クランク室22と外
部冷媒回路36との接続位置に設けられている。同電磁
開閉弁66は、ソレノイド66aと同ソレノイド66a
の励磁・消磁により動作される弁体66bとを備えてい
る。そして、例えば、冷房不要時や外部冷媒回路上の蒸
発器39においてフロストが発生しそうな場合等には、
電磁開閉弁66を消磁することにより外部冷媒回路36
とクランク室22との連通を遮断し、同外部冷媒回路3
6上の冷媒循環を阻止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、車両空調
システムに適用される両頭ピストン式可変容量型圧縮機
に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の圧縮機においては、シリンダボ
アがシリンダブロックに形成され、同シリンダボア内に
は両頭型のピストンが収容されている。クランク室はシ
リンダブロックに形成され、同クランク室内には駆動軸
が配設されている。同駆動軸は、電磁クラッチ等のクラ
ッチ機構を介して車両エンジン等の外部駆動源に作動連
結され、電磁クラッチの接続状態にて車両エンジンの動
作により回転駆動される。斜板は駆動軸に傾動可能に支
持され、同駆動軸の回転運動をピストンの往復直線運動
に変換する。アクチュエータは斜板に作動連結され、そ
の動作により斜板の傾角を変更して、吐出容量を変更す
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、斜板の傾角
制御のために専用のアクチュエータを備えることは、構
成の複雑化や部品点数増をともなう。従って、圧縮機の
単価が上昇されるし、特に、車両空調システム用の圧縮
機においては極力避けたい、重量増を招く結果となって
いた。
【0004】そこで、高価でかつ重量物である電磁クラ
ッチに着目し、同電磁クラッチを安価かつ軽量なプーリ
等に変更できれば、つまり、前記両頭ピストン式可変容
量型圧縮機をクラッチレス化できれば、前述した問題を
解決できる。しかし、圧縮機をクラッチレス化すること
は、車両エンジンの動作時においては常に運転されるこ
とを意味し、冷房不要時や、外部冷媒回路上に配設され
た蒸発器においてフロストが発生しそうな場合の対応が
問題となる。
【0005】本発明は、上記従来技術に存在する問題点
に着目してなされたものであって、その目的は、クラッ
チレス化を達成可能な両頭ピストン式可変容量型圧縮機
を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1の発明では、外部冷媒回路上の冷媒循環を阻
止することが可能な冷媒循環阻止手段を備えた両頭ピス
トン式可変容量型圧縮機である。
【0007】請求項2の発明では、前記アクチュエータ
は、斜板に連結された可動部材と、同可動部材の背面側
に区画形成された制御圧室と、同制御圧室と吸入圧より
高圧となる高圧領域とを接続する圧力供給通路と、同圧
力供給通路上に介在され、制御圧室への高圧の導入量を
変更することで可動部材を動作させる容量制御弁とを備
える。
【0008】請求項3の発明では、前記容量制御弁は、
感圧室と、同感圧室内に配置された感圧部材と、感圧室
と吸入圧領域とを接続する感圧通路と、感圧部材に連結
され圧力供給通路の開度を調節可能な弁体とを備える。
【0009】請求項4の発明では、前記クランク室は吸
入圧領域を構成する。請求項5の発明では、前記冷媒循
環阻止手段は、外部冷媒回路と吸入圧領域との連通を遮
断することにより外部冷媒回路上の冷媒循環を阻止する
ものであり、吐出圧領域から外部冷媒回路へ向かう冷媒
ガスの流動を許容し、外部冷媒回路から吐出圧領域へ向
かう冷媒の流動を阻止する逆流防止手段を備えている。
【0010】請求項6の発明では、前記駆動軸は、クラ
ッチ機構を介することなく外部駆動源に作動連結されて
いる。 (作用)上記構成の請求項1の発明においては、駆動軸
の回転運動が斜板によりピストンの往復直線運動に変換
されて、冷媒ガス等の圧縮がなされる。そして、アクチ
ュエータの動作により斜板を傾動させることで、ピスト
ンのストロークが変更され、吐出容量が変更される。
【0011】さて、例えば、冷房不要時や外部冷媒回路
上の蒸発器においてフロストが発生しそうな場合には、
冷媒循環阻止手段により外部冷媒回路上の冷媒循環が阻
止される。従って、圧縮機の運転、つまり、駆動軸の回
転は継続されても良く、請求項6の発明においては、同
駆動軸を外部駆動源に対してクラッチ機構を介すことな
く連結している。
【0012】請求項2の発明においては、容量制御弁に
より、高圧領域から制御圧室への高圧冷媒ガスの導入量
を調節することで可動部材が動作され、斜板の傾角が変
更される。つまり、圧縮機内部の高圧を、アクチュエー
タの駆動源として利用している。
【0013】請求項3の発明においては、容量制御弁
は、吸入圧の高低により感圧部材が動作して弁体が圧力
供給通路の開度を調節し、制御圧室への高圧の導入量を
変更する。つまり、同容量制御弁は吸入圧の高低により
動作される感圧弁であり、電磁弁等のように、ソレノイ
ドや同ソレノイドを動作させる電気回路等の複雑な構成
を必要としない。
【0014】請求項4の発明においては、クランク室が
低温・低圧の吸入圧雰囲気となり、同クランク室内に収
容される部材の劣化度合いを小さくできる。請求項5の
発明においては、逆流防止手段によって外部冷媒回路か
ら吐出圧領域へ向かう冷媒の流動が阻止される。従っ
て、例えば、冷媒循環阻止手段により外部冷媒回路と吸
入圧領域との連通が遮断された状態において、外部冷媒
回路上の液冷媒が圧縮機内部に流れ込むことを防止でき
る。液冷媒が圧縮機内部に流れ込むと、各摺動部に付着
された潤滑油が洗い落とされ、さらには、圧縮機と外部
冷媒回路との熱容量の差から液冷媒にフォーミング(泡
立ち)が生じて、潤滑油が圧縮機外部へ持ち出されてし
まうおそれがある。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明を、車両空調システ
ムに適用される両頭ピストン式可変容量型圧縮機におい
て具体化した一実施形態について説明する。
【0016】図1に示すように、一対のシリンダブロッ
ク11は、対向端縁において互いに接合固定されてい
る。フロントハウジング12はフロント側のシリンダブ
ロック11の前端面に、リヤハウジング13はリヤ側の
シリンダブロック11の後端面に、それぞれ弁形成体1
4を介して接合されている。
【0017】駆動軸15は、前記シリンダブロック11
及びフロントハウジング12の中央に回転可能に支持さ
れている。リップシール16は駆動軸15の前端外周と
フロントハウジング12との間に介装され、同駆動軸1
5を封止している。プーリ17はフロントハウジング1
2の前壁面に、アンギュラベアリング18を介して回転
可能に支持されている。そして、同プーリ17は、クラ
ッチ機構を介することなく、外部駆動源としての車両エ
ンジンEに作動連結されている。従って、駆動軸15
は、車両エンジンEの動作時には常に回転駆動される。
【0018】シリンダボア19は、前記駆動軸15と平
行に延びるように、各シリンダブロック11に貫通形成
されている。両頭型のピストン20は、シリンダボア1
9内に往復動可能に嵌挿支持され、それらの両端面と弁
形成体14との間において各シリンダボア19内には、
圧縮室21がそれぞれ形成されている。
【0019】クランク室22は、前記両シリンダブロッ
ク11の中間内部に区画形成されている。斜板23はク
ランク室22内において駆動軸15に連結され、同駆動
軸15と一体回転可能である。同斜板23は、その外周
部がシュー24を介してピストン20の中間部を係留し
ている。そして、ピストン20は、駆動軸15の回転に
より斜板23を介して往復直線運動される。
【0020】吸入室25は、前記フロントハウジング1
2及びリヤハウジング13内の内周部にそれぞれ区画形
成されている。吸入通路26は両シリンダブロック11
及び弁形成体14にそれぞれ貫設され、各吸入室25を
クランク室22に接続している。吐出室27は、フロン
トハウジング12及びリヤハウジング13内の外周部に
それぞれ区画形成されている。両吐出室27は、リヤ側
のシリンダブロック11の外周部に設けられた吐出チャ
ンバ28に接続されている。
【0021】吸入孔31は、シリンダボア19に対応し
て弁形成体14に貫設されている。吸入弁32は弁形成
体14に形成され、吸入孔31を開閉する。そして、ピ
ストン20の上死点位置から下死点位置への移動に伴っ
て吸入弁32が開放され、フロント側及びリヤ側の各吸
入室25から、対応する各圧縮室21内へ冷媒ガスが吸
入される。
【0022】吐出孔33は、シリンダボア19に対応し
て弁形成体14に貫設されている。吐出弁34は各弁形
成体14に形成され、各吐出孔33を開閉する。そし
て、ピストン20の下死点位置から上死点位置への移動
に伴って、前記吐出弁34の作用により各圧縮室21内
の冷媒ガスが所定の圧力にまで圧縮されて、対応するフ
ロント側或いはリヤ側の吐出室27へ吐出される。同吐
出弁34の開度は、各弁形成体14が備えるリテーナ3
5によって規定される。
【0023】前記クランク室22と吐出チャンバ28と
は、外部冷媒回路36により接続されている。凝縮器3
7、膨張弁38及び蒸発器39は、同外部冷媒回路36
上に配設されている。
【0024】次に、可変容量構成について説明する。コ
ントロールピストン41は、リヤ側のシリンダブロック
11の中央部に移動可能に配設されている。前記駆動軸
15を構成するスライダ42は、コントロールピストン
41内に挿入され、ラジアルベアリング43を介して回
転可能に支持されている。同スライダ42は、一部がク
ランク室22内に突出されており、同突出部分とコント
ロールピストン41の前端部との間には、スラストベア
リング44が介装されている。前記駆動軸15を構成す
る軸本体45は、フロント側軸部45a、リヤ側軸部4
5b及び両軸部間45a,45bに形成された偏平な連
結部45cを備える。同フロント側軸部45aは、ラジ
アルベアリング46及びスラストベアリング47を介し
てフロント側のシリンダブロック11に回転可能に支持
されている。リヤ側軸部45bは、前記スライダ43に
嵌入されている。押圧バネ48はスライダ42内に収容
され、同スライダ42の内端面とリヤ側軸部45bの端
面との間に介在されいる。
【0025】支持ピン49は、前記スライダ42のクラ
ンク室22内への突出部分において、駆動軸15の軸線
と直交するように配設されている。ガイド孔50は、軸
本体45の連結部45cに穿設されている。前記斜板2
3は支持ピン49を介してスライダ42に傾動可能に支
持されている。ガイドピン51は、斜板23の前面側に
配設されている。斜板23は、同ガイドピン51を介し
て連結部45cのガイド孔50に連結されている。
【0026】従って、前記斜板23は、コントロールピ
ストン41のスライド移動にともなうスライダ42の軸
線方向の変位により、ガイドピン51がガイド孔50に
案内されることで、支持ピン49を中心として、図1に
示す最大傾角と図2に示す最小傾角との間で傾動され
る。最小傾角規制部23aは斜板23の裏面側に設けら
れ、同最小傾角規制部23aがリヤ側のシリンダブロッ
ク11の内壁面に当接されることで、斜板23の零では
ない最小傾角が規定されている。
【0027】スプール支持部52は、リヤ側の吸入室2
5内においてリヤハウジング13の内壁面中央部に凹設
されている。スプール53は同スプール支持部52に嵌
挿支持され、駆動軸15の軸線方向へスライド移動可能
である。同スプール53は、その先端部がコントロール
ピストン41の後端面に当接されている。同スプール5
3、前記コントロールピストン41及びスライダ42
が、本実施形態の可動部材を構成する。
【0028】制御圧室54は、スプール53の背面とス
プール支持部52とにより囲まれるて区画形成されてい
る。同制御圧室54の圧力は、感圧弁である容量制御弁
55により制御される。すなわち、圧力供給通路を構成
する高圧管路56は、高圧領域としてのリヤ側の吐出室
27と容量制御弁55の弁室59とを接続する。低圧管
路57は、吸入圧領域としてのクランク室22と容量制
御弁55の弁室59とを接続する。圧力供給通路を構成
する制御管路58は、容量制御弁55の弁室59と制御
圧室54とを接続する。
【0029】第1ポート59aは、弁室59内において
高圧管路56との接続位置に設けられている。第2ポー
ト59bは、弁室59内において低圧管路57との接続
位置に設けられている。一つの弁体60は弁室59内に
収容されており、両ポート59a,59bに対して接離
可能である。収容室61は弁室59に対して区画形成さ
れ、同収容室61を感圧部材としてのダイヤフラム62
により区画することで、感圧室61a及び大気に開放さ
れた大気室61bが形成されている。前記弁体60とダ
イヤフラム62とは、ロッド63を介して連結されてい
る。感圧通路としての感圧管路64は、低圧管路57か
ら分岐して感圧室61aに接続され、同感圧管路64を
介してクランク室22の圧力(吸入圧)が感圧室61a
に導入される。
【0030】そして、ダイヤフラム62が吸入圧の高低
により動作されることで、弁体60が第1ポート59a
及び第2ポート59bの開度を調節する。従って、弁室
59への吐出圧の導入量と吸入圧の導入量(吐出圧のク
ランク室22への逃がし量)とが調節され、制御管路5
8を介して制御圧室54の圧力が調節される。同制御圧
室54の圧力は、スプール53、コントロールピストン
41及びスライダ42を介して斜板23に伝達され、こ
れが圧縮反力によって斜板23の傾角を常に縮小させる
向きに作用するモーメントに対向し、両者の均衡によっ
て斜板23の傾角、つまり、吐出容量が決定される。
【0031】例えば、冷房負荷が大きいと、吸入圧が設
定値よりも高くなる。従って、容量制御弁55は、第1
ポート59aの開度を大きくして弁室59への吐出圧の
導入量を増大させ、さらには、第2ポート59bの開度
を小さくして弁室59への吸入圧の導入量を減少させ
る。従って、制御管路58を介して制御圧室54の圧力
が上昇され、斜板23は最大傾角側に傾動されてピスト
ン20のストローク量が大きくなる。その結果、吐出容
量が大きくなって、吸入圧が設定値に向けて低下され
る。
【0032】冷房負荷が小さいと、吸入圧が設定値より
も低くなる。従って、容量制御弁55は、第1ポート5
9aの開度を小さくして弁室59への吐出圧の導入量を
減少させ、さらには、第2ポート59bの開度を大きく
して弁室59への吸入圧の導入量を増大させる。従っ
て、制御圧室54の圧力が下降され、斜板23は最小傾
角側に傾動されてピストン20のストローク量が小さく
なる。その結果、吐出容量が小さくなって、吸入圧が設
定値に向けて上昇される。
【0033】以上のように、前記容量制御弁55は、設
定された吸入圧を維持すべく、斜板23の傾角を変更し
て吐出容量を変更する。次に、本実施形態の特徴点につ
いて説明する。
【0034】冷媒循環阻止手段としての電磁開閉弁66
は、リヤ側のシリンダブロック11の外周部において、
クランク室22と外部冷媒回路36との接続位置に設け
られている。同電磁開閉弁66は、ソレノイド66aと
同ソレノイド66aの励磁・消磁により動作される弁体
66bとを備える。同電磁開閉弁66は、ソレノイド6
6aの励磁によりクランク室22と外部冷媒回路36と
を連通させ、消磁によりその連通を遮断する。逆流防止
手段としての逆止弁65は、吐出チャンバ28と外部冷
媒回路36との間に介在されている。同逆止弁65は、
吐出チャンバ28内の圧力が所定値以上の場合にのみ同
吐出チャンバ28から外部冷媒回路36へ向かう冷媒ガ
スの流動を許容し、外部冷媒回路36から吐出チャンバ
28へ向かう冷媒の流動は全て阻止する周知の構成を有
する。
【0035】前記電磁開閉弁66、蒸発器温度センサ6
7、車室温度センサ68、車室温度設定器69及びエア
コンスイッチ70は、制御コンピュータ71に接続され
ている。同制御コンピュータ71は、各センサ67,6
8による検出値、車室温度設定器69による設定値、エ
アコンスイッチ70のオン・オフ信号等の入力値に基づ
いて、電磁開閉弁66(ソレノイド66a)の励磁・消
磁を行う。
【0036】例えば、制御コンピュータ71は、エアコ
ンスイッチ70がオン状態の下で、車室温度センサ68
の検出値が車室温度設定器69の設定温度以上である場
合に、電磁開閉弁66を励磁する。従って、クランク室
22と外部冷媒回路36とが連通され、容量制御弁55
は、前述したように吸入圧を設定値に維持すべく容量制
御を行う。
【0037】冷房負荷がない状態に近づいてゆくと、蒸
発器39における温度がフロスト発生をもたらす温度に
近づいてゆく。制御コンピュータ71は、蒸発器温度が
フロスト判定温度以下になると電磁開閉弁66を消磁す
る。同フロスト判定温度は、蒸発器39においてフロス
トが発生しそうな状況を反映する。また、制御コンピュ
ータ71は、エアコンスイッチ70がオフ状態に切換操
作されると、電磁開閉弁66を消磁する。
【0038】このように、電磁開閉弁66が消磁される
と、クランク室22と外部冷媒回路36との連通が遮断
され、同外部冷媒回路36上の冷媒循環が阻止される。
従って、図2に示すように、クランク室22の圧力が低
下され、それに応じて容量制御弁55は制御圧室54の
圧力を低下させて斜板23を最小傾角に変更し、吐出容
量を最小とする。吐出容量が最小となると、吐出チャン
バ28内の圧力は所定値よりも低くなり、逆止弁65は
同吐出チャンバ28から外部冷媒回路36へ向かう冷媒
ガスの流れも阻止する。
【0039】斜板23の最小傾角は0°ではないため、
最小傾角状態においても、各吸入室25から圧縮室21
への冷媒ガスの吸入は行われている。吸入室25から圧
縮室21へ吸入された冷媒ガスは、ブローバイにより、
ピストン20とシリンダボア19とのクリアランスを介
してクランク室22へ流入される。クランク室22へ流
入された冷媒ガスは、吸入通路26を介して吸入室25
へ流入される。このように、最小傾角状態においても、
冷媒ガスとともに流動する潤滑油が圧縮機内の各摺動部
を潤滑し、それらの焼き付きを防止する。この時、逆止
弁65の作用により、圧縮機内部の冷媒ガスが外部冷媒
回路36へ流出することはないし、例えば、外部冷媒回
路36の液冷媒が圧縮機内部へ流入することもない。
【0040】上記構成の本実施形態においては、次のよ
うな効果を奏する。 (1)電磁開閉弁66が、クランク室22と外部冷媒回
路36との接続位置に設けられ、両者22,36の連通
を遮断可能である。そして、同電磁開閉弁66は、冷房
不要時や蒸発器39においてフロストが発生しそうな場
合等には、両者22,36の連通を遮断して、外部冷媒
回路36上の冷媒循環を阻止する。従って、このような
場合においても圧縮機の運転を停止させる必要がなく、
上述したように、本実施形態においては、駆動軸15を
車両エンジンEに対してクラッチ機構を介することなく
作動連結させる構成を採ることができた。その結果、従
来においては必要であった、高価かつ重量物である電磁
クラッチ等のクラッチ機構を、安価かつ軽量なプーリ1
7に変更でき、圧縮機の低コスト化、軽量化を図り得
る。また、電磁クラッチのオン・オフによる体感フィー
リングの悪化も同時に解決できる。
【0041】(2)スプール53は、容量制御弁55が
吐出圧の制御圧室54への導入量を変更することで動作
される。つまり、スプール53は、圧縮機内部の吐出圧
を駆動源に利用している。従って、同スプール53を動
作させるために外部の駆動源を必要とせず、その分だけ
簡単かつ安価に可変容量機構を構成できる。
【0042】(3)容量制御弁55はダイヤフラム62
を備え、吸入圧の高低に基づいて弁体60を動作させる
感圧弁である。従って、電磁弁のように、弁体60を動
作させるために、ソレノイドや同ソレノイドを制御する
電気回路等を必要とせず、可変容量構成を簡単かつ安価
に構成できる。
【0043】(4)クランク室22は吸入圧領域を構成
し、その内部は低温・低圧であり、同クランク室22内
に収容される斜板23の劣化を抑制できる。従って、例
えば、同斜板23を、鉄系材料より熱に弱く軽量なアル
ミニウム(アルミニウム合金)により構成でき、圧縮機
の軽量化を図り得る。
【0044】(5)逆止弁65は、外部冷媒回路36か
ら吐出チャンバ28への冷媒の流動を阻止する。従っ
て、例えば、外部冷媒回路36上における冷媒循環の阻
止状態にて、同外部冷媒回路36上の液冷媒が圧縮機内
部に流れ込むことを防止でき、同液冷媒が各摺動部に付
着された潤滑油を洗い落としたり、さらには、同液冷媒
にフォーミングが生じて潤滑油が圧縮機外部へ持ち出さ
れてしまうおそれもなくなる。従って、圧縮機内部が潤
滑油不足となることを回避できる。
【0045】(6)最小吐出容量時には、逆止弁65に
より吐出チャンバ28から外部冷媒回路36へ向かう冷
媒ガスの流動も阻止される。従って、潤滑油を含んだ冷
媒ガスが外部へ流出され、圧縮機内部が潤滑油不足とな
ることを回避できる。
【0046】(7)容量制御弁55は、外部冷媒回路3
6上の冷媒循環が阻止された状態において、斜板23を
最小傾角に移動させ、吐出容量を最小とする。従って、
圧縮機における動力損失が極力低減される。
【0047】なお、本発明の趣旨から逸脱しない範囲
で、例えば、以下の態様でも実施できる。 (1)容量制御弁として、ソレノイドの励消磁により弁
体60が動作される電磁弁を用いること。
【0048】(2)逆止弁65に換えて電磁弁を配設
し、同電磁弁により吐出チャンバ28と外部冷媒回路3
6との連通を遮断可能とすること。 (3)外部駆動源36と駆動軸15との間に、電磁クラ
ッチ等のクラッチ機構を介在させること。
【0049】上記実施形態から把握できる技術的思想に
ついて記載すると、シリンダブロック11に形成された
シリンダボア19内には両頭型のピストン20が収容さ
れ、同じくシリンダブロック11に形成されたクランク
室22には駆動軸15が配設され、同駆動軸15にはそ
の回転運動をピストン20の往復直線運動に変換するた
めの斜板23が傾動可能に支持され、同斜板23にはア
クチュエータ(53,55等)が作動連結されており、
同アクチュエータ(53,55等)の動作により斜板2
3の傾角を変更することで、吐出容量を変更可能な両頭
ピストン式可変容量型圧縮機において、外部冷媒回路3
6上の冷媒循環を阻止することが可能な冷媒循環阻止手
段66を備え、冷房不要時や外部冷媒回路36上の蒸発
器39においてフロストが発生しそうな場合等には、同
冷媒循環阻止手段66により外部冷媒回路36上の冷媒
循環を阻止するようにした両頭ピストン式可変容量型圧
縮機の制御方法。
【0050】このようにすれば、圧縮機のクラッチレス
化を達成可能である。
【0051】
【発明の効果】上記構成の請求項1の発明によれば、例
えば、冷房不要時や外部冷媒回路上の蒸発器においてフ
ロストが発生しそうな場合等には、冷媒循環阻止手段に
より外部冷媒回路上の冷媒循環を阻止すれば良い。従っ
て、このような場合においても圧縮機を停止させる必要
がなく、例えば、請求項6の発明においては、駆動軸を
外部駆動源に対してクラッチ機構を介することなく作動
連結させている。従って、高価かつ重量物である電磁ク
ラッチ等のクラッチ機構を、安価かつ軽量なプーリ等に
変更でき、圧縮機の低コスト化、軽量化を図り得る。ま
た、電磁クラッチのオン・オフによる体感フィーリング
の悪化も防止できる。
【0052】請求項2の発明によれば、可動部材は圧縮
機内部の高圧を駆動源に利用し、同スプールを動作させ
るために外部の駆動源を必要としない。従って、可変容
量機構を簡単かつ安価に構成できる。
【0053】請求項3の発明によれば、容量制御弁は感
圧弁であり、電磁弁のように、弁体を動作させるため
に、ソレノイドや同ソレノイドを制御する電気回路等を
必要とせず、可変容量構成を簡単かつ安価に構成でき
る。
【0054】請求項4の発明によれば、クランク室は吸
入圧領域を構成し、その内部は低温・低圧となり、同ク
ランク室内に収容される部材の劣化を抑制できる。従っ
て、例えば、同クランク室内に収容される斜板を、鉄系
材料より熱に弱く軽量なアルミニウム(アルミニウム合
金)により構成でき、圧縮機の軽量化を図り得る。
【0055】請求項5の発明によれば、例えば、外部冷
媒回路上における冷媒循環の阻止状態にて、同外部冷媒
回路上の液冷媒が圧縮機内部に流れ込むことはない。従
って、同液冷媒が圧縮機内部のオイルレス状態を招くお
それがなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 両頭ピストン式可変容量型圧縮機の縦断面
図。
【図2】 最小容量状態を示す説明図。
【符号の説明】
11…シリンダブロック、19…シリンダボア、20…
両頭型のピストン、22…クランク室、15…駆動軸、
23…斜板、41…可動部材を構成するコントロールピ
ストン、42…同じくスライダ、53…同じくスプー
ル、54…制御圧室、55…容量制御弁、66…冷媒循
環阻止手段としての電磁開閉弁。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 永井 宏幸 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機製作所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダブロックに形成されたシリンダ
    ボア内には両頭型のピストンが収容され、同じくシリン
    ダブロックに形成されたクランク室には駆動軸が配設さ
    れ、同駆動軸にはその回転運動をピストンの往復直線運
    動に変換するための斜板が傾動可能に支持され、同斜板
    にはアクチュエータが作動連結されており、同アクチュ
    エータの動作により斜板の傾角を変更することで、吐出
    容量を変更可能な両頭ピストン式可変容量型圧縮機にお
    いて、 外部冷媒回路上の冷媒循環を阻止することが可能な冷媒
    循環阻止手段を備えた両頭ピストン式可変容量型圧縮
    機。
  2. 【請求項2】 前記アクチュエータは、斜板に連結され
    た可動部材と、同可動部材の背面側に区画形成された制
    御圧室と、同制御圧室と吸入圧より高圧となる高圧領域
    とを接続する圧力供給通路と、同圧力供給通路上に介在
    され、制御圧室への高圧の導入量を変更することで可動
    部材を動作させる容量制御弁とを備える請求項1に記載
    の両頭ピストン式可変容量型圧縮機。
  3. 【請求項3】 前記容量制御弁は、感圧室と、同感圧室
    内に配置された感圧部材と、感圧室と吸入圧領域とを接
    続する感圧通路と、感圧部材に連結され圧力供給通路の
    開度を調節可能な弁体とを備える請求項2に記載の両頭
    ピストン式可変容量型圧縮機。
  4. 【請求項4】 前記クランク室は吸入圧領域を構成する
    請求項1〜3のいずれかに記載の両頭ピストン式可変容
    量型圧縮機。
  5. 【請求項5】 前記冷媒循環阻止手段は、外部冷媒回路
    と吸入圧領域との連通を遮断することにより外部冷媒回
    路上の冷媒循環を阻止するものであり、吐出圧領域から
    外部冷媒回路へ向かう冷媒ガスの流動を許容し、外部冷
    媒回路から吐出圧領域へ向かう冷媒の流動を阻止する逆
    流防止手段を備えた請求項1〜4のいずれかに記載の両
    頭ピストン式可変容量型圧縮機。
  6. 【請求項6】 前記駆動軸は、クラッチ機構を介するこ
    となく外部駆動源に作動連結されている請求項1〜5の
    いずれかに記載の両頭ピストン式可変容量型圧縮機。
JP8312391A 1996-11-22 1996-11-22 両頭ピストン式可変容量型圧縮機 Pending JPH10153171A (ja)

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