JP2001107848A - 容量可変型斜板式圧縮機 - Google Patents

容量可変型斜板式圧縮機

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JP2001107848A JP2000230696A JP2000230696A JP2001107848A JP 2001107848 A JP2001107848 A JP 2001107848A JP 2000230696 A JP2000230696 A JP 2000230696A JP 2000230696 A JP2000230696 A JP 2000230696A JP 2001107848 A JP2001107848 A JP 2001107848A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 動力消費を低減することと、角度復帰を確保
することとを確実に両立させることができるとともに、
製造コストの低廉化を確実に実現できる容量可変型斜板
圧縮機を提供する。 【解決手段】 最小吐出容量時における復帰バネ26が
斜板16に与える最小バネ荷重(F0)は20N以上で
ある。また、最大吐出容量時における傾角減少バネ17
が斜板16に与える最大バネ荷重(F100)は、次式 F100(N)=(180±30)−4×(VD−120)
(ここで、VD :圧縮機排気量(CC)) によって定められる。さらに、傾角減少バネ17の付勢
力と復帰バネ26の付勢力との合力により定められるバ
ランス吐出容量VBは、最大吐出容量の3〜10%であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両空調用などに
用いられる容量可変型斜板式圧縮機に関する。
【0002】
【従来の技術】車両用空調システムに用いられる冷凍回
路には、冷媒ガスを圧縮するための圧縮機が組み込まれ
ている。例えば公知の容量可変型斜板式圧縮機では、ハ
ウジングの内部にシリンダボア、クランク室、吸入室及
び吐出室が区画形成され、シリンダボア内にはピストン
が往復動可能に収容されている。ハウジングに回転可能
に支承された駆動軸はエンジン等の外部駆動源により駆
動されるようになっており、駆動軸に対しては同期回転
かつ傾動可能に斜板が支承され、この斜板にはピストン
を従動させるべくシュー等が設けられている。かかる圧
縮機では、容量制御弁により、クランク室内の圧力が制
御され、斜板の傾角に基づくピストンの往復動によるシ
リンダボアから吐出室への吐出容量が変更可能になって
いる。従来型の圧縮機は、電磁クラッチを介してエンジ
ンとベルトにより作動連結されており、冷房負担が生じ
たときのみ電磁クラッチによってエンジンと接続され、
圧縮動作を行う。
【0003】ところが、こうして圧縮機に電磁クラッチ
を併設すると、全体の重量の増加、製造コストの増加、
更には電磁クラッチを作動させるための電力消費が避け
られないという欠点がある。このため、近年、電磁クラ
ッチを介在させることなく圧縮機とエンジンとを直結
し、常時動力が伝達されるいわゆるクラッチレス方式の
圧縮機がある。このクラッチレス方式に適した圧縮機と
しては、容量可変型斜板式圧縮機が提案されている(特
開平10−205446号公報)。この容量可変型斜板
式圧縮機は、外部駆動源と直結される駆動軸に対して傾
動可能な斜板が小さな吐出容量をもたらすようにその最
小傾角が維持されるようになっている。このため、この
圧縮機では、電磁クラッチを介さずにエンジンに作動連
結することで重量軽減等を実現しつつ、そのエンジンの
動力消費を極めて低減することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の圧縮機
では、電磁クラッチを介している場合は外部駆動源が駆
動されつつ電磁クラッチがその外部駆動源の駆動力を伝
達したままの状態のとき、またクラッチレスの場合は外
部駆動源が駆動されたままの状態のときにおいて、車両
空調システムの作動スイッチがOFFされた場合のよう
に、外部からの指令によって冷房機能を停止したとき、
外部駆動源の動力消費をいかに低減するかが課題とな
る。
【0005】すなわち、一般に圧縮機の吐出容量の調節
は、上記のように、容量制御弁を用いたクランク室圧力
(Pc)の制御に依っている。具体的には、吐出室内に
おける高圧の吐出圧力(Pd)の冷媒ガスをクランク室
に導くことによりクランク室圧力(Pc)を高めること
で傾角が減少し、吐出容量が縮小する。他方、クランク
室内における冷媒ガスを低圧の吸入圧力(Ps)である
吸入室に導くことによりクランク室圧力(Pc)を低め
ることで傾角が増大し、吐出容量が拡大する。かかる構
成において、斜板が最小傾角にある状態から傾角増大方
向へ角度復帰するためには、クランク室圧力(Pc)を
低下させたとき、斜板がその最小傾角から最大傾角に向
けて傾動することが必須となる。
【0006】ところが、従来の圧縮機では、最小傾角を
0゜近傍に設定してしまうと、圧縮動作が実質上行われ
なくなり、吐出反力が得られないことから、斜板の角度
復帰が確実でなくなってしまう。このため、角度復帰を
確保するため、斜板の最小傾角を0゜近傍にすることは
できず、例えば+3゜〜+5゜程度にとどめる必要があ
る。こうして、斜板が最小傾角をなす状態でも、圧縮機
の圧縮動作が僅かに維持されるようにし、吐出反力が斜
板の傾角増大に貢献する状況を確保する必要がある。こ
うすることで、容量制御弁によるクランク室内圧(P
c)の低下に呼応した傾角増大方向への斜板の復帰が達
成される。
【0007】この場合、斜板の傾角が最小傾角に調節さ
れたとしても、常に斜板に吐出反力が作用するように圧
縮機は最小吐出容量での圧縮動作を継続し、外部駆動源
の動力を僅かづつでも消費してしまうという難点があ
る。かかる空調システムのOFF時の動力消費を低減す
るためには、最小容量運転時の斜板の傾角を極力小さく
し、吐出反力を極力小さくする必要がある一方、この吐
出反力を小さくし過ぎると、最小吐出容量(最小傾角)
からの復帰ができなくなってしまう。こうして、最小吐
出容量時の動力消費を低減することと、吐出反力による
角度復帰を確保することとは、相反する要求であるた
め、両者の要求を満足すべく、最小吐出容量(最小傾
角)を高精度に調節する必要があり、製造が難しく、製
造コストが高くなってしまう。この点、斜板の最小傾角
を吐出反力による角度復帰が確実に可能となる限界角度
未満に設定し、傾角減少バネにより傾角が最大傾角から
最小傾角まで減少する方向に斜板を付勢するとともに、
復帰バネにより傾角が最小傾角から限界角度を超えるま
で増大する方向に斜板を付勢し、傾角減少バネの付勢力
と復帰バネの付勢力とを限界角度を超えてバランスさせ
る手段が考えられる。こうであれば、最小吐出容量時の
動力消費を低減することと、吐出反力による角度復帰を
確保することとを両立させることができるとともに、最
小吐出容量(最小傾角)をさほど高精度に調節する必要
がなく、製造コストの低廉化を実現できる。
【0008】しかしながら、発明者らの試験結果によれ
ば、復帰バネや傾角減少バネの選択如何によっては、か
かる作用効果が確実でないことが明らかとなった。特
に、吐出室が逆止弁を介して外部冷凍回路に接続されて
いる場合、吐出圧力(Pd)が一定に維持されやすく、
吐出容量の縮小がより確実になされやすいため、斜板の
角度復帰の不具合は重要な検討事項である。
【0009】本発明はかかる事情に鑑みてなされたもの
であり、その目的は、動力消費を低減することと、角度
復帰を確保することとを確実に両立させることができる
とともに、製造コストの低廉化を確実に実現できる容量
可変型斜板圧縮機を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】第1の発明の容量可変型
斜板式圧縮機は、内部にシリンダボア、クランク室、吸
入室及び吐出室を区画形成するハウジングと、該シリン
ダボア内に往復動可能に収容されたピストンと、外部駆
動源により駆動され、該ハウジングに回転可能に支承さ
れた駆動軸と、該駆動軸に対して同期回転かつ傾動可能
に支承され、該ピストンを従動させる斜板とを備え、該
クランク室内の圧力を制御することにより、該斜板の傾
角に基づく該ピストンの往復動による該シリンダボアか
ら該吐出室への吐出容量を変更可能な容量可変型斜板式
圧縮機において、前記斜板の最小傾角は吐出反力による
角度復帰が確実に可能となる限界角度未満に設定され、
該斜板は、傾角減少バネにより前記傾角が最大傾角から
該最小傾角まで減少する方向に付勢されているととも
に、復帰バネにより該傾角が該最小傾角から該限界角度
を超えるまで増大する方向に付勢され、該傾角減少バネ
の付勢力と該復帰バネの付勢力とは該限界角度を超えて
バランスし、最小吐出容量時における該復帰バネが該斜
板に与える最小バネ荷重(F0)は20N以上であるこ
とを特徴とする。
【0011】第1の発明の圧縮機では、斜板の最小傾角
が吐出反力による角度復帰が確実に可能となる限界角度
未満に設定されているので、斜板が最小傾角をなす状態
において、圧縮機の圧縮動作はより僅かとなり又は全く
なくなり、外部駆動源の動力の消費を少なくすることが
できる。ここで、斜板は、傾角減少バネにより傾角が最
大傾角から最小傾角まで減少する方向に付勢されている
とともに、復帰バネにより傾角が最小傾角から限界角度
を超えるまで増大する方向に付勢されており、かつ傾角
減少バネの付勢力と復帰バネの付勢力とが限界角度より
大きいところでバランスしているため、斜板は限界角度
を超えた傾角で回転し、吐出反力により斜板の角度復帰
が確実となる。また、本発明者らの試験結果によれば、
最小吐出容量時における復帰バネの斜板に与える最小バ
ネ荷重(F0)が20N以上であれば、かかる作用効果
が確実となる。
【0012】ここで、この最小バネ荷重(F0)の上限
は駆動軸とともに回転する斜板等の慣性モーメント等に
よって選択され得るが、一般的な斜板等を採用する限
り、100Nを超えると最小吐出容量が増大したりして
駆動軸を駆動する際の動力消費が大きくなる。また、第
2の発明の圧縮機は、内部にシリンダボア、クランク
室、吸入室及び吐出室を区画形成するハウジングと、該
シリンダボア内に往復動可能に収容されたピストンと、
外部駆動源により駆動され、該ハウジングに回転可能に
支承された駆動軸と、該駆動軸に対して同期回転かつ傾
動可能に支承され、該ピストンを従動させる斜板とを備
え、該クランク室内の圧力を制御することにより、該斜
板の傾角に基づく該ピストンの往復動による該シリンダ
ボアから該吐出室への吐出容量を変更可能な容量可変型
斜板式圧縮機において、
【0013】前記斜板の最小傾角は吐出反力による角度
復帰が確実に可能となる限界角度未満に設定され、該斜
板は、傾角減少バネにより前記傾角が最大傾角から該最
小傾角まで減少する方向に付勢されているとともに、復
帰バネにより該傾角が該最小傾角から該限界角度を超え
るまで増大する方向に付勢され、該傾角減少バネの付勢
力と該復帰バネの付勢力とは該限界角度を超えてバラン
スし、最大吐出容量時における該傾角減少バネが該斜板
に与える最大バネ荷重(F100)は、次式 F100(N)=(180±30)−4×(VD−120)
(ここで、VD :圧縮機排気量(CC)) によって定められることを特徴とする。
【0014】第2の発明の圧縮機では、本発明者らの試
験結果によれば、最大吐出容量時における傾角減少バネ
の斜板に与える最大バネ荷重(F100)が上式によって
定められれば、上記作用効果が確実となる。ここで、最
大バネ荷重(F100)の上限は(180+30)−4×
(VD−120)により定められる。他方、最大バネ荷
重(F100)の下限は(180−30)−4×(VD−1
20)により定められる。この最大バネ荷重(F100
の下限は斜板のハンチングに影響する。本発明者らの試
験結果によれば、傾角減少バネの付勢力と復帰バネの付
勢力との合力により定められるバランス吐出容量が最大
吐出容量の3〜10%であれば、上記作用効果が確実と
なる。
【0015】本発明の圧縮機は、駆動軸がクラッチレス
方式で外部駆動源と作動連結されている場合に大きな効
果を奏する。なぜなら、クラッチレス方式であれば、外
部駆動源が駆動されている限り、圧縮機に常時動力が伝
達されることから、動力消費の低減効果が際立ったもの
であることが好ましいからである。また、重量軽減等も
実現できる。
【0016】また、本発明の圧縮機の吐出室が逆止弁を
介して外部冷凍回路に接続されている場合、冷媒ガスの
逆流防止により、クランク室内の過度の圧力上昇等が防
止され、斜板の確実な角度復帰の効果が際立ったものと
なる。なお、このような圧縮機では、停止中の冷媒ガス
の逆流を防止することができるため、圧縮機内への液冷
媒の貯留を防止するとともに、圧縮機内の過度の圧力上
昇や温度上昇を防止し、圧縮機の耐久性を高めることが
できる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の容量可変型斜板式
圧縮機を車両用空調システムに具体化した実施形態を図
面を参照しつつ説明する。この圧縮機は、図1及び図2
に示すように、6個のシリンダボア1aと軸孔1bとマ
フラ室1cと吸入室1dとが形成されたシリンダブロッ
ク1の前端にカップ状のフロントハウジング2が接合さ
れ、シリンダブロック1の後端には吸入弁3、弁板4、
吐出弁5及びリテーナ6を挟持してリアハウジング7が
接合されている。シリンダブロック1、フロントハウジ
ング2及びリアハウジング7がハウジングであり、これ
らはアルミ系金属製である。
【0018】フロントハウジング2にも軸孔2aが形成
され、シリンダブロック1の前端とフロントハウジング
2とで形成されるクランク室8内には、軸孔2aに軸封
装置9及びラジアル軸受10を介し、かつ軸孔1bにラ
ジアル軸受11を介して駆動軸12が回転可能に支承さ
れている。
【0019】クランク室8内では、フロントハウジング
2との間にスラスト軸受13を介して駆動軸12にラグ
プレート14が固定されている。ラグプレート14には
後方に向かって一対のアーム15が突設されており、各
アーム15には円筒状の内面をもつガイド孔15aが貫
設されている。また、駆動軸12は斜板16の貫通孔1
6aを挿通しており、斜板16とラグプレート14との
間には傾角減少バネ17が設けられている。斜板16
は、この傾角減少バネ17により傾角が最大傾角から最
小傾角まで減少する方向に付勢されている。
【0020】斜板16の前端には各アーム15に向かっ
て一対のガイドピン16bが突設されており、各ガイド
ピン16bの先端にはガイド孔15a内を摺動しつつ回
動可能な球状の外面をもつガイド部16cが設けられて
いる。また、斜板16の前後周縁にはそれぞれ対をなす
シュー18を介して中空状のピストン19が設けられて
おり、各ピストン19は各シリンダボア1a内に収容さ
れている。ここで、圧縮機排気量VD は120(CC)
に設定している。
【0021】フロントハウジング2から前方に突出した
駆動軸12にはボス20がスプライン嵌合されており、
ボス20はキー21によりプーリ22と固定されてい
る。このプーリ22は、駆動軸12との間でボルト23
により固定されているとともにフロントハウジング2と
の間で玉軸受24により支承されている。プーリ22に
は外部駆動源としてのエンジンEGと接続されたベルト
34が巻きかけられている。
【0022】駆動軸12の斜板16よりやや後方にはサ
ークリップ25により復帰バネ26が設けられている。
斜板16の最小傾角は吐出反力による角度復帰を確実に
可能とする限界角度未満に設定されている。また、傾角
減少バネ17の付勢力と復帰バネ26の付勢力とはこの
限界角度を超えてバランスするようにしている。さら
に、最小傾角から最大傾角に向けての斜板16の復帰
は、この斜板16の回転に伴って傾角増大方向に作用す
る回転運動の慣性乗積と復帰バネ26の付勢力に基づく
慣性乗積との協働によって確保されるようになってい
る。シリンダブロック1の軸孔1b内では駆動軸12の
後端にスラスト軸受27及び座金28が設けられ、座金
28と吸入弁3との間にはばね29が設けられている。
【0023】リアハウジング7の内側にはシリンダブロ
ック1の吸入室1dと図示しない吸入通路により連通す
る吸入室7aが形成され、この吸入室7aはリテーナ
6、吐出弁5及び弁板4に貫設された吸入ポート30に
より各シリンダボア1aと連通している。吸入室1dは
外部冷凍回路の蒸発器EVに配管により接続され、蒸発
器EVは配管により膨張弁Vを介して凝縮器COに接続
されている。また、リアハウジング7の外側には吐出室
7bが形成されている。吐出室7bの後方には収納室7
cが形成され、収納室7cには逆止弁33が収納されて
いる。収納室7cとシリンダブロック1のマフラ室1c
とはリテーナ6、吐出弁5、弁板4及び吸入弁3を貫通
する吐出通路7dにより連通されている。マフラ室1c
は冷凍回路の凝縮器COに配管により接続されている。
吐出室7bは弁板4及び吸入弁3に貫設された吐出ポー
ト31により各シリンダボア1aと連通している。ここ
で、逆止弁33は冷凍回路の凝縮器CO、マフラ室1c
からの冷媒ガスの逆流を防止している。また、リアハウ
ジング7には制御弁32が収納されている。
【0024】制御弁32では、図3に示すように、弁ハ
ウジング41の一端にカバー42が固定され、カバー4
2の一端は蓋部材43により閉塞されている。弁ハウジ
ング41、カバー42及び蓋部材43内には感圧室44
が形成され、感圧室44内にはベローズ45が軸方向に
伸縮可能に収納されている。弁ハウジング41の他端に
は固定部材46を介してソレノイド47が固定されてい
る。ソレノイド47の内部では、固定鉄心48が弁ハウ
ジング41の他端に固定されているとともに、固定鉄心
48の他端側でソレノイド47の内面等に固定された収
容筒49内に可動鉄心51が摺動可能に設けられてい
る。可動鉄心51は他端側にばね室51aを有してお
り、ばね室51a内には可動鉄心51を一端側に付勢す
るばね50が設けられている。
【0025】弁ハウジング41及び固定鉄心48には軸
方向に延在する軸孔52が貫設されており、軸孔52は
弁ハウジング41の他端側と固定鉄心48との間におい
て弁室53と連通している。感圧室44内でベローズ4
5の他端側と固定部材54により固定されたロッド55
はこの軸孔52内を摺動可能になされており、ロッド5
5の中間には弁室53内に位置する弁体55aが固定さ
れている。弁体55aと弁室53の一端側との間にはば
ね56が設けられている。ロッド55の他端は可動鉄心
51の一端側と当接されている。
【0026】また、カバー42には開口42aが形成さ
れ、これにより感圧室44とリアハウジング7の吸入室
7aとが検圧通路57により連通されている。さらに、
弁ハウジング41には、弁室53よりベローズ45側の
軸孔52に連通するポート41aと、弁室53に連通す
るポート41bとが形成されている。弁室53よりベロ
ーズ45側の軸孔52とクランク室8とはポート41a
を介した給気通路58により連通されている。また、弁
ハウジング41、固定鉄心48及び可動鉄心51は給気
通路58を可動鉄心51内のばね室51aと連通させる
相殺通路59を有している。他方、弁室53とリアハウ
ジング7の吐出室7bとは、ポート41bを介した給気
通路60により連通されている。そして、ソレノイド4
7のコイルは駆動回路61を介して制御コンピュータ6
2に接続されている。なお、63、64は制御弁32を
リアハウジング7内に気密に収納するためのOリングで
ある。
【0027】上記のように構成された圧縮機では、図1
及び図2に示すように、エンジンEGが駆動されている
間、ベルト34でプーリ22が回転し、駆動軸12が駆
動される。これにより、斜板16が揺動運動し、ピスト
ン19がシリンダボア1a内を往復動する。このため、
冷凍回路の蒸発器EVの冷媒ガスが圧縮機の吸入室7a
内に吸入され、シリンダボア1a内で圧縮された後、吐
出室7b内に吐出される。吐出室7b内の冷媒ガスは逆
止弁33及びマフラ室1cを経て凝縮器COに吐出され
る。
【0028】この間、図3に示す制御弁32は、制御コ
ンピュータ62による調整の下、感圧室44内における
ベローズ45の設定圧力と吸入室7aより検圧通路57
で導かれる吸入圧力(Ps)とのバランスにより、吐出
室7b内の吐出圧力(Pd)の冷媒ガスを給気通路6
0、ポート41b、軸孔52、ポート41a及び給気通
路58によりクランク室8に供給する。このため、クラ
ンク室圧力(Pc)が加減され、これによりピストン1
9に作用する背圧が変化するため、斜板16の傾角が変
化し、実質的に0%から100%まで吐出容量を変化さ
せることができる。
【0029】ここで、この圧縮機では、図4に示すよう
に、斜板16の傾角が最大傾角のとき、吐出容量が10
0%となる。この際、VD =120(CC)であるた
め、最大吐出容量時における傾角減少バネ17が斜板1
6に与える最大バネ荷重(F10 0)は、 F100(N)=(180±30)−4×(VD−120) により、上限が210(N)、下限が150(N)とし
ている。また、斜板16の傾角が最小傾角のとき、傾角
減少バネ17の付勢力と復帰バネ26の付勢力との合力
により定められるバランス吐出容量VBは最大吐出容量
の3〜10%としている。この際、最小吐出容量時にお
ける復帰バネ26が斜板16に与える最小バネ荷重(F
0)は、上限が100(N)、下限が20(N)として
いる。
【0030】かかる圧縮機では、斜板16の最小傾角が
吐出反力による角度復帰が確実に可能となる限界角度未
満に設定されているので、斜板16が最小傾角をなす状
態において、圧縮機の圧縮動作はより僅かとなり又は全
くなくなり、エンジンEGの動力の消費を少なくするこ
とができる。ここで、斜板16は、傾角減少バネ17に
より傾角が最大傾角から最小傾角まで減少する方向に付
勢されているとともに、復帰バネ26により傾角が最小
傾角から限界角度を超えるまで増大する方向に付勢され
ており、かつ傾角減少バネ17の付勢力と復帰バネ26
の付勢力とが限界角度を超えてバランスしているため、
斜板16は限界角度を超えた傾角で回転し、吐出反力に
より斜板16の角度復帰が確実となる。
【0031】また、本発明者らの試験結果によれば、表
1に示すように、復帰バネ26の荷重が0(N)及び1
0(N)の場合には斜板16が復帰できず、復帰バネ2
6の荷重が20(N)の場合には斜板16が復帰でき
た。このため、最小吐出容量時における復帰バネ26の
斜板16に与える最小バネ荷重(F0)が20N以上で
あれば、かかる作用効果が確実となることがわかる。
【0032】
【表1】
【0033】また、エンジンEGが駆動されている間で
も、冷房が不要な場合、制御弁32では、制御コンピュ
ータ62の指令に基づき、駆動回路61からソレノイド
47への電流供給が停止される。このため、クランク室
8内の圧力が上昇し、斜板16は最小容量となるまで傾
角が変更され、ピストン19のストロークが減少する。
こうしてピストンボア1aからの吐出流量が減少するこ
とにより、逆止弁33は圧縮機からの冷媒ガスの吐出を
抑制し、圧縮機は0%容量付近の最小容量にて運転され
る。
【0034】他方、エンジンEGが停止されれば、駆動
軸12は停止し、制御弁32も働かない。そして、逆止
弁33によって、凝縮器CO側の高圧の冷媒ガスが吐出
室7b内に逆流しなくなる。この圧縮機では、吐出室7
bが逆止弁33を介して冷凍回路に接続されているた
め、斜板16の確実な角度復帰の効果が際立ったものと
なっている。なお、かかる逆止弁33を備えた圧縮機で
は、停止中の冷媒ガスの逆流を防止することができるた
め、圧縮機内への液冷媒の貯留を防止するとともに、圧
縮機内の過度の圧力上昇や温度上昇を防止し、圧縮機の
耐久性を高めることができる。そして、再度エンジンE
Gが始動されれば、駆動軸12が駆動され、制御弁32
が働く。また、逆止弁33は、吐出室7b内の高圧の冷
媒ガスを凝縮器COに吐出する。
【0035】さらに、この圧縮機はクラッチレス方式で
あるので、エンジンEGが駆動されている限り、圧縮機
に常時動力が伝達されることから、動力消費の低減効果
が際立ったものとなり、重量軽減等の効果もある。した
がって、この圧縮機は、動力消費を低減することと、角
度復帰を確保することとを確実に両立させることができ
るとともに、製造コストの低廉化を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係り、斜板が最大傾角状態にあると
きの容量可変型斜板式圧縮機の全体縦断面図である。
【図2】実施形態に係り、斜板が最小傾角状態にあると
きの容量可変型斜板式圧縮機の全体縦断面図である。
【図3】実施形態に係り、容量可変型斜板式圧縮機の一
部をなす制御弁の縦断面図である。
【図4】実施形態に係り、圧縮機排気量が120(C
C)の時、ばねの合力−吐出容量の関係図である。
【符号の説明】
1a…シリンダボア 8…クランク室 7a…吸入室 7b…吐出室 1、2、7…ハウジング(1…シリンダブロック、2…
フロントハウジング、7…リアハウジング) 19…ピストン EG…外部駆動源(エンジン) 12…駆動軸 16…斜板 17…傾角減少バネ 26…復帰バネ 33…逆止弁

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内部にシリンダボア、クランク室、吸入室
    及び吐出室を区画形成するハウジングと、該シリンダボ
    ア内に往復動可能に収容されたピストンと、外部駆動源
    により駆動され、該ハウジングに回転可能に支承された
    駆動軸と、該駆動軸に対して同期回転かつ傾動可能に支
    承され、該ピストンを従動させる斜板とを備え、該クラ
    ンク室内の圧力を制御することにより、該斜板の傾角に
    基づく該ピストンの往復動による該シリンダボアから該
    吐出室への吐出容量を変更可能な容量可変型斜板式圧縮
    機において、 前記斜板の最小傾角は吐出反力による角度復帰が確実に
    可能となる限界角度未満に設定され、該斜板は、傾角減
    少バネにより前記傾角が最大傾角から該最小傾角まで減
    少する方向に付勢されているとともに、復帰バネにより
    該傾角が該最小傾角から該限界角度を超えるまで増大す
    る方向に付勢され、該傾角減少バネの付勢力と該復帰バ
    ネの付勢力とは該限界角度を超えてバランスし、最小吐
    出容量時における該復帰バネが該斜板に与える最小バネ
    荷重(F0)は20N以上であることを特徴とする容量
    可変型斜板式圧縮機。
  2. 【請求項2】内部にシリンダボア、クランク室、吸入室
    及び吐出室を区画形成するハウジングと、該シリンダボ
    ア内に往復動可能に収容されたピストンと、外部駆動源
    により駆動され、該ハウジングに回転可能に支承された
    駆動軸と、該駆動軸に対して同期回転かつ傾動可能に支
    承され、該ピストンを従動させる斜板とを備え、該クラ
    ンク室内の圧力を制御することにより、該斜板の傾角に
    基づく該ピストンの往復動による該シリンダボアから該
    吐出室への吐出容量を変更可能な容量可変型斜板式圧縮
    機において、 前記斜板の最小傾角は吐出反力による角度復帰が確実に
    可能となる限界角度未満に設定され、該斜板は、傾角減
    少バネにより前記傾角が最大傾角から該最小傾角まで減
    少する方向に付勢されているとともに、復帰バネにより
    該傾角が該最小傾角から該限界角度を超えるまで増大す
    る方向に付勢され、該傾角減少バネの付勢力と該復帰バ
    ネの付勢力とは該限界角度を超えてバランスし、最大吐
    出容量時における該傾角減少バネが該斜板に与える最大
    バネ荷重(F100)は、次式 F100(N)=(180±30)−4×(VD−120)
    (ここで、VD :圧縮機排気量(CC)) によって定められることを特徴とする容量可変型斜板式
    圧縮機。
  3. 【請求項3】傾角減少バネの付勢力と復帰バネの付勢力
    との合力により定められるバランス吐出容量は、最大吐
    出容量の3〜10%であることを特徴とする請求項1又
    は2に記載の容量可変型斜板式圧縮機。
  4. 【請求項4】駆動軸はクラッチレス方式で外部駆動源と
    作動連結されていることを特徴とする請求項1、2又は
    3記載の容量可変型斜板式圧縮機。
  5. 【請求項5】吐出室は逆止弁を介して外部冷凍回路に接
    続されていることを特徴とする請求項1、2、3又は4
    記載の容量可変型斜板式圧縮機。
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