JPWO2008105322A1 - 光リフレクトメトリ測定方法および装置 - Google Patents

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Abstract

本発明は、測定距離によらず高い精度を得ることの可能な光リフレクトメトリ測定方法および光リフレクトメトリ測定装置を提供することを目的とする。本発明は、光周波数領域リフレクトメトリ測定方法(OFDR)を用いて測定対象における後方散乱光強度の光伝搬方向に対する分布を測定する光リフレクトメトリ測定方法および光リフレクトメトリ測定装置において、周波数掃引光源1のコヒーレンス特性をモニタするコヒーレンスモニタ部12を設け、そのモニタの結果に基づいて測定部11における測定結果を補正することを特徴とする。

Description


この発明は、光回路などの被測定回路における、反射率の伝播方向に対する分布を測定するリフレクトメトリ測定方法と、この方法を実施する装置に関する。

光回路などの伝送損失の測定や故障箇所の診断に用いられる光反射測定方法の一つとして、光周波数領域リフレクトメトリ測定方法(OFDR)が知られている(例えば、非特許文献1を参照)。この方法は、周波数掃引光源からの出力光を2分岐し、測定対象からの反射光と一方の分岐光との干渉により生じる干渉ビート信号を解析することにより、測定対象における後方散乱光強度の光伝播方向に対する分布を測定するものである。

すなわちOFDRは、光周波数を掃引されたコヒーレント光源からの出力光を2分岐し、そのうちの一方を測定光として被測定光回路に入射し、他方を局発光として後方散乱光(測定光が被測定光回路の伝搬距離に応じた各位置で反射されて発生する反射光)と合波させる。これにより生じる干渉ビート信号を検出し、そのスペクトラムを分析して、被測定光回路の伝搬距離に応じた各位置の反射率をスペクトラムの周波数成分の強度として測定するものである。

‘‘Optical frequency domain reflectometry in single−mode fiber,’’ W.Eickhoff and R.Ulrich, Applied Physics Letters 39(9), pp.693−695.

しかしながら既存の技術においては、周波数掃引光源のコヒーレンス長の1/2を超える測定距離においては分解能が悪くなり、最悪の場合には測定不能となることが知られている。これは、周波数掃引光源のコヒーレンス長の1/2を超える測定距離においては被測定回路からの後方散乱光と局発光との干渉性がなくなり、その結果ビート信号のスペクトル幅が広がるからである。ここで、測定距離の限界がコヒーレンス長の「1/2」であるのは、後方散乱光は被測定回路を往復するので光路差は測定距離の2倍になるからである。

この発明は上記事情によりなされたもので、その目的は、測定距離によらず高い精度を得ることの可能な光リフレクトメトリ測定方法および光リフレクトメトリ測定装置を提供することにある。

上記目的を達成するためにこの発明の一形態によれば、光周波数を掃引される周波数掃引光源からの出力光を測定対象に入射してこの測定対象における反射率の伝播方向に対する分布を測定する光周波数領域リフレクトメトリ測定方法(OFDR)である光リフレクトメトリ測定方法において、前記出力光のコヒーレンス特性をモニタし、前記出力光と前記測定対象からの後方散乱光との干渉ビート信号を検出し、前記干渉ビート信号に基づく測定結果を前記出力光のコヒーレンス特性に基づき補正することを特徴とする光リフレクトメトリ測定方法が提供される。

このような手段を講じることにより、光源コヒーレンス長を超える領域での広がったスペクトルを補正した測定結果が得られる。従ってOFDRによる測定を光源コヒーレンス長を超える測定距離で実施することが可能になる。

上記目的を達成するためにこの発明の一態様によれば、光周波数を掃引される周波数掃引光源からの出力光を測定対象に入射してこの測定対象における反射率の伝播方向に対する分布を測定する光周波数領域リフレクトメトリ測定方法(OFDR)である光リフレクトメトリ測定方法において、前記出力光を分岐して得たモニタリング光から前記掃引の非直線性を反映する参照信号を生成するモニタステップと、前記出力光と前記測定対象からの後方散乱光との干渉ビート信号を一定周期でサンプリングしてサンプリングデータを得る検出ステップと、前記干渉ビート信号に基づき測定される前記反射率の分布を前記参照信号に基づき補正する補正ステップとを具備し、前記モニタステップは、前記モニタリング光を2分岐した一方の分岐光を遅延部で遅延したのち双方の分岐光を光90度ハイブリッドに入射して自己遅延ホモダイン検波して、互いに直交する第1および第2のモニタリングビート信号を生成し、前記第1および第2のモニタリングビート信号を前記一定周期でサンプリングして得たデータのそれぞれの分散をもとに前記光90度ハイブリッドにおける分岐部の分岐比の誤差を算出し、前記分散を用いた統計計算処理により前記光90度ハイブリッドにおける90度直交性の誤差を算出し、前記算出した分岐比の誤差と、90度直交性の誤差と、前記第1および第2のモニタリングビートとを用いて前記参照信号を生成し、前記参照信号が規定値をとる時刻の数列を算出し、前記補正ステップは、前記サンプリングデータから標本化定理を用いて連続関数を生成し、前記連続関数に前記時刻の数列を代入して得た値をフーリエ変換して前記反射率の分布を補正した値を得ることを特徴とする光リフレクトメトリ測定方法が提供される。

すなわち光周波数領域リフレクトメトリ測定方法において周波数掃引光源の出力光の掃引の非直線性がモニタされ、それを反映する参照信号が生成される。この参照信号が一定値を取る時刻を数列化した時刻数列を用いることにより、出力光と測定対象からの後方散乱光との干渉ビート信号から得た測定値を補正することができる。その際、出力光のコヒーレンス特性を光90度ハイブリッドによりモニタし、かつ光90度ハイブリッドの分岐比と位相差の誤差の影響が補正される。従って周波数掃引光源の掃引非直線性を補正した測定結果を得られるようになり、OFDRによる測定を高い距離分解能で実施することが可能になる。

具体的には、本発明に係る光リフレクトメトリ測定方法は、光周波数を掃引される周波数掃引光源からの出力光を測定対象に入射し、当該測定対象における位置に対する反射率の分布を測定する光リフレクトメトリ測定方法であって、前記出力光を分岐したモニタリング光からモニタリングビート信号を取得するモニタステップと、前記測定対象から後方散乱された信号光と前記出力光を分岐した参照光との干渉ビート信号を取得する測定ステップと、前記モニタステップで取得したモニタリングビート信号から前記掃引の非直線性及び前記周波数掃引光源の位相ノイズを反映する参照信号を生成し、前記測定ステップで取得した干渉ビート信号から算出した前記反射率の分布を、当該参照信号に基づき補正する補正ステップを具備し、前記モニタステップにおいて、前記モニタリング光を2分岐して第1コヒーレンスモニタ部及び第2コヒーレンスモニタ部に入射し、前記入射した光をそれぞれ2分岐し、前記2分岐した分岐光の一方を、前記第1コヒーレンスモニタ部と前記第2コヒーレンスモニタ部で互いに異なる遅延量で遅延し、前記分岐光の他方と前記遅延した前記分岐光の一方を合波したモニタリングビート信号を取得することを特徴とする。

第1コヒーレンスモニタ部と第2コヒーレンスモニタ部が互いに異なる遅延量で遅延するので、コヒーレンス長の整数倍のときの出力光のコヒーレンス特性を取得することができる。当該コヒーレンス特性を取得することで、コヒーレンス長の整数倍の伝搬距離であっても、周波数掃引光源の掃引非直線性及び光源コヒーレンス長を超える領域での広がったスペクトルを小さな誤差で補正することができる。そのため、OFDRによる測定を高い距離分解能で実施することが可能となる。

本発明に係る光リフレクトメトリ測定方法では、前記第1コヒーレンスモニタ部の前記遅延量をτShortとし、前記第1コヒーレンスモニタ部の取得する前記モニタリングビート信号の位相をXShort(t)とし、前記第2コヒーレンスモニタ部の前記遅延量をτLongとし、前記第2コヒーレンスモニタ部の取得する前記モニタリングビート信号の位相をXLong(t)とすると、前記遅延量τLongは前記遅延量τShortのK倍(Kは整数)であり、NをKで除算した商の整数部をInt(N/K)、NをKで除算した商の余りをMod(N,K)として、前記参照信号X(t)が、次の数式で表されることが好ましい。

Figure 2008105322

第2コヒーレンスモニタ部における遅延量が第1コヒーレンスモニタ部におけるK倍なので、K回にわたり積み重ねられる誤差を1回の誤差に低減することができる。

具体的には、本発明に係る光リフレクトメトリ測定装置は、光周波数を掃引された出力光を測定対象に入射し、当該測定対象における位置に対する反射率の分布を測定する光リフレクトメトリ測定装置であって、前記出力光を出力する周波数掃引光源と、前記周波数掃引光源からの出力光を分岐したモニタリング光からモニタリングビート信号を取得する第1コヒーレンスモニタ部及び第2コヒーレンスモニタ部と、前記測定対象から後方散乱された信号光と前記周波数掃引光源からの出力光を分岐した参照光との干渉ビート信号を取得する測定部と、前記第1コヒーレンスモニタ部及び前記第2コヒーレンスモニタ部の取得するモニタリングビート信号から前記掃引の非直線性及び前記周波数掃引光源の位相ノイズを反映する参照信号を生成し、前記測定部の取得する干渉ビート信号から算出した前記反射率の分布を当該参照信号に基づき補正する解析部と、を具備し、前記第1コヒーレンスモニタ部及び前記第2コヒーレンスモニタ部は、前記モニタリング光を2分岐する分配部と、前記分配部の分岐する分岐光の一方を、前記第1コヒーレンスモニタ部と前記第2コヒーレンスモニタ部で互いに異なる遅延量で遅延する遅延部と、前記分配部の分岐する分岐光の他方と前記遅延部の遅延する分岐光の一方とを合波したモニタリングビート信号を取得する受信器と、を備える。

第1コヒーレンスモニタ部と第2コヒーレンスモニタ部が互いに異なる遅延量で遅延するので、コヒーレンス長の整数倍のときの出力光のコヒーレンス特性を取得することができる。当該コヒーレンス特性を取得することで、コヒーレンス長の整数倍の伝搬距離であっても、周波数掃引光源の掃引非直線性及び光源コヒーレンス長を超える領域での広がったスペクトルを小さな誤差で補正することができる。そのため、OFDRによる測定を高い距離分解能で実施することが可能となる。

本発明に係る光リフレクトメトリ測定装置では、前記第1コヒーレンスモニタ部における前記遅延部の生じさせる遅延量をτShortとし、前記第1コヒーレンスモニタ部における前記受信器の取得するモニタリングビート信号の位相をXShort(t)とし、前記第2コヒーレンスモニタ部における前記遅延部の生じさせる遅延量をτLongとし、前記第2コヒーレンスモニタ部における前記受信器の取得するモニタリングビート信号の位相をXLong(t)とすると、前記遅延量τLongは前記遅延量τShortのK倍(Kは整数)であり、NをKで除算した商の整数部をInt(N/K)、NをKで除算した商の余りをMod(N,K)として、前記参照信号X(t)が、次の数式で表されることが好ましい。

Figure 2008105322

第2コヒーレンスモニタ部の遅延量が第1コヒーレンスモニタ部のK倍なので、K回にわたり積み重ねられる誤差を1回の誤差に低減することができる。

この発明によれば、OFDRによる測定を光源コヒーレンス長の1/2を超える測定距離でも実施することが可能になるので、測定距離によらず高い精度を得ることの可能な光リフレクトメトリ測定方法および光リフレクトメトリ測定装置を提供することができる。

この発明によれば、距離分解能を高めた光リフレクトメトリ測定方法および光リフレクトメトリ測定装置を提供することができる。

OFDRによる光リフレクトメトリ測定装置の基本構成の一例を示す図である。 周波数掃引光源の位相雑音による測定への影響を説明するための図であり、(a)はパワースペクトラムの測定系を示し、(b)は遅延距離が光源コヒーレンス長よりも十分短い場合のパワースペクトラムを示し、(c)は遅延距離が光源コヒーレンス長よりも十分長い場合のパワースペクトラムを示す。 第1実施形態に係る光リフレクトメトリ測定装置の実施の形態を示す機能ブロック図である。 第1実施形態に係る光リフレクトメトリ測定装置をより詳細に示す機能ブロック図である。 数式(8)のグラフを示す図であり、(a)はモニタリングビート信号の位相が−πから+πまでの場合、(b)はモニタリングビート信号の位相に2πの整数倍を加算した場合を示す。 数式(11)を利用して新しい位相情報を作り出すことが可能であることを示す図。 ビート信号をL/2距離の倍数毎にサンプリングする処理を説明するためのイメージを示す図である。 図4の光リフレクトメトリ測定装置における処理手順を示すフローチャートである。 図4の光リフレクトメトリ測定装置の、第1の実施形態における処理手順を詳しく示すフローチャートである。 第2の実施形態における処理を説明するために用いた図であり、(a)は測定点NL/2−ΔLがNL/2よりも手前にある場合のフィルタリング周波数、(b)は(a)の周波数でフィルタリングされた信号の合波処理後の周波数、(c)は測定点NL/2+ΔLがNL/2よりも遠方にある場合のフィルタリング周波数、(d)は(c)の周波数でフィルタリングされた信号の合波処理後の周波数を示す。 第2の実施形態において得られる結果をグラフ化して示す図であり、(a)は信号DNLow(t)を数式(21)に示すサンプリング間隔Sでサンプリングした場合、(b)は号DNUp(t)を数式(21)に示すサンプリング間隔Sでサンプリングした場合、(c)はDNLow(t)のFFT処理結果の横軸を逆にして距離の範囲(2N−1)L/4からNL/2までに対応させ、DNUp(t)に対するFFT処理結果の横軸と合わせた場合を示す。 図4の光リフレクトメトリ測定装置の、第2の実施形態における処理手順を詳しく示すフローチャートである。 OFDRによる光リフレクトメトリ測定装置の基本構成の一例を示す図である。 周波数掃引光源1の光周波数の非直線性を示す図である。 周波数掃引光源の位相雑音による測定への影響を説明するための図であり、(a)はパワースペクトラムの測定系を示し、(b)は遅延距離が光源コヒーレンス長よりも十分短い場合のパワースペクトラムを示し、(c)は遅延距離が光源コヒーレンス長よりも十分長い場合のパワースペクトラムを示す。 この発明に係わる光リフレクトメトリ測定装置の実施の形態を示す機能ブロック図である。 図16の光リフレクトメトリ測定装置をより詳細に示す機能ブロック図である。 数式(36)をグラフ化して示す図であり、(a)はモニタリングビート信号の位相が−πから+πまでの場合、(b)はモニタリングビート信号の位相に2πの整数倍を加算した場合を示す。 図17の光リフレクトメトリ測定装置における処理手順を示すフローチャートである。 図19のステップS426における手順を詳しく示すフローチャートである。 数式(41)を利用して位相情報を新しく作り出すことが可能であることを示す図である。 この発明の第5の実施形態における処理手順を示すフローチャートである。 リフレクトメトリ測定装置の一例を示す基本構成図である。 周波数掃引光源1の位相雑音による測定結果への影響を示すための説明図であり、(a)はパワースペクトラムの測定系を示し、(b)は遅延距離が光源コヒーレンス長よりも十分短い場合のパワースペクトラムを示し、(c)は遅延距離が光源コヒーレンス長よりも十分長い場合のパワースペクトラムを示す。 第6実施形態に係る光リフレクトメトリ測定装置の一例を示す機能ブロック図である。 第6実施形態に係る光リフレクトメトリ測定装置をより詳細に示す機能ブロック図である。 第1モニタリングビート信号の位相XShort(t)の一例を示す時系列グラフであり、(a)は第1モニタリングビート信号の位相が−πから+πまでの場合、(b)は第1モニタリングビート信号の位相に2πの整数倍を加算した場合を示す。 参照信号X(t)の一例を示す時系列グラフである。 サンプリングした測定信号ごとの補正例を示す説明図である。 第6実施形態に係る光リフレクトメトリ測定方法の一例を示すフローチャートである。 補正ステップの一例を示すフローチャートである。
符号の説明

1 周波数掃引光源

2 測定光

3 参照光

4 被測定光回路

5 信号光

6 受信器

7 サンプリング装置

8 周波数解析装置

9 出力光

10 モニタリング光

10a 第1モニタリング光

10b 第2モニタリング光

11 測定部

12 コヒーレンスモニタ部

12a 第1コヒーレンスモニタ部

12b 第2コヒーレンスモニタ部

12c モニタリング部

13 解析部

14、14a、14b 遅延部

15、15a、15b 受信器

16、16a、16b、16c サンプリング装置

17 クロック

18a、18b、18c データ処理装置

19 光90度ハイブリッド

20 周波数掃引光源

21 光周波数シフタ

22 遅延ファイバ

23 受信器

96 光リフレクトメトリ測定装置

A、B、C、D、E、F、G、H 光方向性結合器

添付の図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。以下に説明する実施の形態は本発明の構成の例であり、本発明は、以下の実施の形態に制限されるものではない。

図1は、OFDRによる光リフレクトメトリ測定装置の基本構成の一例を示す図である。図1において、周波数掃引光源1からの出力光は光方向性結合器Aにより分岐され、一方は参照光3として用いられ、他方は被測定光回路4に入射される。被測定光回路4の内部で後方散乱された信号光5は光方向性結合器Aにより取り出され、光方向性結合器Bにより参照光3と合波されたのち受信器6により検波される。このとき、2光波の干渉により生じる干渉ビート信号をサンプリング装置7によりサンプリングし、測定したデータを周波数解析装置8にて解析することにより、被測定光回路4内の各位置からの後方散乱光強度分布が測定される。

ここで、周波数掃引光源1からの測定光2の周波数を時間T、最大光周波数掃引幅ΔFで時間に対して直線的に掃引するとき、被測定光回路4内のある点Xで後方散乱された信号光5により生じるビート信号の周波数Fbは、参照光3と点Xで後方散乱された信号光5との光路長差ΔL、光周波数掃引速度γ、光の屈折率n、および光速cを用いて次の数式(3)により与えられる。

Figure 2008105322

ただし、γ=ΔF/Tである。また、距離分解能Δzは受信ビート信号のスペクトル幅ΔFbを用いて数式(4)により与えられる。

Figure 2008105322

ただし以上は、測定距離が光源コヒーレンス長の1/2を超えない場合に成立する。光源コヒーレンス長の1/2を超える測定距離において、数式(3)のビート信号の周波数Fbは周波数掃引光源の位相雑音による影響を受ける。よってスペクトル幅ΔFbは周波数掃引光源自身の持つ線幅にまで広がり、測定は不可能になる。次にそのことを説明する。

図2は、周波数掃引光源の位相雑音による測定への影響を示す図である。図2(a)に示すように周波数掃引光源20からの光路を2分岐し、一方の光路に光周波数シフタ21を挿入するとともに他方の光路に遅延ファイバ22を設けてマッハツェンダ光干渉計を形成する。周波数掃引光源20の出力光が理想的な単色光であれば、干渉計の光路差に依存せずに、光周波数シフタ21のシフト周波数にデルタ関数状のピークを持つようなパワースペクトラムが受信器23において得られる(図2(b))。しかしながら実際には、周波数掃引光源20のパワースペクトラムは有限の幅を持つ。仮に周波数掃引光源20が半導体レーザであれば位相雑音はFM雑音が支配的になり、ローレンツ形状の幅を持つパワースペクトラムになる(図2(c))。

このように、光路差が光源コヒーレンス長以内であれば(遅延距離<<光源コヒーレンス長)出力電流のパワースペクトラムは光周波数シフタ21のシフト周波数にデルタ関数形状のピークを持つようなパワースペクトラムになるが、光路差がコヒーレンス長よりも大きくなると(遅延距離>>光源コヒーレンス長)次第にノイズフロアが上昇し、最終的には図2(c)のようにローレンツ形状のパワースペクトラムになる。従って光源コヒーレンス長の1/2を超える測定距離においては雑音成分が顕著になり、正確な計測が難しくなる。

(第1の実施形態)

図3は、この発明に係わる光リフレクトメトリ測定装置の実施の形態を示す機能ブロック図である。この光リフレクトメトリ測定装置は、被測定回路における反射率の伝播方向に対する分布をOFDR測定する。図3において、周波数掃引光源1からの出力光9は光方向性結合器Cにより分岐され、一方は測定光2として測定部11に入射し、他方はモニタリング光10としてコヒーレンスモニタ部12に入射する。測定部11による測定の結果とコヒーレンスモニタ部12によるモニタの結果とを解析部13に入力し、演算処理により被測定回路(測定部11内)における後方散乱光強度分布を得る。

測定部11は周波数掃引光源1の出力光と被測定回路からの後方散乱光との干渉ビート信号を検出する。コヒーレンスモニタ部12は例えば自己遅延ホモダイン検波により出力光9のコヒーレンス特性をモニタする。これにより得られるモニタリングビート信号に基づいて解析部13は参照信号を生成し、この参照信号に基づいて測定結果を得る。この測定結果は、周波数掃引光源1のコヒーレンス長1/2を超える測定領域のものまでも含むものになる。

図4は、図3の光リフレクトメトリ測定装置をより詳細に示す機能ブロック図である。コヒーレンスモニタ部12に入射されたモニタリング光は光方向性結合器Dにより2分岐され、一方の光のみが遅延部14により遅延されたのち互いに光方向性結合器Eで合波される。合波された光は受信器15により検波され、モニタリングビート信号が生成されてサンプリング装置16に入力される。サンプリング装置16は、解析部13に備わるクロック17のクロックに同期するタイミングでモニタリングビート信号の波形をサンプリングし、サンプリングデータを解析部13のデータ処理装置18aに入力する。

測定部11に入射された測定光2は図1と同様の処理を施され、干渉ビート信号がサンプリング装置7に入力される。サンプリング装置7はクロック17のクロックに同期するタイミングで、すなわちサンプリング装置16と互いに同期する間隔で干渉ビート信号の波形をサンプリングする。これにより得られたサンプリングデータはデータ処理装置18aに入力される。

次に数式を用いて定量的に説明する。周波数掃引光源1の出力光の電界振幅は次の数式(5)で与えられる。

Figure 2008105322

数式(5)においてAは振幅(常数)、f(t)は周波数掃引光源の掃引される光周波数、θ(t)は変動する位相項、Φ(t)はトータルの位相である。

図3の遅延部14に光源コヒーレンス長Lの遅延ファイバを設ける。その遅延時間τは次の数式(6)で与えられる。

Figure 2008105322

数式(6)で得られた遅延部14での遅延時間τにより、データ処理装置18aに入力されるモニタリングビート信号は次の数式(7)で与えられる。

Figure 2008105322

モニタリングビート信号の位相は次の数式(8)のX1(t)で与えられる。

Figure 2008105322

図5は数式(8)のグラフである。図5(a)に示すように、数式(8)のX1(t)は時間tに対して−πから+πまでの値をとるが、最初の+πから−πに折り返す点から次の+πから−πに折り返す点までの区間に順次2πの整数倍を加算することにより、X1(t)を図5(b)に示すように断続点の無い滑らかな関数として表すことができる。

データ処理装置18aは、この連続関数X1(t)を参照信号として、0から3L/4までの測定距離に対する補正を行う。

連続関数X1(t)がMS1を取る時刻を数列tM1として求める。ただしMは自然数(M=1,2,3,…)である。なお後述するように、Sは測定信号Yをサンプリングする際に必要となる十分なナイキストサンプリングレートを持つように設定しなければならない。このため、まずYにアンチエイリアシングフィルタ処理を施してFFT処理のエイリアシングを防止する。具体的には、Yに対して低域濾過フィルタ処理を施す。このフィルタの通過上限周波数は必要な測定距離に応じて決まる。処理後のYを、Yn Anti-aliasing1と表記する。Yは等間隔でサンプリングしたデータであるので、Yn Anti-aliasing1も等間隔の離散データである。この間隔を1/W[秒]とする。

Y(t)を時間tの関数であるとし、これが0からW/2までの範囲の周波数成分を持ち、W/2以上の周波数成分を含まないとすると、標本化定理によって関数全体が一つに決まる。すなわちY(t)は次の数式(9)で与えられる。

Figure 2008105322

数式(9)に時刻の数列tM1を代入することにより、Y(tM1)を求めることができる。Y(tM1)に高速フーリエ変換(FFT)処理を施すことにより時間軸を空間軸に変換し、伝播距離に応じた各位置の反射率を算出することができる。

数式(7)または数式(8)に示されるモニタリングビート信号を用いれば、周波数掃引光源1から反射点までの距離がL/2以内であれば、つまり被測定光回路4内において、周波数掃引光源1からL/2以内の点から後方散乱される信号光に対しては、既知の技術により測定結果を最適に補正できる。しかし、この距離より長い距離を持つ被測定回路に対しては補正の誤差が大きくなる。

ただし、被測定光回路4内においてL/2のN倍(Nは整数)の点から後方散乱された信号光により生じるビート信号に対しては、次の数式(10)に示す位相情報を用いれば最適に補正できる。なお光伝播距離の片道分がL/2であるので、往復ではこれを2倍してコヒーレンス長はLとなる。

Figure 2008105322

数式(10)は次の数式(11)を用いて作り出すことができる。

Figure 2008105322

図6は数式(11)を利用して位相情報を新しく作り出すことが可能であることを示す図である。図6は数式(11)の根拠をイメージ的に示すものである。図6の曲線bはモニタリングビート信号の位相X1(t)であり、曲線aはτ時間遅延処理をした位相X1(t−τ)を表す。この手法すなわち連結生成方法を利用して生成したX2(t)は図6の曲線cに示される。X2(t)=X1(t)+X1(t−τ)である。

連続関数XN(t)がM・SNを取る時刻を数列tMNとして求める。ただしMは自然数(M=1,2,3,…)である。なお後述するように、SNは測定信号Yをサンプリングする際に必要となる十分なナイキストサンプリングレートを持つように設定しなければならない。よってまずYに、Nに対応するアンチエイリアシングフィルタ処理を施してFFT処理のエイリアシングを防止する。具体的には、Yに次の数式(12)の通過上限周波数を持つ低域ろ過フィルタ処理を施せば良い。

Figure 2008105322

数式(12)においてMax[dX(t)/dt]は、(2N−1)L/4から(2N+1)L/4までのデータ全域での最大値を示す。フィルタ処理後のYを、YnAnti- aliasingNと表記する。数式(9)のYn Anti-aliasing1をYn Anti−aliasingNに置き換え、時刻の数列tMNを代入することによりY(tMN)を求めることができる。さらに、このY(tMN)に高速フーリエ変換(FFT)処理を施せば、伝播距離に応じた各位置の反射率を算出できる。しかも、距離NL/2にある点の近傍の測定結果の補正は最適になる。

図7はビート信号をL/2距離の倍数毎にサンプリングする処理を説明するためのイメージを示す図である。0から3L/4までの測定距離は、位相情報X1(t)から補正できる。3L/4から5L/4までの測定距離は、位相情報X2(t)から補正できる。以下同様にして(2N−1)L/4から(2N+1)Lc/4までの測定距離は、位相情報X(t)から補正することができる。補正処理はN回必要になるが、必要なデータを取得する処理自体は1回だけで済む。

位相情報X(t)、X(t)、…、X(t)から時間数列tM1、tM2、…、tMNを求めるにあたり、必要となる間隔S1、S2、…、Sは測定信号Y(t)をサンプリングする際のナイキストサンプリングレートに制限される。位相情報X(t)は長さNLのディレイファイバを入れてビートする信号から求めることに相当し、測定信号Y(t)は往復で(2N+1)L/2の長さのファイバを測定することになる。ナイキストサンプリングレートを満足する間隔Sは、次の数式(13)となる。

Figure 2008105322

図8は、図4の光リフレクトメトリ測定装置における処理手順を示すフローチャートである。ステップS20で周波数掃引光源1の光周波数は掃引される。コヒーレンスモニタ部12は、受信器15から出力されるモニタリングビート信号をサンプリングし、サンプリングデータXを内部メモリ(図示せず)などに記録する(ステップS23)。データ処理装置18aはこのサンプリングデータXの位相を求める上で、図5(b)に示すような断続点の無い関数(連続関数)X1(t)を計算する(ステップS25)。

一方、測定部11は、受信器6から出力される干渉ビート信号を同じ間隔でサンプリングし、サンプリングデータYを内部メモリ(図示せず)などに記録する(ステップS24)。

さらにデータ処理装置18aは、コヒーレンスモニタ部12から受け取った関数X(t)と測定部11から受け取ったデータYとを利用して、サンプリング処理とFFT処理とを含むデータ処理を、N回にわたり繰り返す。これにより得たデータFFTは、記録される(ステップS26)。そしてデータ処理装置18aは、データFFT1、FFT2、…、FFTを利用して測定結果を計算する(ステップS27)。

図9は、図8のステップS26における手順を詳しく示すフローチャートである。ステップS26においてデータ処理装置18aは、まず、ステップS25で得られたX1(t)に数式(11)を当てはめてX(t)を計算する(ステップS30)。なおN=1であればそのままのX1(t)となる。並行してデータ処理装置18aは数式(13)を用いてサンプリング間隔Sを計算する(ステップS31)。そして、連続関数X(t)からMSに等しい時間数列tMNを求める(ステップS32)。

一方、ステップS24で得られたYにつきNに対応するアンチエイリアシングフィルタを求め、このフィルタ係数を用いてYにフィルタリング処理を施す。すなわちYに、数式(12)に示すNに対応する通過上限周波数((2N+1)/2N)・Max[dXn(t)/dt]を持つ低域濾過フィルタ(アンチエイリアシングフィルタ)をかける。これによりYnAnti- aliasingNを得る(ステップS33)。

そしてデータ処理装置18aは、ステップS32で求めた時間数列tMNを利用して、フィルタ処理後のYに基づくY(tMN)を計算する(ステップS34)。このステップではYn Anti−aliasingNに数式(9)を当てはめてtMNを代入し、Y(tMN)を求める。

算出されたデータのうち、(2N−1)L/4から(2N+1)L/4までの測定距離(N>1)に対応するデータのみを、データFFTとして記録する(ステップS36)。なお、N=1であれば、0から3L/4までの結果を記録する。

ステップS26(ステップS30からステップS36まで)をN回繰り返すことによりデータFFT1、FFT2、…、FFTNを取得することができる。これらのデータをグラフ上の横軸で繋げることによって、0から(2N+1)L/4までの距離での測定を全て実施することができる。

以上説明したようにこの実施形態では、周波数掃引光源1のコヒーレンス特性をモニタするコヒーレンスモニタ部12を設け、そのモニタの結果に基づいて測定部11における測定結果を補正するようにしている。すなわち、コヒーレンスモニタ部12において自己遅延ホモダイン検波により光源出力光のモニタリングビート信号を生じさせ、そのビート信号の参照信号を作り出し、その作り出した参照信号に基づき測定部11のビート信号をサンプリングして、得られた数列にFFT処理を施して測定結果を得るようにしている。

このようにすることで、光源コヒーレンス長を超える測定領域に対しても、干渉ビート信号をFFT処理した結果が発散的に広がることを防ぐことができる。従って光源コヒーレンス長による制限を受けることなく、OFDRによる測定を光源コヒーレンス長の超える測定距離で実施することの可能な光リフレクトメトリ測定方法および光リフレクトメトリ測定装置を提供することが可能となる。すなわち、OFDRによる光源コヒーレンス長の1/2を超える測定距離で実施することの可能な光リフレクトメトリ測定方法および光リフレクトメトリ測定装置を提供することが可能になる。

(第2の実施形態)

第1の実施形態では、被測定光回路4においてNL/2の点から後方散乱された信号光により生じるビート信号に対しては最適に補正できる。ただし、測定点がNL/2から離れるに従い、補正精度は劣化する。第2の実施形態では補正精度の劣化を避けることの可能な処理方法につき説明する。この実施形態においては装置の基本的構成は図4と同様であり、データ処理装置18aの処理が異なる。

第1の実施形態で述べたように、数式(11)を用いた補正処理は距離NL/2において最適となる。補正後、この距離に対応するビート周波数Fは定数となり、次の数式(14)で与えられる。

Figure 2008105322

数式(14)においてf(t)は数式(11)の時間微分X′(t)(=dX(t)/dt)であり、瞬時ビート周波数を示す。β(t)は参照信号からの補正項である。しかし、このような補正を行っても、測定点が距離NL/2から離れるに従って補正精度は劣化する。その劣化要因を以下に説明する。

距離NL/2からΔLだけ離れた点(NL/2−ΔL)から後方散乱された信号光により生じるビート信号の周波数をfN(t)−Δf(t)とすると、補正後のその周波数は次の数式(15)で与えられる。

Figure 2008105322

距離NL/2の点から後方散乱された信号光により生じるビート信号と、距離(NL/2−ΔL)の点から後方散乱された信号光により生じるビート信号の周波数差Δf(t)は次の数式(16)で与えられる。

Figure 2008105322

ここで、Δτ=ΔL・n/cである。αN(t)はNL/2の距離にある反射点に対応するビート周波数変化率であり、次の数式(17)で与えられる。数式(17)の右辺の分子はX1(t)の時間微分である。

Figure 2008105322

従って、上記のように、参照信号XN(t)を用いて補正した場合には、距離(NL/2−ΔL)の測定点に対応するビート周波数fは次の数式(18)で与えられる。

Figure 2008105322

数式(18)から分かるように、係数X′1(t)/X′N(t)があるので、NL/2の点から離れるに従って補正精度が劣化することになる。そこでこの実施形態では、以下に説明する手法でデータを処理し、補正精度の劣化を避けるようにする。

まず、測定点NL/2−ΔLがNL/2よりも手前にある場合を考える。なおΔL>0である。この場合、数式(18)に示すように、fはFNより小さい。つまり、信号Y(tMN)は(2N−1)L/4からNL/2の距離にある点から後方散乱された信号光により生じるビート信号として、FNよりも小さい成分を含む。

図10(a)に示すように、この信号に対してバンドパスフィルタを利用してフィルタリングすることにより、(2N−1)L/4からNL/2までに対応する成分を抽出する。このバンドパスフィルタの通過上限周波数はFNであり、通過下限周波数をFNLowとする。FNLowは次の数式(19)で与えられる。

Figure 2008105322

数式(19)における右辺{ }内の、FN−FN・X′1(t)/[2X′N(t)]という周波数は、(2N−1)L/4の距離の点から後方散乱された信号光により生じるビート信号の周波数である。Min{ }はその最小値を示す。

フィルタリングされた信号を単一波cos(2πFNt)と合波することで、ベースバンド信号を得ることができる。図10(b)に示すように、合波処理して得られる信号DNLow(t)の周波数は0から(FN−FNLow)までとなる。NL/2の点からΔLだけ離れた点に対応する周波数fΔLは次の数式(20)で与えられる。

Figure 2008105322

NL/2からΔLだけ離れた点に対応するビート周波数はX′1(t)/X′N(t)という係数によって時間的に変動することを、数式(20)は示す。従って合波処理した信号DNLow(t)を次の数式(21)に示すサンプリング間隔Sでサンプリングすれば、係数X′1(t)/X′N(t)に対する補正を行うことができる。このサンプリングデータをFFT処理した結果をグラフ化すると、図11(a)に示すように、NL/2から(2N−1)L/4までの距離に対応することになる。サンプリング間隔Sを次の数式(21)に示す。

Figure 2008105322

数式(21)のSはサンプリングに必要となるサンプリングレートの最小値を意味し、サンプリングレートがこれより大きければ、つまりサンプリング間隔がこれより小さければ良い。すなわち0≦A≦1である定数Aを用いて次の数式(22)が満たされればよい。

Figure 2008105322

次に、測定点NL/2+ΔLがNL/2より遠方にある場合を考える。ここでもΔL>0である。この場合、fはFNより大きい。つまり、信号Y(tMN)はNL/2から(2N+1)L/4までの距離にある点から後方散乱された信号光により生じるビート信号として、FNよりも大きい成分を含む。
図10(c)に示すように、この信号に対してバンドパスフィルタを利用してフィルタリングすることにより、NL/2から(2N+1)L/4までに対応する成分を抽出する。このバンドパスフィルタの通過上限周波数をFNUpとし、通過下限周波数はFNである。FNUpは次の数式(23)で与えられる。

Figure 2008105322

数式(23)における右辺{ }内の、FN+FN・X′1(t)/[2X′N(t)]という周波数は、(2N+1)L/4の距離の点から後方散乱された信号光により生じるビート信号の周波数である。Max{ }はその最大値を示す。

フィルタリングされた信号を単一波cos(2πFNt)と合波することで、ベースバンド信号を得ることができる。図10(d)に示すように、合波処理して得られる信号DNUp(t)の周波数は0から(FNUp−F)までとなる。以下同様に、合波処理した信号DNUp(t)を数式(21)に示すサンプリング間隔Sでサンプリングすれば、係数X′1(t)/X′N(t)に対する補正を行うことができる。このサンプリングデータをFFT処理した結果をグラフ化すると、図11(b)に示すように、NL/2から(2N+1)L/4までの距離に正確に対応するデータを得られる。

NLow(t)のFFT処理結果の横軸を逆にして距離の範囲(2N−1)L/4からNL/2までに対応させ、DNUp(t)に対するFFT処理結果の横軸と合わせると、図11(c)に示すように(2N−1)L/4から(2N+1)L/4までの範囲での結果を得る。このように本実施形態によればNL/2を超える範囲での反射率データを得ることが可能になる。

なおこの実施形態では、遅延部14の長さを光源コヒーレンス長Lに等しくしたが、その精度はそれほど要求されない。遅延部14の長さがLより短い場合でも全く同じ結果を得ることができる。ただし、同じ距離を測定するのに数式(11)の右辺の項数が多くなるのでプロセッサの処理負担を考慮する必要がある。また遅延部14の長さがLより長い場合でも、NL/2近傍の点において結果を正しく補正できる点は同じである。

図12は、図4の光リフレクトメトリ測定装置の、この実施形態における処理手順を示すフローチャートである。基本的処理手順は図8と共通するが、この実施形態ではステップS26における処理が異なる。ステップS26においては、図9と比べてステップS30、S31、S32、S33、S34以外の処理が異なる。

図12においてデータ処理装置18aは、ステップS24(図8)で得られたYにつきNに対応するアンチエイリアシングフィルタを求め、このフィルタ係数を用いてYにフィルタリング処理を施す。すなわちYに、数式(13)で表されるNに対応する通過上限周波数((2N+1)/2N)・Max[dXn(t)/dt]を持つ低域濾過フィルタ(アンチエイリアシングフィルタ)をかける。これによりYnAnti- aliasingsNを得る(ステップS33)。

そしてデータ処理装置18aは、ステップS32で求めた時間数列tMNを利用して、フィルタ処理後のYに基づくY(tMN)を計算する(ステップS34)。このステップではYnAnti- aliasingNに数式(11)を当てはめてtMNを代入し、Y(tMN)を求める。

得られたY(tMN)に対する処理は、N=1の場合とN>1の場合とで異なる。N=1であれば(ステップS60でYes)、データ処理装置18aはY(tMN)にそのままFFT処理を行って伝播距離に応じた0から3L/4までの測定距離の各位置の反射率を算出し、データBとして記録する(ステップS45)。

N>1であれば以降の処理手順は、区間(2N−1)L/4からNL/2までについてはステップS46へ、区間NL/2から(2N+1)L/4までについてはステップS49へそれぞれ移行する。

区間(2N−1)Lc/4からNLc/2までに対しては、データ処理装置18aはY(tMN)に対してFNLowからFまでの通過周波数を持つバンドパスフィルタを用いてフィルタリング処理をする(ステップS46)。そしてフィルタリングしたデータに単一波cos(2πFNt)を合波してベースバンドデータを得る(ステップS47)。このベースバンドデータをS=X′N(t)/[FN・X′1(t)]のサンプリング間隔でサンプリングしたのちFFT処理を行なうことにより、この区間での伝播距離に応じた各位置の反射率を算出する。ここで得られたデータをデータBNLowとして記録する(ステップS48)。

区間NL/2から(2N+1)L/4までに対しては、データ処理装置18aはY(tMN)に対してFからFNUpまでの通過周波数を持つバンドパスフィルタを用いてフィルタリング処理をする(ステップS49)。そしてフィルタリングしたデータに単一波cos(2πFNt)を合波してベースバンドデータを得る(ステップS50)。このベースバンドデータをS=X′N(t)/[FN・X′1(t)]のサンプリング間隔でサンプリングしたのちFFT処理を行なうことにより、この区間での伝播距離に応じた各位置の反射率を算出する。ここで得られたデータをデータBNUpとして記録する(ステップS51)。

そしてデータ処理装置18aは、データBNLowの横軸を反転させて(2N−1)L/4からNL/2までの区間に対応させ、データBNUpと合わせて1回ごとのデータを得てこれをデータBNとして記録する(ステップS52)。

ステップS26の処理はN回繰り返されてデータB1、B2、…、BNを取得でき、これらのデータを合わせることによって、0から(2N+1)L/4までの全ての区間において反射率データを取得することが可能になる。

以上説明したようにこの実施形態でも、光源出力光のモニタリングビート信号を連続関数化して参照信号を生成し、これをサンプリングして得た数列にFFT処理を施して測定結果を得る。その際、サンプリングレートを可変して数式(14)のようにサンプリング間隔Sを設定する。このレートを用いてサンプリングした測定信号Yにアンチエイリアシングフィルタを施して得たデータをFFT処理して計測値を得るようにしている。

このようにすることで、第1の実施形態と同様に、光源コヒーレンス長を超える測定領域に対しても、干渉ビート信号FFT処理の広がりを防ぐことができる。従って、光源コヒーレンス長の制限されることなく、OFDRによる測定を光源コヒーレンス長の超える測定距離で実施することの可能な光リフレクトメトリ測定方法および光リフレクトメトリ測定装置を提供することが可能となる。しかもN(すなわち周波数掃引光源からの距離)に応じてサンプリングレートを可変しているので演算処理の精度をさらに高めることができる。これらのことから、測定距離によらず高い精度を得ることの可能な光リフレクトメトリ測定方法および光リフレクトメトリ測定装置を提供することが可能となる。

なお、この発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。例えば解析部13において、モニタリングビート信号に掛け算する手段、あるいは三角関数を計算する手段を利用して、新しい参照信号を作り出してデータ信号を補正してもよい。

また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。

(第3の実施形態)

図13は、OFDRによる光リフレクトメトリ測定装置の基本構成の一例を示す図である。図13において、周波数掃引光源1からの出力光は光方向性結合器Aにより分岐され、一方は参照光3として用いられ、他方は被測定光回路4に入射される。被測定光回路4の内部で後方散乱された信号光5は光方向性結合器Aにより取り出され、光方向性結合器Bにより参照光3と合波されたのち受信器6により検波される。このとき、2光波の干渉により生じる干渉ビート信号をサンプリング装置7によりサンプリングし、測定したデータを周波数解析装置8にて解析することにより、被測定光回路4内の各位置からの後方散乱光強度分布が測定される。

ここで、周波数掃引光源1からの測定光2の周波数を時間T、最大光周波数掃引幅ΔFで時間に対して直線的に掃引するとき、被測定光回路4内のある点Xで後方散乱された信号光5により生じるビート信号の周波数Fは、参照光3と点Xで後方散乱された信号光5の光路長差ΔL、光周波数掃引速度γ、光の屈折率n、および光速cを用いて次の数式(24)により与えられる。

Figure 2008105322

ただし、γ=ΔF/Tである。また、距離分解能Δzは受信ビート信号のスペクトル幅ΔFを用いて数式(25)により与えられる。

Figure 2008105322

ただし以上の条件は理想的な場合において成立するものであり、現状のOFDRにおいては光周波数を良好な直線性で掃引することが困難である。また、たとえ光周波数を理想的に掃引できたとしても、光源コヒーレンス長を超える測定距離に対しては数式(24)のビート信号の周波数Fは周波数掃引光源の位相雑音による影響を受けてスペクトル幅ΔFが周波数掃引光源自身の持つ線幅にまで広がってしまう。甚だしい場合には測定が不可能となる。

図14は、周波数掃引光源1の光周波数の非直線性を示す図である。この図から明らかなように、周波数掃引光源1の光周波数は時間に対してリニアに変化しない。図14において、光周波数は一定値F[Hz]を基準変調周波数として、時間Tに対しF+γT[Hz]なる値になる。周波数掃引速度の非直線性はγで表される。この非直線性により干渉ビート信号のスペクトル幅が広がり、距離分解能の精度の低下を招く。

図15は、周波数掃引光源の位相雑音による測定への影響を説明するための図である。図15(a)に示すように、片方の光路に光周波数シフタ21を挿入したマッハツェンダ光干渉計を想定する。すなわち周波数掃引光源20からの光路を分岐し一方の光路に遅延ファイバ22を設け、他方に光周波数シフタ21を挿入する。

周波数掃引光源20の出力光が理想的な単色光であれば、受信器23において干渉計の光路差に依存せず光周波数シフタ21のシフト周波数にデルタ関数状のピークを持つようなパワースペクトラムが得られる(図15(b))。しかしながら現実的には、周波数掃引光源20のパワースペクトラムはある有限の幅を持つ。例えば、周波数掃引光源20が半導体レーザであれば位相雑音はFM雑音が支配的になり、ローレンツ形状の幅を持つパワースペクトラムになる(図15(c))。

このように、光路差が光源コヒーレンス長以内であれば(遅延距離<<光源コヒーレンス長)出力電流のパワースペクトラムは光周波数シフタ21のシフト周波数にデルタ関数形状のピークを持つようなパワースペクトラムになるが、光路差がコヒーレンス長よりも大きくなると(遅延距離>>光源コヒーレンス長)次第にノイズフロアが上昇し、最終的には図15(c)のようにローレンツ形状のパワースペクトラムになる。従って光源コヒーレンス長の1/2を超える測定距離においては雑音成分が顕著になり、正確な計測が難しくなる。

(第4の実施形態)

図16は、この発明に係わる光リフレクトメトリ測定装置の実施の形態を示す機能ブロック図である。この光リフレクトメトリ測定装置は、被測定回路における反射率の伝播方向に対する分布をOFDR測定する。図16において、光周波数掃引された周波数掃引光源1からの出力光9は光方向性結合器Cにより分岐され、一方は測定光2として測定部11に入射し、他方はモニタリング光10としてモニタリング部12cに入射する。測定部11による測定の結果とモニタリング部12cによるモニタの結果とを解析部13に入力し、演算処理により被測定回路(測定部11内)における後方散乱光強度分布を得る。

測定部11は周波数掃引光源1の出力光9と被測定回路からの後方散乱光との干渉ビート信号を検出する。モニタリング部12cは例えば自己遅延ホモダイン検波により出力光9のコヒーレンス特性をモニタする。これにより得られるモニタリングビート信号に基づいて解析部13は参照信号を生成し、この参照信号に基づいて測定結果を得る。

図17は、図16の光リフレクトメトリ測定装置をより詳細に示す機能ブロック図である。モニタリング部12cに入射されたモニタリング光10は光方向性結合器Dにより2分岐されたのち、いずれも光90度ハイブリッド19に導かれて再び合波される。このとき分岐された一方の光は遅延部14により遅延され、マッハツェンダ光干渉計により他方の光と干渉する。このような過程を経て光90度ハイブリッド19からは互いに位相の90度ずれた2つの干渉光が出力される。

これらの干渉光はそれぞれ受信器15a、15bに入射され、光/電気変換されたうえで検波されて、位相の90度ずれたモニタリングビート信号が生成される。これらのモニタリングビート信号はサンプリング装置16cに入力される。サンプリング装置16cはモニタリングビート信号の波形をサンプリングし、得られたサンプリングデータを解析部13のデータ処理装置18bに入力する。そのサンプリングレートは、解析部13に備わるクロック17のクロックに同期するタイミングである。

一方、測定部11に入射された測定光2は図13と同様の処理を施され、干渉ビート信号がサンプリング装置7に入力される。サンプリング装置7はクロック17のクロックに同期するタイミングで、すなわちサンプリング装置16cと互いに同期する間隔で干渉ビート信号の波形をサンプリングする。これにより得られたサンプリングデータはデータ処理装置18bに入力される。

次に数式を用いて定量的に説明する。周波数掃引光源1の出力光の電界振幅は次の数式(26)で与えられる。

Figure 2008105322

ただし、数式(26)においてAは振幅(常数)であり、f(t)は周波数掃引光源の掃引される光周波数であり、θ(t)は変動する位相項であり、Φ(t)はトータルの位相である。

図17の遅延部14の長さをLとすると、その遅延時間τは次の数式(27)で与えられる。

Figure 2008105322

遅延部14において生じるτの遅延により、データ処理装置18bに入力されるモニタリングビート信号は数式(28)及び数式(29)で表される。

Figure 2008105322

Figure 2008105322

ところで数式(28)及び数式(29)は理想的な場合を示しており、現実の光90度ハイブリッド19では、その内部の光分岐部において理想的な1:1の分岐比を実現することができない。ここではその分岐比をα:βとする。また2つのモニタリングビート信号においても理想的な90度の光位相差を実現することは困難であり、現実的にはψの誤差がある。これを考慮すると2つのモニタリングビート信号は次の数式(30)及び数式(31)で与えられる。

Figure 2008105322

Figure 2008105322

サンプリング装置16cによりサンプリングしたI1(t)、I2(t)をそれぞれI1(t)、I2(t)として示す。各値の直流成分i1、i2はその平均値を取れば求まり、サンプリング数をNとすると直流成分i1、直流成分i2は、次の数式(32)及び数式(33)で与えられる。

Figure 2008105322

Figure 2008105322

すなわち数式(30)の直流成分が数式(32)であり、数式(31)の直流成分が数式(33)である。

光90度ハイブリッド19における内部カプラの分岐比α:βは、数式(32)及び数式(33)をもとに次の数式(34)で与えられる。すなわち分岐比α:βは、サンプリングデータI1(t)、I2(t)の分散として算出することができる。また光90度ハイブリッド19における位相差90度の直交性の誤差ψは、上記分散を用いた統計計算処理により次の数式(35)で与えられる。

Figure 2008105322

Figure 2008105322

求めたカプラの分岐比α:βと位相差の誤差ψを利用し、周波数掃引光源1の位相項は次の数式(36)により求められる。

Figure 2008105322

図18は数式(36)をグラフ化して示す図である。図18(a)に示すように、数式(36)のX(t)は時間tに対して−πから+πまでの値をとるが、最初の+πから−πに折り返す点から次の+πから−πに折り返す点までの区間に順次2πの整数倍を加算することにより、X(t)を図18(b)に示すように断続点の無い滑らかな関数として表すことができる。この関数をX(t)=Φ(t)−Φ(t−τ)と示す。

一方、受信器6から出力される測定信号Y(t)は次の数式(37)で与えられる。

Figure 2008105322

数式(37)においてτFUTは被測定光回路4の距離に対応する往復時間であり、R(τ)は分布反射率に相当する。サンプリング装置7によりサンプリングされた測定信号をY(t)と表示する。

データ処理装置18bは、図18(b)の関数X(t)=Φ(t)−Φ(t−τ)を参照信号として測定信号Y(t)を補正する。その処理を以下に説明する。まず補正処理に先立ち、FFT(高速フーリエ変換)処理に伴うエイリアシングを防止するためにY(t)にアンチエイリアシングフィルタ処理を行う。具体的には低域濾過フィルタ処理をY(t)に施せばよい。このフィルタの通過上限周波数は必要とする測定距離により定まり、フィルタ処理後のY(t)をYAnti−aliasing(t)と表記する。

Y(t)は等間隔でサンプリングされたデータであるので、YAnti-aliasing(t)も等間隔の離散データである。この等間隔のサンプリング間隔を1/W[秒]とする。標本化定理によれば、Y(t)が時間tの関数であるとき、これが0からW/2までの範囲の周波数成分を持ちW/2以上の周波数成分を含まなければ関数全体が一つに決まる。すなわちY(t)を次の数式(38)で表すことができる。

Figure 2008105322

次に、位相項X(t)を利用してYAnti-aliasing(t)をサンプリングする。そのため、まずX(t)が値M・Sをとる時刻を算出し、各時刻を数列tとして求める。ここでMは自然数(M=1,2,3,…)であり、間隔Sはサンプリングレートに関係する量である。具体的には、間隔Sは測定信号YAnti-aliasing(t)をサンプリングするのに必要な、充分なナイキストサンプリングレートもつように設定しなければならない。よって次の数式(39)を満足する必要がある。なお数式(39)においてLFUTは被測定回路の距離である。

Figure 2008105322

数式(39)を利用し、tに時刻の数列tを代入することによって、YAnti-aliasing(t)を求めることができる。そしてYAnti-aliasing(t)の各値に高速フーリエ変換(FFT)処理を行うことによって、伝播距離に応じた各位置の反射率を算出することができる。以上により求められたOFDRによる反射率分布は、光源コヒーレンス長を超えない領域において算出される測定値である。

図19は、図17の光リフレクトメトリ測定装置における処理手順を示すフローチャートである。ステップS420で周波数掃引光源1の光周波数は掃引される。モニタリング部12cは、受信器15a及び受信器15bからそれぞれ出力されるモニタリングビート信号をサンプリングし、サンプリングデータI,Iを内部メモリ(図示せず)などに記録する(ステップS423)。なお受信器15aの出力からのサンプリングデータをI1とし、受信器15bの出力からのサンプリングデータをI2とする。データ処理装置18bはサンプリングデータI1,I2の位相情報を求め、これをもとにデータX(t)を計算する(ステップS425)。

一方、測定部11は、受信器6から出力される干渉ビート信号を同じ間隔でサンプリングし、サンプリングデータY(t)を内部メモリ(図示せず)などに記録する(ステップS424)。最後に、モニタリング部12cからのデータX(t)と測定部11からのデータY(t)とを用いるデータ処理により伝播距離に応じた各位置の反射率が算出される(ステップS426)。次にこのデータ処理手順につき詳しく説明する。

図20は、図19のステップS426における手順を詳しく示すフローチャートである。ステップS426においてデータ処理装置18bは、まず、ステップS425で得られたX(t)を利用して時間数列tを求める(ステップS432)。これと並行してデータ処理装置18bは、ステップS424で得られたY(t)につきNに対応するアンチエイリアシングフィルタを求め、このフィルタ係数を用いてY(t)にフィルタリング処理を施す。すなわちYに、Nに対応する通過上限周波数を持つ低域濾過フィルタ(アンチエイリアシングフィルタ)をかける。これによりYAnti- aliasing(t)を得る(ステップS433)。ここで得られたYAnti-aliasing(t)を数式(38)に当てはめ、さらに時間数列tを数式(38)に代入することによりYAnti-aliasing(t)を計算する(ステップS434)。

そしてデータ処理装置18bは、計算されたYAnti-aliasing(t)に対してFFT処理を行い、伝播距離に応じた測定距離の各位置の反射率の、周波数掃引光源1の非直線性を補正した値を算出する(ステップS435)。最後に、算出されたデータは測定結果として記録される(ステップS436)。

以上説明したようにこの実施形態では、周波数掃引光源1のコヒーレンス特性をモニタするモニタリング部12cを設ける。このモニタリング部12cにおいて光方向性結合器D、遅延部14および光90度ハイブリッド19によりマッハツェンダ光干渉計を形成し、光90度ハイブリッド19から互いに直交するモニタリングビート信号を生じさせてそれぞれのビート信号のサンプリングデータを得る。ここで光90度ハイブリッド19における分岐比と90度直交性の誤差、および各サンプリングデータから周波数掃引光源1の位相項X(t)を算出する。これを参照信号として測定部11のビート信号をサンプリングして、得られた数列にFFT処理を施して測定結果を得るようにしている。

このようにすることで、光90度ハイブリッド19の理想特性からのずれをむしろ積極的に利用して周波数掃引光源1の周波数掃引の非直線性を補正することができる。つまり光90度ハイブリッド19のカプラの分岐比α:βと位相差の誤差とを含む、数式(36)を立数式することができ、これを元に周波数掃引光源1の位相項を算出できる。この位相項が特定の値をとる時間数列tを求めてその値を数式(38)の形の関数に代入することで測定値を補正できることは既に知られており、この実施形態はこのことも利用して、さらに光90度ハイブリッド19の理想特性からのずれをも補正した測定値を得ることが可能になる。これらのことから、OFDRによる周波数掃引光源の光周波数掃引に非直線性がある場合でも、高い距離分解能で実施することの可能な光リフレクトメトリ測定方法および光リフレクトメトリ測定装置を提供することが可能になる。

(第5の実施形態)

第4の実施形態では、光90度ハイブリッド19を利用して位相の90度ずれた2つのモニタリングビート信号を生じさせ、そのビート信号のサンプリングデータを処理して得られる参照信号に基づき周波数掃引光源1の掃引非直線性を補正することができる。ただしその結果は光源コヒーレンス長を超えない領域に限られ、光源コヒーレンス長を超える領域では周波数掃引光源1の位相雑音の影響が支配的になり高い距離分解能を得ることは難しい。以下ではこれを解決し得る実施形態につき説明する。この実施形態においては装置の基本的構成は図17と同様であり、データ処理装置18bにおける処理が異なる。

第4の実施形態においては、数式(36)によりX(t)=Φ(t)−Φ(t−τ)を算出し、これをもとに周波数掃引光源1の非線形性やコヒーレンス特性を補正できるが、補正の度合いが最も良好になるのは被測定光回路4内の往復時間τFUTに対応する箇所においてであり、その箇所を離れるに従って補正精度は劣化する。ただし、被測定光回路4内の往復時間τFUTに対応する距離のN倍(Nは2以上の整数)の距離から後方散乱された信号光5により生じる干渉ビート信号に対し、次の数式(40)に表す位相情報から補正すれば最適であることが知られている。

Figure 2008105322

数式(40)は次の数式(41)のようにして作り出すことができる。

Figure 2008105322

図21は数式(41)を利用して位相情報を新しく作り出すことが可能であることを示す図である。図21は数式(41)の根拠をイメージ的に示すものである。図21の曲線aはモニタリングビート信号の位相X(t)であり、曲線bはτ時間遅延処理をした位相X(t−τ)を表す。この手法すなわち連結生成方法を利用して生成したX2(t)は図21の曲線cに示される。X2(t)=X(t)+X(t−τ)である。なおτは図17の遅延部14の遅延量である。

連結生成方法により順次得られるXN(t)を利用して、第4の実施形態と同様に測定信号Y(t)を補正することができる。ただし周波数掃引光源1の非線形性やコヒーレンス特性を最適に補正される場所はτFUT=Nτに対応する距離である。そこで、被測定光回路4の距離を全てカバーするために、XN(t)を利用できるτFUTが[(N−1/2)τから(N+1/2)τまで]の区間であることに着目する。すなわち補正区間(セクション)は[(2N−1)L/4から(2N+1)L/4まで]となる。補正セクション区間での補正精度が一定な必要な精度に応じて、適切に遅延部14内部の遅延ファイバ長L(すなわち遅延時間τ)をデザインすることで、補正可能な範囲を拡大することができる。

図22は、この実施形態における処理手順を示すフローチャートである。この実施形態では図19のステップS426の処理が異なり、しかもその処理がN回繰り返される点に特徴を有する。まず、N=1であれば第4の実施形態と同様、データX(t)を参照信号としてデータY(t)をサンプリングし(ステップS432からS434まで)、得られた数列にFFT処理を施す(ステップS435)。ステップS435からNをインクリメントして処理手順はステップS431、S433に戻る。

N>1になれば、X(t)に数式(41)を利用してX(t)を生成し(ステップS431)、ステップS432からS435までを再度実施することにより伝播距離に応じた各位置の反射率を得られる。そうして、N回の処理を行った後にそれぞれの測定結果を補正セクション毎に横軸で繋げることによって、0から(2N+1)L/4までの距離での測定を全て実施することができ、その結果を測定結果として記録する(ステップS437)。

以上説明したようにこの実施形態でも、周波数掃引光源1の出力光のモニタリングビート信号を連続関数化して参照信号を生成し、これをサンプリングして得た数列にFFT処理を施して測定結果を得る。その際、τFUTのN倍に対応するセクションごとにXN(t)、すなわち位相項を算出してこれをもとに参照信号を生成するようにしている。

このようにすることで、光源コヒーレンス長を超える測定領域に対しても、干渉ビート信号FFT処理の広がりを防ぐことができる。従って光源コヒーレンス長に制限されることなく、OFDRによる測定を光源コヒーレンス長の超える測定距離で実施することの可能な光リフレクトメトリ測定方法および光リフレクトメトリ測定装置を提供することが可能となる。これらのことから、測定距離によらず高い精度を得ることの可能な光リフレクトメトリ測定方法および光リフレクトメトリ測定装置を提供することが可能となる。

以上をまとめると第4の実施形態および第5の実施形態によれば、周波数掃引光源の光周波数掃引に非直線性がある場合でも、また、周波数掃引光源のコヒーレンス長を超える測定距離においても、OFDRによる反射率の分布を高い距離分解能で実施することの可能な光リフレクトメトリ測定方法および光リフレクトメトリ測定装置を提供することができる。

なお、この発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。

(第6の実施形態)

図23は、リフレクトメトリ測定装置の一例を示す基本構成図である。本実施形態に係る光リフレクトメトリ測定装置は、周波数掃引光源1と、光方向性結合器A及びBと、測定対象としての被測定光回路4と、受信器6と、サンプリング装置7と、解析部としての周波数解析装置8とを備える。光周波数を掃引された出力光9を測定対象としての被測定光回路4に入射し、被測定光回路4における位置に対する反射率の分布を測定する。

周波数掃引光源1は、周波数掃引された出力光9を出力する。周波数掃引光源1の出力する出力光9は光方向性結合器Aにより分岐され、一方は参照光3として用いられ、他方は測定光2として被測定光回路4に入射される。被測定光回路4に入射した測定光2は、被測定光回路4の内部で後方散乱され、後方散乱された測定光2は信号光5として光方向性結合器Aにより取り出される。光方向性結合器Aにより取り出された信号光5は、光方向性結合器Bにより参照光3と合波されたのち受信器6により検波される。受信器6は、2光波の干渉により生じる干渉ビート信号を検波する。そして、サンプリング装置7は、受信器6の検波した干渉ビート信号をサンプリングする。ここで、本実施形態では、サンプリング装置7は、測定信号Yを、遅延部14aの遅延ファイバの長さLShortの1/2倍ごとにサンプリングする。周波数解析装置8は、サンプリング装置7のサンプリングしたサンプリング信号を周波数解析し、被測定光回路4における位置に対する反射率の分布を測定する。ここで、周波数解析装置8はサンプリング装置7のサンプリングレートに応じて測定光2の反射率分布を測定するので、被測定光回路4における測定光2の伝搬距離及び伝搬方向ごとに後方散乱光の光強度分布を測定することができる。これにより、被測定光回路4内の各位置からの後方散乱光強度分布を測定することができる。

ここで、周波数掃引光源1からの出力光9の周波数を時間T、最大光周波数掃引幅ΔFで時間に対して直線的に掃引するとき、被測定光回路4内のある点Xで後方散乱された信号光5により生じる干渉ビート信号の周波数Fは、光周波数掃引速度γ、光の屈折率n、参照光3と点Xで後方散乱された信号光5との光路長差ΔL、および光速cを用いて、次の数式(42)により与えられる。

Figure 2008105322

ただし、γ=ΔF/Tである。また、伝搬距離の分解能Δzは干渉ビート信号のスペクトル幅ΔFを用いて数式(43)により与えられる。

Figure 2008105322

ただし、以上の条件は理想的な場合であり、現状のOFDRにおいては光周波数を良好な直線性で掃引することが困難である。更に、理想的に良好な直線性で掃引しても、測定する伝搬距離が光源コヒーレンス長を超える場合、数式(42)に示す干渉ビート信号の周波数Fは、周波数掃引光源1の位相雑音による影響を受ける。そして、数式(43)における干渉ビート信号のスペクトル幅ΔFは周波数掃引光源1自身のもつ線幅にまで広がり、測定は不可能になる。次にそのことを説明する。

図24は、周波数掃引光源1の位相雑音による測定結果への影響を示すための説明図であり、(a)はパワースペクトラムの測定系を示し、(b)は遅延距離が光源コヒーレンス長よりも十分短い場合のパワースペクトラムを示し、(c)は遅延距離が光源コヒーレンス長よりも十分長い場合のパワースペクトラムを示す。パワースペクトラムの測定系は、図24(a)に示すように、周波数掃引光源20からの光路を2分岐し、一方の光路に光周波数シフタ21を挿入するとともに他方の光路に遅延ファイバ22を設けてマッハツェンダ光干渉計を形成する。遅延距離が光源コヒーレンス長よりも十分短い場合は、図24(b)に示すように、干渉計の光路差に依存せずに、光周波数シフタ21のシフト周波数にデルタ関数状のピークを持つようなパワースペクトラムが受信器23において得られる。遅延距離が光源コヒーレンス長よりも十分長い場合であっても、周波数掃引光源20の出力する測定光が理想的な単色光であれば、図24(b)同様の測定結果となる。しかしながら実際には、周波数掃引光源20のパワースペクトラムは有限の幅を持つ。たとえば、周波数掃引光源20が半導体レーザであれば、位相雑音はFM雑音が支配的になる。この場合、図24(c)に示すように、ローレンツ形状の幅を持つパワースペクトラムになる。

このように、光路差が周波数掃引光源20のコヒーレンス長以内であれば、すなわち信号光の参照光に対する遅延量が周波数掃引光源20から出力される出力光9のコヒーレンス長よりも十分小さければ、出力電流のパワースペクトラムは光周波数シフタ21のシフト周波数にデルタ関数形状のピークを持つようなパワースペクトラムになる。しかし、光路差が周波数掃引光源20のコヒーレンス長よりも大きくなると、すなわち信号光の参照光に対する遅延量が出力光9のコヒーレンス長よりも十分大きくなると、次第にノイズフロアが上昇し、最終的には図24(c)のように、ローレンツ形状のパワースペクトラムになる。したがって、測定する伝搬距離が周波数掃引光源20のコヒーレンス長の1/2を超える場合は、出力電流のパワースペクトラムは、雑音成分が顕著になり、正確な計測が難しくなる。

図25は、本実施形態に係る光リフレクトメトリ測定装置の一例を示す機能ブロック図である。本実施形態に係る光リフレクトメトリ測定装置96は、周波数掃引光源1と、第1コヒーレンスモニタ部12aと、第2コヒーレンスモニタ部12bと、測定部11と、解析部13と、光方向性結合器C及びDを備える。光リフレクトメトリ測定装置96は、第1コヒーレンスモニタ部12a及び第2コヒーレンスモニタ部12bを備えることで、測定部11に備わる測定対象における伝搬方向に対する反射率の分布を、周波数掃引光源1の出力する出力光9のコヒーレンス長の1/2を超える伝搬距離における雑音成分についても補正可能としたことを特徴とする。

光周波数掃引された周波数掃引光源1からの出力光9は、光方向性結合器Cにより、測定光2とモニタリング光10に分岐される。測定光2は測定部11に入射される。モニタリング光10は光方向性結合器Dにより分岐され、第1モニタリング光10aは第1コヒーレンスモニタ部12aに入射し、第2モニタリング光10bは第2コヒーレンスモニタ部12bに入射する。

第1コヒーレンスモニタ部12a及び第2コヒーレンスモニタ部12bは、周波数掃引光源1からの出力光9を分岐したモニタリング光10からモニタリングビート信号IShort及びILongを取得する。第1コヒーレンスモニタ部12a及び第2コヒーレンスモニタ部12bがモニタリングビート信号IShort及びILongを取得することで、出力光9のコヒーレンス特性をモニタする。コヒーレンス特性のモニタは、たとえば、自己遅延ホモダイン検波によって行うことができる。第1コヒーレンスモニタ部12aは、自己遅延ホモダイン検波によって得られたビート信号を、第1モニタリングビート信号IShortとして解析部13に出力する。第2コヒーレンスモニタ部12bは、自己遅延ホモダイン検波によって得られたビート信号を、第2モニタリングビート信号ILongとして解析部13に出力する。

測定部11は、測定部11内における測定対象としての被測定光回路4から後方散乱された信号光と周波数掃引光源1からの出力光9を分岐した参照光との干渉ビート信号を取得する。そして、測定部11は、取得した干渉ビート信号を、測定信号Yとして解析部13に出力する。

解析部13は、第1コヒーレンスモニタ部12a及び第2コヒーレンスモニタ部12bの取得するモニタリングビート信号IShort及びILongから周波数掃引光源1での掃引の非直線性及び周波数掃引光源1の位相ノイズを反映する参照信号X(t)を生成する。また、解析部13は、測定部11からの測定信号Yを演算処理し、出力光9の伝搬距離に対する測定対象における位置に対する反射率の分布を測定する。ここで、本実施形態では、測定対象が被測定光回路4であるので、反射率の分布として、被測定光回路4での後方散乱光強度分布を測定する。そして、解析部13は、測定部11の取得する干渉ビート信号すなわち測定信号Yから算出した反射率の分布を、生成した当該参照信号X(t)に基づき補正する。これにより、解析部13は、生成した参照信号X(t)に基づいて、測定部11内における被測定光回路4での後方散乱光強度分布を補正することができる。

図26は、図25に示す光リフレクトメトリ測定装置96をより詳細に示す機能ブロック図である。測定部11は、被測定光回路4と、受信器6と、サンプリング装置7と、光方向性結合器A及びBと、を備える。測定部11の構成及び機能については、図23で説明したとおりである。測定部11は、図23に示す光リフレクトメトリ測定装置の被測定光回路4、受信器6及びサンプリング装置7と同様に、参照光3と信号光5との干渉ビート信号を検出する。サンプリング装置7は、クロック17に同期するタイミングで、すなわちサンプリング装置16a、16bと互いに同期する間隔で干渉ビート信号の波形をサンプリングする。これにより得られたサンプリングデータは、測定信号Yとして、解析部13のデータ処理装置18cに入力される。

第1コヒーレンスモニタ部12aは、光方向性結合器E及びFと、遅延部14aと、受信器15aと、サンプリング装置16aを備える。第1コヒーレンスモニタ部12aに入射された第1モニタリング光10aは、分配部としての光方向性結合器Eにより2分岐される。遅延部14aは、光方向性結合器Eにより2分岐した分岐光の一方を、第2コヒーレンスモニタ部12bと異なる遅延量で遅延する。ここで、遅延部14aの遅延量は、出力光9のコヒーレンス長である。遅延部14aの遅延量が出力光9のコヒーレンス長に近い長さであれば、出力光9のコヒーレンス特性を検出することができる。光方向性結合器Fは、分配部としての光方向性結合器Eの分岐する分岐光の他方と遅延部14aの遅延する分岐光の一方を合波する。光方向性結合器Fが合波することで、モニタリングビート信号IShortが発生する。受信器15aは、光方向性結合器Fの発生させたモニタリングビート信号IShortを検波する。サンプリング装置16aは、解析部13に備わるクロック17のクロックに同期するタイミングで、受信器15aの検波したモニタリングビート信号IShortの彼形をサンプリングし、サンプリングデータを解析部13のデータ処理装置18cに入力する。

第2コヒーレンスモニタ部12bは、光方向性結合器G及びHと、遅延部14bと、受信器15bと、サンプリング装置16bを備える。第2コヒーレンスモニタ部12bに入射された第2モニタリング光10bは、光方向性結合器Gにより2分岐される。遅延部14bは、分配部としての光方向性結合器Gにより2分岐した分岐光の一方を、第1コヒーレンスモニタ部12aと異なる遅延量で遅延する。ここで、遅延部14bの遅延量は、Kを正の整数とした場合、遅延部14aの遅延量のK倍である。遅延部14bが遅延部14aのK倍の遅延量を有することで、出力光9のコヒーレント長の整数倍の伝搬距離がある場合のコヒーレント特性を検出することができる。光方向性結合器Hは、分配部としての光方向性結合器Gの分岐する分岐光の他方と遅延部14bの遅延する分岐光の一方を合波する。光方向性結合器Hが合波することで、モニタリングビート信号ILongが発生する。受信器15bは、光方向性結合器Hの発生させたモニタリングビート信号ILongを検波する。サンプリング装置16bは、解析部13に備わるクロック17のクロックに同期するタイミングで、受信器15bの検波したモニタリングビート信号ILongの彼形をサンプリングし、サンプリングデータを解析部13のデータ処理装置18cに入力する。

解析部13は、クロック17と、データ処理装置18cを備える。クロック17は、サンプリング装置7、16a及び16bに、共通のクロック信号を出力する。データ処理装置18cは、サンプリング装置7からは測定信号Yのサンプリングデータを、サンプリング装置16aからは第1モニタリングビート信号IShortのサンプリングデータを、サンプリング装置16bからは第2モニタリングビート信号ILongのサンプリングデータを取得する。データ処理装置18cは、第1モニタリングビート信号IShort及び第2モニタリングビート信号ILongに基づいて、後述する数式(53)又は数式(54)で表される参照信号X(t)を生成する。そして、データ処理装置18cは、参照信号X(t)で表される位相情報に基づいて測定信号Yに含まれるノイズ成分を除去することで測定信号Yを補正する。ここで、測定信号Yの補正は、周波数掃引光源1から被測定光回路4内における反射点までの伝搬距離がゼロから長さLShortの3/4倍までのときは、N=1として、参照信号X(t)を用いる。周波数掃引光源1から被測定光回路4内における反射点までの伝搬距離が長さLShortの3/4倍から5/4倍までのときは、N=2として、参照信号X(t)を用いる。同様にして、周波数掃引光源1から被測定光回路4内における反射点までの伝搬距離が長さLShortの(2N−1)/4倍から(2N+1)/4倍までのときは、参照信号X(t)を用いる。そして、補正後の測定信号YにFFT処理を行うことで、被測定光回路4における反射率の分布を伝搬距離ごとに出力する。これにより、位置に対する反射率の分布を測定することができる。

次に、解析部13の補正の原理について、数式を用いて定量的に説明する。周波数掃引光源1の出力する出力光9の電界振幅E(t)は次の数式で与えられる。

Figure 2008105322

数式(44)において、Aは振幅で常数、f(t)は周波数掃引光源1の掃引周波数、θ(t)は変動する位相項、Φ(t)はトータルの位相である。

図25及び図26の遅延部14aに長さLShortの遅延ファイバを設け、遅延部14bに長さLLongの遅延ファイバを設ける。ここで、Kを整数とした場合、長さLLongは、長さLShortのK倍となる。遅延部14aの遅延時間τShortと遅延部14bの遅延時間τLongは、数式(45)と数式(46)で与えられる。

Figure 2008105322

Figure 2008105322

数式(45)で表された遅延部14aでの遅延時間τShortにより、データ処理装置18cに入力される第1モニタリングビート信号IShortは数式(47)で与えられる。また、数式(46)で表された遅延部14bでの遅延時間τLongにより、データ処理装置18cに入力される第2モニタリングビート信号ILongは数式(48)で与えられる。

Figure 2008105322

Figure 2008105322

数式(47)及び数式(48)より、第1モニタリングビート信号の位相XShort(t)は数式(49)のXShort(t)で、第2モニタリングビート信号の位相XLong(t)は数式(50)で与えられる。

Figure 2008105322

Figure 2008105322

図27は、第1モニタリングビート信号の位相XShort(t)の一例を示す時系列グラフである。図27(a)に示すように、第1モニタリングビート信号の位相XShort(t)は、時間(t)に対して−πから+πまでの値を繰り返す。位相XShort(t)が−πから+πとなる区間ごとに2πの整数倍を順次加算することにより、位相XShort(t)を図27(b)に示すような断続点のない滑らかな関数として表すことができる。このようにして求められた位相XShort(t)を、参照信号X(t)の生成に用いる。

次に、Mを自然数(M=1,2,・・・)、Sをクロック17のサンプリングレートとして、位相XShort(t)からM・Sを取る時刻を時間数列tM1として求める。ここで、サンプリングレートSは、測定信号Yをサンプリングする際に必要となる十分なナイキストサンプリングレートをもつように設定しなければならない。このため、まず、測定信号Yに、アンチエイリアシングフィルタ処理を施して、FFT(Fast Fourier Transform)処理のエイリアシングを防止する。具体的には、測定信号Yに対して低域通過濾波フィルタ処理を施す。

低域通過濾波フィルタの通過上限周波数は必要な測定距離に応じて決まる。測定信号Yは等間隔でサンプリングしたデータであるので、低域通過濾波フィルタ処理後の測定信号YnAnti−aliasing1も等間隔の離散データである。この間隔を1/W秒とする。測定信号Yを時間の関数Y(t)とし、これが間隔0秒から間隔W/2秒の範囲の周波数成分をもち、間隔W/2秒以上の周波数成分を含まないとすると、標本化定理によって関数全体が一つに決まる。すなわち、測定信号Y(t)は数式(51)で与えられる。

Figure 2008105322

数式(51)に時間数列tM1を代入することにより、測定信号Y(tM1)を求めることができる。測定信号Y(tM1)にFFT処理を施すことにより、時間軸を空間軸に変換し、伝搬距離に応じた各位置の反射率を算出することができる。

周波数掃引光源1から被測定光回路4内における反射点までの伝搬距離が出力光9のコヒーレント長の1/2以内であれば、数式(49)に示される位相XShort(t)を用いて測定信号Y(t)を補正することができる。そして、本実施形態では、位相XLong(t)を取得することで、周波数掃引光源1から被測定光回路4内における反射点までの伝搬距離が出力光9のコヒーレント長の1/2を超えるときであっても、コヒーレント長の1/2の整数倍である場合は、測定信号Y(t)を小さな誤差で補正することができる。

以下、周波数掃引光源1から被測定光回路4内における反射点までの伝搬距離が出力光9のコヒーレント長の1/2のN倍(Nは整数)であるときの参照信号X(t)について説明する。遅延部14aの遅延ファイバの長さLShortは出力光9のコヒーレント長となっているので、周波数掃引光源1から被測定光回路4内における反射点までの伝搬距離は、片道で延部14aの遅延ファイバの長さLShortの1/2であり、往復で遅延部14aの遅延ファイバの長さLShortと等しくなる。このため、参照信号X(t)は数式(52)で表される。

Figure 2008105322

図27に示す第1モニタリングビート信号の位相XShort(t)の時系列グラフからもわかるように、数式(52)は次の数式(53)で表すことができる。

Figure 2008105322

図28は、参照信号X(t)の一例を示す時系列グラフである。Nが2の場合、参照信号X(t)は、数式(53)より、XShort(t)+XShort(t−τShort)となる。第1モニタリングビート信号の位相XShort(t)が曲線bで表される場合、遅延部14aの遅延時間τShortだけ遅延処理をした第1モニタリングビート信号の位相XShort(t−τShort)が曲線aで表される。参照信号X(t)は、曲線aと曲線bを加算し、曲線cのように作り出すことができる。同様にして、Nが3以上の場合についても、数式(53)より、参照信号X(t)を作り出すことができる。

ここで、遅延部14aの遅延時間τShortの誤差が存在する場合、数式(53)を利用して参照信号X(t)を作り出すと、nの増加に従って参照信号X(t)の誤差が(N−1)回にわたり積み重なる。そこで、遅延部14bの遅延時間τLongを用いて補正する。遅延時間τLongは、数式(46)に示すとおり、遅延時間τShortのK倍であることから、K回積み重ねられる誤差を1回の誤差に低減することができる。遅延時間τLongを用いると、数式(53)は数式(54)で表される。

Figure 2008105322

ここで、Int(N/K)はNをKで除算した商の整数部であり、Mod(N,K)はNをKで除算した商の余りである。数式(54)を利用することで、誤差の積み重なる回数は、N回から[Int(N/K)+Mod(N,K)]回に低減することができる。例えば、Nが32であり、Kが10である場合、誤差の積み重なる回数は5回となる。そのため、周波数掃引光源1から被測定光回路4内における反射点までの伝搬距離が出力光9のコヒーレント長の1/2を超えるときであっても、遅延部14aの遅延ファイバの長さLShortの1/2の整数倍であれば、補正を小さくすることができる。

Mを自然数(M=1,2,・・・)、Sをクロック17のサンプリングレートとして、数式(54)で求めた参照信号X(t)からM・Sを取る時刻を時間数列tMNとして求める。ここで、サンプリングレートSは、測定信号Yをサンプリングする際に必要となる十分なナイキストサンプリングレートをもつように設定しなければならない。このため、まず、測定信号Yに、アンチエイリアシングフィルタ処理を施して、FFT処理のエイリアシングを防止する。具体的には、測定信号Yに対して、数式(55)で表される通過上限周波数をもつ低域通過濾波フィルタ処理を施せばよい。

Figure 2008105322
数式(55)においてMax[dX(t)/dt]は、遅延部14aの遅延ファイバの長さLShortの1/4に対して、(2N−1)倍以上(2N+1)倍以下のデータ全域での最大値を示す。数式(51)の測定信号Yn Anti−aliasing1を測定信号Yn Anti−aliasingNに置き換え、時間数列tMNを代入することにより、測定信号Y(tMN)を求めることができる。さらに、測定信号Y(tMN)にFFT処理を施すことにより、時間軸を空間軸に変換し、伝搬距離に応じた各位置の反射率を算出することができる。そして、周波数掃引光源1から被測定光回路4内における反射点までの伝搬距離が遅延部14aの遅延ファイバの長さLShortの1/2にある点の近傍の測定結果の補正を最適にすることができる。

図29は、サンプリングした測定信号ごとの補正例を示す説明図である。測定信号Yは、遅延部14aの遅延ファイバの長さLShortの1/2倍ごとにサンプリングされている。伝搬距離がゼロから長さLShortの3/4倍までのときは、N=1として、参照信号X(t)を用いる。伝搬距離が長さLShortの3/4倍から5/4倍までのときは、N=2として、参照信号X(t)を用いる。伝搬距離が遅延部14aの遅延ファイバの長さLShortの(2N−1)/4倍から(2N+1)/4倍までのときは、参照信号X(t)を用いる。参照信号X(t)は、数式(53)に示すように、第1モニタリングビート信号の位相XShort(t)のみを用いて表すことができる。この場合は、補正はN回必要になるが、補正に必要となる第1モニタリングビート信号の位相XShort(t)のデータの取得は1回で済む。本実施形態では、参照信号X(t)は、数式(54)に示すように、第1モニタリングビート信号の位相XShort(t)及び第2モニタリングビート信号の位相XLong(t)を用いて表すことができる。この場合は、K回分の補正を1回に減らすことができるので、補正における誤差を減らすとともに、データ処理装置18cの負荷を減らすことができる。

参照信号X(t)、X(t)、・・・X(t)から時間数列tM1、tM2、・・・tMNを求めるにあたり、必要となるサンプリングレートS、S、S、・・・Sは測定信号Y(t)をサンプリングする際のナイキストサンプリングレートに制限されている。参照信号X(t)は長さNLShortの遅延ファイバを入れてビート信号から求めることに相当し、測定信号Y(t)は往復で(2N+1)LShort/2の長さのファイバを測定することになる。このため、ナイキストサンプリングレートを満足するサンプリングレートSは次の数式(56)となる。

Figure 2008105322

本実施形態に係る光リフレクトメトリ測定装置96の動作について、図26及び図30を用いて説明する。図30は、本実施形態に係る光リフレクトメトリ測定方法の一例を示すフローチャートである。本実施形態に係る光リフレクトメトリ測定方法は、光出力ステップS620と、モニタステップS621と、測定ステップS625と、補正ステップS628と、測定結果出力ステップS629を有し、光周波数を掃引される周波数掃引光源1からの出力光を測定対象としての被測定光回路4に入射し、当該測定対象における位置に対する反射率の分布を測定する。

光出力ステップS620では、光周波数を掃引された周波数掃引光源1が出力光9を出力する。

モニタステップS621では、出力光9を分岐したモニタリング光10からモニタリングビート信号IShort及びILongを取得する(ステップS623、S624)。モニタリング光10をモニタリング光10a及び10bに2分岐して第1コヒーレンスモニタ部12a及び第2コヒーレンスモニタ部12bに入射し、入射したモニタリング光10a及び10bをそれぞれ2分岐し、2分岐した分岐光の一方を、第1コヒーレンスモニタ部12aと第2コヒーレンスモニタ部12bで互いに異なる遅延量τShortとτLongで遅延し、分岐光の他方と遅延した分岐光の一方を合波したモニタリングビート信号IShortとILongを取得する。第1コヒーレンスモニタ部12aがステップS623を行い、第2コヒーレンスモニタ部12bがステップS624を行う。ステップS623及びステップS624では、いずれを先に行ってもよいし、同時に行ってもよい。

ステップS623では、第1コヒーレンスモニタ部12aが、受信器15aが第1モニタリングビート信号IShortを出力し、サンプリング装置16aが第1モニタリングビート信号IShortをサンプリングし、不図示の内部メモリにサンプリングデータを記録する。そして、ステップS621では、さらに、データ処理装置18cがステップS626を行う。ステップS626では、解析部13において、データ処理装置18cが、第1モニタリングビート信号IShortのサンプリングデータから、図27(b)に示すような断続点のない連続関数となる第1モニタリングビート信号の位相XShort(t)を計算する。

ステップS624では、第2コヒーレンスモニタ部12bにおいて、受信器15bが第2モニタリングビート信号ILongを出力し、サンプリング装置16bが第2モニタリングビート信号ILongをサンプリングし、不図示の内部メモリにサンプリングデータを記録する。そして、ステップS621では、さらに、データ処理装置18cがステップS627を行う。ステップS627では、解析部13において、データ処理装置18cが、第2モニタリングビート信号ILongのサンプリングデータから、図27(b)に示すような断続点のない連続関数となる第1モニタリングビート信号の位相XLong(t)を計算する。

測定ステップS625では、出力光9を分岐した参照光3と、測定対象としての被測定光回路4から後方散乱された信号光5との干渉ビート信号を取得する。具体的には、測定部11において、受信器6が干渉ビート信号を出力し、サンプリング装置7が干渉ビート信号をサンプリングし、不図示の内部メモリにサンプリングデータを測定信号Yとして記録する。

ここで、モニタステップS621及び測定ステップとS625の順序は問わない。例えば、モニタステップS621の後に測定ステップS625を行えば、受信器6から出力された測定信号Yのデータ処理を迅速に行うことができる。また、測定ステップS625の後にモニタステップS621を行えば、受信器6から測定信号Yが出力された環境での参照信号X(t)で補正を行うことができる。また、測定ステップS625及びモニタステップS621を同時に行えば、測定信号Yが出力された環境での参照信号X(t)を用いて測定信号Yのデータ処理を迅速に行うことができる。

補正ステップS628では、データ処理装置18cは、モニタステップS621で取得したモニタリングビート信号IShort及びILongから周波数掃引光源1での周波数掃引の非直線性及び出力光9に含まれる位相ノイズを反映する参照信号X(t)を生成し、測定ステップS625で取得した干渉ビート信号Yから算出した反射率を、参照信号X(t)に基づき補正する。ここで、反射率の補正は、測定信号Yの広がりを補正することで行う。測定信号Yの広がりの補正は、サンプリング処理とFFT処理を含むデータ処理によって行われる。そして、反射率の補正を、サンプリング回数となるN回にわたり繰り返す。ここで、サンプリングは、遅延部14aの遅延ファイバの長さLShortの1/2倍ごとに行われているので、信号光5の伝搬距離に応じて、遅延部14aの遅延ファイバの長さLShortの1/2倍ごとに補正を繰り返す。これにより得たN回目のデータFFTは記録される。

測定結果出力ステップS629では、データ処理装置18cは、FFT、FFT、・・・FFTを利用して、測定光2の反射率を計算する。

図31は、補正ステップの一例を示すフローチャートである。補正ステップS628では、参照信号算出ステップS630と、サンプリングレート算出ステップS631と、時間数列算出ステップS632と、アンチエイリアシングフィルタ処理ステップS633と、測定信号算出ステップS634と、FFT処理ステップS635と、距離記録ステップS636を有する。ここで、参照信号算出ステップS630と、サンプリングレート算出ステップS631と、時間数列算出ステップS632の順序は問わない。

参照信号算出ステップS630では、データ処理装置18cが、ステップS626で得られた第1モニタリングビート信号の位相XShort(t)を数式(53)に当てはめて参照信号X(t)を計算する。ここで、データ処理装置18cは、ステップS626で得られた第1モニタリングビート信号の位相XShort(t)及びステップS627で得られた第2モニタリングビート信号の位相XLong(t)を数式(54)に当てはめて参照信号X(t)を計算することが好ましい。

サンプリングレート算出ステップS631では、データ処理装置18cは、参照信号算出ステップS630と並行して、数式(56)を用いてサンプリングレートSを計算する。そして、時間数列算出ステップS632では、参照信号X(t)からM・Sに等しい時刻を時間数列tMNとして求める。

一方、アンチエイリアシングフィルタ処理ステップS633では、ステップS625で得られたサンプリングデータYにつき、Nに対応するアンチエイリアシングフィルタを求め、このフィルタ係数を用いてサンプリングデータYにフィルタリング処理を行う。すなわち、サンプリングデータYに、Nに対応する数式(55)の特性を有する通過上限周波数をもつ低域通過濾波フィルタをかける。これにより、測定信号Yn Anti−aliasing Nを得る。

そして、測定信号算出ステップS634では、時間数列算出ステップS632で求めた時間数列tMNを利用して、時刻tMNごとの測定信号Yn Anti−aliasingNである測定信号Y(tMN)を計算する。測定信号Y(tMN)は、数式(51)に測定信号Yn Anti−aliasingN及び時間数列tMNを代入することで算出することができる。

FFT処理ステップS635では、算出された測定信号Y(tMN)に対してFFT処理を行う。距離記録ステップS636では、FFT処理ステップS635でFFT処理を行った測定信号Y(tMN)のうち、図26に示す周波数掃引光源1から被測定光回路4内における反射点までの伝搬距離ごとにFFTとして記録する。N=1のとき、図26に示す周波数掃引光源1から被測定光回路4内における反射点までの伝搬距離が長さLShortの0倍から3/4倍までに対応するものを、データFFTとして記録する。N>1のとき、図26に示す周波数掃引光源1から被測定光回路4内における反射点までの伝搬距離が長さLShortの(2N−1)/4倍から(2N+1)/4倍までに対応するものを、データFFTとして記録する。

以上のように、補正ステップS628では、ステップS630、S631、S632、S633、S634、S635、S636を一連の処理を行う。そして、当該一連の処理をN回繰り返すことにより、データFFT、FFT、・・・FFTを取得する。取得したデータFFT、FFT、・・・FFTをグラフ上の横軸でつなげることによって、0から(2N+1)LShort/4までの伝搬距離での測定対象における位置に対する反射率の分布を測定することができる。

以上説明したように、本実施形態では、周波数掃引光源1のコヒーレンス特性をモニタリングする第1コヒーレンスモニタ部12aと第2コヒーレンスモニタ部12bを設け、そのモニタリングの結果に基づいて測定部11における測定結果を補正するようにしている。すなわち、第1コヒーレンスモニタ12aと第2コヒーレンスモニタ部12bにおいて自己遅延ホモダイン検波により周波数掃引光源1の出力する測定光のモニタリングビート信号を生じさせ、モニタリングビート信号から参照信号を生成し、生成した参照信号に基づき測定信号Yをサンプリングして、得られた数列にFFT処理を施して測定結果を得られるようにしている。

このようにすることで、光源コヒーレンス長を超える伝搬距離に対しても、干渉ビート信号をFFT処理した結果が発散的に広がることを防ぐことができる。したがって、光源コヒーレンス長による制限を受けることなく、OFDRによる測定を光源コヒーレンス長の超える伝搬距離で実施することの可能な光リフレクトメトリ測定方法及び光リフレクトメトリ測定装置を提供することができる。すなわち、OFDRによる光源コヒーレンス長を超える伝搬距離で実施することの可能な光リフレクトメトリ測定方法及び光リフレクトメトリ測定装置を提供することが可能となる。

なお、この発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。例えば、図26に示す解析部13において、第1モニタリングビート信号又は第2モニタリングビート信号に乗算する手段、または、三角関数を計算する手段を利用して、参照信号X(t)を作り出し、測定信号Yを補正してもよい。

また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。

Claims (20)


  1. 光周波数を掃引される周波数掃引光源からの出力光を測定対象に入射してこの測定対象における反射率の伝播方向に対する分布を測定する光周波数領域リフレクトメトリ測定方法(OFDR)である光リフレクトメトリ測定方法において、

    前記出力光のコヒーレンス特性をモニタし、

    前記出力光と前記測定対象からの後方散乱光との干渉ビート信号を検出し、

    前記干渉ビート信号に基づく測定結果を前記出力光のコヒーレンス特性に基づき補正することを特徴とする光リフレクトメトリ測定方法。

  2. 前記周波数掃引光源からの出力光を2分岐する光干渉計の一方の分岐路の光を遅延させ他方の分岐路の光と合波してモニタリングビート信号を生成し、

    このモニタリングビート信号の位相を示す参照信号を生成し、

    この参照信号を用いて前記干渉ビート信号の広がりを補正することを特徴とする請求項1に記載の光リフレクトメトリ測定方法。

  3. 前記モニタリングビート信号の位相を示す位相関数と、この位相関数の時間軸を前記一方の分岐路の遅延量の整数倍遅延して生成した関数とを加算して前記参照信号を生成することを特徴とする請求項2に記載の光リフレクトメトリ測定方法。

  4. 前記モニタリングビート信号の位相をX1(t)とし、前記遅延量をτcとし、次式のXN(t)を前記参照信号とすることを特徴とする請求項3に記載の光リフレクトメトリ測定方法。

    Figure 2008105322

  5. 1(t)の時間微分をX′1(t)とし、XN(t)の時間微分をX′N(t)としたとき、前記モニタリングビート信号のビート周波数が前記周波数掃引光源からの距離に対してX′1(t)/X′N(t)に比例することを利用して、前記ビート周波数を補正することを特徴とする請求項4に記載の光リフレクトメトリ測定方法。

  6. 前記モニタリングビート信号をベースバンド化し、得られたベースバンド信号をリサンプリングして前記測定結果を補正することを特徴とする請求項5に記載の光リフレクトメトリ測定方法。

  7. 測定対象における反射率の伝播方向に対する分布を光周波数領域リフレクトメトリ測定方法(OFDR)により測定する光リフレクトメトリ測定装置において、

    光周波数を掃引される周波数掃引光源と、

    この周波数掃引光源の出力光のコヒーレンス特性をモニタするモニタ部と、

    前記出力光と前記測定対象からの後方散乱光との干渉ビート信号を検出する測定部と、

    前記干渉ビート信号に基づく測定結果を前記出力光のコヒーレンス特性に基づき補正する解析部とを具備することを特徴とする光リフレクトメトリ測定装置。

  8. 前記周波数掃引光源からの出力光を2分岐して一方の分岐路の光と他方の分岐路の光とを合波してモニタリングビート信号を生成する光干渉計と、

    前記一方の分岐路の光を遅延させる遅延部とを備え、

    前記解析部は、

    前記モニタリングビート信号の位相を示す参照信号を生成し、

    この参照信号を用いて前記干渉ビート信号の広がりを補正することを特徴とする請求項7に記載の光リフレクトメトリ測定装置。

  9. 前記解析部は、前記モニタリングビート信号の位相を示す位相関数と、この位相関数の時間軸を前記一方の分岐路の遅延量の整数倍遅延して生成した関数とを加算して前記参照信号を生成することを特徴とする請求項8に記載の光リフレクトメトリ測定装置。

  10. 前記解析部は、

    前記モニタリングビート信号の位相をX1(t)とし、前記遅延量をτcとし、次式のXN(t)を前記参照信号とすることを特徴とする請求項9に記載の光リフレクトメトリ測定装置。

    Figure 2008105322

  11. 前記解析部は、

    1(t)の時間微分をX′1(t)とし、XN(t)の時間微分をX′N(t)としたとき、前記モニタリングビート信号のビート周波数が前記周波数掃引光源からの距離に対してX′1(t)/X′N(t)に比例することを利用して、前記ビート周波数を補正することを特徴とする請求項10に記載の光リフレクトメトリ測定装置。

  12. 前記解析部は、

    前記モニタリングビート信号をベースバンド化し、得られたベースバンド信号をリサンプリングして前記測定結果を補正することを特徴とする請求項11に記載の光リフレクトメトリ測定装置。

  13. 光周波数を掃引される周波数掃引光源からの出力光を測定対象に入射してこの測定対象における反射率の伝播方向に対する分布を測定する光周波数領域リフレクトメトリ測定方法(OFDR)である光リフレクトメトリ測定方法において、

    前記出力光を分岐して得たモニタリング光から前記掃引の非直線性を反映する参照信号を生成するモニタステップと、

    前記出力光と前記測定対象からの後方散乱光との干渉ビート信号を一定周期でサンプリングしてサンプリングデータを得る検出ステップと、

    前記干渉ビート信号に基づき測定される前記反射率の分布を前記参照信号に基づき補正する補正ステップとを具備し、

    前記モニタステップは、

    前記モニタリング光を2分岐した一方の分岐光を遅延部で遅延したのち双方の分岐光を光90度ハイブリッドに入射して自己遅延ホモダイン検波して、互いに直交する第1および第2のモニタリングビート信号を生成し、

    前記第1および第2のモニタリングビート信号を前記一定周期でサンプリングして得たデータのそれぞれの分散をもとに前記光90度ハイブリッドにおける分岐部の分岐比の誤差を算出し、

    前記分散を用いた統計計算処理により前記光90度ハイブリッドにおける90度直交性の誤差を算出し、

    前記算出した分岐比の誤差と、90度直交性の誤差と、前記第1および第2のモニタリングビートとを用いて前記参照信号を生成し、

    前記参照信号が規定値をとる時刻の数列を算出し、

    前記補正ステップは、

    前記サンプリングデータから標本化定理を用いて連続関数を生成し、

    前記連続関数に前記時刻の数列を代入して得た値をフーリエ変換して前記反射率の分布を補正した値を得ることを特徴とする光リフレクトメトリ測定方法。

  14. 前記モニタステップは、前記モニタリング光の位相を示す位相関数と、この位相関数の時間軸を前記遅延部における遅延量の整数倍遅延して生成した関数とを加算して前記参照信号を生成することを特徴とする請求項13に記載の光リフレクトメトリ測定方法。

  15. 測定対象における反射率の伝播方向に対する分布を光周波数領域リフレクトメトリ測定方法(OFDR)により測定する光リフレクトメトリ測定装置において、

    光周波数を掃引される周波数掃引光源と、

    この周波数掃引光源の出力光を分岐したモニタリング光を入射されるモニタ部と、

    前記出力光と前記測定対象からの後方散乱光との干渉ビート信号を一定周期でサンプリングしてサンプリングデータを得る測定部と、

    前記干渉ビート信号に基づき測定される前記反射率の分布を前記参照信号に基づき補正する解析部とを具備し、

    前記モニタ部は、

    前記モニタリング光を2分岐する分配部と、

    前記分配された一方の分岐光を遅延する遅延部と、

    前記遅延された分岐光と前記分配された他方の分岐光とが入射され、互いに直行する第1および第2のモニタリングビート信号を生成する光90度ハイブリッドと、

    前記第1および第2のモニタリングビート信号を前記一定周期でサンプリングしてサンプルデータを得るサンプリング装置とを備え、

    前記解析部は、

    前記第1および第2のモニタリングビート信号を前記一定周期でサンプリングして得たデータのそれぞれの分散をもとに前記光90度ハイブリッドにおける分岐部の分岐比の誤差を算出し、

    前記分散を用いた統計計算処理により前記光90度ハイブリッドにおける90度直交性の誤差を算出し、

    前記算出した分岐比の誤差と、90度直交性の誤差と、前記第1および第2のモニタリングビートとを用いて前記掃引の非直線性を反映する参照信号を生成し、

    前記参照信号が規定値をとる時刻の数列を算出し、

    前記サンプリングデータから標本化定理を用いて連続関数を生成し、

    前記連続関数に前記時刻の数列を代入して得た値をフーリエ変換して前記反射率の分布を補正した値を得ることを特徴とする光リフレクトメトリ測定装置。

  16. 前記解析部は、前記モニタリング光の位相を示す位相関数と、この位相関数の時間軸を前記遅延部における遅延量の整数倍遅延して生成した関数とを加算して前記参照信号を生成することを特徴とする請求項15に記載の光リフレクトメトリ測定装置。

  17. 光周波数を掃引される周波数掃引光源からの出力光を測定対象に入射し、当該測定対象における位置に対する反射率の分布を測定する光リフレクトメトリ測定方法であって、

    前記出力光を分岐したモニタリング光からモニタリングビート信号を取得するモニタステップと、

    前記測定対象から後方散乱された信号光と前記出力光を分岐した参照光との干渉ビート信号を取得する測定ステップと、

    前記モニタステップで取得したモニタリングビート信号から前記掃引の非直線性及び前記周波数掃引光源の位相ノイズを反映する参照信号を生成し、前記測定ステップで取得した干渉ビート信号から算出した前記反射率の分布を、当該参照信号に基づき補正する補正ステップを具備し、

    前記モニタステップにおいて、

    前記モニタリング光を2分岐して第1コヒーレンスモニタ部及び第2コヒーレンスモニタ部に入射し、

    前記入射した光をそれぞれ2分岐し、

    前記2分岐した分岐光の一方を、前記第1コヒーレンスモニタ部と前記第2コヒーレンスモニタ部で互いに異なる遅延量で遅延し、

    前記分岐光の他方と前記遅延した前記分岐光の一方を合波したモニタリングビート信号を取得することを特徴とする光リフレクトメトリ測定方法。

  18. 前記第1コヒーレンスモニタ部の前記遅延量をτShortとし、前記第1コヒーレンスモニタ部の取得する前記モニタリングビート信号の位相をXShort(t)とし、前記第2コヒーレンスモニタ部の前記遅延量をτLongとし、前記第2コヒーレンスモニタ部の取得する前記モニタリングビート信号の位相をXLong(t)とすると、前記遅延量τLongは前記遅延量τShortのK倍(Kは整数)であり、

    NをKで除算した商の整数部をInt(N/K)、NをKで除算した商の余りをMod(N,K)として、前記参照信号X(t)が、次の数式で表されることを特徴とする請求項17に記載の光リフレクトメトリ測定方法。

    Figure 2008105322

  19. 光周波数を掃引された出力光を測定対象に入射し、当該測定対象における位置に対する反射率の分布を測定する光リフレクトメトリ測定装置であって、

    前記出力光を出力する周波数掃引光源と、

    前記周波数掃引光源からの出力光を分岐したモニタリング光からモニタリングビート信号を取得する第1コヒーレンスモニタ部及び第2コヒーレンスモニタ部と、

    前記測定対象から後方散乱された信号光と前記周波数掃引光源からの出力光を分岐した参照光との干渉ビート信号を取得する測定部と、

    前記第1コヒーレンスモニタ部及び前記第2コヒーレンスモニタ部の取得するモニタリングビート信号から前記掃引の非直線性及び前記周波数掃引光源の位相ノイズを反映する参照信号を生成し、前記測定部の取得する干渉ビート信号から算出した前記反射率の分布を当該参照信号に基づき補正する解析部と、を具備し、

    前記第1コヒーレンスモニタ部及び前記第2コヒーレンスモニタ部は、

    前記モニタリング光を2分岐する分配部と、

    前記分配部の分岐する分岐光の一方を、前記第1コヒーレンスモニタ部と前記第2コヒーレンスモニタ部で互いに異なる遅延量で遅延する遅延部と、

    前記分配部の分岐する分岐光の他方と前記遅延部の遅延する分岐光の一方とを合波したモニタリングビート信号を取得する受信器と、を備えることを特徴とする光リフレクトメトリ測定装置。

  20. 前記第1コヒーレンスモニタ部における前記遅延部の生じさせる遅延量をτShortとし、前記第1コヒーレンスモニタ部における前記受信器の取得するモニタリングビート信号の位相をXShort(t)とし、前記第2コヒーレンスモニタ部における前記遅延部の生じさせる遅延量をτLongとし、前記第2コヒーレンスモニタ部における前記受信器の取得するモニタリングビート信号の位相をXLong(t)とすると、前記遅延量τLongは前記遅延量τShortのK倍(Kは整数)であり、

    NをKで除算した商の整数部をInt(N/K)、NをKで除算した商の余りをMod(N,K)として、前記参照信号X(t)が、次の数式で表されることを特徴とする請求項19に記載の光リフレクトメトリ測定装置。

    Figure 2008105322
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