JPWO2008139967A1 - フッ素ゴム層および非フッ素ゴム層からなる積層体およびその製造方法 - Google Patents

フッ素ゴム層および非フッ素ゴム層からなる積層体およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、オニウム塩および/またはアミン化合物を配合した加硫可能なフッ素ゴム組成物から形成されるフッ素ゴム層と、オニウム塩、アミン化合物、エポキシ樹脂よりなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物を配合した非フッ素ゴム層とを加硫接着させる積層体の製造方法を提供する。

Description

本発明は、フッ素ゴム層と非フッ素ゴム層とを加硫接着させる積層体およびその製造方法に関する。
フッ素ゴムは、優れた耐薬品性、耐溶剤性および耐熱性を示すことから、自動車工業、半導体工業、化学工業等の各種分野において広く使用されており、たとえば、自動車産業においては、エンジンならびに周辺装置、AT装置、燃料系統ならびに周辺装置などのホース、シール材等として使用されている。しかし、近年の環境規制に伴い、これらのフッ素ゴムからなる材料にも耐老化性、耐候性、加工性、耐油性、耐燃料油性、燃料透過性などの諸特性において、よりいっそう厳しい要求がされているのが現状である。
フッ素ゴムは、前述のような優れた諸特性を示すものの、その価格が通常のゴム材料の10〜20倍と高価であり、また耐寒性に問題があり、フッ素ゴムのみでホースなどの材料を作ることはコスト、耐寒性等の点で問題があった。また、従来、燃料油用ホースとして用いられていた、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴムでは、耐熱性、耐油性、耐老化性などの諸特性の点でフッ素ゴムに劣るものであり、その改善が要求されていた。
そこで、フッ素ゴムを内層として薄く使用し、外層としてはエピクロルヒドリンゴム等の非フッ素ゴムからなるホース類が開発されている(例えば、国際公開第06/082843号パンフレット参照)。しかしながら、非フッ素ゴム層としてエピクロルヒドリンゴムを用いた場合、耐スコーチ性が悪いという問題があった。
本発明は、フッ素ゴム層と非フッ素ゴム層とを加硫接着させる積層体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、オニウム塩および/またはアミン化合物を配合した加硫可能なフッ素ゴム組成物から形成されるフッ素ゴム層と、オニウム塩、アミン化合物、エポキシ樹脂よりなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物を配合した非フッ素ゴム層とを加硫接着させる積層体の製造方法に関する。
非フッ素ゴムが、パーオキサイド加硫可能なゴムであることが好ましい。
非フッ素ゴムが、アクリロニトリル−ブタジエンゴムを含むことが好ましい。
非フッ素ゴムが、ポリ塩化ビニルとアクリロニトリル−ブタジエンゴムの混合物であることが好ましい。
非フッ素ゴム中にエポキシ樹脂が配合されていることが好ましい。
非フッ素ゴム層におけるオニウム塩および/またはアミン化合物が、N,N−ジシンナミリデン−1,6−ヘキサメチレンジアミン、および/またはテトラn−ブチルホスホニウムベンゾトリアゾレートであることが好ましい。
さらに、フッ素ゴム中に、オニウム塩として式(1):
Figure 2008139967
(式中、R1、R2、R3は、それぞれ同じかまたは異なり、水素原子、または炭素数1〜30の一価の有機基であり、X1-は一価の陰イオンである)
で示される化合物、8−ベンジル−1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセニウム塩および1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセニウム塩よりなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物が配合されていることが好ましい。
1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセニウム塩が
式(2):
Figure 2008139967
(式中、nは、0〜50の整数である)
で示される化合物、および
式(3):
Figure 2008139967
で示される化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物が配合されていることが好ましい。
フッ素ゴムが、ポリオール加硫可能なゴムであることが好ましい。
フッ素ゴムが、フッ化ビニリデン単位またはヘキサフルオロプロピレン単位を含むことが好ましい。
また、本発明は、前記の製造方法により得られる積層体にも関する。
また、本発明は、オニウム塩および/またはアミン化合物を配合した加硫可能なフッ素ゴム組成物をフッ素樹脂の溶融条件下で動的架橋させ、その少なくとも一部が架橋された架橋フッ素ゴムとする熱可塑性重合体組成物の層と、オニウム塩、アミン化合物、エポキシ樹脂よりなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物を配合した非フッ素ゴム層とを加硫接着させる積層体の製造方法にも関する。
非フッ素ゴムが、アクリロニトリル−ブタジエンゴムを含むことが好ましい。
非フッ素ゴムが、ポリ塩化ビニルとアクリロニトリル−ブタジエンゴムの混合物であることが好ましい。
非フッ素ゴム中にエポキシ樹脂が配合されていることが好ましい。
非フッ素ゴム層におけるオニウム塩および/またはアミン化合物がN,N−ジシンナミリデン−1,6−ヘキサメチレンジアミン、および/またはテトラn−ブチルホスホニウムベンゾトリアゾレートであることが好ましい。
さらに、フッ素ゴム中に、オニウム塩として式(1):
Figure 2008139967
(式中、R1、R2、R3は、それぞれ同じかまたは異なり、水素原子、または炭素数1〜30の一価の有機基であり、X1-は一価の陰イオンである)
で示される化合物、8−ベンジル−1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセニウム塩および1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセニウム塩よりなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物が配合されていることが好ましい。
1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセニウム塩が
式(2):
Figure 2008139967
(式中、nは、0〜50の整数である)
で示される化合物、および
式(3):
Figure 2008139967
で示される化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物が配合されていることが好ましい。
フッ素ゴムが、ポリオール加硫可能なゴムであることが好ましい。
フッ素ゴムが、フッ化ビニリデン単位またはヘキサフルオロプロピレン単位を含む共重合体であることが好ましい。
さらに、本発明は、前記の製造方法により得られる積層体にも関する。
本発明は、オニウム塩および/またはアミン化合物を配合した加硫可能なフッ素ゴム組成物から形成されるフッ素ゴム層と、オニウム塩、アミン化合物、エポキシ樹脂よりなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物を配合した非フッ素ゴム層とを加硫接着させる積層体の製造方法に関する。
本発明で用いるフッ素ゴム(a)としては、非パーフルオロフッ素ゴム(a−1)およびパーフルオロフッ素ゴム(a−2)があげられる。なお、パーフルオロフッ素ゴムとは、その構成単位のうち、90モル%以上がパーフルオロモノマーからなるものをいう。
非パーフルオロフッ素ゴム(a−1)としては、ビニリデンフルオライド(VdF)系フッ素ゴム、テトラフルオロエチレン(TFE)/プロピレン系フッ素ゴム、TFE/プロピレン/VdF系フッ素ゴム、エチレン/ヘキサフルオロプロピレン(HFP)系フッ素ゴム、エチレン/HFP/VdF系フッ素ゴム、エチレン/HFP/TFE系フッ素ゴム、フルオロシリコーン系フッ素ゴム、またはフルオロホスファゼン系フッ素ゴムなどがあげられ、これらをそれぞれ単独で、または本発明の効果を損なわない範囲で任意に組み合わせて用いることができるが、VdF系フッ素ゴム、TFE/プロピレン系フッ素ゴム、エチレン/HFP系フッ素ゴムを用いることが好ましい。
VdF系フッ素ゴムとしては、式(4)で表されるものが好ましい。
−(M1)−(M2)−(N1)− (4)
(式中、構造単位M1はVdF(m1)由来の構造単位であり、構造単位M2は含フッ素エチレン性単量体(m2)由来の構造単位であり、構造単位N1は単量体(m1)および単量体(m2)と共重合可能な単量体(n1)由来の繰り返し単位である)
式(4)で示されるVdF系フッ素ゴムの中でも、構造単位M1を20〜85モル%、構造単位M2を80〜15モル%含むものが好ましく、より好ましくは構造単位M1を25〜80モル%、構造単位M2を75〜20モル%である。構造単位N1は、構造単位M1と構造単位M2の合計量に対して、0〜10モル%であることが好ましい。
含フッ素エチレン性単量体(m2)としては、単一のものでもよく、2種以上の組み合せでもよいが、たとえばTFE、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)、トリフルオロエチレン、HFP、トリフルオロプロピレン、テトラフルオロプロピレン、ペンタフルオロプロピレン、トリフルオロブテン、テトラフルオロイソブテン、フルオロ(アルキルビニルエーテル)、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)(PAVE)、フッ化ビニルなどの含フッ素単量体があげられるが、これらのなかでも、TFE、HFP、PAVEが好ましい。
単量体(n1)としては、単量体(m1)および単量体(m2)と共重合可能なものであれば、いかなるものでもよいが、たとえばエチレン、プロピレン、アルキルビニルエーテルなどがあげられる。
このようなVdF系フッ素ゴムとして、具体的には、VdF−HFP系ゴム、VdF−HFP−TFE系ゴム、VdF−CTFE系ゴム、VdF−CTFE−TFE系ゴムなどが好ましくあげられる。
TFE/プロピレン系フッ素ゴムとしては、式(5)で表されるものが好ましい。
−(M3)−(M4)−(N2)− (5)
(式中、構造単位M3はテトラフルオロエチレン(m3)由来の構造単位であり、構造単位M4はプロピレン(m4)由来の構造単位であり、構造単位N2は単量体(m3)および単量体(m4)と共重合可能な単量体(n2)由来の繰り返し単位である)
式(5)で示されるTFE/プロピレン系フッ素ゴムの中でも、構造単位M3を40〜70モル%、構造単位M4を60〜30モル%含むものが好ましく、より好ましくは構造単位M3を50〜60モル%、構造単位M4を50〜40モル%含むものである。構造単位N2は、構造単位M3と構造単位M4の合計量に対して、0〜40モル%であることが好ましい。
単量体(n2)としては、単量体(m3)および単量体(m4)と共重合可能なものであればいかなるものでもよいが、加硫部位を与える単量体であることが好ましい。
このような加硫部位を与える単量体としては、たとえば特公平5−63482号公報、特開平7−316234号公報に記載されているようなパーフルオロ(6,6−ジヒドロ−6−ヨード−3−オキサ−1−ヘキセン)やパーフルオロ(5−ヨード−3−オキサ−1−ペンテン)などのヨウ素含有単量体、特開平4−505341号公報に記載されている臭素含有単量体、特開平4−505345号公報、特開平5−500070号公報に記載されているようなシアノ基含有単量体、カルボキシル基含有単量体、アルコキシカルボニル基含有単量体などがあげられる。
パーフルオロフッ素ゴム(a−2)としては、式(6)で表されるものが好ましい。
−(M5)−(M6)−(N3)− (6)
(式中、構造単位M5はTFE(m5)由来の構造単位であり、構造単位M6はPAVE(m6)由来の構造単位であり、構造単位N3は単量体(m5)および単量体(m6)と共重合可能な単量体(n3)由来の繰り返し単位である)
式(6)で示されるパーフルオロフッ素ゴム(a−2)の中でも、構造単位M5を50〜90モル%、構造単位M6を50〜10モル%含むものが好ましく、より好ましくは構造単位M5を50〜80モル%、構造単位M6を50〜20モル%含むものであり、さらに好ましくは構造単位M5を55〜70モル%、構造単位M6を45〜30モル%含むものである。構造単位N3は、構造単位M5と構造単位M6の合計量に対して、0〜5モル%であることが好ましく、0〜2モル%であることがより好ましい。これらの組成の範囲を外れると、ゴム弾性体としての性質が失われ、樹脂に近い性質となる傾向がある。
PAVE(m6)としては、たとえばパーフルオロ(メチルビニルエーテル)、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)などがあげられ、これらをそれぞれ単独で、または任意に組み合わせて用いることができる。
また、単量体(n3)としては、単量体(m5)および単量体(m6)と共重合可能なものであればいかなるものでもよいが、加硫部位を与える単量体が好ましい。
このような加硫部位を与える単量体としては、たとえばVdF、式(7):
CY1 2=CY1−Rf 1CHR42 (7)
(式中、Y1は、水素原子、フッ素原子または−CH3、Rf 1は、フルオロアルキレン基、パーフルオロアルキレン基、フルオロポリオキシアルキレン基またはパーフルオロポリオキシアルキレン基、R4は、水素原子または−CH3、X2は、シアノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、ヨウ素原子または臭素原子)で表される単量体、式(8):
CF2=CFO(CF2CF(CF3)O)m(CF2n−X3 (8)
(式中、mは、0〜5の整数、nは、1〜3の整数、X3は、シアノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、臭素原子またはヨウ素原子)で表される単量体などがあげられ、これらをそれぞれ単独で、または任意に組み合わせて用いることができる。
このヨウ素原子、臭素原子、シアノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基が、加硫点として機能することができる。
かかるパーフルオロフッ素ゴム(a−2)の具体例としては、国際公開第97/24381号パンフレット、特公昭61−57324号公報、特公平4−81608号公報、特公平5−13961号公報などに記載されているフッ素ゴムなどがあげられる。
また、フッ素ゴム(a)は数平均分子量20,000〜1,200,000のものが好ましく、30,000〜300,000のものがさらに好ましく、50,000〜200,000のものがさらに好ましく用いられる。
以上説明した非パーフルオロフッ素ゴム(a−1)およびパーフルオロフッ素ゴム(a−2)は、常法により製造することができるが、得られる重合体は分子量分布が狭く、分子量の制御が容易である点から、フッ素ゴムの製造法として公知のヨウ素移動重合法が好ましい。たとえば、溶液重合を行う方法や、また、実質的に無酸素下で、水媒体中で、ヨウ素化合物、好ましくはジヨウ素化合物の存在下に、前記パーハロオレフィンと、要すれば加硫部位を与える単量体を加圧下で撹拌しながらラジカル開始剤の存在下、乳化重合を行う方法があげられる。使用するヨウ素化合物の代表例としては、たとえば、式(9):
5xBry (9)
(式中、xおよびyはそれぞれ0〜2の整数であり、かつ1≦x+y≦2を満たすものであり、R5は炭素数1〜16の飽和もしくは不飽和のフルオロ炭化水素基またはクロロフルオロ炭化水素基、または炭素数1〜3の炭化水素基であり、酸素原子を含んでいてもよい)で示される化合物などをあげることができる。このようなヨウ素化合物を用いて得られるフッ素ゴムの末端には、ヨウ素原子または臭素原子が導入される。
式(9)で表される化合物としては、たとえば1,3−ジヨードパーフルオロプロパン、1,3−ジヨード−2−クロロパーフルオロプロパン、1,4−ジヨードパーフルオロブタン、1,5−ジヨード−2,4−ジクロロパーフルオロペンタン、1,6−ジヨードパーフルオロヘキサン、1,8−ジヨードパーフルオロオクタン、1,12−ジヨードパーフルオロドデカン、1,16−ジヨードパーフルオロヘキサデカン、ジヨードメタン、1,2−ジヨードエタン、1,3−ジヨード−n−プロパン、CF2Br2、BrCF2CF2Br、CF3CFBrCF2Br、CFClBr2、BrCF2CFClBr、CFBrClCFClBr、BrCF2CF2CF2Br、BrCF2CFBrOCF3、1−ブロモ−2−ヨードパーフルオロエタン、1−ブロモ−3−ヨードパーフルオロプロパン、1−ブロモ−4−ヨードパーフルオロブタン、2−ブロモ−3−ヨードパーフルオロブタン、3−ブロモ−4−ヨードパーフルオロブテン−1、2−ブロモ−4−ヨードパーフルオロブテン−1、ベンゼンのモノヨードモノブロモ置換体、ジヨード置換体、ならびに(2−ヨードエチル)および(2−ブロモエチル)置換体などがあげられ、これらの化合物は、単独で使用してもよく、相互に組み合せて使用することもできる。
これらのなかでも、重合反応性、加硫反応性、入手容易性などの点から、1,4−ジヨードパーフルオロブタン、ジヨードメタンなどが好ましい。
本発明で使用するラジカル重合開始剤は、従来からフッ素ゴムの重合に使用されているものと同じものであってよい。これらの開始剤には有機および無機の過酸化物ならびにアゾ化合物がある。典型的な開始剤として過硫酸塩類、過酸化カーボネート類、過酸化エステル類などがあり、好ましい開始剤として過硫酸アンモニウム(APS)があげられる。APSは単独で使用してもよく、また、亜硫酸塩類のような還元剤と組み合わせて使用することもできる。
乳化重合に使用される乳化剤としては、広範囲なものが使用可能であるが、重合中におこる乳化剤分子への連鎖移動反応を抑制する観点から、フルオロカーボン鎖、またはフルオロポリエーテル鎖を有するカルボン酸の塩類が望ましい。乳化剤の使用量は、添加された水の約0.05〜2質量%が好ましく、とくに0.2〜1.5質量%が好ましい。
本発明で使用するモノマー混合ガスは、カルブ(G.H.Kalb)ら、アドヴァンシーズ・イン・ケミストリー・シリーズ(Advances in Chemistry Series.),129,13(1973)に記載されるように、爆発性を有するので、重合装置には着火源となるスパークなどが発生しないように工夫する必要がある。
重合圧力は、広い範囲で変化させることができる。一般には、0.5〜7MPaの範囲である。重合圧力は、高い程重合速度が大きくなるため、生産性の向上の観点から、0.8MPa以上であることが好ましい。
前記式(9)で表される化合物の添加量としては、得られるフッ素ゴムの全質量の0.0001〜5質量%であることが好ましく、0.01〜1質量%であることがより好ましい。
また、フッ素ゴム(a)としては、含フッ素シリコーン系エラストマーも用いることができ、たとえば、フルオロシリコーンゴムなどがあげられる。
さらに、本発明においては、前述のようなフッ素ゴム(a−1)、(a−2)と熱可塑性フッ素ゴムとからなる組成物を用いることもできる。
前記フッ素ゴム(a)の中でも、耐熱性、圧縮永久ひずみ、加工性、コストの点から、VdF単位を含むフッ素ゴムであることが好ましく、VdF系フッ素ゴムがより好ましく、VdF−HFP系ゴム、VdF−HFP−TFE系ゴムがとくに好ましい。
また、前記フッ素ゴム(a)としては、非フッ素ゴム組成物から形成される非フッ素ゴム層との接着性がよい点から、ポリオール加硫および/またはポリアミン加硫可能なVdF単位を含むフッ素ゴムを用いることがより好ましい。
フッ素ゴム(a)としては、以上説明したものを1種に限らず2種以上用いてもよい。
また、本発明に使用されるフッ素ゴム(a)は、フッ素含有率65質量%以上のフッ素ゴムであることが好ましく、フッ素含有率66質量%以上のフッ素ゴムであることがより好ましい。フッ素含有率の上限値は特に限定されないが、74質量%以下であることが好ましい。フッ素含有率が、65質量%未満であると耐薬品性、耐燃料油性、燃料透過性が劣る傾向がある。
本発明は、加硫可能なフッ素ゴム組成物中にオニウム塩および/またはアミン化合物が配合される。
オニウム塩とアミン化合物は単独で用いても良く、任意に組み合わせて用いても良い。
オニウム塩としては特に限定されず、たとえば、第4級アンモニウム塩、第4級ホスホニウム塩、オキソニウム塩、スルホニウム塩、環状アミン、1官能性アミン化合物などがあげられ、これらの中でも第4級アンモニウム塩、第4級ホスホニウム塩が好ましい。
オニウム塩は、単独で、あるいは併用して用いることができる。
第4級アンモニウム塩としては特に限定されず、たとえば、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセニウム塩、8−メチル−1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセニウムクロリド、8−メチル−1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセニウムアイオダイド、8−メチル−1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセニウムハイドロキサイド、8−メチル−1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセニウムメチルスルフェート、8−エチル−1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセニウムブロミド、8−プロピル−1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセニウムブロミド、8−ドデシル−1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセニウムクロリド、8−ドデシル−1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセニウムハイドロキサイド、8−エイコシル−1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセニウムクロリド、8−テトラコシル−1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセニウムクロリド、8−ベンジル−1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセニウムクロリド(以下、DBU−Bとする)、8−ベンジル−1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセニウムハイドロキサイド、8−フェネチル−1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセニウムクロリド、8−(3−フェニルプロピル)−1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセニウムクロリド、前記式(1)〜(3)の化合物などがあげられる。これらの中でも、加硫性、加硫物の物性、他材との接着性の点から、8−メチル−1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセニウム塩、DBU−B、式(1)〜(3)の化合物が好ましく、DBU−B、式(1)〜(3)の化合物がさらに好ましい。
また、第4級ホスホニウム塩としては特に限定されず、たとえば、テトラブチルホスホニウムクロリド、ベンジルトリフェニルホスホニウムクロリド(以下、BTPPCとする)、ベンジルトリメチルホスホニウムクロリド、ベンジルトリブチルホスホニウムクロリド、トリブチルアリルホスホニウムクロリド、トリブチル−2−メトキシプロピルホスホニウムクロリド、ベンジルフェニル(ジメチルアミノ)ホスホニウムクロリドなどをあげることができ、これらの中でも、加硫性、加硫物の物性の点から、ベンジルトリフェニルホスホニウムクロリド(BTPPC)が好ましい。
また、第4級アンモニウム塩、第4級ホスホニウム塩とビスフェノールAFの固溶体、特開平11−147891号公報に開示されている化合物を用いることもできる。
また、アミン化合物としては、たとえば、ヘキサメチレンジアミンカーバメート、N,N’−ジシンナミリデン−1,6−ヘキサメチレンジアミン、4,4’−ビス(アミノシクロヘキシル)メタンカルバメートなどがあげられる。これらの中でも、N,N’−ジシンナミリデン−1,6−ヘキサメチレンジアミンが好ましい。
オニウム塩のみを用いる場合のオニウム塩の配合量としては、フッ素ゴム100質量部に対して、0.1〜5.0質量部が好ましく、0.2〜2質量部がより好ましく、0.3〜1.5質量部がさらに好ましい。オニウム塩の配合量が、0.1質量部未満であると加硫速度が遅くなるため生産性が悪くなる、あるいは他材との接着力が劣る傾向があり、5.0質量部をこえると加硫速度が速くなりすぎるためスコーチや成形不良が発生しやすくなる、あるいは圧縮永久ひずみが悪くなる傾向がある。
アミン化合物のみを用いる場合のアミン化合物の配合量としては、フッ素ゴム100質量部に対して、0.1〜10.0質量部が好ましく、0.2〜8質量部がより好ましく、1.0〜8.0質量部がさらに好ましい。オニウム塩の配合量が、0.1質量部未満であると加硫速度が遅くなるため生産性が悪くなる、あるいは他材との接着力が劣る傾向があり、10.0質量部をこえると加硫速度が速くなりすぎるためスコーチや成形不良が発生しやすくなる、あるいは圧縮永久ひずみが悪くなる傾向がある。
オニウム塩とアミン化合物を併用して配合する場合は、加硫速度、耐スコーチ性、圧縮永久歪み、他材との接着性等を考慮したうえで任意に配合できるが、好ましくはオニウム塩とアミン化合物の合計量がフッ素ゴム100質量部に対して、0.1〜10.0質量部である。
またオニウム塩としては、式(1)〜(3)の化合物、
式(1):
Figure 2008139967
(式中、R1、R2、R3は、それぞれ同じかまたは異なり、水素原子、または炭素数1〜30の1価の有機基であり、X1-は1価の陰イオンである)
で示される化合物、
式(2):
Figure 2008139967
(式中、nは、0〜50の整数である)
で示される1,8−ジアゾビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7とフェノール樹脂との塩、および
式(3):
Figure 2008139967
で示される1,8−ジアゾビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7と3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸との塩があげられる。
式(1)中の、R1、R2、R3は、それぞれ同じかまたは異なり、水素原子、または炭素数1〜30の1価の有機基であるが、炭素数1〜30の1価の有機基としては、特に限定されるものではないが、脂肪族炭化水素基、フェニル基などのアリール基、またはベンジル基があげられる。具体的には、たとえば、−CH3、−C25、−C37などの炭素数1〜30のアルキル基;−CX4 3、−C24 5、−CH24、−CH2CX4 3、−CH224 5などの炭素数1〜30のハロゲン原子含有アルキル基(X4は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子);フェニル基;ベンジル基;−C65、−CH265などのフッ素原子で1〜5個の水素原子が置換されたフェニル基またはベンジル基;−C65-n(CF3n、−CH265-n(CF3n(nは1〜5の整数)などの−CF3で1〜5個の水素原子が置換されたフェニル基またはベンジル基などがあげられる。また、
Figure 2008139967
のように、窒素原子を含んでいてもよい。
これらのうち、非フッ素ゴム組成物から形成される非フッ素ゴム層との接着性が良好な点から、R1、R2、R3としては、炭素数1〜20のアルキル基、ベンジル基が好ましい。
式(1)中のX1-は、1価の陰イオンであり、ハロゲンイオン(F-、Cl-、Br-、I-)、OH-、RO-、RCOO-、C65-、SO4 2-、SO3 2-、SO2 -、RSO3 2-、CO3 2-、NO3 -(Rは1価の有機基)などがあげられるが、これらの中でも、Cl-が好ましい。
これらの中でも、式(1)としては、非フッ素ゴム組成物から形成される非フッ素ゴム層との接着性が良好な点から、
Figure 2008139967
で示される化合物であることが好ましい。
式(2)中のnは、0〜50の整数であるが、フッ素ゴムとの混練り時の分散性の点から、0〜10の整数であることがより好ましく、1〜5の整数であることがさらに好ましい。
本発明におけるフッ素ゴムは、さらに加硫剤を配合してなるものであってもよい。また、加硫促進剤、加硫助剤、共加硫剤を加硫剤とともに用いることもできる。
加硫剤、加硫助剤、共加硫剤および加硫促進剤は、フッ素ゴムを加硫するために用いられるものである。ここで、加硫とは、加硫剤によりフッ素ゴムの同一または異なるポリマー鎖同士を加硫するものであり、このように加硫することにより、前記フッ素ゴムは、引張り強さが向上し、良好な弾性を有するものとなる。
本発明で用いられる加硫系は、フッ素ゴムに加硫性基(キュアサイト)が含まれる場合は、キュアサイトの種類によって、または得られる積層体等の用途により適宜選択すればよい。架橋系としてはポリアミン架橋系、ポリオール架橋系、パーオキサイド架橋系、イミダゾール架橋系、トリアジン架橋系、オキサゾール架橋系、チアゾール架橋系のいずれも採用できる。
加硫剤としては、ポリオール系加硫剤、パーオキサイド系加硫剤、ポリアミン系加硫剤、イミダゾール架橋系加硫剤、トリアジン架橋系加硫剤、オキサゾール架橋系加硫剤、およびチアゾール架橋系加硫剤のいずれも採用でき、単独で使用または併用しても良い。
ここで、ポリオール系加硫剤により加硫してなる加硫フッ素ゴムは、圧縮永久歪みが小さく、耐熱性に優れているという特徴がある。
パーオキサイド系加硫剤により加硫してなる加硫フッ素ゴムは、ポリオール系加硫およびポリアミン系加硫に比べて、耐薬品性および耐スチーム性に優れているという特徴がある。
ポリアミン系加硫剤により加硫してなる加硫フッ素ゴムは、動的機械特性に優れているという特徴がある。しかし、ポリオール系加硫剤またはパーオキサイド系加硫剤を用いて加硫した加硫フッ素ゴムに比べて、圧縮永久歪みが大きくなる傾向がある。
なお、本発明のフッ素ゴム組成物としては、非フッ素ゴム層との接着性の点から、ポリオール系加硫剤を用いることが好ましい。
本発明における加硫剤は、一般的にフッ素ゴム用として知られているポリアミン系、ポリオール系、パーオキサイド系の加硫剤を使用することができる。
ポリオール系加硫剤としては、従来、フッ素ゴムの加硫剤として知られている化合物を用いることができ、たとえば、ポリヒドロキシ化合物、特に、耐熱性に優れる点からポリヒドロキシ芳香族化合物が好適に用いられる。
前記ポリヒドロキシ芳香族化合物としては、特に限定されず、たとえば、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(以下、ビスフェノールAという)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)パーフルオロプロパン(以下、ビスフェノールAFという)、レゾルシン、1,3−ジヒドロキシベンゼン、1,7−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、4,4’−ジヒドロキシジフェニル、4,4’−ジヒドロキシスチルベン、2,6−ジヒドロキシアントラセン、ヒドロキノン、カテコール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン(以下、ビスフェノールBという)、4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)吉草酸、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)テトラフルオロジクロロプロパン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルケトン、トリ(4−ヒドロキシフェニル)メタン、3,3’,5,5’−テトラクロロビスフェノールA、3,3’,5,5’−テトラブロモビスフェノールAなどがあげられる。これらのポリヒドロキシ芳香族化合物は、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩などであってもよいが、酸を用いて共重合体を凝析した場合は、前記金属塩は用いないことが好ましい。
これらの中でも、加硫フッ素ゴムの圧縮永久歪みが小さく、成形性に優れているという点から、ポリヒドロキシ化合物が好ましく、耐熱性が優れることからポリヒドロキシ芳香族化合物がより好ましく、ビスフェノールAFがさらに好ましい。
ポリオール加硫剤の配合量としては、フッ素ゴム100質量部に対して、0.2〜10質量部が好ましく、0.5〜6質量部がより好ましく、1〜3質量部がさらに好ましい。加硫剤が、0.2質量部未満であると、架橋密度が低くなり圧縮永久歪みが大きくなる傾向があり、10質量部をこえると、架橋密度が高くなりすぎるため、圧縮時に割れやすくなる傾向がある。
また、ポリオール系加硫剤と併用して、加硫促進剤を用いることが好ましい。加硫促進剤を用いると、フッ素ゴム主鎖の脱フッ酸反応における分子内二重結合の形成を促進することにより加硫反応を促進することができる。
ポリオール系加硫促進剤としては、特に限定されないが、前記オニウム塩を用いることができる。なかでも第4級アンモニウム塩、第4級ホスホニウム塩が好ましく、DBU―Bおよび/またはBTPPCを単独または併用、さらに他のオニウム塩と併用して用いることが適度な加硫速度、成型品の常態物性および圧縮永久歪みが良好である点からさらに好ましい。
パーオキサイド系加硫の加硫剤としては、有機過酸化物があげられ、一般には熱や酸化還元系の存在下で容易にパーオキシラジカルを発生するものがよく、たとえば1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジヒドロキシパーオキド、ジ−t−ブチルパーオキシド、t−ブチルクミルパーオキシド、ジクミルパーオキシド、α,α'−ビス(t−ブチルパーオキシ)−p−ジイソプロピルベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、ベンゾイルパーオキシド、t−ブチルパーオキシベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシマレイン酸、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネートなどを例示することができる。そのなかでも好ましいものはジアルキル化合物である。一般に活性−O=O−の量、分解温度などから種類ならびに使用量が選ばれる。使用量は通常、フッ素ゴム100質量部に対して0.1〜15質量部であるが、好ましくは0.3〜5質量部である。
有機過酸化物を使用する場合は、加硫助剤や共加硫剤を併用してもよい。この加硫助剤または共加硫剤は、パーオキシラジカルおよびポリマーラジカルに対して反応活性を有する化合物であればよく、たとえば、CH2=CH−、CH2=CHCH2−、CF2=CF−などの官能基を有する多官能性化合物があげられる。具体的には、たとえば、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート(TAIC)、トリメタアリルイソシアヌレート、TAICプレポリマー、トリアクリルホルマール、トリアリルトリメリテート、N,N′−n−フェニレンビスマレイミド、ジプロパギルテレフタレート、ジアリルフタレート、テトラアリルテレフタレートアミド、トリアリルホスフェート、ビスマレイミド、フッ素化トリアリルイソシアヌレート(1,3,5−トリス(2,3,3−トリフルオロ−2−プロペニル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリオン)、トリス(ジアリルアミン)−S−トリアジン、亜リン酸トリアリル、N,N−ジアリルアクリルアミド、1,6−ジビニルドデカフルオロヘキサン、ヘキサアリルホスホルアミド、N,N,N′,N′−テトラアリルテトラフタラミド、N,N,N′,N′−テトラアリルマロンアミド、トリビニルイソシアヌレート、2,4,6−トリビニルメチルトリシロキサン、トリ(5−ノルボルネン−2−メチレン)シアヌレート、トリアリルホスファイトなどがあげられる。これらの中でも、加硫性、加硫物の物性の点から、トリアリルイソシアヌレート(TAIC)が好ましい。
パーオキサイド系加硫助剤や共加硫剤の配合量としては、フッ素ゴム100質量部に対して、0.2〜10質量部が好ましく、0.5〜6質量部がより好ましく、1〜5質量部がさらに好ましい。加硫剤が、0.2質量部未満であると、架橋密度が低くなり圧縮永久歪みが大きくなる傾向があり、10質量部をこえると、架橋密度が高くなりすぎるため、圧縮時に割れやすくなる傾向がある。
また、必要に応じてフッ素ゴム中に配合される通常の添加物、たとえば充填剤、加工助剤、可塑剤、着色剤、安定剤、接着助剤、受酸剤、離型剤、導電性付与剤、熱伝導性付与剤、表面非粘着剤、柔軟性付与剤、耐熱性改善剤、難燃剤などの各種添加剤を配合することができ、前記のものとは異なる常用の加硫剤や加硫促進剤を1種またはそれ以上配合してもよい。
本発明におけるフッ素ゴム層は、フッ素ゴム、オニウム塩および/またはアミン化合物、加硫剤、加硫助剤、共加硫剤、加硫促進剤、充填材などのその他配合剤を、一般に使用されているゴム混練り装置を用いて混練りすることにより得られる。ゴム混練り装置としては、ロール、ニーダー、バンバリーミキサー、インターナルミキサー、二軸押し出し機などを用いることができる。
特に、加硫剤としてポリオール系加硫剤を用いる場合には、加硫剤・加硫促進剤の融点が比較的高い場合が多く、ゴム中に均一に分散させるために、加硫剤・加硫促進剤をニーダーなどの密閉型の混練り装置を用いて120〜200℃の高温で溶融させながら混練りした後に、充填材などのその他配合剤をこれ以下の比較的低温で混練りする方法が好ましい。また、加硫剤と加硫促進剤を一旦溶融させ融点降下を起こさせた固溶体を用いて均一分散させる方法もある。
さらに一度フッ素ゴム、加硫剤、加硫助剤、共加硫剤、必要に応じて、加硫促進剤、充填材などのその他配合剤を混練りした後に、室温にて12時間以上置いた後に再度混練りすることで、さらに分散性を高めることができる。
また本発明におけるフッ素ゴム層は、未加硫ゴムのもの、または加硫させたもののいずれでも用いることができる。
非フッ素ゴム層における非フッ素ゴムとしては、特に限定されるものではないが、ポリ塩化ビニル、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ポリクロロプレン、エチレン−プロピレン−ターモノマー共重合体、塩素化ポリスチレン、クロルスルホン化ポリスチレン、シリコーンゴム、ブチルゴム、エピクロルヒドリンゴム、アクリル系ゴム、エチレン−酢酸ビニル共重合体、α,β−不飽和ニトリル−共役ジエン系共重合体ゴムまたはその水素化物があげられるが、これらの中でも、耐熱性、耐油性、耐候性、押し出し成型性の点から、アクリロニトリル−ブタジエンゴムを含むことが好ましく、ポリ塩化ビニルとアクリロニトリル−ブタジエンゴムとの混合物であることが好ましい。
また、非フッ素ゴムは、フッ素ゴムとの接着性が良好である点からパーオキサイド加硫可能なゴムであることが好ましい。
また、他材との接着力向上の点から、前記非フッ素ゴム中にオニウム塩、アミン化合物、エポキシ樹脂よりなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物が配合される。これらの中で、接着力が向上できる点で、非フッ素ゴム中にエポキシ樹脂が配合されることが好ましい。オニウム塩およびアミン化合物としては特に限定されず、たとえば、第4級アンモニウム塩、第4級ホスホニウム塩、オキソニウム塩、スルホニウム塩、環状アミン、1官能性アミン化合物、2官能性アミン化合物などがあげられる。フッ素ゴム層との接着性の点から、好ましくは前記フッ素ゴム中に配合されるアミン化合物および/またはオニウム塩、テトラn−ブチルホスホニウムベンゾトリアゾレート(以下、ゼオネットともいう)であり、より好ましくは、N,N−ジシンナミリデン−1,6−ヘキサメチレンジアミンおよび/またはゼオネットである。
エポキシ樹脂の配合量は、非フッ素ゴム100質量部に対して、0.1〜20質量部が好ましく、0.5〜15質量部がより好ましく、1〜10質量部がさらに好ましい。エポキシ樹脂の配合量が0.1質量部未満であると、他材との接着力が低下する傾向がある。一方、エポキシ樹脂の配合量が10質量部をこえると、非フッ素ゴム層の柔軟性が損なわれる傾向がある。
また、エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、多官能エポキシ樹脂等があげられる。これらのうちビスフェノールA型エポキシ樹脂には、式(10):
Figure 2008139967
で表わされる化合物等があげられる。ここで、式(10)において、nは0.1〜3が好ましく、0.1〜0.5がより好ましく、0.1〜0.3がさらに好ましい。nが0.1未満であると、他材との接着力が低下する傾向がある。一方、nが3をこえると、粘度が高くなり、ゴム中での均一な分散が困難になる傾向がある。
エポキシ樹脂の配合量は、非フッ素ゴム100質量部に対して、0.1〜20質量部が好ましく、0.5〜15質量部がより好ましく、1〜10質量部がさらに好ましい。エポキシ樹脂の配合量が0.1質量部未満であると、他材との接着力が低下する傾向がある。一方、エポキシ樹脂の配合量が10質量部をこえると、非フッ素ゴム層の柔軟性が損なわれる傾向がある。
加硫剤としては、通常の非フッ素ゴムに使用される加硫剤であれば全て使用できる。たとえば、イオウ系加硫剤、パーオキサイド系加硫剤、ポリチオール系加硫剤、キノイド系加硫剤、樹脂系加硫剤、金属酸化物、ジアミン系加硫剤、ポリチオール類、2−メルカプトイミダゾリンなどの加硫剤があり、なかでもパーオキサイド系加硫剤などが接着特性の点から好ましい。
非フッ素ゴム組成物中に配合される加硫剤の配合量としては、非フッ素ゴム100質量部に対して、0.2〜10質量部が好ましく、0.5〜8質量部がより好ましい。加硫剤が、0.2質量部未満であると、加硫密度が低くなり圧縮永久歪みが大きくなる傾向があり、10質量部をこえると、加硫密度が高くなりすぎるため、圧縮時に割れやすくなる傾向がある。
また、非フッ素ゴム組成物には、非フッ素ゴム、加硫剤のほかに、加硫促進剤などを含むことができ、さらに、その他必要に応じて受酸剤、補強剤、充填剤、可塑剤、老化防止剤などの当該技術分野において常用される酸合剤が添加できる。
非フッ素ゴム組成物は、一般に使用されているゴム混練り装置を用いて混練りすることにより得られる。
本発明の積層体の積層方法は、フッ素ゴム組成物と、非フッ素ゴム組成物を、押出機により2層同時押出し、または2基の押出機により内側層上に外側層を押出しすることにより内側層と外側層からなる積層体を押出機により押出して一体化し、ついで加硫接着させて製造することができる。
加硫条件としては、使用する加硫剤などの種類により適宜決めればよいが、通常、150〜300℃の温度で、1分〜24時間焼成を行う。
また、加硫方法としては、スチーム加硫など通常用いられている方法はもちろんのこと、常圧、加圧、減圧下においても、また、空気中においても、どのような条件下においても加硫反応を行うことができる。
また、本発明は、オニウム塩および/またはアミン化合物を配合した加硫可能なフッ素ゴム組成物をフッ素樹脂の溶融条件下で動的架橋させ、その少なくとも一部が架橋された架橋フッ素ゴムとする熱可塑性重合体組成物の層と、オニウム塩、アミン化合物、エポキシ樹脂よりなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物を配合した非フッ素ゴム層とを加硫接着させる積層体の製造方法にも関する。
加硫可能なフッ素ゴム組成物に配合されるオニウム塩および/またはアミン化合物および非フッ素ゴム層に配合されるオニウム塩、アミン化合物、エポキシ樹脂よりなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物の具体例としては、前記と同じものがあげられる。
フッ素樹脂としては、特に限定されるものではないが、少なくとも1種の含フッ素エチレン性重合体(b)を含むフッ素樹脂であることが好ましい。含フッ素エチレン性重合体(b)は少なくとも1種の含フッ素エチレン性単量体由来の構造単位を有することが好ましい。上記含フッ素エチレン性単量体としては、例えば、TFE、式(11):
CF2=CF−Rf 2 (11)
(式中、Rf 2は、−CF3または−ORf 3であり、Rf 3は、炭素数1〜5のパーフルオロアルキル基である)
で表されるパーフルオロエチレン性不飽和化合物などのパーフルオロオレフィン;CTFE、トリフルオロエチレン、ヘキサフルオロイソブテン、VdF、フッ化ビニル、式(12):
CH2=CY3(CF2n4 (12)
(式中、Y3は、水素原子またはフッ素原子であり、Y4は、水素原子、フッ素原子または塩素原子であり、nは、1〜10の整数である)
などのフルオロオレフィンなどをあげることができる。
また、含フッ素エチレン性重合体(b)は前記含フッ素エチレン性単量体と共重合可能な単量体由来の構造単位を有してもよく、このような単量体としては、上記フルオロオレフィン、パーフルオロオレフィン以外の非フッ素エチレン性単量体をあげることができる。非フッ素エチレン性単量体としては、例えば、エチレン、プロピレン、またはアルキルビニルエーテル類などをあげることができる。ここで、アルキルビニルエーテルは、炭素数1〜5のアルキル基を有するアルキルビニルエーテルをいう。
これらの中でも、得られるフッ素樹脂組成物の耐熱性・耐薬品性・耐油性が優れ、かつ成形加工性が容易になる点から、含フッ素エチレン性重合体(b)は、
(b−1)TFEとエチレンからなるエチレン−TFE共重合体(ETFE共重合体)、
(b−2)TFEと一般式(13)
CF2=CF−Rf 1 (13)
(式中、Rf 1は、−CF3または−ORf 2であり、Rf 2は、炭素数1〜5のパーフルオロアルキル基である)
で表されるパーフルオロエチレン性不飽和化合物からなるTFE−PAVE共重合体(PFA)またはTFE−HFP共重合体(FEP)、
(b−3)TFE、エチレンおよび一般式(13)で表されるパーフルオロエチレン性不飽和化合物からなるエチレン−TFE−HFP共重合体(Et−TFE−HFP共重合体)、エチレン−TFE−PAVE共重合体、
(b−4)ポリフッ化ビニリデン(PVDF)
のいずれかであることが好ましく、(b−1)、(b−2)で表される含フッ素エチレン性重合体であることが好ましい。
次に(b−1)、(b−2)の好ましい含フッ素エチレン性重合体について説明する。
(b−1)ETFE
ETFEの場合、上述の作用効果に加えて、力学物性や燃料バリア性が発現する点で好ましい。TFE単位とエチレン単位との含有モル比は20:80〜90:10が好ましく、62:38〜90:10がより好ましく、63:37〜80:20が特に好ましい。また、第3成分を含有していてもよく、第3成分としてはTFEおよびエチレンと共重合可能なものであればその種類は限定されない。第3成分としては、通常、下記式
CH2=CY5f 4、CF2=CFRf 4、CF2=CFORf 4、CH2=C(Rf 42
(式中、Y5は水素原子またはフッ素原子、Rf 4はエーテル結合性酸素原子を含んでいてもよいフルオロアルキル基を表す)
で示されるモノマーが用いられ、これらの中でも、CH2=CY5f 4で示される含フッ素ビニルモノマーがより好ましく、Rf 4の炭素数が1〜8のモノマーが特に好ましい。
前記式で示される含フッ素ビニルモノマーの具体例としては、1,1−ジヒドロパーフルオロプロペン−1、1,1−ジヒドロパーフルオロブテン−1、1,1,5−トリヒドロパーフルオロペンテン−1、1,1,7−トリヒドロパーフルオロへプテン−1、1,1,2−トリヒドロパーフルオロヘキセン−1、1,1,2−トリヒドロパーフルオロオクテン−1、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチルビニルエーテル、パーフルオロ(メチルビニルエーテル)、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)、ヘキサフルオロプロペン、パーフルオロブテン−1、3,3,3−トリフルオロ−2−(トリフルオロメチル)プロペン−1、2,3,3,4,4,5,5−ヘプタフルオロ−1−ペンテン(CH2=CFCF2CF2CF2H)があげられる。
第3成分の含有量は、含フッ素エチレン性重合体(b)に対して0.1〜10モル%が好ましく、0.1〜5モル%がより好ましく、0.2〜4モル%が特に好ましい。
(b−2)PFAまたはFEP
PFAまたはFEPの場合、上述の作用効果においてとりわけ耐熱性が優れたものとなり、また上述の作用効果に加えて優れた燃料バリア性が発現する点で好ましい。TFE単位90〜99モル%と一般式(13)で表されるパーフルオロエチレン性不飽和化合物単位1〜10モル%からなる含フッ素エチレン性重合体(c)であることがより好ましい。また、TFEおよび一般式(13)で表されるパーフルオロエチレン性不飽和化合物からなる含フッ素エチレン性重合体(b)は、第3成分を含有していてもよく、第3成分としてはTFEおよび一般式(13)で表されるパーフルオロエチレン性不飽和化合物と共重合可能なものであればその種類は限定されない。
また、含フッ素エチレン性重合体(b)の融点は、150〜310℃であることが好ましく、150〜290℃であることがより好ましく、170〜250℃であることがさらに好ましい。含フッ素エチレン性重合体(b)の融点が、150℃未満であると、得られるフッ素樹脂組成物の耐熱性が低下する傾向があり、310℃を超えると、フッ素樹脂(B)の溶融状態で、フッ素ゴム組成物を動的に架橋する場合、含フッ素エチレン性重合体(b)の融点以上に溶融温度を設定する必要があるが、その際にフッ素ゴム組成物が熱劣化する傾向がある。
フッ素樹脂/架橋フッ素ゴムの質量比は、98/2〜40/60であることが好ましく、95/5〜50/50質量部であることがより好ましく、83/17〜50/50質量部であることがさらに好ましい。フッ素樹脂の質量比が98/2より多くなると充分な柔軟性が付与できない傾向があり、40/60より少なくなると架橋フッ素ゴムが均一に分散せず一部共連続となり組成物自体が著しく機械強度低下したり、流動性が著しく低下する傾向がある。
本発明のフッ素樹脂組成物は、溶融状態のフッ素樹脂中にオニウム塩および/またはアミン化合物を含むフッ素ゴムを動的に架橋させることにより、フッ素樹脂中でフッ素ゴムの少なくとも一部が架橋された架橋フッ素ゴムとすることができ、フッ素樹脂中に架橋フッ素ゴムを均一に分散させることができる。
ここで、動的に架橋処理するとは、バンバリーミキサー、加圧ニーダー、押出機等を使用して、フッ素樹脂の溶融条件下でフッ素ゴム組成物を溶融混練と同時に動的に架橋させることをいう。これらの中でも、高剪断力を加えることができる点で、二軸押出機等の押出機を用いることが好ましい。
また、溶融状態とは、フッ素樹脂が溶融する温度下での状態を意味する。溶融する温度は、フッ素樹脂のガラス転移温度および/または融点により異なるが、120〜330℃であることが好ましく、130〜320℃であることがより好ましい。温度が、120℃未満であると、フッ素樹脂とフッ素ゴム組成物の間の分散が粗大化する傾向があり、330℃をこえると、フッ素ゴム組成物が熱劣化する傾向がある。
得られたフッ素樹脂組成物は、フッ素樹脂が連続相を形成し、かつ架橋フッ素ゴムが分散相を形成する構造、またはフッ素樹脂と架橋フッ素ゴムが共連続を形成する構造を有することができるが、その中でも、フッ素樹脂が連続相を形成しかつ架橋フッ素ゴムが分散相を形成する構造を有することが好ましい。
フッ素ゴム組成物が、分散当初マトリックスを形成していた場合でも、架橋反応の進行に伴い、フッ素ゴム組成物が架橋フッ素ゴムとなることで溶融粘度が上昇し、架橋フッ素ゴムが分散相になるものであっても、また、フッ素樹脂との共連続相を形成するものであってもよい。
このような構造を形成すると、本発明のフッ素樹脂組成物は、優れた耐熱性、耐薬品性および耐油性を示すと共に、非フッ素ゴム層との良好な接着性を有することとなる。その際、架橋フッ素ゴムの平均分散粒子径は、0.01〜30μmであることが好ましい。平均分散粒子径が、0.01μm未満であると、流動性が低下し、成型性が悪くなる。また、30μmをこえると、得られるフッ素樹脂組成物の強度が低下する傾向がある。
また、本発明のフッ素樹脂組成物は、その好ましい形態であるフッ素樹脂が連続相を形成し、かつ架橋フッ素ゴムが分散相を形成する構造の一部に、フッ素樹脂と架橋フッ素ゴムとの共連続構造を含んでいても良い。
本発明の積層体は、本発明の製造方法から形成されるフッ素ゴム層を用いるため、非フッ素ゴム組成物から形成される非フッ素ゴム層との密着性に優れ、耐薬品性、耐油性、耐熱性、耐寒性を兼ね備える積層体であり、ホースとして有用であり、特には自動車のエンジンならびに周辺装置、AT装置、燃料系統ならびに周辺装置などのホースとして有用なものである。
本発明の製造方法により得られる積層体の用途としては特に限定されず、たとえば、自動車用エンジンのエンジン本体、主運動系、動弁系、滑剤・冷却系、燃料系、吸気・排気系;駆動系のトランスミッション系;シャーシのステアリング系;ブレーキ系;電装品の基本電装部品、制御系電装部品、装備電装部品などの、耐熱性・耐油性・燃料油耐性・エンジン冷却用不凍液耐性・耐スチーム性が要求されるガスケットや非接触型および接触型のパッキン類(セルフシールパッキン、ピストンリング、割リング形パッキン、メカニカルシール、オイルシールなど)などのシール材などがあげられる。
自動車用エンジンのエンジン本体に用いられるシール材としては、特に限定されないが、たとえば、シリンダーヘッドガスケット、シリンダーヘッドカバーガスケット、オイルパンパッキン、一般ガスケットなどのガスケット、Oリング、パッキン、タイミングベルトカバーガスケットなどのシール材などがあげられる。
自動車用エンジンの主運動系に用いられるシール材としては、特に限定されるものではないが、たとえば、クランクシャフトシール、カムシャフトシールなどのシャフトシールなどがあげられる。
自動車用エンジンの動弁系に用いられるシール材としては、特に限定されるものではないが、たとえば、エンジンバルブのバルブステムオイルシールなどがあげられる。
自動車用エンジンの滑剤・冷却系に用いられるシール材としては、特に限定されるものではないが、たとえば、エンジンオイルクーラーのシールガスケットなどがあげられる。
自動車用エンジン燃料系に用いられるシール材としては、特に限定されるものではないが、たとえば、燃料ポンプのオイルシール、燃料タンクのフィラーシール、タンクパッキンなど、燃料チューブのコネクターOリンクなど、燃料噴射装置のインジェクタークッションリング、インジェクターシールリング、インジェクターOリングなど、キャブレターのフランジガスケットなどがあげられる。
自動車用エンジンの吸気・排気系に用いられるシール材としては、特に限定されるものではないが、たとえば、マニホールドの吸気マニホールドパッキン、排気マニホールドパッキン、スロットルのスロットルボディパッキン、ターボチャージのタービンシャフトシールなどがあげられる。
自動車用エンジンのトランスミッション系に用いられるシール材としては、特に限定されるものではないが、たとえば、トランスミッション関連のベアリングシール、オイルシール、Oリング、パッキンなど、オートマチックトランスミッションのOリング、パッキン類などがあげられる。
自動車用エンジンのブレーキ系に用いられるシール材としては、特に限定されるものではないが、たとえば、オイルシール、Oリング、パッキンなど、マスターシリンダーのピストンカップ(ゴムカップ)など、キャリパーシール、ブーツ類などがあげられる。
自動車用エンジンの装備電装品に用いられるシール材としては、特に限定されるものではないが、たとえば、カーエアコンのOリング、パッキンなどがあげられる。
自動車用以外の用途としては、特に限定されず、たとえば、船舶、航空機などの輸送機関における耐油、耐薬品、耐熱、耐スチームまたは耐候用のパッキン、Oリング、その他のシール材;化学プラントにおける同様のパッキン、Oリング、シール材;食品プラント機器および食品機器(家庭用品を含む)における同様のパッキン、Oリング、シール材;原子力プラント機器における同様のパッキン、Oリング、シール材;一般工業部品における同様のパッキン、Oリング、シール材などがあげられる。
本発明の成形品は上述の各種用途に好適に用いることができ、特に工業用ホース、工業用チューブ、燃料用ホース、燃料チューブとして好適である。
つぎに本発明を実施例をあげて説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
(標準加硫条件)
混練方法 :ロール練り
プレス加硫 :170℃で20分
表および明細書中の各商品名は、それぞれ次に示すものである。
FKM1:ポリオール加硫可能な3元フッ素ゴム(フッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン=58/20/22モル%)。ムーニー粘度ML1+10(100℃)は約47。
FKM2:ポリオール加硫可能な3元フッ素ゴム(フッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン=50/20/30モル%)。ムーニー粘度ML1+10(100℃)は約85。
GP21:ビスフェノールAFとBTPPCの溶融混合物(質量比2対1)
BIS−AF:ビスフェノールAF(加硫剤)
DBU−B:8−ベンジル−1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセニウムクロリド(加硫促進剤)
MTカーボン(N990):カーボンブラック(Cancarb社製)
CALDIC2000:水酸化カルシウム(近江化学工業(株)製)
キョーワマグ150:高活性酸化マグネシウム(協和化学工業(株)製)
キュアゾールSFZ:1−ドデシル−2−メチル−3−ベンジルイミダゾリウムクロリド(四国化成工業(株)製)
DA500:1,8−ジアゾビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7と3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸との塩(ダイソー(株)製)
P152:1,8−ジアゾビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7とフェノール樹脂との塩(ダイソー(株)製)
EP610:テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体(ダイキン工業(株)製)
NBR:アクリロニトリル−ブタジエンゴム(N530 JSR(株)製)からなるゴム組成物(ゴム100質量部に対して、カーボンブラック 43質量部、酸化亜鉛 7質量部、湿式シリカ 21質量部、ステアリン酸 1.4質量部、老化防止剤 3質量部、可塑剤 21質量部、過酸化物 3質量部)
PVC:ポリ塩化ビニルTK−2500PE(信越化学工業(株)製)
ゼオネット:テトラn−ブチルホスホニウムベンゾトリアゾレート(東京材料(株)製)
エピコート:エピコート828、エポキシ樹脂(式(10))(ジャパンエポキシレジン(株)製)
Figure 2008139967
(式中、nは0.1である)
V−3:N,N−ジシンナミリデン−1,6−ヘキサメチレンジアミン(ダイキン工業(株)製)
製造例1(フッ素ゴム層1および2の製造)
内容積3リットルの加圧型ニーダーのジャケットをヒーターで100℃に加熱しながら、FKM1を4kg徐々に投入し、その後にBIS−AFを88g、DBU−Bを22.4g投入し、12分間混練りし、プレコンパウンド1を調製した。3分間混練りごとにローターを停止して加圧蓋を解放し、ローター逆回転にてゴムの上下を入れ替え、再度加圧して混練りすることを繰り返した。混練り終了直後のゴム温度は152℃であった。ローターの回転数は、前ブレード33rpm、後ブレード22rpmとした。
さらに、得られたプレコンパウンド1にMTカーボン(N990)、CALDIC2000、キョーワマグ150、キュアゾールSFZ(フッ素ゴム層2のみ配合)を、表2の配合比になるように添加し、8インチロール2本を備えた練りロール機を用いて通常の方法で、25〜70℃で混練りした。これを室温にて約20時間置いた後に再度同じロール機にて混練りし、最終的に約1.2mmの厚みにシーティングして未加硫ゴムシートを取り出した。
さらに、得られるシートが厚み1mmになるように金属製スペーサーを入れた金型で170℃で20分プレス加硫し、厚み1mmのフッ素ゴムシートを得た(フッ素ゴム層1および2)。
製造例2(フッ素ゴム層3および4の製造)
FKM1をFKM2に代え、BIS−AF量を80g、DBU−B量を22.0gに変更した以外は、製造例1と同様の方法にて混練りを繰り返し、プレコンパウンド2を調製した。混練り終了直後のゴム温度は160℃であった。
さらに、得られたプレコンパウンド2にMTカーボン(N990)、CALDIC2000、キョーワマグ150、DA500(フッ素ゴム層3のみ配合)、P152(フッ素ゴム層4のみ配合)を、表2の配合比になるように添加し、製造例1と同様の方法にてシーティングして未加硫ゴムシートを取り出した。
さらに、得られるシートが厚み1mmになるように金属製スペーサーを入れた金型で170℃で20分プレス加硫し、厚み1mmのフッ素ゴムシートを得た(フッ素ゴム層3および4)。
得られたプレコンパウンド1および2の各組成を表1に、フッ素ゴム層1〜4の各組成を表2に示す。
Figure 2008139967
Figure 2008139967
製造例3(FKMフルコンパウンド1および2の製造)
FKM1を4kg用い、BIS−AFとDBU−Bに代えてGP21の配合量を120.0gに変更した以外は、製造例1と同様の方法にて混練りを繰り返し、プレコンパウンド3を調製した。混練り終了直後のゴム温度は150℃であった。
さらに、得られたプレコンパウンド3にキョーワマグ150、DA500(FKMフルコンパウンド2のみ配合)を、表4の配合比になるように添加し、8インチロール2本を備えた練りロール機を用いて通常の方法で、25〜70℃で混練りした。これを室温にて約20時間置いた後に再度同じロール機にて混練りして未加硫ゴム(FKMフルコンパウンド1および2)を取り出した。
製造例4(FKMフルコンパウンド3および4の製造)
FKM1をFKM2に変更した以外は、製造例3と同様の方法にて混練りを繰り返し、プレコンパウンド4を調製した。混練り終了直後のゴム温度は151℃であった。
さらに、得られたプレコンパウンド4にキョーワマグ150、DA500(FKMフルコンパウンド4のみ配合)を、表4の配合比になるように添加し、製造例3記載の方法で未加硫ゴム(FKMフルコンパウンド3および4)を取り出した。
製造例5(FKMフルコンパウンド5および6の製造)
製造例3のプレコンパウンド3の調製において、GP21に代えてBIS−AF、DBU−Bおよびキョーワマグ150を添加した以外は、製造例3と同様の方法にて混練りを繰り返し、プレコンパウンド5を調製した。混練り終了直後のゴム温度は145℃であった。
さらに、得られたプレコンパウンド5にキョーワマグ150、DA500(FKMフルコンパウンド6のみ配合)を、表4の配合比になるように添加し、製造例3記載の方法で未加硫ゴム(FKMフルコンパウンド5および6)を取り出した。
得られたプレコンパウンド3〜5の各組成を表3に、FKMフルコンパウンド1〜6を表4に示す。
Figure 2008139967
Figure 2008139967
製造例6(フッ素樹脂層1〜6の製造)
EP610とFKMフルコンパウンド1〜6をラボプラストミル((株)東洋精機製作所製)を用いて混練した。混練するEP610とFKMフルコンパウンド1〜6は、それらの合計体積が、ラボプラストミルの混練部全容積の77体積%となるように全量を調整し、ラボプラストミルの温度は、組成物に用いたEP610の融点(220℃)より40℃高い温度(260℃)に設定した。ラボプラストミルの温度が安定した後、EP610、FKMフルコンパウンド1〜6を表5記載の配合にて添加し、添加後即、撹拌数を80rpmに上昇させた。トルクが最大の値を示した時点(キュラストII型のT90に対応する)から、10分後まで撹拌し、EP610とFKMフルコンパウンド1〜6の動的加硫組成物を得た。
さらに、得られるシートが厚み0.5mmになるように金属製スペーサーを入れた金型で280℃で20分プレスし、厚み0.5mmのフッ素樹脂シートを得た(フッ素樹脂層1〜6)。
得られたフッ素樹脂層1〜6の各組成を表5に示す。
Figure 2008139967
製造例7(非フッ素ゴム層1〜6の製造)
NBR1kgに対し、PVC、ゼオネット(非フッ素ゴム層1〜3および非フッ素ゴム層5のみ配合)、エピコート(非フッ素ゴム層2〜5のみ配合)およびV−3(非フッ素ゴム層4および非フッ素ゴム層5のみ配合)を表6の配合比になるように添加し、8インチロール2本を備えた練りロール機を用いて通常の方法で、25〜70℃で混練りした。これを室温にて約20時間置いた後に再度同じロール機にて混練りし、最終的に約1.2mmの厚み(実施例1〜20および比較例1〜4用)と約1.7mmの厚み(実施例21〜40および比較例5〜8用)にシーティングして未加硫ゴムシート(非フッ素ゴム層1〜6)を取り出した。
得られた非フッ素ゴム層1〜6の各組成を表6に示す。
Figure 2008139967
実施例1〜50および比較例1〜10
表2に示す厚さ1.0mmのフッ素ゴムシート(フッ素ゴム層1〜4)と表6に示す厚さ1.2mmの未加硫の非フッ素ゴムシート(非フッ素ゴム層1〜6)、または表5に示すフッ素樹脂シート(フッ素樹脂層1〜6)と表6に示す厚さ1.7mmの未加硫の非フッ素ゴムシート(非フッ素ゴム層1〜6)を重ね合わせ、片方の端部に幅約10〜15mmのフッ素樹脂フィルム(厚さ150μm、ダイキン工業(株)商品名 ネオフロンFEP NF−0150)を両シートの間に挟んだ後、得られるシートが厚み2mmになるよう金属製スペーサーを入れた金型に挿入し、170℃で20分間加圧することで加硫を施しシート状の積層体を得た。得られた積層体を幅25mm×長さ100mmの短冊状に切断し、フッ素樹脂フィルムを剥がして掴みしろとした試験片を作製した。この試験片を用い、23℃にて、50mm/分の剥離速度でT剥離試験を行い、接着強度を測定した。また、剥離モードを観測し、以下の基準で接着評価を行った。
(剥離モード)
◎・・・材料破壊破断した。
○・・・フッ素ゴム層と非フッ素ゴム層の界面が充分に接着し、剥離するのが困難であった。
×・・・フッ素ゴム層と非フッ素ゴム層の界面で剥離した。
Figure 2008139967
Figure 2008139967
本発明の製造方法により得られる積層体は、フッ素ゴム層と非フッ素ゴム層とを加硫接着させる際に、フッ素ゴム層側にオニウム塩を配合することにより、非フッ素ゴム組成物から形成される非フッ素ゴム層との接着性を改善することができる。

Claims (21)

  1. オニウム塩および/またはアミン化合物を配合した加硫可能なフッ素ゴム組成物から形成されるフッ素ゴム層と、オニウム塩、アミン化合物、エポキシ樹脂よりなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物を配合した非フッ素ゴム層とを加硫接着させる積層体の製造方法。
  2. 非フッ素ゴムが、パーオキサイド加硫可能なゴムである請求の範囲第1項記載の積層体の製造方法。
  3. 非フッ素ゴムが、アクリロニトリル−ブタジエンゴムを含む請求の範囲第1項または第2項記載の積層体の製造方法。
  4. 非フッ素ゴムが、ポリ塩化ビニルとアクリロニトリル−ブタジエンゴムの混合物である請求の範囲第1項〜第3項のいずれかに記載の積層体の製造方法。
  5. 非フッ素ゴム中にエポキシ樹脂が配合されている請求の範囲第1項〜第4項のいずれかに記載の積層体の製造方法。
  6. 非フッ素ゴム層におけるオニウム塩および/またはアミン化合物が、N,N−ジシンナミリデン−1,6−ヘキサメチレンジアミン、および/またはテトラn−ブチルホスホニウムベンゾトリアゾレートである請求の範囲第1項〜第5項のいずれかに記載の積層体の製造方法。
  7. さらに、フッ素ゴム中に、オニウム塩として式(1):
    Figure 2008139967
    (式中、R1、R2、R3は、それぞれ同じかまたは異なり、水素原子、または炭素数1〜30の一価の有機基であり、X1-は一価の陰イオンである)
    で示される化合物、8−ベンジル−1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセニウム塩および1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセニウム塩よりなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物が配合されている請求の範囲第1項〜第6項のいずれかに記載の積層体の製造方法。
  8. 1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセニウム塩が
    式(2):
    Figure 2008139967
    (式中、nは、0〜50の整数である)
    で示される化合物、および
    式(3):
    Figure 2008139967
    で示される化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物が配合されている請求の範囲第7項記載の積層体の製造方法。
  9. フッ素ゴムが、ポリオール加硫可能なゴムである請求の範囲第1項〜第8項のいずれかに記載の積層体の製造方法。
  10. フッ素ゴムが、フッ化ビニリデン単位またはヘキサフルオロプロピレン単位を含む共重合体である請求の範囲第1項〜第9項のいずれかに記載の積層体の製造方法。
  11. 請求の範囲第1項〜第10項のいずれかに記載の製造方法により得られる積層体。
  12. オニウム塩および/またはアミン化合物を配合した加硫可能なフッ素ゴム組成物をフッ素樹脂の溶融条件下で動的架橋させ、その少なくとも一部が架橋された架橋フッ素ゴムとする熱可塑性重合体組成物の層と、オニウム塩、アミン化合物、エポキシ樹脂よりなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物を配合した非フッ素ゴム層とを加硫接着させる積層体の製造方法。
  13. 非フッ素ゴムが、アクリロニトリル−ブタジエンゴムを含む請求の範囲第12項記載の積層体の製造方法。
  14. 非フッ素ゴムが、ポリ塩化ビニルとアクリロニトリル−ブタジエンゴムの混合物である請求の範囲第12項記載の積層体の製造方法。
  15. 非フッ素ゴム中にエポキシ樹脂が配合されている請求の範囲第12項〜第14項のいずれかに記載の積層体の製造方法。
  16. 非フッ素ゴム層におけるオニウム塩および/またはアミン化合物がN,N−ジシンナミリデン−1,6−ヘキサメチレンジアミン、および/またはテトラn−ブチルホスホニウムベンゾトリアゾレートである請求の範囲第12項〜第15項のいずれかに記載の積層体の製造方法。
  17. さらに、フッ素ゴム中に、オニウム塩として式(1):
    Figure 2008139967
    (式中、R1、R2、R3は、それぞれ同じかまたは異なり、水素原子、または炭素数1〜30の一価の有機基であり、X1-は一価の陰イオンである)
    で示される化合物、8−ベンジル−1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセニウム塩および1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセニウム塩よりなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物が配合されている請求の範囲第12項〜第16項のいずれかに記載の積層体の製造方法。
  18. 1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセニウム塩が
    式(2):
    Figure 2008139967
    (式中、nは、0〜50の整数である)
    で示される化合物、および
    式(3):
    Figure 2008139967
    で示される化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物が配合されている請求の範囲第17項に記載の積層体の製造方法。
  19. フッ素ゴムが、ポリオール加硫可能なゴムである請求の範囲第12項〜第18項のいずれかに記載の積層体の製造方法。
  20. フッ素ゴムが、フッ化ビニリデン単位またはヘキサフルオロプロピレン単位を含む共重合体である請求の範囲第12項〜第19項のいずれかに記載の積層体の製造方法。
  21. 請求の範囲第12項〜第20項のいずれかに記載の製造方法により得られる積層体。
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